加護「…なんや今の電話? 昨晩何しとったんか、聞きそびれたやないけ。
黄熱病にうなされた野口英世みたいなこと言うとったでぇ?」
辻 「とりあえず、お寝坊さんなのれ急がなくちゃならないのれす!
運転手さん、すみませんけろマッハで環状飛ばして欲しいのれす!」
小川「先輩ホント昨夜どこ行ってたんだろ? せっかくマコが朝まで起きて
待ってたというのにさ。 今晩帰ってきたら、お尻かじっちゃお!」
加護「朝まで起きとったんは、なかなか歌詞がでけへんかったからやろ〜?
ウチもなんとか書いたけど、あんま自信ないなぁ…。 ぶっちゃけ、
前の歌詞のどこが悪いんかサッパリやさい、どないしたらええもんか
わからへんかったからな。 …辻、オマエはどんなん書いたんや?」
辻 「えっとれすね…『ヤンジャンはどこじゃ どこじゃ♪ 布団の中じゃ
中じゃ♪ オネショをしたのは〜忍者の仕業さ いっけないじゃ♪』
加護「でもねママでもねママ〜忍者がゴメンて言ってるよ〜♪ …てオイ!
NHKみんなの歌のパクリやないけッ! 小川ッ! オマエは!?」
小川「マコですか? えっとですね…『きまりきらないポーズでも 異次元
だったらそれでOK♪ カモンカモンカモン、異次元ストーリー♪』
加護「まッ…まんまウイングマンやないけッ! オマエらはドリムノートに
忍者じゃじゃ丸君とガマの絵でも書いとけッ! このブリキ共ッ!」
辻 「くふん… じゃあ、あいぼんはどんなの書いたんれすか?」
加護「ウチか? ウチはな…『住み慣れた我が家に 花の香りをそえて…』
これが出足や。ええやろ? ヤンジャンとの思い出の暮らしを歌って
みたんや。 花っつーのはもちろんウチらのことや。 どや?」
運転手「リフォーム〜しようよぉ〜♪ 新日本ハウス〜♪ …てかぁ?」
小川「あー…なんか聞き覚えあると思ったらそれか。 カァ〜… ペッ!」
辻 「最悪れすね…。 辻スペシャルばりに雪玉ぶつけたい気分れす…!」
加護「くッ…雲助ェエエエエエーッ! ワレ、車止めろやぁあああッ!!」
矢口「ふぁああ…おはよぉ〜…。あれ? カオリ今日はずいぶん早いね?」
飯田「うん♪ 結局一睡もしないで朝をむかえちゃった。 ところでアンタ
その後ろにひきずってる、狩られたセイウチみたいなの、なに?」
矢口「ああ、これはシベリアのチュクチ族にヤリで刺された… じゃなくて
なっちよ。 廊下の途中で睡魔に力つきてブッ倒れてたからさー。」
飯田「マリッペもあんま寝てないみたいだね…。 歌詞作りに苦労した?」
矢口「そりゃしたよぉー!あったり前じゃん! パパと妹、ムリヤリ朝まで
つき合わせてやっとこ完成したんだから。 それよりカオリはどう?
あー? その晴れやかな顔は、バッチシいいの出来上がったなぁ?」
飯田「ううん、全然♪」
矢口「全然って…カオリ! なにやってんだよッ! ごっつぁん達来る前に
間に合わせでも何でもいいから、早く何か書いちゃえよ! そんな
ザッピィ読みながらムースポッキー1本ずつポキポキ食ってる場合
じゃねーよ! また怒られるってば! なんだよその笑顔はッ!!」
飯田「カオリ流・リズムに合わせて首振りスマイル♪」(クリックリッ)
矢口「知ってるよッ! どのPVでもやってるから気持ち悪いんだよッ!!
…そんなことより、知らないぞぉ? 今日も歌詞できてないんじゃ、
オイラのフォローきかないぐらい、アトランティスがキレるぜ?」
飯田「大丈夫…。 ちゃんとカオリが説明するからさ。」(クリックリッ)
矢口「説明って…どういう納得のいく説明ができるんだよ!? しかも…」
安倍(ムクッ!)「あらららららッ!? ………。」(ツーン…)
矢口「今度はオメエかよ? なんだよ…寝起き直後のその不愉快な顔は?」
安倍「なっち流・驚いた後のトンガリクチビル♪ 湘爆のアキラ風♪」
矢口「知ってるよ…。 最近その顔、アホみたいに多用してるからな…。
もうオマエらがそんな調子ならオイラ知らないもんね!」(キュ!)
飯田「出たッ! 矢口流・肛門みたいなハート口♪ …キモッ!」
ガチャッ!
辻 「おっはようさんなのれすぅーッ!! ………。」(プクッ)
安倍「出たッ! ギバちゃん流・口閉じてホッペふくらまし♪」(ツーン)
辻 「違いまふッ! これはノノ流なのれす! あっちがパクリれすッ!」
矢口「ビックリしたぁ…ごっつぁん達が来たかと思ったぜ…。」(キュ!)
加護「なにみんなしてアホな顔しとるんや…?」(ンガー)
飯田「出たッ! 加護流・眉間にシワよせ、口が『Д』の困った顔ッ!」
小川「…ッ!! えっと…えっと…」(ハッ プルルルルルッ!!)
シーン…
加護「そういや後藤はんなら便所おったで? もうすぐ来るちゃいます?」
辻 「ケメコさん達もいたとれす。 パンチラのウンコが固すぎてなかなか
出ないとのことなのれす。 食物繊維を取らないからなのれす。」
小川(ハッ プルルルルルッ!! ハッ プルルルルルッ!! ハッ…)
矢口「さっきから汚えな小川ッ!! ダニでも飼ってるのかテメエはッ!」
小川「うう…だってマコも、マコ流の…その… いや、何でもないッス…」
ガチャッ!
保田「グッドモンゴルーニング!! 黄色人種のみんなモンゴってるかい?
なんでですかタカさーん! んもーうッ! チュッ♪」(パチパチ)
全員『出たァーッ!! 姫流・うたばんタカさん殺しウインクッ!!』
吉澤「いやぁ〜ウンコ出なくてさぁ〜」(ハッ プルルルルッ!!)
全員『うおおおおッ!? ヨッスィの新ギャグかぁーッ!?』
小川「〜〜〜〜〜ッ!!!!?」
加護「となると、次来るのは後藤流・冷血アシュラ能面マスク? それとも
高橋流・鼻ススリかいな? 紺野しびれフグかもしれへんのぉ〜?」
後藤「おっはよぉー! アハハごめーん…メイクに時間かかっちゃって♪」
矢口「あれ? 能面ならぬアルカイックスマイルじゃん、ごっつぁん…?」
高橋「めずらしいダスなぁ、集合時間前にメンバー全員集まるなんて。」
矢口「うん、時間がないの、みんなわかってるからな。 ごっつぁんも
圭ちゃん達と昨夜一緒にいたせいか早く来たし、新垣もしっかり
ガリガリ君持ち込みで来て、途中でいなくなる心配ないしな。」
安倍「ん! さっそくみんなそろった所で、早く会議始めるべ!」
ガチャッ!
石川「チャーオーッ!! あれぇ? みなさん今朝は早いですねー♪」
シーン…
加護「まあ…アレや。 実はウチら今朝タクシーん中で、お互いの歌詞を
発表しあったんやけどな? なんやその… イマイチやねん…。」
紺野「私も… ちょっと自信がないです…。 前のと同じような歌詞に
なっちゃって…これじゃまた黒乳首さんにダメって言われるかも。」
小川「飯田さんの歌詞を見たいなぁ。 書いててくる約束でしたよねぇ?
やっぱリーダーがお手本見せてくれないと、マコ達には難しいッス!」
矢口(ギクッ!)「あ…その、ちょっと今回、オイラも自信ないんだよね!
他の奴らも自信ないみたいだし、発表はまた夜にでも持ちこさねぇ?
なっ! そうしようぜカオリ! ごっつぁんもそれで…いいよね?」
飯田「あのね、カオリ… 今日は歌詞書いてこなかったの。」
矢口「わぁーッ!! バ、バカ! カオリッ…!!!」
(せっかく時間のばそうと、フォローかましたのにッ!)
新垣「ハァッ!? なにブっこいてるのよ、このバーミヤンの半壊石仏!?
やる気あるのォ!? ここに三田先生いたら、股関節脱臼するぐらい
マタ割りさせられてるところよ!? 土俵で新弟子泥まみれよ!?」
飯田「うん、ゴメンね? でも書かなかったのは理由があるの…。
これはね、カオリが歌詞を書けなかった言い訳とかじゃないんだ…。
だから怒らないで聞いて欲しいの。 あのね…」
加護「あきれたわ。 ウチほんまにあきれたわ。 飯田はんな、リーダーの
プライドか詩人のプライドか知れへんが、形だけは見せておくんなは
れや? 何も書けへんてことないやろ? ジブンが立派な歌詞できる
まで、みんなには見せたぁないって事かいなコラ? 何様やねん!」
小川「さすがに今日こそは何か書いてくるって思ったけど… あれまぁ。」
辻 「後藤しゃんの、デビ夫人級のヒステリックショーが始まるのれす。」
新垣「言い訳考える頭あるなら、歌詞考えればいいじゃない。 最悪ね。」
高橋(ヤバ気な空気ダス! あさ美、避難した方が良くないダスか…?)
紺野(う、うん…! 怖くて横の保田さんの顔が見れないもん…!)
飯田「だから、言い訳なんかじゃないの! カオリの事は責めてもいいから
その前に話だけは聞いて欲しいの! ねッ? だから、ごっつぁん達
も怒るのはちょっと待って、まずはカオリの話を…!」
後藤「へへ♪ 実は私もね… 歌詞…書いてこなかったんだ。 ゴメン!」
矢口「…え?」
保田「スマン!姫もだ♪ でもよ、なんつーか歌詞のヒントみたいなもんを
昨夜のプッチ会議で得る事ができたんだ! これな、みんなにもぜひ
聞いて欲しいんだよ! なんかさ、今までの歌詞の違和感の理由が、
ほんの少しわかった気がするんだ。 カオリ、今話していいか…?」
吉澤「ダメだよ圭ちゃん、まずは飯田さんの話を聞いてからだろォ?
順番、順番! それとな圭ちゃん、便所でケツふいてからウンコする
クセやめたほうがいいぜ? …意味わかんねえ。つーか意味ねえし。」
飯田「うん…。 ありがと♪ …あのね、カオリ思ったんだけど、ウチらの
ヤンジャンへの本音の気持ちってさ、『頑張って!』という言葉じゃ
ないような気がしたんだ。 そんな事、口先でいつでも言えるもの。」
後藤「それそれッ! 私達が言いたかったことも、そういう事ッ!!」
矢口(あれあれ…? オイラ1人取り越し苦労? 略して鳥越マリ…?)
石川「でも…ソロでも頑張って欲しいってのは、チャーミーの本音の気持ち
ですよぉ? モーニング娘。をはばたいた仲間が、イカロスのように
堕ちていく様なんか見たくないですもの。 …誰かさんみたく。」
ピーピーピッピ〜♪ ピロピピピ〜♪
安倍「ゴーゴーレツゴーいい意味で〜♪ …ヨッスィ着メロ鳴ってるよ?」
吉澤「あ、もしもしこちら吉澤ァ〜? 誰だテメェ、名をなのれ。」
市井((( …あ、ヨシ公? 悪いけど石川と替わって。 )))
吉澤「おうヤギ。 市井先輩から電話だ。」(サッ)
石川「どッ…どうも先輩! いえいえいえッ!いい意味で!いい意味で!」
保田「おう紺野、テーブルの下を調べろ。 やっぱミド連中、盗聴器しかけ
てやがる。 あと高橋、マイクしかけたの鉄板で松浦だから、後で
ヤツの楽屋にヤリぶちこんでこい! ヤンジャンに習ったべ?」
加護「石川必死やな。 まあ話戻るけど、ウチほんま言うたら、今はまだ
応援って気分やないなぁ。 なんちゅーか… 天使の加護ちゃんの
衣を脱ぎ捨てたら、ベルゼブブ加護ちゃんがワンワン羽音をたてる
さかい、不謹慎や思うて、歌詞にはよう書けへんかったんや。」
辻 「ののは応援しとるとれすよ? れも…一番の気持ちじゃないのれす。
本当のこと言ったら… ううん。 言っちゃいけないのれす。」
保田「うん、それなんだよ。 姫も今さらそういう事は言っちゃいけない
ことだと思って、歌詞のワードからは外していたんだけどよ?
本人に面と向かって言いにくくなった言葉だからこそ、アイツに
歌を送るって事は、その気持ちを伝える最後のチャンスなんじゃ
ないかってさ? そう思わねえか、なあみんな…?」
シーン… いえいえいえッ!! いい意味で! いい意味で!
矢口「石川うるせえよッ!! …そうか、考えもしなかったなオイラ。
そう言われると、つんくさんが言ってたことも… なるほどな…。」
小川「う〜ん… マコはまだ、イマイチわかりませーん!」
後藤「マコっちゃんが一番わかりそうなもんだけどなぁ? それじゃあさ?
ヤンジャンに伝えたい本音の気持ち、歌詞にするしないを関係無しに
紙にみんなで書き込んでみない? 本人いないんだから、不謹慎も
何も関係ナシッ! 無記名で紙に書いて、それをみんなで読んで
みるの? ねっ? そうしたらみんなの気持ちってヤツがわかる
じゃない♪ どうカオリ? やってみない?」
保田「私達プッチもそれと似たような事して、それに気付かされたからね。」
飯田「うん! いいかもしれない♪ やろっかぁ!?」
安倍「無記名で本音の気持ちを書くのォ? 誰か悪口書くかもしれんべさ?」
矢口「たぶんそれオマエ。 …いいじゃん悪口でも! やろうぜッ!」
カキカキッ… コッコッコッ… コリコリ…
紺野「あーもうッ! 愛ちゃん見ちゃダメだってばぁッ!!」
保田「うははははッ! これ読んだらアイツ怒るだろうなぁ〜ッ!」
矢口「不思議だよなぁ… 歌詞を書こうとしたら何も書けなくなるのに、
こうやって好き勝手書くのなら、いくらでも言葉が出てくるもん。」
小川「う… うう…。」(シクシク…)
加護「ゲコおまえ、なにスンスン泣いとるねん? 気色悪いやっちゃな!」
辻 「そういうあいぼんも、書きながら顔が真っ赤なのれす♪」
飯田「…やっぱカオリって天才♪ 我ながら惚れ惚れする詞だわ〜!」
後藤「もうッ! 今頃、詞を書いてどうするのさぁ! …ったくぅ〜。」
石川「…ありゃりゃ。 チャーミー、応援の言葉が一つもないや。」
安倍「そんなもんだべ。(ボキッ!) あ、また鉛筆折れちゃったべ!」
吉澤「な…なんでそんな力はいってるんスか、安倍さん?」
ネコ「ウニャニャニャ。(ボキッ!) ウニャァ〜…。」
飯田「ハーイ! 書けた人から、この箱の中に入れてってねーッ!!」
飯田「さてと、それじゃ紙も集まったことだし… さっそく読んでみる?」
矢口「うひゃぁ〜恥ずかすぃ〜! オイラ筆跡でバレちゃうもんッ!」
後藤「じゃあ、最初の一枚…。 ホラ、早く紙をひいてよカオリ!」
飯田「いいの? さっそく一枚目読んじゃうよ…?」
加護「あ、あのぉ〜。 や、やっぱやめへん…? その… あんまり露骨に
本音書いてもうたから、正直読まれたくないなぁウチ…。」
吉澤「誰が書いたか、わからないから平気じゃねえ? あ、でも筆跡がな…」
新垣「リサたん筆跡でバレないよう、そのへん気くばりバッチリだもんね♪」
保田「だからオマエ、定規使って字を書いてたのかよ? 誘拐犯かオマエ?
逆にバレバレだろ? カクカクした字のやつがコネの紙な♪」
新垣「…ッ!! は、反対ッ!! リサたん開票ハンターイッ!!」
飯田「どうするの? 紙を見る? 見ない?」
小川「なんか…別にもう見なくていいですマコ。 自分で紙に書いてみて、
やっと先輩方が言っている意味がわかったし。 …ハイ。」
後藤「うん…やっぱり私も恥ずかしいしなぁ…。 それぞれが本音の気持ちを
再確認できたってことで、もうこのゲームの役目はすんだのかもね。」
紺野「はい…。」
石川「うん…。」
飯田「じゃあ決定! この紙はこのままビリビリやぶいてトイレに流しちゃい
まーすッ!! ちょっとこっそり、のぞいてみたい気もするけどね♪」
保田「ウハッ! そうだ♪ …あのさ? せっかくだからその紙、1人ずつが
1枚ずつひいちまわない? それで読んだヤツは、その紙の中身を絶対
他にもらさないで、自分の心のうちにしまっておくの! …どうよ?」
矢口「うわぁー怖ぇーッ!! 誰かがオイラの読んで、内心クスクス笑ってる
ワケだろ〜? すんげぇ怖ぇーッ!! …で、でも、面白い…かも?」
全員(ニタァ〜…)『やろうッ!!』
飯田「ホラホラみんな、ニタニタしてないで…! さっきも言ったように、
それぞれひいた紙の中身は、自分の胸のうちにしまっておくのよ?」
石川「加護… 今、私の顔見て笑わなかった…? もしかして…!?」
吉澤「うー… これ誰の字だろぉ? ていうか、漢字が多くて読めないや…」
紺野(ギクッ! 吉澤さんかぁ… 私の紙ひいたの…!)
後藤「あれ? 圭ちゃん、なんで鼻すすってんの?」
保田「え? へへ… なんつーか、いい奴だなコイツって思ってさ。 ズッ…
誰だかわかんないけど。 …最高ッ!! お前ら最高だぜッ!!」
飯田「コラコラもうその話は終わりッ! 辻、息できなくなるまで笑うなッ!
…じゃあ最後に。 リーダーのカオリから、もう一つみんなに聞いて
欲しいことがあるの。 歌詞をどうするかなんだけど。」
後藤「今日中はもう無理よねー…。」
飯田「うん、こうなったら時間ギリギリでも、予定に間に合わなくてもいい。
ちゃんと形にした、ヤンジャンへの卒業ソングをみんなで作ろうよ?
大事なのは、みんなで、っていうこと。 みんな…でね。」
吉澤「つんくさんも言ってたね。」
飯田「だから今日のリハは、みんなで頑張って早く終われるぐらい完成度の
高いものにしてさ? それで今夜はみんなで集まって、一緒に歌詞を
作ろうよ? 今みたく、みんなでワイワイ楽しくさ。 ね?」
矢口「いいね! もう正直、家で寂しく宿題なんてのはイヤだったんだ♪」
後藤「なんか1人で机向かって、ヤンジャンのことを考えてると、気持ちが
沈んできちゃうしね。 そうしよ! さすがカオリッ! 名案♪」
安倍「それじゃ今日のリハは頑張るべ! 寝たらダメだよぉ、みんな?」
加護「みんなでヤンジャンを語る夕べになりそうやな。 この前ヤンジャン
の卒業を聞いて集まった時は、葬式みたいな感じやったからな。」
小川「あーん、これでヤンジャン先輩も一緒だったら楽しいのにぃッ!」
夏 「……なんだよ。 今日はやけに動きいいじゃねーかコイツラ。」
藤本「なんかあったんスかねぇ? 楽屋で歓声わきあがってましたけど?」
夏 「うーん、まあ予測がつかないのがコイツらの面白い所なんだけどな。
練習でハラハラさせたかと思えば、本番で信じられない完璧な踊り
みせたり。 この5年間、そんな驚きと裏切りの連続だよまったく。
…ていうか藤本。 隣の松浦の背中のヤリを抜いてやれ。」
松浦「うーん、うーん…」(ジタバタ…)
藤本「でもなんかヤンジャンさんがいないと、違和感ありますよねー…。」
夏 「いや、いいからヤリ抜いてやれって…。」
飯田「なっち大丈夫? あんまり寝てないんでしょ?」
安倍「平気だべ。こんな事で息あがってたらヤンジャンにバカにされるべ。
…それより良かったね? ごっつぁんとケンカにならなくて。」
矢口「オイラ、ドキドキしてたんだぜぇ? まあ、結局導きだした答えが
全員同じになって良かったよ。 いつものことだけどな。」
飯田「うん…。心配かけさせてゴメンね? ありがとう矢口。」
ゼェゼェ…
吉澤「キッツー! 超キッツーッ! でもマユミちゃん機嫌良さげだから
今日のリハは早く終わりそうだよな? 新垣、ポカリ持って来て!」
後藤「うん、そうだといいね。」
保田「なんだ、ゴッチン表情暗いな? 具合でも悪いのか? あ、ゴメン!
このポカリ、ヨッスィのだ! 全部飲んじまったい! ドンマイ♪」
後藤「いやさ、カオリに謝らなきゃいけないなーって…。 けっこう私、
ヒドイこと言っちゃったもん。 詞を書けない理由を必死に考えてた
カオリが正しかったのよね。 恥ずかしくなっちゃう…私。」
保田「気にしないでタオルでもカオリに持ってってやれよ。 笑顔でさ?
あ、このタオル、ヨッスィのだ。 汗吸って激重だけどドンマーイ♪」
鈴木「あいつら帰ってこないなぁ? もう夜の11時だぜ? リハで遅く
なるにしても、電話の1本ぐらい入れろっつーの! カレー南蛮の
メンにも、茹ではじめるタイミングっつーもんがあるんだからさッ!
…電話してみよっかな? でもそれじゃ私が1人で寂しがってる
みたいでイマイチかっこ悪いし…。 ちぇッ! いいもんねーだ!
1人で亜美たん、大戦略やって遊んじゃうもんね! よーし進め、
イスラエル・ゲリラ兵! シナイ半島を占領するのじゃーッ!」
ヒュー ババン… ヒュー ババン… ヒュー…
鈴木(…あさってにはもう、この家を出て行かなくちゃいけないんだな…)
「そうだ…。 アイツラが帰ってくる前に…。」
ガサゴソッ… ゴトッ バサッ ゴソゴソ…
鈴木「ここを出て行く荷造りなんて、アイツらに見られたくないもんね…。
家具も電化製品も、ほとんどここに置いていくからなぁ。 荷造りが
楽でいいよ。 ハハ…まるで私、旅行に出かける準備をしてるみたい。
夏服は置いていくかな? もう秋だもんね。 下着と冬服だけ…。」
ペロンッ
鈴木「あー… どうしようかなコレ? 辻が欲しがってたワインレッドの
ヒモパン。 クスッ♪ 置いていってやろっかなぁ? アイツがコレ
ケツにくいこませている姿を想像すると、か〜なり笑えるけどね。
いいや、これもこれも、よしッ! こいつも辻にくれてやるわいッ!
そうだ、加護はすぐオヘソ出して寝ちゃうから、このハラマキも…。」
ゴソゴソッ ギュッ パチン… ドンッ…
鈴木「あらら…荷造り終わっちゃった。 カバン2つ、これでオシマイ…。
ブハハハッ♪ 私ってば、ほとんどの物をここに捨てていっちゃうん
だな。 こんなに身軽だと、来週には帰ってくるみたいじゃん♪」
(なんか… まるで自分の帰る場所を、わざと残しているみたい…。)
トゥルルルルル… トゥルルルルル…
鈴木「…お! 電話きたきたァッ♪ ったくぅ! こんな時間まで…!」
ガチャッ
鈴木「おうッ! オマエら、まだリハ終わらないのかよッ! せっかく私が
カレー南蛮、鍋にタップリ用意して待ってやってんのによぉーッ!?
ヤンジャンさん先に寝ちまうよ? 枕にヨダレたらしちゃうよ〜ん?」
市井((( カレー南蛮? いいね、ごちそうになりに行こっかな♪ )))
鈴木「ぶッ…オマエかよッ! 何の用事だよ、こんな夜更けに非常識だな…。
こっちはガキの帰りを待つ身で忙しいんだ。 サッサと寝ろボケッ!」
市井((( あ、加護達なら今夜帰って来ないみたいだよ? それよりさぁ?
どうせヒマで、家で1人、ファミコンウォーズでもやってたとこ
なんでしょ〜? どう鈴木? 外で一緒に飲まない? )))
鈴木「バッ…バカにすんなッ! PC98の大戦略だよッ! 外で飲むってオイ
おめぇはまだ未成年だろ? 生意気ぶっこいてねえで、マリオの隠し
ステージで金貨でも集めてろよッ! じゃあな? 電話切るからな?」
中澤((( だぁーれが、ルイージと同い年やコラッ!? 姐さんまだ、
やつの1コ下やっちゅーねん! マリオは3つ上やッ!! ))
ビクッ! ガチャンッ!! ツー ツー ツー…
鈴木「…やべえやべえ、とんだ伏兵がいやがった…! 電話線抜いておこッ!
な、なんで市井の野郎、うちの皇太后様と一緒にいやがるんだよッ!?
ふぇー… ビックリしたぁ…! 一瞬マジで尿道開いたぞオイ…!」
ピンポーン ピンポーン! ドンドンドンッ! バキッ! メキメキッ!
石黒「ぶふぅーッ!! …なんか立て付けの悪いドアだと思ったら、カギが
かかってただけか…。ごめーんヤンジャン、ちょっと壊しちゃった♪」
福田「チェーンロックぐらい、あたいがバーナーで焼き切るっつーの!」
鈴木(パクパクパク…!)
中澤「ええ夜やのぉ〜ヤンジャン! 誰がニセピーチ姫じゃゴルァーッ!!」
石黒「へぇ〜けっこう片付いてるわねぇ? ハムパーティの時はカラコルムの
遺跡跡みたいにボロボロだったのにねぇ?」
中澤「そ〜やなぁ? あの時は家具とかイスとかボロボロやったもんなぁ?」
鈴木「それはアンタが窓から放り投げたからだろッ!! 何のイヤガラセだよ
アンタらッ!! 第一、ドアにカギなんかかかってねえよデブッ!!」
石黒「いやぁ、あまりにもヒマだからさー。 3トン超車両系建設機械免許、
旦那の留守中に資格取っちゃったのよね。だからアヤッペのマイブーム
今は『解体』なの♪ 免許取り立てって、みんなそんなもんだろ?」
鈴木「それブルドーザーの操縦免許だろッ!? ブルドーザーになる免許じゃ
ねえだろうがッ! どこに体一つでドアぶちやぶる主婦がいるんだよ!」
中澤「そうやな〜。 主婦って、ええ響きやね〜。 姐さん憧れるわー…。」
鈴木「いやいや、同意の方向間違ってるからバアさん…。 ていうか、何しに
来たんだよ? いくら仕事がないからって、ヒマつぶしに私の家を破壊
していいってもんじゃねーぞ? レゴブロックじゃねえんだからよ…」
福田「どうせ2、3日したら出て行く家だろぉ? ドンマイ暴れはっちゃく!
不良ってのはねぇ、タイマンはってケガした分だけ頑丈になるのさ。」
鈴木「人体と建造物を一緒に語るなよ…! 第一、私はここ出て行くけど、この
家には加護達が引き継いで住むんだぜぇ? 知らねえぞ…? アイツら
ハンムラビ法典を実体化したヤツらだからな。 石黒の豚小屋マイホーム
目には目を、ドアにはドアをの方針で、明日には風穴あいてるぜ?」
石黒「………。」(ペラッ… ペラッ…)
鈴木「今頃タウンページめくって修理業者探しても遅いよッ!! …頼むから
大人しくしててくれよ…。 なに? ヒサブリに卒メンで飲んでたの?」
中澤「飲むのはこれから! これからやがなぁ〜♪ 今夜はヤンジャンが1人で
寂しそうやから、みんなで飲んで励まそうってサヤカが提案したんや。」
鈴木「1人って…。 辻加護ゲコ助、今夜マジで帰ってこないのか…?」
ソニ「……。」
吉澤「いや、言いたい事はよくわかるッ! ただ、ただこれだけは聞いてくれ!
モーニング娘。を代表して、この方からの御挨拶ですッ!」
ネコ「………。
ウニャッ!」
ワァーッ パチパチパチパチパチパチッ!! いよッ、ヤンゾー大社長ッ!!
ソニ「帰れニダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッ!!!
なッ…何度、口を熟成キムチみたく酸っぱく言ったらわかるニダァッ!!
ここは真夜中にローリング族が集まる峠の駐車場でも、来れば必ずヤレる
夜景の見える新宿のカクテルバーでもないニダよッ! 遠くはヒマラヤの
カン・リンポチェの聖なる山でもないニダよッ!! ソニんちに毎度毎度
集まっても、年一度の聖なるお祭も、試写会のゲストにトム・クルーズも
来ないニダッ!! まず! まずそこの子ネズミッ!! 略してコネッ!
キムチは皿にとって食え言ってるニダろッ!? な〜んでいつもカメごと
持って来て首をツッこむニダッ!? あとそこのバカ義姉ッ! 編む気も
ないのに弟のセーターの袖の長さを計るんじゃないニダよッ!! それが
今夜うちに訪れた理由と言っても聞かないニダよッ!! 今日という今日
こそは、ケツに根が生える前に帰ってもらうニダッ! ユウキ、塩持って
こい、塩ッ!! 押尾じゃない、塩ッ!! 安倍、拍手やめるニダッ!」
矢口「あ、すまんユウキ。 ついでに醤油も頼む。 納豆食うから。」
保田「おう! 納豆ならカラシも頼むッ! 紺野はどうする? ネギ刻む?」
紺野「あの…それじゃすみません…! ユウキさん、味の素お願いします♪」
ソニ「聞いてないニダね…! やっぱり話を聞いてないニダねッ…!!」
ユウ「あ、これ…味の素…。 ネ、ネギ刻みます…?」
ソニ「お前もお前で、赤面しながら味の素だけ持ってくるんじゃないニダッ!!
鈴木の家に飽きたら、今度の標的はうちニダか!? どこの遊牧民族ニダ
オマエラはッ! コネッ! お前はッ! カメからッ! 手を放せッ!」
中澤「そうやなぁ… ソロとして生きる心構えなぁ…。 ヤンジャンも難しい事
聞くなあ? まあ、わしから言えることは『さんま御殿は進んでトーク』
これやがな! ヒック…何か困った事あったら姐さんに言いや? ん?」
鈴木「いや、私はアンタに心構えなんか聞いちゃいねーし、その答えは私への
教訓じゃなくて、アンタ自身の目標だろ? ソロ活動なら、てめえがミニ
スカートはいて、世間の笑いとってる頃から私はやってたっつーの!
あとな…アンタがビールだと思ってグビグビ胃に流しこんでるソレな…」
中澤「あ、ホンマや…。 わしてっきりビールやと思うてたわ。 アハハハ!
どうりで泡立ち少ないなぁ、思うとったん。 ヒック…酔ったんかな?」
福田「ゲハハハッ! 裕ちゃんバカだな、それ酎レモンじゃねえかッ!」
鈴木「ママレモンだよッ!! 逆に泡が立ちすぎてるだろッ!!」
石黒「それよりさーそれよりさー、アヤッペの話聞いてよォ! あのさ、うちの
旦那がね、大きな声で言えないけどデブなの。しかもデブなの。さらに…
あ、そうだ! ヤンジャンおなか出してみて? デブ占いしてあげる♪」
鈴木「うるせえよッ!! テメエさっきからデブトークばっかじゃねえかッ!!
てめえのハラの妊娠線で、勝手に占ってろよ! 熱苦しいなッ!!」
石黒「ヒック…じゃあアヤッペの今日のデブ占いはっと。診断結果…『肥満』」
鈴木「あーあーあー…! オマエラ見てると頭が割れそうだよォ…!!
私は絶対こうならないぞ… 絶対こうならないぞ… 絶対こう…」
福田「頭割れそう? そりゃ酔いすぎだよ鈴木ー。」
鈴木「オマエラだよッ!! オマエラだよッ!! 私、こんな美味しくない酒
ヒサブリだよッ!! 頼むから帰ってくれよッ!! オメーラと違って
こちとら忙しいんだよ! 明日も朝、早いんだからよォ!」
市井「忙しいのは、ソロ活動を始める前までなんだよねー…。」(チビ…)
鈴木「あーあーあー辛気くせえなッ!! 屋台のリストラ中年オヤジみたいに
チビチビ盃なめてんじゃねーよ市井ッ!! うすら笑いやめろッ!!」
保田「ブヒャーンッ!! 大人気ッ!! 圭ちゃんの! とんちコーナーッ!!
そもさんッ!! せっぱッ!!」(クリクリ… ポクポクポクポク…)
矢口「なんで勝手に1人で、一休思考モードに入ってるんだよコイツ…!?」
保田「いや、問題を考えてたの。 さて、自由の女神がほほえむのは誰かな〜?
では問題! 『海のチキンはシーチキン。 では海の保田は…なに?』」
紺野「えっと… シー保田?」
保田「ブッブゥー! 正解は…『久保田』
なあなあ! そんなことよりさ、早く歌詞作りにはげもーぜ!?」
吉澤「いやいやいや! その前に、その答えの理由を説明してよ!」
保田「話すと長くなるけどいいか? 時は今からさかのぼること650年前…
ヨーロッパ全土にペストが大流行した頃だ。 時同じくしてトルコ軍が
東欧に侵入開始。 『おーい与作ーッ!』 与作を呼ぶ声が聞こえた。
振り向いた与作が目にしたものは…? つづく。」(ズズー…)
加護「そこで、お茶飲むなやッ!! その前に与作って誰やねんッ!?」
保田「久保田、久保田。 そいつが久保田。」(ズズー…)
飯田「ホラホラ! バカなことやってないで、歌詞作り始めるわよ!」
安倍「さて、どうやって作り始めるべか? まずは…出足から?」
後藤「どんな事を歌詞にするべきかはわかったけど… いざ歌詞に書こうと
なると、かしこまっちゃうよねー。 ふむ、どうしたものかな?」
保田「…与作の前には巨大なお婆さんが立っていた。 その身のたけは8尺。
燃える炎のような赤い肌、鳳凰のような目、そのヒゲは腰まで伸び…」
吉澤「それすでにバーさんじゃねーだろ…。 ジーさんじゃねーか。」
飯田「んもう! その話はもういいのッ! 圭ちゃんもフザけてないでッ!」
保田「だからさー。 姫が言いたいのは、いきなり歌詞書こうとしても難しい
だろぉ? マッタリとヤンジャンのことをみんなで語り合ってさぁ?
そんな空気の中で、気にとまった言葉を紙に書き出せばいいじゃん?」
吉澤「言ってる事は実にもっともだが、与作はまったく関係ないと思われ。」
石川「ヤンジャンさんかぁ…。 語ることがいっぱいありますよねー…。」
矢口「たとえば何よ?」
石川「えッ…? たとえば…たとえば… その… せ、性別…とか?」
矢口「女。終了。…他には?」
石川「へッ!? あとはあとは…! す、好きな動物ビスケットとかッ!?」
加護「…アヒルや。 DUCKって焼きが入ってるヤツな。 …終了。」
辻 「てへてへ。そういえばヤンジャン、動物ビスケットをのの達と食べる時
『アヒル入ってたら私にちょうだいね』って、よく言ってましたねー。
なのにあいぼん意地悪して、食べちゃったりするんれすもん。」
加護「ぶははははッ! 『アヒルは私の分身なんだから食うなよッ!』てな。
アイツやけに子供っぽいところあるからなぁ? キショイやっちゃ♪」
小川「アハハ! 先輩よく買ってきますよね〜 動物ビスケット!
この前なんか1人で動物ビスケットお皿に並べてさ、『これが私で、
カバが姫。ブタがパンチラでー…よっしゃ! プッチモニ完成!』
とか言って遊んでるの。 先輩のそんな姿が可愛いくって、マコ思わず
アヒルの横にカエル並べちゃったもん♪」
安倍「前も楽屋でやってたべ。 その時はビスケット14匹分並べてたべさ。
真ん中にアヒル置いて、それを囲むように13枚。」
矢口「やっぱりそれって、オイラ達メンバーのつもりなんだろうなー。」
飯田「カオリを何の動物にしたんだろ? すっごい気になるなぁー。」
保田「やっぱライオンかぁ? いや、背の高いキリンかもしれねえな?」
高橋「アハハ! お豆はきっとネズミダスな! あさ美はアライグマ!」
安倍「それでヤンジャンね、真ん中のアヒルを一つ取って食べたんだ。
食べながらさ、残った13枚のビスケットを眺めてるヤンジャンの
横顔が何か寂し気でさぁ…。 なっち、よく覚えてるんだよねー…。」
矢口「ヤンジャンさ、アイツ… モーニング娘。を本当に辞めたいのかな?」
シーン…
保田「………辞めたくないなら、ソロの話ことわってるだろ?」
矢口「そうだよなー。 オイラ、なに言ってんだろ…。」
加護「たまに寂し気な顔はするけどな。 …そら、やっぱ寂しいからやろ。
1人で部屋におるとこのぞくと、アイツよぅそんな顔してるんや。」
飯田「昔から『こんなクソグループ、早く出て行ってやるゥー!』って、
口グセのように息巻いてたまらね。 あからさまに寂しいって表情を
カオリ達には見せたくないんだろうね…。 意地っ張りなんだもん。」
高橋「本当は辞めたくないのに、意地をはって『卒業する!』なんて言ってる
可能性ないダスかね!? ね、どうダスかね!?」
辻 「寂しがってるのは確かれすけろ、ソロに向かっての夢を熱く語ったり
家の中れはしてまふよぉ? 本気れ前向きに頑張る顔をしてるのれす。」
ユウ「気になるなら、本人に直に聞いたらいいんじゃないですか?」
小川「聞いても『卒業したいから卒業した』としか答えないよ、先輩は。
それが本音でもウソでも、どちらでもそう答えるよ、きっと…。」
安倍「裕ちゃんの時はハッキリ言ってたね。『本音は辞めたないけどなぁー♪』
ってさ。『でも辞めるんには、ええ時期が来たんやー』ってさ。」
後藤「市井ちゃんは喜んで卒業していったよね。」
保田「後でちょっとだけ後悔した…なんて、笑って言ってたけどな、この前。」
加護「ヤンジャンの気持ちはハッキリわからへんけど…。 どうせ卒業していく
んやったら、本人の希望での卒業であって欲しいわ。 寂しいけどな。
後で『後悔した』なんて言葉、アイツの口から聞く方がもっと辛いわ。」
石川「うん…。 いつもの笑顔で卒業していって欲しいですよねー…。」
吉澤「あのさ… 私、思うんだけどさ…。」
矢口「ん? どうしたヨッスィ、めずらしく真面目な顔して? …便意か?」
吉澤「いや、私達もヤンジャンの気持ちがわかんないけどさ…
アイツ自身も自分の気持ち、よくわかってないんじゃないかなって…。」
飯田「?」
保田「よくわかんないのは、オマエの隣のネコがフテくされている事だよ。」
ネコ「…ウニャ。」
吉澤「通訳すると『ヤンジャン殿の並べた動物ビスケットになぜ私の分がない?
私はネコである! そのまんまの形のビスケットがあるではないかッ!』
と、円卓の騎士を前にアーサー王がお怒りなワケですが。
…そんなことは今はいいんだよ。 いやさ、みんなにもヤンジャン聞いて
こなかった? 『オマエの夢って何?』…ってさ?」
矢口「うん、オイラんち泊まりに来た時に聞いてきたよアイツ。」
紺野「私のつたない夢の話も、真剣に聞いてくれました…。 ヤンジャンさん、
卒業する前に、みんなの夢を聞いておきたいって言ってましたね。」
小川「マコそれ知ってたから、自分から夢語っちゃった♪」
高橋「ワタスはヤンジャンさんのおかげで、自分の夢を見つけたダス!」
石川「なんか夢とはどういうものなのか、やけにこだわってましたねー。」
保田「夢がかなった姫の話を聞いて、なぜかうらやましそうな顔をしてたな…。
自分だってソロ復帰の夢が、ほぼかなってるクセにさぁ?」
辻 「ののはオフトンの中で2人、夢をイチャイチャ語り合ったのれす♪」
飯田「カオリの部屋へ泊まりに来たのも、それを聞きたかったからなのかな?
たぶん伝わったから、あえて聞いてこなかったんだろうなー…。」
吉澤「ヤンジャンに自分の夢がハッキリしてるのかツッこんだら、ドキっとした
顔してたんだよ。 もしかしてアイツ、まだ迷ってる最中なのかも…?」
加護「ちと待てや!? ウチ、ヤンジャンとそんなん語り合ったことないで!?
なんや、後藤はんも安倍はんもか!? ハァ!? ウ…ウチだけぇ!?」
新垣「あら、リサたんだって夢なんか聞かれてないわよ? 話す気ないけど。」
加護「そういやヤンジャンから『新垣の夢って何かなぁ?』って聞かれたこと
あったわ…! な、なんでやッ!? ウチを目の前にして、なんでコネの
夢をたずねて、ウチの夢はたずねてくれんねんッ!? ぶッ…侮辱や!」
新垣「ちょッ…ちょっと加護ちゃん! 私の夢について、何て答えたのよッ!?
まさか勝手に私の夢を語ったんじゃないでしょうね? ねえってばッ!」
辻 「きっとあいぼんとは、2人っきりになる機会がなかったかられすよ。
ののが夢を聞かれたのは、あいぼんが沖縄行ってる夜の事れすもん。」
加護「ダメや…! ウチ、ショックで鼻たれてきたわ…!」(ズズッ…)
新垣「ちょっとアンタッ!! 人の質問に答えなさいよォオオオオーッ!!」
ソニ「ああああーッ!! 夜中にでっかい声出すんじゃないニダッ!!
ただでさえ夜中に人がよく集まるんで、北の工作員の集まりかと近所で噂
されてるニダよ! とにかく… あんまり鈴木の気持ちを探るようなマネ
をして、今アイツの心をかき乱すような事したらいけないニダよ?
ソロとして旅立つ前は、誰だって不安ニダ。 情緒不安定な時期ニダ。
ソニも悩んだけど、ソロ活動を決断をして良かったって、今はつくづく
思っているニダ。 鈴木にとってもチャンス。 今の気持ちがどうであれ
鈴木もソロの道を進んじゃえば、のちにソニと同じ事を思うはずニダ。」
飯田「ヤンジャンにとって、ソロを進む事が必ずいい結果を産むと?」
ソニ「…ソロで成功する才能はあるニダ。鈴木には。」
矢口「じゃあオイラ達がヤンジャンに、してあげるべき事って…?」
ソニ「アイツが迷ってる気持ちの答えを見つけてあげる事は、余計な事ニダよ。
鈴木のために何かしてあげたいのなら、迷いなんか吹き飛ばしてやって
自信を持って卒業させてあげること! …そう、ソニは思うニダ!
『行って欲しくない』…そんな気持ちを伝える歌なんて、もってのほか!
やめた方がいいニダ。 それは鈴木の迷いを大きくするだけニダよ?」
中澤「クカー…。ゴゴゴゴ…。ムニャ…。石川…ええかげんにせえや…。」
鈴木「アンタがいい加減にして欲しいよ…。 酒と洗剤、こぼしまくりじゃん。
30目前にした女が、クチからシャボン玉出して寝てんなよなー。」
市井「みんな寝ちゃったねー。 アスカもアヤッペも楽しそうな寝顔じゃない?
仲間で集まって飲むのは久しぶりで、ついはしゃぎすぎちゃったのよ…。
毛布かけてあげよっか? アンタんち、窓ガラスが割れっぱなしだから
外の冷気がヒューヒュー入りっぱなしなんだもん。 風邪ひくよ?」
鈴木「そうだな、婆さんは風邪ですぐポックリ逝くからね。 石黒はいいか?
汗か石油かわからん液体が毛穴から吹き出てるし。 じゃあ毛布出すから
市井手伝ってくれよ? 寝室の押し入れの中に、客用のがあるからさ。」
市井「あいよー。 …ん? なんだこの新聞紙のクズ山は?」
鈴木「ブハハハ! それ小川のベッド。 いつも小川がそれに埋もれて寝て、
辻加護の2人は私と一緒のベッドで寝てるんだ。 6畳のせまい寝室に
4人も寝てるから、毎朝部屋の酸素が薄いのなんのって。 たぶん小川、
今だったらもう、富士山で高山病になることもねえだろーな。」
市井「…うらやましいな。」
鈴木「うらやましい? なんだったら辻でも貸すかぁ? アイツ体温高いから、
冬とかヌクヌクするぞ? オマエんちの下着コレクションちらつかせた
もんなら、クフフーンって鼻ならして泊まりに行くこと間違いナシ!
…ていうか、オマエのせいで、うちのコがランジェリーマニアになっち
まったじゃねえか! しかも趣味の悪い方向によぉ…ったく!」
市井「クスッ。 うちのコ… ね。」
鈴木「……うちのコだよ。」
市井「鈴木ってさ。ホント変わっちゃったんだね。 なんか前は薄っぺらい女
だなぁ〜なんてアンタを見てたんだけど。加入したばかりの頃とかさ。」
鈴木「一応今の私に対するホメ言葉なの、それ? だったら…アリガトサン♪」
ガラッ…
市井「うわぁ…! 外の眺めだけはいいのね、この馬小屋ボロマンション!」
鈴木「コラコラ、寒いから窓開けるなよ。 でもまあ…夜景はキレイだろ?
若い頃ってさ、自分の住んでる家から見える夜景のスケールなんかで
自分の価値とか身分を計っちゃうんだよなー。 ガキだからさ。
前の事務所から、このマンションあてがわれた時はさ? この窓から
見える夜景を見て、私もビッグになったもんだとカン違いしてたもん。」
市井「今度のマンションは、もっと豪勢なんでしょ? 窓の外の風景も。」
鈴木「まーねー。 シャンデリアみたいな夜景がネオ鈴木を待ってるよ。」
市井「さらにグレードアップした夜景眺めて、ドップリ自分に酔えるワケだ。」
鈴木「夜景を見て? ブハハ、だからもう私はガキじゃないっつーの!
年のせいかな? 窓の外よりも、窓の中を見る方が好きになったんだ。
汚くヒビ割れた壁と、ヨダレの後が残るベッドしか見えないけどさ。」
市井「私さ、鈴木が変わったところは、そんなとこだろうなーって思うよ。
昔アンタが薄っぺらく見えたのは、なんか重みを感じなかったから。」
鈴木「なんだよ? 私が昔の頃より太ったとでも言いたいワケ?」
市井「なんつーのかなぁ…。今はアンタ、何かを背負ってる感じ。その背中に。
そうだな、人間の体重でいえば、13人分ぐらいの重みがありそうな…
そんな重い荷物を背中にね。 それをまったく重く感じてないアンタの
笑顔に、昔にはなかった強さを感じてるんだろーなアタシ。」
鈴木「ケッ、まわりくどい事言うなよ…。 まあ、今はともかく、昔の私が
薄っぺらかったのは認めてあげるよ。 小室の体重より軽いだろうね。
今は… まあとにかく肩コリがヒドいかな? 荷物のせい? ハハ!」
市井「ソロになるとさー… 自分の体が前より軽くなっちゃった気がして、
すっごい不安になるよ? アタシが経験済みだもん。 …怖くない?」
鈴木「………ふぅ〜寒いな。 もうこの窓閉めちゃうからね?」
鈴木「あれ? 閉じねえぞ? 立て付けが悪いからな、この窓。 くッ…!
窓枠の外側の方でひかかってるな。 よいしょッ! ダメだ手が届か
ねえ…! こうなりゃちょっと危ないけど、外に乗り出して…」
トンッ!
鈴木「わわわわわわわッ!! バ、バカッ! つつくんじゃねえよッ!」
市井「アハハハハ! 指でつついただけじゃない。 ビックリしたぁ?」
鈴木「おっかねえな! 転落死して脳髄アスファルトにぶちまけるのだけは
カンベンだぜ? こっちはソロをひかえた大事な身なんだからよ。
ただでさえこの窓の下は、辻加護に落とされたガンプラ共の死霊達が
手まねきしてる怨念の場所なんだからよ。 あ、ジオングが今…。」
市井「怖い?」
鈴木「…怖いよ。 うん… 怖い。」
市井「そっか、やっぱり怖いか♪」
鈴木「怖いさ…。」
市井「鈴木さ、アンタが卒業について迷ってること、アイツラ感じてるよ。
私みたいに笑顔で思いっきり旅立たなきゃ、残るみんなも気持ちよく
送りだせないぞ? 元気に飛び出せ! 怖がってちゃダメだって!」
鈴木「私が怖いのは、指で押されて、窓の外に飛び出ることだよッ!!」
市井「指1本ぐらいじゃ落ちないわよ。 何本だったら落ちるのかニャ〜?」
鈴木「ふッ、ふざけてんじゃねーよッ!! マジで危ないつってんだろッ!!」
市井「両手合わせての10本の指だったら… さすがに落ちるかニャ〜?」
鈴木「高確立でな…。マジやめろ。 …んしょッ! よし窓枠にハマった!」
市井「そっ。 じゃあ指が13本もありゃ、背中を押せば確実にオチるわね♪
押して欲しそうな背中してるもん。ガラ空きの軽そうな背中がさ。」
鈴木「ったく! どうせ押すなら窓の外じゃなく、中に向かって押してくれ。
…さっき言っただろ? 窓の外より、窓の中が好きだってさ…。」
チュチュン チュン… 起きんかいボケェ! ゴッ!!!
鈴木「ふ…ふぁッ!? い…痛タタタ…! な、なにすんだ加…」
中澤「な〜に寝ぼけとんねんヤンジャン。 加護やない、わしやわしや!
先輩方がお帰りになるんに、なにペーペーがピースカ寝とんねん?
ホラ、しっかり玄関の外まで見送らんかい! 4.01期メン!」
鈴木「なんだよ、まだ6時じゃねえかよ? 勝手に出てけばいいだろォ?
ブッ! そんなフケ顔にばっこしメイクきめるヒマあるんだったら
よごした部屋の掃除ぐらいして行けよなッ! 顔より床みがけ床!」
中澤「なんか言うたかぁ? …ハイィーッ!!」(ブンッ!!)
鈴木(スカッ)「ふぁぁ…。そんなスローなハイキックじゃ、新垣相手だと
一生当たらねえぞ? こちとらカオリの魯山昇竜3連キックですら、
ローとミドルは完全ガードできるぐらいに成長してるんだからよォ?
…3連発目のハイはくらうんだけどな。 側頭部にメリこむように。」
中澤「ハァア… わしも年やから、足あがらんようになってしもうたんや。
そっかぁ…カオリもリーダーなって、もうそんな大技身につけたんか。
ケリ技にキレがのうなった時が、リーダーの座を引退する時やで…。
カオリに伝えとき? ハイキックの継承者もそろそろ探しとかな。」
鈴木「アイツはまだ引退早いだろ? けどまあ、そうなると次期リーダーは
辻かなぁ? でもアイツ足短いし、体固いし、ハイがミドルにまでしか
届かないんだよねー。 案外、紺野あたりが大抜擢されるかもな♪」
石黒「あー… 私の肉弾ミートクラッシャーも誰かに継承したかったな〜。」
鈴木「あ、それじゃパンチラの携帯番号教えるよ。 素質バツグン!」
福田「んなら、あたいのシンナー販売錬金術も誰かにしこみたかったぜ。」
鈴木「いや…すでにそれを超えた、シャブ錬金術の達人がいるから…。」
市井「なんつーかさ、頼もしい後輩達が育ってて、アタシら安心だね♪」
鈴木「いやいやいや…どうみても不安材料と危険分子しかいねーだろ…。」
鈴木「あーあーちょっと待ってッ! 私、急いで着替えるからッ!
駅まで見送るよ! あ、それとも電話でタクシー呼ぼうか…?」
中澤「ええ、ええ! パジャマ姿で玄関まで見送ってくれたら、それでええ
がな。 時間早いさかい、見送ったらまたベッドに潜りこんどき?」
石黒「まあヤンジャンも卒業して、私達の側に来ることだしね。 今度から
一緒に遊ぶ機会も増えるでしょ? どうせヒマになるんだしさ♪」
鈴木「私達側って何だよ? 三途の川の向こう岸か? 勘弁してくれ…。」
福田「次来る時は、契約書持ってくっからな? ハンコ用意しとけよ?」
鈴木「なんの契約書だよッ!? 気味悪いこと言ってんじゃねーよ!」
福田「いやぁ何のって、うちの松浦と、マサイ族ごっこして遊べる契約書。
右肩上がりのインパラに毎日ヤリ投げまくり♪ …あ、そうだ!
りんねとみっちゃんとこにも契約書持っていかなくちゃッ!」
鈴木「説得いらなそうだな…。 郵送でいいだろ、郵送で。」
市井「じゃ、またね! 卒業した後、路頭に迷ったらいつでも相談に来な
さいよ? アンタには窓の内にも外にも仲間がいるんだからね!」
鈴木「うん…ありがと。 アンタ達も路頭迷ったら相談来いよ?ブハハ!」
石黒「だから来たんだよ…。」
中澤「んじゃ姐さん達行くわ。 …あ、ヤンジャン。
こんな姐さんでもな、卒業を目の前にした時、ごっつ迷ったんやで?
自分がどないしたいんか、自分の気持ちがまとまらへんかったんや。
そんな時はな、二つの道の両方の未来を、酒でも飲みながらポケーと
想像するんが一番やでぇ? ええことばかりを想像するんや。
ほんでもってな、自分の、より大きい口で笑っとる姿が浮かんだ方を
選べばええだけのことや! おかげでわしは今、昔よりもでっかい口
開けて、元メン達とバカ話できるようになったさかいな♪ ん?」
鈴木「うん… 御教授ありがとうございます…。 先輩。」
スタスタ… ガラッ
ソニ「ふぅわぁあああ… 朝だサッサと帰れニダよぉ… あれ?」
紺野「あ、おはようございますぅ。 朝ゴハンできてますよぉ。」
安倍「なっち&紺野の合作特別メニュー♪ 韓国風肉ジャガ・プルコギ!」
ソニ「いや…それ昨夜の残りニダろ。 ていうか、オマエらずっと起きて
いたニダか? せっかく布団まで用意してやったダニ…。」
高橋「豆ジェンヌは寝てたダスよ? さっき起きて買い物に行ったダス。」
保田「ブヒャーンッ! 大絶賛ッ!! 圭ちゃんの! とんちコーナー!!
タモさん! TVガイド!」(クリクリ ポクポクポク… グー…)
吉澤「起きろ起きろ。」
保田「では問題! 『海のオカマはシーメール。 さて、この居間に並んだ
5組のお客様用フトン。 新垣がおもらししたのは、…どれ?』
ソニ「ブッ!! な、なにかましてるニダか、あのインディアン人形は!!
ど、どこ行きやがったニダ!? 対馬に島流しにしてやるニダッ!」
高橋「だからコンビニにパンツ買いに行ったダス。ソニンさんの服着て。」
ソニ「あーあーあー… 体中の関節がキシキシ悲鳴をあげてきたニダ…!」
矢口「インフルエンザじゃねえの? つーかソニンさ、ヤンジャンの韓国版
みたいで愛くるしいな。 試しにビートゥギャーザって言ってみ?」
ネコ「ウーウニャーニャ。」
加護「ワレが言ってどないすんねん。 しかも言えてないやんけ。」
辻 「びーつらーら。」
加護「お前も言えてないやんけ…。」
ソニ「ビートゥギャーザ。 …そんでもって、朝まで何をやっていたニダ?
SMAP中居と藤本の顔の見分け方を、徹夜で討論でもしてたニダか?」
石川「いえ、それは5分で終わりました。 それよりソニンさんと堂本光一が
似てる似てないで、矢口さんと加護が殴り合いのケンカに…。」
飯田「実はね…みんなで結局、朝まで歌詞を書いてたのよ。」
安倍「うん。さっきやっと完成したんだべ。」
ソニ「ハァ!? やめたほうがいいって、ソニ言ったじゃないニダか?」
保田「完成…させたかったんだよ。 ヤンジャンに聞かせる聞かせないは
別にしてさ。 この徹夜はヤンジャンのため、というより、私達の
ためなのかもしれない。 うん…エゴかもしれないよ。」
辻 「エゴ? …ああ、トンボの赤ちゃんのことれすね。」
加護「違うわッ! それいうならヤグやろッ!」
矢口「カゴだろッ!」
石川「また始まったぁ…! さっきせっかく、ごっつぁんとユウキ君が
似てるって、意見が合ったところで仲直りしたばかりなのにぃ!」
保田「そういえば石川って、『虹色の湖』歌ってた中村晃子の若い頃に
似てるよな。 バカ、石川知らねえの? 紅白も出たんだぜ晃子?」
ソニ「古すぎるニダ! みんな虫以下ってことで、いいじゃないニダか…。
とにかく… 鈴木を困らせるような歌詞は聞かせない方が得策ニダね。
どれ、読ませてみるニダ。 これか? 汚い字ニダねぇ…。」
後藤「でも、歌詞を完成できて良かったって思ってるの。 使われる事の
ない歌詞になっちゃったかもしれないけど、みんな満足してるんだ。」
ソニ「………。 この歌詞は… まるで手紙…ニダね。 ………。」
飯田「うん。 手紙みたくなっちゃった。 これに曲つけてって言われても
つんくさんも困るだろうなぁ。 文の字数とかもバラバラだしね…。
でも伝えたい気持ちだけは、みんなバラバラにはならなかったんだ。
つんくさんにはさすがに頼めないけど、ヤンジャンが卒業した後、
しばらくしたらアイツに、この詞を贈ろうか…なんて思ってるの…。」
ソニ「あ…なんつーか…。 つんくさんに…見せるだけ見せても…いいんじゃ
ない…ニダ…か? うん…。 あ、ユウキ、韓国海苔持って来てニダ!」
ソニ「朝ゴハンはやっぱり、韓国海苔がないと駄目ニダよ♪ それとチゲ
スープで体を暖めて、やっとソニの一日が始まるニダ。 うむ!」
ズズズズー…。
安倍「ソニンちゃん、これ、つんくさんに見せた方がいいって…?」
ソニ「…見せた方がいいなんて言ってないニダ。 見せてもいいんじゃ
ないかって言っただけニダよ。 せ、せっかく書いたなら…。」
新垣「ただいまぁー! ガリガリ君買ってきたよぉーッ!」
吉澤「朝から氷菓子かよッ!! オマエはもう下半身冷やすなッ!!」
矢口「徹夜で体冷えきってるのに、そんなもん食えるかボケェッ!!」
新垣「いや、リサたんの分しか買ってきてないしー。」
ソニ「ブハッ!! ゲヒョッ!! ゴホッ…コ、コネ、キサマァーッ!!
よりにもよって、その服借りて着ていったニダかーッ!!」
新垣「このガウンあったかそうだったんだもん。 でも胸元スースーする
のよねコレ。 もう裾が足にからんで、2回もコケたわよ。」
ソニ「ガ、ガウンじゃないニダッ!! 新曲の大事な衣装ニダよそれッ!!
早く脱げニダッ!! うわあああッ!! なんでスッポンポンニダ、
キサマッ!? ホテルの廊下をバスローブで歩くゴルゴ13の金髪
娼婦感覚でコンビニ行くんじゃないニダァーッ!! あ…あああ…
せっかくこちらが日本の文化を理解してやろうとしてるダニ、お前ら
イルソンはそうやって着物の裾を泥で踏みにじるニダねッ…!!
キサマはッ!! パンツをッ!! はいてッ!! 立ち去れェッ!」
新垣「なに、お客にその態度?(スカッ)ちやほやしてよ?(スカッ)」
安倍「ソニンちゃんにも好評みたいだし、この歌詞どうしよっか…?」
飯田「つんくさんに… 相談して… みる?」
ソニ「誰もッ! 誉めたッ! ワケじゃッ! ないニダッ! ただッ…!」
後藤「ただ?」
ソニ「ハァハァ… 鈴木を… ちょっとうらやましく思っただけニダ…。」
先輩ただいまぁーッ! ガッ… ガタガタ…! バキンッ!!
小川「うわああッ!! ド…ドアがもげたァーッ!! ス、スパークッ!!」
加護「な、なにやっとんねーんゲコ助ッ!! わっ…バカ、戻せ戻せッ!!
いやいやいやッ! 本当に戻したら中に入れんがなッ!!」
辻 「くふん… 片手1本でドアを壊すなんて成長しましたね、弟子1号。
辻影流破壊道2段に昇格させてあげるのれす。 以後も励むのれす。」
小川「違う違う!違うもん! 最初っからこのドア壊れてたんだもんッ!」
加護「…よう見たら、ところどころにセメダインで修復した痕跡があるな…。
留守中に何かましたんやアイツ…? 陽気な狂犬病の発作かいな?」
小川「センパーイ! あなたのプリティ〜マコが帰りましたよぉーッ!?」
辻 「あり? いない? もうお仕事に出かけちゃったんれすかね?」
加護「なんや、おらんのかいな。 昨夜、ひとりぼっちにさせとったさかい、
フテくされて早く出たんやろかアイツ? …つーか、フテくされとる
のはコッチの方やがなッ! 今夜はたっぷり愚痴ぶちまけたるわ!」
小川「やめてよぉ〜! 今夜が最後なんだよ? 先輩がこの家で寝るの…。
明日の今頃には先輩… この家を出ていっちゃうんだもんッ!!」
辻 「てへてへ! ののもヒサブリにヤンジャンをイジめちゃうんらも〜ん♪
そうれすね〜… まずは赤いペンキでリアルシャアザクを完成させる
ところから。 マコっちゃんは足をしっかり押さえ付けるのれすよ?」
小川「ちょッ…ちょっと! なんでそんな意地悪するんですかぁーッ!?
さ、最後の夜だって言ってるじゃないですかッ!! もっとッ…」
加護「もっと… 何や? もっとロマンチックで、せつないお別れの夜を
期待しとるんか? 4人で枕を涙で濡らす、そんなラストナイトを
お望みでっか? カァ〜〜〜… ペェーッ!! ペッ! ペッ!
しょっぺぇ、しょっぺえッ!! アホかッ!! 最後の夜やから
大暴れするんやないかいッ!! 涙なんか…流してたまるかいッ!!」
杉本「鈴木さん…? す、鈴木さん? あのッ…す、鈴木さぁーん!!」
鈴木(ビクッ!)「へッ!? あ…ハイ! え、マ…マルコポーロ…!?」
杉本「…マルコポーロなんて一言も言ってないですよ…。 大丈夫ですか?
さっきからボー…と天井見つめちゃって。 しかも顔は半笑いだし…」
鈴木「アハハハ… ちょっといろいろ空想してたら、自分の世界にドップリ
はまっちゃって。 お恥ずかしい。 そろそろ…リハ始めます?」
杉本「いえいえ、まだスタッフそろってませんから。 だって鈴木さん、
僕より早く会場に着てるんですもの。 いやぁ〜やる気マンマンです
ねぇ〜♪ 鈴木さんのソロ活動に対する意気込みが感じられますね!
空想って、将来の事でも思い浮かべていらっしゃったんですかぁ?」
鈴木「え? あ、いや… まあ…そんなとこッス。」
杉本「顔が笑ってましたもんねー。 成功されたご自分を、頭に想い描いて
いらっしゃったんでしょ? ですけどね鈴木さん、チッポケな成功を
夢見てちゃ困りますよ? 大きなビジョンをかかげてもらわなきゃ!
プロモーターの僕なんか、海外! 海外まで見てますからね!」
鈴木「海外? 海外進出ってことですかぁ? ブハハハッ! 無理無理ッ!
だって私、英語できないしー… しかもつい最近まで、アメリカの
大統領をニカウさんだと思ってましたもん。 ブッシュマンの。」
杉本「無理だなんて、挑戦する前から言わないでくださいよ! 僕はね、
リアルに想像できるんですよ。 ビルボードにAMI SUZUKIの名前、
フロリダの海沿いの大別荘で、シャンパンをたしなむその姿が…。
ホラ、鈴木さんも目を閉じて、フロリダの砂浜を想像してみて!」
鈴木「フロリダね…。」(どこかわかんねーけど、想像してみよう…。)
杉本「マイマミ・ビーチに夕日が差し込み… 静かに波の音が…。」
鈴木(マイマミ? どこだよ? 発音からして熱海みたいなもんか…?)
杉本「バックに流れるのは鈴木さんの新曲…。そして鈴木さんの横には…」
鈴木( …場所はアメリカの熱海… 波の音… そして私の横には… )
ザザーン… ザザーン…
加護「んーなんや? これがアメリカの熱海かいな? 秘宝館はどこや?」
矢口「アレだろ? メリケンの秘宝館だから、展示してあるアレもアレなん
だろぉ? ホラ、ビッグサイズッ!! 日本版のゴジラもハリウッド
で作れば迫力あるじゃん? 一緒一緒♪ ギャハハハハッ!!」
保田「マラを太くしたところで、チンケなのは一緒だよ。ゴジラと一緒。」
鈴木「お前らなぁ…。 せっかくメンバーそろっての長期休暇、海をながめて
気持ちよくリゾートしてるっつーのに、マラとか言うなよマラとか!」
安倍「そうだべ! ちっちゃいコもいるんだよ!? 紺野が赤面してるべ!」
紺野「デカマロ」
矢口「ギャハハハハハッ!! マロッ!! ギャハハハハハッ!!」
飯田「ホラホラ、他の旅行客に迷惑だから! ビーチの雰囲気を壊すんじゃ
ないの! …でもきれいな夕日ねー。 で、秘宝館どこにあるの?」
吉澤「ふぁッ!? あ…寝てた。 なんだよ、もう日が落ちてるじゃん?
さ〜てと、こんがり小麦色に焼けたかなぁ? ん? 何だか重いぞ?」
高橋「おなかの上に豆ジェンヌが寝ているダス…。 昼間っからずっと。」
後藤「アハハハ! ヨッスィ、新垣の形に日焼け跡が残っちゃってる!」
吉澤「あーあーあーッ!! 新垣テメッ…いや、これはこれでオモロイな…」
石川「私も今日はタップリ焼いちゃった♪ どう辻? 小麦肌がセクシー?」
辻 「うう…見知らぬ黒人さんが話しかけてきたのれす…。怖いのれす…。」
小川「あ、先輩見て見て! ヤンゾーが金髪ガールをナンパしてますッ!」
鈴木「ブハハハッ!! 本当だッ!! 誰だアイツにサングラス貸したの!」
ザザーン… ザザーン…
鈴木「クスクス… クスクス…」
杉本「あははは! 鈴木さん、さっきより全然いい顔で笑ってますよぉ〜!」
松浦「あれー? 今日はモーニング娘。さん、全員そろっていませんねー?」
小川「うん。 午前中は先輩方と愛ちゃんがハロモニのコントの収録なの。
でも昼過ぎには戻ってくると思うけど? 楽屋に姿がないと寂しいの?」
松浦「いえー まったくぅー♪ 微塵もー♪」
紺野「ヤンジャンさんがいない時の松浦さんって、ほんとノビノビしていま
すよねー。 背中も、鼻の下も。 大丈夫ですか、ゴロ寝してて?」
石川「いつもだったら、背中を壁にピッタリつけて、左手に青銅の盾+3を
装備してますもんね。 あまりに無防御だから、チャーミーもヤリを
投げ込みたい気分ですもん。」(キョロキョロ…)
辻 「ヤリ探しても、ここにはないれすよ? ヤリなら愛ちゃんが収録現場
に持っていっちゃったのれす。 ヤンジャン不在時は、ヤリは愛ちゃん
の管理下におかれているのれすよ。 ヤリ使いの後継者れすからね。」
石川「愛ちゃんのカン梨華ッ…ダメダメッ!! 私のカン梨華だもんッ!!」
小川「いいなー愛ちゃん、先輩の竜騎士ポジション受け継がせてもらって…。
でもいいもんね! 先輩のプッチポジションはマコが受け継ぐもん!」
加護「松浦、気ぃつけぇよ? あの収録の後はみんなしばらく、主婦キャラが
抜けてへんさかいな? 特にパンチラが凶暴になっているさかい。
ヤンジャンおらんようになっても、ワレに安息の日は来ぃへんからな?」
ブゥンッ!! グサッ!!
辻 「あ、みんなが戻ってきまひた。 亜弥ちゃん気をつけてくらはいね?」
松浦「うーん うーん… も、もう刺さってますぅー。」
高橋「ちょっとポイント外れたダスな…。 ケツメド狙ったつもりダスのに。
まだまだヤンジャンさんの命中度には、ほど遠いダスわ…。 ちっ!」
小川「今日も収録でタップリ、吉澤さんにイジめられたみたいねアンタ…」
飯田「みなざぁーん、おまたぜぇーん。 シズカ戻ってきまぢたぁー。」
加護「飯田はん、眉毛眉毛。 眉毛戻しなはれ…。 あと小道具の赤子も。」
加護「テレ東でつんくさんに会った!? …で、歌詞は見せたん? なあ!?」
飯田「言えない〜のよぉ〜」
加護「言えや。」
安倍「うん。 とにかく見るだけ見てくださいって、つんくさんに渡したべ。
お互い仕事中だったから、感想も聞けず、それっきりだけどね…。」
矢口「廊下で会って、『おう、後で読んでおくわ。』って、そっけない返事で
受け取っただけだもん。 寂しいよね、オイラ達がんばったのに…。」
保田「曲を作ってくれるくれないは別として、歌詞の言葉を否定されたくは
ねえよなー…。 ていうか、見せる必要もなかったんじゃねーの?
どうせ曲なんて作っちゃくれねーだろうしさ。ブラック乳首変奇朗。」
ネコ「ウニャ… ウニャニャニャウニャ ウニャン?」
矢口「ヨッスィ訳せ。」
吉澤「カァーッ!! カーカーカー! カァアアアーッ!!」
矢口「ごっつぁん訳せ…。 いや…やっぱいい。」
飯田「とにかく! とにかく、つんくさんに歌詞を見せるのはケジメよ…!
返事なんてもうどうでもいいじゃない? なんかカオリね、みんなで
歌詞を作ってスッキリできた気がするの。 ヤンジャンの卒業って、
今までのメンバーの誰の卒業とも違う、なんか不思議な気持ちだった
でしょ? 裕ちゃんやアヤッペの時みたいな『大ショックー!』って
感じでもなく、アスカやサヤカの時みたいに『頑張れーッ!!』って
気持ちでもなく…。 なんかハッキリしない所があったじゃない?」
安倍「だって、いつの間にか娘。にいて、いつの間にか去ろうとするんだもん。
こっちは加入から卒業まで『ハァ?』って感じだもんね。 アハハ♪」
保田「一番モーニング娘。らしくないクセに、メンバー達の真ん中にいつも
いたのがヤンジャンだもんな。 ホント不思議な奴だぜヤンジャン。」
飯田「アイツへの気持ちがハッキリできただけ収穫! そう考えよ? ね?」
夏 「うぃーす、みんなそろってるなー? さっそくステージにデッパツ!
プッチはマジでそろそろ仕上がらんとヤバイからな? 特に吉澤?」
吉澤「カァーッ! カァカァカーッ! カーッ!」
夏 「…誰か訳せ。」
高橋「へえ、通訳すっと『歌舞伎の古いお面みたいダスな、夏ババァのツラ。
目尻のカラスの足跡が、ヒビ割れしたロウ人形みたいで怖いダス〜。』
…そう、吉澤さんが侮辱の言葉を並べているワケで。 …え? あれ?」
ゴッ!ガッ!ゴッ!ガッ!ゴッ!ガッ!ゴッ!ガッ!ゴッ!ガッ!
松浦「わぁー♪ 愛ちゃんが、餅つきのように2人に殴られてますぅー♪」
加護「高橋はまだまだ勉強が必要やな。 方向はええんやけどな、方向は。」
夏 「フゥフゥ…! さて、真直ぐにリハ会場のステージへ… と言いたい所
なんだけどね? 実はさっきつんく君が、私のとこに顔出してきてさ。
ちっと30分ぐらい、アンタ達と世間話がしたいんだってさァー。」
飯田「つんくさんが…? えッ…今どこに…!?」
夏 「上の楽屋で1人、巣鴨で買ってきた塩大福ニコニコほおばってるわよ。
このクッソ忙しい時に、30分でも時間がもったいないっつーの!」
加護「すんまへん、ちょっとウチら行ってきますわ!」(ダッ!)
夏 「早くすましてきてよォ? あ、高橋も持ってけ、高橋もッ!!」
コンコン…
つん「ズズー… 梅こぶ茶ウマー… お〜う、入ってええで〜?」
ゾロゾロゾロ… 失礼しまーす…
つん「おう、ご苦労ご苦労。 マユミちゃん怒っとったやろぉ? ハハッ!」
矢口「そ、そのぉ… つんくさん… 歌詞…」
つん「菓子? おう食ってええで♪ お前らの分も買うてきたがな塩大福!」
後藤「ちゃ…ちゃかさないでくださいッ! そっちのカシの話じゃなくて…!」
辻 「のの達が(モグモグ)書いた歌詞の(モグモグ)話れ(モグモグ)す!」
つん「そんな、みんなツっ立っとらんで、塩大福つまんだらええがな?」
飯田「食べれる気分じゃありません…。 それより読んでいただけました?」
つん「歌詞…な…。 おう、読ませてもらったがな。 うん…。」
石川「あ、あの! それで… ど、どうなんですか? そのッ…!」
つん「その…なんや? なに涙目なっとんねん石川…?」
石川「………!」(ドンドンッ!)
加護「大福がノドにつまったようですわ…。」
飯田「アンタ達、食べてんじゃないわよ! ちょッ…新垣それ2個目でしょ!
つ、辻、ストップ! 誰か辻を押さえて! カ、カオリの分がッ…!」
つん「ハハハ、ええがな。飯田も食いながら聞けばええ。 もちろん歌詞の
感想を言いにここへ寄ったんや。 みんな徹夜して頑張ったんやろ?
疲れてる時は甘い物が一番やがな♪ 高橋なんかグッタリやないか?」
飯田「え? 高橋食べる気力ない? 仕方ないなぁ〜じゃあ… あ、新垣ッ!」
つん「不安そうな顔してるヤツもおれば、自信ありげなヤツもおるなぁ?
ハハッ、せやけどみんな大福はほおばるんやな。 体に正直な奴らや。」
小川「でへへへぇ〜。 でも感想を聞くのは怖いなー。」(モグモグ…)
保田「歌詞に文句つけたら、大福ぶつけますよ? 乳首に粉がつくように。」
つん「今回のお前らの作った歌詞な。 …うん。 …良かったで?」
ワァーッ!! キャッキャッ!!
つん「正直な気持ちが出とる。 この前の応援メッセージみたいな歌詞より、
伝わるもんがあるわ。 オレの言った事を理解してもらえたようやな?」
加護「うっしゃ! ホメてもろて安心したし、大福も食ったし… 帰ろか?」
矢口「おう、ハラいっぱいだ! 早く戻らないとマユミちゃんが怒るぜ〜?」
辻 「ごちそうさまれしたぁーッ!」
ゾロゾロゾロ…
つん「食うだけ食って帰るんかいッ!! た、大陸のイナゴかお前らッ!!」
つん「待て待て! 待たんかい! オレもプロのシングソングライターとして
お前らの歌詞に、お小言もキッチリ言わなアカンやろーがッ!!」
保田「どうせ、文字数がバラバラだとか、言葉が幼稚だとか、よせばいいのに
カオリがついでに描いた、イラストが気持ち悪いとか言うんだろォ?」
つん「そ、そや… なんやわかっとるやないけ…! このままじゃまだとても
オレは曲は作ってあげられへんと、その説明をするところやがな!」
後藤「ハイもう曲とかはいいんです。 どうせ歌う事のない歌ですから…。」
つん「…ハァ? なんやそれ、どういう事やねん?」
飯田「無理難題いっちゃってスミマセンでした。 失礼します…。」
ゾロゾロゾロ… バタン…
つん「だぁあああッ!! そ、そんな中途半端にオレを置いていくなやッ!!
ちょッ… も、戻って来いッ!! もとい、戻ってきてくださいッ!!
じ、実は雷おこしも買ってきてあるんやッ! 家で1人食おう思うとっ
たんやけどッ…! こ、これも、ええ〜い! 封を開けたるわッ!!」
ガチャッ! ゾロゾロゾロ… ガサガサ… バリボリバリボリ…
つん「バ…バイオハザードのゾンビか、お前らはッ…!!」
安倍「甘い物は別フレだべ〜♪」(バリボリッ)
紺野「…別冊フレンドがどうかしたんですか?」(パリポリ…)
つん「曲はいいってどういうことやねん? 鈴木へ卒業ソングを贈るのは
もうあきらめてしもうたんか? これでもう満足してもうたんかいな?
このままじゃアカンけど、何も曲を作らないとは言ってないで?」
石川「実は…」
つん「実は… なんや?」
石川「………。」(ドンドン… ドンドンドン! ドンドンドンドンッ!!)
加護「辻… 背中叩いてやれ…。 顔がチアノーゼや…。」
辻 「はーい、みなさんどいてくらさーい。 ののが飛びますよぉ〜!」
つん「…なるほどな。 そら確かにソニンの言う通りや。 鈴木が今、この
歌詞を聞かされても、あいつの迷いが大きくなるだけやもんなぁ。」
吉澤「ヤンジャン、ずっと悩み続けているんですよ。 自分がソロとして
旅立ちたいのか、モーニング娘。に残りたいのか…。
自分の希望を、本人がわからないまま今日まで来てるっていうか…」
保田「アイツ、私達には意地はって相談してくれないけど、んなもん隠そう
してたって、私らもさすがに勘付くっちゅーの! なあ?」
つん「そんで、お前らの歌詞を読むかぎり… 鈴木の本当の気持ちは…?」
加護「はい。 『モーニング娘。に残りたい。』 …それがヤンジャンの
本音のはずや。 それが… ウチら全員が出した結論ですわ…!」
つん「うん… そういう歌詞やな。 ただ… それはお前らが、鈴木がそう
思うとって欲しい、という願望にすぎんとちゃうんかな?」
辻 「ののは一緒に住んれいるからわかりまふ! ヤンジャンは自分の顔を
鏡にうつさないと見れないけろ、ののはヤンジャンの顔をいつも見て
暮らしているんれす! ヤンジャンの表情がそう言ってるのれす!」
後藤「確かに願望かもしれません。 でも、そう信じてるんです!」
つん「…もしそうだとして。 この歌詞を聞かせて、鈴木が自分の気持ちに
気付いたとしてや。 …鈴木はどうすればええんや?」
矢口「…だから歌えないんです。 歌ったところでヤンジャンは…。」
小川「もう… モーニング娘。に残ることはできないんだもん…。」
つん「そうやな。当たり前や。 卒業会見もしたし、ソロ初ライブの準備も
かなり進んどる。 たくさんの人間が動いとる。 そして、金もや。
今さら鈴木が『残りたい』なんて言うても、オレの力ですら何もできん
ことは、子供の5期メンでも常識でわかることやもんな?
大人の鈴木は、なおさらや。 『一緒にモーニング娘。でやろうぜ!』
そんな意味のこの歌詞は、優しいようで、ごっつ残酷な歌詞やがな…。」
飯田「もしかしたら… ずっと聞かせない方がいい歌詞なのかもしれない…」
つん「んー… ソニンの言う通り、ソロで進むんが一番やと、自信を持たせて
卒業させるんが、あいつの将来のために一番ええことかもしれんな?
後でこんな歌詞を読んだもんなら、後悔してさらに悩むかもしれんわ。
オレも鈴木はソロで成功すると思っとるで? せやからアイツに卒業を
進めたんや。 絶対、悪いようにはならん。 これは確信や。」
保田「手紙として渡すこともせず… そっとしておいた方がいいのかな。」
小川「せっかく書いたのに読んでもらえないのォ? でも…仕方ないか…。」
矢口「うん、封印しよ? みんなの心にこの歌詞をさ? それが…いいよ!
みんなで胸にしまってさ! 精一杯の作り笑顔でアイツを送ろうぜ!」
加護「ん! それがええ! せやから、今夜のお別れの夜も泣かへんって
決めたんや! なあ辻? ブハハッ! 小川も泣いたらアカンでぇ?」
飯田「うん…! この歌詞は一生お蔵入り! ヤンジャンのためにもね!」
石川「はい。 つんくさんに相談して良かったですね。」
つん「………いや! やっぱ歌うべきやろ? お前らは歌手なんやから。」
シーン… ザワ… ザワザワ…
保田「はぁ? …い、いや! さっきつんくさん、それは残酷だって…!」
後藤「ソニンちゃんの言う通りだって…。」
つん「そのソニンが、オレに一応見せろ言うたんやろ? そらぁ正解やでぇ!
確かにな、このままの歌詞じゃ、歌う方も聞く方もせつなくなるがな。
ただ、お前らが心こめて書きあげたこの歌詞、このままお蔵入りさせる
んは、オレ惜しいと思うで? せやからここで、つんく様の才能が役に
立つんやないかい! さて紺野! オレの一番の才能ってなんや!?」
紺野「えっと…! パ、パクリッ!?」
つん「…せ、せめて気をつかってアレンジ言えや紺野…! 正解やけどな…。」
全員『アレンジ!?』
つん「そうや。 このお前らの歌詞を、オレというフィルターに一度通して
しまうんや。 そうすると… あら不思議ッ!! どうなる!?」
後藤「『ジンギスカン』が『恋のダンスサイト』にッ!!」
矢口「『田舎のバス』が『ミニモニ。バスガイド』にッ!!」
加護「やッ…やぐっさんの目が二重まぶたにッ!!」
辻 「あッ…あいぼんの髪の毛がピンクにッ!!」
吉澤「わッ…私がデブにッ!!」
保田「しッ…下川みくにッ!!」
つん「だぁあああああああああああああああーッ!! 違うがなッ!!
し…下川みくにって何やッ!! どんなブラックボックスやねんッ!!
つまりアレや。 オレがこの直球の歌詞を、うまくイジって丸く変えて
しまえばええやないか? もちろん、言葉の意味や内容までは変えたり
せえへんよ。 余計なオレの言葉も、勝手に混ぜたりしない。 そらぁ
元の歌詞を台無しにしたらアカンもんな。 ちょっとイジるだけや♪」
新垣「フン! そう言って、メチャクチャいじりまくるに決まってるわよ!」
つん「お、新垣バカにしたな? 例えばなぁ… 歌詞のここのフレーズ、ちと
イジってみよか? 『寂しいよ』ちゅー言葉があるけど、そのままやと
直球すぎるやんけ? オレやったらな、ここをわざと英語に変換する!
そうすると…(カキカキ!) どや? 言葉に丸みをおびたやろ…?」
加護「あはぁ♪ ホンマやッ…! ちとカッコええでッ!!」
紺野「うんうん!」
つん「さっきこのままじゃ曲にでけん言うたんは、例えばフレーズの発音数…
つまり文字数がまとまってへん事が一つの原因や。 オレが曲を作るに
あたって、そのへんを整えると同時に、今みたいなアレンジで少し歌詞
にボカシを入れたる。 どや? オレに歌詞を預けてみぃへんか!?」
矢口「ボカシ…か。 でもオイラ達はヤンジャンに気持ちを伝えたくて歌詞を
書いたワケで…。 言葉がボケて伝わらないぐらいなら、歌わなくても
同じ事じゃないかな〜なんて…。 そりゃさ? 本音は歌いたいけど…」
つん「ボカシって言い方が悪いかったな。『含みを持たせる』っちゅー技法や。
含みを持った歌詞で想いを伝えるのが、歌手が本業であるオマエらの力の
見せ所やないか? つまり『歌い手の表現力』ちゅーヤツやな。」
後藤「…歌い手の表現力?」
つん「いつもレコーディングで言うとるやろ? 歌い手の表現力が大事やて。
歌詞をただ音符通りに歌えばええもんちゃう、そう教えてきたはずや。
歌詞の言葉が遠回りの言葉でも、歌い手の表現力で、気持ちはしっかり
伝えることができる。 洋楽のラブソング、歌詞が英語でわからんでも
歌い手の表現力で、相手になぜか好きだって気持ちが伝わるやろ?」
安倍「そうだよね…。 なっち達、手紙を送るために歌詞を書いたんじゃないん
だもん! やっぱり歌わなきゃ! 歌って気持ちを伝えようよ!」
保田「歌唱力とは違う力が必要だなコリャ…。 でも伝えてみせるぜッ!!」
石川「あのぉ〜… でも伝わっちゃったら、同じことじゃありません…?
ヤンジャンさんが結局傷ついてしまう結果になっちゃうんじゃないの?」
小川「あ、そうじゃん! バカだな〜つんく。 つんくちゃんコラ?」
つん「んー… 伝える気持ちを、薬と同じやと言えばわかってもらえるかな?
例えばな、苦くて強い薬を、じかに口に入れてもうたら舌がツライやろ?
薬が効く前に、飲まされた方は苦い味が辛くて、吐き出すかもしれん。
歌で伝えるちゅー事はな、苦くないカプセルの薬を飲ますようなもんや。
カプセルの薬は胃の中で溶けて、薬がジワジワ広がり出していくやろ…?
同じや。 伝えたい想いが、相手の心の中でジワジワ優しく広がるんや。
そういう事ができるのが、歌手という職業なんやで? 特技を使わな!」
全員(コクッ!)
つん「モーニング娘。という歌い手の力、ぞんぶん発揮させてみいやッ!!」
ゾロゾロゾロ…
飯田「卒業ソング、歌えることになったね…。」
安倍「うん…。」
保田「嬉しいよなー…。」
紺野「ハイ…。」
吉澤「伝わるかな…?」
後藤「伝えようよ…。」
小川「先輩、喜ぶかな…?」
高橋「悲しい顔はさせないダス…。」
加護「でもヤンジャンは娘。に残れないんやで…?」
辻 「そりはヤンジャンが一番よく知ってまふ…。」
石川「じゃあ… 何も変わらないのかな…?」
新垣「ハ? そりゃ何も変わんないわよ。 まあ、歌うだけ無駄骨よねー。」
ネコ「ニャ!」
矢口「ヨッスィ訳せ。」
吉澤「『それほどまでに私達は、あなたのことを好きだ。…そう歌で伝えられて
喜ばぬ人はおらん。 あの人の笑顔が見れれば、無駄骨にはならぬ!』
…と、ヤンゾーが武論尊みたいなセリフを真顔で吐いているのですが。」
新垣「…それだけ? みんなヤンジャンさんが好きだって、伝えるのが目的?」
飯田「考えてみれば…それだけのことかも? そうそう!ヤンジャン大好き!」
加護「あ、な〜るほど! わかりやすいわ! 歌いがいがあるで、これはァ♪」
新垣「ふ、ふーん。 リサたんは別に好きじゃないけどねー…。」
ネコ「ニャーニャニャニャー?」
矢口「うしッ! ヨッスィ訳せッ! オイラもやる気出てきたぜぇ!!」
吉澤「『はて? リサ殿のあの紙は私がひいたが、それを読んだ限り…』」
新垣「イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアーッ!!」
鈴木「すみませーん、えっとですね…。 このショートケーキを5…」
店長「はい、5個ですね?」
鈴木「いえ、50個。」
店長「ブッ!! ご、50個!?」
鈴木「足りるかなぁ? じゃあそれとモンブランを20個と、あと…」
店長「あああ、あのぉ…! それほどの量となると、これから作らなくちゃ
店の在庫では足りなくて…! その、何か大きなパーティでも…?」
鈴木「いえ、身内の小さなパーティ… パーティなのかな?」
店長「身内と言っても、ハロプロのみなさんでしょ? たくさんいらっしゃい
ますもんねぇ。 アハハ、それだけの数にはなっちゃいますよね〜?」
鈴木「あは… 私の事知ってました? 照れちゃうな…。」(ポリポリ…)
店長「いやぁ! そりゃ有名なモーニング娘。の鈴木あみさんですもの〜!
うちの従業員にもファンがたくさんいますし。 あ、ちなみに私ですね
辻ちゃんのファンなんです♪ ダハッ! こんな親父がお恥ずかしい!
おーい! みんな出て来い! 鈴木あみさんが御来店されたぞぉーッ!」
ワー ワー! すげぇー! 本物だぁーッ!! メチャ可愛いーッ!!
鈴木「ども… あの、閉店間際に無理な注文しちゃいましたけど、よろしく
お願いしますぅ…。」(これ、ほとんど辻が食うなんて言えないな…。)
店長「もうそろそろ…ご卒業されてしまうんですよねぇ? 寂しいなぁ…。
私ね、鈴木さんの『ホイッ!』が大好きで大好きで、あ、あ! それと
プッチモニの『うんばらうんばらうんばらうー』 あれが好きでッ♪」
鈴木「うんばら? あ、ゾンビダンス! これですね?」(ブルブルブル…)
ワー ワー! すげえー! ゾンビだーッ!! メチャ可愛いーッ!!
鈴木「お? 私、調子のっちゃうぞ? そんじゃついでに…『ホイッ!』」
ワー ワー! すげえー! ホイだーッ!! メチャ可愛いーッ!!
鈴木「ぶははッ!そんじゃ初公開! ヤンジャンビームいくぞオラァーッ!?」
加護「うー…ヤンジャン遅いがなッ! もう11時やで!? よいこはオネンネ
しとる時間やがなッ! つーより11PM始まるさかい、無理矢理寝かせ
られるんやけどな。 ヒマやし歌うか? シャーシャバダバドゥーワ♪」
小川「負けるかッ! パーヤパーヤ、パヤヤパッパヤ、パパパヤパヤッパー♪」
辻 「なんれマコっちゃん、『バクさんのカバン』で対抗しとるとれすか…?」
加護「ドゥ、ワァァアアアアアー♪」
小川「パァ、ヤァアアアアアアー♪」
辻 「はうッ!? 最後らけハモったのれすッ!! エロと教育の融合れす!」
タッタッタッ… ハァハァ!
鈴木「やっべえやっべえ…! もうこんな時間かよォ! 調子にのりすぎて、
プッチメドレーを最後まで披露しちまったじゃねえか! だってレジの
おねえさんが、姫のフリ完璧にマスターしてんだもんよ! そりゃこっち
だって、つい合わせて『マル、マル、マルマルマル♪』やるに決まってる
じゃーんッ!! なんであんなとこに姫ヲタが都合良くいやがるんだよ…
加護達イライラしてるだろうな… あ、携帯…! アイツラからだな?」
(ピッ!) もしもし!? いやぁ〜ゴメンゴメン! もう着くと…」
加護・小川((( ドウ(パァ)ヤァアアアアー♪ )))
キャッキャッキャ♪ ブツン… ツー ツー ツー…
鈴木「な、なんだ…!? とにかく怒ってはいないみたいだな… 急ごッ!!」
加護「さてと、もうそろそろ家に着きそうやさかい、トラップの準備やで?」
辻 「クスクス! まさかヤンジャン、ドア開けた瞬間にカーネルおじさんが
倒れてくるなんて思わないはずなのれす♪ しかも玄関のカーペットの
下にはたくさんのギャンのガンプラが潜んでいるのれすぅ♪」
小川「まさに踏んだ瞬間に『ギャン!』ですね!」
加護「…なんか今のムカついたさかい、ゲコ一度カーペットに乗ってみぃや?」
加護「ヤンジャンがドアを引いた瞬間に、カーネル君がバリバリ、ドスーンや!
ほいで下敷きになって這い出てきたアイツの足裏にギャンが突き刺さる!
倒れ方がイマイチやと困るさかい、ゲコ助、ヤンジャンが来たらドアの
カギを開けると同時に、カーネル君の背中をポンと押してやるんやで?
リストラの肩たたきの要領や。 係長オツカレ!って感じでな。」
小川「愛する先輩にこんなことしていいのかしら? うう〜…背徳的快感♪」
ピンポーン!
辻 「生け贄の羊がノコノコ来たのれすッ! マコっちゃんGOッ!」
小川「は、は〜い! 先輩、今すぐ開けますぅーッ!!」(ダダダッ!)
鈴木「なんでカギしまってるんだよ…? 石黒が今朝ぶっ壊したはずだよな?
両手はケーキでふさがってるし… いいや! ドアぶちやぶっちゃえ!
アヤッペ直伝ッ!! 肉弾ミートクラッシャァアアアアアアーッ!!」
ダーンッ!! バキッ!! メキメキメキッ!! グラグラ…
小川「キャァアアアアアアアアーッ!! カーネルがマコの方にぃーッ!?」
ズゴゴゴゴ… くッ! ドムッ!! ぐふッ!! ザクッ! ぎゃんッ!!
鈴木「…なにやってんだ小川?」
小川(ピクピク…)「お、お…かえりなさ…あ、ばお…あ、くー…」(バタッ)
加護「ジオン軍の大敗を報せにきた、瀕死の将校かオマエは…?」
辻 「もうひとがんばり、ゲルググまで言ってほしかったれすね。」
鈴木「片付けとけよ小川? それより辻! ケーキ買ってきてやったぞッ!!」
加護「ブッ!! なんやごっつい量やなオイ! カロリーで表すと、ピーク時の
安倍はん、3体分はあるんやないか? 単位でいうなら3ナッチやで?」
辻 「ゴハン前にちょっと1個味見するのれす♪ いったらきまーふッ!!」
パクリッ! ………ッ!? 〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?
鈴木「ぶははッ!!それだけワサビ入りだよバーカッ! どうよ〜味の方は?」
辻 「あ、あじ…アッシマー…。おえっ!」(げろげろげるげる… ぐぐぅ…)
鈴木「ぷっ! 何年一緒に暮らしてると思ってるんだよ? トラッパーとして
お前らの一つ上にいってるぐらいじゃねーと、後藤の家に遊び言ったら
3秒で全身に矢がグッサリだぞ? まさにハロー張りネズミだよ。」
加護「それだけウチらに鍛えられたっちゅーことやがな。 うむ!」
鈴木「さてと、待たせてすまなかったな? 今すぐメシ用意するからよ。」
小川「イタタタタ… ゴハンならマコ達が先に作っておきましたよぉ? 最後の
夜だから豪勢に作りたかったんだけど… マコ達まだ料理勉強中だし…」
鈴木「んで、なに作ったの?」
小川「安倍さんにもらったジャガイモのお味噌汁… と、いつものカレー。」
鈴木「いいじゃんいいじゃん! カレーと味噌汁、うちの定番メニューじゃん♪
お、そういやいつもの匂いがキッチンから漂ってるな。 ン〜いい匂い!
さっそくメシにしようぜ〜い。…まさか変な物、入れてないだろうな?」
辻 「ヤンジャンと違うのれすッ!! そこまれ性根は腐ってないのれすッ!」
鈴木「ぶははははッ! スマンスマン! 残りのショートケーキは大丈夫だから
後で安心して食えよ! いやぁ〜そこのケーキ屋のスタッフ、全員が
ハロプロファンでよぉ? 店長なんか、辻のファンだとよ! 大爆笑!」
辻 「てへへ〜… あとれキスマーク付きのお礼状を書くのれすぅ♪」
小川「マコのファンは!? マコのファンは!? ねえ、ヒバマニアはッ!?」
鈴木「おし、加護はゴハンの盛り付け! えっとね… 辻ファンのロリ店長と、
姫ヲタのレジのねえちゃん、跡継ぎの息子がエヘヘ…私の大ファンで〜、
バイト5人がそれぞれ、後藤、安倍、ヤギ、加護、それと…大谷?」
小川「誰じゃあーッ!! 最後のうっかりメロンヲタはぁああああーッ!!」
鈴木「あ、店に来てた客の1人が小川ファンだったよ?」
小川「ヒバリストいたぁーッ♪ よっしゃ、新垣を1馬身リードッ!!」
鈴木「その人、橋本も好きだって言ってた。 あと蝶野はキライだってさ。」
加護「ヒバリストならぬメダリストやんけ…。」
ズンチャッチャ♪ ズンチャッチャ♪
辻 「いつの〜ことらか〜 思いらしてご〜らん♪」
加護「あんなこと〜 こんなこと〜 あった〜やろ〜♪」
鈴木「桃の〜お花も〜 きれ〜いに〜咲い〜てぇ〜♪」
小川「くださーい 愛をくださーい♪」
全員『も〜うす〜ぐヤンジャン 1年生〜♪ …いただきまーすッ!!』
ガツガツガツッ!! パクパクパクッ!! ズズズズズーッ!!
辻 「おかわりッ!!」
鈴木「早えーよッ!!」
加護「その前に一応ツッこんどくわ。 小川、今のズレたアドリブはなんや?」
小川「思春期のオーバードライブ技です。 俗に言う『やっちゃった…!』」
鈴木「ほれ、辻おかわりのカレー。 …それよりさ、最近お前らリハの帰り早い
じゃん? 調子いいの? パンチラちゃんと踊れてるのか?」
辻 「おかわりッ!!」
鈴木「早えーよッ!!」
加護「パンチラも、ヤンゾーがつきっきりでレッスンしてくれたさかい、今じゃ
グビグビ腰を動かせとるで? マユミちゃんの血圧も安定しとるがな。」
小川「先輩も調子いいんでしょ? アンコールで何を歌うか決まりました?」
鈴木「普通のお客さん相手のライブじゃないからなー。 アンコールとか何も
ないんじゃないの? そのあと会場でお偉いさん相手に2次会パーティ
とかあるらしんで、まあ余興で何か歌うかもな。 お前らは?」
辻 「最初の一つはラブレボれ、その次をどうするかまら会議中らしいれす。」
鈴木「お前らでリクエスト出せばいいじゃん? ほら例えばさ……。 ……。」
小川「…どうしたんですか先輩?」
チク タク チク タク チク タク…
加護「?」(時計? あ… もうすぐ12時や… そうか日付けが変われば…)
辻 (ヤンジャンは契約上、モーニング娘。じゃ… なくなるのれす…。)
チク タク チク タク…
小川「え? 時計がどうかしたんですか、みなさん? なにか面白いテレビでも
ありましたっけ…。 深夜12時からの人気番組といえば…あ、そうか!
『やつれてヤンジャン★よろしくヨッスィ〜』 CBCラジオッ!!」
鈴木「ぶははッ!! 1回だけ放送されたけど、私らの姫の暴露話がひどすぎて
打ち切られた例のアレな! 私じゃなくディレクターがやつれてたもん。
懐かしいなー… そういえば、モーニング娘。の企画で、私が加わった
せいでオジャンになった番組たくさんあったよな? 加入したばかりの頃
オソロにゲストで出た時も、加護とアイプチ暴露合戦になって、編集で
消されちゃったしな。 美少女教育でメロンとドンジャラ対決した時も、
私がサシウマやろうと斉藤に持ちかけたせいで放送できなくなったしさ。
ま、なんつーかこの1年半、ハロプロの空気を乱しっぱなしだったな♪」
辻 「そんな… 昔を懐かしむような口ぶり、今は聞きたくないのれす…。」
鈴木「あと2分か… ヘヘっ! なんか実感わかないよなー…私がモー娘。を」
ベチャッ!!!
鈴木「…辞め……ブッ…ゲホッ……おい加護。」(ドロ〜〜〜〜)
加護「おうスマン。 手がすべってカレー皿が飛んでもた♪」
小川「わ。 先輩の顔が、スカトロビデオの頑張ってる女優さんのように…!」
辻 「うわーい♪ それじゃののもッ! …あう。 カレー全部食べちゃって
ないのれす…。 えっと、えっと…! あ、ケーキがあったッ!!」
鈴木「…私にぶつけるケーキを探してるのか? ケーキならここだよ。ホレ。」
ブチャッ!!!
辻 「……ブ。 ゲヒョッ…。」
小川「わ。 師匠の顔が、顔面にパイを食らったビル・ゲイツの…ぶハッ!?」
加護「うははッ!! デザートの時間やで小…」(ベチャッ! ブチャッ!)
辻 「のの、ヤンジャン、新郎新婦の初めての共同作業なのれす♪」
加護「ゴホゴホッ! ぶはッ…。 ほう、オモロイやんけ。 お義父ちゃんから
嫁入り前の女の子は、パイ投げしたらアカン言われとったけどな…。
田舎のお義父ちゃんカンニンや。 愛娘は今夜、阿修羅になるでッ…!」
鈴木「おっと、頼みの弾薬ならこっちにあるぞ? 矢も鉄砲もケーキもなしに、
私らヤンノノ連合軍に勝てると思ってるのか? ぶははははッ!!」
辻 「マコっちゃんがクリームだらけれ、アルビノのカエルみたいなのれす♪」
加護「ひッ…卑怯やでッ!! ケーキ独占かいなッ!! ブッ!! ゲハッ!」
小川「ちょッ…ブッ! やめてッ…ブッ! くだッ…ゴホッ! ブッ!!」
鈴木「ぶはははははッ!! おらおらぁッ!! 辻、ジャンジャン投げろ!」
加護「ねえねえヤンジャン、ケーキが足らへんのれすぅー…。」
鈴木「あん? ケーキの箱ならホレ…あ! 加護テメェッ!!?」
加護「だははッ!! 顔のクリームのせいで、辻と見分けがつかんかったやろ?
ゲコ助、敵陣から弾薬うばってきたで! ハッピー7同盟軍反撃やッ!」
小川「くらえ先輩ッ!! 恋する乙女♪ チュッチュッチュルッチューッ!!」
鈴木「おッ…小川ッ!? ブッ…ゴホッ!! てめえ誰にッ…ブッ…痛ァッ!」
加護「幸せビィームゥーッ!! くらァってくれたァーッ!! オリャァ!!」
小川「だぁってこんなに楽しいーッ!! 時間なんだもォー…死ねェーッ!!」
辻 「ペッ! ケフンッ…ヤンジャン、こっちも負けずに歌うのれすッ…!」
鈴木「ガハッ…オェ…! なッ…なに歌うッ!? 辻と私のからむ歌って…!」
加護「うははははッ!! マネキン藤本の『ケーキ止めました』でも歌えや!」
辻 「ののとヤンジャンが一緒に歌うのは、モーニング娘。の曲らけれすよ!」
鈴木「そりゃそうだ♪ じゃあ行くぜ、モーニング娘。で『いきまっしょい!』
やめらんない洋菓子大爆撃ッ♪」(ブゥンッ!! ブゥンッ!!)
加護「うわッ! ブッ!」(へへっ… 12時過ぎてもうたでヤンジャン…。)
辻 (モーニング娘。の曲を歌ってるうちは、娘。のままなのれすッ…!)
明るくいきまっしょい… バシャッ… みんなでいきまっしょい…♪
ガララララ… チャポーン… ピタピタ…
鈴木「…整列ッ!! 右向け右ッ!! 着席ッ!!」
クルッ カローン… ペタッ ザパーン!
鈴木「それでは終戦を記念して、背中ゴシゴシタイムに入ります。礼ッ!!」
小川「くぅーん。 マコ、先輩の隣がいいですぅ…。」
加護「アホゥッ! 昔っから我が家の風呂は、ウチ、ヤンジャン、辻の並びで
背中流しっこするって決まっとるんや! ワレは壁でも洗ってろボケ!」
辻 「マコっちゃんの背中はののが流してあげるのれす♪」
小川「カンベンしてくださいよ! 師匠の馬鹿力でこすられたら、マコの背中
の皮がズルムケになるじゃないですかッ! せっかく初めての先輩との
入浴なのに、お湯がしみて一緒に湯舟入れなくなりますよ!」
鈴木「あー…風呂場で叫ぶな! 声が反響してうるせえ! それじゃいくぞ?
スタート!! ゴシゴシーゴシゴシー♪ 辻ちゃんゴシゴシー♪」
加護「ゴシゴシー♪ うはは、ヤンジャンの肌は相変わらずツルツルやなー♪」
鈴木「コラコラ加護、人の乳もんでねーで、ちゃんと背中洗えっちゅーの!」
辻 「ゴシゴシーゴシゴシーマコちゃんゴシゴシー♪」(ゴリゴリッ!!)
小川「ギャーッ!! グァーッ!! ギャーッ!! ギャーッ!!」
鈴木「はい交代! まわれー右ッ!! はーい、加護ちゃんゴシゴシー♪」
加護「あー… ええ気持ちやわぁー… 毛づくろいされとる猿の気分やー…。」
鈴木「加護お前、背中にまで肉ついてきてるぞ? 中年のババアかオメーは?」
辻 「ほらマコっちゃん、スンスン泣いてないれ、ののの背中ゴシゴシッ!!」
小川「シクシク… うう…マコの背中が稲葉さんの白ウサギ顔状態ですぅー…」
辻 「リビングがクリームまみれのままれすねー。 お掃除どうしまひょ?」
加護「風呂あがって、すぐ掃除ってのもイヤやなぁ? 明日にしよ、明日に。」
小川「明日かぁ… 明日にはもう先輩は…」
辻 「ふぁーい交代ッ!! まわれ右ッ!! いくよォーごしごしぃーッ!!」
小川「ギャーッ!! グァーッ!! ギャーッ!! ギャーッ!!」
鈴木「……それじゃ電気消すぞぉ? みんな布団入ったかぁ…?」
辻 「あーい。」
加護「おう。」
小川「…はい。」
鈴木「あれ? 小川、今夜もそっちのプッチベッドで寝るの? いいんだぜ、
今夜ぐらいは私のベッドで寝ても? それとも、そっちがお気に入り?」
小川「〜〜〜〜〜…ッ!! は、はいッ! こっちがブックマークですッ!!」
鈴木「ふーん、まあいいけどさ。 せっかくダッコしてやろうと思ったのに…」
小川「ッ…!!!」(ゴンッ!! ゴンッ!! ゴンッ!!)
辻 (マコっちゃん、タンスに頭打ちつけるほろ我慢しなくていいのれすよ?)
加護(…そやで? せっかくやから、オマエぐらいは甘えてもええんやで…?)
小川(うううう…! いやッ、ガマンするもん…! だって… だって先輩に
ダッコなんかされたらマコ泣いちゃうもん…! 今夜は絶対泣かないって
3人で約束したんだもん! 涙は卒業ソングの日までとっておくッ…!)
鈴木「…なに3人でヒソヒソやってんだぁ? じゃあ…消すからな…?」
カチッ
鈴木「よっこらせっと…。 さーて、最後の夜だからな、思い出話でもしながら
寝るとするか? なあ辻、オメーが最初にうち来た日のヤクルトさぁ…」
辻 「……ののは明日も早いのれ、もう寝るのれす。」
鈴木「なんだよ、つれねえなぁ? …じゃあ加護、オメーあれだろ? 私が加入
してきた日に、私のカバンをゴミ箱にダンクシュートしたのってさぁ…」
加護「……ケーキ投げ合戦でクタクタや。 ウチもう眠いわ…オヤスミ。」
鈴木「小川ァー?」
小川「グゥー グゥー。」
鈴木「ちぇッ…つまんねーの。 そんな3人して背中向けて寝ないでもいいのに
よぉー? いいもーん、ヤンジャンさんも寝ちゃうもんねーだ!」
シーン…
加護「………。」
辻 「………。」
小川「………ズズッ…。」
鈴木(…背中向けてても、泣いてるのバレバレだよオメーら…。 バカだな…。
私の両腕に、辻と加護の肩の震えが、振動で伝わってきてるっつーの。
小川なんて新聞まで震えて、カサカサ音をたててやがるじゃねーか…。)
加護(…やめろやヤンジャン…。 なしてそないに強く肩を抱くんやボケェー…
そな力入れられたら… せっかくガマンしとるのに泣いてしまうやんけ…
あー… なんかオモロイ話でも思い出して、気をまぎらわせなアカンわ。
………ダメや。 思い出すことすべて、ヤンジャンのことばかりや…。)
辻 (…ヤンジャンの顔が見たいのれす…。 明日の朝、目を覚ましたらもう…
隣にヤンジャンの姿がないかもしれないのれす…。 れも…振り向いたら
顔を見られちゃうから出来ないもん…! らって… ののは… もう…
涙が出ちゃってるんれすから…!)
小川(…あーもう! ベッドの新聞紙がジャマくさいなぁ… なんでさっきから
マコの目にペッタリはりつくのよぉ… 朝起きたら、インクでマコの顔が
パンダみたいになっちゃうじゃない。 明日の朝は、いつも以上に可愛い
マコスマイルで、先輩を送りださなくちゃいけないんだから…! )
鈴木(…ありがとうね、みんな。 私のために泣くの我慢してくれてるんだね。
余計な気遣いだっちゅーの…。 ケッ…だいたいよぉ、いつからオメーラ
そんなに大人になったんだよオイ? ガキっぽく泣きわめいてくれれば、
こっちだって『バカだなぁ〜♪』って笑いとばせるのにさぁ…?
まあいいさ…そうやって背中向けたまま、こっち向かずにいりゃいいさ。
絶対こっちにツラ見せるんじゃねーぞコラ? 振り向いたらブッ殺す!
……ごめんね。 今から私も… 泣く…。)
チュン… チュチュン…
辻 「クカー… スピー… クカー…」
小川「ムニャムニャ… 琴美じゃないっつーの… でへへへ… グゥ…」
鈴木「…プッ。 いつもの寝顔だな。 あーあ、また加護、ハラ出してやんの。
仕方ねえなあ…。 冬には手編みのハラマキでも送ってやるかぁ。」
ガサガサッ ザッ… ザッ… ポイッ フキフキ…
鈴木「よし、リビングの掃除も終わり…っと。 まだちっと汚れてるけど、後は
アイツラでやってもらうしかねーな。 もう朝日がのぼり始めてるし…。
出て行くなら… みんなが起きる前に行かなくちゃ…ね。」
ジャジャジャジャー… パシャパシャ…
鈴木「ふぅ! …顔も洗った。 スッピン亜美ちゃん、あら可愛い♪(ペチッ)
じゃあ… 行くとすっかな♪ おっと…その前にトイレ、トイレ!」
スタスタスタ…
鈴木(みんなの顔は…見ない方がいいな。 トイレから出たら、そのまま玄関の
ドアを開けよう。 表札も見ない。 後ろを向かず、そのまま…。)
ガチャ… ガチャガチャッ!
鈴木「…あれ?」
加護((( 誰やうっさいなボケーッ!! あいぼん様が使用中やッ!! ))
鈴木「ブッ!! 加護、起きてたのかよッ!?」
加護((( デリカシーのないやっちゃなホンマ! ワレええ年こいて、便所で
ノックするマナーも身についておらんのか? あいぼんが爽やかに
尿たれとるんさかい、穏やかに順番待っとれや、このカスが! )
鈴木「…あーハイハイ! でも早く出ろよ? こっちだって小便がいっせいに
ゲートイン、さあ有馬記念、出走ですッ!…てな感じなんだからよぉ?」
加護((( 少し時間かかるで? 今、娘。物語の4巻読んどるさかいのぉ♪
せやけど何でウチの髪の毛にはトーン貼ってあるんかのぉ? ))
鈴木「だぁあーッ! 早く出ろよ、スポニチ便所で読むオヤジかテメエはッ!」
加護((( あせったら出るもんも出ぇへんやろ? 落ち着いて出させてくれや。
あせらずに… 急がずに… 落ち着いて… な? )))
鈴木「…悪かったよ。 あせって何も言わずに出て行こうとしてさ…。」
加護((( ウチはウンコの話をしとるんや。 …今は小の方やけどな。 )))
鈴木「クソじゃねえなら早く出ろよッ!!! 早く拭いて出て来いボケッ!!!」
加護((( あー… ヤンジャンに文句つけたいことあったんや。 忘れてたわ。
そやオマエ、なんでウチには夢を聞いてくれへんのや? )))
鈴木「あ…。 聞きたかったんだけど…さ。 そんな話をオマエとするチャンスが
今日までこなくてさ。 こんな場所でアレだけど… 聞かせてくれ…る?」
加護((( ウチの夢かー。 特にないわ。 )))
鈴木「だったら文句つけんなよッ!! いいから早く出ろッ!! マジやばい!」
加護((( ウチな、寂しいのがキライでな。 毎日、オモロイ奴らに囲まれて
ゲラゲラ笑っていられればそれでええ。 そんな毎日がこのまま続く
ことをただ願うのみや。 だから今の所、文句ナシの人生や♪ ))
鈴木「ほーう。 じゃあ私が卒業して… 少しは寂しくなる? アハハ!」
加護((( ぶっちゃけ、なーんもや! ヤンジャンとはこれからも会えるし、
いつもウチの側には辻がおるもん。 それに5期メンも入ってきて、
にぎやかになった事やしな♪ この先も笑って暮らせるやろ! ))
鈴木「そっか…。 オ、オイ、それより早くトイレ出ろよ!」
加護((( あ、知っとるか? ウサギの話? )))
鈴木「ウサギの生態の話は今はいいんだよッ!! 今こっちは漏れそうで、ウサギ
みてえにピョンピョン跳びはねているんだからよッ!!」
加護((( ウサギってなぁ… メシ食わないと死んじゃうんやて。 )))
鈴木「当たり前じゃねーかッ!! くだらねえ事言ってねえで早く開けろッ!!」
加護((( 間違えた。 寂しいと死んじゃうんやて、ウサギ。 )))
鈴木「…ああ、よく言うよね。 実際死なないけどな、タフだからウサギ。」
加護((( ウチな、ウサギなんや。 可愛いとこも、寂しがり屋なとこも一緒。
モーニング娘。に入って、上京してな… そらぁ愉快な仲間に囲まれ
楽しかったけど…。 こんなウチでもな? 家に帰れば寂しい寂しい
言うて1人スンスン泣いとったんやで? ホームシックいうやつや。
笑うんやないでぇ〜? ぶはは、ウチも年頃の少女やもん! )))
鈴木「…そんな素振りなかったじゃん?」(ピョンピョン!)
加護((( そらぁ〜 ヤンジャンが一緒に住んでくれたからや! )))
鈴木「…え?」
加護((( 感謝しとる。 ブハハハハ! 愛しとるで〜ヤンジャーンッ!!!
家に帰ってな、誰かが待ってくれとるって、ごっつ嬉しい事なんや。
せやからあの時期、ヤンジャンがモーニング娘。に来てくれたこと…
ホンマ感謝しとるんやで? こんなこと、トイレの中にでもおらんと
恥ずかしくて言えへんけどな。 大好きや。 ヤンジャン。 )))
鈴木「クスッ…どういたしまして。」
加護((( 漏れそう? )))
鈴木「…ちょっと波はおさまったけど… 違う波が来そうかな? へへ…!」
加護((( ウチな、自分が寂しいのもイヤやけど、好きなやつが寂しい顔を
しとるんのもイヤなんや。 ヤンジャン… ウチらはええけど…
オマエ今日から家帰っても1人なんやで? 寂しない…? )))
鈴木「心配すんなよバーカ。 すぐに男つくっちまうもんねーだ♪」
加護((( ブハハハハッ!! モーニング娘。は男禁止やったからな! )))
鈴木「まあ、辻より強くて、加護より可愛い男じゃないとダメだけどね〜。」
加護((( アホか、そんな男おらんわ! )))
鈴木「とにかく…。 加護に私の寂しい顔なんか見せないから。」
加護((( …約束やで? )))
鈴木「うん…!」
加護((( …約束したから言うとくわ。
もしヤンジャン、お前が寂しい顔一つでもウチに見せた日には…。
ウチお前をさらいに行くからな? たとえお前の仕事の将来がどう
なろうと、ウチの将来がどうなろうと、お前をさらいに行くで?
寂しい顔でヤンジャンが1人… 誰もいない部屋で1人…
幼い頃の昔のウチみたく、寂しくスンスン泣いとる姿が目に浮かぶ
ような時は… ウチ、絶対オマエをほおっておかんッ!!
その時は… 文句言うたらアカンで!? )))
鈴木「わかった。 その時は…お願い。 …必ず。」
加護((( 寂しい顔を見られたぁないと意地はりたい時は、ウチに背中を見せる
んやで? ウチものぞきこんだりせえへんさかいな♪ ん? )))
鈴木「OK! 昨夜のオマエらみたいにね〜♪」
加護((( ブハハッ! うっさいわ! 早よ出てけやッ!! )))
鈴木「バーカ! さっきから小便ガマンしてるんだよ! 早く出ろっつーの!」
加護((( いやや。 )))
鈴木「オイオーイ! 最後まで意地悪かよ? あはは、ドアぶちやぶっちゃうぞ?
アヤッペ直伝肉弾ミートクラッシャーで、パッコシ穴開けちゃうぞーい?」
加護((( …ホンマもう行ってくれや。 頼むわ。 )))
鈴木「…加護?」
加護((( ズズッ… 見られたくないし、見たぁないんや…! 行けやッ!
ウチの今の顔も…! お前がドアの外に消える姿も見たくないんや!
早よ消えろやッ!! これからウチはウンコタンマリするんやッ!!
娘。物語のコネの回を読みながら、ツッコミたくさん入れるんや!!
ズッ! ヘヘッ…外の公園にでも小便タレに行けばええがな!!
アバヨ! アバヨやでヤンジャン! サヨナラだけが人生や! ))
鈴木「うん…サ… …アバヨッ!!」 (ガチャッ… タッ…!)
ダッダッダッダッダッ ガラッ!!!
紺野「お、おはようございまぁーすッ!!! 朝、昼、バント、2塁に送って
ワンナウトッ!! マジでキスをくれたのは、門限の5秒前ッ!!!
紺野あさ美でぇーすッ!!! さ、さーて今週のあさ美の健康チェック!
次の症状に当てはまるものに、チェックを入れてくださいね奥さんッ!!
1・椅子に座っていると『アアアアアアアーン!』と奇声を発する。
2・プロモとマネージャーへの愚痴が意味もなく長い。
3・法外な高い時給で、サンタさんのアルバイトをした事がある。
4・テレ朝の学園ドラマ『ツインズ教師』に出てた過去を抹殺したい。
5・自分のことをアユと呼ぶ。
さあ奥さん、チェックはいくつ? 5つ以上当てはまれば要注意ッ!!」
浜崎「……保田に命令されたのか?」
紺野「…は、はい。 ごめんなさい…!」
浜崎「新入りは大変だねー…。帰っていいよ?」
紺野「し、失礼します!」(ペコリ!)
ダッダッダッダッダッ ガラッ!!!
保田「チンコッ!!!」
浜崎「……。」
保田「……。」
浜崎「…で?」
保田「……す、すまん、セリフ忘れた。 最初っからやり直していいか?」
ダッダッダッダッダッ ガラッ!!!
保田「チンコッ!!! ……ッ!!!」
浜崎「保田ぁ…そんなんじゃ後輩に抜かれるぞオメ? あ、それよりさ、今日の
カウントダウンTVの収録、亜美はもう…そっちにいないワケ?」
保田「あ…うん。 昨日で娘。の契約、終わっちゃったからな…ヤンジャン。」
石川「心配ですよねー…。」
後藤「え、何が? 高橋のソロ写真集が出ること?」
安倍「最近、数を数えられなくなったこと?」
矢口「肛門から図鑑に載っていない、新種の回虫がチロチロ顔を出すこと?」
飯田「読売新聞の拡張員のオヤジを蹴り飛ばしたら、動かなくなったこと?」
吉澤「それアンタだよアンタ。」
石川「違いますよ、アレですよぉ…。 ほら、ヤンジャンさんが今日付けで
モーニング娘。を卒業されたから… 加護達が… ね?」
吉澤「あー… 今朝にはもう、ヤンジャンあの家を出て行ったはずだしなー…。
辻も加護もフロッガーも、今頃だいぶヘコンでるところだろうねー。」
ダダダダッ!! ガチャッ! ゴロゴロゴロッ!! ガシャーンッ!!
新垣「キャアッ!? な、なによ!? どうしたのよいったいッ!?」
加護「ぶはぁーッ!! ハァハァ…!! モ、モン…!」(ゲホゲホッ!)
高橋「加護ちゃん、何があったダスか? モンって…なんダスの!?」
保田「淡路島モンキーセンターか?」
加護「モ…モンブランや! ここにモンブランの使徒がやってくるで…!!
高橋、急いで楽屋のドアのカギを閉めるんや!! バリケード張らんと
この部屋が、栗の香りにつつまれた淫らな少女の檻に早変わりや…!」
高橋「なにを言ってるのかチンプンカンプンダスよ?」
加護「ええから早よドアをロックせんかぁーッ!! うちらの台所から、今朝
隠された古代のファイナルウェポンが発掘されたんやッ!!
かつてリビングを生クリームで壊滅させた第1の使徒・ショートケーキ!
それに続く新たな殺人兵器『モンブラン』100個の降臨やがなッ!!
ヤンジャンのアホウ、大事にそんなもんキッチンに封印させとったがな!
それがよりにもよって、寝起きの辻に発見されてもうたんや…!!」
高橋「なんか美味しそうな話ダスな… あ、辻ちゃんオハ…」(ブチャッ!!)
辻 「モンブランララーン恋はぁ♪ 予測もれーきない♪ ノンストップッ!
今朝も早よからモンブラン戦争勃発なのれすぅーッ!! それぇーッ!」
ブゥンッ!!! ブンブンッ!! ベチャッ!! バチャッ!!!
飯田「キャアッ!! ちょッ…辻ッ…いやぁあああッ!!」(グチャッ!!)
安倍「うわぁー♪ 部屋中がマロンのいい香りでいっぱ…」(バシャッ!!)
矢口「ギャハハハハッ!! マロッ!! ギャハハハハ…」(ベチョッ!!)
辻 「らってれーも投げ出したら止ーまらないー♪」(ブゥンッ! ブゥン!)
新垣「もう!朝から(スカッ)カンベンして(スカッ)くれない?(スカッ)」
後藤「やばいやばい…! こういう時はサッサと戦場から非難するのが一番…!
ホラ、ヨッスィ! 床のケーキの残骸、拾い食いしてないで逃げるよ!」
コソコソ…! スタタタタッ…! ドンッ!
後藤「キャッ…あ、マコっちゃんか。 アンタも逃げ…ブッ!?」(ベチョ!)
小川「デヘヘヘェーッ!! モンブランに続く、第3の使徒降臨ッ! その名も
『チーズケーキッ!!』 冷蔵庫から発見したぞオルァアアアーッ!!」
加護「あわわわ…ヤンジャン、いくつ買ってきてあったんや…!」
保田「表は修羅場じゃのう。 さて…ロッカーの中に隠れたはいいが、このまま
では我が蜀の国にも被害が及ぶ。 そこで軍師の諸葛亮あさ美。 敵国に
休戦を申し出たいが、いかがいたそう? 良い案を出されよ。」
紺野「ハッ! 使者を出すのがよろしいかと思われますッ!! ちょうどここに
いるヤンゾー殿が適任かと。 彼を使者として送りだせば、魏の希美殿も
呉の麻琴殿も兵を退き、そして何より、ロッカーの中が広くなります!」
保田「よしッ!! ヤンゾー、使者として行ってまいれ!!」
ネコ「ウニャッ!!」
カチャッ! テクテクテクテク… ウニャニャニャッ! ペコリ ベチャッ!
紺野「ひ、姫様! あろうことか我が国の使者が斬られましたッ!!」
保田「あ、やっぱり?」
矢口「モグモグ…でもアレだよねー? 辻達が元気で、安心したよ〜オイラ♪」
石川「ホント心配してたんだよぉー? でも、このケーキが散乱した楽屋の
今後も心配だけど…。 マネージャー達が見たらなんて言うかなぁ?」
吉澤「何か言葉を発してくれればいいけどな。 それよりこのチーズケーキ、
形は悪いけどウメェな? ヤンジャンに後で店の名前聞いてこよっと!」
加護「ヘコんでるヒマなんてないがな。 元気に今日も仕事頑張らなアカンで。
今日はテレビ収録にリハと大忙しや! ヤンジャンとはそうそう会えなく
なるんやさかい、せめてテレビで元気なウチらの姿を見せたらなアカン!
まあウチと違って、ゲコ助なんか朝はスンスン泣いとったけどな?」
小川「……だってぇ。 予想はしてたけど、目を覚ましたら先輩すでにいないん
ですもん。 でもマコもう泣かないよ! 仕事ガンバって、元気な姿を
先輩に見てもらうんだもん! 今日からはりきっていきますよぉマコ!」
飯田「その決意が、このケーキ暴動かい? もうカオリ、怒る元気もないわよ。
ヤンジャンがいないこの先、誰がアンタ達を制御するのかと考えたら…
あー頭いたいッ!! ところで誰よッ!! ケーキの中に石入れたの!」
安倍「雪合戦で、雪玉の中に石を入れるのは、北国育ちの知恵だべ。 あ、でも
なっちじゃないよ? 北国出身といえば…北陸組の小川、高橋あたり?」
高橋「めっそうもないダス! ワタスはただただ逃げるだけだったダス!」
小川「私も師匠も、堂々とノーマルにケーキぶつけてましたよ?」
飯田「他にメンバーで北国出身といえば…。 あ! 紺野がいたッ!!」
後藤「そういえば紺野の姿がないわね? あ、圭ちゃんもだ。 ズルイ!!」
ヒソヒソ…
保田「…お前、カオリに何か攻撃加えたのか? 出ていくに出ていけねえぞ?」
紺野「ロッカー内から遠投の計を一つ…。 ある意味失敗でございます。」
保田「オ、オイ…! ヤンゾーが何やらヨッスィにつげぐちしてるぞ…?」
紺野「使者が寝返りました…謀反でございます! 姫様、自害のご用意を!」
浜崎「カウントダウンTVをごらんの皆様。 えー…浜崎あゆみでぇーす…
あー… ちょっと頭にモンブランがのってますが…気になさらずにー…」
ザワザワ
飯田「…ある意味すごい根性よねアイツ。 あのまんまで収録してるわよ?」
加護「頭のモンブランより、顔面ベッチョリのチーズケーキの方が、視聴者の
ツッコミたいところなんやけどな。 もうすでに誰かわからんやん…。」
高橋「あれダスかね? ファッションリーダーだけに、許されるんダスかね?」
辻 「れもマコっちゃんが許されずに、むこうのマネージャーさんに拉致されて
しまいまひたね。 こっちの収録まれに戻ってくればいいんれすけろ。」
小川「すみませーん! 今、戻りましたぁー!」
後藤「あ、無事だったの?」
小川「エイベックスの勧誘かと思ったら、違うんですもん。 ムカついたから
四肢の関節、全部ズラして動けなくしてやりましたよ。スタッフ全員。
いい大人がチーズケーキぶつけたぐらいで怒るなっつーの! ねえ?」
新垣「ふぁああ… 当たる方が悪いのよ。」
保田「コネ、お前背中にぶつけられてるぞ? 気付いてないかもしれんけど。」
新垣「うそッ!? ちょッ…あ!ホントだッ! え、いつの間にッ…!?」
紺野「早く着替えてこないと、私達の収録はじまっちゃうよ…?」
矢口「だ、誰だよ? あのコネ相手に一発くらわせた手練の忍者は…!?」
保田「ん? ハマだよ。 途中からアイツ、ケーキ投げに参加してたじゃん。」
飯田「あ、いたんだ? 全員クリームまみれで誰が誰だかわかんなかったよ。」
安倍「ケラケラ笑いながら、アンダースローでケーキ放ってたのがアユだべ。」
矢口「なるほど…メモメモ。 コネは下段からの死角攻撃に弱い…と。」
吉澤「なんだろうねー…やっぱソロでやってると人恋しくなっちゃうのかな?」
加護「せやったら定期的にヤンジャンの家へ、ケーキ投げに行かなアカンな♪」
石川「次会えるのはライブ前夜かぁ…。 わ、もう明後日じゃないのォ!?」
夏 「え、つんく君から連絡?」
飯田「はい、今日こっちのリハに顔出されるような話、伝わってきてません?」
夏 「あーあーあー、アンタ達が収録に行ってる午前中にブラリと来たけど?
でもはいてたピチピチの皮パンが気持ち悪いから、追い返しちゃった。」
保田「こ、このダンシング・アジの干物ッ!! なにかましてるんだよッ!!
なんで身柄を押さえておかないんだよッ!! で、帰っちゃったん!?」
夏 「あ、うん…。団地のカギッコみたいに寂しそうな顔して帰ってったけど。
なんかマズかった? だってタマキンが右に寄ってるの、くっきりわかる
ほどのピチピチ皮パンだよ? そんなチンコの裏スジみせながら気取って
『うぃ〜!』なんて言われた日にゃ、そりゃ誰だって殺したくなるべ?」
加護「アカンなあ…。きっとウチらに、完成した曲を持ってきてくれたんやわ。
早いとこ曲のテープ受け取って、卒業ソングの練習せにゃならんで?」
矢口「まだそのへんブラついてるかもしれないから、電話してみよっか?」
保田「じゃあ姫の携帯で呼び出してみるよ…!」
ピピ… ピッ! トゥルルルル… トゥルルルル… カチャッ
××「はい、こちらデリバリーヘルス・イン乱Qです。 ご予約ですかぁ?」
保田「………。」
吉澤「プロデューサーにまで、ニセ番号つかまされてるのかアンタは…。」
××「もしもーし?」
保田「…えー… 夜9時に武道館へ、プロゴルファー猿の弟に似た若いコを。」
吉澤「うっわ…! また意地はりだした! そういうの、やめなよ圭ちゃん!」
保田「弟だよ弟! 末っ子の方! そう、酒ビン持ってる方! それを5人!」
後藤「仕方ないなあ… じゃあ私の携帯からかけてみるね?」(ピッピッ…)
保田「ああん? コースだあ? 492ヤードの第3ホール、PAR5だよッ!」
紺野「や、保田さん! もう電話切りましょうよ! 保田さんってば…!」
保田「オプションだぁッ!? モズ落としにハタ包みだよコノヤロウッ!!」
つん「おう、電話スマンな。 実はさっきも来たんやけどなぁ〜。」
飯田「どうもスミマセンわざわざ…。」(うっわ…ピチピチ…!)
加護(あー… ホンマ、ブッ殺したいわ。)
夏 (…だろ? 10年前のテレ東の深夜枠でも無理だろアレは?)
石川(ここにカリマンタンの原住民がいたら、まっ先に吹き矢を向けますね。)
辻 (ののにはタマキンさんの声が聞こえるのれす。 苦しいと言ってまふ。)
つん「で、話ってアレやろ? みんなが望んどることは一つやもんな♪」
新垣「うん、タマキンを何とかしろ。」
矢口(シーッ! コラッ! 新垣は黙ってなさい! 話がこじれるから!)
新垣「いや、よじれてるのはタマ…(モゴモゴ!)」
つん「タマ? あーそういや、今年の流行語大賞はタマちゃんやったなあ〜。
オレは『マロ』か、『またユウキかよ?』が来ると思うたんやけどね。
…あ、それよりコレな。 完成した卒業ソングの入ったテープや♪」
小川「ワァーッ!! 聞いていいですか!? これ今聞いていいですか!?」
つん「おう、ええでー! 自信作や! …と。 その前に夏さんの了承を得な
アカンわ。 今はリハの時間やろ? 練習の時間を奪ったら悪いがな。」
夏 「いいわよ、どうせ今聞かせないとコイツラ、練習に集中しないだろうし。
私も聞きたいしね。 アレでしょ? 例のアンタ達が作詞したという…」
保田「おう! ヤンジャンへの卒業ソングさッ!」
つん「気持ちのええ歌詞やさかい、曲なんかスラスラ作れてもうたわ。
そうそうコレ、歌詞カードや。 どや? 変なイジリ方してへんやろ?」
吉澤「おっ、いいねぇ〜♪ アハハ、ここ私の歌詞の部分! 夏センセ見て!」
ズッタカ♪ ズタタッ♪ ズッタカ♪ ズタタッ♪ ドコドコドコドコ…♪
石川「わぁー! 演奏はもう打ち込んでくれたんですね♪ カッコイイ!」
加護「せやけどブハハッ! なんやえらい景気のええメロディやなあ〜?」
つん「あとはオマエらの表現力の問題や! 素敵なプレゼントにするんやで!」
夏 「フンフンフフフン…♪ ここでこういうのはどうだ?」(サッ、サッ!)
ネコ「ウニャニャッ! ウニャー…(クイッ!)ウニャッ!!」(キュッ!)
夏 「ああ、なるほどね! それだと次のフレーズに入りやすいかもね。」
松浦「あれれー? お二人して、なにやってるんですかー?」
藤本「このラジカセの曲、聞いたことないですね。 もしかして新曲ですか?」
夏 「んー…新曲っていうか、たぶん未発表曲になるんだろうけどさ。 ホラ、
あのコ達が鈴木への卒業ソングを作ろうとしてたじゃない? それよ。
私がリハ現場にいなくても、心配ないぐらいみんな踊れているみたいだし
どうせヒマならって、ヤンゾーとこの曲のフリを考えていた所なのよ。」
ネコ「ウニャニャニャ! ウニャッ! ウニャニャニャ? ウニャ!」
夏 「まあ明日の夜までに、この曲を覚えないといけないらしいから、あんまり
難しいフリは無理だろうからさ。 ちっとポイントの部分だけ少しね。」
ネコ「ウニャニャニャニャン?」
夏 「そうよね、ある程度はヤンゾーのいう通りに、即興でアイツラの好きな
フリで踊ってもらえばいいんだしね。 勢いに体をまかせてさ。」
藤本「…こ、言葉わかるんですか、夏センセー?」
夏 「まあそこはコリオグラファー同士のフィーリングで、だいたいね♪」
フ〜フン、フフフン フフフ〜フフン…♪
加護「おう、もうさっそく卒業ソングの練習かぁ? ヤンジャン思いやのう?」
新垣「(カァ〜〜〜…) ちょッ…ちょっと鼻歌で歌ってただけじゃない!」
加護「このまま順調にリハを早く終えて、今夜は練習がんばらなアカンのう…。
別にテレビで歌う事もなく、沖縄のジジババにも聞いてもらえる歌やない
けどな…。 スマンけど一緒に、アイツのために一生懸命歌ってや?」
新垣「バカにしないで! リサたんは損得で歌を歌ってるんじゃないわよ!
好きだから歌うのッ! …あ、勘違いしないでよ? 歌が、だからね?」
加護「クスクス…わかっとるがな。 ウチは新垣も大好きやで? ぶはは♪」
ブロロロロロ… キッ… トントン!
杉本「着きましたよ鈴木さん! 起きてくださーい!」
鈴木「ん…フニャ? ふぁああ… え? どこッスか、ここ?」
杉本「どこって… 鈴木さんのマンションですよ。」
鈴木「は? ……あ、そうか。 今日からここが私の住処なんだっけ…。」
杉本「大丈夫ですか? お酒入りすぎたんじゃありません? 心配だからお部屋
まで送りますよ。 どうせオートロックの開け方も覚えてないでしょ?」
鈴木「あー…いや、風呂場の抜け穴を通りますから大丈夫。 ヒック…うん。」
杉本「だーかーら! そんなリアルなドラえもんの通り抜けフープがある家とは
もう違うんですから! ホラ、肩につかまってください…!」
ヨロヨロ…
鈴木「あははー加護ォ、なにそんなとこで大相撲ニュースなんか見てんだよ?」
杉本「この人は管理人のおじいちゃんですよ! つぶらな瞳しか似てないじゃ
ないですか…! あ、ども。 この方、今日から入居する鈴木さんです。
深夜の帰宅が多くなると思いますので、よろしくお願いしますね。」
管理「あ、聞いてますよ。 こちらこそよろしくお願いします。」
鈴木「ブハハハハッ!! なに敬語なんか使ってんだよ加護オメェ! 頭なんか
こんなにハゲちゃって! 新垣のおばあちゃんからもらった昆布エキス、
毎晩しっかりドタマに振りかけろつったべ〜?」(パンパンッ!)
杉本「たッ…叩いちゃいけません! 人として老人は叩いちゃいけませんッ!」
鈴木「おう辻、ただいまぁ! なんだオメ、そんな顔を真っ赤にしちゃって?
また隠れて甘酒飲んだのかテメエは? 正月まで待てなかったのかぁ?」
杉本「酔ってるのは鈴木さんです! あなたが話しかけてるのは消化器です!」
鈴木「小川ぁ〜ッ!! ずいぶん背ぇ伸びたなオイッ!? ん…? 石川か?」
杉本「違います違いますッ! その人はボディガードのボブ・サップさんです!
わぁああ!! 叩いちゃいけませんッ!! 刺激しちゃダメですッ!!」
杉本「あ、それじゃ明日また、お昼頃にお迎えにあがりますのでー。」
鈴木「あれぇ〜? 部屋にあがっていかないのぉ? コーヒー入れるよぉ?」
杉本「いやいやいやッ! ダメですッ…それはマズイです! 変な噂がたったり
したもんなら、鈴木さんの輝かしい未来に傷がついちゃいますッ!
そ、それじゃ、僕はこのへんで…! オヤスミナサイ!」(ドキドキ!)
鈴木「なぁ〜に言ってんの杉本ちゃん! スギモっちゃ〜ん!! 飲み直そッ!
あ! リーダーからもらった焼酎があるのッ! これがまたオツで…」
杉本「しッ…失礼しますッ!!」(ペコッ! ダダダダダッ!!)
鈴木「…ちぇ。寂しいなぁ… こんな広い部屋に1人でいろっていうのかよ…」
ヨロヨロヨロ… ドサッ!
鈴木「ふぅ…飲み過ぎたな…。 だってスタッフが無理矢理飲ますんだもーん!
おう小川、水持って来い水ッ! 富士山登って、雪解け水くんでこい!
…て、いないのか…。 ちッ…ここぞという時に役に立たねえなゲコ!」
キュッ… ジョアアアアー… ゴキュゴキュッ! プフゥーッ
鈴木「……寝よ。 そうだ、ヤン…いや、アミーゴさんは明日も大忙しなのだ。
なんたって明日はライブ前日だからね。 お酒しっかり抜かなくちゃ。」
ガチャッ… ヨロヨロ… ボフッ!!
鈴木「うへへへ…お姫さまベッド〜…気持ちいい〜…。 …ちっとハワイ特番の
ヤグ助の声マネしてみたりして♪ …アホくさ。 寝よ…。」
スゥー… シーン…
鈴木「………。」
ゴロン… ……… ゴロン… ………ガサッ ……… ガバッ!!!
鈴木「だぁああああああーッ!!! 落ち着かねえッ!! ベッド広すぎるわ!
寝返りうてるベッドなんかベッドじゃねえよボケッ! 燃やすぞッ!」
ハァハァ…! シーン…
鈴木「…バカみたい。 誰に怒ってるんだろ、私。 …バカみたい。」
カチャ… ガララララ… ヒュゥウウウ…
鈴木「……きれい。」
プァアアアン… ゴォォオ…
鈴木「あっちが新宿の街明かり… じゃあ私のボロマンションはあっちかな…?
みんなもう寝ちゃってるんだろうなー…。 あの汚いベッドでさー…。」
ひとりぼっちで少し… 退屈な夜… 私だけが淋しいの…? Ah…Uh…
加護「オラ新垣、休んでるヒマないでぇーッ! 卒業ソング発表は明日やッ!」
保田「バカ、立ち位置少し考えろよカオリ! オメーが前列の真ん中立ってたら
後ろのチビ共に日光当たらねえだろッ!! 光合成できねえよッ!!」
安倍「ホラ紺野、もっと声出すべ! それじゃヤンジャンに聞こえないよ?」
吉澤「そうそう! ヤンジャンのハートに怒鳴りつける感じでグァッとさ!!」
後藤「つぅーじッ! アハハ、な〜にやってんの? サボっちゃダメだぞ?」
辻 「てへてへ、ヤンジャンにメール送ってるところれすぅ♪」
矢口「あーダメだよ? 卒業ソングの練習してるの、バレるようなメールは?」
高橋「うわッ、写メ〜ルじゃないダスか!! 画像送ったらバレバレダスよ!」
小川「大丈夫だよ! 見ても先輩、ライブのリハ練習風景だと思うだろうし♪」
辻 「イヤガラセで、汗だくケメコさんのグロ画像を送信しちゃうのれす♪」
石川「あ、あ、じゃあチャーミーの脇の下のアップもお願いッ! 生えかけ!」
くだらなくて笑える… メール届いた…Yeah… なぜか涙止まらない…
鈴木「クスクス…なんだコリャ? へへ、なんだ…みんなも起きてるんだ…♪」
(…みんなありがとう。 やっと眠れそうな気がするよ私…。)
柴田「おはようござぁー…… うわ!」(ビクッ!)
大谷「…うッ! く、臭ァーッ!! なに、この楽屋のよどんだ空気…!?」
村田「な、なんでモームス全員、こんなとこでザコ寝してんの…?」
ムクッ…
新垣「…モームス言うな。」(バタッ… グー…)
ムクッ…
小川「…ザコがザコ寝言うな。」(ドサッ… スゥー…)
ムクッ…
紺野「…マロ記念日。」(コテッ… クゥー…)
ムクッ…
矢口「…ギャハハハハッ! マロッ!」(ペタッ… ズゴゴー…)
ムクッ…
安倍「…ムクドリ。」(ポテッ… スピー…)
ムクッ…
飯田「………ノートン先生がオペ失敗…?」(バタンッ! クココココ…)
ムクッ…
ネコ「………バゥワゥ?」(ゴロン… フゥー…)
ムクッ…
石川「…みんなあげちゃうッ♪ バーイ弓月光♪」(バサッ… スヤスヤ…)
ガバァーッ!!
保田「…チェッチェッコリッ!! チェッコリッサァアアアアアアアーッ!!
さあゲート開いて、各馬いっせいにスタートッ!! おーッといきなり
小田部が落馬ッ! 照れ笑いする小田部を、オペラオーが踏みつける!
今週の笑点、新潟十日町公民館からお送りしました。 また来週…。」
ポックリ… ズゴー…ズゴゴゴゴ… ゲフッ! ゲフンゲフンッ!
斉藤「なあ… この楽屋、燃やそうぜ? マジで…。」
夏 「え? それじゃアンタ達、昨夜はここに泊まり込みで練習してたの?」
加護「ふぁああ… ライブ前日のリハにこんな体調で悪いんやけども、今夜は
大事なヤンジャン送別会やさかい…。 ごっつ…スンマヘン…。」
夏 「気持ちはわかるけど… ライブが第一よ? 今日はともかく、明日の
本番まで、その疲れを引きずられたら困るんだからねぇ? 後藤なんか
目が腫らしちゃって、顔が深海から揚がったメバルみたいじゃない?」
後藤(パンパンッ!)「大丈夫です! 体はしっかり動きますよ!」
夏 「そりゃ若いから体は動くだろうけどさ…。 頭が働かなきゃ意味ない
だろ〜? ためしに高橋…13ひく4は?」
高橋「うー… 産卵を終えたシャケの残骸…?」
矢口「…先輩にケンカ売ってんのかテメエ? 海に帰すぞ?」
夏 「さて、どうしよっか? もう少し休んでから、深夜までリハ頑張るか?
それとも気合い入れて、一気にリハ通しして早く終わる? どっち?」
吉澤「もちろん、休んでなんかられねえさッ!! ガッと終わらして、今夜の
ヤンジャン送別会に余裕持って備えようぜ! なあ、みんなッ!?」
辻 「ううううッ! れれれれすッ!…れすッ!!」(コクコクッ!)
保田「辻… オメェが必死にうなずいてる相手、非常口の看板の走ってる人の
マークだぞ? ヨッスィのシルエット、そんなスリムじゃねーだろぉ?
オメェら、寝ボケてんじゃねーよ! 肛門キュッとしめてけよオイ!」
飯田「アンタこそ、なんで頭に『損害賠償』って書いたハチマキしてるの?」
石川「飯田さんこそ、倍賞千恵子と美津子、どっちがツッコミ役ですかぁ?」
小川「そんなこと言ったら、ワドル元艦長がプルプル震えちゃいますッ!」
新垣「んもうッ! それは携帯がマナーモードになってるからでしょッ!?」
紺野「でもサバイバルの基本は、水分確保だと思います。」
辻 「ううううッ! れれれれすッ!…れすッ!!」(コクコクッ!)
斉藤「なあ… こいつら、燃やそうぜ? マジで…。」
鈴木「さよなら大好きな人ー… さよなーら大好きな人ー…♪ ずぅーと…」
パチパチパチパチ…
鈴木「…え?」
小室「亜美いいね、うん。 いいよ、うん…。 いい感じだね。」
鈴木「小室…さん?」
小室「そう、ボク小室。 昔のように、TKって呼んでもいいんだよ〜?」
鈴木「いや、一度も呼んだことないし…。 ていうかオヤジ、ジステンパーで
死んだんじゃなかったっけ? なんでこんな所にアンタがいるのさ…?」
小室「うん、結婚に2度も失敗してるからサ。 3度目はゴメンだよ。」
鈴木「ジステンパーの寄生虫が、直腸から脳髄へと善光寺参りでもしたのか?
質問の答えになってねえじゃねーかッ!! 何でここにいるんだよ!」
小室「あ、そういえば『ぼくらの七日間戦争』観た? あれサイコー。」
鈴木「杉本さーんッ!! すぎッ…杉本、出てこぉーいッ!!」
サササササッ…!
杉本(す…すみませんッ!!)
鈴木(すみませんじゃないッスよ! なんでリハの最中に、不快な生き物を
中に連れ込んでるんですかッ…!? 首根っこつかんで、ガード下の
ゴミ捨て場に放り投げてきてくださいよ、このカマドウマをッ…!)
杉本(いや…あの…小室さんは、明日のビップライブの大事なお客様でして…
どうしても鈴木さんのリハ風景を見学したいと申されましたので…!)
小室「…なんていうかさ、亜美の歌って変わったよね。 …アレなのかな?
知らないうちに、たくさん恋をしたのかな? 恋ってさ、人間を成長
させるパワーがあるよね。 パワー・オブ・ラヴだよ、ラヴ。うん。」
鈴木(オイ…! あのラブワゴンのバカ大学生と、同じ土俵でモンゴル相撲
とってるバカを、一撃で即死させる重量級のハンマー持って来いッ!!
室伏に頼んで、成層圏の彼方まで殴り飛ばしてもらうからよッ…!!)
小室「ボク思うんだよね。 つんく君のサウンドより、キミという魚はボクの
楽曲の流れの中の方が、キレイなフォームで泳げるんじゃないかって。
ずっとリハで亜美の歌を聞いていたけどさ。 やっぱりボクの曲を歌う
時のキミが、一番キミらしさに輝いていると思うんだ。」
鈴木「いや…まあアンタの曲は確かに歌いやすいけどね…。 つーか…魚?」
小室「ぶっちゃけ、ボクの所へ戻ってきなよ? ソロでいくならボクが一番
キミの力になれる。 亜美の才能は、つんく君よりもボクの方がよく
知ってるよ、うん。 それがいい、それがいいよとKEIKOちゃんも
パンサー君も言いましたとさ。マル。マルマルマル。 はい決定ー。」
鈴木「いや待てキチガイ。 私のことを… 良く知っているって?」
小室「うん、知ってるさー。 つんく君よりも、僕と過ごした月日の方が長い
じゃない? えっと…24人…だっけ? モーニング娘って?
そんな大勢の中の、何分の1としてキミを見ていたつんく君と、ボクは
違うんだもん。 いつも…1人のアーティストとしてキミを見てたサ。
そういうプロデューサーが、これからのキミに必要だと思わないの?」
鈴木「じゃあ私の…好きな軍師知ってる? 私の好きなモビルスーツは…?」
小室「アハハ、音楽と関係ないじゃない♪ でもキミの求める音はよく知って
るよボク? つんく君よりも、キミに似合う音符のドレスを縫い上げる
ことができる。 それはキミも心のうちではわかっているんでしょ?」
鈴木「私がどれほど陳宮が好きか知らないヤツに… 私がどれほど旧ザクに
惚れ込んでるか知らないヤツに… 私の何がわかるって言うんだよッ!
帰れよッ!! ジオラマ作れるようになってから出直して来いッ!!」
小室「…今夜、キミとこの話についてゆっくり話がしたいな。 昔、ボクが
よく連れていった、あのバー。 覚えてるでしょ? そこで待ってる。
キミは絶対来るよ。 絶対にね…。」
鈴木「いッ…行かねえよッ! 杉本さん、ガンダムハンマー持ってきてッ!」
ザワザワ… ヒュオオオオ… バチパチパチパチ…
辻 「あふぅ… たき火がぬくいのれすぅ…。 キャンプファイヤーみたいれ
いいれすねー♪ のの思わず、ロシア民謡歌いたくなるのれすぅ〜。
ラン ランララ ランランラン… ラン ランラララン…♪」
石川「あ、チャーミーそれ知ってる! ロシア民謡のカリヌーシカだッ!」
後藤「カリヌーシカじゃなくて、ナウシカじゃん、それ…。 ロシア民謡って
いったらさ…ホラ 日曜日は市場に出かけ〜♪」
辻 「テュリャ テュリャテュリャ テュ〜リャ〜リャ〜♪」
後藤「早いよッ!! テュリャ早いよッ!!」
小川「なんで師匠達、そんな元気なんですかぁ? マコもう寒くて寒くて…
ハ… ハッ… ファッ…!」(プルルルルゥ…)
紺野「ほ、ホント寒いですねー… ある意味、北海道より寒いですよぉ…!」
安倍「体感温度が違うからねー。 東京のビル街は夜に風が吹くしさー…。」
加護「ビル街もアッガイもないがな。 ここ、荒川の河川敷やんけ…。 でも
こないな夜更けにウチらが河原に集まっとるなんて、さすがのブブカも
気付かへんやろな? せやけど何で、集合が河原やねん? サブッ…」
矢口「うーうー… だって花火打ち上げるんだもんよ。 あー寒い寒いッ!」
吉澤「あちぃーよぉ…。 なんでオマエラ、私の所に集まってくるんだよー」
飯田「ホラみんな! ヨッスィの体で暖をとらないッ! 圭ちゃんを見習って
各自、体を動かしてエンジン暖めてッ! 本番はもうすぐよッ!?」
高橋「見習えって言われてもダスなぁ…。 アレをダスかぁ?」(チラッ)
バシャッ!! ジャバジャバッ!! ピチピチピチッ!!
保田「ブハァーッ!! 真鯉ゲットォオオオオーッ! ちと寒いなオイッ!」
小川「たき火で体を暖めての、古式素潜り手づかみ漁なんて、あの人ぐらいに
しかできないですよぉー…。 今、漁を始める理由もわかんないし…」
保田「鍛え方が違うわいボケッ! ザクとは違うのだよザクとはッ!!」
矢口「こんなカッコしてるから寒いんだよねー。 まあ仕方ねーか。」
吉澤「紺野が安い布キレで衣装作るから悪いんだぜぇ? もっと気をきかせて
襟元や内側にボアをつけるとか、綿を2重にするとか…あるだろォ?」
高橋(あさ美…ムカついたのはわかるダスが、そのマジックで吉澤さんの服に
『BoA』と書くのだけは止めた方がいいダス…。 そういうギャグが
通じるような、頭のマイルドな人じゃないダスよ…!)
保田「うっし! 体をカリブ海の有閑マダムのように熱く火照らせるためにも
1発、気合い入れでもやるかッ!? 紺野ォ!歯を食いしばれッ!!」
スパァーンッ!!
紺野「ブッ…! オ、オッスッ!! き、気合い入りました!」(ペコッ)
保田「よし今度は紺野の番だ! 姫の頬を思いっきり打て! 遠慮すんな!」
紺野「オ、オッス! ベストキッド鶴の構えからッ… ハ、ハイィーッ!!」
メキッ!!
飯田「蹴りかよ…! そうだ石川、いっちょカオリと気合い入れやろっか?」
石川「い、飯田さんッ…気合い入れはビンタであって、ハイキックでは…!」
加護「辻ぃ〜 気合い入れ行くでぇ〜? ホレ!」(ペチッ!)
辻 「キャッキャッ! そこはホッペじゃないのれすぅ! スケベ〜!」
安倍「楽しそうだね〜なんか♪ ごっつぁん、私達もやろっか…?」
後藤「うん、ヤンジャンのために気合い入れよ♪ お互い遠慮ナシね?」
矢口「お、なんだ、みんなペア組んでビンタ合戦? 体育会系のノリだなオイ。
それじゃオイラも…。 ペア組まず、残っているヤツは… げッ!?」
新垣「…やるの?」
矢口「お、おうコネ、いくぞオルァーッ!!」(どうせ、よけるんだろ!?)
ブゥン!! スパァーンッ!!
矢口「……あ、あれ? 当たった…。」
新垣「…痛ァー。 でもまあ… 確かに暖まったわね。」(ペコッ…)
加護「気力万全、元気出てきたところで、さっそくヤンジャンに電話や!
アイツもこんな時間に呼び出されるなんて思ってないやろ、ブハハ!」
石川「ヤンジャンさん、ライブのリハでまだ帰ってなかったりしてない?」
辻 「大丈夫れす、さっき向こうに問い合わせたのれす。 あっちのリハも
順調に終わって、とっくにヤンジャンも家に帰ったとのことれすよ。
…それよりリカちゃん、首が変な角度に傾いてまふよぉ?」
トゥルルルル… トゥルルルル… トゥルルルル…
加護「……あれ? なんや、出ぇへんな?」
小川「留守電にはなってないんですよね? それなら出るはずなんだけど…」
加護「おかしいわ、全然出る気配あらへん。 もしかしたら、グッスリ眠って
もうて、起きへんのかもしれんわ。 家が広くなったさかい、着信音が
耳に届いてへんのかも知れんな。 …さ〜て、どないしよっか?」
辻 「てへてへ… 行っちゃいまふぅ?」
加護「ブハハハッ!! あいつの新居にウチらがかぁ? せっかくのピカピカ
マンションなのに、なんや悪い気がするのぉ〜? さてとドライバーと
ペンチは…。 あ、辻、ガスバーナー持って来ておるかぁ?」
飯田「ちょっと何をたくらんでるのよッ! 普通に玄関の呼び鈴鳴らせばいい
だけじゃないの! …でも、起こしちゃうのも悪い気がするわよね?」
矢口「な〜に言ってるんだよ、今夜歌わずに、いつアイツに聞かせるんだよ?
ホラ、圭ちゃんと紺野なんか、すでにクラウチングスタートの体制で
ダッシュする準備できてるぜ? 突撃、突撃♪ ライブが始まるその
時間まで、ヤンジャンはオイラ達のメンバーなんだからよぉ!」
吉澤「そうそう遠慮する必要ナシ! リーダーが起きろって言ったら起きる!
それがモーニング娘。 中澤さんの頃からの鉄則なんだからさー♪」
飯田「うむ! それじゃリーダー決断で、ヤンジャンちに全員で突撃ーッ!!
ホラなっちとごっつぁん、いつまで殴りあってるの? 行くよォ!!」
管理人「あー… マンション内に、部外者は立ち入り禁止なんですわ。」
飯田「あのぉー、私達モーニング娘。なんですけどぉー… ダメですか?
5階のヤン…いや鈴木亜美と一緒に仕事してる… わかりますよね?」
管理「モ、モニ… モニカ・ルインスキー? よくわからんですわ私…。」
吉澤(この加護似のおじいちゃん、モーニング娘。知らねえんだよ…!)
加護(似てへんがなッ! そない思っとるのパンチラだけやで、失礼やな!)
飯田「で、でも私達の顔、テレビで見た事ありますよね? ほ、ほら、例えば
このコとか…あ、小川じゃダメだ。 マ、マリッペッ…!!」
矢口「セクシービームッ!! ほらおじいちゃん、セクスィービ〜〜〜ム♪」
管理「………?」
保田(ジイさん、可哀想なガキを見るような顔でポカンとしてるじゃねーか!
仕方ねえ… 姫がラブレボのハートフルなダンシングかましてやる!)
ウォウ ウォ! ウォウ ウォ! ウォウ ウォ! フゥー! フゥー!
管理「…ウンコしたいなら、向いのコンビニにトイレがあるけんど…。」
ボカボカボカボカッ!!
安倍(よッ…余計に怪しまれてるべさッ! 気持ち悪い踊りするなべさッ!)
吉澤(圭ちゃんが前に出てくると、アイドルって言い訳通じなくなるだろ!)
紺野(この虫ッ!!)
小川「あのー… どうしても中に入れてもらえないんですかぁ?」
管理「んー… だから、お会いする約束があるんなら、鈴木さんに電話して
確認してもらってからですねぇ…。 時間も時間だしのぉ?」
高橋「ダスから! その電話が通じなくて困っとるんダスってばッ!」
飯田(こりゃ何言ってもダメね…。 仕方ないわ! 辻ッ! オトして!)
辻 「…御免ッ!!」(サッ… コキッ!! はうっ!? ドサッ…!)
後藤「いやいやいやッ!! 加護をオトしてどうするのさ、辻ッ!!」
辻 「ありり? 似てたから間違えちゃったのれす。 てへてへ♪」
ダダダダダッ!!
飯田「管理人をオトしたはいいけど、倒れ様に警備への緊急連絡ボタン押し
やがったみたい、あのオジイちゃん! 騒ぎになる前に急がなきゃ!」
矢口「もう十分騒ぎだけどな。 警備員、たくさん追っかけてきてるし。」
加護「アタタタ…何さらしよんねん辻! 首が傾いたまま戻らんやんけッ!
おかげで廊下まっすぐ走っておるのに、右に寄ってしまうやんかッ!」
石川「あら奇遇♪ チャーミーも右に寄っちゃうの! アハハ面白い〜♪」
小川「ありゃりゃ2人とも… じゃあマコが即席で直してあげますよ。」
ガッ! コキンッ!! グッ! コキンッ!
加護「お、首が直ったッ!! 腕上げたなあ、ゲコ助ッ!! ワレこのまま
モーニング娘。辞めても、整体師として喰っていけるでぇ?」
高橋「石川さんが今度は、左に寄りはじめたダス…。」
後藤「ねえ! 後ろの警備員達どうにかなんないの!? まだ追ってくる!」
新垣「もう仕方ないわねえ? リサたんがシンガリつとめてあげるわよ…。」
タッタッ…タッ… ピタッ クルッ…
吉澤「オ、オイ新垣! 危ないって! 向こうは10人はいるんだぞッ!!」
警備隊長「おッ! 1人止まったぞ! みんなで取り押さえろォオオッ!!」
スカッ! スカッ! スカッ! ヒョイッ! ヒョイッ! スカッ!
警備「くッ! なんだこのコはッ!? つッ…捕まらないィイイッ!?」
新垣「ふぁああ… スローすぎてアクビが出るわよ…。」(スカッ スカッ)
ダダダダダッ!!
高橋「オマメちゃんが、うまく警備員を足止めしてくれてるダス!」
安倍「エレベーターが開いたべッ!! あれに乗って一気に5階だべッ!!」
紺野「ダメですよ… 乗ったところで、機械を止められたら終わりですもの!
それに吉澤さんがいるし… やっぱり階段で行くのが無難ですッ!!」
吉澤「いや、どういう意味だそれオイッ!! そこまで重くねえよ私ッ!!」
ダダダダダッ!! カンカンカンカンッ!! ダダダダダッ!!
保田「ようし2階ッ!! このまま5階まで駆け上がるぞいッ!!」
バッ!!
ミルコ「ハーハーハー! コノ2階ハ、私ミルコ・クロコップガ通サナ…」
メキッ!! ドサッ…!
加護「なあ… 今、クロアチア訛りのでっかいオッサンおらんかった?」
飯田「よくわかんないけど、警備員だと思って蹴っちゃった。まあいいや。」
小川「1階の階段前にも、誰かいましたよね? なんか、バンビとかバンダナ
とか名乗ってきた、あまり日本語の上手くない警備員さんが…?」
加護「そいつはウチがマイトで吹っ飛ばしてもうた。 健康そうやったから、
死にはせんやろ? 火薬の量も気ぃつかって減らしといたさかいな。」
安倍「加護はホント優しいコだべ♪ でも爆破の瓦礫がなっちの頭に刺さった
ままだべ。 ま、いっか。 …あれ? 階段が行き止まり?」
飯田「3階への階段は、廊下の先にあるらしいわね。 行くよみんなッ!!」
ダッ!! ヒュンヒュヒュヒュンッ!! ガッ! ガッ! ガッ!
石川「キャアッ!! な…なんで、矢が飛んでくるのッ!? チャーミーの
首が傾いてなかったら刺さってたじゃないッ! 宝くじの抽選じゃ
ないんだからッ!! ど…どうなってるの、このマンションッ!?」
後藤「…中国は金王朝時代の、連弩弓を使っているみたいね、このトラップ。
ワイヤーを足にかけたら、数本の矢が弩弓から打ち出されるのよ。
でもまあ、初級のトラップね。 この程度で後藤家の人間を仕留めよう
なんて、10期は早いわよ。 みんな、私について来てッ!!」
ダダダッ! ピョンッ! サッ! スパッ! ブチッ! ダダダッ!!
吉澤「あ、高橋、そこに落とし穴あるから気をつけろ。 そう、壁に寄れ。」
矢口「さすがごっつあんの家に何度も泊まってるだけあって、ヨッスィも
たいしたもんだ。 どうでもいいけど、なっち矢に刺さりすぎだぞ?」
ダダダダダッ! カンカンカンカンッ!!
飯田「3階ッ!! このまま4階まで上がるわよッ!!」
ノゲイラ「ヘイヘイヘイ! ストップッ!!」(ガッ!)
高橋「また変なのが出て来たダスよッ!! 麻琴が捕まったダスッ!!」
小川「キャーキャーキャーこのオジサン怖いッ!! 師匠助けてッ…!!」
辻 「くふん… それぐらいのホールド、外せないようじゃ半人前なのれす。
ののの弟子を語る資格はないれすね。 自分でなんとかしなさい。」
小川「グググッ…何とかって…! こ、このオジサンけっこう強いッ…!」
ノゲ「ヘイ、ガールッ!! ドッ…ドント、ライオット!!」
辻 「仕方ないれすね、ののの言う通りに動くとれす。 まず脇をグッとしめ
こぶしを握って…そう。 そこから手首を回転させながら…うん、その
まま前に手を開いて…上へ流すッ!! くふん…OKれす。」
小川「よし、片手が空いたッ!! あとはこっちのものよッ!!」
グルンッ!! ササッ!! キュッ!! コキッ!! ミシミシッ!!
ノゲ「オウッ!! オオオオオーウッ!! ヘルプッ!!」(パンパンッ!)
シュッ!ズコーンッ!! ドサッ…
飯田「ホラ…遊んでないで、こんなの蹴っちゃえばすむ話でしょ? 早く上に
上がるわよッ!! ボヤボヤしてると警察まで来ちゃうじゃないッ!」
小川「うわ…。 タップしてる相手の頭部に容赦なくサッカーボールキック…
鬼ですね、うちのリーダー。 警察より自衛隊が必要だなコリャ。」
ダダダダダッ! カンカンカンカンッ!!
保田「4階ッ!! …ん? なんだ、目の前が真っ暗だぞ…?」
紺野「やッ…保田さんッ! 前ッ…! いや、上を見てッ…!!」
ボブ「ウーハーハーハーッ!! ムータァー… ムゥータァアアアーッ!!」
保田「いや、私ムタじゃねーし。 ていうか誰だよ、この黒いオッサンは?
石川のお父さんか? あ、こりゃどうも。 娘さんには呆れてます。」
安倍「わーッ!! なっち知ってるべ♪ この人、ボブ・サップさんだべ!」
飯田「喜んでる場合じゃないわよ…! ちっと厄介な相手ね… シィッ!!」
シュパァーンッ!! シーン… ポリポリ…
ボブ「効カナーイ ハーハーハー。 ガァアアアアーウゥウウウ…!!」
加護「なんや!? 飯田はんの渾身のハイキックが効いとらんでッ…!?」
石川「キャッ!飯田さん危ないッ! ラリアットがきますッ…逃げてッ!!」
ブゥンッ!! バコーンッ!! シーン… ポリポリ…
飯田「効かなーい はーはーはー。 ディアアアアアアアアアーッ!!」
加護「アカン、どっちも化け物や…。」
辻 「くふん… いいえ、効いているのれす。 見ればいいらさんのヒザが、
歌丸さんみたくカラカラ笑っているのれす…! のの助太刀しまふ!」
シュッ!! ガッ! パシッ!! キュッ!! ザザッ!! ブゥンッ!!
飯田「くッ! みんな、辻とカオリがサップ押さえているうちに、5階の
ヤンジャンを起こしてきてッ!! 今のうちッ…早くッ!!」
高橋「は…早くと言われてもッ! 廊下を3人の激しい戦いが道をふさいで…
とてもじゃないダスが、横を通り抜けるのは怖すぎるダスッ!!」
ネコ「ウニャッ!」(シュタッ…!)
吉澤「でかした! ヤンゾーが横を抜けたッ!! そのまま5階だァーッ!」
ネコ「ニャッ!」(ダッ!)
辻 「くふん! ののの小さい体じゃ、この太い首に腕がまわらないのれす!
マコっちゃんも加わるのれすッ!! 3対1で応戦するのれすッ!!」
小川「がってんだッ!! ゲコ侍、参戦ッ!! いざッ!!」
ガッ!! メキッ! シュッ!! パシッ!! ゴッ! ガッガッ…!!
加護「すごいわー… 呂布VS関羽・張飛・劉備の闘いを見とるみたいや。」
ツタタタタタ… ピョンピョーンッ ツタタタッ! ザッ!!!
ネコ「…ウ…ニャッ!!?」(ビクッ!!)
ジリジリ…
ネコ「ウニャ…ウニャニャニャ…! フゥーッ!!」(ザッ…!!)
ヒグマ「グルルルルル… グォオオオオ…!!!」(フゥー… フゥー…)
ネコ「…ハァハァ!」(ウニャニャニャ…! ウニャ…!?)
カンカンカンカンッ!! ダダダダダッ!!
吉澤「ヤンゾーッ!! ヤンジャンは… わッ!! なんだソリャッ!?」
紺野「ひ…ヒグマですぅッ!! な、何でここに北海道のクマがッ…!?」
加護「ど、どこのマンションに、警備で2m超えの巨大クマ用意するバカが
おんねんな…! アホかッ!! ど、どないするんやオイ!!」
ネコ「…ウニャッ!! ウニャニャニャッ…!!」
吉澤「通訳しますと…『流れ星・銀のヒロイックな気分を味わってはいるが
正直、子種をこの世に残さなかったことが残念だ。 たぶん私は死ぬ
だろう。 私が死んだら墓標には「ハロプロの虎、ここに眠る」そう
刻んでくれ。 何もいらない。俺の手を握り、涙のしずく二つ以上
こぼせ。 お前のおかげでいい人生だったと…』 長いわァッ!!」
辻 「ありゃクマちゃんれす。 ソロに出世すると、ペットも豪勢になるん
れすね〜。 中澤さんの家には、タニシしかいないれすけろ。」
安倍「どうしよっか? このままじゃヤンジャンの部屋まで行けないよ?」
矢口「はーい、どいてどいて〜。 うっわ…ギャハハ!マジで熊がいるよ!
さてと… どう? アレに勝つ自信あるサップちゃん?」
ボブ「ナァーマァーニィークゥーッ!! タベルゥウウウウウーッ!!」
ガッ!! ガッ!! バキッ!! メキメキッ!! ゴスッ!!
小川「本当にクマ食べてますよボブ・サップさん…。」
飯田「味方になると便利よねー。 マリッペも早く、友達なら友達だって
言ってくれればさぁ? 彼のこぶし、勢いで骨折させちゃったわよ。」
後藤「それよりヤンジャンよ!! ヤンジャン早く起こさなきゃッ!!」
ピンポーン… ピンポンピンポンピンポンッ!!!
後藤「…いくらチャイム鳴らしても、起きてこないわよ!?」
石川「どいてゴッチン!! チャーミーにまかせてッ!!」
ピンポポピポポポ ピンポンポーン! ピッピピピンポンポーンッ!!
石川「ヤンジャンさーん! コーソーボー! うぅ〜〜〜〜自治州ッ♪」
保田「なんだそれは…!?」
石川「あれぇ、おっかしいなぁ? あさみはこれで一発で起きるのにぃ…」
紺野「あ、打ち込みやすそうな丸太がこんなとこに…ヤァッ!」(メキ!)
加護「こらこら紺野、違うあさみの話や。 一応こいつも先輩やさかい、
気軽にレバー破壊したらアカン。 さてと…ウチの番やで!」
高橋「ガスバーナーでドアを焼き斬るつもりダスか? 無茶ダスよッ!!」
加護「これしきのドア、ぶちやぶれんようなら…! ヤンジャンの心のドア
も、ブチやぶれんわい! くッ…頑丈なドアやッ!」(バチバチ!)
安倍「これだけの騒ぎなのに、起きてこないのはおかしいべ…!」
小川「先輩、やっぱり家に帰ってきてないんじゃ…?」
吉澤「もしくは、私らに会いたくなくて居留守つかっているか…。」
辻 「ヤッ…ヤンジャンがそんな事するワケないのれすッ!! のの達が
いつ家に暴れに行っても、最後にヤクルトを出してもてなしてくれた
のがヤンジャンれす…! それが… ヤンジャンなのれすッ!!」
ネコ「ウッ…ウニャニャッ!!」(ピョーン! ガッ! ガサガサ…)
矢口「そっか、通気口かッ! ヤンゾーなら中に入っていけるッ!」
ゴソゴソゴソ…! パカッ! ピョーン! スタッ! キョロキョロ…
ネコ「…ウニャ〜ン! ウニャァアア…ン。 ウニャ……。」
飯田「ヨッスィ! ヤンゾーなんて言ってるのッ!?」
吉澤「……いないって…。 中にヤンジャンの姿は… ないって…。」
保田「だッ…だったらアイツ、今どこにいるって言うんだよォーッ!?」
小室「…このバーボンはね、20年も樽でねかせて熟成させたからこそ、
こんな深い味がでるんだよ。 そう…君をモーニング娘。に預けた
のは、ある意味、シェリー樽で1年半ほど熟成させたようなものさ。
その2年の間に、シェリー樽の甘い風味がしみ込み、鈴木亜美の
新しいフレーバーを作り上げた…。(カローン…)
そしてこれからはボクが君を受けるグラスとなり、このバーの照明を
うけて輝くこの氷のように、琥珀色に2人で輝くのさ。永遠にね…。
あ、君は次に何を飲むんだい? ボクのオススメはね…」
石黒「あ、焼酎の水割りでいーよ! おうマスター、至急オカワリッ!」
福田「ゲラゲラゲラ! めんどくせーから、店の酒全部持って来いよッ!」
ダニ「ボトル入レヨーヨ! 日本人気前イーネ! 豪邸買ッテクレルネ!」
小室「…アイラ・モルトの強い香りはね… 強いピート香と、島の潮の…」
稲葉「だぁああああッ!! 臭ッ!! ロシナンテが糞もらしたでオイ!」
小室「そ、それに対してローランド・モルトは…」
松浦「ローランド・ゴリラがどうかしたんですかぁー? ウッホウッホ♪」
市井「コムロッチさぁ、いくら待っても鈴木は来ないよ…?
確かにモーニング娘。という樽に入れられて、鈴木亜美という酒は、
その味を変えたよ。 でもね、アイツはあんたの予想を超えて、樽の
香りを身体に染み込ませてしまったのさ。 違う酒に変わっちゃった
んだよ。 アンタのラベルを貼りこめない、違うお酒にね。」
ネス「そこ2人で喋るの良くないYO! 今夜はミド娘。の同窓会NE!」
小室「ボ、ボクが作った酒だッ! 自分のラベルを貼ってどこが悪いッ!」
市井「…まだまだ熟成させれば美味しくなる酒なんだ。 それをまわりも、
樽も、みんなが感じてる。 誰も勝手に栓は開けられないさ…。
酒も…それをわかってるのかな? アハハ! まあいいや飲もうよ♪
酒なんて他にもたくさんあるさぁ! 楽しい同窓会にしようぜぃ!」
笑ったり… 泣いたり… あたり前の生活を…♪
鈴木「…2人で 過ごせば…♪ 羽も生える… 最高だね…♪」
ガチャッ…
杉本「こんなとこにいたんですか鈴木さん。」
鈴木「あ、杉本さん…! どうしたんですか、こんな時間に?」
杉本「アハハ。 いやぁ〜小室さんから『亜美はどこだよぉ!』って電話が
ジャンジャン鳴るもんでね。 一応探してみたんですけど、自宅にも
いらっしゃらないみたいなんで、それならここかなぁ〜って…。」
鈴木「私の携帯も何かしつこく鳴ってたよ。 どうせ小室からだろうから、
放置したまんまだけどね。 私がアイツのとこ行くって思った?」
杉本「あの人の所へ戻るぐらいなら、モーニング娘。に戻りますよ鈴木さん
は…。 ハハッ…。 それよりこんな時間まで、今日のライブの練習
されてたんですか? 少しは寝ておかないと体力持ちませんよ?」
鈴木「いっけね! もうこんな時間じゃん。 朝日がのぼっちまうよ…。」
杉本「そうですよ。 まあ今からたっぷり寝ても、ライブは今日の夕方から
なんで問題はないですけどね。 さあ、この会場のホテルに1室用意
しました。 体も気も十分に休ませましょう。」
鈴木「ごめんなさい、杉本さん。 何かアセってるのかな私…?
落ち着かなくて、ライブ会場で1人マイク握ったりなんかしてさ…。」
杉本「…謝らなければいけないのは、僕の方かもしれない。 僕の方こそ…
何をアセっていたんだろうな…なんて、最近…。」
鈴木「…え?」
杉本「あ、いやいや! なんでもありません! アハハハハ!
そんなことより、睡眠睡眠! 空が白んできましたよ、ホラ…。」
ガチャ… キィ〜〜〜…
鈴木「あーホントだ。 夜明けだぁー。」(新しい私が始まるんだな…。)
小川「あ… 東の空が明るくなってきた…。」
飯田「もう、帰ろ…? 仕方ないけど、私達もそろそろ今日の武道館ライブ
のために、頭を切り替えなくちゃ…。 おろそかにできないよ。
高橋、ホッペ真っ赤じゃない? 寒かったもんね…。」(スッ…)
高橋「飯田さんの手が熱すぎて、火傷しそうで泣けてくるダス…」(グス…)
加護「ヤンジャン… どこへ行ってしもうたんや…。」
矢口「ホラ辻、泣くなぁ! ヤンジャンも今日のライブ準備で、いろいろ忙し
かったんだよ…。 コラコラ、衣装にハナミズつけるな…ヨシヨシ…」
保田「この衣装も無駄に終わったな…。 あ、それと…」
鈴木「命…短き…♪ ちっぽけな… 虫です…♪ 嬉しくて…悲しくて…♪」
杉本「………。 鈴木さん、風邪ひいちゃいますよ…。 窓しめましょう。」
鈴木「上見るな… 下見るな…♪ 誰もがそう言うけれど…♪」
杉本「…あ。 す、鈴木さん…! 上ッ! 上を見てくださいよッ…!」
ヒュゥウウウウ〜〜〜… ドドォーン… パラパラパラ… ドォーン…
鈴木「花火だ…!! なんで… 冬の… こんな時間に…!?」
杉本「不思議ですね…。 季節違いで… あんなに場違いなのに…」
鈴木「うん。 あんなにキレイ…。」
杉本「…鈴木さんみたいな花火だ。」(ボソ…)
鈴木「…ん?」
杉本(…僕の目に鈴木さんがまぶしかったのは、冬の花火のように、異質で、
それでもモーニング娘。で輝いていた鈴木さんだからこそ…。)
鈴木「ユメに見た あの場所に〜立つ 日までェ〜♪ …ウンいい朝だッ!
そうだ! 寝る前にメシ食いません? 私、ハラ減っちゃった♪」
杉本「そうですね♪ ラウンジで…いや、松屋で牛丼でも食べますかぁ!?」
ヒュゥウウウ〜〜〜… ドドォー……ン…… パラパラパラ…
ザワザワ ガヤガヤ…
安倍「うわぁ〜… 武道館が1万人の体臭で、ムセるほどの満員御礼だべ!」
飯田「あの2階席が埋まっているうちは、カオリ達もも安泰よね〜♪」
保田「なんつーかアレだな。 いくら場数ふんでも、ライブ直前っつーのは
緊張しちまうもんだな? 見て見て、姫なんかもう汗ビッチョリよ。」
矢口「いや、汗っつーか… なんでライブ開始30分前に鍋食ってるんだよ?
なに? アンコウ鍋? 誰も鍋の具なんて聞いてねえよッ!! しかも
それどう見てもタラじゃねーかッ!! 具に見栄はってるヒマあったら
衣装着ろよッ!! ジャージ姿に鍋ってオイ、オメエはどこの部屋の
十両力士だボケッ!! 武道館に相撲とりに来たんじゃねーんだよ!
紺野も弓取り式のポーズを取ってんじゃねーよ! しっかりしろよ!」
小川「5…6………7…」(カチ… カチ…)
石川(カチカチカチカチカチッ!)「297、298、299…300ッ!!
やったぁーッ♪ 300突破ッ!! マコっちゃんもまだまだねぇ〜?」
吉澤「なにオマエらカウンターなんか押して、野鳥の会のマネしてんだぁ?」
石川「どっちのファン多いか、客席の中の横断幕やボード、ウチワなんかに
書かれてる自分の名前の数で勝負してたの♪ あれ? マコっちゃん、
7から指が止まってるよ? まさかファンの数が1ケタ? うそぉ!」
小川「だ…だってマコまだ加入して1年だもん! 下克上はこれからですぅ!」
石川「そりゃまあ、みんな最初の1年はねー。でも4期メンの時ほど人気ない
みたいだよ5期メン? 私達の時は初ライブでも2ケタあったもん♪」
高橋(カチカチカカチ…)「612、613…あーもう数えるの面倒ダス〜…」
石川「………。」(ソロ写真集といい、こいつはッ! こいつはッ!)
吉澤「面白いな、ちょっと私にもカウンター貸せよ? まだまだ若いモンに
負けるかってんでえ! よっしゃ新垣、いっちょ勝負しようぜッ!!」
カチッ… カチッ…
飯田「はいみんな集まってぇーッ!! ステージ上がる前に円陣組むよッ!!
圭ちゃんもいい加減ハシを置いてッ! 新垣とヨッスイはあきらめる!」
ゾロゾロ… ガシッ! ガシガシッ!
飯田「いいみんな? 今朝までゴタゴタしてて体調は万全とは言えないけど…
そこは気力でカバー!! 今日集まってきてくれたファンのみなさんに
楽しんでもらえるよう、いいライブにしましょうッ!!」
加護「…ファンはどう思っとんやろな? アイツのおらん、このライブ。」
シーン…
後藤「みんな同じこと考えているんだろうけどさ…。 ダメだよ。 ダメ…。
今はそのことを考えないようにしなくちゃ! みんなそろって暗い顔で
ステージ上がっちゃ、お客さんまで淋しい気分になっちゃうでしょ?」
矢口「うん、こんな時こそ精一杯の笑顔で… ね?」
安倍「そうだべ! ヤンジャンだって今頃、リンとした顔で自分のステージに
向かっているはずだべ! ヤンジャンに負けない、立派なライブにしな
くちゃいけないべさ! いやだよ、なっち負けるのはッ!!」
吉澤「こっちの会場の大歓声が、アイツの所まで届くぐらい、熱〜いライブに
しようぜ? ヤンジャンいなくなって、プッチの勢いが無くなったって
言われるのはゴメンだぜ? だろ、圭ちゃんッ!?」
保田「コルホーズッ!!」
石川「コ…?」
保田「ごめん、オフコースの間違い。」
紺野「オイ、1文字も合ってねえよッ!! せめてソフホーズだろッ!!」
保田「アイラービュ」(グッ!)
紺野「アイニージュ」(グッ!)
飯田「その親指の意味はわかんないけど… 頑張っていきまっしょーいッ!」
全員 『しょォオオオオオオオオーいッ!!』