AMとRE
1 名前:たまき。 投稿日:2008/03/02(日) 17:32
はじめまして。
遠い昔、ひっそり書いてました。K1にどっぷりハマってました。
最近になってまたそんな情熱が蘇りました。
タイトルの通りのふたつのCPのおかげで…。
そんなわけで
ブランクありすぎてかなりの駄文ですが、お付き合いください。

AM=あやみき。RE=れなえり。
2 名前:たまき。 投稿日:2008/03/02(日) 17:34
まずは、あやみき。
リアル・アンリアルかはご想像におまかせ。

「尻尾と手のひら」
3 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:35
ぼんやりと視界に入るふたりを見ていた。
見たくなくても、見えるんだけどね。

「ねーねー、この間さ1グラム1円のカレー屋さん見つけたんだぁ!なに乗せてもだよ?」
手をパタつかせてごっちんが亜弥ちゃんに言った。
「へぇー!おもしろいね、それ!どこにあるの?!」
同じくらいか、いやそれ以上にキラキラした笑顔でごっちんに返す。
「んーとね・・・」
よほど早く拝みたいのか説明しようとするごっちんを亜弥ちゃんが制す。
「あ!ごっちん連れてって?そのほうが早いっしょ?」
「うん、いいよぉー。グラムでゾロ目が出たら割引に・・・」

対立しあってそうな感じなのに意外と仲良いよな・・・ってなんで感心してんの美貴。
4 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:36
「あ、でもミキティと行かなくていいの?」
ふと閃いたようにごっちんが言うと、あたしの耳が立った。
が、すぐにシュンと下がる。
「いいの、だって美貴たん休みの日、特に昼間に出かけるの凄い嫌がるんだもん!」
パンっと亜弥ちゃんは自分の膝を叩いた。
「あはは、ミキティらしいや」
ケラケラとごっちんが笑う。

だって美貴は亜弥ちゃんとゴロゴロしてるのが好きなんだもん。いいじゃんか別に。
「そう、だから真希たんと行くの」
ごっちんの腕をとって、ごっちんの肩に頬を寄せる。
「なんだよぉ『真希たん』ってぇ」
笑いながら、空いてるほうの手でわしわしと亜弥ちゃんの頭を撫でる。
にゃはっと亜弥ちゃんが笑う。
若干の斜め上目遣いの、得意の笑顔で。
5 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:36
ぴくりと左眉が動く。
なんとなく目をそらして俯いてしまう。

聞き捨てならないなぁ「たん」って呼ばれていいのは美貴だけなんだよ。

そんでなんだよあの笑顔。ごっちんも撫でてんじゃねぇよ。
でもいいや、美貴は世界一亜弥ちゃんに愛されてるんだから。

きっと。ん、いや、たぶん。いやいや、絶対。
6 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:37
20%の自信と80%の不安のせいで、尻尾が下がる。
あ、別に美貴、犬じゃないよ。亜弥ちゃんが猫ってわけでもないし。
なに言ってんだ美貴。
そんなことより亜弥ちゃんだよ!最近ちょっとごっちんに甘えすぎじゃない!?
しかも美人同士お似合いだし・・・柔らかい感じで・・・
ってなに言ってんだ美貴。美貴だって美人でしょ?ねぇ?

ぐるぐる、ぐるぐーる。
7 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:38
「おい」

べしと頭を平手打ちされる。
「んぁ?」
顔をあげると手のひらが見えた。
「なーに尻尾さげてんの」
亜弥ちゃんが呆れた顔で美貴の前にいた。
「亜弥ちゃん」
下がってた尻尾は、ぴくっと力が入った。
「なんて顔してんの」
くすりと苦笑いする亜弥ちゃん。
頭の上にあった手のひらは、もう一度下ろされて美貴の前髪に触れる。
スっと、亜弥ちゃんの指先が美貴の額をかする。
「ほら、ダーリンが来てやったから、そんな顔するな」

無意識に美貴の尻尾がゆるやかに揺れる。
8 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:39
「てゆーか、ごっちんは?」
さっきまでいたのに、もうこの空間にいなくて、亜弥ちゃんとふたりっきりになってた。
「美貴たんが見るからに落ち込んで尻尾下げてたから、どうにかしてあげなよって出てった」
―――相当、おもしろがって笑ってたけど。

あたしの落ち込みに気づいて
それを見てきっとふたりで苦笑いして
気を使って出ていった
で、亜弥ちゃんがそばにきた

さっきぐるぐーる考えてる間にそんなやりとりが。
美貴って結構妄想家だな。

「へぇー」
妄想家な自分に関心した。
9 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:39
「で、なに落ち込んでんのさ」
「え、いや、別に」
目が泳ぐ。それを見て亜弥ちゃんがにやりと笑う。

分かってるくせに聞くから性質が悪い。
でも『ヤキモチだよ』とサクっと言えない美貴も大概へたれだな。
昔の亜弥ちゃんなら『言え』としつこく迫ってたけど今は違う。

「へたれ」
毒づいてる割に美貴の全部を悟っているみたいに優しく笑う。
そしてこんなときは決まって、美貴の頭を撫でる。
また無意識に尻尾がパタパタ揺れる。
10 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:40
「ほんとあんた、あたしのこと好きだね」
得意げに笑う亜弥ちゃん。

何度もコンサート会場やブラウン管の中で亜弥ちゃんが言ったセリフ。
そのあとにいつも『あたしのどこが好きか言ってごらん?』って聞き始める。
照れくさくて美貴は誤魔化してる。
『あたしの質問わかってる!?』と突っ込まれても美貴はちゃんと答えなかった。

言葉にできるくらいなら、とっくにしてる。
好きだと1万回言っても足りない。
『好き』の2文字で片付くような気持ちじゃないんだよ、亜弥ちゃん。

でも美貴は、この2文字しか知らないんだ。
ごめんね、不器用で。へたれで。

けど世界一君を愛してる。
11 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:41
「―――好きだよ」

「あたしも好きだよ、美貴たん」

「うん」

「だから〜俯かないで。あんたはいつでも尻尾振ってあたしを見てればいいの」

ほんと不器用なんだから。
どうせ不安になったんでしょ?
素直に甘えればいいのに。
いつからそんなに弱気になっちゃったの?
あたしだってあんたのことバカみたいに好きだよ。

5フレーズ分の愛をこめて。

連続で。
3人祭のあの歌のように。

キス。
12 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:42
「んっっ、なっ!」

やんわり揺れてた尻尾が固まる。
てゆーかたぶん耳も立ってる。
驚いたまま後ろに手をついたら、その分の角度を広げて
亜弥ちゃんが抱きしめてくれた。

「好きだよ、ほんとに」
耳元で囁かれる。
じんわり、亜弥ちゃんの温もりが染みてくる。

止まっていた美貴の尻尾がピクリと動く。

うーんと、3人祭みたいなちゅーされて。。
―――3人祭というと確かチャーミーとかいう奴もいたな…
いや、今思い出したら雰囲気ぶちこわしな気がする。美貴的に。

今、美貴、好きって言われたよな。改めて。

うーーん。
うーーーーーん。

…う、
……う、う、
13 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:42


ピコーーン☆

14 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:43
うへへへへへへへ
うっひゃっひゃっひゃっひゃ


ようやく事態を把握した美貴は
それこそ雰囲気ぶちこわしで亀井絵里ばりのキモイ笑い方をした。
―――いや、もちろん心の中で。

「亜弥ちゃん、美貴ヤバイ」
「んあ?」
「嬉しすぎて死ぬ」
「ばかか」
15 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:43
その後美貴は15分くらい尻尾びゅんびゅん振りっぱなしで
戻ってきたごっちんは『ああ涼しい』なんて言いながら笑ってた。

あまりに振りすぎて、ホコリが舞ってきたので
見兼ねた亜弥ちゃんは『でもカレーはごっちんと行くからね』と一言呟き
美貴の尻尾は絵に描いたようにピタっと止まった。

ふりだしにもどる。
16 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:45
** FIN **
17 名前:AM尻尾と手のひら 投稿日:2008/03/02(日) 17:49
はい、どうも。
なんか、こう…最初らへんと最後らへんで
文章のテンションが違うのは目をつぶってやってください。

なんとなく、亜弥ちゃんといるときの美貴様は
犬っぽいイメージなんです。私的に。
18 名前:たまき。 投稿日:2008/03/02(日) 17:51
ただ自分の妄想を具現化したくて
書きたい衝動だけなので
ネタお待ちしてます( い き な り か よ )

夜にRE更新します。
19 名前:たまき。 投稿日:2008/03/02(日) 18:31
夜にと言いつつ出来上がってるのでUPします。

れなえり。
「右手と左手」
20 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:32
『れなは絵里のことが好きやけん』
『絵里も好きだよ』
『誰にも渡したくないっちゃん』
『うん、離さないで』
『絵里…』
『れーなぁ…』
21 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:32
えへ
えへへへへへへ

「…り……えーり!」
もう、れーなったら、そんなに名前呼ばなくても絵里はここにいるよぉ
「・・・り!絵里!!」

「ふぁ?」
目の前は電気。てゆーか天井。
バっと左を向くと、困った顔のれーながいた。
「れーな?」
「絵里ぃ、そろそろ起きるったい」
「は?」
「は?じゃなか、もうみんなスタジオに行ったっちゃ」
「なにいってんの、れーな。今は絵里のウチで…」
と、周りを見渡すと、そこは娘。の楽屋に間違いなかった。
俄然楽屋だった。
―――いや、絵里、意味分からんったい。
22 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:33
「なに寝ぼけとるとー」
「あ、いや、なんでもありません」
「なんで敬語ね?みんな待っとるけん、はよ行くったい」
「うん…」

夢オチか…よくあることだよね。うん。
よくある。
はぁ…。
せっかくれーなと抱きあって、まさかのキスまでしたのに。
はぁ…。
わたしく亀井絵里、今年も幸が薄いようです。
23 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:33
「絵里!どーしたと?」
感傷にふけっていると、絵里の目前で手をヒラヒラさせていた。
「ううん、なんでもない」
「元気なかー。でも絵里、寝とるときばり幸せそうやったと」
だってれーなと両思いだったんだよ?
「うん、良い夢だった」
夢オチだったけどね。
「うへへーって寝言ゆうとったよ」
「うへへーじゃない、えへへーだもん!」
「一緒ったい」
うーー、と唸るとれーなはまた困った顔してそっぽ向いた。
でも歩く方向を向いたまま、後ろ手に左手を絵里に差し出した。
「遅くなるとまた、さゆがぎゃーぎゃー騒ぐったい」
「へへ…」
ひねくれてるけど、かわいい。
そんなれーなが好き。
24 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:33
「…正夢になるとええね」
絵里の右手が触れて、指を絡めたときにれーなが呟いた。
しっかり聞こえたけど、なんて答えたらいいか分からなくて聞こえない振りをした。
正夢にできるかできないかは、れーなの気持ち次第なのに。
ノー天気なれーな。

でも、好きだよ、れーな。
25 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:34
スタジオに入ると、さゆが真っ先に見つけて駆け寄ってきた。
「れいな達遅いのーまたイチャイチャしてたでしょ!」
「い、イチャイチャなんかしとらん!」
れーなが咄嗟に繋いでた左手を離した。その左手の行方が見つからなくて、握ったり開いたりしてる。
さゆの後ろから、ガキさんがひょいと眉毛を…もとい!顔を出す。
「絵里の寝込み襲ってないだろうなぁー田中っちぃー」
「ね、ね、ね、寝込み!?そんなハレンチなことれなはしやんと!!!」
ハレンチって死語じゃない?れーな。
「『しやんと』じゃなくて『できやんと』でしょ、ヘタれいな」
どこに隠れてたのか、れーなの斜め後ろから藤本さんが現れて、れーなの後頭部をペシっと叩いた。
「はっ?!美貴ねぇまで何ゆうと!」

さゆとガキさんと藤本さんに囲まれつつかれ
顔真っ赤にしてギャーギャーわめくれーな。
26 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:34
ねぇ、れーな。
れーなはいっつも絵里のことになると、必死だね。
笑うのも怒るのも照れるのも困るのも、必死。
ねぇ、それって絵里だから?
自惚れてもいいかな?

その愛おしさに、堪えきれなくなって
行き場をなくしてる、れーなの左手を握った。
「れーな、かわいいね」
絵里の声とふわりとした温もりに気づいて、
れーなはしっかり繋がった、自分と絵里の手を、まんまるい目をして見る
「なっ、なにしよると!絵里ぃ!」
27 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:34
「おーおー、田中っちーお熱いねぇー」
ガキさんが言う。おやじくさい。
「さゆみの心のように熱いの」
さゆも両手を自分の胸にあてて続ける。

「みみみみみみんなして!れなをからかうんじゃなか!!」
気温上昇、体温上昇。れーなの頭から煙が出そうになってる。

「うおーーい、早くスタンバってー!」
吉澤さんの声が響いて、みんな返事をして向かった。

れーなは、ホッと小さくため息をついて、みんなと同じように歩き出そうとした。
絵里は、右手に少し力を入れて引き止めた。
「ん?どうかしたと?」
28 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:35
「絵里はからかってないよ?」
キュっと、左手も添えて、両手でれーなの左手をつつむ。

「なっ、ええええ絵里、いや、絵里に対してからかってるとかやなくて…」
えーーと、そのーーとどもりながら、
一度止まった頭からの煙がまたゆらゆらと吹き上げてる。
へへっ、またれーなが必死になってる。

正夢になるのは、もう少し先でいいや。
れーなが絵里を一生懸命みてくれてるだけで、今は幸せだから。
正夢になって、れーなが落ち着いちゃったら、なんだか寂しいから。
れーなのことだから、いつまででもこんな感じだろうけど。
ねぇ?れーな。
もっとれーなの事が知りたい。れーなももっと絵里のこと知って?
れーなの左手と、絵里の右手で、体温をわけあっていたい。
いつまでも、ずっと。
29 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:35

「れーな大好き」

自分の両手を少し引き寄せて、れーなの左頬にちゅっと口付けた。

30 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:36



ぷしゅーーーー。


31 名前:RE右手と左手 投稿日:2008/03/02(日) 18:37
あ、すいませーん、田中さん沸騰しましたー。
さゆみの可愛さも沸点まで達してるの〜。
ありゃ、駄目だ、ヘタれいな。
どーーでもいーから早くスタンバってくれーーい、お父さん怒るよー。
そんなこと言って、お父さん羨ましいんじゃないの?
なにぅおう!?…そりゃ最近トメ子に会ってないけど………○| ̄|_
あーー藤本さんがいじめるから吉澤さんが氷点下になったの〜。
ミ、ミキティだってあややに今年も誕生日プレゼントを忘れられていることを。
吉澤さんの目が光ってるの〜。
あ、もっさんが半目になって現実逃避してるよ、愛ちゃん、もう行こう?あれ?愛ちゃん?
あーし、まこっちゃんに、カボチャのほうが好きって言われたやざ…やざ…


娘。はマイペースに進む。
いつまでも、ずっと。
32 名前:R 投稿日:2008/03/02(日) 18:38
** FIN **
33 名前:たまき。 投稿日:2008/03/02(日) 18:41
>>31
誤「誕生日プレゼントを忘れられていることを。」
正「誕生日プレゼントを忘れられていることを忘れてるだろ」
です。失礼しました。
34 名前:たまき。 投稿日:2008/03/02(日) 18:43
最後の他メンの言い合いが楽しかったです。
一気更新でしたー。
良かったら感想をお願いします。
35 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/02(日) 21:58
31レス目は色々なメンバーが好き勝手に喋っているわけですね
36 名前:たまき。 投稿日:2008/03/03(月) 00:24
>名無飼育 様
そうです。わらわら喋ってる感じで。
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/03(月) 00:35
クールな感じじゃないあやみきがちょっと新鮮です
38 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/03(月) 17:44
あやみき・れなえり大好きなので見ていてスッゴイ楽しかったです。
39 名前:I 投稿日:2008/03/03(月) 23:26
あやみき大好きなので、とってもうれしいです。
40 名前:sage 投稿日:2008/03/04(火) 09:05
REでもしかしてと思いましたが…れなえり!!
最近少なくて寂しかったので頑張ってください。
41 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/04(火) 09:06
↑sage書くとこ間違えたorz
42 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/06(木) 23:46
冬の帰り道。
もう23時もまわり、日付が変わろうとしている。
さっきまで集まっていた店を出て、大通りを歩いていた。
少しのアルコールを摂って、皆の話に声を傾けていた。
明日も朝から仕事だ。
早く帰って、シャワーを浴びて、とっとと寝よう。

というあたしの願望を遮る一匹の犬…のようなカワイイ奴。

「あーやーちゃんっ」
そんなキャラじゃねえだろと言いたくなる甘い声であたしを呼ぶ。
流されちゃ駄目だと、沈黙を守る。
なんとなく、今夜は一緒にいることを避けたい。そんな気分なんだ。
「亜弥ちゃんってばー」
右手の袖を引っ張りながら、ぶんぶんと振られる。
かわいい表情して拗ねているであろう顔を想像して思わず振り返ってしまいそうになる。
「帰るから、離して」
ぐっとこらえて、歩く方向を見たままあたしは冷たく言った。
「どーして?一緒にいようよ」
深い意味もないように、無邪気に言う。
一緒に帰ろうよ、ではなく『一緒にいようよ』と言うあたりに
意味があるんじゃないかと、あたしは妙に探ってしまう。
43 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/06(木) 23:47
別に、一緒にいたくないわけじゃない。
一緒に帰って一緒にお風呂に入って一緒にベッドに入って眠ればいい。
あたしだって一緒にいたい。
でもなんだか怖い。
親友なのか恋人なのかの狭間で揺れて
あたしの言う「好き」に恋愛感情がどこまで入っているのか自分でも分からない。
たんが言う「好き」は一体なんなんだろう。
一緒にいる時間はとても楽しくて幸せで。
その大きさと同じくらいの、理由なき不安が同時に襲う。
あたしはどこまで君の特別なのか、分からなくて分かりたくなくて、不安になる。
少しアルコールの入った頭は、余計なことばかり過る。

くどくどと考えていたら、道の片隅のBARの店頭にかかる洋楽が聞こえてきて我にかえった。
44 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/06(木) 23:47
くるっと振り返って、たんを見る。
5分ほど歩いていたから、繁華街から少し離れた。
遠くに見えるビルや車や店先のネオンがきれいだった。
それを背景に、たんが急に振り返ったあたしを不思議そうに見ていた。
「ねぇ・・・」
「ん?」
あたしの袖をつかんでいるたんの左手をそっと握った。
「なんで、一緒にいたいの?」
「へぇ?」
「理由は?なんで?」
我ながら小学生みたいな質問だなと、心の中で苦笑いした。
「いたいから」
ほらね、やっぱりそう答える。

理由なんて、ないじゃん。
あたしたち。

一緒にいたい理由なんてない、一緒にいたいと思うんだから。
好きな理由なんてない、だって好きなんだから。
これって綺麗なことに聞こえるけど
今のあたしにはやけに虚しく思えた。
45 名前:たまき。 投稿日:2008/03/06(木) 23:55
短いですが更新ここまで、すみません続きは明後日に

皆様レスありがとうございます。
37>亜弥ちゃんに対してクールでないデレデレミキティが好きなもんで;;
38・39>ありがとうございます!楽しんでいただけるよう足りない頭でがんばります。
40>れなえりに関しては方言が難しいっす。

れなえり…田中さんの方言について、福岡の知人から「ちょっと違う」と言われましたが
まぁ、あの、すみません(苦笑
46 名前: 投稿日:2008/03/06(木) 23:56
47 名前: 投稿日:2008/03/06(木) 23:56
48 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/16(日) 20:43
あやみき、かわいすぎです。
続きをお待ちしております。
49 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/20(木) 20:22
だめだ、あたし。
誰かさん以上にネガティブになってる。
絶対に今夜は一緒にいないほうがいい。
とんでもないことを言いそうな気がする。

たんの答えを聞いて俯いてしまったあたしの頬をひんやりしたものが触れる。
「どーしたの?」
怪訝そうに俯くあたしの頬に右手で触れて少し屈んで覗きこむ。
「ううん、なんでもない」
軽く首を振って、握っていた手を離してまた帰り道に向きなおした。

一歩、二歩と足を進めてまた考え出すあたしの頭。

なんでこんな気持ちなのかよく分からない。
昔は一方的に好きだ好きだと浴びせ、全力でたんに向かっていってた。
大人になって、そんなことができなくなった。
理由が欲しくなった。
一緒にいる理由が欲しい。
一緒にいてもいい理由が欲しい。
もっと好きになっていい理由が欲しい。
できることなら、愛してると言ってみたい。
なんでだろう。

ため息が出る。
50 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/20(木) 20:22


−side M−


51 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/20(木) 20:23
なんだ?なんだなんだ?
飲み会の帰り道、いつものよーに亜弥ちゃんと一緒に帰ろうとしたらコレだ。
そりゃ最近結構冷たいけど、一緒に帰ることなんて当たり前みたいにしてたのに。
今日に限って、美貴にそっぽ向いてひとりで帰ろうとしてる。
『なんで一緒にいたいの?』とまで聞いてくる。
そんなこと、今までなかったのに。
いつもなら若干ウザそうな顔するけど、それは素振りだけで
『しょーがないなー』って、手を引いてくれるのに。
顔を見ると、意味深に悲しそうだし。
悲しそうなまま、また歩き始めるし。
美貴を置いて。
なんだそれ!

一歩、二歩離れたときに、亜弥ちゃんの背中からため息が聞こえた。
「ちょっと待って!」
思わず、大声をあげてしまった。
52 名前:たまき。 投稿日:2008/03/20(木) 20:24
更新だだ遅れで申し訳ありません。
遅い遅い更新になりますので
こっからはsage進行で。
53 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/20(木) 20:33
大声にも振り向かない亜弥ちゃん。
なんでだよ。美貴なんかした?

苛立って、大股で亜弥ちゃんに近づき、肩を掴んだ。
「亜弥ちゃん」
力を入れると、半身だけ振り返った。
「なに?」
そのトーンは低すぎて、怒ってるようにしか思えなかった。
「なにってなんだよ」
「話してよ、あたし帰りたいの」
「だから一緒に帰ろうってゆってるじゃん!」
「大声ださないで、うるさい」

―――ちっ
思わず舌打ちしてしまった。
なんなんだこの目の前のトゲトゲしい奴は。

でもなぜか、今一緒にいないと取り返しのつかないことになる気がする。

「ねぇ、亜弥ちゃん」
空いてる手で、もう片方を掴んで、むき合わせる。
そして、強引に抱きしめた。

「なにしてんの、離してよ…」
「お願い、一緒にかえろ?」
「いーやーだ」
54 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/20(木) 20:44
は?まだ嫌だと言うか・・・んーーーー。
どうしよう、と考える暇もなく亜弥ちゃんの両腕によって引き剥がされる。

「これ以上ついてきたら、嫌いになるから」

はぁ?はぁぁ??
わけがわからない。
乙女心のなんたるか、を美貴はよく知らないけれども
こんなにも訳が分からないことは初めてだ。
でもさっきまでのトゲトゲしさは弱まって、寂しそうな表情になった亜弥ちゃん。

「なんで?」
「なんででも」
「嫌いになんて、ならないでしょ?」
「なるよ」
「でも美貴は好きだもん」

訳分かんない君を目の前にしても
好きな感情だけは何故かわきあがってくる。
諦めてひとりで帰ろうなんて気は起こらない。
ただ一緒に帰るか帰らないかだけの事かも知れないけど
今後を左右するような問題に思えて仕方ない。
亜弥ちゃんの気持ちを考える以前に、自分は今一緒にいたい。

沈黙があって、亜弥ちゃんがまた歩き出そうとするのを制止した。

「もう、い―――」
きっと、もういい加減にして!と言いかけたのであろうその口を
ぴったりと塞いだ。
55 名前:たま 投稿日:2008/03/20(木) 20:45
かくし
56 名前:たま 投稿日:2008/03/20(木) 20:45
かくし
57 名前:たまき。 投稿日:2008/03/20(木) 20:46
なんかグダグダになってきたな。。。
申し訳ないっす。
58 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/23(日) 22:55
素敵です。続きを楽しみに致しております。
59 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/29(土) 01:13
車線を走るタクシーの走音が鮮明に聞こえる。
突き飛ばされるかなと半ば思いながらも行動に出たけど
亜弥ちゃんは突き飛ばすこともなく、ゆるやかに腰に手を回してきた。

角度を変えて、軽く口付けて、離れた。
が、すぐに亜弥ちゃんは美貴の肩口に顔を埋める。
ぽすっと収まった亜弥ちゃんをゆっくり抱きしめた。

「ずるいよ」

弱々しい声が聞こえた。
ああ、確かにずるいかな。
60 名前:AMエンゲージ 投稿日:2008/03/29(土) 01:14
「ねぇ、どうしたの?」
背中をさする。
「・・・」

乙女心を探るのは得意じゃない。
というか、いつもはがっつりぶつかってくる亜弥ちゃんは得意だけど
もの言いたげに黙る亜弥ちゃんのことは不得意だ。
ああ、困ったな。
と思ってたら急に顔をあげて、ぐいと肩を押される。

「もう、ほんとにずるい!帰ろう!!タクシー!」

すたすた車線に向かって歩く亜弥ちゃん。
なんだこの切り替え。
でもはっきり言った。
『帰る!』じゃなくて『帰ろう!』って。
ま、積もる話はおうちで聞きますかね。
61 名前:たまき。 投稿日:2008/03/29(土) 01:17
こんなはずじゃなかったorz
見切り発車したつもりはないですが
思うように進まなかったっていうか
松浦さんの乙女心を繊細にしすぎて
乙女心の分からない作者は撃沈です。
言い訳ですね(汗

次回はがんばります。田亀で。
エンゲージ、続編とゆーか乙女心が分かり次第
結末編が書けたらいいなと。。はい。
62 名前:暗めの松藤 投稿日:2008/03/29(土) 01:19
たんといて、痛いのは慣れてるよ

「でも、やっぱり亜弥ちゃんが好き」
『でも』とか『やっぱり』とか
都合の良い言葉がつけられていても
あたしにはその後ろの『好き』しか聞こえない
だって、そんな君ですら
愛しいと思ってしまう
惚れた弱みと
初めに許した罪
何度離れても
何度戻ってきても
あたしは君を拾う
謝りの言葉も
約束も要らない
でもね、美貴たん
君にもひとつだけ罰を
―――あたしからは、君を求めない。
唯一の抵抗。
あたしから君を求めるときは
最後の最後だよ。
「ねぇ、美貴たん」
「ん?なーに?」
「好きだよ」
「美貴も」
「じゃあ・・・」
―――キスして。
63 名前:暗めの松藤 投稿日:2008/03/29(土) 01:20

END

64 名前:たまき。 投稿日:2008/03/29(土) 01:24
田亀の前に思いつき1スレで。
これもこんなはずじゃな(略
美貴様復活舞台いきます。生みきたんでエネルギーチャージします。
が、BLTのみきたんよりも、高橋さんと田中さんの2ショットに萌えました。
65 名前:たまき。 投稿日:2008/03/29(土) 01:24
66 名前:たまき。 投稿日:2008/03/29(土) 01:24
67 名前:傍に 投稿日:2008/04/08(火) 02:32
前日入りして
リハーサルを終えて
夕食をメンバーと済ませて
ホテルの部屋に戻った一匹の猫――のような田中れいな。
シャワーを浴びて、さっぱりして
あとは明日までくつろぎタイム。

ベッドに寝転がっていると振動音が着信を知らせる。
小さなテーブルに置いていたため、振動音が響く。
半身を起こして覗く
着信ランプの赤色で相手が誰だかすぐに分かった。

(愛ちゃん)

『おつかれさん。今から行ってえぇ?』
メールなのに、そう言う愛の顔が浮かんでニヤけてしまう。
『ピンポン鳴らしてくださいね、待っとります』
送信ボタンを押して、再びテーブルに携帯を置いてベッドに体を沈ませる。
68 名前:傍に 投稿日:2008/04/08(火) 02:32


―――ピンポンっ!

69 名前:傍に 投稿日:2008/04/08(火) 02:33
「はやっ!」
いくらなんでも早い。しかも愛の部屋は1階下のフロアだ。
(まさかドアの前で待っとったんやろか)
そんなに早く会いたいと?なんて浮かれモードでドアまで駆ける。
頭の中は愛だという思いしかなかった。
だから覗き穴も覗かずに、迷いなしに扉を開けた。
迎え入れる笑顔もバッチリ作って。
が、開けて相手の顔を見たら、れいなは尻尾を踏まれた猫のような顔になった。
70 名前:傍に 投稿日:2008/04/08(火) 02:36
「絵里っ!?」
「れーな」
うへへ――本人いわく『えへへ』だが――と笑みを浮かべた
CAもびっくりの口角あがりっぱなし亀井絵里が立っていた。
「絵里ぃ、どうしたと?」
「なに、その期待ハズレみたないな顔―」
言い当てられて、れいなは返答に困った。
別に期待ハズレではなかったが、思っていた相手とは違っていて困惑した。
そして、今いる相手とは違う人物を思い浮かべて
満面の笑みを作ってドアを勢いよく開けた自分に恥ずかしくなった。
「そ、そんなことなか」
71 名前:傍に 投稿日:2008/04/08(火) 02:39
「入っていい?」
小首を傾げて絵里は問う。
この絵里の仕草にれいなは弱い。
(どうしょぉ、愛ちゃんが・・・)
考えて始めたら、コツンと足音が聞こえた。
「ありゃー先客かいね?」
ひょっこりと、絵里の後ろから愛が顔を出した。
「「愛ちゃん」」
72 名前:たまき。 投稿日:2008/04/08(火) 02:42
とりあえずここまで。
最近、あいれながブームです。キテます!
リゾナントの小春っちがイイ女オーラ出しすぎて困ってます(殴

ちゃんと、れなえりになるようにがんばります。
73 名前:たまき。 投稿日:2008/04/08(火) 02:47
×
74 名前:たまき。 投稿日:2008/04/08(火) 02:48
×
75 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/09(水) 01:31
あいれなとれなえり…
どちらも好きなので楽しみです!
まだ始まったばかりですが、3人がそれぞれかわいくてイキイキしている感じがとても素敵ですね。
76 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:17
愛の顔を見た途端に、絵里の表情が強張る。
先客がいたのにタイミング悪くきてしまったことに戸惑ったんだと、れいなも愛も思った。
「約束してたの?」
絵里が問うと、れいなの身体が少しだけ震えた。
後ろめたいことなんてしていないのに、絵里の目を見るとそんな気分になった。
「あーいや、さっきメールがきたけん・・・」
口ごもっていると、愛が続けた。
「約束ってほどやぁないよ。明日が本番やから二人のとこ、もっかい確認しよ思てな」
ああ、そういう理由で来たと。とれいなは今頃になって理解した。
77 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:17
最近、れいなは愛といるとホッと落ち着くようになった。
ライヴで二人だけで歌うこともあるし
雑誌のインタビューも2ショットだったりバラエティに出たり
新曲も2トップで歌っている。
自然と二人でいることが多くなった。
れいなが歌に対する気持ちを熱く語ると、愛も負けじと想いをぶつけた。
愛はれいなを目下に見ずに、刺激しあえる相手として認めた。
自分の存在価値を見出せたようでれいなは嬉しかった。
今のれいなにとって愛といる時間は、1番楽しい時間だった。

だから愛からメールが来たとき、理由も考えずにいた。
フリーの時間を過ごす相手に自分を選んでくれたのが嬉しかった。
78 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:18
嬉しいという気持ちに、れいなは場違いな笑みがこぼれそうになったが
自分と愛との直線の中点にいる絵里を見て我に返った。

「そうなんだ、じゃあ絵里、戻るね」
気まずそうにそう告げる絵里。
「え、いや、絵里――」
―――ええよ、
とは自分が言う台詞ではないと、れいなは先を口ごもる。
先に約束(とまで大げさではないが)したのは愛とであって
その順番をれいなが変えることは礼儀に反する。
(でもこの空気…本気で困るったい)
絵里はれいなに背を向けて一歩踏み出そうとした。
79 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:18
れいなはあからさまに困った顔をした。
今までの数分間我慢していた表情がでた。
目が合った愛は、つられたように困った顔をしながら、ふっと小さく息を吐いた。
「ええよ、あたしが戻る」
苦笑いのあと、一瞬だけ真顔になって
またすぐにニカっと笑って
「もし早めに終わったらメールしてやあ、れいな」
そう言ってれいな達の返事は要求せずにひらひらと後ろ手を振って歩いていった。
80 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:19
れいなの部屋のドアがパタンと閉まった音を聞いて
愛は一度振り返った。
ひとつ小さくため息をもらして
自分にさえ聞こえないくらい小さく口先だけで呟いた。

「お人よしやねえ、あーしは」
81 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:33
「まぁテキトーに座りんしゃい」
部屋に入った二人の空気は重かった。
「お茶、飲む?」
なんでこんなに居心地が悪いのか分からないけど、じっとしてられなかった。
れいなは冷蔵庫を開けて、買ったばかりのミニボトルのお茶と
朝飲もうと思っていたカフェオレを取り出した。
「どっちがよか?」
振り向くと座らずに立ちっぱなしの絵里がいて、さらにれいなは困った。
なんで来たときはいつもみたいに笑ってたのに
愛の顔を見た途端、こんな状態なのか全然分からなかった。
「ごめんね」
俯いたまま絵里が言う。
「絵里?」
両手の飲み物をひとまずテーブルに置いた。
82 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/10(木) 21:34
「愛ちゃん帰らせちゃって、ごめんね」
「あーーうん…でも絵里、用があったんやないん?れなに」
重い空気に、重力まで強くなった気がしてれいなはベッドに腰をおろした。
「っつーか、絵里も座り――」

「好きだよ」

「――ぃよ。は!?」
座ったばかりなのに、れいなは跳ねるように立ち上がった。
83 名前:たまき。 投稿日:2008/04/10(木) 21:40
レス

>48名無飼育さん 58名無飼育さん
お待ちしてくれていたあやみきが中途半端に終わってすみません;

>75名無飼育さん
ご期待に少しでも沿えるよう精進します。
愛ちゃんがいい味出せてれば良いですが。。

毎回短い更新ですみません。
ここからはテンパりれいにゃになると思います。
そんなれなえりが好きなんで。
84 名前:たまき。 投稿日:2008/04/10(木) 21:41
85 名前:たまき。 投稿日:2008/04/10(木) 21:41
86 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/17(木) 15:55
絶妙な所で終わっててもどかしぃいい!
次回更新楽しみにしてますよっ
テンパりれいな、自分も好きですw

愛ちゃんもちゃんと光ってますよ!
87 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/20(日) 23:24
跳ねるように立ち上がると、絵里はクスっと笑ってれいなに近づく。
「びっくり、するんだ」
「い、い、いまなんて?!」

「好きだよって言ったの」
れいなの左腕に触れながら、ベッドに腰を下ろす。
「ちゃんと言わなきゃ、れーな、分かってくれないじゃん」

ちゃんと言われてもれいなには理解できない。
好き。うん、自分だって絵里のことは好きだ。単純に。

とりあえず、自分だけ突っ立ってることが居心地悪くて、れいなも腰を下ろした。
が、そこは絵里との至近距離で座ってから後悔した。
「れーな、絵里のこと好き?」
「そ、そりゃあ、す、好――」
「愛ちゃんよりも?」
「なっ」

なんでここで愛ちゃんの名前が出てくるんだとれいなは困惑した。
なんで比べないといけないのか分からなかった。
ただ、どうしようもなく今緊張していることには自覚があった。
88 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/20(日) 23:24
「絵里はね、れーなの傍にいたいんだよ」
「傍にって、毎日会っとーし」
(誰よりも絵里やさゆに会ってる時間が長いっちゃろうが)

「ううん、そうじゃない。れーな遠くにいる」

れいなは首筋にむずがゆい感触を覚えた。
俯いた絵里の髪がなびいて首筋に触れたからだ。
ドクンと、れいなはこの空気とは違う感情が芽生えた。

「なんか、悪戯したいっちゃね」
考えもせずに呟いて絵里のその髪に触れた。
右手で髪をよけると、こんなときですら上がった口端が見えた。
(触りたい)
89 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/20(日) 23:31
触りたい。
名前を呼びたい。呼んでほしい。
甘い音域で『れーな』と。

でもその前に誤解をとかないといけない。
髪に触れていた手をそっと下げた。

「・・・愛ちゃんのことは好きっちゃよ。一緒にいるとワクワクするとね」

「でも、絵里の名前を呼ぶときは緊張する」

「絵里と一緒にいると緊張する」

「だから愛ちゃんといるほうが楽しい」

れいなはポツリポツリと朗読するように話した。
90 名前:たまき 投稿日:2008/04/20(日) 23:56
極短ですみません。
91 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/25(金) 00:28
ぎゅっと握った手に汗がにじむのが分かった。
(ああ、やっぱり緊張するっちゃ…)
もうひと言、発しようとしたとき絵里がすっと立ち上がった。
「もういいよ、れーな」
ドアに向かおうとする絵里の右腕を掴むと同時にれいなも立ち上がる。
「違うっちゃ!」
「なにが違うの?!絵里思いっきり振られてるじゃん!」
制止しようとするれいなの手をブンと振り払う。
それでもれいなはめげずにもう一度手をとった。
「だからそれが違うっちゃ!」
強く強く、引き寄せて、抱き留めた。
「もう楽なほうは選ばんよ」
二人の体温が引き合って、上がる。
92 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/25(金) 00:33
我ながら分かりにくい告白っちゃね、とれいなは思う。
もしかしたら伝わってないかなと、不安になる。
でもすぐに、絵里の両腕がれいなの背中に回されて、その思いは薄れていく。

「れーなのばか、分かりにくい」
言葉とは裏腹に、絵里はれいなの肩口に頬を寄せて、擦り寄る。
「絵里のほうが分かりにくい」
その言葉を聞いて絵里は体を離した。
「分かりにくいってどういうことー?好きって言ったのにぃ」
「言ってみただけっちゃ」
「いじわる、れーなのばか」
「絵里にばかって言われても傷つかん」
「なんでぇー」

いじける絵里を見て、れいなは心の中でニヤけた。

(絵里がばーかって言っても可愛いだけやけんね)
93 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/25(金) 00:39
「れーな!」
「ん?」
「分かりにくいってば」

いつの間にか背中に回されていた両手は、れいなの両手を握っていた。
ゆるく、ぶんぶんと振り、絵里のいじけっ面はなおっていない。
「ちゃんと、絵里のこと好きばいって言って!」

「好きばい。じゃなか!絵里のこと好いとーよが正解」

「正解もこうもな……あ!」
「言うたよ」
「もっかい!今のズルイ!」
「もう無理っちゃ!心臓砕け散る!1日1回が限界……あ!」

言葉の端をも今度は聞き逃さず神経を集中させていた絵里は、うへへと笑った。
れいなが『しまった』と、握られていた両手を払って逃げようにももう遅い。
なんとか、後向きになったれいな。
94 名前:たまき 投稿日:2008/04/25(金) 00:53


明日ラストまで更新します。
長々引っ張ってすみません。
95 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:31
数センチ背の高い絵里は覆い被さるように後ろから抱きしめる。
「1日1回、ぜーーったい言ってね!絵里ぃ好いとーよぉって」
「無理」
「絵里は1日何回でも言ってあげるよ?」
そう言ってれいなの右頬に後ろから唇を当てる。
「な、なな・・・」
突然の柔らかな感触に、れいなの体がカっと熱くなる。
ただでさえお互いの体温が寄り合って、熱くなっているのに。
「れーな、こっち向いてよー」
「む、向けるかあほ!」
「れーなのばか」
「ばかばかゆーたらいかん!」
(そんな可愛い声で『れーなのばか』って言われてもニヤけるだけ・・・ってれなはMじゃなかよ・・・)
「じゃあこっち向いてよ」
少し声のトーンが低くなって、これ以上すると怒らせてしまうと案じたれいなは素直に向き合った。
96 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:32
向き合うと予想外に暗い顔をした絵里がいて、れいなにまた緊張が走った。
でも逃げるわけにはいけない。絵里はちゃんと自分のことを好きだと言ってくれてるんだから。
絵里の不安な顔は見なくてもいい。
れいなはぐっと一度口を噤んで気合を込めた。
97 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:32
「絵里、れなは絵里のことめちゃくちゃ好いとるよ?大好きばい」

「だけん、不安にならんでええし」

「緊張するのは、絵里のことが好きやけん」

「えーっと、そのー愛ちゃんと比べなくていいけん」

「絵里には笑って、れなの傍にいてほしいっちゃ」

「好いとーよ」
98 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:32
少ない語彙だけれどもありったけの勇気と愛を込めて。
もしかしてここでギュっと抱きしめて、キスのひとつでもするべきなのかなとれいなは思った。
思ったけれども、そんなことできるわけないと自虐した。

絵里の不安げな瞳が潤んでゆらめく。
ギュっと強く目を瞑って、開いたその瞳は凛と輝いて。
ふわっと笑顔になった。

「絵里、可愛かね」
思わず口にして、頬にかかる髪をそっと削ぐ。
「れーなのばか」
「ここでばかはなかろうが。っつーか何回ばかって言いよーと」
「何回でも。だってばかだもん。ずっと愛ちゃん愛ちゃんばっかりだったもん」
「だけん、そんなことなかって」
「もういいけどねぇーえへへ」

「そこは『うへへ』じゃなかとね」
「え?なにがぁ?」
「…なんでもなか」
99 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:33
――ブブブブブッ

テーブルの上に置きっぱなしだったれいなの携帯が着信を知らせる。
そのランプはまたしても『赤』だった。

「――愛ちゃん」

開かずに着信主を口走ったことにれいなはしまった!と思ったが
先ほど別れ際に話が終わったら連絡してと愛が告げていたので
絵里は特に不自然にも思わなかった。

よく考えれば愛の言葉からは、メールを待っているという意味にしか取れないのだが。
たぶん絵里は、愛に対して不穏なオーラを出すことで精一杯で、そこまではっきりと言葉を覚えていなかったのだろう。
100 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:43
携帯を手に取り、開く。
『終わったら電話して』
短く、それだけの内容。
なんとなく違和感を感じて、眉間にしわが寄った。
絵里が覗き込もうとして、咄嗟に身体ごと背けてしまう。

「なにー?愛ちゃんなんて?」
「や、終わったら連絡してって」
「そっか。やっぱりちゃんと打ち合わせしたいんだね、愛ちゃん」
「そ、そうみたいやね」

どうにもこうにも、さらっと平静を保てないれいなに絵里は怪しげな目を向ける。
そして口を開く。
「絵里、戻るね」
「え?」
101 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:44
「戻りたくないけど」

「絵里だけはズルイし、れーなの気持ち聞けてよかったから」

「今日はガマンする」

「でも浮気しちゃ駄目だよ、れーな」

そう言って、れいなを引き寄せて、キュっと短く抱きしめた。
れいなは目を丸くしたまま固まって、抱きしめ返すことはできなかったが
すぐに離れた絵里が『えへへ』と笑っていたので
少し気持ちが和らいだ。

「ゆっくり休みぃよ」
小さくそう告げると、絵里は小首を傾げて
「それは無理、れーなに告白した日に落ち着いて寝れないよぉ」

ばか。と優しく呟いて、小さく手を振ってれいなの部屋のドアを閉めた。
102 名前:RE傍に 投稿日:2008/04/28(月) 23:44
END

そして愛れな篇に続く。
103 名前:たまき 投稿日:2008/04/28(月) 23:46
>>86

引っ張ったあげく、まだ続きます。
そしてスレタイに背いて、愛ちゃん登場しますです。
精進します。
104 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/29(火) 00:41
続き待ってましたー!!
れなえり大好きですv
でも、愛れなも気になる今日この頃・・・
105 名前:ais 投稿日:2008/04/29(火) 04:49
PCの前で思いっきりニヤけてる自分がいますw
愛れなもれなえりも好きな自分からしたらものすごく楽しいです。
久しぶりにCPの良さを感じられたというか二人がすごく可愛いですね。
今後も更新がんばってください。
106 名前:たまき 投稿日:2008/04/29(火) 23:53
僭越ながらブログ開設しました。
スレタイと同タイトルにて。

>>104 名無飼育さん
ありがとうございます!!!
愛れな最近かなり気になるんですよねーーー!
がんばりまっす。

>>105 aisさん
うおー!ありがとうございます!
CPの良さを感じられたとか…なんとありがたいお言葉。。

愛れな猛執筆中です。妄想妄想。。
107 名前:たまき 投稿日:2008/06/17(火) 20:29
どうもお久しぶりです。
れなえり「傍に」の愛れな篇ではなく
全く関係ないあやみき書いてました。
時間差で5月くらいのイメージ。
リアルで。
108 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:30

春の陽気が過ぎようとし、夏が近づく。
君と最後に歌った日が近づく。
君と歌わなくなって1年になってしまう。

109 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:30

雨の日。
お天気が続いていたのに、オフの今日に限って雨なんてついてない。
今ごろあの子はどうしているのか?
それに、あたしはなんで自分たちのコンサートDVDを観てるんだろう。
楽しそうじゃん、あたし。

守ってあげるなんて余裕かましてた割に
そばにいれないもどかしさで、そばにいないあの子を許せなかった。
あたしがもっと強ければ、今でもハシャいで歌ってたのかな。
110 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:30

何度かイベントで会ったし、つい数ヶ月前には一緒に収録もした。
相変わらずあの子は『亜弥ちゃん』と懐いてくる。
でもあたしの笑顔はきっとぎこちなくて。
時折見せるあの子の怪訝な表情が苦痛だった。

「連絡なんか頻繁にとらなくても繋がっているから」
そんな自信も薄れて、あの子の名前を検索してはクリアボタンを押していた。
あたしはなにも悪くないかもしれないけど
あたしが悪いのかもしれない、なんて訳の分からない感情さえ芽生えた。

111 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:30

好きすぎてバカみたい。
イントロが流れたときに人の気配を感じた。
とっさに玄関を振り返る。でも誰もいるはずがない。
あたしが戸締りを怠るわけがない。
そう思って、画面に視線を戻したとき電子音が鳴った。

『ピーンポーン』

ぶわっと何故か鳥肌が立った。
さっきの気配は本当だったんだ。
いや、でもマンション自体の玄関のロックがあるから扉で気配なんかするわけが…

『ピーンポーン』

112 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:31

2度目の電子音の途中であたしは腰を上げた。
液晶画面付きのインターホンの受話器を外してボタンを押すと
さっきまで画面の中であたしと一緒に歌ってた奴がいた。

「たっ…!」

右手からずり落ちそうになる受話器を左手で支えて息を整える。
そんなこと感づきもしないであろう相手は
「亜弥ちゃーーーん」
と間延びした声であたしの名前を呼んだ。
随分久しぶりに聞いた気がして無意識に口元が緩む。
「あーけーてーー」
まるで小学生の頃、友達の家の前ででっかい声でその子の名前を呼んで呼び出すような。
無邪気な大きい子供みたいだ、相変わらず。
ポチリと解除のボタンを押すと、たんはニッと笑って画面から消えた。

113 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:31

待ちきれない!なんて気持ちを自覚しないまま
あたしは玄関からエレベータまで駆け出した。
オートロックがガチャリとかかるのは後ろ手に聞こえた。
キーケースはちゃんと握り締めてる、大丈夫―――。
1階からあがってくる階数ランプを見ながら思う。
――たんがうちに来るのはいつ振りだろう?
――よく道を覚えてたな?
――階数間違ってないかな?

――なにしに来たんだろう。

114 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:31

最後の疑問を頭の中で唱えたと同時に、エレベータが到着して
あたしを見つけてふにゃっと笑うたんがいた。
扉が開くと、たんは右手をひらひら振ってあたしに歩み寄る。
動けないまま、じっとたんの目を睨んでた。
壁にもたれるあたしの目前に着くと、両手を前に組んで、たんは悪戯な笑みを浮かべて
「来ちゃった」
漫画みたいな台詞をあたしに投げかけた。

相変わらず可愛くて、すぐにでも抱き寄せたかった。
でもそんな勇気、今のあたしにはない。
前みたいに、ばーか。とたんの頭を小突く手も出ない。
泣きたくなった。
このタイミングで会って、どうしろってんだ。
せめて連絡よこせ。家に居なかったらどうしてたんだ。
ばか。

115 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:32

「亜弥ちゃん?」
同じ目線からズレて、ほんの少し下から覗かれる。
俯き加減だったあたしと、たんの視線がかち合う。
どくん、と心臓が鳴って慌てて一歩退く。
「――中、はいろ?」
返事も聞かずに方向転換して部屋に向かった。
2秒くらいしてから、たんの足音が追ってくるのが聞こえた。

116 名前:AMだから君がすき。 投稿日:2008/06/17(火) 20:32

握っていた鍵を、差し込んだとき、ハッとした。
DVD流しっぱなしじゃん!見られたら恥ずかしい…なに見てんだオマエってなる…
ああ、どうしよう。どうしよう。
鍵穴に差し込んだまま、あたしは停止していた。
「亜弥ちゃん?」
あたしの右肩後ろからにゅっと顔を出す。
ふわっと、たんの匂いがして、覗き込まれてる右肩に鳥肌がたった。
以前は1番近くにあって、1番安心できた香り。
懐かしいだけじゃなくて、心臓のあたりが苦しくなる。
「開かないの?」
たんは、まだ停止していたあたしの手ごと捻った。

『ガチャン』

「開いた開いたー」
あたしの停止理由なんて露知らず、呑気な声を出して後ろからあたしを押しながら部屋に入った。

117 名前:たまき 投稿日:2008/06/17(火) 20:33

つづきます。短くてすみません。
色んな意味ですみません。ネガティブ亜弥ちゃんだし。
118 名前:たまき 投稿日:2008/06/17(火) 20:33
119 名前:たまき 投稿日:2008/06/17(火) 20:33
120 名前:名無し飼育さん 投稿日:2008/06/20(金) 20:42
あやみき好きです。
つづきゆっくり待ってます。
121 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/08/21(木) 22:16
つづきお待ちしています。
122 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/08/28(木) 22:52
楽しみに待ってます。
123 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/11/15(土) 00:20
作家さんのれなえりが好きなのでゆっくり待ってます。
124 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/12/06(土) 16:30
続きまってます

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