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ボブインターナショナル (その6)

その1その2その3その4その5その7その8

 ガラガラガラ…
鈴木「さぁ〜てと… 晩メシなに作るべ? とりあえず味噌きれてたから買って
   おかないとな。 小川、いつもの味噌持ってこいッ! ダッシュッ!」
小川「あの…何グラムのやつ買えば…? いつもは2キロのだけど…。」
鈴木「あ、そうか。もう10日もあの家に居ないんだもんな…。」
加護「10キロやッ!! 一番でっかいヤツ黙って持ってこんかいボケッ!!
   ワレの気のきかなさには、信長も本能寺で黒こげウェルダンやッ!!」
辻 「味噌メーカーの工場行って、樽と職人ごと買ってこいなのれすッ!!
   札束で、味噌職人の心の一番やわかい場所をしめつけるとれすッ!」
小川「が、がってんだッ!! マルダイの株、全部買い占めてきますッ♪」
安倍「クスクス…あみちゃんえらいねえ。 いつも自炊なんだぁ…スゴいべ♪」
鈴木「ほっとくと好きなもんばかり買って、ハラにつめこむからよコイツら。
   一度うちの冷凍庫に加ト吉の冷凍カレーうどんが5ダースつめこまれてた
   時は、辻の襟首つかまえてスーパーに返しに行ったもんな。
   栄養バランス考えてやんねえと太るからさ。 わかるだろ安倍なら?」
辻 「ヤンジャンが作ると、お野菜も美味しいのれすよ♪」
安倍「で、辻はいつもショッピングカートのそこに座ってるの?」
辻 「いつもあいぼんと奪い合いになるけど、お尻の大きいコが勝つのれす♪」
加護「ウチは上半身デブやさかいな。下半身デブの辻には負けてまうんや。」
辻 「デブ座の黄金聖闘士だった安倍しゃんは最強れすね♪」
安倍「なっち、小宇宙と一緒にカロリー燃やしたもんッ!」
鈴木「でもオホーツクの海獣みたいだった安倍が、見事に痩せたもんなぁー?
   アレか? 粗塩を全身にすりこみ般若心境を唱える、お塩ダイエット?」
安倍「それ3日でやめた。 あれだべ、なっちも自炊して食習慣変えたんだ♪」
加護「ほんで今日はどっちがメシ作るん? 安倍はん? ヤンジャン?」

鈴木「え?…私じゃねーの? そりゃもちろん安倍にも手伝ってもらうけど…」
辻 「つまりヤンジャンがセンターで、安倍しゃんがバックコーラスれすね?」
加護「まあ、歌で言えばそういうポジションになるやろな。」
安倍「いやいやいや、別になっちが作ってあげてもいいよ? ホラホラ! 
   あみちゃんの味付けにも飽きてきた頃でしょッ!? ねっ!?」
鈴木「安倍ソロパートが多いシングル曲に、ファンも飽き飽きだけどな…。」
安倍(ピキッ!)
辻 「ののは料理が上手な方に作ってもらいたいれす。 一生のうちに食事する
   回数は決まってるのれ、美味しいものを食べたほうが得れすもん♪」
加護「どっちが上手か、勝負ってのもオモロイかもなあ? ブハッ…冗談や♪」
鈴木「ん〜? いや面白いんじゃねーの? どっちの料理ショーってのもさあ?
   歌…じゃないや、料理のテクニックじゃ負ける気がしないけどねー…。」
安倍「道産子は素材の良さを見抜く目と、素材の良さを引き出す能力があるべ。
   歌オンチ…じゃないや、舌オンチの都会ッ子には負けないと思うけど?」
 タッタッタッタッ!
小川「ハァハァ…! あ、あの! マルダイ本社に電話したら、CM契約結んで
   くれるなら、何百樽でも差し上げますと交渉されたんですが、どう…
   ア、アレ? なんですか、このキナ臭い雰囲気は…? せ、先輩…!?」
鈴木「まあ…小川も含め、審査員は3名いるワケだしさ… 勝敗はつくよな?」
安倍「八百長勝負にならないよう、審査員には情を捨てて欲しいもんだべ。」
小川「ハァ? 何であの2人、長ネギかまえてにらみ合ってるんですか?」
加護「スマン… 辻と一緒に調子乗りすぎてもた。 ひそかに一番扱いの難しい
   ペアやったの忘れてたわ、この2人…! 冷戦に火種がついたがな…!」
安倍「…あの時の屈辱を隠し味に、ふるさと料理で勝負してやるべさッ!!」
鈴木「ビートゥ餃子 ビートゥ餃子ッ!! ならこっちは中華じゃあーッ!!」

 フンフンフフフ〜ン♪ サクサクッ! コトコトッ! ジャァアアー…
小川「…あらら。 一時はどうなることかと思ったけど、2人とも機嫌よさげに
   鼻歌うたいながら調理してるじゃん? 良かったケンカにならなくて♪」
加護「アホウ! 2人の鼻歌よく聞いてみいッ!」
辻 「ヤンジャンは『キューピー3分クッキング』のテーマ曲、安倍しゃんは
   『郁恵・井森のお料理バンバン』のテーマ曲をくちずさんれるのれす…」
小川「本当だ…! うわっ!どんどんお互いのオクターブが上がってきたッ!」
加護「水面下でもう戦いのドラムは鳴りまくっとるんや。刺激したらアカンで?
   お互い包丁持っておるさかいのう。」
鈴木「あらぁ〜? なつみちゃん、肉ジャガ作ってるの〜? 若い女の子達に、
   そんな地味でしみったれた料理喜ばれるかな? あれあれ、なんだっけ?
   同じ理由で失敗したシングルあったよね? …『ふるさと』だっけ?」
安倍「あみちゃんはマーボー豆腐? 若いコが過激な物が好きだからってさ、
   あまりスパイス効かせすぎると、2度と食べてもらえなくなるべさ。
   なんだっけ『BE TOGETHER』? あれって今、カラオケで歌う女の子
   いるのかなぁ〜? いい歌は地味でも長く歌われるべさ。うん。」
 コンコンコンコンコンコンッ!!!! ザクッ!! ザクッ!! ザクッ!!
小川「料理って、あんなにスナップきかせて包丁振り降ろすもんでしたかね?」
加護「振り降ろす場所を間違えんことを祈っとけ。海ガメの肉が出てくるで?」
鈴木「やっぱ中華も歌も火力よねー! 高温と高音で一気に客を炒めあげるッ!
   煮物みたいにゴッチャ交ぜでグツグツ歌ってちゃいかんでしょ♪
   まあ後藤って魚がレシピに入ったおかげで、なんとかなったけどさー?」
安倍「小室さんの歌ってさ、化学調味料にたよりすぎて、みんな同じ味に感じ
   ちゃったのよねー。 いつも同じエサを食べさせられてる、養殖場の
   北京ダックみたいで、当時はあみちゃんを可哀想に思ったよホント。」
 ゴンゴンゴンゴンゴンゴンッ!!!! ザシュザシュザシュッ!!!!

加護「…なあ知っとるけ? 飼いネコってなぁ、人に顔を見つめられとると、
   ウンコできへんのやってな。 人に飼われとっても、無防備な状況には
   野生の防御反応が働くのやろーな。 人間がウンコする最中に、便所の
   鍵しめるんも、実は羞恥心からやなく野生の本能からなんやろな…。」
辻 「…ケメコさんはトイレの鍵しめないれすよ?」
加護「そら、あの野獣は敵がおらんからや。 防御のコマンドないさかいな。 
   いうなれば野獣の女王、ケダモノの嵐、いや、ケダモノ食い荒らしや…」
小川「つーかトイレのドア開けた瞬間、こっちがダメージくらいますからね。
   遊技王の持っている罠カードのどれよりも、強力な罠の発動ッスよ…」
鈴木「……いいから早く食えや…!」
安倍「……料理冷めるべさ…!」
加護「あのな…せやから、そんな顔ジーッと見つめられたら、メシ食おうにも
   食えへんっちゅーことをネコで例えたんやけど…伝わってないん?」
辻 「くすんくすん…。2人とも目が怖いのれすぅ…。」
小川「究極のメニューVS至高のメニューの、料理対決会場じゃあるまいし…
   なんでこんな緊張感の中、晩ゴハン食べなくちゃならないんですか?」
鈴木「いいから早くハシつけろやぁあああああああああああああーッ!!」
安倍「あ、なっちの肉ジャガから食べた方がいいよッ! あみちゃんのマーボー
   キチガイみたいに唐辛子入ってるから、舌が麻痺しちゃうべさッ!」
鈴木「安倍の肉ジャガ、煮えてねえからイモ固いぞ? ホラ加護、固くて前歯
   折れちゃうから、私のマーボー豆腐にしておけよ? もう柔らかくて、
   チュルチュル入ってくからさ♪ 気分は渡辺チュルって感じで♪」
安倍「なに言ってるべさッ! あみちゃんの餃子こそ、皮がバリバリにコゲて、
   牧場帰りのリカちゃんみたく真っ黒だべさッ!! 牛糞の香りだべッ!」
鈴木「お前の作ったひじき煮だって、姫のワキ毛みたいじゃねーかッ!!」
加護「も…もう食えんがな…。」

辻 「たまにピザもいいれすね♪ おなかすいてたから、なおさらなのれす♪」
加護「なんの魂もこもっとらん冷凍ピザが、一番ノドの通りがええがな。」
小川「…い、いいんですか? 結局2人の作ったゴハンに手を出さなかったうえ
   あのまま放置しちゃって? 完全にフテくされてますよ…?」
加護「フテくされとるのはコッチや! ええから放っときッ!」
辻 「らけどあの2人、リビングで仲良くファミコンしてるじゃないれすか?」
小川「いや…だけど、2人とも無言ですし…。 やってるゲームもスト2で、
   テレビ画面の2人のガイルが、しゃがんだまま動かないんですけど…」
鈴木「……………………………………早くかかってこいやコラ。」
安倍「……………………………………そっちこそ何ビビってるべさ。」
加護「辻、リセットボタン押して、ソフトを叩き割って来い。」
 タッタッタッ!  ボチッ! ガチャッ! ペキッ!! ザザザザー…
小川「あの…2人とも、テレビの砂嵐見つめたまま動かないんですけど?」
加護「なんやアイツラ、プレイヤー自体が待ちガイル勝負なんか?」
辻 「先に動いた方が死んじゃう、平成の巌流島決戦でもしてるんれすかね?」
小川「気持ち悪いんで、違うソフト差し込んできます…。」
 シーン…
鈴木「……………………………………早くかかってこいやコラ。」
安倍「……………………………………そっちこそ何ビビってるべさ。」
加護「オイ…また動いてへんで? ほっとくと鍾乳石になるぞアイツら?」
辻 「なんのソフトつっこんできたのれすか、マコっちゃん?」
小川「あの…鉄拳を。 画面の中のレイが寝転がったままなんですけど…。」
加護「辻、アダプター引きちぎって、あの2人を叩き割って来い。」
 タッタッタッ! ブチッ! ベキッ! ベキッ! ポキッ! ザザザザー…
小川「あの…2人とも、テレビの砂嵐見つめたまま動かないんですけど?」
加護「救急車呼んどけ。」

 ズゴゴゴゴ… スピー… ズゴゴゴゴ…   ムクッ… ガバッ!
安倍(ブハァーッ!! あ、暑いべさぁーッ!! ハァハァ…!!
   な、なんでこの家、クーラーも扇風機もないのォ!? 汗だくだべッ!)
辻 「ムニャムニャ… ヤンジャーン… メジロパーマに逃げられるのれす…」
加護「ズゴゴゴゴ… ヤンジャン、万引きのコツはふきとばしの杖やでぇ…」
安倍(クスクス… 2人とも何の夢見てるんだべか? でもこんなに暑いのに
   なんであみちゃんに抱き着いてるんだろ? あみちゃんが苦悶の表情して
   寝汗ダクダクかいてるべさ。 これじゃ太るヒマもないんだろうなぁ…)
 スタスタ… キュッ!ジャァア… ゴキュゴキュッ! プハァーッ!!
安倍「ふぅ…! 生き返ったべさぁ♪ こんなにお水が美味しく感じたの、
   ピンチランナーで肉揺らして走った駅伝の日以来だべさ♪」
 グウ〜〜〜ギュルルルル…
安倍「ありゃりゃ。 そういえば、ゴハン食べてないんだもんなぁー…。
   夜中にゴハン食べるのは御法度だけど…ま、いっか♪ 肉ジャガ大量に
   残したままじゃもったいないもんね♪ なっちの肉ジャガは冷えても
   美味しいのであった。次週につづく! なんちて♪ さてと、お箸は…」
鈴木「まだ洗ってないから、割り箸用意するよ…」
安倍「あッ…! お…起こしちゃったべか…!?」
鈴木「ふぁぁ… 別に電子レンジ動かしても、他のヤツは目ぇ覚まさねえって。
   小川なんか私に毎朝ふんづけられても、一発じゃ目を覚まさないもん。
   私もハラすいて眠れなくてさ。 あ、私も肉ジャガ食うから、鍋に火を
   つけた方が早いかもな。 ゴハンは… 暑いからチンしなくていいか?」
安倍「あ、うん…! じゃ、じゃあなっち、お皿用意するねっ…!」

 カチャカチャ…
鈴木「おいおい安倍ちゃんよぉ… マジでイモ煮えてねえじゃねえかよオイ。
   こりゃ勝負、私が勝ってたな♪ 良かったな、恥かかずにすんでよぉ?」
安倍「あみちゃん歯が弱いんじゃないべか? アゴが弱いといい声出せないよ?
   それにこのマーボー豆腐、味が濃すぎるべ。 調味料に頼りすぎだべ。」
鈴木「バッカ、発声も味もハッキリした方がいいんだよッ!」
安倍「歌い方も料理の味付けも、一本調子じゃお経と一緒だべッ!」
 シーン…
鈴木「…いや、とにかくメシ食いながらの口論はやめよう。はしたない。」
安倍「うん…同感だべ。 お互い、顔がゴハンつぶまみれだべ。」
 パクパク…
鈴木「…ていうかアレ? 私ら2人でメシ食うのって初めて? ハハッ!」
安倍「そうだねー。 あみちゃん、なっちだけ誘ってくれないんだもん。」
鈴木「お前だけじゃねーよ? 矢口とだって、この前泊まった時に朝メシ食った
   のが初めてだったし。リーダーとだって2人っきりはまだ一度もねえよ?
   なんつーかさ、第1、2期メンとは…その… わかるだろ?」
安倍「アハハ♪ 後輩をゴハンに誘うみたく、気軽に誘いずらいしね、お互い。
   圭ちゃんみたく先輩顔で話すなんて、なっちには無理だったしな…。
   どんな態度で接すればいいか、わかんないまま今日まで来ちゃった感じ。
   気をつかわず、早いうちに今日みたくケンカできてればねー。」
鈴木「私なんかに気をつかってどうすんだよ? リーダーを少し見習えよ?」
安倍「あみちゃんわかってないなぁ。 カオリが一番気をつかってたんだよ?」
鈴木「ど…どこがだよッ!! アイツ加入初日からローキックだぞッ!?」
安倍「どう接すればいいか悩んだあげく、答えが出ないから、あみちゃんが加入
   する前と同じ態度を、ずっと取り続けていただけなんだべ、カオリは。」
鈴木「悩んだあげくローキックか? 本当ならタチ悪すぎるぞ、あの生き物…」

安倍「カオリはいいよ。 今はリーダーという立場からあみちゃんに接する事が
   できるようになったもの。 前より仲良くなれたでしょ?」
鈴木「入院クラスのケリは減ったけど、パシリ命令は前よりメチャ増えたぞ?
   前世は三国時代にさかのぼって、アイツが呂布で私が陳宮じゃないかって
   思ったぐらいだよホント。 わからん? わからなくてよろしい。」
安倍「カオリはあみちゃんを、頼れるサブリーダーと考えてるんじゃないかな?
   圭ちゃんは落ち着きないし、マリッペは少し感情の起伏が激しいしね。
   とにかくお互いの立場みたいなものがハッキリすると楽になれるものよ?
   あみちゃんは私にとって… 今だにどういう相手かわかんないもん。」
鈴木「かつての…ライバル? ハハハッ! かつて…じゃダメだよなー。」
安倍「だからね、昔の方が楽だったよ。 鈴木あみちゃんはライバル、そういう
   関係がハッキリしてて、好敵手と見て頑張ればいいだけだったもの。」
鈴木「…うん、わかる。 私も同じ…だ。 ブハハハ! このひじき煮ウメェ♪
   この素朴な味付けが安倍らしくていいよ♪ 今度作り方教えろよ〜?」
安倍「ありがとだべ♪ この餃子も野菜がいっぱいで、栄養ありそうだべさ♪」
 パクパク…
鈴木「…その、アレだ。 私が卒業すると… 少し気が楽に…なりそう?」
安倍「…正直なところ、そう思ってたよ…。」
鈴木「そっか…。 ブハハハハ♪ やっぱ卒業の選択は正しかったんだな〜♪」
安倍「でもね、あみちゃんに卒業して欲しかったわけじゃないの。
   一番願ってたのは… なっちが…卒業して行きたかったなって…そう…」
鈴木「えッ…?」
安倍「アハハハハ♪ 一時期だべ、一時期♪ ちょっと前にそんな事を考えた
   こともあったって話だべ! やだなぁ〜! そんな顔しないでよぉ!」
鈴木「うん…まあ、いろいろあるよなッ! よし、肉ジャガおかわりだッ!」

 ジャアアアアア… ジャバジャバ…
鈴木「バッカ! いいよいいよ洗い物なんて! 明日、小川にやらせっから!」
安倍「ダメだべ! 自分の使った食器は自分で洗うべ! それが礼儀だべさ!」
鈴木「安倍ちゃんよぉ〜なつみちゃんよぉ〜? あまりいいコちゃんだと、
   すんげえ〜疲れるだろ? そう思わない?」
安倍「べ…別に、なっちはいいコちゃんじゃないし、疲れもしないべ!」
鈴木「いや、オメェじゃなくて、まわりがだよ。 …気付いてるだろ?」
安倍「え…!」
鈴木「クスクス…そうだ、オメエさ? 今夜少し不良デビューしてみねえ?」
安倍「な、なにを急に言うべ! そのニヤけた顔は何をたくらんでるべ?」
鈴木「ちょっと待てよ… 確かこのテーブルの引き出しに… お、あった♪」
安倍「なぁに? わッ! タバコ!? ダメダメダメダメッ!! なっちそんな
   体に悪いもの、絶対に吸わないべッ!! 喉にも悪いべさッ!!
   あみちゃんもやめるべさ、タバコなんてッ! 歌手なんだからッ!!」
鈴木「私今は吸ってないよ? 当たり前じゃん。 でもマネだけしてみろよ?
   煙を吸わなくていいから、気分だけ♪ 何か違う世界がみえるかもよ?
   実はさ…タバコやめた理由ってのがさ。 ブハハッ! オマエなんだ♪」
安倍「え…?」
鈴木「モーニング娘。に入る前は、喉の事なんか気にしてなかったんだけどね。
   加入すると決まったら、なぜかテメエのツラが浮かんできて…さ。
   何をアセったんだか、やめちまったんだよ私。タバコ。 ブハハハハ!
   …んで、そのまんまだったワケ、このタバコ。 ん…アレレ?
   本数少し減ってるぞ? …加護アノヤロウ。 ちっと試しやがったな?」
安倍「プッ… クスクス。 捨てちゃえば良かったのにぃ。」
鈴木「そりゃ…ダメだよ。 だってさ…決意の思い出の品だもん! 何の決意か
   今だにわかんないけどね♪ さあチャレンジッ!」

 プカー… ゲホゲホゲホッ! ゴホンッ!
鈴木「アホォッ! 肺に入れるなって言っただろ? カッコだけでいいんだよ
   カッコだけでッ! うっ… やっぱ昔のタバコだから、カビ臭いな。」
安倍「ゴホゴホッ… あんた…あのコのなんなのさ? 港のヨーコ、ヨコハマ
   ヨコスカー…ゲヒョゲヒョゲヒョッ!! なッ…なめ猫ッ!!」
鈴木「ブハハハハッ! お前のヤンキーワード、20年古いぞオイッ!!
   それになんでさっきから、壁も使わずに空気イスやってんのオマエ?」
安倍「ウ…ウンコ座りッ! ゲホッ!!」
鈴木「なつみちゃん… 洋式じゃなく和式で頼むわ。 ウンコ座り。」
安倍「あーもうダメ。 タバコ吸う人の気持ちが全然わかんないべ…ゴホッ!
   でもなっち、ちょっと楽しかったな♪ これで不良の歌も歌えるかも?」
鈴木「ブハハハハッ! そりゃ良かった♪ 私もヤメよ。 美味しくねえ…」
 ギュッギュッ… カサカサッ ストンッ
安倍「やっぱりそのタバコ、引き出しにとっておくの?」
鈴木「うん…記念な。 安倍と私のハイスクール落書き記念♪」
安倍「…あみちゃんがさ、タバコやめたのって、なっちをまだライバルと見て
   くれたってことだよね…? モーニング娘。に入ってもまだ…。」
鈴木「…タバコ見て思い出したわ。 ハハッ…やっぱオマエをライバルだって
   見てたんだな私って。 今も…なのかな? うん…そうだよ。そうだ。」
安倍「今日ケンカしてみて、ああ、なっちもそうなのかな〜て思っちゃった♪」
鈴木「ブハハハハッ! 立場がハッキリしてないっておかしいよな、やっぱ!
   ライバルだよライバル! 相変わらず! だって顔がムカつくもん!」
安倍「このナッチスマイルを前にムカつくはないべ、ムカつくはぁーッ!」
鈴木「なあ…さっきのさ、安倍が卒業したかったって話。 アレってさ…?」
安倍「うん?」

鈴木「アレってさ… 私が初めてだろ? 人に話したの。」
安倍「え? …うん。 そう… あみちゃんが初めて。 なんでだろ?」
鈴木「ライバルで仲悪いのにな。 なんでだろーね?」
安倍「クスッ。 なんでだろーね。 仲が悪いからかな?」
鈴木「まあ…安倍にとってはモーニング娘。の中で、唯一いいコちゃんで接する
   必要のない相手が私って事かな? …マジゲンカしやすいだろ?」
安倍「アハハハハ♪ 卒業して欲しくなくなってきちゃったな〜、なっち♪」
鈴木「……私が卒業しても、勝負していこうぜ? 負けねえよ私?」
安倍「…うん。 モーニング娘。にいてもいなくても、あみちゃんには負けたく
   ない! あみちゃんに圧勝するのが、なっちの夢。 負けないべッ!」
 ガラガラガラッ!!
加護「うっさいわゴルァアアアーッ!! 今、何時やと思うとんねんッ!!」
小川「ムニャムニャ… あのー…ケンカなら表でやってくださーい…」
辻 「くふん? タバコの匂いと一緒に、美味しそうな匂いがするのれす?」
加護「あ、アンタらメシ食っておったな? ウチもハラすいてきたがな。
   ピザなんかで日本人が満足するかいボケッ! おうヤンジャン、メシの
   用意や! どっちが料理うまいか審査したるわいッ!!」
小川「ううーマコも食べるぅー 先輩の手料理ー… ふぁあああ…。」
安倍「夜中ゴハン食べると太るんだよぉ? なっちの体験談。 マジマジ!」
辻 「ちょっと早い朝ゴハンなのれす。 さーて、どっちから食べまひょ?」
安倍「ちょッ…ちょっと待ってッ!! 肉ジャガもう少し煮るからッ!!」
鈴木「あ…! わ、私も少しマーボーに水足すから、もう少し待てオイッ!」
加護「アホかッ! ゴングとハラはもう鳴っとるんやッ! 食うでぇーッ!!」
 ガリッ ポキッ! なんじゃあああ、このイモはぁあああああああーッ!!
 辛すぎなのれすヤンジャーンッ!! 水持って来いなのれすぅーッ!!


保田「いいか? 先輩として後輩のオマエに話しておく大事な話がある…。
   かなり昔の話だけどな。 それは…9月だった…。妖しい季節だった…。
   夕闇もドレスに変えて、君が踊れば、都会も踊る…。」
ネコ「ニャーニャーニャー♪」
鈴木「朝っぱらからネコ相手に、すみれセプテンバーラブの歌詞暗唱かオイ?
   何の生産性もない事に、無駄なカロリー使ってるなよ…。」
ネコ「ウニャッ! ウニャニャニャッ! ウニャッ!」
吉澤「通訳すると『イザムを笑うものは、ひなので笑う』と、軟禁を解かれた
   アラファト議長が顔を真っ赤にして抗議しているワケですが。」
鈴木「…あそ。 それより今日の仕事なに? また私がヒマになる予定割り?」
飯田「えーとね… 主にMUSIXの歌収録…かな? あとグラビア撮影だね。
   うん…夕方までは、Do it! Nowに関わる仕事だけだからヤンジャンは…」
鈴木「そっか。 さてと…どうやってヒマつぶそうかな? よし、ネコ!
   ヤンジャンさんと町のペットショップでサンショウウオでも観察すっか♪
   小股のきれあがったセクシーなシャムネコがオメェを待ってるぜ〜?」
飯田「あ…! あのね、ヤンジャン。 今日の歌収録は、一緒にスタジオに
   いてほしいんだよね…。手持ちぶたさで、つまんないのはわかるけど。」
鈴木「えーッ!? なんでだよ? お前らがメイクしてる間やリハの最中まで、
   スタジオのすみで長時間、ネコと将棋でもやってろっていうワケ!?
   スタッフの邪魔になるし、いいよ私は。 なあネコ、外出したいよな?」
ネコ「ウニャッ!」
吉澤「通訳すると『くずし将棋なら負けん。なぜなら私には黄金の肉球がある。
   これから突撃しまーす!』…そう中原永世十段がおっしゃってます。」
飯田「とにかく! 娘。は常に一緒に行動ッ!! 以上、リーダー命令ッ!!」
鈴木「ちぇっ! あんだよあの態度? 軍隊だったら、戦地で背後から部下に
   まっさきに撃たれるタイプだぜアイツ?  …死ななそうだけどな。」


後藤「あのですねー、もう少し目の間をせまく見せるメイクってできません?」
矢口「オイオイごっつぁんよ! いい加減に3年間もメイクさんを困らせている
   その無理な注文はやめろよ? いやいやいやッ! 目の間にもう一つ目を
   描いても解決にならんからッ!! ギャグにもなんねえよッ!!」
吉澤「やっべえーッ!! 衣装マジで入らないッ! ちょっと走ってくるッ!」
飯田「遅いよッ!! ハラにサラシでも巻いて、その肉なんとかしなッ!!
   バカッ!サラシだよサラシッ!! サランラップ巻いてどうすんのさッ!
   収録1時間前なんだから、ダイエットという解決策は捨てろッ!!」
加護「ヤンジャンはどうしとるんや?」
小川「フテくされて廊下のすみで、ネコと百人一首やってます。」
保田「カオリがその身長を生かして、頭ごなしに怒鳴るからだぞぉ?」
高橋「でもフテくされている理由は、ネコに負けているかららしいダスよ?」
安倍「ネコと百人一首するのが間違いだべ。 ネコの前足って速いんだよ?」
矢口「いや、確かに間違ってはいるが、アンタの理由も間違ってるから。」
辻 「れも…なんれいいらさん、ヤンジャンを待たせてるのれすか?」
後藤「衣装準備も時間かかるし、リハも時間かかるし…。 ヤンジャンにただ
   待ってろだなんて、少し可哀想じゃない? ちょっと外出ぐらい…。」
新垣「リサたん、ガリガリ君食べたいなー♪ 外へ買いに行ってきていい?」
飯田「いいわけないでしょッ!! 今日は全員そろってないとダメなのッ!」
吉澤「だってさ… 一緒に歌う事ができない、ヤンジャンの気持ちってのもある
   じゃない? 堂々と指をくわえることができないヤツだから、私達に気を
   つかって、自分から外に出て行こうとしてるんじゃないかなぁ…?」
加護「そうやなー… ヤンジャンの目の前で踊るウチらも何や気まずいしなぁ。
   そういうところで、ウチらに気をつかっちまうんがヤンジャンやで…」
保田「そうだよカオリ! 解放してやれよ! 何でダメなんだよッ!?」
飯田「今日が最後の日なのよォッ!! アイツがいる内に新曲歌うのはッ!!」

 シーン…
飯田「見ていて欲しいじゃない…ヤンジャンに。 一緒に踊れないけどさ。
   …ウチらがDo it! Nowを歌っている姿を…見ていて欲しいじゃんッ!」
保田「…ゴメン。」
加護「なんや…ヤンジャンにそう言えば良かったやん? 照れたんでっか?」
矢口「でもそれってオイラ達のワガママだからなぁ…。 それにさ…
   一緒に歌いたくても歌えないヤンジャンに…言いずらいとこあるぞ?」
石川「ヤンジャンさんって、そういうワガママを喜ぶ人ですよ? だって私が
   100回ぐらいファミコンのイーアルカンフー貸してって頼んだら、
   嫌がりながらも最後は笑って、カラテカ貸してくれましたもん♪」
辻 「そのままカラテカ歩きで、メイク室から消えろなのれす。」
安倍「…ワガママだなんて。 メンバー同志で気を使う必要なんかないべさ?
   見ていて欲しいから見てて。 そう言えばいいだけの事だべさ!」
飯田「そんなことヤンジャンに言える? ヤンジャンのいない娘。の歌う姿を、
   卒業していく本人に舞台裏で見てて欲しいだなんて。 一緒に舞台で
   歌おうって言えるならまだしも… それができないんだもん!
   それを口に出して、お互い寂しい思いになるのがいやだったのよ…!
   なら、いつもの横暴リーダー気取って、命令する方が気が楽だもんッ!
   そんな寂しい事、口にできないもんカオリ! なっちできるの!?」
安倍「なっちはできるよ。 今はもう、できる。」
加護「ウチへ先に言うてくれはったら良かったんや。 飯田はんも飯田はんで
   無駄に気をつかいすぎやで? 安倍はんのいう通りやがな。
   ウチらの衣装キレイやろ〜!? 一緒に歌いたいやろザマ〜ミロッ!!
   見せつけたるから、舞台裏で一緒に踊りながら見とけやボケェ〜♪
   …そういう間柄やないですか、ヤンジャンとウチらは。 昔からずっと。
   卒業間近になって、変に身構える必要あらへんのとちゃうかな…?」


鈴木「ぐわぁああああーッ!! ネコ手加減しろよテメエッ!! ネコの片隅
   にも置けないヤツだなッ! 第一その手札、本当に合ってるのかオイ?
   適当に手札ぶったたいてんじゃないだろーなコラッ!!」
AD「いや…手札合ってますよ…! このネコ、うちの特番で出演させません?
   マジでスゴいですってッ!! 百人一首のできるネコッ!!」
加護「つーかヤンジャン、オマエが百人一首の札を覚えてへんのに、勝負に
   なるわけあらへんやろ? ADさんの仕事、邪魔すんなやアホウ。」
鈴木「おう、メイク終わったか。 ヒマすぎて痔になりそうだったぞ?
   リハも本番も一発で決めて、サッサとメシ食いに行こうぜッ♪」
加護「ヤンジャンな、今日でオマエがいる間に新曲歌うの、最後なんやって。」
鈴木「え…? あ、そ、そうなんだ。 じゃあしっかり見ていてやるよ♪」
加護「…おう! そこで指くわえて見とれや! んじゃ行ってくるわ!」
鈴木「へっ! …ん? なにリーダー、私の背後で無気味にほほえんでる?
   気持ち悪いからサッサと行けよ。 オマエが遅れちゃ仕方ねーべ?」
飯田「…うん♪ ありがとうね、ヤンジャン…。」
鈴木「ブハハハハ! ワケわかんね。 キショッ!」
 ザワザワ… それではリハ入りまーすッ!
後藤「ヤンジャンが見てるね。 しっかり歌おう! ね、ヨッスィ?」
吉澤「ヤンジャンさ、私に言ったんだよね。 私達と一緒に新曲歌いたかった、
   それも夢だって…。 アイツさ、あそこでニタニタこっち見てるけどさ
   きっと心の内じゃ、やっぱ…ね。 ズズッ…頑張ろ♪ 頑張らなきゃ♪
   ホラ、新垣もしっかり歌えよ? ヤンジャンに晴れ姿見せてやれ!」
新垣「ていうかリサたん、すっごくガリガリ君で頭いっぱいなんだけど?」
吉澤「ガリガリ君より冷てえなオメエ? さっきヤンジャンに、ヒマならアイス
   買ってきてって言って、殴られてただろ? せめてオマエよぉ、お金は
   自分で出すぐらいの常識みせとけよ? …昔の加護よりタチ悪いぞ?」

AD「それでは本番撮り入りまーすッ!! よろしくお願いしますッ!!」
 ゾロゾロ…
辻 「じゃあヤンジャン行ってくるね♪ のののプリケツダンスを網膜の奥まで
   焼きつけてくらさい! ののの下半身をヤンジャンに捧げるのれすッ!」
鈴木「いらんいらん。 つーか失敗して、時間かけるなよ?」
小川「…グスン。 マコ…先輩と踊りたかった…! これが最後なんてヤダ!」
鈴木「カメラまわってないのに泣くなよ、もったいねえ。 ホラ早く行け!」
 ザワザワ…
飯田「じゃあみんな…ヤンジャンが見てるからさ。 今までで一番の出来を
   見せてあげようね…! 頑張っていきまッ…ショーコスギッ!!」
全員『ショーコスギーッ!! ケインを勘当ッ!!』(ワァーッ♪)
鈴木「…なにアイツラ歌収録ぐらいで、あんなに気合い入れてるんだ? 
   今日って誰かの命日だったかな? 中澤…は、まだ生きてるし…はて?」
 チャララララン… チャララララン…♪
鈴木「始まった…。よしネコ、お前も踊るぞ? 舞台に立ってようがなかろうが
   関係ねえや。 どうせ…ヒマだしよ? な、そうだろヤンジャン増刊?」
ネコ「ニャッ!!」(ピョーンッ! シュタッ!)
夏 「鈴木! お前、踊るんならもっと舞台側まで寄りなよ? ホラ、あそこ
   だったらみんなとも近いし、カメラの死角に入るから問題ないだろ?」
鈴木「うぃ〜す♪」(タッ…!)
夏 「…ちょッ! ちょっと待てッ!!」
鈴木「はぁ?」
夏 「ちょっと待ってッ!! みんなストップッ!! ストォオーップッ!!」
 ザワザワ! ザワザワ!
飯田「え、なになにッ…? ど、どうしたんですか夏先生…!?」

 ザワザワ…!
矢口「あのぉ〜? なんで曲止めたんですかぁ?」
夏 「バカッ! なんでアンタ達、気付かないのさッ!! わかるだろッ!!」
高橋「あ、気付いたダスッ…! 夏センセと清水ミチコが似てるッ…!」
夏 「ブッ殺すぞ!?」
紺野「あ、私すぐ気付きました…! ポジションに違和感があったので…。」
スタッフ「ええ、1人足りませんね…モーニング娘さん。」
夏 「新垣ィーッ!! どこだ、新垣ッ!! グォルァアアアアーッ!!」
安倍「ホントだッ! オマメちゃんがおらんべッ!? あ、あれぇ!?」
飯田「ど、どういうこと!?! あのガキ、どこに行ったのさヨッスィ!?」
吉澤「いやッ…私になんで聞くのォ!? そのッ…おいヤンゾー! 豆は!?」
ネコ「ニャー」
吉澤「つ、通訳すると『知らぬは一時の恥、聞かぬは一生の恥』…だそうで!」
夏 「知らんじゃすまされないよッ!! ちょっとアイツ誰か見なかった!?」
AD「あの…さっき衣装を脱ぎ捨てて、廊下の方に走って行かれましたが…!」
ディレクター「なッ…なんでそれをボケーッと見送ってるんだテメエはッ!!」
鈴木「オイ…衣装見つけたぞ? これ新垣のだろ?」
保田「ア、アレか? また例のおもらしカウントダウンに入ったのか…!?」
石川「じゃあ私、トイレを探して来ますッ! 私もオシッコしたかったので!」
辻 「じゃあののは社員食堂を探してくるのれす! 以下略ッ!!」
高橋「じゃ、じゃあワタスは、急いで畑を耕すダスッ!!」
小川「マ、マコは腹筋を鍛えますッ!!」
紺野「私は2塁に走りますッ!!」
夏 「落ち着けェエエエエエエエエエエエエエエエエーーーーッ!!!!!!」
鈴木「とにかく、みんな手分けしてアイツ探そう! まだ局内にいるはずさ!」
飯田(ヤンジャンに見てもらう大事な時にあのバカァッ…!! くッ…!!)

 ザワザワ… ザワザワ…
保田「い… いねえ…!」
安倍「携帯も楽屋に置きっぱなしだし…! どこいっちゃったんだろホント…」
加護「コラコラ辻。ウチのパンツの中にゃ、よう入らんわ。探しても無駄や…」
後藤「ていうかさ、局内をこんだけ探しても、新垣がいないって事は…?」
石川「みッ…密室殺人!?」
矢口「密室ならどこも行かんだろボケ! 死体でもいいから見つけたいよ!」
辻 「お外まで出ちゃった可能性が、中澤しゃんの年令より高いれすね…!」
ディレクター「んー…これは… ちょっと困りますね… ハ、ハハ…。」
飯田「スミマセンッ!スミマセンッ!! リーダーのカオリがしっかりしてない
   から悪いんですッ!! もッ…もう一度探してきますッ!!」
夏 「飯田ッ!! いいッ!! アンタまでいなくなられちゃ困るよッ!!」
AD「あの〜… 時間が押しまくって、そろそろ本気で危ないんですけど…!」
夏 「…鈴木。」
鈴木「はい?」
夏 「オマエ入れ。新垣の代わりに。」
 ザワッ!!
鈴木「ハァ!? いや…でもそれはッ…!」
夏 「新垣のパートもやれるだろオマエ? アイツにも教えてたんだから。」
鈴木「いや…まあ、それはそうですけど…! でもッ! あ、あれ?」
 ニコニコニコニコ♪
加護「グダグダ言わんと、早よ着替えれやヤンジャンッ!! 待たすなや!」
小川「先輩ッ♪ 早くッ♪ 先輩ッ♪ 早くッ♪」
飯田「ハイみんなァッ!! 笑ってないで、急いで持ち場につくッ!!
   これ以上迷惑かけられないよッ!! ヤンジャンも早くしろォッ!!」
鈴木「………ッ!! は、はいッ!!」

鈴木「やべえよ… 全然声出ししてねえよ…! 声出せるかな…?」
加護「安心せえ。 歌は口パク、後のせサクサクに決まってるやろ♪」
矢口「んなワケねえべッ! ヤンジャンが歌ってるのに、新垣の声がかぶっちゃ
   ファンが気持ち悪がるだろ!? ドラえもんの声が、大山のぶ代じゃない
   気持ち悪さを、子供の心で考えてみろッ!! 天空の城ラピュタのパズー
   の声が、ドラゴンボールのクリリンじゃない不快感をメイの心でッ!!」
加護「メイの心… ほえほえほえ〜? そりゃススワタリが出たなぁ〜?」
矢口「それバーサンッ!! それバーサンッ!!」
辻 「くふん… ヤンジャン、衣装似合ってますよ♪ まるでお姫さまか、
   巣鴨の安いフィリピンパブのオネーサンみたいなのれすぅ♪」
鈴木「なんだ、その例えの野茂のフォークばりの落差は? …ちッ! だって
   仕方ねえだろぉ? 新垣の衣装、小さすぎるんだもんよぉ! ケツの肉は
   食い込むし、スカートは超ミニだわ、なんの羞恥プレイだよコレッ!!」
保田「そういって嬉しそうじゃんヤンジャン…。 姫、見たかったんだ。
   お前がそのクロスを身にまとう姿をよ。 アイオロスも泣いてるぜ…。」
飯田「ヤンジャン、しっかりねッ!! フリ間違えたら承知しないよッ!!」
鈴木「うっせえな。 こっちは初めてなんだから、多少は大目に見ろよな。」
飯田「………ッ!! 承知しないんだからッ!」(クルッ… スタスタ…)
鈴木「んだアイツ? 目に涙浮かべてまで怒らんでもいいのによ。 なぁ?」
安倍「あれは…嬉し涙だべさ。 そんな事より、スタッフ待たせてるんだから
   早く持ち場につくべさ! みんなアンタを待ってるべ、ヤンジャン!」
鈴木「ヤン…ジャン…? お、おうッ!! マイクの持ち方練習してるんでぇ!
   すぐハロプロの歌姫ことヤンジャン様が行っちゃるけんよぉッ!!」
AD「それでは本撮り入ります! よろしくお願いしますッ!
   あと、そのキスマークのシール貼ったネコは外に出してください…!」

 チャララララン…♪ チャララララン…♪
鈴木(やべえやべえ、顔作らなくちゃいけないのに、ニヤけてきちゃう…。 
   この歌を歌えるから…? それとも…コイツラと一緒に… うんにゃッ!
   そんなこと考えてる場合じゃねえやッ! これが最後なんだッ…!
   モーニング娘。として歌うのは! しっかり…しっかりヤンジャンッ!)

 Do it! Now あなたが持ってる未来行きの切符 夢は叶うよ 絶対叶うから
  行こう…♪

安倍「最初のデートの帰り道♪」(すごい… あみちゃん完璧に踊れてる…!)
紺野「Ah、一生忘れない♪」(教えて頂いたこと、一生忘れませんッ…!)
後藤「何度か歩いた商店街♪」(クスッ…何度も隠れて練習してたなぁ?)
鈴木・矢口・加護 『どんな未来が訪れてもォーッ♪』
矢口(ううーんッ! 気持ちいいッ♪ 声の相性がいいのよね〜コイツとは!)
加護(バッチリやで、ヤンジャンッ!! 声もノビノビ、野比のび太やッ♪)
鈴木・高橋 『間違ったってしょうがないでしょうッ♪』
高橋(自信に満ちた声ッ…! ポスト鈴木を目指しちゃおっかな、ワタス?)
石川「KISSがしたいッ…♪」(『ホイッ』のパートは、一生貸してあげます♪)
辻 「愛の形はイメージロリれす♪」(ヤンジャン、オケツが可愛いれすよ♪)
吉澤「恋の行方はあなたと二人です」(プッチは私達3人だぜいッ!!)
小川「もっとくださーい! 愛をくださーい!」(ずっと居てくださいッ!!)
飯田「なぜか笑えてきちゃったわ…♪」(もうカオリ泣きそうだよぉ…!)
保田「夢がそこにあったから♪」(夢がかなって良かったなヤンジャン!)
鈴木「若かったあの日と♪ いつか笑えるような♪」
  (新垣… いつかお前と一緒にこれを歌いたいぜ。 ありがとうなッ…!)
 毎日を過ごしたい♪  Do it! Now…


ザザザザァー… ガリガリ…
新垣「なにげなく〜チュ〜をし〜たけど♪ みんなが〜見〜てるぅよぉ…♪
   人目なんて〜気に〜しない…♪」
 ガサッ!
吉澤「君〜が大好ぅ〜〜〜きだよッ♪ コラァーッ!!」
新垣「あ…吉澤さんだ。」
吉澤「吉澤さんだ、じゃねえだろ? こんな川辺で何やってんだぁオイ?」
新垣「ガリガリ君食べてるの。 吉澤さんも食べる?ここカジってもいいよ。」
吉澤「ダメなんだ私。 飯田さんから甘味物禁止令が出てるんだもん。」
新垣「……みんな… 怒ってますぅ?」
吉澤「当たり前だろッ! 全員そろわないとメシが美味しく食えないからって
   ハラすかせてみんな待ってるんだぜ? 辻なんか、発狂寸前だよ?
   あいつの八つ当たりで、ヤンジャンが木偶人形にされんうちに帰るよ!」
新垣「うん…これ食べてからね。 急いで食べると頭キーンってするもん。」
吉澤「バッカ、歩きながら食えばいいだろ?」
新垣「そんなはしたない行為、由緒正しい新垣一族では厳禁ですの。」
吉澤「新垣一族のシツケも牙一族の掟も知らねーよ! …ったく!ホラ乗れ!」
新垣「ん?」
吉澤「肩車してあげるから! …これならアイス食いながらでもOKだろ?」
 ンショッ… ヒョイッ  のっし のっし のっし…
吉澤「新垣…? ……ヤンジャンな。 すっごく楽しそうに踊ってたよ。」
新垣「…あそ。 あ、吉澤さんの頭にアイス落ちちゃった。 ドンマイ!」
吉澤「…テメエ。 頭からソーダの匂いかもしだしてるアイドル、関東地方じゃ
   私と掘越のりぐらいだぞ? あ、少し昔でいえば、宍戸留美とかな。」
新垣「わぉ! 吉澤さん、1本当たりが出たよ♪ 吉澤さんにあげるね♪」
吉澤「ハイハイあんがと。 …うん。…今日は本当にありがとうね、新垣…。」


飯田「モーニング娘。家訓ッ!!」
全員『モーニング娘。家訓ッ!!』
飯田「ん、ちょっと待って。 今『家訓』のところを『カズン』と言い間違えた
   ヤツいたでしょ? 年令的に圭ちゃんだと思うけど、気をつけてね?」
保田「年令でプロファイリングするなよッ!! …でもまあ、否定はしねえ。」
飯田「モーニング娘家訓ッ!! ひとーつ! ゴハンを食べる時はッ!!」
全員『ひとーつッ! ゴハンを食べる時はッ!!』
飯田「ちょっと待て。 今ふざけて森本レオの声マネで斉唱したヤツいたべ?
   時期的に旬だけどさ。カオリ的には瞬殺したい気分だから気をつけて!」
辻 「ウー… いいから早くゴハン食べさせろなのれす!このエレクト巨神兵!
   ののの胃袋が暴れ太鼓のように鳴り響いて、フンドシ姿のメロン記念日が
   ワショーイワショーイ、あゆみ神輿をかついでいるんれすからッ!!」
安倍「家訓はいいから早く食べようよ〜カオリ? オカズが冷めちゃうべさ!
   なっちの胃袋も終戦玉音放送のように鳴り響いて、もんぺ姿の愛ちゃんが
   サクマドロップスの空き缶に水入れて、ブンブン振ってるべ!」
飯田「あーもうワケわからないこと言わないでッ! デビッド・リンチの映画か
   アンタらの胃袋の心象風景はッ! 飽食イレイザーストマックッ!!
   ヒサブリの全員そろっての昼食なんだもん、バッチリ決めたいでしょォ?
   コラッ! 紺野、指くわえないッ! 小川も茶碗を箸で叩かないッ!
   高橋もゴハンをよそわないッ! 新垣もよそわせないッ!! いくよッ!
   モーニング娘。家訓ッ!! ひとーつ! ゴハンを食べる時はァッ!!」
全員『ひとーつ… ゴハンを食べる時はぁー…』
ソニ「テメェの家で食べれニダァアアアアアアアアアアアアアアアーッ!!
   うちは飯場の気軽にツケがきく定食屋じゃないニダよォォーッ!!!」

 ポリポリ… パクパク…
後藤「ヤンジャン卒業まで、あと何日あるんだっけ? あ、ユウキ、キムチが
   足りなくなってきたから、カメごと持ってきてカメごと!」
矢口「早くしろよ小僧? Bボタン押しっぱなしで、ダッシュで行ってこい!」
鈴木「卒業まではとりあえず…あと一週間ってところかな? ところでソニン
   このキムチあんまり熟成してねえなぁ? 酸味が全然足りねえぞオイ?
   もう一回地元まで走って、本場のキムチかついでこいよ。」
新垣「クンクン…やだ! このマツタケのお吸い物、全然香りがしなーい!」
加護「そら韓国産のマツタケやもん。キノコは国産にかぎるわ。 どやソニン、
   ユウキの国産キノコの味は? 若いから香りもキツいやろ?」
保田「なにおぅ? オイニー勝負なら負けないぜ? ハロプロの天然トリュフ
   と呼ばれた、姫のワキ下アポクリン腺の匂い嗅いでみるか? ん?」
飯田「ぶはッ!! ちょっと圭ちゃん食事中にやめてよぉッ!! メンバーの
   全員の体から、白い数字がこぼれ落ちるでしょォッ!!」
紺野(コポコポ…)
高橋「あのー…保田さんの特殊攻撃に、隣に座ってたあさ美がステータス異常
   おこしてますけどぉ…。 胃液が口からこぼれっぱなしダスよ?」
安倍「うわぁ〜♪ 華厳の滝みたいでキレイだべ♪ 見たことないけど♪」
吉澤「キッタネエなあーッ!! 床がゲロまみれじゃねえかよ紺野ッ!!
   どっか雑巾ないの雑巾ッ!! 小川、親友なら掃除してやれよッ!」
辻 「この布は雑巾れすかぁ? 黄ばんでるし、雑巾にしちゃいましょう。」
石川「黄ばんでいるってゆーか、それって黄色いTシャツじゃないのかな?
   なんか『頑張って!』とかマジックで書いてあるけど… ま、いっか♪」
小川「いいや拭いちゃえ♪ あさ美、悪いけど胃液止めてくれないかな?」
ソニ「お…お前ら、どこの組に雇われた地上げ屋ニダかッ…!!」

飯田「んッ!! ちょ…ちょっと待ってッ! 卒業まであと1週間ってことは
   ヤンジャン卒業イベントライブはどうなるのッ!?」
加護「あ…そうや! ウチてっきり来週末の武道館ライブが、ヤンジャンの
   卒業ライヴの舞台になるんやと思うとったがな! あ、あれぇッ!?」
鈴木「いや…武道館の前には、もう卒業してるぜ私? まだライヴまで10日
   はあるだろ? リハにも私の参加予定ないし。 …知らなかったっけ?
   べっつにいいだろぉ? 卒業ライヴだなんて、そんな大袈裟な…。」
保田「いッ…いや、よくねえだろッ!! アニータは許せても、そいつは許せ
   ねえぞオイッ!! そんなシマリの悪い、ジジババの肛門みたいな卒業
   なんかダメだろおッ!? その日が来て『ハイさよなら』じゃ寂しすぎる
   じゃねーかッ!! ていうか、アニータ許せねえよッ!! なあ!?」
安倍「そうだべそうだべ! あみちゃッ…ヤンジャンだって、大勢のファンに
   見送られて卒業したいべ? ファンに胴上げされながら、甲子園球場を
   六甲おろし歌いながらまわりたいべ? オマリーと握手したいべ?」
石川「したーい♪ バースさんのヒゲでセーター編みたいなチャーミー♪」
 ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ!
矢口「ハーイ、ワキをしめてコブシをねじりこむように打つべし!打つべし!
   これジャブの基本ね。 黒いキャンパスに、赤い絵の具を重ね塗り♪
   てゆーかオーイッ!! つんくさん、なに考えてるんだよぉーッ!?
   ヤンジャンになんのイベントも用意してないワケ!? ひでえよ!!」
鈴木「いいよいいよ、こっぱずかしいッ! この前の記者会見だけでも、十分
   照れくさかったんだからよぉ? まあ、最終夜にみんなで酒でも飲めば
   いいじゃねーか♪ 会場どこにする? 私んち? それともココ?」
ソニ「ジャブの基本は…っと。 こうニダか?」(ゴッ! ゴッ! ゴッ!)
後藤「そんなのヤダッ!! みんなでつんくさんに直訴しようよッ!!」


つん「鈴木の卒業イベントなぁ… いや、別に何も用意しとらんで?」
加護「ハァ!? しとらんでもエトランゼもないですがな、つんくはんッ!」
飯田「そッ…そうですよぉ! 卒業ライヴはモー娘。の必須イベントじゃない
   ですかぁ! 何も用意がないなんて、ヤンジャンが可哀想ですぅッ!」
矢口「つんくさんヒドイッ! 見送る私達の気持ちも考えてくださいよッ!」
高橋「そうダスッ! 男のクセに化粧だなんて実にキショイダスッ!!」
小川「特に目が焦点の位置が、バツグンに気持ち悪いですッ!!」
新垣「女衒。」
保田「よし紺野ッ!! つんくさんに一発、マロかましてやれッ!!」
紺野「オマエの母ちゃん、出マロ。」
つん「みんなそう怒鳴りたてるなや〜! 怖いやんか! 特に保田、特に顔。 
   そないなこと言われても、鈴木の事務所移籍がその日程なんやもん。
   仕方ないがな…。 あ、せやけど何もイベントがないワケやないで?」
鈴木「うわっ…別にいいッスよぉ! 私、結婚式と卒業は地味にやりたいと
   考えていまして…その…  な、なにやらされるんですか私…!?」
石川「二人三脚もとい、ソニン三脚で北朝鮮まで600キロ走破…とか♪」
安倍「自分を見つめなおす、全国の眼科まわりの旅なんてどうだべさ?」
辻 「タイでタガメ食べ歩き旅行もいいれすね♪ ラスボスにゲンゴロウ!」
後藤「私の家で、上級者トラップコースに挑戦ってのはどうかな? ね?」
ネコ「ニャー!」
吉澤「通訳すると『都会で夢見る恋の昼下がり、世の中気合いでブルガサリ』
   もしくは『加護亜依って加護亜依ってワタシ』と申しております。」
加護「いやいやいや! オマエちゃうやろッ! ほんならウチ誰やッ!?」
鈴木「いやいやいや! オマエら頼むから黙ってろよッ!!」

つん「実はな、杉本がちょうど武道館ライブのある来週末、同じ時間に、
   鈴木の単独ミニライヴの企画を用意しとるんや。」
鈴木「私の… 毒蝮三太夫?」
つん「単独ミニライヴッ!! つまりな、鈴木あみ再出発の記念ライヴを、
   限られた百数人のお客さん相手にやろうっちゅー話やがな〜♪」
辻 「そんなちっこいライヴより、のの達と武道館の大歓声につつまれた方が
   絶対楽しいのれすッ! バカバカしくて話にならないのれすッ!」
小川「第一、なんでそんな少ない客でのライヴなんですかぁ? 先輩だったら
   今からでも万単位のチケットさばけますよぉッ!? 失礼ですッ!!」
つん「いやいや! これがな、実は結構価値のあるでっかいイベントなんや。
   この限られた数百名の客というのが、全てこの業界のお偉いさん達で
   占められとるんや。 各局メイン歌番組の総プロデューサーや、企業の
   CMプラン責任者、各レコード会社重役、その他にも、将来鈴木の
   サポートをお願いしたい大物アーティストやアレンジャーなども集まる
   予定なんやで? オレと杉本の人脈を駆使して、その日にこれだけの
   VIPなメンツをそろえたんや! そらぁ〜ごっつでかい舞台やでぇ?」
鈴木(ゴクッ…)「な、なんちゅう胃に穴のあきそうなイベントを…!」
つん「鈴木…、これは大勝負になるで? 鈴木あみが、かつての活躍以上に
   この音楽業界で羽ばたけるか、鈴木の復活が業界を盛り上げる、大きな
   ムーブメントになり得るか。 業界を牛耳る蛇達の視線にさらされるっ
   ちゅーワケや! 最高のアピールの場になるでぇ!? どやッ!?」
鈴木「そんなこと急に聞かされても…! わ、私、そんな自信は…!」
つん「…オレは成功すると信じとる! かつてのオマエしか知らんヤツらに、
   モーニング娘。で成長し、輝きを増した、自分の姿を堂々と見せつけて
   やればいいんやッ! これがオレからの鈴木へのプレゼントやがな♪」


 ゾロ ゾロ…
矢口「なんつーか…オイラ業界の仕組みはよくわかんないけど、ヤンジャンに
   とってはいい話なんだろうな…。 たぶん。」
加護「成功すれば、ごっつ大きいコネができるんやろうな。 どや…新垣?」
新垣「コネで何でもかなうと思っちゃ、大きなミステイクよ…。」
ネコ「ニャ!」
吉澤「通訳すると『重みのあるお言葉、感服いたしました! ささっ、お茶を
   どうぞ将軍様! ところがどっこい白湯でございます。ウッヒャー♪』
   …そう利休さんが、切腹覚悟でオチャメかましているワケですが…。」
鈴木「いい話かどうか… 私にもわかんねえよ。 もう、パニックだよ…!」
安倍「とにかく決まったからには、頑張んなきゃヤンジャン。 なんかまた
   遠くに離されそうで正直怖いけど… チャンスはチャンスなんだから
   気合い入れてVIP LIVEを成功させるべッ! ビビっちゃダメだべ!」
小川「先輩はやっぱスゴイなぁ〜♪ スゴイけど… 尊敬しちゃうけど…
   でも… なんかマコ、うまく笑えないな…今。 なんでだろ…」
後藤「な〜にみんな暗い顔してるのさッ! 応援しなくちゃッ! ねッ!?」
飯田「…ウン! そうよね! ウチらも武道館からヤンジャンの元へ、熱い
   エールとなって聞こえるぐらい、大歓声のライブにしなくちゃッ♪」
高橋「うむッ! そうダスッ! ワタスらも負けてられないダスッ!!」
石川「ヤンジャンさん、来週末はお互い頑張りましょうね♪」
鈴木「うん… みんなありがとう…。」
保田「うるッせえよォッ!!! うるせえうるせえェエエエエエーッ!!」
矢口「…な、なんだまたオメエは、ネジの外れた鉄人28号みたいに…!」
保田「姫は姫のワガママで怒ってるんだよッ!! チャンスか何か知らんが
   ヤンジャンのいない武道館ライヴが、とにかく気にくわねえッ!! 
   わかっているのは、私のその気持ちだけさッ!! 文句あっかよ!?」


高橋「ふぅ〜…いいお風呂だったダスゥ〜♪ 寮のお風呂は広くてホント爽快
   ダスなあ! んまあ、ただ一つ欲を言えば… あれ、なんだっけ?
   ホラ、あのロン毛のネコの口から、お湯がゲボーッって出るヤツ…?」
紺野「マーライオンのこと?」(チョキチョキ…)
高橋「そうそう! そのマラなんとかっていうやつ♪ あれがここのお風呂に
   あれば、マラ1つで豪華ローマ風呂に早変わりするのダスになぁ〜♪
   ん? …ところで、さっきからあさ美、何を作っているダスか?」
紺野「これ? ヤンジャンさんのドッキリ送別会で着る、みんなのお衣装よ。
   保田さんに合唱用のコスチュームを13人分、明日までに作れって命令
   されちゃったの…。 愛ちゃん、もちろん手伝ってくれるでしょ…?」
高橋「いんやぁ〜ワタス不器用ダスから、服なんか作れないダスよぉ?」
紺野「大丈夫! 頭からスポッてかぶる、ポンチョみたいな簡単な服だもん♪
   えっとね…この白い布を、この型通りにハサミで切って、後はミシンで
   ダダダッって縫い合わせれば出来上がり! ね? カンタンでしょ?」
高橋「ほうッ! マシンガンでダディドゥデドダディ? 皆の衆、皆の衆?」
紺野「…ごめん。 ツっこみづらい、それ。」
高橋「あいやー! ヤンジャンさんなら上手に返してくれるダスのにぃ!」
紺野「うー… じゃあちょっと頑張って、オソロチックに返してみるね?
   『オイ、マラかよッ!! 風呂付き男根かよッ!!』 
   …ど、どう? フロふき大根と男根をかけてみたんだけど…!?」
高橋「い、いや… どうにもこうにも… ツッこむ場所間違えてるし…。」
紺野「あちゃぁー! 男根でツっこんじゃダメだったの? 男根じゃ…?」
高橋「だッ…だからダスな、ワタスがツっこんで欲しかったのは男根じゃッ…
   う…うんにゃ、もういいダス…。 ワタスが悪かったダス…。」
紺野「そんなことより、このままじゃ明日までに間に合わないよぉーッ!?
   ごめん愛ちゃんッ! リサとマコっちゃんも呼んできてぇーッ!!」

新垣「あのね、リサたん浴場でパンツ脱いでる最中だったのね…。」
紺野「うん、何となくわかる。 片足にパンツぶら下げて、変な格好してる
   なぁ〜って思ってたから。 …それでね、このお衣装を明日までに…」
新垣「ムキィイイイイイーッ!! 頸動脈かみちぎるわよ、このアマッ!!
   なんの権利があって、リサたんのリラックスタイムを奪いやがるのって
   聞いているのよ泥棒ネコッ! ペットセメタリーに埋めるわよッ!!」
紺野「うんうん。 それでね、この布をこの型紙に合わせてペンシルで…」
新垣「…オーケー。 このペンシルね?」(グサッ…)
高橋「コラコラお豆ちゃんッ! こういう時は同期で助け合うべきダスよ!」
紺野「イタタタタ… あ、あれ? ところでマコっちゃんは?」
高橋「ん〜…またヤンジャンさんのおうちじゃないダスか?」
新垣「おかげで相部屋にいつも1人だから、夜トイレまで一緒に行ってくれる
   人がいないのよね。 今じゃあのコのベッド、リサたんの携帯トイレに
   なっちゃったわよ。 もうアンモニア臭が目にしみて、目にしみて。」
高橋「それより急いで服を作ろうダスよ! これはどんな出来上がりになるん
   ダスか? 白いポンチョみたいな物だってことはわかったダスが…。」
紺野「うん! 実はね、デザインは私にまかされてるの♪ エヘヘヘヘ♪
   それでいろいろ考えたあげく、ヤンジャンさんへ歌を送る時に着る
   コスチュームなんだから、ゴスペル聖歌隊みたいな服がいいかなって…
   この白いポンチョの背中に、あとで発砲スチロールで作った天使の羽を
   つけたらステキだと思わない? 天使の合唱隊〜♪ なんちって♪」
新垣「ウッヒャー。 チープすぎて涙ちょちょぎれるわリサたん。 あのね…
   『クイズ100人に聞きました』で。『あるあるあるッ!』の大歓声が
   巻き起こるわよ、そんなチープなアイデアッ!! 小学生かアンタは!
   もういいッ!! リサたんがエリートならではの衣装を、デザインして
   あげるわよッ!! アンタ達は部屋の隅で遺書でも書いてなさいッ!」

保田「ほう…紺野。 紺野ちゃんよ、紺野ちゃん? パンクズちゃんよぉ?
   鳥のエサにしかならないパンクズ紺野ちゃん、略してパンノちゃんよ?
   お前ら3人が知恵しぼって作り上げたのが、このコスチュームか…?」
紺野「ははーっ! さようでございます、殿。」
保田「時代が時代なら打ち首獄門だぞ! この能無しチリメン問屋ァーッ!!
   どう考えたら、ヤンジャンにお別れの歌をプレゼントする時の衣装が
   ナース服と、フェンシング戦闘服になるんだよッ! 意味わかんねえ!
   頭の中身を片付けられない女達かテメーラはッ!! このADHD!!
   衣装のテーマは何だ!? 『荒くれ十字軍と痛いナイチンゲール』か!
   それとも『椎名林檎と、椎名誠モンゴルの旅』かぁッ!? それとも
   『カオリとハマアユの飼い犬の名前がどっちもリンゴ、同じアホなら
    カオリの圧勝ッ!』かぁッ!? ええ!? 答えてみろォーッ!!」
新垣「テーマ? それはもちろん『戦争と平和』よッ! ラヴよッ!」
保田「ヤンジャンの卒業とまったく関係ねーだろッ! どこの団体だキサマ! 
   トルストイがヒゲそったような顔しやがってコノヤロウッ!!」
飯田「ちょっとヨッスィッ!! ナース服で大きいの、これしかないんだから
   取らないでよぉッ!! カオリ看護婦がいい、看護婦がッ!!」
吉澤「もう着ちゃったもんねッ!! いやーん、ピンクのナース帽可愛い♪」
矢口「ジャンケンなジャンケンッ! ミニサイズ3つのうち2つがナース服!
   勝ったやつから選ぶんだからなッ!? 辻!加護!遅出しすんなよ!」
ネコ「ニャーッ!! ウニャニャニャニャッ!!」
高橋「あ、すまんダスッ!! ヤンゾーの衣装、作るの忘れたダスッ!!」
保田「ネコに衣装なんぞいらねえわボケッ!! ていうかオマエラ…ッ!!」
安倍「はーい、ナース服のミドルサイズ、あと一枚でーす♪」
石川「あ! それチャーミーとっぴ♪」
保田「どッ…どけぇ石川ァアアアアアーッ!!」(ズサァーッ!! バッ!)

後藤「ねえ、みんなでコスプレ楽しんでいるのはいいけど、こんな所を
   ヤンジャンに見られたらヤバいんじゃないの…? バレちゃうよ?」
加護「つーより、親に見られたぁないなぁ。 あっちじゃ集団でお医者さん
   ごっこしとるさかいな。 コネはパンツ脱がされとるし、小川なんか
   局の衣装部屋から聴診器持ち出して…コラコラ!小川! 飯田はんの
   頭に聴診器あてたらアカンッ! 確かに悪いが、そら病気やない!」
辻 「ヤンジャンなら、今日は別の打ち合わせれこっちには来ないのれす。
   なんか、例の復活ライヴの打ち合わせをするみたいれすよ?」
小川「小川も先輩についていきたかったなぁー。 今日マコ達はなんの仕事
   あるんですかぁ? 雨の日と先輩がいない日は仕事したくなーい!」
飯田「今日から武道館ライヴのリハ…ちょっと小川ッ! オデコに聴診器
   あてられたままじゃ喋りずらいっつーの! 電磁波出すぞ電磁波ッ!
   スキャナーズみたく、脳みそバーンするぞッ!!」
小川「じゃあもう1つ聴診器をあさ美にセットして…サイキックバトル♪
   さあ〜どっち勝つのかなぁ?  レディ〜〜〜〜… ゴォッ!!」
飯田「ブツブツ… 〓♯◆… マカレナ…」(モゥーン… モゥーン…)
紺野「ブツブツ… ※*◇… ヴァギナ…」(ミューン… ミューン…)
矢口「オイ…二人とも白目むいてるぞ? 気持ち悪いからヤメさせろよ?
   それよりヤンジャンも、これからしばらくは復活ライヴのリハに拘束
   されちゃうんじゃないの? だったら仕事で全然会えないじゃん!」
加護「そう言うてたで? まあウチらは夜に会えるからええけどなぁ…。」
飯田「ブツブツ… イエス…ワンダーランド…」
紺野「ブツブツ… アイム ヒアーッ!! ヒアーッ!! ヒャーッ!!」
飯田「ディァアアアアアアアアアアアアーーーーッ!!」
矢口「うるせぇえええええええええええーーーーッ!!」


 カチッ ピッピッピッ… ガチャッ! キィー…
杉本「どうです? ここが鈴木さんに御用意させていただいたお部屋です!
   いや〜都心に近くて交通の便がいい、下北沢か千駄ヶ谷あたりで
   物件探してみたんですけどね? どうせ送り迎えはこちらがすること
   ですし、ズバッと自由が丘で決めちゃいました♪ いかがですぅ?」
鈴木「いや…いかがっていわれても…! お家賃お高いでしょコレ…!?」
杉本「まあ、そこは鈴木さんがご心配されることじゃないですよ♪ でも
   ぶっちゃけ現在鈴木さんが住まわれている、エイベックスさんから
   用意されたあのマンションよりは、そりゃもう… ええ。」
鈴木「そんな私なんかにもったいない! 木造モルタルで十分ッスよ!
   なんならモルボルでもッ…! もしくは過去に首吊りブラーン経歴の
   ある、おフダまみれの心霊アパートでも…! いやホントに…!」
杉本「ダ・メ・で・すッ! 鈴木さんは、うちの事務所の将来…いえ!
   日本の歌謡界を背負っていかれる方なんです! そんな不用心な家に
   住まわせてしまっては、僕も心配でオチオチ寝ていられませんよ!
   ここはセキュリティも最高レヴェル! 入り口には10人の警備員!
   そしてこの部屋のある5階まで、各階ごとに武道の達人を配備して
   守りにつかせておりますッ! しかも毎月25日には、スペシャル
   ゲストとして、3階をボブ・サップさんに守ってもらっています!
   並みの人間は4階までは行けませんッ! まあちょっとギャラは高く
   ついてしまいましたが…ハハッ! まあ念には念をこめて♪」
鈴木「スパルタンXの5重の塔じゃないッスかッ!! そのへんの官僚より
   金の使い方まちがってますよそれッ! サップいらないじゃんッ!」
杉本「しかも部屋のロックは指紋照合! 外壁も対戦車用ミサイルぐらいは
   余裕で受け止めます! 誰もこの部屋には勝手に侵入できません♪」
鈴木「誰…も………!?」

杉本「あれ? なにか浮かないお顔されていますね…? まだ心配ですか?
   わかりましたッ! それでは毎週末、4階にミルコを…」
鈴木「いやいやいやッ! ミルコもノゲイラも小比類巻もいりませんッ!!
   いや…あの…それじゃ辻加護、気軽に遊びにこれないなぁ〜…て。」
杉本「なんでですか? 鈴木さんが御在宅の時に、お呼びすればいいじゃ
   ないですか? まあお忙しくなって、今までのように顔を合わせる
   ことも難しくなりますし、寂しくなる気持ちはわかりますが…。」
鈴木「ああ、いえ…。 なんつーか…。 今までみたく、うちに帰ったら
   あの二人が部屋で待ってるって事は、なくなるんだなぁ〜なんて…」
杉本「…鈴木さん。 申し訳ありませんが、モーニング娘。の皆さんと、
   今までのようなお付き合いは、御遠慮ねがいます! 同居するなんて
   もちろんダメですよ!? 生活のリズムを乱されては、お仕事にさし
   つかえてしまいます! そのあたりのケジメはつけていただきたい
   ですね。 まあ、このマンションのセキュリティが、それを許す事が
   ないので安心ですが…。 でも、ホントにお願いしますよッ!?」
鈴木「あ、ハイ! それはもちろん…! さすがにこの警備環境じゃ、あの
   辻だって突破はムリですよね…。 わ、わかりました…!」
杉本(ニコッ♪)「それでは室内へ御案内しますね。 ちょっと1人で住む
   には広すぎるかもしれませんが…大は小をかねるって言いますし♪
   こちらがリビングになります! 新築だから内装もキレイでしょ?」
鈴木「ブッ!? な…なんスかッ!? この巨大なテーブルはッ!?」
杉本「イタリア製の特注です♪ パーティを開いた時なんか便利ですよ?」
鈴木「で、でも、普段はこの食卓で… 1人でゴハン食べるんですよね?」
杉本「最高の食卓でしょ? こりゃもうお姫さま気分を満喫できますよ!」
鈴木(最高の食卓って… きっとそんなものじゃないッ…! それに… 
   お姫様気分は… 姫になっていいのは… アイツだけだもんッ…!)


夏 「小川、もっとセンター寄りッ! ああッもう! 新垣は動くなよッ!
   死体のように動くなッ!! サビまで、その位置をキープッ!! 
   ちがうちがうッ! 紺野はもっと左の位置ッ! そう、左寄りッ!!
   んあ? とってる新聞は朝日!? その右、左の話じゃねえッ!!」
矢口「夏センセーあせってるなぁー。 ヤンジャンが武道館ライヴに参加
   しないんで、ポジションやパートが大幅に変更だもんねー。」
安倍「まゆみちゃんも武道館ライヴが、ヤンジャンの卒業ライヴになると
   思ってたらしいべさ。 急な話でスタッフの皆さんも大忙しだべ。」
飯田「カオリ達も大変よぉー…。 ヤンジャンのパート、けっこう引き継ぎ
   させられたからねー。 でもまあ、5期メンが入った分、受け持ちが
   少なくすんで助かってるけどさ。 新垣なんか露骨に喜んでるし…」
石川「ホ、ホイッ!! …あれ? ホ、ホホイッ!! あ、あれぇ〜!?
   はうぅ… ヒサブリだから、タイミング忘れちゃったよぉ…!」
加護「いつもはI WISHでヤンジャンとペアで踊っとったのに、これでまた
   ヤギのツラ見ながら、作り笑顔でクネクネせにゃならんがな…。
   ああーッたまらんのぉーッ!! 早よ家に帰りたいわいッ!!」
保田「おめぇらタンポポやミニモニはまだいいよ。 私達プッチなんか
   1人抜けただけで地獄だぜ? そんでまた、ヨッスィの覚えが悪いの
   なんのって! 小川おめえライヴ当日、代わりに入らねぇマジ?」
小川「ヤンジャン先輩の代わりにですかぁ!? キャアッ♪ だったらマコ
   今から美容室行ってきて、先輩と同じ髪型にしてきますぅ♪」
保田「いや、ヨッスィの代わり。 1週間で同じ体型にしてこいよ?」
小川「じゃあまず文房具屋に行って、ホクロ用のマジック買ってきます…」
吉澤「おう、2本買わないとインク足りなくなるからな?」
辻 「くふん… ヤンジャンのいないリハ練習はつまんないれすねえー…。
   あ、偽パンチラちゃん! ついでに8段アイスもお願いなのれす!」


鈴木「うう〜〜〜〜…ん… いや、ちと待てよ? ダメだ、パッとしない…。」
小川「先輩、なに自分の昔のCD並べてブツブツ言ってるんですか?」
加護「いくら昔のジャケ写ながめても、若かったあの日は返ってけぇへんで?
   オマエもそろそろええ年やさかい、ヘアヌード撮るなら今のうちやど?
   中澤はんみたく、陰毛の白髪コツコツとピンセットで抜くようになったら
   メスとして終わりやがな。 しまいには稲葉はんみたく、駅前の定食屋で
   ツマ楊子シーハーしながら、見知らぬオヤジ客と日本シリーズ観るように
   なっちまうで? そうならんうちにオケケ撮るど! ホレ脱げやッ!」
辻 「さあ、思いっきり脱ぐのれす! そう、初期の大竹まことさんのように!
   お尻をプリッと出して、山瀬まみをキャアキャア泣かせるのれすッ!」
鈴木「だぁああああああああッ!! うるせえッ!! 向こうで3人プレイで
   ボンバーマンでもしてろよッ! こっちは考え事で忙しいんだからッ!」
加護「せやからコントローラー1個あまっとんねん! ヤンジャンへ壁越しに
   ポイポイ爆弾をパンチングするのがボンバーマンの醍醐味やろがッ!」
小川「先輩、1人会議はよくないですよぉ? 考え事ならマコ達にも相談して
   くださいな! 3人寄れば文殊の知恵、4人寄れば脱衣麻雀ッスよ!?」
鈴木「オマエらに相談しても役に立たねーもん…。 ちっと前だって、親父への
   誕生日プレゼントを何にするか悩んで相談したあげく、辻の出した答えが
   『クリスマスによく売ってる、長靴にお菓子がたくさん入ってるアレ』
   加護の出した答えが『ヒモ無しバンジーの名所、足摺岬への片道キップ』 
   小川の出した答えが『逆転裁判2』…だっただろ? 問題外だよ…!」
辻 「ナイスアドバイスじゃないれすか? で、結局、なにあげたんれすか?」
鈴木「さ…裁判費用…。 いや、足りないつってたからさ…!」
加護「オマエな…そのチョイスは成人女性として危ういで? やっぱウチらが
   側におらんとヤバいわ。 オルァ!何を悩んでたかサクサク話せやッ!」

鈴木「いや、悩みって言っても、別にブルーな出来事に頭をかかえてたワケじゃ
   ねえんだよ。 つーか私の悩みの8割が、オマエらの生活態度だからな。
   実はさ、今日の復活ライヴの打ち合わせで、ライヴで歌う曲選択、少々
   モメたんだよね…。 ホラ、別に新曲を用意してるワケじゃねえしさぁ?
   アミーゴ時代のヒット曲メドレーみたくなっちゃうワケじゃん?
   にしきのあきらの年末ディナーショーじゃねえんだからよぉ…。」
加護「プッ! 今時ビートゥギャーザ連呼は、ルー大柴でも恥ずかしいやろ?」
鈴木「だろォ〜? だからさぁ、結局私の昔の曲は3本だけに絞って、あとは
   他のアーティストの曲をカバーで歌う事に決まったんだけどさー…。 
   問題はその自前の曲の3本を、私が決めなくちゃならない事なんだよ。
   何歌えばいいのかなぁ〜…ってさ。 まったく困っちゃうよなー。」
辻 「なら、ののが決めてあげるのれす♪ えっとね、一つはラブマれしょ〜?
   あとレバニラと乙女の心理学! ののストップも捨てがたいのれすぅ♪」
加護「ウケ狙いに『理解して!>女の子』もオモロイな♪ ヤギの声マネで!」
小川「アンコールにもう一回、『理解して!>女の子』  これ最強&失笑♪」
鈴木「失笑買ってどうするんだよッ!! 私の自前の曲だって言っただろッ!?
   自分の持ち歌の中から3本なの! モー娘。の曲選んでどうすんだよ!」
辻 「モーニング娘。の歌は、全部ヤンジャンの持ち歌なのれす…。」
加護「そやで! ラブマも恋ダンもハピサマも、モー娘。の歌はみんなオマエと
   ウチらの曲やで!? オマエはモーニング娘。の鈴木あみやろうがッ!!
   これこそ自分の持ち歌、自前の曲やって、堂々と歌ったらええやんけ!」
小川「そうですよ! 堂々と『理解して!>女の子』歌えばいいんですッ!!」
鈴木「いや…! それはわかってるけど…! ていうか、それ石川の曲だろ…?
   あのな? モーニング娘。の曲は、再出発の意味を含めて禁止ってことに
   なってるんだよ…。 だから、カバーの意味で歌うのもダメなんだ…。」
加護「なんやッ!? 復活ライブでウチらの曲、歌ったらアカンのかい!?」


飯田「さてと… それでは、ヤンジャンビックリ送別会の会議を始めますッ!
   みんなそろってるよね? サボってるヤツいない? 新垣もいる?」
高橋「麻琴と、辻ちゃん加護ちゃんが来ちょらんダス。」
矢口「ああ、アイツらなら呼んでないよ。 ヤンジャンに『今日、何してた?』
   って聞かれて、ウッカリ答えちゃいそうだろ? 特に辻、たぶん辻。
   この秘密計画のカモフラージュの意味もこめて、家に帰したよ今夜は。」
保田「それより、なんで集合場所が私の家なんだよ? こんな千葉くんだりまで
   大勢で押しかけやがって…! あ、紺野… その中学の卒業アルバムな、
   勝手に開いた瞬間に、オマエの瞳孔も開くことになっからな…?」
飯田「だってホラ、みんな集まってるのヤンジャンに知られたくないじゃん?
   ここってド田舎だし、携帯に連絡あっても電波届かないと思ってさ♪」
保田「届くわッ!! まさか姫に滅多に電話してこないの、それが理由じゃねえ
   だろうなッ!? 近所に牛はいるけど、コンビニだって1件あるわいッ!
   …夜10時に閉まるけどな。 おかげでヤンキー集まらなくていいけど。
   朝、お婆ちゃん大量に集まるけどさ。樹液に集まるカナブンのように。」
後藤「いつきても圭ちゃんの部屋って、ボクシングジムの臭いするよねー。」
保田「いつきてもゴッチン、それ言うよな…。 ほっとけよ! あ、新垣…。
   そこの一眼レフを勝手に触った瞬間に、オマエ異次元まで飛ぶからな?
   裕ちゃんから教わった、ナカザーディメンションがヒットするぜ?」
安倍「それで今夜はいったい、何について話し合うつもり? 北朝鮮拉致問題?
   蓮池さんのお兄さんのヒゲについて、徹夜で議論するんだべか…?」
ネコ「ニャー」
吉澤「通訳すると『I WISHのPVの加護のヒゲ、あれは私のヒゲのパクリだ。』
   …そう、小林亜星さんがちゃぶ台をひっくり返し、息子役の西条秀樹を
   つき飛ばしているわけですが。 …てゆーか、お茶も出ないのこの家?」
保田「いつきてもヨッスィ、それ言うよな…。 お茶出しても飲まねーし…!」

飯田「今夜はね、ビックリ送別会でカオリ達が合唱する歌を決めるの。
   コスチュームだけ決まって、かんじんな歌がまだ決まってないでしょ?
   カオリね、やっぱりモーニング娘。の曲がいいと思うんだけど…?」
安倍「ハイハイハイッ! なっち、『ふるさと』がいいと思うべッ!」
矢口「…言っておくけど、合唱だからなっちのソロはないよ?」
安倍「あ、だったらいいや。」
後藤「やっぱりさ、メッセージがこめられた歌詞の歌じゃないとねー…」
石川「ハイハイハイ! 『理解し…」(メキッ!)
保田「シングル曲の中からじゃ難しいかな? 最初の頃の曲は、湿っぽい歌詞
   ばっかりだもんねー。 『あんなに好きって言ってたじゃな〜い』とか
   『疲れきった恋愛に』とか『だけど愛しすぎて、だからもう会えない』
   とかさ? …へイ!カモン紺野ッ!!」
紺野「オイ、みっちゃん混じってるよッ!!」
保田「…55点。 模範ツッコミは『今関あきよしかよッ!!』…これ最強。」
後藤「別にシングル曲じゃなくてもいいじゃない? Never Forgetなんか
   ピッタリだと思うけど? これって卒業の歌なんでしょ?」
矢口「卒業の歌っつーか、アスカの卒業の時に、つんくさんが作った歌だよ。
   うん、でも歌詞はピッタリよね。『忘れないわ あなたの事』ってさ♪」
飯田「でもこれ歌うと、アスカの顔がチラつくのよね〜。 やっぱりこれって
   アスカ卒業の歌でしょ? ママのお古の晴れ着みたいで何かヤダなー…」
安倍「使い古しの歌じゃなく、ヤンジャンのための卒業ソングを選ぶべさ。」
保田「う〜ん… オイ5期メン! 先輩達が悪い頭ウンウンうねらせてるのに
   なに黙ってんだよ!? なんか意見ないの〜!? オラ! 高橋ッ!」
高橋「はぁ…ワタスもいろいろ考えているんダスが…。 福田先輩の時みたく
   つんくさんがヤンジャンさんに曲を作ってくれれば、こんな悩まなくて
   すむんダスけど。 それは無理ダスし… あれ? 無理…なんダスか?」

矢口「ん? いや、無理だと決めつめるのは早いんじゃない!? そうだよッ!
   つんくさんに曲作ってもらえばいいじゃんッ!! なあッ!?」
飯田「ちょっとちょっと! もう日にちが全然残ってないのよォ!? 
   ビックリ送別会はヤンジャンの卒業前夜の予定なんだから、5日しか
   ないんだもん! そんな急な話、つんくさんに頼めるワケないじゃん!」
吉澤「つんくさんなら簡単に作れるんじゃねーの? 5日もあればさ?」
安倍「コラコラ、曲とか作品を生み出すってことは、赤ちゃんを産むのと同じ
   ようなことなんだよぉ? そんなまるで、お母さんに明日まで弟が欲しい
   って駄々をこねる子供のようなお願い、つんくさんに対して失礼だべさ?
   そりゃあ、作ってもらえるなら、それにこした事はないけど…さ。」
保田「失礼もクソもあるかよ? ヤンジャンの卒業イベントを何も用意してない
   つんくさんの方が失礼じゃん!? 無理してでも作る義務があるねッ!」
後藤「でもさ、時間がないからって、適当に作られても困るし…。」
紺野「あのぉー…  卒業は5日後ですけど、ヤンジャンさんがソロでお仕事
   始められるのは、その3日後の復活ライヴから…なんですよね…?」
飯田「あ、うん。 そうだけど… それがどうしたの紺野?」
紺野「いえ、あの… もしビックリ送別会の日程を、ライヴ前夜にずらせるなら
   もう少し時間の余裕ができるんじゃないかな〜って思いまして…ハイ。」
石川「あ、そうですよ! 表向きには事務所から籍が外れる日を『卒業』って
   ことにしるけどさ、別に私達がそれに合わせる必要ないんじゃない?」
後藤「…うん! お互い別のライヴ会場へと分かれ道を踏み出す時が、言葉通り
   本当のお別れの時だもんね! 私もライヴ前夜がいいと思う♪」
矢口「うんうん! 日程ズラそうぜ!? 第一、卒業の日なんかに呼び出したら
   いかにもって感じでつまんねーじゃん? 高橋、紺野、ナイス進言ッ♪」
保田「よし! 褒美に姫の卒業アルバムを見る権利を与えようッ! ホレッ!」 
高橋・紺野 『ギャアアアアアアアーーーーッ!! ホ、ホクロがぁああ!?』

飯田「ちょっと時間が増えたからって、それで万事OKってワケじゃないのよ?
   つんくさんが無理だって言えば、それまでなんだから…!」
安倍「合唱を練習する時間も欲しいし、送別会当日に曲ができあがっても困る
   べさ? 実際はもっと早めの完成をお願いする事になっちゃうんだよ?」
新垣「先輩達、頭悪いわねぇ〜? 曲も詞も頼めばそりゃ時間もかかるでしょ?
   だったら作詞の方はリサたん達、メンバー全員で書けばいいじゃない♪
   あとはつんくさんがそれにメロディをつけるだけだもん。 
   お風呂でオチンコいじってる間に、サクッと鼻歌で作ってくれるわよ!」
保田「〜〜〜〜〜〜〜ッ!! に、新垣ッ! お前ってヤツはぁ〜〜〜ッ!!
   ヤザワ最高、新垣最高ッ!! もとい姫も最高ッ!! サイコ!!
   おっしゃーッ!! オメエには特別、姫の小学校の修学旅行、二日目の
   集合写真を見せてやるッ!! 上段の右から4番目が姫様じゃーいッ♪」
新垣「………ふむ、これね?」(キュキュキューー…)
保田「コラコラ、白いペンで顔を丸く囲むな! 霊じゃねえよッ!!」
後藤「それ素敵♪ 他人の言葉を借りてじゃなく、自分達の言葉でメッセージを
   伝えられるじゃない! でも… あんまり直球だとテレ臭いかな…?」
吉澤「あんまりシメっぽいのはヤダなー私。 何かガツンと景気良く送り出せる
   そんな曲がいいよ! 暗い歌詞書いちゃうと、つんくさんバラード調の
   曲を用意しちゃうからさぁ? やっぱ明るく元気な、フンドシと荒波が
   似合う男らしい歌詞にしようぜ!? テーマは『日本海!!』」
保田「よし! オマエはそのまま海流に乗ってカムチャッカの流氷を見てこい!
   帰りは小湊っつぁんの地元あたりから、また海流に乗って戻ってくりゃ
   いいさ。 でも気を抜くと、流されてレファと会う事になるからな…?」
矢口「んー♪ やっぱオイラも明るい曲がいいな! 笑ってお別れしたいよ♪」
飯田「作詞かぁー… いいかも♪ もしつんくさんが曲を作ってくれなくても、
   詞だけでもプレゼントすることできるしね♪ それでいこっかぁッ!?」


鈴木「曲を選ぶのって難しいなあ、マジで…。 三国志で軍師を決定するのは
   パラメーター見りゃいいけどさ? これはそうもいかないもんなぁ…。」
小川「お客さんの立場なら、やっぱりBE TOGETHER 聞きたいんじゃないです
   かねえ? 先輩といえば、この曲のイメージが濃いですし。」
加護「客の立場だなんてどうでもええねん! ヤンジャンは何が歌いたいんや?
   マイナーな曲でもええさかい、自分の好きな歌うたうのが一番や!」
鈴木「いやぁ、歌手なら客の立場や希望も考えなくっちゃダメだろ?」
辻 「面倒れすから、プッチの歌をうたっちゃえばいいのれす。」
鈴木「だっから、ハロプロ関係の歌は全部ダメなのッ!! さっき言ったばかり
   じゃねえかボケッ! オマエの頭は右耳から左耳へ、青函トンネルでも
   開通してるのかオイ? トンネルを抜けるとそこは雪国か?」
加護「せやけど納得いかんのう! あいぼんさん、首かしげっぱなしやがな!
   なんでモー娘。の歌、うたっちゃアカンねん! アホかッ!!
   そこまでしてヤンジャンから、モーニング娘。臭を消したいんかいな?
   杉本っちゅーオヤジは、前世が消臭剤か? キムコか? サワデーか?
   どっちやヤンジャンッ!? まさかアリエールじゃあるまいなッ!?」
鈴木「知らんわッ!! 杉本さんだって… 私が成功するように色々考えて
   くれてるんだよ、一生懸命…。 ハァア… もう考えるのつかれたわ。
   小川、コーヒー入れてきて! 休憩いれようぜ休憩ッ!」
小川「あ、ハーイ♪ いつもどおり、ブラックでいいんですよね〜?」
鈴木「たまには何か入れてみるかな? 頭が疲れてるから甘いもの欲しいしね。
   じゃあ今日は気分を変えて砂糖とミルク入れちくり。 あと愛情も♪」
小川「ハッぷるるるるッ!! んもう! 愛情はいつも入れてますぅーッ!」
鈴木「おいおい、ツバ入れたりすんなよツバ? ブハハハハハッ!」
加護「なあヤンジャン、なにか一曲だけでもモーニング娘。の歌を、ライヴ
   で歌うことはできんもんかいのぉ? 杉本さんにお願いでけへんか…?」

鈴木「え〜? そうだなぁ… 決定したことだから、もう無理だと思うぜ?
   会議でモメにモメて、やっとこさ『モー娘。の曲はナシ』って決定を
   スタッフ全員が了承したんだもん。 今さら私がそれをむし返すマネ
   するのは問題あるだろぉ?   …でも、なんでまた?」
加護「うん、あのな? ウチらとヤンジャン、同時刻にライヴあるやろ?
   こんなん言うと、ガキくさいってオマエ笑うかもしれへんけど…」
辻 「ヤンジャンとね、おんなじ時間におんなじ歌をうたいたいのれす…。
   会場は違うけろ… みんな一緒の卒業ライヴを味わいたいのれす。」
鈴木「ブハハッ! ガキくせぇー! どっちが考えたのソレ? え、加護?
   オイこっち顔見せてみろよ? なに照れてんだオイ? ブハハッ♪」
小川「キャアーッ!! それいいそれいいッ! やりましょうよ先輩ッ!」
加護「せやけど…アレやろ? そんなお願いしたら、そっちモメるやろ?」
鈴木「えー? いやぁ… いいよ? お願いしてみるよ。」
辻 「ホントれすかぁ!じゃあアンコールでおんなじ歌をうたうのれす♪」
鈴木「いやいやいやッ! たぶん無理だぜ? 無理だけど… 一応お願い
   するだけしてみるってことさ! あんまり期待するなよぉ?」
加護「無理せんでもええで? できたらええな〜って話やさかい…。
   ヘヘッ♪ でもどうせなら、そのせいでまたモメにモメて、ソロ復帰
   の話がオジャンになったら、ウチ最高にオモロイんやけどなぁ〜♪ 
   …あ、そないなこと言うたら怒るけ?」
鈴木「ハハッ! んまあ〜…オジャンになったら、そん時はそん時だぁ♪ 
   それより小川ァーッ!! コーヒーにツバ入れただろテメェッ!? 
   なんでコーヒーに泡浮いてるんだよゴルァッ!! オマエのいう愛情
   ってヤツは、歯周病菌たっぷりの毒物の事かよ!この青蛙がッ!!」
辻 「オマエ、菌ヲ出セルノカ?」
小川「それ、カプチーノですってばァアアアアアアアアーッ!!!!」


新垣「ねえこのお布団、工業廃棄物で酸化した柔道着の匂いがしない?」
保田「どういう例えだよ? ソムリエの試験勉強でもしてるのかオマエ?
   私の布団に文句あるなら、せっかくお客さま用の布団用意してるん
   だから、他のやつと一緒に寝ればいいだろ〜?」
新垣「だってぇ…。 吉澤さん、平気なのォ?」
吉澤「えー? 慣れっこ。 ブスは3日で慣れるって言うだろ?」
保田「オイ…その例えも腰がくだけるほど間違ってるよ。 てゆーか、
   ヨッスイは自宅で、ゴミための中に埋もれて寝てたからなぁ。
   どんな環境でも寝れるんだよ。 野生動物に近いからなコイツ。」
吉澤「その野生動物のヤンゾーが、匂いに耐えきれずゴッチンのお布団に
   逃げ込んでるんだけど? フレーメン現象に顔ゆがませて…」
ネコ「ウ…ニャニャニャ…ググググ…」
後藤「あらら、痙攣おこしちゃって…。 お〜ヨチヨチ。」
保田「ホラホラ…あんまり私ら喋ってると、うるさくて他メンが寝れない
   だろ? 明日もきっついリハが待ってるんだから早く寝ようぜ?」
矢口「…つーか、オマエラ以上に、圭ちゃんちの犬の遠吠えがうるさくて
   全然寝れねーよ! なんでまたアンタんち、こんな大量にワン公
   飼ってるんだ? 何匹かソニンにやれよ。 アイツ食うからさ。」
保田「いや…悪性腫瘍のガン細胞のように、えらいイキオイで増殖するん
   だよ、私んちの犬共。 モーニング娘。じゃあるまいし…。」
飯田「眠れそうもないから、さっきからずっと歌詞を考えてるよカオリ。
   でもさー…ヤンジャンの顔を浮かべるとね、浮かんでくる歌詞が
   『ほらガードがガラ空きよ? ミドルキックで内臓ぶちやぶれ』
   とか、『肩もめコラ』とか、そんなんばっかりなんだよね?」
安倍「…カオリ、寝な。」


 スピー スピー… クカァー… センパーイ…ムニャムニャ…
加護「…よく新聞紙に埋もれて2秒、ソッコーで眠りに入れるもんやな
   小川は? そんな寝床で冬とかどーすんねん? 凍死するで?」
鈴木「あ、加護まだ試したことなかったっけ? ネコのトイレベッド。
   またの名をプッチベッド。 でもまあ、冬を迎えるまでもなく、
   どうせこの家はあと5日で引き払うんだもん。
   壁に穴も空いてない、暖房完備の相部屋に戻るしかねーだろ?
   小川のことだから、自分の部屋に戻っても、プッチベッド作り
   始めそうだけどな。 同居人の新垣、可哀想に…。 ブハハ!」
辻 「ヤンジャンの新しい家に、またベッド作るんじゃないれすかぁ?
   できれば…ののもそっち行きたいなぁ〜なんて。 てへてへ♪」
鈴木「あ、今度の家な、セキュリティ凄いぞ? 今までのように、
   オマエラ勝手に忍びこめなくなったぜ? ガーディアンとして
   ボブ・サップが廊下に仁王立ちしてるからな。」
加護「マジかいな? オマエ、サウジの王様にでもなったんか…?」
辻 「くふん… とうとうヤツと闘う時が来たとれすか…。
   ちょっとキツいれすね。 れも、いいらさんとタッグくめば
   倒せないこともないのれす♪ 打撃戦でいいらさんが応戦してる
   そのスキに、ののが関節技をボビーにキメるとれす! 完璧ッ!」
加護「オイオイ…ケジメつけるために、もうそないな、同居をムリヤリ
   きめこむようなマネは、絶対せえへんって誓ったやんけ?」
鈴木「ごめんなぁ…? でも私が家にいる時は、いつでも気楽に遊びに
   これるからさ? まあ忙しくなって、お互いスケジュールも合い
   づらくなるし、今までのようにしょっちゅう会えないけど…さ。」
加護「あ、あのな… これヤンジャンにまだ話してなかったんやけど…」
鈴木「ん? なんだよ…?」

加護「…ウチらな、この家にこれからも住もう思うとるねん。」
鈴木「ハァーッ!? いや… なんでまた? ホラ、私もいねえしさ、
   辻と一緒に相変わらず住むなら、加護の部屋でいいじゃんか?
   なにもこんな、いつ壁が崩壊するかわからんような危なっかしい
   ボロ部屋に住まなくたってさぁ…。 やめとけよ…?」
辻 「このボロ部屋がいいのれす。」
鈴木「アレか? 一応、家具とか生活用品がすべてそろってるからか?
   ンーまあね…。 加護の部屋って、なんにもねーからなぁ…。
   でもそれならな? ウチにある家具とか電気用品とか、欲しいの
   あれば好きに持ってっていいんだぞ? あ、ファミコンはダメな。
   杉本さんがさぁー、頼んでもねえのに高級家具とか全て用意して
   やがんの。 このベッドだって、オマエらにあげられるぜ…?」
辻 「このボロ部屋がいいのれすッ!!」
加護「なんちゅーかな… このベッドと、割れた窓ガラス、ヒビの
   入った壁、天井にめりこんだ巨大ザク、あちこちにある血痕。
   それが全てセットやねん。 いろんな思い出がつまった、この
   ボロ部屋…。 ウチらやっぱな、ここ離れる事がでけへんのや。」
鈴木「フ、フン…! 勝手にしろよ…! 大家さんにはオマエらが
   話つけとけよ? あと、部屋の中は絶対見せるんじゃねーぞ?
   間違いなく追い出されるから。 …でもまあ、おかげで巨額な
   修繕費払う予定がふき飛んで助かったけどな? …ハハ♪」
辻 「そしたら、ヤンジャンたまにこっち泊まりに来てくれるでひょ?
   たまには昔を懐かしんで、4人で一緒に寝るのれすよ♪」
鈴木「ダッ…ダメだよ! それは…ダメ! 泊まりこねえよ、私ッ!」
加護「な、なんでやぁ〜ッ!? それが一番の楽しみなんやでぇッ!?」
鈴木「…だって。」(…そのまま戻れなくなるもん私…)


つん「まずはその歌詞を見てからやな。」
矢口「…え? それじゃ、つんくさんに曲を作って欲しいってお願い、
   まるっきりNOっていうワケじゃないんですね?」
つん「普通に答えたらNOやで? 当たり前やがな。このクソ忙しい
   毎日送っとるプロデューサーのオレに、気軽に曲作れだなんて
   ぬかしよる、オマエらの神経がわからんわ。
   偉くなったもんやのう? 普通オレに曲を依頼するってことは
   同時に札束積むことなんやで? …金出す気ないんやろ?」
安倍「笑っちゃうぐらい、毛頭ないべ♪」
吉澤「どうしてもゼニ出せって言うなら、新垣のパパが出します。」
新垣「リサたんのソロ、なおかつ世に出ないかぎり、パパ出さないと
   思うけど〜? パパとケンカ中だから、頼む気もないわよ…。」
飯田「じゃあ…曲作り、ダメなんですか?」
加護「冷たいボスですな〜つんくはん? その体の中にゃ、日本銀行
   と印刷されとる、札束でできた臓器が埋まっとるんやろ?
   別に口座にため込んだアンタの金よこせゆぅとるワケやない!
   そのドタマにため込んどるパクリ曲のストックを、ヤンジャン
   のために分けてくれ言うとるだけやがなッ! この黒乳首!」
石川「そうよッ! チャーミーより黒乳首ッ!! 十勝の黒大豆ッ!」
つん「ちッ…乳首黒くないでッ! オレ、乳首黒くないでッ!!
   黒のメッシュに透けた乳首が、黒ぅ見えてるだけやがなッ!!
   …あのなぁ、せやから普通に考えたらNOやって言うたやろ?
   ほな、オマエらがそのNOをくつがえして、オレが曲をつけて
   やりとうなるぐらいの歌詞を作って持って来い言うとるんや!
   オレかて、全て仕事で曲作っとるワケやないでッ!!
   あと黒乳首、マジで取り消せやッ!! 話はそれからやッ!!」


杉本「ダメですッ!! モーニング娘。の曲は歌わない、そう会議で
   やっとこさ決まったばかりじゃないですかぁ!」
鈴木「…1曲だけでもダメ?」
杉本「ホント困らせないでくださいよぉ〜鈴木さん…。
   今またそうやってこっちから方針変えちゃうと、スタッフが
   マジギレしちゃいますから…! それに今回はモー娘。から
   完全に脱却した、新生鈴木あみを業界の皆様に紹介するって
   ことが最大のテーマなんです。 元・モーニング娘。だという
   看板を掲げないで勝負する、そういう方針に賛同して集まって
   くださったスタッフも多いんです! 頼みますよホント!」
鈴木「ブー…」
杉本「あああああ、下唇突き出さないでくださいよぉ…。
   僕も鈴木さんと、頭下げて集めた有能なスタッフ陣。両者から
   板挟みでけっこうキツイんですから…。 お願いします…!
   あ、そうだッ♪ ライヴでの衣装が出来あがりましたので、
   見ていただけません? クスクス…実は今回、衣装デザインを
   ヨージマツモトさんに頼んじゃいました♪ 出来最高ッス!」
鈴木「あみたん、ザ☆ピースの水兵さんルック着たいなー?
   あとね、キスマークのシールも貼りたい♪ ムキーッ!!」
杉本「鈴木さぁああああああああああああんッ!!」
鈴木「ジョークですよジョーク…。 ちょっと新垣のモノマネして
   ふざけてみただけですぅー。 いいじゃんこれぐらい…」
杉本「言っておきますけど、MCでモー娘。のモノマネなんて、
   もちろん御法度ですよ? ホント、勘弁してくださいよ?」
鈴木「あみ・ちゃん・デスッ♪ …もダメ?」
杉本「鈴木さぁああああああああああああんッ!!」


飯田「できたッ! こんな歌詞はどう? なんとなくカオリがアウトライン
   だけ作ってみたんだけど? やっぱカオリってポエマーよね〜♪」

   『〜ヤンジャンのテーマ〜 作詞:飯田圭織 作曲:黒乳首(仮)』
   (Aメロ)  
   アーアーアアアアアー アーアーアアアア… ディァアアアアーッ!
   熊の子みていた隠れんぼ お尻を出した子 毛は出すな
   出る杭打たれて 二岡のホーマー ニキビの芯を ひねり出せ!
   (Bメロ)
   恋の呪文はスキトキメトキス
   今日も元気 今日も元気 ハイキング
   (セリフ:石川予定)
   「ヤンジャンはお菓子のホームラン王です!」
   (※サビ)
   この大空に 翼を広げ 飛んで いきたいよー
   あのコの 命は ひこうき雲 
   あのコの 命は ひこうき雲 (※繰り返し)
飯田「どう?」
後藤「死ね。」
安倍「死ね。」
紺野「…ピッチャーふりかぶり、投げたー、打ったー、セカンド飛びついた
   1塁に送球ー、ランナーすべりこむー、ターッチ、審判の判定はー…
   死ね。」
ネコ「ニャー。」
吉澤「通訳…『死ね。』」

飯田「みんなよってたかってッ…カオリの詞のどこが悪いって言うのよ!?」
矢口「いや…歌詞のどこが悪いか考える前に、カオリの脳幹のどこが悪いか
   患部を探ることから始めよう。 話はそれからだ。…次に病院だ。」
加護「普段『死ね』と言わへん3人から、先制コンボが放たれたからのぉ…」
飯田「アンタ方にポエムの何がわかるっていうのさ! カオリは毎日のように
   詩をノートにつづって、詩集出せるぐらい書いているんだからねッ!」
保田「詩集ってオイ… 日本人の7割が歯周病なら、オマエの歌詞の8割が
   パクリじゃねえかよコラ? しかもパクリ所が大きく間違ってるじゃ
   ねえかよッ!! それでも5期メンに『部長ッ! ナイスショット!』
   って言ってもらいたいのかッ!? 大きくコース外れてOBなんだよ!
   宝石パクってこいと言われて、ホセ・メンドーサをパクってくるぐらい
   ミステイクかましてるんだよテメエはッ!! なんでヤンジャンに贈る
   歌詞の最後が「ひこうき雲」なんだよッ!! 縁起悪いわボケッ!!」
安倍「カオリ! その歌詞が出来た理由を、まずはそこに正座して説明ッ!」
飯田「だって明るい曲がいいってみんな言ったし…笑える方がいいでしょ?」
石川「チャーミーすら笑えません。 意味がまったくわかりません。」
飯田「いや、あんまり直球の言葉だとテレ臭いから…少し比喩を入れて…!」
辻 「比喩の言葉に想いをこめるのはいいれす。 …れ、『ニキビの芯』には
   どんな想いがこめられているとれすか? 簡潔に答えなさい。」
飯田「い、いや、ニキビにはッ… ニ、ニキ… ニキニキニキニキ…」
高橋「二木の菓子?」
飯田「そ、そうッ! 歌詞…じゃなく、お菓子! お菓子のホームラン王ッ!
   ホラ、うまくつながったッ!! これが作詞のゴールデンラインよ♪」
後藤「カオリさ… 別にヤンジャンへ伝えたい言葉がないなら、無理に歌詞
   作る必要ないんだよ? …ぶっちゃけ、すっごく迷惑。」
飯田「そ………そんなこと…ないもん…!」


鈴木「たっだいまーっ! …あれ?」
後藤「おっかえりーッ!! アハハ! ヒッサブリ〜ッ♪」」
保田「おう元気そうだなヤンジャン、チンコ乾くヒマねーなオイ!」
鈴木「チンコねえよチンコ。そんな隠しウェポン装備してねえよ。」
吉澤「中澤さん所有のレディコミに、隠しウェポンの通販広告あったぞ?」
矢口「ちっちゃいコ達いるんだから、卑猥な会話かわすなよプッチ共ッ!」
鈴木「なに、みんな来てたのォ? ハハッ! …と、いうことは。アレか?
   石川どこにいる石川!? 服の中に隠してるもの全部出せッ!!」
石川「今日はまだ何も盗んでないですぅッ!」
安倍「ビーフシチューできたべーッ♪ ヤンジャンに作らせると、辛い物
   しか作らないからねー。 安倍さんの料理は優しくマイルドだべ♪
   紺野ー、高橋ー、お皿出してー! あ、ヤンゾーは何もしないで!
   毛がつくからッ!! えっとね、お皿は食器棚の一番上の棚ッ!」
鈴木「あの野郎…! 人んちのキッチン、勝手に支配しやがってッ…!
   そんで、解体屋・ミナミの女ヤクザ・ゲコ侍の3鬼衆は?」
高橋「奥の部屋で、お豆にグラディウスのやり方を教えてるダス。」   
加護「あ、オイッ! コネッ! 今や! Bボタンッ!! ああああッ!」
小川「なんでカプセルたまったのに、バリア装備しないのよ!?」
辻 「またカプセルとったんれ、元のスピードアップに戻ったのれす…」
新垣「えー? だってリサたん、まゆげビーム装備したいんだもんッ!」
加護「ビッグバイパーのどこに眉毛あんねんッ! この脳内モアイッ!!」
鈴木「ありゃ? リーダーは? 便所で1本グソひねり中か?」
後藤「カオリなら来てないよ。 今日は自宅で宿題頑張るんだってサ。」
鈴木「宿題…? あいつ公文式でも始めたの? ねじ式みたいなツラして。
   なんだよ、寂しいな。2、3日会ってないもんな。 …元気なの?」
紺野「あんまり元気じゃないですね… 飯田さん…。」

飯田「別にカオリだってさ… ヤンジャンに何も言葉がないわけじゃないん
   だもん。 パッとした言葉が浮かばないだけだもん…。」
 ペラッ…
飯田「みんなよくこんなにスラスラ浮かぶわよね…。 なになに紺野は?
   『先輩の背中にもたれていたかった 甘えた私とサヨナラするために
    いつもより勇気を出して 大きな声でエールを贈ります。』
   あらやだ! このコ可愛い〜ん♪ もう紺野ったら〜…メモメモ♪
   このフレーズもろた! いやいや、パクっちゃダメなんだ…。」
 ペラッ…
飯田「どれどれヨッスィは…っと。 アハハハハハッ♪ なんだコイツ!?
   『HEYヤンジャン! ヨッスィ色に染まれ 染まり染まって日本海!
    男の血潮がわきかえる 股間のフジヤマ 逆噴射!』
   で、でもパンチはあるわ…! つんくさんが喜びそうじゃない…!」
 ペラッ…
飯田「これは辻か…なになに? 
   『オッパイプリプリ オケツプリプリ ヤンジャンっていいね』
   ダメだ、これは参考になんない。 愛は確かにあるけどさ…」
 ペラッ…
飯田「ん、なんだこりゃ? ああ、これはヤンゾーのか。 読めねーよ。」
 ペラッ… 
飯田「お、きたきた、ごっつぁんのだ。 あのガキ…偉そうな口、カオリに
   ききやがってさ。 アンタはなんぼのもんじゃい? どれどれ…
   『大丈夫 きっと大丈夫 オニギリ きっと やる気しだい』
   オメエもパクリじゃねえかッ!! あ…あの小娘…! ていうかさ〜
   みんなホントにこんな事伝えたいのォ? 何か違うんじゃね〜の?」
飯田(…でも、本当に何かが違う気がするんだよね…。 何でだろ…?)

安倍「みんなどうだべさ? なっち特製のビーフシチューのお味は♪」
鈴木「ハイなつみちゃん、そこに正座! なんでお前はしっかり具を煮ない
   んだよッ!! シチューの肉が、半生どころか生肉じゃねえかッ!!
   こんなの肉食動物のヤンゾーと辻しか食えねえよボルネオ原住民!」
ネコ「ニャー」
吉澤「通訳しますと『猫舌の俺に、冷ましてから料理を出す。その気づかい
   には感謝するよ。生肉なのも愛嬌。 しかし、しかしだ。 ただ一つ
   これだけは言わせて欲しい。 …これは豚肉だ。ビーフじゃない。』
   そう山岡四郎が、京極さんに説教かましているわけですが。」
辻 「くふん…体温の高い牛さんならともかく、豚さんを生れ食べちゃうと
   寄生虫の心配がありまふ。脳を虫に食べられてバカになるのれす。」
矢口「…石川、オマエ昔、生でブタ肉食いまくったことないか?」
石川「な、なんでそんな事聞くんですか?」
保田「姫あるぞ? ガキの頃、近所の山で遭難した時イノシシを大量に。」
矢口「それだ! …なっち、悪いけどコレ過熱させてもらうな。」
鈴木「ところで、なんで今日はこんなに集まってんだ? よく考えてみたら
   うちにメンバー集まるの、中澤にカンチョーした時以来じゃねえ?」
吉澤「厳密にいえば、カンチョーの痛みを味わったの、私な…。」
後藤「だって、加護達はともかく、私達しばらく会ってなかったんだもん。
   そっちのライヴのリハは順調なの? こっちはヤンジャンいないから
   大忙しよ。とうとう私、当日だけプッチへ逆戻りになっちゃった。」
鈴木「えーなに歌うの? 青春時代? ハハッ!フリ覚えてんのか後藤〜?
   心配だからその時間だけ、そっち駆けつけて歌っちまおうかな私♪」
小川「ホントですかぁーッ!? キャア! マコ迎えに行きますぅ♪」
保田「ヤンジャンよぉ、寂しいから冗談でもそういうこと言うなよなー?」
鈴木「ゴメンゴメン♪ まあ…お互い頑張ろうっていうことで。ハハッ!」

鈴木「なんだ、みんな帰っちゃうの? まあこんな大勢泊まっていかれても
   困るけどさ、ヤンゾーぐらい泊まってけよ? プッチベッドあるぞ?
   ていうかヤンゾー、お前の主人の部屋、キレイなまんまだろうな?」
ネコ「ウニャッ! ウニャニャ!」
吉澤「あー…ハイハイ。 それはちょっと…通訳しにくいですね。ええ。」
保田「なんでだよ? 北朝鮮指導員へのインタビュー通訳じゃあるまいし?
   あ!さてはヨッスィお前ッ…!? うわっ…最悪だコイツッ!!」 
矢口「泊まりたいのはヤマヤマなんだけどね。リハ練が今キッツイからさ。
   床で寝て、腰痛めると明日踊れなくなっちゃうもん。」
後藤「でも元気な顔見て安心しちゃった。 またヒマ見て顔出すからね♪」
鈴木「いいよ、そんなにチョクチョク顔見せなくても。 今は忙しいだろ?
   こっちはスタッフにまかせっぱなしだから、ヒマな私の方から顔出し
   に行くよ。 リーダーの機嫌いい日は、メールで知らせてくれな。」
矢口「あ、前もって言っておくけどさ、アンタの卒業の日に何かやろうと
   思ってたんだけど、オイラ達スケジュール厳しくて、何もできなそう
   なんだよね…。 また日をあらためてって感じで…。ゴメンな?」
鈴木「バッカそんなのいいよ、気持ち悪いなぁ? 私、そういうお別れ会
   みたいなイベント苦手だって言ってるじゃん♪ 気なんか使わずに
   リハ練習頑張れよ。 お互い一段落したら、みんなで飲もうぜ?
   ソニンの家で。」
高橋「あ、でも、ライヴ前夜にはちゃんと…モガモガッ!?」
保田「おっと、高橋のみぞおちにハエがとまってるぞ? 紺野、行け。」
紺野「諸手上段の構えー。ハイッ!ハイッ!…テヤッ!!」(ドフッ!)
安倍「そ、それじゃおいとまするべ! じゃあねヤンジャン!」
鈴木「うん♪ なつみちゃん、相変わらずまずいメシごちそーさんな♪
   リーダーにもよろしく! 帰り道、変質者と姫には気をつけてな!」


鈴木「いやぁ〜騒がしかったなぁ♪ パンチラちょっと痩せたんじゃねえ?
   紺野なんか色付きのリップ塗ってやがんのな! 2、3日会わない
   うちに色気付いちゃってよぉ? 石川アイツさらに日焼けしてるし♪
   ダハハッ! 姫はさすがに何も変わってなかったけどな! なッ?」
加護「ぶはは♪ ヤンジャンお前、なにハシャいどるねん。 ちょっとの間
   会ってへんかっただけやないか? わかりやすいやっちゃのぉ?」
辻 「嬉しくてたまらない子犬みたい♪ シッポふりっぱなしなのれす♪」
小川「良ければ先輩、マコの足にしがみついて腰ふってもいいですよぉ?」
鈴木「な、なに言ってんだよ! 別にハシャいでなんかいねーよ…!
   そんなことより寝るぞッ! 電気代もったいないからリビングの電気
   消してこいよ。 小川、お前は寝る前に皿洗いな。」
新垣「ムキーッ!! ちょッ…ちょっとォ! 何、電源抜いてるのよッ!?
   やっとモアイくぐり抜けて、3面クリアできそうだったのにぃッ!」
辻 「あり? お豆ちゃんいたとれすか? ののてっきり、ヨッスイがまた
   酔っぱらって持ち込んだ、カーネル人形の2体目かと思って…。」
新垣「どこに黒髪でキュートな、座った姿勢のカーネルがいるのよバカッ!
   どこ間違えたか、カーネルとリサたんの共通点言ってみなさいなッ!」
辻 「えっと…『笑顔がムカつく』 …いいからもう寝る時間なのれす。
   ファミコンは1日1時間! 高橋名人とのお約束なんれすからね?」
新垣「なにこれ?パジャマ? あんたテキサスから来た田舎者の召し使い?
   リサたんネグリジェじゃないと寝れないの! お嬢様なんだから!」
鈴木「おおッ!? 新垣泊まってってくれるの? うっわ可愛いなオマエ♪
   こっちゃ来い、こっちゃ来い! お姉ちゃんと一緒に寝よ寝よッ♪」
新垣「…何この人? 祭り明けの境内で酔っぱらってるテキ屋のオヤジ?」
加護「似たようなもんや。 寂しがり屋の気のいいオッチャンやと思って、
   今夜は黙ってヤンジャンの抱き枕になってくれや! ブハハハッ♪」

新垣「…なによその寝床はアンタ? 鳥の巣じゃあるまいし…。」
小川「えへへ♪ まるで可愛いウグイスのヒナみたいでしょ?マコの姿♪」
新垣「モズの巣に運ばれた、ハヤニエのカエルにしか見えないわよ…。」
加護「小川、たまには相部屋に帰ってやれや? コネ寂しがっとるやろ?」
新垣「なにをおっしゃるのかしら、このブルテリアみたいな顔した小娘は?
   寂しいどころか夢の一人暮らし、アーバンライフを楽しんでるわよ!
   アーバンすぎてアバンストラッシュよ! アバンギャルドな毎日よ!
   こんな駅前の売店に陳列されたコケシみたく、せまいベッドで並んで
   寝てるアナタ達の気が知れないわ! もとい、気がふれてるわ!」
辻 「チミは小宇宙を感じたことがあるか…?」
新垣「ないわよッ!!」
鈴木「私はこんなスシ詰めみたく寝ることに、もう慣れちまったからなぁ…
   前に辻加護が出てった時、このベッドがイギリス王宮のベッドみたく
   スカスカに広く感じちゃって、妙に落ち着かなかったもん。」
辻 「逆にみんなれ手をつないで寝るとね、のののちっこい体がおっきく
   なった感じがして、ドッシリ頼もしい安心感を感じられるのれす♪」
加護「わかるでぇ〜♪ 手をつないだ人数分、大きな自分を楽しめるんや。
   1人じゃ味わえんベッドのきしみが、またやけに気持ちええのな♪」
小川「それ2人が太っただけじゃないッスかぁ? …痛ァッ!」
新垣「麻琴はなんでこの部屋で寝てるのよ? そのベッドがお気に入りなら
   リサたんの相部屋でもいいじゃない? ヤンジャンさんが卒業したら
   あっち戻ってくるワケ…? 別に…戻って欲しいワケじゃないわよ?」
小川「ううん、ここで寝る♪ 寝息はたくさん聞こえた方がいいの…。」
新垣「バッカみたい! 庶民の集まりなのね、この家は。 オヤスミー。」
鈴木「私の左手握ってるの誰? 暗くてわかんねえぞ?」(コチョコチョ…)
新垣「キャハハハハッ!! …ゴ、ゴホン! オ、オヤスミッ!!」


石川「チャーオ♪ おはようございますぅ! あれ…皆さん早いですね?」
矢口「お前が遅いんだよッ! ごっつぁんより遅いって何事だよテメエッ!
   しかも今日のオマエのファッションのテーマは何だコラ!?
   美術専門学校の校庭でチェロひいてる、不思議少女ちゃんかよ!?」
石川「秋近しって事で、木の実のアクセサリーを散りばめてみました♪」
矢口「木の実の9割がイガグリじゃねえかよッ!! 危ねえから寄るな!」
紺野「血だらけじゃないですか石川さん…。 大丈夫ですか? …頭。」
石川「おかげで朝の満員電車、チャーミーのまわりだけ誰もいなくて快適♪
   …で、歌詞の方は完成したんですかぁ?」
保田「いや実はお前より遅いヤツがいてよ? カオリがまだ来てねえんだ。
   アイツ来ないと、全員のフレーズを集めた歌詞が完成しないからな。
   リハ連が始まる前に、集まって急いで歌詞をまとめようって言ったの
   リーダーのアイツなんだぜ? なにやってんだよ、もう…!」
後藤「結局一晩考えて、フレーズが何も浮かばなかったから、恥ずかしくて
   来れないんじゃないのぉ? もうカオリのフレーズ抜きで、勝手に
   歌詞まとめちゃう? 早くつんくさんに見せないと時間ヤバいよ?」
高橋「んでも…そんな事したら飯田さん怒るダスよ? 夜叉のように。」
小川「自分が抜かされたら、マコならスンスン泣いちゃいますぅ…。」
安倍「カオリ抜きなんてダメだべ。やっぱり全員の言葉が入ってないと…」
吉澤「でももし飯田さんが今日何も考えてこなかったりした時は、さすがに
   飯田さん抜きで歌詞作るしかないぜ? マジで時間ないんだもん。」
加護「ウチらのマネでもええから、言葉借りていくらでも作れるやろ?」
辻 「いいらさんは考えすぎると、思考のラビリンスにハマるとれす。」
 タッタッタッ! ガチャッ!! バタバタッ!! はぁはぁ…!
飯田「ゴ、ゴッメーンッ!! もしかしてカオリ待ちッ!? ラスッ!?」
新垣「いや、ラスというよりも、カス。 もといノーメイクが、ブス。」

安倍「謝るのはいいから、歌詞は…? できたの? カオリの歌詞…?」
飯田「ハァハァ…! そ、それがね… いや、その前にみんなに聞いて
   もらいたい事があるのッ…! カオリ思うんだけどみんなの歌詞…」
保田「その前のその前に、何より前に、オメエの歌詞はできたかって聞いて
   るんだよ? どれぐらい前かって? そうだな… ちょうど一年前に
   あの道を通った夜、昨日のことのように、今ハッキリと想い出す。」
紺野「???」
保田「…大雪が降ったせいで、車は長い列さ。 どこまでも続く赤い…」
紺野(ハッ!)「オ、オイ! な…何章までやるんだよッ!」
保田「遅えよヴォケッ!!」
飯田「あ、うん…。遅刻したことは謝る。ゴメン。 あのね… 実はカオリ
   歌詞…できてないん…だ。 あ、でもねッ! これはッ…」
後藤「フン…やっぱり。」
矢口「マジィ〜? どうすんのカオリ? もう一日、期日のばすかぁ…?」
吉澤「のばすって… ただでさえ時間ないのに、そんな余裕ないよぉ?
   少なくとも飯田さん以外の全員からは、歌詞集まってるんだから…」
加護「飯田はんが一番上手作れると、ウチ本気で思うてたんやがなぁ〜?」
辻 「リーダーの立場からのエールの言葉、それらけれ十分なのれすよ?」
飯田「あ…カオリもね? それでいいと思ったの。 例えば『頑張れよ!』
   そんな簡単な言葉でも…。 でもね…紙に書くと、それはカオリの
   本当の言葉じゃないなって…そう感じてダメなのよ。 それだけじゃ
   なく、みんなの歌詞も、本当の言葉、気持ちなのかなって…そう…」
後藤「えーッ!? なに? 自分が歌詞を作れなかった事を棚にあげて、
   メンバーの歌詞を批判するワケェ!? ア、アッタマきたぁ…!!
   カオリが書けないのは、カオリにヤンジャンを応援する気持ちがない
   ってことでしょォ! こんなフザけたリーダー、後藤認めないッ!」


夏 「あらぁ? 鈴木、こんなとこで何やってんのアンタ…?」
鈴木「ど〜もぉ♪ エヘヘヘ、遊びにきちゃいました! こっちのリハ順調
   なんで、夕飯前に終わっちゃったんですよー。 スタッフとの食事会
   ブッチして、みんなとメシ食おっかな〜なんて。あの…みんなは?」
夏 「一緒にゴハン食べる余裕ないかもよアイツラ? 全然ダンスに身が
   入ってないのよ…。特に飯田! リーダーのアイツが気ぃ抜けてると
   下の子供達まで影響しちゃうからねぇ。 なにかあったのアイツ?」
鈴木「そんなの、いない私が知ってるワケないじゃないッスか。 アレじゃ
   ないかな? 昨夜、プレアデス星人と交信中に口ゲンカしたとか?
   ホラ、よくアイツ、プレアデス星人の下ネタ好きには閉口するって
   よくボヤいてたでしょ…? 『地球語デ男性器ヲ何ト呼ブノカ?』
   『…ディアーよ』『ウソツケ、ソレハ鹿だ』『…ペ、ペニ…ペ…』
   『ペニスカ? ギャハハハハッ!!』『知ってるんじゃねえかッ!!
   ぶっ殺すぞッ!! ていうかアンタ、マリッペでしょッ!!』
   …そんなやり取りがきっと昨夜あったんですよ。 たぶん。」
夏 「それかッ!」
鈴木「それだッ! とりあえずみんなは楽屋? ちと様子見てきますね♪』
 タッタッタッ! ガチャッ!
鈴木「ダァーッ!! ペンギン村からオハコンバンチワーッ!!」
辻 (ハッ!)「ミーギ向いてヒーダリ向いてバイチャッチャーッ♪」
加護「ヤ、ヤンジャーンッ! お前どないしたんやッ! 道に迷ってこんな
   とこまでたどり着いたんか? それとも人生に迷うたんかオイッ!!
   そやでそやで〜♪ お前の帰る場所はここやがなーッ♪」
小川「うきゃーッ!! 先輩、マコに会いに来てくれたんですかぁーッ♪」
鈴木「うるせえ、お前は早く私にコーヒーの用意しろ。 ここの自販機のは
   クソまずいから、外のミニストップまでダッシュな。 GOッ!」

保田「ヤンジャンもうリハ終わったんかぁ〜? お前ダメだぜ? ちゃんと
   汗だけは毎日、同じ量タレ流しておかなくちゃ? 見てみぃ? 姫の
   今日のワキの汗♪ ほらほら、このリトマス試験紙あててみって!
   ウハッ♪ 見事に強酸性ッ! 姫、本日もバリバリ出玉解放デー♪」
鈴木「なあ…アンタがワキに当ててるの、尿タンパク試験紙だぜオイ…?
   何の有害物質をワキから発生させてるんだよ、怖ぇーなぁ。」
吉澤「メシ一緒に食いたいのはヤマヤマだけどさ、悪いけどこっち遅くまで
   リハかかりそうなんだよね? ちょっと調子悪くてさぁー。」
鈴木「ああ、そうなんだって? 夏先生が首筋にイフリートみたいな血管
   はわせてグツグツ怒ってたよ。 やっぱり私がいないとダメかぁ?
   ハハッ! まあ私はここで週刊誌でも読みながら、ヤンゾー相手に
   人生ゲームでもやってるからさ。 ほらルーレットまわせネコッ!」
安倍「ちょっとヤンジャン…! 藤本っつぁんいるから、そのブブカだけは
   読むのやめるべ! ちょっと今、彼女にキビしい時期なんだべ…!」
鈴木「いや…でもこれマネキンが『これ爆笑ッス!』て言って私に手渡した
   ものだぜ? 折り目までついてるし。 ページの隙間に宛名が藤本の
   領収書はさんであるし。 マネキン!これ笑ってもいいんだべー?」
藤本「はい!床を転がって後頭部打つぐらい笑っちゃってくださぁーい♪」
鈴木「じゃあお言葉に甘えて… ブハハハハハハハハハハハハハハハッ!!
   まッ…眉毛薄ッ!!」(ゴロゴロゴロ… ガコッ!!)
加護「ほれマネキン見とけ。 ヤンジャンの整形前写真やで?」(ピラッ)
藤本「アハハハハッ!! まぶた厚ッ!」(ゴロゴロゴロ… ガコッ!!)
鈴木「痛タタタ… ん…あれ? なあ高橋、リーダーあれ何やってんの?」
高橋「さっきからずっと壁のポスターにブスブス画鋲さしとるんダスよ…」
鈴木「ハマのポスターの顔が画鋲で全部埋まって、まるで国宝・鳳凰堂の
   阿弥陀如来坐像みたくなってるぞ? ちょっとカッコイイなオイ?」

鈴木「へいリーダーおひさッ♪ なに1人でつまんねー遊びしてんだよ?」
飯田「あ…うん♪ ヒサブリヤンジャン♪ 元気…してた?」
鈴木「そういうアンタは元気だったのかぁ? あんまりこんな気味悪い行為
   ばっかやってると、うちの可愛いマコ助がスンスン泣いちゃうだろ?
   そう言いながら私も…エイッ!! なあ、このハマの顔を真四角に
   画鋲で埋めて、ゴールドライタンみたくしちまおうぜぇ?」
飯田「ゴールディ…ホーン?」
鈴木「いやいやいや、ハマはほっといても顔がゴールディ・ホーンだろッ!
   ていうか、大丈夫かカオリちゃーん? シャイニングに出てくる双子
   みたいな顔してよ? そんな顔するやつは…エイッ♪」(プスッ)
飯田「あ、ゴールドライタン? サンシャインに似たやつね…うん。」
鈴木「あ、あれ? 普通なら真空飛びヒザ蹴りがくるとこなんだけど…?」
 スタスタスタ…
鈴木「な、なあ…マジでリーダーどうしたのよアイツ? とうとう危ねー
   レベルの宗教に踏みいったのかよ? アイツの自宅、調べてみっか?
   怪しい勧誘パンフレットとか、机の上にあるかもしれねえぞ…?」
矢口「いやいや、戻ってくる前にカオリの額の画鋲抜いてこいよバカ!
   デコの画鋲がキラキラ光って、チャクラみたいで怖いじゃんかよ!」
後藤「ほっとけばいいのよヤンジャン。 普段から何考えてるかわかんない
   もとい、何も考えてない人なんだから。 それよりさ、もうすぐリハ
   再開するから、こんな楽屋に閉じこもってないで、客席で私達の練習
   見てってちょうだいよ♪ 私のフリのチェックもお願いしたいし♪」
鈴木「んー…そうだなぁ。でも部外者チョロチョロしてて邪魔ならねぇ?」
石川「なにバカなこと言ってるんですかもう! 勝手に卒業された気分で
   いられちゃ困りますぅ! モーニング娘。のリハに、ヤンジャンさん
   の姿があるのが本来の光景なんですからね! 怒りますよ、もう!」


 タッタッタッ…
小川「あれぇーッ!? 先輩どこ行くんですかぁーッ!? コーヒー買って
   きたばかりなのにッ! まだ何もお喋りしてないじゃないですか!」
鈴木「何やってんだよフロッガー! リハ始まる時間だぞ? 移動移動!」
小川「あ、先輩見ててくれるんですかぁ!? じゃあマコ『好きな先輩』を
   ソロで大熱唱しちゃいますよ! 新垣やあさ美は歌わないでね。」
新垣「イヤよ。 私は沖縄のジジババにむけて大熱唱するつもりだもん。」
加護「確かに人生の大先輩やけどなぁ。 かなりボケとるであのジーさん?
   朝に『健康の秘訣は寒風摩擦じゃーッ!』って言って、照りつける
   沖縄の夏の日ざしの中、歯を磨いてたやんけ? 歯ぁないのに。」
新垣「じいちゃんバカにしないでよ! ちゃんと年賀状書きなさいよ!?」
鈴木「…なあそれよりホント、リーダーどうしちまったんだ? 何か知って
   るんだろオマエら? 話してくれねーかな。 誰かとケンカした?」
高橋「その…ちょっと後藤さんとケンカしちゃったんダス、飯田さん。
   後藤さんが飯田さんを怒鳴っちゃって…そんで飯田さんシュンと…」
鈴木「マジ? めずらしいなー後藤が怒鳴るなんて。 いつもは怒ったら
   ハゼみたいに頬ふくらませて黙りこむパターンなのになぁ?
   リーダーも全然言いかえさないのも不思議だし…。 で、原因は?」
高橋「それはぁ〜〜…ちょっと言えな… グフッ!?」(ドサッ…)
紺野「左足前猫足の構えから、右後足中段前蹴りッ! 押忍ッ!」
高橋「ゲホッ… ワ、ワタス何も言わないつもりだったダスのにぃ…!」
鈴木「言えないって… もしかして、私が関係してる…の?」
辻 「大した事じゃないれすよ♪ 年頃にありがちな小さいケンカれす♪」
新垣「そう? 保田さんや吉澤さん、後藤さんの肩持ってさ? やけに…」
紺野「三戦立ち正拳突きッ!! ヤッ!!」(ブンッ!!)
新垣(スカッ!)「沖縄発祥の技がリサたんに当たるわけないでしょ…。」


 青春のドレミ♪ 青春の123♪ 青春のいろは♪ 教えてよ♪
鈴木「なんだ。 後藤の方はちゃんと踊れてるじゃん…。
   さすがだねぇ…。 なんか尊敬通り越して撲殺したい気分だよ。」
夏 「後藤はいいけど吉澤がねー。 やっと体が絞れて動けるようになって
   きたけどさ、アンタが見に来る前は、これよりヒドかったんだから。
   『NHK教育・70才から始める太極拳教室』…みたいな感じだよ?
   よっぽど隣のあのネコを代わりに出そうかと思ったぐらいよ。」
鈴木「なんであのネコ、フリをマスターしてるんだよ? 気持ち悪い…!」
夏 「生意気にウィンドミルとかキメちゃうのよね、あのネコ。 あー…
   もったいないッ!! ネコじゃなければ私の後継者になれたのに!」
鈴木「後継者にするより、キダムに売った方が得策だと思うけど。」
夏 「そういえば… 飯田の調子が悪い理由、何かわかったか?」
鈴木「あ、ハイ。 なんかメンバーとちょっとケンカしてるみたいですよ?
   まあそのケンカの理由は、よくわからないんですけど…ハイ。」
夏 「あー…やっぱり精神的なもんか…。 体のどっかが悪いっていうなら
   私も何とかできるんだけどさ。 困ったなオイ…鈴木何とかしろ。」
鈴木「いや、何とかしろって言われてもなぁ…あ、リーダーの代わりに私が
   タンポポ入ります? あなたとイチャイ〜チャして過ごす日曜〜♪」
夏 「なんで私がアンタと休日にチチクリ合わなきゃいけないのよッ!」
鈴木「いやいやいやッ!! 私だってイヤですよぉ!!」
  (うわ…メッチャ機嫌悪いでやんの! 2階席で見てりゃ良かったな…)
夏 「…ったく。 あーリハがこんな調子だと、これこそ急がなきゃ間に
   合わんDAYよ! ハーイッ!! プッチ、ストップーッ!!」
保田「ブハーッブハーッ!! マユミちゃーん、まだやるのぉ〜!?」
吉澤「ハァハァ… 圭ちゃんの汗で床がヌメるんですけどぉー…。」
夏 「だからプッチを練習最後にしたのよ! ハイ!今日はオシマイッ!」


 ゾロゾロ… ブハー… ゼェゼェ…
石川「暑〜い…! オシマイって言っても、もう丑三つ時ですよぉ…!」
矢口「これからメシ食うっていったら、ガキ達もいるしファミレスかな?」  
鈴木「もう遅いから、みんなサッサと帰って寝た方がいいんじゃねーの?
   明日に備えてさ? 新垣が腰を痛めたヨーダみたいになってるぜ?」
安倍「そ、そうしよっかなぁ〜… 久々になっちもこたえたべ…。」
加護「安倍はんもジャバ・ザ・ハットみたく床はってるしなぁ…。」
小川「先輩、コンビニで何か買って、おうち帰りましょうよぉ〜?」
保田「みんな情けねえなぁ! 姫なんかホレ! 水分補給しただけでホレ!
   見て見て! 胸の筋肉ピクピク動くから! 触ってみい紺野ッ!」
紺野「カンベンしてください… 今、吐きそうなんです… うぷっ…」
後藤「ちょっと待ってみんな! その前に…ほら! アレよ…! 
   今、上につんくさん来てるから… ねっ?」
鈴木「え? つんくさんも見に来てたんだ? んじゃ挨拶してくっかな?」
吉澤「あ、いやいやいやッ!! ヤンジャンはそのアレだ! え〜と…!」
矢口「とッ…とりあえず何か冷たいもの食べてえよな!? シャワー浴びた
   後にアイスかなんかあったら最高なんだけどさぁ〜…。」(チラッ)
鈴木「ちっ…なんだよ? 結局まだ私は娘。のパシリ永久欠番ってかオイ?
   OKわかったよ。パシリの達人がコンビニひと走りしてくるわい!」
加護「うははは! すまんのぉヤンジャン。アイスは何でもええさかい♪」
新垣「リサたん、ガリガリ君のコーラ味…。 下の方に埋まってるヤツ…」
辻 「のの8段アイス! 4段目に抹茶。 風水的に必ずお願いしまふ♪」
ネコ「ニャー!」
吉澤「通訳すると『雪見大福の中のアイスだけを。モチはいらん、邪道だ』
   そうメチャリロにたいしたもんだぜパタリロ国王からの命令です。」
鈴木「うっわ、ムカついた! うまか棒12本パックしか買ってこねえ!」

保田「さてと邪魔者も消えたし… ていうか、その邪魔者のための企画なん
   だけどねコレ♪ さっそくつんくさんに歌詞見せに行くかッ♪」   
辻 「急がないとヤンジャン帰ってきまふよ? ハロプロ運動会の徒競走で
   1着とるほど足速いんれすから。逃げ馬の血を引いているのれす。」
矢口「あのさ… いいのカオリ? あれから何かフレーズ浮かんだ…?」
飯田(フルフル…)
後藤「浮かんでたって、もう遅いって。 だってもう歌詞まとめて完成させ
   ちゃったんだもん。 今から新たに編集する時間ないんだから。」
吉澤「早く行こうぜ! 私らもやればできるんだって事を、黒乳首にガンと
   歌詞見せつけちゃおうぜ! 絶対曲作りOKしてくれるってッ♪」
保田「なんたって、みんなの想いが結集した最高の詞だからなッ! …まあ
   カオリのは入ってないけど…さ。 でも想いは一緒だろカオリ?」
飯田「………。」
保田「違うっていうのかよ? ああいいよ、じゃあそこで1人で待ってろよ。
   さあさあみんあ行こうぜ! ほら高橋、紺野! ついて来いッ!」
紺野「ふ、ふぁい! 今すぐいきまッ…ごぽッ!?」(コポコポ…)
安倍「ほら…カオリも行くべ? リーダーが行かないと話になんないべ…」
飯田「ううん… やっぱりカオリ、ここで待ってる。」
矢口「そう… じゃあオイラ達行くからね? たぶん答えはつんくさんが
   出してくれると思うし…。ごっつぁん達の言った事とか、あまり気に
   するんじゃないよ? コラコラ新垣、タオル持ってどこ行くんだよ!」
新垣「あんまり興味ないから、リサたんシャワーあびてくるぅ。 だって汗
   ビショビショで気持ち悪いんだもん。 飯田さん、1人じゃ怖いから
   つきあって? 丑三つ時に子供を1人にしないでちょーだいな。」
飯田「カオリ、よく霊呼んじゃうけど…いいの?」
新垣「…う。 が…我慢するわよッ!! キツネ系はやめてよねッ!!」


つんく「ダメやな。」
全員 『えええええーーーーッ!!!』
後藤「ダ、ダメって…! 曲を作ってくれないって事ですかぁ…!?」
つん「うん、何も伝わってきぃへん。スカスカでバラバラの歌詞やがな。」
保田「伝わってこないって… 別に黒乳ッ…いや、つんくさんへ向けて
   書いた歌詞じゃないからさ! ヤンジャンには伝わるよ気持ちが!」
つん「気持ちなぁ…。 これがお前らの本当の気持ちやったら、別に歌に
   せえへんでもええんちゃう? 口でじかに言ったらよろしいがな。」
矢口「いや…そりゃ口で言ってもいいんだけど、曲つけて歌った方が素敵
   だし、本人も喜んでくれると思いますッ! 作ってください!」
つん「だったらたいせーにでも頼めや。 歌詞も聞こえのいい言葉を並べ
   るだけやったら、まことの方がずっと上手やで? そっちに頼め。」
安倍「つたない言葉でも、メンバー全員の言葉だから意味があるんです!」
つん「メンバー全員? …これってメンバーみんなの声なんか?」
後藤「え、いや…カオリのは入ってないけど… でもとにかく、メンバー
   それぞれの想いを集めて、一つの歌詞にまとめたものなんですッ!」
吉澤「やっぱ飯田さんの言葉も入らないとダメってことか?」
保田「ちっ…アイツのせいだよ。カオリが歌詞作って持ってこないから…」
つん「そういうこと言うてるんちゃう。 ただ今の話聞いたところによると
   それぞれがそれぞれの歌詞を集めただけやっていうことやろ?」
矢口「ええ…そうッスけど…。」
つん「それぞれの想いは、それぞれが個別に伝えればよろし。 そやろ?」
全員『………。』
つん「お前らな? 卒業前に鈴木と2人っきりになったとする。 その時
   それぞれの書いた歌詞のような想い、本当にアイツに伝えるんか?
   何か違うんやないかな〜とオレは思うんや。 答えはそれだけや。」


 ゾロゾロ…
吉澤「なに言ってるのかわかんなかったけど、とにかく今のままの歌詞じゃ
   曲を作ってくれないっつーことだろ? あのレーズン乳首ちゃん?」
後藤「まとまりが悪いって事なのかな…? 歌詞まとめた事はまとめたけど
   みんな言ってる事はバラバラだもんね。 それがいけないのよ…。」
矢口「基本的にみんな応援メッセージで、方向は一緒なんだけどなぁ?」
保田「やっぱアレだよ! 新垣の書いた詞『私、ピンクのピン・チャポー』
   これがマズイよ。協調性ねえし、第一意味がわかんねえ。誰だよ?」
高橋「んだったら保田さんの、『目と目で通じ合う〜♪ か〜すかに、ン〜
   刺激臭♪』…これもマズかったんじゃないダスか?」
小川「アンタの『おらが〜村にも、ライブに来いや〜』もダメだろ…?」
石川「まあその3人は問題外として、あとはいい歌詞だったと思ったんです
   けどね〜? 真直ぐなヤンジャンさんへの応援の気持ちがこめられて
   チャーミーもちょっとウルウルきたぐらいなのにな。…ウルティマ。
   それも黒飴ナメナメ乳首さん、お気に召さなかったみたいですし…」
加護「どこがアカンのか、具体的にゆうてくれればええんやけどなぁ?」
紺野「『何か違うとオレは思う』…だけじゃわかんないですよね…。」
安倍「つまりカオリと同じこと言ったワケだべ。」
 シーン…
保田「きッ…きっと最初っから曲作る気なんかなかったんだよッ!!
   だからそんなテキトーな事言ってごまかしたんだよ、つんくさんは!
   カオリが…歌詞を書けないでごまかしたのと一緒さッ…!」
矢口「…それはいいとして。 どうする? 歌を贈るのあきらめる?」
後藤「イヤよ。もう一回それぞれ歌詞をあらためて、明日持ち寄りましょ?
   それで今度はもうちょっと構成考えて歌詞をまとめればいいのよ!」
辻 「くふ〜ん…。 時間ないし、より急がなくちゃならないれすね…。」


飯田「あ… みんな…どうだった? つんくさんは、なんて…?」
後藤「………。」
矢口「うん…リテイクだってさー。 とにかく書き直しになっちゃったよ。 
   また明日みんなで歌詞を持ち寄ることにしたから、カオリもできたら
   お願いね? オーソドックスでも気持ちこもってればいいからさ。」
保田「…今回ダメになったの、カオリも原因のひとつなんだからな?
   できればじゃなくて、今度こそ絶対歌詞書いてこないと、姫マジで
   キレるからな? 姫が山でジネンジョを汗だくで引き抜くところを
   120分テープに編集して、カオリの実家に送りつけてやるぞ?」
高橋「地味だけどそれはいやダスな…。120分間、芋と汗と保田さん?」
紺野「きっと編集作業は私がやらされるんだわ…。」
吉澤「なんで飯田さん、先にシャワー浴びてるんですかぁ? そんな興味
   ないですかね? こっちは真剣につんくさんに直談判してきたって
   いうのにさー。 なんか…感じ悪いッスよ? いやマジで。」
安倍「やめるべさ! カオリはお豆ちゃんにつきあってあげただけだべ。
   …ていうかお豆ちゃん、パンツぐらい履いといてほしいべ。」
飯田「うん、今度こそ必ず書いてくるから…! そ、それでつんくさんは
   どこがダメだって言ったの? 参考に聞いておきたいんだけど…」
加護「いや、それがな? つんくはんも飯田はんと同…」
後藤「いッ…いいから何か書いてきてちょうだいって言ってるのッ!!
   もし今度書いてこなかったら、私だって圭ちゃんと同じように
   海でオシッコまきちらしながらウツボと格闘するところ、120分
   テープに編集して2本、ひとつはカオリの実家、もうひとつは
   ソフトオンデマンドに送っちゃうんだからねッ!!わかった!?」
鈴木「オイオイ、何を騒いでるんだお前ら? 廊下まで声が響いてたぜ?
   …どうしたんだよ? アロマ企画がどうしたって?」

吉澤「いやいや、なんでもないよ! 新垣にパンツはけって、みんなで
   怒ってたとこ♪ ホラ早くはけよバカ! 風邪ひいちまうだろ?
   いくら風に当てたって、毛はまだ生えてこねえんだからよッ!」
新垣「あーッ! ガリガリ君じゃないッ! アンタなに聞いてたのよ!
   なによこの、うなぎみたいなヒゲオヤジのパッケージはッ!?
   注文と違うじゃない! 耳の中に宇津井健でも飼ってるの!?」
鈴木「だから、うまか棒しか買ってこないつったべ? ていうかさ…
   怒られてたはずの新垣がこの態度で、リーダーが鼻すすってるのは
   何でよ? も、もしかしてリーダーもパンツはいてねえのか…!?
   オイオーイ!いい加減にしろよカオリちゃん、いい年してよぉ〜!
   その年でパンツはかないの、ヤグ助とアンタぐらいだぜぇ?」
矢口「あ、最近ヨッスィも始めたらしいぞ? ノーパン睡眠健康法。」
吉澤「つーか私、はけるパンツがなくなったんだよ。 全部やぶけて。」
鈴木「買えよ!ダイクマで! なんでこんなノーパン率高いんだよッ!」
新垣「変態秘奥義ッ!! ジャンピング・オイナリプレスホールドッ!!」
鈴木「コラコラ、パンツは尻にはけッ!! 変態仮面のギャグはいらん!」
保田「それよりアイス食いながら、ファミレス向かおうぜッ! プッチは
   全員集まれよ? あと紺野と高橋もついてこいよな? えっと…」
加護「あ、ウチらは遠慮しとくわ。 家に帰ってやることあるさかい。」
小川(先輩が家にいない間に、歌詞を書き直さなきゃね…!)
鈴木「リーダーは来てくれよ? 昨日はアンタと遊べなかったからよ♪」
飯田「えッ…? いやでもカオリは…」
後藤「カオリは今夜、家に帰ってする用事があるから行けないってさ!」
保田「そうそう♪ あ、矢口となっちの2人も来るだろ?」
矢口「…カオリ行かないならオイラも遠慮しとくよ。 え、なっちも?」
保田「何だよつれねえなぁ? いいや、そんじゃ行こうぜヤンジャン♪」


 ゾロゾロ… ワイワイ♪
後藤「えへへ〜♪ 私、ヒサブリの割には結構踊れてたでしょ?」
鈴木「昔とったキネヅカってやつ? くやしいけど見事なもんだったよ。
   オマエって仕事のスケジュールは忘れるのに、フリだけはしっかり
   覚えてるのな? これ誉めてるんじゃねえぜ? 皮肉だからな?」
保田「お、何だそこ2人だけで話してよ? 姫も毒物のようにまぜろよ♪
   今、篠塚の話してなかった? そうそうヤツがセカンドを守って、
   ファーストを中畑! 4番に原! ベンチにスミス! いいねえ!
   巨人の黄金時代だねえ! その他にも… おお〜牧場は緑〜♪」
紺野「?」
保田「…王、槙原、香取な。 スマン…これは紺野には難しすぎたわ。」
吉澤「ヤンゾー、ファミレスに入って大丈夫かな? ペット厳禁だろ?」
ネコ「ウニャニャニャニャッ!! ウニャッ!!」
鈴木「ぶははははッ! 通訳すると『ペットじゃない、メンバーだッ!』
   そんなところか? パンチラの腹の間に隠れてればいーじゃん♪」
高橋「んでも抗議してる相手が吉澤さんじゃなく、ヤンジャンさんみたい
   ダスけんど…? ヤンジャンさん、お金でも借りました?」
鈴木「名前は貸したけど、金は借りた記憶はねえなあ。 つーか石川お前
   早くファミコンソフト返せよ? 62本そっちいってるからな?」
吉澤「あ、なんだヤギも来てたの? お、ファミレス発見♪ 急げッ!」
石川「あの…ヤンジャンさん…。」
ネコ「ウニャン…。」
吉澤「オーイ! 何やってんだよ、そこの3人! もとい1人と2匹!
   早く中入って、ドリンクバーに近い席を占領しちまおうぜッ!!」
鈴木「おーう!! 先に中入ってろよッ!! …さてと。 何も言わん
   でもわかってるってば石川♪ …それじゃ姫達の相手頼むね。」


 タッタッタッタッタッ…! バッ!!
鈴木「シュビドゥワッ!! 呼ばれて飛び出てアクビちゃーんッ!!」
飯田「キャアッ!!」(ビクッ!!)
鈴木「かわい顔して♪ い〜ろじろで♪ 知恵がまわって明るくて〜♪」
飯田「びッ…びっくりしたぁ…! な、なによアンタ…!?」
鈴木「笑い上戸はいいけれど〜♪ は〜でなイタズラたまにキズゥ〜♪
   …のアクビちゃん。もといヤンジャンでーすッ!! ぶははッ♪」
飯田「そ、そんなのわかってるわよ! ど…どうしてここにいるの?
   ごっつぁん達とファミレス行ったんじゃなかったの…?」
鈴木「バッカ、こんな時間から姫とメシ食ったら、アイツはしゃいじゃって
   朝まで帰してくれないだろォ〜? ファミレスまで見送って、引き
   返して来ちゃった♪ リハも不調のようだし、私のせいでメンバー
   の体力奪ったら申し訳ねーべ? どうよ、この気の使いよう?
   アクビたん偉い? カンちゃん誉めて〜♪ 頭ナデナデして〜ん♪」
飯田「なにバカなこと言ってるのよもう…。 ほら! アンタも早く帰りな
   さいよ? ヤンジャンこそ、しっかり睡眠とらないと…。」
鈴木「メシどうする? コンビニでいっか♪ ていうかここ、さっき私が
   アイス買いに来たばかりの店じゃん。恥ずかしいな。 ま、いいや♪
   リーダーの家の近くにもコンビニあるだろ? 都内なんだしさ?」
飯田「カオリの家の近くって…! アンタ今夜どうするつもりッ!?」
鈴木「リーダーこの時間は歩いて帰るんだねー。 東京せまいもんなー。
   知ってる? 山の手線って駅たくさんあって大きい感じするけどさ、
   半径にするとたった3、4キロだってさ。そこに東京の主要な建物が
   全部つまってるんだもん。 どこだって歩いて行ける距離だよな?」
飯田「いや…アンタ人の話聞いてる? ねえ?」
鈴木「武道館も…私のライヴ会場も山手線の中。 離れちゃいないよね♪」


保田「はーい出席を取ります。後藤真希さーん? ハイいますねー♪
   ん、ちょっと待って? あなた、弟のユウキ君じゃありません?
   違う? あら、それはごめんなさい。 ケメコ先生、代返だけは
   絶対許しませんからね? 箸置けぇーいッ!! はいみんな箸を
   置くッ!! 保田家家訓ッ!! 深夜のファミレスで代返なんて
   かましちゃう奴はッ! かましちゃう奴はッ! …ヤギの胃袋に
   お乳入れっぱなしでラクダに乗ったらチーズができましたッ!!
   そういうわけで、ウェイトレスのお姉さん、姫にチーズケーキを
   一つ♪ なに? プライベート・アクトレス? 誰が榎本加奈子
   じゃゴルァッ!! と、いうわけで次は… 吉澤さんいるぅ?
   はい、ナポリタンほおばってる不良主婦しか見当たりませんが…
   誰か吉澤さん見ませんでしたこと? アイドンノウ? なら欠席ね。
   なに? 紺野さんの胆嚢に石ができた? それは結石じゃーいッ!
   はい、紺野さんはいる…と。 次、福井県の家事手伝いの16才、
   ラジオネーム・私の彼氏は装甲騎兵さんからのおハガキです。
   「ケメコ先生ばんわんこ♪ 今日はワタスの相談にのってチョン
   マゲ♪ マルシアと磯野貴理子の見分けがつかんダス!」…との
   骨盤が割れそうなお便りですが…ハイ。 その前に先生、お前と
   平井堅の見分けがつかねーよ。 というワケで、高橋出席…と。
   次ッ!! 週刊漫画ゴラクッ!! 略してヤンジャンさんッ!」
石川「ゴホン… ハ…ハイ♪ ラブザイラ〜ン♪ 過ぎてゆくぅ〜♪」
保田「ハイいますね。 次ッ!! 杉良太郎さんッ!!」
石川「すッ…杉ッ!? こ…この桜吹雪を忘れたとは言わせねえぜッ!!」
保田「ハイ金さんいますね。 次ッ!! マリスミゼルのマナさんッ!」
石川「ッ…!? マ… マ… マナでぇ〜す♪」
保田「カナで〜す♪ 2人合わせてフリ… 箸置けぇエエエエーいッ!!」


 ガチャッ…
飯田「掃除してないから汚いまんまだけど… とりあえず入って。」
鈴木「おいおい、これで掃除してないって言うなら、パンチラの部屋
   なんかどうなるんだよ…? ニホンザルの肛門ぐらい汚いぜ?
   キレイキレイ♪ でもこの壁紙だけは変えろ…。ここは敦煌の
   莫高窟、第何窟だ? 三蔵法師も腰抜かすぞ、これには…。」
飯田「あんまり評判良くないのよねー…その曼陀羅。 最近思うんだ
   けどさ、カオリってみんなと周波数、ちょっと違うのかなって
   少し悩んでるんだ。 みんなと感覚ズレてるのかな〜…て。」
鈴木「今かよッ!? 何年モー娘。いるんだよ…? 普通もっと早く
   気付くだろ? でもまあ別に悩むほどでもないんじゃねーの?
   感覚でいったら、アンタが南極なら、姫なんか北極方向にズレ
   まくってるしさ。 知覚でいったら石川、味覚でいったら辻、
   視覚でいったら安倍なんかも、ズレにズレて関東ローム層だぜ?
   周波数がズレて、北朝鮮の暗号電波みたいなヤツらが集まったのが
   モーニング娘。なんだからさぁ? …まあ、気にすんなって♪」
飯田「うん…わかってるんだけどさ…。まあいいや、それよりヤンジャン
   何か飲むでしょ? 紅茶キノコと冬虫夏草茶、どっちがいい?」
鈴木「…いや、水で。 蛇口ひねって、出て来たものをそのまま…。」
飯田「あ、お酒もあるよ? イモ焼酎なんかどう? 冷やしてあるけど?」
鈴木「ああ、ならそっちお願い♪ つーか、初めっから出してくれよッ!」
飯田「キャッサバっていうおイモから作った、めずらしい焼酎なのコレ♪」
鈴木「ふ〜ん、外国産? そいつは楽しみだね。 …どれどれお味は♪」
飯田「それね、熱帯アメリカ産なの♪ チチャっていう名前で、現地の人が
   ていねいに口で芋を噛んで、唾液で発酵させたお酒なんだよね♪」
 ブハァーッ!! ゲヒョッ!! オグェッ!! ウエェエエエッ…!

鈴木「ああ…やっぱコーヒーが無難で美味しいや…。」(ズズッ…)
飯田「それね、熟したコーヒー豆しか食べないミーアキャットの糞
   から未消化の物を集めて作った、めずらしいコーヒーなの。」
鈴木「あっそ。 もう何が出ても驚かねえよ…。 つーかマジウマ…。」
飯田「ヤンジャン眠たくなったら、先に寝ていいよ? ベッド使って
   ちょうだい。 カオリは宿題があるから、今夜はちょっと徹夜
   になりそうだし…。」
鈴木「宿題? 後藤も言ってたけど、宿題ってなんなの?」
飯田「ヤンジャンは知らなくていいの! …でも今夜はヤンジャンの
   寝顔見ながらだから、宿題はかどりそうな気がするわ…ウン♪」
鈴木「やめてくれよ。 ただでさえ新メン達が、お前の見つめる目が怖い
   って怯えているのによ…。 こっちも気持ち悪くて寝れねーだろ。
   アンタ、前世は神話の時代までさかのぼって、メデューサとか
   ゴーゴン呼ばれてなかったか? 何人を石に変えたんだよ…?」
飯田「あ、ちょっと待って。 今、霊を降ろして前世を調べてみるから。」
鈴木「いらんいらんいらんッ! その水晶とマンドラゴアから手を放せッ!
   …何の宿題か知らないけど、アンタも明日はリハで忙しいんだろ?
   もう寝ちまおうぜ? そんな宿題なんていつでもいいじゃねーか。」
飯田「うん…でも大事な宿題なんだ。 後回しにはできない、とても
   大事なものなの。 時間がもうないんだ。 だから…やらなきゃ。」
鈴木「万全な体調でリハをしっかりやる方が大事だろォ〜?」
飯田「…リハよりも大事なの。」
鈴木「………なんだよいったい? つんくさんから出された宿題だとか?」
飯田「みんなが… ううん。 カオリがカオリに出した宿題。」
鈴木「ワケわかんねえ! フン…いいや私、先に寝ちまうからね!」
  (ちぇっ… コイツといろいろ語るいい機会だと思ったのにさ…。)

 カリカリ… ゴシゴシゴシッ! クシャクシャッ!
飯田「あうーッ!! …違う違うッ!! 食べ物に例えたってダメじゃん!
   キンピラゴボウじゃ伝わらないよッ! シメサバも違うッ! もう!」
 カリカリカリッ!! ビリビリビリッ!!
飯田「ああんもうッ!! カオリのバカバカッ!! 胃下垂の話は今は
   関係ないでしょッ!! なんでここでDr.クマひげなのよッ!!」
 カリカリカリッ!! ムキーッ!! ハァハァ…!
飯田(…ダメだ。 なんでこんなに書けないんだろ? ごっつぁんが
   言うように、カオリにはヤンジャンを応援する気持ちがない
   のかな…? 自分で思ってるより、冷たい人間なのかな…?)
 カリカリ…  コトンッ… ハァア〜…
飯田(そりゃヤンジャンが入りたての頃は、ムカついてイビったり
   してたけどさ…。 あれから1年半…もう一緒に2年近く…。
   態度には恥ずかしくて出さないけど、ヤンジャンを仲間だと
   認めてる…。嫌いじゃないもん…。この気持ちは本当だもん。
   なによりも今、私のベッドで寝息をたてているのはヤンジャン
   なんだから…! それを本当に嬉しく思っているんだからッ!)
 クルッ…  ビクッ!!
飯田「キャアッ!! …な、なんでコイツ、目を開けて寝てるワケ!?
   は、爬虫類じゃあるまいし…! き…気持ち悪いわね…!」
鈴木「………寝てねえよ。 起きてるよ…。 アンタがブツブツ1人
   横で奇妙な奇声あげてるのに、寝れる奴がいたらそりゃ、寝て
   るんじゃなくて死体だよッ! 死体ですら棺桶から眉しかめて
   起き上がるわ、このゾンビパウダーッ!! 寝てくれよもうッ!」
飯田「だッ…誰のせいでこんな悩み苦しんでると思ってるのさァッ!!
   死体なりてぇなら延髄ケリ折ってやんよ、そこ立てゴラァッ!!」


後藤「えーッ!? ヤンジャン、カオリの家に行ったのォ? なんで!?」
吉澤「アレだ。 カタツムリに寄生する虫で、宿主の方向感覚を狂わせる
   ヤツがいるじゃん? アレがきっと脳に寄生しちまったんだよ。」
保田「なあ、その寄生虫、学名をマツウラアヤとか言わないか…?」
後藤「あーハイハイ♪ 三人祭あたりから本体がおかしくなったもんね。」
石川「ヤンジャンさんは飯田さんの事が心配で、あっちに行っちゃったん
   ですよ…。 みんなが冷たくあたるから、飯田さん珍しくションボリ
   してましたもん。 ヤンジャンさん、気づかいの人ですから…。」
吉澤「ていうか、お前誰だよ? 黒ヤギの串焼きなんて誰も頼んでねえぞ?
   おーいウェイトレス! このシシカバブ、厨房に下げてくれッ!!」
後藤「なぁに? ヤンジャンって、プッチのクセにタンポポ寄りなのぉ?」
保田「ていうか石川なんでここいるんだよぉ? ここはプッチ会議室だぜ?
   高橋、紺野、お前ら人事移動でタンポポ行き命じられても、しっかり
   断れよ? あっちには新垣と、メロンのドスコイ斉藤を送ったれッ!
   あとでお前らに保田印のプッチ紋、お尻に入れ墨彫り込んじゃる♪」
吉澤「でもさー、ここでブツブツつぶやいていても、上からの人事を素直に
   聞くしかねーもんなぁ。 もっと私達の意見も聞いてくれてもいいと
   思わねえ? ヤンジャンの代わりにプッチへ、稲葉バーさんやアヤカ
   あたりが入ってきたもんなら、肛門から腸がハローモーニングだぜ?
   あ、ヤギ、これコーラおかわりな。 ガムシロップ二つ入れて。」
後藤「私も今思えばプッチやめたくなかったしなー…。 やめてから後悔
   しちゃうものなのよね…。 もちろん自分でやめたわけじゃないから
   そんな気持ちは関係なく、プッチ離れるしかなかったんだけどさ?」
紺野「ヤンジャンさんは後藤さんと違って、自分で選択されたんですよね…」
高橋「んだったら誰も文句言えないことダスからなあ…。寂しいダスよ。」
保田「うん。 姫達にできる事は、ただ応援することだけだもんなー…。」


鈴木「ふぅ… なんかあったの? 悩みがあるなら聞いてやるけど…?」
飯田「いいから… そのまま寝てなさいよ? 明日早いんでしょ…?」
鈴木「だーかーらーッ! テメェが横で、痴呆が進んだ体だけ元気な婆さん
   みたいにモチャモチャ喋られてると、この部屋ん中に私にゃ見えない
   第3者がいるみたいで、怖くて寝れねーんだよッ!! いったい
   さっきから何やってんだよッ!? 読書感想文の宿題出された中学生
   かアンタはッ!? あらすじだけ書いとけ、あらすじだけッ!!」
飯田「はぁ〜…もう休憩! ヤンジャン、そこベッドつめて!」(ゴロン)
鈴木「いいからアンタこそ、このまんま寝ちまえよ…? 寝ないともっと
   イライラしちゃうぜ? リーダーだから気苦労がたえないのはわかる
   けどさ。 まあストレスたまったら、睡眠とって気持ちをリセット。
   これが一番だぜ? 私は1年半これで乗り切ってきたんだからさ♪」
飯田「…ダメよ。 この宿題明日までやっていかないと、リーダーとしての
   面目も威厳も丸つぶれだもん。 それに… ごっつぁん怒るし…。」
鈴木「…後藤とケンカしたんだって? 理由とかくわしく知らんけど…。」
飯田「…うん、ケンカっていうか…カオリが悪いから仕方ないんだけどね。
   情けないなぁ〜…。 みんなちゃんとできるのに、カオリだけ…。
   どうせならカオリじゃなく、ごっつぁんがリーダーになりゃいいのに
   ねー? みんなもそう思ってんじゃないのかなぁ? マリッペとか、
   なっち…もしくは… そうよ! ヤンジャン! あんたがリーダーに
   なりなさいよ♪ ゆずるッ! 後輩達からの信頼も厚いし! ね♪」
鈴木「ブッ! …こんな各国から集められた荒くれ傭兵部隊、まとめる力も
   体力もねえよ。 ドイツ空軍ヤッス少佐が酒飲んで手榴弾バラまくわ
   中国陸軍ツジ一等兵は勝手に村を焼き討ちするわ…。平成の特攻野郎
   Aチームだぜぇ? アンタや中澤じゃねえと隊長は無理だってば!」
飯田「ヤンジャンって優し〜いッ! みんなにもそれ言ってあげてよォ!」

飯田「ウン! そうよ、わかってるのはヤンジャンだけ! みんなカオリが
   どれだけリーダーならばのプレッシャーに苦しみながら毎日を送って
   いるか全然わかってないのよ…! 胃がキリキリするから、牛乳が
   かかせない生活送ってるのよ? 冷蔵庫にスポックしてるんだから!」
鈴木「いやいやいやッ! 牛乳なんて冷蔵庫にねえだろ!あるなら出せよ!
   あとスポックじゃなくて、ストックな。 レナード・ニモイかよ?」
飯田「そうやってカオリをたててくれるし…♪」
鈴木「いや…今アンタのどこをたてた? キチガイドリーマーのフラグか?
   それとも耳を立たせて、マジでミスタースポックになりたいのか?」
飯田「そうよね〜。ヤンジャンがスポックみたいに副長になってくれれば、
   モーニング娘。というエンタープライズ号も無事に宇宙航海できる
   ってもんよ。それにしても、うちの副長のウォーフ保田ときたら…」
鈴木「ぶははッ♪ ピカードならぬピ加護もいるしな♪ でもみんな楽しい
   仲間じゃねえか? それにみんなアンタを艦長として慕ってるよ…」
飯田「ホントかなぁホントかなぁ♪ …やっぱカオリ、カリスマ性あるぅ?
   な〜んて…。おどけてみたって、ごっつぁんはカオリに冷たいしさ…
   ヤンジャンやマリッペみたいに、後輩には慕われないしさぁー…?」
鈴木「後藤…ね。 確かにリーダーとあまり喋らないよなぁ? プッチメン
   とはワイワイはしゃぐけどさ? …やっぱ嫌われてんじゃねーの?」
飯田「うん…たぶんそうだと思う。あのコが入りたての頃、けっこうカオリ
   キビしくしちゃったし。 ヤンジャンの時とおんなじ…。 愛情表現
   が下手なのよねーカオリ。 …ヤンジャンなら、わかるでしょ?」
鈴木「わかんねえ。まったくわかんねえ。私が加入当時、あの毎日のように
   くらった、コメカミを正確に狙ったトゥーキック。 あれをどういう
   方程式に代入すれば、愛情表現って答えが算出されるんだオイ…?」
飯田「そうか…やっぱり嫌われてるんだカオリ…。どうしよ…泣きそう…」

鈴木「うそだよ。」
飯田「え?」
鈴木「ぶはははは♪ 誰もアンタを嫌っちゃいねえよ! 後藤も嫌ってねえ!
   …ちっとからかっただけだって♪ まあ、今はケンカ中だからさ?
   そりゃ後藤も、今はオメーにムカついているだろうさ…。 でも、
   モメゴトなんて私ら日常茶飯事だろ? そんなの一時的なもんさ♪」
飯田「そんな気休めいいよ…。」
鈴木「ううん。 前にさ。 後藤の家に泊まった時、アイツ言ってたんだ。
   先輩に甘えられるようになりたいって。 ホラ、後藤も後藤で感情
   表現が下手なコだろ? 加入当時はそれがなかなかできなくて悩んで
   たんだってさ。…で、先輩になった今もね、スキあらば子供みたいに
   アンタや矢口なんかにゴロニャ〜ンと甘えたいんだってよ♪ ン?」
飯田「……それホント?」
鈴木「つまりアレだ。 甘えられたいヤツと甘えたいヤツ、2人とも不器用
   だから、もどかしい思いをしてるってワケさ。 バカバカしいべ?
   早いとこ仲直りして、後藤をダッコしてやれよ? ブハハハハッ♪」
飯田「ホントだったらカオリすごい嬉しい…。 ホント? マジホント?」
鈴木「体でっかいクセに、変に心配性なんだなアンタ? 第一私がリーダー
   嫌いじゃないんだから、他のヤツがアンタを嫌いになるワケねーべ?
   …いや、別に好きだって話じゃないぞ? 一番アンタにイジメられて
   私ですら、そんなに嫌いじゃないんだから、他はなおさらだろって話
   だよ…。 そりゃ長年つきあってきたメンツだもん。 そのへんの
   友達付き合い以上の、な…なんつーか強い想いが…わッ!!オイッ!
   なにすんだよ気持ち悪いなッ!! はッ…離れろよゴーレムッ!」
飯田「ねえねえ♪ どんなダッコされたいのかな、ごっつぁんは!?」
鈴木「えっとな…アイツの好きな体位は両足で背中を…ってコ、コラッ!」

飯田「…ごっつぁん、なんでそんな甘えたがってるの? そういうの嫌い
   そうな感じがするんだけど? 芯の強いコだし…。」
鈴木「うん…。 アイツって単身で加入してきて、同期のメンバーもいな
   かっただろ? 心細い気持ちを、先輩に早く追いつけって気持ちで
   奮い立たせて今まで頑張ってきたんだ。 そのへんの気持ちわかる
   だろ? 後藤ってお父さんいないし…、そういう環境で小さい頃
   から頑張ってきたんだもん。甘えベタな所もあるんだよ。ていうか
   いい加減に私から離れてくれねぇ? …あ、暑苦しいんだけどさ…」
飯田「いいじゃーん♪ せっかくカオリがダッコしてあげてるんだもん、
   気にせず甘えていいんだよ? 加護達には黙っといてア・ゲ・ル♪
   ヤンジャンってさ、メンバーの気持ちよくわかってるんだね〜♪
   うぅ〜んイイコイイコ♪ はいリーダーから頭ナデナデ〜♪」
鈴木「ぶあッ…ばっかッ! 私を甘えさせてどうすんだよ! 後藤だ後藤!
   なにを私の体で予行練習してるんだよ! マジ気持ち悪いわッ!!」
飯田「…だってヤンジャンも、ごっつぁんと境遇が一緒だったでしょ?
   1人で入ってきて、まわりをかつての憎きライバルに囲まれてさぁ?
   ごっつぁん以上に甘えられなくて、逆に甘えんぼの加護達を一挙に
   引き受ける相手になっちゃったんだもん。 たまにはこうやってさ、
   ヤンジャンも人に甘える時間を作らなくちゃ♪ ね?」
鈴木「うわぁあああッ!! じ…蕁麻疹ができたッ!! は…放してッ!」
 ドスッ! ぐはァーッ!? ドスドスッ!! グッタリ…
飯田「ほらほら、カオリがガッチリ背後を奪ってるんだから暴れない♪」
鈴木(ぐッ…3発入れやがった… コ、コイツ、3発…! レバーに…!)
飯田「今日はカオリがずっとダッコしててあげる♪ これ御褒美だから。」
鈴木「御褒美…? なんのだよ? …いいから宿題やれよ、頼むから。」
飯田「今までモーニング娘。として頑張ってきた御褒美♪」(ギュ〜ッ)


保田「…ていうかさぁ? 姫がハロプロ人事部長だったら、まず村田を
   ココナッツに入れるね絶対! アイツの顔ってマダムヤンだろ?
   だってホラ、ミカがボヘミアンで、アヤカがバーミヤンだもん!」
高橋「ぜ…全然わかんないダス。 あさ美は言ってる事わかるダスか…?」
紺野「私は…バーバリアンの保田さんも入った方がいいと思います。」
吉澤「じゃあエイリアンの圭ちゃんも入れた方がいいだろッ! なあ!?」
保田「いや、君達かぶってるから…。 それ、姫かぶってるから…。」
後藤「それよりさ… もし人事権が私達にあったらさ…。 ほんの一つだけ
   ワガママ言いたい事があるよねー。 …本人には悪いけどさ?」
吉澤「うん… まあ、今さら口にしちゃいけない事なんだろうけどさ。」
石川「アハッ♪ きっとみんな、同じ事考えてるんでしょーね♪」

飯田「あ…!」
鈴木「…ん? どうした? ふぁあああ… 宿題やんなくていいの…?」
飯田「ううん、なんでもない。いいから寝なさいよもう。」(ギュッ…)
鈴木「うん…。 おやすみリーダー… ムニャムニャ…」(スー…)
飯田(…カオリ、もう宿題できちゃったよ。 そういうことだったんだ…。
   でも今は、歌詞は書かないんだ。 ヤンジャンをダッコしなくちゃ
   いけないし、なによりもこれは1人で書くものじゃないもん。
   歌詞に足りなかったものが、アンタを抱き締めてたらわかったよ…)

保田「同じ事考えてるなら、一斉に声に出してみようぜ! せーのォ…」

飯田(私達の歌詞に必要な言葉。伝えたかった素直な気持ち。それは…)

       『 ヤンジャン、やめないで! 』


杉本「遅い、遅い〜ッ!! 鈴木さん、遅いですよぉ〜ッ!!」
鈴木「す…すみません! ちょっと背骨と腰がザ・マンリキにはさまれた
   ミートくん状態になっておりまして、なかなか体が真直ぐ進めず…!
   はうッ!? ごッ…ごめんなさい! 肩を貸してくださいッ!!」
杉本「どうしたんですかいったい…? 体だけは壊さないでくださいね?
   大事なライブの日が、もう目と鼻の先までせまってるんですから。」
鈴木「イタタタタ…どうも…。 いやぁ、昨晩ずっと巨大グマにガッチリ
   抱きかかえられてまして…。まさに本物のベアハッグですよ…。」
杉本「……あ、あの 鈴木さん…つきあっておられる男性が…その…!?」
鈴木「へ? ぶははははッ!! 違います違います♪ うちのメンバーに
   ヒグマほどの背丈の、目の下にコグマ2匹飼ってるバカがいるじゃ
   ないですか? 昨晩、アイツの家に泊めてもらってたんですよ♪」
杉本「ホッ… なんだ飯田さんか…。 良かったぁ♪」
鈴木「モーニング娘。は男厳禁ッ! へんな心配しないでくださいよォ?
   …あ、そういえば杉本さんの事務所では、そういう規制みたいなの
   あるんですか? 彼氏を作っちゃダメとか、そういうの?」
杉本「あー… 一応僕に相談してくれれば嬉しいなぁ〜なんて…ハハ♪」
鈴木「そっかぁ。 そういえばモーニング娘。に入ってから、男の人と
   恋愛どころか手を握ったこともなかったなー。 考えた事もなかった
   ですよ。 そうかー… そういう事が自己責任でできるようになるん
   ですね私。 ウハハハハッ♪ ちょっと楽しくなってきたなぁ♪」
杉本「男の人と、その… 交際とか考えた事が、一度も…?」
鈴木「ハイ♪ メンバーに迷惑かかっちゃうんで♪」
杉本「そうですかぁ…。 ハハハ! じゃあ、恋はこれからですねー♪」
鈴木「うーん… いや! やっぱ、歌ッスよ歌! 私これからが頑張り時
   ですもん! 歌一筋! 男なんかに目を向けてるヒマないッスよ!」

 スタスタスタ…
鈴木「あれ? 今日はライブ会場の初下見ですよね? ここ…ホテルじゃ
   ないですか…? ライブハウスには、まだ向かわないんですか?
   あ、そうか。 ここのラウンジでまず朝ゴハンでも食べようと…?」
杉本「ムフフ♪  ライブハウス〜? なんの話ですかぁ? …今日は
   最初っからこの帝王ホテルに用事で来てもらったんですよ♪」
鈴木「…わ。 わわ。 ま、まさかその杉本さん…!? ホテルって事は?」
杉本「フフッ… そのまさかです!!」
鈴木「ちょッ…ちょっとカンベンしてくださいよォーッ!! わッ…私、
   体を売ってまで成功したくないッスよッ! 性交で成功かオイッ?
   このヤンジャン様をなめんじゃねーよッ! うっわ、ムカついたッ!
   もうこの話ナシッ!! 私、モーニング娘。に帰るッ!!
   (ピッピッピッ)…あ、もしもし加護? 私、ヤンジャンちゃん♪
   今夜なに食べたい? え? いやいや、こっちのリハはいいの!
   当分ずっとヒマだから♪ あ、ついでに辻にも替わって。うん♪
   …あ、辻? 来月何食べたい? え、カレーうどん? またかよ!
   じゃあ来年は何食べたい? カレーうどん? 仕方ないなぁ〜♪
   それじゃ〜… 成人式には何食べたい? え? カレーうどん?」
杉本「うわわわわッ! (ピッ!) 何を勘違いしてるんですかッ!」
鈴木「…携帯返せよ。 アンタこそ何カン違いしてるんだよ? 私が
   そのへんの計算高いバカ女みたく、簡単にお偉いさんに股を開くと
   でも思ったのかコラ? ふざけんじゃねーよ。 計算できねえから
   モーニング娘。入ったんだよッ! オマタは姫とサウナ入る時しか
   開かねえんだッ! 安く見んじゃねーよヤンジャンさんをよォ!」
杉本「いやいやいやッ! ぼ…僕がそんなナメたマネ、鈴木さんにする
   ワケないじゃないですかッ! 落ち着いて話を聞いてください!」

杉本「場所はこの帝王ホテルの3階です…。」
 ウィイイーン… ピーン プシュゥウウ… 
鈴木「…ッ! ここは…!?」
杉本「この3階の鳳凰の間…。この巨大なフロア全体が、鈴木さんの当日
   歌う舞台なんですよ。 ていうかホテルの3階スペースそのまんま
   の大きさなんですけどね♪ 4階から吹抜けで天井も高いでしょ?」
鈴木「え… いや、だって…! これ、ひ…広すぎません…!?」
杉本「ええ、普段はかなり人の集まるパーティ。 そう、例えば芸能人の
   披露宴なんかに貸し出される会場なんですよ。 なんたって数千人は
   収容可能ですからね。 これが僕から鈴木さんへ用意させて頂いた
   ステージです。 …驚いたでしょう?」
鈴木「驚いたもなにも… だってお客さんは百数名なんでしょ…? なのに
   こんな大きい会場用意しなくても…! もったいない…!」
杉本「普段リハに使ってるライブハウスぐらいの大きさを想像してました?
   だって、集まるお客さんは音楽業界の重鎮達ですよ? そんな普通の
   ライヴみたいに、スシ詰めのギュウギュウの中で聞いてもらうワケに
   いかないじゃないですか? ちゃんとテーブルも用意して、お酒も
   飲んで頂ける環境を用意しなくちゃね♪ まあ、ライヴというよりも
   豪華なディナーショーだと思っていただければよろしいかと。」
鈴木「………。」
杉本「心配しなくても、音響設備も完璧に備わっています。 せまいライヴ
   ハウスよりも、しっかり声が伝わるはずですよ。ちょっと無理言って
   ライヴ3日前から貸し切りにさせてもらっていますので、本会場での
   リハの時間もバッチリ取れてますから。 …安心してください!」
鈴木「…杉本さんにバブルボブルってあだ名、つけてもいいですか…?」
杉本「僕の努力が泡にならないよう、頑張ってくださいね♪」

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