漫才ガールズ
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 00:07
- 初めて書かせていただきます。
正直、自信は無いですが話を思いついたので書きます
設定はBerryz工房が解散して3ヶ月後
登場するのはキャプテンと桃子です
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 00:10
- 「どーも、こんにちは。」
夢の舞台に私たちは立っている。いや自分たちの力で立ったんだ。
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目覚ましが鳴ってないのに早起きしてしまう。ケータイを覗くけどメールは来てない。
ちょっと前までならマネージャーさんからのスケジュール確認のメールが来てたのに…。
とにかく急いで顔を洗い、ボサホサの髪を少し濡らして整える。
こんなに慌てても、このあとすることは何もない。
これまでの8年間のせいで体に染み付いたみたいで、どうしても朝起きるとこの行動をとってしまう。
「もう戻れないのか。」とぼんやり呟くこともしばしば。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 00:11
- 私、清水佐紀は自慢じゃないがそこそこ人気のアイドルグループBerryz工房のキャプテンをやっていた。そう過去形。
グループは3ヶ月前に解散してしまい、今の私は事務所も辞めてただの一般人。
意外にも解散して1,2ヶ月は実感が沸かず、むしろ暇な時間が出来て嬉しかった。
でも今は違う。
あの眩しいスポットライト、あの鳥肌がたつような歓声をもう一度浴びたい。
アイドルやってるときにはこれらの良さに気付かなかった。
というよりも当たり前のことだと思ってた。
大切なものは失ってからその大切さに気付くと良く聞くけど、どうやら本当らしい。
やることのない私は、メールで友達を誘って遊びに行こうと思ったけど、芸能学校に行ってたから友達はだいたい芸能人。
たぶんみんな仕事してるはず。
それならベリーズのメンバーを誘おうともしたけど、なんとなく昔を思い出すから嫌だった。
たぶん向こうも同じ気持ちだろうし。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 00:13
- 結局、部屋の片付けなどしてたら夕方になっていた。
窓から外を眺めると夕日が綺麗だった。
この時期は毎年ツアー中だったり、舞台やってたりと忙しかったからこの時間に家にいることはほとんどなかった。
そのせいで部屋から見る夕日がとても新鮮に感じた。
こんな夕日を今まで私はしらなかったんだ。
こんな綺麗なものなら、もっと早く知りたかったな。
「あっ」思わず声が出た。
そうかどんなに良いものでも知ってもらわないと意味ないんだ。
この夕日はグループとしての実力はあるのに売れなかった私たちみたいだね。
と強引に結びつけてみたりした。
ブーン、ブーン。ケータイにメールが届いたみたいだ。
見るとベリーズのメンバーだった、嗣永桃子からのメールだ。
「今から会えない?」という内容だった。
彼女はベリーズ解散後も事務所に留まり、ピンで活動していた。
そんな桃子を私は妬んでいた。これは解散後からではなく、結成時から。
桃子はいつだってセンターにいたし人気もあった。
私はキャプテンというポジションであったものの人気はなく、それどころか解散したのは私のせいだという書き込みもネットではあったみたいだ。
そんな私は幼かったせいか桃子を自然と避けていた。
お世辞にも仲が良いとは言えない関係だったし、もちろん二人きりで遊んだこともない。
そんな桃子からいきなり会おうと言われても正直困る。
でも他にすることがないし会うことにした。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 01:28
- 待ち合わせた駅に行くと桃子が待っていた。
雑踏の中でもすぐに見つけれた。
ピンク色の服装のせいもあるだろうけど、桃子は誰よりも輝いていた。
こういうのは本当に才能なんだなと素直に感心した。
「ごめん。待った?」
「うん、佐紀ちゃん遅すぎ」
約束の時間に3分遅れただけでこれだ。
ただ桃子が相変わらずだったから少し安心した。
店に入ると、桃子は真剣にメニューを眺めていた。
私はお腹空いてなかったから、コーヒーを頼んだ。
結局桃子もコーヒーを頼んだ。
なんであそこまでメニューを見てたかは謎だ。
「佐紀ちゃんは今の生活に満足してる?」
唐突に質問をぶつけてきた。
「うっ…うん。して…るかな?」
曖昧な返事をした。本当は満足してないけど、
なんとなくそう言ったら負けた気がするからやめた。
「そっかぁ…。満足してるんだ…。」
何だか哀しげな口調だった。
沈黙になるのが嫌だったから、同じ質問を桃子にしてみた。
「ももは満足してるの?」
「正直、してない」
カチンときた。私は芸能活動してる桃子が羨ましいのに、
桃子はそれに満足してないなんて贅沢すぎる。
だから「そうなんだ」とそっけなく返事した。
「事務所辞めようと思うんだ」
この言葉で私は完全にキレた。
「何言ってんの?うちをバカにしてるの?
こっちは芸能活動やりたくてもできないのに。
ももはなに、できるのにやらないなんて…そんなの…」
悔しさで涙が出そうになった。
でも桃子の前で弱さを見せたくない。
私はお金を置いて店を出た。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 01:28
- 駅まで歩いてる途中で涙を堪えられなくなって泣いた。
悔しい。
私に才能があればこんな惨めな思いしなくて済んだのに…。
いいや、才能無くてももっと一生懸命やっていれば私は今の私ではなかったかもしれない。
涙で前がよく見えず、人にぶつかりながら
やっとの思いで駅に着いた。
駅は異常なほど人が溢れていた。
どうやら人身事故で電車が止まっているらしい。
私は空いてる柱に体を寄り掛けてウォークマンを取り出した。
何か元気が出る曲を聴こうと思って曲を探すけど
過去の自分を責める想いと桃子に対する苛立ちで
そんな作業は全く出来なかった。
「佐紀ちゃん、佐紀ちゃん」
後ろから甲高い声が聞こえた。
声の主は桃子だった。
「ごめんね。さっきは佐紀ちゃんの気持ち考えてなくて…でもね、あの言葉で決心ついた。」
なんだ結局事務所辞めないのか。
あんたの決意はその程度だったんだと心の中でバカにしながら
「良かった。これからも頑張ってね」
皮肉めいた口調で言った
「違う。事務所を辞める決心」
「えっ、どういうこと?」
あまりにも意外な言葉だったから声が裏返ってしまった。
「事務所の人に『最近の嗣永は昔のようなキレがない』って言われたの。
それでももなりに原因を探してみたんだ。
そしたらももはベリーズの中でこそ輝けるんだって気付いたの。
でももうベリーズとして活動するのは無理。
だったら、誰かと一緒にやろうと思ったの」
もしかして桃子は私とやりたくて私と会ったのかも
だから『今の生活に満足してるの?』とか聞いてきたのか。
などと考えていたので、私は言葉を発さなかった。
「佐紀ちゃんが今の生活に満足してたら諦めようと思った。
でもさっき『芸能活動したい』って言ってたの聞いて勇気出して話さなきゃって思ったんだ。
あんまりももたち仲良くなかったけど
佐紀ちゃんのこと頼りにしてたし、佐紀ちゃんがキャプテンだからベリーズは長くやれたと思ってる。
だからコンビ組むなら佐紀ちゃんしかいないよ。」
私は桃子に嫉妬してたのに、桃子は私のことをそんな風に思ってたんだ。
そんなの知らなかった。
ちゃんと口に出して言ってよ
でもそういう本音は意外と言わないのが桃子と自答してみた。
少し沈黙があったあと、気になったことを聞いてみた。
「コンビってまさかお笑いじゃないよね?」
「そのまさかだよ!」
「本気なの?」
桃子の飽き性は常軌を逸してるから心配だ。
「本気も本気。ももの可愛さと佐紀ちゃんのツッコミがあれば大丈夫」
ここは触れないのが正解みたいだから無視して
「わかった。とりあえず事務所に相談しなきゃ」
「UFAは辞めるよ。アイドルの肩書きは捨ててゼロから勝負したい。遊びでやってると思われたくない。」
この桃子の言葉を聞いてコンビを組むことにした私。
これから想像以上に苦しい日々が待ってるとはこのときはまだ知らない。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 09:36
- ベリの長編!
設定も面白そうです
応援してます
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/11(火) 11:23
- あの日から1ヶ月が経った。
桃子と私は家が遠いからネタ合わせするために会うのがだんだん面倒になっていたし、ネタも全然出来なかった。
そして今日もいっこうにネタは出来なかった。
素人の私たちがそう簡単にできるほどお笑いの世界は甘くない。
アイドルの頃やってたようなレベルでは到底通用しない。
そろそろ終電が近いから帰えろうとすると
「一緒に住まない?」と桃子が突然提案してきた。
「プロポーズ?それなら断る」笑いながら言った。そういえば前はこんなやりとりもしなかったな。
「ちーがーう。一緒に住めば移動の時間削れるし、ももと佐紀ちゃんの熱い関係が築けるし、一石二鳥だよ」
「結局プロポーズじゃん!でも、確かに良いかもねそれ」
「でしょ!?家事は佐紀ちゃんがやって、子育てはプロのももに任せて!」
「それいいアイディアだね……って言うわけないじゃん。子供誰だよ、そんなのいないでしょ
全部私にやらせたいだけじゃん」
「ふんっ。気づいちゃったかー」
「当たり前でしょ!来日3日目の外人でも気付くよ」
「フフフッ、佐紀ちゃんなにそれ」
「お笑いの勉強しようと思って、DVD見てた影響かな?」
桃子が笑ってくれて嬉しかった。
才能が無い私には努力しかない、アイドル時代の過ちは繰り返したくないし。
桃子との二人暮らしとか今まで想像してもなかったからちょっと不思議な感じ。
たぶん家事やらされるんだろうなぁ・・・
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/13(木) 20:08
- 「このハンバーグ美味しくない」
「なら別に食べなくて良いよ!」
また始まった。
一緒に暮らすようになってから毎日喧嘩している。
家事を全部やる代わりに桃子がネタを書いてるけど、全部面白くない。
それでも、私は何も言わないのに桃子はすぐに料理に文句をつけてくる。
そうなると、私も反撃するから喧嘩になる。
「もものネタだって酷いじゃん。
ゴミ集積場のネタとかどこが面白いわけ?
真面目にやってる?」
「ももだってまじめにやってるもん!!」
「それならこっちも一生懸命やってるから」
お互い結果が出なくて苛立ってるから仕方ないけど、毎日この様子だと体が持たないし、事務所に入るためのオーディションも受けられない。
どうにかしないといけないけど、どうすればいいかわからない。
こういう時は、人に相談するしかない。
相談する相手はもちろん親友の夏焼雅ちゃん。
ベリーズの時から仲がすごく良く、見た目とは正反対で面倒見が良くて年下だけどお姉ちゃんみたいな存在。
早速電話をかけて現状を話してみた。
「どっちも二人でやればいいじゃん!」
あっさりとした、みやらしい答えだ。
「そうしたいけど…ももが料理出来ないって言うし」
「やらせればいいじゃん。そうやって佐紀が引くからダメなんだよ。やってみたら佐紀の苦労もわかって文句も言わなくなると思うし。」
「ももやってくれるかな?」
「やらないならもうコンビ解散すれば?」
みやは笑いながら言った。
みやにはいつも助けられてばかりだね。
そう思って空を見上げたけど、そこには星は無かった…。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/13(木) 23:53
- ----翌朝-----
「ねぇ、もも。これからは家事もネタ作りも協力してやろうよ」
渋い顔をする桃子。
「えーでも、もも料理出来ないし…」
桃子を乗せるには誉めるしかない。
「ももって料理さえできれば完璧じゃない?」
「うーん。わかった。佐紀ちゃんはももに頼りたいわけね」
全然違うけどと言いそうになったけど堪えた。
「そうなの。こももちゃんがやってくれないと厳しいんだよね」
いけたかな。
「なんか、今のウソくさい。やっぱやーめた」
あり得ない。おだててもダメとか。
「なら今後文句を一切言わないって約束して」
結局、ももに負けちゃうのか…
「もちろん!喜んで食べるよ」
満面の笑みが腹立たしい。
私に敗北感がのしかかってくる。
めげずにネタ作りの話をした。
「でもネタは一緒に作ろう。言いたいことあるし」
これは通さないといけない。
「いいよ。一人でやるより楽チンだし」
すんなりと承諾するとは思わなかった。
「で、言いたいことって?」
桃子がいつになく真剣なトーンで言ってきた。
ネタ作りに関してはどうやら本気みたいだ。
にしては酷いネタだったけど…。
「ももって考えるとダメなタイプじゃない?」
「そうかな?もも的には凄く良いボケ満載だと思うけど」
そんなこと全くないよと言いたいけど拗ねるから止めた。
ここは褒めつつ軌道修正しなきゃ。
「ももは天才肌だから自然に会話の中で作ったりアドリブの方が面白いよ」
満更でもないという顔をしそうだったので視線を逸らした。
「わかった。今から雑談タイムね。そこで考えよう。」
何やらやる気になったみたい。
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/13(木) 23:54
- 「最近、どーなの?」
でたでた、得意のむちゃぶり。
自分が話すことないときはすぐ人に振る。
「うーん、バイトしようかなって考えてる」
「何のバイトしたいの?」
「カフェとかかな。」
「カフェかー、佐紀ちゃん注文とれるの?」
「とれるでしょ、誰でも。てかね、これネタにしようかなって思ったけど、カフェという設定がどうもね…」
「難しいかも。いっそ、ガソリンスタンドとかにしたら良いんじゃない?」
桃子にしては良いアイディアだ。
「なかなか良いかも」
「ちょっと即興でやってみよう。」
「わかった」
誰にも見られてないから思いっきりスベろう。
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/13(木) 23:55
- 桃子佐紀<どーも、こんにちは。……
「待って!コンビ名決めてないじゃん」
私にしては迂闊だった。
「とりあえず○○で」
「後で決めないとね」
桃子佐紀<どーも、こんにちは。○○です。よろしくお願いします。
佐紀<最近、バイトしようかと思ってて、でもバイトしたことないから不安で…
桃子<何やりたいの?
佐紀<ガソリンスタンドの店員さん
桃子<あーそれなら任せて。実家がガソリンスタンドだから
佐紀<えっ9年もいて初めて聞いたけど
桃子<パパに黙っておけって言われたから
佐紀<秘密結社じゃないんだから言っても良いでしょ
桃子<とにかく詳しいから、なんならお手本見せてあげる
佐紀<いいね。頼りになるね
桃子<任せて
桃子<お帰りなさいませ、ご主人様。
佐紀<あっすいません。間違えました。
桃子<待って帰らないでよ!
佐紀<ドライブスルーのメイドカフェとかおかしいでしょ。ちゃんとガソリンスタンド店員やってよね。
桃子<いらっしゃいませー。このガソリンスタンドで一番可愛い嗣永桃子でーす。ウフフ、ウフフフ
佐紀<注文いい?
桃子<もうシャイなんだからー
佐紀<聞いてる?
桃子<桃子セクシーまで聞いてました
佐紀<そんなこと言ってないし…
桃子<テイクアウトですか?店内でお召し上がりですか?
佐紀<テイクアウトで。店内でお召し上がりになれるのはサーキット限定だね
桃子<メニューの方がこちらになります
佐紀<ハイオクで
桃子<アイス or ホット
佐紀<ホット!!死ぬでしょ!
桃子<使うときはホットだけどね
佐紀<うるさいよ。アイスで
桃子<サイズの方、M、MM、MMMとございますが、どちらにしますか?
佐紀< 単位おかしいよ!普通はS、M、Lでしょ
桃子<当店は も、もも、ももも という表記になっておりますので
佐紀<すもももももももものうちみたいで気持ち悪いよ! そもそも何のサイズだよ!具体的な量で欲しいよ
桃子<バレル?
佐紀<いや、そこは素直にリットルでしょ 10リットルお願い
桃子<ワガママな客だな(逆の方を向いて)
佐紀<今なんか言ったよね?言ったよね?
桃子<そっ、そんなお客様の悪口なんて言ってませんよ
佐紀<悪口言ったんだ。店長ー
桃子<待ってくださいよ。お客様は基本的には神様ですから、悪口なんて
佐紀<私は例外なんだ、店長ー
桃子<わかりました。わかりました。タイヤの空気チェックをお客様だけ無料でやりますから
佐紀<そう、じゃあやってくれる?
桃子<心以外を込めて、一生懸命やりますので
佐紀<店長ー
桃子<心もサービスで込めます
佐紀<頼むよ
桃子<御意
桃子<ピンキードリル!(小指でタイヤをつつく動作)
佐紀<ああやってチェックするんだ
桃子<チェック完了しました。
佐紀<大丈夫だった?
桃子<どのタイヤも穴だらけでした
佐紀<コラー!!自分が開けたんでしょ!見てたから!
桃子<変わりといっては何ですが…
佐紀<当然だよね
桃子<笑顔をサービスします
佐紀<等価交換になってないよ!新しいタイヤと変えてよね
桃子<アイス or ホット
佐紀<もういいよ!
桃子佐紀<ありがとうございました
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/13(木) 23:57
- 「どう?」
自信無さげな桃子
「今のところは50点かな?修正次第だと思う」
ホントは少し手応えを感じてた。
「どこ修正する?」
「一つ思ったのはメニュー出すとこあったじゃん、あれハイオクにしたけど何かオリジナル作ると良さそうじゃない?」
「オリジナルかー。確かにサイズだけオリジナルじゃダメだね。考えとく」
「ももは何か思ったことある?」
「オチがイマイチな感じもするしいい気もする。あと入りの実家がガソリンスタンドはイマイチかも」
「あれね、イマイチだと思う。もしやるなら『自宅が』にしたら良いかも。それならツッコミがいがあるし」
こんな感じで2、3時間話し合いをした。
このネタが笑ってもらえるかわからないけど
初めて作ったネタだから一生の思い出になりそう。
オーディションに向けてもっと頑張らないと。
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 16:49
- 「事務所どこにする?」
ネタを一つ作っただけで芸人になれると確信してる桃子。
私としてはまだあのネタは人に見せれるレベルにあるとは到底思えない……。
「ねぇ、佐紀ちゃん聞いてる?」
まあ、この至近距離だから聞いてるよ。
「聞いてる、聞いてる」
「もも的には大手だと事務所に吸い上げられるし、競争厳しそうだから小さな事務所がいいな」
自分たちの実力は棚に上げてるし、もう給料のこと考えてる。
如何にも桃子らしい。
でも、私に具体的なプランも無いし、考えようともしてなかったからその話に乗っかるしかなさそうだった。
「いいと思うよ」
私はいつもそう。
自分では何も考えずに人の意見に従って、結果が悪いと被害者のように振る舞う。
いけないとわかってても、楽だからついそうしてしまう。
「だよねー。やっぱもも天才かも!」
ポンと手を叩いて、小指を向けながら言ってきた。
「どこかめぼしい事務所あるの?」
「聞いちゃう?」
もちろん聞くよ。
「うん、教えて」
「セキマ芸能」
聞いたことあるような、無いような事務所。
「ふーん、誰か有名な人いる?」
「もちろん!昼の帯番組やってる人とか、ピン芸人で天才と言われてる人がいるよ」
私でも知ってるような有名な人だ。
それなら大丈夫のような気がする。
一応、変な事務所は避けたいし。
「わかった。そこにしよっ!ももやっぱ頼りになるよ」
こういうの言うと桃子は喜ぶだろうね。
いや、こうでも言わないと背徳感が拭えない。
相変わらずズルイ女だね、私。
「でしょ!?うんうん。今のもう一回言って!」
「嫌だ」
「言ってよー、お願い」
凄く甘えた声で言ってくる。
昔ならシカトしてるかも。
「モモハタヨリニナルヨ」
「もう、ちゃんと言って!」
「もう忘れちゃった、ごめんねー」
「とりあえずももを頼りにしてることがわかったからいいや」
くだらないやりとりだったけど、なんかさっきまでの暗い気持ちを少しだけ和らげられた。
桃子の明るさに助けられたな。
『ありがとう、もも』と心の中で言った。
いつか素直にこの言葉を桃子に言わないと。
でも、調子に乗るからいいか。
私はにやけながらそう思っていた。
「何一人でニヤニヤしてるの?ももと居れてそんなに嬉しいの?」
「あっ違う、違う」
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 17:53
- 「じゃあ。早速電話しようか」
「急過ぎない?」
「思い立ったら吉でっせ!」
「上手くないし……」
「とにかく、今この勢いでやろう。すぐやらないと忘れちゃうよ」
それは桃子だけだよ。
「わかったから。電話はどっちがやる?」
たぶん私がやるんだろうけど、一応聞いてみる。
「そりゃ、キャプテンでしょ」
やっぱり。桃子に任せるのも不安だし、この件に関して何もしてないから電話ぐらいはいいか。
「わかった。電話してみる」
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 17:54
- 電話をかけると言ったものの、経験がないから不安だ。
それでも自分に鞭を打ってかけてみた。
「お電話ありがとうございます、セキマ芸能です。」
若い女の人の声だった。
「あのー」
詰まってしまった。
何て言えばいいかな。
前を向くと桃子がカンペを出してた。
なになに、『ももち可愛い』
桃子に期待した私が馬鹿だった。
とにかく、言うしかない。
「御社に所属したくて電話しました」
むちゃくちゃだ。
常識無いな、私。業界歴長いのに。
それでも女の人は対応してくれた。
「お名前をお伺いして宜しいですか?」
「あっすいません、清水佐紀と嗣永桃子です」
「お二人様ですね。それでは担当の山中に繋ぎますのでしばらくお待ちください」
「よろしくお願いします」
どんな人だろう。恐い人だったらどうしよう。
「お電話代わりました。山中と申します。清水さんでよろしいですか?」
低い声。
「はい、20歳の清水佐紀です」
つい癖で自己紹介してしまった。
桃子の方を向くとまたカンペ出してた。
『佐紀ちゃんが思う、ももの良いところを3つ挙げて』
アゴ、尻、脚と即答出来るけどそんな余裕は無い。
「契約希望とのことですが、一度事務所に来て頂いてお話を伺わないことにはどうしようもありません。」
良かった。門前払いかと一瞬思ったから。
「わかりました。私はいつでも大丈夫です」
「では、明日の午後3時とかいかがですか?」
「わかりました。お伺いします」
「あと履歴書を持ってきてください」
「はい」
「では、楽しみに待ってます」
「よろしくお願いします。ありがとうございました。」
連絡先を教えて電話を切った。
緊張したし、敬語もめちゃくちゃだったけど上手くいったんだと思いたい。
「佐紀ちゃんお疲れ、明日楽しみだね!」
明日は今日よりもっと緊張しそう。
桃子は緊張しないだろうけど……。
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 21:36
- 読みやすいし面白い
今後の展開が気になります
応援してます
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 23:27
- 受付の女の人に部屋を案内された。
部屋はそこまで広くなく、テーブルを挟んでソファーが2つあった。
「山中さんってどんな人なのかな?ワクワクするね」
桃子の能天気さを分けて欲しい。
こっちは死ぬほど緊張してるのに。
「佐紀ちゃん、顔白いけど大丈夫?」
「それだったらももも白いじゃん」
「ももは生まれつき。天使のお肌なの!」
付き合ってられない。
そんなやりとりをしてると山中さんと思われる人物が部屋に入ってきた。
私たちは立ち上がって挨拶した。
山中さんが名刺を差し出す。
桃子は雑誌の企画で習ったみたいで作法を心得てるらしい。
私はそんな桃子を真似しながら受け取った。
「いいよ。そんなにかしこまらなくて。楽にして」
鋭い目をしてて背も高い。
予想通り、恐そうな雰囲気が漂っている。
「やっぱり、思ってた通りだよ」
何が思ってた通りかわからない。
「想像以上に可愛いですよね?」
桃子はバカだ。何でそんなことを言うんだろう。
「それは置いといて、君達Berryz工房だったよね?」
バレてる。これは桃子との約束で言わないことにしてたのに。
「はい、そうです…」
隠しても後からバレるだけだから素直に認めた。
「前よくテレビ出てたから嗣永さんのこと知ってたよ。名字が珍しかったから名前聞いたときにすぐ気付いたよ」
確かに桃子は一時期テレビによく出てたけど、
それにしても知られてるとは思いもしなかった。
桃子は凄く嬉しそうな表情を浮かべていた。
「そこで疑問なのが、何でウチに入りたいの?ウチではアイドル活動出来ないよ」
「私たちはお笑いをやりたいんです」
力強く言った。
「そう。動機は?」
動機?何だったかな?桃子に誘われたから?
アイドルとして活動出来なくなったから?
答えられない…。
桃子の方を向くと『任せて』という表情をしてた。
「ベリーズの時に叶えられなかった夢を叶えたいからです」
「夢?」
ちょっとバカにしたような笑みを溢す。
「日本中の人に嗣永桃子を知ってもらってメロメロにすることです」
場の雰囲気の悪さに思わず、唾を飲み込んだ。
「あはは。冗談だよね?君達はお笑いの世界を軽く見てるの?」
この言葉を聞いて、反論出来ないなと思った。
確かに元アイドルがお笑いやりたいなんて、お笑いを舐めてると思われても仕方ない。
「アイドルとしての笑いと芸人としての笑いは次元が違う。そんなお花畑な考え方では到底無理。」
「でも、やりたいんです。アイドルとしてではなくちゃんと芸人として」
桃子が真面目なことを言ってる。
それだけ本気なんだろう。
「じゃあ、アップフロントでやればいいじゃないか。わざわざウチに入る必要もない。」
これももっともな話。しかし、桃子は退かない。
「アップフロントでやるとアイドルの延長だと思われるから嫌だったんです。この肩書きを捨てて一から目指したいんです」
「そこまで言うならネタ見せてよ。口ではなんとでも言えるからね」
「わかりました。やります」
今まで黙ってた私の口が突然開く。
絶対に認めさせてやる。
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 23:28
- 清水嗣永<どーも、ありがとうございました。
・・・
山中さんは沈黙を保っている。
これはNOということなんだろうか?
10分程経って口を開く。
「結論から言うと全然ダメ」
やっぱり、そう人生甘くないみたいだ。
桃子も落胆してるみたい。
「ただ、想像以上だった。もっと面白くないものだと予想してたから」
そんな慰めの言葉は要らない。
どうせ本当は思ってないくせに。
「どこがダメでしたか?」
桃子は落ち込んでいると思ってたけど違うらしい。
「細かいことを言うとキリが無いけど、一番ダメなのは緩急がないこと」
「緩急?」
思わず口出してしまったら、桃子とユニゾンした。
「君達のネタには山場がない。ずっと同じリズムでボケ、ツッコミが進行してるんだよ。たまにはボケなかったりすることもしないと予測しやすくて面白くなくなる」
こんなこと考えもしなかった。
「最初に言ったけどプロのレベルでは無い。今回は諦めてもらうしかない」
やっぱりダメか…
「わかりました…。ありがとうございました」
「何かあったら連絡してよ」
二人とも無言のまま、自宅まで帰った。
正直、いけるだろうと慢心していた自分がいた。
普通はいきなり上手くいかないもの。
それはわかっていてるけど、私達にはショックが大きかった。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 23:29
- 「おい、山中。さっきのコンビどうだったか?」
「素直に素人とは思えないレベルでしたよ」
「契約する方向で社長に話通すのか?」
「いえ、しないと伝えました。」
「何で?お前にしては珍しい」
「彼女たちルックスも良いし、元アイドルという肩書きも面白い。たぶん、今のままでもテレビには出れたりしますよ。でも、本物の力が無ければそれはブームという形で長続きしません。だから彼女たちが本物の力をつけるためにはここでの挫折は必要なんです」
「そうか。やけに今日は興奮してるな。でも、そこまでした以上ちゃんと育てろよ」
「もちろんです。しっかりプランも考えてありますよ」
「まあ、苦労すると思うけど楽しみにしておくよ」
- 21 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/15(土) 23:36
- >>17さん
コメントありがとうございます。
頑張って今のペースを保ちたいですw
- 22 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/18(火) 00:26
- 家に着いても沈黙に終止符は打たれない。
桃子はただただソファーに座ってるだけ。
何をするわけではない。
私はそれを見つめてる。
確かに、結果は残念だけど落ち込むことはないと私は思ってたけど桃子は違うみたい。
言葉を掛けようにも何と言えばいいのかわからない。
「もう、作り直すっ!」
突然桃子が声を出した。
あまりにも急だったから、ビックリして少し漏らしてしまったことは桃子には秘密。
そのせいで動揺して返事が出来なかった。
「次はもっと良いネタ作らないと!返事ないけど佐紀ちゃん、まだ落ち込んでるの〜?」
違うよ、漏らしただけだから。
良かった。桃子は落ち込んでるんじゃなかった。
そういえば、山中さんに会ってる時も落ち込んでるフリしてたけど違ってたな。
「落ち込んでないよ!ネタを考えてたの?あっ当たり前でちょ」
語尾で桃子みたいに噛んでしまった。
「『ちょ』はないでちょ…もう佐紀ちゃんのせいで移ったじゃん」
たぶん、わざと噛んだんだよね。
「とにかく、明日からまたやらないとね!」
「もものお陰でやる気が出たね」
「いや、それはない」
「…」
桃子はこのタイミングで寝た。
話してる最中だったのに。
眠いのを我慢して私を元気づける方法考えてたのかな?
それはないか。
窓から夜空を見るけど、やっぱり星は見えなかった。
家に着いても沈黙に終止符は打たれない。
桃子はただただソファーに座ってるだけ。
何をするわけではない。
私はそれを見つめてる。
確かに、結果は残念だけど落ち込むことはないと私は思ってたけど桃子は違うみたい。
言葉を掛けようにも何と言えばいいのかわからない。
「もう、作り直すっ!」
突然桃子が声を出した。
あまりにも急だったから、ビックリして少し漏らしてしまったことは桃子には秘密。
そのせいで動揺して返事が出来なかった。
「次はもっと良いネタ作らないと!返事ないけど佐紀ちゃん、まだ落ち込んでるの〜?」
違うよ、漏らしただけだから。
良かった。桃子は落ち込んでるんじゃなかった。
そういえば、山中さんに会ってる時も落ち込んでるフリしてたけど違ってたな。
「落ち込んでないよ!ネタを考えてたの?あっ当たり前でちょ」
語尾で桃子みたいに噛んでしまった。
「『ちょ』はないでちょ…もう佐紀ちゃんのせいで移ったじゃん」
たぶん、わざと噛んだんだよね。
「とにかく、明日からまたやらないとね!」
「もものお陰でやる気が出たね」
「いや、それはない」
「…」
桃子はこのタイミングで寝た。
話してる最中だったのに。
眠いのを我慢して私を元気づける方法考えてたのかな?
それはないか。
窓から夜空を見るけど、やっぱり星は見えなかった。
- 23 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/18(火) 00:26
- 「もも、ねぇももってば!」
せっかく早起きして朝食作ったのに桃子は起きてこない。
いつも朝食作らないと怒るくせに。
こうなったら、実力行使でいかないといけない。
部屋に入ると、ピンク色が私を睨みつける。
よくこんな部屋に住めるなと感心した。
なんてことは全くない。
とにかく桃子を起こさないといけない。
ピンクの布団を思いっきり剥がした。
「もぉはまだ寝るから起こにゃいで」
寝ぼけてるのに噛むなんてさすがです、桃子さん。
昨日ぐらいから急に桃子が噛むようになったことには出来れば触れないで欲しい。
「カンパチあるよ。起きないと食べちゃうから」
こう言えば、さすがの桃子でも起きてくるはず。
- 24 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/18(火) 00:28
- 結局、桃子は起きて来なかった。
悔しいから朝食は二人分を一人で食べた。
桃子がいない間にネタでも考えよう。
前回の即興で作っていくやり方は悪くないと思うけど、たまたまやり易い設定だっただけかもしれない。
だから、次もやり易い設定を考えないとね。
桃子のキャラクターを活かせることを前提に考えてみた。
乙女チックシミュレーションとかいうのをラジオでやってたから、それをやるのはどうだろう。
試す価値はありそう。
桃子は保母さんの資格持ってるから、私に適性があるかチェックするってのも良さそう。
二つ考えてれば一つは仕上がるかな。
「おはよう!佐紀ちゃん、カンパチどこ〜?」
遅いよ。カンパチは今消化中ですよ。
「ももが起きてこないから、食べちゃった」
「冗談だよね?」
半笑いで言ってきた。
「いや、ホントだよ。起きてこないももが悪いんだから」
「強欲で欲張りなんだから!」
「一緒、一緒!筋肉痛が痛いみたいになってるから」
私の素晴らしい…つまらないツッコミを無視して
桃子は身支度を始めた。
どうしても食べたかったのか、スーパーまで買いに行くらしい。
「スーパー行くなら、醤油買ってきて」
「い・や・だ!いってきまーす」
凄くイラっとする言い方だったから、桃子愛用のクッションを床に叩きつけた。
- 25 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/19(水) 11:49
- 「ただいま!」
桃子がスーパーから帰って来たみたいだ。
なんか機嫌が良くなってる気がするけど気のせいかな。
「ねぇ!佐紀ちゃん!」
至近距離での高音は頭にくる。
さっきのクッションを踏んで、冷静さを保つ。
「何?」
「聞いてよ!もも、ナンパされちゃった!わかる人にはわかるんだね、ももの魅力が」
なるほど、だから機嫌がいいのか。
こうなると面倒だな、先が思いやられる。
「凄いね!おめでとうございます。で、ネタのことなんだけど…」
「聞くじゃん、普通なら聞くじゃん、何があったか」
間髪入れずに言ってきた。ちなみに手に持ってる袋にはカンパチを入れてる……つまらないことを考えてしまった。
「何があったんですか?」
じっと桃子を見つめる。
桃子もこっちを見つめてくる、気持ち悪い光景。
「スーパーで買い物してたら、ちょっと年上のお兄さんから『可愛いね、どうソーセージ食べてみてよ』って声かけられたの」
仕事だよ。それいうと逆ギレされるので自重した。
「羨ましいなー、そんなこと無いなー」
「でしょ!でも『ソーセージ食べる』ってあまりに直接的な表現でびっくりしちゃった」
どんな想像したんだよ。しかも、どっちかというと例えてるから間接的だよ。
「それで食べたの?」
「佐紀ちゃんは、ももを尻軽女だと思ってたの?しんが〜い」
試食ですよね?考え過ぎです、桃子さん。
「ごめん、ごめん。王子様待ってるんだよね」
疲れる。でも、なんかこの話使えそうだな。
「ピッキーン!今バカにした!罰として今日の夕飯作ってもらいます」
「いつもだよ!罰関係ないから」
「そっか!よろしくぅ〜」
自分なりに考えてみよう。
ここだけの話、前回ネタ作ったときは即興という形だったけど、事前に私は考えてたんだ。
桃子は天才だけど、私は凡人だから。
- 26 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/19(水) 11:50
- 「ねぇ、このメモ何?」
突然、桃子が話かけて来た。
私が夕飯作ってたから、暇でリビングを物色してたんだろう。
こっちにメモを見せてくる。
あっ、それはネタを考えるときに書いたメモだ。
恥ずかしいし、なにより桃子に才能がないのがバレるのが恐い。
「さっきのももの美談をネタにしようとしたの?別にいいんだけど」
「良かった!」
思わず、口に出してしまった。
「何が?」
「いやいや、私が考えたのが認められたのが」
慌てて訂正した。あまりに早口だったから、怪しまれるかも。
「早速やろうよ!」
まだ、そんなに煮詰めてないよ。
- 27 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/19(水) 11:50
- 清水嗣永<どーも、〇〇です。よろしくお願いしまーす。
このイントロ今は要らない気がするけど…
嗣永<世界一可愛い、ももちでーす。
清水<いつにも増してブリブリしてるね
嗣永<まぁ、佐紀ちゃんはそんなこと言うけど好きな人は沢山いるから
清水<信用できないね
嗣永<佐紀ちゃんはアホですよ
清水<全く心に響かない悪口ありがとう
嗣永<ナンパされたんだから
清水<それで付いていったんだ
嗣永<付いて行ってなーい。だって下手だったから
清水<そうなの?
嗣永<うん。ももだったらもっと上手くやれる
清水<そこまで言うなら私を落としてよ
嗣永<御意
嗣永<そこのお嬢さん、そこのお嬢さん
清水<私?
嗣永<そう、財布落としてたよ
清水<あっ!ホントだ!ありがとうございます
嗣永<気をつけてね、じゃあ
清水<ただのいい人じゃん!ナンパしてよ
嗣永<いやいや、財布から保険証、カードなどから個人情報手に入れたからじっくり攻めるよ。
ナンパより効率的だから
清水<恐いよ!西野カナとは逆ベクトルで震えるよ!最低限法は守ろう
嗣永<ねぇ、ねぇ。おじちゃんがこれを渡してって、はい手紙
清水<いきなり、子供出てきたよ。なになに
『かすが野の若紫のすり衣 しのぶの乱れ限り知られず』?
嗣永<一目惚れの歌だよ、返歌待ってる
清水<和歌という手法!返事どこに出すかわからないし
嗣永<ならこっちの住所書いて郵送するよ
清水<私の住所わからないでしょ
嗣永<大丈夫、さっき手に入れたから
清水<さっきと同一人物かよ!てかじっくり攻めるってこのことなんだ
嗣永<佐紀ちゃん、わざと拒否してるでしょ
清水<このやり口で引っ掛かる人に一目御目にかかりたいよ
嗣永<アナタニシンジルカミハイマスカ?
清水<外人来たよ…えっといないかな?
嗣永<ソウデスカ、ヨカッタラシュウカイアルンデキテクダサイ
清水<いや、結構です
嗣永<ソウデスカナラ、オシラセヲ清水サンノジタクニオクリマース
清水<さっきの奴!!!でも和歌に精通してるなんてちょっとかっこいいよ。
てか宗教色出さないで、敵作りたくないから。
嗣永<わかった!今度はもっとテクニック重視でいくから
清水<十分今までもトリッキーだったけど
嗣永<あなたのことが好きだからー
清水<チャン・ドンゴン!!!犯人はおまえだったのか。
嗣永清水<ありがとうございました
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/19(水) 11:51
- 「想像もしなかったオチだったよ」
面白い、面白くない別にして素直に驚いた。
まさか話が繋がってるとは思わなかったし。
「佐紀ちゃんも良くついてきたね」
正直、必死だったよ。
「ただ、前回より面白くない気がするのは私だけ?」
「ももも手応えを感じないけど、誰かに判断してもらわないとわからないよ」
確かに、面白いとかはお客さんが判断することだよね。
「とりあえず、ボツじゃなくて訂正ってことでいいよね?」
「うん。良くならなかったらボツにすればいいよ」
これが面白くなるのかは不安だけど、やってみる価値はあるかもね。
- 29 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/26(水) 21:24
- 漫才のネタがちゃんと面白くってすごいw
- 30 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:00
- 1ヵ月が経ち、だんだんネタを作るバイタリティが枯渇してきた。
理由は単純で、作っても人前で披露する機会が無いから。
この状況を打破しようと考えてはいるけど、なかなか見つからない。
「なんか思いついた?」
なんとなく聞いてみた。
「うーん、もも的には前から出てる路上でやる案は一番イヤ。寒いし」
嫌な方を聞いたわけじゃないのに。
「それはうちもイヤだよ。」
「今、芸人さんのブレイクヒストリーみたいなの読んでて探してるから待って」
意外にちゃんと考えてるんだ。
仕方ない、桃子に期待して夕食でも作るか。
今日の夕食は、麻婆豆腐。桃子の働き次第で辛さを調節しようかな。
わけわからないこと言ったら、食べれないぐらい辛くしてやる。
- 31 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:00
- 1ヵ月が経ち、だんだんネタを作るバイタリティが枯渇してきた。
理由は単純で、作っても人前で披露する機会が無いから。
この状況を打破しようと考えてはいるけど、なかなか見つからない。
「なんか思いついた?」
なんとなく聞いてみた。
「うーん、もも的には前から出てる路上でやる案は一番イヤ。寒いし」
嫌な方を聞いたわけじゃないのに。
「それはうちもイヤだよ。」
「今、芸人さんのブレイクヒストリーみたいなの読んでて探してるから待って」
意外にちゃんと考えてるんだ。
仕方ない、桃子に期待して夕食でも作るか。
今日の夕食は、麻婆豆腐。桃子の働き次第で辛さを調節しようかな。
わけわからないこと言ったら、食べれないぐらい辛くしてやる。
- 32 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:00
- 「わかった!もも可愛いだけじゃなく頭も良いね!神様に愛され過ぎて困っちゃうぅー」
この時点で辛さは2倍にした。
「何々?」
期待してますよ、桃子さん。
「ショーパブだよ!ショーパブだよ!」
大切なことは2回言う桃子さん。
ちなみに小指を向けて来たので辛さは3倍に。
「ショーパブって?エッチなのはお断りだよ」
「何変なこと考えてるの?そこでネタやるの!」
「そういうことね。素人でも大丈夫なの?」
「もちろん!ただ漫才やれるかはわからない。そこでやってた芸人さんはモノマネやってたみたい」
わからないのかよ。はい、4倍。
「交渉次第なんだね」
「可愛いももと普通の佐紀ちゃんなら絶対に大丈夫だから!」
出ました、謎の自信。あと発言には気を付けましょう。5倍。
「とりあえず明日行ってみようか」
「そうしよう!ついにブレイクへの道が拓けたね」
破滅じゃない方のブレイクだと祈りたい。
後で気付いたけど麻婆豆腐を皿に取り分けずに鍋で辛さを調節していたので私も5倍の辛さで食べることになるハメになった。
自業自得という言葉を肌で感じた、舌でも感じた。
- 33 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:01
- ももから聞いた話だと、パブの名前は『リザーテ』と言うらしい。
そこに決めた理由は、店名がイタリア語で笑いという意味だかららしい。
いかにも桃子らしいというか、なんというか。
私たちは、初めて行く場所なのでオドオドしながら店まで行った。
- 34 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:01
- 店内に入ると一番奥にステージがあり、それを囲むようにテーブル席やカウンター席があり、全部の席を合わせると100席ぐらいあるみたいだ。
あっ野鳥の会みたいに数えた訳じゃなくてHP情報。
「もっと雰囲気悪い所だと思ったね」
恐い人がいてお金を巻き上げられるのかと思ってたから、ビックリした。
「ももも可愛いから何かされると思ったから一応」
そう言った、桃子のカバンの中にはスタンガンらしきものがチラチラしてた。
「とにかく、明るい雰囲気で良かったね!」
「ショー楽しみ!早く始まらないかな」
もう桃子はテンションが上がってた。
でも、確かに楽しみ。
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:01
- 8時半からショーが始まるとのことで10分前には席が8割ぐらい埋まった。
お客さんの期待感がヒシヒシと感じられ、出てくる芸人さんは凄いんだろうな。と小学生みたいな陳腐な感想を抱いた。
まず出てきたのは、ピンでモノマネする方。
正直、知らない人のモノマネばっかりだったけど、お客さんは凄く笑っていたのでレベルは高いみたいだ。
2番目は、ダンスショーだった。
私も曲がりなりにもプロとしてやってきたのでダンスの難易度や技術の高さは凄くわかった。
ダンスの中にもコミカルな動きがあり、会場は盛り上がった。
最後にメインのコンビが出てきた。
何をやるんだろうと思ってたら、なんと漫才だった。
若い男の人のコンビで凄くスピード感があって、長いネタなのに飽きずに最後まで見れた。
偉そうに言ったけど、本当に面白くてなんで売れてないのか不思議なくらいだ。
ネタをやった後のフリートークも面白く、お笑い界の裾の広さにただただ驚いた。
ショーが終わった後に、お客さん全員参加のお絵描き大会で恥ずかしかったけどいじって貰えて、楽しかった。
他の人の漫才を見て、自分たちがまだまだだと実感出来て、良い経験をした。
これで明日からまた頑張ろうと思えた。
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:02
- 話ながら帰った。
「凄かったね」
相変わらず、中身の無い感想しか言えない私。
「うん。生で初めて漫才見たけど、声の張りとか強弱でも笑い取れるんだね」
なるほど、その視点は無かった。桃子はよく見てるな。
「そういう技術面は、これからの課題だね」
気付いて無かったとは、ばれないように返事した。
「でも、やれるよ。ももたち!あの人たち芸歴4年でしょ?勝てる勝てる」
「そっ、そうだよね?」
「もちろん!勝たないとダメだよ!目指すは頂点だけ」
「まぁ、コンビ名決めて無いから早く決めないとね」
「ももちズ!?」
「却下。自分色出しすぎ。」
結局、帰り道では、コンビ名が決まらなかったことは言うまでもない。
- 37 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/10/29(土) 11:04
- >>31
これはミスです。すいません。
>>29
読んでいただいた上に誉めていただきありがとうございます。
- 38 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/08(火) 22:03
- 最近更新してないので保全感覚で本編とは関係ないですがハロプロやねんのコントを作り直したので投下します
本当はフリースレでやるつもりでしたがレベルが低すぎたので断念。
ここなら誰も見てないし迷惑かからないので丁度良いかとw
- 39 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/08(火) 22:06
- 清水「いやぁーこうやってグループの枠越えてハロプロでラジオが出来るなんて本当にモベキマスのお陰だね」
萩原「そうだね」
熊井「今日の番組担当のディレクターさんってどんな人なのかな?」
萩原「そういえば舞達まだ会ってないよね?」
清水「どんな人が来るんだろう?もうすぐ打ち合わせの時間だけど」
田中「おつかれいな〜ディレクターの田中れいなです。」
萩原清水「・・・」
田中「無視はダメ!ハブられるのは嫌やけん」
熊井「どこ、どこキャプテン」
田中「よろしくね」
萩原清水「よろしくお願いします」
熊井「・・・」
田中「このラジオの周波数知ってる?」
清水「すいません、そこまでは」
田中「1008Kgやけん、ちゃんと覚えて」
萩原「なんか舞ちょーデブみたいじゃん」
清水「そこ!?キロヘルツだよ!」
萩原「また舞叩かれたかと思った」
田中「それはそうと、みんなと仕事するの初めてやん?だけんプロフィール見て話しいいかいな?」
萩原清水「大丈夫です」
田中「清水さんはペソーズ工房の工場長だよね?」
清水「偽札製造グループ!!それに主犯じゃないですかー」
萩原「しかもペソだと効率悪いし」
田中「ごめん、ごめん。ペリーズ工房だよね?」
清水「はぁ?……すいませんけど黒船は作ってないです。ベリーズ工房ですよ。間違えないでください」
田中「そうやっけ?れいなボケとった」
熊井「やっぱり居ないよ、居ないよ舞ー」
田中「萩原さんはキーマだよね?」
萩原「イントネーションは合ってますけど」
清水「teをマって読むとか逆に凄いですね」
田中「だってモベキマスやろ?」
清水萩原「真野ちゃんの存在!!!」
田中「そういう細かいことは気にしなくていいやん、キーマだけに」
萩原「はい?」
田中「知らんの?ダメやねー」
清水「全然ダメ感が伝わってこないですけど」
田中「れいなに説明させる気?キーマ=細かいって意味!」
清水萩原「はぁー」
熊井「あーっ!キーマすぎて気付かなかった。そこにいたんですね田中さん」
田中清水萩原「おい!!!」
- 40 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/03/09(金) 21:54
- マイマイさんが可愛い
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