雪空キッス
1 名前:時矢 投稿日:2006/11/21(火) 18:12
5期、6期を中心にみきれな、愛ガキなど色色ゆっくり更新するつもりです。
とりあえず色んなCPを書いてみようかと
2 名前:時矢 投稿日:2006/11/21(火) 18:13
まずは愛ガキです。
とりあえず高校の同級生でお願いします。
3 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:14
「里沙ちゃーん、りーさちゃーん」
「十分聞こえてますよーっとい」


乾いた空気に響く声、冬の装い寂しく散ってく落ち葉に囲まれて


「一緒帰ろ?」
「はいはい言うと思った」


「うぉっ!寒っ!」
「雪降ってもおかしくないやよ」


何ら変わりのないあたし達の距離は 今日も通学路を行く



「雪空キッス―――――」
4 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:15
放課後直ぐとゆうのに既に傾き始めている太陽に照らされる愛ちゃんの革靴
同じように照らされて全体が橙色に染まるあたしの運動靴
カツカツトコトコ軽快に 乾いた道行く影二つ

あたしの左足のつま先と 愛ちゃんの右足の踵
その距離 約18cm


「里沙殿、もっと近う寄れ」
「やだ、これ以上近付いたら愛ちゃん何するか分かんない」


喋り方には突っ込みを入れずに中々丁重な断り方
ちぇ、とか言いながら少し大袈裟に手を振る愛ちゃん


そんな子供っぽさに 見惚れてみる


いつも半歩後ろを歩いて、気持ちが伝わらないように
鈍感な愛ちゃんだから熱い視線くらいじゃ気付かないでしょ
5 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:15
オレンジの空がふかす風は、乾燥した落葉を掃いあたし達を突き刺して逃げる
かじかんで来た手を何とも寒そうに染まる息が励ます

少しペースダウンした運動靴に気付かないままちょっと差を広げる革靴の音
その距離 約53cm


「好き」


ちょっと言葉遊びのつもりで小さく小さく


「へ?何てぇ?」


風に巻かれた言葉は上手く届かない、届かせるつもりはない
でも間抜けな返事で振り返った愛ちゃんの顔は太陽に染められて、あまりにも綺麗で
少し切なく鳴った胸、大きめに1歩踏み出した


「別に何も言ってないけども」
「何やのそれ」


御互い笑っていつもの距離に戻ってみた、マフラーを忘れた首が強張る


ふと空を仰ぐと何やら不安気にさせるどんより綿飴がちらほら
風に押され流されあたし達の真上に迫っていた
6 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:16
鞄を肩にかけて感覚なんて何処へやらの指先、同じように侵食されるであろう掌まで
少しでも時間稼ぎだと悪あがきにブレザーへ押し込もうとした瞬間


「里沙ちゃん…」

愛ちゃんは立ち止まって嬉しそうに 切なそうにあたしを呼んだ


もう少しでいつも別れる突き当たりに差し掛かる
今日の片思い下校も終わりを告げようとしている時に

二人して銀色の贈り物に包まれ見惚れきっていた

その時のあたし達の距離 約6cm
爽やかに靡く愛ちゃんの香りが赤い鼻をくすぐった


「初雪やね…」
「そうだね」


暫く固まっていたら黄色の手袋がその場で手招き
頭にはてなを浮かべていると前向いたまま言葉が紡がれる
7 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:17
「手」
「ほぇ?」
「雪降る程や、手、寒いやろ?ほら」


意味を理解するのにどれくらいかかっただろう、こんな時だけ大人ぶりやがって
でも素直に喜び跳ねる胸、ブレザーに中途半端に入れていた指を引き抜いて


緊張と寒さで震える指先は、すぐに絡めとられた


属に言う恋人繋ぎ 指の間の毛糸がこそばゆい
それでも掌は温もりを持って 体温もほんのりあがる

そのまま無言でゆっくり歩き出す、陽はもう殆ど落ちていた
風があたし達を突き刺す度に、絡む指に力が入る、それがとても心地よかった

しかしもうあの突き当たり、あたしは右に 愛ちゃんは左に
名残惜しく手を解こうとした瞬間、あまりに近い場所で向き合った顔



街頭に照らされても 愛ちゃんはあまりに綺麗だった
8 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:17
「…」
「何さいきなり」
「ふふっ」


いかにも子悪魔って表現が似合う微笑を浮かべた後に
この寒さでも桃色を保った唇が――――――――



あたし達の距離 マイナス0.2mm


「はっ!?ええぇ?愛ちゃん!?何すんのぉ!」


思わずいつものリアクション、いやそれ以上かも
繋がれていた手も飛び退いた所為で離れてしまった
それでも笑いながら簡単にファーストキスを奪ってくれやがった犯人は


「あーしも好きやよ」
9 名前:雪空キッス 投稿日:2006/11/21(火) 18:18
そういって自分の帰路に着こうとくるっと体を反転させた
畜生、意外に耳良かったんじゃん…じゃなくて


「コラー!返事くらいその場でしろー!」


寒さと嬉しさと残りの複雑なハイテンションで赤く染まりすぎた顔で叫ぶ
肩を震わせて声を微妙に漏らしながら振り返らずに黄色の手をひらひら振った

火照った体は明日の朝を思いフライング気味に咳き込んだ


僅かに敷き詰めされた雪が厚さをまし太陽の光に映える頃




少し近付いて何ら変わりないあたし達の距離は 甘く染まりながら通学路を行く


end…
10 名前:時矢 投稿日:2006/11/21(火) 18:20
最近あまりにも寒いので書いてみました。
まだ雪は降ってないんですけどね(笑
11 名前:名無し飼育 投稿日:2006/11/22(水) 20:29
愛ガキ発見!
凄く好きな感じです♪
他のCPとかもどんなのが出てくるのか楽しみです。
12 名前:時矢 投稿日:2006/11/23(木) 09:54
>>11さん
ありがとうございます。
他のCPはれいなとがきさんを中心にやっていくつもりです
あくまでつもりですがw
13 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/23(木) 09:55
いつもと同じ時間に設定された目覚ましの音で渋々起きる早朝
無造作過ぎる髪を掻き揚げながら乱暴にスイッチを切りベッドから降りる
寝ぼけ眼を痛いくらい擦って携帯でスケジュール確認



「オフじゃん…」



畜生、知ってたらもう少し寝れたのに

今から二度寝すれば解決する問題なのだがいかんせん一度起きたら寝れない人間
前日のチェックを怠った事を後悔してリビングの床に力なく座った
14 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/23(木) 09:55
外は何とも言えない天気 どんよりした雲が天井の天井を埋め尽くしている
何となく点けたTVは丁度天気予報で「東京 70%」などと日本地図に表示されていた
まぁ今となればそんなことは関係ない、なんたって今日はオフなのだから 気付いたのはさっきだけど

元々外に出て息抜きをする性分ではないので今日も一日中家に居る事になりそうだ
出掛けると言えば、自分よりちっさいあいつに誘われた時だけ


どっか行こうよ、美貴ねえ――――


って、恥ずかしがり屋が顔を真っ赤にして誘ってくる姿を思い出して思わず顔がニヤける
今日もメールは来るのだろうか とか考えつつこんな天気なら御互い家で過ごした方が良さげ
たまには自分から家に誘ってみようか…と携帯を手にした瞬間何者からか電波を受信した
15 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/23(木) 09:56
「タイミングばっちし」


独り言を呟いて一人だけ隔離されたメールボックスをすばやく開く
そこに書かれていた文章は瞬時に立てた予想と微塵も違ってはいなかった



11/23 09:07
From:れいな
Sub
――――――――――――――
今から行ってもよか?




 
16 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/23(木) 09:56
ふふ、と笑みを零しながら「いーよ」とだけ返信をして携帯を閉じる
少し浮き足で髪を治そうと洗面所に向かう途中で扉に足の指を強打 5分程悶えた

れいなが来るまで30分ちょっと その間に着替え等を全て終えてしまおう
晴れやかになる心とは裏腹に、そとは黒みが増した雲で埋め尽くされていた


予想以上に早く終わった身の回り、れいなが来るまであと15分はある
再びリビングに力なく座り、面白みの無いワイドショーを意味も無く見学
と、窓に落ちてきた雫が目に入った 外はいつの間にか朝9時過ぎとは思えない程暗い
続けて耳に入るのは微かに空を震わせる鈍い唸り


まずいな、れいなは雷が苦手だ


れいなが来るまで あと10分
17 名前:時矢 投稿日:2006/11/23(木) 09:57
続きは今日の午後かまた後日に…
18 名前:ais 投稿日:2006/11/24(金) 00:32
ほのぼのしてていいですね
続きも楽しみにしてます
19 名前:ais 投稿日:2006/11/24(金) 00:33
すいません
上げてしまいましたm(_ _)m
20 名前:時矢 投稿日:2006/11/28(火) 20:17
>>18さん
ありがとうございます、今から続きを載せて行きます。
21 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/28(火) 20:17
午後を思わせる外にさっきより勢いを増して窓を叩く雨音
時折フラッシュの様に光りながら、確実に近付いてくる唸り声
普段は何も思わず待つこの時間、流石に今日は落ち着いていられなかった

外に出て待つかどうするかを考えながら部屋の中をウロウロ
余所見をした瞬間箪笥に足の指を強打、またもや悶える事になった瞬間



ゴォォォーーーーン!



今のは美貴でも吃驚したんですけど…れいなやばいよね
ヨロヨロ立ち上がって引っつかんだビニール傘、踵を踏んだまま履くスニーカー

屋根に守られて湿気だけを含んだコンクリートの廊下に一歩を踏み出すと
視界に水色の傘を持った人影
22 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/28(火) 20:17
「れい、な」


美貴たちを、光の一閃が照らし出す


それが合図の様に、れいなは駆け出して近付いてくる
怖がりの体がいつもよりずっと小さく見えた


「おわっ、と」
「ふぇ、美貴ねえっ…美貴、ね」


首に回された腕、首元に埋められた頭、必死にしがみついてくる体、全てが震えて
宥めようと差し入れた指に絡む濡れ髪、意味をなさずに閉じられた傘



参ったな、こんな時ですら
こんな時だから
23 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/28(火) 20:18
「大丈夫、大丈夫だから」
「っぅ、ん」


愛しさが飴の様に甘く、雨の様に降り注いだ
耳元で囁く、どんなに空が唸っても聞こえるように
どんなに雨が地面を鳴らしても、聞こえるように


「頑張ったね、れいな」
「美貴、、、ね」
「ほら、中入ろ?お風呂入った方がいいでしょ?」


涙と雨を拭いながら頷くれいなの手を引いて美貴の敷地内へ
閉まりだす玄関がじれったくて思いっきりノブを引いた
完全に美貴たちが外の世界から逃げ出したらすぐ、空が光って
24 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/28(火) 20:19




見つからないように唇を落とした頬は、涙の味と雨が香った



25 名前:雨香る… 投稿日:2006/11/28(火) 20:19
end...
26 名前:時矢 投稿日:2006/11/28(火) 20:23
雷は自分が苦手なだけです、れいなが苦手かどうかは知りませんw
実はれいなが心配でたまらない美貴さんを書いてみたくて書きました。
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/09(火) 00:06
どうなんでしょうね、れいな雷苦手なんでしょうか…
ただ、とりあえずとてもれいなっぽくて良かったです
というかひっじょーに可愛かったですw
28 名前:時矢 投稿日:2007/01/26(金) 21:48
>>27さん
苦手だったら守ってあげたいですw
れいなっぽかったですか?可愛いれいなを書く事を意識していたので嬉しいです。
感想ありがとうございました

今からガキ絵里をageていきます
29 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 21:57
擦り寄ってくる頬、嬉しそうに漏れる微笑
細まって絵里を写す虚ろな瞳


『虚ろ瞳ハニー』


「かーめぇ」
「はぁーい」


普段と比べて格段と緩まった可愛い声、普段と比べて一層近い体温
普段と比べて何もかもが違う、目の前の絵里より少し小さな同級生

自然と緩まる頬を何とか抑えてこの状況の打開策を混乱しかけた頭で必死に
ただ必死に人が考えてる時にこの酔っ払いは


肩口に柔らかく埋まった額、其処からほんのり鼻を擽るいい香り
それに混ざって香ってくるのはきっと柑橘系のチューハイだ
時折ふと見上げては微笑んでその一連の動作に酔いが移ってしまいそう

そんな考えを振り払って、少しだけこうなった経緯を思い出してみる

それはほんの30分前の事だった、様な気がする
30 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 21:57
「亀ぇ〜、ガキさん預かってほしいやよー」
「はい?」


突如玄関先に現れたのはほろ酔いで訳の分からない事を言う先輩と


「あぁ〜亀がいるぅ〜、やったぁ」


ほろ酔いを通り越してしまっている同級生の姿
一月の寒さに晒されたであろう頬はそれでもかなり赤みを帯びている

「じゃ、美貴ちゃんが待っとるからあーしは帰るがし」
「え、ちょっと愛ちゃん?」
「何やの」

フラフラパタパタ靴を脱いで絵里の部屋に一直線
後ろに感じるはしゃぐ声ははたして一体誰なのか・・・



「あの人、誰ですか?」
「誰って、ガキさんやざ」

「だって絵里の知ってるガキサンじゃないです」
「じゃあ絵里の知らないガキさんやよ」
「知らないとしても何がガキさんを変えたんですか」
「…大人の飲み物」



絵里も飲みたーい!と叫びそうになったが意外と冷静だった思考回路がそれを抑える
まぁいつもの如く無理矢理納得させて飲ませたまでは容易に想像できた
31 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 21:58






「でも、何で絵里の家なんですか?」
「ガキさんがずっと言ってるんやもん、亀、かめぇって」
「…ガキさんが?」






32 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 21:59
手をひらひら振りながら絵里を出迎える彼女
特に何も考えずに隣に座った

途端

「かーめぇ!」
「うえぇ!?」


と側面から見事なタックル
そして今に至る・・・



「ガキさーん、いい加減絵里暑いんだけどぉ〜」
「やーだぁ」


それなりに暖房器具の聞いた部屋に防寒対策を施した服
重なる部分がかなりの熱を帯びて色色とクラクラする

もう離れてくれるんならヤケクソだ、と
一度髪を梳いて両頬を掴んでこちらを向かせる

虚ろな瞳が絵里を射す、嗚呼もう全部見透かされそう
もう、離れてくれないなら



「どしたの亀ぇ」
「もぉ、ガキさん離れてくれないと」
33 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 21:59




離れてくれないなら
キス、しちゃうんだから




34 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 21:59
「いーよ?」
「へぇ?」


トロトロに溶けて流れ落ちてしまいそうな表情がまだ笑う
絵里の手を擦り抜けて小さな顔が徐々に、徐々に



何本気にしちゃってんの?酔っ払いの癖に
絵里、全部冗談で言っ――――



すこし唇に温もりを残して離れる顔
虚ろ目はそのままに赤い頬が更に、更に

首にするする腕が回る、再び頬が擦り寄ってくる
愛しい吐息が耳に掛かる、愛しい声が耳に入ってくる


「かめぇ、好きだよぉ」
「はいはい…」
35 名前:虚ろ瞳ハニー 投稿日:2007/01/26(金) 22:00
暖房器具の温度を2度程下げてそのまま後ろに倒れた
暑すぎる体とは対照的に外は凍てつき青い空気が走る



「何本気にしてんだろ、酔っ払いからの告白なのに・・・」



言い聞かせても言い聞かせても顔は彼女と同じくらい熱をもっている気がした
御互い本気な事くらいとっくの昔に分かってた自分に少し溜息が出た

とりあえず今日は寝てしまおうクラクラしすぎて何が何だか
起きたら開口一番さっきの告白をそっくりそのまま返してやる



そんな事は露知らず、絵里のハニーは虚ろ目を閉じる


end…
36 名前:時矢 投稿日:2007/01/26(金) 22:00
所詮ガキさんがこうなったらいいなぁ、ってゆー妄想の世界w
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/27(土) 03:09
奇遇ですね
私もそういうガキさんが見たいですw
38 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/01/29(月) 21:07
ガキ絵里ってどうしてこうもカワイイんだろう
なんでこんな魅力的なんだろう
39 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/07(土) 13:38
二人のラジオも始まるし勢いついてますしね
40 名前:時矢 投稿日:2007/04/17(火) 22:24
>>37さん
ナカーマ!w
まぁ簡単に言えば誘われた(ry
>>38
ほのぼのというか柔らかい雰囲気ですよね
独特の雰囲気はとても魅力的だと思います
>>39
最近コンビになることが多いですよね
これからまた加速しそうな気がします
41 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/04/17(火) 22:27
「れなシャワー浴びるよ?」
「分かりましたぁ〜」


遠征地でのホテルの一室、同室となったれいなの声に適当に相槌を打って
小春は何の気なしにベッドに座りパラパラとテレビのチャンネルを変えていた



―――凸凹な覚醒と誘惑



もう9時を越えてしまっているためか、小春を夢中にさせるような番組はなく
少しの溜息を零し携帯を片手に取った
同い年の愛佳に暇を訴えるメールでも送ろうと、携帯をいじりながらテレビの電源を消した

つもりだった

小春の指は電源ボタンの一つ下、他のボタンより目立つように塗られた赤色
それが示す意味は同室のれいなが口篭りながら教えてくれた



『やけん…エッチなテレビしかやっとらんと』
42 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/04/17(火) 22:28
その言葉を思い出すより早く耳に入ってくるのは淫靡な声
いきなりの出来事に小春は顔を上げチャンネルを変える事も、呼吸も忘れていた
目に飛び込んでくるのは、耳に飛び込んで来るものそれ相応の、小春には到底表現できない
携帯は弾力のあるシーツに柔らかく落とされた

ゴクリ、と息を呑んだ音で小春はやっと正気になった
素早く正しい電源ボタンを押し、部屋にはシャワーの音だけがサラサラ響く

安堵の溜息の後にすぐさま思い出されるテレビに映し出された光景
メールを送る気も失せるほど顔に血が上っていくのが感じ取れた


「小春〜次入って良かよ〜」
43 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/04/17(火) 22:29
間延びした声とともに髪をわしゃわしゃ拭きながられいなが部屋に戻ってくる
まだ顔に熱を帯びている小春を見てれいなは違和感を覚え徐々に距離を詰めていく

不思議に瞳を揺らしながら、口元は少し突き出していた
頭を拭く手は止めずに、一つ滴る雫はベッドへ
小春はその雫を追って顔を俯かせる


「顔、赤くなっとうよ?熱でもあると?」


ジワリ、水分がベッドに吸い込まれて行き、小春の汗へと変換される
その汗を拭った指先はれいなの指先を掠め、少し乾いた音を立て

刹那の間にれいなの掌は小春の額を包んでいた
44 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/04/17(火) 22:30
細い指から薄い掌まではっきりと額で感じ取れた
突然の事に吸い込む空気の量が増え肩が僅かに上下する

髪を拭くのをやめ、自分の額にも手を置き、れいなは何度も確かめる
それでも差ほど自分の体温との違いを見つけられず、手を離し小春を覗き込んだ


「熱は無いみたいやけど…大丈夫?」


ふとれいなと目を合わせる、意味も無く小春はさっき自分が見た光景とシンクロさせてしまった
心配そうな顔でこちらを見るれいなは、何かを欲しているように小春に映る
妙な好奇心がジリジリと身体を駆け巡っていた

この人もあんな表情をするのだろうか、、、、

「田中さん…」

遠慮がちに触れた頬は驚くほど脆く、驚くほど儚かった
45 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/04/17(火) 22:30
小春だって何も知らない訳じゃない、だが欲情を覚えるのは初めてに近かった
指先は頬から首筋を通り手首まで下っていく


「な、なん?」


若干怯えを含むれいなの瞳に映る小春は、何かを懇願するようにれいなの足を縛りつけた
手首を掴み軽く引き寄せる、簡単にれいなは小春の腕の中に収まった

何が起きたのか理解できていないのは小春もれいなも同じである
耳を掠る吐息がくすぐったくて、れいなは少し身を捩った


「小春…ど、どうしたと?」
「わかんない、わかんないけど…」
46 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/04/17(火) 22:31






―――――田中さんのせいですから






47 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/17(火) 22:31
今日はここまでで、なんでこはれな!?とかは別に聞いてもいいけど聞かないで下さいw
48 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/19(木) 00:32
コッ、コハれな!もっともっと!!!
49 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/21(土) 22:47
寸止めキツイです・・・あんまり焦らさないでw
個人的にこはれな来てるので嬉しいです^^
50 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/14(月) 00:56
こはれなたまらん!(*´Д`*)
51 名前:時矢 投稿日:2007/06/17(日) 21:05
>>48さん
お、落ち着いてください!
今からちょこっと続きをw
>>49さん
物凄い焦らしてしまってすいませんorz
今回もちょっとだけですがageます
>>50さん
ちょっと自分の中でキてるんですよねこはれなw
52 名前:時矢 投稿日:2007/06/17(日) 21:05
反論の言葉を紡がせぬように、れいなの唇を塞ぐ
細く小さい体を抱きとめる事なんてメンバーなら誰でも容易だ
ライブでメンバー同士がするような浅いものではなく、深く深く

柔らかい口内へ侵入して不器用に蹂躙していく
必死に抵抗するれいなの舌は逆にもっと、もっとと絡んで
強く閉じていた目を開けてれいなを見れば、少し目の端に見えた涙


突然の覚醒は、どんどん加速を付けて行った
軽々れいなを低く持ち上げ、ベッドに優しく横たわらせる
53 名前:時矢 投稿日:2007/06/17(日) 21:06
唇を離せば行き場を無くしていた吐息が漏れ、大袈裟に呼吸をするれいな
小春の指は無意識に、モノクロチェックのパジャマのボタンへ
もっと、れいなを見たかった
もっと、れいなを知りたかった

全てのボタンを外し、体が見えるように開く
小春が持つ雰囲気に、れいなは隠すのを躊躇ってしまった


「白くて綺麗ですね」


見たままが正直に呟かれる、溜息が混じりどこか艶を帯びて
その言葉を聞いたれいなは一気に熱があがり、白の肌は薄く紅を纏うように
ようやく隠そうと動かした右手は、小春に軽くあしらわれてしまった
54 名前:時矢 投稿日:2007/06/17(日) 21:06
ゆっくり肌に触れて、撫でて、なぞって、引っ掻いて
小春は初めての事を丁寧に頭に染み込ませて行く
時折ピク、と柔らかく跳ねるれいなに、もっと触れたい
思考回路が馬鹿正直に小春を突き動かした

れいなの目に映る小春は、いつも以上に大人びていて、まだまだ子供
一つ一つれいなの顔色を伺いながら、それでも余裕を見せるように
そんな小春にれいなの心臓はいちいち五月蝿く胸を叩く


「ぁ…っぅ!」


胸の先に舌先が触れた途端に、れいなは僅かに声を漏らした
55 名前:時矢 投稿日:2007/06/17(日) 21:07
小春は声を覚え、肌の味を覚え、れいなの顔を覚え
自分の行動と、れいなの声色にこれが現実なのか良く分からなくなりそうだ

反対にある頂に指先を持って行く、主張しているソレに少し鼓動が大きくなった
それと同時に、れいなの体をこうさせたのは自分なのだ
そんな奇妙な優越感が小春を支配して行く

れいなの声が先程より音量を増す
目線だけチラ、とれいなを見るも近すぎて焦点が合わない

体を起こして目を細め、限りなく優しい声で小春は問い掛けた


「田中さん、気持ちい?」
56 名前:時矢 投稿日:2007/06/17(日) 21:07
短すぎますが今回はこれだけorz

次の更新は早めに出来るように頑張ります 汗
57 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/07/13(金) 19:41
返事は、ない
れいなはただ小春を紅潮させた頬と今にも溶け出しそうな瞳で見つめるだけで
それでも充分、言いたい事は伝わってきた


「なんで抵抗しないんですか…?」
「だ、って…ぅあ!」


最初から抵抗すればこんな状況にはなってないのに、と心の中でぶつくさ言いながら
一枚一枚丁寧に、パジャマのズボンと下着を脱がせた
我ながら少し器用だな、と思いつつ赤くなっているのはどこの誰だろうか

つ、と一撫ですると声を殺してれいなが大きく跳ねる
その後に吐息だけが漏れ、小春の耳を擽った
薄く開かれた口がまた閉じられる前に咄嗟に唇を奪う
58 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/07/13(金) 19:42
またも不器用に口内を蹂躙していると、首の後ろに回る腕
力は入ってなくても小さな体が必死にしがみ付いてくる

絡まるお互い、漏れる声吐息、密着する体
少し、小春は自分自身が分かった気がした


「あっ、小春…」
「ここ?」
「ぁ、ゃっ!だめ、っ」


中に侵入した指は熱く、狭く、深く
恐る恐る動かす指に、もどかしく小刻みに揺れる腰がヒドクいやらしい
背中に食い込むような指先、それも気付かないくらい小春はれいなに溺れていた
59 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/07/13(金) 19:42
たった一人の人間に、まさかここまで動かされるなんて
でも薄々小春は気付いていた、無意識に体が動いたのも
嬌声が耳に心地良いのも、れいなの限界が近いことも


「やだぁ、もっ、れなぁ…っ!」
「田中さん…」
「っん!こは、る…ゃ、ぁっ!」


首に回されていた腕がほどけて白く華奢な体がベッドに沈む
肩で息をする口元に指先を這わせて形をなぞって
滑らせた頬を掌で柔らかく覆う、温かい熱が自分の頬にまで伝わってくるようだった
60 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/07/13(金) 19:42
「好き」
「っん?」
「好きです、田中さんが」
61 名前:凸凹な覚醒と誘惑 投稿日:2007/07/13(金) 19:43
気付かないうちに小春に宿り、ついさっき気付いた心をさらけ出す
順序が完全に逆じゃないか、と小春の中の小春がケラケラ嘲笑った
そいつを黙らせるように下唇を噛み、れいなをじっと見つめる

腕がまた首へと回される、キュッと抱きつく音がするような感覚に陥る
まだ少し乱れている呼吸が耳元で一つ深呼吸をした

頬に一つ、柔らかい感触が残った

どこよりも熱く頬が火照って意味もなく泣いてしまいそうだった
そんな小春の前、ぐしゃぐしゃな前髪を気にせずに

れいなは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑顔を零した



小春は情けない笑みを返して、れいなに深く口付けを――――――



end…
62 名前:時矢 投稿日:2007/07/13(金) 19:45
ちょっと弱気な小春もいいかなと
そして自分で書いといて小春が羨ましくなりましたww
次はどんなCP☆カナ
63 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/14(土) 23:50
萌える
64 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/15(日) 21:24
こはれないいですね。
れいなかわいかったです。
65 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/27(金) 00:06
これはちょっと可愛らしすぎでしょ
66 名前:時矢 投稿日:2007/08/04(土) 02:16
>>63さん
こはれな妙に萌えポイントを突いてきますよねw
あの身長差も絶妙ですw

>>64さん
れいなは推しの欲目というかなんというか…笑
どうにかして可愛くしようとする傾向があるみたいですw

>>65さん
ちょっと子供子供しすぎましたかね 汗
二人とも普段は凄い無邪気なとこがあるんでオトナっぽい雰囲気が…苦笑
67 名前:時矢 投稿日:2007/08/04(土) 02:18
みなさんアロハロ買いました?
自分は経済事情によりまだですorz
そんな中画像だけでドツボに入ってしまったとあるCPを…
68 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:19
安全運転の車内の中で
あたしとの距離30cm


『夏 Love ロマンス』
69 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:19
ザカザカ流れる景色を見ながら、ワザと車内に響くように溜め息
原因は私悪クナイデスヨーとでも言うように、子供みたいな顔でふと寝してるこの人

何でこんな事になったんだっけなぁー
記憶力の悪い頭をフル回転させながら
前を見たらバックミラー越しに運転手さんと目が合って思わず苦笑いを溢した

あーもうこんなはずじゃなかったのに
ビーチで遊んで、美味しいもの食べて、いつもは有り得ないくらいいちゃいちゃ…出来るかどうかは分かんないけど
70 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:20
「寝てたら何にも出来ないでしょうが」


聞こえないようにひっそりと悪態ついてみる
どっちにしろ寝てるから聞こえないだろうけど

ちょっと体を動かしてあたしとの距離18cm
窓によっかかって気持ちよさそうに、たまにエンジンの音に混じって寝息が聞こえる
喧嘩してふて寝なんて兄弟喧嘩じゃないんだから、と久しぶりにマジマジと寝顔を見つめた

中途半端に隙間の空いた唇、閉じられた大きな瞳に長い睫毛、好き勝手いじって揺れる髪
いつ見てもあたしの恋人なのが信じられないくらい綺麗で、大人のお姉さん
71 名前: 投稿日:2007/08/04(土) 02:20
 



あ、今あたし──────





72 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:21
急に浮かんだ考えをブンブンと頭降って掻き消す
喧嘩してんのに何考えてんのまったく、なんて自分で自分に得意のツッコミ

でもこの寝顔今度はいつ見れるか分かんないし、綺麗なもんは綺麗なんだからしょうがないよね
おもむろに取り出した携帯は迷うことなくカメラモードを起動させた

なるだけ近くで撮ろうと無意識に
吉澤さんとの距離10cm


「お、なかなかいい感じ」


そんな感想をわざわざ言葉に出してたった今撮った写真を待ち受けに
無駄に閉じたり開けたりしてたら無性に嬉しくなって自然に微笑みが漏れた
73 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:21


「人を隠し撮りしといてニヤニヤしないで下サーイ」
「うぉわぁっ!?」


いきなり聞こえた声に心臓も体も飛び上がって、あたしと吉澤さんの距離45cm
ビックリさせないでよ、って目で見てたら吉澤さんも真似したのかちょっとアヒル口

だから、喧嘩してんだってあたし


「起きてるなら起きてるって言って下さいよぉ」
「誰かさんの隠し撮りのせいで起きましたー」
「なんですかその言い方」


74 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:22
お互い可愛くない言い合いをした後に、しばしの沈黙
そしたら吉澤さんが携帯取り出してあたしの前で開いてみせる

いつでもシンプルな吉澤さんの携帯、特に待ち受けなんて気にしてなかったからか


「まぁ、お揃いになったね待ち受け」


血が逆流する速度が車を越えた気がした
吉澤さんの待ち受け画面の中ですやすや眠っているのはあたしな訳で、そのあたしは良く見ると昨日のホテルにいたあたしで
75 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:22
「…いつの間に?」
「あら、お顔が真っ赤よ大丈夫?」
「もぉ〜質問に答えて下さいよぉ!」


悪戯が大成功したような笑みを浮かべて吉澤さんはあたしの頭を撫でた
そんな笑顔に魅了されない人がどこにいるだろうか

目的地に着いた車が止まりあたしたちは別々のドアから車を降りた
降りる瞬間またバックミラー越しに運転手さんと目が合ったけど、それもなんだか恥ずかしくて軽い会釈をするのが精一杯

調子に乗って買いすぎたお土産を抱えて歩く
チラリ見た吉澤さんはヤケに涼しげな顔だ
76 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:23


「吉澤さん」
「あー?」
「あたしたち、喧嘩してましたよね?」
「そーいえばそーかも」


77 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:23
なんて適当に相槌打ちながらテケテケ歩く
突き刺さるような太陽の光に照らされて白い肌が眩しく光った


「でももう、怒ってないですよね?」
「どーだかねー」
「なんですかそれ」
「ガキさんも怒ってないっしょ?」
「どーですかねー」


さっさと素直になればいいのに、なんてきっと二人とも思ってる
だけどなんだかこの言い合いも悪くない


「吉澤さーん」
「なぁーにぃ」
78 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:24
間延び返事に振り向きジッと顔を見つめてみた
少し高いとこにある唇まで、キスまでの距離9cm

暫くそうしてると吉澤さんが思いついたように笑う
何ですかその全部知ったような顔は

何で年上のくせにそんなに可愛いんですかもう


「ガーキさん」
「はい?」
「仲直りのチューしよっか」
「…ヤダ」


なんだか見透かされたのが悔しくて吉澤さんの期待を裏切り答えはNO
ビックリする瞳を置いてまたテケテケ歩き出す
79 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:24
「ガキさんチューしたいって顔だったじゃんよー」
「気が変わったんです」
「じゃあ…どうしたらまた気が変わる?」


気付けばちょっとスネた顔
こんな顔、他の人には見せた事ないだろうなぁ、なんて
ちょっと優越感に浸りながら


「この荷物持って下さい」
「ん」
「そんで…手繋いで下さい」
「ん」
「このままホテルの部屋まで行けたらいいですよ」
80 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:24
お互いが少しだけ歩く速度を上げた
絡めた指から伝わる熱は太陽よりも熱くて

ホテルの部屋に着くのが楽しみです、なんて顔に書いちゃってる吉澤さんの横顔に
ちょっと勇気を出してみたくなって


「吉澤さん…」
「はいはーい」
「また、気が変わりました」
「えぇー!?」
81 名前: 投稿日:2007/08/04(土) 02:25



ここで一回、キスして下さい───────


82 名前:夏 Love ロマンス 投稿日:2007/08/04(土) 02:25
赤く染まる頬の上、汗があたしとの距離0cmを駆け抜けた



end…
83 名前:時矢 投稿日:2007/08/04(土) 02:27
親分子分みたいな印象が強烈な吉ガキww
ガキさんに頼りきっちゃってるよっちぃと
そんなよっちぃが大好きで頑張っちゃうガキさん

そんな二人のカタチが大好きです。妄想のしすぎですかorz
84 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/04(土) 22:06
二人ともかわいいですね。
85 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/04(土) 23:05
ガキさんあんたちょっと…
可 愛 い じ ゃ ね え か !
86 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/05(日) 01:05
ガキさんのキャラって小説になるとカワイイだよなぁ。
FM gaki-kameで普段は亀ちゃんにお小言ばかりなのに、
この前つい「亀はカワイイなぁ」と思わず2回も言ってしまったガキさんに萌えたぁ。
87 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/05(日) 05:02
ガキさん、可愛いー!!!
もう爆発しそうです!!
けど……もっと読みたいですな。。。
88 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/05(日) 05:37
ガキさんちょーかわええ、よっさん楽しんでるなぁ
幸せな気分になりました
89 名前:時矢 投稿日:2007/08/09(木) 01:01
>>84さん
ありがとうございます
ガキさんはもちろん、よっすぃもカワイイとこはいっぱいありますもんねw

>>85さん
ガ キ さ ん は 可 愛 い w
そう思ってもらえて良かったです

>>86さん
エリハロでは亀にカワイイカワイイ言いまくってますよw
亀井さんの事大好きですやん!って思っちゃいました 笑

>>87さん
爆発したらくっつけますね^^爆
またアロハロを元に書くことはあるかも知れないので気長に待っててください 笑

>>88さん
よっすぃはガキさんいじりが上手いと思いますw
幸せな気分になってくれて有難う御座います
その言葉で自分も幸せになれましたw
90 名前:時矢 投稿日:2007/08/09(木) 01:03
次の小説は大好きなaikoさんの「二時頃」という曲を元にさせてもらってます
あまり書きなれてないさゆ絡みなんで少し不安ですがageます
91 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:03
「好き、好きだよ絵里が」


あたしは、あなたに嘘はつけない


――――――――イミテーションラバー

92 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:03
少し遅めのお風呂を終えて時刻は午前一時をちょっと回ったところ
髪を乾かして冷房を効かせた寝室、埋まるように布団へと潜り込んだ

適当に寝返りを打ちながら電気の消えた部屋に明かりが差し込むのを待つ
妙に耳につく秒針の音、気がつけば一時ももうすぐ終わろうとしていた

もうすぐだ
寝返りをやめて携帯の前、じっとサブディスプレイを見つめる
途端見計らったように低く唸るバイブレーション、小さな窓には

絵里

の二文字
青白い光が差し込む部屋の中で、あたしはそっと通話ボタンを押した
93 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:04


「もしもし」
「もしもーし」


間延びした柔らかい声が左耳から聞こえてくる
それに混じって右耳からはさっきと変わらぬ秒針の音

それとあと一つ


「さゆみね、今すっごい緊張してる」
「えー?いい加減慣れようよぉ、絵里との電話」

94 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:04
ずっと鳴り止まない心臓の音
胸から体の中を通って直接頭に聞こえるドキドキ
最近ちょっと五月蝿くなって来たなぁ

深呼吸を一つゆっくり落として、また電話口に唇を動かす
タオルケットの先から出た足の指が少し冷たい
枕元のリモコンを手に取りボタンを見ずに冷房を切った

部屋が冷えたのかあたしが冷えたのか小さくくしゃみをしてしまって
すると電話の向こうではバカみたいに心配そうな声が
95 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:05
「大丈夫?風邪?」
「いや、ただのくしゃみだって」
「そっかぁ、へへ」


小さくて今にも消えちゃいそうな脆い優しさが、耳を通って部屋を包み込む
それだけで胸から溢れた思いが体いっぱいになっちゃうくらい

それくらい、あたしは絵里に恋をした
今はただ、声を聞くだけで幸せだった
今まで感じたこと無いような、新しい気持ちを心の陰から見つけることが出来た


「じゃあ寝ようかなぁ」
「そうだねぇ」

96 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:05
真夜中と早朝の境目で、絵里は小さな欠伸をした
その声に微笑みながら、今日もあなたに嘘はつけない


「好きだよ絵里、おやすみなさい」
「絵里もだよぉ、おやすみ」


正直に気持ちを伝えたら、必ず絵里が電話を切るまで待つ
無機質な電子音からバイバイした後、あたしは何も知らずに、可愛く鼻をすすってた
97 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:05
「ねぇ、今度はいつ会える?」


二人きりでの外出も3回目を終えたばかりなのに
待ち遠しくて、瞼を優しく閉じた後口を開く

この電話も、今日の外出も、ビックリするくらい時間が流れるのは早くて
ホントはもっとずっとずっと、絵里といたいのに

ほんのちょっとのあたしのワガママに、絵里は珍しく考え込んで
んー、とかえー、とかいいながら一生懸命スケジュールの確認をしてるみたい


「絵里は人気者だから忙しいんだよぉ」
「あー自分で言ってるー」
「だってホントだもん」
「はいはい」

98 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:05
わかってる、絵里が人気者な事くらい
でも欲を言っちゃえば、あたしだけをその瞳に映して欲しい
あたしはあたし以上に、絵里の事が好きみたいで

でも

でも本当は絵里の隣でいつも、深い寝息をたててる
瞼をゆっくり開いた瞬間緩く鼻を掠ったのは、甘いバニラの匂い


「この日なら行けるかなぁ」
「あ、さゆみも大丈夫だよ」
「うん…ぁ、――――じゃあこの日に決定」


少しの空白の間に確かにあたしに聞こえた声
それはいつもあたしを幸せにしてた声じゃなくて
99 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:06




絵里ぃ、まだ起きとったと――――――――――?



100 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:06
きっと絵里を幸せにしてる声
聞こえないふりをしても耳から離れないその子、秒針、心臓のドキドキ

もう、、、ウルサイなぁ…

ねぇ絵里、黙ってたのはもしかしてあたしの事少しだけでも


「あ、ゴメン、やっぱ予定入ってた」
「…そっかぁ、残念だねぇ」
「ゴメンね?」
「いいよ、しょうがないじゃん」


あなたに初めてついた嘘は、精一杯の抵抗
まだこの関係を続けたいと願う自分へ、お互いの為だとNOを突きつける

優しい声を、心臓のドキドキを、あの子の声を、絵里を
忘れる準備…しなくちゃいけないから
101 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:07
「じゃあ、さゆみ寝るね」
「うん、おやすみ」
「おやすみ、絵里」
「さゆ、好きだよ」


最後の言葉を耳に通さないまま
初めてあたしから電話を切った


冷えた足の指先、ちょっと乱暴に鼻をすすりながら
一つだけ思ったこと
102 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:07
絵里は、あたしのこと少しだけでも
103 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:07



絵里もだよぉ、おやすみ――――
さゆ、好きだよ――――


104 名前:イミテーションラバー 投稿日:2007/08/09(木) 01:08
好きだ、って
愛しいな、って
思ってくれたかなぁ…


end…
105 名前:時矢 投稿日:2007/08/09(木) 01:09
田中っち特別出演w
さゆの喋り方が難しいですorz
从*・ 。.・)<〜なのなんて言わないのw
106 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/10(金) 03:50
さゆ切ないな…
亀ちゃんの意図を考えるのが楽しいです(さゆゴメン)

なのってさゆは言ってる気がしますけど、小説で出てきたら一気にギャグになるでしょうねw
107 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/13(月) 23:16
俺はさゆのこと大好きだよおおおおおおおおおおおおおお
108 名前:時矢 投稿日:2007/08/17(金) 12:30
>>106さん
絵里は何を思ってさゆと関係してたんでしょうかねぇ…
それは自分でも分かりかねるところです 苦笑
〜なの、は色んな意味で空気が変わるから使いどころがww

>>107さん
从*・ 。.・)<さゆも大好きなののおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおwwwww
109 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:31
いつもごとーの隣には
ひとつの席があるのでした



110 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:32



『指定孤独席』



111 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:32
ガタリ揺れるバスの中、窓に寄りかかる頭
闇に浸かった夜の街をごとーはぼんやり見つめて
彼女が来るのを待つのです

彼女のために空けた左隣
まだごとーしかいないバスの中
閑散としたバス停に向かって、エンジンは忙しなく音を立てて

大袈裟な音を立てて開くドアの向こうに
見える長身と白い肌
カツンと車内に響く靴の音

肌寒いくらいの冷房に晒された髪は優しく靡いて
ごとーに近づけば近づくほど笑みはこぼれ
二人は今日も出会うのでした
112 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:32


「こんばんは」
「こんばんは」


ドアが閉まりまた夜の街を駆け出して
よろける彼女の手首を掴み微笑んで
いつでもこうやって言えるように、空けた左隣へと


「坐りなよ」
「へへ、うん」


嬉しそうに座る彼女を見て
ごとーも幸せそうに笑顔を零すのでした

湿った夜の日課として
彼女のはにかんだ微笑みと肌寒い肌に感じる温もりを
さっきまで窓に寄りかかっていた頭は彼女の肩へ

窓よりずっと緩くなった振動が心地よくて
ごとーはゆっくり瞳を閉じるのでした
五月蝿かったはずのエンジンは、まるで子守唄のように
113 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:33
そして日付けが変わった頃に
彼女は音もなく立ち上がり
ごとーをすり抜け降りるのでした

そのまま深い眠りにつくごとーを乗せ
怪訝な顔した運転手は交差点を左に曲がり
終点のバス停へ星空の下を通り過ぎて


「んぁ…」


左半身に残る温もりを抱いたまま
完全に覚醒してない頭を引っ張る足
運転手だけを乗せたバスが、静かに闇に消えるのでした
114 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:34


彼女との時は、生意気ながらに永遠だと思っていました


115 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:34
いつものように空けられた左隣の席
窓に寄りかかってぼんやりと街を眺めるごとー
閑散としたバス停に向かうエンジンの音

窓にぶつかる雨粒が
そとから見えるごとーの影を歪めて
中から見える街も街灯のあかりも歪めて流して

ドアが大袈裟な音を開けて開いた直後
見える長身と白い肌が車内に乗り込んでくる前た
ごとーは誰も居ない隣の席へと瞳を閉じたのでした


「坐るよ」


少しハスキーな声が遠退いていく意識の中で
甘くごとーの頭を犯して満たして溶け込んで

触れた部分はいつでも熱いくらいに熱を持つのに
今日はいつまでも肌寒い冷房に包まれたまま

指先は壊れそうなほど優しく
流れ出してしまいそうなほど脆く
ごとーの髪でいたずらに遊んで
116 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:35
それは、いつもの彼女との時間よりずっと長く感じました
それは、いつもの彼女との時間よりずっと儚く感じました
117 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:35
そして日付けが変わった頃に
彼女は音もなく立ち上がり
ごとーをすり抜け

ごとーを、すり抜け降りるのでした
大袈裟なドアの音がする前、彼女はもう

何故か一筋の雫が頬に弧を描きながら
ごとーは寝ぼけ眼をふと外へと
窓から見える歪んだ景色にはっきりと

彼女は微笑んでいました
いつもにはにかんで、少し照れくさそうに
そしてこちらに手を振って、闇の中透けていきました



「ひとみ…」



初めて呟いた懐かしい名前は
雨とウインカーの音に邪魔されて彼女には届きませんでした

泪を拭おうとして親指が触れた唇は
冷房に負けない熱を帯びて
ごとーは幸せそうに笑顔を零すのでした
118 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:36
もしかしたら、彼女との時間は全て夢だったのかもしれません
それでもごとーの隣には
一つの席があるのです

閑散としたバス停に止まり、大袈裟に開くドアの向こうに
彼女のような長身を見つけれなくても
彼女のような白い肌が見えなくても

ごとーは幸せそうに笑顔を零し
空けた左隣へと誰かを促すのです







「坐りなよ」
119 名前:指定孤独席 投稿日:2007/08/17(金) 12:36




怪訝な顔をした運転手が、ごとーだけを乗せ駆け出すのでした




end…
120 名前:時矢 投稿日:2007/08/17(金) 12:38
久し振りにハロモニのよしごまを見て悶えつつ
なんでこんな小説になったのかと小一時間(ry
超個人的に
(*´ Д `)<ごとー
が大好きですw
121 名前:名無し飼育さん 投稿日:2007/08/20(月) 22:16
久々過ぎるよしごまとその文章に思わず涙が出た
122 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/08/24(金) 00:24
泣けるね
123 名前:時矢 投稿日:2007/09/03(月) 00:10
>>121さん
確かによしごまあんまり見かけないかも・・・ですね
そしてどうやら泣かせてしまったようで
お詫びにいつでも自分の胸に飛び込んできてください 爆

>>122
ありがとうございます
やはり泣かせてしまったということでお詫びに(ry
もうこんな奴で申し訳ないorz
124 名前:時矢 投稿日:2007/09/03(月) 00:11
もう今日は大雨の雷で死ぬかと思ったんですが
そんな中イヤホン音量大で書いたあやみきをw
125 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:12
「たーん」
「うぇーい」


美貴の気の無い返事に亜弥はコツン、と額をはじいた
その衝撃に眉をしかめて美貴はゆっくり起き上がる


『お出かけ日和、予定は無し』
126 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:12
いかにも私寝起きで不機嫌です、と言いたそうな美貴
それに臆する事無く亜弥はニコニコと笑って


「おはよ、たん」
「おはよ」


ボサボサの髪を優しく梳いて、指先の感触に酔いしれた
さっきしかめていた美貴の眉間は緩み、眠気の奥で目を細める
毛先から指が離れると美貴は瞳を開き亜弥をしっかりと捕らえる

相変わらずの白く眩しい肌は寝起きの瞳には刺激が強く
少しくらついた目の奥に容赦なく近づく影
127 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:12


「亜弥ちゃん、近い」
「んふ、たーん」
「気持ち悪いよその笑い方」


ひどーい、なんて高い声で叫びつつ亜弥はもっと美貴に近づく
コツン、と今度は美貴の額に亜弥の額が寄りかかった



触れた額が
掠める鼻先が
繋がる視線が
絡まる息が



全て熱となって美貴の身体を浮かせた
熱のせいか距離のせいなのか亜弥をはっきり捕らえることが出来ない
ボヤける亜弥の顔を見つめて、小さく息を吐いた
128 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:13
「なんで朝からメイクばっちりなの?」
「あのねたん、もうお昼」
「ってか出掛ける予定なくない?」
「予定なきゃ出かけないの?」


インドアな自分に今更何を…とまた小さく息を吐いた
変わらぬ距離で話しているからなのか、亜弥の声が頭の中の隅々まで侵入してくる

これ以上近づけないと思っていたら、さっきより亜弥は美貴の近くで笑った
美貴のタオルケットの中に亜弥の足が入り込んだ、そのままお互いの足が滑る
形だけが浮き彫りになった足は、見ただけではどちらのものか分からなかった

片手をついて美貴も亜弥に寄りかかる、少し額が痛くても関係ない
反対側の手を持て余していたら、亜弥の手が再び美貴の髪に差し込まれた

そのまま指先は髪を通り、途中で頬に下る
そして下唇をゆっくり通り過ぎた後、何かを辿るように首筋へ


「亜弥ちゃん?」
「んー?」


声色から亜弥の表情が手に取るように分かった
嬉しそうに、悪戯に、妖美に笑っているに違いない
129 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:13
首筋から更に下降しようとする亜弥の掌を美貴の手が制す
そのまま指を一本一本絡めて足を包むタオルケットの上に

少し、美貴の体温が上がる
少し、部屋の温度も上がる
少し、冷房の温度を下げたい
少し、リモコンまでが遠い


相変わらず亜弥は笑っているに違いない
自分の手中で思い通りに動く美貴を楽しんでいる
それを分かってて抵抗できないのは惚れた弱みなのか
130 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:13
頭を傾けて額から肩へと寄りかかる場所を変える
目の前に広がる白い肌に思わず噛み付いてしまいそうだった


「どしたの、たん」
「…あつい」


その言葉がどんな意味合いなのか亜弥には断定できなかった
かといって美貴が熱かろうが暑かろうが何だろうが離れる気はない
髪が流れて現れた耳にたった今吸い込んだ息を吐き出してみる

ピクリ、と美貴の全身が毛羽だった振動が伝わってくる
絡めた指先から滑る脚まで一瞬で亜弥に包まれた様だった

ふと美貴の顔が亜弥から離れる、瞳は不愉快さと憂いを帯びて
やはりその表情に臆する事無く亜弥は笑って見せた


「朝から何する気なの?」
「だから昼だってば」
「関係ねぇよ」
「関係無いならいいんじゃないの?」
131 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:14
その言葉に美貴は大きめの息を吐いた
少し冷めた身体に、対照的な指先の熱
その指を解いて、亜弥の頬に触れた

先程亜弥が辿ったように美貴の指先が
頬、下唇、首筋、ちょっと欲張って鎖骨辺りまで
頬が僅かに紅を含んだ、吐息が僅かに色味を帯びた

それに気付いた美貴は静かに亜弥の唇に自分の唇を寄せた
触れた途端首の後ろに回された腕、そのまま重力に従って二人して倒れこんだ
衝撃で唇を離せば至近距離で零れる笑顔
132 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:14


「亜弥ちゃん」
「んー?」
「おでかけしよっか」

133 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:14
滅多に出ない言葉に吃驚したのか雰囲気にそぐわなかったのか亜弥は思わず聞き返す
おんな亜弥を尻目に美貴はベッドから擦りぬけ外出の準備を始めた
亜弥の手中から、するりと美貴は脱走してしまった


「出かける予定無かったくせにー」
「予定が無くたっておでかけくらいしますー」


仕方が無い、と亜弥は小さく溜息をつく
それでも美貴との約束された時間に微笑を漏らしてベッドを後にした

リビングには時間帯にあまりふさわしくないトーストの香り
天気予報は何処も快晴、ちょっと遠出だって行けそうな気分
134 名前:お出かけ日和、予定は無し 投稿日:2007/09/03(月) 00:15


「いいけど、早く着替えてよね、たん」
「うわっ、一番言われたくない人に言われた」
「ひっどーい、あはっ」



end…
135 名前:時矢 投稿日:2007/09/03(月) 00:16
いつでもどこでもインドア派ですが何か?爆
二人の状況が分かりにくいかも知れないですが
基本メロディーズのPVのような体勢でw
136 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/04(火) 08:11
キスの先が見えそうで見せない。まぁ昼ですしw
ほんのり甘めに抑えられて個人的にはちょうどよくリアルに感じます。´w`
137 名前:時矢 投稿日:2007/10/18(木) 01:48
>>136さん
凄く誰だかわかるww
いくらオープンなあやみきでもさすがに昼からはw
138 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:49
誘ったのは、彼女
それに乗せられたのは、あたし


『誘う吐息、誘われた唇』


いつもより少し重く感じる玄関を開ける
外から連れ込んだ光でぼんやりと輪郭が映る部屋
慣れた手探りでスイッチを押し、はっきりと照らす蛍光灯に瞳は刺激を受けた

鞄をソファーに投げ出し時間差で自分の身体を思い切り沈めた
連日の仕事は少しずつ有り余っていた体力を奪うらしい
暫く動く事すらやめて深呼吸に全神経を注ぐ事にした

三回程深呼吸を繰り返し今日の事を振り返る

出勤してから今まで
午前中のミス
お昼休みのメール
帰りに肩がぶつかった中年男性


お昼休みのメール・・・・・


139 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:50
そういえば今日はあのメール以外連絡をとっていない
そういえば最近メール以外での恋人を知らない
そういえば最近あの年に似合ってないにも程がある声を聞いていない

1人暮らし故か、それとも心に余裕が無くなって来ているのか
そんな事は関係なく恋人同士では当たり前の事なのか
突然襲ってきた寂しさ、22歳にもなって感じるとは思っていなかった


「うあー」


意味も無く声を出しながらほぼ寝転ぶような形で鞄から携帯だけを取り出す
いつの間にか発着歴の一番上から消えてしまった名前
わざわざアドレス帳から呼び出し11桁の番号の上、発進ボタンを押した

規則的な電子音は疲れた身体には結構な凶器だった
早く出てくれないと体制が体制なもんだからそのままソファーの奥に吸い込まれてしまいそうで
140 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:51
お互い10回コールして出なかったら一旦切る事になっている
今日もメールだけで寝ることになりそうだ、電子音が途切れる気配は感じられない


「なんだよちくしょーよっちゃんさみしーんだよー」


全てに置いて力が入らない、情けない声が部屋に響く
もう諦めて携帯の電源ボタンを押そうとしたときにふと気がついた
微かに、ほんの微かにだがあたしの耳に届く着信音

それは彼女が設定しているはずの、あたしからの着信音

眠気が速やかにあたしの中から消え去って行く
電話を繋げたまま立ち上がり、寝室へと向かう
廊下の明かりで見えるベッドには間違いなく何者かのシルエット
141 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:51
緩やかな寝息の横で、見慣れた携帯が音を出し振動していた
そうとう深い眠りについているのか全く持って起きるような様子は無い彼女

何か手順を飛ばして現れた目の前の恋人に
最初は状況が掴めなかったのだが、誕生日に渡した合鍵が疑問を繋いでくれた
にしても寝室って、最初から寝る気まんまんじゃないか、と溜息一つ


「あーもー…」


髪を乱雑に掻いて電気をつけずに近付く
電話を切れば着信を知らせるランプが一定間隔で光り出した

携帯をズボンのポケットに隠して、ベッドにひじをつき床に座る
薄明かりが見せる顔は、なんとも幼い成人を映し出した

恋人の欲目か、えげつない言い方をすれば欲求不満なのか
寝顔だけで誘われてしまうあたしは何かと重症なんじゃないかと思ってしまう
見てるだけではなんだか物足りない、かれこれ一週間近く触れていない

無意識に伸びた腕は、それでも髪の毛を撫でるだけだった
142 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:51
春に比べてずっと短くなった髪、表面は指を軽やかに滑らせる
何も考えずに微笑みが漏れる、何も気付かない彼女が愛しい
ついていた肘を倒して胸から上だけベッドに横になった


「逢いたかったぞ、たかぁし」


呂律が回らないくらい今の状況にあたしは酔っている
居てくれるだけでここまで幸せにしてくれる彼女は凄い
たった一人居るだけでこうも変わるあたしも凄い

表面だけ撫でていた髪に浅く指を通した
絡まない髪で指先は遊び、隠れていた耳が現れる

髪の感触だけを感じていた指先が不意に耳に触れた
それはほんの些細な事、あしたの指が触れたのも、その感触が温かかったことも


「っ…」


彼女の吐息に、色がついたことも

何かに敏感になっていたあたしはそれを見逃さずに感じ取った
今まで閉じていた唇が今の一瞬で少しの隙間を空けている

彼女の変化はそれだけで、まだ睡眠を続行中
自分の欲に正直なのは彼女、そしてあたし
理性を崩したのは彼女、崩されたのはあたし

シーツに寄り添っていた身体をゆっくりと起こした
143 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:52
片腕をベッドに、もう片方を壁に
キシッとベッドか鳴いたが耳には届かなかった


「おめぇが悪いんだっつの」


自分自身に一言言い訳を

ゆっくりと顔を近づけて行く、無防備という言葉が今ほど似合う事は無い
あと数mmの所であたしは瞳を閉じた
久し振りに唇に感じる温もりは、思考回路を全て止めてそれしか感じさせなかった
144 名前:誘う吐息、誘われた唇 投稿日:2007/10/18(木) 01:52
だから
だからあたしは
僅かに歪んだ唇と数秒後に首に回される腕の気配には気付かない


誘ったのは、彼女の吐息
誘われたのは、あたしの唇




全てを最初から知っていたのは真っ白なシーツと高橋愛だけ―――――




end…
145 名前:時矢 投稿日:2007/10/18(木) 01:54
はい、ここまでしっかり書いたのは初めての吉高でしたw
高橋さんは自分の中ではちょっと子悪魔なのでこんなことに 爆
よっすぃはよっすぃで見事に引っかかりそうだなって(殴
146 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/18(木) 18:36
萌える…

してやったりな愛ちゃん最高ですw
147 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/31(水) 00:03
いいよー
こういう高橋さんが好きですよー

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