みずいろ
1 名前:謎の人 投稿日:2003年03月18日(火)23時30分11秒
え〜このたび
短編から長編に挑戦しようといている無謀な作者です(汗
しかも、ほとんど某小説(ゲーム?)のぱくりに近いです
大体の書きだめが出来たので載せさせていただきます

感想、苦情なんでも受け付けます。
作者もがんばって返事を返します!


まずはいしよし編から
2 名前:プロローグ 投稿日:2003年03月18日(火)23時32分20秒
冬の寒空の下、ランドセルを背負った幼い少女達
「梨華お姉ちゃん、今日面白いテレビやるんだよ」
「そうなの?今日もお父さん遅くなるみたいだから、早くお夕飯にして一緒に見ようね」
「うん」

−どこにでもあるようなごく自然な会話。そんな自然な会話も出会った当初の二人には感じさせない出会いだった−

「今日から一緒に暮らす梨華お姉ちゃんだ、ほら、ひとみ仲良くするんだぞ」
初対面の印象が最悪だった、どう見ても年上なのにそれを感じさせないのはきっと今にも泣き出しそうな顔とおどおどした動作。
その姿に当時はむかつた
「ふん・・・」
ふぃとそっぽを向くと泣き出しそうな顔は本気で泣き出してしまった
「あぁっ!梨華ちゃん!こら!ひとみ!」
ばしっと頭をはたかれた
(んだよ、たたかなくってもいいだろ)
叩かれた頭をさすりながら、姉になるだろう少女を必死で慰めている父を見てそう思っていた
3 名前:プロローグ 投稿日:2003年03月18日(火)23時35分21秒

それから私たち姉妹は早く仲良くなるように二人で一つの部屋を使うことになった

(ちぇっ・・・うちのロボット置き場)
一緒の部屋になってからひとみのロボット置き場が減った
女の子がロボット言う話も珍しいが、父のロボット収集の趣味が影響して少年みたいな娘になっていった

こんな調子が続いた不満を抱えながらある日
「ぐすっ・・・くっ・・お母さん・・・・会いたいよ」
今まで我慢していたのか、誰もいない部屋でとうとう梨華が泣き出した。
お母さん・・・わが家にはそれがいないこと、物心ついたころからわかっていた。
いない、別になんとも思わなかった
そんなものと幼心にて割り切った

しかし梨華は違った。

何も知らないまま、母親と別れてしまったのだ、うちも最初の頃は
「お母さん何処に行ったの?どうして手紙が届かないの?」
って聞いていた。けど、お父さんは
「・・・遠いところに引っ越したからだよ。お前にも大きくなったらわかる」
そんなことを言っていた
4 名前:プロローグ 投稿日:2003年03月18日(火)23時36分50秒

・・・ただ・・・このままには出来なかった・・・

「梨華お姉ちゃん」
「く・・・ひとみちゃん・・・」
義理の妹には涙を見せまいと、必死で服の裾で涙を拭う
「これ・・・使いなよ」
差し出したのは何も書いていない1枚のはがき
「え・・これ・・・?」
「お母さんに会いたいんでしょ?だったらこれに書いて送ればいいよ」
妹のうちが今出来る最良の方法だった
「・・・・・うん、ありがとう!」
(笑顔・・できんじゃん)
此処に来て初めて心の底から、それは作り笑いでもなんでもない純粋な笑顔を見た
一生懸命に水色のクレヨンで描く言葉は
『はやくあいたいな』
その横には梨華自信の似顔絵を添えて
ポストに出した後の梨華はそれから毎日郵便受けを覗くのが日課になっていった
5 名前:プロローグ 投稿日:2003年03月18日(火)23時40分57秒
・・・うちは本当は知っていた、それは絶対に返事の帰って来ない手紙と知っていながら何故それを促したんだろう
きっとお姉ちゃんの笑った顔が見たかったからだ。でもこれは幼い自分が招いた結果、自分で蹴りを付けなければいけない
そう思い、うちは急いではがきをもう一枚買いに行き
「うちが書いたのがばれないようにしなきゃ」
辞書でなるべく難しい漢字を調べ筆跡も大人が書いたように見せるため、ひとみは何度もはがきを書き直す
その作業を苦労とは思わなかった。はがきを見た時、梨華お姉ちゃんの喜ぶ姿を思い浮かべただけでワクワクした気持ちになるのだ
梨華の「はやくあいたいな」という文面への返事をして、ひとみは

『いい子にして、いつも笑顔でいてくださいね』

6 名前:プロローグ 投稿日:2003年03月18日(火)23時41分32秒
完成したはがきを自分の家のポストに書いた日の翌日、家族の誰よりも先に起きて自分の書いたはがきを郵便受けに入れ、他の郵便物と紛れ込ませておいた。
あとは梨華が郵便受けを見に来るのを待つ
しばらくして、梨華が来た。そして、郵便受けの中に自分宛のはがきを見つけた。ぱぁーっと梨華の顔に満面の笑みが広がる
何事もなかったようにひとみは部屋に戻って来ると、
「見て見て!ひとみちゃん、お母さんからね手紙、手紙が来たの」
「そうなんだ、よかったね」
「うん!」
(これで・・・よかったのか・・・)
嘘の手紙を書いて喜ばせてもし、真実を知った時に梨華に何て告げればいいのだろう・・・?
小さなひとみの身体には大きな不安と後悔を知ってしまった

(でも、その笑顔を守らなきゃ)

これからひとみは梨華の母親がわりにはなれないが、見守ることは出来る。そう決心した





そして、そう遠くない未来に姉妹よりも強い絆を持つことになるのだ


7 名前:謎の人 投稿日:2003年03月18日(火)23時44分53秒
はい、プロローグは終わりです

始めと言うことで、幼少時代を書いてみました

これから、2人はどうなっていくのでしょうか?
実は私にもわからない!(殴

がんばってこまめな更新をさせていただきます。
がんばろう・・・自分・・・
8 名前:サイレンス 投稿日:2003年03月19日(水)00時09分52秒
いしよしの文字に釣られて読ませていただきました。
おもしろいです。姉想いのよっすぃーが好きになりました。
続きもぜひ読ませてください。
9 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2003年03月19日(水)01時20分49秒
なんかすごくイイです!!
元ネタ分からないから楽しみだし、いきなり泣かせる展開(涙)
続き待ってますよ〜
応援しやす
10 名前:クロイツ 投稿日:2003年03月19日(水)11時23分30秒
どうも〜♪クロイツでっす。
良いですね〜!!可愛くて切なくて、良い感じです!!
これからどうなって行くんでしょうか…うわ〜、楽しみですっ!!

次回、楽しみにしておりますねっ!
11 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月19日(水)13時41分44秒
おかぁさ〜ん・・・

ひとつわからない所があるんですが、
ひとみと梨華は血が繋がってるんですか?
お父さんとひとみは実の親子ですよね?
これからいろんな事が明らかになっていくんでしょうか!
楽しみです♪
12 名前:梨華編 投稿日:2003年03月20日(木)00時45分04秒
時は流れ数年後・・・ひとみと梨華は同じ女子高に入学し、なんだ変わらない日常を過ごしていた

あのきっかけをあるまでは・・・

「ひとみちゃん、早く早くー」
「んー、待ってよー」
「遅刻、したくないの?」
「そりゃしたくはないけどさー」
時は冬、吉澤家は今日もこんな会話から始まる。
梨華が朝食を作って最後にはみずいろのハンカチに包まれたお弁当を鞄に入れて学校に向かう
「今日のお弁当なに?」
「今日わねー卵焼きにアスパラのベーコン撒き・・・それとひとみちゃんの大好きなたこさんウィンナー!」
「おっ、なかなかいいものがそろってんねー」
うきうきしながら朝の通学路を歩いて行く、しゃべるたびに出て来る白い息に冬の寒さを物語らせる。
13 名前:梨華編 投稿日:2003年03月20日(木)00時46分06秒
「そういえば、もうすぐバレンタインだよね?」
「今年もなにかくれるの?」
「どうしようかなー?だってひとみちゃん高校に入ってから一掃もてるようになったんだもん」
少しむくれた感じで梨華が言う
それもそうだ女子高に入ってからと言うもの、ボーイッシュな性格に一際目立つ容姿、おまけに運動神経が良い。ただ・・・成績は良いかと言えばそうではない。むしろぎりぎりライン上をさまよっている
去年のバレンタインはすごかった。何がすごいかと言えばチョコの山。今年のバレンタインも例外ではない
「いいじゃん、チョコ食べ放題だし」
「もう!少しは他の女の子の気持ちも考えなさいよ!」
いよいよ梨華も本気で怒りはじめる、そうなったら夕飯やこれからの食事に影響が出る。
そうなれば困るのは他の誰でもない自分だ
「悪かった。お詫びに久しぶりに手でも繋いで行かない?」
「えっ・・・えぇ〜〜〜〜〜っ!そんな冗談言ってないで早く行きましょ」
心なしか梨華の顔が赤く染まった気がした
そんなことを気がつかずにその話題はそのままやりすごされた
14 名前:謎の人 投稿日:2003年03月20日(木)01時02分41秒
少しでしたが、更新しました。

・・・書いてる本人ですらかなり読みにくいです(汗
携帯で書いたから罰が当たったんだね、きっと。

>>8
サイレンスさん
読んでいただきまことにありがとうございます。
おいらは久々にいしよしを書くんで温かい目で見守って下せえ(w
>>9
ラヴ梨〜さん
おいらも完全にはプレイはしていません(殴
しかし本作品を読んでいると本人も涙ぐみました。
・・・このゲームP●ゲームなのでわかる人にはわかります。
>>10
クロイツさん
来ていただいて感謝です。いつも楽しく読ませていただいてます
切ないですね、でも最後には甘甘度数を増やして生きていこうと思います
>>11
名無し読者さん
本編ではその詳しい設定は書かれていなかったので、予想しか話せませんが
ひとみの父親と梨華の母親は仲のいい同級生という設定で
母親が短命だったのを知っていて、ひとみの父親に頼んだと考えて読んで
いただけるといいです。
・・・これで答えになっているでしょうか?
15 名前:サイレンス 投稿日:2003年03月20日(木)13時56分38秒
よっすぃーのバレンタイン大変そうですね。
梨華ちゃんの手作りお弁当食べてみたい!

続きも楽しみです!
16 名前:クロイツ 投稿日:2003年03月21日(金)14時17分22秒
梨華ちゃぁぁぁぁん!!恥ずかしがらないでッ!!手ぇつないでッ!!
と、叫びまくりました(笑)
手作り弁当…良いですねぇ…

楽しいです!!がんがってください☆
17 名前:梨華編 投稿日:2003年03月22日(土)17時45分09秒
学校に着くと・・・

「んぁ〜よしこ〜」
「ん、ごっちんおはよ」
「おはよう。真希ちゃん」
朝だから眠いのか、朝から寝ぼけですと言わんばかりのオーラを醸し出しているのが”ごっちん”こと後藤真希
なんてこれを見ている読者様に解説していると足元に何もない廊下の真ん中でいきなり転ぶ
18 名前:梨華編 投稿日:2003年03月22日(土)17時46分13秒
「いつも思うんだけどさーどうしたらこんなところで転べるかなー?ま、朝からいいもん見せてもらったということで」
「ひとみちゃん!」
「よしこの意地悪〜〜」
怒る二人を適当にあしらいながら自分の教室に向かった
19 名前:梨華編 投稿日:2003年03月22日(土)17時48分18秒
ごっちんとは小さいときに梨華が来た後に出会った女の子。本当に小さいときからよく転ぶし、泣いたり怒ったり笑ったりほーんと表情が豊かだったりする。
お姉ちゃんと別れていつもの授業が始まる。そして午前の授業が終わると、ごっちん、梨華お姉ちゃん、うちといつものメンバーでいつも使っている屋上に行って食べるのが日課になっていた
20 名前:梨華編 投稿日:2003年03月22日(土)17時50分03秒
「・・・あれ〜?よしこの弁当、梨華ちゃんと違うやつだー・・・あーっ!!まだよしこピーマン食べられないんだー」

くそう・・いいんだよピーマン食べられなくても生きていられるんだから

「だめだよ、梨華ちゃん。甘やかしちゃ」
「ベ、別に甘やかしているわけじゃ・・・」
「ほーう、じゃあ今度ごっちんの嫌いなもの詰め込んだ弁当を持って来て無理矢理口の中に押し込んでやる」
「あわわ、それは勘弁」
21 名前:梨華編 投稿日:2003年03月22日(土)17時51分07秒
こんな会話をしながらお昼の時間は過ぎて行く
でも梨華は時々思うことが二つあるそれはこの時間がいつまでも続けばいいと思う心。そしてもう一つは

ただの”仲の良い姉妹”ではいたくないという心・・・
22 名前:名無しさん 投稿日:2003年03月22日(土)18時01分07秒
むちゃ更新すくなっ!!
しかも、風邪ひいて凹んでいます(吐血
・・・携帯から書き込みしてみますた

>>15
サイレンスさん
おいらも梨華弁当食いて〜〜!!しかも梨華ちゃんの心境が少し見えてきたり・・・
>>16
クロイツさん
恥ずかしがり屋なんですよ〜。ここの梨華ちゃん
( #`▽´)<恥ずかしがってないもん!!
(O ^〜^)<かわいいYO!
23 名前:サイレンス 投稿日:2003年03月22日(土)19時02分05秒
後藤さん登場ですね。いしよしには欠かせない
人ですよ。自分もピーマン食べれない。
最後のひと言が非常に気になります。

作者さん風邪ですか?
早く良くなってくださいね!
24 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2003年03月23日(日)10時18分52秒
梨華ちゃんの本心はまさか…ドキドキ
やっぱりいしよしには「姉妹」という設定がたまりませんな〜
禁断の愛というところが…ハアハア
スミマセン、取り乱しました(笑)
25 名前:クロイツ 投稿日:2003年03月23日(日)15時59分35秒
おおおおおう!!いしよし来るか!?来るのかぁぁぁぁぁ!!?
どっきどっきわっくわっくしております。
そして、何もないところでこけるごっちんかわええ…。
ピーマン食えないヨッスィーかわええ…。
恥ずかしがりやな梨華ちゃん最高…!!!
 …やはり私、石ヲタみたいです(爆笑)

次回も楽しみにしてます!!
26 名前:梨華編 投稿日:2003年03月27日(木)17時49分39秒
下校の時間、帰るときも梨華と二人で帰るのが日課になってしまった。その途中によるスーパーも寄り道の一つになる。ふとスーパーの特設会場を見つけると今朝話していたバレンタインのチョコ売場に化していた。
(やっぱり、チョコを貰うのはうれしいけど・・・)
「どうしたの?」
不思議そうに梨華が見つめる
「いや、・・・そういえば、お姉ちゃん、バレンタインどうしてたっけ?」
「何言っているのよ、毎年作っているじゃない」
「あ、そうか。他には何もしないの?」
「え・・・・うん」
「・・・・そか」

27 名前:梨華編 投稿日:2003年03月27日(木)17時52分08秒
急に気まずくなる二人。それをなごますようにひとみは持っていた買い物袋をぶんぶん振り回してみた
「ひとみちゃん、それ・・・卵・・入っているから気を付けて・・・」
(でも・・・ま、いいか)
そんなひとみの姿を楽しそうに見ながら、割れたときはしばらくオムライスの刑をと考える梨華だった

28 名前:梨華編 投稿日:2003年03月27日(木)17時58分51秒
そして、夕暮れに染まる歩道を経て、二人は自宅にたどり着いた
「ただいまー」
と言った梨華に対して
「おかえり」
と横に並んでいたひとみが言い返してみる
すると一瞬きょとんとした表情になる梨華
「・・・なんか変な感じだね。くすぐったいようなそんな感じ」
「そーう?」
ひとみより先に靴を脱ぎ玄関の前に立つ
「お帰りなさい、ひとみちゃん」
「うぉう、た、ただいま。なるほど確かに変にくすぐったい気分になるなぁ」
ついつい感心しながらも嬉しさを感じてしまった
29 名前:謎の人 投稿日:2003年03月27日(木)18時10分02秒
更新終了〜
つーか、遅い!


( `▽´)<ここの作者、今修羅場なんだって
(O `〜´)<なんだYO!役に立たないナー
( ´Д`)<つーか、このままいくと自滅するね。
お察しの通りで・・・
サイレンスさん
無事に生き返りました。次の瞬間、締切地獄を味わうことになりましたが(汗

ラブ梨〜さん
いしよしに微妙な変化が・・・って梨華ちゃんをとことん甘甘にしよう!と言う魂胆です
クロイツさん
どもです。遅くなりましたが更新です。やっぱりおいらもメロンヲタの前にいしよしヲタです。だから甘くします!絶対します!
30 名前:クロイツ 投稿日:2003年03月28日(金)15時56分24秒
くすぐったい二人に萌え〜♪
いいですねぇ、あまあまな予感
あまあま期待しておりますので、がんがってくださいませ!!
まったり待ってますので♪
31 名前:サイレンス 投稿日:2003年03月29日(土)11時06分47秒
梨華ちゃんとよっすぃーの関係が
うまくいきますように。なんて読みながら
考えちゃいました。
今後がたのしみです。

わざわざむこうまでご覧いただいてありがとう
ございます。感謝です。
32 名前:梨華編 投稿日:2003年04月10日(木)13時17分33秒
こんな出来事があったその夜、ベッドに入ったひとみは現在父親が出張の為、姉
の梨華のことにしみじみと思いを馳せる

(そういえば、前にクラスの子が言ってたっけ)

『あんたたちさー姉妹なのに必要以上に仲がいいよねー少しは姉離れしてみたら
?』

(でもなーおやじがああだから梨華だけだとなにかと不安だしー)

なんとなく言い訳じみているなと思いつつ、隣の梨華の部屋の壁をみながら夜が
更けていった
33 名前:梨華編 投稿日:2003年04月10日(木)13時19分13秒
翌朝

「よ〜しこ〜。よしこってばー」

朝からなんか聞こえる。え?わかるだろって?
わかるよ、わかるからあえて起きないようにする。
ま、こちらも意地があるからなおさら
それに反して

「真希ちゃん、どう?」

と梨華が少し顔を見せただけでひとみは即座に跳ね起きた。当然、真希は拗ねて
しまう

「う゛〜〜〜!なんだよぅ・・・ぐすっ」

拗ねている真希に対して

「まぁまぁ、ひとみちゃんはきっと照れているのよ」

「あ、そーかー。そうなんだー」

「神に誓って言う、けっして違う!!」

34 名前:梨華編 投稿日:2003年04月10日(木)13時20分29秒
昨日の悩みをふっとばすように、洗面所に行き顔を洗い、二人の待つリビングに
向かう

その日の朝食はそのまま梨華と真希の共同作業となった
そこでもひとみは梨華を褒めたたえ、真希の手際の悪さをからかう(実際そうで
もないのだが)

「見てなよー。お料理だけじゃなくて、今年のバレンタインこそはちゃんとした
もの作ってみせるんだからー」
35 名前:謎の人 投稿日:2003年04月10日(木)13時34分49秒
今回もいっぱいいっぱいになって更新をしつづけています
こんなおいらを指差して笑ってください(殴

>>30
クロイツさん
たらいま〜れす。凹んでます。部屋の隅にていじけてます
甘くなる前にまずはきっと切ない(本人談)話になるでしょう

>>31
サイレンスさん
いえいえこちらこそいつも読ませていただいてます、いしよしーがんばろうー
痛くはならないようにはしますので、はいm(__)m
36 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月10日(木)17時11分58秒
梨華ちゃんが顔見せただけで、一発で起きるヨッスィーに萌え〜
てゆーか大丈夫ですか?無理なさらないようにして下さいませ…。
切ない系…それも(・∀・)イイ!
がんがってください!!次回も楽しみにしてますので!!
37 名前:サイレンス 投稿日:2003年04月10日(木)21時12分52秒
更新お疲れ様です。いっぱいいっぱいですか。
大丈夫ですか。なんか手伝いますか(w

梨華ちゃんもよっすぃもがんばれ〜〜と叫んでみる

ギャグないしよし読んでいただいてありがとです!!
はい、いしよしがんばりましょう。
次回も楽しみです。無理なさらず更新期待してます。

38 名前:梨華編 投稿日:2003年04月30日(水)15時39分01秒
真希の意気込みにに対して、ひとみの返事は無情だ
「ラッピングとかだけ手作りで頑張ってくれ。中身は既製品のもでいいから」
それでも、真希の朝食をすべてたいらげていく
「大事なお姉ちゃんにこんなもん食べさせるわけにはいかないから。
犠牲は一人だけで十分」
でも、本当は真希の料理は人並みの出来栄えなのはひとみも梨華も知っている
その言葉が下手な言い訳であることは、真希も梨華もお見通しである
逆にひとみは鈍感というか、今のとなってやっと気付いたことがあった
朝食後、三人で連れ立って登校していく途中、そのことを口にする

39 名前:梨華編 投稿日:2003年04月30日(水)15時46分07秒
「ごっちん、・・・気のせいかなー、一日おきに来てるような・・・・」
「そ、そんなこと無いよ。よしこ」
「そ、そうだよひとみちゃん。気のせい!気のせいだよ」
二人が一緒になって否定するのに不自然さを感じたひとみだったが、

「そっか、気のせいか・・・」

と、その疑問をあっさり捨てる。そんなひとみだったから、当然、次のことには
気付いていなかった

その時、真希がひとみの隣に並んで歩いているのに対して、なぜか梨華は二人から
一歩退いてその後ろを歩いていることには
40 名前:梨華編 投稿日:2003年04月30日(水)16時08分25秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ひとみも真希のことをいつもからかっているばかりではない
その日の放課後。毎回のいねむりの罰として、一人で教室の掃除をしている真希に、
ひとみは手伝いをしていた
「ごめんね〜」
「そう思うんなら、さっさと終わらせる。その代わり、この貸しはでかいからね。
覚悟しとけよ〜。ふっふっふっ」
「んぁ〜〜。それだけは勘弁して〜〜」
「ったく、ほんと見てて飽きないよなーお姉ちゃんにも見せて・・・って、
あっ!!しまった!!!」
梨華を下駄箱で待たせているのを思い出したひとみは、一度教室を離れる
掃除のことを話せば
『私も手伝うよ』
とか言い出しかねないので、梨華には抵当な理由を説明して先に帰らせた。
その直後に再びひとみは重要なことを思い出す
「あっそういえば。昨日の夕方のときに、明日はスーパーがバーゲンの日だからって、
お姉ちゃんに荷物持ちを頼まれていたっけ。あっちゃぁ、まずいなー」
その後悔が、掃除を終えた帰り道、ひとみを商店街のケーキ屋の前で立ち止まらせる
41 名前:謎の人 投稿日:2003年04月30日(水)16時19分22秒
1ヶ月更新できなかった…修羅場も無事越えたので更新してみました
待っててくれた皆さん有難うございました(待ってないって?)

>>36
クロイツさん
生きてますよ〜〜☆大丈夫ですよ〜今回は少し更新量を増やしてみました
どうだったでしょうか?クロイツさんの小説も楽しみにしているので、お互い大変ですが
頑張りましょう
>>37
サイレンスさん
お気持ちだけで十分です(にこ
無事目標を達成しましたよ。小説落ちたけど(汗
それ以外は何とか・・・おいらギャグが書ける人は尊敬のまなざしに値します!!
だから頑張ってください
42 名前:サイレンス 投稿日:2003年04月30日(水)18時33分32秒
お久しぶりです。
修羅場突破お疲れ様です(謎
今回も読ませてもらいました。

そう言われると自分もがんばらなきゃ。
お互いがんばりましょうね〜!!

43 名前:梨華編 投稿日:2003年05月01日(木)14時08分54秒
放課後という時間帯もあって女の子達で賑わう
大急ぎで梨華の好きなケーキを買ってくると
「ひとみちゃん優しいーなぁーいいなぁー」
「なにいってんの。ごっちんの分も買ってきたんだからそんなこというとあげないよ」
44 名前:梨華編 投稿日:2003年05月04日(日)00時22分10秒
「あっ、それは困る〜〜」
先に歩き出したひとみに急いで追いつこうとする真希

・・・・やっぱりつまずいてこけるのはお約束ってことで・・・
45 名前:梨華編 投稿日:2003年05月04日(日)00時22分56秒
〜〜〜〜〜〜〜〜
「今日は何となく甘いもんが食べたいなーって思って買ってきた」
そんな言い訳をしてから、夕食後にひとみは梨華にお土産のケーキを渡した
「わぁ〜、ショートケーキだぁ!!あっ・・・4個なんだ」
「ん?2個ずつじゃだめ?」
「え、えっと、そういうわけじゃなくて・・・・・・ありがとう、ひとみちゃん」
46 名前:梨華編(梨華回想 投稿日:2003年05月04日(日)00時23分32秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
昔、こんな事があった
仕事が忙しい父親の事情のせいで、梨華とひとみが成長するに連れて2人きりで夜を過ごす事が多くなっていった
そんな父親が珍しく早く帰ってきた日のこと。日頃の後ろめたさからか、父親の手にはお土産のケーキの箱があった。イチゴのショートケーキが3個。それぞれ1個ずつ食べた後、ひとみは残りの1個を梨華に譲る。遠慮する梨華を見て、ひとみは
「じゃあ、半分こ」
といって明らかに半分に満たない三分の一ほどを、それもイチゴの部分を避けて自分のぶんうぃフォークで割った
「うちはその・・・・イチゴの乗ってないのが、好きなんだよ」
照れ隠しにそういう言い訳をする、ひとみ。梨華はそんなひとみが好きだった
「こういうときはいつも半分こにしようね。次はひとみちゃんがイチゴの方だよ」
そこには梨華の大きな笑顔があった。それを見て、ひとみもちょっとは家族として優しくできたかなと満足する
・・・三個目のケーキは自分のぶんだと考えていた父親の落胆はともかくとして・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
47 名前:梨華編 投稿日:2003年05月04日(日)00時28分00秒
まさか、
『ひとみちゃんと半分こして食べたかった』
とは言えず、梨華はそそくさとキッチンに向かい、お皿やフォークの準備を始めた
半分こは出来なかったが、2人でケーキを食べることは、思い出の共有という
幸福な時間を梨華にもたらす。姉という立場があってこその思い出だったわけだが、
しばしひとみとのそういった複雑な事情を忘れられるほどに梨華の心は満たされていった
48 名前:謎の人 投稿日:2003年05月04日(日)00時31分58秒
>>42
サイレンスさん
毎度読んでいただいてどうもです。
こんなへっぽこ小説に付き合っていただいて・・・(感涙
おいらはこの小説を完璧に終わらせます!!がんばりますよー!!
49 名前:梨華編 投稿日:2003年05月09日(金)10時07分29秒
そして急に変なこと思いついた梨華は

「・・・そうだ、ひとみちゃん。今日・・一緒にお風呂入ろうか?」

いきなりのお風呂入ろう発言にひとみは・・・

ガッシャーーーーーーーン!!

おもいっきし机の上の紅茶を零していた

「なにいきなり言い出すんだよ」
「冗談だよ。先に入ってくるね」

と、冗談とも取れないような小悪魔の微笑みを残して居間を去って行った

そんな発言からふと、この生活を改めて考えてみる

(単純に考えれば、ただの普通の姉妹・・・あたりまえなんだけど・・・・・、もし
お姉ちゃんが卒業して、家を出て行くようになれば・・・うちは・・どうしたいんだろう)
50 名前:梨華編 投稿日:2003年05月09日(金)10時16分19秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日曜日。日ごろの労をねぎらおうと、ひとみは小遣いをやりくりして梨華を外食に
誘った
出向いたレストランで、二人にちょっとした事件があった
メニューとにらめっこするようにデザートの選択に悩んでいた梨華に、ウエイトレス
が囁くように、しかし対面に座るひとみにもはっきり聞こえるように言った

「遠慮しないほうがいいですよ。かわいい彼女のためなら男の人は喜んでお金を
払ってしまうものですからね」

梨華は顔を赤くしたまま、店内の喧騒にまぎれてしまうような感じで小さくなった
51 名前:梨華編 投稿日:2003年05月09日(金)10時25分05秒
ひとみは男と間違われ、なおかつ恋人同士に間違われた。が、それ以上にひとみが
「姉ですよ」
とかいって否定をしなかったのも、梨華の心をふわふわと夢心地にさせた

その結果、梨華がこのお出かけをデートのように考えたいと思うのも当然だった
吐き出す息が、暗くなった夜空へと、その先にある冬の星座たちへと白く漂いながら
昇っていく帰り道、梨華は

「ちょっと寄り道していかない?」
「え?いいけど?」

立ち寄ったのは、所々にポツンポツンと明かりが灯っている公園だった

「・・・昔は良く遊んだよね、ここで。みんなが帰っちゃても結構遅くまで」
「しかる親がいなかったからね。教育的には悪い見本かもね」

月の光に照らされた二人の姿
その下で思い出話は募っていく
52 名前:梨華編 投稿日:2003年05月09日(金)10時33分27秒
「そういえば、昔と違って、暗くても泣かなくなったよね?お・ね・え・ちゃん?」
「もう、ひとみちゃんたら。私だっていつまでも子どもじゃないんだよ。
・・・・そう子供じゃないんだから・・・・」

白い息が大気に溶けていくように、梨華の言葉も小さくなっていった
その日のデートの締めくくりは、帰宅した玄関での挨拶だった

「お帰り」
「ただいま」

「ただいま」
「おかえりなさい、ひとみちゃん」

一瞬の間があって、二人は顔を見合わせて笑った

「ふふっ・・・ひとみちゃん、このまま毎日やろっか?」

笑顔でそういう梨華を見て、ひとみにも異存はなかった
53 名前:謎の人 投稿日:2003年05月09日(金)10時36分56秒
更新終了しました。
こんこん、誕生日おめでとうーーーーっ!!←遅
そして、圭ちゃん・・・・卒業おめでとー!!
さいたま行きたかったよ。
DVD出るよね?買おう・・・うん

だんだん切なくなってきてるのは・・・気のせいじゃないかもしれない・・・(汗
54 名前:サイレンス 投稿日:2003年05月10日(土)00時35分12秒
更新お疲れ様でした。
>「・・・そうだ、ひとみちゃん。今日・・一緒にお風呂入ろうか?」
これ一撃必殺の威力がありますよ(w
梨華ちゃんも意識してるんでしょうか?

次回の更新も待ってます。
55 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)09時13分29秒
学生にとっての唯一の苦悩の種、テストと呼ばれる災厄が火ひとみたちに襲い掛かる
その点数によっては春休みを返上し、赤点組として補習、再テストを受けねばならない
お世辞にもいい成績とは言えないひとみにとって頑張らなければならない時期なのだ

しかし、運のいいのか悪いのかひとみと真希の得意科目と不得意科目が逆転しているため
力を合わせて立ち向かう為、連日吉澤家に訪れていた。もっとも、最初の時は補習の危機
をリアルに感じたひとみに、誘拐のような形で連れてこられた
梨華もこの時期は受験生として勉強に向かわなければならないのだが、推薦に余裕に
合格しているため、そんな心配は無用だ。むしろ梨華が二人の家庭教師をしていた

一段落ついて、梨華がお茶の準備を始める。それが休憩合図になる
56 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)09時24分05秒
「いつもありがと、おねえちゃん」
「ほんと、いつもご迷惑かけますー。勉強まで教えていただいて」
「いいよ、簡単なことしか教えてないよ」

とはいえ、優等生の分類に近い梨華にとって二人は神に近い存在と思っているだろう

「よし!あと残り数日!がんばるぞーーーー!」
「んぁーーーーーーーーーーー」

変な叫び声と共に夜はふけていった
57 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)09時40分08秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日でテスト勉強も最後とあって、そのまま真希はお泊りすることになった
夕食の後、必然的にお風呂タイムという時間が訪れる

「今日は梨華ちゃん借りるからね」
「うん、今日は一緒に入ろうね」
「え〜うちは〜?」
「今日はだめ。また今度一緒に入ってね」

真希に
「覗いちゃダメだからね」
と釘を刺されたことが逆に女心(?)を煽る結果となり、ひとみはお風呂場へと忍ばせていく

『うわぁ〜っ!梨華ちゃんって・・・・やっぱり大きいんだね〜』
『もうっ!真希ちゃん!でも・・・・真希ちゃんも意外と・・・』
『んでは、直に調べさせていただきましょうか』

まるで誘っているような、風呂場から聞こえる二人の声。それに反して、脱衣所へと
通じるドアにはしっかりと鍵がかけられていた。がっくりと肩を落として立ち去ろうとする
ひとみの耳に、今度は気になる会話が聞こえてきた

『・・・梨華ちゃん、変わりばんこにしようって約束も結構大変だねぇ〜』
『そうだね。でも、私と真希ちゃんとで交わした約束だから・・・・』

『約束』という言葉が、先ほどの会話以上に聞いてはいけなかったもののように、
ひとみには思えた
58 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)10時11分31秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ダイエット的には反対意見も多いと思われるが、寝る前のひととき、
三人は真希が持参してきたケーキに舌鼓を打つ

「お風呂上りにケーキってのもいいよねー。いただきまーす・・・・・・わっわわっ」
お約束というか、いつもの粗忽さを見せて、真希は床にケーキを見つめる
このままでは床を舐め始めるのではないかと思って大きくため息をついたのは、ひとみだった

「ほら、そんな顔しないでよ。うちの半分、分けてあげるからさ」

現金にも瞬時に表情を明るくする真希に続いて、今度は梨華が落ち込む
ひとみとの大切な思い出、最後に一個残ったショートケーキを半分こにして二人で食べた
光景が梨華をもやもやした気持ちにさせる

(私の優しい、妹・・・・私に・・・私だけに・・・)
59 名前:謎の人 投稿日:2003年05月12日(月)10時20分47秒
今日もだめだめ〜人間な謎の人の更新が
始まりましたよ〜
(o^〜^)<あーあ、テンパッテルYO!この人
(;^▽^)<しかたないよ、この人小心者だから何しでかすかわかんないもん
(o^〜^)<へたれはしょせんへたれなんだね・・・
(;^▽^)<(それひとみちゃんにも言えるから怖いわ)

54>>
サイレンスさん
べいべ〜風呂にノックアウッ!なーんて歌が流れてみたり(w
話がまだ続きそうだし、あまあまにできるか不安になってます、がんばるぞー

しばらく
|△−)な人がまだ出てこない(汗
60 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)13時50分02秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
梨華の気持ちとは無関係に、ひとみと真希は分け合ったケーキを頬張りながら、
最近近くにオープンした遊園地の話題を終始していた

「コーヒーカップとかあるといいなぁ。あ、あとむちゃくちゃ怖い絶叫マシン!!」
「おいおい、何回も乗り回すのは勘弁してくれよ。付き合うほうは大変なんだから」

そんな会話が続いて
「テスト休みにその遊園地に行ってみようよ」
と真希が行った時に、とうとう梨華の抑えていた感情が爆発した

「わっ、わたしもいきたいーーーーー!!!」

突然、大きな声を出した梨華に隙を突かれて驚く二人

「どうしたの?お姉ちゃん。急に大きな声をだして。当然お姉ちゃんも行くに決まってるじゃん」
「うん、私もそのつもりだよ。梨華ちゃんの都合のいい日を教えてよ」
「あ・・・・・、ご、ごめんなさい・・・・」

梨華は本当の気持ちを隠して、ただ謝るだけだった
61 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)14時17分58秒


・・・・・・・ひとみちゃんとケーキを半分こしていいのは私だけ・・・・・・・



その日の深夜。暗闇と静けさが支配するキッチンに、ごそごそとうごめく影が一つ
その正体は、ただ小腹を空かせて彷徨っているひとみだった

「ひとみちゃん?なにやってるの」

梨華はなれた手つきでお茶漬けを作っていく

「お腹空いたなら起こしてくれればいいのに」
「いや、悪いかなと思って」

出来たお茶漬けをひとみの前に差し出すとすぐさまひとみはお茶漬けをかきこんだ

「いや−!うまい!さすがお姉ちゃん!なんでもちゃっちゃと出来ちゃうんだもん。
これをもう少しごっちんに見習ってもらいたいなー」
「そんなこと、ないよ・・・・わたし・・・、わたしそんなことない!」

しつこく否定する梨華の真意が、ひとみにはわからない

「あ・・・・な、なんでもないよ。おやすみ、ひとみちゃん」

そういうとパタパタとスリッパの音を立てて、梨華は去っていった
気づかずに見過ごしてしまうほど・・・・そんな一瞬だけ見せた梨華の表情だけが
ひとみに残った


62 名前:梨華編 投稿日:2003年05月12日(月)14時26分11秒
そして・・・・気持ちよさそうな寝息を立てている真希が待っている自分の部屋
、そこに戻った梨華の方は、机の引出しの奥にしまいこんだ小箱を何年かぶりかに
取り出した
月明かりの下、梨華はそれをじっと見つめる

(この中に入っている物は、私のじゃない。だから、このガチャガチャのおもちゃは
、真希ちゃんがひとみちゃんにあげてって私に託した。だから、この中に入っている
物も真希ちゃんの・・・・初めからわかっていたのに私は・・・・)

何かにすがりつくように、梨華は窓を見上げた。けれど、カーテン越しに見える月は
何も答えてくれない。ただ、ぼんやりと梨華の沈んだ顔を照らし続けた
63 名前:梨華編 投稿日:2003年05月21日(水)09時46分22秒
真希との連日テスト勉強(大半は梨華が教えたが)のおかげか、ひとみはなんと
か赤点ゼロでテストを乗り切った
そのお祝い(?)も兼ねて、テスト休みに入るとすぐに、ひとみは真希と梨華と
一緒にオープンしたばかりの遊園地に出かける
様々なイルミネーションと音楽に飾られた空間。日常を離れる楽しみとよろこび
を詰め込んだ空気が三人を包み込む
「うわーすごいねぇ〜。ねぇ、あっちも見よ。あーこっちもいーなー」
子供のようにはしゃぎ回る真希。その代表されるように、思う存分一日中楽しむ
はずだった休日が、思わぬアクシデントから中断されてしまう

まず手始めに、ウォータースライダーの乗り物に乗り込んだ日のことだった
64 名前:梨華編 投稿日:2003年05月21日(水)09時59分36秒
「ごっちん、先に言っておくけど、水に落ちるとき、シートをかぶるタイミングは
大丈夫か?」
「大丈夫だよ。そんなにぼーっとしてないよ」
「いや、それはあるから」

これほど信用のおけない『大丈夫』という言葉もなかった。案の定、ビニールシート
を取り損ねた真希を、ひとみが自分のシートの中に抱きかかえるように押し込んだ

「あっ・・・」

梨華の時間が止まった。ひとみがごく自然に真希を水飛沫からかばうのを目にして
、そのせいで梨華の方がまともに頭からかぶる結果となり、全身びしょ濡れになって
しまった
65 名前:梨華編 投稿日:2003年05月26日(月)13時34分49秒
「どうしたの?お姉ちゃん?お姉ちゃんなら大丈夫と思っていたのに・・・」

水を被った梨華は風邪をひかないようにと遊園地は即中止になった

(私は大丈夫だけど、真希ちゃんはそうじゃない・・・・・ひとみちゃんの行動が
全てを語っていた。やっぱり、小箱の中のあれは・・・・・あの指輪は私のじゃないって)

そしてバレンタインデー前日にあたるこの日の夜遅く、ひとつの決意を秘めて、梨華は
手作りのチョコをひとみに渡した

「うわぉ!!チョコレートだー!おねえちゃんいつもありがとう。あれー?でもまだ
バレンタインは明日のはずなんだけど・・・・?」
「え・・・・、いいじゃないそんなこと。それよりひとみちゃん今年のは絶対、
一人で食べてね。お願い」
「あ、はい。わかったよ」
66 名前:梨華編 投稿日:2003年05月26日(月)13時41分34秒
戸惑ったひとみを残して、梨華は自分の部屋に戻っていった

(真希ちゃんとの約束・・・・やぶっちゃった。でもこれでいいの。今日だけは
良いお姉ちゃんよりもただの嫌な子に、自分勝手な子にならせて・・・・)
67 名前:梨華編(回想) 投稿日:2003年05月26日(月)13時58分51秒
昔のこと



それは、ガチャガチャのおもちゃを梨華がひとみに渡したことがきっかけだった
そのおもちゃは小遣いをはたいてずっと狙いつづけてきた物だったので、ひとみは
「やったーーー」
と喜んでいる

「あのね、それって真希ちゃんが・・・・・」

そう言い掛けた梨華の言葉は止まってしまった
ひとみがお礼として同じくガチャガチャで当てたおもちゃの指輪を渡してきたことで
ひとみにはわからなかっただろうが、梨華にはその指輪には特別な意味をもっていた

「いいの?ひとみちゃん。本当にこれをもらっちゃって」
「いいに決まってるって。こんないいもんもらっちゃった、そのお礼なんだから」

ひとみの言葉は梨華の幸せを打ち消した

その夜、梨華は一度も指輪をはめることはなく、愛用の小箱に入れたそれを引き出しの
一番奥にしまいこんだ。深い後悔と一緒に・・・
68 名前:謎の人 投稿日:2003年05月26日(月)14時00分05秒
ちまちまと更新中の謎の人です
69 名前:謎の人 投稿日:2003年05月26日(月)14時02分27秒
このままずっとsageの方向にしようかと考え中です
ひっそりまったり気づかれずに書いていくのも面白いかと(苦笑

70 名前:Silence 投稿日:2003年05月27日(火)19時29分58秒
更新お疲れ様です。
あれ、気付いちゃったです。じゃあ自分も静かに感想を。(w
石川さんちょっと悲しいです。続きが気になります。
次の更新も待ってますね。
71 名前:梨華編 投稿日:2003年05月29日(木)10時11分00秒
ひとみからあの指輪をもらった次の日のことだった…
…朝。小学校へと三人で登校する、いつもの道。だが、梨華は指輪の件で罪悪感
を持ちいつものようには振る舞えなかった
真希が不思議そうな顔で梨華に尋ねる

「梨華ちゃん、いつもみたいによしこと並ばなくていいの?」
「ううん、いいの…三人で並んでると、他の人の邪魔になるし…」

うーんとしばらく考え込んだ後、真希はひとみに聞こえないよう、梨華にそっと
囁いた
72 名前:梨華編 投稿日:2003年05月29日(木)10時12分04秒
「じゃあさ、かわりばんこって、どう?今日は私。明日は梨華ちゃんって」

罪悪感を少しでも拭うように、つられて梨華も言った

「じゃあ、これからはひとみちゃんにプレゼントするときとかも二人でいっしょ
に…」

それが幼い頃に真希と梨華がかわした約束…
…梨華はあの小箱を開け、中から指輪を取り出した

(今まで真希ちゃんからずっと借りっぱなしだった指輪…ひとみちゃんと一緒に
返すね。全部、全部ね。それで明日から私はひとみちゃんのよい姉になるの…二
人を笑って祝福できる、よくできた姉に…)

梨華はそう心に誓う。一度でいいから指輪を自分の指にはめてみたい気持ちを抑
えて
73 名前:梨華編 投稿日:2003年05月29日(木)10時14分23秒
バレンタイン当日梨華はすべてを段取りして、ひとみと真希は二人だけのデート
に送り出される

「昨日は私のせいで、せっかくのお出かけが潰れちゃったから…ひとみちゃん、
今日はしっかりエスコートしてね」
「えーなんでごっちんなんかー」
「何でなんか言っちゃ駄目でしょ?今日はお姉ちゃんの言うこと聞きなさい」
「え…梨華ちゃんそこまで…」

戸惑う二人をよそに、梨華はひとみには今日のデートコースを書き記したスケジ
ュール表を、真希にはこっそり例の指輪を渡す

「真希ちゃん。これ、”幸運のお守り”だから、今日指にしていくといいよ」

梨華の勢いに押されて、とりあえずひとみと真希は出かけた。梨華考案のデート
コースはなかなか工夫が凝らされていて、かわいいもの好きな真希に合わせてメ
インには水族館が用意され、途中でひとみが飽きないようにとその近くにゲーセ
ンまで網羅していた
食事の面でも、ランチは焼きたてパンの美味しい比較的に安いオープンカフェを、
ディナーに雰囲気のよい海岸沿いのレストランと、バラエティに富むものだった
74 名前:謎の人 投稿日:2003年05月29日(木)10時31分20秒
てへてへ、更新れす
あー後数回でいしよし編終了です
次回は( `_´)川σ_σ|| ( ‐ Δ‐)§“3.“) みたいなひとたち
確実に(断定かよ!)出します。しかしCPが悩まれる方がいたら困るので
sageの方向に(最初からそうだけど・・・)

>>70
Silenceさん
ありゃ、見つかってしまいました(w
見られたからには・・・何してもらお(殴←冗談なので気にせず
だんだん痛くなっておりますいしかーさん。何とかせねば・・・
75 名前:梨華編 投稿日:2003年06月02日(月)13時25分54秒

そのレストランで、ひとみが財布と相談しながらデザートを何しようかと
考えているのを見て、ここがチャンスと真希はバレンタインの手作りチョコを渡す

「お、これが噂のごっちん作かー。今年の出来栄えはどうかな・・・」
「今年もおいしいに決まってるでしょ?梨華ちゃんよりはうまくないかもしれないけど」
「お姉ちゃんからは昨日の夜もらってまだ食べてないからな。今日帰ってから
じっくりと食べ比べてみるよ。感想はその後で」
「え・・・?昨日の夜・・・・・?」

真希が意外な顔をする。そして、何か思いついたような表情でつぶやいた

「そうか・・・・梨華ちゃんは一歩前に踏み出したんだ・・・・・・そっか」

76 名前:梨華編 投稿日:2003年06月02日(月)13時44分10秒
レストランを出た二人を突然の雨が襲う

「じゃじゃーん、これなーんだ?」

真希がかばんから折り畳み傘取り出した

「お、ごっちんにしては上出来じゃん」
「ふっふ〜ん、・・・・と言いたいところだけど、これも梨華ちゃんが
持っていくようにって」

かさが一本、人は二人。必然的に相合傘になり、真希はドキドキ状態に
体を寄せ合ったことでひとみは、真希が指にしている指輪に気づいた

「ん?それって、どこかで見たような・・・あっ、それ。うちが昔お姉ちゃんに
あげた指輪に似てるんだー」
「え?実はこれ今朝梨華ちゃんに・・・・よしこその玩具の指輪って?」

ひとみから指輪のいきさつを詳しく聞いて、真希は全てを理解した。梨華がなぜ
この指輪を自分に託したのか、そして梨華が
『前に踏み出そう』
としているのではなく、反対に
『身を引こう』
と考えていることまで
間近に感じるひとみの温もりが真希を惑わせる
が、・・・・・彼女は心に決めていった

「よしこ・・・・・・梨華ちゃんの気持ち・・・気づいてる?」

77 名前:梨華編 投稿日:2003年06月02日(月)13時53分41秒
そう問いかけるのに続いて、真希は自分と梨華の間で交わした約束についても
語る
二人がひとみに対してお互いに抜け駆けはしないようにと誓ったこと。朝、学校に
向かうとき、ひとみの隣に並んで歩くのも変わりばんこにしていたことも

「梨華ちゃん、待ってるよ・・・・・ひとみちゃんのことを」
78 名前:梨華編 投稿日:2003年06月02日(月)13時59分14秒
降りしきる雨の粒が傘の表面に当たる。その音がひとみの耳にやけに大きく聞こえた

(うちは・・・ごっちんにもお姉ちゃんにもただ甘えてるだけで・・・
誰かを傷つけるのが恐くて・・・・それで自分が傷つくのがもっと恐くて・・・・)

その場から一歩も動くことの出来なくなったひとみを、笑顔で巻真希が後押しする
79 名前:梨華編 投稿日:2003年06月08日(日)23時48分44秒
「私は良いの。昔から一度してみたい相合傘もこうして実現できたし
・・・私はそれで満足だから・・・・」

ひとみは知った。幼い頃から守ってやらねばと思っていた真希が
自分何かよりもずっと強かったのだと。
そして、ひとみは今ほど真希が好きだと思ったことはなかった

(でも・・守りたい者は他にいる・・・うちが本当に守りたかったもの・・・)

手にしていた傘を真希に託して、ひとみは済まなさそうに、
けれどはっきりと告げる

「ごめん、もう一度だけごっちんに甘えさせて!!」

ひとみは傘を飛び出して、雨の中を『守りたい者』へと向かって走り出した
残された真希は、まだひとみを励ました笑顔のままだった

「あはっ、・・・・私・・・・泣けない・・・失恋したはずなのに・・・
今は・・・泣けないや・・・」
80 名前:梨華編 投稿日:2003年06月08日(日)23時49分22秒


涙の代わりに、傘の端から雨の滴がポトリと落ちていった




81 名前:梨華編 投稿日:2003年06月08日(日)23時51分57秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ひとみが向かっている場所では、
梨華が自室の鏡の前で自らに語りかけていた

「うん、笑顔笑顔・・・そうしなきゃ。そうしないと2人に悪いから・・・
笑顔でお帰りなさいって言わなきゃ・・・」

だが、梨華は笑えなかった。無理に笑おうとすると、
笑顔とはまったく反対のものが溢れてきそうだった
だから、玄関のドアが開く音がしても出ていく事も出来なかった
しばらくして、隣のひとみの部屋からドアの開いた音がする・・・
そのまま梨華の部屋の前まで来て梨華の扉の前で話を始めた

「おねえちゃん・・・いるんでしょ?うちね・・・怖いんだ。
これからのこと、将来のこと・・・・寂しいんだ、
だから、お姉ちゃんがいつまでも、
うちのそばにいてくれないと気が狂いそうになるんだ。
だって、うちは1人の女性としてお姉ちゃん、梨華が好きだっ・・・・!!」

初めて部屋を別れた時、本当はそうしたかったことを実行する
扉を開けて、ひとみの腕の中に飛び込んだ

「ひとみちゃん・・・・!!」

ひとみが梨華の柔らかい髪をそっと撫でた。
ふわっと流れるように指が通っていく

「お姉ちゃん、いや梨華の香りは・・・・・そう、落ち着く。
ずっとこのままでいたいな・・・」
「私も!!」

それは自分も同じと答えて、
梨華はひとみに抱きついた腕にぎゅっと力を込めた
82 名前:梨華編 投稿日:2003年06月08日(日)23時53分44秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そして・・・・数日後

公園において、1つの儀式めいたことをした

太陽の光に照らされて小さく光る『みずいろ』の指輪が
真希の手から一度ひとみの手に返され、
そしてひとみの手で梨華の薬指にはめられた

「うん、これで完璧!でも、梨華ちゃん、その指輪に飽きるような事があったら、
私にちょうだいね・・・なーんて、あは・・・・」

様々な感情が交錯したのだろう、感極まった真希はポロポロと涙をこぼし始めた
その真希を抱きしめた梨華の目にも涙が浮かぶ
2人の姿をただ見守ることしか、今のひとみには出来なかった

だが、目をそらしてはいけないとひとみは強く思う。
真希との新たな関係をこれから築いていくためにも・・・

「さぁ!今からケーキでも食べに行こうか!!」

「「おぅ!!」」
83 名前:謎の人 投稿日:2003年06月08日(日)23時56分56秒
これでいしよし編は終了になります

読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました
この場を借りてお礼申し上げますm(__)m
自分、微妙にがんばった。完結したよ。
次回もひっそり、またーり書いていきます
84 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月09日(月)13時08分21秒
読んでました。次もがんばってね。
85 名前:Silence 投稿日:2003年06月10日(火)13時49分15秒
更新、完結お疲れ様でした。
う〜ん、よかった。楽しかったです。やっぱいしよしはいいです。(w
>自分、微妙にがんばった。
微妙なんですか(w 
次回はなんだろう〜。楽しみに待ってますね。
86 名前:メロン編 投稿日:2003年06月12日(木)13時14分30秒
初恋というものは昔の想い出となっても色濃く残るものである

いつだったかなまだ私が小学生の頃の話だその日は友達との約束もしなくって、
ただ公園で一人でブランコを楽しんでいた
別に一人が楽しいってわけじゃない。友達と遊ぶことも好きだ
でも今日に限ってそんな気分になれなかった

「あのー海までの道ってわかりますか?」

突然見知らぬ女の子に声をかけられた
年齢は私と同じだったいや、それより少し上だろう
丁寧な口調でおっとりした、お嬢様そんな感じがした
87 名前:メロン編 投稿日:2003年06月12日(木)13時17分36秒
「ここからなら結構近いから案内するよ。私、雅恵っていうの」
「ありがとうございます。私「めぐみ」。「村田めぐみ」って言います。雅恵…
さんですね」

雅恵さん…そんな風に呼ばれたの初めてだ

ウキウキした足取りで海岸までめぐみを案内した雅恵だったが、そこでいきなり
背後からスライディングを仕掛けられて見事に転んでしまった

「やったーできたー一度やりたかったんだーあははー」

得意気に笑っているのはツインテールの少しぽっちゃりした女の子がいた

「あははーじゃないでしょ?この子私の妹なんです」

そう言って、めぐみはしゃがみ込むと、転んだときに出来た雅恵の手の甲の小さ
な傷に口をつけて消毒を始めた。その柔らかな唇の感触に、雅恵はただ目を白黒
させる
88 名前:メロン編 投稿日:2003年06月12日(木)13時26分08秒
「あ、あの。私の手汚いからさ後で消毒するよ」
「うちではいつもこうしているから」

何のためらいもなく手当てをしてくれるめぐみに感激をしてしまった
村田姉妹の性格は対照的で、妹の方は加害者意識のかけらもなく悪びれていない
。それどころか海に入ってぱしゃぱしゃ遊んでいる

「あの子も悪気はないんですが悪戯好きと言うか、あ、でも女の子らしいことも
できるんですよ、書道とか…」
「じゃあめぐみちゃんは何が好きなの?」
「私は動くのも好きですが、どちらかと言えば家で本を読んでいるほうが好きで
す」

少し恥ずかしそうにするめぐみを見て、またここに来ようと強く思った

その日から、雅恵はめぐみと会うため、頻繁に海岸に出向くようになった
89 名前:謎の人 投稿日:2003年06月12日(木)14時04分15秒
更新完了〜〜
今回からはメロン編に入ります
カップリングありなんでよろしくおねがいします(隠れ)
( `_´)<あっ、よっすぃ〜。どうしたの?
(O^〜^)<ん?今回主役でしょ?一つ言いにきたんだ〜
( `_´)<何?
(O^〜^)<ここでは必ずへたれか優柔不断かになるから気をつけろYO〜
煤i `_´)<!!!!

<<84
名無しさん
読んでくださってありがとうございました。ひっそりでいいんで、又読んでくださいね

>>85
Silenceさん
はい、微妙です。
だって元ネタを使ったから(w
自分の文章力がついてきたらオリジナルを書きたいなーと思います
今回からはメロンですよ〜〜
90 名前:メロン編 投稿日:2003年06月16日(月)09時25分37秒
その日から、雅恵はめぐみに会うため、頻繁に海岸へ通うようになった
先日、妹が怪我をさせたお詫びにとめぐみ母の作ったクッキーを持ってきてくれた

それを物欲しそうに見つめる妹

「どうしたの?」
「あー、この間のことを母に話したところ、罰としてしばらくおやつ抜きという
ことになったんです」
「なうほどねー。どうだ?欲しいか?」
「ふん、いいもん。欲しくないもん」

無理をしてそっぽ向いている妹の方は置いておいて、雅恵もめぐみに渡したいも
のがあったので、この機会を利用する。それは、妹のあゆみに

『ねえ、女の子って何貰うと嬉しい?』
『はあ?お姉ちゃん…今までの人生であんまり女の子らしいことしてないから
駄目なんだよ?』
『…わかりました、今度から気をつけます』

と、なんとかリサーチした結果、予算の都合と合わせて選んだ赤いリボンだった

「これ…よかったら…」

と勇気を奮ってプレゼントを渡す

「ありがとう…ずっと大事にします」

と目を細めて喜ぶめぐみ

そして、少し離れた場所から羨ましそうな顔で見つめる、めぐみの妹
めぐみの手にある赤いリボンが風に揺れる中、そんな三人の姿が冬の海岸にあっ


91 名前:メロン編 投稿日:2003年06月16日(月)09時26分45秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

めぐみの喜ぶ顔を見るために、それからも雅恵の奮闘は続いた
ある日、家の物置小屋で夏の日の残りである花火を見つけた雅恵は、それを海岸
へと持ち込む。派手な打ち上げ花火でめぐみの歓心を引こうと考えた
92 名前:メロン編 投稿日:2003年06月23日(月)23時25分25秒

「うん。やるやるー」

飛び上がってそう喜ぶ妹に比べて、めぐみはあまり乗り気ではないようだ

「子供だけで火を扱うのは危ない気が…」

結局、はしゃぐ妹の迫力にめぐみも負けて、季節外れの
小さな花火大会が砂浜で始まる
まずは景気よく打ち上げ花火を選んだが、いままで物置にあったからか
思うように火がつかない
ここでも…

「早くはやく〜」
「あーもう、ちょっと待ってよ」
「出来ないの〜?」
「あーもう!じゃあ交替してよ」
「うん!!」

ここは妹にまかせてめぐみには線香花火を渡した
これはめぐみも気にいったようで、二人はパチパチと小さな火花を放つ
線香花火を向かい合わせになって楽しむ

(このまま、ずっとこうしていたいな)
93 名前:メロン編 投稿日:2003年06月23日(月)23時30分06秒
間近にめぐみを感じながらそんなこと考えていたせいで、雅恵は気づかなかった
ようやく打ち上げ花火に火がついたことを雅恵に報告しようとしためぐみの妹が、
2人の姿を見た途端、淋しそうな表情を浮かべたことに

「・・・・打ち上げ花火・・・・きれいだよ」

いつもの元気な声よりも弱々しく、2人に気づかれないように呟いた

94 名前:メロン編 投稿日:2003年06月23日(月)23時31分40秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、別れの日は唐突にやってきた
その日は珍しく雅恵が先に来ていた

(あれ、いつもだったら2人が早く来ていてもいいはずなのに?)

と、考えていたとき、ふと雅恵の視界が柔らかい手に覆われていた

「あれ、誰?めぐみちゃん?」
「・・・ねえ・・・私のこと・・・・好き?」

あれ・・・・・このセリフ・・・誰が・・・言ったんだっけ・・?

「おとなしい方が好きなんだね・・・・」


「じゃあ・・・キスして・・・」

思い出せない、私は誰に・・・キスをしたんだ・・・

「今日で、会えなくなるから・・・・・・さよならっ!!」

それっきりだ、彼女たちと会ったのは
残っているのはキスしたときの唇の感触と、ほろ苦い思いだけが残っていた・・・
そして、私の初恋はあっという間に、いっぺん過ぎた出来事によって終わった
95 名前:メロン編 投稿日:2003年06月23日(月)23時34分40秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「んぁ?夢か・・・あーそうだよ、あんなちみっこくないもんなー今は」
「もーお姉ちゃん、いー加減に起きないと大学遅刻するよー」

そう、雅恵は今年から大学生・・・なんだが、

「ほらー、また鞄忘れてるー。あ、今度はハンカチ。もう、お願い。
大学生になったんだからもう少し私の世話がいらないように出来ないの!?」

未だに妹のあゆみにご迷惑をかけている始末

「あー、もう。行くよ!」
「あー、はいはい。行きます行きますからー」

玄関を出て空を見上げてみると澄んだ『みずいろ』がどこまでも遠く広がって
いた

また、冬が・・・始まる・・・

96 名前:メロン編 投稿日:2003年06月26日(木)23時46分16秒
毎朝の日課は高校生の妹、あゆみとの登校
大学と高校が近いといろいろと便利である。・・・たとえば夕飯の買い出しとか
両親が共働きの場合、かならずしも娘達に家事が廻ってきてしまう

「しばっちゃーん」
「・・・ちょっと、その名前で呼ぶのやめてくれる?」

向こうの道から色黒の女の子とそれとは対照的の色白の女の子がやってきた

「梨華ちゃん、おはよ。何でその名前で呼ぶの?」
「えーだって、似てるんだもん。テレビのサイボーグ柴田」
「だからってそれでよぶか?」
「いーじゃん、しっくりきてるよ」
「よしこまで・・・」

2人は吉澤 ひとみ・梨華姉妹。梨華はあゆみの同級生で、一番の親友。
で、その横にいる男前な美少女が妹のひとみ
端から見れば恋人同士・・・いや、恋人同士なんだと(妹に聞いた)
これで、朝のメンツが揃う

「それでね、梨華ちゃん今日からね塾に通うんだー」
「あーそうかーセンターもうすぐかー」
「そうだよ、誰かさんと違って推薦じゃないんですからね」

後ろでは、仲良し2人組が今日から通う塾の話をしている
マサオはよしこと他愛のない話をしている
97 名前:メロン編 投稿日:2003年06月26日(木)23時47分22秒
「淋しいですか?雅恵さん」
「うんにゃ、淋しいというよりどっちかてーと
家事分担がほとんどこっちに廻ってくるのが怖いね」

受験生のあゆみには家事はさすがに任せられない
そこで、姉のマサオに来るわけだ
ありがたいことはマサオもあゆみも家事全般出来ると言うことだ。
だからお互いどちらかが欠けても生活は出来る

「じゃあ、お姉ちゃん。メールで買ってきて貰うもの送っておくから、
きちんと買っておいてね」
「了解」

高校の前であゆみたちと別れる
今日からあゆみは塾。だから、夕飯の買い出しもマサオ1人でやらなきゃいけない

(さ、て。マサオも大学に行きますか)
98 名前:Silence 投稿日:2003年06月29日(日)12時35分37秒
更新乙で〜す。(ちょっと軽すぎ?
メロンだぁ〜。柴ちゃん大好き〜。(石ヲタ失格発言?
最近覚えたメロン記念日、楽しみです。がんばってください。
(そして、梨華ちゃん登場に感激←やっぱ石ヲタ(爆

99 名前:メロン編 投稿日:2003年06月30日(月)08時57分45秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

朝の日課は高校生の妹、あゆみとの登校
大学と高校が近いといろいろと便利である。・・・たとえば夕飯の買い出しとか
両親が共働きの場合、かならずしも娘達に家事が廻ってきてしまう

「しばっちゃーん」
「・・・ちょっと、その名前で呼ぶのやめてくれる?」

向こうの道から色黒の女の子とそれとは対照的の色白の女の子がやってきた

「梨華ちゃん、おはよ。何でその名前で呼ぶの?」
「えーだって、似てるんだもん。テレビのサイボーグ柴田」
「だからってそれでよぶか?」
「いーじゃん、しっくりきてるよ」
「よしこまで・・・」

2人は吉澤 ひとみ・梨華姉妹。梨華はあゆみの同級生で、一番の親友。
で、その横にいる男前な美少女が妹のひとみ
端から見れば恋人同士・・・いや、恋人同士なんだと(妹に聞いた)
これで、朝のメンツが揃う
100 名前:メロン編 投稿日:2003年06月30日(月)08時59分12秒
「それでね、梨華ちゃん今日からね塾に通うんだー」
「あーそうかーセンターもうすぐかー」
「そうだよ、誰かさんと違って推薦じゃないんですからね」

後ろでは、仲良し2人組が今日から通う塾の話をしている
マサオはよしこと他愛のない話をしている

「淋しいですか?雅恵さん」
「うんにゃ、淋しいというよりどっちかてーと
家事分担がほとんどこっちに廻ってくるのが怖いね」

受験生のあゆみには家事はさすがに任せられない
そこで、姉のマサオに来るわけだ
ありがたいことはマサオもあゆみも家事全般出来ると言うことだ。
だからお互いどちらかが欠けても生活は出来る

「じゃあ、お姉ちゃん。メールで買ってきて貰うもの送っておくから、
きちんと買っておいてね」
「了解」

高校の前であゆみたちと別れる
今日からあゆみは塾。だから、夕飯の買い出しもマサオ1人でやらなきゃいけない

(さ、て。マサオも大学に行きますか)
101 名前:謎の人 投稿日:2003年06月30日(月)09時07分48秒
はいはい〜
いつの間にやら100突破、微妙にうれしい謎の人です
いや、マジでうれしいっす。こんなに突破したことないんで(ずぼらって言う
んだろうなー世間様では・・・)
レスレス〜

>>98
Silenceさん
どもで〜す←軽く返してみました
うれしいでーす。いしかーさんサブキャラとしてよしこと再登場させてみました
時間軸は大体一緒なんで・・・
大丈夫です・・・今はメロン激推しですが元は石ヲタ・・・(殴
いいんですOK牧場です(w
102 名前:メロン編 投稿日:2003年06月30日(月)19時04分49秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大学も無事に終わり、あゆみに頼まれた買い物を近所の商店街に買い物に向かう

(ま、時間もあるしのんびりと回ってみるか・・・)

「しっかし寒いなー・・・あ、もうすぐバレンタインだ。
あゆみは今年は何くれっかなー」

なんてくだらない期待をしながらお菓子の店を通り過ぎていく。
ある程度買い物を済ませて雑貨屋に向かおうとする

「あの・・・すみません・・・」
「え?」

金髪・・・金色・・・派手な色だなー・・・初対面の相手には悪いけど・・・
でも、何か困ってるみたいだな
すまなさそうにしているその女性。外見はミニのタイトスカート、
スーツ姿でなかったらどっかのヤンキーに間違えられるほどの格好。し

かも金髪ぐるぐる巻き毛。お水でもいいくらいだ

「あ、あの・・・UFA塾・・・ってどこにあるんですか?」
「は・・・?」
103 名前:メロン編 投稿日:2003年06月30日(月)19時05分51秒
UFA塾UFA塾・・・どっかで聞いたような名前だな
雅恵は自分の記憶を手探りしながら考えているとある人物にたどり着いた

『おねえちゃん、今日からUFA塾に通うからね』
『ふーん、そうなんだー』
『もうっ!ちゃんと聞いとかないと後悔するのは自分なんだからっていつも言ってるでしょ!?』
『もーちゃんと聞いてるからー』

・・・そんなことあったな・・・
そんな事言ったら即、百烈張り手、ゆりちょうアッパーが飛んできそうなので隠しておこう

「いいですよ。ここから近いですし、お送りいたしますよ」
「本当ですか!ありがとうございます」

丁寧にお辞儀するとこと場所がきちんとした処を見ると
どこぞのお水ではないらしいことがわかった
人は外見よりも中身とはこのことを言うのである
しかしここから塾までは近いと言っても徒歩で20分はかかる場所。
20分間も黙っているわけにはいかないので簡単に自己紹介をしてみる
104 名前:メロン編 投稿日:2003年06月30日(月)19時08分03秒
「私さ、大谷雅恵って言うんだけど。もし、差し支えなかったら名前・・・
教えてくんない?」
「・・・村田・・・」

え?む・・・ら・・た・・・・・?
村田、誰だ・・・何か、懐かしい響き・・・

「忘れましたか・・・?私のこと・・・」

どこかで聞いたような名前なんだけど・・・
誰だ。一体この金髪女性は誰なんだ・・・?
私はこんな女性ナンパした覚えがないぞ・・・

「ほら、これ・・・覚えていませんか?この赤いリボン・・・」
105 名前:謎の人 投稿日:2003年06月30日(月)19時10分04秒
ひそーりまたーりsageまする。
更新第2弾、とうとうあの人が出てきました・・・さてこの後
どうなるどうする?自分
106 名前:メロン編 投稿日:2003年07月14日(月)23時57分44秒
「リボン・・・?リボンリボン?」
「あと、花火に海で遊んだこととか・・・」

もしかして・・・
ふと、昔遊んだ子のことを思い出す雅恵

「『めぐみちゃん』!!そうでしょ!思い出した!元気だった!?」
「え・・・うん。元気だよ・・・」

一瞬躊躇した『めぐみ』だったが、
また何事もなかったかのように雅恵に話しかける

「でもね、さすがに赤いリボンは髪に付けられないから、
こうしてキーホルダー状にして大切に取って置いたんですよ」
「うわっ!すげー器用。可愛くリサイクルしてあんねー」
「でしょ。大事な宝物ですから・・・」

本当に大事そうに赤いリボンのキーホルダーを見つめながら『めぐみ』は呟いた。
その瞳には悲しみも込められているとも知らずに
そんなことを気にもせず雅恵は話し続ける

「ここであったのも何かの縁だしさ、メルアドと携帯番号教えてよ」
「いいですよ」
「そんでさ、今日みたいに用事のある日じゃなくてさ、別の日に会おうよ」

昔の初恋の人にまた巡り会えたんだ、
心底浮かれない人がこの世界にいるだろうか?
107 名前:メロン編 投稿日:2003年07月15日(火)00時04分07秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「よし、よし。アドゲッツだぜー」
「何?お姉ちゃん、やけに浮かれちゃって」

リビングのソファーでごろごろ転がっている雅恵を不審そうに見つめるあゆみ
そのうえにやけ顔で転がっていれば誰だって怪しい者になる

「えっ?えへへ。実はね、今日懐かしい人にあってさ、最初はだれかなーって
思ったんだけどさ、その人昔マサオがあげたやつ大事に持っていてくれたんだ」
「へーえ、今どき珍しい人だねー。ってか、それほとんど私があげたような気が
するんだけど?」
「・・・あっ、いっけない。お夕飯作らなきゃ(はあと)」
「・・・ちっ、逃げたな」

後ろから舌打ちする妹を後にして急いで夕飯の準備に取りかかった
108 名前:謎の人 投稿日:2003年07月15日(火)00時12分21秒
更新終了、
・・・誰かおいらの代わりにテストうけてくれーーーっっ!!(叫

かなりテンパリ気味
( `_´)<単位やばいもんね
しばらく更新できません
( `_´)<出来るの?
・・・がんばります
109 名前:Silence 投稿日:2003年07月15日(火)11時53分13秒
更新お疲れ様です。
う〜む、いまだにメロンは完全に覚えてないかも(爆
ここ見て必死で覚えます。ってまた作者様大変みたい
です。また〜りがんがってください!!
110 名前:メロン編 投稿日:2003年07月26日(土)23時33分17秒
「でも、誰だっけ?」
「ほぉらぁ〜昔よく遊びに行っていた村田さんちの〜」
「あ〜、いたねー」

空を仰ぎながらその様子を思い出している

「そういえばさ、あたし達の塾に新しい先生が来たんだ。
それがさぁ〜あたし達の教えている先生も村田って言うんだよ」
「え・・・、じゃあ妹さんの方かなー・・・」
「何で?」
「いや、今日さお姉さんの方が塾に用事があったみたいだったから。
そのときに道案内して出会ったから」
「そうなんだ・・・」

あゆみは横でにやけきっていた姉を考えていた
あれ・・・今日入って来た先生は妹が1人って言っていた・・・
じゃあ、お姉ちゃんが会った、もう1人のめぐみさんは・・・もしかして・・・

あたしはそのとき言えなかった、そして気づいてしまった。
あたしにだってある一つの想いがあったから・・・このままでいて欲しい。
そう願ったのだ・・・
111 名前:メロン編 投稿日:2003年07月26日(土)23時35分33秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
またそれから数日たって、2人はしばらくメールのやりとりをしていたが、
雅恵はどうしても『めぐみ』に会いたくなって
『会いたい』
と、その一言を送った
最初、瞳は渋っていたがなんとか二つ返事で瞳とのデートを取り付けたのだ

「よっしゃ!今度の日曜日はデートだぁ〜」
「だから、大きな声で叫ばないでくれる?勉強の邪魔だし、近所迷惑だし、
今何時だと思ってるの?」
「だってぇ〜」
「だってもへちまもない!」

可愛く反論されてもうれしくも何ともないわ!!
ったく、この女は妹が受験生って事覚えているのかしら・・・

でも、これはこれでうれしそうだからよしとしますか

「ねぇねぇ、今度の日曜日何着ていこう?何がいい?美容院行った方がいいのかな?
ねぇ、あゆみぃ〜」
「・・・ええぇーーーーい。さっさとねろーーーーーーっ!!」

前言撤回、この姉は黙らせて方が一番いい方法かもしれない
そんなふうにして夜は更けていった・・・
112 名前:メロン編 投稿日:2003年07月26日(土)23時37分53秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方、瞳の方はというと

悩んでいた

今度の日曜日のことで

頭を抱えながら

「うわーーーっ!!どーしよーーーっ!!!」
「どうしたの?」
「あ、めぐ姉。・・・いや、なんでもないよ」
「・・・そぉう?だったらいいんだけどねぇ」

困った顔を見せながら瞳を見つめるめぐみ
言える訳がない
言ったら困るのは自分だ
だって
昔お姉ちゃんが好きだった人と
本人は知らないとはいえ
日曜日にめぐみになりすましてデートするのだから・・・
113 名前:謎の人 投稿日:2003年07月26日(土)23時49分46秒
更新しますた〜たのすぃな〜
あともう少しでテストが終わるぅ〜
集中講義が残ってる〜

いやだぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!(逃

というわけで
>>109
Silenceさん
いつもありがとうございます(ぺこぺこ
ゆっくり×2覚えていきましょう
おいらもFANになって1年なんで(w
ここまで来るとは思わなかった(w
しかし、毎回大変な時に更新してるよなー・・・自分馬鹿だよなー
114 名前:メロン編 投稿日:2003年09月01日(月)23時04分52秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
デートの翌日、雅恵は『めぐみ』よりも早く待ち合わせの場所に着いてしまった
「・・・うわっ。まだこんな時間だよ。しばらく待ってるしかないんだよな・・・」
待ち合わせの駅の噴水の前、待ちに待っていたデートの時間
夕べあゆみに煙たがられながらも練りに練ったデートコースを頭の中で確認する

(今日は映画行って、オープンカフェで昼食べて、公園で散歩して・・・そ、それから・・・)

半ば邪な考えも混じりながら、『めぐみ』を待つ
ほんの数分しかたってないだろうか、雅恵が来てすぐに瞳が来た

「およっ?『めぐみ』ちゃん早いね〜」
「え、う、うん。なんか、寝付けなくってさ・・・」

『めぐみ』の場合は不安で寝付けなくて

「そうなんだ、マサオと同じだねー」

こっちはただ楽しみで寝付けなくて

「そうだ、今日映画行こうかなーって思ったんだけど、他に行きたいとこ無い?」
「ううん。特に行きたいとこはないよ」
「そっか、じゃ行こ?」
115 名前:メロン編(ひとみside) 投稿日:2003年09月01日(月)23時16分43秒
その後はもう最悪だった
映画を見に行ったのいいものの、あたしの嫌いなホラーを見させられるわ、
お姉ちゃんはそれが好きだからいつも見ていたけどあたしはダメ
そんなのだったらアニメか、ラブロマンスの方がどれだけよかったか

「ねぇ・・・大丈夫?」
「う・・・うん。なんとか・・・」

2時間弱を耐えきった自分を誉めてやりたい
これも愛故のなせる技か・・・

「そういえば、めぐみちゃんて。怖いもの大丈夫だったよね?」
「ほら・・・最近ホラー見てなくてさ・・・心の準備が出来てなかったんだよ」
「そっか、・・・ごめんね・・・・」

しゅん、と項垂れるマサオ。その姿が少し可愛かったから気分が幾分か楽に
思えてきた
116 名前:メロン編(ひとみside) 投稿日:2003年09月01日(月)23時30分57秒
「じゃあさ、気分直しに何か食べに行こ?あたしお腹すいちゃった」

このままじゃ埒が明かないってかこのままテンション下げたままだと楽しいもなにも無い
初めてのデートから出鼻くじかれたらこれから先のこともある

「・・・!じゃあさ行きたい店あるんだ!行こっ!」

・・・単純で良かった・・・

「うん!行きたい行きたい!」

あたしは思わずマサオの手を掴んでいた
それに答えるかのようにマサオも手を握り返してくる
やっぱこれがデートよね!!うん。
117 名前:謎の人 投稿日:2003年09月01日(月)23時35分33秒
更新〜
1ヶ月ぶり〜ネタが尽きている今日この頃いかがお過ごしでしょうか?

おいらはもうダメです。今週から合宿行って来ます

更新またしばらくお休み〜


逝ってきます・・・(爆
118 名前:Silence 投稿日:2003年09月02日(火)14時03分45秒
更新お疲れ様でした〜。
おおうっ。デートだ。デート。←中学生かおまえ(w
メロン覚えましたよ。完璧に。う〜ん、これでメロンも怖く
ないぞ〜。(意味不 次回もお待ちしてますので。合宿がんばって
来てくださいね〜。
119 名前:メロン編 投稿日:2003/09/23(火) 00:24
マサオは早速前から雑誌で下調べをしていたオープンカフェに来ていた

『めぐみ』もこういう感じのところは好きらしく。すごく喜んでいるみたいだ
お昼時のピークを少し過ぎたせいか、お客は疎らにしか座っていない
のんびりするにはもってこいの場所だ

「ホントさっきはごめんね・・・」
「ううん。いいの気にしてないからさ」
「本当に?」
「うん、あっこれなんかいいなぁ・・・」

『めぐみ』が指したのは照り焼きチキンサンド

「・・・・?あれ?『めぐみ』ちゃんってお肉食べれるようになったの?」
「・・・っ!!!あ、あ、あの。う、うん。まぁね・・・」
120 名前:メロン編 投稿日:2003/09/23(火) 00:38

(しっ、しまった〜〜〜〜っ!ついついいつもの癖で頼んじゃった〜〜)

めぐみは肉が嫌いで、一方瞳の方は肉が好き
こんな簡単なミスに気づかずにいた自分の馬鹿さ加減に呆れながら何とか
ごまかせたと安堵感を覚えた瞳

「じゃあ、あたしは何にしようかな・・・」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

料理も無事運ばれてきて、これで後は安心してマサオとの会話が楽しめる
と思っていた瞳
・・・しかし、世の中はそんなに甘くない

「そういえば、あゆみの様子はどう?」
「・・・え?」

あーっ!!すっかり忘れていた・・・私はあゆみちゃんの先生だった・・・

ここまで来るとかなりやばい・・・
このまま、ごまかしきれるか
それとも、正直にすべてを明かすか

「とっても良くきてるよ」

あぁ、自分のうそつき・・・・
121 名前:メロン編 投稿日:2003/09/23(火) 00:55
「そっか〜、良かった良かった。あゆみのやつ。結構上の学校狙ってるんだよね〜」
「うん、きちんと勉強していれば受かるから」

これで、いいのか・・・本当に

「あ、そうそうそれでね・・・」

よかった・・・話を変えてくれた
瞳はほっとしながらもマサオの話をずっと聞きながらご飯を進めていった
122 名前:謎の人 投稿日:2003/09/23(火) 01:01
先々週帰ってきたと思ったら、もう学校・・・(涙
早いなぁ・・・もっと更新遅くなるんだぞー(最悪
>>118 Silenceさん
ただいまなのれす。おめでとうございます、メロンコンプリート!!
これで何も怖くないですよ
怖いのはテス(ry
次回も楽しみにしてもらえるとうれしいっす
123 名前:メロン編 投稿日:2003/11/22(土) 23:05
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていきとうとうデートも終わりに近づいてきた

「あーあ、あっという間に夕方になっちゃったね・・・」
「うん・・・でも、楽しかった」

少しヒヤヒヤしたところもあったけど、それでも1つも怪しんでくれず一緒にいてくれた
そんな優しさを持った雅恵のことに一層強く惹かれていった

「ねぇ・・・もしよかったら、また遊びに連れてくれない?」
「うん!!これからはさ、授業始まる前に少しでもいから話せないかな?」
「え・・・?あぁ、うんいいよ」

力無く答える『めぐみ』にも気がつかず、こうして雅恵は明日からひとみに
出会う口実を作っていった
124 名前:メロン編 投稿日:2003/12/29(月) 02:32
〜〜〜〜〜〜〜

それからしばらくたって何度か雅恵は『めぐみ』と会うようになった
この日も大学の帰り、『めぐみ』を誘って寄り道をしていた

雅恵はこの時間が楽しく感じていた
身近に『めぐみ』という存在がいるというだけでうれしくなる。
それだけ雅恵は『めぐみ』が好きなのだ

雅恵達が商店街をぶらついていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた
125 名前:メロン編 投稿日:2003/12/29(月) 02:36
「お?今日は1人じゃないねぇ。どちらさんかなぁ?」


「あ、あゆみ!今から塾に行くの?」
「うん、今から」
「あゆみ、ほら先生でしょ?」

「え、あ…こんにちは、先生」
「こんにちは、あゆみ…ちゃん」

他人行儀な挨拶に雅恵は

「どうしたの?そんなにかしこまって…」
不思議そうに2人を見つめてくる
「ううん。ちょっといきなりだったからびっくりしただけ。ね、村田先生」
「うんうん。そうよねあゆみちゃん」
笑顔で言う2人

「…それじゃ、先生。一緒に塾行きましょ」
「ああぁ…うん。そうだね、一緒に行こうか」

苦し紛れの嘘に今にでも縋りつきたい瞳はとりあえずあゆみと一緒に塾に向かうことにした
126 名前:メロン編 投稿日:2003/12/29(月) 02:38
「じゃあね、『めぐみ』ちゃん。また話そうね」
「…っ!!うん、また今度ね…」

そして瞳達はなんの問題もなく別れた
雅恵と別れた後はその妹のあゆみと用もない塾に向かって歩いている
突き刺さる沈黙にただ歩いている
その沈黙を破ったのはあゆみだった

「瞳…さん」
「…知っていたんだ…」
「うん、聞いていたの。あなたのお姉ちゃんに」

そっか、やっぱりあたしのお姉ちゃんだな。全部…見透かされているや…
瞳はいままでついていた嘘に申し訳なさを感じていた

「でもね、全部聞いたわけじゃないの。めぐちゃん…あなたのお姉ちゃんに言われてこうして話す機会を得られた。あたし、あなたの今の気持ちが聞きたい」

まっすぐに瞳を見つめる
なまじ美少女に見つめらていてはこっちはたまったもんじゃない
それだけ綺麗なのだ

「あたしは…あたしは、『村田めぐみ』じゃなくて瞳としてあたしの事を知ってもらいたい。それにいつまでも偽って生きていけるほど強くなんかない…」
あゆみは納得したように頷き、安心した表情で瞳に言った
127 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/02(金) 21:28
設定いいねぇー。メロン好きなんで、更新待ってます。
128 名前:謎の人 投稿日:2004/01/08(木) 00:45
127>>
名無し読者さん
ありがとうございます
だんだん元ネタから外れてきている気がしますがそんなのは無視っちゃって
OKで進んで行きたいと思います

返事だけで申し訳
129 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/02/12(木) 21:24
南波杏?
130 名前:メロン編 投稿日:2004/04/09(金) 11:20
「…あたし…ね、めぐちゃんと付き合っているの」

「…へ?」

あのお姉ちゃんが…そんなそぶり微塵も見せなかったのに。なんかやられたって感じ

「あたしもね、お姉ちゃんに話してないよ。だってあたし受験生だし。お姉ちゃんやっぱり気にしちゃうんじゃないかな?それに…」
131 名前:メロン編 投稿日:2004/04/09(金) 11:41
一瞬、綺麗な顔に陰りがよぎる

「めぐちゃんに迷惑かけそうで怖い」

「あたしのせいだね、本当の事を話さなかったから」
「あ〜いいんです。そもそも勘違いをしでかした、お姉ちゃんが悪いんだから」
「だからあたし言うんです。受験が終わったらめぐちゃんとのことを」
132 名前:メロン編 投稿日:2004/04/11(日) 14:10
次に見た彼女の目には決意に満ちていた
(あーお姉ちゃんが好きそうなタイプだ)

一途で真っ直ぐで…
うそに固められたあたしには辛かった
そしてうらやましかった
133 名前:メロン編 投稿日:2004/04/11(日) 17:35
「あゆみちゃんの気持ち、よくわかった」

すうっと軽く息を吸う

「あたしも…まさおに言う。だってこのままじゃ二人が付き合うって話した時悲しい思いをするのはまさおだもん」

これまでのことをなんとなく吐き出したら軽い気持ちになった

「ありがとう、話を聞いてくれて」
「いいえ、こっちも何か悪い事したみたいで」
「ううん、こんな事がなければいつまでも騙し続けなきゃいけなかった。だから気にしないで」

あたしは本当にそう思った。
このままいけば確実に押しつぶされるのをわかっていたから
134 名前:メロン編 投稿日:2004/04/16(金) 11:16
それから瞳は雅恵どうやって話そうか悩んだ
踏ん切りをつけて雅恵に話そうと決意した数日後、瞳は雅恵を呼び出して今までの事を話した

「まさお、…大谷さん」
「何?どうしたの、改まって」

久しぶりに会うのがうれしいのかうきうきしている様子が手に取るようにわかる。しかし、瞳の悲しそうな顔を見た途端不安な表情になった
135 名前:メロン編 投稿日:2004/04/16(金) 11:37
「あたし、今まで騙してた。あたし、本当は…っ!」

「瞳ちゃん」

「…っ!!」

「どうしてって顔してるね、あたしね思い出したんだ子供の頃の事を」

詳しくは近くの喫茶店で飲みながらと雅恵が誘う
瞳はおとなしくその誘いを受け入れる

カランカラン

最近の訪問音じゃなく昔の喫茶店特有の鈴の音が出迎えてくれた

「中澤さーん」
「おー大谷ーいらっしゃーい」
「いつもの席、空いてる?」
「当たり前やん、ここは大抵顔見知りか余程の物好きしか来いへん」

中澤と呼ばれた愛想の良い大阪弁のお姉さんが瞳と雅恵を店の隅のほうに案内する。瞳は周りを見回すとこの店の店員を除けばと瞳と雅恵の二人だけになる

「彼女さんもゆっくりしてってね」
「はい。ありがとうございます」

軽く会釈したあと、瞳はコーヒーを雅恵はダージリンを頼んだ
136 名前:メロン編 投稿日:2004/04/29(木) 23:09
「…どこから話そうか…」

最初に切り出したのは雅恵だった
137 名前:メロン編(雅恵side) 投稿日:2004/04/30(金) 00:30
あたしがすべてを思い出したのは何回目のデートの後だった…
段々と違和感を覚え初めていた

彼女はお肉が食べれたのか?

こんな性格だったのか?

すべての疑問が集まって結論が出たのが

あゆみともう1人の女性を見かけた時だよ
138 名前:メロン編 投稿日:2004/05/20(木) 14:44
なんていうのかな…子供の頃の記憶が全て一致したんだ
あの時お別れに来たのは瞳ちゃんだった

そして、お別れのキスをしたのも…

「…それを知っていてなんで今まで黙っていたの!!
あたしずっと騙していたんだよっ!!」

いくつもの涙が瞳の頬を伝う
今までの思いも一緒に流れていくような気がして
これ以上何が残るだろう…

139 名前:メロン編 投稿日:2004/05/20(木) 15:01
「ねぇ、もう泣かないで。今日は瞳ちゃんを泣かせるために呼んだんじゃないんだから」
「でもっ…でもっ…!!」

子供みたいに泣きじゃくる瞳に
なだめる雅恵
周りから見ればはた迷惑な客だが幸い、今の時間帯には誰もいない

「こら〜まさお〜か弱い女の子泣かすんやない〜」
「うわっ!中澤さん。失礼ですよ、それにあたしだって立派な女の子なんですよ?」
「そんなんしらん、ほい、彼女これでも飲んで落ち着いて」

さっき頼んだ注文が運ばれてくる

「とりあえず、これ飲んだらあたしの話を最後まで聞いてね」

140 名前:メロン編(雅恵回想) 投稿日:2004/06/29(火) 16:37
季節はずれの花火をしてしばらくした後あたしはいつもの海岸にまた遊びに来ていた
そこには時間的にも早いせいか誰もいない
今日は一人遊びをする気分でもなかったからそのまま砂浜に座り込む
夏でないためか座っても熱くないしちょうどいいあつさだ

『雅恵ちゃん』

誰かの声がする
でも、誰の声かはわかる
でも、誰かさんの手がかぶさって視界は暗い闇

『あたしのこと・・・好き?』
『え・・・』

唐突だった
『好きだよ、瞳ちゃん
何でそんなこと聞くの?』
しかし、子供の好きなんてたかが知れている
『・・・』
急に視界が明るくなるとそのまま瞳ちゃんの方に向けられるとそのまま

キスされた
141 名前:メロン編(雅恵回想) 投稿日:2004/06/29(火) 16:49
『これで・・・最後だから・・・ごめん、ごめんね』
じっと瞳ちゃんを見つめてるあたしに今にも泣きだしそうな顔をしてそのまま元いた方向に走りだした
それからあぁあの二人は二度とここには来ないだろうと子供ながらそう・・・思った

時間はただただ何事もなく過ぎ、太陽も海の向こうに消えかけていた
142 名前:メロン編 投稿日:2004/06/29(火) 17:11
「・・・あたしあのあと自分でしたことを後悔してた
大谷さんは・・・」
「前の呼び方でいいよ」
「雅恵ちゃんはめぐちゃんが好きなのに」

少しの沈黙

「そんなことないよ、あのね・・・」

「二人が出会っているところ見たらわかったこともあるよ
・・・あの二人幸せそうだった」
静かに呟く
今度はあたしが泣く番だった
うれしい、悲しい、やるせなさ、罪悪、すべてが混ざっていた

「あたしは今、『めぐみ』という女性を好きになったんじゃない
『ひとみ』という人を好きになっていたんだ
それにあゆみならめぐちゃんと幸せになれるってね」
最後の言葉には妹馬鹿丸出しだなと我ながら思った
でも本気で思ったから

間違っていないよね・・・
143 名前:謎の人 投稿日:2004/06/29(火) 18:07
そろそろ佳境に近づいてきたんであとがきに近い愚痴でも
てかそもそもこれを読み続けている素敵ングな方がいるのでしょうか?(切実

雅恵ちゃんと瞳ちゃんのお話も終わりごろです
いや、長かった×2

( +`_´)ノ<それは自分が悪いんでしょ!!
はい、すみません×2
あと残りわずかですがよろしくお願いいたしますm(__)m
144 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/07(水) 22:52

(=^▽^)ノ連載当初から読んでるのら〜
145 名前:メロン編 投稿日:2004/07/20(火) 14:28
時間はあの日のように何事も無かったように過ぎていった

でも、今起きている出来事は確実に時間に刻まれている

それは終わる事もまた、始まることも簡単に出来る

ただ…

みんながそれをきちんと見つけられるかどうかそれに気がつくのは
ほんの一握り

あたしは…それを見つけたのだろうか…?


―――――――――

「お姉ちゃん、いいかげんに起きてよ」

んぅ?
あぁ、朝か…

あれから、あたしは全てを始めた

ひとみちゃん、今はひとみんか最初はすごく戸惑っていたけど
あたしはひとみんともう一度始めたかった

彼女はまた泣いた、そしてあたしも一緒になって泣いていた

何事かと見に来た中澤さんが違う意味で戸惑っていた
その時の注文は中澤さんのおごりになった

『今度は妹さんたちもつれて又おいでな』

彼女なりの優しさだった
また、みんなで又来いという
146 名前:メロン編 投稿日:2004/07/20(火) 14:45


それから、あゆみは受験という季節に入り慌しいくらいに季節は過ぎていった


結果は無事第一志望合格、春にはあたしの通っている学生になる
もうその時の喜びようは言葉に表せないくらいの状態だった
あたしは留年もせず無事に進級した

そして、あの2人は

めぐみさんは塾の講師として今も生徒たちを教えている
瞳…ひとみんはどこかの会社でOLをしているそうだ

147 名前:謎の人 投稿日:2004/07/20(火) 14:52
合間のスレ返事です
そして勇気を出してあげてみますw

名無飼育さん>いつもありがとうございます
連載当初からですか…うわぁすごいや(自分で感心しないで下さい
こんな稚拙な文章ですが見守ってください
148 名前:blue 投稿日:2004/08/01(日) 04:26
この小説を読んでおっぱいが好きになりました
これからも楽しみにしてます
149 名前:メロン編 投稿日:2004/09/15(水) 00:25
これも問題も対した事件もなく平穏に過ごしている証拠だ

「あゆみ。今日入学式でしょ?」
「だから、もう行くわよ」
そういえば、きちんとスーツを着こなして今にも出掛けれる状態だ

「お姉ちゃんは?今日どうすんの?」
「へ?あー今日は…夕飯いらないや」
「何よ、ひとみんさんとこ行くんだ。ならあたしはめぐちゃんさーそおーっと」

あぁ、そうしておくれ。てか、いいかげんひとみんさんって呼び方やめなさい
どっちかにしなさいどっちかに

「じゃあ、そろそろ行くね。あ、今日は帰ってこなくていいから」

出掛け間際に投げつけられた言葉


…薄情な妹だな。ま、いいか。最初からそのつもりだったし

150 名前:メロン編 投稿日:2004/09/15(水) 01:54
―――――――――――

「…マサっ!」
「ごめんね、少し遅れた?」
「ううん、大丈夫。時間通りだよ」

常に5分前行動の彼女にとっては時間通りは苦にならないだろう
ま、あれかなんだかんだで楽しくやっている
今じゃ、前よりもいい感じなのは言うまでもない




151 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/09/22(水) 14:21
メロン編が
とても楽しみです
りんね待ってます
152 名前:メロン編 投稿日:2004/10/07(木) 14:28
家の中に入り、一息つくと
あたしは彼女に渡さなければいけないものをカバンの中からそっと取り出した

「ひとみん?」

「なによ、改まって」

変なのと笑う彼女にあたしは小さな小箱を渡した

「何・・・これ?」
「プレゼント、渡してなかったなって、それにさあのリボンじゃ
まずいかなって」

ひとみんは小さな箱開けてみるとそこにはみずいろペンダントが入っていた
153 名前:メロン編 投稿日:2004/10/08(金) 12:16
「あ、ありがとう」

真っ赤になって一瞬うつむくが、

「でも!これ高かったでしょ!?どうしたのよ」

あたしは喫茶店の事件の後ひとみんに会えなかった時間をバイトに費やして
運が良かったのは冬休みに突入していたおかげで朝から晩まで働いたら結構な
収入になった

「それで、これ買ったの?無理したんじゃ…」
「いいって、だってこのリボンは元々めぐみさんにあげたやつだから」

2番煎じ見たいなことはしたくない
これがあたしのけじめだから…
154 名前:メロン編 投稿日:2004/10/08(金) 12:22

「それ、着けてあげるよ」
「うん」

ペンダントをつける手が止まる

「…あ、そうだもう一つ忘れてた」
「まだ何かあるの?」


―愛しています

―うわっはずっ…
 でも、うれしいよ






―END―
155 名前:謎の人 投稿日:2004/10/08(金) 12:26
無事に完結したので、ageー

何だかんだで1年経っちゃった…(死
途中で行き詰まるのは良くないです

神が降りてこないんだもん

とにかく、1年間見守ってくださった皆さん
ありがとうございました

また次回お会いしましょう

>名無し飼育さん
ありがとうございました
また、今度は娘に戻すつもりです
つぎはまた、別の人間が…
156 名前:3年の始まり 投稿日:2004/11/15(月) 14:14


桜の季節、あたしは・・・

公園に佇む一人の少女の姿を忘れることはなかった


157 名前:季節は巡り 投稿日:2004/11/25(木) 14:13
「何?どうしたの?いつもにも増して口が開いているよ?」
「う、うるっさいなぁーいいじゃん」

3年生の教室

あたし達は高校受験の真っ只中にいた
公立の学校は3月にテストだからそれまでは気を抜けない

誰が決めたんだよ…こんな受験なんて…

今、一緒にしゃべっているのは同じクラスの新垣理沙やっぱりお互い受験生の身
今が一番シビアっちゃあシビアなんだよなぁ

「でもさぁ、こんな時期でももう決まった子いるんだよねー」
「いるんだねーそういう子」
「やっぱりさぁ、上位の子のは推薦校も決めやすいんだよ」
「誰よ?」
「・・・なんでそんなに情報に疎いのかなぁ」

ぽつりと呟く彼女
そんなこと言われても、気にならないんだからしょうがないじゃない

あたしはそんなに周りを気にしていなかった
気にする理由なんてなかった

あたしはあたし、他人は他人で生きてきたんだから
だからこの受験戦争だって乗り気じゃない



「あ、ほら、廊下の向こうにいる子だよ」



この時に他人と言うものに触れた
158 名前:季節は巡り 投稿日:2004/12/03(金) 12:06

「あの子・・・誰?」
「あれ?、珍しいね、他人に興味を持つなんて」
「うるさいよぉ、さっさと教えて」


あの子はねぇ・・・紺野あさ美ちゃんだよ
隣のクラスで学年トップだからね、もう高校決まったんだって
しかも、有名校だよ

「ふーん」
「だから、口をあけっぱにしないで」

癖なんだよ、我慢して

あの子だ、桜の木であった子だよ
結構有名だったんだなぁ

うん、賢そうな顔しているね

「でもさぁ、友達いないんだよね」
「ん?」
「まこっちゃんでもさ、他人に興味なさそうにしているけど友達多いほうだし、
 でも、紺野さんてなんか雰囲気違うんだよね?」
「そう?」
「そうだよ」
159 名前:季節は巡り 投稿日:2004/12/03(金) 12:10

そこまで興味なしに見えたのかなぁ…
だってそんなに自分のこと考えないから


キーンコーン

「あ、授業始まる。じゃあまこっちゃん後でね」
「うん…」

元の席に戻って行く彼女
行っちゃった…あー今からの時間何しようかなぁ
寝るか
うん

そうしよう



「こらーーーーーっ!!小川ーーーーーっ!!寝るなぁーーーーーーっ!!」
言う間でもなく飯田先生の雷が落ちたのはすぐその後だった
160 名前:謎の人 投稿日:2004/12/03(金) 12:18
今回か始まりましたおがこん編

全てがスムーズに進めばバンバンザイなんですよ
乙女の微妙さ加減こんな時期なのに…(意味不明


おいらなりのペースで動きます。はい
161 名前:今度は教室の片隅で 投稿日:2004/12/14(火) 15:51

「っくそー、よりにもよって居残り補習しなくったっていいじゃん。飯田先生のばかぁ〜」

先生に恨み言を言いながら問題を解いていく、
難しいでないだけ幸せと言えるだろう。あたしは順調に進めていった

「しかし…この量はきついなぁ、
しかもこのご時世一人で夜遅く帰ると危ないんだぞぉ〜…くそぉ…」

「理沙ちゃんもあっさりと帰っちゃったし。とっととやって、さっさと帰ろう」


これを先生に出して終了
今日の学校はおしまい

「…あれ?」

今何が見えた?
今度は何だ?幻か?
あぁ夢か…って違う違う

紺野さん?

「何でこんな時間にいるの?」


2度目の再開は人気のない教室だった
162 名前:今度は教室の片隅で 投稿日:2004/12/17(金) 17:03

「………」

何も言わなかった、ただ教室の入り口から彼女を見ていた

「待って、小川さん…」
「うぇ?」

声をかけたのは彼女、かけられたのはあたし
何が起きたのかあたしの頭では理解するのに数秒かかった

「また、会えたね」
「う…うん…」

「紺野さん、だよね」
「うん」
「何で、あたしの名前知ってるの?」
「結構有名だよ、いつも口開けているって」

「・・・」
何でだろう否定出来ない・・・

「あ、じょ、冗談だよ」
「あのね、周りの子達が言っていたの、それで・・・」

あ・・・そうか、そうだよね
そんなに口を開けっ放しだったのかと過去の記憶を漁りつつ
紺野さんのことを聞いてみようと思った
163 名前:今度は教室の片隅で 投稿日:2004/12/20(月) 14:21
「紺野さんはいままで何をしていたの?」
今度は彼女が言葉を詰らせる番

「あたしは…本を読んでた」
あ…そうか、彼女はもう受験は終わったんだ
何をしてもいいんだ
「そっか…」
何を話していいのかわからない
頭が混乱している、だって春に出会った少女が今、目の前にいる
「ねぇ、またお話してくれる?」
「うぇ!?う、うん」
お話ですか?もうなんでもよいですよぉ〜
…普通に暴走しているよあたし…


夕暮れ時の教室で、こうして二人はもう一度出会いをしました
164 名前:謎の人 投稿日:2004/12/20(月) 14:33
訂正
>>99-100
今更ですが2重投稿しました…本当に今更だよ
だめだ…もうダメだ

本当に失礼しましたm(__)m
165 名前:謎の人 投稿日:2005/04/04(月) 12:27
保全という名の言い訳

更新遅れてます・・・もう春です
ごめんなさい

あともう少ししたら、更新を少しずつ再開します

もうしばらくお待ちください
166 名前:謎の人 投稿日:2005/05/18(水) 14:52


ネタがまとまらないので

ちょっと、いしよし短編卒業後話

167 名前:ひざまくら 投稿日:2005/05/18(水) 14:53

重い…

「あのーひとみさん?重いんですけど」
「気にしない気にしない」

あの感動の卒業からはや数日

みんなで流した、あの涙も、感動的なあの言葉も

うれしかった…

うれしかったのに…

ねぇ、我が家に居座ってる動物さん?


「2時間ぐらい人のひざに寝てません?」
「んー?だってきもちいーし」
「痺れてきたんだけど」
「えー」

ごろごろしないで
お願いだから

痺れの初期段階は痛くない、しかしそれからあとが大変
あまりの痺れの痛さに声さえ出なくなるのだ歩行も不可能に近くなる
そんなところでごろごろされてはひとたまりもない

「…」
「どしたの?」

もう…限界…

「くぅぅ…」
「え?え?」

寝ていたひとみちゃんを床に投げ捨て

痺れがなくなるまで、うずくまって、涙して、待った

「あ、あの。ごめんねっ」

ごめんですむなら警察いらない

「今日のご飯、何がいい?」

それも今は考えたくない…

「これから毎日膝枕してなんて言わないから」

当たり前だよ、そんな事言っていたら身が持たない

あぁ、胸の痺れよりも足の痺れ…

誰でもいいから助け…て


あたしの心の独り言はひとみちゃんには聞こえなかった
168 名前:謎の人 投稿日:2005/06/11(土) 14:14
やっぱりネタがまとまらないのでしばらく番外編という形を取ろうかと思います

稚拙な文ですがまたしばらくお付き合いください
169 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/06/11(土) 14:44
受験って恋愛よりも勉強しろってよく言われる受験生。
その勢いに促されるようにあたしたちは勉強に打ち込む、真面目にやっていい大学に行きたいと思っている子もいれば特に何もせず遊んだりする子もいた
塾って前者のためにあるものだと思う。あたしはそう思った
でも、あたしの理由は後者だ

あたしは村田先生に会いに来ているもんだから
170 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/06/11(土) 14:56
「あゆみさん、あゆみさん?」
「はぇ?」
「ちゃんと聞いてますか?だめですよ、ぼーっとしてちゃ」
「す、すみません」

教室から軽い失笑が漏れる
「わからないことがあったら、また後で聞きますから」
「…はい」

怒られた
ちゃんと勉強してますよ。だって順位落としたら先生が困ること知っているから
あたしが勉強する理由、そばにいたいだけ
171 名前:謎の人 投稿日:2005/06/13(月) 02:24
なんか適当な題名をつけたようなつけてないような
ここら辺で適当人間の素性が晒されている気がしますが、
長い目で続きをどうぞ!!

川o・∀・)<早くあたしたちの書けよ

はい…
172 名前:私の恋愛単純曖昧2 投稿日:2005/06/13(月) 02:38
たかが理由されど理由ですよ?
実はそれだけの理由でここに来るなんて思ってもみなかったから

あたしって結構恋愛にクールかなって思っていたのに、
塾の窓から見えた先生に一目ぼれして、そして告った
答えは簡単にでも難しい返事が返ってきた

「いいですよ。でもにぇあなたは受験生、あたしは先生、そこは…
わかるよねぇ?」

彼女の言葉は牽制をかけてきた。付き合うのは構わない
しかし真面目にやらなければ即別れる…
そうあたしは捉えていた
173 名前:私の恋愛単純曖昧2 投稿日:2005/06/13(月) 03:00
それからあたしは必死に勉強した。
そしたら順位が上がってきて両親はすごくよろこんでいたし、
学校の先生も一流大学への進学も進めてきた、自分で言うのも
何だが多分学年上位には食いついていると思う
でも、上位に食らいついたっていい大学行ったって


貴女がいなきゃ意味なんて存在しないんだから


「これなら、他大学のいい大学に行けるのにぇー」
「嫌」

講義が終わったあとの教室、結構夜遅くだから生徒なんてもういない
いるのは先生とあたしだけ


「めぐちゃんの為だもん。第一あたしマサオ君と同じ大学でいーし」
「雅恵ちゃんねぇ…」

遠い目をしているめぐちゃん
そうあたしたちは本当は最近出会った訳じゃない
出会ってから10年くらいは経っているが初めてじゃ…ない
174 名前:謎の人 投稿日:2005/06/16(木) 11:41
…またやらかしてしまいました…
カキコの見落とし…(汗

大事な読者様を見落としてしまいました_| ̄|〇

Blue様本当に申し訳ありませんでした!!
もしこれを見ましたら、呆れずにまたよろしくお願いしますm(__)m

やっぱりどっか抜けてるなぁおいら…(凹
175 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/06/22(水) 12:27
直接あったのはマサオ君なんだけど、何度かその口から名前は出てきていた

「今日はねめぐちゃんに会ってね…」
「ねえ、女の子って何貰うと嬉しい?」
「あのねー」

そんなにめぐちゃんめぐちゃん言われても、
その『めぐちゃん』というのはどんな奴なんだろうと思って
そんな子供の興味本位から必要以上に気にするようになって

だから、その子がどんな子か見たかった



176 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/06/22(水) 13:16

それから数日後
あたしは早くも『めぐちゃん』に会える機会を持った
会えるっていってもこっそりマサオ君の後をつけて、その『めぐちゃん』を
見ることだけ

「ありがとう…ずっと大事にします」

リボンを受け取り、お礼を言う彼女
その様子をあたしは物陰から身を潜めて様子を伺う
きっと、あれが『めぐちゃん』なんだ

細くて柔らかい感じ
丁寧な口調でおっとりした、お嬢様

あたしの印象がそれだった

その姿を確認すると、
ずっといてもバレるだけだったから早めに退散した




177 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/06/22(水) 14:06
今日は収穫があった
『めぐちゃん』が誰なのか、それがわかっただけでもよしって
思った
だってさ、あのころってなんにでも興味を持つじゃない?
それだけだった
それだけで終わりだった


しばらくたった
マサオ君の様子がおかしい、ひどく落ち込んで帰ってきた
理由は聞けなかった
落ち込んでいる人に聞けるほど野暮な子供じゃないから

それからこの先ずっと
『めぐちゃん』という言葉を口にしなくなった

これがめぐちゃんとの最初の思い出
178 名前:謎の人 投稿日:2005/06/22(水) 14:09
更新しました

メロン編とリンクしてる部分があるんで
ちょっと四苦八苦してる部分がありますね

あぁ、きちんと更新できるってすばらしい

川o・-・)<だから雨降らないんじゃないの?

ぐはぁ(吐血
179 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/07/06(水) 13:47
あれから数年たってあたしは知らずにめぐちゃんに告った
お互い初対面、でもあたしがマサオくんの妹だと知らなかった
あたしも名前を聞くまで忘れていた

まったく運命ていうのは気まぐれで困る

「今日はこれぐらいにしてもう帰ろうか、送るよ」
「ありがとう」
「明かり消すから」

ぱちんぱちんと
一つずつ教室の照明が消されていく
あっという間に教室全体が暗闇が広がった

あわてて教室を出て外に出る
しばらくして後からめぐちゃんがやってきた

「お待たせ、行こ」
「うん」
「そういえばですねぇ…瞳が雅恵ちゃんに会ったそうなんですよ」
180 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/07/06(水) 13:52

「え…」

あ、そうかそうなんだ、瞳さんたぶん、もう一人の小さい…
まぁあたしよりも年上のはずだけど
なんせ子供の頃の記憶だから曖昧

「あの子…何か隠しているのよね」

はぁ…って溜め息をつく

「また変な意地張らないといいんだけど」

その悩みはそれからしばらくして現実になるなんて
思いもよらなかった…
181 名前:私の恋愛単純曖昧 投稿日:2005/07/06(水) 13:57
めぐちゃんに送ってもらった後、家に帰ると
めぐちゃんの予想が当たった

「ほぉらぁ〜昔よく遊びに行っていた村田さんちの〜」
「あ〜、いたねー」

適当に相槌を打った

「そういえばさ、あたし達の塾に新しい先生が来たんだ。
それがさぁ〜あたし達の教えている先生も村田って言うんだよ」
「え・・・、じゃあ妹さんの方かなー・・・」
「何で?」
「いや、今日さお姉さんの方が塾に用事があったみたいだったから。
そのときに道案内して出会ったから」
「そうなんだ・・・」

あぁ、おかしいよ違うんだ違うんだ

あたしたちの教えている先生はムラタメグミなんだよ?
182 名前:私の恋愛単純曖昧3 投稿日:2005/07/06(水) 14:03
「そうなんだ…」

めぐちゃんの予想は大当たり彼女は成りすましたんだ
『めぐちゃん』に

きっととっさの嘘だったんだろうけど、結果はマサオ君の一人喜び
どうしようどうしよう…
あたしは黙っていた…
マサオ君の為じゃない、自分の為。真実を知られるのが怖いんだ、
あたしとめぐちゃんの関係を壊してほしくないから

今なら間に合うって良心は叫んでいるけど
今のあたしには…それができなかった…
183 名前:謎の人 投稿日:2005/07/06(水) 14:06
途中から何話目か入れるのを忘れた謎の人です

最近レポが終わってやっと書けました(バンザーイ

段々しばこさんが暗いキャラになっているなんて気のせいです…

うわぁ、ごめんなさい…土下座
184 名前:私の恋愛単純曖昧4 投稿日:2005/08/02(火) 20:00

次の塾の日
いつものように残ったあたしたちは、その後の近況を話した。

「やっぱりねぇー、やると思ったわ」
ふうってため息

「わざと?」
「違うよ、あの子の場合はとっさの嘘だと思う」

上手に嘘が吐ける子じゃないしねってニコニコしながら答える

「ま、手遅れになる前に何とかしないとねぇ…
 あーそうそう、今度の日曜日はお暇ですか?」
「ん?それはまぁ、空いてるけど…?」
「では、何処かに出かけましょう」
「でも、あたし受験…」
「大丈夫です、成績落ちたらその分みっちり勉強です」

あたしが落とすのは駄目で自分はいいんかい
心の中で思わず突っ込み入れちゃったよ

185 名前:私の恋愛単純曖昧4 投稿日:2005/08/02(火) 21:52
「うん、わかった」

今週の日曜日はデート
それでいい、楽しめばいいんだよ
めぐちゃんとのデートを

あたしが家に帰ってくると浮かれモードのマサオ君が

「よっしゃー!今度の日曜日でデートだぁ〜〜」

…うるさい

「大きな声で叫ばないでくれる?近居迷惑だし」
「だってぇー」

きしょい
ったくあたしが受験生だってこと忘れてるんじゃない?

…あれ
今度の日曜日…?
あたしたちもデート…だよね

考えるのはよそう、偶然だよ、こんなこと

それにさ、あんなによろこんでいるんだもん
茶々なんていれられないよ

186 名前:謎の人 投稿日:2005/08/02(火) 22:39
ちまちま話を進めています
謎の人です

考えは進まず、おがこん編が滞っております

最後の話はまとまっているんすよー
その途中が…そんなことないんでしょうか?

ま、秋までに終わらせられるといいなぁ…
187 名前:私の恋愛単純曖昧5 投稿日:2005/08/13(土) 21:54
うれしそうだね、お姉ちゃん
あたしの横でまだ喜んでる

「ねぇねぇ、美容院行こうかな?何着てこう?
 ね、あゆみ〜〜」
「・・・ええぇーーーーい。さっさとねろーーーーーーっ!!」

…前言撤回しようかしら
本当はあたしも浮かれたい、浮かれたいんだけど…

受験生だし、浮かれている暇がないと思われているから
むしろ心配される
だから、あたしは喜ばない
めぐちゃんに会うときにその思いを発散すればいいんだから
そう自分に言い聞かせながら部屋に戻ることにした
188 名前:私の恋愛単純曖昧5 投稿日:2005/08/13(土) 21:54
そして、あっという間に日曜日
今日は待ちに待っためぐちゃんとのデートの日
今日は一段と冷えるから暖かい格好をしてめぐちゃんを待つ
待ち合わせは駅近くの公園にした
お姉ちゃんたちは駅前で待ち合わせって言っていたからそこから離れた場所を選んだ
それに、マサオ君が何処に行こうとか相談してきたから、今日は何処に行くのかわかっている
だからそれを避けて出かければいい

「今日は何処に行こうかね」
「まずはね、洋服見に行って、雑貨用品かって」
「あーあと参考書もね」
「ちょっ…やだよ〜それは今日やめて…」
「大丈夫です、今日はしません」

洒落になってないし

「まぁ、焦らずにゆっくり行きましょう」
「うん」

まだ日曜日は始まったばかり
189 名前:私の恋愛単純曖昧5 投稿日:2005/08/13(土) 22:01
それから、あたしたちはいろんなお店に行って、ウィンドウショッピングをしたり、欲しかった服もあったから買った
楽しかった
そんで、前から考えていてめぐちゃんと一緒に買おうと思って
お目当てのお店に行こうとしたのに…

「それでね、め…あれ?」

一緒だっためぐちゃんがいない、一瞬はぐれてしまったのかなって
でもそれだけじゃない何かがおかしいおかしいだけだろうか?
沢山の人が歩いているのに喧騒が聞こえない
何も聞こえないから耳の奥がキーンって痛い…
頭がおかしくなりそう
そんな頭を抱えた目に映ったのは紛れもなく

梨華ちゃんだった
190 名前:謎の人 投稿日:2005/08/13(土) 22:14
これも話が長くなりそうだなぁ…

夏休みなんでちょっぴり怖い話チックに
川σ_σ|| <しなくていいよ
|▽^)
Σ川;σ_σ||

何か日本語…おかしいですから…涙
191 名前:私の恋愛単純曖昧6 投稿日:2005/08/26(金) 22:04
季節外れのノースリーブの白のワンピースを着た
梨華ちゃんを見つけると、
最初から気が付いていたかのようにあたしに向かって歩いてきた

「あ、梨華ちゃ…」

あたしは梨華ちゃんが梨華ちゃんじゃない気がした

「誰?」

「たとえ同じ物が入れ替わっても必ず違いはある

誰かの代わりになってもそれは知らないわけじゃない

気付くのが時間差があるだけ

自分がそれを感じたときどうなるんだろうね

そしてこの時間も1つの流れに繋がっている

…どうやって繕おうかな…」

声も形もそのまま、でも違う
あたしの気持ちを代弁しているかのようで
それだけを告げると彼女は後ろを向き
何事もなかったかのように歩いていった
しかし、梨華ちゃんかもしれない
最後の言葉の意味だけはわからなかった
192 名前:私の恋愛単純曖昧6 投稿日:2005/08/26(金) 22:05

「…あゆみ、あゆみ?大丈夫?」
「え?」

気がつけばすべてが元に戻っていた。
街の喧騒にも、音が戻っていた
元の世界に戻ってきたと言ってもいい

「ずっとぼっーとしてどうかした?」
「今!!梨華ちゃんがいて、でも、梨華ちゃんじゃなくて!
めぐちゃんもいなくなって」
「落ち着いて。
あたしもここにいたし、梨華ちゃんて言う人も見てないよ」

疲れている?って心配された
まぁ、当の本人ですら疲れているんじゃないかな?
って思うのに
…こういうのなんていうのかな…
パラレルワールド?並行世界?
いろんなことを考えていたら、
もう帰るって言い始めてそれは嫌だから

何でもないって告げるとこれ以上は買い物は出来ないかもしれないから、
前にマサオくんに連れて行ってもらった喫茶店に行くことにした
193 名前:謎の人 投稿日:2005/08/26(金) 22:09
段々不思議話になってきました

そもそも、この手の話にはなっていく予定だったのですが
どうも…この二人はイレギュラーだったんですよね…

まぁ、くっつけくっつけがんばります…(フゥ
194 名前:私の恋愛単純曖昧7 投稿日:2005/09/13(火) 23:14
「こんにちはー」
「へーい。おぅ、いらっしゃーい」

喫茶店らしからぬ挨拶で迎えてくれたのが
『上海の風』のマスター中澤さんだ

「おう、柴田やん」
「その柴田…じゃないんですけど」
「ええやん、柴田で」

みんなして柴田って…
このドラマを作った人たちに恨みすら覚えるよ
あたしも『サイボーグ柴田』好きなんだけど…

「む…コーヒー2つ」
「はいよ。2つね」

そそくさとカウンターに入っていく中澤さん
そして店内に誰もいなくなる
そういえば今日って日曜日なのにお客さんがいないけど、
平気なの…?
195 名前:私の恋愛単純曖昧7 投稿日:2005/09/13(火) 23:17
「今日はごめんね、疲れさせたみたいだね」

中澤さんとこの経営状況なんて気にしてる場合じゃなかった

「大丈夫だって、あたしの方こそ心配させてごめんね」

中澤さんが持ってきたコーヒーを飲みながら

ふと思った

今頃二人もこういうことしてるのかなって
まさお君は何も知らないまま、
何も気づかないまま妹さんと過ごしているのかな?

あたしは梨華ちゃんだったモノの言葉を思い出した
そして、ふと浮かび上がった疑問をめぐちゃんにぶつけた

「あたしね、気になることがあるの」

「言ってごらん」
「今日ね、まさお君と妹さん。出かけているの」
「………」

めぐちゃんは何も言わずに黙り続けている

「推測で申し訳ないけどもしかして、
 前もって知っていてわざと二人に会おうとしなかった?
 いい機会だからって」

やっぱり黙っていた
196 名前:私の恋愛単純曖昧7 投稿日:2005/09/13(火) 23:21
「うーん、半分当たりで半分はずれ」

少し困りながらあたしに話した

「確かに今日のことを知っていたのは本当、
 でも会える確率なんて微々たる物しかないから…
 これははずれになるかな?」

そして悟ったように続けて話す

「でもね、あたしだってね、
 いつまでもこのままじゃいけないことはわかっているつもりよ。
 だからかな…あたしたちがそれを本人たちに話すのは間違っていると思うの
 やっぱり、自分たちで気づかなきゃだめなんだよ」

あの時あたしは梨華ちゃんに言われたことを思い出す

自分たちが気づいても、
例え時間がかかったとしても向こうが気づかなきゃいけないって

めぐちゃんも知っている

やっぱりめぐちゃんも悩んでいたんだね…
197 名前:私の恋愛単純曖昧7 投稿日:2005/10/03(月) 01:42

「それにあたしだってたまにはあゆみに息抜きぐらいさせますよ?」

鬼じゃないんだからって胸を張って見せる姿に少しおかしかった
そして落ち着いたところであたしはめぐちゃんに切り出す

「あたしさ妹さんに会ってみる」
「そう…お願い…っていうのかな…こういう場合
 それにきっとあたしじゃ近すぎてあの子の心にまで踏み込めないから…」

最後の方は小さく願いを込めて

何故あたしはこんなことを言ったのか
きっと、お節介な心がしゃしゃり出てきたんだなって
そう思うようにした

あたしは無意識のうちにめぐちゃんの頭を撫でていた

「あら、逆の立場になったわねー」
「大丈夫、今日だけだから」

なんだーって残念そうに
だってさ、そんなに毎日やっていたらありがたみが薄れていくじゃん、ね?
ほんの少しのデート気分を味わって
お店を出た後、あたしたちは手をつないで帰っていった
198 名前:謎の人 投稿日:2005/10/03(月) 01:45
もう何か最近
sageでもいいかなーって思い始めた謎の人です(ニガワラ

ようやくデートが終わりました…

もうここら辺からは本編に繋がっていくところなんで時間軸
ずれないようにがんがります(汗

199 名前:私の恋愛単純曖昧8 投稿日:2005/10/17(月) 15:26

「ただいま〜」
「おかえり」
「楽しかった?」
「うん!あゆみは今までどこに行ってたの?」
「あーうん、友達とね。たまの息抜き」

小さな嘘
間違っても半分は息抜きなんだからいいんだけど

「そうか〜ららる〜♪」

浮かれているなぁ…そんなに楽しかったのかな…
浮かれているマサオ君を横目にあたしは今日の出来事を思い出してみた

楽しかったこと、うれしかったこと

そして…不思議なこと…


たくさんあった

こんな1日があったからこそ
明日から起こる出来事に耐えられることができるだろうか?

そこで耐えることができたら
きっとあたしたちは変わっていく事ができる

それを信じようとあたしは誓った


明日からまた学校と塾との生活が始まる
200 名前:私の恋愛単純曖昧8 投稿日:2005/11/02(水) 14:41
次の日の朝学校に着くとさっそく梨華ちゃんに昨日のことを聞いてみた

「え?昨日?昨日ならひとみちゃんと一緒にDVD見てたけど」
「外には1度も?」
「うん、だって夕飯も家で食べたし…どうしたの?」

梨華ちゃんは昨日は1度も外には出てない…
やっぱりあれは誰だったんだろう

「あー昨日さ街で梨華ちゃんぽい人を見かけてさー
 思わず声をかけようとおもったんだよねー。あーぶなかったー」

ほんとだよって笑いながらその話は終わったけど、
昨日の梨華ちゃんは別人だったのかなって考えてしまう

ま、今更考えても仕方ないのにね

「そういえばさ、今日も塾?」
「そうだけど?」

何でって首をかしげてしまったあたし

「もうすぐバレンタインだよ?今年はどうするの?」
「どうって…」

すっかり忘れてた、2月14日
世間様はバレンタイン
去年同様マサオ君にはあげるとして
今年はめぐちゃんにあげたいな…

「うーん…今日は無理だから明日でいいかな?」
「うん、いいよ」

明日の放課後に行くという約束を取り付けると、
梨華ちゃんはよっすぃ〜と一緒に帰っていった
201 名前:私の恋愛単純曖昧8 投稿日:2005/11/02(水) 14:48
すっかり忘れていた2月14日を改めてインプットしなおして
学校を出る

ここしばらくいろいろあったからな…

チョコは何を作ろうとわくわくしながら帰る
めぐちゃんにでも聞いてみようかどうしようか…
それで今日は終わる筈だった

はずだったのに…


待ち望んでいた瞬間がこんなに早く訪れるなんて
思ってもみなかった
202 名前:謎の人 投稿日:2005/11/02(水) 14:54
>>200

ま、今更考えても仕方ないのにね〜の後に
『今まで悩んでいたことを考えない事にして授業を進めていった

を追加

鬱…

申し訳ない
203 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 04:16
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
204 名前:私の恋愛単純曖昧8 投稿日:2006/01/02(月) 21:59
もうその時は着々と近づいていた
それは自ら望んだ道

(瞳さんだ…)

「お?今日は1人じゃないねぇ。どちらさんかなぁ?」

「あ、あゆみ!今から塾に行くの?」
「うん、今から」
「あゆみ、ほら先生でしょ?」

しまった!瞳さんをずっと見てたから反応に遅れた

「え、あ…こんにちは、先生」

…なんか先生って感じじゃない、年上なのにかわいい印象を受けた
小さいときもこんな感じだったような

「こんにちは、あゆみ…ちゃん」

「どうしたの?そんなにかしこまって…」

まずい話を変えなきゃ…!

「ううん。ちょっといきなりだったからびっくりしただけ。ね、村田先生」
「うんうん。そうよねあゆみちゃん」

急いで作り笑顔、あ、少し引きつった。とにかく早く二人きりにならないと

「それじゃ、先生早く行きましょ」
「あーうん、そうだね」
「じゃあね、『めぐみ』ちゃん。また話そうね」
「…っ!!うん、また今度ね…」

マサオくんの言葉が胸に刺さってくる
見ると、本当に苦しそうな顔をした瞳さん

返した言葉に悲しみがこぼれている
そんな気がした

これが騙し続けた代償…
205 名前:私の恋愛単純曖昧8 投稿日:2006/01/02(月) 22:01

「瞳さん…」
「…知っていたんだ…」
「うん、聞いてたの。あなたのお姉ちゃんに」

この言葉を聞いた時、彼女の目は大きく見開いて驚いていた

「お姉ちゃんは何でもお見通しだよね」

そうですねって変なところで笑いあったりなんかして
変な感じ

「…これからどうするんですか?」

今からではなく、これから先の未来の話、
あなたとまさおくんは何処に行くのかという意味で

「…あたし…ね、めぐちゃんと付き合っているの」

「…へ?」

立て続けにあっけにとられた瞳さん
あのめぐちゃんだもんね、こういうことを簡単にやり過ごせそう

「あたしもね、お姉ちゃんに話してないよ。
 だってあたし受験生だし。
 お姉ちゃんやっぱり気にしちゃうんじゃないかな?それに…」

これがあたしの一番恐れていたこと

「めぐちゃんに迷惑かけそうで怖い」

「あたしのせいだね、本当の事を話さなかったから」

今にも泣き出しそうな彼女

「あ〜いいんです。そもそも勘違いをしでかした、
 お姉ちゃんが悪いんだから」

あっけらかんと返すあたし

「だからあたし言うんです。受験が終わったらめぐちゃんとのことを」

騙し騙されの日々はもう嫌。だからすべて終わらせて話す
これがあたしの結論
206 名前:私の恋愛単純曖昧8 投稿日:2006/01/02(月) 22:03
「あゆみちゃんの気持ち、よくわかったあたしも…まさおに言う。
 だってこのままじゃ二人が付き合うって話した時
 悲しい思いをするのはまさおだもん」

「ありがとう、話を聞いてくれて」

「いいえ、こっちも何か悪い事したみたいで」

「ううん、こんな事がなければいつまでも騙し続けなきゃいけなかった。
 だから気にしないで」

きっと瞳さんも同じことを思っていたに違いない、
そしてお互いの心も軽くなっているのがなんとなくわかった
207 名前:私の恋愛単純曖昧9 投稿日:2006/01/09(月) 04:14

−−−−−−−−−−−

「ただいまー」
「…お帰り」

塾が終わるのが、9時過ぎになるからさすがにマサオくんも帰ってきている
リビングから聞こえてきてからそこにいるのはわかった

「ごはん暖めようか?」
「うん、お願い」

そのまま靴を脱ぎ捨て2階に行き制服から家着になって戻ってくる頃には
テーブルに暖められたおかずとよそられたごはんが置いてあった

「ありがと」
「うん…」

何かやけに静かね…

黙々とごはんを食べているあたしをいつもだったら話しかけてくれるのに
今日は変なマサオくん
ずっとリビングのソファーで黙ったまま座っている

「あゆみ…」
「…何?」




「あの子は…誰?」



208 名前:私の恋愛単純曖昧9 投稿日:2006/01/09(月) 04:15
「『めぐみ』ちゃんでしょ、マサオくんのよく知って…」
「嘘だっっ!!!!!」

食べていた箸が止まる

「『めぐみ』…ちゃんなの?本当に?」
「………」
「違うでしょ?」
「何を根拠に…」

あたしはマサオくんの顔を見れなかった…

「…あたしね…デートしたときに1回…あゆみのこと聞いたの
その時、上の大学狙ってるって。何か変だなって思って、それで聞いてみた」

返す言葉が無い自分

「『きちんと勉強してれば受かるから』って。でもあゆみ、言ったよね」


アタシと同じ大学行くって


「おかしいよね?同じ大学行くのに上の大学行くって、
 仮にも塾の先生が生徒の進路を知らないはずが無い。
 なのにあの子は知らなかった」

もう…限界か…
本当は瞳さんの口から話してもらおうと思っていたのに
鈍感鈍感って思っていても悪いことは出来ないものだよね…


「ねぇ、あゆみ。話して、あの子は誰?」
「覚えてないの?」

あたしの顔から自虐的な笑みが少しこぼれる

「『めぐみ』さん以外で一緒にいた子のこと」

あたしは少し呆れながらマサオくんを見た
209 名前:私の恋愛単純曖昧9 投稿日:2006/01/09(月) 04:47

あの日、あの夏の日
マサオくんがあったのは一人じゃない、もう一人いたんだ

「…っ」
「瞳さん…忘れたわけじゃないよね…」
「………」

今度はマサオくんが黙る番

「それが今までの『めぐみ』ちゃんの正体だよ」
「何で…」

じゃ、何よ?本気で『めぐみ』ちゃんだと思っていたの?
馬鹿々々しくて悲しい

「それぐらいわかんないの?」

瞳さん好きだったんだよ、マサオくんのこと

先に勘違いしたマサオくんはそのまま『めぐみ』として瞳さんのことを思い込んでいた
それが段々とおかしくなり始めて瞳さんも言い出しにくくなった

「何?妹さんすらも忘れてたの?」
「…忘れてたわけじゃないよ」

マサオくんは思い出している、あの日の夏の思い出を
今度はあたしが攻撃を始めた
これで引き下がれなくなった

「瞳さんさ、めぐちゃんにも隠してたみたいなの」
「めぐちゃん?」

来た

この日が






「あたし、めぐちゃんと付き合ってるの」
210 名前:謎の人 投稿日:2006/01/09(月) 04:49
8・9更新完了です
何とかこぎつけてます。時間軸がおかしくなってるかもと
びくびくしてますが、そこは生温い目で見ていただければ幸いです。

あとマサオくん・まさおくんの違いはありませんのでどちらかで脳内で統一
していただけるとなお幸いです。
211 名前:私の恋愛単純曖昧10 投稿日:2006/02/15(水) 17:04
「なんで…なんでさっ!!」
「知らなかったんだもん!あたしもあの時の女の子なんて知らなかったよ!」

声を荒げてお互いを攻撃するそれぐらい必死だった

でも好きになっちゃったんだもん、好きで仕方がなくて…告白して
そしたら『めぐみ』って名前聞くまで忘れてて…

「ねぇ、ひとみさんのこと…好き?」
「え…?」

当たり前な問いかけに戸惑うマサオくん

「本当は…本当は『めぐみ』ちゃんだと思って付き合っていたから。
でもあの『めぐみ』ちゃんは…好きだよ」
「そうか…だったらさ瞳さんのこと…待っていてはくれないかな…?
彼女今すごく悩んでる…」
「…うん…あたしも…考えさせて…」
「そうだね…」
「あたしたち、なんでこんなことになったんだろうね」
「わからないよ…」

歯車が狂い、いつのまにかあたしたちはお互いの好きな人が入れ変わって好きになっていた
今更だけど、神様もひどいことするよ…ほんと

これ以上の会話はお互いを傷つけるだけだからあたしは自分の部屋に行こうと思い食べる気が失せた目の前のおかずたちをラッピングして片付けようと立ち上がり、
冷蔵庫におかずを置いて自分の部屋に向かう

「戻るね…ご馳走様」

リビングを出て行くときマサオくんのつぶやく声が聞こえたけどその言葉までは聞き取れなかった…
後はマサオくん自身で考えるべき問題であって、
あたしがこれ以上入り込んではいけないのだ
212 名前:私の恋愛単純曖昧10 投稿日:2006/02/15(水) 18:07
リビングを出て行くとき
マサオくんのつぶやく声が聞こえたけどつぶやく声が小さすぎて
その言葉までは聞き取れなかった…

後はマサオくん自身で考えるべき問題であって、
あたしがこれ以上入り込んではいけないのだ
自分の部屋に戻ると携帯を取り出しめぐちゃんに
『あたしたちのこと話した』とだけ送るとすぐに
『そう』という返事が返ってきた。
これでよかったのだ、きっと二人は向き合ってくれる。
時間はかかるかもしれないけど、いい結果にはならないかもしれないけど、
それでもこれでよかったと思っている

あたしはあんなことを話した後なのに、変な解放感と安心感で満たされていた
213 名前:私の恋愛単純曖昧10 投稿日:2006/02/24(金) 02:36
あれから・・・目まぐるしく時は過ぎ

受験も終わって

卒業式になって

仲の良かった友達とも大学が離れて

梨華ちゃんとは・・・離れていてもなんだかんだで繋がっている

あぁ、そうそう。マサオくんと瞳さんはというと・・・

あれから二人できちんと話し合いをしたらしく、
『めぐちゃん』は瞳さんになり、
そして瞳さんのことが好きだってことに気づいて
マサオくんも自分の気持ちに整理をつけて正式に瞳さんとして付き合うことにした

今度こそきちんとしたプレゼントをするんだってあたしの受験が終わったときから必死にバイトをして
瞳さんにみずいろのペンダントを送った


ここからもう一度始めるという意味で


214 名前:私の恋愛単純曖昧10 投稿日:2006/02/24(金) 02:39
あたしも完全受験モードに入ったからめぐちゃんとのデートも塾後の会話も控えてがんばった
結果はもちろん合格、もともとここは模試の時にA判定を貰っているから問題はなかったといえばなかったけど

「あ、そうそう」
「ん?何?」
「この間のデート、あゆみ、体調悪くなったでしょ?」
「うん・・・」
「それでね、本当は受験が終わったら何か合格祝いを買ってあげようと思って、
めぼしいものを見に行こうと思ったんだけどあれでしょ?」
「だから、今度の休みに・・・何か買いに行こうか?」

え・・・?そんなこと考えていたんだ・・・
あたしはてっきり二人に見せ付けるためだとばかり思っていた

ごめんね・・・

「うん!!あたしね、欲しいものがあるの」
「何?」
「みずいろのブレスレット、かわいいの見つけたんだ」
「わかったよ、じゃあ行こうね」

今度のデートの約束をして

「めぐちゃん」
「ん?」

「好き、大好き」

笑いながらめぐちゃんに言った

−END−
215 名前:謎の人 投稿日:2006/02/24(金) 04:05
番外編無事に終了しました

相変わらず変な更新速度でごめんなさい
変な文章でごめんなさ(ry
むらしば・・・の次はおがこんです・・・うわぁ・・・
おち・・・(げふんげふん

まだしばらくお付き合いください
216 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/01(水) 00:19
楽しく一気に読ませていただきました。良かったです!!
ごまこん好きな私ですが、作者様のおかげで、おがこんも良いかも。。
と思っておりますので、頑張って下さい。楽しみに待ってます。。。
217 名前:あぁ、青春 投稿日:2006/03/23(木) 03:54
「でっへっへっ」
「何?気持ち悪いよ?」

次の日を迎えた日の教室、満面の笑みを浮かべていたあたしに理沙ちゃんは少しひいていたみたい

「…はっきり言ってなんか嫌、そしてきしょい」
「いいじゃない、いいことあったんだから」

にやにやして答える
理沙ちゃん曰く…怖いと

「何?何かあったの?」

その答えが気になったのか理沙ちゃんも結構乗り気で聞いてくる
あたしはふふんとか鼻を鳴らしながら答えた

「紺野さんとお話しちゃった」
「………」
「…あれ?どうしたの?」
「どう答えていいんだろうね…この場合」

少し戸惑いを見せる里沙ちゃんにもおかまいなし

「いい子だったよ、あの子」
「それはよかった、んで?何していたの?」
「本、読んでいたんだって」
「……」
「どしたの?」
「それだけ?」
「うん」


そしてあれから、あたしののろけ話をリピートで聞かされた理沙ちゃんは精神的にもかなりきてたらしく

「もう!!その話しかないの!?もう少し進歩してからあたしに話しなさい!」

その日の話を打ち切られる始末

これ以上話すと自分に危機が迫ると感じたあたしはそれ以上の話をしなかった
確かに昨日のは偶然にすぎない、今日は昨日みたいにあの教室に行けばあえるんだ

よし、今日の夕方きちんと声をかけてみよう
いつも口をぽかんと開けているあたしの精一杯の勇気でした
218 名前:あぁ、青春 投稿日:2006/03/23(木) 04:42

今日もいるかなって変な期待を胸にあたしは夕方の教室にたたずんでいる
理由は簡単

彼女に会うためだ

その為にはこの時間帯まで残らなければいけない

「今日もいるかな・・・」

人がまばらになった学校に残っているのは部活動の生徒ぐらいしか残っていない
だから、人に会うことも少ない

ゆっくりと彼女の教室に向かって歩く
心臓がうるさいし、頭の中が真っ白になる

あたしの足跡がペタペタ響いて心臓とシンクロしている気がした

ぴたっと止まる
そこはもう彼女の教室
一回深呼吸して教室を覗いてみる


いた・・・っ!

「こーんのさん」
「あ・・・小川さん」
「あは、あはははは・・・来ちゃった」

あくまでも偶然を装って紺野さんに話しかける

「今日も残ってるの?」
「うん、本がね面白くてつい・・・」

本が面白い・・・あたしの言葉からはこれから先出てこないような台詞が出てくる

「そういえば小川さん、昨日はどうしたの?」
「えっ・・・あ・・・うーんと・・・」
219 名前:あぁ、青春 投稿日:2006/03/23(木) 04:46
適当な言葉が見つからない
実はいねむりをして先生に叱られて居残りさせられてました
なんて死んでも言いたくない

「ほら、もうすぐ受験じゃん?だからさ先生にわからないところを聞いてたんだー」
「えらいんだねーどこか行きたいところでもあるの?」
「い、いや・・・高校入ったときさ追いつけなくなったら嫌だなーなんて・・・」

だんだん語尾が弱くなっていく自分
そんな大嘘吐いたあたしの話を感動したのか、目をキラキラさせてあたしを見てる

「えらいね!そんなに勉強好きなんだー」
「い、いや。そうじゃなくて・・・せめてついていけるくらいの学力が欲しいなぁーだからね」
「そうだ!あたしも解る範囲で教えてあげるよ」

ぽん、と手を合わせて紺野さんが素敵な提案をしてくれる

「ほ、ほんと!?」

やたっ!紺野さんに教えてもらえる!
嘘から出たなんとかってあるんだね…半分嘘じゃないけど…
いきなりの申し出だけど、あたしにはお構いなし

今度から放課後の特別授業が始まるっぽいです

これも進歩って言うのかな・・・
220 名前:謎の人 投稿日:2006/03/23(木) 04:53
更新しました
ようやく、本編動き出しました。小川さん・・・期待を裏切らないでおくれよ・・・
∬∬;´▽`)<そ、それ自分じゃん・・・

レス返し

>>216
名無飼育さん
ありがとうございます。おいらもこんごま好きですw
おがこんも好きになってくださいw
がんばらせていただきますm(__)m
221 名前:謎の人 投稿日:2006/03/23(木) 04:56
あ、ちなみにおがこん編は
>>156->>163
となっております。中途半端ですがよろしくお願いします
222 名前:教室の二人 投稿日:2006/07/13(木) 21:27
最近の放課後の予定・・・
机を並べてノートを広げてお勉強会
誰もいない教室だから
ちょっぴり恥ずかしい気もするけど
それでも一緒にいられるから、小川麻琴がんばってます

そんなわけで今日も希望の高校に行くとか何とか理由をつけて勉強を教えて貰ってる

今日もいつもどおりに黙々とノートと鉛筆を滑らせる音だけが教室の中を駆け抜けた

始めて1時間が経ったぐらいだろうか、そろそろ集中力が欠けてきた時に
いつもあさ美ちゃんが・・・

「そろそろ休憩しようか?」
「うん!」

休憩を提案してきてくれる
今まであったノートや教科書はすっかりお菓子や飲み物に様変わりして
やっぱ疲れたときは甘いものでしょ!!

休憩の時は勉強の話はなし
これは二人で決めた約束
あたしはまだ話して間もないから、あさ美ちゃんのことを聞くことにしてる
あさ美ちゃんも他愛もない話をしてくる

「あさみちゃんの好きな食べ物は何?」

「かぼちゃの煮物、かぼちゃのプリン、パンプキンパイ・・・それから、それから・・・」

一個ずつ思い出しながら、指で数えながら言うあさ美ちゃん

「あと・・・学食のかぼちゃランチ・・・」
「えぇ!!幻の限定ランチ!!食べたことあるの!?」

この学校の噂では・・・一日数量限定の幻のかぼちゃランチがあるらしい・・・
しかしこれを口にした人間は数知れず・・・
そんな伝説を作った幻の学食ランチなのである
223 名前:謎の人 投稿日:2006/08/02(水) 16:49
はい、お久しぶりです・・・

中途半端な更新でごめんなさい・・・

紺野さん卒業しちゃいましたね・・・今月は小川さんも卒業・・・

それまでには「みずいろ」完結しないとと思ってはいるんですけど・・・


・・・完全に愚痴りそうなんで、やめときます

そんなわけですが、変な更新の仕方を多々するかもしれませんが、またそれも
一興かと
こっそり、ひっそり楽しみにしていてくださいw

また
224 名前:教室の二人+一人 投稿日:2006/08/07(月) 22:37
「一回だけね」
「うわー食べてみたい!!ね、ね、今度一緒に食べに行かない!?あたし、かぼちゃ好きなんだー」
「そうだね、もうすぐ自由登校なんだから」
「うん!!」

卒業する前にあのランチは一度食べてみたい
出来るならあさ美ちゃんと・・・ウフフ・・・

たったったっ
ガラッ

「あっれー?あさ美ちゃん何しとんのー?」
「あ、愛ちゃん今部活終わったの?」

ドアを勢いよく開けてきて来た彼女は茶髪で・・・訛ってて・・・かわいい・・・

じゃなくて!!

あ、愛ちゃんだとー・・・て






誰?
225 名前:教室の二人+一人 投稿日:2006/08/07(月) 22:40
「え、と、どちら様でしょうか?」

肝心なことを聞くのを忘れていた

「アタシの近所に住んでいるこの人は高橋さんこの学校の卒業生なんだよ」
「こんにちは、高橋愛です」
「小川・・・麻琴です・・・」
「んじゃ麻琴だね、あたしのことは愛ちゃんでいいよー」

な、初対面で呼び捨てですか!?

挙句の果てにちゃん付け・・・



高橋さんは近くの高校で合唱部に入っているのだが、中学の先生に見初めたれたらしくって
卒業しても今、後輩たちに教えに来ているらしい
そして今日もこの時間まで残って練習をしているらしい

「なぁー紺ちゃん一緒に帰ろー。麻琴も一緒にさー」

なっ!!その上いきなりそれですか!

「いいよ〜」
「う、うん・・・」

こうしてあたしは二人と仲良く帰ることになりました・・・
226 名前:教室の二人+一人 投稿日:2006/08/07(月) 22:41

冬は日が暮れるのも早い
5時を過ぎればあたりはもうすぐ暗闇
だからあたしたちは出来るだけ明るい道を通る

あのーあたしは今何をしてらっしゃるのでしょう・・・?

「へぇ〜放課後毎日勉強しているだー」
「うん・・・」
「えらいねー」

てくてくって音が聞こえる帰り道
あたし達はそんな話をしながら歩いている


「あたしたちこっちだから」
「そっか」
「んじゃ、またのー」

ぶんぶんと大きく手を振る愛ちゃんと小さく手を振るあさ美ちゃん

あ・・・一番星だ
明日もいい天気になるといいな

冬はまだまだこれからです
227 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/08/07(月) 22:45
現実を突きつけられる時なんてあっさりとやってくるものだ
何にも足跡も立てずに

「進路・・・どうしよう・・・」

ぽつりと放課後の図書館で独り言をつぶやく
周りには幸い誰もいない
今日はあさ美ちゃんが家の用事らしくて今日の勉強会はお休み

すぐ帰れる・・・
わけにはならなかった

事の発端は授業が終わってすぐ

『小川ーーーーーっ!ちょっとーーーーー』
『はい?』

急に飯田先生から呼び出された

『あんたさー進路どうすんの?決めてないの小川だけだよ?』
『う・・・』
『高校、行くんでしょ?』
『まぁ・・・一応は・・・』
『今日は図書館にでも行って高校の資料でも見てきな。んで今週中に進路用紙を提出、いい?』
『はい・・・』


そして今・・・図書館にあたしはいる
228 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/08/07(月) 22:46
パラパラパラ・・・・
ページをめくる音だけがむなしく響く
もちろん読んでいるのは高校進情報誌

・・・何処に行けばいいんだろう・・・

「まーこーとっ!!」
「うわぁぁぁ!!」

何そんなにいつも慌ただしくいらっしゃるんですか貴女様は
・・・あれ?いつのまにドアの開いた音なんてしなかったのに?
どうでもいい疑問を持ちながら

「何してるのぉ〜」
「愛・・・ちゃん・・・?」

あたしの後ろにぴったりと愛ちゃんが立っていた

「ふーん・・・高校の進路か・・・何処行くん?」
「・・・」
「どうしたの?」

だんまり
だって行きたいとこないのに言える訳ないじゃん

「・・・・・・・・・・・・・」
229 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/09/15(金) 02:50
「なぁ、麻琴?麻琴は何がしたい?」

キイィィィィィン

あれ・・・耳鳴りがする・・・耳が張り裂ける感じがした
そして段々音が聞こえなくなり
周りの騒音も自分の心臓の音も聞こえなくなる感じ

小さい頃近くの博物館で無音の世界とかいう催し物を思い出した
確か、耳がキーンって音がするんだ、そして痛くなるんだ

今・・・世界が・・・この世界が止まっている・・・

だってこんなに耳が痛いから
230 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/09/15(金) 02:56
何が起きたのかと愛ちゃんを見つめると
愛ちゃんは愛ちゃんではなく・・・ダレなのか

わからない・・・

「もう一度聞くよ?ねぇ麻琴?麻琴は何になりたいの?」

無音の世界に響く愛ちゃんの声
簡単な質問のはずなのに

それなのにその質問が怖くて・・・答えられなかった

「・・・あたしは」
「答えられる?答えられないでしょ?」

くすくすくす

悪意ではないましてや善意でもない
純粋な笑い声が図書室に響いた
231 名前:謎の人 投稿日:2006/09/15(金) 03:00
はい、もう9月ですよー。

終わってませんよー。期待を裏切る(悪い意味で)作者謎の人です。

あぁ、話がまとまりません。

がんばる。とありきたりな言葉を残してまた。次回の更新まで。
232 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/10/14(土) 23:32


「ねぇ、あさ美ちゃんの事・・・好きでしょ?」

「だから傍にいたくて、必死になって勉強した。違う?」

的確な答えを
彼女ばかり必死に追いかけた結果
自分の夢を考えてなかった
愛ちゃんに言われるまで気づかなかった
何になりたいのだろう・・・?

「もう一度聞くよ?まこっちゃんは何になりたいの?」

「愛・・・ちゃん。もう少し考えさせて」

「いいよ、でもね。その答えはあーしに言っちゃダメだよ?」

笑いながらあたしに向けて笑顔はやっぱりさっきと変わらない純粋な笑顔だった
233 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/10/14(土) 23:52
夕暮れ
今日はあたし一人
寒い
呼吸をするたびに白い息が空に上っていくそんな中で
考えるのはあさみちゃんのことと今後のことばかり

あたしは・・・何したい・・・か・・・
はぁ・・・

Why you have to go and make things so complicated?

音楽、洋楽かぁ
CDショップから流れる流行の音楽
その歌詞とメロディに耳を傾ける

・・・でも全然わかんないや
このメロディはあたしは好きだ、こんな歌が歌えたらいいのにな・・・
・・・歌手か・・・あたしにも歌えるかな・・・?

歌ってみたい

そうだ、洋楽がびしっと決まる歌手になろう
そうなれば、留学も考えなきゃ
234 名前:あなたの夢は何ですか? 投稿日:2006/11/01(水) 23:18
あぁ、でもこの事飯田先生に話したら意味不明なお説教されるんだろうなぁ

苦い顔をしながらそのことを想像すると同時に笑いもこみ上げてきた


ぴたっ

しまった・・・肝心なことを忘れていた
あさ美ちゃんに話さなきゃ、これからのこともそして
あたしの気持ちも

うわーっうわーっうわーっ!!
顔は真っ赤になるわ心臓は今からでかい音をたてて脈打つわ
それを打ち消す為に

「よーーーーーーーしっ!がんばるぞーーーーーーーっ!!!」

一人、人のいる商店街で絶叫
しかし実はしばらく後に恥ずかしいことに気づいたのはそれほど時間はかからなかった
235 名前:謎の人 投稿日:2006/11/02(木) 00:22
あなたの夢は何ですか?
終了です。

あと1話でおがこん編は終了・・・のはずです。年内に終わるといいな・・・
終わるのかな・・・orz

236 名前:Let's see it again 投稿日:2006/11/23(木) 20:48

「おおぉぉぉぉーーーがぁぁぁぁぁぁーーーーーわぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!」

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーっ!!!!!」

絶叫と悲鳴が職員室に重なる

「よく言った!!」

「へ?」

がしぃぃぃぃぃぃぃ
両肩をつかまれ両肩ゆさゆさあたしの首は激しく前後に揺れる
ううっぷ・・・気持ち悪い・・・

これは職員室から保健室に直行かな

「よし!!先生は応援する!!あたしもねー高校のときにね、
オーディション受けたのその時にね・・・やっぱり緊張するんだよ、それでねそれでね・・・」

先生・・・もう授業・・・あの・・・もしもし・・・?

「かぁぁぁぁーーーーーーおりぃぃぃぃぃぃぃぃ、はよう授業行けやぁぁぁぁ」

それから校長先生の雷が落ちて何とか話は終わりました
すぐに校長先生がすまんなぁって謝ってきてくれた
しかし何でそんなに腰が低いんだろう校長ってもっと威厳のある人がやるのかと思った・・・
どうでもいいけど、これでみんな先生なんだよね・・・
てか、この学校やけに絶叫するよな
何でだろ?
237 名前:Let's see it again 投稿日:2006/11/23(木) 21:14
あれから帰った後、お母さんたちにも話した
もうお母さんたちはびっくり
そうだよね、いきなり留学して歌の勉強したいなんて
唐突なこと言い出して
呆れるわ、怒りを通り越して病院行かされかけるわ・・・
お父さんもすごく苦い顔してた、わからなくもないけど・・・

決めたことだもん悔いは残さないようにしたい

そういえば
おかしなことが一つある


愛ちゃんだ



愛ちゃんはあの図書館のことを知ってか知らずかそのことに触れては来なかった
いきなり突拍子のないことっては周囲を混乱させていた

図書館にいた愛ちゃんとは別の人間みたい・・・
本当は別の誰かだった・・・なーんてそんなわけないか

そんな非科学的なことと脳内で完結をした
だってその後もあやふやだったし、これはきっと夢だろうとそう思った
238 名前:Let's see it again 投稿日:2007/03/04(日) 23:51

時間は少しずつ過ぎていき
あたしたちも着々と卒業という準備を始めていった
あのあと両親にこの話をしたところ流石に両親もいきなりの留学はやめてくれということ
しかたないのでカリキュラムの中に留学入っている学校を選んだ
え?ちゃんと勉強したのかって?
そりゃあもちろん勉強したさ、あたしにできるだけのことは
あとは結果を待つだけ

とまぁ
試験という試験が一段落して、あとは少しの授業と卒業式の予行練習だけで
あさ美ちゃんとの勉強もあたしの受験を区切りに終了
それからあんまり会うという機会を失ってしまった
あれからというもの口ぽかーんとしっぱなし
里沙ちゃんにどれだけからかわれても抵抗する気すら起きない、無気力人間に近い日々を送ってきた

そんな卒業間近のある日
239 名前:Let's see it again 投稿日:2007/03/04(日) 23:51
「まこっちゃん」
「里沙ちゃん、どうしたの?」
「お客さんだよ〜」

ふふふ、と含み笑いしながらこっちを見る
気持ち悪い…
お客さんと言われて教室のい入り口をちらって見る

「っ!!」

今日のあたしは1・5倍増しに口が開いております

「あさ美ちゃん」

慌てて入り口に駆け寄る

「こんにちわ、まこっちゃん。今日の放課後暇?」

いきなりのお呼ばれにこっちはびっくり

「あばばばばばばば」
「どうしたの?」
「い、いや・・・何でも・・・」

あー追伸
その日の学校は何を言われても右から左に流れていきました
もちろん、担任の飯田先生のかみなりもきれいに流れていきました
240 名前:Let's see it again 投稿日:2007/07/07(土) 03:35
「あさ美ちゃん…」

そこはあの思い出の公園
あの時あたしは一年前この場所にいた
今そこにはあさ美ちゃんがまだ咲かない桜の木の下で佇んでいた

「春にさ、私たち一度会ったことあるよね?」

「え、あぁうん。そだね」

去年の春の出来事、それが私たちの出会い
忘れるはずがない
あの頃は名前も何もわからなくて、その場だけの出会いだと思ってた
だから、学校で再会したときは本当にうれしかった

少しでもあなたとの接点を持ちたかった

「ねぇ、まこっちゃん?まこっちゃんて何になるの?」
「え・・・」

あぁ、ここでも同じことを聞かれたよ・・・

「あさ美ちゃんとは別々の高校だよ・・・受かるかわかんないけど・・・留学出来るところにしたんだ」
「そっかぁ、別々の道に行くのか」

落胆したような声で言われたと思っているのはあたしの思い込みだろうか?

「でも、実家通いだし、少し遠くなるだけだよ」
「うん・・・」

あさ美ちゃんの一言一言が・・・
すごく寂しそうに聞こえてきて本当は自分がすごく辛くて寂しい

「あたし、あさ美ちゃんの側にはいられないけど
だって2駅しか離れてないし大丈夫!また会えるもん」
「わかっているの、でもね」

あぁ、泣き出しそうな顔をしないで
お願い、離れるわけじゃないんだ
今日こそ言えばいい、今なら言えるそんな気がする


貴女に好きと


「あさ美ちゃん、卒業しても大学に通っても傍にいてくれますか。てかあたしを好きでいてくれますか」

びっくりした顔であたしを見つめ、数秒もたたないうちにまたいつものおっとりした笑顔で

「はい、よろこんで」

あたしは忘れないだろう、春間近の空のみずいろを


-END-
241 名前:謎の人 投稿日:2007/07/07(土) 03:39
・・・はい、無理やり終わらせました。

1年以上伸ばし伸ばし続けてきたこのお話もある意味で本当の終わりを迎える
ことが出来そうです。

気づけばもう4年・・・ほんとほったらかしにしてスミマセン。
ここに書けば言い訳のオンパレードになってしまうので伏せておきますが、次こそ
ほんとのほんとです。

まだしばらくのお付き合いの程をよろしくお願いします。
242 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:12
「あれ?ここは?」

白い靄みたいなのがかかって先はあんまり見えない
だからこれは現実じゃないってわかった
しかし一体どうしてここに?

「夢か…にしちゃあ何にもないなぁ」

夢でもいろいろあるしなって思っていた矢先
向こうから黒いものがこっち向かってやって来る

「あ、吉澤さん!?」
「…大谷さん!?」

考えたら夢だ
誰にあっても何が起きても不思議じゃない

「こんなところで出てくるとは思いませんでしたよ」
「こっちこそ驚いたよ」

ってお互いを確認したところで

「よぉーしぃーざぁーわぁさぁーん」

「「え?」」

今度は今歩いてきた道から慌ただしく走ってきたのは
「麻琴」
「まこっちゃん」

「麻琴と知り合いですか?」
「えぇ、まぁ」
243 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:15
今日の夢は一段と知り合いが出てくるな
今度は誰が出てくるのか…
「何でみなさん一緒にいるんですかぁ〜」

何が起きたという顔で聞いてくる麻琴

「何でってこれあたしの夢」

だって夢あたしのだってことは事実だし

「え?あたしの夢じゃないの?」

は?

大谷さんも自分の夢だと言いだし

「あたしの夢じゃないんですかー」

って麻琴が言う始末
この事からあたしたちは同じ夢を共有していることになる

「みんな…」

最後に出てきた人物それが・・・

「あ、あゆみ!どうしてここに」
「だって夢でしょ?あたしの」

あゆみちゃんまで言う始末
もう、ここまできたら知り合いのオンパレードだ
もう何があっても驚かないぞ
244 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:23
「あーみなさん、揃ったねー」

今度は誰だ?

全員声のする方を振り返るとそこには…

ごっちんだった

ごっちんには違いないけど…
それは後藤真希本人じゃなく

別の何か

とにかくそんな気がした

「あ〜どうも〜すみませんね、無理矢理みなさんを呼んでしまって」
「どういうことですか?」
「うーん、何ていえばいいかな?夢だけど現実、現実だけど夢みたいな」
「それじゃ余計わかりません」

すかさずつっこみを入れる麻琴

「そうだねーまぁ、
これ…貴女たち一つずつ物語になっててね、そして最後はみんなは好きな人と一緒に過ごせるハッピーエンドになるようになってるの」
245 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:27
「でもそれだけじゃ、あんまりにもあっさりハッピーエンドもつまらないしバランスが狂ってしまう。そこには必ず第三者が必要だった。覚えてる?そこのショートカットの茶髪さん」

うちのことだ…梨華ちゃんといつも一緒にいた

「ごっちんだ」

「そうだね、今その子の姿をしている、じゃあ次はそこの口をぽかーんて開けて
る子?」
「あたしはー愛ちゃん…」

そういうと一瞬にして茶色で髪の長い女の子に変った
あぁ、この子が愛ちゃんか…

「そ、あーしが麻琴のときにいた、あの時あんまりいい印象じゃなかったよね?
ごめんなぁ」

「じゃああたしは…あゆみ…だ」
「正解」

今度はしばっちゃんに変わる

「同じ顔がいるのって…ちょっと嫌かも…」
「え?でもちょっと待ってよ、あたしはここにいるよ?」

この様子だと第三者が化けてるんじゃないの?
246 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:29
「化けてるはひどいなぁ
うーん、確かにそうなんだけどね、こっちのちょっとした手違いでね
少し手を加えさせていただきました。それで結局貴女もみんなと同じ結末を辿る結果になったの
だから、貴女、一人あったでしょ?あの子に…」
「…梨華ちゃん…」
「その通り!ハッピーッ!」
「「あー梨華ちゃんだ」」

あぁ、梨華ちゃんだ。つられてあたしまで言っちゃったよ

「しかし、何でこんなことに?」

「えーっと、それを言われると困るけど、こちらの事情として取ってもらえない
かな?」

困った顔で梨華ちゃん?はみんなに説明する
247 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:32
「でも、このままだと何か変なのでなんとかなりませんかねぇ…」

未だに納得いかない様子の大谷さん

「そうよねーこれじゃあ混乱するわよね」

と言うと彼女は一瞬にしてあたしたちの共通の知り合いに姿を変えた

「ま、これが一番ましやな」
「えぇっ!」
「な」
「な、なか」
「中澤さん!」
「そんなに驚かんといて、これが一番よぉ使ってるんよ」

中澤さん…喫茶『上海の風』の店長さん
あたしもここにはよくお世話になっていたけど、正直ここで出会うなんて思ってもみなかった…

「まぁ、大方の話はわかったやろ?あんたらはこれを聞いたらまたいつもの日常に戻っていく、そしてここでの出来事は全て忘れる、でも忘れんとって欲しいのは相手への愛情と自分の意思や」


−うちはあんたらの背中を少し押しただけ、そのあとどうなるかはあんたら次第や…−

それだけを言うと中澤さんはきらきらと光る粒子の中に消えていった…
248 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:45
―――――――――

「……ん」

ん?

「…み……ん」

「ひ…みちゃん」

「ひとみちゃん」

「あぁ…夢か…?」

目が覚めるとそこは自分の部屋
夢?
あれ?何かの夢を見ていたような気がするけど…なんだっけ?

「いつまで寝てるのよ、早く起きないと遅刻するわよ」
「あぁ、夢…夢?」
「何寝惚けてるのよ」

っかしいなぁ…夢見てた気がするんだけど…
まぁ、忘れるくらいだからそんな対した夢じゃないか
いつもの朝、いつもの日常、あったかい味噌汁、ご飯に納豆、漬物、これぞ日本の朝食

当たり前じゃないか

ただ…

何だろ、あたしは梨華ちゃんに言わなきゃいけない気がする
249 名前:夢の結末 投稿日:2007/07/07(土) 23:45
「梨華ちゃん」
「何?」

お姉ちゃんから名前に変えて
最初は恥ずかしかったけど、こっちの方がやっぱりいい

「好きだよ」
「ちょ、ちょっと!朝から何言ってるの!?」

顔を赤らめて、手をぶんぶん振り回して
すごく困ってるや

「ごめんごめん、言ってみたくなったんだよ」
「あたしだって好きよ」
「さて、行こうか。みんな待たせちゃ悪いよ?」
「もうっ、ひとみちゃん」

食べ終わって、かばんを持って扉を開ける
今日もいい天気だ

いつもどおり
みんなのいる場所へあたしたちは向かう

「「いってきます!」」

-True End-
250 名前:謎の人 投稿日:2007/07/07(土) 23:58
今度こそ本当の本当に終了しました。
尻切れなのは愛嬌です・・・すいません、もう無理でしたorz

最後の最後でいしよしに戻れてよかったです。

これで、この話は完結したのでこのまま・・・放置するか、ちょこちょ短編を書くか
なーんにも考えてません!

(+`▽´)<こら!

まぁ、その時はどうぞご贔屓に
改めて
こっそり読んでくださった方も書き込みをしてくださった方も
またどこかで見つけてください。

ありがとうございました。
251 名前:謎の人 投稿日:2007/09/07(金) 04:49
短編投下してきます。

まずは時事ネタのメロンにて、むらしばを。

どうぞ。
252 名前:好感度 投稿日:2007/09/07(金) 04:50
カチカチ

♪〜♪♪〜

カチカチカチカチ

「・・・柴田君・・・」
「ん〜何〜?」

柴田あゆみ、心ここにあらず。
あたしの家でずっとDSをやっている。
やっているのは某乙女ゲームと言われているソフト、この間ネット配信で見せてくれたあのゲーム。
そして今、その攻略に入れ込んでいるのは画面の中のクールなメガネの彼。

・・・あたしがいるのに・・・

「しばたくーん、それ楽しい?」
「うん」
「さびしーんですけどー?」
「もうちょっとー」

あんまりに構ってくれないから、後ろからぎゅーとしてみる。
253 名前:好感度 投稿日:2007/09/07(金) 04:53

「あつい」

柴田君の苦情を無視して、
あたしの顔を柴田君の肩にすりすりして抵抗をしてみる。
それだけじゃ物足りないので首筋にちゅっとキスしてみる。

「もう!どんだけ寂しいのよ!」
「こういう行動するくらい」

あたしがいるんですよ?
なのに、わざわざ恋愛シュミレーションなんかやってさ、
あたしって何って思うわけですよ。

やるならあたしの好感度を上げなさい。
あたしを幸せにしなさい。

伝わったのか伝わらなかったのかわからないけど、
柴田君は振り向き、一言。

「・・・じゃあツアー終わったら何処行きたい?」
「デート出来るところ」
「どこよ?」
「遊園地」
「それさっきゲームに出てきた場所じゃん」
「だから今度はあたしが甘えてくるのを待つの」

どれだけ好感度が上がるか・・・
多分一気に上がるでしょうけど。
254 名前:好感度 投稿日:2007/09/07(金) 04:53
end
255 名前:謎の人 投稿日:2007/09/16(日) 01:13
昔書いたよしみきを

ではどうぞ
256 名前:キスとケジメ 投稿日:2007/09/16(日) 01:18
いつの日かミキティに何で煙草を吸うのと聞かれた。
特に理由なんてなかった。

もし、あったとしたら…。


あたしの昔好きだった人が煙草を吸ってみたいと言った。

それだけ。

だから意味もなく吸い始めた。

ただ一緒に共有出来るものが欲しくて、それだけの理由。
思い出すとくだらない。

でも今となってはどうでもいい。

だから理由なんて話さない。
話したくない。

だから一言で済ます。


「ただ吸いたいから吸うの」
257 名前:キスとケジメ 投稿日:2007/09/16(日) 01:19
「ねぇ、よっちゃんさん煙草吸いたい」
「はぁ?」

何だ?どうした?

「何?いきなり」

あたしは人前では吸わないミキティには喫煙家とは言っていたけど、
もちろんこの子の前でも。

ま、あたしなりのケジメなんだけどね。

「だ〜か〜ら〜吸いたいの〜よこせ〜!」
「あ!こらっ!人のカバンを漁るな!」

床の上での取っ組み合いに発展してまで欲しいのか、
きみは・・・。

―――――

「ったく素直に渡せばいいものをさ」

笑顔のミキティ。
呆れ顔のあたし。
負けた。

この時何故か変な敗北感を味わう。
258 名前:キスとケジメ 投稿日:2007/09/16(日) 01:22
しかし、
今頃吸いたいなんて言い始めたんだ…?

「えーとねー共有?」
「意味がわからない」
「辞書ひく?」
「結構です」

煙草の煙がぷかぷかって聞こえてきそうに煙が出て、
その先の彼女の口には火のついた煙草。

「一緒のものが欲しかったの、それでいいじゃん」

もっと別のにすればいいのにって思う。
こんなもの共有したって楽しくないのに。

「もっと、別のにしなよ」
「ん・・・、今度はそうするよ」

そして灰は何も知らずにテーブルの上に落ちていった。
259 名前:キスとケジメ 投稿日:2007/09/16(日) 01:22
END
260 名前:庄司 投稿日:2007/09/16(日) 19:54
タバコは健康に悪いからおれが許さん!!
261 名前:さよなら冬 投稿日:2007/12/19(水) 03:08
22歳の春……。

あたしは恋を忘れた。

「何をしているんだ…」

あたしはただぽつんと何もないところで立ち尽くしていた。

まだ2月のこの時期、
肌寒いこの季節はマフラーや手袋がまだ手放せない。
学生最後の年は就職活動や論文とかそんなことばかり。
でも、あたしはここ数か月何も手を付けていない。

手を付けれないんだ・・・。

数か月前にあたしはすべてを捨てた。

あの時のあたしは、ただあなたの声を聞くだけが精一杯で、
「ずっと友達だよね」
あの子はそう言った。
「当たり前でしょ」
あたしは言った。

ずっと好きだったから。
ずっと言えなかったから。

それが精一杯の答え。

あなたが一番大切だと思っていたから、
あなたを手放し、
あたしから手を放した。
262 名前:さよなら冬 投稿日:2007/12/19(水) 03:16
場所は学校の学食。
あたしはそこの隅でぼんやり窓の外を眺めていた。

「おーい、どしたー?」
「・・・え?」

声の聞こえた方を見るとそこには友達の大谷雅恵が立っていた。

「ううん、何でも」
「そう?」

ならいっかっていつもの調子で、

「んで、決めたの?」
「何を?」
「何をって論文だよ論文」
「あー」
「あーってまだ考えてないの!?」

忘れてたさ、
そんなことあたしの頭の中からきれいさっぱりと抜け落ちていた。

「本当に忘れてたみたいだね…」
「……」
「いいけどさ、早くしないと卒業、危ないよ」
「わかってる」

いつもは逆の立場なのに、
今回は逆。
あー情けな…。

「そうそうひとみん」
「あによ」
「あんま悩みすぎても考えもんだよ」
「…わかってるわよ」

わかってる、わかっているさ。
悩んだって何したって。
無駄ってこと。

「図書館行ってくるか…」
「ちゃんと何にするか決めておいでね〜」
「わかったー」

あたしは立ち上がって、
そのまま図書館の方に向かってゆっくりと歩いていった。
263 名前:謎の人 投稿日:2007/12/19(水) 03:20
何の考えもなしに始めてみました、メロン話。

・・・本当にのーぷらん、のーふゅーちゃーで行きますんで、
期待なんてしない方が身のためです。

終わらせますけど、いつ更新できるか謎ってだけなんですがね・・・。

そんなわけなんで、
まったり、のんびりいますのでよろしくです。
264 名前:名無飼育さん 投稿日:2016/06/21(火) 00:30
更新期待してます。

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