中学生日記
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:48
- Q期と天気組メインです。
ちょいちょいプラチナやOGが出て来ます。
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:49
- 布と皮
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:49
-
「はるかっ!朝ご飯食べたの!?」
「朝練間に合わないからいらない!
行ってきます!!」
?
まだ真新しいセーラー服に身を包み、バタバタと家を飛び出していくのは
中学1年生の工藤 遥
5月のさわやかな朝を全力で駆け抜けていく。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:50
-
遥はバスケ部に入部したばかりで、
寝坊で朝練に遅刻したら、どんな罰が待っているかわからない
間に合うことを祈りながら、ひたすら全力で走った。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:51
-
「おはようっ、ございます!」
「あ、くどぅー、おはよう」
何とか時間ぎりぎりに間に合った遥を迎えたのは
同い年、同じクラス、同じ部活の佐藤 優樹
普段はポクポクして、天然な女の子だが
絶対音感があったり、若干霊感があったり
小学校からの腐れ縁の遥でも、掴めない子だった。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:53
-
「今日、ギリギリだねぇ〜」
「なんか、アラームならなくてさー」
雑談しながら、ジャージに着替える遥たちに部長の怒号が飛ぶ
「1年生!!もう練習始めるよ!!」
「すっ、すみません!すぐ行きます!」
?遥たちは慌てて体育館へ駆け出す。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:53
-
**************
遥は睡魔と闘っていた。
苦手な数学の授業
ハードな朝練の後の数学の授業は、世界最大の苦行ではないかと遥は本気で考える。
しかも、朝寝坊したせいで、朝ごはんも食べていない
疲労と空腹のダブルパンチにノックアウトされそうな遥は
気を紛らわそうと隣の席の優樹を見た。
優樹はすやすやと机に突っ伏して爆睡している。
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:55
-
「…フツーに寝てるし」
優樹の居眠り具合に思わず突っ込んでしまう。
あーあ、田中先生に怒られるぞ…
なんて、遥が思った瞬間
「コラー!佐藤寝るんじゃなかと!!」
「いたぁーーーーーい!」
田中先生の博多弁とげんこつが炸裂し優樹が、バッと飛び起きる。
涙目で頭をさする優樹に田中先生の説教は続く
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:56
-
「佐藤、先生とクラスの約束忘れたと!?」
「まーちゃん、覚えてるもんっ!」
田中先生とクラスの約束か…
自分が悪いのに逆ギレしている優樹を横目に
遥は入学式の時のことを思い出す。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:57
-
************
最初は、中学校はなんて怖いところなんだと遥は内心ビビッていた。
入学式で担任と紹介された人が博多弁で金髪で
見かけが100%ヤンキーだったからだ。
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:58
-
ハル…中学校やっていけるかな…
入学式が終わった後、不安が残ったまま、
教室に入り、先生を待った。
おそらく、みんな同じことを感じていたのだろう。
教室の中は誰一人おしゃべりすることなく、先生を待っている
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 21:59
-
ガラッ
教室のドアが開き、田中先生が入ってくる。
もともと、ピリッとしていた教室の雰囲気だか、さらに緊張したのが遥にはわかった。
教卓に荷物を置き、田中先生が話し出す。
「…みんな、静かっちゃねー
まぁ、とりあえず入学おめでとう!」
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:00
-
そういってニシシと笑う田中先生を見て、クラスがどよめいた。
外見ヤンキーなのに、笑うと猫のようで、
遥は驚きを隠せなかった。
「今日は先生と約束してから帰ってもらいます」
や、約束?
ヤンキーの約束って…まさか…根性焼きとか
一人で涙目で焦る遥
田中先生の話は続く
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:01
-
「一つは、勉強はやってもやんなくてもいいけど、何か一つは頑張ること!
あ、でも、先生たちは一所懸命、授業するから居眠りは禁止っちゃよ!」
意外とまともな約束にまたクラスがどよめく
焼かれなくて本当に良かったと遥は胸をなでおろす。
田中先生は見た目が怖いだけで、本当はヤンキーじゃないんじゃ…
そう思い始めた瞬間
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:02
-
「二つ目は法律は破らないこと!あと、バイクの後ろには乗るな!
この二つが約束たい!!」
その約束を聞き、クラス全員が心の中で突っ込んだ
やっぱ、ヤンキー!!!
****************
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:03
-
そんなことがあった4月から1か月経つと慣れてくるもので
田中先生は見た目こそ怖いけど、すごく優しい先生だって遥は思う。
優樹こそ、今は怒られてはいるが、普段は田中先生に頭突きを繰り出すほど仲が良い。
キーンコーンカーンコーン
説教する田中先生と逆ギレする優樹のやり取りのせいで
気付いたら授業が終わっていた。
田中先生には悪いけど、助かったと遥はこっそり感謝した。
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:06
-
****************
「あー疲れたーーー!」
「まーちゃんも疲れたーーー!」
あっという間に放課後になり、朝練よりハードな午後練を終えて
遥と優樹は一緒に帰っていた。
二人とも、ぐったりしながら、だらだら歩いていたのだが、
急に優樹が走り出す。
?
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:07
-
「あーゆーみーん!!」
「わっ!まーちゃんかー!
ビックリさせないでよ」
優樹に急いで追いつくと、そこには亜佑美ともう一人知らない高校生の女の子がいた。
「あのねぇ、くどぅもいるよ!
「本当に!?わぁー二人とも久しぶりだねー」
まだ綺麗なブレザーに身を包んだ亜佑美が微笑む。
その大人びた笑顔に遥は思わず、ドキッとする。
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:08
-
石田亜佑美は二人の幼馴染だった。
小学校の時はよく遊んだが、亜佑美が中学生になり、会う機会も減り
気付いたら遥も中学生、亜佑美は高校生になっていた。
なかなか会わないとはいえ、亜佑美がどこの高校に行ったかぐらい遥は知っていて
制服がブレザーということも知っていた。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:09
-
知っていたのに、何で?
自分のセーラー服と違う亜佑美のブレザー
自分の布のバックと違う亜佑美の皮のバック
やっと、追いつけると思ったのに
3つの差は大きい
- 21 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:10
-
「あゆみんのお友達?」
「あ、そうだよはるなん。幼馴染のまーちゃんとくどぅだよ」
遥の知らない亜佑美の高校の友達
遥の知っている亜佑美がすごく遠く感じた。
- 22 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:11
-
「まーちゃんって呼んで!」
「まーちゃんね、私は飯窪春菜
はるなんって呼んでね」
「はるなんっ!はるなんっ!」
そんな遥の気持ちをよそに、優樹は春菜になついていた。
- 23 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:12
-
「ほら、くどぅ、はるなんにあいさつして?」
「わっ!!」
ぼけーっとしていた遥の肩を亜佑美が叩く。
急に叩かれ遥の心臓はドキドキが加速する。
「ごめんっ!ハル帰るっ!!」
「えっ、ちょっ、くどぅー!?」
- 24 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:12
-
居てもたってもいられなくなった遥は急に走り出す。
驚く3人の声が耳に入るが頭には入ってこない。
**************
- 25 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:13
-
「はぁ、はぁ…ふぅ…」
家に着き、息を整えるも心臓のドキドキは止まらない
遥は胸に手を当てる
もしかして…
少し考えて、首をぶんぶん横に振る。
これは全力で走ってきたから、ドキドキしてるんだ!
自分に言い聞かせるように、呟いてから、遥は玄関を開けた。
- 26 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:15
-
こんな感じで更新していきます。
こちらのミスで、変なところに?が入っている
箇所があります。
申し訳ありません。
- 27 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/02(月) 22:17
- 久々に覗いたらリアルタイム遭遇。
面白そうですね。楽しみにしています。
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:35
-
>>27さま
ありがとうございます。
更新頻度がバラバラになってしまうと
思いますが
温かく見守っていただけると幸いです。
では、更新します。
- 29 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:36
-
お届けします
- 30 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:37
-
「衣梨奈ー、日誌置いとくよー!」
「ありがとー!」
生田衣梨奈 中学3年生
愛されるKYキャラであり、なんとなく憎めない女の子である。
- 31 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:38
-
いつもの放課後
本来なら、日直が職員室に持っていくはずの日誌を
衣梨奈は毎日持っていく
今日も例外ではなく、日直の子が衣梨奈に日誌を渡してくれた。
本来なら、みんな面倒くさがることなのに
衣梨奈は鼻歌を歌いながら職員室に向かう。
- 32 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:39
-
「失礼しまーす!
新垣先生、日誌持ってきましたー!!」
「まぁーた、アンタが持ってきたの?」
担任の新垣先生に日誌を渡すと苦笑された。
いつも通りのやり取り。
「だって、衣梨奈は新垣先生を応援する会の会長ですよ!」
「はいはい、わかったから」
そう言って笑う新垣先生。
衣梨奈はその笑顔が大好きだった。
- 33 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:40
-
************
新垣先生のことは、1年生の時に入学式で見てから、ずっと可愛いなって思ってた。
でも、なかなか関わる機会が無くて、気が付いたら3年生になっていて
クラス替えして、担任の先生が発表される時、心の底から神様に祈っていた。
- 34 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:41
-
「担任は…新垣先生!」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
思わず叫んでしまった衣梨奈は
全校生徒の注目を浴びることになってしまったけど
新垣先生が担任ってことが嬉しすぎて、そんなに気にならなかった。
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:42
-
これは、中学校生活最後の
神様がくれたチャンスだと思って
そこからはもうアピールの毎日。
新垣先生の授業は苦手な社会だったけど
毎日予習して必ず手を上げたり
日直の仕事なのに、毎日日誌を届けたり
新垣先生を応援する会を勝手に作って会長になったりして
楽しい毎日を過ごしている。
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:43
-
最初は外見しか知らなかったけど、関わっていくうちに
しっかりしてる様に見えて、おっちょこちょいだったり
リアクションが大げさで、昭和だったり
毎日日誌を持ってくる衣梨奈のことを
最初は、いじめられてるんじゃないかって本気で心配してくれたり
中身も優しくて可愛くてどんどん好きになっていった。
**************
- 37 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:44
-
「毎日、大変じゃないの?」
「新垣先生に会うためなら、大変じゃないです!」
ブラックコーヒーを飲みながら、話す新垣先生
大人だなぁなんて思って見ていると
- 38 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:45
-
「ほら、頑張ってるご褒美。皆には内緒だよ?」
「あ、ありがとうございます!!
一生大切にします!」
「うん、賞味期限あるからね。」
そういって先生がくれたのは、某ネズミさんのチョコレートだった。
その、チョコレートを大事にポケットにしまってから
衣梨奈は職員室を出た
廊下を一人で歩きながら、ふと、思い出す。
- 39 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:45
-
そういえば、先生は夢の国が大好きっていってたな…
ブラックコーヒーを飲む大人な先生が、夢の国ではしゃいでる姿を想像したら
可愛くて思わず吹き出してしまった。
- 40 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/03(火) 21:46
-
今日はここまでです。
- 41 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/08(日) 23:27
- 生ガキの学園物いい!生田が可愛いッスな
- 42 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:46
-
季節外れの赤色
- 43 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:47
-
このクラス1のムードメーカー
それは鈴木香音
休み時間に一人コントとかやっちゃう
それが鈴木香音
すべる、すべらない、そんなの関係なく3の線を突っ走る
それこそ鈴木香音
中学2年生である。
得意な教科は給食、つぶらな瞳が特徴である。
- 44 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:48
-
今日もいつもと変わらず
友達と昆虫の物真似をやったり
ほふく前進したり
くだらないことで爆笑していた。
- 45 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:48
-
キーンコーン…
休み時間が終わっても、席に着いたり、静かにする雰囲気はない
よく言えば、明るくて活発
悪く言えば、とてもうるさいこのクラス
その中心人物が鈴木香音だった。
- 46 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:50
-
「おい!チャイムとっくになっとるぞ!席つけー!」
少し怒りながら教室に入ってきたのは
担任の光井先生だった。
関西弁で、怒ると怖いけど
とても生徒思いで優しい先生で
そんな光井先生が香音は大好きだった。
- 47 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:51
-
「えー、もう5月やけど、転校生を紹介するでー!」
おおーとかわーとか、様々な声がクラスを飛び交っている。
香音も例外ではない。
- 48 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:52
-
「ホンマにうるさいクラスやなー、ほら、入っといで!」
光井先生は苦笑してから
廊下にいるであろう転校生を呼んだ。
その姿に、あんなにうるさかったクラスが大人しくなる。
- 49 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:52
-
ゆっくりと入ってきたのは、黒髪の美少女だった。
- 50 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:53
-
「ほれ、自己紹介しいや?」
「…鞘師里保です…よろしくお願いします」
そういって頭を下げる里保を見て
可愛い女の子はお辞儀をしても可愛いんだなと
香音はぼんやり思った。
- 51 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:54
-
「それだけじゃ、寂しいやろー、なんか趣味とかないんか?」
「趣味はダ…ど、読書です」
そう里保がつぶやくと
光井先生は一瞬何かを言いたそうにしたけど
すぐ笑顔になって
- 52 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:54
-
「えー、鞘師の席は…」
「はいっ!せんせーここ!私の隣あいてます!」
すかさず香音が手を上げて叫ぶ。
周りからはずるいー!だの香音の隣だと給食取られるぞ!
などなど、たくさんのクレームが来ているが
香音は笑顔で手を挙げ続けている。
- 53 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:55
-
「…国語の授業でもそんくらい元気に手を上げてくれたら嬉しいんやけどなぁ」
とどめは光井先生からの愛のあるコメントをいただき、
里保の席は香音の隣に決まった。
- 54 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:55
-
「よろしくねー、里保ちゃん!」
「…よろしくお願いします」
テンションが高い香音とは対照的に、やはり頭を下げる里保。
転校生ってみんな大人しいよなぁ…
私も転校したら大人しくなるのかな?
そんなことを考えて、あり得ないなと、香音は思った。
- 55 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/09(月) 11:58
-
今日はここまでです。
>>41さま
ありがとうございます。
良かったら生田の恋を見守ってやって下さい。
- 56 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:03
-
高校生あたりは、習ったばかりの言葉を意味もよく知らず使いたがる
- 57 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:04
-
「イッテラッシャイマセ、聖お嬢様!」
お手伝いさんのジュンさんとリンさんに
見送られているのは
譜久村 聖 高校1年生
高校生とは思えない色気の持ち主だが、少し天然で
アイドル 果実工房の大ファン。
祖父が、大企業の社長であり
この辺じゃ有名なお嬢様である。
- 58 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:05
-
高校まで本当はお抱え運転手の吉澤さんが
送り迎えしてくれる予定だったが
学校までの道のりをゆっくり歩くほうが聖は好きなので
丁重にお断りしていた。
- 59 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:06
-
「…ちぇっ、送り迎えした後、サボれると思ったのに…」
「はいはい、そんなことだろーと思ったわよ!」
「痛いっ!冗談だよー利華ちゃん!」
断った時のメイドの石川さんと吉澤さんのやり取りを思い出して
思わず笑ってしまう。
- 60 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:06
-
「ふふっ」
「おはよー、聖ちゃん!朝からご機嫌だね!」
「あー、あゆみん!おはよー」
歩いていた聖の後ろから
自転車に乗った亜佑美が声をかけてきた。
高校に入って、同じクラスになり、仲よくなったのだ。
亜佑美は乗っていた自転車から降り
聖の歩く速さに合わせて、自転車を押す。
- 61 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:07
-
「聖ちゃんが歩きなんて意外だなー
てっきり、お車で登下校してるのかと思ってたよー」
「ううん、ゆっくり歩くのが好きだから断ったの」
「…冗談のつもりだったんだけどな」
- 62 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:07
-
「二人ともおはよー」
「あっ、はるなん!おはよー」
亜佑美が予想外の聖のお嬢様っぷりに
驚きを隠せずにいると
電車通学である、春菜が合流してきた。
?
- 63 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:09
-
「はるなん、聖ちゃんすごいんだよー!
お家にお抱えの運転手さんがいるんだって!」
まるで、自分のことのように、目をキラキラさせながら、話す亜佑美を
にこにこしながら春菜は聞いていた。
その横では、聖が手をブンブン振りながら
「いや、全然すごくないよ!!うちには、お手伝いさん5人しかいないからっ!」
「いやー、全然すごいよー、ねぇ?はるなん?」
「そうだねー、うちは3人しかいないからなぁ」
「………え?」
- 64 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:10
-
春菜の予想外の返答に亜佑美はフリーズした。
そんな亜佑美をよそに、聖と春菜はお嬢様トークに
花を咲かせている。
「パパがもう少しお手伝いさん雇うって言ってるんだけど
自分のためにならないから断ったの」
「わかるー、聖もお手伝いさんについ頼っちゃうからさー」
- 65 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:10
-
…これが、経済格差か…
亜佑美はこの前授業で習ったことを思い出し
涙目になりながら、自転車を押していた。
- 66 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/07/10(火) 23:11
-
今日はここまでです。
- 67 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/09/25(火) 01:30
- どぅーいし気になります!
楽しみに待ってますー
- 68 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/07(日) 20:40
-
H極とM極
- 69 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/07(日) 20:41
-
「ねー、くどぅーくどぅー!!」
「だーかーら、しつこい!」
「だって、くどぅーが教えてくれないんだもん!」
「だから、理由なんてないって!!」
あの走って帰った日以来、優樹は遥に付きまとって
どうして、突然帰ったのかと
めげずに同じ質問を繰り返している。
だけど、遥は答えない。いや、答えられないといった方が正しいのかもしれない。
遥自身も答えがよくわからないからだ。
- 70 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/07(日) 20:45
-
自分でもわからないことを、どうやってこの天然ポクポク娘に伝えればいいのだ?
そうモヤモヤしている遥は「理由なんてない」の一点張りを続けていた。
天然の優樹のことだ、すぐに忘れてくれるだろうと遥は思っていたが
「もぅ!くどぅのバカー!!!」
「…え?」
突然、優樹が怒り、すごい勢いで話し始めた。
- 71 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/07(日) 20:49
-
「まーちゃんもあゆみんもはるなんも皆心配してるんだよ!
理由、まーちゃんに言えなくても、二人にちゃんとごめんなさいして!」
「…!!…ごめん、なさい」
普段は、遥が優樹を引っ張っているが、たまに、本当にたまに
逆になる時がある。
しっかりしている遥が気付くことの方が多いが、
純粋な優樹だからこそ見つかるモノがある。
正反対の二人、だからこそ幼馴染の腐れ縁
- 72 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/07(日) 20:50
-
「…明日、亜佑美に謝りに行く」
「まーちゃんも一緒に行く!」
なんだこいつは
さっきまであんなに怒ってたのに
今はもうニコニコしている。
本当に、不思議な奴だな…
でも、優樹のおかげで大切なことに気づけたのは事実であり
素直じゃない遥は心の中でありがとうと言った。
- 73 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/07(日) 20:55
-
今日はここまでです。
更新頻度がまばらですが、
マイペースにやっていきたいと思います。
>>67さま
ありがとうございます。
更新は遅いですが
これからも工藤少年とあゆみんの恋を
見守ってやって下さい。
- 74 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:12
-
壁
- 75 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:12
-
「じゃー、新垣先生また明日―!!」
「はいはい、もう遅いから気を付けて帰るんだよ」
今日もいつも通り、新垣先生に日誌を届けて、ちょっとお話して
帰ろうと下駄箱へ向かって衣梨奈は歩いていた。
- 76 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:13
-
ん?なんか声がするっちゃね…
そこにいたのは、根も葉もない噂を広めたり、悪口を言う
お世辞にも好かれているとは言えないクラスメイトがいた。
その子たちの会話が聞こえ衣梨奈は動けなくなる。
- 77 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:14
-
「てかさー、えりぽんって、新垣先生のことマジで好きなのかな?」
「いや、先生だし、年も離れてるからあり得ないっしょー」
「だよねー、先生として好きなだけだよね」
「ってか、あの口うるさい新垣のどこがいいんだか」
「理解できないよねー」
- 78 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:15
-
そういって、笑いながら帰っていくクラスメイトの背中
衣梨奈はまるで金縛りにあったようにその場から動けない
…やっぱり、衣梨奈がおかしいとかいな
ずっと、心の底にあった思い
でも、気付いてしまうと、向き合ってしまうと、
衣梨奈はこの世界で何もできなくなってしまう。
- 79 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:15
-
ただ、呆然と突っ立っていた衣梨奈の耳に大好きな声が入ってくる。
「あれー、生田!何してんのもう…」
そういって衣梨奈の頭をポンポンしてくれる新垣先生
その手が、声色が、雰囲気が
優しすぎて、切なくて、痛くて、心地よくて
涙が溢れそうで
- 80 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:16
-
「あっ!ちょっ、生田!?」
気付いたら走りだしていた。
何で?
どうして、求めちゃいけないと
衣梨奈が1番大好きな人がくれる温もりを
壁が、壁が、壁が
今まで見ないふりをしていたのに
衣梨奈の足はある場所で止まる。
- 81 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/09(火) 19:17
-
今日はここまでです
なるべく早く更新できるよう、頑張ります。
あと、ガキさんごめんなさい…
- 82 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/16(火) 10:15
- 更新きててうれしいです!
個人的にJKトリオの話がツボでした。
庶民的な石田さんかわいいよ!
- 83 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:06
-
母親の言うことは聞きましょう
- 84 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:07
-
今日1日の授業が終了したことを告げるチャイムが鳴り響く
その音と同時に聖は教室から飛び出す
「じゃ、また明日ね!」
「えっ!聖ちゃん早いッ!」
驚く春菜を後にして、聖はいつもより速足で家へ向かう。
きーんようび♪あーしたはやーすーみ♪
大好きなアイドルの歌を口ずさみながら、聖は上機嫌で家に着いた。
- 85 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:08
-
「ただいまー!…ふふっ」
いつもなら、母親やお手伝いさんたちが
「おかえりなさーい」
と声をかけてくれるが、今日は誰の返事もない。
聖は嬉しくなって、自分の部屋へ駆け上がった。
- 86 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:09
-
実は、今日から聖の両親と、お手伝いさんたちは、
年に1度の慰安旅行に行っている。
今までなら、聖も一緒に行っていたのだが、もう高校生ということで
どうしても連れて行こうとする両親を押し切り
今回はお留守番となった。
- 87 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:10
-
「どれにしようかなー?」
大好きなアイドルたちのDVDを手に取りながら、
リビングへ向かう。
聖はDVDをリビングの大きいテレビで見たかったのだが、母親に怒られるので、いつも部屋で見ていた。
しかし、今日は怒る人は誰もいない。
ということで、
「第一回、フク祭り〜!」
一人でハイテンションで、DVDをセットする。
- 88 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:11
-
「あ、制服のままだった…ま、いいか!」
いつもなら、母親に
制服をかけなさい!
と、怒られるところだが、今日くらいは…いいよね?
- 89 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:12
-
さぁ、始まる!って時に
ピンポーン!
インターホンが鳴り響く。
まぁ、誰かが出るだろうと聖はスルーしていたが
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
鳴り止まないインターホン。
そこで家に誰もいないことを思い出し、渋々聖は立ち上がり
玄関へと向かう。
- 90 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:13
-
「はーい、…って、えりぽん!?」
「みーーーずーーーきーーー」
玄関を開けると、思いっきり衣梨奈が抱き着いてきた。
聖と衣梨奈は家も近く幼馴染だったが、聖が高校に入学してからは会う機会が減っていた。
それでも、大体は衣梨奈からだが、メールはよくしていた。
- 91 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:14
-
「ちょ、どうしたのえりぽん?」
「にーがきせんせいがぁーーーー」
抱き着いている衣梨奈の背中をさするが、離れる気配も、泣き止む気配もないので、
とりあえず家の中に入れることにした。
- 92 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:18
-
**************
*******************************
「どう?落ち着いた?」
「…うん。急に来ちゃってごめんね」
部屋に入り、ひとしきり泣いた後、衣梨奈はやっと聖から離れた。
そして、ぽつり、ぽつりと衣梨奈が話始める。
新垣先生のこと、クラスの子の陰口のこと、今までずっと不安だったこと
聖も新垣先生のことは、衣梨奈からのメールで知っていた。
でも、メールだと、今日お菓子もらったとか、先生のおっちょこちょいな話とかばっかりで
先生とは仲良しで、衣梨奈は何にも迷いがなく生活していると思っていたのに
- 93 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:19
-
「…えりぽんも悩むことってあるんだねー」
「なんそれー、衣梨奈にも悩みはあるったい」
話して、すこし落ち着いたのか、衣梨奈にも笑顔が見られる。
「でも、聖はえりぽんが好きならそれでいいと思う。
他の人がなんて言おうと新垣先生が好きなんでしょ?」
「うん!新垣先生を世界一好いとー!」
「うん、その気持ちが1番大切だと思うよ」
そういって、聖が笑うと衣梨奈もつられて笑う。
- 94 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:20
-
「今日は本当にありがとう!聖に聞いてもらったけん、楽になったと」
「いえいえ、またなんかあったらいつでも相談のるからね」
そういって衣梨奈を送りだした後、聖はふと鏡を見ると
制服の肩の部分が白くなっていた。
- 95 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:20
-
「あーーー!!!やば!」
衣梨奈が肩で大泣きしたので、涙やら鼻水やらで汚れてしまっていた。
急いで、制服を脱ぎタオルで拭き始める。
やっぱり、お母さんの言うことはちゃんと聞こう…
そう心に誓った聖であった。
- 96 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/20(土) 18:22
-
今日はここまでです。
>>82様
ありがとうございます。
私もあゆみんが古い携帯をずっと使っていたことに
キュンときてしまい、今回こうなりましたw
- 97 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/10/31(水) 12:54
- 生ガキとどぅーいしが好物なんで素敵なスレを発見出来てうれしいです!
これからどの様な感じに絡んで行くのかとても楽しみです。
- 98 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:40
-
広島プリンタワー
- 99 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:41
-
「里保ちゃん、おはよう!」
「あ…おはよう」
里保が転校してきてからもうすぐ1カ月が経とうとしている。
香音は毎日里保に話しかけるが、どうやら里保は人見知りらしく
「里保ちゃん、好きな動物は?」
「…ハムスター」
「好きな飲み物は?」
「サイダー」
と、必要最小限の答えしか返ってこない。
それでも、香音は毎日、毎日笑顔で話しかけていた。
- 100 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:43
-
そんな日々が続いたある日
「今日の給食、プリンだー!!」
「やったーーー!」
香音のクラスの誰かがそう叫んだ瞬間、クラスが一斉に沸く。
「里保ちゃん、プリンだって!!やったね!」
と、香音が言うと里保は嬉しそうにうなづく。
お、里保ちゃんはプリンも好きなんだな
また、ひとつ里保のことがわかった気がして香音は嬉しくなった。
- 101 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:44
-
**************
「いただきまーす!」
いよいよ、待ちに待った給食の時間
今日は休みがいないから、プリンじゃんけんもないなーと
香音はがっかりしていた。
横にいる里保を見るとがっかりした様子もなく、黙々と給食を食べている。
香音は何となく話しかけてみる。
- 102 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:44
-
「ねー、里保ちゃんって誕生日いつなの?」
「…5月」
「えっ?今月じゃん!日にちは?」
「………28日」
「えーーーーーー!!!今日じゃん!」
つい、大きい声が出でしまい、クラスメイトの注目が集まる。
恥ずかしくて顔を赤くしている里保の隣で香音はクラスに呼びかける。
- 103 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:45
-
「今日里保ちゃん、誕生日なんだって!!」
「まじかー!おめでとう!」
「里保ちゃん、おめでとう!」
「早く言ってよー」
色々と声をかけながら、里保の周りにクラスメイトが集まってくる。
そして、里保の机の上にプリンを置いていく。
気付いたら、クラス全員分のプリンが里保の机の上に集まり、タワーを作っていた。
- 104 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:46
-
「ハッピバースデイ ディア 里保ちゃん〜♪」
呆然としている里保を囲みながら、クラスメイトが合唱を始める。
「…みんな、ありがとう。すごく嬉しいです」
そういって、笑顔で頭を下げる里保。
クラスメイトは初めて見る里保の笑顔を見て、さらに笑顔になる。
- 105 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:47
-
「ほらー、一応まだ給食の時間やから席付けー」
光井先生の一声でみんな着席したが、もちろん光井先生のプリンもプリンタワーの一部である。
- 106 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:49
-
「…香音ちゃん、本当にありがとう」
席に着いたら、里保のお礼と言われた。
里保から話しかけられたのも初めてだし、
何より初めて「香音ちゃん」と呼ばれたことに気づいて、香音は心の底から嬉しくなった。
- 107 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:50
-
「でも、こんなにプリンは食べられないなー」
そう、嬉しそうにつぶやく里保に、香音はひっそりと耳打ちする。
「大丈夫、私がこっそり手伝ってあげるから」
- 108 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 11:52
-
今日はここまでです。
時期が大幅にずれていて申し訳ないです。
>>97様
ありがとうございます。
これからどんどん関係が動いていくのでよろしくお願いします。
- 109 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/10(土) 19:02
- おお!来てたー!
りほかの可愛いー!!
- 110 名前:age 投稿日:2012/12/02(日) 15:21
-
変わるもの 変わらないもの
- 111 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:23
-
「まーちゃん!ちょっと待ってよ!」
「えー、まーちゃん、早くあゆみんに会いたいんだもん!」
亜佑美に謝りに行くと決めた遥だったが
普段から素直じゃない遥はなかなか足が進まない。
そんな遥とは対称的に亜佑美の家に向かって走っていく優樹。
- 112 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:24
-
「着いた――――!」
「ま、待って!まだインターフォンは押さないで!」
少し上がっている息を整えながら、遥は考える。
とりあえず、あゆみがでできたらでてきたら、なんて言ったらいいんだ?
この前はいきなり帰ってごめんか?でも、理由聞かれても困るし…
ってか、まず素直に謝れるかな?
あーーー、どうすればいいんだよ!
- 113 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:25
-
ピンポーン!
「まーちゃんです!あゆみん遊びに来たよ!」
「…おいっ!何やってんの!?まだ心の準備が…」
必死に悩んでいる遥の気持ちを知ってか知らずか、優樹はインターフォンを押してしまった。
慌てている遥とニコニコな優樹、そんな二人にインターフォンから亜佑美の声が届く。
- 114 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:26
-
「えっ?急にどうしたの?
…今、私変な恰好なんだけど…」
「あゆみん!どんなの着ててもいいからあーけーて!」
「…えー、しかたないな…、今開けるね」
そんな会話をよそに、遥の心拍数はどんどん上がっている。
- 115 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:27
-
大丈夫だ…落ち着けハル…
とりあえず、あゆみが出てきたら謝ろう…
ガチャ…
石田家の玄関が開いて、亜佑美が出てくる
- 116 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:28
-
「あっ、あゆみ!この前はごめ…って、アハハハハハ!」
「ちょ、くどぅ!変な恰好って言ったじゃん!」
「ひひっ、あゆみん可愛いよー!」
出てきた亜佑美はスイカ柄のパジャマで、思わす遥と優樹は吹き出してしまった。
- 117 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:29
-
「ハハハッ!ごめん、ごめん…
でも、そのパジャマ、ハル達が小学生の時から着てるよね?」
「…そうだけど。お気に入りなんですー!」
「じゃあ、あゆみんは、中学校から大きくなってないってこと?」
「えっ?ち、ちょっとは伸びてるよ、きっと」
優樹の発言に、亜佑美は焦りながら言い訳をする。
その姿を見て、遥は涙が出そうになるほど笑う。
- 118 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:31
-
…何にも、変わってないんだな
ブレザーを着て大人っぽくなっても
新しい友達が出来ても
あゆみはあゆみなんだよな
そう気付いた遥は、一人で焦っていた自分がバカバカしくなってきた。
- 119 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:31
- 「で、二人は何しにきたの?」
まだ、笑っている二人に、顔を赤くした亜佑美が聞く。
遥は、また笑いが込み上げてきてしまうので
スイカパジャマを見ないようにしながら
「あー、この前は…」
- 120 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/02(日) 15:33
-
またまた、空いてしまってすみません
そして、物持ちのいいあゆみんが好きなんです。
〉〉109様
ありがとうございます。
りほかのは癒しです。
- 121 名前:石川県民 投稿日:2012/12/02(日) 20:38
- 初レスさせていただきます。
やばい。 おもしろい。
最近Q期と天気組の魅力に気づき、このスレッドで開花しました。
まーちゃんが可愛すぎます…。
次回更新を楽しみにしています。
- 122 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/05(水) 19:01
-
見てるよ
- 123 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/05(水) 19:02
-
「にーがき先生―!今日も日誌持ってきましたー」
「はいはい、ご苦労様」
あの日からも衣梨奈の日課は変わらず、毎日日誌を届けている。
陰口を叩いていた子たちはまだ言ってるようだけど
新垣先生のことは諦められんし
衣梨奈のことは聖がわかってくれとーし
…理解者がいるだけで、こんなに心強いっちゃね
- 124 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/05(水) 19:03
-
そんなことを考えながら、日誌を手渡す。
ニコニコの衣梨奈に新垣先生はくすっと笑う。
「生田、なんかいいことあったの?」
「えっ?わかります?」
「めっちゃ、顔にでてるよ?」
- 125 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/05(水) 19:03
-
そういって、新垣先生は優しく笑う。
衣梨奈の大好きな笑顔だ…なんて思っていると
「…この前、泣いてたでしょ?だから、なんかあったのかなーって気になってたんだよ」
「えっ?先生、衣梨奈が泣いてるの気付いてたんですか!?」
「そりゃー、先生だもん、気付きますよ」
- 126 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/05(水) 19:04
-
そう言って得意げな新垣先生。
衣梨奈のこと、ちゃんと見ててくれて、しかも心配しててくれたなんて…
「もう、先生大好き!!!」
「はいはい、職員室では静かにしてください」
- 127 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/05(水) 19:08
-
今日はここまでです。
なんとか、2月の試験前には完結させたいので
頑張ります。
石川県民様
感想ありがとうございます。
まさか、あの石川県民様からレスを頂けるなんて…
嬉しすぎます。
ありがとうございました。
あと、ご結婚おめでとうございます!
- 128 名前:石川県民 投稿日:2012/12/06(木) 20:43
- 更新お疲れ様です!
もう新生可愛いなあ! 聖の支えもしっかりしてますし!
試験は大変でしょうが、頑張ってください! 応援してます!
あと、空気クラッシャーで申し訳ありませんが離婚しました☆14ヶ月の短い結婚生活でした♪ わっはっは♪
- 129 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:26
-
恋人たちの罠〜前編〜
- 130 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:26
-
「おー、ガキさん張り切っているちゃねー!」
「まぁねー、せっかくの授業参観だからみんなに楽しんでもらわないと!」
もうすぐ、中学校では授業参観が行われる。
その準備に里沙やれいな、愛佳を初めとした先生たちは毎日残業して、教材を作っている。
- 131 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:28
-
「田中さんのクラスも面白そうですね」
「愛佳の教材もめっちゃきれいとよ」
「来週の水曜日が楽しみだー!」
授業参観は先生たちにとっては、緊張する反面、普段とは少し工夫している授業ができ
生徒たちの新たな面が見れるのでとても楽しみな行事の一つだった。
- 132 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:29
-
***********
「ただいまー」
「おー、おかえり里沙ちゃん!今日も残業お疲れさまー!」
残業を終えて、帰宅すると恋人で同棲している愛がご飯を作って待っていた。
愛とはもう10年くらいの付き合いになるため、何にも気を使わず
そして、何にも言わなくても、最近、里沙が疲れていることを察知して、ご飯などの家事を率先してやっていてくれるので、里沙は感謝していた。
- 133 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:30
-
「最近、忙しそうやねー」
「もうすぐ、授業…、い、いや、テ、テストがあるから!」
「そうか、テストかー。
受ける方も大変やけど、作る方も大変やもんね」
「う、うん、そうなんだ!」
危ない、危ない…
うっかり、授業参観なんて言ってしまったら、愛はきっと見に来るだろう
先生の授業参観なんて、前代未聞なのだ!
- 134 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:30
-
「じゃ、お風呂入ってくるね!」
「おー」
このままだと、うっかり口を滑らせてしまいそうになるため、里沙は慌てて浴室に向かった。
- 135 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:31
-
*************
「ただいま…よし、まだ帰ってきてへんな…」
残業をおえた愛佳が帰宅すると、部屋には誰もいなかった。
愛佳はプリントを一枚カバンから取り出し、ぐしゃぐしゃに丸めて捨てた。
「これで、大丈夫やろ」
そうつぶやき、キッチンへと向かった。
- 136 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:32
-
************
「ただい…」
「れーなぁ!おかえりー!」
残業を終えて、れいなが帰宅すると、恋人の絵里が抱き着いてきた。
- 137 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:34
-
「最近、帰りが遅くない?絵里、心配しちゃったよー」
そういってくっついてくる絵里の頭をなでながら、れいなは頭を下げる。
「心配かけて、ごめん
来週、授業参観があるけん、色々作るものが多いから、残業せないかんとよ」
「あんまり遅いと、絵里ちゃん、すねちゃうぞー」
「…授業参観が終わったら、残業なくなるからそれまでの我慢やけん、怒らんで?」
「…えへへ、嘘だよー!頑張ってね、れいな先生っ!」
アヒル口をさらに尖らせて拗ねたと思ったら、すぐ笑顔になって
絵里はれいなのほほにキスをした。
付き合って結構経つが、れいなはいまだにドキドキしてしまう。
- 138 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:35
-
「先にお風呂はいちゃいなよ?ご飯作るからさー」
「ありがと、そうすると」
「ん?なんだこれ?……うへへ、いーこと思いついた」
れいながお風呂にはいった後、プリントが一枚落ちていた。
絵里はそのプリントを見ながら、携帯電話を手に取る。
「あ、もしもし愛ちゃん?来週の水曜日空いてる?」
- 139 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 20:39
-
今日はここまでです。
石川県民様
温かいレスありがとうございます。
新生かと思いきや、裏切ってすみません。
しかし、新生はまだ絡むのでよろしければこれからもよろしくお願いします。
そして、まさか離婚なされてるとは知らず…
大変失礼致しましたm(_ _)m
不快な思いさせてしまったら申し訳ございません。
- 140 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/12/09(日) 23:55
- そっちからきたかー(笑)
先生トリオの当日が楽しみですw
- 141 名前:石川県民 投稿日:2012/12/29(土) 21:29
- 更新お疲れ様です。
自スレでも書きましたが、今が幸せなのでお気になさらないでください。
こちらこそ作者サマをご不快にさせて申し訳ございませんでした。
先生トリオにわっくわっくさせていただきます!
- 142 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:19
-
恋人たちの罠〜後編〜
- 143 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:19
-
「はい、じゃあーアメリカの首都はどこかなー?」
「はい!はい!せんせー、衣梨奈が答えたい!」
「じゃあ、生田!」
「ジュマペール!」
「どこにあるんだよ!」
今日はいよいよ授業参観当日。
里沙のクラスは世界の首都当てクイズを行っていた。
いつもの教科書を使った授業ではなく、クイズ形式にすることで
普段は居眠りをしそうになる生徒たちも楽しんでいるようだった。
衣梨奈に限ってはいつもとかわりないのだか
- 144 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:20
-
よーし、いつもよりみんな頑張っているのだ
里沙もいきいきとしている生徒たちを見て、自然と頬が緩む
「よーし、じゃあ次は………っぇえ!?」
張り切って次のクイズを出そうとした時、教室に入ってきたある人物を見つけ、里沙は動揺を隠せなかった。
- 145 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:21
-
「せんせー、どうしたの?」
そんな里沙を見て、生徒たちは不思議そうに声をかける。
その声で、はっと里沙は我に返る。
はっ!教育者としてこんなことで動揺してはいけないのだ…
「な、なんでもないのだ!じゃ、じゃあ次のクイズは…チャンポンチャンはどこにあるでしょうか?」
「………チャンポンチャンですか?」
- 146 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:22
-
あまりに動揺してしまった里沙は、存在しない国の名前を出してしまった。
生徒も保護者も一度はあっけにとられたが、クラス全体が笑いに包まれる。
やってしまったのだ…
内心落ち込んでいる里沙は、保護者に混じって一番爆笑している愛を睨んだ。
- 147 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:23
- *******************
「はぁ…散々だったのだ…」
無事?授業参観が終わり、里沙は肩を落としながら職員室に向かっていた。
すると、目の前に同じ格好をして歩くれいなを見つけ声をかける。
「たなかっち…お疲れ様」
「あ…ガキさん…お疲れ様です」
2人で顔を合わせると、同じタイミングでため息が出てきた。
「もしや、たなかっちも…来たの?」
「え…ガキさんも来たと?」
その言葉だけでお互いに起こったことを理解した二人は、ぶつぶつと呟きだす。
- 148 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:24
-
「愛ちゃんが来てからは、意味わかんない国ばっかり作っちゃてさ…ほんとにどうしようかと思ったよ…」
「絵里がなんか…授業中に投げキッスとかしてくるから、足し算間違えてめっちゃ恥かいたと…」
無意識に肩を組んで、とぼとぼと昇降口を歩く2人の後ろから、誰かが飛びついてきた。
- 149 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:25
-
「お・ふ・た・り・さ・ん♪」
「うぉっ!なんだみっつぃーか…」
「愛佳、何でそんなにご機嫌なんよ?」
意味深にニヤニヤした愛佳が、2人の前にプリントと差し出す。
それを見た二人は慌てて、愛佳から奪い取る。
「お二人さん、公私混同はいけませんなぁ〜」
- 150 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:26
-
そう言ってさらにニヤニヤする愛佳の横で、さらに深いため息をついている里沙とれいな。
その手には、授業参観の名簿が握られていて、そこには
3年 新垣クラス ai?
1年 田中クラス←絵里の?
- 151 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:27
-
見事に彼女たちがいた痕跡という名の落書きが残されていた。
里沙とれいなは呆然として言葉が出てこない。
「ビックリしましたよー、うちが名簿回収してたら書いてあったんですもん」
「とりあえず、生徒に見られてないことを祈るしかないっちゃね…」
「そうだね…ってあれ?みっつぃーのは来なかったの?」
- 152 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:27
-
ふと、里沙が思いつき、愛佳に問いかけると、愛佳はニコニコしながら
「あっちは仕事なんですよ。まぁ、それ以前にうちは公私混同はせえへ…」
「みっつぃーーーーーーーーーーーーーーー!!」
突然、昇降口に甲高い声が響き渡る。
聞き覚えのある声に、3人は顔を見合わせる。
- 153 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:28
-
「こ、小春!?」
「あ!みっつぃー発見!そしてにーがきさんと田中さんも発見☆カナ」
「何でここにおんねん!ってか仕事は?」
「なんでって…今日授業参観だから見に来た!仕事は終わったよー!」
突如現れた小春に、3人は驚きを隠せず、呆然としているが、当の本人は気にせずヘラヘラしている。
すると、我に返った愛佳の突っ込みが入り、小春と漫才みたいなやり取りが始まってしまっていた。
- 154 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:29
-
「ってか、何で授業参観があること知ってんねん!!」
「いやー、亀井さんから電話あって今日暇か聞かれたんだけど、仕事ですって言ったら
『そっかぁ…じゃあ、愛佳のごみ箱見てみな?きっと面白いもの入ってるからさ〜』
って言われて、ごみ箱見たらこのプリントがあってさー」
そういいながら小春はバックからクシャクシャにしたはずのプリントを取り出す。
一応A型の小春だからか、そのプリントが大切なのか
ご丁寧にアイロンがかかっていて、きれいになっている。
- 155 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:31
-
「…亀井さん、ほんっとに変なとこ鋭いんやからなぁ…」
呆れたような、そしてどこか諦めた表情で愛佳は肩を落とす。
小春はまたプリントをきれいにたたみ、愛佳に笑顔で話しかける。
- 156 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:32
-
「みっつぃー、ダメだよ、こういうプリントは保護者にちゃんと見せなきゃ〜」
「誰が保護者やねん!ってか、人のごみ箱あさるな、ボケェ!」
「で、どこで授業参観やってるの?」
「どこの世界にこの時間から授業参観やる学校があんねん!もうとっくに終わったわ!」
「えー、残念だなー、光井先生見たかったのにー」
「ってか、何でご丁寧にプリントにアイロンかけてんのや!こないだ自分のシャツくらい自分でアイロンかけろって言うたのに、アイロンの使い方がわかんないっていってのはどこのどいつや!」
「アイロンの使い方はね…ググった!すごいでしょ」
「ドヤ顔で言うことちゃうわ!こないだググれや!」
- 157 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:32
- 動揺のあまり話の論点がずれ始めていることに気づいていない愛佳とそんな愛佳の前でもマイペースでヘラヘラしている小春。
そんな二人を見ながら、里沙とれいなはにやにやしながら口を揃えて愛佳に言った。
「あれー、光井先生、公私混同ってどういう意味でしたっけ?」
- 158 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/05(土) 21:38
-
今日はここまでです。
皆様、明けましておめでとうございます。
>>140様
コメントありがとうございます。
こっちからきちゃいましたw
プラチナ大好きなんで書いてて楽しかったです。
>>141 石川県民様
こちらこそすみませんでした。
今が幸せなら何よりです!
そして、先生トリオこんなオチですみませんw
そして、>>150の「ai」と「絵里の」の横の?はハートだと思ってください。
記号で打ったらダメでした。(当たり前)
- 159 名前:石川県民 投稿日:2013/01/26(土) 03:43
- 更新お疲れ様です。
三井先生、公私混同いいじゃないですか!
先生方のドタバタもたいへん面白く読ませていただきました♪
幻のチャンポンチャンを探したくなりました。
次回更新を楽しみにしてます。
- 160 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/02/24(日) 20:43
-
そうだ!キャンプに行こう!〜高校生編〜
- 161 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/02/24(日) 20:44
-
5月6月もあっという間にすぎ、7月の半ば
長い集会を終えて、亜佑美が叫ぶ。
「あーー!やっと明日から夏休みだーーー!」
「やっと、夏休みだねー」
「ねぇ、ちょっと二人に相談があるんだけど…」
下敷きでパタパタ扇いでいる亜佑美とそれをにこにこしながら見ている春菜に聖が声をかける。
「ん?どうしたの?」
「あのさ、夏休みキャンプに行かない?」
「キャンプ!?」
予想外の聖の提案に亜佑美と春菜は身を乗り出す。
- 162 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/02/24(日) 20:46
-
「実はね、おじいちゃんが今度キャンプ場を経営するらしいんだけど、そのモニターになって欲しいんだ」
「へぇー、聖ちゃんのおじいちゃんキャンプ場で働くの?」
「違うよーあゆみん。聖ちゃんのおじいちゃんは経営者だから、社長だよ、社長」
「ええええええー!!聖ちゃんのおじいちゃん社長なの!?」
「まだキャンプ場は違うけど、なんかいろいろやってるみたい。聖はよくわかんないけど…」
道理で、聖ちゃん家はお手伝いさんがいる訳だ。
社長なんて、幻の職業だと思っていた亜佑美は開いた口が塞がらない。
- 163 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/02/24(日) 20:46
-
そんな亜佑美をよそに、聖と春菜はキャンプの日程を決めていく。
「モニターは8月の頭ぐらいがいいんだけど…」
「じゃあ、この4日と5日は?」
「うん!そうしようか!…って、亜佑美ちゃん大丈夫?」
「あ、う、うん大丈夫、大丈夫!」
何とか、口を閉じて亜佑美は返事をする。
やったー、決まり♪
なんて、言いながら手帳に予定を書き込んでいく。
- 164 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/02/24(日) 20:47
-
その時に聖が思い出したように、二人に話しかける。
「あ、そうだ。モニターは色んな年代層が必要なんだって。
亜佑美ちゃんかはるなんの知り合いに一緒に行けそうな中学生いない?」
その聖の提案に亜佑美はあの悪ガキ2人の顔が思い浮かぶ。
同時に春菜も浮かんだらしく、目があって吹き出す。
「えっ?どうしたの2人とも?」
「なんでもないよ!聖ちゃん
…ものすごく元気な中学生でも大丈夫?」
- 165 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/02/24(日) 20:52
-
今日はここまでです。
かなり期間が空いてしまい、申し訳ないです。
>>159 石川県民様
お返事遅くなってしまい、すみません。
実は結構こはみつ好きでしたw
チャンポンチャンとか、ガキさんは天才だと思います。
…色んな意味でw
- 166 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:45
-
そうだ!キャンプに行こう!〜生田編〜
- 167 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:46
-
「せんせー!!夏休みいらないとーーー!」
「はいはい、じゃあ生田は一人で学校来て自習ね」
「えっ!?新垣先生も来てくれると?」
「そんなわけないでしょ!生田は夏休みいらなくても私は欲しいの」
「そんなーーー!新垣先生に1か月会えなかったら、衣梨奈干からびるっちゃー!」
「干からびてもいいけど、宿題はちゃんとやってきてねー」
世間の学生にとっては嬉しいはずの夏休み。
しかし、衣梨奈にとって新垣先生に会えない日が1か月以上会えないとか、絶望にしか感じられなかった。
- 168 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:47
-
今学期最後の日誌を届けて、いつも通り先生とお話しして、夏休みいらないと職員室で粘ってたら、軽くあしらわれてしまった。
「衣梨奈は本気だったのに…」
「何が本気なの?」
「うわっ!!…なんだ、聖かー、ビックリしたとよ」
そういってとぼとぼ歩いていると、後ろからいきなり聖に声をかけられた。
どうやら聖も学校帰りらしい。
- 169 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:48
-
「えりぽん、元気ないねー」
「明日から新垣先生に会えないと思うと…」
「そっか。夏休みだもんね」
そういって肩を落とす衣梨奈。
そんな衣梨奈を元気づけようと、聖は衣梨奈の肩を抱きながら
「少女よ、青春じゃの〜」
「なん、そのキャラ」
「そんな青春まっさかりのえりぽん、さらに青春したくないかい?」
「…絡みづらいっちゃ」
「まぁ、少なくともえりぽんよりは絡みづらくないけどね」
「急に戻らんでよ」
「で!本題!夏休みキャンプに行かない?」
「キャンプ?」
「そう!えりぽんが好きなバーベキューもやるよ!」
「えっ?お肉?行く行く!!」
そういって、目をキラキラ輝かせる衣梨奈。
幼馴染の聖には衣梨奈の喜ぶことは、大体理解している。
- 170 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:49
-
「やっつー!バーベキュー!」
「ふふっ、えりぽんが元気になってよかった」
「ありがとー聖!楽しみができたと!」
「どういたしまして」
そのまま、二人で他愛もない話をしながら帰り道を歩く。
そして、二人の分かれ道につきそうな頃
- 171 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:50
-
「あ、そういえば…」
「ん?」
「聖、シャンプー変えたやろ?」
「えっ!?な、なんで?」
「こないだ聖んち行った時と匂いが変わってたから」
「…えりぽんの変態!」
「なっ!誤解っちゃ!」
予想外の衣梨奈の言葉に、自分でもわかるくらい赤面する聖。
そんな聖の気持ちを知ってか知らずか、衣梨奈は満面の笑みで
「でも、衣梨奈はこっちの方が好きとー」
なんて、平気で言ってのけるから、さらに聖の顔は赤く染まる。
そんな聖とは対照的に衣梨奈はヘラヘラと歩いている。
「じゃ、またねー!聖!」
「…ばいばい」
そういって、歩いていく衣梨奈の後ろ姿を見ながら、聖はよくわからない胸のドキドキと闘っていた。
- 172 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/01(金) 22:52
-
今日はここまでです。
そして、こんな時期外れのお話ですみません。
- 173 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/12(火) 16:32
-
そうだ!キャンプに行こう!〜香音編〜
- 174 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/12(火) 16:32
-
「さて…どうしようかな?」
香音はクラスメイトを見渡して悩んでいた。
その理由は昨日、香音のもとに届いた幼馴染の衣梨奈からメール。
―香音ちゃん!キャンプに行かない?―
―キャンプ!?行きたい!誰と行くの?―
―衣梨奈もよくわからんちゃけど、聖とか―
―わかんないのかよ!(笑)でも、行きたい!―
―わかった!聖に言っとくね!あと、誘いたい人いたら誘っていいって!―
―了解!またメールするね!―
- 175 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/12(火) 16:33
-
そうは言ったものの、香音はクラス全員と仲が良い。
だからといって、クラス全員とキャンプに行くわけにはいかない。
誰とでも仲よくなれるのは香音の特技だが、こういう時少し困ってしまう。
まぁ…そしたら無理に呼ばなくてもいいか…あっ!
そう思い始めた時、香音は突然ひらめき、ある子に近づいていく。
その先には休み時間なのに一人で本を読んでいる少女。
- 176 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/12(火) 16:35
-
「ねー!里保ちゃん!」
「…香音ちゃん、どうしたの?」
「夏休み、キャンプに行かない?」
「キャンプ?」
「そう!色んな人が来るんだけど…」
「そうなんだ…」
そう伝えると、里保は考え込むような仕草をする。
この前のプリンの件以来、少しは心を開いた里保だったが、それでも香音の知らないことの方が多い。
一緒にキャンプにいければ、仲よくなれると思った香音だが里保の考え込む姿に
悪いことしちゃったかなーと罪悪感が芽生え始める。
- 177 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/12(火) 16:36
-
「あっ、全然断っても大丈夫だよ?」
「…行ってみようかな」
「そうだよね、里保ちゃんキャンプとかしてるイメージ無い…って、行くって言った!?」
「う、うん。香音ちゃんが行くなら行ってみる」
「…里保ちゃん」
そういってはにかむ里保を見て、勇気を出してよかったと香音は心から思った。
「じゃあ、詳しいことはメールするね!」
「あ…待って!私、香音ちゃんのアドレス知らないよ?」
「…あれ?そうだっけ?」
そういって、二人で同時に吹き出す。
あぁ、キャンプでもっと仲良くなれたらいいなと香音は笑い声の中でそう思った。
- 178 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/03/12(火) 16:38
-
今日はここまでです。
なかなかキャンプに行きませんが、もう少しお付き合いして下さると幸いです。
- 179 名前:名無飼育さん 投稿日:2014/04/20(日) 20:40
- キャンプまだー?
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