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カオリンクエスト

カオリンクエスト2-8

翌朝早く。
中澤「あ〜あ、あんまり眠れへんかったわ。矢口、どないしてるやろ・・・。」
矢口の部屋へ様子を見に行く中澤。

中澤「おーい矢口ー!起きとるかー?」
いきなり矢口の部屋のドアを開けた中澤。

中澤「・・・っ!?お前誰やねん!?」

一体矢口の身に何が!?

そこにはぐーすか眠る、真っ青な大女の姿が・・・。

中澤「矢口!!矢口はどないしたんや!!!」
???「。。むにゃむにゃ。。まだ眠いよ〜。。。」
中澤「何をゆうてんねん!!矢口はどこや!!」
???「ゆうこ〜、うるさいよ。。。」
中澤「・・・まさか・・・矢口か?」

矢口が巨大化???

矢口「うぎゃああああああ!!!」
矢口の悲鳴は牧場中に響き渡った。
その悲鳴を聞きつけ、寝ていた一同は矢口の部屋に続々と集まってきた。

りんね「こんなの・・・」
ナッチー「見たことないべ・・・」
よっすぃー「っていうか私より大きくなりましたね・・・」
Д<「驚きやな・・・」
涙ぐみ、矢口(巨)にしがみつく中澤。
中澤「ああ〜・・・ウチの可愛い矢口を返してえな・・・(涙」

ヨシターケ「・・・これは・・・試練だべ。」
一同「試練!!??」

ヨシターケ「この地方に伝わる古くからの言い伝えでな・・・」

いたづら好きの雪の妖精が毎年一番小さな子供を選び、子供の心を奪って食べてしまう。
心を食べられた子供は二度と子供に戻ることが出来ない。
子供に戻るには、雪の妖精のところに行き、2日以内に心を取り戻さなくてはならない。

ヨシターケ「というわけなんだけども・・・ ホントにとられたのは初めてだべな。」
よっすぃー「でも・・・矢口さんは小さいだけで一応心は大人だったよね・・・」
ナッチー「ってことはどうなるんだべか・・・」
矢口「・・・」
応えない矢口(巨)。やがて矢口(巨)は白目をむいて倒れてしまった。
ヨシターケ「まずいべ!!2日以内に大人の心を取り戻さないと、氏んでしまう・・・」
Д<「雪の妖精いうのはどこにおるのや!?」
ヨシターケ「この島の一番北・・・。ワッカーナイに居るといわれてるけども・・・」
中澤「決まった!!急いでワッカーナイに行くで!!」

中澤にたたき起こされ、しぶしぶ旅装を整えるごま。
ごま「。。。眠い。。。」
保田「それどころじゃないわよ。さっさと行きましょう」
Д<「あれ?勇者はんとつじがおらへんな・・・。」
りんね「なんか足跡がありますよ・・・どこへ行ったのかな・・・」
中澤「しゃあない、カオリ抜きでなんとかやってみよ。」
よっすぃー「(・・・飯田さん・・・)」

石川「あれー、みなさんどこへ行くんですか〜?チャーミーも行きまーす
一同「・・・・」
石川「(キャッ、怖い・・・何で?)」

焦りからギスギスする一同と、相変わらず空気が読めない石川。
果たして、矢口を救うことが出来るのか?

Д<「ワッカーナイ?わっかんなーい!ポッポー!!!」
ごま「あはははは、あいぼん、馬鹿じゃないの?あはっ」

保田「ったく、石川といいこいつらといい、何でこんなに緊迫感がないのか・・・」


その後一日かけて、一同はワッカーナイへたどり着いた。

保田「ワッカか…。この辺に来るのは久しぶりね」
石川「お師匠様はここへ来たことが?」
保田「うん…。以前の旅でこのあたりに来たことがあるのよ」
後藤「ここらがモンスターから集中攻撃を浴びてたんだよね〜。全部倒したけど」
よっすぃー「それは…まだ私がパーティーにいないころのことですね」
保田「モンスターを倒したまではよかったけど、この近辺は犠牲者も多かったのよ」
後藤「特に、手稲…だったかな。あの地方は一番犠牲者が多かったね…」

4人が話していると、ふいに中澤が声をかけてきた。
中澤「おーい圭坊、この辺のこと知ってるんやったら妖精のいる場所とかわからへんのー?」
保田「流石にそこまではわからないわよ。…あ、そういえば…」
中澤「心当たりがあるんか?」
保田「確かここの近くに神殿があったはずよ。そこに行けば…」
後藤「ああ、手がかりがあるかもね。行ってみよっか」

一同は保田と後藤に言われた神殿に向かった。

一同は何故か雪山を歩いていた。

Д<「いやホンマに…何故雪山を歩いてるんや?」
石川「疲れましたよ〜…」
保田「仕方ないでしょ。直線距離で考えれば近いのよ」
後藤「こういう地形だから私達も神殿には行かなかったんだよねー」
中澤「ほら、急いで登るで!矢口の命はあと一日しか持たへんのやから…」
矢口「はぁーあ…。あと一日か…」
Д<「呪いを再認識して更に落ち込んでるで」
ナッチー「余計なお世話ってやつだべ」
中澤「う、うっさいわ!とにかく登るで!」
一同はひたすら山の上の神殿に向かっていった。

そのとき、獣の鳴き声のようなおかしな音が山に響いた。
石川「…何か聞こえませんでした?」
ナッチー「動物の鳴き声みたいだったべ…」
保田「…この鳴き声って…」
よっすぃー「もしかして…『あれ』ですかね…」
後藤「…だね…」

???「ゴゥオッホァァァァ!!」
突然、何者かが飛び掛ってきた!

矢口の呪いのタイムリミット、残り20時間。

よっすぃー「そこかっ!」
よっすぃーは飛び掛ってきた相手に向かって刀を振った!
しかし、間一髪で攻撃を避けられる!

ナッチー「こ…こいつはなんだべ!?」
保田「魔獣『ゴリヤナギ』よ。厄介な奴に目をつけられたわ…」
石川「話に聞いたことがあります。確か魔界の魔物の血を引いてるとか…」
後藤「そう、魔界の魔物ゴリヤナギがこっちの世界で繁殖したってところかな」
保田「見る限り第一形態ね。よかったわ、まだ進化してなくて…」
よっすぃー「第二形態で断崖絶壁を登れるようになり、第三形態は空を飛べるんですよね」
中澤「とにかく、片付けるで!こっちは人数で勝ってるんや!」

中澤は自慢の大刀でゴリヤナギに斬りかかった!
しかしゴリヤナギはそれを回避し、まっすぐにあいぼん目掛けて突っ込んできた!
Д<「なんでウチなんや〜!」
ゴリヤナギの体当たり!あいぼんはギリギリでかわした!
しかし、そこに足場はなかった。
Д<「うな〜〜!!」
あいぼんは山の下のほうへ急降下していった!
保田「よっすぃー、あんたなら追いつける!助けに行って!」
よっすぃー「わかってます!」
よっすぃーは目にも止まらぬスピードであいぼんの落ちていった方へ向かった。

ナッチー「今のタックル、前の四天王以上のパワーとスピードだったべ…」
後藤「当たらずに下に落ちて正解だったね」
中澤「早く片付けるで。時間があらへんわ…」

矢口の呪いのタイムリミット、残り19時間50分。

保田「じゃあ、一気に片付けるよ!裕ちゃん!バイキルトッ!!」
中澤の攻撃力が2倍になった!!
石川「ピオリムッ!」
ナッチーの素早さが2倍になった!!

ごま「メ・ラ・ゾ・ー・マ!フィンガーフレアボムズ!!」
ごまの右手の指一本一本にメラゾーマの炎が宿り、さらにそれを一気に放出する!
そしてその火球と同時に中澤が飛び出す!!
中澤「一文字流、斬岩剣!!」
中澤の太刀がごまのメラゾーマと一体になる!!
ゴリヤナギ「ウホッ!?」
ゴリヤナギは攻撃をかわそうとするが、そこにはすでにナッチーが回り込んでいた!
ナッチー「どっせーい!!」
強烈な張り手!!
ゴリヤナギに421のダメージ!!
そして怯んだゴリヤナギは次の攻撃をかわせない。
中澤「うりゃあ!!」
中澤のメラゾーマを纏った強烈な斬撃がヒット!
ゴリヤナギに2568のダメージ!!
ゴリヤナギ「ゴホー!!」
ゴリヤナギは倒れた!
保田「よっしゃ!!」
ごま「うん!超超超いい感じ!!」
矢口「す、すげえ!」
ナッチー「まあこんなもんだべ!」
石川「皆さん、さすが!(私のアシストも誰か誉めてくれないかしら・・・)」

そしてよっすぃーも無事加護をつれて戻ってきた。
よっすぃー「・・・。どうやら一瞬でカタがついたみたいですね・・・
      (しかしこの斬撃の太刀筋は、やはり中澤さんって・・・)」
中澤「ぐずぐずしてる暇はないで、ウチの矢口を・・・元通りにするために!」
Д<「も、燃えとるな・・・」

矢口の呪いのタイムリミット、残り19時間40分。


そして一同は神殿に着いた。

保田「…というのは良しとして…」
よっすぃー「…何の気配もありませんね」
ナッチー「ということはここに妖精はいない…」
石川「つまりゴリヤナギを倒したのは…」
中澤「無意味やった、と…」

一同「……やられた!」

Д<「誰や!神殿に行けば妖精が居る言うたのは!」
保田「手がかりがあるかもって言っただけよ!」
ナッチー「あんな山登ったのにこんなオチなんて納得いかないべ!」
石川「皆さん落ち着いてください〜」
中澤「ここで言い争ってる暇はあらへんで!もう時間が…」
矢口「ふぅ…(ぱたり)」
Д<「ショックのあまりにまた気絶したみたいやな…」
中澤「おい矢口!しっかりするんや!」
保田「さて、どうするか…」
よっすぃー「とりあえず神殿の中をまわって見ましょう。このあたりでそれらしい建物は
       この神殿しかないわけですから、何か手がかりがあるはずです」
ごま「そうだね。とりあえず動くのが一番だよ」

ということで、神殿探索が始まった。

ごま「やっぱり退屈だなー。人気がないし敵もいないしつまんなーい」
保田「ほら、ボサっとしないの。矢口の命が懸かってるんだから」
ごま「あ、そういえばよっすぃーは?さっきまで3人だったのに…」
保田「上の階を探ってみるとか言って登っていったわよ。あんた聞いてなかったの?」
ごま「よっすぃー上に行ったんだ。じゃあ私も行こっと!」
ごまは二階へ上がっていった。
保田「全くあいつは…。よっすぃーとベタベタしてばっかりなんだから」
保田は回りの探索を再開した。


場所は二階、ずっと奥のフロア。

石川「う〜ん、何もないなぁ…」
その時、石川の横にいたシバタがつぶやいた。
シバタ「…なんだか懐かしい気配がする…」
石川「懐かしい気配って?」
シバタ「多分…私と同じ種族の生き残りだと思う」
石川「そっか、シバちゃんと同じ種族の…。って、まさか妖精!?」
シバタ「うん。多分近くにいるよ」
石川「ここには妖精がいるんだ…。シバちゃん、そこに案内して!」
シバタ「わかった、こっちだよ!」

思わぬ手がかりを発見した石川。

しばらく走っていると、ふいにシバタの動きが止まった。

石川「…ここなの?」
シバタ「多分そうだと思う…」
そのとき、シバタは突然大声で叫んだ!
シバタ「マサエちゃ〜〜〜ん!!」

石川「…返事ないね〜…」
シバタ「おかしいなー…。ここらへんに気配を感じたんだけど」
二人がその場をさろうとした瞬間、聞きなれない声が聞こえてきた!
???「はーーい!!」

シバタ「マサエちゃん、久しぶり!」
マサエ「こちらこそ、久しぶり!なんでこの大陸にいるの?」
シバタ「それなんだけど、かくかくしかじか…」

マサエ「ふーん…。で、何で私を探してたの?」
石川「そのことなんですけど、かくかくしかじか…」

マサエ「…ごめん、よくわからなかった。もう一回…」
石川「だから、かくかくしかじか…」

マサエ「…ホントにごめん、よくわからない…」
石川「だから…」

その後、マサエに話を理解させるまでに1時間ほど費やした石川だった。

マサエ「つまり話をまとめると…呪いを解きたいんだね?」
石川「そういうことです!」
シバタ「(なんで一時間もかけて伝えたんだろう…)」
マサエ「うん、解けると思う。古い呪いだけど、それは何度か解いたことがあるから」
石川「本当!?それじゃあ今すぐ矢口さんのところへ…」
マサエ「ところで…残りのタイムリミットはどのくらいなの?」
石川「あれから結構経ってるから…、多分あと半日くらいかな」
マサエ「半日…?随分長いことほっといたんだね」
石川「え?かなり急いできたんだけど…。2日しかもたないし…」
マサエ「2日?確かその呪いは一週間の猶予があったはず…」
シバタ「ちょっと呪いのタイプが違うのかもね」
マサエ「半日をあれば普通は治せるけど、ちょっと気にかかるな…。
     石川さん、すぐにその人のいる場所に案内して!」
石川「うん!」

石川とシバタはマサエを連れてもと来た道を引き返した。


保田(ったくほんとに何にも無いわねっ。
   それに他の連中はいったい何やってるのかしら?)
その時、通路の奥に光るものを見つけた。
保田(あっ宝箱ね。やったわ。でも、、これ、、、)
ギチギチ、、、
保田(やっぱり。古いから錆びついてるのか、
   鍵でもかかってんのか、よくわかんないけど開かない。
   あたしアバカム使えないんだよー。こんな時にごまはいないし。)
保田「インパス!」
宝箱は青く輝いた。
保田(やっぱアイテムじゃん。っかー、、ついてるんだかついてないんだか。
   しょうがない。持ち歩くにはちょっと重いし、場所だけ覚えておくか。)
保田は宝箱をあとにした。


ごま「よっすぃー、もう4階だよお。」
よっすぃー「そうだねごっちん。なんか、見た目より全然広いねえ。」
ごま「その割になんにも無いしねえ。。
   しかもあたし、だんだん道がわかんなくなってきちゃったよ。」
よっすぃー「実はあたしもー。迷子になったらどうしよっか?」
ごま「大丈夫だよ。上に来たんだから下に降りれば。」
よっすぃー「そっかー。」
ごま「なんか、、こうなんにも無いと、、、」
よっすぃー「眠くなっちゃうんだよねーごっちんは。」
ごま「、、そう、、、」
よっすぃー「あ、今は寝ちゃダメ寝ちゃダメ。出番出番。」
ごま「んあ?」
よっすぃー「ほら、なんか扉で道がふさがってる。
   鍵がかかってるみたい。よろしくねごっちん。」
ごま「おっけー。いくよ。アバカム!!、、、ふーーんっ!」
ギリギリギリギリ、、、、バキッ!!
ごま「開いたよー。よっすぃー。」
よっすぃー「サンキュー。さすがごっちん。
   (ってこれ、いつ見ても腕力でこじ開けたようにしか見えないんだよね)
   さ、先へ進もう。」


ナッチー「腹へったべさー。腹がへってはなんとやらだべさー。辛いっしょ。。」
Д<「今朝からなんも食ってへんしなー。随分歩きまわったし。。」

ナッチー「ナッチーは満腹度がゼロになると、
   極端に衰弱し始めて氏んでしまうべさ。もう10%切ってるっしょ。ヤバイべさ。」
Д<「!!、自分、、そんなゲージあったんか?」

ナッチー「あ!パンが落ちてるっしょ!!」
いそいでパンにかけつけるナッチー。
ナッチー「やったべさ!大きいパンだべ!!早速食べるべ。モグモグ。」
Д<「・・・・・・」
ナッチー「ふううまかったべ。これでしばらくもつべさ。」
Д<「はやっ、、、ってナッチー、そんなん拾い食いして、、平気なんか?」
ナッチー「なーにいってるべさー?ダンジョン探険の基本っしょ。
   これがないと探険たちゆかねえべ。それに、腐ってないから平気っしょ。」
Д<「そ、、、そーなん?」

ナッチー「あ、むこうにも落ちてるべさ、、たぶんパンだべ。」
また急いでナッチーはパンにかけつけた。
ナッチー「残念。腐ったぱんだべ。。。」
Д<「(ほ。)そ、、それはさすがに食えへんなあ。。
   ってなんで自分、しっかり持ち物袋に詰め込んでるんや??」
ナッチー「腐っててもいざとなったら食うべさ。
   したっけ、持ち物に余裕がある時は持ってくっしょ。
   これも基本だべ。」
Д<「ってやっぱり食うんかい!!氏ぬで!!」
ナッチー「大丈夫さ、氏にゃしないべ。毒におかされるだけだべ。」
Д<「だけって、、、」
ナッチー「場合によっては毒より空腹の方が深刻なこともあるべさ。
   毒だら他の魔法やらアイテムやらでなんとかなるっしょ。
   でも腹は減ったら食うしかないべさ。」
Д<「・・・・・・」
ナッチー「あ、、あいぼん何にも食べてないべさ。食うかい?」
Д<「い、、いやあ、うちはええわ。腐ったパンは。。」
ナッチー「そうかい?じゃあナッチーが持ってくべ。」
Д<「・・・・・な、、、なんやたくましいな。。。
   したっけうちには99階は無理だって事がわかったべさ。
   ってうつってしもた。しかも何言ってんねんうちは、、」


1階に戻ってきた石川・シバタとマサエ。
石川「妖精さんいましたよ〜」
中澤「あん?自分か、矢口呪いかけたんは!!さっさと解かんかい!!!」
マサエ「こ、怖〜い・・・帰る・・・」
石川・シバタ「違いますって!!!」
必死でなだめる石川とシバタ。

中澤「・・・そういうことかいな。すまんかったな、よろしく頼むで」
マサエ「では、ちょっと見せてください。」
マサエは気絶している矢口に近づいた。

その頃、神殿はある集団に取り囲まれていた。


ごまとよっすぃーが扉を開けると目の前は階段だった。
よっすぃー「あ、また階段か。」
ごま「階段だけみたいだよ。」
よっすぃー「まだ上があるんだね。ほんと広い。」
ごま「もー疲れたよー。ほんと。。でもさっきまでの階段と違わない?」
よっすぃー「なんかそうかも。。
   階段のためだけに鍵つきの扉がついてるのもちょっと不自然だし。」
ごま「ってことは何かありそうな予感?」
よっすぃー「そうかも!!早く行こう!!」
ごま「やった!何があるんだろ??」
2人はわくわくしながら階段をかけ上がった。
するとまたドアがあった。
よっすぃー「今度はかぎかかってないみたい。」
ごま「はやくあけよーー!!」
よっすぃー「うん。」
ぎぃい、
ごま「まぶしっ!!光だ!」
よっすぃー「なんだろ?」


ナッチーとあいぼんは3階を歩きつづけていた。
Д<「なんか突き当たりに扉があるで。
   たぶん中は部屋で、そこでこの道は終わりそうな気配やな。」
ナッチー「そんじゃ中でも覗いて引きかえすっしょ。」
ぎぃいいいい。バッタン。
びゅぉおおおぉおお!!
開けるとすぐ風が2人に吹きつけた。
Д<「さむ!!」
ナッチー「この部屋、、窓ガラスが無いべさ。。」
Д<「広い部屋やけど、、、何も無さそうやで。
   うち寒いの苦手やねん。早よもどろ。。」
ナッチー「軟弱ものだべ。ここは眺めがいいべさ。」
ナッチーはドアから離れ、窓の方へよろうとした。
その時、
ナッチー「なんだべさ?」
ナッチーは窓から飛びのいた。
ナッチー「手?」


扉を開いた直後、2人は外に立っていた。
ごま「なーんだ。。。たんなる屋上じゃーん」
よっすぃー「ほーんと。がっかり。そりゃ鍵もついてるよね。」
ごま「なんか余計疲れたよー。ねえよっすぃ、ちょっと休もー。」
よっすぃー「うん。ほんとは急がなきゃいけないんだけどね。ちょっとくらい。」
2人はしゃがみこんだ。
ごま「日が出ててまぶしいねえ。」
よっすぃー「ほんと。」
よっすぃーは太陽の光を手でさえぎりながら空を見上げた。
よっすぃー「!!」
自分の指の隙間からこぼれていた太陽の光がふっと消えた。
よっすぃー「!!」
ごま「!?」
よっすぃーは突然ごまを押し倒した。(ごま視点)
ごま「な、、何?(ドキドキ)」


保田「あ?あれ裏口?ってことはこれで1階はお終いか。
   だいぶ時間かかったけど。」
保田は振り返り、今来た道を戻った。
保田「もうたぶん、そんなに時間がない。みんなは何やってんのかしら?」
ドン!!ドン!!ガン!!
保田「一度、裕ちゃん達の所まで戻るか。」
ガン!ガンガン!!バン!!
後ろの方から音がする。
保田「何よ?うるさいわね。」
保田は裏口の扉を見た。
バガッ!!何かが扉をやぶり入って来た。
保田「!!」


中澤「なあ、、、なあ、どうなん?大丈夫なん?」
マサエ「・・・・・・」
石川「どうですかぁ?」
マサエ「・・・・ちょっと静かにしててもらえます?」
中澤「・・・・・」
石川「・・・・・・」
静かにしているとどこからともなく地鳴りのような音が聞こえる。
中澤「!?」
石川「なんの音?」
中澤「なんや??なんか来るで!!」
ドドドドドド、、、、
中澤「ゴ、、、、ゴリヤナギ!!こ、、、こんな時に」
ゴリヤナギの集団は中澤と石川達を取り囲み、様子を見ている。
石川「しかも、、、1、2、3、4、、あれ?
   1、2、3、4、5、、、」
中澤「数えるの遅いで。9匹や!」
石川「なんでこんなに??」
中澤「たぶん、仲間がやられて怒ってるんや!」
石川「群れ全員で復讐に??」
中澤「にしてもこんなに繁殖しよって、、、、大ピンチやで。」
ゴリヤナギA、B、C、D、E、F、G、H、Iが現れた。
ゴリヤナギA「うほっ!」
それを合図に4匹が同時に襲いかかった。


保田「ゴリヤナギ!?」
ゴリヤナギは扉を壊すと、ぞろぞろと中へ入ってきた。
保田「なんでこんな所に?しかも何匹いるのよ?7匹?」
ゴリヤナギJ、K、L、M、N、O、Pが現れた。
ゴリヤナギJ「うほ?」
保田「しまった。気づかれた。」
ゴリヤナギJ「ううほっ!!」
ゴリヤナギK「うっほほ!!」
保田「バギクロス!」
シャ!
十字架の風がゴリヤナギを襲う。
保田「を連射!!」
シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!!
保田「1本道だからよけられないわよ!!切り刻まれなさい!!」
ズババババ!!


Д<「て??ってなんやねん?」
その手の主はすぐに姿をあらわした。
???「うほほっ!!」
Д<「き、、、昨日のゴリヤナギやん!!なんでこんな所におんねん?」
ナッチー「たぶん別だべ。今3階までよじ登ってきたって事っしょ。
   つまり、、第二形態たべ。。」
Д<「第二形態??どどど、、、どないすんねん?」
ナッチー「大丈夫、ナッチーにまかせておくべさ!!」
ナッチーはゴリヤナギ2を指差し叫んだ。
ナッチー「稲妻よ!敵を撃つべさ!」
Д<「おぉ!ええでええで〜」
シーーン、、
ゴリヤナギ2「・・・・・・」
ナッチー「・・・・・」
Д<「・・・・・・って何も起こらんで??」
ナッチー「しまった。ここは屋内だったべさ。」
Д<「あほーーーー!!どないすんねや??」


よっすぃー「・・・・・・」
ごま「よっすぃ?」
ドゴーーン!!自分たちが今いた所に何かが突っ込んだ。
よっすぃー「危なかった。」
ごま「え?」
よっすぃーは立ちあがった。
よっすぃー「ゴリヤナギだよ。」
突っ込んだゴリヤナギは何事も無かったかの様に空へと飛び上がった。
よっすぃー「しかも、、、第三形態!!」
ごま「ゴリヤナギ!?ほんとだ!!」
まぶしくって目をそらした空にはよく見ると、、
ごま「5匹もいるじゃん!!」
ゴリヤナギ3A、3B、3C、3D、3Eが現れた。様子を見ている。


保田「どう?私の魔法は?」
ゴリヤナギJ「ごほう!!」
保田「?」
ゴリヤナギK「うっほう!」
ゴリヤナギJは保田に突進した。
保田「しまっ!!」
どかっ!保田は10メートルほど突き飛ばされた。
保田「かはっ!!バギクロスが全然効いてない。なんで?」
ゴリヤナギKは保田に突進した。
ずどっ!!保田はまた5メートルほど飛ばされた。
保田「うっ、、、やばい。」
ゴリヤナギ達はまた突進しようとしている。
保田「押し返してやる!バギクロス!!」
シャッ!シャッ!!シャッ!!シャッ!シャッ!!
ズババッ!!
ゴリヤナギK「うほほっ」
保田「気にしてない。肌が、、、高質化しすぎてて鎌鼬が通らないんだ!
   これは強い衝撃か他の魔法じゃないと、、、」


ギチギチ。。よっすぃーはドアノブをいじっている。
よっすぃー「さっきの突進で扉が壊れて開かなくなっちゃった!」
ごま「戦うしか無いってことね。」
よっすぃー「うん。私達なら4匹ぐらいなんとかなるよね。
   すぐに片付けて1階に降りよう。」
ごま「うん。。。あ、、あれ?」
よっすぃー「どうしたの?」
ごま「あ、、、足、、痛めちゃった。ちょっと立てないかも。。」
よっすぃー「えええ??」
ごま「いやん、、もう、よっすぃーが強引にするから。」
よっすぃー「それ、そんなこと言ってる場合じゃないって!!
   よけい逃げらんないよ。」
その時、
ずがっしゃーーーん!!ゴリヤナギ3Eに雷が直撃した。
よっすぃー「あれ?ごっちんは雷系は使えたっけ?」
ごま「ううん。全然。なんでいきなり雷が落ちんの?」
ゴリヤナギ3Eは倒れた。
よっすぃー「なんだかわかんないけどラッキー!」
ごま「ラッキー!」


Д<「に、、逃げた方がええんやないか?」
ナッチー「心配には及ばないっしょ。ナッチーにはまだスモウがあるっしょ。」
ゴリヤナギ2「ウホッ!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!!
ゴリヤナギ2は両手で自らの胸を叩いた。
Д<「く、、、来るで!」
あいぼんはササッと扉の影に隠れた。
ナッチー「ナッチーは逃げも隠れもしないっしょ。
   どんな突進も正面から受け止めてみせるべさ。これがスモウの誇りだべ。
   さあ、かかってくるべさ!!」
Д<「応援するで!頑張れ〜!!」
ゴリヤナギ2「うほほっ!!」
ドドドド!!
ゴリヤナギ2はナッチーに向かって突進した。


中澤「斬岩剣!」
バンッ!ドカッ!!
中澤はゴリヤナギB、Cの足に切りつけた。
石川「ヒャダルコッ!!」
ピキピキピキ、、
ゴリヤナギD、Eの足を凍りつかせた。
中澤「全然浅い。この人数相手に2人はヤバイで!
   シバタ!みんなを呼び戻しにいってくれんか?」


ゴリヤナギ2はあっという間にナッチーとの間合いを詰めた。ナッチーは動かない。
Д<「ちょ、、速いで!!ほんまに大丈夫なんか??」
ナッチー「まだまだ!!もっと来るべさ!」
Д<「ぶつかるっ!!」
ナッチー「ここだべさ!」
ぴょん!!
ゴリヤナギ2「うほっ??」
Д<「ええ??」
ナッチー「ハッソートビ!!」
ナッチーは斜め前に飛んでゴリヤナギ2の突進をかわした!!
どごーーーーん!!
ゴリヤナギ2は勢いあまって壁に激突し、めり込んだ。
パラパラパラ、、、
ゴリヤナギ2の突進で崩れた壁の一部が地面にふった。
ドガッ!
ナッチーはゴリヤナギ2の後ろからハリテを一撃!


保田「どうする?どうする?」
ゴリヤナギJとKは同時に突進してきた。
保田「くっ」
ドゴッ!!
Jの攻撃を避けるが、Kの攻撃を食らい、三度飛ばされる。
保田「げほっげほっ、、、ベホマ!!相性悪過ぎ!」
保田の体力が回復した。保田は立ちあがった。
保田「(相手にダメージ与えられないんじゃバギクロスは無駄。
   ラリホーやマヌーサはこの人数では全員にきくとは思えないし、
   たとえ全員の動きを封じても、こっちはダメージを与えられないかもしれない。
   それに、いつかは私のマジックポイントも尽きるし、、、)
   こんな時は、、、、逃げる!!」
保田はゴリヤナギに背を向けて逃げ出した。
ゴリヤナギL「うほほっ!!」
ゴリヤナギ達は保田を追いかけた。


あいぼんは柱の影で囁いた。
Д<「よけよった!、、って、言ってることとやってることが違うやん!」
ナッチー「へっへっへー。相撲はここだべさ!」
ナッチーは得意げに自分の頭を指差した。
ナッチー「突進だけじゃ勝てないっしょ。バーカバーカッ!!」
Д<「おおー。やるやん!ナッチー!!かっこええで!」
ナッチー「いやあてれるべさ。でも当然っしょ。」
ナッチーはニコニコしながらこたえた。
Д<「!!」
ナッチー「ん?どうしたべさ??」
Д<「うしろ!!!、、、新手や!!」
ナッチー「!!、まった登って来たべか?」
ナッチーはふりかえった。
ゴリヤナギ2B、ゴリヤナギ2Cが現れた。
メキメキ、、、ゴリヤナギ2Aはめり込んでいた壁から出てきた。
Д<「まだ動けるんか?!!
   こ、、、これは、いくらナッチーでもヤバイで。。」


シバタ「あ、あたし?、みんなを呼んでこればいいのね。じゃ、」
マサエ「ダメ!!この人の容態が深刻みたい。
   私一人の力では手遅れになるかもしれない。
   もう一人妖精の協力が必要です!!」
石川「ええっ!?」
中澤「ほんまかいなっ!!、、、それじゃあしゃあない。石川!呼んで来て!」
石川「え?でも、、チャーミーがここを離れちゃ、中澤さん一人じゃないですか!?」
中澤「うちは平気や。矢口にも指1本触れさせん!」
石川「でも、、」


ゴリヤナギ2A、2B、2Cは様子を見ている。
ゴリヤナギ2B「うほ!」
Д<「??」
ゴリヤナギ2C「うほほほっ!!」
Д<「な、、なんや??こっち見てへんか?」
ゴリヤナギ2A「うっほ」
ゴリヤナギ2Aはあいぼんの方へ振り返った。
Д<「やっぱりうちかい!!」
ゴリヤナギ2A「うほほーっ!」
ゴリヤナギ2Aはあいぼんめがけて走り始めた。
Д<「うなーーー!!」
あいぼんは隠れていた通路を走って逃げ出した。
ナッチー「あいぼん!!、、しまったべさ!」
ゴリヤナギ2Cはナッチーの後ろに回りこんだ。
ナッチー「はさまれた!こっちも心配してる場合じゃないっしょ!!」


保田は走りつづけていた。
保田「はあ、、はあ、、、しつこいわねえ。」
ゴリヤナギP「うほっ」
ゴリヤナギM「うほほっ!!」
保田「野生の体力にはかなわないわ。」
ゴリヤナギL「うっほうっほ!!」
保田「それにしても、、、出口はこっちであってんのかしら?
   だんだんわからなくなって来たわ。
   あれ?この道、、さっき歩いたような、、」


石川はためらっていた。
中澤「ガタガタ迷ってる暇なんて無いんや!
   うざったいからはよ行けっちゅうねん!」
石川「は、、、はい。それじゃ行きます。
   でも一つだけ魔法を。ピオリム!」
中澤の速さが2倍になった。石川の速さが2倍になった。
ゴリヤナギA「うほっ!」
中澤「さあ、うちが引きつけてる間に行け!」
ゴリヤナギF、G、H、Iが一度に襲いかかった。
石川「はい。必ずすぐ戻りますから、頑張ってください!」
中澤「はっ!!」
バキ!ドカ!バン!!
石川はゴリヤナギの隙をぬって神殿の奥へと進んだ。


ダダダダダダ、、、
あいぼんは逃げつづけた。
Д<「はあ、、、はあ、、、」
どどどどどど、、、
ゴリヤナギ2Aは追いかけつづけた。
ゴリヤナギ2A「うっほ、、うっほ、」
Д<「元気やなあ、、、こっちはヤバイで、、
   !!、
   わき道や!ラッキー!!やるしかない!!」
ささっ、あいぼんはわき道に逃げこんだ。
ゴリヤナギ2A「うぉほ?」
ゴリヤナギ2Aは勢いあまって通りすぎた。
Д<「今や。モシャスッ!」
どろろん。
ゴリヤナギ2Aはわき道まで戻った。
Д<「うほ」
ゴリヤナギ2A「うほ!?」
Д<(どうや?そっくりやろ??)


中澤「しまった!」
中澤はゴリヤナギ3匹を後退させたが、1匹が矢口の中澤の横に倒れている矢口に襲いかかった。
ズガン!!
中澤は矢口をかばってダメージを受けた。
最初に切りつけたゴリヤナギB、Cは立ちあがった。
バリバリバリ、、ゴリヤナギD、Eは足元の氷を破った。
中澤「ちょ、、、キツイわ。。石川〜、、頼むでほんま、、」


保田「これってもしかして!」
そこは行き止まりだった。さっき見かけた宝箱が落ちている。
ゴリヤナギが迫ってくる。
保田「逃げ場、、、無い。。。
   こんなところでやられたら、回復する暇も無い。。。」
ゴリヤナギKは胸を叩いた。
ドンドンドン!!
保田「いよいよ殺ろうってのね。でもこっちもまだ氏ぬわけにはいかないわ。
   MPが切れるまで撃ちまくって、、誰かが来るまで時間を稼いでやる。
   バギクロス!!」
シャシャシャッ!!
ゴリヤナギKは突進した。
保田「だ、、ダメだ。。止まらない、、、」
ゴリヤナギKは突進しながら腕を振り上げた。
保田はぺたんとしりもちをついた。
ゴリヤナギKは腕を振り下ろした。
保田「ひっ!!」
保田はとっさに何かで自分をかばった。


ゴリヤナギ2A「うぉほ」
Д<「・・・・・・」
ゴリヤナギ2A「うほ?うほほほっ??」
Д<「ん?」
ゴリヤナギ2A「うほほうほっーー??」
Д<「しもたーーー!!言葉がわからん!!」


どかぁ!!
保田「??」
保田が身を守った何かはくだけちった。
保田「これ!さっきの宝箱!!
   しかも、、、開いた!!!何か、、、いいもの無い?」
砕けた破片の中に、きらきらと輝く物がある。保田は手にとった。
ゴリヤナギKは2撃目の体勢にうつった。
保田「これ!!銃??リボルバーってやつね。
   使ってみるしかない!!
   ええと、撃鉄を起こして、、、引き金を引く!!」
パアン!!
保田の目の前で手を振り上げたままのゴリヤナギKは、、、
ドサ、、、倒れた。
保田「やった!よくわかんないけどすんごい威力!!
   っていうかこれ、弾は入ってるし、壊れてなくて普通に撃てるし、運がいい!
   神様のおかげね。これも普段の信仰のあかし。神官やっててよかった!!」
保田はちょっと笑って立ちあがった。
保田「さあきなさい!ゴリヤナギども!!」


Д<「ヤバイヤバイ、ゴリラ語なんてわからん、、、、は、、そうだ!
   のの曰く、『なんとなくやってみたらしゃべれたのれす』やった。
   ここはもう、うちもやるしかない!」
ゴリヤナギ2A「ごうっほ!?」
Д<「うほ!うぅほ!(あのガキならうちが片付けた。もう1匹のデブをやりに行くで。)」
ゴリヤナギ2A「うほ?」
Д<「うほほっうぉほ!(ガキの氏体なら引きちぎって捨てたで。)」
ゴリヤナギ2A「うほ。」
ゴリヤナギ2Aはくるっと向きを変えた。
Д<「(おおよっしゃ!通じたで!人間なせばなるもんや!ののー!うちにもできたでえ!!)」
あいぼんはそこら辺に落ちてる大理石の壁のかけらで一番大きいものを拾った。
Д<「黒人だの白人だの言うてもしょせんはゴリラ。
   現役女子高生とか言ってデビューしても誰からも信じてもらえん。
   何故ならあんたはゴリラ。
   逝ってよし!!」
ゴガッ!!


保田は銃を構えた。
ゴリヤナギL「うほ??うほほっ!!」
ゴリヤナギLとPは突進した。
保田「食らえ!」
撃鉄を起こし、引き金を引く。撃鉄を起こし、引き金を引く。
パアンパアン!!
ゴリヤナギLとPは倒れた。
ゴリヤナギJ、M「うほっ!!」
保田「相当頭にきてるみたいね。どんどん来なさい。
   こっちもキリキリ返すわよ!!」
ゴリヤナギJとMとNは突進した。
パアンパアンパアン!!
保田「この早撃ち。私ってすごい!!」


ゴリヤナギ2Aの後頭部に改心の一撃!!
ゴリヤナギ2A「ごほおおおおうう!!」
ゴリヤナギ2Aは倒れた。
Д<「おお!!!やったった!!うちがやったで!!
   さっきのナッチーからのダメージもあるやろうけど。」
あいぼんはしばし感動を味わった。
Д<「ナッチー!待っててや!今助けに行くで!」
あいぼんは逃げてきた道を引きかえした。


ゴリヤナギO「うほーー!!」
保田「あと1匹!あんたも逝っちゃいなさい!」
保田は引き金を引いた。
ガキッ!
保田「??」
ガキッ!
保田「あれ?」
ガキッ!
保田「弾切れーーー??確かにリボルバーと言えば6発、、あと1匹なのに。。」
ゴリヤナギO「うほーー。。うほーーー。。」
ゴリヤナギOと目があった。
保田「あは、、、あはは、、気合入ってるねあんた。」
保田は引きつった。


よっすぃー「はあはあ、、思ったよりだめだめだ。。
   飛びまわられるとこっちの攻撃全然あたんないよ。
   あたったとしても、、、浮いてるから空中にダメージが逃げちゃって致命打にならない。
   怪我してるごっちんばっかり狙われるから深追いできない。」
ごま「魔法もまとが絞れなさすぎてあたんない!!どうしよー?」
よっすぃー「こうなったら、、、待つ。徹底的に。
   どうせ大げさには動き回れないんだし。
   ちょっと危険だけど、突進して来た所にぴったりカウンターをあわせてみる。
   そんで1撃でしとめる。先読みとタイミングだ。」


保田はゴリヤナギOと目をあわせたまま、冷や汗をかいた。
ゴリヤナギO「うほっ!」
保田「来る!!」
その時、
?「おーーい!!よっすぃー様ーー!!ししょー!!
  どこにいるんですかーーー?大変なんですよーー!!」
保田「あ、、、あの声!!まだまだついてる。。。マヌーサ!!」
ゴリヤナギO「うほ?」
ゴリヤナギOは幻に包まれた。
保田「かかった。」
ブンブンブン!
ゴリヤナギOは暴れた。が、空を切った。それをかわし、保田は回りこんで叫んだ!!
保田「石川!!」


ごま「!!」
よっすぃー「来た!」
ゴリヤナギ3Bはよっすぃーに突っ込んだ!
ごま「あたっ、、」
よっすぃー「ここだ!」
ズバァ!!
ごま「った、、、って、、」
ゴリヤナギ3Bはよっすぃーのわずか50センチ手前でぴったりと止まった。
キン、よっすぃーは刀を鞘に収めた。
ズシャ!ゴリヤナギ3Bは倒れた。
ごま「キャーーー!さすがよっすぃー!!かっこいーー!!」


中澤「はあ、、はあ、、、」
ゴリヤナギB、E、F、Hは既に倒れていた。
中澤「あと半分やで。。
   やねんけど、もう、、あかんかもしれん。。体力は限界。ピオリムもとっくに切れた。
   矢口、、、」
矢口「・・・・・・」
中澤「いったい石川は何やってんねん?」
ゴリヤナギA「うほっ!」
中澤「にしても最初っからずーっと攻めて来ないやつがいるやな。
   あいつが、、この群れのボスや。
   っちゅうても、、うちにはあいつを倒す力は、、、」


石川「保田さん!!」
石川は保田の元にかけつけた。
石川「保田さん、大変なんですよ。」
保田「うん。それよりもね、(この子の大変を聞いてる場合じゃないわね。)」
石川「あ?ゴリヤナギ!!」
保田「そうなのよ。」
石川「これ全部、保田さんが倒したんですか??凄いです!さすが師匠!!」
保田「ま、、まあね。」
石川「あと1匹ですね。とっととやっつけて話聞いてくださいよ。大変なんですよ。」
保田「そ、、そうね。でも、これはあんたに倒してもらうわ。」
石川「??」
保田「ほ、、ほら、こないだ修行の成果を見せてもらおうとしたら、
   邪魔が入ってできなかったでしょ。」
石川「そういえば確かそうでしたね。中澤さんが酔っぱらって。」
保田「そう。そこで、あんたのために1匹残しておいたのよ!!
   さあ私が見てるわよ!!やっちゃいなさい!!」


ナッチーをはさんだゴリヤナギ2B、2Cはじりじりと間合いを調整した。
ナッチーは動かない。
ゴリヤナギ2B「うほっ!」
ゴリヤナギ2C「うほっ!」
ゴリヤナギ2Bと2Cは突進した。
ナッチー「こっちの方っしょ!」
ナッチーはゴリヤナギ2Cを受け止め組み合った。
ナッチー「ウワテナゲ!」
ぶんっ!ドカッ!!
ゴリヤナギ2Cをゴリヤナギ2Bに投げつけた。
ナッチー「どうだべ?」
ゴリヤナギ2B、2Cは立ちあがった。
ナッチー「まったくしぶといべ。。。
   !!、しかもまた現れたっしょ!」
ゴリヤナギ2Dが現れた。
ナッチー「こうなったら全部まとめて窓から1階に叩き落してやるっしょ!!」


石川「うっ、、、保田さん!!」
保田「な、、なに涙ぐんでんのよ。。」
石川「チャーミー、今、期待されてるんですね。師匠が、チャーミーに。」
保田「そ、、そうよこれ以上無いってくらい。ほら、マヌーサが解けてきたわよ!
   なんとかしなさい!」
ゴリヤナギO「うほーーー!」
ゴリヤナギOは突進してきた。
石川「今まで、、、ポジティブに頑張ってきて良かった!!
   あんな時も、こんな時も、くじけずに一生懸命。。。うっうっ、、」
保田「あんた、、、大丈夫?」
石川の回りに急に冷気が集まりだした。
ゴリヤナギO「うほ?」
石川「マヒャド!!」
ゴリヤナギO「ごほっ、、う、、、ほ、、」
ゴリヤナギOは氷ついた。
保田「すごいじゃない!!、、とどめ!バギクロス!!」
凍ってしまったゴリヤナギOは木っ端微塵にくだけちった。


ナッチー「!!」
ゴリヤナギ2B、2C、2Dは突進した。
ナッチー「ハッソートビ!」
ナッチーは2Bの突進をかわした。そこに2Cが突っ込んだ。
ナッチー「ふん!」
ガシ!2Cの突進を受け止めた。
ドン!!しかし2Dの突進を後ろからうけた。
ナッチー「ぶひっ!!」
ガン!ナッチーが倒れた所に体勢を立て直した2Bが追撃


ごま「やったね。」
よっすぃー「あと3匹!!さあこーい!」
ごま「あれ?、、なんか、、ゴリヤナギ達がいなくなったよ。」
よっすぃー「??」
ゴリヤナギ3A、3C、3Dは姿を消した。
よっすぃー「怖れをなして逃げたのかな?」
ごま「と思ったら戻ってきた。」
ゴリヤナギ3A、3C、3Dは姿をあらわした。
よっすぃー「ありゃ?」
ごま「なんかすっごいおっきいもの持ってる!!」
よっすぃー「岩だ!あれ、投げつける気かな?」
ごま「接近戦がダメなら遠距離戦やろうっていうこと?ゴリラって頭良いね。」
よっすぃー「こっからはごっちんの出番だね。」
ごま「うん。投げる瞬間に動きが止まる。そこを狙ってみるよ。」


保田「ふ、、、、ふー。(やれやれだわ。。)」
保田は手に持ちっぱなしだった銃を、腰に刺した。
石川「やりましたよ!保田さん!!見てくれました!!マヒャドができましたよ!」
保田「そうね。。よくやったわ。強くなったじゃない。
   おかげでたす、、おっと、ごほごほ。」
石川「なんですか?」
保田「なんでも無いわよっ。強くなったっていったのよ。」
石川「ありがとうございますー。うれしいですー。」
保田「とりあえずここは(あんたのせいで)寒いから移動しましょう。
   そうだ、みんなは?」
石川「あ!そうだ!!大変なんですよ!」
保田「そういえばさっきもそんなこと言ってたわね。どうしたの?」
石川「実は中澤さんが、」
保田「とにかく裕ちゃんの所へ戻れば良いのね。」
石川「そうです。(あれ?まだ何も説明して無いのに)」


中澤「・・・しゃあないわ、あれを使うか・・・」
中澤は斬岩剣を構えた。
中澤「まあ、他のメンバーも何とかするやろ・・・」
ゴリヤナギAは様子を伺っている!
中澤「うりゃ!どりゃ!っせいっ!!」
中澤は斬岩剣を3回振り回した。
ゴリヤナギAは様子を見ている。
シバタ「何をしたんですか?」
マサエ「ぜ、全然当たってないですよー!!」
中澤「ええねん。さて・・・」
中澤は矢口を引きずって少し移動した。
ゴリヤナギ「ゴホッ?」

その瞬間!
神殿全体が一瞬揺れた!
と思うと、先ほど中澤が立っていたところから大きな亀裂が生じた!
ゴリヤナギA「ゴホッ!?」
次の瞬間、神殿は崩れだし、ゴリヤナギAは落ちてきた天井に押しつぶされた!

他メンバー「何じゃあこりゃあ!!」


崩れ出す神殿。

よっすぃー「・・・どうやらここはあまり長く持たないようですね。
      おそらく誰かが建物の「点」を破壊したのでしょう。
      そんなことができそうなのは・・・中澤さんか・・・」
ごま「ちょっと!冷静に判断してる場合じゃないでしょ!
   さ、早くこいつら片付けて圭ちゃん達と合流しよう!」

群れのボスが倒されたことで、残りのゴリヤナギたちは退散していく。


〜3階〜
ナッチー「???逃げてくべ・・・。
・・・ハッ!こうしてはいられねえべ、逃げねえば!」

そんなナッチーにゴリヤナギが一匹近寄ってくる!
ナッチー「まだ残ってたべか!」
ナッチーはゴリヤナギに殴りかかった!
??「う、うな〜!!」
ドロン!ゴリヤナギはあいぼんに戻った。
Д<「イタイガナー」

ナッチー「す、すまねえべ。さ、逃げるっしょ!」


石川「崩れだしてますよ!」
保田「喋らなくていいから走るわよ!」

ふたりは中澤のいる神殿入り口付近まで走った。

保田「裕ちゃん!!大丈夫!?」
中澤「ああ・・・ウチはとりあえず問題ない・・・」
石川「あ、ひどい怪我・・・」
中澤「ウチのことより、矢口を心配したってえな・・・」
保田「とりあえず治療しとかないと・・・石川!」
石川「は、はい!ベホマ!」
中澤のキズが回復した。

保田(私のMPあと少ししかないのよね・・・節約しないと)


崩れだしたせいで、屋上は揺れがひどく、安定しない。
よっすぃー「これなら、狙えるかも・・・」
ごま「?」
よっすぃー「一番手前のゴリヤナギに向かって、メラを撃って」
ごま「メラ?メラゾーマじゃなくて?」
よっすぃー「メラでいいよ、気づかれないように、そっとね」

ごまは言われたとおりそっとメラを撃った。
ごま「・・・メラ!」
小さい火の玉が手前のゴリヤナギ3Aに向かって飛んでいく。
神殿が崩れるものすごい音に気をとられ、ゴリヤナギたちはメラに気がつかない。
そのうち、火の玉はゴリヤナギ3Aの胸毛に燃え移った。
ゴリヤナギ3A「ウホッ!?」
慌てたゴリヤナギ3Aは手を滑らせ、持っていた巨大な塊を自分の頭の上に落とした。
さらに、昏倒しながら3C・3Dに倒れこみ、その2匹もろとも屋上から地面へ転落していった。

よっすぃー「ほらね」
ごま「スゴイ・・・やるねえ・・・安心すると眠くなってきたよ・・・」
ごまはアザラシになってしまった。
よっすぃー「待て!あたしが結局運ぶの?」

よっすぃー「おきてー!おーきーてーよー!!」
ごま「いいけど。」
よっすぃー「え?、、、あら?なんかあっさり起きてくれたね。」
ごま「うん。」
よっすぃー「よかった。とにかく逃げよう。」
ごま「でも扉は開かないんだよね。」
よっすぃー「あ、、そうだった!」
ごま「じゃ、飛び降りるしかないじゃん。
   ここ4階だよ。よっすぃーはいいけど私は無理だよ。」
よっすぃー「そっか。んじゃはこぶしかないかー。
   あー、しまった。それならアザラシの姿の方が良かったかも。」
ごま「でしょ。」
よっすぃー「またなってよ。」
ごま「またって、、そんな簡単に言ったって、もう目がさめちゃってるから無理だよー。」
よっすぃー「、、、やっぱりそっか。しまったなぁ。。。
   ま、こうなった以上はしょーがいないね。ほら、おぶさって。」
背を向けて屈むよっすぃー。

ごま「・・・・・」
よっすぃー「どしたの?ごっちん」
ごま「お姫様だっこじゃなきゃいや。」
よっすぃー「えー?なに言ってんのこんな時に!」
ごま「いーじゃんいーじゃん!」
よっすぃー「ってそれ弟の持ちネタ。」
ごま「私はあの方が楽だろうなと思ってたのに、
   起したのはよっすぃーでしょー。」
よっすぃー「う、、、そうかも。じゃ、そうしてあげますか。。なんか騙されてるような?」
ごま「やった!!騙してないって。それじゃ行こっか?」
ごまはよっすぃーの首に両手をかけた。
よっすぃー「ん、、、おっけー。」
よっすぃーはごまの肩と膝の裏に手をまわし、抱き上げた。
ごまはにこにこしている。
よっすぃーはすたすたと屋上の端まで歩いた。
よっすぃー「飛ぶよ」
ごま「レッツゴー!」
ダン!
柵をのり超え、一気に下へと。


ドシャッズシャッグシャッ!
建物から逃げ出す中澤たちの目の前に何かが降ってきた。
中澤「うわ!あぶないわ!!」
石川「ゴリヤナギじゃないですか!でも、、なんか焼け焦げてますよ。3匹も」
中澤「焼かれるってことは、、、」
保田「あ!なんか上からまた落ちてきた。」

ビューーーー
風を切る音がする。
ごま「わぉ〜」
すたっ。

中澤達の15メートルほど前によっすぃーは着地した。
中澤「なんや?」
保田「あ!よっすぃーとごまじゃない!」
中澤「ってことはやっぱりあの2人がやったんやな。このゴリヤナギは」

よっすぃー「はい到着。」
ごまを降ろすよっすぃー。
ごま「あー、楽しかった。」

保田「あんたたち!」
保田は2人にかけよった。
石川「ああん、あれ、、、羨ましいなぁ。」
中澤と石川もそれに続いた。2人にかけよった。
ごま「あ、圭ちゃん。みんなも!
   大丈夫〜?ゴリヤナギ達に襲われなかった?」
よっすぃー「たぶん、それで神殿を崩したと思うんですけど。。」
石川「そーなんですよ。大変なんですよ。ゴリヤナギが9匹も突然、、、」
中澤「ちょっとあんたは黙っててや!」
中澤と保田は今までの経緯を(手短に)説明した。

よっすぃー「なるほど。それで神殿を崩したんですね。」
中澤「すまんなー。いきなり崩して。ほんまにピンチやってん。
   上は揺れで大変やったやろ。」
よっすぃー「ええ。でもそのおかげでゴリヤナギ達を一掃できましたから。」
保田「たぶん、あの中の何匹かはまだ生きてる。もうすぐ追って来るわよ。」
ごま「ところで、あいぼんとナッチーは?」
保田「わからない。たぶん上の方へ行ったんだけど、大丈夫かしらね?」

よっすぃー「矢口さんはどうなんですか?」
中澤「今、妖精が二人掛かりで呪いを解いてる最中や。」
よっすぃーはしゃがんで、巨大化したまま気を失っている矢口の顔に、そっと顔を近づけた。
よっすぃー「矢口さん、頑張ってください。」
中澤「あー!何やってんねん自分!今、うちの矢口にキ、、」
よっすぃー「やだ、、何もやってませんよー。ちょっと話しかけただけなのに。
   なんで文句言うんですか?しかも「うちの」ってなんですか?」
中澤「うちの物はうちの物や!」
よっすぃー「矢口さんは物じゃないです。」
中澤「なんやと!やるっちゅうんかい!?」
保田「あー、もう、ギャーギャー言ってないでよ!
   追っ手も来るし、味方もまだ行方不明で大変なのに!ねえごま!」
ゴマ「zzz」
石川(チャーミーにもあれやってって頼もうかなあ。。)

保田「来たわよ。」
3階から逃げ出してきた3匹のゴリヤナギが、怒りの形相でこちらを睨んでいる。

中澤「3匹か・・・ちょっときついなあ」
よっすぃー「私達も、ずいぶん体力を消費しているし・・・」
ごま「Zzz...」
石川「チャ、チャーミーは・・・」

そのとき!
保田「ちょっといい?石川は回復に専念しなさい。帰ることも考えないと。
裕ちゃんもよっすぃーも休んでていいわよ。試してみたい技があるのよ」

中澤「・・・ほんまに大丈夫なんか?」
よっすぃー「保田さんはハッタリかますようなタイプじゃないですけど・・・」

保田「(とはいってみたものの・・・イチかバチかね、これは・・・
MPがギリギリの状態じゃないと出せない技だけど・・・)」

中澤「やばいな・・・一応構えだけはとっとくか?」
よっすぃー「そうですね・・・」

神殿から飛び掛るゴリヤナギ達!
保田は両手を十字型に構える。
保田「グランドクロス!!!!!」

強烈な閃光とともに、ゴリヤナギ達は消滅した。
神殿には巨大な十字型の亀裂が入っている。

「ふぅ、」
一息つくと・・・。パタッ。
保田は膝から崩れ落ちた。

石川「保田さん!!」
中澤「圭坊!!」
よっすぃー「グランドクロスなんて・・・大戦のとき以来じゃないですか!」

保田「はぁ、この技やっぱり心身使い果たすって感じよね・・・」
石川「すごいです!!チャーミー感動しました!!!」
よっすぃー「何で、今この技を?」
保田「まだ使えるかどうか試しただけよ。大成功・・・」
中澤「!?圭坊?」
保田「ふぁぁぁ・・・ちょっと寝るわよ・・・石川」
石川「はいっ?」
保田「寝てる間よろしく頼むわよ・・・Zzz...」
石川「師匠・・・(感動)」


一方その頃、脱出中のナッチーとあいぼん・・・

ナッチー「ハァハァ・・・」
Д<「ナッチー!急がんと潰されてしまうで!」
ナッチー「腹・・・減ったべ・・・」
Д<「こんなときに・・・」
ナッチー「食うべ・・・」

ナッチーは腐ったパンを取り出した。
Д<「!アカン!!腐ってるで!!」
ナッチーのおなかはいっぱいになったが毒に侵された。
ナッチー「く、苦しいべ・・・」
Д<「ウチはキアリー使えへんし・・・保田はんか梨華ちゃんに頼まんと」
ナッチー「お腹がすいてるよりは我慢できるべ・・・」
Д<「・・・」

しかし、ナッチーは急にしゃがみこんだ。
Д<「や、やばいで・・・だから言ったんや!!」
ナッチー「ちがうべ、あいぼんも伏せれ!!」

ナッチーはあいぼんを無理やり地面に押さえつけた。
Д<「イ、イタイガナイタイガナ!!何すんねん!!!」
ナッチー「前のほうで巨大な気を感じるべ・・・」
Д<「?」

巨大な閃光!!!
ふたりが伏せていた場所のすぐそばを、保田のグランドクロスが掠めていった。

Д<「・・・」
ナッチー「危なかったべ・・・」

ナッチー「うまい具合に、外への道が出来たみたいだべ」
Д<「しかし、ウチはルーラもリレミトも使えへんよ・・・」
ナッチー「なあに、簡単だべ」

そういうと、ナッチーはあいぼんを持ち上げ、振り回しだした!!
Д<「や、やめ!!目ぇ廻るぅぅ〜」
ナッチー「そらーーーーっっ!!!」
あいぼんは外に向かって投げ飛ばされた!!
Д<「ポッポー!!!」

『うーーーーーーなーーーーーーーーーーーー』
中澤・よっすぃー・石川「!!」
神殿の方向から、あいぼんがものすごいスピードで飛ばされてくる!!

よっすぃー「ハッ!!」
よっすぃーは空中であいぼんをダイビングキャッチした。
Д<「・・・氏ぬかと思ったわ・・・」

続いて轟音と共に何か飛んでくる!!
しかし誰もキャッチできず、地面に衝突した。
ナッチー「はらほろひれはれ・・・誰か受け止めてほしかったべ・・・」
中澤「そら、無理や。」
石川「チャーミーまだ氏にたくありませーん

よっすぃーに降ろされ、建物に入った亀裂を見たあいぼん。
Д<「まー、派手にやったなあ。」
石川「そうなのよー。あいぼん。師匠がこう腕を十字に構えて、
   そしたら閃光が、、」
Д<「なるほど。スペシウム光線やな。」
石川「ちがいます〜。」

中澤「これで、1階に生き残ってるかもしれへんかった
   ゴリヤナギ達もさすがに全滅か。あとは、、」


どうして、私は小さいの?
私は小さい私。
私は大きくなれない私。
私は大きくなりたい私。
私は小さい私が好きな私。
どうして、私は小さいの?

マサエは矢口の呪い解きをしていたがやめ、仲間を呼びに行けと言われるシバタを引きとめた。
シバタ「私の力が必要ってどういうこと?」
マサエ「シバちゃん、テレパシー、ちゃんとできる?」
シバタ「テレパシー?うーん、、、あんまり得意じゃないんだけど。。」
マサエ「もー、妖精の伝統ある特技の一つなんだから頑張ってよ。」
シバタは頷いた。
シバタ「う、、うん。やってみる。でも、どうして呪いを解くのにテレパシーなんか使うの?」
マサエ「それは潜りながら説明するね。時間がないし。
   それと、シバちゃんを引きとめたわけもね。さ、行くよ。」
シバタ「わかった。行こう。」
二人は矢口の頭に手を置き、目を閉じて、矢口の心へと自分を送る。
シバタ「あー、、なんかこう、、、
   人の頭の中に入るのってすっごく疲れるんだよね。
   精神に着くまでは記憶されてることがずらーっと倉庫の中にある物みたいに並んでて、
   あまりの物の多さに見てるだけで気がめいるっていうか、
   その物の中身を見たい誘惑にもかられるけど、
   勝手に見たらダメっていう罪悪感がっていうか、とにかく疲れる。」
シバタは苦笑いした。
いくつもの記憶が置かれている中を二人は下へと進んで行く。
整然としているところもあれば、雑然としているところもある。

マサエ「そんなこと言ってる場合じゃないよっ。
   いい?呪いっていうのはすっごいいろんな種類があって、
   散々バラバラに見えるけど、実は違うの。
   魔法と同じように呪いにも系統ってものがある。
   大雑把に分けると三通りに分類できるの。知ってた?」

シバタ「へー、ぜんっぜん。そうだったんだー。マサエちゃん、なんでそんなこと詳しいの?」

マサエ「シバちゃんが知らな過ぎるんじゃない?
   っと、そんなことはいいから、、、三通りのうち、
   まずは固有の魔法、儀式を使ってかけるもの。
   これを解くには同じ魔法をかけなおす。
   もしくは固有の解除用の儀式を使うのが一般的ね。」

シバタ「ああ、ごまさんがそれかも。アザラシに変えられてたんだって。
   今でも眠くなるとなるらしいんだけど。。詳しくは知らないけどね。
   でも、、矢口さんは魔法とかをかけられたって事じゃないよねぇ。」

マサエ「次は、個人の思念が乗り移るもの。
   例えばアイテムを持った瞬間に過去の持ち主の思念が乗り移ったり、
   人が人を思念で操ったり。
   これを解くには思念の元を完全に遮断することね。シャナクの魔法を使うのが一般的。」

シバタ「ふーん。シャナクはできるって梨華ちゃんが言ってたような。
   でもこれでもないんだよね。矢口さんの呪いは。
   シャナクで解けるならここまで来ないし。」

マサエ「うん。それで三番目、多くの思念からできた渦が心に深く入り込むもの。
   呪いなんて言うけどね、実際は、
   「ウイルス性で具現化する心の病気」っていった方がまだ近いかもしれない。
   この人の呪いはこれなのよ。」

シバタ「??
   ちょっと、、なんか意味わかんないんだけど?」

マサエ「もう少し聞いて。
   世の中には、人間なんかの持つ、正の思念や負の思念、
   簡単には二極化できないいろんな思念も、
   そういうものが形を持たずにふわふわ浮いているの。普段はばらばらにね。
   でも、同じような思念がだんだん寄り集まって、一つの形を作ることがある。
   正の思念の場合、それは奇跡とよばれる何かを引き起こす場合もある。
   けど集まった、怨念とでも言うべき負の思念は、
   時として、最もその感情を強くもった人の精神に、どっと、、
   まるでブラックホールに吸いこまれるように押し寄せてしまうことがあるの。
   そしてその人を通して、この巨大化の様に形をもって現れるの。」

シバタ「ひえー。。。磁石に引きつけられる砂鉄みたいなもんかな?」

マサエ「そうとも言えるね。
   この手の呪いを解けるのは、、、妖精だけかもしれない。
   私達のテレパシーを使って精神に入り、
   その形を持つまでに至った思念の渦を取り払うの。」

シバタ「なるほど。なんかちょっと混乱したけど。
   ようは矢口さんの精神に入って、怨念とやらを追い払うんだね。」

マサエ「そうそう。緊急なのはその症状が末期だってこと。
   渦を一刻も早く取り除かなきゃいけない。それには私一人じゃダメだと思ったの。」

シバタ「そこで私の出番ね。OK!頑張ろ。
   でも、、矢口さんと同調するって、いったいどんな怨念が?」

マサエ「ちょい待ち。もう一つ、、回復するのに必要不可欠なことがあるの。
   私達二人いても、それだけの力では、思念の渦を全て取り払うなんてことはできない。
   その人の精神そのものにも頑張ってもらわなきゃいけない。
   だから、その人が呪いに打ち勝てる力を手にできるように励ましてあげる。
   つまり、負の思念と対極にあるような精神を育てて、戦ってもらうの。
   今回はこれが、、、、大問題だったのよ。」

シバタ「?」

記憶という名の物がふと無くなった。
ここからは精神の部屋がいくつも並んでいる。
部屋の一つ一つの中には矢口の考えている事が存在する作業場だ。
どれにも入ることはなく、更に奥へとマサエは進んで行く。
シバタはそれを追いかける。

マサエ「どんな怨念?っていう質問の答。
   この呪いはね、『一番小さな子供を選び、子供の心を奪って食べてしまう。
   心を食べられた子供は二度と子供に戻ることが出来ない。』伝説ではこう。
   そう、この負の思念の元は、小さな子供の持つ「コンプレックス」なのよ。
   例えば子供の友達の仲で一番小さい事は、背が高い人に比べて足が遅い事、
   力比べで負ける事、いつまでも幼児体系である事、
   それはつまり、馬鹿にされる事、されないとしてもそう思われてると感じてしまうこと。
   辛いコンプレックスなの。
   辛くて辛くて、、、時として人は、自らを壊してしまうほど。
   この地域には風水学的にその思念が集まりやすい道ができてしまってるのね。
   そしてここを通りかかる同じ感情を持つ人に同調して形を持つ。」

シバタ「確かに、、矢口さん小さいから、、、」

マサエ「だから普通だったら、私達はテレパシーで、さっきも言ったように励ましてあげるの。
   そんなの大丈夫だよ。気にしないでって教えてあげるの。
   まだまだ貴方は焦らなくても育つから。
   小さくても一生懸命生きてる人は貴方の他にもいっぱいいるんだよ。
   小さい事は悪い事ばかりじゃないよ。って。」

シバタ「??、ちょっとまってよ、、、あれ?、矢口さんは言ってたよ。
   私のチャームポイントは小さい事だよって。
   小さいとね、どんな人と付き合っても自分より背が高いんだよ。なんて、
   ちゃんと開き直って、受け入れて生きてるんだよ?ほんと、大人だと思うなあ。
   大きくなりたい感情なんて、、、
   コンプレックスなんてとっくに克服しちゃったんじゃ?
   なんでそんな呪いにかかったんだろう?
   たぶん、今マサエちゃんが言ってたようなことだって、、
   全部わかってると思うんだけど、、。」

マサエ「そうなの。全部わかってたんだ。。だから、、困ってるの。。
   あ、ついたみたい。」

マサエは扉の一つを開けた。
二人は中へ足を踏み入れた。

シバタ「随分深かったね。
   それだけ、、矢口さんの心を作る部分の根幹にあるってことか。
   って、、うわっ!!」

そのスペースは一面、真っ黒なガスかススのようなものに満たされていた。

シバタ「これが、、、、」
マサエ「呪いよ。来て」

真っ黒なガスの中を、二人は突き進んだ。

シバタ(随分広い。。)

マサエ「ついた。これ。わかる?今にも消えちゃいそうな、小さい一部分。」

そこには、妖精の体と調度同じぐらいの小さな白い球体が浮いている。
マサエはそれを指差した。

シバタ「何?これ、、、震えてる?」
マサエ「そう。」

それにマサエがそっとさわると、中から声がした。

「いや!いや!こないで!なんで大きくならなきゃいけないの!?」

シバタ「これ、、矢口さん?こ、、、こんなに小さいの?
   この大きい、、黒い怨念の中で、、、」

マサエ「うん。この子が矢口さんの存在を肯定する思念。
   どんどん小さくなって、、もう負けかかっている。
   この子が完全にいなくなったら、この怨念は他の部屋をも侵食する。
   怨念は矢口さんの精神を食い尽くす。そしていずれは体も崩壊し、、、氏んでしまう。」

シバタ「・・・・・・そんな、、、」

マサエ「私もね、最初、なんで呪いにかかったんだかわかんなかった。
   でもね、実際はそんな、、さっきの言葉でなんとかなるような、
   簡単に克服されるものじゃなかった。
   コンプレックス、、、、複雑な感情。この人は、背は小さいまま大人になってしまった。
   確かに、背は自分のチャームポイントだって思いは本心なんだと思う。
   もし今更、大きくなりたいか?って聞かれたら、きっと迷わずNOと応えるでしょうね。
   それは彼女のアイデンティティ。
   だけどね、この年になってしまったら、、もう、小さいって事は一生変わらないんだよ。
   一生、、、
   今、背が高かったら便利なのに!手がもう少し長かったら届くのに!
   そう思う時が必ず来る事を知ってるんだよ。
   小さいだけで目立たないかもしれない。淘汰されてしまうかもしれない。
   でもどうしようもない。どうにもならない。
   もし背が人並みに高ければ、こんな思いをせずにすんだと思う。背が高ければ、、、
   逆に言えば、、だから、大きくなろうと必死なんだよ。
   大人になろうと必死なんだよ。自分はちっちゃくない。子供じゃないって思うために、
   思ってもらうために必死なんだよ。
   その二つの感情が、普段はバランスを保って生きてる。
   それはとってもとっても大変なことだった。」

シバタ「そっか。。
   小さいのが私と思う心と、大きくなれたらっていう心。それがコンプレックスなんだね。
   そこに、大きくなりたいって思う人達の思念が流れこんで、、
   そして心のバランスが崩れた。
   矢口さん自身の大きくなりたいと言う心も強かったから、、、
   普通なら1週間のところを、たった2日で瀕死の状況まで来てしまった。」

マサエ「うん。さっきね、この子に怨念と戦ってくれるように説得してたら、、
   そういう複雑な思いが痛いほど伝わってきたの。
   そして、、2つの心のバランスが崩れた今、
   大きくなりたいっていう感情がいかに強いかを彼女は知っている。
   だから、怖がって、逃げて、出てきてくれないの。
   そんな人に対して、、、
   私がさっき言ったような言葉をかけることはなんの価値も説得力も無かったんだ。
   そう感じた。そしたら何も言えなくなっちゃった。
   回復するには、内側からも出てきてもらう事が必要不可欠なのに、、、、
   だから、、どうしよう、どうしたらいいと思う?シバちゃん?」

シバタ「・・・・・
   矢口さんはきっと、私が言えることだって、、、全部わかってると思う。
   それに、たとえどんな相応しい言葉をかけても、、、
   しょせんは当事者じゃない輩の言うことなんて、って思うんじゃないかって気もする。
   そう思ったら、、、、何も言えないよ。私にも、、」
シバタは首を振った。

マサエ「やっぱり、、、でもこのままにしておくわけには、、」
不安な顔を見せるマサエ。
しかしシバタは、意思に満ちた目でマサエを見つめ、続けた。

シバタ「でもね、ちょっとの間だけどこの人達と一緒にいた私だからわかることがあるよ。」

マサエ「!!?、それは、、、何?」

シバタ「今こそ、今まで信頼しあってきた仲間の出番なんだよ。みんなの声が必要なんだよ!」

その時、矢口を肯定する思念がビクッと動いた。
回りを取り囲む怨念が、少し振り払われた。
精神の中にかすかな音が紛れこんでくる。

「矢口さん、頑張ってください」

シバタ「ほら!聞いた?!今の」

マサエ「ほんとだ!効いたみたい。仲間の、、声?」

シバタ「矢口さんもきっと、みんなの声なら大丈夫だよ。
   みんな、背は小さくて心は大人な矢口さんが大好きなんだよ。
   馬鹿にする気なんてこれっぽっちもないしね。
   ほんとは、もうこれだけ一緒に旅して、矢口さんもわかってるはずなんだ。
   だから今は、みんなの声が一番効くはず!
   氏にかけの患者を救うには、身内の呼びかけが一番よく効くって言うでしょ。」

マサエ「そっか、、そうかもね。それじゃみんなに頼もう。」

シバタ「耳からじゃなく、直接精神に声を送れるように私がサポートするよ。
   苦手だとか言ってらんない。やるしかない。」

マサエ「うん。私はなるべく渦を取り払ってるよ。もうほんとに時間がない。急ごう!」

中澤「あとは、、、矢口だけやな。」
石川「心配ですね。」
Д<「そやそや。大丈夫なん?」
よっすぃー「りかちゃんが妖精を見つけてきてくれたんですよ。
   今は妖精二人係で治療中だそうです。」
石川「マサエちゃん。見つけたのはシバちゃんなんだけどね。」
Д<「そやったんか。あ、矢口さんの頭の上にとまってる妖精2匹やな。」

シバタ「みんな!聞いて!」
突然、シバタが羽を開いて注目を集めた。

Д<「うわ!、、、びっくりした!!」
シバタ「あ、ごめん。」
Д<「いきなり動かんでや。心臓止まるかと思ったわ。」
シバタ「それはごめん。でも話を聞いて欲しいの。」
中澤「なんや?いうてみい。矢口は大丈夫なんか?」
シバタ「はっきりいうと、、、とってもまずい状況なの。このままだと、氏ぬ。」
中澤「ええ?、、矢口!矢口!!」
ブンブン!
中澤は矢口の肩を掴むと揺さぶった。

よっすぃー(矢口さん、、、)
Д<「あんた、ほんまにしっかり手をつくしたんやろな!」
シバタ「やってるって。」
中澤「矢口ーーー!!なんとか、、、なんとかならんのか??」
石川「やーー、矢口さん氏んじゃったのぉ?」
全員が不安な表情を浮かべている。

シバタ「まだ氏んだわけじゃないってば。手はあります。」
石川「シバちゃん、、それは?」
中澤「なんや?、どうすりゃええんや?はよ教えてや!」
シバタ「落ちついて。みんなの力が必要なの。」
よっすぃー「?」
中澤「なんでもやるで!うちは!
   人殺しやろうが環境破壊やろうがバスジャックやろうがニアミス事故やろうが、、」
石川「やめてくださいよ中澤さん。
   ほんとに被害者からのクレームレスがついたらどうするんですか!」
シバタ「落ちついてってば。みんなの声を聞かせてあげてほしいの。
   矢口さんは今、精神が呪いに負けそうになってる。
   だからみんなで、頑張れって、矢口さん頑張れ、負けるなって言ってあげて。
   その言葉を私が、精神に直接送ります。」
中澤「そんなことでええんか?お安い御用やで。なんぼでも言ったる。」
中澤は矢口を抱き起して叫んだ。
中澤「矢口!しっかりせえや!呪いになんか負けたらあかん!頑張れ!」
よっすぃー「矢口さん!頑張って!矢口さん!!氏んじゃダメです!!」
シバタ「きっといける。私も頑張らないと。」
シバタは再び両手を矢口の頭に置いた。
中澤「ほら、ボーっとしてないであんたらもなんか言ったりいや!」
あっけに取られているあいぼんと石川に中澤が檄を飛ばした。
石川「あ、、はい。矢口さーん頑張ってくださーい!!」
Д<「矢口はん!はよ生きかえってや!!頑張るんや!!」
中澤「まだ氏んで無いがな!」
Д<「言葉のあややがな!」

中澤「頑張りや!」
よっすぃー「頑張って!」
石川「頑張ってくださーい!」
Д<「頑張れ!!」

頑張れ、頑張れ、がんばれ、がんばれ、がんばれ、、、、

・・・・・・・・・・・・・

マサエ「効いてる!大きくなってる!これなら呪いに勝てるかも!
   みんなが応援してますよ!頑張ってください!!」

「あ、、、」
突然、足が見えた。自分のものだと認識する前に声がかかった。
中澤「矢口っ!?」
よっすぃー「矢口さん?」
石川「突然起きあがって。目が覚めたんですね。」
中澤「大丈夫なんか?」
矢口「あ、、、え、、裕ちゃん。」
がばっ
中澤は矢口に抱きついた。
中澤「やぁぐぅちぃ〜〜、、」
よっすぃー「良かった。」
おいおいと泣きすがる中澤の肩越しに、微笑むよっすぃーがうっすらと見えた。
矢口「元に、、、戻れ、、、た?」
マサエ「はい。もう大丈夫ですよ。お疲れさま。」
シバタ「みんなもね。でも、私らの苦労なんて吹き飛んじゃうね。」
Д<「よかったなー。ほんまに。やっとやで。
   来たかいがあったってもんやなー。」
よっすぃー「元に戻れたんですよ。矢口さん。」
中澤「うちの矢口が戻ってきたーー。お〜いおいおい。」
矢口「あ、、、や、、、やった、、」
矢口はまだ目の焦点が定まっていない。

矢口「元に、、、。。」
中澤「よかったなあ矢口。よかったなあ。」
Д<「ったく、、あんたのために、みんな大変やったんやで。」
石川「そうですよー。まずはここまで来る途中、、ゴリヤナギに襲われて、、」
よっすぃー「あいぼん、りかちゃん、今はそういうこと言いっこなしよ。」
矢口は周りを見渡し、自分を見た。
矢口「、、やった、、、やった、、、やったーーー!」
よっすぃー「やっと実感が沸いてきたみたいですね。おめでとうございます。」
矢口「みんな、、みんな、、おっきいなあ。キャハハ。」
矢口の目にも涙が浮かんだ。
Д<「自分がちっさいだけやで〜。」
石川「そうですよ〜。」
矢口「みんな、、、ありがとう。ほんとに、、」

その時、神殿から何かが崩れる音がした。
がたがたがたっ!ドガッ!!

よっすぃー「?」
Д<「なんやねん?いいとこやってのに」
一行は驚いて振り返った。
ゴカッ、、、バリバリバリバリ!!
何かがまた音をたてた。
中澤「あ、、、あいつは、、」
ゴリヤナギが1匹、廃墟と化した神殿の瓦礫を破って現れた。

「う゛ぉ、おおぉぉお!!」

ゴリヤナギは胸をのけぞらせ、天を仰ぎ、雄叫びをあげた。
中澤「あ、、、あいつ、間違いない、1階のゴリヤナギどもを仕切ってた奴や!!
   崩れた床に足を取られて潰れたはずじゃ、、、
   まだ生きとったんかいな??」
よっすぃー「この群れにはボスがいたんですか。」
石川「ゴリヤナギのボス。さしずめボスヤナギってところですかね?」
Д<「、、、、寒いで。」
ボスヤナギは前傾姿勢を取り、こちらを見た。
ボスヤナギ「フー、フー、おぉ前達、、よくも我が仲間を、、、フー、フー、、」

中澤「!?」
石川「あ、」
Д<「しゃ、、、、喋った!喋ったで!!」
中澤「耐久力にしろ、、まさかこいつ、、、第3形態をも超えた、、第4形態やとでもいうんか?」
ボスヤナギ「フー、フー、許さん。皆殺しにしてくれる。」
よっすぃー「さすがは進化する戦闘生命、、ゴリヤナギ、、、、そしてその群れのボス。
   きっと、今までのどのゴリヤナギより、単体での力は上ですよ。」
Д<「あんなあ、随分鼻息荒いみたいやけど、そっちから襲いかかってきたんやで!
   それでやられて怒るっちゅうのは逆恨み言うんやで!」
ボスヤナギはあいぼんを睨んだ。
ボスヤナギ「だまれ小童!!貴様らこそ勝手に我らの庭を荒らしよって!
   我らが怒る道理がないと言うのか!!馬鹿ものども!!!フー、フー、」
Д<「ひー。」
あいぼんは中澤の影に隠れた。
よっすぃー「縄張り、、」
中澤「そ、、それは、確かに十分な理由かもしれんな。
   動物にとっては、、いや、人間にとってもか。
   でもな、喋れるようやから言うけど、うちらには最初から争う気は最初からなかってん。
   無益な争いは終わりにしようや。なあ。勝手に入ったことは、すまんかったな。
   せやけどこっちも十分あんたらにやられた。ちったあ気がすんだやろ?
   もう帰るわ。2度と来ないって約束するで。
   そっちかて、今やめておけば助かる仲間がようさんおるやろ。。やめようや。」
ボスヤナギ「フーフー、、うるさい醜女!」
ボスヤナギは大声を出した。
ビクッ、、あいぼんは中澤の影で身を小さくした。

中澤「し、、しこめとはなんや、、、
   そりゃ確かにこいつらより年取っちゃいるが、、」
ボスヤナギ「ここまで来て引き下がれると思うのか!
   人間ごときが!!思い知らせてやる!
   一族の、、、誇りに賭けてだ!!あ゛ぁあぁああ!
   う゛を゛をおおをぉおお!!」
Д<「頼むからほえないでや。心臓に悪いで。」
中澤「ま、こっちは全員、しっかり生きてる。対してあっちはほとんど氏んどる。
   やっぱりそんな状態で詭弁を並べても通用せえへんか。しゃあない。
   最後の一戦、相手したる。石川、よっすぃー、行くで。」
矢口「・・・・・・・」
よっすぃー「さすがにちょっとキツイけど、、やりましょう。」
石川「私もう、、魔力が尽きそうなんですけど、、、最後ですからね。」
矢口「待って!」
中澤「なんや?具合悪いんか?」
矢口「違うよ。みんなに、、随分迷惑かけちゃったね。
  だからここは、、、、おいらにやらせて欲しいんだ。」
中澤「はぁ?何言ってんねん?」
よっすぃー「ダメです。」
Д<「自分、、今、意識が戻ったばっかりやん。
   はっきり言って、魔力の無い梨華ちゃんより頼りないで。」
石川「、、あいぼんに言われたくない。。でもその通りですよ。今は休んでてください。
   あ、、ベホマはもう無理だけど、、ベホイ」
矢口「待って!!かけないで!
   今、体力は残り1ドット、、そんでもって気合ゲージはマックスなんだ!
   やりたいんだ!やらせてよ!」
よっすぃー「矢口さん、、」

ボスヤナギ「フー、フー、、、誰が来ようとかまわん!
   我が突進にかなうものはおらぬ。全員、、弾き飛ばしてくれる!
   さあ、、こないならこっちから行くぞ!!、、フー、フー、」
中澤「あんた、、その目、本気やな。引き下がる気は無さそうやな。
   なら、、やりや!」
石川「え、、ええ?いいんですか?今動いたら、、そしてやられちゃったら、、
   氏んでしまうかもしれないんですよ!!」
中澤「ええんや、、いや、大丈夫や。そやな。矢口。」
矢口「キャハッ!ありがと裕ちゃん!愛してるよっ!」
中澤「なんや、、調子のいい。。ただし、、負けるんやないで!!絶対や。」
矢口「わかってる。」
よっすぃー「・・・では矢口さん、ここはまかせます。気をつけてくださいね。」
矢口「うん。行くぞ!、、はぁっ!!」
気合を入れると、矢口の片足がオーラに包まれた。
ボスヤナギ「うおぉおぉお!!ごほおぉおぅおおぅぅう!」」
ドンドンドンドン!!
ボスヤナギは胸を叩きながら奇声を上げた。

ボスヤナギ「ウホ!!」
矢口「アチョーー!!」

次の瞬間から、まるでコマ送りの様に見えた。
ボスヤナギは足場を一蹴りし、突っ込む。
オーラをまとう片足を前に付きだし、矢口が飛ぶ。
直後、、

カッ!!

ちょうどお互いが最初にいたところから、真中の位置で二人は激突しあった。
火花がちった様にも見えた。

そして、矢口は交錯したその場にたたずみ、
ボスヤナギは突っ込む前と同じ位置に、、瓦礫の下に沈んで仰向けに寝そべっていた。
ドドゴン!!、、バラバラバラバラ、、
ボスヤナギが神殿に激突した音が遅れて聞こえてくるようだった。
崩れた神殿の粉がボスヤナギに降り注いだ。

中澤「一瞬、、、み、、見えへんかった。」
よっすぃー「凄い、、今のトップスピードは、、私より速いかも、、、」
Д<「!!、瞬きする間に終わってしもた。」
矢口「ふんっ!どうだっ!」
矢口は鼻の頭を親指でこすった。
矢口「これこそセンチメンタル地獄逝きと対を成す、
   一撃の破壊力のみに全てを集約した2つ目の超必殺技!
   その名も、、」
Д<「やっぱ名前があるんか!」
矢口「マリンスパーク!」
Д<「ありゃ?、、なんか普通の響きやな、、、前とちごて、、」
石川「矢口さん、かっこいい!」
よっすぃー「マリンスパーク、凄い技。。
   あの突進と正面からやりあって、一方的に勝つなんて。」
Д<「?、、でも、、なんでにマリンなんや?よう考えたら意味わからんで??」
石川「海が好きなんじゃないですか?」
よっすぃー「もしくは海の荒波に向かって蹴りつづけたとか。」
Д<「わかったで。自分の名前にかけたんや!」

勝手に謎解きされる矢口。

矢口「へへっ!おいらのおかげで勝て、、」
フラッ、、がし
一早く、矢口のもとにかけつけた中澤が、矢口をささえた。
中澤「ほら、無理するからや、、。」
3人「矢口さん!!」
よっすぃーと石川とあいぼんもその場にかけつけた。
矢口「みんな、、」
石川「矢口さん、凄いです。石川、感動しました!」
Д<「うちもやで!」
よっすぃー「かっこいいです。矢口さん!」
矢口「アハハッ、、ハァ、、ハァ、、、、みんなの、、声がさ、、」
苦しそうに、そして嬉しそうに矢口は喋った。
中澤「無理して喋らんでええっちゅうに、、」
矢口「ハァ、ハァ、、、、声が、、、聞こえてたよ。、、、頑張れ、、頑張れって、、、」
中澤「な、、、なんや、、、そんなんええんやで、、」
矢口「いっちばん、、、苦しかった時にさ、、、ハァ、、ハァ、、」
中澤「ええって。。グス。」
また涙ぐむ中澤。
Д<「矢口はん。グスッ」
もらい泣きするあいぼん。

矢口「頑張れ、頑張れって、、、、馬鹿みたいにさ、必死になって、、同じことばっか、、
   他に、、言うこと、、、無いのかよって、、ハァ、、ハァ、、耳たこになったよ。。
   ほんと、馬鹿みたいだったよ。。。ハァ、、」
矢口は苦しそうな息使いをしながらも、口元に笑みを浮かべて言った。
中澤は少し苦笑いした。
中澤「、、馬鹿、、あんたもやで、、そんな馬鹿みたいな声につられて、
   しっかり戻ってきたやないか。」
矢口は目を閉じた。
矢口「・・・・・・・うん。。。ハァ、、ハァ、、うん。。ありがと。戻って来れたよ。
   みんなのおかげで。。。一人だったら今ごろたぶん、、、
   だからさ、、最後ぐらいさ、、、ハァ、、ハァ、、」
中澤「もう、、、もうええわ。わかってるから。みんなわかってるから。
   良く頑張ったな。喋らんでええ。
   ゆっくり休んでええんやで。」
矢口「うん。。キャハッ、、、」
少し笑って、矢口は中澤に体重を預け、気を失った。
中澤はまた、矢口を強く抱きしめた。
中澤「ほんまに、、強くて、、、大人で、、、かわいいやっちゃ。」

その頃、毒にやられたまま落下ダメージを受けていたナッチーは、、、、気絶していた。
ナッチー「zzz、、、もう食わないから許して欲しいべさ。。うーん。。」

牧城


前日、、
辻を背負った飯田はヨシターケの牧城へと到着した。
つじ「すーーーー、すーーーー、すーーーー」
勇者飯田「ただいまーーー。」
りんね「あ!!かおり!!やっと帰ってきたね。お帰り!
   みんな心配してたんだよー。辻ちゃんも。」
勇者飯田「うん。ごめんね。」
りんね「あ、そうそう、今はみんなはね、、、」

飯田はりんねから、みんなが出はらっている理由を聞いた。

勇者飯田「そっか、矢口がねえ。。。ただいまって言いたかったな。」
りんね「明日、みんな帰って来るから言えばいいじゃん。」
勇者飯田「うん。。はーーーー、でもさすがに疲れたよ。
   いろんなことあったし。長いこと走ったり、辻を背負って歩いたり。
   でも、、やるべきことはすませたし。寝るね。」
りんね「そうだね。今はゆっくり休みなよ。」
勇者飯田「あ、疲れて眠いけど、、、お腹も減ったなあ。
   冬と言えば鍋だよね。起きたらみんなで闇鍋でもやる?」
りんね「なんでそんなこと思いつくかな。いいよ。私が食べなくてもいいならね。」


Д<「!!」
石川「どうしたの?あいぼん?」
Д<「今、うち、重要なことに気づいたで!」
中澤「なんやいな?」
Д<「雪つもってるやろ?体力消耗してるやろ?寝てるやろ?」
石川「それでなぁに?」
Д<「このままやと、、、、うちら全員、、、、氏ぬで!」
石川「!!」
よっすぃー「!!」
中澤「!!、そりゃその通りや。ええところに気づいたな。火が必要やな。
   まあ、こいつらが2〜3時間も寝て、
   ある程度回復したらルーラで帰ったらええねんけどな。」

妖精たちも疲れて寝てしまっている。

動ける面々は『てわけして』木片を集めてまわった。
よっすぃーと石川は北へ向かい、よっすぃーが木を切り、石川が運んだ。
中澤とあいぼんは南へ向かった。(と石川は思っている)
10分後
石川「はあ、、はあ、、、集まりましたあ。重いぃ。」
どさどさ。
両手にあふれるほど木を持って、走ってきた石川。これで3往復目。
Д<「ごくろーさん」
ぽいっ。カシャ!
あいぼんは石川が持ってきた木の中に枝を一本投げ入れた。
石川「え、あいぼんのは?もしかしてこれだけ?」
よっすぃーも戻ってきた。手ぶらで。
よっすぃー「もう木が無かったよ。」
石川「・・・・・・」
あいぼん「細かいことは気にしたらあかん。にしてもよく集まったなあ。
   あ、梨華ちゃん氷魔法って空気中の水分集めるやろ。
   この湿った木の水分を全部吸い出して集めてや。できる?」
中澤「そりゃナイスアイディアや。よろしく頼むわ石川。このままじゃ火いつかんねん。」
石川「・・・・・・(むー、、MPも少ないし、
   そんなことやったことないし、だいたい、この二人サボって、、)」
よっすぃー「そうだねー。お願い。りかちゃん。でも、そんなことできるの?」
石川「・・・・・、まかせてくださいよー。やってみます。」

数分後
石川「ぜぇ、、、ぜぇ、、、できました。」
木から吸い出した水でできた美しい氷の結晶が並んでいる。
Д<「サンキューな!ほんま凄いで自分。
   っと、こんなとこに氷があったらまた木が吸うで。」
ガシャッガシャッガシャッ!!
あいぼんは無造作に氷を蹴り、どけた。氷の結晶はくだけちった。
石川「・・・・・・・、、、ぜぇ、、、ぜぇ、、、ハァ、、、」
Д<「と、こっからが大問題やな。火種は、、」
中澤「ごま!こら!起きんかい!!」
Д<「やっぱりそっから取るしかないねんな。」
中澤はゴマを振りまわした。ブンブンブン
ゴマ「zzz・・・・」
中澤「起きてうちらのために火いつけてや!」
よっすぃー「ごっちん起きてー。」
ゴマ「!?」

必死に記憶を手繰り寄せるゴマ。
確か、、ゴリヤナギに襲われてー、神殿が崩れてー、
ゴリヤナギをやっつけてー、よっすぃーと飛び降りてー、
追っ手が来るとか来ないとか、、、

ごま「んあ??」
中澤「お!人間に戻ったで!ごま、これに火いつけてや!!」
ごま「・・・・・・メラゾーマ」
中澤「!!」
ゴォーーー!
中澤の顔の真横を凄い勢いで巨大な火の玉が飛んで行った!
中澤「ちょ、、、な、、、、、何すんねん自分!!!
   うちの美しい顔に火がついたら、、」
しかし、ごまは『にまー』っと満足げな表情を浮かべた。
中澤「・・・・・・あ、、、ありがとな。」
ごま「あはっ」
ごまはゴマに変わった。
ゴマ「zzz、、、」

以下ゴマの夢
中澤「ありがとな!あんたのおかげでゴリヤナギをやっつけられたで!」
よっすぃー「ごっちんさすがだよ。今度、一緒に買い物行こうね。」
ごま「ふふーん。まかせてよ。あはっ」

種火を薪にくべ、中澤がどこから取り出したのか、
筒で息を吹き込むと火は次第に大きくなった。

中澤「フー、フー、フー、、、老体には辛いわ。石川、変わってや。」
10秒でねをあげる中澤。筒を石川にさしだした。
石川「あ、あたしですかあ?やっと呼吸が整ってきたのに、、
   あいぼんがやればいいじゃないですか?」
Д<「ごめんな。だまっとったけど、実はうち、、喘息持ちやねん。ゲホゲホ。」
石川「・・・・・・#、あやしいよ!」
いいかげん、不快感をあらわにした顔をあいぼんに向ける石川。
Д<「うーん、、ゲホゲホ。」
石川「もー、、、」
寂しげな顔でチラッとよっすぃーを見る石川。
よっすぃー「あ、、私手伝うよ。(汗」
石川「よっすぃーーーさーーーん。」
よっすぃー「よっすぃーでいいって言ってんのに。」
よっすぃーが微笑むと、口元からタラーっと血が流れた。
石川「!!」
よっすぃー「!?、あれ、、、いつのまに口の中切ったんだろ??さっきの戦いでかな?」
Д<「口切ってるんじゃ、よっすぃーには無理やな。ってわけで梨華ちゃん頑張ってや。」
よっすぃー「ごめんね梨華ちゃん。」
手を会わせてぺこっと頭を下げるよっすぃー。
石川「い、、、いいんですよ。休んでてください。ここは私がやりますから。」

石川「フー、フー、フー、、、ゼェゼェゼェ、、フー、フー、フー。。」
ゴオオオオオ、、パチパチ、、
巨大な炎が高く上がり、音をたてている。
4人はしばし、その炎に見入った。
石川「ゼェゼェゼェ、、、そろそろ大丈夫かなぁ?」
中澤「おお〜。まぶしいで。」
Д<「きれいやなー。」
よっすぃー「そうですね。それに、あったかいです。」
石川「・・・・雄々しく気高く真っ赤に燃える炎、、、
   まるで、、、私達の美しい友情のようですね。」
うっとりとした表情で石川は言った。
風が吹いた。
ビュオーーーーー、、、フッ、、、プスプスプス、、、
沈黙が流れた。
Д<「き、、消えた、、、」
中澤「消えた、、、」
石川「友情の炎が、、、」
中澤「いー、しー、かー、わー!!」
石川「残念でしたね。どうしましょう?」
中澤「どうしましょうやない!!あんたのせいやで!!」
石川「え?なんでですか?」
Д<「誰がどう見ても梨華ちゃんのせいや!!!」
石川「ど、、どうして?(よっすぃーさん!)」
救いを求める目をよっすぃーに向ける石川。
よっすぃー「・・・・・・」
残念そうな目でうつむきながら首をふるよっすぃー。
石川「!!・・・・・・・なんで、、」
中澤「あんた、今すぐごまを起こして火をつけてもらってや!
   さっきうちは氏にそうになったんやで!!」

ゴマの元に歩みよる石川。
石川「グスッ、、なんでチャーミーばっかり。。。」
ゴマ「zzzz」
石川「ごまさーん。。起きてくださいよーう!!起きてー!!」
ゴマ「zzz・・・・」
石川「ごまさーん!!お願いです、起きてー!」
石川はゴマを持ち上げ、ブンブンと振った。
ゴマ「!?」
石川「起きました?」
人間に戻り半分目を開けたごま。。
ごま「んあ?、、ダーレー、、?」
石川「チャーミーです。チャーミー石川です。ごまさん、火をつけてくださーい、、、」
ごま「んあ、、、ああ、、チャーシュー。えへへへ。。美味しそう。」
石川「チャ、、、、」
サーっと血の気がひく石川。
ごま「んあ?美白??」
ボテッ
石川はごまを地面に落とした。落ちながらごまはゴマに変わった。
ゴマはラーメン屋で美白の店主にチャーシューをおまけしてもらう夢を見た。
店主「お嬢ちゃん、かわいいからおまけしちゃう!」
ごま「えへへっ。ありがとー。」

石川はとぼとぼと歩き、空を見ながら胸の前で両手をあわせて指を組んだ。
石川「ああ、、、遠い祖国のお父さん、、お母さん、、、」
ビューーー、石川に風が吹きつけた。
石川「これまで、、、一生懸命ポジティブに頑張ってきたけれど、、、、、
   もうダメかもしれません。。。」
ビュォオオーーーーーー!!!いっそう強く吹きつけた。
石川「ああ、おうちに帰りたい。お母さん、あなたの温かいスープが飲みたい。。。」

中澤「フー、フー、、お!持ちなおしたで!!」
Д<「まだ下の方に火が残ってたんやな。」
よっすぃー「おーい!梨華ちゃーん!火が戻ったよぉ!!って聞いてないみたい。」
Д<「なんや、思い悩んでるな。。ホームシックやろか?」
中澤「あっちはオホーツク海やで!家なんか無いで。違うやろ。」
よっすぃー「なんか世界に入ってるみたいだし、
   悩んでるときは口出し無用ですね。ほっといてあげましょう。」

石川「グスッグスッ、、、」

その後、よっすぃーの隣で火を眺めるも、石川は数分で寝てしまう。
寝てる間、ずっとよっすぃーの膝枕だったことは知らないままである。
ついでに、あいぼんに木炭で顔に猫のヒゲを書かれたことも、知らないままである。

数時間後
保田「ほら!そろそろ帰るわよ!!」
ぺちぺちとゴマの頬を叩く。
ごま「ふわーーああ。」
ごまが起きてのびをする。みんな起きている。

ナッチー「おかしいべさ。寝たのに調子悪いっしょ。腹が減ってるんだべか?」
矢口「ナッチー顔色悪いよ?なんか変なものでも食べたんじゃないの?」
マサエ「毒にでもおかされたんじゃないですか?」
ナッチー「!!、そうだったべさ!いやあ、我ながらはんかくさいっしょ。
   梨華ちゃん、直して欲しいべさ。」
照れ笑いするナッチー。
石川「いいですよ。キアリー!!」
矢口「ほんとに変なもの食べたのか。っていうか、はんかくさいって何語?」
苦笑いする矢口。
マサエ「馬鹿みたいっていうような意味ですよ。」
矢口「なるほど、確かに。。!?、、ところであのさあ、、あんた誰?」
マサエ「あらぁ。」
ずっこけるマサエ。
中澤「あんたのために頑張ってくれたんやで。ここに住んでる妖精さんや。」
中澤は矢口を小突いた。
矢口「お、、おう。あんがとよっ!」
マサエ「いいえ。どういたしまして。」
シバタ「でも、、、ここ崩れちゃったけど、、?」
マサエ「あ、どうしよ?」
中澤「す、、すまんな。家壊してしもて。ま、とりあえず一緒に牧城行こう。な。」
マサエ「じゃ、とりあえずお言葉に甘えます。あとは、、久しぶりにメロン谷に顔出すかな?」

帰る準備をすませる一行。
矢口「みんなーー!帰る前に聞いて欲しいことがあるんだ!!
   みんな、矢口のために、いろいろ、、、」
中澤「おう!もういいってことよ!」
よっすぃー「いいんですよ。矢口さん。」
Д<「ええねんええねん。」
ナッチー「気にしないべさ。」
石川「困った時はお互い様ですよ。」
保田「そうそう。」
ごま「うーん、、、まだ眠い〜。そんなことより早く帰って寝ようよー。」
矢口「・・・・お、、おう!、、、んじゃ、帰ろっか。」
保田「じゃ、ごまとあたしで4人と1匹ずつね。」
ごま「はーい。」

保田「ルーラッ!!」
ごま「ル〜ラ!!」