ファンタジー・スター
1 名前:桜娘 投稿日:2004/02/10(火) 03:54

初めまして、桜娘(さくらこ)と申します。
みなさんのを読んでいて、私も書きたくなりました。
初心者なので誤字脱字もあるかもしれませんが、
暖かく見逃してください。
2 名前:プロローグ 投稿日:2004/02/10(火) 04:24

試合終了!第86回全国高校サッカー選手権大会優勝は、
東京都代表、東帝高校に決定しました〜!
・・・・・・・・・・

「やったれす、優勝れすよ!ごっちん♪」
「んあ〜、ごとーはもう疲れたよ。早く休みたい・・・・・」
「何言ってるれすか!ごっちんはキャップれすから、しばらくは忙しいれすよ!」
「えぇ〜、めんどくさいよ〜!!」
その時後ろから、

「何言ってんのよ、優勝しといてさ〜!」
後藤と辻が声のした方を見ると、決勝の相手だった北海道代表、室蘭小山高校の藤本と紺野が近づいてきた。
「あっ、みきてぃーとこんちゃんれす」
「とりあえず、優勝おめでとう!少しは喜んだら?ごっちん!」
そう言って2人が握手をすると、涙目の紺野が、
「悔しいですが、完璧に力負けです。2人のおかげで、私たち全然仕事ができなかったです・・・」
3 名前:プロローグ 投稿日:2004/02/10(火) 04:41

藤本は落ち込んでいる紺野の肩を強く叩くと、
「しょ〜がないじゃん!負けは負けなんだからさ・・・ 
でも、リベンジするチャンスはこれからいくらでもあるよ!サッカーを続けてる限りね」
紺野は大きくうなずいて、
「はい!私これからも、もっともっとガンバリます!」

「でも・・・」
「どうしたの?ごっちん」
「それよりさ〜、もうすぐワールドユースだよ。 私たち4人は確実に選ばれるじゃん!
 そ〜したら一緒のチームになるよ。そっちの方が楽しみだよ♪」
「そっか!ワールドユースか〜、楽しみだね♪」
後藤と藤本が話していると辻が、
「あとは誰が入ってくるれすかね〜?」
「そうですね〜・・・角岡の高橋愛、それに奈良育成の加護亜依は入ってくるでしょう!」
紺野が自信満々言うと、後藤が、
「後は、武西の吉澤ひとみ。彼女も確実に選ばれるよ!」
4 名前:プロローグ 投稿日:2004/02/10(火) 05:04

後藤が嬉しそうに言うと、紺野も、
「そうですね。吉澤さんは大会NO,1GKに間違いありませんから・・・
 東帝と武西の試合を見た人は誰もがそう言うでしょう!」

後藤たち東帝は準々決勝で吉澤のいる埼玉県代表、武西高校と対戦した。
試合は0ー0のままPK戦までもつれ込んだ。吉澤は辻と後藤にゴールをゆるすも、
他のシュートは全て防いだ。結果は2ー1でギリギリ勝てた試合であった。
試合終了後インタビューされた後藤は、「運がよかった」と言うとロッカーに下がって行った。
そのコメントが吉澤の評価を一気に上げたのだ。

「あ〜、ワールドユースが待ちどうしいれすね♪」
辻が言うと3人が大きくうなずいた。その時後ろから、
「美貴、あさ美、行くよ!」
そこに立っていたのは室蘭小山高校、主将の飯田である。
「藤本さん、早くしないと怒られますよ!」
「やべっ、それじゃ〜ごっちん、のの、またね〜!」
2人は走って戻って行った。
「さてと、うちらも戻るか〜!」
後藤と辻はロッカールームに戻って行った。こうして選手権大会の幕は閉じた。

その一週間後、ワールドユース日本代表メンバーが発表された。
5 名前:プロローグ 投稿日:2004/02/10(火) 05:21

ワールドユース日本代表メンバー

GK吉 澤(武西高校)
  ミ カ(東帝高校)

DF亀 井(東帝高校)   田 中(福岡北高校)
  安 倍(室蘭小山高校) 高 橋(角岡高校)
  美 海(室蘭小山高校) 小 川(新潟光訓)
  石 川(桐陽学園)   アヤカ(滝山第二高校)

MF後 藤(東帝高校)   柴 田(桐陽学園)
   辻 (東帝高校)   新 垣(桐陽学園)
  藤 本(室蘭小山高校) 加 護(奈良育成高校)
  紺 野(室蘭小山高校) 道 重(多田良学園)

FW飯 田(室蘭小山高校) 矢 口(桐陽学園)
  里 田(室蘭小山高校) 松 浦(滝山第二高校) 
6 名前:桜娘 投稿日:2004/02/10(火) 05:24

今日はとりあえず、ここまでです。
何か感想等があればお待ちしてます。
7 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/11(水) 00:33

「え〜、俺が監督のつんくや!ヨロシク頼むわ〜、あとこっちにおるのが、
 ディフェンスコーチの中澤、それにオフェンスコーチの平家、あとチームDrの保田や!」
紹介された3人は軽く頭を下げると、「よろしく!」と元気よく言った。
「よし!とりあえず全員着替えてグランド集合や!3分で準備せ〜よ」
つんくはそう言うと、コーチ達と共に部屋を出て行った。

全員は急いで着替えてグランドに向かった。
グランドにはすでに、つんくが腕を組んで立っていた。つんくはチラッと腕時計を見ると、
「お前ら、2分遅刻や!グランド10周してこい!!」
突然のことに全員がザワザワしていると、
「ブツブツ言っとらんで、とっとと走って来い!」
全員は仕方なく10周走ると、またつんくの前に集合した。

「え〜か!ここでは時間厳守や、遅れたら罰を与える。しかも、
 連帯責任になるから、全員気をつける事やな!」
藤本が手をあげて、「監督!納得いかないんですけど!!」
後藤はそんな藤本を見て、「(さすがミキティ〜、絶対からむと思ったよ)」
8 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/11(水) 00:45

つんくは見下すように藤本を見ると、
「アホか!サッカーは個人競技やないんやぞ!
 1人の勝手な行動で負ける事もよくある話や、それに、
 短い期間で連携力を上げるには、こういうのが一番や!」
そう言われると、さすがの藤本も言い返せない。

「よし、とりあえず今日は初日っちゅう事で、紅白戦をしてもらう。
 アップは今走ったので充分やろ!チームはあらかじめこっちで決めとったから、
 その紙に書いとる通りに分かれてくれ!」

≪おとめ組≫      ≪さくら組≫    

GKミカ        GK吉澤
DF石川        DF安倍   
  田中          亀井
  小川          高橋
  美海          アヤカ
MF後藤        MF紺野
  辻           加護
  藤本          柴田
  道重          新垣
FW飯田        FW矢口
  里田          松浦
9 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/11(水) 01:01

メンバー表を見た矢口が、「監督!この、おとめ組とさくら組ってなんですか?」
「あっ?これか?別に大した意味なんかあらへんよ!チーム名付けた方がオモロイやろ!」
「(な、なんじゃそりゃ〜・・・・・)」全員がそう思ったが誰1人、口には出さなかった。

≪おとめ組≫
「ごっちん、早速一緒になったね!ヨロシク♪」
「んあ〜、ミキティ〜がんばって!」
「任せといて〜って、ごっちんも出るんだよ!」
「おいおい、コントは後でやってくれ!とりあえずポジションは各自自分のとこでいいだろ?」
飯田が全員に言うと、みんな静かにうなずいた。

    ミカ

田中 小川 美海 石川

   辻  後藤

  藤本   道重

   飯田 里田
10 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/11(水) 01:11

≪さくら組≫
「さて、ポジションはどうするべ?」
「その前にフォーメンションも決めないと・・・」
安倍と矢口が話し合っていると、紺野が、
「あの、私に決めさせてもらっていいですか?全員の個性を考えていいのが出来ると思います」
「そう?じゃ〜、こんちゃんに任せるべさ!」
「ちょ、ちょっといいの?」
矢口がビックリして安倍に聞くと、
「まあ、うちの学校の司令塔の力を見せてやるべ♪」

    吉澤

    亀井
 高橋 安倍 アヤカ

    新垣
 柴田    加護
    藤本

  矢口  松浦
11 名前:桜娘 投稿日:2004/02/11(水) 01:14

更新しました。

フォーメンションが少しズレてしまいました。

申し訳ございませんです
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/11(水) 13:14
藤本がだぶって・・
13 名前:桜娘 投稿日:2004/02/14(土) 22:43

申し訳ございません。
さくら組の藤本→紺野に変更です
これからもおかしなところがあれば、お願いします。
14 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/14(土) 23:16

つんくは両チームがグランドに広がったのを確認すると、
「よ〜し、そんじゃ〜始めるぞ!30分ハーフや、ケガせんようにやれよ」
つんくは大きな声で言うと、笛を吹いた。

おとめ組からのキックオフ、センターサークルには飯田と里田が立っている。
「まい、選手権じゃ私の負けだったけど、この合宿でもどっちが点をたくさん取るか勝負よ!」
「わかりました!今回も得点王は私がいただきまっす♪」
そう言うと、里田は飯田にボールを渡すと勢いよく飛び出した。
飯田は後ろにいる後藤に向かってボールを蹴ると、すぐさま里田を追うように走り出した。

後藤がボールをキープすると、さくら組の矢口がすぐにチェックにきた。が、後藤は矢口をヒラリトかわすと、
右サイドの藤本にボールを回した。藤本は自慢の快速で右サイドを駆け上がる。前からアヤカがつめてくるが、
軽く抜き去ると中を確認してすぐさまセンターリング。中では飯田、里田のツインタワーがボールに合わせて飛び上がる。
デフェンスの安倍・亀井も対抗して飛ぶが、頭一つ届かず、飯田のヘディングシュート!
だが、キーパーの吉澤はそれを真正面でキャッチする。着地した飯田に吉澤が、
「フン、あんたのヘディング、もっと考えた方がいいんじゃん!コース見え見えって感じだよ♪」
そう言って吉澤が鼻で笑うと、右サイドの高橋にボールを回す。
飯田は吉澤を睨むと、何も言わず下がっていった。
15 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/14(土) 23:53

高橋はドリブルでハーフウェイまで上がると、近くにいた紺野にパス。
紺野はボールを受け取るとって、すぐに前を見る。紺野は田中・石川間の一瞬のスキを見つけ、
そくざにスルーパス。タイミング良く抜け出した矢口がパスを受け取り、ペナルティーエリアに切り込む。
しかし、その動きを読んでいたミカがうまく飛び出して矢口の足元からボールをキャッチ。

そこまで見ていたつんくが、ニヤニヤしながらうなづいている。
「どうしたんですか?」中澤が気になってたずねると、
「んっ?いや、両チームの攻撃パターンが対称的やからオモロクてな!おとめ組はサイドを走らせて、
中に上げるサイド攻撃。対するさくら組は紺野からのキラーパスで一気にチャンスを作るセンター攻撃」
「つんくさん的にはどっちが好みなんですか?」平家が聞くと、
「う〜ん、勝てるんならどっちでもえ〜わ!」ヘラヘラ笑っているつんくを見て中澤は、
「まったく〜、大丈夫かいな・・・とにかくあの娘ら見てやらんと!もうすぐ前半終わりまっせ!!」

結局紅白戦は、紺野からのスルーパスに走りこんだ加護がそれをスルーし、
さらに走りこんできた松浦がダイレクトでシュート。ボールは低い弾道でゴール右下に突き刺さった。
この一点を守りきり、1ー0でさくら組の勝利。試合終了後、つんくは集合した全員の前に立つと、
「みんなお疲れさん!今日はゆっくり休んで、明日からの練習に備えてくれ!ほな、解散」

こうして、全員は宿舎に戻った。
16 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/15(日) 00:31

第1ルーム(アヤカ・ミカ・里田・美海)
「やっぱ初日だけあって、紅白戦だけで終わったね!」
アヤカがベッドに荷物を置きながら言った。するとミカが、
「でも、明日からの事を考えるとね〜・・・」
「あら、全国優勝チームの練習よりキツイのかしら?」
「まったく、アヤカったら〜、練習なんてどこも変わんないよ!ねっ?里田?」
「そうですね!うちは雪かきがあるけど、それ以外は変わんないと思いますよ」
「ところで、監督が練習試合を組んであるって言ってたけど、どことやるんですかね?」
美海が3人に言うと、ミカが、「それより、スタメンに選ばれるかどうか・・・・・」
「またまた〜、ミカは全国優勝チームのキーパーだよ!それに里田と美海だって準優勝チームだよ!」
アヤカが立ち上がって言った。しかし里田は冷静に、
「それは学校のチームであって、代表は各ポジションごとに選ばれた人が集まってくるんだ。一切気が抜けないよ・・・」
「はぁ〜・・・・・」
4人は同時にため息をついた。
17 名前:桜娘 投稿日:2004/02/15(日) 00:33

今日の更新はここまでです。
少ないですががんばっていきます。
よろしくお願いしま〜す。
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/15(日) 17:48
美海は静岡出身だったはず。
19 名前:桜娘 投稿日:2004/02/20(金) 22:05

18>名無飼育さん 
すいません、その通りです。確かに静岡です。
が、カントリー娘という事で見逃してください。
ご指摘ありがとうです。
20 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/20(金) 22:28

第2ルーム(小川・柴田・新垣)
「あ〜、疲れた!ガキさ〜ん、ジュース買ってきてくんな〜い!!」
そう言われた新垣は、ダッシュで柴田の前に行くと、「はい!何にしますか?」
「いつものに決まってんじゃ〜ん♪あと、え〜っと小川だっけ?あんたも何か飲む?」
「えっ?あたしもいいんですか、それじゃ〜午後ティーでお願いします」
柴田はポケットから500円玉を出して新垣に渡すと、「じゃ、ガキさんヨロシク♪」
新垣はお金を受け取り部屋から出ようとした時、柴田が、「あっ、ガキさんもいつも通り買っていいからね!」
「はい!いつも、ありがと〜ございます」新垣は深々と礼をすると、部屋から出て行った。

柴田は小川の方を向くと、「小川って下の名前何て言うの?」
「あっ、麻琴っていいま〜す。よろしくおねがいしま〜す」
「じゃ、麻琴って呼ぶね!麻琴って確か新潟の学校だったよね?」
「あれっ?何で知ってるんですか〜?」
「だって選手権出てたじゃん!なかなかいいディフェンスしてたよ♪」
「ありがと〜ございま〜す!柴田さんの試合も見せてもらいました。おしかったですね準決、
 新垣さんがあそこでミスしなければ、室蘭に勝てたかもしれなかったのに・・・・・」
21 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/20(金) 22:54

柴田は軽くため息をつくと、
「まあね・・・、でも、ミスをしない人間なんて1人もいないんだよ!
 あたしだってよくミスするし、ガキさんはたまたまあの場面だったって事だよ」
「へぇ〜、柴田さんって寛大な人なんですね。あたしだったらそんな冷静な分析はできませんよ!
 だって柴田さんってもう卒業ですよね?」
「ん〜・・・じゃあさ〜、麻琴のチームって確か福岡北とやって負けたんだよね?
 負けたって事は、誰かしらミスしてんでしょ!それを恨んだりした?」
「そうか〜・・・」小川は何度もうなずくと柴田が、
「この話はガキさんにはしないようにね!けっこう気にしてるからさ!これは
 うちのキャプテンの命令なんだ」
「キャプテンって、矢口さんですか?」
「そっ!うちのキャプテンそういうのうるさいんだ!ミスはみんなの責任だってね・・・」
「すごいですね!さすがキャプテンって感じですね、見習わないといけないな!」
「ふ〜ん、麻琴が新チームのキャプテンなんだ!責任重大だよ♪」
「うぐっ・・・これでもいろいろ考えているんですう〜!ところで桐陽はどうなんですか?」
「おっ!早速、敵情視察か?」小川は大きく首を横に振りながら、
「ち、ちがいますよ〜、気になっただけですから・・・」それを見た柴田は笑いながら、
「ジョウダンだよ♪別に隠すような事でもないしね、うちはガキさんかな、実績からいって間違いないね!」
「そっか、負けないようにがんばらないとな・・・・・」
「まあ、あと一年あるんだ、ガンバリな!」
その時、新垣が両手でジュースを抱えて戻ってきた。柴田と小川は2人で乾杯をすると、ニコニコしながらジュースを飲みだした。
22 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/20(金) 23:31

第3ルーム(亀井・田中・道重)
「ねぇ、亀井さん!」
「絵里でいいよ!」
「じゃ〜、私の事はれいなって呼んでいいよ、この娘はさゆって言うの」
「ヨロシクね、絵里!」道重はペコリと頭を下げる。亀井は、
「れいなとさゆって知り合いなの?二人とも確か学校違うよね?」
「まあね、うちら福岡と山口やけ、よく練習試合やりよったんよ!」
「結果は、いつも多々田の圧勝だったけどね♪」
「ちょっと待ってよ!うちのチームの方が強かとって!!」
「まあまあ、2人とも落ち着いて・・・ところでれいな、さっきは何を言いかけたの?」
「あっ?あぁ〜・・・絵里ってさ〜ジュニアユース出てたやろ?」
「えっ?そうなん!!絵里ってスゴイんだね!」
「って言うか、さゆ、知らんかったと?」
「だって、あたしの中学の時あんまりサッカーに熱中してなかったモン♪」
「もう、さゆの事はいいの!ねぇ〜絵里、ジュニアユースの時って緊張した?」
「う〜ん・・・最初はね、緊張したよ!でも、そんな私に後藤さんが言ってくれたんだ。
 どこで、どんな大会に出ようがやる事はいつもと一緒だって・・・・・」
「へぇ〜、なんか大人の意見だね」田中がしみじみ言うと、
「私が今ここにいるのは、後藤さんのおかげなんだ!だから、後藤さんのいる東帝に入ったんだよ!」
23 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/21(土) 00:00

「でもさ〜、そう言われても緊張したでしょ?」道重が不安そうに聞くと、
「そうなの!でも、その時辻さんがいろいろ変顔とかして笑わしてくれたんだ!
 そしたら、自然と緊張もなくなってたよ」
「いいね、絵里恵まれてるよ!私たちって代表に呼ばれたのって初めてだから、
 緊張しっぱなしだよ・・・」田中の言葉に道重が何度もうなづく。
「辻さんは経験をつんでいけば、自然と慣れてくるっていってたけどね!」
「そこが一番問題なんよ!わたしのとこは石川さんがいるからな〜・・・・・」
「わたしも、加護さんとポジションが一緒なんだけど、スピード・テクニック、
 全部がかなわないって感じ・・・でも、私の方がカワイイからよかったけど♪」
田中はため息をつくと、「また言ってるよ・・・、さゆのそのセリフは聞きあきたよ!」
「じゃ〜、この中だと絵里のレギュラーが一番かたいんじゃないの!」
なぜか道重がうれしそうに言うと、亀井は、
「そんな事ないよ、私のとこも、室蘭小山の安倍さん・美海さん、滝山第二のアヤカさんと強敵揃いだよ」
「またまた、高校NO,1ディフェンダーって言われてる人が何を言ってんだか♪
 特にオフサイドトラップは一級品だよ!」
「そうそう!私の学校、選手権で東帝とやったんだけど、オフサイドにかかりすぎて、試合後監督にすごい説教くらったよ!」
道重がしみじみ言うと、田中も、
「うちも準決で東帝とやったけど、必ずいいところで絵里のオフサイドにかかって
 流れが止まっちゃうんだよね〜・・・・・何かチーム全体のレベルも違うって感じがしたな〜」

24 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/21(土) 00:25

「ん〜、うちは後藤さんと辻さんの2人がいるから、かなり安心して試合ができるからね!
 でも、あの2人がいなかったらって考えると、優勝なんてできなかったよ・・・」
「そういえば、後藤さん卒業後はどうするって言いよった?」
「まだ、決めてないって言ってたよ」
「選手権MVPの後藤さんなら、Jリーグに行ってもすぐレギュラーだね♪」
道重が言うと、田中が、「でも、後藤さんなら海外に出ても大丈夫と思うけどな〜・・・」
「そうだね!ドイツに行かないかな?ブンデスリーグに行ってほしいな♪」
「えぇ〜、さゆ趣味わる〜い!!今やっぱアツイのはリーガでしょ!リーガエスパニョーラ!!」
「何言ってるのよ!趣味悪いのはれいなの方でしょ!」道重に言われた田中は、
「ああっ!趣味悪いって、誰に言っとんのかて!リーガの何がいけんの?
 絵里はどっちなん?ドイツ?スペイン?」田中と道重に詰め寄られた亀井は、
「私はイタリアかな・・・セリエAが好き!そういえば、後藤さんはプレミアに行きたいって昔言ってたよ!」
「プレミア?じゃ〜マンUかな?」道重が聞くと、
「うん!ロイ・キーンに挑戦したいって言ってたよ!」
その時、田中が時計を見て、「あっ、もうこんな時間だ!明日も早い事だし寝よっか!」
「そうだね、おやすみ〜・・・・・」
25 名前:桜娘 投稿日:2004/02/21(土) 00:27

更新はここまでです
26 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/25(水) 00:10

第4ルーム(安倍・飯田・紺野)
「ふ〜、初日だけあってやっぱ楽だったね!」安倍はベッドに座ると2人に話かけた。
すると隣のベッドに座っていた飯田が、
「そういえばなっち今日のゲーム、亀井と一緒のチームだったでしょ。どうだった?
 なっちあの娘とポジションかぶるじゃん!」
「あ〜、亀ちゃん!さすがは東帝だべ、決勝の時も思ったけど、見事なディフェンスをしてくれたべさ・・・、
 指示だしも的確、ポジショニングも完璧と言う事なしだったよ。カオリはどうだった?」

「私?ん〜・・・確かに難しいね。里田はもちろんそうだけど、桐陽学園の矢口・滝山第二の松浦と強敵ぞろいだよ!」
飯田はため息まじりにつぶやくと、隣に座っている紺野に、
「こんちゃんは、ほぼ確定じゃないの?トップ下はだったらライバルはいないでしょ!」
「そんな事ないですよ。今日のおとめ組みたいなフォーメーションでしたら、私ポジションないですよ・・・」
「そ〜だよね〜、こんちゃんはトップしたじゃないとねツライよね。サイドに行くとスピードも必要になってくるから・・・」
「そっか〜、こんちゃんもなっちと同じように遅くはないけど、早くもないからね〜」
3人とも無言になり沈黙が訪れる
27 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/25(水) 00:43

「ところでさ〜、今日のゲームはレギュラー判定にはいってんのかな?」
飯田が2人に問いかけると、紺野が、
「今日のは、あんまり関係ないと思います。私が思うに、ちょっとした慣らしだと思いますよ」
「慣らし?」安倍が紺野に聞き返す。
「はいそうです!明日からの練習メニューに備えての事だと思います。
 あとは私たちのポジションの確認ではないかと・・・・・」

「なるほどね〜!でもさ〜、ホント、フォーメーションはど〜なるんだろうね?」
安倍が心配そうに言うと、紺野が、
「たぶん何パターンかは考えているとは思いますけど、こればっかりは監督じゃないと・・・」
「それはそうだね、監督の考えなんてわかんないもんね!」
「そうですよ、飯田さんの言うとおりです。でも、まだ合宿も始まったばかりですし、がんばってみましょうよ!」
「がんばるか〜!そうだよね、それが我がサッカー部の持ち味だもんね!」
「そうだべ、結果が出るまで走り続ける!なっちすっかり忘れてたべさ・・・・・」
紺野は立ち上がると、「がんばりましょう!」と、大きな声を出した。
2人も紺野につられて「おうっ!」と、元気よく片手を上に突き上げた。
28 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/25(水) 01:06

第5ルーム(矢口・石川・吉澤)
「あ〜あ、な〜んかゲームだけだったから消化不足って感じだよ!なぁ、梨華ちゃん?」
「そうだね!あっ、吉澤さんはキーパーだから余計に動き足りないんじゃないの?」
「いや、そんな事はないよ!」そっけない返事の吉澤に石川は、
「選手権の時から思っていたんだけど、吉澤さんってキーパー上手だよね!」
「ホント、ホント!東帝との試合を見せてもらったけど、ほとんど完璧に防いでたじゃん!
 PK戦で負けたけど、それでも、後藤と辻以外はしっかりと止めてたじゃん!
 負けたのは味方がしっかりと決めきらなかったからだよ!吉澤はわるくない!!」
「はぁ、ありがとうございます」あくまでもクールに話す吉澤に、
「おいおい吉澤!もっと楽しく行こうぜ♪同学年なんだから敬語は無しにしようよ。
 そうだ!吉澤って呼ぶと何かかたい感じになるから、よっすぃ〜って呼ぶ事にしよう。
 わかった?梨華ちゃん!」
「りょ〜か〜い♪他のみんなにも伝えとくね♪ヨロシク、よっすぃ〜!」
「(って言うか、あたしの許可はなしかよ〜・・・まぁいいけど)ヨロシク、えっと・・・・・」
「梨華でいいよ、よろしくね!あと、こっちのちっちゃいのがヤグチさん!」
「うるさいよ!ちっちゃいってのは余計だ、バカ!!」
石川に向かってそう言うと、今度は吉澤の方を向き、片手を上げると、
「オッス!オラ、ヤグチ!」
この瞬間、部屋が一気に冷え込む。
29 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/25(水) 01:22

石川は矢口の肩を軽く叩くと、「ヤグチさ〜ん、だだスベリだったね・・・・・」
「うっさい!だだスベリとか言うな!!ヤグチ的には絶対イケルって思ったんだよ!」
そんな2人のやりとりを見ていた吉澤は、軽く笑うと、
「ははっ、こちらこそヨロシク!ヤグチさん」
「そんな、さんとか付けなくていいんだよ!」
「でも、梨華ちゃんもヤグチさんって呼んでるし・・・・・」
「そういえばそうだね!なんで?梨華ちゃん!」
「さぁ〜、語呂がいいから・・・かな?」
「まあまあ、いいじゃないっすか、ヤグチさん!」
「な〜んかしっくりしないけど、まっ、いっか!!」

「ところでよっすぃ〜って3年だよね。じゃあもう、進路決めた?」
「いや、まだ決めてないっす!一応、何チームからかは、声がかかってるんですけど、
 まだ考え中ってとこです。ヤグチさんは決めたの?」
「う〜ん、オイラも一応考え中かな!って言っても、もう8割がた決めてるんだけどね♪」
「え〜、どこなんっすか?教えてよ〜!」
「じゃぁ、よっすぃ〜が決めたら教えてあげるよ♪」
30 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/25(水) 01:40

「えぇ〜、そんな〜・・・ところで、梨華ちゃんは決めたの?」
「私ね、マリノスにしよっかな〜って思ってるの!」
その言葉に軽く反応した矢口が、「ちょっと、マジで言ってんの?」
「そうだよ、何か問題でもあるの?」
「お〜ありっだよ!オイラもマリノスにしようって思ってたのに、やだよ〜・・・・・、
 そうだ!どっか違うとこに行けよ!」
「そんな〜、突然違うとこって言われても・・・・・」
「そ〜だな〜、例えばKリーグとか梨華ちゃんにピッタリと思うんだけど・・・」
「お〜、Kリーグか!って韓国じゃん、国外追放かよ!!」
「あれっ、気にいらなかった?それじゃ〜、Vリーグなんてどうかな?」
「あっ、Vリーグはいいかもっ・・・・・って、バレーボールじゃん!!
 もう、サッカーはやるなよって事なの?」
「まったく、あれこれウルセー奴だな、とにかくオイラの許可なくマリノスにはくるなよ!
 これは、キャプテン命令だ!!」
「そんな無茶な・・・、だいたい、うちらは引退したじゃん!キャプテンとか関係ないじゃん!」
31 名前:桜娘 投稿日:2004/02/25(水) 01:41

今日はここまでです。
32 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/29(日) 23:18

「うっさいな〜!とにかく命令だからな!!」そう言った後、矢口は吉澤の方を向き、
「ところでよっすぃ〜は、憧れてる選手とかいる?」突然の矢口の質問に吉澤は腕を組んで考えて、
「ペーター・シュマイケルッスね!あたしのサッカーを始めたキッカケですからね・・・ところで、ヤグチさんは?」
「ヤグチはもちろん、ラウール・ゴンザレス♪カッコイイし、サッカーうまいし言う事なしだよ!」
「へぇ〜、ラウルか・・・意外だな!ヤグチさんはオーウェン派かと思ってましたよ。でっ、梨華ちゃんは?」
「私?私はやっぱ、ファビオ・カンナバーロがいいな♪あと他には、アレッサンドロ・・・・・」
「あ〜、デルピエロね。オイラも好きなんだよね〜♪シブイよね〜・・・・・」

しかし石川は首を横に振ると、「違うよ!私が好きなのは、アレッサンドロ・ネスタなの!」
「なんだよ、ネスタかよ!やっぱ、その辺が梨華ちゃんのつまんね〜とこなんだよ・・・・・」
「いいじゃん!別にヤグチさんに迷惑かけたわけじゃないでしょ!!」
「うっせ〜な〜、グダグダ言ってんじゃね〜よ!そんな事より、オイラ腹へってきちゃったよ」
「じゃあ、食堂でも行ってみますか、夕食の残りがあるかもしれないッスよ!」
「おっ、いいね♪じゃ、行ってみようか、よっすぃ〜!」
矢口と吉澤は食堂に向かって歩きだした。ほっぽかれた石川は、
「ちょっと待ってよ!私も行く〜〜!!」と2人を追いかけて行った。
33 名前:合宿1日目 投稿日:2004/02/29(日) 23:53

第5ルーム(辻・加護・高橋)
「へぇ〜、2人ともあいって言うのれすね!でも、これじゃ〜呼ぶのに困るから
 ののがあだ名を付けてあげるれす!感謝してくらさい♪」
「何で感謝せなアカンねん!別に頼んどらんぞ!」
「そやそや、勝手に話を進めるな〜!まちごうとるぞ〜!!」
加護・高橋の抗議もむなしく、辻はニヤッと笑うと、「いいのができたれす!まずは、高橋 愛殿!」
「ハイッ!」突然大きな声で呼ばれた高橋は、目を大きく開いてその場に立ち上がった。
「まずは、ペッペケぺー、もしくはテッテケテー、それか愛ちゃんれす。どれがいいれすか?」
それを隣で聞いていた加護は、「(何やそりゃ〜、その中やったら間違いなく愛ちゃんやろ!!
 コイツはどうやってあだ名を作ってんのや!才能なしもいいとこやで!!)」
そう思って辻を見た後、高橋の方をみると、腕を組んで悩んでいる姿が見えた。
「(はぁ?何を悩んどんねん!って言うか、何と何で悩んどんねん?それが知りたいわ!」
その時、高橋の口が開き、「決めたで!テッテ・・・・・」
そこまで聞いた加護が、「愛ちゃん!うちは、愛ちゃんがえぇ〜と思うで!カワイイし呼びやすいしな、
 愛ちゃんにしとこうな!なっ?」結局、そこは加護が力づくでその場を押さえて、愛ちゃんに決定した。

辻は、「では、愛ちゃんに決定れす。次は加護 亜依殿!」加護は引きつった顔のまま、
「うちは、別に付けんでもえぇ〜で!加護って呼ばれとるから・・・そっちの方が慣れとるしな!」
しかし辻は首を横に振ると、「ダメれす。これは決まった事なのれす!」
加護は軽くため息を吐くと、「拒否権もないんかいな、ほんで、うちは何になったんや?」
「では発表するれす!ジャンジャカジャカジャカジャン♪あいぼんれす!」
「ってオイ!ちょっと待て!1個だけっ?他はないんかい!」
「えっ?あいぼん決定れすよ!」
「うちには選択権も無しかいな!しかも、あいぼん!?あいは分かるわ、うちの事やろ!
 その後のぼんってなんやねん!!」
34 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/01(月) 00:31

「なんて言うか、あいぼんはボーンっていう感じがしたかられす。ねっ愛ちゃん!」
「そうやね、なんかボーンって感じがするね」
「とういうことで、あいぼんに決定れす!」しかし加護は、
「ちょ、何を勝手に決めとんねん!うちは認めへんで!!」
加護から強めに言われた辻は、少し泣きそうな顔をして、
「ダメれすか?のの、あいぼんに喜んでもらうために一生懸命考えたのに・・・・・」
「んぐっ・・・・・まったく、しゃ〜ないな!あいぼんでもクラムボンでも、
 何にでもしてくれや・・・・・!」
「ホントですか?じゃ、あいぼんで決定れす!ヨロシクね、あいぼん・愛ちゃん」

「まったく〜、とても東帝の選手とは思えんで・・・・・」
「ホントやね!こう見えてののちゃんは選手権優勝校のメンバーなんやもんな〜、
 それに、ワールドユース日本代表と人間てわからんもんやね!」
「ユース代表か〜・・・でも、うちもよく呼ばれたと思うで!選手権は二回戦で敗退やったしな!
 愛ちゃんとことやって負けたんよな〜・・・・・」
「あれはたまたまやて、うちも三回戦で負けたしね!」
「んな事ないよ!だってうち、愛ちゃんほとんど抜けんかったもんな〜・・・・・」
「だってそれは、2人がかりで何とか止めてた感じやったし、
 それに、1対1やったらあいぼんを止める自信なんかないで!」
「いや〜、それほどでもないけどな!でも、次は負けへんで!新チームはうちがキャプテンやからな、
 愛ちゃんとこはもちろん、ののんとこにも負けんチームを作ったるわ!」
「そうはさせんで!私もキャプテンになったけね、もちろん目標は全国制覇や!」
加護と高橋はニヤッと笑うとかたく握手をした。辻もその上に手を置くと、
「ののも2人には負けないれす。いつでも、相手になるれすよ♪」
「さすがは横綱やの!負けへんからな!!なっ、愛ちゃん!」
「と〜ぜんや!」

する突然辻が、「ところで、なんか小腹がすいたれす。食堂に行きませんか?」
「え〜、寝る前に食べたら太ってまうで!」
「大丈夫やって!その分、明日動けばチャラやろっ♪ほら行くで!」
辻と加護は高橋を引きずりながら食堂に向かった。
35 名前:桜娘 投稿日:2004/03/01(月) 00:32

少しですが、更新しました
36 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/17(水) 14:35

第7ルーム(後藤・藤本・松浦)

後藤が部屋に入って行くと、中から、「あっ、ごっちん遅かったね」
「んあ〜、みきてぃ〜一緒の部屋だったんだ!んっ?そっちの娘はたしか・・・・・」
松浦は立ち上がると、「滝山第二高2年の松浦 亜弥で〜す。あややって呼んでくださ〜い♪」
後藤は松浦と握手をすると、「よろしくね〜、っで何を話してたの?」

「あ〜、進路の話だや。ごっちんはもう決めたの?」
「いや、まだ決め手ないよ。私はサッカーができるならどこでもいいんだけどさ〜、
 何チームも誘いがきてるから選ぶのがめんどくさくって・・・・・」
「まったく〜、ちゃんと選びなよ!自分の将来なんだからね」
「へ〜い、そういうみきてぃ〜はもう決めたの?」
「それが、美貴もまだ決めてないんだよね〜、めんどくさくってさ・・・・・」

「フフッ、2人ともすごくめんどくさがりなんですね。試合中と大違いですよ♪」
「だってホントにめんどくさいんだもん!亜弥ちゃんも来年になればわかるよ!」
「そんなもんですかね〜、そうだ!2人とも地元のチームはどうなんですか?」
37 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/17(水) 14:56

「地元ね〜、札幌は安倍・飯田コンビが内定したって言ってたからな〜、
 美貴は違うとこに行こうかなって思ってんだけど・・・・・」

松浦はポンっと手を叩くと、「そうだ!2人とも同じとこに入ったらいいじゃないですか〜」
突然の松浦の言葉に2人は唖然として顔を見合わせているが、ニヤッと笑うと、
「みきてぃ〜と一緒のチームって言うのも面白そうだね♪そうしよっか?」

「フッ、それもいいわね、考えとくよ!」
「そうしましょうよ!私も来年卒業したら2人のチームに入りますから」
「え〜大丈夫?亜弥ちゃんが望んでも入れてもらえないかもしれないよ!」
「そうそう、あややが来年もインハイや選手権とかで活躍しないとね〜♪」
「大丈夫です!私今回の県予選で得点王だったんですよ!これからの大会も全て得点王をとっていきますから!」

自信満々に言う松浦に後藤と藤本は、「は〜、口先は超一流だね〜」「ホント、嘘つき小僧だけにはならないでよね!」
「まかしてください!今回もばっちりレギュラーをいただきますので、いいパス出してくださいね♪」
「へいへい・・・・・」
「んあ〜、期待してるよ、あやや♪」
38 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/17(水) 15:14

そのころ食堂では、
「あっ、ヤグチさんと梨華ちゃんれす。あ"っ!!ののに内緒で何食べてるれすか!!」
「うわっ、辻か〜!あいかわらずいやしい奴だな〜・・・・・」
「ののちゃん久しぶりだね。んっ?そっちの娘たちは・・・・・」

「あっ、紹介するれす。あいぼんと愛ちゃんれす。仲良くしてくらさい」
加護と高橋は軽く頭を下げると、
「奈良育成の加護 亜依です。どうぞよろしく」
「えっと、角岡の高橋 愛です。よろしくお願いします」

すると石川が、「ヨロシクね♪私は桐陽の石川です。こっちのちっさいのがヤグチさん。で、こっちが武西のよっすぃ〜だよ」
「あっ、武西のキーパーれす!」辻は吉澤に近づくとペタペタと体中をさわりだした。
「ちょっ、なんだよ!さわんじゃね〜よ!!」
吉澤に強く言われた辻は、泣きそうな顔になって「ゴメンれす・・・・・」
あせった吉澤は「うわっ、えっ、ヤグチさん、どうしたら・・・・・」
「ほらほら、よっすぃ〜!年上なんだから泣かしちゃダメだよ!!」
吉澤は辻の頭を撫でると、「ゴメンな、泣くなよ・・・・・」
すると、辻はニヤッと笑って吉澤の膝の上に座り込んだ。
39 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/17(水) 15:54

「ほら、あなた達も座ったら?」石川に言われて、加護と高橋も席に座る。
「ヤグチさん、こいつホントにあの東帝の辻ですか?試合の時と全然違うんすけど・・・・・」
「あ〜、コイツは普段こんなもんだよ、なっ、辻!」
「ののはいつでもこ〜れすよ、よっすぃ〜の事はよく覚えてるれすよ!」
「これはこれは、光栄ですこっちもよく覚えてるよ。今思い出しても腹が立つ・・・・・」

矢口が吉澤をなだめるように、「まあまあ、結局は辻んとこが優勝しちゃったんだからさ!」
「ところで、3人で何を話してたんですか?」加護が話題を変えようと3人に問いかけると、
「えっとね〜、進路についてね話してたの!そっちは3人ともあと1年あるんだね♪いいな〜」
「それで、もう決まったんですか?」

矢口は腕を組んで、「それがいろいろ迷っちゃってさ〜、そういえば辻!ごっちんはどうするって?」
「それが、選ぶのがめんどくさいって言って、まだ決めてないみたいれすよ!」
「ははっ、ごっちんらしいや!」
「梨華ちゃんとよっすぃ〜はどうなんれすか?」

「私はマリノスにしよっかな〜って思ってたんだけど・・・、まだ、未定ってところかな・・・・・」
「あたしは、サッカーできるならどこでもいいかな・・・・・」
高橋は「へぇ〜、吉澤さんって大人ですね!サッカーできるならどこでもいいって、カッコいいっすわ!」
「うちやったら、メッチャ強いとこに行きたいな〜・・・・・」と加護がつぶやく。
40 名前:桜娘 投稿日:2004/03/17(水) 15:57

ここまでです
41 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/21(日) 09:05

吉澤は高橋と加護の方を見ると、
「そう言うのも分からなくはないけどさ〜、弱いとことやって圧勝じゃやなく、
 強いとことやって勝つ。それが楽しいんだよね。例えば東帝と試合をして
 シュートを根こそぎシャットアウトした方がカッケーじゃん♪」

高橋と加護は関心した顔でうなずくと、
「よっしゃ、来年はののをケチョンケチョンに倒してうちのとこが優勝や!」
「いや!優勝すんのは私のとこやで、あいぼんもののも軽くひねってやるで!!」
「残念れすが来年も優勝するのは東帝れす♪そして高校サッカー界NO,1選手
 になって、契約金ガッポガッポJリーガーになるのれす!そして、世界に羽ばたいて行くのれす〜〜」

「ププッ、また出たよ。辻のアホな夢話しがよ。いつ聞いてもおもれ〜な」
「ヤグチさん!笑ったら、またののちゃんに怒られるよ。いつもそれでケンカするんだから〜」
「あっ!この〜、ミニヤグチしゃんまたののの事を笑ってるれすね!許さないれす!」

辻があっという間に矢口に飛びかかっていった。
「コノやロー、誰がミニヤグチだって〜!!」
「うるさいれす!ミニがいやならチビれす!!チビチビ〜」
「うおぉぉぉ〜、も〜ゆるさね〜ぞ!だいたい年上の人に向かってその口の利き方はなんだ!」
「別にヤグチしゃんの事、先輩と思ってないれすから・・・・・」

「なんだと〜、ジュニアの時から面倒見てきてやったのに、その恩を忘れたのかよ!!」
「誰も頼んでないれす。ヤグチしゃんが勝手にやった事れす」
「チクショー!!!」

そろそろ危ないと思った吉澤と石川が2人を止めに入る。
42 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/21(日) 09:23

「このやろ〜、梨華ちゃん離せよ。どうしてもコイツに一発入れないと気がすまない!」
「よっすぃー離すのれす!ののがこのミニミニヤグチに神の鉄槌を打ち込んでやるれす!」

「んあ〜、何してんの?」全員が食堂の入り口を見ると、そこに後藤が立っていた。
「ごっち〜ん、ヤグチしゃんがまた、ののの事をバカにしたれす」
「なっ、違う!違うよ!ごっつぁ〜ん信じてよ〜」

「んあ〜、どうせいつもの様に辻の夢をやぐっつぁ〜んが笑ったんでしょ。
 まったく〜、昔から2人揃ったらこ〜なんだからさ〜。もういいでしょ!
 やぐっつぁんだって、昔から辻がいればチームは安心だって言ってたじゃん♪」

矢口は顔を真っ赤にして、「わ〜、バカバカそれを言うなよ!!」
「それに辻だっていつも言ってるじゃん。前線はヤグチしゃんがいるから大丈夫だって!」
辻も顔を真っ赤にしてうつむいている。後藤は2人の手を取ると、
「ほら、仲直りの握手して!」矢口と辻は、言われるままに握手をする。
43 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/21(日) 10:23

騒ぎがおさまったところで、「ところで、食堂で集まってなにしてんの?」
「いや〜、ちょっと腹減ったから食堂にきたんだ。そしたらこの3人も後から
 現われたって感じだよ。そういうごっつぁんは何しにきたの?」

「ん〜、眠れないからさ〜、お腹イッパイになれば寝れるかもって思って食堂にきたんだよ」
「フフッ、ごっちんらしいね♪」
「んあ〜、笑わないでよ梨華ちゃん。・・・・・んっ?」
後藤の目に吉澤の姿が入ってくる。「あっ!武西のキーパーだ!!」
後藤は吉澤に近づくと、体をペタペタと触りだした。

「あの〜・・・・・、ヤグチさん。東帝の人は体を触る習性でもあるんですか?」
「気にするなよっすぃ〜!この2人ぐらいだよ・・・・・」
「んあっ、よっすぃ〜って言うんだ!ヨロシクね!ところで、進路って決めた?」
「えっ?い、いやマダだけど・・・・・」

「じゃ〜、ゴトーと一緒のとこに行こうよ!きっと楽しいよ♪」
「え"っ!!!」
「ねぇ〜、そ〜しよ〜よ!ミキティーもいる事だしさ〜!」
「そ、そうなの?!スゲェー!!ところで、ごっつぁんはどこに行くか決めたの?」
「んっ?いや、まだだけど・・・・・」
44 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/23(火) 01:37

「なんだよそれ〜、ヤグチもオモシロそ〜だから一緒のとこ行こうと思ったのによ〜・・・・・」
「じゃ〜、やぐっつぁんも一緒のとこ行こうよ!みんなで行けばきっと楽しいよ♪」
石川が興味津々に「ところで、ごっちんはどこに行くつもりなの?」
「んあ〜・・・・・、どこがいいかな〜?どこがいい?よっすぃ〜」

「えっ?別にどこでもいいけどさ〜、でもあまり強いチームに入ってもおもしんなくない?」
「そ〜だね〜・・・・・・、そうだ!じゃ、弱いチームに入ろう!!」
「弱いチーム?」全員が声を合わせる。
「そ〜だよ!それで、私たちが強くするんだよ!!」
矢口は立ち上がると、「それいいじゃん!でっ、弱いとこってどこだっけ?」

全員が腕を組んで考える。
・・・・・・・・・・・・・
「弱いっちゅ〜たらやっぱ、サガン鳥栖やないんですかね・・・・・」
「んっ?あいぼん、サガン鳥栖って?」
「あら?後藤さん知らんのですか?」高橋が不思議そうに聞き返すと、
「うん、知らない!」
45 名前:合宿1日目 投稿日:2004/03/23(火) 02:22

「ごっちんが知らないのも無理はないれす。だってJリーグでさえ
 そんなに知らないのに、J2なんて知ってる訳がないのれす!」
「そうなんだ・・・、でもサガン鳥栖か〜、キーパーとしてはそそられるチームだけどな〜・・・」
「ヤグチもあ〜ゆうチームがいいな〜、オイラが点をとって勝っていくんだよ!」

その時入り口から、「おい!オマエラ何時まで起きとんねん!!」
全員が振り向くと、そこにはつんくが立っていた。
「かっ、監督!!!」
「オマエラ余裕やな!今日の練習が何で紅白戦だけやったかわからんのか?」
「それは・・・・・」

「もうえぇ!はよ寝ろ!!」
「はい、すいませんでした・・・・・」
後藤は謝ると部屋に戻って行った。他のみんなもつんくに頭を下げると、それぞれの部屋に戻って行った。
つんくは食堂の椅子に座りタバコに火をつけると、
「ふふっ、明日から楽しみやで・・・・・」
46 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/23(火) 02:46

午前九時、食事を済ませた全員がミーティングルームに集まる。
石川が不安そうに「ねえ、柴ちゃん。監督遅くない?昨日はあれだけ時間厳守だって言ってたのに・・・・・」
「そうだね。今日は監督に走ってもらうしかないんじゃない♪」

つんくが何時までたっても現れない事に、全員がザワザワと騒いでいたら、扉が開いて中澤が顔を出した。
「んっ?あんたらど〜したんや、こんなとこで?」
「あの、監督はどうしたのれすか?」
「監督ならもうグランドに出とるで!」
「え"!!!!!」

「何をそんな驚いとんねん」
「だって、この紙には九時からミーティングって書いているれすよ」
中澤は頭を抑えると、「ハァ〜、あのおっさんまたやりおったな!とにかく急いでグランドに行きや!」

中澤に急かされて、全員は急いでグランドにでる。グランドにはつんくが腕を組んで立っており、
「おい!いつまで待たせんねん!!全員やる気ないんか!!!」
ヤグチが前に出ると、「だって監督!今日は九時からミーティングってスケジュールに書いてましたよ!」
「フン、フェイントや!」
「そんなフェイント読めるわけないやん・・・・・」加護がつっこむと、
「アホか!マニュアル通りにしか動けん奴は、代表にはイランぞ!とにかくグランド十週や!!」

全員は渋々グランドを走り出す。つんくは後ろポケットからスケジュール表を取り出して確認すると、
「あれっ、ホンマや・・・、まぁ、えっか・・・・・」
つんくはみんなにバレないように紙をしまうと、何事もなかったように腕を組み全員を見つめた。
47 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 13:30

全員がグランドを走ってる途中、つんくの側に中澤が近づいてきた。
「つんくさん、またやりましたな〜!コーチ時代もよくやりましたよね!!」
「あっ?そ〜やったか?憶えとらんな〜・・・・・」
上の空に答えるつんくに中澤は、「ハイハイ!ところで今日はどうなされますか?」

「そ〜やな、午前中はディフェンス・オフェンスに分けて3対3、4対3。午後は任せる」
「ちょ、任せるって・・・、どういう事ですの?」
「あ〜、今度の試合の事でちょっと出かけてくるわ!」
「そういう事ですか、解かりました。ケガのないようにやっときますわ!」

「おっ、どうやら走り終わったようやな!お〜し、まずはディフェンス・オフェンスに別れて3対2や!」
全員が別れている途中で、「おい、後藤、辻ちょっと来い!」
「お前らは交互にディフェンス・オフェンスに入る事!以上や!!」

2人は言われた通りにまず、辻がオフェンス、後藤がディフェンスに入った。
「まずオフェンは、藤本・加護・紺野。ディフェンスは安倍・小川・田中や!キーパーは交代でやってってくれ」
呼ばれた6人がグランドに広がると、つんくが笛を吹いた。

オフェンスは紺野を中心に藤本・加護が中に切れ込んでくる。小川と田中が必死に藤本・加護を追いまわすが全然追いつかない。
藤本・加護が安倍の目の前でポジションチェンジをした時に、紺野が中にドリブルで入りこんでくる。
そこまで見てたつんくが、「アカンな!あのディフェンスやったら簡単に点が取れるわ!」
中澤も、「そう〜ですね。まず、小川・田中は走りからダメですね。後で言っときますわ」
などと話してるうちに、紺野がミカの頭上を越すループでゴールネットを揺らした。
48 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 13:44

「まあ、あいつらやったらこんなモンか・・・」つんくは小さい声でつぶやくと、
「よし!次は飯田・道重・新垣。それと、石川・高橋・亀井、入れ!」

飯田を先頭に、新垣と道重がパスでつないでくるが、ディフェンス3人の壁は破れず、簡単にカットされてしまった。
こうして、次々に3対3。そして、4対3が行われ午前の練習は終了。
「よし!午前はこれで終了や。午後は一時半から始めるぞ、遅れんなよ!」
「ハイッ!!」

「ほな、解散!」
全員は一度部屋に戻って着替えると、食堂に集まり昼食を食べた。
後は、食堂で話す者や、部屋で休む者と自由である。
49 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 14:23

1時30分
全員がグランドに集まると、グランドには中澤と平家が立っていた。
「よし、全員集まったな!改めて挨拶しとこか、ウチが中澤でこっちが平家や!」
平家は1歩前に出ると、「午後はうちらがやってくからヨロシクな!」

「そうやな、まずはセットプレーでもやってみるか!」
 中澤はそう言うと、平家が「そんじゃ〜、キッカーは紺野な!ホンで中は飯田と里田入れ!
 後藤はもうチョット後ろや、もうちょっと、そっ、そこでOK!辻はもっと後藤の後ろや!
 でっ、加護・藤本はペナルティエリアのサイドからえぐるように走りこむ、解かったか?」

「ほんじゃ〜、ディフェンスには安倍・石川・小川・高橋、それにアヤカと柴田も入れ!
 キーパーはミカ。ちゃんとマークの確認をしとけよ!」中澤が言うと、
安倍とミカがいろいろと指示を出しだした。
中澤は近くに吉澤と亀井を呼ぶと、「え〜か!お前らはあの2人と比べると1つ上に行っとる。
 やが、レギュラーが確定しとる訳やないで!ここで自分らがやることは・・・、わかっとるな?」 

2人は黙ってうなずくと、出てないメンバーのとこに戻っていった。
50 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 14:44

「おしっ、紺野!えぇ〜ぞ!」
「はいっ、いきます!」紺野が中にボールを蹴る。その直後に藤本・加護が中に走りこんで
ディフェンスのマークをかき乱す。その間をボールが抜けてきて里田に渡る。
「里田、フリーだ!」その声を聞いた里田は、落ち着いてシュートしゴールネットを揺らす。

平家は立ち上がると、「よし、OKや!里田、次はボールを周りへ散らしてみろ!
 藤本・加護もナイスRUNや!その調子でかき乱せよ!」
中澤も立ち上がり、「コラ、ディフェンス乱れすぎや!!ポジションチェンジぐらい打ち合わせとけ!」

そうして、次から次へと何度も繰り返し続けていく。紺野のキックを見てた平家が、
「なあ、ゆうちゃん。あいつのキック、GKが飛び出せないギリギリの位置に、なんて正確に落とすんや!
 しかも、GKが嫌う外に逃げてく回転つきやで・・・・・」
中澤も関心しながら、「ホンマや!あいつどこでこんなテクニックを・・・・・・」
51 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 15:12

その時、後藤の前に中途半端にクリアされたボールが流れてきた。
後藤はそのボールに飛び込むと、頭であわせた。ボールは勢いよくゴールに突き刺さる。

平家は、「後藤、よくやった!えぇ〜か、CKは7割方こぼれ玉がが外に出るんや!
 ディフェンスの位置を見て、こぼれ玉がきそうな場所を予測するんやで!」
後藤は軽くうなずくと、「よし、次は左や!紺野、左もお前が蹴ろよ!」
それからもメンバーやポジションを入れ替えて、いろんなパターンをやってみる。

「よ〜し、10分休憩!!」
全員は日陰に下がると、準備されたスポーツドリンクを流し込む。

後藤は紺野の隣に座ると、「それにしても、いつ見てもこんちゃんの蹴るボールは正確だよね〜」
「いえ、そんな事ないですよ。まだまだ、です・・・」
「またまた〜、謙遜しちゃって!自信持っていいんだよ、あれだけのキックができるんだからさ!」
「ハ、ハイッ!ありがとうございます!!」
「んあ〜、そんなにかしこまらなくても・・・・・」

「しょ〜がないべ!こんちゃんはごっちんのファンなんだから♪」
安倍が後藤の肩をポンと叩くとその場に座った。
「んあっ、なっち〜!!」
「ちょっと、安倍さん言ったらダメですって・・・・・・」
52 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 15:26

「まあまあ、別に減るもんじゃないしさ!ねっ?ごっちん」
「ファン?ごとーの?」
「あっ、スイマセン。迷惑ですよね・・・・・・」
「別に迷惑な事なんかないよ!じゃ、ごとーもこんちゃんのファンになっちゃお!」

紺野は顔を赤らめると、「きょ、恐縮です・・・・・」
安倍は後藤から紺野引き離すと、「ごっちん、うちの紺野をどうする気だべ?」
「んあ〜、冗談だよ!なっち、怒っちゃイヤ〜ン♪」
「も〜、ごっちんはいつもなっちをからかうんだから・・・・・」

「お〜〜し、そろそろ始めるぞ〜!!」
中澤の替えが聞こえてきた。後藤は立ち上がると、
「さてと、がんばりますか!ねっ?なっち!」
「おし、がんばるべ〜〜〜!!!」
53 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 15:48

全員が中澤と平家の前に集まると、中澤が、「今日も紅白戦をやってもらうんやけど、
 今日のチームはうちと平家の2人で決めさせてもらった。呼ばれた人はビブスをもらって
 平家のとこに集まってくれ。」

 中澤チーム   平家チーム

GK ミカ   GK 吉澤

DF 安倍   DF 石川
   美海      高橋
   小川      亀井
   田中
        MF 後藤
MF 藤本      辻
   加護      新垣
   紺野      アヤカ
           柴田
FW 矢口      道重
   里田   
   松浦   FW 飯田
54 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 15:54

  中澤チーム

   ミカ

   美海
小川    田中
   安倍

藤本    加護
   紺野
矢口    松浦
   里田
55 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 15:57

  平家チーム
 
   吉澤

高橋 亀井 石川

  辻 後藤

新垣   アヤカ
 柴田 道重
   飯田
56 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 16:29

中澤はメンバーを集めると、「えぇ〜か、攻撃陣は里田に集めるんやで!
 里田はそのまま打ってもえ〜けど、なるべくポストプレイ中心でやってくれ。
 矢口・松浦はうまくそれを合わせるんや!藤本・加護もしっかり走れよ!
 後、紺野!お前は自由にやってくれ、分かったか?」
指示を受けた6人は「ハイッ!」と返事をする。

「次はディフェンスやけど、まずは小川と田中!」
「ハイ・・・」2人は弱々しく返事をする。「お前ら2人は、まず足が遅い!
 やけど、サッカーでは100mより10mが早い方が有利なんや!解かるか?」
2人は難しい顔をして首をひねる。

「まあ、それを考えながらやってくれ。美海はその2人のフォロー。
 安倍とミカは指示出しや!しっかりやれよ!」
美海・安倍・ミカは静かにうなずく。
「よっしゃ、しっかり勝ってこい!負けは許さへんで〜!!」

矢口は藤本に、「中澤コーチは何であんなに必死なんだろっ?」
「何か賭けてんじゃないの?あの、必死な姿は間違いない!!」
「じゃ、サクッと勝ってオイラたちも何かおごってもらおうぜ!」

2人は軽く拳を合わせると、グランドに散っていった。
57 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/24(水) 16:54

一方、平家チームは、「とりあえずディフェンスは亀井に合わせよ!
 亀井は石川と高橋の動きを見て、オフサイドかけていけ!石川・高橋は、
 藤本・加護を好きにさせるなよ!吉澤は指示出しはしっかりやれよ!
 辻と後藤はいつも通りで頼むわ!!」

「ホンでオフェンスは、まず柴田と道重はガンガンシュートを撃って行くんや!
 飯田はこぼれ玉を詰めろよ、新垣とアヤカはとにかく動きまわれ!2人の運動量で
 中盤を支配するんや、これで勝ちはイタダキや!姉さん今に見とれよ!!」

辻と後藤はニヤけている平家を見ながら、「コーチが怪しい顔をしてるれす・・・・・」
「辻、見ちゃダメだよ。大人があ〜ゆ〜顔してる時はロクな事考えてないんだから・・・・・・」
「ハイれす。とにかく一緒のチームれすからがんばりましょ〜!」

こうして、全員がピッチに広がると、笛が鳴り響き中澤チームのボールからキックオフ。
58 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 15:16

ボールを紺野に託すと、里田を中心に矢口・松浦が走り込んで行く。藤本・加護も
サイドいっぱいに広がり相手ディフェンスの間を広げる。
ドリブルで上がってくる紺野に、柴田と道重がチェックにいく。
紺野は後ろから上がってきた安倍とワン・ツーで2人を抜くと、亀井と石川の間に走りこむ矢口にボールを出す。

しかし、それを読んでいた後藤がカットすると、そのままドリブルで上がっていく。
後藤は紺野をスピードで抜き去ったが、紺野の後ろに控えていた安部にチェックされ足が止まる。
安倍と紺野2人で後藤を囲むが、どうしてもボールを取る事が出来ない。

後藤が2人に囲まれて30秒くらいになるが、2人はいまだにカットできないでいる。
加護と藤本もヘルプに行こうとするが、アヤカと新垣がうまく引きつけてサイドに広がる。
待ちきれなくなった小川が2人のヘルプにいく。

『動いた!!』小川の近づいてくるのを確認した後藤は、安倍の股を抜いてパスを出す。
そこにうまく走りこむ道重。飯田が美海を引き連れたため、ミカと1対1になる。
道重は飛び出てきたミカを確認すると、上にボールを蹴りだした。
ボールはミカを越えると、今度はゴールに向かって落ちていき、最後は優しくネットを揺らした。
59 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 15:58

中澤と平家は立ち並んでゲームを見ている。「ほぉ〜、さすがは後藤やな。
 あのキープは後藤やないとできへんで!」
「そうやね!でも姉さん、今の道重のシュート見た?あれ、エレベーターやで!
 あいつ力だけやと思っとったけど、あんなんもできるんかいな・・・・・」

安倍はゴールに転がっているボールを拾うと、「ゴメンこんちゃん、油断したべさ・・・・・」
紺野はボールを受け取ると、「大丈夫です。まだ始まったばっかりですから、取り返しましょう!」

ゲーム再開、里田・矢口・松浦は紺野にボールを預けると、また切り込んでくる。
紺野はハーフウェイを越えると、柴田と道重が近づく前に加護にボールを回した。
加護は自慢の俊足でチェックにきた新垣をかわすと、さらにサイドをえぐっていく。

しかし、その前に立ちはだかる高橋。「あいぼん、ここは行かさんで!」
「フッ、愛ちゃんか。ここは勝負の時やあらへんからな!」
加護は松浦とワン・ツーをするため、松浦にボールを出す。が、そこで鳴り響く笛の音。

「なっ、なんやの?!」加護がビックリして周りを見る。目についたのは高く上がっているオフサイド・フラッグ。
「オフサイドやて!!!」見ると松浦の前には吉澤しか姿が見えない。
高橋が、「あいぼん、うちには亀井がおるんやで!油断したらイカンの〜♪」
60 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 17:04

中澤はお茶を軽くすすると、「さっそく仕掛けたか。見事なタイミングやで!
 さすが高校サッカー界NO,1ディフェンダーやな!いい時間帯で仕掛けたな、
 きっちり仕事しよるわ〜」
「姉さん、そんなにホメてえ〜の?このまま負けたら、今度の飲代は姉さん持ちやで!」
「あっ、それはアカン!アイツらはよ点とらんか!」

高橋はボールをセットすると、辻に渡してゲームを再開する。
辻はゆっくりと上がっていき、確実にボールを回していく。
紺野がチェックに行くが、すぐ新垣に渡す。新垣はすぐさま柴田に渡して、
柴田はエリア外から思い切ってシュートをうつ。ボールはグングンのびてゴール右上に吸い込まれる。
ここはミカがパンチングではじき、コーナーに逃げる。

アヤカが中に上げる。それに合わせて飯田が飛び上がるがシュートコースがない。
飯田は後ろに落とすとそこに、柴田が飛び込んでくる。しかし、そこは読んでいた田中が大きくクリア。
クリアボールを拾った加護が前を向くと、素早く辻が近づいてくる。

『うわっ、ヤバイ!』加護は即座に逆サイドにふる。藤本はボールを受け取ると、
ドリブルでサイドラインギリギリを上がっていく。藤本は石川抜いて、チラッと中を見る。
見方が充分にエリア内に入り込んでるのを確認すると、そのままセンタリングを上げる。
61 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 17:41

ボールはニアに入っていき、矢口がそれに走りこむ。亀井がいち早く気づいて後ろからチェックにいく。
矢口は後ろに気配を感じると、バックヘッドで後ろに流す。亀井の上を越えていくボールに里田がタイミングを合わせて飛び上がる。
里田がヘディングしようとした瞬間、ボールがなくなる。吉澤が飛び出し、ボールをキャッチ。
このまま1−0で前半が終了し、ハーフタイム。全員はベンチに戻っていく。中澤と平家も自分のチームの元に向かう。

平家は手を上げると、「おっ、ゴクローさん。後半もこのままがんばれよ!」
辻はタオルで汗を拭くと、「まったくお気楽なコーチなのれす。何か指示とかないのれすか?」
「まあ、そう言うなや!助言は危なくなったら言ったるよ♪」
「も〜、負けてもしらないれすからね!」
「ヘイヘイ・・・、それより道重!え〜シュート持っとるやないかビックリしたで!!」

「ハイッ、ありがとうございます。ずっと練習してたんです。うまくいってよかった♪
 でも、あれはほとんど後藤さんのパスのおかげですから・・・・・」
平家は道重の肩を叩くと、「後藤はあれが出来て当然なんや!決めたのはお前なんやから
 もっと喜べ!!」

後藤は、「んあ〜、ひどいコーチですね〜!ごとーはほめて伸びるタイプなのにな〜・・・、
 やる気なくなっちゃったよ〜。みんな、あとはテキトーにやっていいよ。平家コーチは
 勝ちたくないってさ〜♪」

「あ〜、わかった、わかった。後藤スマンかった。よくやってくれた、私はうれしいぞ!
 この後もお願いします・・・」
「よ〜し、しょ〜がないからコーチのために頑張るか!!」
「お〜う!!」
62 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 18:09

一方、中澤チーム
「おつかれ、どうやった前半は?」中澤が腕を組んだまま全員に問いかける。
矢口が中腰のまま、「とりあえず、あのディフェンスが厄介っすよ!
 後藤・辻のダブルボランチがいい動きしてるし、抜け出してもオフサイドトラップ。
 さらには、鉄壁の吉澤と壁が厚すぎっすよ!」

藤本も、「ホントムカツクよ。あの東帝トライアングルはよ!!こんちゃん、どうにかなんないの?」
紺野は首を横に振ると、「それができたら、選手権も優勝してますよ!
 だいたい、あのディフェンス力は東帝と比べても全然上ですよ・・・・・・」
加護は寝転がると、「そ〜やな〜、よ〜考えたら代表チームなんよな〜・・・・・、
 東帝よりディフェンス力があるのは、当たり前って事やんな〜・・・・・・」

中澤は1歩前に出ると、「しゃ〜ないな!うちが策をやるからサクッと点を取って来い!」
「でも、そんな簡単にとれますか?」松浦が首を傾げながら聞くと、
中澤は自信満々に、「取れる!そのために集めたチームなんやから、
 逆にこれで取れへんかったら、あんたら試合に出さんからな!!」

「え〜〜〜!!!」
「え〜、やあらへんがな!うちはホンキやで・・・、とにかく集まり、策をやるから!」
中澤は全員に円陣を組ませると、ボソボソと話し出した。そして、
「よし、行ってこい!これで、点を取ってくるんやで!!」

こうして全員がグランドに広がり、後半が開始した。
63 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 18:37

後半も始まり20分が過ぎた頃、後藤が前半と同じようにボールを持って上がってくる。
安倍と紺野でボールを取りに行くが、なかなか奪えないのでシビレを切らした小川が動き出す。
後藤はすかさず道重にパスを出すが、ここで鳴り響く笛。

「うそっ?オフサイド???」
後藤は前を見ると、そこにいるはずの美海の姿がない!
慌てて周りを見ると、美海はハーフウェイのあたりにいた。
「んあっ、なんで???」

驚いている後藤を無視して、安倍は素早くリスタート。ボールをもらった紺野は、
ドリブルでどんどん上がって行く。辻がチェックに来たところを後ろから走り込んできた藤本にボールを渡す。
ボールを受け取った藤本は、走り込んでいる里田を見てセンタリングを上げようとした。

そこをすかさず亀井がラインを上げる。このまま行けばオフサイドは確実。
しかし、藤本はボールを空振りして、そのままドリブルで切り込んでくる。
オフサイド失敗に気づいた吉澤が、素早く飛び出てくる。藤本は吉澤が出てきたのを確認すると、中にボールを上げる。
飛び上がる里田に続いて、やっと戻ってきた後藤も飛び上がる。

ここで里田はボールをスルー。そのボールに飛び込んできたのは、何と二列目の加護だった。
加護はボールをたたきつけると、そのままゴール左スミに突き刺さった。
64 名前:合宿2日目 投稿日:2004/03/26(金) 19:01

両手をあげて喜ぶ加護に、全員が集まる。
松浦が加護の頭を抑えると、「加護ちゃん、ナイスダイブ!カッコよかったよ♪」
「当然や!あんなオイシイボール決めれんかったら、ホンマに試合に出してもらえんで!!」

ゴールに転がってるボールを見て吉澤は、「クソッ、ムカツクな〜!!!」
とボールをセンターサークルに向かって蹴り飛ばした。後藤はゆっくりと吉澤に近づくと、
「ゴメン、よっすぃ〜。今のは全部うちらディフェンスの責任だから・・・・・、
 いやっ、それ以前にオフサイドにハマッたごとーのセイだから。ゆるしてね・・・・・・」

あまりにも弱々しい後藤の声に吉澤は、「いや、取られたものは仕方ないよ。
 それより、次!次、頑張ろうぜ!」
吉澤の言葉に笑顔になった後藤は、「アリガト、よっすぃ〜!ごとー頑張るね!」

こうして、試合は同点のまま進んで行き、ロスタイム。平家チームのコーナーキックである。
キッカーは後藤。後藤は走りこむ飯田をめがけてボールを蹴ろうとしたが、
あるものが目に入り少し強めにボールを蹴った。ボールは飛び上がった飯田の頭を越えたが、
さらに後ろから飛び上がってきた黒い影。そこには吉澤が飛び込んできた。

吉澤はうまく頭で合わせると、そのままヘディングシュート!ボールは勢いよくゴールネットを揺らす。
そして、試合終了の笛。勝った平家チームは肩を抱き合って喜ぶ。
負けた中澤チームは、肩を落として中澤のもとに戻っていく。
65 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 18:46

中澤はしょんぼり落ち込んで戻ってきたのを見て、「おいおい、単なる紅白戦でそないに落ち込まんでも・・・・・・」
「だってなっちがしっかり守れなかったから・・・・・・」特に落ち込んでいる安倍の後ろに矢口と藤本が来て、
「たかが紅白戦だよ!大した事ないって。逆に点の取れないオイラたちの方が問題なんだから」
「そうそう!あの帝東トライアングルをやぶれなかった美貴たちに責任があるんだから・・・・・・」

中澤は立ち上がると、「まあ、負けるのは仕方ない事や。勝つ事もあれば負ける事もあるんやから。
 問題はなんで負けたかって事を考える事が重要なんや!」
中澤は矢口・藤本を見ると、「負けたのは誰の責任とかやなくて、全員の責任や!
 その辺は矢口が一番わかっとると思ったんやけどな。選手権の事はもう忘れたか?」

矢口は中澤に言われて、ハッと思い出したように中澤の顔を見た。「コーチ、誰かに聞いたんですか?」
「いやっ、試合後にたまたまロッカールームの前を通りかかったら聞こえただけや!
 スマンな、盗み聞きするつもりはなかったんやけどな・・・・・」
矢口は少し首を振って、「いえ、別に聞かれて困る話でもないんで・・・・・・」
66 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 18:58

中澤は、「とにかくあとは、どこがいけなかったかを話し合い修正する事が大事なんや。
 それを忘れんなよ!じゃ、今日はこれで終わりや、晩飯までは自由にしていいで!」
そういうと、中澤は宿舎の方に歩いて行った。しかし、突然振り向いて、

「そういえばディフェンス、試合前に言った事憶えとるか?」
安倍を含めた4人がうなずく。
しかし中澤は、「まだ意味がわかっとらんみたいやから、しっかり考えろよ!」
そう言い残して中澤は姿を消した。

矢口はみんなを見て、「とりあえずシャワー浴びてさ、ミーティングしよっか?!」
矢口の一言に全員がうなづき、全員は静かに宿舎へ戻っていった。
67 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 20:12

一方、平家チームは、「ちょっと、あんたら紅白戦で勝ったくらいでハシャギすぎやねん!」
必死になだめている平家に後藤が近づいて、「んあ〜、そんな事言ってコーチも嬉しいくせに!」
「なっ、なんや後藤、何を言ってんのや・・・・・・」

後藤はニコッと笑うと、「みんな〜、平家コーチがジュースおごってくれるってさ!」
「イェ〜〜イ!!!!!!!」と全員が両手をあげて喜ぶ。
「ちょっ、後藤、何を勝手な事を・・・・・・・」
「いいじゃんコーチ!安いモンでしょ♪」
「ったく〜、お前にはかなわんな〜・・・・・・、よっしゃ、全員シャワー浴びたら食堂に集合や!」

68 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 20:49

平家にジュースをおごってもらった後、吉澤の部屋に後藤と辻が来ていた。
後藤はベッドに寝転がりながら、「んあ〜すごいよね、ミーティングだってさ。部屋から追い出されちゃったよ」
「そうれすね、あいぼんも急いで部屋から出て行ったれす」
「それじゃ〜、私たちもやろっか?1点取られた事だし」

「だって梨華ちゃん!今日の1点はゴトーの責任だよ。わざわざミーティングするような事じゃないよ」
「そんな事ないよ、ごっちんのミスからだとしても、DFは私たちなんだから守りきれなかった方にも責任があるよ!」
「そうだよね、あたしが最後の砦なんだから・・・、あたしがしっかり止めていれば、点を取られる事なんかなかったんだよ」
「梨華ちゃん、よっすぃ〜・・・・・・・」

辻は立ち上がると、「ごっちんが上がってる時はののがしっかりと守らないといけないのに、
 後ろに亀ちゃんがいたから、まかせっきりになってしまったれす・・・・・・」
「ジーツー・・・・・・」後藤は自分の事を必死にフォローしてくれる3人に感動して泣きそうになったが、何とかこらえると、
「よし、それじゃ〜亀井と高橋も呼んで、ディフェンスのミーティングでもするか!」と笑顔でみんなに言った。
69 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 21:35

(中澤チーム・ミーティング)
「でも中澤さんの言ってた、100mより10mってどういう事なんですかね・・・・・・」
小川が首をひねりながら全員に聞くと、安倍も首をひねりながら、
「さ〜、どういう事だべかな?10mと100mなら、100mが速い方が有利だと思うんだけど・・・・・」

藤本も、「そ〜だよね、ど〜考えてもそっちの方が有利でしょ!ねぇ?加護ちゃん!」
「まあ、そ〜やね!どっちにしても速い方が有利って事やろ!!」
その言葉を聞いた紺野が急に立ち上がった。
「そうか!?そういう事ですか!!」

全員が紺野に注目する。紺野は全員を見ると、「謎が解けました。完璧です!」
「もったいぶらないで早く教えてよ!」矢口に急かされた紺野は、
「わかりました。ヒントはさっき加護さんの言った、どっちにしても速い方がいいって事なんです。
 100m速い方が加速もついていいと思われますが、逆に10m速い方が有利の時もあるのです。
 だからあの時中澤コーチは、まこっちゃんと田中ちゃんに言ったんです!」
70 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 22:06

「どういうことやねん!もったいぶらんで、はよおしえて〜や!」加護が紺野に言うと、
「それはですね、サッカーは出だしのスピード、いわゆる瞬発力がものを言うのです。
 例えば、藤本さん加護さんの足の速さはこの中でもピカイチです。しかし、10mなら、
 今日の敵チームにいた石川さん愛ちゃんの方が速いと思います」

「でもなんで・・・・・?」まだ、あんまり理解できていない顔で小川がたずねる。
「じゃ〜まこっちゃん。FWをマークする時に、DFが気をつける事は?」
「そ、それは〜、FWを見失わない事とか・・・・・・」

「そうです。要はそういう事なんです。FWがDFを振り切る時にダッシュで走りますが、
 100m走ったりしませんよね?せいぜい10mぐらいです。」
矢口は立ち上がると、「なるほどね!確かに石川や高橋のマークを振り切るのは苦労するんだよね」

「じゃ〜、どうしたらいいんですか?私は10mも遅いんですよ!」
田中が心配そうに聞くと、紺野が、「大丈夫です。とにかく瞬発力や脚力をつけるには、
 筋トレによる全身のパワーアップが一番なのです。田中ちゃんはまだ一年生なんだから、
 今からやれば全然間に合います」
71 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/02(金) 22:39

「これって、FWにも必要な事ですね。私たちもやってみましょうか?ねっ、矢口さん!」
真剣な顔で松浦が話しかけてくる。「そうだね、オイラたちもイッチョやってみるか!」
全員が盛り上がっているなかで、紺野だけがまだ何かを考えていた。それに気づいた藤本が、
「あれっ?ど〜したのこんちゃん?」

「だって藤本さん、問題はまだありますよ。亀井ちゃんのオフサイド・トラップとか・・・・・・」
それを聞いたとたん、さっきまで盛り上がっていた部屋が、急に静かになる。
加護は軽くため息をつくと、「問題が山積み状態やな〜・・・・・・」

「でも、ホント亀ちゃんのオフサイドってスゴイべさ!タイミングが見事すぎるんだべさ」
「そうだよね〜、オイラも今日だけで何回ひっかかった事だか・・・・・・」
「でも、絵里ってどうやってあのタイミングを憶えたんですかね?」
田中が藤本に聞くと、「そういえば、亀井ってジュニアユースの時もいたけど、その時もオフサイドやってたもんな〜」
「えっ?藤本さんとやってたって事は、絵里って中1の時から代表やってるんですか?」

「そうだよ、しかも先発だからね!!」
「スゲェー!エリート中のエリートって感じだね」
「ほらほらヤグチ、関心してる場合じゃないべ!ワールドユースでも仕掛けてくる国があるかしれないべさ。
 とりあえずみんなで考えてみるべさ!」
72 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/07(水) 15:38

「でもさ〜、考えるって言っても、そう簡単に答えがでるもんじゃないんやないの?」
「う〜ん・・・、オイラも加護の意見に賛成だな!なっちの言いたい事もわからん事もないけどさ〜、
 あ〜言うのってその時その時の状況の判断が必要だと思うんだよね!」

それを聞いた藤本は立ち上がると、「そうですね。ディフェンスの人には聞こえが悪いかも知れないけど、
 オフェンスにとっては、オフサイドの一回や二回はしょ〜がないって思ってますよ。問題はその後の事ですから!」

少しカチンときたミカが立ち上がり、「じゃあ、問題ってなんなの?」
藤本はミカを睨みつけると、「ミカさん、キーパーのくせにそんな事もわからないんですか?オフェンスの問題って言ったら、
 いかに点を取るかに決まってるじゃないですか!オフサイドを突破した後に点を取れば、
 敵ディフェンスもオフサイドはやりにくくなるでしょ。そしたら攻撃のバリエーションも増えて
 攻めやすくなる。という事です」

松浦も立ち上がると、「そうですね。オフェンス・ディフェンスの考え方が違うのはしょうがないと思います。
 あとは各自がしっかり仕事すれば負けないと思います。とりあえず、ミーティングはここまでにして、
 時間なので食堂に行きましょうよ!」
73 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/07(水) 16:06

(平家チームディフェンスミーティング)
辻が高橋と亀井を連れてくると、「それじゃ〜、みんな集まった事れすし始めましょう!」
後藤が一口ジュースを飲むと、「だいたいさ〜、あん時美海っていつの間に上がってたの?
 ごとーがはじめ見たときは、まだDFラインにいたよ〜。それがいつの間にか
 ハーフウェイまで上がってるからビクビクビックリだよ!!」

しかし全員が首を横に振る。「でもさ〜、あの後のリスタートってすごく速かったじゃん。
 たぶんごっちんをハメるための罠だったんじゃないの?」

「え〜、そ〜かな〜!?梨華ちゃん考えすぎなんじゃないの?」
「だってよっすぃ〜、そういっても、あの後みきてぃーのオフサイド破り見てたでしょ?
 空振りしたのよ。しかもワザと!」

「そう?藤本なら、そんくらいできそうだけどな〜・・・。でもさ〜、
 もしそれがホントに作戦なら、誰が作ったシナリオなの?しかも見事に点まで取ってくれちゃってさ!」
「う〜ん誰れすかね?あのメンバーならこんちゃんれすか?」
74 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/07(水) 16:28

「いや、違うと思う。紺野にあそこまでの策は作れないと思う。」
「じゃ〜誰なんれすか?」
全員が腕を組んで考え込む。しばらく沈黙が続いた時、高橋が口を開いた。

「あの〜、もしかして中澤コーチやないですかね?」
「えっ?中澤コーチ!?」
「はい、あーし見たんですって!ハーフタイムの時中澤コーチ中心に円陣を作ってたんですよ!!」

「そっか〜、コーチの入れ知恵か〜・・・、チキショー!ムカツクよ!!」
「まあまあ、よしこ落ち着いてよ!逆に、その作戦通りに実行できたあっちのチームがすごいって事でしょ!」
「でもさ〜、ごっちんは悔しくないの?ごっちんもハメられたんだよ?」
「んあ〜、だって結局ごとー達が勝ったしさ〜、それに紅白戦じゃん!」
「そうだけど〜・・・・、やっぱクヤシイじゃん!!」

「まったくよしこの負けん気はスゴイね!でもさ〜、あの時、何で加護ちゃんがドフリーだったんだろ?」
後藤が何となく言った時、辻が頭を下げて、「ゴメンれす。あいぼんに足で負けたのれす。
 ちょっと距離が長くて・・・・・・」

「そっか、そりゃ〜しょうがないね!距離が長かったら加護ちゃんの方がやっぱ早いもんね♪
 うちのチームじゃ、追いつけるのは梨華ちゃんか高橋くらいだよ」
「そんなごとーさん、あーしの足はそんな早よないですって!」
75 名前:合宿2日目 投稿日:2004/04/07(水) 16:41

「そんな事ないよ、高橋はいい足持ってるよ!」
「そ〜ですか?ありがと〜ございます」

「後は亀井もオフサイドにこだわり過ぎだよ。状況に合わせないと!」
「スイマセン、絶対取れると思ったんです。自信あったんです。」
「まあ、失敗したのはしょうがないよ。でも亀井、DFはオフサイド失敗できないんだよ・・・」
「スイマセン・・・・・・」

しかし吉澤が亀井の肩を叩くと、「落ち込むなよ!1〜2回失敗してもあたしが防いでやるからよ!」
石川も亀井の肩を持つと、「そうだよ!DFとGKがしっかり連携が取れていれば、きっと大丈夫なんだから♪」
高橋は立ち上がって、「あ、あーしももっと頑張ります!」
「それじゃ〜、DFもまとまった事れすし、時間になったので食堂に行くれす!」
76 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/11(火) 22:59
更新待ってます。
77 名前:桜娘 投稿日:2004/05/12(水) 21:45

77>紺ちゃんファンさんありがとうございます。
まさか読んでいる人がいるとは思っていなかったので、
作者の気のままに進めていました。スイマセン・・・
これから少しづつ進めていきます。
78 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/12(水) 22:04

夕食を済ませて各自部屋に戻って行く。

第1ルーム(アヤカ・ミカ・里田・美海)
「あ〜あ!」里田は大きなため息と共にベッドに倒れこむ。
「どうしたのまいちゃん?そんな大きな声出しちゃって」
「だって、負けちゃったんだも〜ん!くやしいよ〜!!!」

「私もくやしい・・・」ミカもそう呟いてベッドに腰をかける。
「だって決勝点決めたのって誰?FWでもないMFでもない・・・
 GKのよっすぃじゃない!!くやしいよ・・・・・・」

あまりにも落ち込んでいる里田とミカに美海が声をかける。
「2人ともまだ2日目じゃない・・・、これから挽回していこうよ♪」
アヤカも立ち上がると、「そうだよ!まだまだこれからだよ!!あたしだって今日勝ったけど、
 大した事できなかったしね・・・」
79 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/12(水) 22:24

「そうだよね・・・、これから巻き返して行くしかないよね」
ミカが拳を握りながら小さく呟いた。
「そ〜だね♪あたしもレギュラー目指して頑張んないと!」
里田も立ち上がって声を大にして言った。

するとアヤカが、「そうそう、その調子♪ところでさ〜、みんなもう卒業でしょ?
 進路って決めた?」
「あたしとまいちゃんはコンサドーレに一応内定してるよ」
「そうそう♪室蘭カルテットで決まったんだよ!」
「へぇ〜、なっちとカオリもなんだ。楽しそうね!ミカは?」

「あたし?ん〜・・・、実は迷ってるんだよね〜・・・・・・・」
「えっ?何なに?ドコとドコで?」
「それが・・・、プロか進学かでね」
「進学!?ミカちゃん進学するの?」
「ちょっとまいちゃんそんなに驚かなくても・・・、
 東帝大から来ないかって話しがあってね」
80 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/12(水) 22:43

「そうなの?でもJリーグからも誘いは来てるんでしょ?」
アヤカが聞くと、
「うん、ベルディとかサンフレッチェとか後何チームか来てるけど・・・」

そう言うミカに里田は、「ミカって大学行きたいの?」と聞くと、
「わかんない・・・」ミカは首を横にふって答える。
すると美海が、「まあ、じっくり考えてみたらいいよ!選ぶのはミカなんだから。
 相談ならいつでも聞くからさ〜!ま〜、大して役にたたないかもしれないけどね♪」

ミカは笑顔になると、「アリガト!もうちょっと考えてみるよ。ところで、アヤカは決めたの?」
「さぁ〜♪」「ちょっと〜、さ〜って何よ!!」
「だってまだ決めてないんだも〜ん!」
「まったく〜、決めたら教えてよね!!」

里田が少し怒りながら言うと、アヤカが舌をペロッと出して、
「OK!わかってるって♪」
81 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/12(水) 23:20

第2ルーム(柴田・小川・新垣)
「いや〜勝った勝った♪ねっ〜ガキさん!!」
「そ〜すね!勝ててよかったっす!」
「チェッ!ど〜せ負けましたよ〜だ・・・・・」
「ほらほら、まこっちゃん!あんまり気にしないの〜」

「クッソ〜、柴田さん次は負けないっすよ!」
「へぇ〜言ってくれるじゃない!ガキさんの方はいいの?」
「りさちゃんはあと1年あるから大丈夫です」
「って言ってますが、どう?ガキさん」
「ハイ!返り討ちです!!」

「ハハッ、楽しそ〜でいいな♪あたしもまだ高校サッカーやりたいな〜」
「な〜に言ってんですか〜!柴田さんはもうさんざんやったでしょ!
 次の世代にバトンを渡してくださいよ!ねっ?りさちゃん」
「柴田さんはまだ次があるじゃないですか!」

「まっそ〜だけどね♪ど〜せ2人も先を考えてるんでしょ?」
「そんな〜、今を生きるだけでイッパイイッパイっすよ〜!!」
「そ〜ですよ〜!毎日毎日が大変ですよ〜・・・」
82 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/12(水) 23:41

「そ〜そ〜、悩め悩め!それが青春だ〜!」
「プッ、柴田さ〜んおばちゃんみたいっすよ!」
「おいマコト!だ〜れがおばちゃんだって〜!!」
「ひゃ〜、じょ〜だんっすよ〜!カンニンしてや〜!」

小川を追いかけながら、そばで笑っている新垣を見て、
「ガキ〜!オマエも笑ってんじゃねぇ〜!!」
小川と一緒に新垣も笑いながら逃げる。柴田は口調は恐いが笑顔で2人を追いかける。

しばらくして、「ハァ〜、ハァ〜疲れた・・・、ガキさ〜んジュース!」
そう言って、ポケットから小銭を出すと、「3人分だよ!」
「ハイ!かしこまりました!」新垣はお金を受け取って部屋から出て行った。
小川は軽く頭を下げると、「柴田さん、いつもスンマセン!」

「あらっ?まことも飲みたいの?買ってくればいいんじゃない?」
「え〜、そんな〜!!」
「ウソよ♪ところでさ、話は変わるけどミーティングはどうだったの?」
83 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/12(水) 23:58

「ミーティングっすか?それが課題が残っちゃって・・・」
「課題?」
「柴田さんはDFの事詳しいっすか?」
「ん〜・・・、まあ専門の人に比べたら劣るかもしれないけど、
 ある程度の事は知ってるつもりだけど、何?」

「あの〜、DFで100mと10mどっちが速い方がいいと思いますか?」
「えっ?そんなモンどっちも速い方がいいに決まってんじゃん!」
「いやいやいや・・・、そ〜じゃなくて、どっちか選んでくださいよ!」
「そ〜ね〜、DFに関してでしょ〜・・・、じゃ〜10mかな♪」

「あれぇ?何でわかるんですか?」
「そんなの当然でしょ。DFが100m走る事なんてほとんどないじゃん!
 それに、FWがマークを振り切るのに走る距離なんてたかがしれてるしね♪」
84 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/13(木) 00:31

「へぇ〜、柴田さんって見かけによらず頭いいっすね・・・」
「そりゃ〜ど〜いう意味だよ!」
「いえいえ、ホメテるんですよ〜」
「マコトと話してると、ホメられてる気がしないんだよね〜!」

「そっ、そんな〜〜!!え〜ん・・・・・・」
「って、思いっきりウソ泣きじゃん!」
「ありゃ、バレちゃいました?」
「バレバレだよ、もっとうまくやりなって・・・・・・」
「は〜い、練習しときま〜す!」

「って違うじゃん!課題が残ったんでしょ?だいぶ話しがそれちゃったけどさ!」
「お〜っと、そ〜だったそ〜だった!私って足遅いんですよ〜。
 それで、足が速くなるためには筋トレが一番だって・・・」
「なるほどね・・・、全身をパワーアップしようって事か!」

「あっ!?な〜んでわかっちゃうんですか〜?」
「そんくらいわかるわよ!マコトと一緒にしないでほしいわ!」
「うわっ!?こりゃ〜キビシーな!!っと〜」

その時扉が開くと、新垣がジュースを抱えて戻ってきた。
「戻りました〜、って何話してるんですか?」
「別に〜、これからの事についてだよ。なっマコト?」
「そ〜っすね♪」
そうして、2人はニヤニヤしながらジュースを飲む。
が、新垣は?の顔をしながらジュースを飲みだした。
85 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/13(木) 01:05

第3ルーム(亀井・田中・道重)
「あ〜、苦やしか!さゆに1点とられたばい!」田中がジュースをガブ飲みしながら言うと、
「も〜、れいな落ち着いてよ。れいなが抜かれた訳じゃないからいいじゃない」
「そんな事言っても、絵里だってDFなんだから気持ちわかるでしょ!」
「そりゃ〜わかるけどさ〜・・・」

その時、扉が開いて道重が入ってきた。そして田中を見ると、
「れいな、今日はさゆの勝ちだね♪でも、当然だよね。だって私ってカワイイんだも〜ん」
「クソッ、これやけさゆに点取られたくなかったんよ・・・」
「さゆ、そんな言い方しなくても・・・・・・」
「なんで絵里?だって勝ったんだよ。よろこぶのは当たり前でしょ?」

「でも、紅白戦だよ・・・・・」
「いいよ絵里。さゆがこうなんのはいつもの事やけ、ある意味なれとるよ・・・」
「でも・・・」
「ほら、れいなもこう言ってることだし、絵里も一緒に喜ぼうよ♪」

「はぁ〜、さゆも困った娘だな〜・・・、ところでれいな、ミーティングはどうだったの?」
「ミーティングか〜・・・、絵里はさ、サッカーは100mより10mって知ってる?」
「う〜ん、知ってるって言うか、まあ簡単に言うと状況によりけりだよね」

「えっ?どういう事?」
「要はさ〜、DFならいかにFWより速く動いて攻撃を封じたりさ、
 FWならいかにDFより速く動いてボールをもらうかって事でしょ!」
「うん」田中はあっけに取られながら頷く。
86 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/13(木) 01:33

「結局それって基本的な事でしょ?後はそれをどういう風に実行していくかって事なんだけどね」
「そっか、よくよく考えるとそ〜やんね・・・」
「まあ、基本的な事なんだけど、それが難しんだよね・・・」亀井は腕を組んでしみじみ呟く。

「絵里はさ〜、何か特別な練習みたいなのってなんかやりよるん?」
「ん〜、そんな特別な事ってしてはないんだけど、れいなってさサッカーのテレビとかビデオとか見たりする?」
「うん。けっこう見てるけど・・・、それが何なん?」
「私って暇さえあればいつもビデオとか見てるの。だから、見た試合も何百・何千て見てるの・・・」

「なっ、何千!?そんな見てど〜するん?」
「うん・・・、自分のポジションに照らし合わせて見たり、あと、いろいろな攻撃のパターンを覚えたり、
 オフサイドのタイミングとか見たりするの・・・」
「ほぉ〜・・・・・・・・」
田中はそんな亀井に感心して、何度もうなづいた。
87 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/13(木) 01:53

そして立ち上がって亀井の両肩を掴むと、
「スゴイ!スゴイよ絵里!努力ってそういう事を言うんやろね!
 うちらがしとる努力って誰もがやる事やけど、絵里ぐらいまでやって
 初めて努力しとるって言えるんやろね・・・!何か恥ずかしなってきたばい」

「そんな事ないよ、努力ってのは個人それぞれ違うんだからさ」
「イヤ、おかげで目が覚めたわ!ありがとね絵里♪」
「そんな礼を言われる事はしてないよ。何かに気づいても、実際に頑張るのはれいななんだから」

「うん、頑張るよ!そして今度はうちらが選手権優勝しちゃるけね♪」
「東帝だって負けないよ!辻キャップがいるからね♪」
「違〜う!優勝するのはさゆだも〜ん!!」
「何ねさゆ、突然入ってこんでくれん!」

「私負けないもん!れいなにも絵里にも、どこにもね!!」
「楽しみだね・・・」亀井が笑いながら言うと、2人も笑いながらうなづいた。
88 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/13(木) 19:56
作者様、更新ありがとうございます。
最近部活であんまりここにくる余裕がありません・・・。
ですがなるべくくるようにしますので・・・。
お話作りがんばってください!!
89 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 00:27

第4ルーム(安倍・飯田・紺野)
「はぁ〜、負けたのはしかたないけど、よっすぃにやられたのは正直イタイとこだべ・・・」
「そうですね。でも、これが紅白戦でよかったです!」
「えっ?なんで?」安倍が驚いて紺野を見ると、
「だって、再度確認ができたじゃないですか。ロスタイムの恐ろしさってやつを・・・・・・」
「・・・そ〜だね・・・・・・紅白戦だからって最後まで気を抜いてはダメって事だべ」
「はい!その通りです♪」

安倍と紺野が話している横で、暗い顔をした飯田が腕を組んで遠くを見ていた。
「あれっ?また更新中?」安倍がボソッと言うと飯田は、
「いや、そ〜でなくて、今日さ〜・・・、シュート1本しかうってないんだよね・・・」
「でもそれは、飯田さんが安倍さんや美海さんをひきつけてたからじゃないんですか?」

落ち込んでいる飯田を何とかフォローする紺野。しかし飯田は、
「だってさ〜、シュートもうたなくて何がFWだよ!GKのよっすぃとシュート数は同じ。
 その上決勝点まで決めてくれちゃってさ・・・、カオ用なしじゃん!!」
90 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 01:04

「ちょ、ちょっとカオリ・・・、そんな日だってあるべ。そこまで言わなくても・・・・・・」
安倍が必死になだめてる。紺野も「そうですよ。室蘭高のキャップがそんな弱気になってど〜するんですか!」
「でも、カオはもう引退したもん。それに今のキャップは紺野でしょ・・・」

「も〜いいべ!いつまでもそ〜やってウジウジしてたらいいべさ!!」
「ちょっと安倍さん落ち着いてください!そんな言い方しなくても・・・・・・」
「こんちゃん、気にする事ないべさ!それに、こんな状態だったら使い物にならないから、
 いつまでたってもレギュラーなんかになれる訳ないべさ!FW陣もライバルが1人減って助かったと思うべ♪」

紺野は今まで見た事ない安部を口を開けたまま見てると、飯田が突然立ち上がって、
「なっち!いつもありがと♪カオ頑張るよ!!絶対に他の3人なんかに負けないんだから!!!」
急に元気になった飯田を不思議そうに見てた紺野に安倍が、
「そっか、こんちゃんは見るの初めてだったね。実はカオリって落ち込みやすい癖があるの」
すると飯田が、「そうなの。で、なっちが説教してくれたら、何でかわかんないんだけど元気が出ちゃうんだよね〜」

紺野は楽しそうに話す2人を見て、「ハァ〜、勘弁してくださいよ!心臓に悪いですよまったく〜・・・」
「ゴメンゴメン♪だってこの事知ってるのってたぶん、なっちと美貴ぐらいだもんね!」
「そっか〜、こんちゃん驚かせてゴメン!」
「とにかく、明日から気を取り直してガンバリましょ〜!!」
91 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 01:19

第5ルーム(石川・矢口・吉澤)
「いや〜、それにしてもオイラビックリしたよ!まさかあそこでよっすぃが飛び出てくるとわね〜・・・」
「そうそう!しかも見事なヘディングまで決めちゃって♪練習してたの?」
「別に・・・、昔FWやってたから」そっけなく答える吉澤に矢口は、
「へぇ〜、そ〜なんだ。じゃ、GKはいつからやってんの?」

「高校からだけど・・・」と答えてる吉澤の顔を石川がジッと見つめている。
「何?梨華ちゃん。顔に何かついてる?」
すると石川は、腕を組んで立ち上がってブツブツと呟いている。そして、

「あのさ、よっすぃってもしかして中学は静岡?」
「そうだけど・・・」
「やっぱりね〜、見た事あると思ってたのよ!」
矢口は驚いている石川に、「えっ?梨華ちゃん知ってるの?」
92 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 01:39

「知ってるも何も、矢口さん中学の時もサッカーやってたんでしょ?何で知らないんですか?」
「だってさ〜、県予選の決勝トーナメントで負けちゃったからさ〜、夏は遊び回ってたんだよね〜!」
「とにかく、静岡代表、清中のFW吉澤って言ったらそりゃ〜有名ですよ!!」
矢口は目を大きくして吉澤を見ると、「えっ!?そ〜なの?」

吉澤は軽くため息をつくと、「まだ、そんな事憶えている人がいるとは・・・・・・」
「で、なんでその有名FWのよっすぃがGKなんかやってるの?」矢口が石川に聞くと、
「それは・・・、何で?」
「何でって、今の学校にキーパーがいなかったから・・・」

「いなかったからって・・・、だいたい清高に行くんじゃなかったの?」
「まあ、親の転勤ってやつ。あたしは別にサッカーはどこでやってもよかったからさ!
 だから高校は埼玉にしたってわけ!それでいざサッカー部に入ったらGKがいなくってさ〜、
 先輩がお前デカイからGKやれって言われて、と言うわけ!わかった?」

93 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 01:52

「そ〜なんだ。でも、もったいないよね、世界に通用するFWだって言われてたんだよ!」
「いや〜そ〜かな〜♪梨華ちゃん持ち上げすぎだよ。でも、あたしはGKやってよかったなって思ってるよ!」

「なんで?」
「だってさ〜、点を取るより防いでる方がおもしれ〜もん!!」
「ふっ、よっすぃらし〜よ!いいんじゃない、自分のやりたい事やる方がさ〜!!」
「おっ!矢口さんいい事言うじゃん♪かっけ〜!!」

「いや〜それほどでも・・・、そうだ!よっすぃのど渇いただろ?ジュースおごってやるよ!」
「マジっすか!?ゴチになりま〜っす!(フフッ、矢口さんはおだてに弱いな〜、覚えとこ!)」

矢口と吉澤が部屋から出て行くと、石川はベッドに寝転がって、
「自分のやりたい事か〜・・・、私ももっと頑張んないと♪」
そういって起き上がると、2人を追って部屋から出ていった。
94 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 02:13

第6ルーム(辻・加護・高橋)
「あいぼん、今日のダイブかっこよかったれすよ!」
「そ〜やろ、そ〜やろ!もっとホメてくれ!!」
「フゥ〜!カッコェ〜れす!!」
「いや〜まいったの〜・・・、んっ?どないしたん愛ちゃん?」

「うちらってさ、ナンダカンダ言っても急造チームやん」
「まあ、そ〜言われればそ〜やけど・・・」
「オフサイドってさ、DFとGKの呼吸を合わせんとさ、危険がイッパイやけさ〜・・・」

辻がゆっくり高橋に近づくと、「大丈夫れすよ、オフサイドに関しては亀しゃんを信用してればいいれすし、
 それによっすぃなら、それに合わせた動きもできるはずれす」
「そうそう♪愛ちゃんが不安になるのはわからんでもないけどさ、うちらは曲がりなりにも全国で戦ってきたんやで!
 呼吸合わせるくらいできんかったら、代表には呼ばれんって!!」
95 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/15(土) 02:35

「そっか〜・・・、そ〜よね!!」
「そうれす、そうれす!」
「そうや、そうや!」

「それにしてもあの作戦は見事れしたね、さすが中澤コーチってとこれすか♪」
「そ〜やろ・・・、ってあれっ!?何で知っとるん?」
「ちゃんと見っとたで!ハーフタイムん時。コーチ囲んで何やら真剣に話しよったろ?」
「なんや、バレとんのかい!まぁ〜、別に隠すような事でもないけどな!」

加護は笑いながら言うと辻の方を見て、「ところでさ〜、亀ちゃんのオフサイドってホンマすごいな〜!」
高橋も何度もうなづきながら、「そやそや、それに指示がすごい的確なんよ!」
「亀しゃんは本物の努力人間れすからね!ののも頭が上がんないれすよ!」
「努力って?」
「これは亀しゃんに聞いた話なんれすが、普段からサッカーの事ばっかり考えてるらしいれすよ!
 それに、いろんな試合のビデオを見て研究するんれすって。もう1000は見たって言ってました」

「せっ、1,000!!!」
加護と高橋が大きな声でハモッて驚いていた。そして加護が、
「そっか〜、うちらが普段する努力ってみんなもやることやもんな〜・・・」
「そ〜やね、うちらも年上としてもっと頑張らんといけんな・・・!」

高橋がそう言うと、3人は見つめ合って、いつになく真剣な顔になり静かにうなずいた
96 名前:めかり 投稿日:2004/05/15(土) 02:37

88>紺ちゃんファンさま 
ありがとうございます。
これからも頑張らしていただきまっす♪
97 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/15(土) 16:03
96>めかりさま。がんばってください!!
いつまでも応援してますよ!!!
98 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/19(水) 00:59

第7ルーム(後藤・藤本・松浦)
「んあ〜〜、お腹イッパイになったら眠くなってきちゃったよ・・・」
「ごっちん!食後30分は横になんない方がいいよ!!」
「えぇ〜!じゃ〜、ミキティ、何か話してよ」
「あっ、私も聞きた〜い♪」

「ちょっと亜弥ちゃんまで・・・、しょ〜がないな〜」
後藤と松浦はワクワクしながら藤本を見る。そして、
「むか〜しむかし・・・」
「って昔話じゃん!!違うよ、ミキティの話が聞きたいんだけど・・・・・・」
「そ〜ですよ!しっかりしてください!!」

「ご、ごめん・・・(何で美貴が謝ってるんだろ・・・)
 でも、美貴の話って何を話せばいいの?」
「ん〜そだね〜・・・!そうだ!!ミキティのサッカーを始めたキッカケとかさ♪」
99 名前:合宿2日目 投稿日:2004/05/19(水) 01:24

「サッカー始めたキッカケね〜・・・大した事ないよ」
「い〜からい〜から♪」
「お願いしま〜す♪」

「えっとね〜美貴が何でサッカーを始めたかって言うと、中1の頃なんだけどね、
 美貴と里ちゃんと美海って小学校から一緒だったんだ。それで、どこか運動部に入ろう
 って話になってさ〜、バレー・バスケ・サッカーのどれかにしようってなったんだ!それで、
 ジャンケンして、実海が勝ったらバレー、里ちゃんが勝ったらバスケ、美貴が勝ったらサッカーってね♪」

松浦は立ち上がると、「じゃ〜、もしかしたらサッカーをやってなかったかもしれないって事?」
藤本は軽くうなづいて、「まっ、そ〜いう事になるね♪」
後藤は持っていたジュースを一口飲むと、「ハハッ、でもなんかそんな決め方もいいね♪」

「そ〜でしょ!まあ美貴にとっては、体動かせるならドコでもよかったんだけどね・・・、
 ところで、ごっちんと亜弥ちゃんはど〜なの?」
「んあ〜?あたしは何となくかな・・・」
「はぁ〜・・・、何かわかる気がするよ・・・・・・。で、亜弥ちゃんは?」
「私は何でサッカーをやり始めたかは憶えてないんですけど、気がついたらやってたって感じですかね〜」

「へぇ〜、何かこういうのっておもしろいよね♪
 他のみんなのも聞いてみたいな〜・・・」
「そだね。でも、里ちゃんと美海は聞いても意味ないけどねっ♪」
「あっ、ごっちんヒドーイ!」
「んあ〜、ごめんごめん♪」

こうして合宿2日目が過ぎていった。
100 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 01:41

午前9時に全員がグランドに集合した。つんくは腕を組んで全員の前に立つと、
「よ〜聞けよ。今日、夕方から練習試合を組んだからな!」
突然の事にざわめく一同だが、紺野が手を上げて、
「あの〜、どことやるんですか?」

つんくはチラッと紺野を見ると、「あ〜〜〜!!それはまだヒミツや♪」
加護も手を上げると、「ヒミツってど〜いう事ですのん?」
「あ〜もう、うっさいの〜!とにかくアップ開始せいや!今日の練習を見てとりあえず
 スタメンを決めるからな!気合入れなおしてしっかりやれよ」

つんくの一言に全員が「ハイ!」と声を合わせて返事をし、アップを開始する。
こうして、午前中はセットプレーの練習を行って、午後は移動となった。
101 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 01:53

バスに揺られながら、安倍が隣に座っている飯田に話しかけた。
「ところでどこまで行くべかな?」
「さぁ〜?全然見当もつかないよ!」

すると前に座っていた紺野が後ろを向いて、「でも、これだけ隠してるって事はよっぽどの相手ではないかと・・・」
紺野の隣にいた高橋は、「えっ!?こんちゃんよっぽどってどんなとこなん?」
「さぁ〜・・・、それは私にもわかりかねますが・・・・・・」
「まあまあ、どこでもいいじゃん♪せっかくの試合なんだからさ、頑張ろうよ!」

反対側にいた矢口が嬉しそうに言ってきた。安倍もうなずくと、
「そうだべな。どんなとこが来てもいつも通りやればいいんでないかい!!」
紺野も、「そうですね、頑張りましょう!!」
102 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 02:06

一番後ろで座ってというか、横になっていた吉澤に、
「よっすぃ、よっすぃ〜・・・」
「んっ・・・着いた・・・」
吉澤が目を開くと、笑顔の後藤が吉澤を揺らしていた。

「何だよ!まだ着いてないじゃん、もうちょっと寝かせてくれよ〜」
「んあ〜、も〜起きてよ!ごとーと話しよ〜よ!!」
吉澤は後藤に無理やり起こされると、「で、話って?」

「よっすぃはさ、何でサッカー始めたの?」
「えっ?何で突然そんな事?」
「いいじゃん、教えてよ♪」

「ふぅ〜、サッカー始めたキッカケね〜・・・・・・、あたしさ〜、
 昔、静岡にすんでたんだよね。静岡ってさ、サッカー王国って言うくらいだから、
 すごくサッカーが盛んなとこなんだよね!」
103 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 02:18

「へぇ〜、だからよっすぃもサッカー上手なんだね。GK以外もやってたんでしょ?」
吉澤は驚いて後藤を見ると、「えっ!?なんでわかんの?」
「だって昨日のヘディングシュート見たら、一発でわかったよ♪」
「ふ〜ん・・・、あれでわかるんだ・・・・・・」

「うん、わかったよ」ニコニコしてうなづく後藤を吉澤は不思議そうに見つめた。
吉澤の視線に気づいて後藤は、「んあ〜、よっすぃ!そんなにごとーの事見つめないでよ〜、恥ずかしいじゃん♪」
そういいながら、バシバシと叩いてくる後藤に、
「イテッ、イテテテ、わかった、わかったから叩くなって!」

ようやく落ち着いた後藤に吉澤は、「ごっちんは何でサッカー始めたの?」
「ん〜・・・、昨日も聞かれたんだけど、あんま憶えてないんだよね♪」
104 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 02:45

「ふ〜ん、それじゃ〜さ、何でサッカーやってんの?」
「んあっ、何でって・・・、何でだろ?考えた事なかったな・・・・・、
 じゃあ、よっすぃは何でサッカーやってんの?」

「う〜ん、いろいろ理由はあると思うけど簡単に言えば、おもしろいからかな・・・」
「おもしろいか〜・・・、そう言われるとごとーも一緒かな・・・、
 サッカーってさ、あれだけ激しい動きをしてもさ、試合中は全然キツクないんだよね!」
「あっ、それわかる!試合が終わったらドッと疲れが来るのにさ〜、不思議だよな〜♪」

などと話していると、見た事あるスタジアムが見えてきた。
後藤は指をさすと、「あっ、あれって国立じゃない!?」
吉澤もうなずいて、「国立でやるんだ・・・・・・」
105 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 15:01

早速バスを降りてグランドに行くと、走っている人影が見える。
つんくは立ち止まっている全員に近づくと、「あれが今日のオマエラの相手や!」
その時、走っていた人影もこっちに気づいて近づいてくる。
だんだん近づいて顔が見えてくると、それが誰なのかすぐに気づいて藤本が、

「かっ、監督!?この人たちって・・・」
「あっ、なんや?」と、とぼけて答えるつんくに矢口が、
「何やじゃないっすよ!この人達って元A代表の人達じゃないっすか〜!!」
「ああ、そ〜やな〜」

紺野はそうそうたるメンバーを見ながら、「ちょっと待ってください!
 でも、9人しかいませんよ。もしかしてハンデですか?」
つんくは鼻で笑うと、「アホか!あとの2人は中澤と平家。あの2人や!!」
「えっ〜〜〜!」全員が驚くと、

中澤と平家も驚いてつんくに近づき、
「ちょ、つんくさ〜ん。うちらそんな事聞いてませんで!!」
「ホンマやで!今さらうちらに何ができると思ってますの?」
「しゃ〜ないやん!あいつらからの要望や!!モンクはあいつらに言ってくれ」

そうしてつんくはみんなの方を見ると、「自分らいつまでボーっとしとんねん!
 はよアップ始めんかい!」そういわれて全員はグランドに飛び出した。
106 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 15:10

中澤と平家はニヤついている9人にゆっくり近づいていき、
「はぁ〜、あんたらホンマにロクなことさせへんな〜・・・」
「ってゆ〜か、ど〜せこんなくだらん事考えたんは、あっちゃんやろ?」

と中澤に指をさされた稲葉は、「ちゃうよ〜、何でもうちのせいにせんといてや!」
「じゃ、誰やねん・・・?」
「私だよゆ〜ちゃん、みっちゃん♪」
2人が振り向くと、そこに福田が立っていた。

「なんや明日香かいな〜。も〜勘弁してや・・・、おばちゃんらそんなに動けへんで〜」
「そうやで!うちらはもう裏方さんなんやから・・・」
「はいはい。サッカーは裏でやるより、表でやんないとねっ!」
107 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 15:15

メンバー

GK大谷      大谷
DF中澤
  信田      中澤
  斉藤  前田  信田  斉藤
  前田 
MF石黒      石黒
  稲葉  村田  平家  稲葉
  前田
  平家    市井  福田
FW市井
  福田
108 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 15:36

つんくはアップの途中で全員を集めると、「とりあえず、今日のスタメンを発表する。
 一緒にユニフォームも渡すから取りにこいよ!ほんで、そのままロッカーに入って着替えて来い」

つんくはダンボールから1つユニフォームをとると、「まずGK吉澤」
「はい・・・」吉澤はつんくに近づくと、「え〜か吉澤。GKは常に冷静な判断をせないかん。
 点とられてもキレんなよ!」
「わかりました・・・」そのまま吉澤は下がっていく。

「次DF。亀井」「はい」つんくは亀井にユニフォームを手渡すと、
「ラインはお前にかかっとるからな、しっかり頼むで!」
亀井は無言でうなづいてロッカーに退く。

「次、ライトに高橋。レフトは石川や!」2人は一緒につんくに近づく。
「お前らは、まあ言わんでもわかっとるやろけど、高橋はオーバーラップ、
 石川はもっと積極的に動く事!」「「はい!」」
2人は同時に返事をしてロッカーに向かった。

「ほな次はMFやな、まず辻と後藤」つんくは2人にユニフォームを渡して、
「とにかく中盤の底は自分等にまかせる、プレーもだいたい任せるが、
 点を取られたら自分らのせいやと思えよ」
「は〜い」「わかったれす」
109 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 15:54

「はい次、ライトに藤本、レフトに加護」2人は無言でつんくに近づき、
「自分らはその自慢の足で走りまわってこい。シュートもガンガン打ってこいよ」
「はい」「へへっ、りょ〜かいっす♪」

「次、トップ下に紺野お前や!」「はい・・・」
「紺野、お前は自由にゲームをやってこい。どんな厳しいパスを出してもかまわん、
 ドンドンシュートを打つのもアリや!とにかく自信を持ってやる事。わかったか?」
紺野はつんくの目を見たまま、「は、はい。頑張ります・・・」

「最後FW、里田に矢口!」
「まず、里田はポストプレーや!自分が楔になる事を考えながらプレーせよ」
里田は無言でうなづく、

「ホンで矢口!矢口には一緒にこれも預ける」
ポンッと投げ渡されたキャプテン腕章。驚いた矢口は「オッ、オイラがですか・・・」
「ああそうや!矢口の持ち前のガッツでチームをまとめてってくれ」
「わかりました〜♪」
110 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 16:09

つんくは残ったメンバーを見て、「おう、自分ら落ち込んでんのか?
 言っとくけど、今日のスタメンは悪魔で今日のスタメンや!
 俺は状況によってスタメンを選ぶから、固定のメンバーはあんま作らん!
 ただし、いつまでも沈んどる奴は一生使わんからな。モチベーションは
 いつでも上げとけよ!」
「はい!!」残った全員が大きな声で返事をする。

「ええ返事や!ほなユニフォーム渡すから取りにこい!まず、ミカ」
「お前は守備範囲が広いのはええことや!あとは状況判断をもっと的確にしろ!」
「はい」

「次、安倍とアヤカと美海」
「安倍はもっといろんな事を試していけ!型に決まったパターンばっかりやっても意味ないで!
 サッカーはその場その場の状況に合わせてプレーしていくんや!」
「わかったべさ・・・」

「美海!お前はDFならサイドもできるようになれ!」
「はい」
「アヤカはプレーは問題ないんやが、キック力が弱すぎや、鍛えてこい!」
「OKです、ボス!」
111 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 16:22

「はい次、柴田、新垣、道重!」
「柴田、藤本に勝ちたかったら、もっとピンポイントのクロスを上げれるようになれ!」
「はい」

「新垣、もっと体を作らんと当たり負けしすぎや!」
「わかってますよ!」
「道重、もっとマジメにやってくれっ・・・」
「は〜い♪」

「飯田、松浦」
「飯田はどんな状況でもシュートを打てるようになれ!シュートの打たん
 FWなんて、全然恐くないぞ!」
「はい、練習します」

「松浦、お前は枠にシュートを入れろ!確かにお前はどんな体勢でもシュートが打てる、
 それに破壊威力抜群や!けど、シュート外しすぎや!もっとコントロールを身につけろ!」
「は〜い、がんばりま〜す」
112 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 16:33

「最後に小川と田中」
「自分ら2人は、これからの人間や!先輩のプレーを見て、しっかりと勉強しろ。
 そしたら来年はお前等が主役や!」
「ほっ、ほんとですか〜?」

「落ち着け小川、お前はとにかく慎重にプレーしろ!」
「田中はオーバーラップのタイミングをはよ憶えろ!」
「はい、憶えます!」

「あとは、2人ともしっかり走力をつけるんやぞ!」
「あっ、は〜い・・・」
「頑張ります・・・」

「ほな、とっとと着替えてこい!」
「はい」
2人はロッカーに駆け込んでいった。
113 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 16:48

<全日本ユース>

 GK 1 吉澤 ひとみ
   22 ミカ・トッド
 DF 2 小川 麻琴
    3 田中 れいな
    4 亀井 絵里
   12 美海
   13 木村 アヤカ
   14 石川 梨華
   16 高橋 愛
   17 安倍 なつみ
 MF 5 後藤 真希
    6  辻 希美
    7 加護 亜依
    8 藤本 美貴
   10 紺野 あさ美
   15 柴田 あゆみ
   19 道重 さゆみ
   20 新垣 里沙
 FW 9 矢口 真里
   11 松浦 亜弥
   18 里田 まい
   21 飯田 圭織
114 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/19(水) 16:53

 <スターティングメンバー>


     吉澤

 高橋  亀井  石川

   辻   後藤

 藤本      加護
     紺野

   矢口  里田  
115 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/19(水) 18:23
おっ・・・更新が・・・いつのまに・・・。
ってゆうよりも、重さん、いい味出してるなぁ・・・。
作者さま、待ってますよぉぉぉぉ!!!!!
116 名前:娘。よっすいー好き 投稿日:2004/05/20(木) 07:43
始まったころから読ませて頂いております。面白いです。

OB(元A代表組)にゆきどんが二人いるんですが・・・
117 名前:桜娘 投稿日:2004/05/24(月) 14:25

115>紺ちゃんファン様
いつもアリガトです。重さんは作者にも掴めません・・・

116>娘。よっすぃー好き様
これはこれは読んで頂いて誠になんとお礼を言えばよいのやら・・・
その上、ミスのご指摘まで重ね重ねスイマセン。
前田→村田の方向でお願いします
118 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/24(月) 14:44

(元A代表組)
福田は中澤の顔を見ると、「ところでゆうちゃん。あの娘たちどうなの?」
「んっ、あいつらか・・・?そ〜やな〜・・・、とぼけた奴は多いけどなかなかあなどれん奴らやで!」
「へぇ〜、そうなんだ・・・、じゃ〜、今日の試合はどうする?」

「どうするも何も、全力で向かってくる奴らに全力で答えんと失礼やろ!」
「はいはい、そ〜でした。しばらく会わなかったからゆうちゃんの性格忘れてたよ」
「うっさい!忘れんなや!!」

こうして中澤はみんなを集めると、「よ〜、このメンツでやんのも久々やな・・・。
 とりあえず、今日はあいつらをコテンパンにしてもかまわんから、
 ガッツリやってや♪」

市井が心配そうに、「でも、大丈夫なの?」と聞くと、
「あ〜、かまへんかまへん!あいつらは失敗すると、即座に修正してくる。逆にそこを引き出すのが
 うちらの仕事って事や」
「なるほどね!次の世代のためにって事か〜・・・、じゃ、ガンバリますか!」
市井は軽く背伸びをすると、センターサークルに向かって歩きだした。
119 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/24(月) 14:59

<全日本ユース>
11人が円陣を組むと、矢口はみんなを見ながら、
「とりあえず監督に言われたのは、とりあえずいろいろ試して来いだってさ!」
「それらけれすか?」
「いやあとは、あいつらの策にはまるなって・・・」

後藤が、「んあ〜、やぐっつあん策ってなんなの?」
矢口は首を傾げて、「それがさ〜、プレーしながら考えろってさ!
 あとは若さで頑張れって・・・・・・」

「なんやそりゃ・・・、あの人の監督らしいとこ、うち一回も見た事ないで・・・、
 まあ、あんなロートルなんかにうちらが負ける事はまずないやろ!」
「コラ加護!油断するんじゃないよ!とにかく、オイラたちの初試合だ!気合入れて行こうぜ!」

「おうっ!」
11人の声が響くと、グランドに広がって行った。
120 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/24(月) 15:23

ピィー!!
高い笛の音が鳴り試合が開始される。
前半はユースチームがペースを掴みガンガン攻め込んでいく。

紺野のスルーパスや、藤本・加護の快速サイドアタック。それに里田のポストプレーや
辻・後藤のバズーカーのようなロングシュート!
しかし、あと1歩のところで防がれてしまう。

一方、元A代表はと言うと、何本かシュートは打つものの、ラインディフェンスに苦労し、
攻めあぐねている感じだ。
結局、前半は0対0で折り返す。

ベンチに戻ったユースチームは、
「やっぱ大した事ないやん!この調子やったら後半は、なんぼでも点が取れるで!」
加護がお茶を流し込みながら辻に話かける。
「そうれすね、後半こそ点とるれす!」

他のメンバーもこれは勝てると思い、もう勝った気満々ではしゃいでいる。
しかし、「ちょっと待ってください!まだ前半が終わっただけですよ。まだ後半もあるんだから、
 気を引き締め直さないと・・・・・・」

「まったぁ〜、こんちゃんは相変わらず心配性なんだから〜!」
「そうそう、たまには気楽にプレーした方がいいよ!」
学校の先輩である、藤本・里田になだめられる。

「でも・・・、あの、何かありそうで・・・・・・」
その時、紺野の頭に大きな手が乗ってきた。紺野は上を見るとそこには吉澤が立っていた。
「心配すんなって、何かあってもうちらが絶対抑えるからさ!紺野は点を取る事を考えてくれよ♪」

「そっ、そうですね!紺野頑張ります!!」
「おっ、頑張ってくれ!GKには点を取ってくれる事が1番嬉しい事なんだからさ♪」
吉澤の言葉に紺野の後ろにいた藤本・里田の顔にも気合が入る。
121 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/24(月) 15:36

<元A代表>
「ふぅ〜、さすがにシンドイな〜・・・」
中澤はタオルを取り出すと、顔の汗をふき取る。そして、福田と市井の方を見て、
「どうや!あのDFは?」

「ど〜もこ〜も大したモンだよ!あのセンターは1年生でしょ?!」
「そうそう、サイドもしっかりしてるしさ!後その前にいるボランチ。あの2人も厄介だね!」
福田と市井はそう言って、手渡されたジュースに口をつける。

「ほ〜・・・、なら、点は取れそうにもないか?」
「ハハッ、枯れても元日本代表だよ!下作りはだいぶできてるよ。ねっ、さやか」
「当然♪ゆ〜ちゃんこそプレーが甘くなったんじゃないの?昔はラフプレーの鬼って言われてたのにさ!」
「やかましわ!とにかく準備ができしだいよろしく頼むわ!」

「OK!そしたらその時は頼むよみっちゃん!」
「任せとき!極上のやつを打ち上げたるわ!!」
122 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/24(月) 16:04

後半が開始して、しばらくは前半と同じように全日本ユースが攻め立てる。
が、なかなか得点につながらない。
動きがあったのは後半20分。高橋のオーバーラップで上がって行き、
そのまま中にアーリークロスを上げる。

里田は飛び上がってGKの大谷が少し左よりなのを確認すると、
空いてる右側にヘディングシュート!
決まったと思われた瞬間、中澤がうまくヘディングでクリアする。

クリアボールを拾った平家が前線を見ると、福田と市井が目でGOサインを出す。
それを見た平家は、前線に高くて長くそして速いボールを蹴り込んだ。
そのボールに走り込む福田と亀井。亀井が1歩前に出たとき、突然、隣にいた福田の姿が消えた。

気づくと福田は何かにつまづいたのか、転がりこけて亀井の前に転がっていた。
亀井はとっさに避けるために福田を飛び越えたその時、後ろから走り込んできた市井に抜かれた。
亀井は福田をジャンプして避けたため、少しスピードが落ちてしまったのだ。
そのため市井は一気にボールに追いつくと、そのまま吉澤と1対1となった。

吉澤は迷うことなく飛び出す。市井は、「へぇ〜、飛び出すタイミングは見事じゃん!
 でも、まだまだだな♪」と呟くと、吉澤の頭を越すようにループシュート。
キレイな弧を画いてそのままゴールネットを揺らした。
123 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/24(月) 16:16

「やったね!」市井が大げさに喜ぶ!自分のコートに戻っていく市井に福田が近づいて、
「ナイスループ!」とハイタッチをする。
「明日香も見事な転び方だったよ♪」と話す市井の声を聞いた紺野は耳を疑った。

「まさか・・・、今までのは全部作戦の1つって事・・・・・・?
 前半から今までずっと攻めていたのも、愛ちゃんがオーバーラップしたのも、
 里田さんのヘディングシュートを中澤コーチが防ぐのも、そのクリアボールを平家コーチが拾うのも、
 福田さんが転がるのも・・・・・・スゴイ!すごすぎるよ!!」

紺野はチラッと中澤の方を見ると、視線を感じた中澤はしてやったりの顔をして紺野を見ていた。
その後、何とか取り返そうとした全日本ユースだが元A代表のDFは崩せず、
逆に福田の強烈なシュートを何とかはじいた吉澤だが、そのボールを市井につめられ2対0で完敗した。
124 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/24(月) 18:49
更新どうもです。ゆ〜ちゃんはいい味出してるなぁ(←重さんと同文)
紺野さんのいやな予感、当たってましたね。さすが紺ちゃん!!
でも負けちゃいました・・・(涙
作者さま、相変わらずおもしろいです。がんばってください!!
125 名前:桜娘 投稿日:2004/05/30(日) 22:06
124>紺ちゃんファン様
ありがとうございます。
こうやって書いていると、やっぱり批評が気になる訳で・・・
おもしろいと言ってもらえると救われます。
126 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/30(日) 22:37

完全に元A代表に押さえ込まれたユースチームは帰りのバスの中では通夜のように静かだった。
合宿所に戻り各自自分の部屋に戻ったが、スタメンで出場した11人は自然に食堂に集まっていた。
そして、

「じゃ〜、紺野はあの1点目が全てあっちの作戦通りだって言うの?」矢口が部屋中に響くほどの大きな声をあげた。
「はい・・・、じゃないと、私が聞いた市井さんと福田さんの会話。それに中澤コーチの勝ち誇った笑顔・・・・・・、
 そうとしか説明がつかないです!!」紺野は真剣な顔でみんなに訴えかける。

それを聞いた加護が力強くテーブルを叩いて立ち上がると、「ほな、前半から攻め込んどると思っとったのはうちらの勘違いで、
 ホンマは攻めさせてくれとっただけって事なんか?でも、なんのためにそないなまねを・・・・・・」
紺野はゆっくりと立ち上がり、食堂の隅にあったホワイトボードを運んでくると、
「合ってるかどうか解かりませんが、私の考えついた答えでよければ説明します」
紺野にそう言われ、加護は大人しく席に座る。
127 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/30(日) 23:01

紺野はホワイトボードに図を書きながら、「まず、私たちが点を取られた理由なんですが、
 これは3バックの盲点をうまくつかれたのです」
亀井は首を傾げながら、「3バックの盲点ですか・・・?」

「そう!普通に考えればいくら元A代表でも簡単にはユースチームのDFをやぶる事はできないと思います」
「でもさ〜、今日は2点も取られたんだけど・・・」吉澤が少し低いトーンで呟く。
「それは、1点目のショックなので誰のせいでもありません!それより、なぜ前半から後半の途中まで、
 あれだけ攻め込める事ができたかと言うと、それはDFラインを上げる事に狙いがあったからです!!」

紺野がホワイトボードに書き込むと全員がそれに注目する。
「あそこまで自由に攻めれると、かなり前のめりになってしまいます。そこで、
 中盤の間を詰めるためにDFラインがドンドン上がっていき、今度はその間を詰めるためにGKも上がって行きます。
 しかし、GKが上がると言ってもさすがに限度があります。要はそこをつかれたのです・・・」

「はぁ〜・・・、あさ美ちゃん、よ〜もそんなとこまで考えつくの〜・・・・・・」
高橋は目を大きく開き、感心しながら紺野を眺める。
128 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/30(日) 23:26

「でもさ〜、いくら作戦だからってそんなにうまくいくものなの?」
いまだに納得できない藤本が、紺野に問い詰める。
「そうなんですが、ここで一番重要なのが石川さんのマークした相手なのです!」
紺野の言葉に、今度は全員が一斉に石川を見る。
石川は慌てながら、「ちょ、ちょっとそんなにみんなで見ないでよ〜」

紺野は軽く咳き込むと、「石川さん、あの時誰のマークに付いてました?」
「あの時はね〜、村田さんがスゴイ勢いで駆け上がってきたから、村田さんに付いてたよ」
「そうです!!だからまとめると、それまでずっと攻め続けた事、愛ちゃんがオーバーラップした事、里田さんのヘディング、
 村田さんのオーバーラップ、中澤さんのクリア、平家さんの山なりの速いパス、福田さんが転んだ事・・・・・・」

「じゃあ紺ちゃんは、今まで上げたのが全部あっちの作戦だったって言うの?そんなの理解できないよ!!」
藤本が睨みつけるように紺野を見る。しかし紺野はそんな藤本に、
「藤本さん落ち着いてください。ここで大事なのは村田さんと福田さんのプレーなんですが、
 たぶんこれは2人が独自でやった行動だと思います!」
129 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/31(月) 00:10

「えっ!?どういう事れすか?もっと詳しく話してくらさいれす」辻が首を捻りながら紺野に尋ねる。
「えっとですね、村田さんは愛ちゃんがオーバーラップしたのと前線に市井さん福田さんが残っているのを
 確認した上で全速力で上がってきたのだと思います。自らがおとりになるために・・・・・・、
 それと福田さんも走力で亀ちゃんに敵わないと解かっていたので、あえて転んで亀ちゃんのスピードを落とした
 のだと思われます。それを理解した市井さんがトップスピードでボールを奪ってシュートを決めたと・・・・・・」

紺野の説明が終わると、今まで静かに聴いていた後藤が、「んあ〜、スゴイね〜!さすがは元A代表だね♪
 だってさ、個人の考えが全部チームのためになってるんだよ!」
「まったく〜、ごっちんはすぐ感心しちゃうんだから・・・、でも、美貴も関心したよ。
 そうだよね、点を取るのは誰でもいいんだよね!要するに、点が取れるにはどういう行動をしないといけないかって事!」

里田も、「そっかFWは点取るだけを考えてちゃダメって事だね!DFを引きつけてシュートコースを空けたりとか・・・」
「そうだね!そうすればオイラたちももっと強くなるしね♪」
「はぁ〜・・・、1つ1つの行動にも気をつけなアカンな・・・」加護は頭を抱えて考え込む。

亀井と辻も、「辻さん、私もっと頑張ります!」「おう!亀しゃん、のののために頑張るのれす!!」
「って、お前も頑張れよ!!」突っ込む藤本。
「石川さん!あ〜しは石川さんを越えるサイドバックになるで!!」
「私の壁は高いわよ♪」

その会話を聞いていた吉澤が、「この両サイドバックで大丈夫かな・・・・・・」
とは口には出さない吉澤であった。
130 名前:合宿3日目 投稿日:2004/05/31(月) 00:39

その頃、「ねぇ〜れいな、絵里はどこ行ったほ?」と尋ねる道重。
「何か1人で考えたいって言って出てったよ!」答える田中。
「1人で考えたってしょ〜がないのに・・・、そう思わんれいな?」

「う〜ん・・・、それよりさゆってさ〜、今日監督に言われた事ってホントなん?」
「監督に?何か言われたかな・・・?カワイイのは解かりきった事なんだけど♪」
田中は立ち上がると、「さゆ!ごまかさんでって!!まじめにやってないってホントなん?」
「もうれいな、そんな怒らんでって!」

「怒っとらんて!えぇ〜からあたしの質問に答えりって!!」
あまりの田中の勢いに道重は真剣な顔になって、「れいなはどう思っとるほ?」
田中は何回か首を横に振って、「あたしはよ〜解からん。さゆって謎めいとるもん!」
道重はまた普段の笑顔に戻ると、「なら、謎のままって事にしとってよ♪」

田中はこれ以上問い詰めてもムリと思い、「わかった!さゆは謎の女ばい!」
そういってベッドに寝転んだ。
131 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/31(月) 20:30
更新どうもです。
作者さま、心配されなくても大丈夫です。
私はいつまでも応援してます!
132 名前:桜娘 投稿日:2004/06/10(木) 22:26

131>紺ちゃんファン様
ホント毎度ありがとうございます。
これからも地味に頑張らせて頂きます。
133 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/10(木) 23:02

翌日、グランドに集合するとつんくが、「昨日はお疲れさん。どうやロートル軍団にやられた気分は?」
と、ニヤケながら全員を見る。「ムカムカしてあんま寝れなかったッスよ!」
吉澤が少しメンチを切りながら口を開いた。

「ちょ、監督!ロートル軍団はないんとちゃいまっか!!」と中澤につっこまれると、
「おぉ〜、スマンスマン!まあ、言葉のアヤっちゅ〜やつや!」

「ねぇ〜ごっちん、ロートルってどういう意味れすか?」辻が首を傾げながら隣にいる後藤に尋ねる。
後藤も首を傾げながら、「んあ〜・・・、何だろ〜ね、ロートル・・・?ロートル製薬?」
それを隣で聞いていた藤本が、「2人とも何アホな会話してるのよ!監督が見てるよ!!」
藤本に注意された2人は急いで前を向く。

つんくはそれを確認すると、「よっしゃ、ほな今日はフォーメーションをやるで。DFは3バック、4バックと
 いろいろ試すからな!OFも1トップか3トップまでやっていくから、キッチリ動いていけよ」

「はい!!」
134 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/10(木) 23:28

つんくはハーフウェイの両サイドに2本づつコーンを立てると、
「よし、ほな説明するで!まず使うのはこの半面のコートだけや!OFは普通通りゴール目指して攻めろ。
 ほんでDF側やけど、途中でカットしたらクリアせんで、そのままあのコーン目指してつないでいけ。
 DF側は両サイドにゴールを置いとるから、サイドチェンジしたりしても構わんから、とにかくOFに負けずに点をとれ!
 そんときはOF側もしっかりと守れよ!GKはキャッチしたら空いとるDFにボールを預けてやったらえぇから・・・、
 とりあえず概要はそんなとこや、何か質問は?」

亀井が手を上げると、「ハーフしか使わないって事はオフサイドはやらなくていいってことですか?」
「亀井!お前は少しオフサイドに頼りすぎや!確かにお前のオフサイドトラップは絶品や!それは認めたるわ・・・、
 やがな、そのせいで他のプレーが少し見劣りしてきとるんや。お前はしばらくオフサイド禁止!わかったか?」

「そんな〜・・・」あまりにも突然の注意に、亀井は落ち込んでしまった。
辻は亀井の肩を叩くと、「まあまあ、練習れすからいろいろ試していけばいいれすよ。とりあえずやってみるれすよ亀ちゃん」
「わかりました。絵里、やってみます!」亀井は顔を上げて辻の目を見ると力強く答えた。
135 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/11(金) 00:07

つんくは全員を見ると、「亀井だけやないで、他の奴らにも注意する事はいっぱいあるから、
 それはそのつど言っていくわ!ほなまず、GKミカ、DFは安倍・アヤカ・石川・小川や!
 辻と・・・、道重お前もDF側に入れ!ポジションは守備的MFや。
 次はOF側やな・・・、FWは飯田・松浦・矢口。その後ろに柴田・新垣・加護・それと後藤や」

呼ばれたメンバーはグランドに広がると、ミカのゴールキックで練習が開始された。
柴田がそのボールをキープする。前線の矢口と松浦がサイドに広がり飯田がセンターで張り込む。
その時、道重が早速チェックにくる。後ろでは辻が道重のフォローする姿が見える。柴田はボールを
後ろの後藤に渡すと道重の横をすり抜け前線に走り込んでいく。辻がそのまま柴田のマークにつくと、
それを見た後藤が道重を軽くかわしてドリブルで上がってくる。

すかさず辻が後藤に当たりにいくと、それを後藤は柴田とのワンツーで辻をかわし、加護にボールを渡す。
その時、「ストップや!後藤、何でそこからシュートを打たんのや!」
「えっ?だってまだ遠いじゃないですか・・・」後藤が反論すると、
「はぁ〜・・・、ええか!このガチガチのDFを崩すんはロングシュートやミドルシュートが1番なんや。解かるか?
 こんなけみっちり守られとったらショートパスも通らんやろ、それにドリブルしても囲まれるのが目に見えるわ!
 そりゃ〜、お前やったらキープできるかも知れん。でも、それをやるのはもっと時間が経ってからや!
 まずはガンガン打っていけ!これは後藤だけやないぞ!辻、紺野、柴田、道重もやぞ!!
 お前らはそれができるパワーやテクニックがあるんや、忘れんなよ!ほんじゃ〜もう一回ゴールキックからやり直しや」
136 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/11(金) 00:35

そうして、もう一回ゴールキックから再開する。今度は新垣がボールをキープしてから周りのみんなが動きだす。
つんくはそれを見ながら椅子に座ると、「田中、ちょっと来い!」
田中が近寄るとつんくは、「お前は石川の動きをよく見とけ、足の動きから目の動きまでくまなくや、解かったか?」
「はい」田中はうなずくとサイドラインに近づいて石川の動きに注目する。

藤本と吉澤は逆コートでキーパー練習をしながら、「なんか今日の監督すごくない?って言うか4日目にして
 初めて監督らしい姿を見た気がするんだけど・・・」吉澤は藤本のシュートをキャッチしながら、
「昨日の事ホントは監督が1番悔しかったんじゃないの?」藤本はそれを聞いて、
「ははっ、ありえるね。口ではあんな事言ってるけど、ホントは勝つ気マンマンだったんじゃないの?」
「まったく、めんどくせ〜おっさんだな・・・!」「よっすぃ、それは言いすぎでしょ!?」
「何言ってんだよ、ミキティだってそう思ってるくせに!」「ま〜ね♪」

しばらくして、「吉澤、藤本、出番や!こっち来い!!」
2人は走って戻り、藤本がビブスを取りにいった時につんくから、「藤本、人の話をする時はもっと声のトーンを落とせよ。
 吉澤にもちゃんと伝えとけ!」藤本はビクビクしながらつんくの顔を見て、「スイマセン、聞こえてたんですか?」
「ま〜な!俺は耳がめっちゃ良いんや、気をつけろよ!ちなみにお前らの話はほとんど当たっとるぞ。俺は当然勝つつもりやったけどな・・・」
「はい、頑張ります」藤本がコートに向かおうとした時、「おい藤本、お前はアーリーの練習をしていけ」
藤本はうなずくと自分のポジションに向かいながら、「アーリークロスか・・・」と呟いた。
137 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/11(金) 01:27

吉澤のゴールキックから開始され、紺野から藤本にボールが回ってくる。藤本は中に走り込む里田を目掛けてアーリークロスを上げる。
しかし、ボールは里田を飛び越えて、そのまま高橋にカットされてしまった。
「藤本〜、もっと考えて蹴らんか!!コントロールが課題やぞ!」とつんくの声が聞こえる。藤本は守備に回りながら、
「解かってるよ!だから練習してるんでしょ!!」と、今度はつんくに聞かれないように小声で呟いた。

しばらくして、紺野がドリブルで亀井を抜いた時に、「おい、亀井!まだ俺が言った意味がわからんのか!え〜か、
 お前はユニフォームがきれいすぎんねん!!DFやったらもっと汚れてこいって事や!解かったか!!」
つんくに怒鳴られた亀井は周りのDFの姿を見てみた。みんな上下とも汚れている。ちなみに自分はと言うと、少したりとも汚れたとこが見えなかった。
亀井はそんな自分の姿が恥ずかしくなり、そこから全然プレーが変わってしまった。スライディングはもちろん、積極的に動くようになった。

それを見たつんくは中澤に、「あれでこそ、高校NO,1DFや!なっ、そうやろ!!」
中澤はうなずきながら、「そうですね、亀井は接触プレーを避けてた部分がありましたからね、オフサイドや人を動かすプレーにはまり過ぎて、
 自分を動かす事を忘れてしもうたんでしょうね。しかも、同じチームに後藤・辻と強力なボランチがおればなおさらでしょう・・・」

休憩をはさんで午後も徹底的にフォーメーションを続けていった。
各自つんくからいろいろと指示を受けながら・・・。
そして3時頃になると、「よ〜し、今日はここまでや。お疲れさん!」
そう言って、つんくたちコーチ陣は合宿所に戻って行った。

しかし選手たちは戻らずに、そこから自主トレに入っていく。が道重だけは合宿所に戻ろうとしていた。
それを見つけた田中が、「ちょっとさゆ!何しとんの?まさか自分だけ休む気やないっちゃろうね〜!」
「何で?休んだらいけないの?だってこれ以上やっても疲れが溜まるだけなんだもん♪」道重は笑顔でそういうとそのまま歩いて戻っていった。
138 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/06/11(金) 20:18
132>桜娘 さま。
私は毎度っにあっらわっれるぅ〜♪
とゆうわけでこれからもここに現われたいと思います!
よろしくお願いします!
139 名前:桜娘 投稿日:2004/06/23(水) 21:36
138>紺ちゃんファン様
こちらこそ、ヨロシクで〜す♪
140 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/23(水) 22:03

田中は歩き去る道重の後姿を眺めていた。すると後ろから、
「ど〜した田中?ボーっとしちゃってさ〜・・・」
その声に振り返ると、そこに矢口が立っていた。「あっ、矢口さん・・・」

「うわっ?!そんな恐い顔してちゃって、何かあったの?」
「えっ?あたしそんな顔しとりました?」
矢口はニコッと笑うと、「田中はたま〜に恐い顔になるからね〜・・・、まあ、ミキティほどじゃないけど♪
 ところでど〜したの?」

「実は・・・、さゆの事なんですが、監督に言われとるのにいっちょんまじめにやろうとせんのです」
矢口は腕を組むと、「う〜ん・・・、まあ〜こればっかりは個人のやる気しだいだからね〜・・・・・」
「でも、そういうのってチームの士気に影響がでてくるんやないんですか?だって他のみんなは残って自主レンしとるんですよ!」
「でもさ〜、道重には道重の考えがあってだと思うんだけどね・・・」

「そんな事なかです!!さゆは、マジメにやれば全然ウマイのにいっつも手を抜くけん、いい風に見られんのです・・・。
 矢口さん!矢口さんからもさゆにちゃんと言ってやってくれませんか?」
「わかった!わかったからちょっと落ち着きなよ。オイラも一応キャップだから言っとくからさ、田中は田中で頑張んないといけないんだろ?」
「はっ、はい・・・!じゃあ、さゆの事お願いします!」

田中は大きく一礼すると、亀井の方に走って行った。
それを見送った矢口は、「はぁ〜・・・、しょ〜がないな〜・・・・・・」
141 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/23(水) 22:31

矢口は道重の部屋の前まで行くと、1つ軽くセキ込んでドアをノックした。
トントン・・・「は〜い、ど〜ぞ〜♪」中に入ると、道重がシャワーを浴びた後なのか、タオルで頭を拭いていた。
「あ〜矢口さん、ど〜したんですか?まあ、とにかく座ってください♪」

矢口は言われたままに座ると、その前に道重も座り込んだ。「でっ、さゆに何か用ですか?」
「あ〜、その事なんだけどさっ・・・」
「もしかして、れいなに何か言われました?」
「んっ、ん〜・・・、ま〜ね!」

矢口は道重の目を見直すと、「道重ってさ、練習見てて思ったんだけどさ、ワザと手を抜いてるでしょ?」
道重は少し目を細めると、「えっ・・・、そ、そんな事はないですよ。矢口さんの考えすぎですって・・・」
「そんな事ないね。残念だけどバレてるよ、少なくともオイラやごっつぁんとかにはね」
「また〜、いくら私がカワイクてもほめても何もありませんよ♪」

「ハァ〜・・・」矢口は軽くため息を吐いて、「も〜、それはいいから!とにかく、何で手を抜いたりするの?」
道重は観念したのか、「あ〜あ、せっかくみんなにバレないようにしてたのにな〜・・・なんでわかったんですか?」
「だってさ〜、あからさまに手を抜いてんだもん。あんなプレーしてたら一発でわかっちゃうよ!
 それに、もしあれが本気なら、代表に呼ばれる訳ないじゃん♪」

「そっか!!それもそ〜ですよね♪」
「ところでさ〜、何でそんな事してんの?」
142 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/06/23(水) 22:52
重さんの真実は一体・・・?
更新待っとります。
・・・おっ!そーいやぁ、更新ほやほやだ☆
143 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/23(水) 23:00

「え〜〜〜、あの〜〜〜、言いにくいんですが・・・・・・」道重が口をモゴモゴとしてると、
「いいから言っちゃいなって!オイラでよければ相談に乗るしさっ!」
「実は私・・・、人見知りするんです!」

「えっ・・・人見知り・・・・・・?」
「そうです!私、高校の仲間とサッカーをするのがとっても好きなんです。だから代表に呼ばれた時、ホントは断ろうとしたんですけど、
 みんなが行ってこい言うから来たんです。けど、知らない人ばっかりだから、ど〜もやる気がでなくって・・・」

「で、でもさ、田中とかいんじゃん!亀井だっているしさ♪」
「れいなはよく試合してたんで顔見知りだから・・・、絵里だって、たまたま部屋が同室なだけでそんなに仲がいいわけじゃないですから・・・」
「ん〜・・・、ま、まあ、これから仲良くなっていけばいいじゃん!これからしばらく一緒にいるわけだしさっ!
 オイラだっているし、歳が近いのだってイッパイいるじゃん!辻とか加護とか紺野とかさ!!
 だから、頑張っていこうよ!ねっ?道重!!」

道重は目を閉じて考えていたが、パッと目を開くと、
「わかりました。私もうちょっと頑張ってみます。矢口さん、これからよろしくお願いします」
「よし!一緒にがんばろうな!!道重♪」そう言って、道重の肩を叩き、
「じゃ、オイラはそろそろ行くね!」矢口が部屋から出ようとした時、

「矢口さん、ありがとうございました」道重が頭をさげる。
「気にすんなって、他にも何かあったらいつでもオイラに言ってきな♪」
そう言うと、手を振って部屋から出て行った。
144 名前:桜娘 投稿日:2004/06/23(水) 23:03
142>紺ちゃんファン様
重さんはこういう事でした♪
145 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/06/24(木) 16:02
144>桜娘 さま。
なるほど!う〜ん・・・重さんの気持ち、わかるなぁ
私も結構人見知りなんです。
重さん!ガンバ!
146 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/27(日) 00:48

その頃グランドでは
「吉澤さんお願いがあるんですけど・・・」
「んっ?!なんだ紺野じゃないか、どうした?」
後藤と話していたところを、突然後ろから紺野に話しかけられた吉澤は少し驚いたが、すぐに我に戻り問いかけた。

「あ、あのっ、FKの練習をしたいんですが、GKに入ってもらえないでしょうか・・・」
吉澤はニヤッとすると、「なんだそんな事か・・・、いいよ」
すると一緒にいた後藤も、「じゃ〜、ごとーも一緒にFKの練習していいかな?」
紺野は顔を真っ赤にしながら、「あっ、あのっ、ぜひお願いします」と2人に深々と頭を下げてきた。

「おいおい、何もそんなに頭下げなくても・・・・・・」吉澤が焦って紺野の頭を上げさせようとする。
「んあ〜、こんちゃんは相変わらず試合以外では、腰が低いよね〜♪」と笑いながら紺野に話す。
「えっ?いっつもこ〜なのか?・・・とにかく練習しに行こうぜ!」
「はっ、はい・・・、とりあえず壁の準備だけはしてますんで、あっちのゴールに行きましょう」
紺野はそう言うと、ゴールに向かって歩きだした。2人もゆっくりと紺野に続いた。
147 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/27(日) 01:08

吉澤がゴールに入り、後藤と紺野は壁を前にして2人で並ぶ。
「ふ〜ん、まずはありがちな45度からってな・・・」後藤が足首を回しながら呟く。
「この場合、後藤さんだったらどこを狙いますか?」紺野が聞くと、
「ん〜・・・、こんちゃんだったらどこにする?」と逆に問いかけられてきた。

「えっ、私ですか?そ〜ですね・・・、私はやっぱりここは、右上もしくは左上のスミですね」
「ふ〜ん、じゃあさ〜、とりあえず左上スミを狙って蹴ってみてよ」
「は、はい、わかりました。」そう言うと、吉澤に、「吉澤さん、行きます」
「お〜う!!」吉澤はグローブをパンパンと鳴らしてかまえる。

紺野はボールをセットすると、少し助走をとり目を閉じて軽く深呼吸をする。
そして目を開くと、走りこみ右足でボールを蹴りだす。
ボールは壁の頭の間を抜けると、そのままゴール左上スミに突きささる。
吉澤は一歩も動けずに、ただボールの軌道を眺めるしかなかった。

「んあ〜!やっぱスゴイね〜こんちゃんのキックは・・・、あんなFKされたら100%決まっちゃうよ!」
「いや、そんな事ないです。今のは壁が動かないという前提条件があったので・・・、本番では今のコースではDFに当たってしまいますから」
するといつの間にか吉澤が側に来ていて、「オイ紺野!あんなFKゼッテー止めれね〜よ!!」
「だいたいさ〜、こんちゃんって何であんな正確なキックができる訳?」
後藤の質問に紺野は少し頭を下げると、「それは・・・・・・」
148 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/27(日) 01:27

「「それは?」」後藤と吉澤が同時に問いだす。
「あ、あの、実は・・・、小学校の時、私友達がいなくて・・・、
 それであのっ、いつも1人でボールを蹴ってたんです・・・・・・」
紺野が恥ずかしそうに2人に話す。

「ふ〜ん、ナルホドね〜・・・、孤独が生み出した産物ってとこか〜」
「ったく〜、あんまそんな事言っちゃダメだよ、よっすぃ!!」
「あっ、ゴメン紺野・・・」後藤に言われ、さすがに言い過ぎたと思った吉澤は素直に謝る。
「いや、いいんです。本当の事なので・・・」と小声で返答する紺野。

しかし、後藤が「でもいいじゃん!今はイッパイ仲間がいるんだからさ!
 学校の仲間や、それにこのユースのチームだってそうだよ!
 それにごとーだってよっすぃだってもう紺野の仲間じゃん♪」

紺野は顔を赤らめると、「ホ、ホントですか・・・、あ、あのっ、ありがとうございます!!」
とまた、深々と頭を下げた。
「ホラホラ、また頭を下げる。とにかくFKの練習するんだろ?続きをしようぜ!」
吉澤は紺野の頭をポンと叩くと、またゴールに向かって歩きだした。
後藤も紺野を見て、「よし、練習再開だ!!」「はい!!」
149 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/06/27(日) 21:05
紺ちゃん・・・そんな過去が・・・
でも今は大丈夫ですね!!
がんばれこんこん!がんばれ作者さま!
150 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/29(火) 22:49

「ね〜、愛ちゃん。もう一回蹴ってくんない?」
藤本はつんくに言われたため、高橋と柴田の3人でクロスボールの練習をしていた。
「え〜ですよ。ほんじゃ・・・」ガスッと音と共にボールがゴール前に飛んでいく。

「ん〜・・・、何が違うんだろ・・・・・・」キレイに弧を画いて飛んでいったボールを思い出しながら、
藤本は腕を組んで考え出す。
「てかさ〜、美貴ちゃんってセンタリング上げるのって、チョーウマイじゃん。
 何でクロスボールが上げれないの?」
不思議そうに柴田が藤本に聞く。

「だってさ〜、美貴っていつもエンドラインギリギリまで切り込んで行くもん。それが美貴の持ち味だからさ〜」
「ほんじゃ〜、今までクロスボールってのは・・・」
「そんなもん上げた事なんかある訳ないじゃん!愛ちゃんも変な事聞かないでよ!!」
柴田と高橋は目を合わせると、「「は〜」」と大きく息をついて、

「じゃ、今日から猛特訓だね♪ビシビシ行くよ〜!」
「あーしも手伝うんで、頑張りましょう!」
「え〜!!猛特訓とか美貴したくないんだけど・・・」
「「ダメ!!!」」

「・・・は、はい・・・・・・」
151 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/29(火) 23:09

「だいたいさ〜、何でそないなエゲツナイシュートがうてんの?」
加護が辻のシュートを見ながら呟く。
「えっ?そうれすか?あいぼんだってやればできるれすよ!」
「アホか!そんな殺人的なシュート誰にでもうてるか〜!!」
「まあまあ、のんが教えるからあいぼんもやってみるれすよ♪」
「ほぉ〜・・・、そこまで言うんやったら教えてもらおうやないか」

「じゃ〜教えるれす。まずボールをセットするれす」
と言いながら、ペナルティーエリアの外にボールをセットする。
「ふんふん」
「で、軸足はこの辺で踏み込むれす。後はボールのこの辺をれすね、ドンって蹴るんれす!」
「ふ〜ん・・・、ってそんな説明でわかるか〜!!なんやの?この辺とかドンとか!
 説明が全部曖昧やねん!!」

加護がスゴイ顔して言ってきたので、辻は涙目になると、
「ゴメンれす・・・」
「あっ・・・、いやっ・・・、違うねんで!!・・・そうや!のののシュートもう1回見せて〜や!」
「のんのれすか・・・」
「うんっ!いやぁ〜、やっぱのののシュートは一味違うからな〜・・・、見せてほしいねん!」
152 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/29(火) 23:29

辻は笑顔になると、
「しょうがないれすな〜・・・、あいぼんがそこまで言うなら見せてあげるれす」
そう言うと、辻はセットしたボールに構える。いつの間にか辻の顔つきがいつもとは全然違っていた。

たったった・・・、ガスッ!・・・ドスッ!!
「はぁ〜・・・」辻のシュートを見て、加護は自然と拍手をしていた。
「どうしたれすか?拍手なんかして」
「あんっ?あっ、何もないで!それより、だいぶ解かったでのののシュート。
 軸足は前の方に踏み込み、そんでインステップでボールの中心を押し出すように蹴る」

「じゃあ次はあいぼんですよ!」
加護はボールをセットすると、「あとは、うちにのの並の筋力があるかどうかが問題やな・・・」
そう呟くと、たったった・・・、ボコッ・・・・・・、思いっきり振りぬいたボールは枠を大きく越えていった。
「アカン・・・、あんな体勢で蹴ったらまともなシュートなんかうてへん・・・」

「あいぼん練習あるのみれす!」辻は笑顔でボールを加護に渡す。
「練習って・・・、それよりまずは筋トレの方が先やで!」
加護はトレーニングルームに走りだした。
「あっあいぼ〜ん、待ってくらさ〜い・・・」
153 名前:合宿4日目 投稿日:2004/06/29(火) 23:54

「ふん、あいつらもいろんな事やりよるな〜・・・」つんくがタバコを吸いながらグランドを見下ろす。
「まったくあの娘らも大変ですね、自分勝手な監督で・・・」
「オイオイ中澤、そこまで言わんでもえ〜やん!」
「ま〜言われてもしゃ〜ないですよ」
「なんや?平家お前もかい!!」

つんくはタバコを消すと、「まあここは軍隊とかやないからな。あれこれ言われるより、
 アイツ等のやりやすいようにやるのが1番やろ」
「とかなんとか言って、ホンマはメンドクサイだけちゃいまんの?」
「おっ、ねぇーさん!えぇ〜とこついてまんな〜!」
「そやろ♪そやろ♪」

「あ〜もう、うっさいわ!お前らもここで涼んどらんと、ちょっとは練習メニューぐらい組んでこんかい!!」
「うわっ、監督がキレタで!」
「あ〜あ、ほんじゃ、ねぇ〜さんそろそろ行こか?」
中澤と平家が部屋から出て行くと、つんくは、
「さ〜て、ど〜なるものやら・・・」
154 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/07/01(木) 22:43
作者さま、更新どうもっす!!
毎度のことならばつんくさんの行動は何を考えてるかわかりません(笑)
次回更新楽しみにしてます。
155 名前:桜娘 投稿日:2004/07/07(水) 23:33

154>紺ちゃんファン様
いつもアリガトれす〜。
ホントつんく監督は何考えている事やら・・・
156 名前:合宿4日目 投稿日:2004/07/08(木) 00:08

その日の夜、
「こんちゃ〜ん、今日もあのFKの練習したんでしょ?どうだった?」
安倍がタオルで頭をゴシゴシと拭きながら紺野に話しかけた。
「それがなかなか難しくて・・・。でも、後藤さんや吉澤さんが手伝ってくれたので、
 だいぶ掴んできたと思いますけど・・・」そう言って紺野はチビチビとジュースを飲むと、

「ところで安倍さんの方はどうだったんですか?亀井ちゃんたちとDFのポジション確認したんですよね」
「まぁ〜〜、けっこういい感じだったよ。やっぱ亀ちゃんはうまいもんだべ!」しみじみと語る安倍に、
「安倍さ〜ん、なに言ってるんですか?亀井ちゃんはナンダカンダ言っても、まだ1年生ですよ!」
「そりゃ〜、そ〜だけど・・・。でも、うまさに年齢は関係ないべ!やっぱ実力が物を言う世界だからね」

「はぁ〜、けっこうシビアですね・・・。でも、4バックなら絶対安倍さんがストッパーに入ると思いますよ」
安倍は紺野の顔を見ると、「えっ?何で?」
「私の勘です!」自信満々に言う紺野に安倍は、
「またでたよこの娘は・・・、まぁ、とりあえずその言葉を信じて頑張ろうかねっ」
「はい!頑張りましょう」
157 名前:合宿4日目 投稿日:2004/07/08(木) 00:36

食事を終えた後藤が部屋に戻ると、
「ちくしょ〜!何でうまく上がんないんだよ〜」藤本は枕を持つと、壁に力一杯投げつけた。
後藤は驚いてベッドに座っている松浦に「ど〜したのみきてぃ?何か荒れてない?」
「それがクロスボールが全然上がらないらしくて、すっごく機嫌が悪いんですよ・・・。
 後藤さん何とかしてくださいよ!」

「しょうがないな〜・・・」後藤はおもむろに枕を掴むと、藤本の後ろ頭に投げつけた。
突然の事に松浦は後藤に抱きつくように捕まえると、「ちょ、ちょっと何してるんですか?」
しかし後藤は笑顔のまま「大丈夫、大丈夫!ごとーに任せて♪」

「みっきてぃ〜♪そんなに暴れちゃダメだぞ〜!!」後藤は投げつけた枕を拾うと、
さらに枕で藤本を叩く。松浦が恐る恐る見ていると、
「ちょっとごっち〜ん、聞いてよ〜!クロスボールが全然キレイに上がらないんだよ〜〜〜」
さっきまですごい剣幕で切れていた藤本が、なぜか甘えた子供のように後藤にすがりつく。

「わかったわかった。明日ごとーが一緒に練習してやるからねっ!だから落ち着きなって」
「やったね!ごっちんアリガトー♪美貴頑張るよ!!」
後藤は驚いている松浦の方を見るとウィンクして、「ほら、あややにも迷惑かけたんだから謝りなさい」
「うん。ごめんね、あやちゃん・・・」いつもと違ってしおらしい藤本に戸惑いながら、
「全然平気っす・・・。私ちょっとジュース買ってきます」あまりにも不可解な行動に松浦は部屋から逃げ出した。

158 名前:合宿4日目 投稿日:2004/07/08(木) 00:52

「それにしても、紺野ってスゴイやつっすね」吉澤が寝転がりながら矢口に話す。
「おっ、どうしたよっすぃ?イキナリそんな事言い出しちゃってさ」
「今日、紺野のFKの練習に付き合ってたんだけど、あいつとんでもね〜シュートばっか撃ちやがる・・・」

「でもさ〜、紺野ってどこであんなボールコントロールを身につけたんだろうね?」
「あ〜、それ今日聞いたよ!何か昔、一人ぼっちでボール蹴ってたんだってさ」
「は〜ん・・・、そっか〜、みんないろいろあるんだね。オイラも今日さ、道重と少し話したんだけど、
 どうやら人見知りするからチームに馴染めないって言ってたんだよね〜」

「へぇ〜、あの道重がねぇ〜・・・。人は見かけによらないって事か・・・」
「見ただけじゃ人は理解できないってね。話してみていろんな事を知っていく!
 だから会話がどれだけ大事な事なのかってのがわかるよね〜」

「な〜んか哲学的っすね。頭良さそうに見えるよ!!」
「良さそうってどういう事だよ!実際に頭いいんだよ!!」
「はいはい、そういう事にしときます♪」
159 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/07/09(金) 21:38
作者さま、更新どうもデス。
美貴ちゃんに何が!?(?)
ごっちん・・・なんかスゲー・・・。
こんこん!!ガンバ!!作者さまもガンバ!!
次回更新楽しみにしてマッスル!!
160 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/16(金) 02:20

「今日は突然やけど、紅白戦をやってもらう。今回のは一応スタメンを考えての事やから、
 各自存分に力を発揮してくれ!」
つんくの発言に全員がザワザワ騒ぎ出す。しかし、つんくは気にせずに、
「ほな、チームを発表するから呼ばれたやつはビブスを着てくれ」

つんくはポケットから紙を出して広げると、「え〜っと、ミカ、小川、田中、アヤカ、美海、
 新垣、柴田、道重、松浦、里田、飯田。今呼ばれた奴は中澤からビブスもらってくれ!
 とりあえず、呼ばれた方と呼ばれてない方で分かれてくれ」

つんくに言われた通りにチームに分かれる。両チームともポジションを決めようとしたとき、
「あっ、フォーメーションは俺が考えとったからこの通りにやってくれ」
そういうと、つんくは両チームに紙を渡した。
161 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/16(金) 02:23

ビブスチーム

    ミカ

    美海
 小川    田中
    アヤカ

    新垣
  柴田  道重

 松浦    飯田
    里田
162 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/16(金) 02:26

 ビブス無しチーム

    吉澤

  安倍  亀井
高橋      石川

   辻  後藤

    紺野
藤本      加護

    矢口
163 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/16(金) 02:47

ビブスチーム
小川はビブスを着ると、「ねぇ柴田さん。これってどういうチーム分けなんですかね?」
「ん〜?多分あっちはしっかりと中盤でゲームを作っていくチームで、
 こっちはミドルだろうがロングだろうかガツガツシュートを打っていく風に分けたんじゃないかな?」
「へぇ〜、確かに中盤3人のシュート力はハンパじゃないっすからね〜・・・、じゃあ前線の3人は?」
「それは、こぼれ球をつめたり、あとはシュートコースをかえたりするんじゃないの?
 あの3人はそういう技術がウマイからね〜!」

「という事は、DFはカットしたら前線にロングパスでいいですね」
「そういう事!でも、あんまり無責任な縦パスばっか出してたら後で罰ゲームだからね♪」
「えぇ〜そんな〜・・・」
「それがイヤなら頑張りなさい!」
「は〜〜い」
164 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/16(金) 03:15

ビブス無しチーム
11人は小さく円形に集まると、
「んあ〜、な〜んかこのシステムあっちと比べると前が薄くない?」
「そ〜ですね。でも、多分大丈夫ですよ!」
「んっ?なんでこんこん」

「とりあえず、藤本さんとあいぼんの2人が頑張ってくれれば両サイドは何とかなるはずですから」
「ちょっとこんちゃん!美貴たちにどれだけ運動させる気なの?」
「そうやそうや!うちらが最後までもたんかったら、こんちゃんのゲームメークのせいやからな!!」
「はい、完璧です。なんせこっちには高校界最強のダブルボランチがいますし、
 それに、両サイドバックもオーバーラップが得意ですからフォローは完璧です!!」

「フォローは任せてよ、あいぼん!」石川が自信満々に言うと、高橋も笑顔でうなずいている。
「後は、矢口さんがしっかり決めてくれますから♪」
「うおっ!?ちょっとこんちゃん、何かオイラ責任重大なんだけど・・・」
「じゃ〜、今日負けたら全部矢口しゃんのせいれすね」
「はい!」

「ってオイ!はいじゃね〜だろ!!」
「んあ〜、じゃ〜負けたらやぐっつあんのオゴリでジュースだね♪」
「ちょっ、ごっちんまで何言ってんだよ!」
「じゃあ作戦も決まった事だし、そろそろ行きますか!」
「チョットよっすぃまで何を・・・」

矢口の言葉も聞かずに全員はグランドに散らばっていった。
「はぁ〜、がんばるか・・・」矢口は小さく呟くと、自分のポジションに歩いていった。
165 名前:桜娘 投稿日:2004/07/16(金) 03:20

159>こんちゃんファン様
毎度です!藤本さんがいくら強くても、やっぱり後藤さんの方が
いろんな意味で強いみたいです。
166 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/07/16(金) 22:48
桜娘 さま。
更新どうもです。って・・・やぐっちゃん重大なポジションに・・いる・・・?
みんなは紺ちゃんの味方っぽい・・・(笑)
何気にごっちんの「んあ〜・・・」ってのが好きです!!どんどん使っちゃってください!!
次回更新楽しみです!!
167 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/24(土) 00:44

前半5分
まず最初にチャンスが来たのはビブス無しチームだった。
紺野からのパスに矢口がうまく飛び出したが、トラップミスをしたためにミカにキャッチされてしまった。
「うわ〜・・・、今のは完璧にオイラのミスだよ。はぁ〜」
その時後ろから「やぐっつぁ〜ん!まず1本だよ〜♪」と後藤の声。

「ってオイ!ミス1回につき1本かよ!!そんな賭けにのれる訳ねぇ〜だろ!!!」
「んあ〜大丈夫だって♪活躍すれば問題ないんだからさ。ちなみに採点はこんちゃんがやってくれるからね!」
「はい、完璧です。任せてください」
「あ〜もうわかったよ!がんばりゃ〜いいんだろ!?」
「はい、頑張ってくださ〜い」
「ったく〜、軽い返事してくれちゃってさ!」と呟きながら矢口は下がっていく。

ミカはボールを小川に渡す。加護がすぐにチェックに行くが、小川はアヤカにボールを回すと加護の横をすり抜けて前に出る。
アヤカはすぐに小川にボールを返すと、小川がそのままドリブルで上がっていく。
168 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/24(土) 01:14

小川がハーフウェイまで上がって行くと、その前に後藤が立ちふさがる。
「へぇ〜、小川もけっこうやるもんだねぇ〜。でも、ここは行かせないよ!」
「うわっ?!こりゃヤベーよ」小川はフォローにきた新垣にパスを出した。
「そうはさせないよ!」小川がパスを出すのを読んでいた後藤は足を出した。
しかし、後藤に渡すまいと小川もその足をブロックする。

ボールはそのまま新垣に渡り、そのまま縦に出して道重につなげる。
後藤がいないスペースで道重はボールをもらいながら、前を見て敵DFがFWにマークについているのを確認する。
そして辻がすごいスピードで自分にチェックに来てるのも見逃さない。
道重はニヤッとするとボールを少し前に出して、そのままシュートを撃った。

ボールは凄まじい勢いで亀井の横を抜けると、ゴールに向かって一直線に伸びていった。
吉澤は予想外のシュートに飛びつくが、ボールはその手をすり抜けていった。
全員が入ったと思ったが、無常にも『ガゴン』と大きな音が響きボールが跳ね返ってくる。
石川がそのボールを必死にクリアした。
169 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/07/24(土) 01:34
石川さんスゴッ・・・!!
170 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/24(土) 01:35

吉澤は立ち上がって道重を見ながら、「アイツ・・・、とんでもね〜シュート撃ちやがってよ、こりゃ〜楽しみだ♪」
と言いながらグローブをパンパンと大きく叩いた。

紺野は後藤に近づくと、「これは意外と危ないですね。今のシュートでしばらくは流れがあっちに行きそうですよ」
「最初はこっちが耐える時間帯って事か〜・・・、やだな〜」
「まあ頑張ってください。失敗したらジュースですよ♪」
「んあ〜、こんちゃんは試合になるとキビシーんだからな〜」
「そんな事ないですよ。とにかく早いとこ何とかしましょう!」
「へいへ〜い、がんばるか!」

しかし、ビブスチームの猛攻はなかなか止まらない。
道重・柴田・新垣は次々に強力なシュートを撃ってくる。
それに里田・飯田の高い打点からのヘディング。そして、2人のポストプレーからの松浦の飛び出し、と・・・、
171 名前:合宿5日目 投稿日:2004/07/24(土) 01:54

しかし、それを全部防いだのは吉澤だった。
前半が終わりベンチに戻ると、「オイ!このままズルズルと行ってもしょ〜がねぇぞ!!何とかなんねぇ〜の?」
明らかに苛立っている吉澤に藤本も、「そうだよ!こっちも何とかして流れを掴まないと、そのうち点を取られるよ!」
その言葉に吉澤はグローブを叩きつけて藤本を見ると、「なんだと?!うちが点を取られるって言うのか!!」

藤本に掴みかかろうとする吉澤を辻と矢口が必死に抑える。後藤も藤本をなだめている。
紺野は立ち上がると、「じゃあ後半はこっちの番と行きましょうか♪」
全員が自信満々の紺野を見つめる。

「何かいい手があるの?こんちゃん」矢口が恐る恐る紺野に聞く。
「まあ、任せてくださいよ!とにかく前半みたいな事にはならないですから」そう言うと後半開始前の笛が聞こえた。
紺野はそのままグランドに入っていく。他のみんなも半信半疑のままグランドに広がっていった。
172 名前:桜娘 投稿日:2004/07/24(土) 01:57
166>紺ちゃんファン様
矢口さん、紺ちゃんの活躍はなかったですが、
後半に期待しててください。
173 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/07/26(月) 08:21
期待してまーす!!


174 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/01(日) 00:24

後半が始まって紺野がゆっくりとドリブルで上がっていく。藤本が勢いよくサイドを駆け上がって行くが、
田中がしっかりとマークする。だが紺野はおかまいなく右サイドにボールを回す。
ボールは藤本を越えて後ろから上がってきた高橋に渡り、そのままサイドをエグッていく。

美海がチェックに行くが、高橋は落ち着いてかわして中を見ると、低いボールを蹴り込む。
矢口がダイレクトでシュートに撃とうした時、前にアヤカが立ちふさがる。それを察した矢口は、
スルーしてボールを流す。そこに飛び込んできたのは紺野だった。
紺野はダイビングヘッドで叩きつけると、ボールはミカの股下をバウンドしてゴールネットを揺らした。

「紺ちゃんナイッシュー!!」
ダイブして地面に転がっている紺野に藤本が上から飛び乗ってきた。
「グヘッ・・・、藤本さん重いです」
しかし紺野の言葉も気にせず、矢口やら加護やらと次々上に乗ってくる。
あまりの重さに紺野は言葉が出なくなった。

声が出せずにジタバタとしている紺野を、後藤が助けてあげた。
「大丈夫?それにしてもな〜んか簡単に決まっちゃったね〜」
「はい完璧です。前半のうちにいろいろと分析してたので、うまくいってよかったです」
「んあ〜予定通りって事か・・・、サスガだね!」
「いやいや、やはりみなさんの力があってこそですよ」
「ははっ、それじゃ追加点もみんなで取りにいこっか!」
「はい完璧です!!」
2人はゆっくりと歩いて戻っていった。
175 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/01(日) 00:52

試合は紺野がうまくボールを回してペースを作っていった。
しかしあと1歩のところでネットを揺らす事ができない。

逆に柴田がチャンスを作る。
柴田はドリブルで上がってきて、後藤をワンツーでかわすとエリア外から強力なシュートを撃つ。
なんとか吉澤がパンチングで弾いたが、そのボールが道重の前に転がってきた。
道重はおもいっきり蹴り込み、ボールはゴールネットに突き刺さった。

倒れてる吉澤の目の前にボールが転がってくる。
「チキショー!!」吉澤はゴールにボールを蹴り込む。
「よっすぃ、今のはしょーがないよ。柴ちゃんのあのシュートを防いだのだってスゴイんだからさ」
「梨華ちゃんの言う通りだべ!悪いのはあのボールをクリアできなかったDF陣の方だべ!」

「でもさー同点になっちゃったじゃん!」渋る吉澤に藤本が、
「問題ないって!そろそろ追加点をとる予定だから。ねっ、紺ちゃん」
「はい完璧です、任せてください。ちなみに今のは吉澤さんにマイナスポイントはつきませんので・・・」
「げっ!!まだやってたのかそれ・・・」
「もちろんです。結果は練習終了後に発表します」
176 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/01(日) 01:17

試合が再開する前に辻が後藤に近寄り、
「ねぇごっちん、あっちが強引にシュート撃ってくるからDFラインがガタガタれすよ」
「う〜ん、こうなったらもっとDFライン上げてみようか?」
「そうれすね!中盤の間を切り詰めてみますか!亀ちゃんとよっすぃにはのんが伝えとくれす」

辻はそう言って亀井に駆け寄る。後藤は紺野に近づくと、
「DFラインをもっと上げてくからさ、自由に使っていいよ」
「わかりました。後藤さんもドンドンシュート撃ってってください!」
「んあ〜任せといてちょ♪」
「はい、期待しています」

そうして試合が再開すると、今度は後藤と辻がエリア外からガツガツシュートを撃っていく。
新垣、アヤカ、美海が必死にブロックするが道重たちに比べると威力が段違いなので3人の動きが明らかに鈍くなった。

そのスキをつき、紺野のスルーパスを受け取った矢口がミカと1対1になり落ち着いてシュートを決めた。
「おっしゃー、やっとプラスポイントだぜ!!なっ?紺野」
「でも、矢口さんはマイナスポイントが溜まってるので1点取っただけでは・・・」
「ゲッ?!オイラそんなにマイナスなのかよー」
「とにかく、その調子で頑張ってください」
「ヘイヘイ・・・」

177 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/01(日) 01:56

その後も辻がミドルシュートを決め、紺野もFKを決めて4−1で試合終了した。
全員がつんくの前に集合すると、
「お疲れさん、今の試合はビデオに撮っとるからそれも参考にさせてもらうわ。
 さて、ひと試合終わって疲れとるところやけど次の練習に入ってもらう。
 全員ゴール前に集合や!」

全員がゴール前に集まると、「よし、次はPKの練習や!疲れがピークにきとる時にこそ
 いかにボールをうまくコントロールできるかが課題や!ほんじゃ、とりあえず先に吉澤が
 ゴールマウスに入ってくれ。一周したらミカと交代してくれや。次にキッカーやけど、順番はFWから蹴っていってくれ。
 ほんで、外したりGKに止められたらグランド横ダッシュ1本。もちろん全力やで!後見よる時は野次ってえぇから。
 ブーイングにも慣れてもらわんといけんからな。ほなやろっか、まずは矢口!」

矢口はボールをセットすると少し助走をとる。
すると後ろから、「ヤグチしゃん、しっかり決めないとご飯抜きれすよー」
辻のヤローと思っていると、「矢口さん、これを外すとジュース上乗せしますよ〜」
「えっ?!オイラ今マイナス何ポイントなんだよ・・・、とりあえずここは決めとかないとな」

矢口は小さく息を吐くと、走りだしてボールを蹴る。ボールはゴール右下に突き刺さった。 
吉澤もコースを読んでいたのだが、ギリギリ届かなかった。
それを見てた矢口は、「こりゃ〜気が抜けないな」と呟いてみんなのとこに戻っていった。

そして、「コラー辻!ヘンな野次飛ばしてんじゃねぇ〜よ!!」
「ヤグチしゃんにはあれくらいがちょうどいいのれす」と2人が言い合っていると、
「次、松浦!」「はい」
松浦はゆっくりと立ち上がるとペナルティーエリアに向かった。
178 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/01(日) 02:18

松浦の後ろ姿を見ながら、「なんかホントの試合みたいで緊張してきたれす。ヤグチしゃん1番手でよく決めたれすね」
「当然!と言いたいとこだけどさ、気を抜くとよっすぃに止められちゃうよ」
「それは解かってるれす。のんたちは選手権でよっすぃとPK戦やったから、ごっちんと亀ちゃんは解かってるはずれすよ。
 特に亀ちゃんは前回止められてるから、気を引き締めてるはずれす」

矢口と辻は亀井の顔をこっそり見てみると、どこを見てるのかわからない顔をしていた。
「・・・・・なんかボーっとしてるんだけど、大丈夫なの?」
「おっ!交信に入ったみたいれすね。あれは多分シュートコースを決めてるところれす」
「そうなの?」
「そうなんれす」

そんな事を話しているうちに、松浦がシュートを決めて戻ってきた。
しかし吉澤は、後に続いた飯田・里田のシュートをしっかりと防いでいた。
「コラーFWやったらしっかり決めんかい!次はMFやな、紺野お前からや」
紺野は少し駆け足で行くと、すぐにボールをセットする。

その仕草を見てた吉澤は、「コイツ苦手なんだよな〜、さっきの2人は読みやすいからよかったけど、
 コイツは全然読めねぇ〜よ」と心の中でつぶやいた。
案の定、吉澤の動いた方とは逆にあっさりと決められすぐにみんなの下へ戻っていった。

179 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/08/02(月) 00:00
紺野さんすげぇ・・・。
180 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/22(日) 02:46

「あさ美ちゃんスゴイな!いとも簡単に決めたって感じやが・・・」
戻ってきた紺野に高橋が近づいてくる。
「そんな事ないよ。マグレだよ、マグレ・・・」
「んや!マグレじゃよしざーさんからは点はとれへんよ。
 そんくらいは、あーしにもわかるんやで!」
「そ、そうですか・・・」

その時つんくの声が響く。
「ほな次!新垣」
新垣のシュートは何と枠から外れてしまった。
「おいガキー!!枠外しよったら話しにならんで!次外したら試合に出さんぞ」
「はいっ、スイマセン」

「もーええ!次、柴田」
「はい」柴田はボールをセットすると軽く助走をつけて、ボールを蹴り込んだ。
ボールはゴール右スミに吸い込まれていく。スピード、威力共にもうしぶんない。
しかしそこに吉澤の手が伸びてくる。
ボールはパンチングで弾きだされた。
181 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/22(日) 03:08

「柴田、今のはオッケーや!あのシュートは止めた吉澤が異常なだけやから」
オイオイどういう言い草ですか?監督さんよ・・・あえて声には出さないけど

「ほな、道重」
「は〜〜い♪」
道重はスキップで現れてボールセットする。
あ〜あ・・・、コイツも苦手だよ。何考えてんのかまったくわかんねぇ〜んだよな。
柔らかいシュートも撃てば、とんでもねぇ〜シュートも撃ってきやがるから・・・・・・
こういう奴が1番読めねぇ〜よ・・・

吉澤が構えると、道重が力強く蹴り込む。
ボールは凄まじい威力でゴールに向かってくる。
吉澤も何とか反応したが、あと1歩届かない。

しかし、無常にもボールは大きな音と共にポストに跳ね返される。
「あ〜あ、残念♪」
「あっっぶねぇ〜・・・・・・」

・・・・・・・・・・
「よ、よし!道重オッケーや・・・。次、加護!」
「へーい」
182 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/22(日) 03:24

加護はボールをセットしながら、
試合には勝ったけど、ここは一発ガツンといれてレギュラーアピールしとかなな

一方の吉澤はと言うと、
コイツのシュートってスピードがやけに速いんだよな・・・
でも道重と違って軽いからコースさえ読めればこっちのもんだよ。

加護がゆっくりと助走を取り、ボールに走り込む。
その時、吉澤の重心が右に傾いたのが見えた。

よっしゃもろた。こっちや!!
だがそれは、吉澤の作戦だった。
吉澤はいとも簡単に加護のシュートをセーブした。

「うっし、作戦どーり♪」
「作戦やて?!はめられたって事か・・・」
加護は肩を落として戻っていった。
183 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/22(日) 03:38

「次〜藤本!」
藤本はムクッと立ち上がると吉澤を睨みつけるように歩いてくる。
な、なんだアイツ?何でそんなに睨んでんだろ?うちなんかやったかな・・・?
異常なほど恐い顔の藤本に少しビビリ気味の吉澤。

ところが藤本は、
うわっ〜・・・PKって苦手なんだけど・・・・・・
しかも試合が終わったばっかりだよ。疲れてるに決まってんじゃん!!
まったく監督は何を考えてんだか、バカじゃないの!

藤本がムカムカしながら蹴ったボールは、うまくゴール左下スミにつきささった。
「やった、入った・・・」
「・・・・・・・・・・」

「・・・次、辻」
「あ〜い」
184 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/22(日) 03:48

吉澤は手をパンパンと叩いて気合を入れなおす。
コイツとごっちんだけにはやられる訳にはいかね〜。
選手権でこの2人を止めれなかったから、うちのチームは・・・

辻は早速ボールをセットすると、助走をとりながら、
「今回も決めてやるのれす」ボソリと呟いてボールに走り込む。

吉澤は辻の軸足を見てゴール右に飛ぶ。
しかしボールは、ゴールど真ん中に突き刺さった。
「チキショー、またやられたよ!」
「へへへ、落ち着いてやればラクショーなのれす」

「おっし!次は後藤」
「んぁ〜い・・・」
185 名前:合宿5日目 投稿日:2004/08/22(日) 04:03

後藤がボールをセットしながら、
「よっすぃ、何か賭けよっか♪」
「んっ?別にいいけどさ・・・」
「交渉成立。じゃ、決めさせてもらうね」
「ふん!自信満々じゃ〜ん。こっちだって止めさせてもらうよ」

ってカッケー事言っちゃったけど、あんま止める自信ないんだよね・・・
道重のシュートも確かにスゴイけど、ごっちんと辻のシュートはそれ以上なんだよな。
特にごっちんはコースもキビシーから、ちょっと触ったところでコースが変わんね〜からな〜・・・

吉澤の思った通りに後藤のシュートはゴールにつきささった。
後藤は嬉しそうに、「じゃ、よっすぃ賭けはごとーの勝ちって事で♪」
「はぁ〜・・・」大きなため息と共にうなだれる吉澤。
186 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/08/23(月) 19:13
よっすぃ・・・一体ごっちんとは何を賭けたんでしょう???
てゆうか藤本さん、いいキャラです・・・。
187 名前:桜娘 投稿日:2004/09/04(土) 02:55

186>紺ちゃんファン様
一体何を賭けたのか?その答えは後ほど出てくると思います。
188 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 03:11

つんくは後藤のPKを見て軽くうなずくと、「おっし、ほな次はDFやな。まずは・・・小川!」
「えーー、イキナリ私からですかーーー!自信ないな・・・」

トボトボと歩いていく小川の姿を見て加護と辻が、「ありゃ〜入らんな!」
「そうれすね。あれじゃ〜はいんないれす」
普段の動きや小川の性格などからして、たぶん無理だろうとほとんどの人が予想していた。

しかし、みんなの予想に反してゴールネットを揺らす音。
1番ビックリしていたのは吉澤であった。

コイツ・・・こんなシュートが撃てるのかよ。
今のは完璧にやられたよ。けど、見せてもらったからには
次はそう簡単には行かねぇからな!
189 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 03:22

小川のシュートはアウトサイドで軸足とは逆に蹴り込まれたのであった。
吉澤から見事にゴールを奪った小川に辻・加護が話しかける。

「そんなシュート持っとったんか。バビッタで!」
「いやーそれほどでもないっすよ」
「あいぼん、バビッタってなんれすか?」
「何やのの、バビッタも解からんのかい!ビビッタの最上級やないか」
「へーそうなんだ。私も今度から使おっと」
妙に感心してうなづく小川。

「次ー、アヤカ」
アヤカは立ち上がると、長い髪を揺らしてペナルティーエリアに向かう。
190 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 03:38

アヤカかー、悪いけどこれは大丈夫だな。
さっきの小川にはやられたけど、アヤカにあんな意外性があるとは思えないし。

吉澤の予想通りにアヤカをシャットアウト。
「アヤカ、お前はもっとキック力をつけろ。
 そしたら、お前はもっとよくなる」
「はい。ありがとうございます監督」

「次、田中」
「はい・・・」

「れいな頑張って!」
「れいなファイト!」
声をかけてくれた亀井・道重に軽くうなずいく。

次は田中か、コイツもよくわかんねーんだよな・・・
まぁ道重に比べたらまだマシな方なんかな

吉澤は田中のシュートを簡単に弾き出すと、
なんだ?コイツ意外とまともな奴なんじゃん。
PKって結構性格がでてくるからなー、GKやってるとわかるんだよね。
191 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 03:48

「ほな、安倍」
「はい」

こいつも大丈夫だな。室蘭のやつらって妙に素直なんだよね。
紺野にやられたのはしょうがないけど、他の奴には入れられる気がしないよ。

吉澤は安倍・美海と立て続けにPKを止める。

へへっやっぱりね。残念だけどあんたたちにはやられないよ。
性格を変えるか、キックの完成度を上げないかぎりね♪
たぶん北海道ってこういう人が多いんだろうな。
それより・・・、

「次、亀井」

192 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 03:56

こいつも何考えてんのかわかんねんだよねー。
レベル的に道重レベルだよ!

確か選手権の時って、たまたま勘が当たって止めれたんだけど・・・
今回はうまくいくかな?

亀井はボールをセットしてこっちを見てるが、どこを見てるのかさっぱりわからない。
くそっ、今回も勘に賭けるか!

こっちだ!
何と闇雲に飛んだ方にボールが飛んでくる。
パンチングでボールを跳ね返す。

193 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 04:05

落ち込む亀井を見て、
ラッキー、また勘が当たったよ♪
亀井には悪いけど今回もうちの勝ちってことで、東帝のやつらには負けたくないからね。
って言うか、誰にも負けたくないんだけどね。

「次、高橋」
「はい」

こいつも訛ってるだけで問題はないね。
DFとしてはかなり信頼してるんだけど、ここは止めさせてもらうよ。

高橋のシュートはキッチリゴール右スミに飛んでくる。
意外と鋭いシュートだったが、吉澤が手で触ると軌道を変えてゴールポストに弾かれた。
194 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 04:20

あぶないあぶない・・・、いいシュートだったんだけどね。
まあ相手が悪かったって事だよ♪だから自信持っていいんだぞ高橋。

「次、石川」
「はい♪」

梨華ちゃんか・・・こいつは紺野に比べると劣るけどけっこういいキックしてくるんだよな。
だが、ここは入れられる訳にはいかないんでね・・・

石川のシュートはゴール右下に飛んでくる。
吉澤も読んでいたので飛び込むが、シュートが鋭すぎて止める事ができなかった。

チキショー、あのコースにあの勢いでこられたら止めれねーよ。
クッソ、次こそ止めてやるよ梨華ちゃん。

195 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 04:27

「次で最後やな、ミカ!」
「OK!」

コイツには絶対入れられる訳にはいかねー!
残念だけど、レギュラーはあたしのモンだからね♪
吉澤は簡単にミカのシュートを止める。

「よし、今度はミカがGKに入ってくれ。順番は今のまんまでえぇやろ」

あたしはミカと変わってみんなのとこにいくと、
「よっすぃナイスキーパー!」
「ありがとごっちん。でも次こそ止めてやるからね」
「んあ、それは止めてから言ってもらおうか♪」
196 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 04:39

「ところでごっちん、さっき何を賭けたの?ジュース?」
「違うよ、今度ごとーとデートする事!埼玉と東京で近い事だしさ」
「そうだね。せっかく仲良くなった事だしね」
「もちよっすぃのオゴリね♪」
「へぇへぇ、わかりましたよ・・・」

「ずるいのれす。のんも連れていくのれす」
「んあー、ダメだよ。よっすぃはごとーの物なんだから、
 つーじーにはあいぼんがいるでしょ」
「そうれした。ののはあいぼんと遊ぶのれす!」

197 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/04(土) 04:54

結局、PKを3回繰り返して今日の練習は終了となった。

「オツカレさん。しっかり体休めてくれ。ほな解散!」
監督はそう言って宿舎に戻っていった。

「吉澤さん。今日もこの後お願いできますか?」
「おう、今日こそガッツリ止めてやるからな!」
「今日は私もまぜてもらってもいいかな?」
「あっ、石川さん。いいですよ一緒にやりましょう」

こうして今日の練習も終わっていった。
198 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/09/05(日) 02:04
なるほど〜、二人はデートを賭けてたんですね。
よっすぃ〜もすげえな。
私も3年くらい前サッカーやってて、キーパーが好きでした。
でもこの人たちは超人的だからな。
あ〜、またサッカーやりたくなってきたよ・・・。
そんな余韻に浸ってる間に作者さまは更新をがんばってください。
まってます。
199 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/20(月) 14:02
サッカーのことはよくわからいのですが
この作品は面白いしわかりやすいですね。
これからも頑張ってください。
200 名前:桜娘 投稿日:2004/09/25(土) 10:00

198>紺ちゃんファン様
そうですか、経験者なのですね。キーパーは1番過酷な
ポジションだと自分の中では思っているので、
吉澤さんには頑張ってほしいものです。


199>名無飼育様
面白くてわかりやすい。
こんなにうれしい言葉はないです。
ありがとうございます。
201 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:13

全員、夕食を終え各自部屋に戻ったり食堂で話したりと自由に過ごす。
食堂に残ったメンバーは、辻・加護・紺野・高橋・紺野・小川の5人。

「ふぅ〜満腹れす♪」
「まったく、よく飽きんと毎日あれだけ食えるな・・・」
加護があきれた顔で辻をみる。

「でも、それがのんちゃんの力の源になっとるんやない?」
「愛ちゃんの言うとおりなのれす。ねっ紺ちゃん」
「はい〜・・・今日もご飯がおいしかったな〜」


「・・・アカン、トリップ中や」
202 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:20

「いいな〜。私なんか今日の試合の事を考えるとあまり食べれなかったよ」
「なんやマコト。何を気にしとんねん!」
「だってさ、今日試合前に監督が言ってたでしょ。レギュラー選考ってさ・・・
 まあ、私の場合は愛ちゃんがいる限りムリな話なんだけどね」

「そんな・・・」
「事あるでしょ。愛ちゃん」
「で、でも・・・」

「大丈夫ですよ」
「何が?」
突然、トリップ中の紺野が口を開く。
203 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:25

「だって、愛ちゃんは完全なSDF型ですけど、まこっちゃんは別に
 サイドにこだわってる訳でもないんでしょ?」
「ま、まーね・・・」

「まこっちゃんはサイドより中の方がいいと思うよ。だってさ、
 まこっちゃんの持ち味は何?」
「さー?私の持ち味って何?」
小川が首を傾げて他のみんなに問いかける。


204 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:34

「マコトの持ち味?んー頑張るとこかの?」
「違うわ愛ちゃん。マコトの持ち味はいつも口を開けとるとこやないか!」
「そうれすそうれす」
「なんだよそれー!私そんな事しないもん!!」

「まあまあ、話が少し反れましたがまこっちゃんの持ち味と言うのは、あたり負けしないとこです。
 実際まこっちゃんはスピードを活かすタイプじゃないから、サイドより中の方が合ってるはずです」

「おーっ」
全員が感心しながら紺野を見る。
「だから、今回は間に合わないかもしれないけど、来年に照準を合わせてみたらどうでしょうか?
 監督も前に小川と田中はこれからの選手だって言ってたじゃないですか」
205 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:42

「そっかー・・・よし!いっちょ頑張るぞ!!」
「ところで、実際誰が選ばれるんかな?」
一人で盛り上がってる小川をよそに、加護が辻・高橋・紺野に話しかける。

「ど〜ですかね。とにかくポジションがハッキリしないと何ともいえないのですが・・・」
「そーよな。だって合宿中にいろんなフォーメーションやったもんな」
「もし1ボランチだったらのんの出番はキビシーのれす」

「でもな、うちが思うに何個かは決定しとるとこがあんねん」
自信満々の加護に3人が身を乗り出して聞く。
206 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:48

「まずはGK。これはよっすぃで決まりやろ」
「そうれすね。ミカちゃんには悪いけどよっすぃの方が1枚も2枚も上手なのれす」
「なるほど!その推理は完璧です」

「そやろそやろ♪ホンで次はSDF。ここは愛ちゃんと梨華ちゃんで確定やろ」
「えっ?!ホント?」
「そうですね。このメンバーでサイドをあそこまでこなせるのは、
 この2人しかいませんからね」
「やったのれす。愛ちゃん」

「あいぼん、他はどーなん?」
207 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 10:58

「うちがわかっとるのはここまでや!後はフォーメーションしだいやからな」
「そうですね。まあでも、しいてあと1人上げるなら後藤さんくらいですかね」
「うぐっ!紺ちゃん、そのひと言は重いのれす・・・・」

「まっ、しゃーないわ。トータル的にのんより後藤さんの方が上やもんな」
「そんな事はあいぼんに言われなくても、のんが1番知ってるのれす」
「そう言うなって!結局はうちも同じような状態なんやから」
「そうですね、私も一緒です」

そこに、
「どーしたの?のんちゃんもあいぼんもあさ美ちゃんも元気ないよ!!」
「・・・・誰かあのアホど〜にかして〜や・・・・・・」
「のんはいやなのれす」
「私も丁重にお断りさせて頂きます」
「あーしも遠慮しとくわ」

4人は無言のまま部屋に戻っていった。
「あれっ?どーしたの?待ってよ!!」
208 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 13:00

コンコン
「ほーい、開いてるよ。んっ?なんだ柴ちゃんじゃん」
「おっ、柴田か!どーした?」
「部屋で1人で暇だったから遊びにきたんだよ」

「あれっ、ガキさんと小川は?」
「さ〜どっか行ってんじゃない。それにしても今日は惨敗だったよ」
「何だよ突然柴田」

「だってさ梨華ちゃんはサイドでほぼ確定じゃん。ヤグチさんもキャップだしさ・・・」
「何言ってるのよ柴ちゃん。まだ決まった訳じゃないじゃない」
「そうだよ。オイラがキャップしたのはあの練習試合だけだし、
 まだ仮キャップみたいなものだから、別に決まってるって事じゃないよ」
209 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 13:07

「でもさ〜右サイドのみきてぃ、右ボランチのつーじー・・・
 2人とも強力すぎだよ。あわよくばセンターでもって思ったけど、
 紺ちゃんにはとてもとても・・・・・」

「ん〜・・・こんな時は何て言ったらいいかよくわかんないんだけど、
 とにかくポジティブだよ♪」
「ホント梨華ちゃんはいつもそれだよね。」

「でも、オイラは今はそれしかないんじゃないかって思うよ。
 そりゃ柴田のスタメンは厳しいかもしれない。けど、
 もし何かあった時にそんなモチベーションじゃ試合に出ても一緒だよ。
 逆に出ない方がいい!!」
210 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 13:12

「そんなヤグチさん。そんな言い方しなくても・・・・」

「・・・そうですね。前に監督にも言われました。モチベーションを
 下げるなって。力の差があればそれを埋めるために練習しかないもんね」

「そうそう、その調子だよ柴ちゃん」
「オイラも元キャップとして頑張んないといけないな」
「ガンバレ、桐陽学園元キャップ」

「うっさーい!お前らもある意味一緒だろ」
211 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 18:23

「私たちは別に桐陽学園なだけであってキャップじゃなかったもーん」
「そうそう。梨華ちゃんの言うとおりだ!」

「でもさ、さっきの柴田じゃないけどさDFはほぼ決まりじゃん。
 でもFW・MFは一体誰が選ばれるのかまったくわかんねーよ」
「う〜ん私が思うのは、たぶん監督は毎試合ポジションをいくんじゃないかな?」
「ん?梨華ちゃんどういう事?」

「特にFWはその時の調子や敵のDFの状況によって使い分けると思うの」
「な〜るほど!高さを活かすかスピードを活かすかって事だね」
「柴ちゃんご名答!」

「でも、梨華ちゃんがそんな事言うとわね。そっちの方がオイラはビックリだよ」
「何で?私だってたまにはそういう事言うもん!!」
212 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 18:35

「ねぇよっすぃ、合宿が終わったらドコに遊びに行こうか?」
「さぁ、ごっちんに任せるよ。東京はあんま詳しくないからさ」
「んあ〜そしたらマルキュー行って、代官山でも行ってみようか?
 渋谷からひと駅だしね」

「でも東京って苦手なんだよね。山手やら東横やら丸の内とか電車が
 多すぎなんだよ」
「あっ、それは美貴も思うよ!本数が多いのはいいけど、線が多すぎて
 どれに乗ったらいいのかサッパリサッパリ」

「そうかな?そんなに感じないんだけどな。あややはどう?
 関西もけっこう多いでしょ?」
「ん〜でも関東に比べるとやっぱり少ないですよ」
213 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 18:40

「んあ〜、とにかくさ一緒に遊ぼうよ。そうだ!みきてぃたちも一緒にどう?」
「ってか気軽にこれる距離じゃないし!」
「あっ?!でも、遊べるかも」

「亜弥ちゃんどうやって?」
「この合宿が終わっても、まだ最終合宿があるじゃないですか!
 前日入りすれば全然遊べますよ」

「亜弥ちゃん、前日入りって・・・その日はドコで寝るの?」
「そっか・・・チェッ、いい考えだと思ったのにな〜」
214 名前:合宿5日目 投稿日:2004/09/25(土) 18:52

「いや!いいんじゃない♪ごとーの家に泊まったらいいんだよ」
「いいの?ごっちん」
「オッケーオッケーオールオッケェー♪」

「でもさ、みんな最終合宿に呼ばれるの?」
「何言ってんのよっすぃ!呼ばれるに決まってんじゃん。
 だからみんなで遊ぶぞ〜!!」
「おっーーー!!」

「そういえば最終合宿っていつからだっけ?」
「確か大会の始まる1ヶ月前だから、えっと来週だよ」
「な〜んだ、休みは1週間だけか・・・・」
「まあまあみきてぃ、ごとーたちは好きでサッカーやってるんだからさ」

「そうだね。頑張ってみますか」
「そうそう♪ガンバレガンバレ」
「いやいや、ごっちんもだから!」
「んあ〜!そ〜だった」
215 名前:konkon 投稿日:2004/09/26(日) 22:35
白版、緑版で書いてるkonkonといいます。
最初から一気に読ませていただきました!
とてもおもしろいっす♪
これからも交信お待ちしております。
216 名前:スペード 投稿日:2004/09/27(月) 00:06
はじめまして。
キャラが濃いですねぇ。
果たして誰が選ばれるのか楽しみです。
続き待ってまーす。
217 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/09/29(水) 20:13
ごっち〜ん・・・天然・・・?
一体誰が選ばれるんでしょうか?
続きをお待ちしております。
218 名前:桜娘 投稿日:2004/10/10(日) 13:35

215>konkon様
一気に読んでくれてありがとーです。
konkonさんの作品は実はこっそりと毎回読んでいます。(2つとも♪)
冒険モノは書いてみたいなと思っているのですが難しそうなので・・・・
これからもお互いがんばりましょー♪


216>スペード様
初めましてです。ある意味キャラが濃いのが持ち味と言うか何と言うか・・・・
誰が選ばれるのか自分も楽しみにしてるんです。(オーイ!!!)


217>紺ちゃんファン様
もちろんごっちんは天然です!!(言い切っちゃうのかよ!!)
誰が選ばれるかはお待ちくださいませ。
219 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 13:47

「紺ちゃんオハヨー。相変わらず早起きだね」
「あっ、おはようございます。藤本さんこそ早起きじゃないですか」
「美貴は気まぐれだから早い日があれば遅い日もあるよ。でも紺ちゃんは
 いっつも早起きじゃん」
「いやーそれほどでも・・・」

「それにしても、あと2日で合宿終わっちゃうね」
「何言ってるんですか!その後すぐに最終合宿ですよ」
「最終合宿か〜・・・確か2人落とされるんだっけ?」
「・・・そうですね。悲しいですがみんながみんな試合に出れる訳では
 ないですから・・・・・」

「そうだね。まあ、紺ちゃんも美貴も確定してるんだからさ、がんばろーよ」
「何言ってるんですか〜!まだ決まった訳じゃないんですよ。
 最後まで気を抜かないようにしないとダメですよ!」

「はーい・・・。ありがとね紺ちゃん」
「何がですか?」
「紺ちゃんくらいだよ。美貴をしっかりと説教してくれるのはさ♪」
「そんな説教だなんて・・・スイマセン」
220 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 13:56

「怒ってんじゃないから謝んないの!って言うか一回紺ちゃんには
 お礼が言いたかったんだよね」
「お礼?!・・・・ですか?」
「そう。練習中、試合中とここ一番で気を引き締めてくれるのが
 紺ちゃんだったからさ。アレってけっこう効くんだよね♪」

「そんな・・・飯田さんだって藤本さんだっていつも引っぱって
 行ってくれてるじゃないですか」
「う〜ん、美貴とかカオリのとはちょっと違うんだよね。紺ちゃんの
 場合はいつも大事なところで言ってくれるからすごく集中できるんだよ」

「そ、そうですか・・・・」
「そう。だからアリガトね。そしてこれからもガンバローよ!」
「はいっがんばりましょう」
「じゃ、また後でね」
「はいっ」
221 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 14:10

午前9時
いつもどおりにグランドに集合する22人。その前につんくが姿を現した。
「おはよー。よく眠れたか?なんやかんや言ってこの合宿も後2日や。
 みんな悔いの残らんように過ごしてくれや。」

「「「「「「はい!」」」」」」

「ほな、全員アップしてからもう一回ここに集まってくれ」
そう言って監督は中澤・平家両コーチと話をしだした。

全員アップが終了して監督の前に集合する。
「おし、ほな今から呼ぶ奴は中澤のトコに集まってくれ。まず、矢口・
 飯田・里田・松浦・藤本・加護」
呼ばれた6人が中澤の処に集まる。

「次に呼ぶ奴は平家んトコや。安倍・亀井・美海・アヤカ・小川・田中の6人や」
6人は平家のとこに集合する。
222 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 14:35

「残りの8人・・・あっ、吉澤!オマエは中澤のとこ、ミカは平家
 のとこや!スマンスマン。で、8人になったな」

「今日はこれから3チームでミニゲームをやってもらう!これから
 ルールを説明するからよー聞いとけよ!質問は説明が終わった後や。
 まず、これからやるミニゲームは3チーム一気にグランドに入ってもらう。
 ゴールはハンドボールのゴールをレンタルしてきたからそれを使う。
 GKはなしや。手を使うなよ!その代わり誰がゴールに入ってもえぇから、
 ハンドせずにクリアせいよ。時間は30分を3本や。以上何か質問は?」

「はい・・」
「おっ、紺野」
「あの、3チームで3つのゴールを使ったサッカーってどうやってやったらいいのですか?」
「それをお前らが考えんかい!次!!」

「はい」
「吉澤ー」
「GKなしという事はGKというポジションがないって事ですか?」
「そうや!そやから守る時は近くにおる奴がゴールに入ったらえーんや。
 もちろん手を使わずにな♪」
223 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 14:44

「他は?・・・・特になさそうやな。それじゃ10分後に試合開始や。
 各チームごと作戦でも決めてこい」

中澤チーム(矢口・飯田・里田・松浦・藤本・加護・吉澤)
矢口が全員を見ながら口を開く。
「さて、どうする?」
「どうするも何もゴールが2つあるんだからどっちかに叩き込めばいいんでしょ!」
「フッ・・・」
飯田の発言に吉澤が鼻で笑う。

「何笑ってんのよ!アンタ生意気よ」
「まったくそんな単純でメデタイ頭してるからシュートが入らねぇーんだよ」
「どういう意味よ!!」
「別に・・・もっと考えたらって事だよ」

224 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 14:53

「ムカツクー!アンタ勝負しなさいよ!!」
「勝負?なんの?」
「このゲームでどっちが多く点を取れるかをよ」
「ハァ・・・?アンタGKのあたしと勝負してど〜する気?」
「うるさいわねー。いいから勝負よ!!」
「はいはい」

後ろから見ていた中澤に矢口が近づき、
「コーチ、いいんですか?」
「ええがな。おもろそうやんけ♪やらしとき」

「いいのかな・・・・」
「いや、ダメでしょ!」
「だってカオリがあーなったら止めれないのはみきてぃも知ってるだろ!
 オイラには手がだせないよ」
「そりゃ〜・・・そ〜ですけど・・・・」
「とにかく残りの5人で何とかするしかないよ」
「は〜い・・・」

225 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 15:03

平家チーム(安倍・美海・亀井・アヤカ・小川・田中・ミカ)
安倍が恐る恐る全員に問いかける。
「誰か、DF以外やった事ある?」
なんと手を上げたのはアヤカだけだった。
「ある事はあるけど、守備的MFだよ」

「どうしたらいいべかな?」
「ワカンナイ!」
アヤカは簡単に答える。
「亀ちゃん、どうする?」
「わかりません。あの、このゲームってオフサイドは・・・・」
「ある訳ないべさ!!」
「スイマセン・・・」

「とにかく、しっかり守って隙があれば上がって行くべ。
 コレだけDFが集まっているんだから、そう簡単に点が取られる
 事はないと思うべ。最終列は亀ちゃんにお願いするべ。いつもどおりに
 やってくれたらいいから」

「わかりました。やってみます」
「後はそれぞれのポジションで、重なったら話し合いで決めていくべさ」
226 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 15:11

つんくチーム(後藤・辻・紺野・石川・高橋・柴田・道重・新垣)
「どうやってやるれすか?このゲーム」
「んあ〜、なんとなくやっていけばいいんじゃない?」
「後藤さん、それは危険です」

「おっ、早速動き出したね紺ピューター!で、ど〜すんの?」
「とりあえず、ゴールが2つありますが分散して責めるのはマズイと思います。
 それに守備を減らしすぎるのも攻められた時に守りきれない可能性が大きく
 なるのでやめた方がよいでしょう」

「んっ?だからど〜するれすか?」
「そうですね。最初は様子を見ながら感覚を掴んで行きましょう。
 状況によりけりで私が指示を出していきますから」
「じゃ、そ〜しよっか♪頼んだよ紺ちゃん」
「はいっ、頑張ります!」
227 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 15:19

つんくチームからのボールでキックオフ。
各チームがなれないゲームをすることに浮き足たっている。
亀井がいつも通りラインを押し上げると、イキナリゴールにボールが突き刺さった。

「「「「「!!!!!」」」」」

平家チームの亀井たちは驚いてセンターサークルを見ると、
ボールを受け取った後藤が打ってきたのであった。20mくらいの距離
なので後藤には何て事のないシュートだった。

「スイマセン安倍さん。いつもどおりの感覚でやったのでGKがいないのを忘れてました」
「大丈夫だべ亀ちゃん。まだ試合は始まったばかりだべさ」
228 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 15:30

後藤のシュートのお陰なのか、3チームともゴールはカラッポしない
ようになった。

10分経過・・・
何とかボールキープした矢口だが、飯田と吉澤が同時にボールを欲しがる。
どっちかにひいきする訳にもいかなくて困っていた矢口だが、
うまくマークを振り切った吉澤にボールを渡した。

吉澤がボールをもらって前を向くと藤本・松浦・加護がフォローに走る。
藤本とのワン・ツーでアヤカを簡単に抜くと、安倍が突っ込んでくる。
吉澤は左に重心を傾ける。しかし安倍も落ち着いてコースを押さえる。
だが次の瞬間安倍の目には吉澤の後ろ姿。
クルリと回転した吉澤は右側を抜いていった。

「でた。クライフターン・・・」
呟いた石川の声を紺野が聞いていた。
「どういう事ですか?石川さん」
229 名前:合宿6日目 投稿日:2004/10/10(日) 15:39

「よっすぃって昔さ、静岡でFWやってたんだよ。クライフターンは
 一級品だって雑誌に載ってたんだ・・・」
「クライフターン・・・私にもできません・・・・。でもなんで、
 GKやってるんですか?今のチームにGKがいなかったんだって・・・」
「はぁ・・・もったいないって言うか何と言うか・・・・・、
 でも、GKもできてFWできてスゴイですね!」
「そうだね。私たちも負けないようにしなきゃね」
「はいっ、頑張りましょう!」

安倍を抜き去った吉澤は亀井と1対1になり、横にパスを出す。
勢いよく走り込んできた松浦がシュートを打つが、松浦にも気づいていた亀井が
なんとかブロックする。しかし、ブロックしたボールが運悪く吉澤の前に転がる。
吉澤は落ち着いてシュートして得点をあげる。

中澤チーム  1点
平家チーム  0点
つんくチーム 1点
230 名前:桜娘 投稿日:2004/10/10(日) 15:56

今日は以上です。
すいません。<229>ですが紺野と石川のセリフが混ざってしましました。

「クライフターン・・・私にもできません・・・・。でもなんで、
 GKやってるんですか?」
「今のチームにGKがいなかったんだって・・・」

というふうになります。失礼しました。
231 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/10/11(月) 01:08
おっ、早速出ました紺ピューター(笑)
お、面白すぎです・・・。
安倍さんの訛りは最高ですね〜。
べさべさって・・・(笑)
よっすぃ〜の攻防両方できる(それも一流)ってのもすごいですよね。
う〜ん・・・だれが残るのか・・・気になってきましたね・・・。
次回更新を待つとしますか。
232 名前:konkon 投稿日:2004/10/14(木) 23:28
紺ちゃんの司令塔かっけぇ!
いや〜、まさか三チームで戦うとは、
これってすごい難しいんですよねw
続きもめちゃ期待してます♪
233 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/16(土) 01:03
よっすぃカッケー!
なんか面白い試合ですね。こういう練習方法って実際にあるんですか?
234 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/24(日) 14:53
初めて見つけて一気に読みました。面白いですね。
続きも楽しみにしてます。
>>233 俺の友人の高校の体育でサッカーをするときは、こう言う試合してたらしいけど・・・正式にこう言う練習方あるんかね?
235 名前:桜娘 投稿日:2004/11/03(水) 13:51
まずは返答から、

231>紺ちゃんファン様
紺ピューターはスゴイんだべ!!ペンテアムXだべさ!
・・・安倍さんそんなものありません・・・・
こんな感じでこれからもヨロシクです。


232>konkonさん
紺ちゃんはもっともっと目立ってもらう予定です。
続きも期待にそえるよう紺ちゃんにがんばってもらいます。


233>名無飼育さん
よっすぃはホントカッケーです。
このキャラをどうにか維持していきたいのですが・・・
この練習は三角ベースをしてたら思いついたのでホントにあるのかどうかは・・・・



234>名無飼育さん
アリガトゴザイマス。
もっとおもろいモノが作れるよう頑張りたいと思いまっす。
体育でやってたら正式にもあるかもしれないっすね
236 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 14:04

得点を決めた吉澤はゆうぜんと自分の陣地に戻り、そして飯田の隣に行くと、
「じゃ、お先に1点頂きましたんで、そっちも頑張ってくださいね♪」
「うっさいわね!あんなの単なるごっつぁんゴールじゃない。
 カオがもっとビシッとしたゴールを見せてあげるわよ!!」
「へ〜へ〜、期待してますよ♪」

一方、
「亀ちゃんゴメン、なっちが簡単に抜かれたせいだべ・・・・」
「そんな事ナイです。あんな見事なクライフターンを決められたら、
 誰にも止めれませんよ」
「クラリスターン?なんだべソレ?」
「クラリス?!安倍さ〜ん、カリオストロの城に出てくる姫様じゃないんだから〜!
 クライフですよ。ク・ラ・イ・フ!!」

「・・・・なんだべソレ?新しいケーキだべか?」
「今度ビデオ貸しますから・・・・」
237 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 14:16

ピィーーーー
平家チームからのボールで試合再開。
なんとか1点を取り返そうとする平家チーム。
しかし、すぐさま中澤チームの飯田・里田。
つんくチームの道重・柴田がチェックにくる。

「このままじゃマズイばい。小川さん頼むタイ!」
田中はすぐ後ろにいた小川にボールを回す。
「あっ?あたしだってムリだよー」
慌てながら周りを見て、すぐに目に付いたアヤカへパスをだす。

アヤカがボールキープしたとたんに、松浦がマークに付く。
「先輩、たまには後輩にボールを譲ってください♪」
「やだよ!あんた後輩っぽくないじゃない」
アヤカと松浦は会話をしながらもボールを奪い合う。

「おっ!滝山新旧キャップ対決なのれす」
辻が言うとみんなは面白がって2人に注目する。
238 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 14:27

「ちょっと、誰かしらフォローに来てくれてもいいんじゃない?」
「あら、先輩逃げちゃうんですか?こんなに注目されてるのに!」
「だから嫌なのよ。あんたが必要以上に張り切っちゃうから・・・」
「当然です♪注目されるほど気持ちイイことないじゃないですか!
 だからこの勝負勝たせてもらいま〜す」

松浦はそう言うと、アヤカの前に肩をうまく入れてボールを奪い取ろうとする。
「くっ、このままじゃ・・・しょうがない!ゴメンあやや、私も負けたくないの!」
アヤカは体を松浦にくっつけると同時に指を松浦の体に突き刺す。
「ひっ?!」
このスキをついてアヤカはそのままドリブルで抜け出した。

周りから見ていれば松浦がバランスを崩しただけに見えるが、実は・・・・
239 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 14:50

「あらら、あややもまだまだだね」
「どういう事れす?ごっちん」
「じーつー、今の2人の競り合いどう思った?」
「どうって、何てことない1対1なのれす」
「ははっ、そんなんじゃ来年はあぶないな〜」
「なんでれすか?」

「今アヤカはねこうやったの」
後藤は辻にアヤカが松浦にやった同じことをした。
「うきゃ」
「どう?」
「どうもなにもファールなのれす」
「これがマリーシアってやつだよ」

「マリーシア?」
「マリーシア。ポルトガル語でずるがしこいって意味でしたっけ?」
「あっ、紺ちゃん」
「勝つために何をしてもいいって訳じゃないけど、そういうプレーも
 あるって事を辻は知っていればいいと思うよ」
240 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 15:04

「そうですね、人それぞれにあったプレースタイルってのがありますからね」
「勝つためれすか・・・・」
辻はドリブルで中澤チームに切れ込んでいくアヤカを見ながらつぶやく。

そのアヤカに矢口と藤本がチェックに行く。
「アヤカ後ろ!」
アヤカは後ろからフォローに来た美海にボールを下げる。
が、そのボールを吉澤がカット。

そしてそのままドリブルで今度はつんくチームに攻め込む。
吉澤を中心に松浦・加護が横に開く。
吉澤は新垣・道重を簡単に抜き去ると、前から後藤が詰めてきた。
加護・松浦には石川・高橋がしっかりとマークにつく。

「しょうがない、ここは1人で行ってやるよ!」
吉澤は早速後藤を抜きにかかるが、なかなかそう簡単には後藤は抜けない。
「クソッ、こうなったら!」
得意のクライフターンをしかけるが、
「その技は、さっき見せてもらったよ」
と、後藤のマークを外す事ができない。
241 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 15:21

そして、後藤の狙い済ました足がボールに行く。
しかしなんとか持ち直した吉澤。

チキショー!ごっちんてホントスゲェー!!
こうしてるとまったく抜ける気がしねぇーんだけど・・・・どうしよ?
パス出したいけど、全然出せるタイミングもねぇーしさ・・・・

松浦・加護は時々石川・高橋のマークを外すがパスが出せない吉澤。
困っている吉澤の後ろから辻が近づきボールをカットした。
「油断タイ的れす」
「ナイスじーつー♪でも字が間違ってるぞ」
「余計なお世話れす。言葉らから間違えてるかどうかはごっちんにはわからないのれす」
「大丈夫きっと間違ってるからさ!」
「もういいれす」

辻は吉澤からボールをカットすると、紺野にボールを預ける。

「中央に寄りすぎです。もっと広がってください」
そう言うと紺野は柴田にボールを回す。
242 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 15:29

「ほう、さすがは紺野やな。よく見えとるわ」
つんくの言葉に中澤が問い返す。
「何が見えとるんですか?」
「パスの道すじや・・・・広い視野を持ち、グランドを横からでなく
 まるで上から見てるように、瞬時にチームメイトの位置を把握して
 ゴールまでの最短距離を導き出す。まさに司令塔としての資質を
 発揮しとるやないか!」

紺野・柴田・辻の3人で中澤チームに攻め込み、見事辻のゴールで
得点を重ねた。

中澤チーム  1点
平家チーム  0点
つんくチーム 2点
243 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 15:37

ピィピィーーーーー
高い笛の音がなり、ここで1本目終了。
各チームとも監督・コーチの下に戻っていく。

中澤チーム(矢口・飯田・里田・松浦・藤本・加護・吉澤)
「スゴイやんか吉澤!自分GKやらしとくにはもったいないでぇー」
「ははっアリガトッス。でも性格上あってるんで」
「まっそやな。自分のやりたいとこすんのが1番や!
 それより、攻撃がちょっと弱いんとちゃうか?何のために
 このチームにしたと思っとんねん!!もっと気合入れてきや!」

「「「はい!!!」」」

「よし!えぇ返事や。その調子でガンガンシュート打ってこい」
244 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 15:50

平家チーム(安倍・美海・アヤカ・亀井・田中・小川・ミカ)
「どうするべ?このままじゃヤバイべさ!!」
「なぁあんたらさ、いくらメンバーがDF中心って言っても、
 ちょっとDFにこだわりすぎとちゃうか?」

焦っていた安倍たちに平家が声をかける。
「でもコーチ、やってみるとけっこう難しったい」
「はぁはぁはぁ、そうですよ・・・・」
「って言うか小川さんは疲れすぎったい」
「そういう田中ちゃんは疲れてなさ過ぎだよ・・・」

「とにかくいろいろと考えてみいや。どうやって攻めたらえぇんか、
 なんでこのメンバーが集められたんかをな・・・・」

「そうだべな、とにかくちょっとみんなで考えてみるべさ」
安倍を中心に7人は集まってミーティングを始めた。
245 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/03(水) 15:58

つんくチーム(後藤・辻・紺野・石川・高橋・柴田・道重・新垣)
「おつかれさん。後もこの調子でやりよけば問題無しやで!」
お気楽な監督に、
「監督。ちょっとはアドバイスとかくれてもいいのれすよ」
「アホか、それを考えるのがお前等の仕事やないか!まあ、
 でもたまにはえぇか。そうやな・・・、1つ言えるとしたら、
 全員紺野のプレーを見て勉強しろって事やな!後藤、オマエもやで♪」

「へ〜い!わかってま〜す」
「後は自分等で考えや」

「・・・・ごっちんどういう事なの?」
「う〜ん、梨華ちゃんも紺ちゃんのプレーを見てたらよくわかるよ」
「そう?」
「うん。そっ!」
「ふ〜ん、紺ちゃんのプレーね〜・・・・」

246 名前:あがっ 投稿日:2004/11/03(水) 20:07
あげっ
247 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/11/03(水) 21:55
更新お疲れ様です。
さすが紺ちゃんですね〜。イメージとピッタリです!
紺ピューターはすごいっ!
この調子で作者さま、がんばってください!
248 名前:konkon 投稿日:2004/11/05(金) 00:55
天才紺ちゃん爆発っすね♪
紺ちゃんのプレーって何なんだ〜!?
ごっちんとノノの会話が面白すぎです。
続きも楽しみにしてま〜す!
249 名前:紺トリー娘 投稿日:2004/11/11(木) 22:27
紺ちゃんスッゲーかっけー!
紺ピューターほしいっす。値段はいかほどぐらいで?
続き期待してま〜すよ〜!
250 名前:桜娘 投稿日:2004/11/20(土) 07:33

247>>紺ちゃんファン様
紺ちゃんはまだまだスゴクなっていってほしいものです。
紺ピューターの活躍もスゴクなってほしいのです。

248>>konkon様
紺ちゃんの力はじょじょに発揮していく事でしょう。
紺ちゃんのプレーについてはそのうち出てきます。
続きも面白いと言われるよう頑張りま〜す。

249>>紺トリー娘様
紺ちゃんホントかっこいいですね。
紺ピューターは最新型ですからね〜・・・・
値段はオープンプライスってことでお願いします
251 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/20(土) 07:49

ピィィィーーーーー
高い笛の音が鳴り響き2本目が中澤チームのキックオフで開始される。
グランドの中央には吉澤と飯田。

「今度こそ点を取ってやるわ。そしてカオがあなたより優秀な選手だって事を
 証明してやるの」
「あっそう。それよりまずシュートうったら?シュートうたないと
 点も入らないよ」
「うるさいわね。あんたナマイキよ!」
「はいはい・・・」

吉澤は飯田からボールを受け取り、里田にボールを渡す。
ボールを受け取った里田は、
あ〜あ、2人ともバラバラに飛び出しちゃって・・・
しかもどっちに行っても密集してるじゃない。
私ボールキープって苦手なのよね〜

里田は松浦にボールを渡して飯田の後ろに続く。
252 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/20(土) 08:06

ニャハ♪こういう密集地でこそ、私の力が存分に発揮されるのよ。

松浦はドリブルで上がって行くと、アヤカ・美海・柴田・新垣の
4人に囲まれる。しかし松浦はニヤッとすると、あえて狭い
柴田・新垣の間を抜けて囲みから突破して、そのまま中澤チームのゴールに向かう。

「んあっ!ヤバイね。ジーツーフォローに行ってやって」
「ほーーい」

辻が素早く松浦をチェック。
「くっ・・・!さすが日本高校界最強のボランチ。プレスがハンパじゃない!!」
「へへっ、このままボールを頂くれす」

今にもボールを取られそうな松浦の視界に藤本の姿が映る。
松浦は体を入れてボールの安全とパスコース確保すると、
そのまま藤本にパスを出す。
253 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/20(土) 08:15

「ナイス亜弥ちゃん」
藤本はそのままドリブルで上がっていく。

「やるれすねあやや!次は簡単にはやられないのれす」
「お褒めの言葉アリガト♪次もこっちが頂きだから」
そうして松浦は藤本のフォローに、辻はDFのフォローに走る。

一方、ボールを受け取った藤本は自慢の快速ドリブルでつんくチームの
ゴールに突き進む。
「この感じはヤバイ・・・愛ちゃん藤本さんの足を止めて。
 石川さん、愛ちゃんのフォローをお願いします」

「了解やざ」
「オッケェー」
254 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/20(土) 08:25

高橋は藤本との間を詰める。

「ふふっ、さすが紺ちゃん良い指示だね。でも・・・ちょっと遅いよ」
トップスピードに乗り切った藤本は、ワンフェイントで高橋を抜き去り
その後ろにいた石川もそのまま抜き去った。

そのままシュートと思った時、藤本の横を並走する人。
「・・・ごっちん」
「みきてぃ、ごとーを抜かないとゴールできないよ」
「美貴としても勝負したいとこだけど、今はまだその時じゃないからね」

藤本はそのままヒールでボールを後ろに流す。
そこに走り込んできたのは飯田だった。
そのままダイレクトでシュートしようとすると、
「させません!」
紺野が横から体を入れてきた。
しかし飯田はそのまま強引にシュートをうつ。
255 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/20(土) 08:41

カン!
飯田のシュートは無常にもゴールポストに弾き返される。

ゴール前に浮かんだボールの下には里田と新垣。
あきらかに新垣では慎重さで敵うわけがなく、里田は簡単に頭で合わせて
ゴールに叩き込んだ。

「いっえ〜い♪1点ゲッツ!!」
喜ぶ里田に藤本・松浦が駆け寄り、
「やったねマイちゃん、ナイスヘッド」
「里田さんナイッシュー♪」
「へへっ、2人ともアリガト。」

喜んでる3人を尻目に自分のコートに戻る飯田。
すでに戻っていた吉澤を見ると、ニヤニヤしている。
「なによ?」
「別に〜、なにも言ってないじゃん♪」
「ムカツク!」
「なんだと?!シュート外したのはあたしのせいじゃねぇーじゃん」
「何が言いたいのよ」
「あんなんも決めれないあんたが未熟って事じゃん」
256 名前:合宿6日目 投稿日:2004/11/20(土) 08:49

「2人ともその辺にしときなさいよ」
一触即発の2人の間に入る矢口。
「矢口・・・」
「ヤグチさん・・・・」

「競い会うのはいい事だけど、ケンカしてど〜すんの?
 私たちは日本の高校生の代表としてここに集まってるのよ。
 恥ずかしい事しないでよ!」

「ゴメン矢口・・・」
「スイマセンした・・・・」
「よし、まだまだ試合は続くんだ。ガンバロー♪」

中澤チーム  2点
平家チーム  0点
つんくチーム 2点
257 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/11/20(土) 18:51
更新お疲れ様です。これがリアルタイムというものでしょうか?
かおりん、ちょっと苛立ってますね。
紺ちゃんの「させません!」にはびっくりしましたね〜。
まさかあそこで出てくるとは・・・てっきりもうゴールかと思い
半分諦めてたんですが良かったです。
では、次回更新待ってます。
258 名前:konkon 投稿日:2004/11/24(水) 08:20
やっべ〜!
アヤミキコンビかっけぇ!
マジおもしろいっす!
259 名前:桜娘 投稿日:2004/12/30(木) 12:22

257>紺ちゃんファンさん
いつもありがとうございます。
紺ちゃんは最後の最後まで諦めない娘ですから〜。

259>konkonさん
アヤミキコンビ、マジかっけぇ〜です。
でも、他にもいろんなコンビを作ってみようかな
って思う今日このごろです。
260 名前:合宿6日目 投稿日:2004/12/30(木) 12:36

一方いまだ0点の平家チーム。

「亀ちゃんどうするべ?なっちたちまだ1点も取れてないべさ」
「私に1つ考えがあります。ちょっとポジションをイジッていいですか?」
亀井はそういってみんなを集めると、

「まずDFですが、センターにアヤカさん。両サイドに右にミカさん、左に
 小川さんでお願いします」
「私がセンターなの?大丈夫?」
「私も本職は右バックなんだけど左でいいの?」

「大丈夫です。後ろは3枚で、後の4人で前線に出ます。
 まずFWの位置に私と安倍さん。その後ろに美海さんとれいな。
 というフォーメーションで行こうと思います」

261 名前:合宿6日目 投稿日:2004/12/30(木) 12:56

安倍と亀井は前線に出てきたのを見て、紺野は後藤に近づき、
「あのチーム何か仕掛けてきそうですね。どう思いますか?」
「んあ〜?!なっちと亀ちゃんがトップか〜。確かに何かしてきそうだね♪」
「その割には楽しそうですね」
「ふふん♪ま〜ね。とにかくどう来ようが全部シャットアウトしたらいいんだよ」
「そうですね。とにかく用心して行きましょう」
「しっかり指示頼むよ。紺ピューター♪」

「矢口さん。あのチームポジション変えてきましたよ」
「ホントだ。でもな〜んか気に入らないフォーメーションなんだよな・・・」
「えぇ〜?気に入らない?どこがですか?」
「ん〜・・・ドコって聞かれると答えれないんだけど、何となく気に入らないんだよね」
「まあいいじゃないっスか。あんま小さい事気にしてたら背が縮みますよ♪」
「うっさい!慎重の事は言うなよ!!」
262 名前:合宿6日目 投稿日:2004/12/30(木) 13:20

ピィィーーー
後藤・紺野のキックオフで試合が開催する。
紺野はボールを柴田に渡す。

「そろそろ私も活躍しなきゃ、代表落ちしたくないからね♪」
柴田はチェックに来た飯田を軽くフェイントでかわすと、ボールをサイドにふる。
ボールを受け取った新垣がトラップした瞬間、

「イタダキマース♪」
そこに現れたのはミカだった。ミカは新垣からボールを奪うと、
そのまま縦に蹴りだす。

ボールの落下地点にいた田中に矢口が競りにいくが、矢口に気づいていた
田中はヘッドでボールを流す。その流れついた先にいたのは安倍だった。

安倍はそのままドリブルで上がって行くと、
「行かせないよなっち!」
「・・・かおり」
1対1で競り合っていると、
(やっぱりかおりはDFヘタクソだべ。こうやっていると手に取るようにわかるべさ)

安倍はニヤッとすると股抜きで飯田を抜き去り、そのままシュート。
しかし何とか戻ってきた吉澤がヘッドでクリアする。
そのクリアボールを拾った美海がすかさずクロスボールを入れてくる。

263 名前:合宿6日目 投稿日:2004/12/30(木) 13:28

そのボールに安倍と吉澤が飛び上がる。
しかし、その2人の前に亀井が飛び上がり、頭で叩きつける。

ボールはそのままゴールに吸い込まれていった。
「やったべ亀ちゃん♪でも何で急にこんなにキッチリ攻める事ができたんだべか?」
「簡単な事ですよ。私たちDFがいつもやってる事をしっかりとやっていけば点は取れるんです」
「???なっちにはよくわかんないんだけど・・・」
「まあまあ、暇だったら後で教えますから♪まずは同点にしましょう♪」

中澤チーム  2点
平家チーム  1点
つんくチーム 2点
264 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 15:32

意気揚々に戻っていく平家チームを見ながら加護が、
「あ〜あ、あのチームにもついにやられてもうたわ〜」
「何言ってんのよあいぼん!取られたら取り返せでしょ!」
「そうそう!あややの言うとおりじゃん。またうちが点を取って
 やるからさ♪」
あまりにも自信満々の吉澤に、
「へいへい、期待しとりますわ・・・天才GKさん」
「おう!まかされて〜♪」

「かおり・・・」
「マイごめんなさい、カオ簡単に抜かれちゃったよ」
「あの状況じゃ仕方ないよ。ここで取り返そうよ!」
「うん・・・」

265 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 15:40

それを見ていた紺野は後藤に近づき、
「後藤さんチャンスです」
「チャンス?」
「飯田さんは1回落ち込むと時間がかかるんです」
「そこをつくって事?いいのこんちゃん、一応直結の先輩だよ」
「勝負は時に非情なものなのです。見てください。たぶん安倍さんと
 美海さんもそこをついてくるはずです」

紺野に言われて見てみると、安倍と美海がこそこそと話をしている。
しかも目線はしっかりと飯田の方を向いている。

「なるほどねぇ〜。で、なにか作戦でもあるの?」
「おまかせください。ここはもっと飯田さんに参ってもらいましょう」
266 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 16:00

ピィィィーーーー!
中澤チームのキックオフで試合再開。
矢口はボールを松浦に下げて走り出す。矢口・吉澤はつんくチームへ、
飯田・里田は平家チームへと上がっていく。

「りさちゃんヨロシク」
紺野の指示で飯田のマークには新垣が張り付く。
「紺野どういう事?カオの事なめているの?」
「あさ美ちゃんはなめてないですよ。見てのとおり飯田さんのマークは
 あたしで充分です!」

カチン!!
「ふん!私とあんたの差がわからないの?」
「差ですか?」
「そう!!選手権準優勝の私を抑えれると思っているの?」
「でも飯田さんって選手権でそんなに点数取ってないですよね♪」
267 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 16:16

「・・・ならここで見せてあげるわよ」
その瞬間に加護からボールが回ってくる。
飯田は胸トラでボールを落とそうとした時、
新垣が前に飛び出しヘッドでボールをクリアする。

「飯田さんボールは待っていてはダメですよ。迎えにいってあげないと♪」
新垣はそう言ってそのまま前線に上がっていく。飯田もその後を追いかける。

クリアボールを拾った紺野はドリブルをしながら、
「石川さん、愛ちゃん大きくサイドに広がってください。
 柴田さんはそのまま縦に入ってください。のんちゃんはフォローを
 お願いします。後藤さんは自由に動いてください」
紺野の指示通りに全員が動き出す。
268 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 16:31

「ヤバイ!」
藤本はひと言呟くとダッシュで戻っていく。
「ヤバイってなにがヤバイの?」
松浦が藤本の後ろを走りながら聞き返す。

「紺ちゃんがノッテきてるのよ。ここは止めとかないと後々大変だから」
藤本はそのままスピードに乗って走って戻っていく。
松浦も遅い方ではないのだが、トップスピードの藤本には追いつけない。

紺野はチェックにきた矢口を辻とのワン・ツーで簡単に抜きさる。
そしてボールをサイドに振り、石川にボールを渡す。
すると石川はすぐさま逆サイドにボールを回す。ボールを受け取った高橋は
後ろから近づいてきた加護に気づき中に蹴り込む。

269 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 16:45

中で待っていた柴田に吉澤が競りに行くが、ここで柴田がニヤッと
してボールをスルー。
ボールはエリア外に流れていく。そこに走り込んできたのは紺野だった。
しかし前に立ちはだかる藤本。紺野は気にせずそのままボールに向かって
走ってくる。

藤本は息を落ち着かせながら、
・・・こんちゃんがこの状況で勝負にはこないはず。ここはどこに
パスを出すかを読み取らないと・・・
藤本は紺野の動きを気にしながらもその回りにも目を移す。
紺野のななめ後ろから後藤が走っている。

そうか、ごっちんか!!

270 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 16:56

紺野はボールに追いつきトラップし、クルッと反転する。
藤本はそこまで確認すると、「読み勝った!!」
そういって後藤方向に向かって走り出す。

しかし紺野はさらに反転してそのままシュート。
ボールはそのままゴールにつきささった。

「マルセイユだ・・・」
今の一連の動きを見ていた吉澤がボソッと呟いた。
「マルセイユ?なにそれ?」
隣にいた柴田が吉澤に聞き返す。

「マルセイユだよ、マルセイユ!!マルセイユターンだよ!!!」
「マルセイユターン・・・ってあのジダンの!!!!」
吉澤と柴田はなぜか敵同士なのに一緒に盛り上がっている。
271 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 17:08

藤本は紺野に近づき、「やられたよこんちゃん。いつ練習してたの?」
「いや〜、前からずっと出来たらいいなって思いまして練習していたのです。
 できてよかったです」
「んあ〜、ゴトーもビックリしたよ。てっきりパスが来るもんだと
 思ってたからさ、まさかマルセイユがでるとはねぇ〜・・・」
「いえっ、そのっ、スイマセン・・・」

「ホラホラ謝らないの。ほめてるんだから。ねっみきてぃ♪」
「そうそう。美貴もビックリしたよ、まさかこんちゃんがねぇ・・・」

その時、ピィィィーーーーと2本目終了の笛。
「3本目は負けないよ♪」
藤本はニコッと笑って戻っていく。
「私たちも戻ろっか」
2人で監督のところに向かった。

中澤チーム   2点
平家チーム   1点
つんくチーム  3点
272 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 17:28

「あんたらちょっとやられすぎとちゃうか?もっとがっちりと攻めてこんかい!」
腕を組んで仁王立ちの中澤に全員が肩をすくめる。
「スイマセン・・・」代表して矢口が謝ると、
「スイマセンですむ問題やナイで!もっとガンガンシュート撃ってこい!」
「「「はい!!!」」」
「よし!ほな3本目まで各自体を整えとくように!!」

「あんたさヤル気あんの?ないんならヤメテくれないかな・・・」
突然吉澤から飯田に激怒の声が飛ぶ。驚いた矢口が止めに行こうとするが、
藤本に捕まれて止められる。
「ちょっと止めないと・・・」「いいから!」

「あんたさ、いくらプレーがうまくいかないからって人に当たるのは
 いい事じゃないね。それに2点目・3点目と誰が責任なのかは
 自分が1番解かってんでしょ。ヤル気ないならさ、邪魔だから
 とっとと帰ってよ!!」

「バカな事言わないでよ。3本目こそ私の力を見せ付けてやるんだから!」
「フン、最初から見せろっての!」
273 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 17:40

「自分らようやったな〜。ラスト1本もこの調子でガンバリや」
「まったく、お気楽なコーチだべなぁ。ところで亀ちゃん、
 さっきのってどういう事なんだべか?」

「あぁ〜さっきの事ですかぁ?そんな事ど〜でもいいじゃないですかぁ。
 そんな事より早く追いついて逆転しましょうよ!」
「そ、そうだね・・・」
亀ちゃんってこんな軽い感じの娘だったべかなぁ・・・
274 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/02(日) 17:57

パチパチパチ。「紺野!見事なターンやったで」
「あっありがとうございます」監督に向かって深々と頭を下げる紺野。
「こんちゃんスゴイれす。どうやってやるのれすか?こうれすか?こうれすか?」
「えっいやっ、そうじゃなくて・・・」

「コラコラ、ジーツーにはムリだよ♪だって細かいの苦手でしょ♪」
「もう!ごっちんはいつもひと言多いのれす」
「へいへい。でももしジーツーにできたら好きなものオゴッてやるよ」
「今の言葉、一生忘れないれすよ。こんちゃんもしかと聞いたれすね」
「はっはい・・・」
「めちゃめちゃ練習するれす。こんちゃんも手伝ってくらさい」
「あっジーツー。期限は1週間だかんね♪」
「えっ・・・ガンバルれす」
275 名前:七誌さん(旧・紺ちゃんファン) 投稿日:2005/01/02(日) 19:30
更新乙ナリ。あ、リアルタイムだ♪
紺ちゃんすごいな〜。
紺ピューターだけじゃなかったんですね♪得意技。
いや〜すごいな〜。
次回に期待です♪ジーツーガンバ♪
276 名前:konkon 投稿日:2005/01/03(月) 00:24
あけましておめでとうです!
紺ちゃん最強っすね。
パス、シュート、フェイント、もう言うことなしです!
これからもがんばってくださ〜い♪
277 名前:桜娘 投稿日:2005/01/08(土) 22:48

275>>七誌さん(旧・紺ちゃんファン)さん
紺ちゃんは本当にスゴイのです。
これからもスゴサを発揮していくハズです。
ジーツーは大丈夫かな・・・?

276>>konkonさん
おめでとっす。
紺ちゃんにはより一層最強になってもらうために
まだまだ頑張ってもらいます。
278 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/08(土) 23:00

3本目、平家チームのキックオフ。
「安倍さん。ラストですからがんばりましょうね♪」
「うん・・・でも作戦とか何もないけど大丈夫だべか?」
「も〜、まだそんな事言ってるのですか?しょ〜がないですね。
 いいですか?確かに絵里たちの本職はDFです。だから逆に
 他のチームのDFの穴が見えてくると思うのです。さっきに安倍さんが
 飯田さんを簡単に抜いたように!」

「はぁ〜・・・今さらだけど亀ちゃんは本当にスゴイんだね〜。
 とてもなっちより年下に見えないべさ!!」
「何言ってるんですか!サッカーは年齢でやるんじゃないですよ。
 楽しまなきゃ♪」
「そうだべな。それじゃラスト1本楽しむべ♪」

ピィィィーーーーー
3本目開始の笛が響き渡った。
279 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/08(土) 23:54

安倍はボールをアヤカに回して自陣でゆっくりと回して相手2チームの様子をうかがう。
しかし中澤チームの飯田・里田・松浦が素早く安倍をすり抜けてチェックにくる。

「うわっなんだべ?!」
驚く安倍を後ろに一気にアヤカとの間をつめていく。
「OH〜,危険がイッパイね」
アヤカは急いで美海に回す。しかしその間に飛び込んできた人影。

「まいど〜♪」
そこに飛び込んできたのは加護だった。
「うちもいっちょアピールしとかなな♪」

加護は得意の快速ドリブルでミカを抜きどんどんサイドをえぐっていく。
その加護の前に亀井が現れる。

「へへっ、高校サッカー界No,1DFの実力見せてもらうで!」
加護はニヤッとするとそのまま亀井につっ込んでいった。
280 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/09(日) 00:10

その時、突然横から安倍がスライディングで飛び込んでくる。
何とか気づいた加護はジャンプで安倍を避けるが、空中で無防備
なところを亀井に来られてボールをカットされた。

着地した亀井はニコッと笑うと、
「サッカーは1人でやっちゃダメですよ。では、ごきげんよう♪」

ドリブルで上がっていく亀井を見送りながら、
「なっ・・・何がごきげんようやねん!!ナメとんのかい!」
「まあまあ、怒んない怒んない」
「あっ安倍さん・・・」

281 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/09(日) 00:27

「あんまりカッカした状態でやるとケガしちゃうべさ」
「でも!!」
「でもじゃないべ!亀ちゃんは別に加護ちゃんの事ナメてる訳じゃないんだべ」
「そうでっか?」
「だってごっちんと辻ちゃんの後輩だよ。そんな訳ないべさ」
「はぁ〜・・・?」

「ほれ、ラスト1本だし頑張るべ!」
「はぁ〜・・・」

亀井の後を追って上がっていった。
加護も後を追いながら、

・・・な〜んか変な説得やったけど、後藤さんとのんの後輩やからか〜
なぜか納得してしまう言葉やったな〜・・・
と考えながら自軍へ戻っていった。
282 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/09(日) 00:43

一方、加護からカットしてそのままドリブルで上がっていく亀井に
吉澤が立ちふさがる。

1対1で競り合う亀井と吉澤。
・・スゴイ!吉澤さんってホントにウマイ。全然スキがないよ・・
なんとかボールキープする亀井。

・・コイツ、ホントうめーんでやんの。いつも後ろで見てるけど、
  これで1年っていうからウラヤマシーな〜。まぁうちも年上として
  負ける訳にはいかないからね・・
何とかカットしてやろうと足を出す吉澤。

283 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/09(日) 00:54

競り合っている2人の間に1人割り込んでくる。
「2人とも楽しそうだね。ゴトーも仲間に入れてよ」

「ごっちん?!」
「後藤さん!!」
「んあっ」

突然割り込んできた後藤にボールをカットされたが、今度は
吉澤・亀井の2人で後藤を囲む。

「後藤さん。今日は敵同士ですから恨みっこなしですよ♪」
「さっきは途中でちっさいのがジャマに入ってやられたけど、
 今度はそーはいかないからね!」

「へへっ、いいねいいね♪やっぱサッカーはこうでないと」
と必死にボールキープする後藤。
284 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/09(日) 01:17

後藤にキープされながら亀井が、
「アヤカさん、絶対DFラインを崩さないでください!」
と指示を出す。
亀井は後藤のキープ力とパスの鋭さをいつも近くで見ているだけあって、
この状態がよくない事は誰よりも解かっていた。

・・さすが亀ちゃん。よくごとーの次を抑えたね。でも、このチームには
  ごとー以上のパサーがいるからね♪・・

後藤は吉澤と亀井を抑えるとヒールで紺野に渡す。
紺野はあらかじめこの展開を予想していたのか、辻・柴田・道重・新垣を
中澤チームに入り込むように指示をしていた。

中澤チームは矢口と藤本しか残っておらず、4人は簡単にパスを回して
最後は辻がシュートを決めた。

  
285 名前:合宿6日目 投稿日:2005/01/09(日) 01:37

中澤チーム   2点
平家チーム   1点
つんくチーム  4点

「ちっくしょ〜!絶対追いついてやる!!」
必死に戻ってきたが間に合わなかった吉澤がゴールに転がっている
ボールを拾ってセンターサークルに向かう。

吉澤と飯田が並んでセンターサークルに立ち、
「次の1点が勝負どころだぞ。あんたの力はいつ見せてくれんの?」
「うるさいわね!ここ1番で見せるのがカオのスゴサなんだから!」
「じゃ見せてもらうよ」

吉澤は飯田から受け取ったボールを矢口に渡すと、飯田と同じ方へ走り出した。
「へ〜、よっすぃって思った以上に大人だねぇ」
矢口は感心したようにつぶやくと、ボールを松浦に渡してその2人を追うように
走り出した。
286 名前:konkon 投稿日:2005/01/09(日) 02:10
リアルタイムで読ませていただきました。
ごっちん、よっすぃ、亀ちゃんの三つ巴戦・・・
めちゃかっけぇっす!
さらには紺ちゃんの頭脳、もうたまりません!
次も楽しみに待ってます。
287 名前:七誌さん 投稿日:2005/01/09(日) 20:12
リアルタイムで見せてもらいました!
いや〜紺ちゃんの頭脳はやっぱすごいですね〜。
つんくチーム一歩リードのようですがまだまだサッカーはわかりませんよぉ♪
288 名前:桜娘 投稿日:2005/02/15(火) 00:56

286>>konkonさん
ごっちん・よっすぃ・亀ちゃんの戦いはもっと盛り上げたかった
のですが・・・・自分の力不足が感じられました。
これからもっともっと頑張らせてもらいます。
紺ちゃんには引き続き昇り続けて頂きます。

287>>七誌さん
そうです!紺ちゃんはとってもスゴイんです!!
どれだけスゴイのかは企業秘密って事で・・・・
ラスト一本はいったいどうなるのか?
っていう訳で続きはこうなりました♪
289 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 01:15

ここにきて一体感が出てきた中澤チームは松浦がドリブルで柴田・道重を
抜き去り、近づいてくる辻・新垣、そして安倍・亀井に囲まれる前に

「あいぼん!」
「OK!!」

と加護にパスを出す。ボールを受け取った加護は、藤本にも劣らないほどの
スピードに乗ったドリブルで上がって行く。

・・あいぼん、ここは通させんで・・
同学年って事もありさらに気合を入れた高橋が加護に近づく。
加護は横目でチラッと中を見て里田・吉澤・飯田がゴール前に入り込んでいるのを
確認するとすぐにクロスボールを上げる。
290 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 01:32

「あっ?」
あと1歩届かなかった高橋が声を出してボールの行き先を見る。
「へへっ、ここはうちの勝ちやで愛ちゃん」
「くそっ!でも勝負はまだまだやよ」
と話ながら2人ともボールのフォローに向かう。

一方ボールの行方はと言うと、里田がタイミングよく飛び上がる。が、
「させませんよ。先輩!」
紺野が助走をつけて飛び上がり何とか里田のシュートを防ぐ。

「よっし!ここだ!!」
そのこぼれたボールに今度は吉澤が飛び込んでくる。
「んあ?!ここはさせないよ、よっすぃ」
と、またもや吉澤の前に立ちはだかる後藤。

・・チッ・・・ここでごっちんかよ。土〜すっかなぁ〜・・・・あっそうか!
そろそろ見せてもらうって事♪・・
291 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 01:50

吉澤は流れてきたボールをそのままスルーでさらに流す。
「んあっ?!」
さすがの後藤もこれには引っかかってしまった。

こうしてフリーの飯田にボールが回ってきた。飯田は右足を伸ばして
ボールにあわせようとするが少し遠い。

・・クッ、後少しなのに何で届かないの?伸びろ!もっと伸びろ右足!!・・

飯田は懸命に右足を伸ばす。そしてピンッと伸びた右のつま先にボールが触れる。
その時、恐ろしく鈍い音が飯田の中に響き渡る。

ボールはワンバウンドしてゴールネットを揺らしたのだが、飯田が膝を抱えたまま起き上がらない。
「カオリ?!」
「「飯田さん!!」」
同じ学校の里田・紺野をはじめ全員が飯田の回りに集まる。

全員が心配そうに見る中、チームDrの保田が飯田の膝を触診する。
「どうや?保田」
292 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 02:10

つんく監督に問いかけられた保田は立ち上がると、
「詳しく検査しないと確証は持てませんが、触った膝の感じからして
 たぶん靭帯を痛めたのだと思われます・・・・」

「とりあえず、保田は飯田を病院に運んで・・・・いやっ、やっぱ俺も
 一緒にいくわ。後は中澤任したで!」
「わかりました。はよ行って上げてください」

タンカで運ばれる飯田につんくと保田が付き添う。

残った中澤と平家は少し話をすると、
「全員集合!」と全員を集めた。

中澤は1歩前に出ると、
「とりあえず、ゲームはここで終了とする」
「なっ、何でですか?せっかく後1点まで追い上げたのに!」
といち早く反抗したのは、何と吉澤だった。

「何でやと?今の状況でまともなゲームが出来ると思っとんのか?」
「でも、もし本番でも同じような状況にでもなったら・・・・」
「アホ!そういう心構えはプロにでもなってからでえぇわ!!無理はすんな!」
「・・・・・・・・クソッ!アイツがせっかく点を取ったっていうのによ!!」

吉澤は持っていたボールを叩きつけると宿舎に戻っていった。
「よっすぃ・・・・」
不思議そうに吉澤の後姿を見送る里田に矢口が話しかける。

「よっすぃも何だかんだ言ってカオの事嫌いじゃなかったのかもね」
「ん〜・・・わかんないもんだね」
「そうだね」

「とにかく、後のことはまた連絡するからとりあえず各自部屋に戻っとけ!」
「「「はい・・・・・・」」」
293 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 02:20

全員は渋々部屋に戻って行った。

「さて、困った事になったもんやな・・・・」
「こっからどうすんの?姐さん」
「どうするも何も・・・・どないしよか?」
「そんなもんうちが解かるなら姐さんに聞いたりせんよ」
「はぁ〜、とにかくうちも考えてみるさかいにみっちゃんも考えてみてや」
「りょ〜かい」

中澤と平家の2人は全員が宿舎に戻ったのを確認すると2人も宿舎に戻っていった。
294 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 02:36

「ったく、腹が立ってしょーがねぇよ!」
シャワーを浴びた吉澤は頭をゴシゴシとタオルで拭きながら部屋に戻ってきた。
「なんだよよっすぃ。まだイラついてんの?」
「だって納得いかないっすよ!!」
「ハァ・・・・」

矢口は軽くため息を吐くと、
「大体よっすぃは何に対して納得いってないの?ゲームを中止にしたコーチに対して?
 それともケガをしてまで点を決めたカオに対して?どっち?」

「そっそりゃ〜・・・・・・・・」
「どっち?」
「どっちにでもないっすよ!自分に対して腹を立てている
 だけっすよ!!・・・・ちょっとジュース飲んできます」

295 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 02:46

「???今のどういう事ですか?ヤグチさん」
首をかしげながら石川が矢口に聞く。
「ん〜・・・・まぁ簡単に言うとあそこまでやるようにカオにけしかけた
 自分のせいだって言ってんの」

「ふ〜ん・・・。結局あの2人って仲良いんですか?悪いんですか?」
「さぁ?良いんじゃない♪」
「そうなんだ・・・ならもっと仲良くすればいいのに」
「まぁ2人とも素直な性格じゃないからね」
とベッドに横になった。
296 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 12:07

その頃食堂には紺野・辻・加護・高橋の4人が集まっていた。
「それにしてもえらい事になったなぁ〜」
「あいぼん人事やないやざ。うちらもいつあぁなる事やら・・・・」
「明日はわが身って事ですか・・・・」

すると辻が突然立ち上がって、
「こうなったら肉体改造をやっていくしかないれす」
「「「肉体改造???」」」
「そうれす。前にごっちんが言ってたんれすよ。筋とか間接を守るための
 筋トレをやってるって・・・」
「それっていい事ですね。私たちもやってみましょうよ」

急に乗り気になった紺野に加護が、
「でも紺ちゃん。それってどんな筋トレなん?」
「それは・・・・どうなんですか?のんちゃん」
「さぁ〜?のんにもすっかりれす」
「それを言うならさっぱりやざ!」
「ちょっと間違えたれす」

「とりあえず練習メニューは後で後藤さんに聞くとして、各自どれだけ成長するかは
 個人の頑張りしだいですよ」
「紺ちゃんの言う通りやな。みんなおもろい事に学校がバラバラやさかいに
 自分でやってくしかないもんな」
「よーし!みんな勝負やざ!!」


「「「「おーう!!!!」」」」
297 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 12:24

一方、飯田・紺野のいない部屋に安倍・藤本・里田・美海の4人が集まる。
「カオリ大丈夫かな?」
「何言ってるのよ美海!大丈夫に決まってんじゃない。ねぇなっち」
「う〜ん・・・・でもあの状況じゃかなりまずい事になっているはずだべさ・・・・」

安倍のひと言に部屋中がさらに暗くなる。その雰囲気の中藤本は立ち上がると、
「あーもう!!うちらがグジグジ悩んでもしょうがないじゃん。
 結果は監督たちが帰ってきたらわかるんだからさ。今は美貴たちができる事を
 やるべきなんじゃないの?」
「じゃあ、今なっちたちができる事ってなんだべ?」
「それは・・・・」
「「「それは?」」」

安倍・里田・美海は藤本に注目する。
「そっ、それは・・・・カオリがいい結果もしくは悪い結果でも、
 カオリが戻ってきやすいチームを作っておく事。やっぱここはうちら3年が
 キッチリとやっておくべきなんじゃないかな?じゃないと、カオリにも悪いし
 それに選ばれなかった全国の学校のプレイヤーに悪いんじゃないかな」
298 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 12:45

「そうだね。みきてぃの言う通りだよ。私たちは全国から集められた
 日本の高校生の代表なんだもんね」
「そうだよまいちゃん。だからみんな頑張ろう!!」
「私たち室蘭カルテットとしても頑張らないとね」

「でもさ、その室蘭カルテットってなっち・カオリ・まい・美海の4人でしょ?
 なんで美貴は含まれてないのかな?」
「だってみきてぃつるむの好きじゃないべさ!」
「そりゃ〜そうだけどさ」

「いいじゃんいいじゃん。北海の白狼の方がカッコいいじゃん♪」
「白狼って狼でしょ?そりゃ美貴はお肉大好きだけどさ、狼みたいに
 がっついてないよ」
「別にそっから白狼って付いた訳じゃないべさ」
「まぁそうだけど・・・・」


299 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 18:57

「いいなぁみきてぃはカッコイイ別名があってさ」うらやましそうに里田がつぶやく。
「別に美貴が付けたわけじゃないしさ。それになっちだってあるじゃん。北の雪壁♪」
「なっちその呼び名好きじゃないべさ。雪壁ってカッコ悪すぎじゃないべか?」
「確かに白狼に比べて雪壁じゃねぇ・・・・」美海もうなずきながら納得する。

「他のみんなはどうだっけ?」里田がジュースを口に運んで3人に聞く。
「みんなか〜・・・・、けっこういろいろと付いているよね。例えば東帝の3人。
 ごっちんは東の虎だし、辻ちゃんはミラクルダイナミック、亀ちゃんはオフサイドマスター」
「やっぱみんなカッコいいべさ、なんでなっちだけ・・・・」

300 名前:合宿6日目 投稿日:2005/02/15(火) 19:20

「別になっちだけじゃないかもしれないでしょ。美海他には?」焦りながら里田が美海が聞く。
「えっと・・・・、松浦はアイドルスターだし、高橋がサイドスペシャルだったかな。
 加護がスピードスター。後は紺ちゃんにも何かあったと思うけど・・・・」
「あっ美貴知ってるよ。確か紺ピューターだよ」

「紺ピューターってのも何か変な名前だよね」と里田。
「他にもいろいろあったと思うけど憶えてないなぁ」
「まあなっち的には名前を変えてほしいべさ」
「別にいいじゃん。名前でサッカーする訳じゃないんだからさ」
「そうそう。みきてぃの言うとおりだよ」
301 名前:桜娘 投稿日:2005/02/15(火) 19:23

更新完了です。
ここで皆様に大募集です。
他のメンバーにあうカッコイイ別名を募集します。
よければ投稿してみてください。
302 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 14:29
う〜ん、圭織は大丈夫なんでしょうか・・・?
よっすぃが何気に優しいところに感動です!
自分のとこでは紺ちゃんの力を
"パーフェクト"としてます♪
無駄口挟んですいません・・・
続きを楽しみにしてます。
303 名前:紺トリー娘 投稿日:2005/02/22(火) 23:57
更新おつです。
飯田さんと里田さんで室蘭山脈はどうですか?
続きも期待してます
304 名前:七誌さん 投稿日:2005/02/23(水) 20:32
う〜ん・・・かおりん大丈夫かな〜???
みんなの呼び名ってそんなかんじだったんですね!
なっちと紺ちゃんもっとカッコイイ呼び名ないかね〜。
305 名前:桜娘 投稿日:2005/03/15(火) 23:02

302>>konkonさん
カオリは大丈夫なのかなぁ〜・・・自分も心配です。
konkonさんの紺ちゃんも読まさせて頂いてます。
うちの紺ちゃんもあれぐらい完璧ならパーフェクトって付けたいところですが
まだまだ修行中の身ですので・・・

303>>紺トリー娘さん
ありがとうございます。
室蘭山脈も良さそうですが、和風でなくて洋風の方がいいので・・・・スミマセン

304>>七誌さん
かおりんホント大丈夫ですかね?
みんなやっぱりそういう異名があるみたいで・・・
みんなカッコイイ名前が欲しいみたいなんで・・・
なかなか難しいです

306 名前:合宿6日目 投稿日:2005/03/15(火) 23:28

夕食後、全員はミーティングルームに集められた。
つんくは腕を組んで前に立つと「え〜まぁみんなが気になっとると思うから
 とりあえず結果から言っとくわ。飯田は右膝前十字靭帯断裂で入院や。
 手術・リハビリと考えて復帰までは6ヶ月はかかるやろ・・・」
「そっそんな・・・・・・」安倍が両手をついてうなだれる。

「以上や!明日も朝から練習やからはよ寝ろよ」
そう言ってつんくは部屋から出ようとした時に、「安倍ちょっとこい」
と安倍はつんくの後についてミーティングルームから出ていった。

307 名前:合宿6日目 投稿日:2005/03/15(火) 23:51

そして部屋に残されたメンバーは声1つ発せれずに一同立ち尽くしている。
その沈黙に耐えれなくなった吉澤が
「くそっ!」と部屋から出て行く。
「ちょっとよっすぃ!?」と後を追って石川が出て行く。

それを見送った矢口はみんなの前に出ると、
「とりあえずみんないったん部屋に戻ろうよ。明日もある事だしさ」
「そうだね。まだ合宿は続く事だし体調管理はしっかりしておかないと!」
「んあ〜、ミキティの言う通りだよ。ホラそこの2年生軍団。ケガしない
 体作りするんでしょ!」
と後藤に言われた辻・紺野・加護・高橋はムクッと立ち上がって、
「わかってるれすよ」
そういって4人に続き次々と部屋から出ていった。

308 名前:合宿6日目 投稿日:2005/03/16(水) 00:17

こうして最後に部屋に残ったのは後藤・藤本・矢口の3人だった。
「でもさ〜実際けっこうキビシー状況になったよね」
「んあ〜、ど〜したもんだかねぇ〜」
「美貴にはごっちんが困ってるようには見えないんだけど・・・・」
「んえっ?そんな事ないよ。もうミキティったら〜」
「コラコラ漫才いいからさ。オイラたちはジュニアからずっと
 一緒にやってきたんだからさ、今の状況がよくないって事は2人とも
 解かってんだろ?」

「まあね。でもさっきさ美貴たちみんなで話したんだよね。
 カオリの結果が良くても悪くても・・・・って実際悪かったんだけど、
 こういう時こそ美貴たち3年が後輩を引っぱっていかないとってね」

「んあ、でも辻も紺野も成長したよね。さっきケガをしない体作りをするって
 さっき加護と高橋を連れて筋トレメニューを聞きに来たんだよ」
「へぇ〜あの2人もごっちんとミキティの下でよくそこまで成長したもんだ」
「んあっ!ちょっとやぐっつぁんそれど〜いう意味?」
「そうだそうだ!美貴にもそこのとこしっかりと説明して欲しいんだけど!」
309 名前:合宿6日目 投稿日:2005/03/16(水) 00:30

「ジョウダンだって!ジョーダン!!とにかくさ、この合宿が終わっても
 最終合宿もある事だし、オイラたちも最後の高校サッカーなんだからさ
 しっかりとやっていこうよ!」
「そだね。ホラホラもっと頑張りなよミキティ!」
「ごっちんに言われたくないんだけど・・・・美貴はごっちんより
 頑張ってると思うよ」
「んあ〜やぐっつぁ〜ん、ミキティがヒドイんだよ〜」
「もうわかったから、オイラたちもそろそろ部屋に戻るぞ!」

「んぁ〜い」
「はぁーい」
310 名前:合宿6日目 投稿日:2005/03/16(水) 00:44

一方、つんくと安倍は食堂で話していた。
「安倍、お前が飯田を心配しとるのはよ〜解かる。でもな、飯田の心配の前に
 自分の事も心配せんとな・・・・わかっとるやろ?」
「はぁ〜・・・」

「まぁお前には言っておくが、さっき札幌の監督さんに電話しといた。
 飯田の内定は取り消しせんように約束してきたわ」
安倍は勢いよく立ち上がると、「ほっ、ホントだべか?!」
「あぁホンマや。せやから飯田の分ももっと頑張らんとな」

「はい、わかってるべさ。亀ちゃんに負けないようにカオリの分も頑張ります」
「よし!ほな部屋に戻ってOKや」
「はい!」
安倍は大きく礼をすると部屋に戻っていった。
311 名前:合宿7日目 投稿日:2005/03/18(金) 01:53

翌日全員がグランドに集合するとつんくが1歩前に出て、
「おはようさん。昨日はいろいろあったけど、けして人事とわ思うなよ。
 スポーツ選手ってのはみんなケガと戦いながらも自分を成長させていきよるんや。
 飯田も今回の事でいちだんと大きくなることやろう。さて今日は合宿最終日なんやが・・・
 今回の合宿でみんなにも見えない疲労ってのが溜まっとる。いくら若くて回復力があってもや!
 せやから今日は軽く流す程度で終わりにする。以上!」
つんくはそう言って後を中澤と平家に任せると宿舎に戻って行った。

平家はつんくを見送った後、中澤を見ると、
「さて姐さんどないしよっか?」
「そやなぁ〜・・・・ほんならミニゲームでもやってもらおっか。
 遊びのゲームやからあんまムキになってやるんやないで!チームは昨日のメンバーで
 ええやろ」

「はいコーチ!」と矢口が手を上げて、
「オイラたちのチームはカオリがいなくて人数が少ないんですけど」
「あぁそ〜やったな・・・・道重!お前矢口のチームに行け!!これで3チームとも
 人数ピッタリやろ♪」
312 名前:合宿7日目 投稿日:2005/03/18(金) 02:14

Aチーム
(後藤・辻・紺野・石川・柴田・高橋・新垣)

Bチーム
(矢口・藤本・里田・吉澤・加護・松浦・道重)

Cチーム
(安倍・斉藤・木村・ミカ・小川・亀井・田中)


1試合目

Aチーム
 VS
Bチーム

両チームともグランドに広がると平家がセンターサークルに立ち、
「えぇか?さっき中澤コーチも言いよったようにコレは遊びやからな!
 ポジションとかは自由にしていいから気楽に遊んでくれ。やから危険な事はするんやないで!
 ファールをした奴は後で罰を与えるからな。ほな始めるで」

平家は大きな声で言うとすぐに笛を吹いてゲームを開始した。
313 名前:合宿7日目 投稿日:2005/03/18(金) 02:35

開始早々加護がドリブルで上がっていき、そのままオープニングシュート。
しかしゴール前に入っていた辻がヘッドでクリアする。
「あいぼん、そんなシュートじゃのんからゴールは奪えないれすよ」
「やかましわ!絶対にのんを抜いてゴールしたるからな!」
「その前にのんが先にシュートを決めてやるれす♪」

辻は加護の横をすり抜けて前線に上がっていく。
そして紺野からボールをもらうとすぐにシュート体勢に入り、
「あいぼん!よく見とくれすよ、この音を!!」
加護は辻の後ろを走りながら、「アホか!音が見えるか・・・・」

加護のひと言が効いたのか辻のシュートは大きくゴールを超えていった。
314 名前:合宿7日目 投稿日:2005/03/18(金) 02:47

「うわっ、あいぼんが変な事言うからハズレたれす」
「うちのせいやないで!のんがおかしな事叫ぶからや!」
辻と加護が話していると後藤もよってきて、
「ジーツー、今のシュートじゃ音は見えないよ♪」

「・・・・間違えたのれす」
「んあ〜ジーツーにはもっと勉強が必要だね」
「ウルサイれす。ついれすよ。ワザとれすよ!!」
「どっちやねん!!」
「あいぼんもウルサイれす」

「へいへい、とにかく先制点はうちが頂きや」
「いやのんがバッチシ決めるのれす」
「んあ〜よかったらゴトーが決めよっか?」

「けっこうや!」
「けっこうれす!」
315 名前:合宿7日目 投稿日:2005/03/18(金) 02:59

しかし先制ゴールを決めたのは道重だった。
道重は藤本とのワン・ツーで石川を抜くとそのまま返ってきたボールを
ダイレクトにシュート!
ボールは新垣の股下を通ってそのままゴールに突きささった。

辻はゴール内に転がっているボールを拾うと、
「チキショー!シゲさんに先越されたれす。こうなったら次に狙うは得点王れす」
そういってすぐにセンターサークルに向かった。
316 名前:konkon 投稿日:2005/03/19(土) 00:20
さすがはハロプロで最高の運動神経を誇るバ○女、ノノ・・・w
Wの漫才もいいですね〜。
何気に鋭い突っ込みを入れるごっちんが可愛いです♪
ミニゲーム、楽しみに待ってます。
317 名前:七誌さん 投稿日:2005/03/20(日) 22:12
んん〜みんないい味だしてるね〜w
ののはまったく・・・www
みんなどうやってくのか・・・気になる。
318 名前:桜娘 投稿日:2005/04/30(土) 00:13

316>>konkonさん
やっぱりWのコンビはこ〜でないと♪
ツッコミは矢口さんやミキティがいるのですが、
辻さんのツッコミだけは後藤さんに任せようと思っています。

317>>七誌さん
全員の持ち味をうまく出していきたいんですが・・・・
なかなか難しいのが現状なのです。
でもみんなのいい味を出せるようにがんばりたいと思います。
319 名前:合宿7日目 投稿日:2005/04/30(土) 00:27

辻がボールを抱えてセンターサークルに向かっていると、道重がチームメイトに祝福されていた。
道重が辻に気づくと、
「あっ辻さ〜んさゆがお先に入れちゃいました〜♪ついでに辻さんよりカワイクてスイマセ〜ン♪」
道重はニコッと笑うと自分の陣地に戻っていった。

唖然として立ち止まっている辻に石川が肩に手を置いて、
「ほらほら得点王になるんでしょ。頑張ろうよ♪」
辻はうなずくとボールをセンターサークルの中心に置いた。その隣に立つ石川が、
「それに私の方がもっとカワイイんだもん・・・」
と呟いた。
「んっ?梨華ちゃん何か言ったれすか?」
「んやっ!なっ何も言ってないよ。ほら取り返そうよ!」
石川が辻にボールを渡して試合再開した。
320 名前:合宿7日目 投稿日:2005/04/30(土) 00:44

辻はボールを紺野に渡すと全力疾走でゴール前まで走っていった。
ゴール前にたどり着いた辻は後ろを振り向くと、
「紺ちゃんOKれす!さぁのんにボールを出すのれす!!」
紺野は小さくため息を出すと、
「のんちゃん・・・さすがにソコでは・・・・・」
見ると辻は里田と吉澤の間でピョンピョン飛び跳ねている。

「はぁ〜・・・まぁ何とかしてみますか!」
そんな辻を見て、紺野は少しニヤケながら呟くと、
「後藤さん柴田さん、私の後ろについてください!里沙ちゃんはサイドに開いてて!」
 石川さんと愛ちゃんはカバーをお願いします」

321 名前:合宿7日目 投稿日:2005/04/30(土) 00:56

紺野は指示を出すとドリブルで攻め込んでいった。
紺野は簡単に松浦をかわすと新垣にボールを渡す。新垣に加護がチェックに行くと、
新垣はボールを後ろにいる石川に下げる。石川はそのままダイレクトで後藤にパス。
それを読んでいた矢口がカットに行くがここで後藤がボールをスルー。
ボールはそのまま紺野に渡る。

今の一連の動きでかなり崩れたディフェンスを見てボールを真横に軽く転がす。
「柴田さんシュートをお願いします」
柴田は歩幅を合わせると力強いシュートを放った。
あまりにも強烈なシュートのため、思わず手を出そうとした吉澤に、
「よっすぃ、さわったらハンドれすよ♪」
「うわっ?!そうだった・・・・チキショー!!」
吉澤は何とか足でブロックするがこぼれたボールはまたもや紺野の前に転がる。
322 名前:合宿7日目 投稿日:2005/04/30(土) 01:08

今度は反対側にボールを転がすと、
「後藤さん、お願いします」
すると後藤が気持ちよく足を振りぬいた。
さっきの柴田のシュートより明らかに重くて早いシュートが吉澤に向かっていく。
「んなっ!?またかよっ・・・」
吉澤は後藤のシュートを胸でブロック。
「ぐへっ・・なんちゅう〜シュートを・・・」

すかさずこぼれたボールを辻がシュートするが、
下がっていた里田がまたもやクリアする。
ボールはサイドラインを超えてスローインとなった。
「ふぅ〜サンキューまいちん。おかげで助かったよ」
「よしこもナイスブロックだよ。まあ私だったら絶対避けてたね♪」
「えっ?なんで?」
「だってケガしたくないじゃん♪だってこれ遊びだよ!」
「うっ・・・で、でも点取られたくないじゃん」
「はいはい、そ〜いう事にしててやるよ♪」
323 名前:合宿7日目 投稿日:2005/04/30(土) 01:18

「・・・今の攻撃で1点ほしかったですね」
「んあっ?ど〜した紺ちゃん」
ボソッと呟いた紺野に後藤が問いかける。
「私の計算では今ので1点取れる予定でしたので・・・・、
 ちょっと嫌な流れになりそうですね」

しかし後藤はニコッと笑うと、
「んあ〜〜〜〜、まぁこれは遊びなんだから気楽にやろうよ。
 たまには直感サッカーもいいんじゃない♪」
「そうですね。のんちゃんには悪いですがたまには泥サッカーを楽しみますか♪」
「んあんあ。紺ちゃんは頭使いすぎなんだから、たまには休ませないとショートしちゃうよ!
 紺ピューター!」
「もうその名前はやめてくださいよ〜。あんまり気に入ってないんですから!」
「ゴメンゴメン。さぁまだまだ楽しもうよ!」
「はい」
そうして後藤と紺野はスローインをする石川にボールをもらいにいった。

324 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 00:33
紺ちゃんがカッコよすぎる・・・!
冷静かつ見事な作戦、さすがですね〜♪
こんごまプレーに期待してます。
それにしても、エコモニの二人って・・・。
325 名前:七誌さん 投稿日:2005/05/11(水) 17:29
更新乙津ー。
紺ちゃんすごいですね〜。
流石紺ピューター!(ぇ
っつってもよっすぃーもすごい・・・。
326 名前:桜娘 投稿日:2005/06/07(火) 08:59

324>>konkonさん
紺ちゃんはホントカッケーですね〜♪
さらなる飛躍を期待してるんです。
エコモニの2人にもさらなる飛躍を・・・

325>>七誌さん
毎度どうもです〜。
紺ピュータースゴイですね。
ウィルスにやられないようにしないと♪
よっすぃもののとは違うタイプの運動バカですから〜
327 名前:合宿7日目 投稿日:2005/06/07(火) 09:22

石川はボールを柴田に渡すと、柴田はすぐに後藤に回した。
「さて、ど〜したものかな・・・」
目を動かしてチームメイトを全員見つける。
辻は相変わらずゴール前で吉澤の前でピョンピョン飛び跳ねている。
紺野には藤本が、他の人にもそれぞれマークがついている。

仕方なしにドリブルで上がっていくと加護が突っ込んでくる。
「ごとーさんここはいかしませんでー」
「んあっ?」
しかし後藤はすぐに新垣にパスを出した。
「ありゃ?!」
「あいぼん、突っ込んでくるのはいいけどパスコースは消しながらこないと!」
「なるほど!勉強になりますわ。でも難しくないですか?」
「そりゃ〜1人で全パスコースを消すのはかなり難しいよ。逆に中に切り込まれないように
 外に外に追い出すようにするチェックの仕方もあるんだよ」
「へぇ〜・・・さすがごとーさんや。タメになりますわ。またいろいろと指導してください」
「ごとーでいいならいつでもいいよ」
「ありがとございます!」
「じゃゲームに戻ろう」
「ヘイ!!」
328 名前:合宿7日目 投稿日:2005/06/07(火) 09:38

後藤からボールをもらった新垣は柴田とのワン・ツーで一気にゴール前まで攻め上がる。
そろそろシュートだ!と思った時に、
「ガキさんガキさん今れす!パスれす!!ののにパスを献上するのれす!!!」
と誰かの声が聞こえてくる。
チラッと見ると今度は吉澤・松浦・道重のトライアングルの真ん中で跳ねていた。

・・・・ムリに決まってんじゃん!それよりあたしもアピっとかないと試合で使ってもらえないからね・・・・
新垣は辻にパス出す振りをしてボールを1回またぐとそのままシュートをうった。
なんて事ないシュートだったが、ボールはそのままゴールに吸い込まれていった。
「あれっ・・・入った?」
1番ビックリしている自分に、
「里沙ちゃんナイッシュー!」
「あっ?あさ美ちゃん」
「クソーガキさんにまで先こされたのれす!」

みんなに祝福されながら自陣に戻って行きながら、
「ねぇあさ美ちゃん」
「ん?どうしたの?」
「何で今のシュート入ったの?」
「えっ?」
「だって普通のシュートだったでしょ?」
「普通のシュート?」
「そう!」
329 名前:合宿7日目 投稿日:2005/06/07(火) 09:54

「何を気にしているか解からないけど、要は自分のシュートが入ったのが信じられないんでしょ?」
後ろから柴田の声が聞こえた。
「「柴田さん」」
「ガキさん自信持っていいんだよ。ガキさんだってこの代表に呼ばれたメンバーの一員なんだからさ。
 ガキさんは自分の事過小評価しすぎなんだよ。もっと自分を出して行こうよ。
 私や矢口さんと梨華ちゃんはガキさんは大丈夫ってわかってるからチームを任せるんだからさ」
「で、でも・・・」
「大丈夫だって里沙ちゃん。一緒に頑張って行こう!頑張れば何事も結果がついてくるものだから!!」
「そうそう。ガキさんが裏努力家なのは知ってるからさ!」
「なーんですか?その裏努力家って」
「だってガキさん絶対うちらの前じゃそんな姿見せなかったじゃん」
「そ、そんな事・・・」
「とにかく頑張ろう里沙ちゃん!ほら試合が再開するよ」
「うん・・・」
3人は急いで戻って行った。
330 名前:七誌さん 投稿日:2005/06/09(木) 16:04
更新乙津〜w
ガキさんってなんか裏で(ぇ)すごい・・・w;
それにしてもなかなかみんな凄いですねー・・・
331 名前:桜娘 投稿日:2005/07/05(火) 21:24

330>>七誌さん
毎度ど〜もです♪
努力家ガキさん。
これからももっともっと頑張ってほしいです。
332 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/05(火) 21:44

「ガキさんナイッシューれす」
「あっ、のんちゃんアリガ・・・」
新垣は辻の顔を見ると言葉が止まってしまった。

・・・うわっ〜こわー・・・

「・・・・どうかしたれすか?」
動きの止まった新垣に辻が声をかける。
「いっいえアリガトウゴザイマス」
そう言って自分のポジションに戻っていった。

「どうかしたの?」
「あっあさ美ちゃん・・・のんちゃんはどうしても点が取りたいみたいなんだけど・・・」
「ふふっ、じゃ〜なんとかしてみますか」
333 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/05(火) 21:59

試合再開
「今度こそうちの番やで!」
と勢いよくドリブルで攻めてくる加護。
「そうはさせないれすよ!」
前からチェックにきた辻を松浦とのワン・ツーでかわすとそのまま
スピードにのったドリブルで上がっていく。

そのまま柴田を抜いてシュートというところで横から人が突っ込んできた。
何とかボールはキープしたもののドリブルを止められてしまった。
「うわっ・・愛ちゃん」
「ここは行かせんで!」
「おもろいやんけ!今日はただの遊びやしガッツリ勝負させてもらうで!!」
334 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/05(火) 22:19

加護はニヤッとしてボールをまたぎだすと、
「どうや!これが密かに練習して完成した『キング・カズフェイント』や」
しかし、加護の持ち味は何と言ってもスピードであり、
そのスピードを止められた加護とDFに定評のある高橋では結果は明らかだった。
加護の足からボールが離れたところに足を出してボールをカットした。

「ありゃ?!」
「ヘヘッ♪あいぼん、あーしの勝ちやで!」
そう言ってボールを新垣にパスをだした。がその間に入り込んだのは松浦だった。
「イッタダキ♪」

ボールをカットした松浦はそのままドリブルで紺野と石川の間を
スルスルと抜けていきそのままシュートをうった。
335 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/05(火) 22:37

「ンガッ!!」
必死に戻ってきた辻がヘッドでクリアした。

BチームのCK。
道重がゴール前に高いボールを上げる。
これにあわせて飛び上がったのは吉澤だった。
「させないよ、よっすぃ」
と吉澤と同時に後藤も飛び上がった。

・・来た来た。うまく釣れたよ。うちの仕事はここまでで、後は任せたよ♪・・

ボールは吉澤と後藤の上をゆっくりと通過していく。
「んあっ?!」
「ごっちん、あのボールはうちのじゃありませんから〜残念!!」

その後ろからボールに飛び込んできたのは里田だった。
里田は力強く頭で叩きつけると、ボールは石川の股下をバウンドして
ゴールネットを揺らした。
336 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/05(火) 23:12

「お〜ナイスヘッドじゃんまいちん!マグレ?」
「何言ってくれてんのよ。足技はともかくヘディングはよしこにも負けない
 自信は持ってるつもりだよ。元有名ストライカーさん♪」
「ヘイヘイ〜♪」

その時大きな笛の音が鳴ると、
「そこまでや。5分休憩したら次はAチームとCチームの試合やで」
と平家コーチの声が響く。

「も〜終わりれすか!!のんなんもできんかったれす・・・」
「うちもや〜・・・」
「まあまあ」
落ち込み気味の辻と加護の間に後藤が入ってくる。
「この後まだまだあるじゃん。頑張ろうよ♪」
「そうれすね。あいぼんよりたくさん点を取ってやるれす」
「そうやな。のんより活躍してガッポリ点を取ったるで!」

337 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/06(水) 01:46

「まったくお前らは似た者同士だな!」
「あっ、ヤグチしゃん今かられすか?」
「オイラも出てたよ!!」
「ホンマですか?」
「オメーは一緒のチームだろ!!」

辻と加護はニヤニヤしながら矢口を見て、
「ヤグチしゃんもっと存在感をアピールした方がいいれすよ。
 ただでさえ人一倍ちっちゃいんれすから!」
「そうでっせ♪ホンマ小さいと大変ですなぁ〜」
「コノヤローお前らも大して変わんねぇ〜だろうが!!」
とはしゃいでる3人を見ながら後藤と藤本は、
「今回はおもしろいチームになったね」
「ごっちんは楽しくないとヤル気なしモードになっちゃうからね〜。
 今回はヤル気マンマンなんでしょ?」
「んあ!わかる!!な〜んかテンションが上がっちゃう感じなんだよね」
「どんな感じだよ!まったく・・・まぁ今回も頑張ろうよ!」
「んあ、そだね」
338 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/06(水) 02:14

そんな感じで最後の練習も終わり、全員ミーティング室に集まった。
つんく監督は前に立つと
「という訳で、合宿は今日で終わりや。途中いろんな事があったと
 思うが、またすぐ次の合宿が開始されるから気を抜かずに体調管理は
 各自しっかりしておく事。以上や!」
次に中澤コーチが出てきて
「まあ、さっき監督がおっしゃったように各自体にはしっかり気をつけること。
 また来週から始まる最終合宿で元気に会えるのを待っとるで!」

と言う事で今日は合宿所に泊まって、明日各自地元に戻るというスケジュール。
今夜はみんながゆっくりと過ごせる夜となった。
339 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/06(水) 03:03

食堂にて(辻・加護・紺野・高橋・小川)
「な〜んか考えてみると短かったけど、内容の濃い1週間やったな〜」
「あーしもそれは感じたで。やっぱ部活とは全然違うんて!」
「あたしなんか筋トレばっかしてた気がするんだけど・・・」
「でも毎回こんな感じですよね、のんちゃん」
「今回は比較的楽だったれすよ」

「「「えっ?!」」」

驚いている加護・高橋・小川をそのままにして、
「それにしても来週からの合宿は楽しみれすね、あさ美ちゃん」
「そうですね。今回は特にですけどね」

「それよりさ、あたしは最終合宿に呼ばれるかどうかだよ・・・」
「まぁマコトはムリやろうな」
「そーやな。残念やけど・・・」
「マコっちゃんには来年がありますよ」
「いや、来年は呼ばれないれすよ」
と加護・高橋・紺野・辻の声が小川に圧し掛かる

「みんなヒドーイ!!ちょっとは慰めてよ〜・・・」
「「「「ジョーダンや!やが!です!れす!」」」」

340 名前:合宿7日目 投稿日:2005/07/06(水) 03:12

食堂の隅では、
アヤカとミカがその5人の姿を見て笑っていた。
「ハハハッ、ホント面白いねあの娘たち・・・ん?ミカ、どうかしたの?」
ミカは真剣な顔をして窓の外を眺めている。アヤカに声をかけられたミカは、
「・・・ねぇアヤカ・・・吉澤ってそんなにあたしより優れてる?」

突然の質問に驚いたアヤカはマジメな顔をして、
「自分ではどう思っているの?」
「わたしは・・わたしは・・・負けない・・・負けてない!!」
それを聞いたアヤカは
「ならそれでいいんじゃナイ♪」
「・・・そうね・・・・・・」
341 名前:七誌さん 投稿日:2005/07/11(月) 11:39
アヤカ最高(笑
342 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/14(木) 17:57
いまさらながらニックネーム
石川=黒ヒョウ
柴田=プリンセス
矢口=リトルウィング
なんていかが?
それにしても紺野、後藤、吉澤、亀井以外は
ユースに選ばれるほどが不思議なぐらいの無知っぷり・・・
343 名前:紺トリー娘 投稿日:2005/07/19(火) 03:56
更新ご苦労様です
合宿もついに終わりますね。最終合宿も楽しみにしています
342さん無知は少し言いすぎではないかと、
もっと柔らかい言葉で言った方がいいと思いますよ
344 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/23(土) 23:06
作者に対する罵倒でもなしモンダイないんじゃないの?
それよりageんな
345 名前:紺トリー娘 投稿日:2005/08/30(火) 12:05
344さんageてすいませんでした。
後343についても自分の早とちりみたいでしたので・・・重ね重ねすいません。

作者さんスレを汚した感じになってしまい申し訳ございません
続きを楽しみにしています
346 名前:桜娘 投稿日:2005/09/17(土) 02:51

341>>七誌さん
アヤカさんこうであってほしいです♪

342>>名無飼育さん
頂きますm(__)m
即採用です

343・345>>紺トリー娘さん
最終合宿どうなるのか?
楽しい感じになればいいなぁ〜
347 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/17(土) 03:27

第1ルームにて(里田・美海・安倍)
3人でベッドの上に座って1週間を振り返っていた。

「な〜んかこんな濃厚な1週間は初めてだべ」
「やっぱ内地での練習は濃いなぁ〜」
「もぅ〜なっちもまいも何をしみじみと言ってるのよ。
 私たちだって雪国特有の練習してるじゃない!それと一緒でしょ」
「みうなぁ〜雪国特有って・・・ただの雪かきじゃん。後はメンドイ時の
 雪上サッカーでしょ」
ベッドに寝転がりながら里田がつぶやく。

「でもそのおかげで強靭な足腰ができあがったんだべ!」
「へ〜へ〜、なっちのポジティブラーにはかないませんよ」
「もう里ちゃん、その言い方はいい加減やめてほしいべ・・・
 なっちの事そういうの里ちゃんだけだべさ。ねっ?美海」
「はいはい、そうね」
348 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/17(土) 03:42

「もう美海はいっつもそっけないべな」
「はいはい。それより最終合宿はどうなのかな?今回の合宿とは
 違うのかな?」
「さぁ〜?行ってみればわかるんじゃない?」
「まいはサバサバしすぎだべ」
「そんな事は自分が1番知ってるよ。それよりさ、2人とも試合出れるの?」
「「・・・・・・」」
里田の突然の質問に静まる2人。

「どうしたの?2人とも静かになっちゃってさ。ほらなっち、
 いつものポジティブラーはどうしたの?ほれ美海もさ」
「こればっかりはサスガのなっちも自信ないべさ」
「私もなっち以上に自信ないね。それより逆にまいは自信満々なんだね」

349 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/17(土) 03:55

「まぁね♪こういう言い方は好きじゃないけどさ、カオリがあ〜なった以上ね・・・
 ポストプレイや空中戦は他のやぐっちゃんやあややよりかは勝ってるつもりだよ。
 後はフォーメーションしだいじゃないかな?」
勝気でありつつも少し申し訳なさそうに話す里田。

「そっかカオリ・・・そうだ!そうだべ!!美海、落ち込んでいる暇はないべさ。
 私たちはカオリの分も頑張んないと、じゃないとカオリに合わせる顔がないべさ!」
「そだね。常にそういう心構えにしておかないと、いざ試合に出た時に何も出来そうに
 ないもんね」
「そうそう、私たち室蘭カルテットはいついかなる時も全力で頑張る事を
 カオリがキャップになった時に誓ったじゃない」
里田が力強くいうと安倍と美海もうなずき、
3人は無言のまま手をあわせた。
350 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 02:20

第3ルームにて(亀井・田中・道重・新垣)
亀井はポッキーをポリポリ食べながら新垣に話かける。
「ガキさ〜ん♪」
「あっ?!」
「あっ?!じゃないですよ〜。合宿はどうでしたか?
 絵里はとっても楽しかったですよ〜♪」
「ど〜もこ〜もないよ!まったく〜もう!!毎日大変だったよ!!!」

「そ〜ですか〜?れいなはどうだった?」
「・・・小川さんと筋トレばっかやっとったばい」
「おっ、いいじゃんいいじゃん♪さゆは?」
「えっ?わたし?私は・・・いつも通りカワイ〜クプレイが
 できたよ♪」
351 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 02:26

「えっ〜?絵里の方がカワイイよ!!」
「さゆだよ〜♪」
「絵里!!」
「さゆ!!」

「うるさ〜〜い!!!」
新垣は立ち上がると亀井と道重の間に入り、
「そんな事はどっちでもいい!それより亀ちゃん。最終合宿ってどんな感じなの?」
「そ〜ですね〜・・・」
352 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 02:51

亀井はベッドにゴロンと転がると、
「まぁ〜監督によって違うかもしれませんが、大体はフォー!!!」

「「「!!!」」」

突然の亀井の大声に新垣・田中・道重の3人ともビクッとなる。
3人がジッと亀井を見つめていると、
「あっスイマセン。ついつい悪い癖で・・・。やっぱり大会に備えて
 フォーメーションの見直しや、セットプレイのバリエーションを増やしたりが
 やっぱりおもになりますね」

「ふ〜ん、なるほどねぇ。でもそれを1ヶ月近くもやってくの?」
「いやいやいや〜1ヶ月でも足りないくらいですよ。まぁでも間に練習試合は
 何本かは挟むはずですよ。仕上がりを確認するためにですけどね」
353 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 03:08

「試合か〜れなもでたいなぁ〜・・・」
「れいなにはムリだよ。だってさゆより下手でしょ」
「そんな事なか!そりゃ中盤はさゆに比べたら劣っとぉかもしれんけど、
 ディフェンスに関してはさゆより数段上いっとるばい」
「そんな事ないよ。さゆの方が何倍も何倍もカワイイんだから♪」
「・・・もうよかバイ・・・」

「まぁ1番カワイイのは絵里だけどね♪
 それより後は連携力アップが課題になりますよ。やっぱり簡単なパス回しじゃ
 世界に通用しませんからね」
「そっか〜・・・・・・・」
「でもガキさん。そんなに落ち込むことはないですよ」
すっかり肩を落としこむ新垣に亀井は笑顔で話しかける。
354 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 03:22

「んぇ?!なんで?」
「だってうちのチームにはMY紺ピューターがあるじゃないですか!」
「MY紺ピューター?・・・・・あっ!あさ美ちゃん?!」
「そうですよ。あ〜見えて紺野さんはゲームメイクやパス、どれをとっても
 ワールドクラスのプレイヤーですよ。あっでもトータルで見るとやっぱ後藤さん
 の方がワンランク上かもしれないけど」

「へぇ〜、まぁ後藤さんは納得できるけどあさ美ちゃんがねぇ・・・。
 まぁ後はDFにも亀ちゃんがいる事だしね♪」
「いやぁ〜そう言われると照れますねぇ〜♪まっ、後1ヶ月がんばりましょう〜!」
「コラコラ亀ちゃん合宿だけじゃなくて、その後の大会も含めないと」
「あっそうだった!!まぁそんな感じで頑張りましょ♪」
355 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 03:56

第2ルームにて(柴田・石川)
「ねぇ梨華ちゃん・・・前から言いたかったんだけどさ、ピンクのジャージで
 部活するのはどうかと思うよ」
「えぇ〜!!いいじゃん!どこがいけないのよ〜?」
「だってさ〜ハッキリ言って目に毒だよ」
「毒って?!それちょっと言いすぎじゃないの?」
「いやいや、言いすぎどころかこれでも抑えた方なんだけど」
「ウッソ〜?ちょっとショックだな。高校サッカー引退後に激白されてもなぁ〜」
「まあまあ、これからの事を思っての忠告だよ」

しかし石川はしばらく腕を組んで考えた後、
「最終合宿はピンクジャージでやろっかなぁ?」
「ちょ、ちょっと待ってよ梨華ちゃん?!そんな事したら合宿から
 追い返されるよ。それに規定の日本代表ジャージがあるんだからさ。
 それを着ていないと怒られちゃうよ」
「そっか〜・・・・・・やっぱそ〜だよね♪」

・・ふぅ〜助かったよ。危なくうちの学校の恥をさらすとこだったよ・・
柴田は大きく息を吐くと、手に持っていたジュースをゴクゴクと飲み干した。
356 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 04:10

第7ルームにて(藤本・松浦)
「ねぇ〜みきたん」
「ちょっと松浦さん聞きたいんだけど、みきたんって・・・誰の事?」
「みきたんはみきたんの事だよ」
「みきたんって・・・美貴は許可出してないんだけど・・・しかも一応美貴の方が
 年上なんだけどな」

松浦は立ち上がると、
「サッカーに年齢は関係なし!そうでしょみきたん!!」
「んっ・・・まっまぁ、それはそうだけど・・・」
「そんなことよりみきたん!」
「そんな事よりって・・・で何なの?」
357 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 04:22

「私レギュラーになれるかな?」
「・・・また突拍子もない質問をしてくるんだね・・・・・・。
 しかもその答えを美貴に聞いてどうするの?」
「いいの!みきたんに聞きたいの!」
「ところで亜弥ちゃん自身はどう思っているの?」
「私は・・私は・・・もっちろん自信満々で〜す♪」

・・この娘のこの溢れそうなくらいの自信はどこからでてくるんだろ・・
藤本は軽くタメ息をつくと、
「じゃ何で美貴にそんな質問を?」
「だって他人の声も聞きたくなるでしょ?それにみきたんならハッキリと言ってくれるしさ、
 それにみきたんなら何言われてもあんまり腹立たないんだよね♪」
358 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 04:40

「ふ〜ん・・・まっいいけど。とりあえず率直に言わせてもらうけど、
 亜弥ちゃんのスタメン確立は25%ってトコかな」
「さっ、25%?!ちょっとみきたんど〜いう事なの???」
「とりあえずフォーメーションの形にもよるけど、FWの現状を考えると
 どうしても亜弥ちゃんは3番手になっちゃうんだよね。カオリがいてもいなくても
 だけど・・・。やっぱりまいとカオリが同タイプなように亜弥ちゃんとヤグチさんも
 同じタイプなんだよね。そうなると実績・経験を考えるとやっぱヤグチさんになるって
 事なんだけど・・・どうかな?」

藤本はスラスラと話した後にチラッと松浦を見る。すると松浦は先ほどとは違い、
ジッと話を聞いていた。そして、
「なるほどねぇ〜さすがはみきたん。私も実は分かってたんだよね〜。
 でもね、諦めてる訳じゃないの。ホントは別にフル出場でも途中出場でもどっちでも
 いいんだけど、ハッキリ言ってとにかく点を取りたいの。私のできる事を・・・
 FWとしての仕事をしっかりとしたいだけなの!」
359 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 04:49

藤本はニヤッと笑うと、
「へ〜、そんな事考えてたんだ」
「なによ〜そんなにおかしい!?」
藤本は首を横に振り、
「いやっ、亜弥ちゃんならきっとできるよ。美貴もしっかりサポートするしさ」
「ホント!!みきたんが一緒ならきっとできるね」
「そ〜だね。きっとできるよ」
「ニャハハッ」
「へへへっ」
360 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 05:04

第5ルームにて(矢口・吉澤・後藤)
「よっすぃってさ、マジウマイよね。オイラFWして見習うとこが盛りだくさんだよ。
 今度コーチしてよ」
「でもそれより自分の長所を伸ばす方が大事ッスよ」
「んぁ〜!大人の意見だぁ〜!」
「ちょっ、ごっちんどうしたのイキナリ・・・」

「だってよっすぃの話聞いてたらとても同学年には思えないよ」
「んな事ないって、ねぇヤグチさん」
「いやぁ〜やっぱオイラもよっすぃは大人だと思うよ」
「そんな事ないッスよ」
361 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 05:14

「ところでさオイラの長所ってやっぱスピード?」
「そうッスね。やっぱそのスピードを維持しつつ、どれだけボールコントロールが
 正確にできるか、ってところだと思います」
「なるほどね」

「ねぇねぇよっすぃ、ゴトーへのアドバイスは?」
「えっ?ごっちん?!ごっちんはウチから見てもかなりの完成度だと思うんだけど・・・」
しかし後藤は全然引き下がらない。
「ん〜・・・ごっちんは〜・・・・・・やっぱたま〜に状況判断が抜ける時があるから・・・」
「ははっ、サスガよっすぃ♪ごとーの事よくわかってるね。そんな時に失点が多いんだよね。
 じーつーにもよく試合後に言われちゃうんだよねぇ〜」
362 名前:合宿7日目 投稿日:2005/09/18(日) 05:23

「ごっつぁんは集中力が持続しないからな〜。もっとがんばれよ!」
「んも〜やっぐっつぁんは相変わらずキビシーなぁ〜」
「何言ってんだよ。オイラが昔から言ってる事じゃん」
「ははっそだね♪」
「ははって・・・笑ってる場合じゃねぇっての!」

「大丈夫だって!だって今回はGKによっすぃがいるからね」
「ウチ任せかよ・・・」
「ガンバレよっすぃ・・・」
「はぁ・・・」
363 名前:桜娘 投稿日:2005/09/18(日) 05:32

更新しました。こんな感じで次回からは最終合宿に入りたいと
思います。
長々とかかってしまって申し訳ないの言葉では
収まりきれないのですが・・・
これからもできるだけペースを守って書いていきたいのですが
なかなか思うとおりにいかずって事もあり・・・

でも放置だけは絶対にありえないので読んで頂いているみなさま
これからもどうぞお願いします。
364 名前:七誌さん 投稿日:2005/09/24(土) 19:47
なんか、みんなそれぞれ性格が違ってて、見てて面白いです(笑)
次回から最終合宿、楽しみにしてますね。
>>363
「放置だけは絶対にありえない」その言葉、信じてますよ!
頑張ってください!
365 名前:初心者 投稿日:2005/10/05(水) 23:13
さゆのキャラが好きです

いつも通りカワイ〜クプレイができたよ♪

最高です
366 名前:桜娘 投稿日:2005/10/18(火) 01:56

364>>七誌さん
喜んで頂いてありがとうです。
さて最終合宿ですがいろいろと内容で迷ってますが、
とにかく進めていこうと思います。

365>>初心者さん
ありがと〜ございます。
さゆはやっぱりいっつもカワイイのです。
これからも期待を裏切らないさゆであってほしいです

367 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 02:51

合宿所までの登り道。後藤と吉澤がゆったりと歩いている。その少し前には辻が
スキップしながら登っている。

「はぁ〜〜・・・眠い・・・・・・」後藤は大あくびをしながらフラフラしている
「まったく初日なんだから朝早くから呼び出すなっつ〜の!」吉澤は転がっている石コロを
軽く蹴り飛ばす。

「でっ?」後藤はゆっくりと吉澤の目を見る。
「んっ?あっ、あぁ〜ミカの事いつ知ったんだ?」
「合宿が終わった次の日だよ。ミカから呼び出されたんだ」
「そっか・・・」
368 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 03:09

「よしこは?いつ知ったの」
「最終メンバー発表の前日だよ。アイツから電話があったんだ」
「ごとーが番号教えたんだよ。で、何て言ってたの?」
「ワールドユースでアメリカ代表としてうちと勝負だってさ」
「ど〜ゆ〜事?」
「アイツどうやら監督に言ったらしいんだ。うちとミカどっちがスタメンかって。
 どうしても2番目GKとして考えているなら代表を抜けるってね・・・」
「まぁいいんじゃない。ミカの負けん気は東帝No1だからね」

「それよりさ、新しく呼ばれた2人ってごっちん知ってる?」
「さぁ〜?それより何で人数も減らされてないんだろっ?」
「・・・・・・まっ行けばわかるか」吉澤は大きく伸びをすると合宿所に向かった。
369 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 03:29

合宿所のミーティングルームにて、最終合宿に呼ばれたメンバーが大きな荷物を持って
集合する。

全員が集まったところにつんくが登場する。
「おう久々やな。みんな元気そうでなによりや。ほんなら早速来月から始まる
 ワールドユースに向けての合宿を開始するか」

「あっ監督質問です」
「なんや矢口」
「なんで人数が減らされてないんんですか?」
「あぁ〜その事か。それやったらウソや!」

『ウソーーーーー!!』

全員が驚きを隠せずに大声を上げる。

「ほんじゃ着替えて5分後にグランド集合や」つんくはミーティングルームから
出て行った。
全員は納得できないままだが、走らされるのがイヤなので渋々着替えて
時間前にグランドに集合した。
370 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 03:55

グランドには中澤コーチと平家コーチが並んでいた。

「おっし、全員揃ったな。ほなとりあえずアップからやってこか」
まずグランドを10週走ると、その後は広がって柔軟をおこなう。

「ねぇ柴ちゃん。あの2人だよね新しく呼ばれたのって」
石川と柴田は柔軟をしながら前にいる2人を見る。
「そうそう。確か三好さんと岡田さんだっけ」
「あれでしょ?2人とも高校行かずにユースチームに入ってるんだったよね」
「サッカー漬けか〜・・・やっぱ違うのかな?いろいろと・・・・・・」
「もう柴ちゃんは相変わらず心配性だな〜。大丈夫だって私たちポジション
 違うんだしさ♪」
「そっか・・まぁ一緒のチームなんだし仲良くなれるかな・・・・・」
「きっとなれるよ。私と柴ちゃんみたいにね♪」

「じゃ仲良くなれないかも・・・・・・」
「ちょ、ちょっとどういう事?!」
「ははっ、ジョーダンジョーダン♪」
371 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 04:16

中澤と平家はアップをしているメンバーを見ながら、
「それにしてもみんな驚いとったな」
「そりゃ〜そ〜でしょ。みんな最終合宿に呼ばれるように必死に頑張ったのに
 いざ集まったら誰も落とされとらんのですから。まあ飯田とミカのイレギュラー
 があったけど、人数は最初から22人って決めとりましたからね」

「まったくあの監督も人が悪いわ。しょーもない事ばっか考えよるんやから・・・」
「まぁまぁ、結局それで個人個々の必死さが見えた事やしね」
「ほんで、その迷監督さんはどないしたんや?」
「それが・・・眠いから今日は任せると・・・・・・」

「アホかあのおっさんは・・・自分で朝早よから集合やって言いだしたんやで。
 ど〜なっちょんねんな!!」
「とりあえずこの後ど〜しましょか?」
「じゃあシュートでも打たせとこか。うちらも眠いしな。その方向でヨロシクなみっちゃん」
「へ〜へ〜、姐さんには敵いませんわ」

平家は全員を1回集めるとシュート練習の指示を出した。

372 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 15:32

ゴールマウスには吉澤と岡田が入る。

「あっ、岡田唯です〜。よろしくお願いしま〜す」
「よろしく」吉澤は岡田の話し方から独特の関西人を感じた。

・・そっか〜確かセレッソユースのチームだったな。しかも生粋の
  関西人だな。加護と似たような感じだけど少し違うような・・

「あっ、あの〜・・・」吉澤にジッと見られていた岡田は吉澤に話しかけようとする。
「んっ?あっ、あぁ〜・・・岡田さん先にどうぞ。2周交代でしましょう」
「はい、お先に失礼しま〜す」
吉澤はゴール裏から岡田のプレーを見る。

・・ウマイ!相手のシュートコースをしっかり見極めてるな。でもちょっと
  キャッチングが少し甘いかな。でもそれを補う部分が大きいな。
  こりゃミカの時より気が抜けないな。やっぱ日本も広いもんだよな・・
373 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 16:11

一方、次々とシュートを打っていく中、三好のシュートになると全員が注目する。
特に里田・矢口・松浦は気にかける。

「今のシュートどうですか?解説の矢口さん。」
「なかなか鋭いシュートを放ってると思いますよ。フリーであそこまで正確な
 シュートが打てれば本番でも期待できると思います・・・って誰が解説だよ!!」

「キャハハさすが矢口さん。ノリツッコミじゃないですか♪」
「ったく遊んでんじゃないよ。特にあややはしっかりとシュート打たないとさ。
 シュートの成功率上げたいんだろ!」
「は〜いっておっと私の番だ。じゃぁ行ってきま〜す♪」
374 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 16:33

その後もサイドからのボールにあわせたりパスをつなげてからのシュートなど
次々と進んでいき午前中の練習は終了となった。

全員を集めたところで中澤コーチが前に1歩出て、
「お〜っし、ほなとりあえず午前の練習はこれで終わりや。次は1時間半後に
 練習再開やで。ほな解散!!」
こうして各自昼食をとりに食堂に向かった。

「まさか絵梨香とこんなところで再開するとはね〜」
「それはこっちのセリフだよ。小学校卒業以来だよね」
「そうそう。確か絵梨香は私立の中学校にいったんだよね」
「まぁね。サッカーの強い学校に行きたかったからね。それを考えると
 やっぱ道立より私立でしょ。それよりまさかまいがサッカーしてるとは
 思わなかったよ。しかも私と同じFWだし・・・」
「まぁ〜たまたまだよ。たまたま♪」
「ふふっ、まぁヨロシクね♪ライバルさん」
「ははっライバルね・・・」
375 名前:最終召集 投稿日:2005/10/18(火) 17:19

     ワールドユース日本代表 

GK
 1.吉澤 ひとみ   (武西高校)
22.岡田 唯     (セレッソユース)

DF
 2.小川 麻琴    (新潟光訓高校)
 3.田中 れいな   (福岡北高校)
 4.亀井 絵里    (東帝高校)
12.斉藤 美海    (清水南学園)
13.木村 絢香    (滝山第二高校)
14.石川 梨華    (籐陽学園)
16.高橋 愛     (角岡高校)
17.安倍 なつみ   (室蘭小山高校)

MF
 5.辻 希美     (東帝高校)
 6.藤本 美貴    (室蘭小山高校)
 7.加護 亜依    (奈良育成高校)
 8.柴田 あゆみ   (籐陽学園)
10.紺野 あさ美   (室蘭小山高校)
11.後藤 真希    (東帝高校)
20.新垣 里沙    (籐陽学園)
21.道重 さゆみ   (多田良学園)

FW
 9.矢口 真里    (籐陽学園)
15.松浦 亜弥    (滝山第二高校)
18.里田 まい    (室蘭小山高校)
19.三好 絵梨香   (コンサドーレユース)
376 名前:桜娘 投稿日:2005/10/18(火) 17:25

え〜っとやっと最終合宿に入る事ができました。
あと1つ修正があります。
美海さんが静岡県出身て事もありそっちに戻そうと思います。
いまさらながら申し訳ございません。

なるべくあまり間が開かないように進めていきたいのですが
なかなか難しいのですが・・・
そういう心構えでがんばりたいです
377 名前:名無し猫 投稿日:2005/10/18(火) 18:32
いつも楽しく拝見させてもらってます。
ゆっくり作者さんのペースでがんばってください。
自分的には室蘭小山高校のメンバーが好きです♪
378 名前:初心者 投稿日:2005/10/24(月) 17:46
更新お疲れ様です

GK含め各ポジションも争いが大変そうですね
更新待ってます
379 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 00:50

377>>名無し猫さん
いつもありがとうです
なるべく早く進めてもっと楽しんで頂きたいと思ってます
室蘭小山のメンバーも気に入ってもらえて大いに喜んでおります


378>>初心者さん
ホント各ポジションとも激戦になってます
これからど〜なっていくのか作者もワクワクしています(笑)


あとまた修正があります

美海さんの件ですがやっぱり室蘭のメンバーとして進めていきたい
と思います。
動かしたり戻したりと読んでいる方としてはちょっとウザイと思われますが
やっぱり室蘭カルッテットの4人組という事でお願いします
本当に申し訳ございませんでした。
380 名前:桜娘 投稿日:2005/11/01(火) 00:52

↑すいません題名を入れてしましました
381 名前:桜娘 投稿日:2005/11/01(火) 01:09

その日の午後、全員がグランドに集合すると中澤コーチが1歩前に出て
「よしほんなら少し体を動かした後でゲームをするで。まあ今日はホンの
 肩ならしみたいなもんや。張り切りすぎてケガするんやないで!
 ほんでチームは各ポジションごとにグーとパーで分かれてや」

「なんでそんな決め方やねん」と加護がボソッとつぶやくと中澤コーチがギロッと睨みつけて
「あ〜ん!なんか言ったか?加護〜」
「いっいえ・・・いやあの〜そ、そら耳やないですか・・・・・・・」
「ふん、まぁえぇわ。ほなとっとと分かれろよ!」

そうして各ポジションごとに集まると円になってチーム分けをした
382 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 01:15

GK  吉澤    岡田

DF  斉藤    小川
    木村    田中
    石川    亀井
    安倍    高橋

MF  藤本    辻
    柴田    加護
    後藤    紺野
    新垣    道重

FW  里田    矢口
    三好    松浦
383 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 01:33

各チームごとに分かれて、
吉澤がグローブをつけながら「なんだコレ?ガキさん以外みんなタメ年じゃん」
「ホントだべ。ヤグチがこっちだったらみんな一緒だったべな」と話していると後ろから
「ホンマやな。新垣と矢口を入れ替えたら3年対1・2年やな・・・・」
中澤はそこまでいうとニヤッとして「ほな入れ替えようか♪お〜い矢口!!」

中澤によばれた矢口は小走りに近づくと
「なんスカ?」
「矢口は新垣とチーム交代や。わかった?」
突然の事に驚きながらも「はぁ・・わかりました」
「じゃ新垣はあっちや。行っていいで!」
「はぁ」新垣は首をかしげながらもう1つのチームに向かっていった。
3年チームを前に中澤は「クックック、楽しみやな〜3年のお前らがどんな試合をすんのかが。
 ほな楽しみにしとるで〜。後輩を前にみっともない試合をするんやないでぇ〜♪」
384 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 01:39

   <3年チーム>    <1・2年チーム>

GK   吉澤          岡田

DF   斉藤          小川
     木村          田中
     石川          亀井
     安倍          高橋

MF   藤本          辻
     柴田          加護
     後藤          紺野
                 道重
                 新垣

FW   矢口          松浦
     里田
     三好
385 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 01:49

両チームともアップをすませるといったん集合する。

(3年チーム)
「さてど〜したもんですかね」
「何言ってんだよよっすぃ。ど〜したもこ〜したも試合するだけでしょ」
「いやそんな簡単な問題じゃないよ里ちゃん」
「ん?みきてぃなんで?」
「ここはやっぱ先輩としてやるからには勝たないとね」
「まったく美貴ちゃんはいつも勝ち負けにこだわるんだから・・・」
「当たり前じゃない。梨華ちゃん手を抜いちゃダメだからね!」
「だってよごっちん」

「んあ〜まぁここはみきてぃの為にもがんばろっかね」
「じゃとりあえずみんな頑張っていくべさ!」

386 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 02:14

(1・2年チーム)
新垣から話を聞いたみんなはザワザワと話していると
「これは3年をギャフンと言わすチャンスれす。みんないっちょやるれすよ」
「そうやで!のんの言う通りやで。ここでうちらもやれる事を証明するんや」
「じゃあとりあえずディフェンスは愛ちゃんと亀ちゃんに任せるれす。
 オフェンスは紺ちゃんに全てを任せるれすよ」
「責任重大ですね。でも楽しみですやってみましょう」

「さてどーするね亀ちゃん」
「じゃあとりあえずラインはフラットでいきましょう。左右に高橋さんとれいな。
 センターに私と小川さんでいいですか?岡田さん」
「うんえぇよ〜。オフサイドかけるんやろ?こっちはソレにあわせるわ〜」

「とりあえずあややの1トップでいきましょう。トップ下に私とシゲさんが入って
 左右にあいぼんと里沙ちゃん。のんちゃんの1ボランチでお願いします」

「よし、じゃみんなキャプテンについてくるれすよ!」
「なんでのんがキャップやねん!」
「しょうがないよあいぼん。のんちゃんには実績があるんだから」
「まぁ紺ちゃんがそう言うなら仕方ないけど・・・そんかわりしっかりやれよ!」
「へ〜いれす」
387 名前:最終召集 投稿日:2005/11/01(火) 02:33

両チームとも各ポジションにつくと、ピィーと笛の音が高く響きわたる。
3年チームのキックオフで試合がはじまる。
里田はボールをもらうと後藤まで戻した。ボールを受け取った後藤は、

・・ふ〜んラインディフェンスか。亀ちゃんヤル気満々だなぁ〜。ど〜せまた
  ジーツーはっぱかけたんだろーな。前線はあややの1トップでトップ下に紺ちゃん
  とシゲさんか〜。これは紺ちゃんの考えだろうね。このチームはこうやってみると結構
  やっかいだなぁ〜・・

逆にボールを持った後藤を見ながら紺野は3年チームのポジションを確認する。

・・アヤカさんをボランチに上げての3バックか〜。安倍さんそれは危険ですよ。
  中盤の形は正方形型で前衛に藤本さんと柴田さん。後衛に後藤さんとアヤカさんか。
  それプラス3トップか〜。これは完全な攻撃重視型ですね。要注意です。
  まぁでもこっちのディフェンスがそう簡単に破られるとは思いませんけど・・
388 名前:最終召集 投稿日:2005/11/02(水) 03:40

後藤は様子をうかがいながらゆっくりとドリブルで上がっていく。
そこに松浦と新垣が突っ込んでくる。

「キャハ♪ごとーさんボールくださ〜い」
「しつれーしま〜す」

後藤は2人を相手に何とかボールキープをする
・・んあ〜この2人微妙にちっちゃくて地味に素早いから結構めんどいな〜・・
後藤は2人を背負う形になると両手で2人の動きを抑え柴田にパスを出した。

後藤の後ろ姿を見ながら、「ねえあやや、今のはファールじゃないの?」
「残念ながらね・・・超一流のプロは手も巧く使うんだって」
「へ〜、でも2人もいたのにあんな簡単に抑えられるなんて・・・」
「やっぱりいつものほほ〜んとしててもあの人はスゴイんだね」

松浦は嬉しそうに言うとフォローのために自陣に下がっていく。
「手か〜・・・ど〜やってやるんだろ?」
と考えながら新垣も下がっていった。
389 名前:最終召集 投稿日:2005/11/02(水) 03:57

ボールを受け取った柴田に辻が素早くチェックにくる。
しかし柴田はあらかじめ気づいていたのか少し前にしる三好にボールを渡すと
辻の横をすり抜けると三好からリターンのパスがきた。
柴田はチラッと亀井を見ると亀井は左右を気にしつつ指示を出している。

・・亀ちゃん早速しかけてくるのかな?それならちょっと遠いけど・・

柴田はチョンとボールを出すとシュートをうった。
ボールは亀井の横をすり抜けるとゴール左上に向かって勢いよく伸びてくる

岡田は最初からシュートコースを読んでいたのか余裕を持ってキャッチする。
それを見た吉澤は
・・はやっ?!あの反応はうちより早いんじゃねぇ〜の?まぁでもキャッチングに関しては
  勝ってるけどね♪・・
390 名前:最終召集 投稿日:2005/11/02(水) 04:21

岡田はスローで田中にボールを渡すと田中は加護にタテパスを出す。
加護はうまく走り込み藤本の後ろでパスを受け取ってその勢いのままドリブルで
進んでいく。加護は美海の前まで進むと真横にきた道重にボールを出す。

道重はそのままペナルティーエリアに入り込む。
しかしそれを読んでいた吉澤が飛び出して滑り込むと
道重の足元からボールを奪い取った。

吉澤は立ち上がるとすぐにボールを前線に蹴りだした。そして道重を見ると、
「あめ〜よ!今日のうちはそう簡単に点はやらね〜ぞ!」
「はい。頑張ります♪」そういうと道重は戻っていった

「えっ?いやっ・・あの〜・・・・・やっぱアイツはよくわかんねぇ〜や」
吉澤は後姿の道重を見ながらつぶやいた。
391 名前:最終召集 投稿日:2005/11/02(水) 05:00

飛んできたボールに里田と新垣が飛び上がるが、ここは里田が簡単にボールを
ヘッドで藤本に渡す。
藤本はボールをキープすると前を走る矢口にあわせてボールを出した。
しかしその矢口の前に小川が立ちはだかる。
矢口は小川を左から簡単に抜きさる。

しかし小川の後ろから現れた亀井が矢口の足元から離れたボールを奪い取った。
亀井は高橋にボールを出して小川を見ると、
「小川さんナイスですよ。これがストッパーとスイーパーの役割の1つですよ」
「なるほどね〜。聞いた時はあんまり理解できなかったけど、やってみるとよくわかるよ」
「まぁ〜小川さんは体で覚えるタイプですからね♪」

「まぁね」
しかしそれを聞いていた矢口が
「小川、それは頭では理解できないバカって言われてんだぞ・・・」
「えっ?!ホントですか?」
「絵里はそこまで言ってませんよ。まぁタイプ的には辻さんと似た感じがありますけどね。
 さぁいきますよ小川さん♪」

亀井に連れられていく小川を見ながら矢口は、
「辻と同じタイプって言ったらますますバカじゃん・・・」

 
392 名前:最終召集 投稿日:2005/11/02(水) 05:34

このまま一進一退のまま前半が終了した。

(3年チーム)
吉澤はグローブをベンチに置くと「いや〜アイツ等けっこうやるじゃん」
「よっちゃん感心してる場合じゃないよ!どっちかて言うと美貴たちの方が
 けっこうやられてるんだから!!」
「そんな事はGKのうちが1番わかってるよ」

「あと・・・」黙り込む藤本に石川が、
「どうしたの美貴ちゃん」
「前半は紺ちゃんが全然からんでナイんだよね・・・なのにあの攻撃だよ」
するとタオルで顔を拭いた後藤が
「ボールを持って仕事ができるのは一流。そして、ボールを持たずに仕事が
 できるのは超一流ってね♪」

「超一流か・・・美貴にそんな後輩がいたとはね。まぁ薄々気づいてたけど」
「それはみきてぃが育てた超一流でもあるんだよ」
「またまた〜、ごっちん美貴ホメテも何もでないよ」
「んあんあ、ホメテなんかないよ〜。やっぱ1人じゃサッカーはウマくならないからね」
393 名前:最終召集 投稿日:2005/11/02(水) 05:50

「とりあえずさ紺野の話は置いといてさ、後半はどうすんの?」
「んあ〜ど〜しようかよっすぃ」
「ど〜しようって・・・どうします?ヤグチさん」
「えっ?え〜っと〜・・・なっちどうする?」
「どうするって・・・柴ちゃん何かないべか?」
「それは〜・・・ほら梨華ちゃん何とか言ってよ」
「何とかって・・・わかんないよ」
という事で結局出た答えは、

『まぁ初日だしなるようになるだろ』
394 名前:最終召集 投稿日:2005/11/03(木) 02:25

(1・2年チーム)
「けっこうえぇ感じで攻めれたんやない?なっ、あやや」
「そうだねあいぼん。でもゴール前では1度も決定的なチャンスを作れなかったよ。
 そのへんはサスガ3年ってとこだよね」
「そうやな。ところで守備の方はどうやねん?」

亀井は加護を見ると「そうですね。やはりかなりキビシーですね。
 岡田さんがうまくフォローしてくれてますから0点に抑えてますけど
 普通なら2〜3点入っててもおかしくないですよ。ねっ高橋さん」
「そーやな。後半はどーしよっかの?」

とみんなが話している時に辻が紺野の横に座ると、
「ど〜れすか紺ちゃん。前半はしっかり観察してたようれすが」
「そうですね。もし3年が前半と同じような感じで攻めてくるならば、後半は
 こっちのものです。あとは吉澤さんの壁をどう撃ち破るかですが・・・・」
「あの壁はかなり厚いれすからね〜。ペナルティーエリア内ならのんもあの壁を
 破る自信があるのれすが」
395 名前:最終召集 投稿日:2005/11/03(木) 02:37

「まぁ私にいくつか策があるのでいろいろとやってみましょう」
「相変わらずの紺ピューターれすね。後半が楽しみれす」
「頑張りましょう。なんせ私たちは挑戦者なんですから」
「試合が終わったら挑戦者から勝者になってるのれす」

しかし紺野は少しマジメな顔をすると「でも、この事を他の人に言ってなくても
 いいのですか?」
「いいのれす。このチームはなんと言っても軸はのんと紺ちゃんれす。
 後半は紺ちゃんも攻めに徹してくらさい。ディフェンスと中盤のつなぎは
 のんがやりますから」

「大丈夫ですか?」
「問題なしれす。そのかわりごっちんは紺ちゃんに任せる事になるのれすが・・・」
紺野は大きくうなずくと「解かりました。何とかやってみましょう」
「よし!これでこの試合はいただきれす♪」

396 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/11/04(金) 00:48
紺ちゃんかっけぇよ〜!
これからまた面白くなりそうですね♪
397 名前:初心者 投稿日:2005/11/07(月) 15:01
更新お疲れ様です

「はい。頑張ります♪」可愛いさゆイイ
コンコンはカッコいいですね紺ピューター

更新おまちしております
398 名前:桜娘 投稿日:2005/11/09(水) 00:18

396>>名無し飼育さんさん
紺ちゃんはホントカッケェーッス!!
これからの紺ちゃんに作者も期待しています。

397>>初心者さん
毎度ありがとです。
さゆはやっぱりカワイクないと♪
コンコンはカッコカワイイを目指しますよ♪
399 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 00:39

両チームが各ポジションについたのを確認すると平家コーチが大きく
後半開始の笛を吹いた。
「じゃ行こっか、紺ちゃん」そう言って松浦は紺野にボールを渡すと
前線に走っていく。
ボールを持った紺野に矢口と里田がチェックにくる。

紺野は矢口を簡単にフェイントでかわした後、突っ込んできた里田も股抜きで
抜き去った。
その紺野の前に今度は藤本が立ちふさがる。
「珍しいんじゃないの?紺ちゃんがそんなにボールをキープするなんてさ。
 いつもはパスでつなげて来るじゃん」
「藤本さん下克上ですよ。私たちは今こそ大きな山を越えなければならないんです」
紺野は真剣な顔で藤本に伝えると左サイドの加護にボールを渡して、そのまま藤本の横を通って
前線に向かった。
400 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 00:54

加護はスピードにのったドリブルでドンドンサイドを上がっていくと
前にアヤカと美海が同時にチェックにきた。
加護は迷いもせずにそのままのスピードで2人の間を突き抜けた。
2人が一瞬にして抜かれたのを見た安倍は
「ごっちん!なっちがチェックに行くから中を頼むべ!!」
コーナーギリギリに突き進む加護に安倍が真横から詰め寄っていく。

安倍の代わりにディフェンスに入った後藤はすぐに周りを見回す。
・・えっとガキさんには梨華ちゃん、高橋には三好さん、ジーツーに柴ちゃん、
  シゲさんにみきてぃ、ごとーは紺ちゃんマークだね・・
後藤はそのまま中央に立ちはだかってペナルティーエリアに入り込んできた紺野を
しっかりとマークにつく。
401 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 01:09

加護は真横から近づいてきた安倍をいち早く察すると急ブレーキをかける。
加護とのタイミングを計っていた安倍は気づいてとっさにブレーキをかけるが
止まれずにそのままサイドラインを超えてしまった。
見事に安倍を抜いた加護はドリブルでペナルティーエリアに突入してくる。

「んあっ!マズイ!!柴ちゃん、紺ちゃんヨロシク」
後藤が加護との距離を一気に詰める。
・・おおっ!ホンマに後藤さんが連れ出せたで♪ほなうちの仕事はここまでやな。
  後は頼んだで・・
加護は後藤があと1歩届かないところでボールを紺野に渡した。
後藤はボールの行方を確認した時に1人フリーの娘が視界に入った。
・・んぁ!?なんで??・・

紺野は後藤とマークをチェンジした柴田が追いつく前に、前に出てボールを受け取る。
その直後、後ろに柴田を背負うと目の前には何故かノーマークの松浦と目が合う。
402 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 01:30

紺野はボールをチョンと横に出すと、それを松浦はランニングシュート。
ボールはうまくコントロールされ、ゴール右スミに飛んでいく。
・・クソッやらせるか!!・・
吉澤は手では届かないと気づき、必死に左足を伸ばしてなんとかゴールを防ぐ。
しかしそのクリアボールがなんと道重の前に転がる。
「アハハハハ♪」
道重は走りながら歩幅をあわせると笑いながらシュートをうった。

・・チッ!次はコッチかよ・・
吉澤はすぐに反転して両手のパンチングで道重のシュートを防いだ。だがそのボールも
今度は紺野の前に落ちる。紺野も歩幅を合せて踏み込んだ。
吉澤は立ち上がりなんとか紺野のシュートに対してかまえる。

ここで紺野はボールを真後ろに流す。
そのボールに走り込んできた辻が全力で開いたコースにシュートをうった。
吉澤も必死に飛んで左手を出すが辻のシュートを片手で防げるはずもなく
ボールは吉澤の手を弾き飛ばしてゴールに突き刺さった。
403 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 01:40

「やったれすー!!」
辻はその場に両ヒザをついて両手でガッツポーズをとって喜んでいる。
その辻に、加護・紺野・松浦・道重が次々辻に抱きついていった。

「やった。やったで」
「のんちゃんナイッシューです」
「辻ちゃんやった〜♪」
「辻さ〜んスッゴ〜イ!さゆの次にカワイイですよ♪」

次は4人を抱き込む形になると、
「みんなのおかげれす。この調子でドンドンいくれすよ!」

『オー!!!!』
404 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 02:01

一方入れられた3年チームは、
「んぁ〜見事にやられたねぇ〜」
後藤がゴールに転がったボールを拾いながら言うと、
吉澤も立ち上がりながら「チェッ!あれだけ見事に決められたらモンクも言えねぇ〜よ」
柴田も喜ぶ1・2年を見ながら「紺ちゃん中心のチームと思ってたけど、そのもう1つ後ろの中心に辻ちゃん
 がいるんだね」
「ホント辻も成長したもんだよ」矢口が後藤の横で言うと、
藤本が「ちょっと待ってよ!何をみんなで後輩の成長を感心してんの!!さっき紺ちゃんが言ってたよ。
 下克上だってさ。ここは先輩としての力を見せておくべきじゃないの?それとも後輩のあの姿を見て満足した?
 美貴はイヤだね。絶対に1人でも対抗してやるよ!!」

全員を睨みながら口を開いた藤本に、
「なに言ってんだよみきてぃ!うちらがこのままで終わるわけないじゃん!」
「よっちゃん・・・」
「そうそう、オイラたちはやられる訳にはいかないんだよ!なっ?ごっちん」
「んあんあ。当然やられたらやりかえせでしょ♪」

後藤は拾い上げたボールをセンターサークルに向けて蹴り飛ばすと、
「コーチに言われてケガしないように抑えてプレーしてたけど、そういう訳にはいかなくなったね。
 ごとーたちも全開でいかないと、後輩に負けるのはある意味ケガよりもイタイからね」

吉澤はグローブの両手で大きくパンと鳴らすと、
「よっしゃ、じゃぁそろそろ行こっか!!」
その声に3年全員が気合を入れなおし各ポジションに広がっていった。
405 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 02:09

中澤と平家はそこまでを見ながら、
「フフッ、アイツらもナンダカンダ言ってまだまだ若いな〜」
「姐さんそりゃ当たり前やで。まだ高校生やないか・・・」
「んな事ぐらいわかっとるわ!でもなんかさ、あのテンションの上がり方がな
 うちらが代表の時にはなかったくないか?」
「そう言われるとそうやな。やっぱ高校生ならではのって事かもしれんね」

「まっとりあえずはケガがないようにいってくれれば、このチーム良い感じになるで」
「そうやね。うちらもいっちょがんばらなアカンな」
2人は腕を組んで嬉しそうに両チームを見つめた。
406 名前:最終召集 投稿日:2005/11/09(水) 23:59

里田と三好がセンターサークルに立ち、
「よ〜し、劇的な逆転劇のためにまずは同点と行こうかね。ねっ絵梨香」
「な〜んでまいはちょっと嬉しそうなのよ・・・」
「だってサッカーは逆転勝ちした方がカッコイーでしょ♪」
「はいはい。だったら同点も逆転も私が決めてあげるわよ。ほらいくよ」
三好はボールを里田に蹴り出すと前線に向かった。
里田はそのボールを柴田に渡すと「ちょっと〜負けないからね絵梨香!!」
そう言って三好を追うように走っていく。

その柴田に早速紺野がチェックにくる。
柴田は紺野が近づく前に藤本にボールを回した。
ボールを受け取った藤本がドリブルで上がって行くが何故か紺野は
ディフェンスに戻ろうとしない。

407 名前:最終召集 投稿日:2005/11/10(木) 00:20

それに気づいた後藤は、
・・んぁ?おかしいな?紺ちゃんがいきなりチェックに来て
 その後も戻らないって・・・紺ちゃん何を企んでんのかな?とにかく要注意だね・・
 アヤカ、前線のフォローに行っちゃっていいよ〜」
後藤は自陣に残るとアヤカを前線に上がるように指示をだす。

辻は藤本がドリブルで上がってくるのを見ながら、
「あいぼん、みきてぃの横をプレスをかけながら並走してくらさい。
 れいなはそのまま前でみきてぃを待ち構えとくれす。マコトはれいなの後ろに
 移動れす」
辻はそこまで指示を出すとそのまま戻って矢口のマークにつく。

亀井はそんな辻を見て、
・・えへへ♪さすがは次期キャップ。絵里もガンバらないと・・
そう思うと少し後ろに下がり、
「愛ちゃん三好さんお願いします。新垣さんは柴田さんのマークです」
亀井の指示に高橋・新垣がピッタリとマークにつく。
408 名前:最終召集 投稿日:2005/11/10(木) 00:37

藤本はドリブルで加護と並走しながら
「あいぼん、こんなプレスじゃ美貴からボールは取れないよ」
「へへ、みきてぃサッカーは1人でやったらアカンで!」
「ふん、調子乗ってんじゃないよ」
藤本は加護を突き放そうとスピードを上げるが、しかしその目の前に田中が
現れた。
藤本は何とか田中をかわしたがその時ボールが足から離れてしまい
そこを小川にボールをカットされてしまった。

小川はすぐにボールを前線に送る。前線に残っていた道重がフリーでボールを
トラップするとそのままドリブルで攻め込む。
後藤は紺野をマークしながら下がり美海に道重にチェックに行くように促す。

409 名前:最終召集 投稿日:2005/11/10(木) 00:58

美海は道重の横につくと肩からチャージにいく。しかし道重はそのチャージを
跳ね飛ばすとそのままペナルティーエリアに侵入した。

・・チッここでやられる訳には行かねぇっての!!・・
吉澤は道重向かって走りだす。そして、
「あははははっ♪吉澤さん今度こそ頂きます」
ここで道重は急ブレーキをかけてタイミングを計るとループシュートを放った。

ボールはキレイな弧を画いて吉澤を越えるとそのままゴールに向かって落ちていく。
「んあーーー!!」
しかしここは後藤がヘッドでクリアする。だがこのクリアボールが安倍と紺野の前にふわりと浮かぶ。
そのボールに安倍と紺野は同時に飛び上がる。空中戦を制したには紺野だった。
紺野はボールをバックヘッドで軽く後ろに下げると、そのボールに走り込んできた辻がダイレクトボレーシュート。

ボールはゴール前にいた後藤の横を勢いよく抜けてそのままゴールに突き刺さる。
後藤は後ろを振り向くと同時にボールがゴールネットから落ちて地面で跳ねていた。
410 名前:最終召集 投稿日:2005/11/10(木) 01:17

そして後藤が前を向くと辻と紺野がガッチリと握手をしている。
・・クッ、クヤシイ・・
と後藤が思うと同時に吉澤がボールをゴール内に蹴りこみながら、
「チクショーー!!」
大きく肩を揺らしながら息をする吉澤を見て後藤はゆっくりと吉澤に近づき
「よっすぃ・・・勝つ日もあれば負ける日もある。今日はどうしても流れがコッチに
 来ないんだよ。前半からしっかりと戦況を見つめて対策を立ててた1・2年がそこまで
 成長してるって事だよ。うちらも慢心を捨ててもっと真剣にしなきゃね・・・・」

吉澤はゴール内に転がったボールを拾うと、
「はぁ〜慢心か・・・・・後輩から学びたくはなかったな」
そう言ってボールをFWに投げて渡した。

結局ゲームは2−0のまま1・2年チームの勝利で終了した。
411 名前:最終召集 投稿日:2005/11/10(木) 01:33

全員は中澤と平家の前に集合する。
「おっし今日はオツカレやな。なかなかえぇゲームやったで。3年は1試合1試合の
 大事さを身に染みて再確認した事やろう。1・2年はこれに満足せんでさらに精進してってくれや。
 じゃ平家コーチ」
「はい、今日はここまでや!各自しっかりと休んで明日からの練習に備えておくように。
 ほな解散!!」

全員は解散するとおのおの合宿所に戻って行く。
「姐さん。初日からえぇもんが見れたんやない?」
「そやな。まさか3年があっこまで見事にやられるとはな・・・まったくサッカーってのは
 わからんもんやな。こら監督に見せたら大喜びやがな」
「そうですね。一応ビデオ撮っといてよかったですわ。ほなテープは監督にまわしときますね」
「あぁ頼むわみっちゃん。ほなうちらもそろそろ戻ろっか」
412 名前:初心者 投稿日:2005/11/13(日) 00:48
更新お疲れ様です

若い力ですね(みんな若いけど)
さゆ対よっすぃがつぼです

次回楽しみにしてます

413 名前:桜娘 投稿日:2005/11/30(水) 00:58

412>>初心者さん
若い力ってすばらしいですね。
さゆVSよっすぃは自分の中でけっこう気に
いっているのでチョコチョコいれていきたいなと
思ってます。
これからも楽しんでもらえるように頑張らせてもらいます
414 名前:最終合宿 投稿日:2005/11/30(水) 01:54

第1ルーム(吉澤ひとみ・里田まい・木村絢香)
「はぁ〜だりぃ」
吉澤はつぶやきながらベッドに横になり
「まったく朝っぱらから呼び出しやがって、そのうえ自分は眠いからってよ・・・
 いったい何様のつもりなんだよ!」
「まあまあ落ち着きなって。一応監督様なんだからさ」
里田は持ってきたジュースを吉澤に手渡すと自分のベッドに座る。
アヤカもジュースをひと口飲むと、
「そうそう。それに試合をするのは監督じゃなくて私たちなんだからさ」

吉澤はムクッと起き上がり里田から受け取ったジュースを飲むと、
「まったく2人とも優等生的な発言だね」
「まぁヨシコに比べたら優等生だから・・・ねぇアヤカ」
「トーゼン♪」
415 名前:最終合宿 投稿日:2005/11/30(水) 02:17

「ちょっと!うちのドコが優等生じゃないっての?」
「だってヨシコってなんかさ、みきてぃに似てんじゃん。それにいつの間にか
 みきてぃとも仲良くなってるし・・・やっぱ類は類を呼ぶって言うじゃん」
「類って・・・、って事はみきてぃってやっぱヤンキーなの?」
「んぐっ?!それに関してはご想像にお任せします」
「えぇ〜いいじゃん。まいちゃん教えてよ」
「そうそう、まいちん言っちゃえよ」

「別にそんなに悪い事してる訳じゃないよ。遅刻とか早退とかはまぁ当たり前なんだけど
 あと他校にたくさん手下がいるんだよね。たぶん中学の時のなごりじゃないかな・・・。
 さすがにケンカとかは中学で卒業したとは言ってたけどね。まぁ今はサッカーが楽しくて
 仕方ないみたいだよ」

「・・・・・・聞きました?アヤカさん。手下ですってよ。俗に言う舎弟ですよ舎弟!」
「舎弟?ワタシの持ってる辞書には載ってナイ言葉ね」
「とにかくこの事は他言無用だからね!特にみきてぃの耳に入ったら2人とも生きて合宿所から
 帰れるかどうか・・・」

『はっはい・・・』
416 名前:最終合宿 投稿日:2005/11/30(水) 02:53

第2ルーム(柴田あゆみ・石川梨華・三好絵梨香・岡田唯)
石川は三好と岡田の前に立つと、
「ねえねえ、ユースってどんな練習をしてるの?」
「ちょっと梨華ちゃん。突然すぎだってば!!」
「えぇ〜いいじゃん。柴ちゃんだって興味あるでしょ?」
「それはそうだけど、ものには順序ってものがあるでしょ。まったく
 恥ずかしんだから、一緒にいる方の身にもなってよ」
「えぇ〜恥ずかしいってどういう事?」
「別に説明しなくても充分わかるでしょ。まずは挨拶から!」
「は〜い・・・」

「籐陽学園の柴田さんと石川さんですよね」
「ありゃ!?なんで?」
「うちらも選手権やインハイなどは毎年見てはりますから。同世代の
 人たちは特に気になりますから〜」
「へぇ〜そうなんだ。確か三好さんはコンサドーレで岡田さんがセレッソだったよね」
「絵梨香でいいですよ」
「うちも唯でえぇですよ」
417 名前:最終合宿 投稿日:2005/11/30(水) 03:09

「私も梨華でいいわよ。でこっちが柴ちゃん」
「柴ちゃんって・・・まぁ別にいいけど・・・。それより選手権を毎年見てるって?」
「やっぱりユースチームって言いましてもトップに上がったら高校出の人らと一緒ですやん。
 そ〜なると注目チームや注目選手は毎年チェックですわ」
「そうですね。いくらユースでやってても結局勝負はグランドに立ってからだから、
 そのライバルはしっかりと確認しておかないと」

「なるほどね〜。私たちももっとこういう先を見た目を持たないとね」
「何言ってるの?梨華ちゃんと一緒にしないでよね。私は知ってたよ。毎月雑誌読んでるから、
 当然2人の記事も読んだしテレビも見たよ。クラブユース大会の決勝もね」
「えっ?柴ちゃんの裏切り者!!」
「はいはい、梨華ちゃんは少し黙ってなさい」
「はぁ〜い」
418 名前:最終合宿 投稿日:2005/11/30(水) 03:30

「それにしても大変でしょ?突然呼ばれたりしたら」
「うちはそ〜でもないなぁ〜。いつもの事をいつも通りにするだけやしなぁ」
「あたしは緊張したよ。選手関係とかやっぱり気になるし、連携とかもうまくできるかとか
 いろいろ考えちゃうもん」
「なるほどね。まぁでも結局は急造チームなんだからさ、それを頑張って練習していこうよ」
「そ〜やね」
「うん」

「ところで話変わるけどさ、選手権とか見て2人の注目選手ってだれなの?」
「ちょっと梨華ちゃん、ホントに話変わってるじゃん」
「まぁまぁ♪柴ちゃん。じゃ絵梨香ちゃんから」
「そうですね、簡単に言うとこの合宿のメンバーはやっぱり注目してましたよ。
 まあいい意味で対戦したくなかったのはやっぱり東帝ですね。あの後藤・辻・亀井の
 東帝トライアングルを突破するのは難しいですからね」
「ふ〜ん、やっぱりね。じゃ唯ちゃんは?」
「うちは道重ちゃんは1対1で勝てる気がしませんわ。重いシュートだけでなく
 あんな正確なループシュートうったりと柔と剛をうまく使いすぎて全然読めんねん」
「へぇ〜さゆか・・・そう言われるとそうだよね。柴ちゃん同じ中盤としてまけないようにね」
「はいはい・・・梨華ちゃんもマコトとかに負けないようにいね」
「マコトになんか負けないもーん!」
419 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/01(木) 00:37

第3ルーム(辻希美・紺野あさ美・小川麻琴)
「お疲れさ・・・何してるんですか?」
食事を終えた紺野が部屋に入ると辻と小川がテレビの前に座り込んで
何かをしていた。
紺野はゆっくりと2人に近づくとテレビの画面には野球ゲーム。
「・・・どうしたんですか、コレ?」
「あさ美ちゃんちょっと静かにしてるれす。今大事なとこれすから」
「まぁ〜待っててよあさ美ちゃん。今からスゴイの見せてあげるからさ」
・・いつもと違ってだいぶ焦り気味ののんちゃんに自信満々のまこっちゃん・・

2人の表情を見た後に画面を見るとノーアウト満塁という絶好のチャンス。
「へへっ見せてやるよ。未来の大リーガー様の実力をな」
・・まこっちゃんあなた確かサッカー部ですよね。しかも今この合宿もサッカーの合宿ですよ。
  そんなあなたが未来の大リーガーですか?・・

「うっさいれす。そんな言葉はこの超高校級のスーパーエースの得意の変化球を打ってからほざくれすよ」
・・のんちゃんあなたもですか、あなたは仮にも全国高校サッカー優勝校のメンバーですよ。
  確かに超高校級ですけどそれはサッカーであって、しかも私の記憶が確かならば変化球が得意って
  あなたのシュートはあまり曲がらないじゃないですか?!あの殺人的な直線シュートしかうてないじゃ
  ないですか・・
420 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/01(木) 00:58

「いくれす、魔球ファールボール!!」
「くらえ、秘技エンタイトルツーベース!!」

・・のんちゃんファールボールは球種じゃありませんから。
  それにまこっちゃん。エンタイトルツーベースは結局ツーベースですから
  よかった2人ともサッカーバカで・・

のんちゃんの放ったボールはカキーンと大きな音と共にスタンドに飛び込んでいった
「よっしゃ〜!どんなもんだ!!」
「もうヤメタれす」
辻はそう言ってゲームの電源をOFFにする。
「ああっ?!テメーちょっと負けてるからって消す事はね〜だろ」
「のんは練習で疲れてるれすよ。ねっ紺ちゃん」
「はぁ・・・ところでそのゲームはどうしたのですか?」
421 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/01(木) 01:25

「あぁコレ?なんか各部屋に設置してるみたいだよ。練習も大事だけど
 しっかりとリフレッシュする事ももっと大事なんだってさ」
「へ〜つんく監督もいろいろと考えてるんですね」
辻はゆっくりと立ち上がってベッドに座ると
「あの監督もやっぱ気にしてるんれすね」
「んっ?何を?」小川が振り向いて辻に聞き返す。

「かおりんの事れすよ・・・」

2人はハッとして辻の顔を見つめる。
「紺ちゃんお見舞い行ってきたんれすか?」
「はい・・・いくぶん元気にはなってましたが、まだまだ落ち込み度がヒドイですね。
 手術の方はうまくいったそうであとはリハビリしだいですね」
422 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/01(木) 01:42

「でもそれとこのゲームとどういうつながりがあるんだ?」
「やっぱり飯田さんもかなり追い詰められてましたからね。シュートはうてない
 点も取れないではやはり焦る気持ちが大きかったと思います。
 監督としてはそういう不安感をマイナスでなくプラスの考えでいってほしかったのですが
 やはり人の気持ちなんてそう簡単にコントロールできるわけはないのですから・・・」 
「だから今回の合宿所にはそういう娯楽施設的な物がたくさんあるみたいれすよ」
「そっか〜・・・気持ちの切り替えが大事ってよく言われるけど、そう簡単には出来ないもんな」

「でもマコトは大丈夫れすよ。だって悩みなんかないれしょ?」
「そうですね。まこっちゃんはまず頑張るところからのスタートですから
 悩んでいるヒマなんてないですよ」
「ゲームする暇があったら筋トレれすよ」

「ヘイヘイ、悩む前に体動かしてきま〜す」
「じゃ、のんたちも腹ごなしに行きますか」
「そうですね」
423 名前:初心者 投稿日:2005/12/03(土) 23:33
更新お疲れ様です
つんく監督ちょっと見直しました
でもののとマコトのコント風ボケが最高です
次回更新待ってます
424 名前:桜娘 投稿日:2005/12/07(水) 00:44

423>>初心者さま
いつもありがとうございます
つんく監督も少しくらいは出演アピールをしておかないと
と思いまして・・・
辻さんは誰といても普段はボケボケになってしまうみたいです
これからもお願いします
425 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/07(水) 01:05

第4ルーム(松浦亜弥・高橋愛・道重さゆみ)
松浦と高橋は部屋に戻ってきて一息つくと、
「ふ〜今日はお疲れ愛ちゃん」
「そーやね。でも3年相手によーもあんなに簡単に勝てたよな」
「う〜んそだね。でもそこはあれじゃない?」
「んっ?アレってなん?」

「モチベーション!!」

入り口からの声は道重だった。

「お疲れ様で〜す。今日のさゆはどうでしたか?」
松浦と高橋は突然現れた道重に驚きながらも道重の問いに答える
「あ〜とってもよかったよ」
「あーしもそう思うで」

しかし道重は首を横に振ると
「違う違う!」
「何が?」2人は首をかしげて道重を見る。
426 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/07(水) 01:33

「さゆが可愛かったかどうかですよ〜!まぁ聞かなくてもカワイイっていうのは
 決まりきったことですからね♪」
「は・・はぁ・・・」
「アレ?どうしたんですか2人とも?」

「いや・・・でも道重ちゃんホントすごかったよ。強力で重いシュートから
 柔らかいループシュート。それに当たり負けしないボディーバランス。かなりの
 高いレベルだと思うよ」
「あーしもそう思うで。シゲさんはかなりレベルの高いプレイヤーやと思うやが」
「そんな褒めないでくださいよ。照れるじゃないですか〜」

「あとは・・・」
427 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/07(水) 01:50

「あとはDFだね。道重ちゃんのポジションならもっと守備的な意識も
 持たないとダメだよ」
「ほやね。DF側から言わせてもらうとおってほしい時に守備におらんって
 のはもしもという時に大問題やからな」

「わかりました。攻められないように攻め続ければいいんですね。
 松浦さんDFのためにも頑張りましょ」
「へぇ?!」
「ほぇ?!」
道重の発言に驚いた松浦と高橋。しかし道重はうれしそうにカバンから大きな鏡を取り出すと
自分に見入ってしまった。

「ねぇ愛ちゃん・・・いいのかな?」
「ん〜・・・えぇーんやない。まだ1年やしいろいろと伸びるのはこっからやろ」
「そっか私たちもあと1年だし頑張らないとね」
「そやね。来年こそはあーしらが優勝やざ!」
「へへっ負けないからね愛ちゃん」
428 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/07(水) 02:07

第5ルーム(安倍なつみ・新垣里沙・亀井絵里)
「安倍さんこれからよろしくお願いします」
「ほれほれガキさん、かたい挨拶はいいから楽にするべ」
「はっはい」

そこに、
「あっ安倍さ〜ん今回は一緒の部屋ですね〜。えへへへ♪頑張りましょうね」
とジュースを飲みながら部屋に入ってきた亀井。
安倍は新垣を見て、
「ほらこんな感じでいいんだべ。練習以外の時はリラックスしておかないと
 疲れも取れないべさ」
「はあ〜」
「え〜なになに?ど〜したんですかぁ?」
「別になにもないべさ。これから一緒にガンバロっていってただけだべなっガキさん」
「はっはい!」
「わかりました〜。絵里もガンバリま〜す」
429 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/07(水) 02:18

「亀ちゃんは頑張りすぎでないかい?」
「そんな事ないですよ。腹八分目ってところです」
「そりゃ使い方違うだろ!」
「えへへへ♪ガキさんナイスツッコミです」
・・まったく亀ちゃんは幸せな性格をしてるべさ。そういうところが
  うまくテンションを使い分けてんのかもしれないべな・・

「ところで亀ちゃん」
「はい?なんですか安倍さん」
「突然だけど、3バックと4バックどっちがやりやすいべか?」
亀井は2人が見てる中、腕を組んで考え出す。
430 名前:最終合宿 投稿日:2005/12/07(水) 02:34

「う〜〜〜〜〜ん・・・・・・・!!どっちでもいいです♪」
「どっどういう事だべ?」
「えっとですね、3バックでも4バックでも結局は相手のFW陣に
 合せた守備をやっていけばいい訳ですから。それに3バック4バック
 て言いましても3人4人だけでDFする訳じゃないですから。
 全ては練習、そしてチームワークです」

「そっか、難しく考える必要はなかったべさ。みんなで力を合わせて頑張るべさ」
「ハイ、頑張りましょう安倍さん」
「絵里もガンバリま〜す♪」
431 名前:konkon 投稿日:2005/12/08(木) 00:09
亀ちゃんカッケェ〜。
さゆのテンションは相変わらずですねw
松高の二人にも期待です!
432 名前:初心者 投稿日:2005/12/08(木) 23:27
更新お疲れ様です
さゆの考えいいですね、攻撃は最大の防御ってやつですか
さゆえりの二人は先輩達をどんどんふりまわすような感じが好きです
次回更新待ってます
433 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 05:31
突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
434 名前:桜娘 投稿日:2006/01/17(火) 06:47

431>>konkonさま
亀ちゃんがしっかりしてくれないとDFが
大変な事になっちゃいますからね(笑
さゆにはもっと自由に動いていってもらうのですが
これ以上自由にするとどうなる事やら・・・・
ここは先輩の松&高にがんばっていただくしか♪

432>>初心者さま
この作戦でいくにはもっとさゆに頑張ってもらわないと・・・・
絵里はまだまだ頑張ってもらう予定にしてます
さゆはもっともっと先輩をふりまわす事を頑張ってもらいます

433>>名無飼育さま
楽しみにしてま〜す
435 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 07:03

第6ルーム(藤本美貴・斉藤美海・田中れいな)

美海が部屋のドアを開けると藤本の前で田中が土下座をしていた。
・・ありゃ?!田中ちゃんなにかやったのかな?美貴の説教姿は高校になって減ったけど
  中学の時は毎日ムカつく後輩を呼び出しては最後にボコボコにしてたもんな〜。
  これは大事になる前に私が止めないと、代表落ちか最悪は大会出場取り消しになるかも。
  それはさすがにマズイ!!・・


美海は決心して部屋に入ると2人の会話に耳を傾けた。
しかし会話の内容は、美海の予想していたものとは全然違うものだった。
436 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 07:18

「お願いします。ぜひ藤本さんの弟子にしてください!!」

・・でし?デシ?DESI?弟子?・・

「弟子〜!!」
突然大声をあげた美海に藤本が困った顔で助けを求めてきた。
「ちょっと美海からも言ってあげてよ〜。美貴は弟子なんかとってないってさ」
今度は田中が美海の方を向いて、
「あっ、お疲れです。美海さんからも言ってやってくださいよ。れいなはヤル気満々
 ですから」

2人の顔を見ながら、
・・なんで終合宿初日からこんな場面に遭遇しちゃうんだろ。初日くらい
  ゆっくり過ごしたかったのにさ・・
437 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 15:23

「大体さ〜、なんで田中ちゃんは美貴の弟子なんかになりたいの?だって
 ポジション違うでしょ?」
「だって藤本さんってカッコイイじゃないですか!プレイもそうですし、後、なんか風格
 があると言うか、とにかくカッコイイですから弟子になりたいんです」

美海は田中の言葉を聞くと藤本を見て、
「ここまで熱心に言ってんだから弟子にしてやったら?」
「えぇ〜やだよ。美貴は自由がいいんだ」
「別にいいじゃん。地元に何百人も舎弟がいるんだからさ。今さら1人くらい増えても
 問題ないでしょ」

「ちょっ、ちょっと!もうやめてよ美海。美貴はもうそういうのやめたんだからさ。
 それに弟子と舎弟は全然扱いが違うから嫌なの」
どうしても嫌がる藤本を見て、
「そうですか・・・れいななんかが弟子になると迷惑ですよね・・・・スイマセンっした」
438 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 15:31

田中の落ち込みで一気に部屋の雰囲気が暗くなる。藤本と美海は落ち込む田中を見ながら、
「もう美貴なんとかしなさいよ!」
「なんとかって言ってもどうしたら・・・美海なんとかしてよ!!」
「なんで私が?」
「いつもこういう時は美海の仕事でしょ」
「いっつもって、美貴が後輩をシバくから私がそれの尻拭いをしてるだけでしょ!
 そうしないと後輩みんな退部してるんだから!」
「だからそんな感じで今回もお願いします」
「もうわかったわよ。そのかわりどうなっても知らないからね」
439 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 15:38

美海は田中に近づいてしゃがみこむと、
「田中ちゃん、そんなに美貴の弟子になりたいの?」
「はい・・なりたかです」
「じゃ、してあげてもいいよ」
「ホントですか!?」
「ちょっと美海」

「ただし!」
「ただし?」
「そうただし、簡単にはさせる訳にはいかないよ。ある条件をクリアしたら
 弟子にでもなんでもしてあげるわ」
田中は立ち上がって美海の両肩をゆらしながら
「美海さん、はよその条件ってやつを教えるっちゃ」
「それを言うからちょっと落ち着いてよ」
美海は田中を落ち着かせる。そしてちらっと心配そうにしている藤本を見る。
440 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 15:52

「その条件とは・・・」
「条件とは?」
「私たちってさ、仮にもサッカーの代表チームでしょ?ここはやっぱりプレイで納得
 させるしかないんじゃないの?美貴がなっとくするプレイ。プレイだけでなくて
 日頃の練習態度や周りとのコミニケーションなど。美貴は自分にも厳しい人間だからね。
 自分が納得するまで練習するしさ、だから田中ちゃんも自分はもちろん、美貴や私や他のみんなが
 納得するような感じでやっていけるようになれば、その時は美貴の弟子でも舎弟でも好きなものに
 なったらいいよ。それでいいでしょ?美貴」

美海が確認をとると、藤本は軽くうなずいて田中を見る。そして、
「1つだけ注告しといてあげるよ。人を納得させるより自分が納得する方がすごく大変だから。
 自分を納得させる判断を間違えたら、人を納得させる事なんて絶対ムリだからね!」

「わかりました!田中れいな頑張って藤本さんの弟子になります!!」
441 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 16:25

第7ルーム(矢口真里・後藤真希・加護亜依)
「後藤さんも矢口さんもジュニアからやってるんですよね?やっぱり毎回違うもんなんですか?」
「ん〜どうだろうね〜。まぁ今回が1番充実してるかも。ねっ?やぐっつぁん」
「まぁそうかもな。今回集められたメンバーは個々のレベルが高いからな」
「へぇ〜そうですか。ところで2人がジュニアの時はどうやったんですか?」
「うちらがジュニアの時〜?どうだったっけ?」
「確かオイラたちが初めて呼ばれたのって中2の時だよな。あの頃はまだごっつぁんは幼かったな」
「やぐっつぁんはこんなんだったね♪」
後藤が親指と人指し指で隙間を作る。
「オイラは虫かよ!」

「へぇ〜中2か。2人の初対面ってどないやったんですか?」
「初対面ねぇ〜」
「んぁ〜初対面?」
442 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 17:02

「オイラとごっつぁんが初めて会ったのってジュニアの時だっけ?」
「いや違うよ。全中の時だよ」
「あ〜そうだ!全中の時だ!!」
「全中ってなんですか?」
「んあ〜?中学の全国大会だよ。略して全中って言ってたんだ」
「へぇ〜。ほんで2人は試合であたって知り合ったとかですか?」
「んぁ〜それが違うんだよね。それがさ〜、開会式の時にジーツーが迷子になっちゃって
 そん時ごとーはまだ2年だったから先輩に探して来いって言われて走りまわってたんだよ。
 そしたら前方にちっちゃい人がキョロキョロしてたからジーツーだって思ったら違う人だったんだよ」

「もしかして・・・」
「そうオイラだったんだよ。それで何でか知らないけど一緒に辻探しが始まったんだよな」
「いろいろとお互いの学校の事話したりしながら探してたんだよね」

「で?結局のんは見つかったんですか?」
「逆にうちらが迷子になっちゃったんだよな」
「やぐっつぁんが話に夢中になるからだよ」
「オメーもだろ!!」
「それでどうしたんですか?」
「2人とも会場の人に聞いて自分の学校のトコに戻っていったんだよな」
「結局全中で会ったのはその時だけだったよね。その後、ジュニアの合宿で再会って事になったんだよね」

443 名前:最終合宿 投稿日:2006/01/17(火) 17:31

「そうだったな。2年生で呼ばれたのはオイラたちだけだったからずっと
 2人で一緒にいたんだったな」
「んあんあ」
「それでオイラたちが3年になったら次々と問題児が増えていってからさ、
 今ではほとんど問題児軍団だよ」
「んぁ〜いい思い出だね♪」

「加護も今年からだけど来年もあることだしガンバレよ」
「んあんあ。が〜んばれ、が〜んばれ」
「オマエ軽い応援だな〜・・・。まぁガンバレよ加護」
「はっ、はぁ・・・・・」
444 名前:初心者 投稿日:2006/01/23(月) 02:26
更新お疲れ様です
やっぱりミキティには舎弟がいたんですね
あとごっちんの「んあんあ」が妙にはまりました
次回更新楽しみに待ってます
445 名前:桜娘 投稿日:2006/01/30(月) 03:41

444>>初心者様
毎度アリガトウです
やっぱミキティは強い人であってほしいんですんで・・・
446 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 03:55

朝9時に全員がグランドに集合する。

つんくは全員の前に立つと、
「昨日はゲームだけやったが、今日から本格的に合宿を始めようと思う。
 早速やけど今日は午前中はフォーメーションをやって午後は練習試合を
 やるから。じゃぁ以上や、各自アップを始めてくれ」

突然の発表に全員がざわつきだす。するとつんくは、
「お前等、ガヤガヤ言っとらんで、さっさとアップせんかい!!」
「スイマセン監督」
藤本が手を上げる。
「なんや藤本。なんで突然練習試合なんですか?」
「そんな事が。ドコが良くてドコが悪いか、そこがハッキリ解かるのは実戦で
 見るのが一番や」
「相手はまた中澤コーチたちのチームなんですか?」
藤本が聞くと、
「アホ!今のお前らがやっても負けるのが目に見えとるわ。それにアイツらも
 そないに暇やないからな」
「じゃあドコと?」
藤本がさらに聞こうとすると、
「ウッサイ!そんな事気にする前にさっさとアップせんか!!」

『ハイ!!』
つんくの怒鳴り声に全員が一斉に返事をしてグランドを走り出した。
447 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 04:07

全員がグランドを走るなか、

「えぇか?平家。今日の試合の課題は攻撃陣や。あのチームにどこまで
 攻めて点が取れるかやで。午前中は任せるで」
「そ〜ですねぇ・・・ちょっと難しいですが何とかやってみましょう。
 まぁうちとしては、今日の試合でオフェンス陣が各自課題が見えてくれれば
 と思っとります」

平家の言葉につんくは鼻で笑うと、
「フッ、まぁそうやな。今日は勝つ負けるは問題やないからな。あのチームの
 ディフェンス力はそう簡単にやぶれるもんやないからな」
「そうですね。個々の力ではこのチームのディフェンスもなかなかですけど、
 あそこは連携まで抜群ですからね〜」
448 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 04:19

つんくと平家が話している中、グランドを走っている後藤と辻が、
「ごっちん今日はドコとやるんれすかね?」
「んぁ〜?別にドコでもいいんじゃない。やっぱ試合は楽しいしね♪」
すると後ろから亀井が、
「そうですよ辻さん。絵里たちがしっかりと守れば負けないんですから。
 ですよね?吉澤さん♪」
「当然。今日は完封勝ちと行こうぜぃ!」

そして各自柔軟をして平家コーチの指示によりフォーメーションをはじめる。

「ちゃうねん!!加護〜!藤本〜!お前らは持ち味のスピードをいかさんで
 どないすんねん。もうちょっと考えや!!
 それに紺野!昨日のような積極性をもっと出さんかい!!お前が1番楽しとるんやで!」

『ハイッ、スイマセン』

前回の合宿とはうって変わってかなりキビシイ声が飛ぶ。
449 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 04:36

あっという間に午前中が終わり昼食をとった後に移動となる。
「はぁ〜っ、それにしても今日の平家コーチえらいキビシかったな」
ご飯を食べ終わった加護がお茶を飲みながら言うと辻が、
「そうれすね。しかもやけにオフェンス側にきつく言ってましたれすね。
 逆に中澤コーチが静か過ぎてちょっと恐かったれすよ」

するとやっとご飯を食べ終わった紺野が口を開く。
「今日の相手がよっぽどディフェンス力があるって事ですかね・・・」
「いったいドコとやんのかね?あーしには全然見当がつかんやが」
「さぁ〜どうや紺ちゃん。なんか思いつかんか?」
加護が紺野を見ると辻・高橋も一緒に紺野に注目する。
しかし、紺野は首を横に振ると、
「すいません。さすがに私も見当が付きません」
「まぁ〜行けばわかるれすよ。楽しみにしときましょ〜♪」
「そうやな、のんの言う通り楽しみにしとこ〜かの」
450 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 04:47

午後になり、全員がバスに乗って移動を開始する。
全員、見えない対戦相手に緊張しているなか、
「ねえねえみきてぃ」
「んっ?何よごっちん」
「こういうのって何か楽しくない?」
「そう?美貴はいちいち移動するのってなんかメンドクサイんだけど」
「だってみんな全国各地から集まった高校生がこうやってバスで移動してるんだよ」
「・・・ごっちんって時々変な発想力があるよね。まぁ、そう考えると面白いかもね」
「んあんあ♪そうでしょ。だからこそもっと楽しまないとね」
「そうだね。今日も楽しいサッカーをやろうね。ごっちん」
「んあ〜♪」

などなど話しているうちに小1時間が過ぎた。
「んっ?なんか見たことある景色れすね・・・?」
辻が窓の外を見ながらつぶやくと、
「そりゃそうだろ。都内なんだから地元だろ?」
「マコトはウルサイれす!そういう事じゃなくて、この辺て・・・」
「なんだよ?」

「のんの通学路れすよ・・・」


「ぬえぇぇぇぇ〜!!!!」
451 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 05:02

突然小川が大声を出したので反対の座席で寝ていた加護が跳ね起きて、
「マコトうっさいぞ!なんや恐い夢でも見たんかいな?」
小川は首を横に振りながら、
「ちっ、ちっ、ちっ、ちっ・・・・」
「チッチキチー」
「ちっ、違うよ!きょ、今日の相手が・・・」
「何や着いたんか?で相手は?」と加護がバスの窓から外を見て
「ん?学校やん。えっと・・・!!」加護の目にちょうど校門が見えて
学校名を見る。

「と、東帝高校!!!」
加護と小川が辻を見ると、辻は首をかしげて、
「楽しみれすね。まさか東帝とやるとは♪」

すると加護の隣の紺野が立ち上がり、
「まさか、東帝のディフェンス力ということは・・・」
「どないしたんや紺ちゃん?」
「あいぼんわからないの?今日の午前中の練習を考えると、相手は東帝高校なんですよ」
「そりゃ〜学校についたんやから、そんくらいはさすがにうちでも理解できるで」
「違うよあいぼん。フルメンバーの東帝だよ!」
「んっ?」
加護は首を傾ける。紺野は軽く息を出して落ち着くと

「要するに、後藤さん、のんちゃん、亀ちゃんを含んだ東帝高校なんだよ」

「・・・・んえぇぇぇぇぇ〜〜〜〜!!!!」
今度は加護が大声で叫ぶ。
452 名前:合宿スタート 投稿日:2006/01/30(月) 05:16

「そっ、そりゃ〜えらいこっちゃ〜!!」
加護がさらに叫ぶと同時に、全員がその事に気づく。
加護がつんくに何か言おうとすると同時にバスが止まる。
つんくは立ち上がると「ほれ着いたで。さっさと降りるぞ」
つんくたちがさっさとバスを降りてしまったので全員は仕方なく荷物を持って
順にバスを降りていく。

全員バスを降りてつんくの前に集合すると、
「ほれ、後藤、辻、亀井は自分の学校の方に行っていいぞ」
3人は言われたとおりに部室に向かう。

「あっ、ちょっと待て。吉澤、お前はレンタルや。後藤、吉澤も連れてってくれ」
「は〜い。よしこ行こっ」
「う、うん・・・」

訳の分からぬまま吉澤は後藤に連れられて行った。

「そういう訳で今日は東帝と練習試合や。高校NO,1に勝てんと
 世界NO,1になんか夢のまた夢やで!!」
つんくは全員を見ると、「ほれ、行くで!!」

全員はつんくの後に続いて、準備された控え室に向かって行った。
453 名前:初心者 投稿日:2006/02/01(水) 22:45
更新お疲れ様です
この展開はとってもワクワクします
しかし世界NO,1のためには両方に頑張ってもらわないと
あと絶妙のチッチキチーでした
次回更新楽しみに待ってます
454 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/05(日) 20:42
始めまして。一気に読ませていただきました。
かなり面白いですっ!スポーツものは大好きなので更新楽しみにしています!!!
455 名前:桜娘 投稿日:2006/02/06(月) 01:26

453>>初心者様
毎度ど〜もです。
こっからどうなっていくのか・・・
とにかく頑張ってもらうしかないんですけどね♪

454>>名無飼育様
初めましてです〜。
読んでいただいたみたいでありがとうございます
これからも面白いと言われるように進めていけたらと思ってます


456 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/06(月) 01:55

全員ユニフォームに着替えるとアップを開始する。
紺野と藤本は柔軟をしながら
「ねぇ紺ちゃん、この試合どう思う?」
「そうですね。かなりキビシイ試合になる事は間違いないと思います。
 午前中の練習を考えても今日の課題はオフェンスにあるということは
 間違いないですから」

藤本はアップをする東帝のメンバーをチラッと見て、
「あの主力の戻った東帝から点を取れってか?しかもGKは
 よっちゃんだし・・・」
「でも逆に狙うとしたらそこしかないですよ」
「まぁ紺ちゃんの言いたい事はわかるよ。GKとDFの連携って
 ことでしょ?でもDFの中心の絵里とよっちゃんは一緒に練習してんだよ」
「そうなんですよね。それに大きな問題が1つ・・・」

「オフサイドか・・・」

その時、つんくから集合の声がかかる。
457 名前:桜娘 投稿日:2006/02/06(月) 02:11

全員が監督の前に集合すると、
「おし、全員集まったな。今日の試合なんやけど20分ハーフを3本で
 するようにお願いしといた。今日の課題はもちろんオフェンスや!
 いつも以上に考えて動けよ。あとDFも関係ないと思うなよ。
 中盤のフォローはもちろん、オーバーラップもどんどんしかけて
 点にからむんやで。わかったか!?」

『ハイッ』

「よしいい返事や。ほな1本目のメンバー発表するで。まずGKは岡田。
 まぁ吉澤がおらんからわかっとるとは思うけど、岡田は3本ともやから、
 この試合でさらにDFとの連携を深めてくれ」

岡田はキーパーグローブをはめながら
「わかりましたぁ〜」
458 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/06(月) 02:25

「次はDFや。スイーパーに安倍、ストッパーに小川や」
安倍と小川が立ち上がると
「安倍はDF全体の指示をする事。小川はセンターバックの動きを
 覚えろ。お前はサイドよりセンターの方があっとるわ」
「わかったべ」
「わっかりました〜」

「ほんでサイドは高橋と田中や。高橋はわかっとると思うけど、
 今日はオーバーラップの回数が多いからの。やからといって
 ディフェンスをおろそかにするなよ」
「わかったやざ」
「田中はオーバーラップのタイミングを間違えるなよ。
 間違えたオーバーラップはただの使えないディフェンダーやからな」
「わかったタイ」

459 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/06(月) 02:37

「次に中盤や。まずは紺野と道重」
「はっ、はいっ!」
「は〜い♪」
「紺野はゲームメイクや。攻撃の軸はお前やからな。しっかりと考えな
 点は取れんからな」
「はい」

「道重は・・・もっと守備意識を持て」
「は〜い♪攻められないように頑張って攻めま〜す♪」
「えっ?!いやっ・・・まぁ頑張ってくれ」

「まぁいい。次はサイドに加護と新垣。新垣はとにかくボールにからむように
 動き回れよ」
「はい」
「加護はボールを持ったら足を止めるな。無駄なフェイントはするんやないで」
「ムダって・・・へ〜いわかりました」
460 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/06(月) 02:48

「最後にFWは松浦と三好。
 松浦はシュートを枠に入れろよ。後はボールを待つんやないでもらいに行け。
 お前は待ちすぎのトコがあるから積極的にもらいにいけよ」
「はぁ〜い♪」
「三好はポストプレーでボールを正確に周りに散らす事。チャンスの時は
 自分でも狙っていけよ」
「わかりました」

「よし!じゃ〜行ってこい!!様子見とかくだらん事すんなよ。
 開始からガンガン攻めてこい」

『ハイッ!』
こうして、最初に選ばれた11人がグランドに入っていく。
461 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/06(月) 03:00

センターサークルで安倍と後藤が握手をする。
「ごっちんよろしく頼むべ、選手権のカリは返させてもらうべさ」
「んあんあ、そんなムリして返さなくてもいいよ」
「いやいや、遠慮することないべさ」
「んあんあ、遠慮はしてないよ」
「またまた〜」
「んあんあ〜」

「安倍さんそろそろ・・・」
「ごっちんもいつまで遊んでるれすか?」
紺野と辻に止められて自軍に連れて行かれる安倍と後藤。

コイントスで東帝ボールのキックオフで試合が開始する。
462 名前:konkon 投稿日:2006/02/07(火) 00:17
いよいよ始まりますね〜。
ごっちんキャワワワワッ!
463 名前:桜娘 投稿日:2006/02/08(水) 00:42

462>>konkon様
ついに始まりま〜ッス
464 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 00:58

高い笛の音と共に東帝のキックオフで試合が始まった。
東帝は自軍でゆっくりとボールを回す。

紺野はそれを見ながら、
・・東帝いつもながらのゆったりスタートですね。カウンターチームである
  このチームのいつものペースです。何とかこのペースを乱さないと・・

ゆっくりとボールを回している東帝に松浦と三好がすぐにチェックに行く。
しかしそういう対応にも慣れている東帝はすぐに開いている選手を見つけては
ボールを回す。そこに加護、新垣、道重も加わって東帝からボールをカットしようとする

465 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 01:21

そこでボールをキープしたのが後藤だった。
その後藤に道重がチェックにきた。

「後藤さ〜ん♪カワイイさゆにボールくださいな♪」
・・んあっ?!シゲさんか〜。シゲさんってこう見えてけっこうな曲者
  なんだよなぁ〜。1年トリオの中では1番厄介な娘なんじゃないかな?
  まぁいい意味でも悪い意味でもだけど・・

道重は勢いよく後藤に突っ込んでいく。後藤は道重の当たりを正面から
受け止めると左手で道重を払いのける。しかし道重はなんとかふんばって
何とかボールを取ろうと足を伸ばす。だが後藤はその足も簡単にかわす。

・・ダメだ。さゆ1人じゃ後藤さんからボールは取れない・・
紺野が道重のフォローに走り出した。
466 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 01:36

しかし後藤は紺野が動くのを待っていたのだった。
紺野が近づいてくるのを気にしながら道重からのチェックを巧みにかわす。
後藤と紺野の距離が後3メートルとのところで、後藤はニヤッと笑って
大きく縦パスを出す。

前線で受け取った東帝FWが一気に攻め込んでくる。
「来るべさ。いいかいマコト。落ち着いて動くんだよ。スイーパーと
 ストッパーの連携をしっかり考えながら」
と、落ち着いて指示を出す安倍に対して、
「はははははは、はひっ・・・りょ、りょうかひでつ・・・」

・・カミカミだべ。大丈夫だべかな?でもこればっかりは慣れてもらう
  しか方法がないんだべさ。ちゃんと乗り越えるんだよ♪マコト・・
467 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 01:50

しかし安倍の思ってた以上に簡単に簡単に抜かれてしまった小川。
それを想定いていた安倍がすぐにフォローにいく。
なんとか東帝FWの足を止めた安倍。そこで東帝FWはボールをヒールで
後ろに流す。

そのボールに走り込んできた辻がそのままダイレクトにシュートをうつ。
凄まじいシュートがゴールに向かっていく。

が、そこまで読んでいた安倍が体を張ってブロックする。
安倍のブロックで弱まったシュートを岡田は楽々とキャッチ。

安倍は嬉しそうに辻を見ると、
「へへっ、そのパターンは昨日見せてもらったべさ」
「さすがなっちれすね。雪壁の厚さは健在れすね」
「もう!その呼び方はやめてよ。なっちはスキじゃないべ!!」
「え〜っ、なっちが点をくれたら呼ばないでやるれす」
「コラ!試合はちゃんとやるんだよ!!」
「は〜い」
468 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 02:12

岡田はボールを田中に渡す。田中はドリブルで上がっていき、加護にボールを渡す。
加護はすぐに紺野へパスをだす。
ボールを受け取った紺野はボールを右サイドに蹴りだす。
そのボールに走り込んできたのは高橋だった。
高橋はボールをトラップするとそのままドリブルで上がっていく。

前から迫ってくる東帝DFをフェイントでかわして前で張っている三好にボールを出した。
しかしその瞬間大きく鳴り響く笛。驚いた高橋は目を大きくしてラインズマンを見ると
高く上げられたフラッグ。

「ありゃ、オフサイドやざ・・・ちゃんとDFは確認したと思っとったのに・・・」
立ち尽くす高橋と亀井の目が合うと亀井はニヤニヤして軽く頭を下げる。

ボールを受け取ろうとした三好も、
・・あれっ?しっかりと確認してたはずなのにな。いつの間にオフサイド
  ポジションに動かされたんだろ・・
三好は首をひねって考える。
469 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 02:25

「クックックッ、いつもながら見事なモンやで」
とうれしそうに話すつんくに中澤は、
「なんでそないにうれしそうですの」
「そんなもん今のプレイに対してに決まっとるやないか!あれほど見事な
 オフサイドはそうそうお目にかかれるもんやないで。のぅ平家よ」

「そうですね。さすがは東帝と言うべきでしょう。今のプレイは亀井1人では
 できませんからね。東帝の連携力があってこそですから」
平家が感心したように話す。

「確かにオフサイドは亀井がおってこそやけど、それをここまでの完成度にしたのは
 日頃のみっちりと考えられた練習によってやろうな」
中澤は鼻で笑うと、
「確かに監督も一見派手に見えてますけど、地味な反復練習が好きですからね」
「当然や。その積み重ねが人を大きく成長させるんやからな」
470 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/08(水) 02:35

つんくはタバコを取り出すと、
「結局はココからやな。あいつらがあのディフェンスにどうやって
 立ち向かって行くかが今日の大きな課題でもあるんやからな」

「姐さんやったらどないします?」
「さぁ?うちはあんま考えてプレイなんかせんからな」
中澤は両手を軽く上げて頭を横に振りながら答える。

「ははっ、さすがファールの鬼らしいお答えですな〜」
「やかましいわ!その名前で呼ぶなや!」
「はいはい」
「あ〜もうえぇから、試合見るで!!」
「はいはい」
「返事は1回や!」
「は〜い」
471 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/08(水) 16:16
更新ご苦労様ですっ!
よっすぃ〜かなりかっけーっす!!
続き楽しみにしています^^
472 名前:初心者 投稿日:2006/02/15(水) 10:34
更新お疲れ様です
さすがのディフェンス(オフサイド)ですね
これをどう崩していくのか、崩せるのか楽しみです
中澤姉さんのニックネームは昔のプレイスタイルかな
次回更新楽しみに待ってます
473 名前:桜娘 投稿日:2006/02/20(月) 01:22

471>>名無飼育様
よっすぃはカッケーッス!
ですのでボケは辻さんたちに任せようと
思ってます

472>>初心者様
さすがは全国覇者のチームです。
崩せるかどうかは・・・
中澤姐さんのプレイスタイルは
想像にお任せします
474 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/20(月) 02:04

しかし亀井はそんな三好をよそにボールをセットすると、すぐにゲームを再開する。
ボールを受け取った辻に加護が肩からチャージをかける。
全力でチャージをかける加護に対して、辻はニヤッと笑うと


「あいぼん、それじゃダメれすよ」
辻は加護をハネ返すとそのままドリブルで上がっていく。
辻に飛ばされて地面に転がった加護に紺野が手を差し出して立ち上がらせる。

「あいぼん大丈夫?」
「あぁ・・・あんがと紺ちゃん。えらい目にあってもうたわぁ〜」
「ふふっ、さすがのんちゃんですね。今の高校生でのんちゃんに当たりに勝てる人が
 いるかどうかぐらいですからね。あの後藤さんでも危ういぐらいだから」

「そりゃ〜持ち上げすぎやないか?」
「いやいや。のんちゃんのボディーバランスは世界レベルって言ってもいいと思うよ」
「ほぉ〜世界レベルね〜・・・。さすが東帝って事かの」
「そんなチームと戦えるっていい経験になるね」
「そうやな。ほな戻ろうや。ピンチやで」
加護と紺野は辻の後ろを追いかけた。
475 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/20(月) 02:19

そのまま上がってきた辻に小川が真正面から突っ込んできた。
お互いに肩をぶつけ合うと少し辻の動きが止まる。
・・マコト・・・経験を積めばいいストッパーになれる素質があるれす。
  でも、今はまだまだれすね♪・・

重心を低くとっていた辻は小川を跳ね飛ばすとそのままペナルティーエリアに突入する。
その直後、真横から高橋がスライディングを仕掛けてきた。
辻は何とか気づいてジャンプで避けたが、そこを安倍に狙われてボールを
カットされると大きくクリアされてしまった。

着地した辻は高橋を見ると、
「やられたれすよ愛ちゃん」
「へへっ、あーしらもそう簡単にやられる訳にはイカンのやって」

このまま一進一退のまま1本目が終了する。
476 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/20(月) 02:35

後藤に辻、吉澤はタオルで顔を拭きながら、
「こうやって対戦すると色々と見えてくるモンだね」
「そうれすね。いいトコ悪いトコ・・・まだまだ改善が必要れす」
「それにしても、さすが東帝だな。DFラインがユースチームより
 安定感があるもんな。亀井がいつもより楽々でやってたぞ」

すると後ろから、
「何ですか?吉澤さん。絵里の事呼びました?」
「あっ?いや別に呼んだ訳じゃないけど・・・」
「亀ちゃんはユースチームと学校のチームじゃどっちがDFやりやすいれすか?」
「おっ、オイ辻!!」
あまりに堂々と質問をする辻に吉澤が焦って止めようとしたが、

「何言ってるんですか〜。どっちも大して変わらないですよ♪」
「そうれすか」
「ほらほら、2本目が始まっちゃいますよ」
楽しそうにグランドに出て行く亀井を見て、

「よしこも亀ちゃんみたいに、難しい事は考えずにもっとサッカーをたのしんだら?」
「そうかもな・・・でもアイツみたいにはなれね〜や」
「んあ!なったらちょっとウザイかもね♪」
「ちょっとかぁ〜?」

後藤と吉澤は亀井と辻の後ろを話しながらグランドに入っていった。
477 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/20(月) 02:51

「どうや紺野?」
ドリンクを飲んでいた紺野の後ろからつんくが話しかける。
「ングッ?!ゲホゲホ・・・かっ、監督!」
「おいおい、チョットは落ち着けや」
「はい・・・」

「で?どうや東帝は」
「はい・・・選手権の時より強い感じがします。特にDFが一段と
 安定感がましている様な気が・・・」
「それは当然や。選手権は連戦の疲れが出てくるからの。決勝まで
 行けばなおさらや。今回はしっかりとコンディションを
 整えてもらっとるからの」

「そうですか・・・」
「紺野。お前は2本目3本目とフル出場してもらうからな」
「えっ?は、はい」
「えぇか、絶対に途中退場は許さんからな。そこを考えながら2本目
 プレイするんやな。そのかわりちょっとでも手を抜いたプレイをしたら
 ペナルティーを与えるからな」
「はっ、はい!」

「まぁ難しい顔をすんなや。いつものオマエのプレイをしよったら問題ないんやからな。
 要は東帝の攻略を見つけれるかどうかってとこやからな」
「わかりました」
478 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/20(月) 03:01

「よし、えぇ返事や」
つんくは全員の方を向くと、
「ほな2本目のメンバーを発表するで。GKは1本目と同じく岡田」
「はい」
「1本目と同じようにやっててくれや」
「はぁ〜い」

「次にDF.スイーパーに美海。ストッパーは小川。お前ら2人の課題は
 連携や。しっかりと声を掛け合ってポジションやマークの確認をする事」
「「はい」」
「小川は動きを覚えろよ」
「はい」

「サイドは石川と田中や。石川は言わんでもわかっとると思うけど、
 オーバーラップや」
「はい」
「田中はもっと慣れろ。闇雲に動いても意味ないで。もっと考えて行動を
 とれ」
「わかったっちゃ」
479 名前:合宿スタート 投稿日:2006/02/20(月) 03:09

「次はボランチにアヤカ。全体的なフォローを頼むわ」
「OKです」

「サイドハーフは藤本と柴田や。藤本は足を止めんなよ。後はアーリーも
 やってくんやで。柴田はチャンスがあったらドンドン打っていって
 えぇからな」
「は〜い」
「わかりました」

「センターは紺野や。さっきも言った通りしっかりとプレイするんやで」
「はい」

「最後に2トップは里田と矢口。里田は空中戦で優先権をとるんや。
 矢口はその後の詰めをしっかりな」
「了解で〜す」
「はい、わかりました」

「ほな行ってこ〜い!」

『はい』
480 名前:合宿スタート 投稿日:2006/03/01(水) 01:13

全日本ユースチームのキックオフで2本目が開始する。
矢口は里田から受けとったボールを紺野に下げる。
紺野はボールをキープして全体を見ながら、
・・さて、いったいどうしたらいいんだろっ。いつも通りにプレーをしながら
  結果を出す・・・・それはムチャですよ監督・・

紺野は考えながらもチェックに来た東帝FWを簡単にかわすととりあえず藤本にボールを回す。
藤本はボールをトラップすると早速ボールを中に蹴りこんだ。

「!!アーリー??完成してたの?」
亀井は驚きながらも走り込んできた里田に対して飛び上がる。
さすがに空中戦では里田に分があるが、そこは亀井も考えて体をうまくいれる。

・・さすが亀ちゃん。これじゃさわんのが精一杯だよ・・・。でもさわることができるなら・・
里田は矢口のポジションを確認するとヘッドでボールを落とす。
そのボールに走り込んできた矢口。

しかしその隣には後藤がついて走る。
矢口はかまわずそのままシュートを打とうとすると、後藤は矢口の左側からチャージをかけた。
右足でシュートを打とうとした矢口は左側からのチャージに耐える事ができずに
簡単にバランスを崩してしまった。
481 名前:合宿スタート 投稿日:2006/03/01(水) 01:39

ボールはそのまま転がって吉澤が簡単に拾う。そしてすぐに中盤にボールを回した。
後藤は矢口を引き起こすと、
「へへっ♪ごとーの勝ちだね」
「うっせー!まだ始まったばかりじゃん」
「やぐっつぁんもしっかりアピールしないとね」
「じゃぁ点くれっ!」
「だってさ!」

後藤は吉澤をチラッと見ると、
「ヤグチさ〜ん。そればっかりはチョット聞けないッスよ〜」
「チェッ。いいよ実力で取るからさ」
「ウチからゴールを破るのを期待してますよ。ヤグチさん」
「へん!その自信をへし折ってやるからなぁ〜!」

そう言って矢口は戻っていった。
「んあ〜、と言う訳でしっかり守ってね♪」
「へ〜い。んじゃ、その前の守りもヨロシクな」
「んぁ〜い」
482 名前:合宿スタート 投稿日:2006/03/01(水) 01:55

東帝MFがボールをつないで攻めあがる。
中澤はそれを見ながら、
「さすがに全国優勝校だけあって後藤たち以外も全日本チームに劣らんなぁ〜。
 そう思わん?みっちゃん」
「そうですな〜。選手権の決勝よりレベルの高い試合になってますからねぇ〜」

すると「アイツらを底上げするのがお前らの仕事やで!」
とつんくが言うと、
「へ〜い、がんばってなみっちゃん」
「姐さんもでっせ・・・」
「わかっとるわ」
中澤は返事をすると試合に目を向ける。


483 名前:合宿スタート 投稿日:2006/03/01(水) 02:15

ゆったりとボールを回す東帝に対して、矢口・里田・藤本・柴田が
各自チェックにいく。
しかしそこは全国優勝校。うまくかわしながらボールを回していく。
「クソッ!次から次へと回しやがってよ!!」
藤本も東帝の選手を睨みつけて文句を口に出しながらボールを追いかける。

・・ここだ!!・・
冷静に外から見ていた紺野がボールをカットした。
紺野はそのままドリブルで上がって行く。

「紺ちゃん行かせないれすよ」
辻は紺野のドリブルを止めるがボールは紺野がキープしたまま。
ボールをカットするため次々に足を出す辻。しかしそれを紺野はなんとか避ける。
・・さすがのんちゃん。1対1ではかなりの強さを発揮してますね。このままでは・・
484 名前:合宿スタート 投稿日:2006/03/01(水) 02:24

その時、
「紺ちゃん後ろ!」
紺野はその声にすぐに反応し、ボールを後ろに流す。

ボールを受け取ったのは柴田だった。
柴田はボールをもらうとドリブルで辻と紺野に近づいてきた。
紺野は柴田の意図を察知するとすぐに前線に走り出す。

辻は少し躊躇したが柴田のチェックに向かう。
柴田は辻が近づいてくる距離を測りながらあと1歩っと言うところで
ボールを浮かして前線に送る。
ボールは辻の上を越えるときれいに紺野に渡った。

485 名前:合宿スタート 投稿日:2006/03/01(水) 02:50

紺野の正面に立ちはだかる亀井。
そのままドリブルで進んでいく紺野。
紺野は亀井の前まで進んでくるとそのまま回転する。

「んあっ出た。マルセイユルーレット・・・」
後藤が呟くのと同時に紺野が緩やかに亀井を抜きさる。
亀井を抜いて吉澤と1対1になると思いきや、紺野の足元に吉澤が
滑り込んできてボールを奪い取った。
そこで2本目終了の笛。

吉澤はボールを取ったまま立ち上がると、
「紺野、残念だったな。GKはいろいろな場合を想定してるもんなんだよ」
しかし紺野はニコッと笑うと、
「いえ、しかし私もやられっぱなしって訳にはいかないので・・・
 3本目はちょっと仕掛けさせてもらいますよ」
そして自分のベンチに下がっていった。

吉澤はそのまま紺野を見送ると、後藤に近づき、
「3本目はもっと気を引き締めないといけないかもな・・・。
 紺野がヤル気マンマンだったぞ」
「んぁ・・・昨日の二の舞はコリゴリだからねぇ〜。じーつーと
 亀ちゃんにも伝えときましょ〜」

2人も東帝ベンチに戻っていった。
486 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/15(水) 03:10
待ってます
487 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/03/30(木) 23:22
まだまだ待ってます
488 名前:桜娘 投稿日:2006/04/05(水) 06:29

486>>名無飼育さん

487>>名無飼育さん


お待たせしてすいませんです
489 名前:合宿スタート 投稿日:2006/04/05(水) 06:36

東帝ベンチでは、
「おい亀井。紺野がかなりヤル気マンマンになってたからDFしっかりな!」
「あっ、はい。わかりました吉澤さん」と素直に従う亀井。
「うちらも昨日の二の舞になる訳にはいかね〜からさ」

すると後ろにいた辻が、「ごっちん二の舞ってなんれすか?」
「ジーツーは何だと思ってんの?」
「え〜っと・・・一の舞と二の舞・・・・・扇的な物を数えてるれすか?」
「んぁ・・・それでいいんじゃない」
490 名前:合宿スタート 投稿日:2006/04/05(水) 06:47

全日本ベンチ
「どうや?紺野」つんくは戻ってきた紺野にすかさず問いかけた。
「そうですね。少し見えたかもしれません。3本目は・・・」と言いかけたところで、
「3本目の前線のフォーメーションはお前に決めさせたるわ」とつんくが小声で言うと、
「ありがとうございます。それでは・・・」


「よ〜し全員集まったの。ほな3本目のメンバーを発表するで。
 まずはGKは岡田。」
「は〜い」
「最後まで気を抜かん事や。特に後藤、辻のロング・ミドルシュートには
 気をつけとけよ!」
「わかりましたぁ〜」
491 名前:合宿スタート 投稿日:2006/04/05(水) 07:02

「次はDFやな。スイーパーは安倍、お前や」
「・・・はい」
「安倍は自分の限界を決めつけるな。お前はまだまだできるんやで!」
「わかったべさ」

「次はライトに高橋」
「はい」
「お前はオーバーラップするのはえぇけど、その時の前線との連携を
 もう少し考えるんや」
「わかったやが」

「ほんでレフトに石川」
「は〜い」
「お前も前線との連携を考えてプレイせいよ」
「は〜い、わかりましたぁ〜」
492 名前:合宿スタート 投稿日:2006/04/05(水) 07:11

「次は中盤やな。ボランチは柴田、お前にやってもらう」
「えっ?!私ですか?」
「そうや、お前や。DFとのつなぎはお前がするんやで」
「はぁ・・・」
「返事は?」
「はいっ!!」

「よし。ほんでライトは藤本」
「はい」
「お前はアーリーの精度や。ただ上げるだけやったらあかんで!
 しっかり考えて上げろよ」
「は〜い、わかりました」

「レフトに加護」
「へ〜い」
「お前は外だけでなく、もっと中にも切れ込んで行け」
「了解で〜す」
493 名前:合宿スタート 投稿日:2006/04/05(水) 07:20

「次にトップ下に2枚。まずは道重」
「はぁ〜い♪」
「・・・お前は自由にしてくれ」
「はぁい。任せて下さい♪」
「・・・・・・・」

「後は紺野、お前や」
「・・・・はい」
「任せたで!」
「わかりました」

「FWは里田と三好」
「はい」
「はっ、はい」
「お前らは空中の優先権を必ず取る事!わかったか?」
『はいっ』

「よし。じゃ〜行ってこい!」
『はい』
494 名前:合宿スタート 投稿日:2006/04/05(水) 07:30

選手を送り出したつんくに中澤が近より、
「それにしても大それた事しましたなぁ〜。全ポジションを紺野に決めさせる
 とは、うちが監督やったら恐ろしくてできませんわ」

「まぁ〜俺が考えとったのとほとんどかわらんからな」
「でもちょっとは違った訳なんですよね?」
「まぁな。でも大体が想定内やったんやが・・・」
途中で言葉を止めたつんくに中澤が、

「・・・ボランチですか?」
「そうや。なぜあそこが柴田なのが俺にはよくわからん。お前にはわかるか?中澤」
中澤は両手を軽く上げると「さぁ?うちは頭悪いですからね・・・
 でもこの試合を見てたら答えがわかるんとちゃいますか?」
「そうやな。ここは全日本のゲームメイクを見せてもらおうやないか」
そう言うとつんくは腕を組むと、再びグランドに目を向けた。
495 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/27(木) 00:32
待ってます
496 名前:桜娘 投稿日:2006/05/04(木) 00:26

495>>名無飼育さん
いつもいつも待たせてしましまして
申し訳ございませんです
497 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/04(木) 00:46

東帝のキックオフで3本目が開始した。
東帝はいつも通り自軍でボールを回しながら相手の様子をうかがう。

そうの姿を見ながら紺野は、
・・どんなときでも自分たちのペースを崩さずにゲームを進めていく。
  これも王者東帝の強さ1つなのでしょう。でも3本目は・・
「さゆちょっと来て!」
道重は紺野に近づいて耳元で指示をもらうと喜んで東帝陣内へ上がっていった。

・・んあっ??あっちの3本目のフォーメーション、どうなってんの?
  3バックなのにちょー攻撃的な前線。その上ボランチに柴ちゃん?
  ん〜まぁ、なんとかなるかな。じーつーには言わなくてもいいかや。
  ど〜せ考えてプレイするタイプじゃないしね♪・・

498 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/04(木) 01:05

里田・三好が東帝にプレッシャーをかけにいくが、
東帝のメンバーもさすがは優勝校で簡単にボールを回してゆっくりと
攻めあがってくる。

「藤本さんチェックお願いします」
紺野は藤本に指示を出すと自分もパスコースをつぶしに動く。
パスコースをつぶされた東帝のMFはボールを後ろに下げて後藤に
ボールを託す。

その後藤に里田と三好がすかさずチェック。
2人とも長い足を伸ばしてボールに迫ってくる。
・・んあ、さすがにこの2人相手にキープは難しいな・・

後藤はヒールでさらにボールを後ろに流すと、ダッシュで前線に向かっていく。
そのボールを辻がダイレクトで前線に送った。
499 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/04(木) 01:20

辻が出したボールに東帝FWと安倍が同時に飛び上がる。
そのボールを競り勝ったのは東帝FWだった。
ボールを後ろに落とすとそのボールに走り込んでくる後藤の姿。
そのままダイレクトでシュート。と

その時、後藤の前からボールが消える。
「んぁっ?!」

そのボールを横からカットしたのは柴田だった。
柴田はすぐにボールを紺野に回す。
ボールを受けとった紺野に、すぐさま横からチェックをいれる辻。
紺野は何とかバランスを保ちながら、ボールを左サイドに出した。

500 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/04(木) 01:43

加護はボールをトラップするとペナルティーエリアに向かってドリブルで進んでいく。
加護の前には東帝DF。前線には里田と三好。しかし加護はボールを右後ろにまわした。

そのボールを受けとったのは道重。
道重の前には亀井のみ。しかし道重は臆する事無く亀井に突っ込んでいく。

・・行かせないよ、さゆ・・
正面から立ち向かう亀井に対し道重はニコッと笑うと、
亀井に対して背を向ける。
その行動を不思議に思ったが、亀井はそのまま道重の背中から
プレッシャーをかけた。
501 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/04(木) 02:12

亀井のプレスを受けた道重は両手でバランスを取りながら
さらに反転してプレスにきていた亀井を跳ね飛ばした。

驚いてしりもちををついている亀井の横を鼻歌交じりで進んでいく
道重の前には吉澤ただ1人。

「今度こそ頂きますね。うふっ♪」
その吉澤にもドリブルで突っ込んでいく道重。
・・ざけやがって!・・
吉澤も笑顔の道重に突っ込んでいく。

タイミングよく滑り込んできた吉澤に対して道重は踏み込んで全力でシュート。
突然のシュートに驚いた吉澤は何とかボールを弾いたが、
そのボールをさらに道重が頭で押し込み、ゴールネットを揺らした。
502 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/04(木) 02:38

「やったぁ〜。紺野さぁ〜ん、さゆやりましたよぉ〜♪」
と紺野に向かって走り出そうとした時、チラッと吉澤を見て、
「吉澤さん。さゆが可愛いからしかたない事なんです。気にしないで下さいね♪」
そう言って紺野に向かって走っていき抱きついて大喜びしていた。

吉澤はゴールに転がったボールを拾うと戻ってきた後藤にボールを渡して、
「はぁ〜・・・あの距離じゃ、シゲさんのシュートはキャッチできねぇ〜っての」
「んあんあ、怪我がないだけでもいい方だよ。逆に問題は・・・」
後藤の言葉に2人は辻から引っぱり起こされている亀井を見る。

「ウエイト(重さ)の差はしょうがねぇからなぁ〜。トータル的には亀井の方が上なんだけど
 シゲさんは辻ほどじゃないけど当たりが強いからな」
「まぁ亀ちゃんもジュニア大会や全国大会でかなりの猛者と戦ってきたけど、
 今のは1番効率のいいやり方だね。あとに引かなきゃいいんだけど・・・」

「まぁ大丈夫だろ、それよりまずは同点に追いついてもらわないと、
 うちが凹んじゃいますよ〜」
「んぁ〜よしこは大丈夫!タイプ的にはジーツーだからさ」
「それはどういう事ですかい?後藤君!」
「おっと、とりあえずは同点同点♪」

後藤は、ははっと笑いながら敵陣で喜んでいる紺野を見ると、
・・やってくれたね紺ちゃん、このお返しはどうにかしないとね〜・・ 
503 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/07(日) 00:44
おもろいです。
504 名前:桜娘 投稿日:2006/05/08(月) 01:39

503>>名無飼育さん
とてもうれしいお言葉アリガトウゴザイマス
なかなか進める事ができませんが
なるべくいいペースで進めれるように
がんばりたいと思います
505 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 01:52

東帝キックオフで試合を再開する。
1点ビハインドの東帝だがいつも通りにゆっくりとパスを回して
様子をうかがっている。
ボールが辻に渡った時に加護が一気につめてきた。

「おい、のん!ゆったり回しとっても点は取れへんで。
 攻める気がないんやったら、うちにそのボールくれや!」
と辻のボール目がけてスライディング。

しかし、意気揚々の加護に対していつもと違って落ち着いている辻は、
「そんな調子では、来年も選手権は東帝がイタダキれすよ、あいぼん♪」
辻は軽く加護をかわすとスピードに乗ったドリブルで
全日本ユース陣内に上がっていく。
506 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 02:17

すぐに紺野がチェックに行くが、辻は素早く右サイドに開いていた
味方にボールを渡した。
ボールを受け取った東帝MFはうまく石川を抜き去ると攻めあがっている
味方を確認してセンタリングを上げる。
飛び上がる安倍と東帝FW。
しかし、ここは安倍が競り勝ちヘッドでボールをクリアする。

だがそのクリアボールは辻に拾われてしまう。
その辻に背後から迫ってくる藤本。
すぐに危険を察知した辻は今度はボールを左に回す。

ボールを受け取った東帝MFだが高橋が近づくと、
辻にボールを戻した。
・・ペナルティーエリア外だけど辻ちゃんならここからでも充分狙える距離だべ・・
安倍がシュートコースをつぶしながら辻の前に立ちはだかる。

507 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 02:27

しかし辻は、そんな安倍にお構いなしに右足を踏み込みダイレクトで
シュートしようと左足を振り上げた。
辻のシュート力を知っている安倍。もちろん左右関係なく凄まじい
破壊力。少々ビビリながらも必死にシュートコースを押さえる。

しかし、いつまでたっても振り下ろされない辻の左足。ボールはそのまま
辻の右足にあたって後ろに転がっていく。
そこに走り込んできたのは後藤だった。
そのままシュートを打とうとした時に、またもや視界からボールが消える。

そのボールをカットしたのは、柴田だった。
柴田はすぐにボールを紺野に渡すとゆっくりと前線に向かった。

508 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 02:40

辻・後藤の得点パターンを阻止し、その上2人のいない東帝陣内への
カウンター。
亀井はもちろんの事、吉澤も内心驚きを隠せないでいた。しかし、

「おい亀、とりあえずDFラインをしっかり引け!ここでしっかり守って
 前線から必死に戻ってくる2人を待つんだ。時間を稼げば必ず守りきれる
 んだからな。わかったな!!」

「はい。わかりました」
しっかりと返事をする亀井の後ろ姿を見ながら、
・・ホント大した1年だよコイツは・・・この状況で守りきれる自信なんか
  全然ねぇっつ〜の!でもDFに自信なく守られても困りもんだしな。
  とりあえずは、あの2人が戻ってくるまで頑張ってみますかね・・

吉澤はグローブをパンパンを叩いて気合を入れると、全日本ユースの前線の
ポジションを確認する。
509 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 03:03

・・亀の前にまいちんと三好ちゃんか、それにペナルティーエリアギリギリの
  左右にみきてぃとあいぼんか。でっ、1番の問題児はっと・・・・いた!
  何でドリブルしている紺野の前をウロチョロしてんだよ?ジャマクセーな。
  この形は・・・午前中に練習したやつだな。とにかくフィニッシャーを
  見極めないとな・・
吉澤はいつでも素早く動けるようにゆったりと構える。

紺野がドリブルで攻め上がってきて、ペナルティーエリア10m前くらいを過ぎた時に
里田・三好・藤本・加護が一斉に動き出した。
・・きた!・・
吉澤は持ち前の広い視野で4人の動きを把握する。

紺野を中心に里田と三好が亀井の前を交差してエリア内に入り込んでくる。
藤本と加護は左右から里田と三好目がけて切り込んでくる。
当然、4人とも亀井のオフサイドには細心の注意を払ってである。

・・時間を稼ぐためにもここは闇雲にラインを上げる訳にはいかない。
  とにかく紺野さんの次の行動を読まないと!
  それにしても・・・さゆジャマだなぁ〜。紺野さんもちょっと
  困った顔でドリブルしてるじゃん・・
と亀井の考えを読んでいたのか次の瞬間、紺野は簡単にボールを
道重に渡した。


510 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 03:16

『えっ?!』
吉澤と亀井は同時に声をあげる。

・・ここでシゲさんに渡すのかよ。まぁ練習通りには来ないって訳か・・

・・さゆ?どうしよう?これ以上さゆにやられる
  訳にはいかない。絵里が、絵里が何とかしないと・・

亀井はさっきの件もあってか道重の動きに集中する。
道重は亀井の前まで来ると、さっきと同じく亀井に背を
向けるように反転した。

亀井は道重の次の行動に注意してしっかりと構えていると、
道重はそのまま真横にボールを出した。
そのボールはピタリと紺野の足元へ渡り、そしてすぐに右足を振り切った。

511 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 03:28

吉澤と紺野の間には亀井・里田・三好・藤本・加護・道重と6人の
選手が入り混じっている。
・・チッ、クソッジャマクセーな!全然見えねっての!!・・
と思っていると、突然里田を越えるようにしてボールが飛んできた。

「うおっ?!きやがった・・」
紺野のシュートはきれいにゴール右スミに飛んでくる。
里田のブラインドでスタートの送れた吉澤は必死に飛びつくが、
ボールはゴールポストの内側に当たって、そのままネットを揺らした。

両手を上げて喜ぶ紺野に、里田・三好・藤本・加護・道重が駆け寄り
抱きついて喜んでいる。
必死に戻ってきた後藤と辻だが、結局間に合わなかった。

512 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 03:53

後藤は吉澤に手を差し伸べて引っぱり起こすと、
「柴ちゃんにここまでやられるとはね・・・これだからサッカーは
 おもしろいよね」
「まぁ〜な。でもここまできれいにやられるとけっこうショックと言うか
 なんと言うか・・・」
「でも、まだまだ時間はあるからね。試合はココからだよ」
「頼むぜごっちん。うちもこれ以上このネットは揺らさせないよ!」
「んあんあ。任せてちょ」

一方、二度も道重にしてやられた亀井はすっかり落ち込んでいた。
しかし、その亀井の前に立ちはだかったのは辻だった。
「コラ絵里!」
「はっ、はい!」
さすがに体育会系だけあって、真剣な辻の声に背筋を伸ばして辻を見る亀井。

「何をしょんぼりしてるれすか?まだ試合中れすよ。ヤル気ないなら
 もう帰るれす。こっからなら家も近いれすしね。それにそんな調子では、
 来年はスタメン落ち確定れすね」
「そっそんな・・・嫌です!絵里はまだやれます!!」
亀井の言葉に辻はニコッと笑うと、
「それでこそ、東帝サッカー部の一員れす。まだまだこっから挽回するれすよ。
 亀ちゃんもしっかり守るってのんかごっちんにボールをつなぐれす」
「うへへへ、わかりました。絵里がしっかりと辻さんにボールを回しますよ」
「うぇ。また変な笑いがでたれす・・・その調子なら大丈夫そうれすね」
辻はそう言うと満足そうに自分のポジションに戻っていった。

513 名前:合宿スタート 投稿日:2006/05/08(月) 04:27

「なるほどな・・・紺野の奴め目の付け所が違うの〜・・・」
ボソッとつぶやいたつんくに、中澤が、
「何かわかったんですか?」
「あぁ。柴田のボランチや」
「謎が解けたんですか?」
中澤と平家がジッとつんくを見ると、

「まぁそんな難しい事でもなかったわ。柴田と言えば安定した攻撃力と
 守備力を兼ね備えたプレイヤーと思われがちやが、1番の持ち味は何か
 わかるか?」
つんくの問いかけに中澤と平家は同時に首を横に振る。

「そうやな、まぁ簡単に言えばマンマークが巧いんや。しかも自分の存在を
 うまく消しとるもんやから、しっかりとボールをカットする事ができるんや。
 そのポジションをうまく生かせたのがボランチやったって事なんや」

「ほぉ〜、なるほどねぇ〜。だからあの後藤にも気づかれずに2度も簡単に
 ボールをカットできたって事ですか」
と中澤がうなずきながら言うと、平家も、
「普段は辻・後藤と強力なダブルボランチがいるからなかなかそのポジションを
 やる事がなかったですからね」

「たぶん紺野の事やから前から柴田の事は気づいとったはずや。
 やが後藤・辻がおる以上なかなか言い出す機会がなかったんやろ。
 まぁ柴田にとっては1番いいアピールになったんやないか?
 まったくいろいろと見せてくれるもんやで」
と笑いながら喜んでいる選手を見つめていた。
514 名前:名無飼育 投稿日:2006/06/01(木) 21:21
面白いです
続き読みたいのでお願いします
515 名前:桜娘 投稿日:2006/06/05(月) 00:31

514>>名無飼育さん
ありがとうございます
更新はかなり遅いのですが
これからも頑張っていきますので
よろしくです
516 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/05(月) 00:54

「ごっちん・・・」
自分のポジションについた後藤に辻が後ろから話しかける
「んぁ?ど〜したジーツー」
辻は真剣な眼で後藤の眼をを見つめると、
「ごっちん・・なんでれすか?」
「んあ?なにが??」

「ごっちんは本気でやってないれす」
「んぁっ!?そんな事ないよ。ゴトーはいつだって本気だよ」
と言う後藤に対して横に首を振る辻。そして、
「選手権の決勝の時の方がもっと、えっと、何て言うか・・・」
そこまで言って口を半開きで考える辻。

「!!そうれす!野性的にプレーをしてたれす」
「野性的?ライオンとか虎とかかな?」
「肉食れすか・・・」
「んじゃ、しまうまとかでいいのかな?」
「別にどっちでもいいれす。とにかくもっとガムシャラにプレーを
 してたれす。こんなにまとまりすぎたプレーはごっちんらしくないれす」

そういうと辻は自分のポジションに戻っていった。
517 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/05(月) 01:24

「んあ〜選手権決勝ねぇ〜・・・ゴトーそんな動物的な動きしてたかな?」
そう考えているうちに東帝キックオフで試合が再開した。
辻が前線のフォローに向かったため後藤は中盤で待機する。

後藤がセンターサークルで選手権決勝の事を考えていると、
「後藤さんどうかしましたか?」
考えにふけている後藤に気づいた紺野が話しかけた。
「んっんぁ?紺野か・・・・・そうだ!ねぇ紺野、選手権のさ決勝の時さ
 後藤どんなんだった?」

「・・・?どういう事ですか?」
「んあ、ゴトーがどんなプレーをしてたって事」
「決勝の時の後藤さんのプレーですか、そうですね〜・・・
 なんというか野性的なプレーをしてましたよ」
「んあ〜やっぱライオンかな?」
「ん?どういう事ですか?」
「んあっ、こっちの話。って言うかゴトーってそんな動物的な動きをしてたかな?」

「え〜っと確かに動きも動物的な感じもしますが、それよりもカンというか
 察知力というか・・・とにかくそういうところが鋭くなっていて
 私はすっかり抑えられてしまいました」
518 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/05(月) 01:42

「察知力ねぇ〜・・・」
「そうですね、それは守備だけでなく攻撃でも発揮されてましたよ」
「ふ〜ん・・・じゃぁ今のゴトーにそれは発揮されてないって事なのかな・・・」
「えっ?・・・こんな事私が言うのは本当に失礼かもしれませんが、
 あの時の後藤さんと比べますと確かに察知レベルは下がってるように見えます」

「そっかぁ〜・・・じゃぁ紺ちゃん」
「はい?」
「どうしたらその時のゴトーを出す事ができるかな?」
「ん〜どうですかね・・・やはり後藤さんの場合は集中力の問題ですからね。
 あの時は連戦による連戦で疲れが溜まってましたからね。その分後藤さんも
 集中してサッカーができたのではないでしょうか」
「んぁ〜集中力か〜」

と話してるうちに高橋が東帝FWからボールを奪ってドリブルで上がってきた。
「んあ!!ありがと紺野。いい話が聞けたよ」
後藤は手を上げて礼をいうとすぐにペナルティーエリア前まで戻り守備を固めた。
高橋は東帝MFを簡単に抜き去るとすぐに里田へクロスボールを上げた。

しかしそこで鳴り響く笛と高く上げられたフラッグ。
亀井のオフサイドトラップだった。
「あら〜亀子のオフサイド、すっかり忘れとったわ〜」
と呟きながら急いで後ろに下がる高橋。
519 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/05(月) 02:19

結局試合は最後までグランドのスミからスミまで走り回った辻が
なんとか1点をもぎ取ったが結果は2−1のまま全日本ユースの勝利で
終わった。

試合終了後全員はつんくの前に集合する。
「みんなご苦労やったな、なかなかいい試合を見せてもらったで。
 後はちゃんとクールダウンしとけよ。ほな俺はあっちの監督さんに
 挨拶してくるから、後は頼んだで」
つんくは隣にいた平家に頼むと東帝ベンチに向かい、監督同士で話をしていた。

全員は準備を終わらすとバスで合宿所に戻っていった。
合宿所に戻ると夕食をすませて各自自由に過ごす。

食堂でジュースを飲みながら、
「ねぇよしこ〜」
「んっ?ど〜したごっちん」
「よしこってGKじゃん」
「うん」

「GKってさ集中力スゴイじゃん」
「まぁね、いつボールが来てもいいようにしとかないといけないからね。
 そんなに気を抜く事はできないね」
「じゃあさ〜集中力ってどうやって鍛えるの?」
「鍛える?鍛えるってどういう事?」
「集中力を持続できるようになりたいんだ」
「あ〜そういう事、確かにごっちんは集中力がないからね」
520 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/05(月) 02:38

「そんなことはゴトー自身が1番自覚してるよ。
 それより集中力ってどうやって高めるの?」
吉澤は両手を軽く上に上げると、
「さぁ?」と首を横に振る。
「そっかぁ〜・・・」と考え込む後藤に吉澤が、

「どうしたの突然、そんな事言い出しちゃってさ」
「実はさ〜・・・・」
後藤は辻と紺野に言われた事を吉澤に話した。
「あぁ〜なるほどね。確かに決勝のごっちんはすごかったもんな〜。
 確かに疲れが溜まると逆に神経が研ぎ澄まされたりする事が
 あるんだよな〜。なんなんだろあれっ?ランナーズハイみたいなもの
 なのかな?」

「ランナーズハイ?中ハイの種類にありそうだね」
「ハイってついてるだけじゃん。そうじゃなくて、マラソンとか長距離選手が
 走ってると途中で疲れを感じなくなるみたいな事があるって事を聞いた
 ような聞いてないような・・・」

「んあ〜あいまいだねぇ〜」
「うちも詳しい訳じゃないからね」
「じゃぁゴトーも疲れれば集中力がますのかな?」
「でもただ疲れればいいって訳じゃないよ、選手権のような試合の連戦
 って感じの疲れ方がいいんじゃない?やっぱ毎試合勝ちにこだわったんでしょ?」
521 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/05(月) 02:45

「まぁね。最後の大会だしさ、それに一応キャップでもあったからね」
「まぁうちらではそんなわかんないからさ、チームDrの保田さんにでも
 話を聞いてみれば?」

後藤は立ち上がると、
「そうだね。じゃ行ってみようよ」
「行ってみようって、うちも一緒に行くみたいだね」
「当然!」
そういって後藤はすでに食堂の出入り口に向かっていた。
吉澤は軽くため息をついて立ち上がると、後藤の後に続いた。

522 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/06(火) 21:38

一方、自動販売機の前では、
「なぁ、愛ちゃん」
「なんやのあいぼん」

加護はチビッとお茶を飲むと、
「1対1の競り合いでど〜も当たり負けするんやけど、
 もっと重心を落とさなアカンのかな?」
「うーん、それだけとも言い切れんのやけどな・・・・
 例えば肩の入れ方であったり、足の広げ方であったりと、
 その時その時の状況によっても変わってくるんやよ」
「そっかぁ〜」

とその時、「今日ののんちゃんとの当たり負けを気にしてるのですか?」
加護と高橋が声のした方を見ると紺野が立っていた。
「おーあさ美やないか、どーした?」
「なんやあさ美ちゃんか・・・」

「ちょっと冷たいですね。なんやはないじゃないですかあいぼん」
紺野は笑顔で呟くと自動販売機の前まで行ってジュースを買い
2人の隣に腰をかけた。
523 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/06(火) 22:23

そして少し飲むと、
「試合中にも言ったと思いますが、のんちゃんのボディーバランスは
 ワールドクラス級です。よっぽどタイミングを計らないと当たり負けるのは
 当然の事と思うよ。それはあいぼんだけでなく、この合宿のメンバー誰もが
 きずいている事だよ。あの後藤さんでさえもね」

「後藤さんもかいな?!」驚きを隠せない加護は危なくジュースをこぼしそうになる。
しかし高橋は当然という顔をして「そうそう、やから状況によって当たり方を変えるって事やが。
 やけあーしだってのんちゃんにでも当たり勝つ時もあるんよ」

「ほ〜ん。当たり方の〜・・・」
「そうだね。あいぼんはもっと当たり方に工夫をするといいかもしれないね」
紺野はそういうとチビチビとジュースを飲みだした。
「工夫な〜・・・・・でもそんなもん考えながら試合なんかできへんで」
「そこはあいぼん、体でおぼえるんやざ」
「はぁ〜、またトレーニングせなアカン事がふえても〜たわ」
「ファイトあいぼん。私たちでよければ手伝いますよ。ねっ愛ちゃん」
「おう、いつでも相手になるで」

しかし加護は横に首を振ると、「えぇよ愛ちゃんは藤本さんであったり
 紺ちゃんは吉澤さんと自主トレやっとるやろ。それにうちには当の本人に
 相手になってもらえるからの」
そう言って加護は一気にお茶を飲み干すと、「おしっ!ほなそろそろ部屋に戻るかの」
3人はゆったりと部屋に戻って行った。
524 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/06(火) 22:54

第2ルーム
田中は石川に会いにきていた。
「石川さんオーバーラップのコツを教えてほしいとです」
「コツって言われてもね〜・・・じゃあ逆に聞くけどさ、れいなは
 オーバーラップする時ってどんな時なの?」
「えっ?!れいなの場合?やっぱチャンスの時やないかと・・・・」

石川は腕を組んで田中の話しを聞き終えると、
「そういうのってけっこうあやふやにならない?それにタイミングが
 合わなかったりするしさ、それにれいなって試合前とかに中盤の人とかと
 話とかしてる?」

「はなし・・・ですか?」何の事か解からない田中は首を傾ける。
「やっぱりね。そういうのはやっぱり話しておいた方がいいよ。
 自分の上がるスペースをしっかり伝えておく事は大切だからね」
「そっか〜そう言われるとそういうのって大切な事ですね」

525 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/06(火) 23:11

「あとは上がるタイミングなんだけどさ、何でもいいから基準を
 決めといたらいい目安にになるかもね」
「基準ですか?石川さんはそんなんあるんですか?」
「ん〜そうね。いろいろあるんだけど、やっぱりその時その時の状況が
 あるからさ、例えば逆サイドの愛ちゃんが上がってる時はそんなに上がる事は
 できないでしょ。でも、その時ごっちんが中盤に下がっていたとなると、
 愛ちゃんが上がっていても、私が上がったりもするんだよ。わかる?」

「う〜ん・・・難しいです。そういうのって応用みたいな感じじゃないですか、
 もっと基本的な事はないですか?」
「そ〜ねぇ〜、それなら基準を1つ決めてみたら?例えば紺ちゃんが中盤で
 ボールキープした時に一気に前線に上がるとかさ」

「紺野さんですか?」
「そう、紺ちゃんなら視野が広いから絶対見逃す事はないしさ」
「なるほど」
「あとはやっぱ経験だよ。タイミングはその状況でおぼえないとね。
 いくら試合に出てなくても見てるだけで全然勉強になるしね」

「そっかぁ、わかりました。ありがとうございました」
田中は大きく頭を下げて礼を言うと、「失礼しま〜す」
と元気よく部屋から出て行った。

526 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/06(火) 23:29

「講習お疲れ様」
出て行った田中を見送る石川に後ろから声をかける柴田。
「もう柴ちゃんたら、そんな講習なんてたいそうなものじゃないよ」
「すごいね。あたしたちが1年の時とかあんな勉強熱心じゃなかったよね」
「そうだよね、それに先輩にあんな積極的に話を聞きに行くなんてできなかったよね」

柴田は田中の出て行った扉をみて、
「あぁいう娘が3年になったらチームの中心になりそうだよね」
「そうだね。でもそのチームにはさゆと絵里もいるんだよね」
「うわぁ〜れいな大変そうだな・・・」
「ホント大変そうだね」
「そんな梨華ちゃん人事みたいに言っちゃってさ。梨華ちゃんも同じような
 もんだよ」
「え〜っ、そんな事ないモン。ちょっと〜、一緒にしないでくれる」
「まぁ当の本人は気づかないもんだからさ」
「ちょっとけっこうショックなんだけど」
「こっちはピンクのジャージでサッカーをやってる娘がいるだけで
 かなりのショックだよ」
「う〜、もういいモン!」
「ははっ冗談だよ、冗談」と言いながら、
8割くらいは本音だけどと石川に聞こえないようにボソッと呟く柴田であった。
527 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/10(土) 02:26

第4ルーム
松浦から「今日の反省会しませんか?」
と言われた矢口は松浦の部屋に来て、まだ10分。
始めはゆっくりと話していた2人だが、会話は徐々にエキサイトしていった。

「だからそこは持ちすぎだったんだよ!!」
「でも私があそこで出していたらオフサイドになってたんですよ!」
「んなことねぇーって。あややはフィールドにいたからわかんね〜んだよ。
 オイラは外から見てたから、よ〜〜〜っくわかんだよ!」

「それはどうですかね?いくら外から見てたって矢口さんじゃちっさすぎて
 判断しかねますよ」
「てめぇー、いくらなんでも言っていい言葉と悪い言葉があんぞ!!
 そんなんじゃ、あややが狙ってる全日本のアイドルはシゲさんに
 持ってかれるぞ。あややよりシゲさんの方が活躍してんもんな。
 点もけっこう取ってるしさ♪」
「あーーーっ!言っちゃいましたね!!自分でもけっこう気にしているのに・・・
 もう怒ったぞ〜」

528 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/10(土) 03:08

と2人が立ち上がって言いあいをしていると、部屋に戻ってきた高橋と
遊びに来た紺野に止められた。

紺野は2人の間に入ると、「いったいどうしたんですか?矢口さん落ち着いて
 下さいよ」
「そーやよ、あややもちょっと落ち着きや。先輩に向かって吐く言葉や
 ないやざ」

紺野と高橋の2人の説得に何とか落ち着いた矢口と松浦。
「さて、落ち着いたところで私たちにも話してくれませんか?」
紺野が2人を見ながら言うと、矢口と松浦が今までの経緯を説明した。
「なるほど・・・話は大体わかりました。要は亀ちゃんのオフサイド
 ってことになりますね。確かにあの時はあややが出してもオフサイドでは
 ありませんでした」

「ほらな〜」と勝ち誇って言う矢口。
「でも、パスを出したとしてオフサイドにならないとは言い切れないのです。
 それが東帝高校のメンバーで選手権でベストイレブンにも選ばれ、
 大会NO,1DFと言われ、全日本にもジュニアから選ばれている、
 オフサイドマスター亀井絵里の力なんです」

紺野の重いセリフに全員が言葉をなくしてしまった。
「でもそういう困難を打破していかないと、世界にはもっと
 スゴイDFがいますから。ですので矢口さんとあややには
 もっとがんばって頂かないと・・・ですのでこんなところで
 言い争ってもらっては困りますよ。サッカー談義に熱が入るのは
 いいのですが・・・・・」

529 名前:合宿スタート 投稿日:2006/06/10(土) 03:18

矢口は立ち上がると、
「そうだな、ちょっと熱くなりすぎたな。これからもこのチームのために
 共に頑張っていこう」
と松浦に手を差し出す。

松浦は矢口とがっしり握手をして、
「私も言いすぎてスイマセンでした。これからも日本のユース代表として
 チームの勝利を目指して頑張りましょう」

2人がしっかり仲直りしたのを見ていた紺野と高橋は
「よかったですね。愛ちゃん」
「そーやのー、だいぶ良い感じになってきたんやないのか?チームとしては♪」
「そうだね。これがチームの勝利へとつながってくれるはずです」
と2人も笑顔で矢口と松浦を見つめていた。
530 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/20(火) 14:29
面白いです 続き待ってます
531 名前:桜娘 投稿日:2006/07/13(木) 01:46

530>>名無飼育さん
ありがとうです。
更新が遅くて申し訳ございませんが、
これからもお願いします
532 名前:合宿 投稿日:2006/07/13(木) 02:09

翌朝、いつも通りに全員がグランドに集合する。
「んぁ〜あ・・・・・今日は何をすんのかね」と大きくあくびをしながら呟く後藤。
「ごっちん!あんまり大きなあくびをすると、いつも以上にマヌケ面になるれすよ」
後藤は横目で辻を見ると、「んあんあ、どうあがいてもマヌケ面じゃジーツーには
 完封負けだよ」
後藤の言葉に笑うみんなを辻が見回す。その中でも大きく口を開けて笑う小川を見つけると、
「マコトの方がいっつも口を半開きにしていて、スカポンタン面なのれす」
「んなっ?!私に振ってんじゃねぇ〜よ。それにスカポンタン面ってどんな面なんだよ!!」
「鏡見れば一発でわかるれす♪」
「うるせー!!」
と騒いでいると中澤、平家の両コーチが現れる。

両コーチが全員の前に立つと、さっきまで騒がしかったのがピシッと
静まりかえる。
中澤は全員が揃っているのを確認して、「みんなおはよう。昨日はお疲れやったな。
 監督は昨日の試合を見直しよるから、今日はうちらでやっていく。まぁそういう事で
 まずはアップからやグランド走ってしっかり柔軟しとけよ」

『はい』
全員は二列になるとグランドを走りはじめた。
533 名前:合宿 投稿日:2006/07/13(木) 02:31

アップを終わらせてもう1度中澤の前に集合する。
「ほな、一応今日の予定を発表しとくわ。今日はセットプレーとフォーメーションをして、
 あとは各自自由や。昨日試合やったからの、しっかりと疲れを取るのも練習の1つやで!
 自由やから個人練習するのもかまわんけど、疲れをため過ぎて本番前にケガとかせんように
 しとけよ!」
中澤は厳しい目をして全員を見ると、「じゃぁ、平家コーチお願いします」
平家は軽くうなずくと、「ほな早速始めるで!まずは右コーナーからや。キッカーは
 紺野と柴田や。ほんでオフェンスはうちんとこに。ディフェンスは中澤コーチのトコに
 集まるように。以上!」

平家はオフェンスの前に立つと、「ほなまずは里田、松浦、矢口、藤本、加護、新垣、道重の
 7人でいってみよか。前線に里田、松浦、矢口。サイドに藤本、加護。エリア外に
 新垣と道重や」

『はい』
534 名前:合宿 投稿日:2006/07/13(木) 02:51

「お〜っし、集まったな!」中澤は声を大にして言うと、
「GKは岡田入ってくれ。ほんで、安倍、石川、木村、小川、亀井、田中の
 6人は中に入ってくれ。マークは岡田がしっかりと指示を出す事」
「はぁ〜い」岡田はキーパーグローブをつけながら返事をする。

さらに中澤は、「あと、高橋と斉藤の2人はコーナーを上げに行ってくれ。
 2人にもしっかりと正確なパスをだしてもらわないけんからの。
 当然左の時は、石川と田中が行くんやで!」
『はい』

「ほな、行って来い」ゴール前に散っていくメンバーを見送ると、ポツンと
1人残った吉澤。「コーチ、うちは・・・・・?」
「おう、よう気づいたな。吉澤はこっちや」と逆のゴールに連れてこられた吉澤。
訳がわからない吉澤は「あの、うちは何をすれば・・・・んっ?」
と言いかけた時、後藤と辻と三好が中澤の前に集まった。

535 名前:合宿 投稿日:2006/07/13(木) 03:10

「中澤コーチ。平家コーチに言われてこっちにきたんれすけど、何をするのれすか?」
と辻が中澤に聞く。
中澤は吉澤を見ると、「昨日は残念やったな、2点もとられてからの」
「んぐっ・・・・・それを言われると・・・」
と少し落ち込み気味の吉澤。

しかし中澤は、「まぁ気にすんなや。それより今日はお前の持ち味をちょっと上乗せ
 しようと思っての」
「上乗せッスカ?」
「そうや。吉澤は確かキーパーは高校からやったの?」
「はぁ〜」
「せやからシュートをキャッチングしようしようとしてしまう。やから
 キャッチできんシュートを拾われて点をとられてしまうんや。さて、
 それを回避するのがコーナーに逃げることなんや」

「コーナーっすか?」
「そうや。確かに吉澤の反射神経は大したモンや。でもな1本目、2本目の
 シュートを防いでも3本目までは防げとらん。やっぱ前に弾くんやないで
 横や後ろに弾く技術も覚えとかんとな」
「わかりました」

「ほな練習開始や。辻、後藤、三好の3人はガンガンシュート打ってえぇからの!」
「はぁ〜い」
「んぁ〜い」
「はい」
536 名前:合宿 投稿日:2006/07/31(月) 00:43

平家はゴール裏に回ると、
「おーし!ほないってみよか。紺野、とりあえず軽く中に上げてみよっか。
 んで里田、そのボールをサイドに出してみるんや。藤本と加護は外から切り込んで
 いってディフェンスをかく乱するんやで。あっ、ディフェンスはまだ動かんでいいで!」

紺野は言われた通りにボールを上げる。そのボールをトラップした里田は
すぐに横に出した。ボールを受け取った松浦がそのままシュート。
ボールは何事もなかったようにゴールに吸い込まれていった。

「まぁそんな感じや。次からはディフェンスもしっかりプレスかけてくるから、そこは
 考えてプレーするんやで!」

『はい』
537 名前:合宿 投稿日:2006/07/31(月) 01:14

一方、反対側のゴールでは後藤、辻、三好が次々とシュートを打ち込む。
全シュートに反応する吉澤だが、どうしてもクリアボールが中途半端にゴール前に
転がってしまう。

「吉澤!そうやないって言っとるやろうが!!ボールはゴールの後ろに弾くんや。
 どうしても前に転がしたかったら、もっと遠くに弾き飛ばすんや。わかったか?」
中澤は腕を組んだまま吉澤に激を飛ばす。

「はい」と返事をする吉澤。だが・・・
・・チッキショー、簡単に言いやがってよ〜。あの3人のシュートに反応するだけで
  精一杯なのによ〜、さらにゴールの裏に弾けだと〜?!もしくはもっと遠くに
  弾き飛ばせって、簡単に言いやがって、あのクソコーチめ〜!!・・
と吉澤はチラッと中澤を見ると、
「なんや?吉澤、何か言ったか?」と吉澤を睨みつける。

「いっ、いえっ、なんもないです」
・・人の心が読めるのか?あの人は・・
538 名前:合宿 投稿日:2006/07/31(月) 01:37

そうこうしているうちに午前中が終了した。
全員集合した前に中澤は立つと、「ほな今日の練習はここまでや。
 後はゆっくりと体を休める事や、わかったか?」

『はい』

「よし、えぇ返事や。ほな解散」
全員が宿舎に戻ろうとすると、
「あっ吉澤」
「なんッスカ?」と立ち止まった吉澤に中澤はボールを投げ渡す。
ボールを受け取った吉澤は「んっ?これバレーボールじゃないですか?」
「そうや!吉澤、トスってわかるか?」
「まぁ、わかりますが・・・・」
「1日100回やる事、以上!!」
そう言って平家と一緒に宿舎に戻って行った。

コーチを見送った吉澤は、受け取ったバレーボールに視線を移して、
「トスねぇ〜・・・」
首をかしげながら吉澤も宿舎に戻っていった。
539 名前:合宿 投稿日:2006/09/21(木) 04:09

昼食後、各自自由となり石川と柴田がジュースを飲みながら散歩をしていた。
「ねぇ柴ちゃん。こうゆったりした時間を過ごしていると高校の時の合宿を
 思い出すよね」
2人は毎年合宿の空き時間に散歩をしていたのである。
「ていうかさ、なんで私が梨華ちゃんと散歩なんか始めたんだろ?」
「え〜!!忘れたの?柴ちゃん。私との大事な思い出を!!」
「ん〜?思い出?覚えてないなぁ〜」
「もう、ホントに忘れたの・・・・?」

石川が悲しそうに柴田の顔を覗きこむと、
「はぁ〜・・・覚えてますよ」
「うふっ、やっぱり覚えててくれたんだね♪」
「うふっって・・・、今時そんな笑い方する人いないよ」

「もう、柴ちゃんまでそんなイジリ方しないでよ」
「はいはい・・・」
「それにしても思い出すよね」
「思い出すって言ってもつい2〜3年前じゃん。そんな古い話でもないよ」
540 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/09/23(土) 11:02
待ってまーす
541 名前:合宿 投稿日:2006/10/03(火) 14:52

と2人が話しながら合宿所の裏に向かっていると、ポーンポーンと奇妙な
ボール音が聞こえてくる。不思議そうに2人で覗き込むと、

『よっすぃ〜?!』

2人で声を合わせて口に出すと、「へっ?」と驚いて声を上げる吉澤。
吉澤は真上に上げていたバレーボールをキャッチすると、
「柴ちゃんと梨華ちゃんか、どうしたの?2人でこんなトコに来てさ」
「こんなトコって私と梨華ちゃんと散歩中だよ」
「それよりよっすぃ〜こそこんなトコでなにしてるの?」

吉澤は中澤コーチに言われた事を説明すると、
「へ〜そうなんだ、それにしてもバレーボールなんて体育の授業でしか使った
 記憶がないよ」
そう言って石川はボールを持つと、「ちょっと3人で遊ぼうよ」
「えっ?今練習してるんだけど・・・」
「よっすぃ〜、梨華ちゃんがこう言い出したらもうムリだよ。まっ気晴らしと
 思って、チョット遊ぼうよ」

3人は円形になると、ボールを回しだした。
542 名前:合宿 投稿日:2006/10/03(火) 15:35

第3ルーム
紺野が部屋に戻ると、辻と小川がテレビの前に座り込んでいる。
・・はぁ〜、またやってるよ。今日はバスケか・・

2人はコントローラーをカチャカチャ鳴らしながらバスケのゲームを
していた。

「くっそ〜、なかなかやるな!辻希美。しかしここはあたしのバスケ人生の
 全生命を賭けても入れさせてもらうぞ。くらえぇ〜、
 『ハイスピード・トラベリング』

・・小川さん?小川麻琴さん??前にも言ったけど(実際には言ってませんが)
  あなたはサッカー選手ですよ。しかもユース代表にも呼ばれるほどの選手
  ですよ。それに『ハイスピード・トラベリング』って何?
  どれだけ素早くトラベリングするつもりなんですか!!
  どれだけ素早く動いても審判にはバレますよ・・

しかし、そんな紺野の思いをよそに、
「なんの!ののも高校バスケ界では鉄壁の守備と評価される者。
 ここは必殺技で止めさせてもらうれす。
 『スーパー・フェイク』」

・・辻さん、やっぱりあなたもですか・・・・あなたは確かに鉄壁の守備と評価
  されていいほどのセンスの持ち主です。でもそれはサッカー界での話であって、
  それに『スーパー・フェイク』???
  今シュートを打たれようとしているのに何をやろうとしてるの?
  フェイクって今やる事じゃないでしょ・・
543 名前:合宿 投稿日:2006/10/03(火) 15:46

結局マコトの豪快なダンクが決まったと同時に笛が鳴り響き試合終了。

辻はコントローラーを投げ捨てると、
「へん!もうマコトとはゲームやんないれす」
「へへっ、負け惜しみだゲホッ」
「うっさいれす」辻は話している途中の小川に枕を投げつけると、

「紺ちゃんのんと散歩にでも行こうれす」
辻は紺野の返事も待たずに手をつかむと、部屋から出て行く。
「待ってよ〜」と小川も後を追うように2人を追いかけた。
544 名前:合宿 投稿日:2006/10/05(木) 00:56

第5ルーム
亀井が部屋に戻ると中には新垣がベッドに横になっていた。
「ガキさ〜んオツカレで〜す♪アレッ?安倍さんはどうしたんですか?」
「んっ!?カメかぁ〜。安倍さんは美海さんのところに行ってるよ」
「ふ〜ん、まぁいっか」
「まぁいっかぁ〜って、アンタ安倍さんに用事があったんじゃないの?」
「えっ?別に部屋にいなかったから、聞いただけだよ」
「なんだよ!まどろっこしい聞き方してんじゃないよ!!」
「まあまあ、別にいいじゃん♪うへへへへ」
「まったくキモイ笑い方してんじゃないよ。それよりさ〜・・・・・」
「んっ?なになに??」

「あのさぁ〜あたしってさ、どう考えても試合に出れそうにないんだけど・・・・・・」
急に真剣な顔つきになった新垣に、思わず亀井の顔から笑みが消える。
「ん〜〜〜〜なんでガキさんはそう思うの?」
545 名前:合宿 投稿日:2006/10/05(木) 01:19

「だってさぁ〜、このチームの中盤ってかなりスゴクない?」
「スゴイねぇ・・・例えば?」
「例えばって、そ〜ねぇ・・・例えば後藤さんとのんちゃんのダブルボランチのスゴさは
 カメだって知ってるでしょ?」
「うん。あとは?」
「あとはって・・・あとは、藤本さんとあいぼんの快速ウインウもスゴイでしょ」

「うん。それで?」
「それでってまだかよ・・・、柴田さんと石川さんのスゴさも知ってるよ。いつも一緒に
 練習してたしね。石川さんの性格はどうかと思うけどさ・・・。もちろんあさ美ちゃんの
 スゴさはカメだってわかるでしょ。それにシゲさんも潜在能力も侮れないしさ、
 カメだって、シゲさんにはけっこうやられちゃってるでしょ?」

次から次へと話す新垣に亀井は黙々と聞いていた。そして、

546 名前:合宿 投稿日:2006/10/05(木) 02:01

「他のみんながスゴイのはわかったよ。じゃあガキさんは何でユース代表に選ばれたの?」
「ん〜?確かに自分がそこまでヘタだとは思ってはないよ。一応2年でチームのレギュラー
 に選ばれたし、選手権もフル出場したしさ、来年にはキャップになるしね」
「そこまでわかってたらなんで?」
「だから、私以外の人がスゴ過ぎるんだって!!」

「確かにみんな持ち味があるよね。じゃあガキさんの持ち味って何?」
「あたしの持ち味ねぇ〜・・・じゃあ逆に聞くけどカメから見たあたしの持ち味
 ってなんなの?」
「てか、ガキさん自分の持ち味わかんないの?」
「体・・・力・・・・・??」

恐る恐る答えた新垣に亀井は一瞬険しい顔をするが、
「なんだわかってんじゃん」
「そりゃぁね、あたしにはテクニックていうすばらしいモノは持ってないからね。
 できることって言えば試合開始から終了まで走りまわる事だけだからね」
547 名前:合宿 投稿日:2006/10/05(木) 02:26

「それがガキさんのスゴイとこなんだよ。だって試合開始から終了まで全力で
 走り回るなんて後藤さんでもムリなんだよ。ガキさんは間違いなくうちのチームで
 体力No,1なんだからさ。だから、もっと自分に自信持ちなよ」

「そっか・・・わかったよ。あたしなりにもっとがんばってみるよ。
 ありがとねカメ」

「いえいえいえ、うへへへへへ♪」
「だ〜か〜ら、その笑い方はキモイってば!!」
「いいじゃんいいじゃん♪ウへウへへ♪」
「なんで、そんなリズミカルなんだよ!!!」
「その辺は気分によりけりって事でさ」
「はいはい。もう好きにしなさい・・・」
548 名前:合宿 投稿日:2006/11/11(土) 05:50

吉澤、石川、柴田の3人で遊んでいるところに散歩中の辻、紺野、小川が現れた。
「あっ?!みんななにやってるれすか?のん達も混ぜるれす」
「うん、いいよ。ねっ柴ちゃん♪」
「いいよって、アンタ・・・」

柴田は少し複雑な顔をしている吉澤と目が合い、
・・自主レンの途中で申し訳ない・・と目で謝罪をすると
吉澤も・・まぁしょ〜がない・・と目で返事をする。

こうして6人でバレーを始めたのだが、しばらくして、
「じゃぁ、次から落とした人は罰ゲームでもしようよ」
と突然いいだした石川。

そして、なぜかボールは小川に集中していく。
小川は何とか来るボールをレシーブしながら、
「ちょ、ちょっと〜、何かあたしのとこにボールがよく来るんだけど・・・・」
「気のせいれす」
と来たボールを小川に向かってアタックする辻。
正面からレシーブする小川。だが、そのボールが今度は紺野の真上に、
「そうですよ、気のせいですよ」
とさらに小川に向けてアタックを打つ。
これも何とか拾った小川。しかし今度は吉澤の前にボールがゆっくりと上がっていき、
「そうそう、気のせい、気のせい♪」
と、吉澤も小川に向けてアタックを打ってきた。

ボールは小川の横を抜けて、地面に力強くバウンドした。
「はいマコト、罰ゲーム。腕立て50回」
嬉しそうに過酷な罰ゲームを告げる石川に、先輩だから反論できない小川は渋々
その場で腕立てを開始する。

その後も、結局狙われるのは小川であった・・・
549 名前:合宿 投稿日:2006/12/11(月) 11:54

夕食後、トレーニングルームにで後藤に教わったトレーニングを続ける
辻・紺野・高橋・加護の4人。
「はぁっはぁっ・・・やっぱ筋トレは、きっついの〜」
「なに言ってるれすか、あいぼん!これを継続していくのれすよ。あれれすよ。
 継続は味方なりって言うじゃないれすか」

「のんちゃん・・・・それを言うなら継続は力なりです・・・」
「うぐっ・・・あさ美ちゃん、そのツッコミは今はよけいなのれす」
「ははっ、やっぱのんはムリして難しい言葉は使わん方がえぇんやないの?」
と笑いながら言う加護のに、

「あいぼんも同じようなモンやろが。あーしにはわかるやが」
「なっ?!愛ちゃんうちのドコを見てのんと同じって言うんや!!」
「そんなもん、普段の行動からや」
「ちゃうわ!そんな事あらへんわ!!」

「みんなムダ話してる暇があったら体を動かすれすよ。ケガして試合に
 出れなくなってもしらないれすから」
辻の言葉に、加護と高橋は集中してトレーニングを再開した。
550 名前:合宿 投稿日:2007/01/03(水) 03:47

翌日 AM 8:55ミーティングルーム

「ふぁ〜あ・・・ねみぃ〜なまったく。こんな朝っぱらからミーティングなんか
 しても、何も頭に入る訳ねぇっての!」
「ほらほらよっすぃ。あんまり情けない姿を後輩に見せるんじゃないよ」
「えぇ〜、だってねみぃもんはねみぃんだもん」
「まったく、あやかの言うとおりだよ。ゲームばっかしてて、早く寝ないからだよ」
「そういうまいちんだって、うちと一緒にゲームしてたじゃん。
 何で眠くないの?」

「だって、よしこよりしっかり寝てるもん」
「どういう事?寝てる時間はうちと一緒じゃん」
「睡眠のとり方がウマイってことだよ」
「なんなの?その技は!?ねぇあやか、そんな技あんの?」

「まぁ、あるみたいよ。一流選手は休憩のとり方が巧いみたいよ。
 前半を全力で動き回っても、短いハーフタイムの中でほぼ全回復するらしいよ」
「へぇ〜・・・こんなまいちんにそんな能力があるとはねぇ」
「って、チョット!よしこにこんな扱いはされたくないな」
551 名前:合宿 投稿日:2007/01/03(水) 04:21

と3人が話していた時、
「ねぇ、もう9時過ぎちゃったよ」
とミーティングルームに石川の声が響く

「・・・・・もしかして」藤本が呟いて紺野の顔を見ると、
「みなさん急ぎましょう」とダッシュで部屋から出て行く紺野。
その後にみんなが続いていく。

その行動についていけない三好と岡田に石川が、
「説明は後でするから、とりあえず2人とも急いでグランドに行くよ」
2人は何がなにやらわからずに、石川に急かされてグランドまで必死に走っていった。

グランドにでると、案の定監督が腕を組んで立っていた。
全員が監督の前まで行くと、
「お前ら!どういう事やねん。誰が全員そろって遅刻してんねや。やる気ないんかい!!」
「しかし監督、今日は9時からミーティングのハズですが・・・」
「なんや紺野、そんな言い訳は聞いとらんわ。とりあえず、全員グランド20周や」

『えぇ〜』と全員が不満の声をあげると、
「うっさい、さっさと行ってコイや!!」
つんくの声に全員渋々したがって、グランドを走り出した。

つんくの後ろから中澤と平家が近づいてくる。そして、
「監督またやったみたいッスね。そろそろスケジュール表を見るクセを
 つけてくださいよ」
「姐さんの言うとおりッスよ。そやないとアイツらがかわいそうですやん」

「ふん、見間違えただけや」
「ハァ〜、威張って言うセリフやないですよ」
「うっさい中澤、あとは何とかしとってくれ」
「あっ、今日は協会の方でしたね。わかりました、何とかやっときますわ。
 今日はあのゲームでよかったんですよね」
「そうや、任せたで!」
「へ〜い」
552 名前:合宿 投稿日:2007/01/25(木) 22:35

全員がグランドを走り終わり、中澤と平家の前に集合する。
「あれっ?コーチ、監督はどうしたんだべか?」と安倍が口を開く。
「んっ?監督か?監督は大会の事で協会の方に行っとるわ。
 まぁ、あんたらはそんな事気にせんで練習やってくで」

『はい』

「おし、えぇ〜返事や。とりあえずあんなけ走っとけばアップは充分
 やろ。ほんじゃ、今日はゲームや。メンバーはこっちで決めとるから、
 言われた通りに分かれてくれ」

そう言って中澤はポケットから紙を取り出すと、
「ほな発表するで、まずは最初のチーム。
 吉澤、斉藤、木村、後藤、道重、里田、三好」

7人は、最初に呼ばれた吉澤の所に集合する。

「ほな次や!岡田、石川、亀井、柴田、新垣、紺野、松浦、以上や」
7人も最初に呼ばれた岡田のところに集まる。

「ほんで残りの8人は安倍んとこに集合や。
 3チームに分かれるって事は何をするかはわかるやろっ。
 ほな5分後に試合開始や。しっかり作戦立てるんやで!」

『はい』

553 名前:合宿 投稿日:2007/01/25(木) 23:05

Aチーム(吉澤・斉藤・木村・後藤・道重・里田・三好)

「またこのゲームかよ、けっこう厄介なんだよなぁ〜」と呟く吉澤に、
「そんな事言っちゃって、よしこ前回けっこう張り切ってやってたでしょ」
「んぐっ?!別にいいじゃん。そんなことよりまいちん」
「そんなことよりって、で、なに?」
「三好ちゃんと一緒のチームなんだからアピール負けしないようにしないとね♪」

里田はチラッと三好を見て、「まぁ、あたしなりにやってくよ♪絵梨香はどうだか
 わかんないけどね♪」と笑顔で三好に牽制をすると、
「私も自分なりにやってくよ。ところでさ、これってどんなゲームなの?」

「そっか、三好ちゃんは初めてだったね。じゃぁ〜」
吉澤はチームメイトを見回して「アヤカ説明ヨロシク♪」
「ってなんで、私なのよ!!」
「だってこのメンツじゃ、上手に説明できるのアヤカかみうなしかいないじゃん。
 で、面倒見のいいアヤカに決定って事でね♪」
「ハイハイ、説明しとくよ。で、今回はゲーム展開としてはどうするの?仕切りやさん」

「そこは・・・・・どうしようかね、ごっちん」
「んあ?!何でそこでゴトーに振るの?」
「やっぱ、こういう時はごっちんじゃん」
「こういう時って・・・まぁ、ゴトーとしては・・・・」

後藤の言葉に全員が注目する。
「しっかり守って、がっつり点を取るって事で♪」
後藤の言葉にみんなが首を捻っている中、
「おぉ〜!さすがごっちん、いい作戦じゃん」と賛同する吉澤。
さらに「とてもいい作戦ですね。さゆもガンバリまーす♪」と乗ってくる道重。

他の4人は納得はしていないが、おかしな空気に流されてしまい、
そのまま試合開始となってしまった。
554 名前:合宿 投稿日:2007/01/26(金) 00:11

Bチーム(岡田・石川・亀井・柴田・新垣・紺野・松浦)

「なんコレ?ミニゲームのリーグ戦でもやるの?」と聞く岡田に、
「違うよ。コレは3チームで一緒にゲームをやるんだよ」と自信満々に答える石川。
「えっ?3チーム一緒にやるん?なんか〜、ゴチャゴチャしてやりにくそ〜な感じやなぁ」
「そんな事ないよ。やってみればけっこう解かりやすいゲームだったよ」
「ふ〜ん・・・で、ど〜やってやるん?」
「えっとね、3チーム同時でゲーム開始してたくさん点を取ったチームが勝ちなの」

「・・・・・・全然内容が伝わらんかったんは、ウチだけやないよなぁ」
岡田が不安そうに隣の柴田に確認をとると、
「梨華ちゃん・・・今のじゃ、説明になってないし。そもそも梨華ちゃんが説明するってのが
 ムリな相談だったのよね〜」

「ちょっと柴ちゃん、ヒドイじゃない。私だって説明くらいできるよ〜」
「はいはい、梨華ちゃんは黙っててね。紺ちゃん、今のうちに説明の方よろしく」
「はい、お任せください。では、岡田さんこちらへどうぞ」
紺野は岡田を呼ぶと、ゲーム内容を説明しだした。

「ちょっと紺ちゃん!!説明は私がっ・・・」
「はい梨華ちゃん、ドウドウドウドウ」
「柴ちゃん!私は馬じゃないってば!!」

そこに説明の終わった紺野と岡田が戻ってきて、
「柴田さん、説明終わりました」
「アリガト紺ちゃん。じゃあそろそろ始まるみたいだし、行こっか。
 ゲームは紺ちゃんに任せたよ」

「はい、お任せ下さい。みんなで力を合わせて頑張りましょう。」

『おぉー!!』

「ちょっと〜、みんな私の話を聞いてって〜!!!」
と声をあげる石川をおいて、みんなグランドに向かって行った。

555 名前:合宿 投稿日:2007/01/26(金) 04:18

Cチーム(安倍・高橋・小川・田中・藤本・辻・加護・矢口)

「おっ、あいぼん、一緒のチームれすね。のんの足を引っぱらないように頑張るれすよ」
「うっさいわ!のんこそアホなヘマせんようにな」
「なんれすと〜!!」
「なんやのん!!」
「2人ともいい加減にするべさ!ここで言い争っている場合じゃないっしょ!!」

辻と加護が言い争っている間に安倍が入り、2人をなだめる。
「さて、このまとまりのなさそうなチームをどうやって勝利に持っていくかなんだけど・・・・」
藤本が呟きながら矢口を見ると、
「う〜ん・・・実際けっこうやっかいだよなぁ」
「えっ?なしてですか、矢口さん」矢口の発言に高橋が目を見開いて問い返す。

「そうだな・・・・簡単に言うと、ウチのチームってゲームメイクができる奴がいないんだよ」
「ゲームメイク・・・・・ですか?」
「そう、Aチームにはごっちん、Bチームには紺野、もしくは柴ちゃんってな感じで中盤を作れる
 人間がいないんだよ」

「そうだね、美貴やあいぼんはサイドのスペシャリスト。辻ちゃんはボランチ。
 他のチームに比べると、ちょっと見劣りするよね」
「それやったら、後藤さんやってボランチやないですか」
「確かにボランチだね。でも東帝のゲームの流れを作ってるのはごっちんだよ。なっ、辻」
「そうれす。ディフェンスの時はそうでもないれすが、オフェンス時はやっぱりごっちんが
 軸になってるれす」

「へ〜、そーなんや・・・・・で、どうするんですか?」
「ん〜、どうしよっか?みきてぃ」
「えっ?!そこは矢口さんが何とかしてくださいよ〜」
「何とかっていわれてもなぁ〜、なっち、何かない?」
「まずはしっかりと守って、点をやらない事だべ。しかも、敵チームのスキをついて
 点を取る」

「じゃぁ、なっちの言うとおり、まずはディフェンスからしっかりしていこうか」

『オッス!!』
556 名前:合宿 投稿日:2007/02/21(水) 03:52

全員が変則グランドに散らばって、Aチームのキックオフで試合が開始される。
キックオフに吉澤と後藤が立っているのを見た紺野が、
「岡田さん気をつけてください。後藤さんはこの距離で・・・・・・・えっ?!」
と言っている間に後藤のロングシュートがBチームのゴールにつきささった。
ゲーム初挑戦の岡田がポジションを上げていたので、その隙をついたのであった。
後藤としてはBチームでもCチームでもどっちでもよかったのだが、
Cチームのゴールには安倍が警戒をしていたため、Bチームのゴールを狙ったのであった。

「ナイッシューごっちん。やっぱごっちんのロングは精度が高いな」
「んあ〜、そうかい?」
「うちも狙えない距離じゃないけど、あそこまでキッチリ決めるとなると、
 成功率は5割6割ってとこだもんなぁ〜」
「んあ〜?でも、よっすぃってゴールキックの精度高くなかったっけ?」
「やっぱ違うじゃん。ゴールキックとシュートってさ」

「そりゃそうだね。まぁ、とりあえずは1点リードした事だし、次は作戦通りにしっかり
 守ってがっつり点を取りに行こっか」
「そうだな。じゃあウチは、久々にフィールドプレイヤーを堪能させてもらいましょうかね♪」
「んあんあ。いいところで期待してるよ、クライフターン♪」
「前回はごっちんに止められたからな・・・・・あれからちょっと練習して昔の感覚を
 思い出したからね。鋭さはましたよ」
「そりゃ、楽しみだ。同じチームでよかったんあ」
「ホントは見られる前にごっちんと勝負したかったんだけどな、まぁ今回はガマンしとくか」
「んあんあ、次回を楽しみにしとくよ」

2人は話しながら自陣に戻って行った。
557 名前:合宿 投稿日:2007/03/05(月) 00:05

Bチームのキックオフで再スタート。
新垣が松浦からボールをもらうと、すぐさま紺野に戻した。
紺野はボールをトラップしながらAチームとCチームの様子をうかがう。

・・今回は前回と違って各チームとも攻守のバランスが取れてるみたい。
  こういう場合はじっくりと切り崩すにかぎる・・・・・かなっ・・

ボールをキープして様子を見ている紺野に、矢口と加護が突っ込んでくる。
横にいる柴田が心配して、「紺ちゃん、何ボーとしてるの?あぶないよ!!」
と声をかける。

しかし紺野は柴田の心配を気にする事もなく、いとも簡単に2人をフェイントでかわし、
さらにドリブルでCチーム目がけて進んでいく。
ドリブルで上がる紺野を中心にBチームの松浦・新垣・柴田・石川がフォーメーションをとる。
藤本がチェックに行くが、柴田とのワン・ツーで簡単にかわす。

そして、「柴田さん、とりあえず行っちゃっていいですよ」
そう言ってボールを真横に転がす。
ゴール前には安倍と小川がいるが、柴田はおかまいなしに歩幅を合わせて
気持ちよく右足を振りぬいた。

558 名前:合宿 投稿日:2007/03/17(土) 01:42

ボールはうなりをあげて小川に一直線に向かっていく。
「うわっ?!きたっ・・・」小さく呟いた小川に、
「マコト、クリアだべ!」と安倍の声。
「オッス・・・」小川は軽く気合を入れると、ボールに立ち向かい、
そして、ドンと大きな音と共にヘッドでクリアした。

ボールは何とか弾き返した小川だが、逆に小川の体はゴール内に飛ばされていた。
「イテテテテッ・・・・・・・」と頭を押さえる小川に、
安倍が「ナイスクリアだべ、マコト」と手を差し伸べてきた。
「あざっす」と安倍に引き起こされた小川が、
「やっぱ柴田さんのシュートは強力っすね。まだオデコがガンガンしますよ」
安倍はニヤッと笑うと、「そりゃ柴ちゃんは高校サッカー界でも5本の指に
 入るほどのパワーシューターだべだからな。でも、」

「でも?」途中で話を切った安倍に続きを促すと、
「ごっちんと辻ちゃんはもっと上だべさ」
「あぁ〜・・・・あの2人のシュートは、正直正面からブロックしたくないッス」
「でも試合ではそうも言ってられないべさ。世界にはもっともっと強力なシュートを
 打つ選手もいるはずだべ!!」
「そっすね。そんな考えじゃ試合に使ってもらえないっすよね」
「そうだべそうだべ。だからまずは練習でも1つ1つ大事に積み重ねていくべさ」

「はいッス」
そうして、2人は前線のフォローに向かった。
559 名前:合宿 投稿日:2007/03/22(木) 03:07

小川のクリアボールを押さえた辻に亀井が素早くチェックに行く。
亀井は辻からボールを奪おうと何度も足を出すが、辻も取られまいと
必死にキープしながら、

・・亀ちゃんやるれすね。まさかここまで足を・・・・・いや、腕を上げてる
  とは、これは来年も東帝がイタダキれすね♪
  でも今は、今を必死にやってくだけれす・・

辻は顔を引き締めると亀井をフェイントで巧みにかわして、ドリブルで上がっていく。
辻の予想外のフェイントであっさりと抜かれてしまった亀井に、
「ん?どうかした?亀ちゃん」と横を通りかけた後藤が話しかける。
「あっ、後藤さん。いやっ、辻さんってあんな柔軟なドリブルしていましたっけ?」
「んぁ〜、コンコンとかに比べるとまだまだ劣るんだけどね。それでもジーツーは
 入学してからだから、もう2年弱か・・・・毎日練習してたんだよ」

後藤の言葉に驚いた亀井は、「えっ?!だって絵里が入学して1年たちますけど、辻さんの
 ドリブル練習なんて1回も見たこともないですよ!!」
「ふふっ、そこはまぁ〜簡単に言うと先輩のプライドみたいなものじゃないのかな?
 隠れてずっと練習してたんだよ」
「でも、後藤さんは知ってたんですか?」
「んあ〜先輩ってのは後輩の事をよく見ているって事だよ。亀ちゃんも後輩が入ってきたら
 わかってくるよ♪」

亀井は腕を組んだまま「でも中学の時は、そんな事気にした事ないですよ」
「高校生ってのは中学生よりもずっとずっと大人なんだよ」
「・・・・・辻さんが大人ですかぁ〜?」

「んあぁぁぁ〜・・・・・まだまだ子供かもね♪」
「ですよね〜♪」

「でも、亀ちゃんよりもだいぶ大人ダヨ」後藤は笑顔で亀井に言うと
そのまま走っていく。
「絵里より辻さんが〜?そんなぁ〜・・・・・」
亀井も走って自陣へ戻っていった。
560 名前:合宿 投稿日:2007/03/22(木) 04:01

ドリブルで上がる辻に、新垣が突っ込んできたが軽く弾き飛ばし、
Bチームゴールに迫っていく。

が、その辻の前に立ちはだかる石川と岡田。
しかし、2人相手にも何とかボールキープする辻。
何度も何度も足を出す石川のつま先がボールに触れて、そのまま
横に流れていくボールを見て奪ったと思った石川だったが、

そのボールに走り込んできたのは加護。
加護はそのままシュートをゴールに打ち込んだ。
ゴールに吸い込まれていくボールに走り込んできた柴田が頭から
飛び込んできたが、髪が触れただけでそのままゴールに突き刺さった。

「やったで、うわさのごっつぁんゴールやけど・・・」
「問題なしれすよ、あいぼん。取れる時に取っておかないと、痛い目に合うのは
 こっちれすからね」
「それもそうやな♪」

喜ぶ辻加護を見ながら、「柴ちゃんおしかったね。もうちょっとだったのにね」
話しながら柴田の手をつかんで引き起こした石川。
「まぁ、届かないってわかってたんだけど、諦める事ができなくてね」
「さっすが柴ちゃん、諦めの悪さはNo,1だね」
「人聞きの悪い・・・・・諦めの悪さとキモイのは梨華ちゃんのコールド勝ちだよ」
「ヒドイよ、柴ちゃん。私、諦めは悪いけどキモくはないも〜ん」
「はいはい、さっさと取り返すよ」
柴田はボールを拾うと前線に歩いていく。
石川はその柴田を追いかけるように「ちょっと!ちゃんと聞いてよ柴ちゃん!!」
と、後ろからついていった。
561 名前:合宿 投稿日:2007/04/14(土) 04:21

そのゲームの途中に少し難しい顔をしたつんくが戻ってきた。
それに気がついた中澤が、「あっ、監督お疲れ様です・・・?
 どうかしたんですか?」
「あぁ、ちょっとな・・・・大会の事は特に変わりはなかったんやが、
 明日急遽試合がはさまれてな・・・・・」

「試合ですか?それは別にいいんやないですか?」話をきいていた平家が
口をはさむと、
「ちょっと相手がな・・・・・」
「どことやるんですか?」中澤が問いかけるとつんくがボソッと答える。

「!!何でそんなとこと・・・・」
「ホンマですよ」
相手を告げられた中澤と平家も疑問に思いつんくに聞いてみる。
「まぁ、協会側の話しとしては広い世界と戦うのに、そういうチームと
 やるのも経験やと」
「そうですか・・・では、こっちの調整はどうやりますか?」
「そうやな、ちょうど今のゲームがいい調整になっとると思うから、
 明日の朝はセットプレーを中心にやっとってくれや。スタメンは夜にでも
 2人に伝えるから、それはまた夜のミーティングで話すわ」
「わかりました。この事はあいつらには?」
「試合がある事だけは伝えとってくれ。ただ、相手に関しては言わんでええ!」
「わかりました」
「ほな、また後でな」つんくは2人に手を振ると合宿所に戻っていった。
562 名前:合宿 投稿日:2007/04/18(水) 00:47

一方、試合の方はというと、
Bチームゴール前にアヤカがセンターリングを上げる。
ゴール前には亀井・新垣に対して吉澤・里田。
・・この身長差じゃムリでしょ・・
と思った新垣だが、亀井は飛んでくるボールの落下位置をいち早く
予測すると、吉澤・里田に囲まれながらもヘッドでクリアする。

「チッ、亀にやられたよ。あのポジションを取られたらいくら身長差が
 あっても競り勝てねぇ〜や」
吉澤が亀井を見ながら呟くと、
「よっすぃ戻るよ」と後ろから里田の声。
「あいよ」吉澤と里田は急いで自陣に戻っていく。

「ねぇ亀。今の吉澤さんの言った事ってどういう事?」
「んっ?ウへへへへへ♪ナ・イ・ショ♪」
「って、おい!!内緒って・・・しかもキモイし・・・・・」
「えぇ〜ガキさんヒドイよぉ。絵里はキモくないもーんだ」
「わかったわかったから、早く教えてよ」

「ど〜しよっかなぁ♪」
「なんで、もったいぶるんだよ!」
「ウへヘ、ジョーダンだってジョーダン。あとで教えてあげるよ。
 とりあえずは前線のフォローに行きましょ」
と納得してない新垣の手を引っぱって前線に向かって行った。
563 名前:合宿 投稿日:2007/04/30(月) 00:46

クリアボールを拾った紺野に、道重・みうな・矢口が囲むようにチェックにきた。
しかし紺野は、みうなを簡単にフェイントでかわすと、次に矢口と道重の間をドリブルで抜けて
Aチームゴールに向かっていった。

「ちょっと矢口さん。さゆたちのチームの邪魔をしないでくださいよ。
 いくらさゆみがカワイイからって、嫌がらせはよくないですよ」
「んな訳ねぇだろ!!3チームでやってんだからこういう形になるのも
 しょーがないんだよ。うちらもボールをうばって点を取らなきゃいけないんだからさ」

「そ〜ですよね。じゃあ頑張ってくださいね♪」
「えっ?!あっ、あぁ・・・・」
そういって立ち去っていく道重は途中で振り返ると、
「でも、さゆみの邪魔はしないでくださいね。えへっ♪」
「あぁ・・・気をつけるよ・・・・・・」

矢口の返事に笑顔で答えた道重は自陣に戻っていった。
その道重を見送った矢口は、しばらくボー然としていたが、急に我にかえって、
「・・・ってなんでだよ!!」と1人ツッコミをして、矢口も紺野からボールを
奪うためにAチームゴールに向かっていった。
564 名前:合宿 投稿日:2007/05/08(火) 03:20

ドリブルでAチームゴールを目指す紺野は、三好・道重と抜いてドンドン
上がっていく。
その紺野の前に立ちふさがった人影が紺野のドリブルを止める。
「ずいぶんと自由にやっちゃってくれてるね。紺野」
「後藤さん・・・・」
ニヤケ顔の後藤真希に、難しい顔の紺野あさ美

だったが・・・・
紺野はニコッと笑うと「だって後藤さん。これはゲームですよ。
 楽しまないと♪」
そういうと紺野は真正面から後藤に向かっていく。

・・んあんあ。同じチームだと頼もしいんだけど、敵チームだとかなりの
  やっかい者だね〜・・
後藤は真剣な顔つきになると、向かってくる紺野との間合いを確認しながら、
ゆったりと構えた。

565 名前:合宿 投稿日:2007/06/25(月) 01:51

紺野はドリブルで後藤に突進していく。
後藤は紺野と正面からぶつかりそうになり、一瞬目を閉じた。

その一瞬のうちに、紺野はヒールでボールを後ろにいる柴田に渡し、
そのまま後藤の横をすり抜けて、Aチームゴールへ向かって行った。
後藤が目を開いた時に視界にいたのは、紺野ではなくボールを蹴ろうとしている
柴田だった。

後藤が振り向いた時には、ボールが後藤の頭上を越えて紺野の足元にピタリと届いた。
ボールを受け取った紺野はゴール前にいたアヤカの前で左右に軽く揺さぶりをかけると、
そのまま股を抜いてシュート。
ボールはそのままゆっくりと転がってネットを揺らした。


その後も後藤は、あまりいい結果が出せずにゲームが終了した。
566 名前:合宿 投稿日:2007/06/25(月) 02:21

夕食後、食堂にて

「今日のゲームどうしたのごっちん?調子悪そうだね」
吉澤と話していた後藤に、食器を片づけ終わった藤本が近づいてきた。
「お〜みきてぃ、お片づけごくろ〜んあ♪」
「ていうか、ごくろ〜んあって意味わかんないから。むやみに
 んあをつけないでよ」
「んあんあ、ごめんなんあ」
「・・・・もういいよ。ところで、さっきも言ったんだけど調子悪そうだね
 ごっちん」

そう言われた後藤は、座ったまま背伸びをすると、
「ん〜〜あ〜〜〜。やっぱそうなのかな?みんなにも言われたし、
 今もよっすぃに言われてたんだよね〜」
「ほら、だから何回も言ったろ。やっぱ不調なんだってごっちんはさ!!」
「不調ねぇ〜・・・・・」

藤本は後藤の隣に座ると、
「まあでもごっちんの事だからさ、まだテンションが上がりきって
 ないんじゃないの?ごっちんってそういうとこあるでしょ」
「んあ〜そうなのかな〜?ごとー的にはいつもどうりの感じなんだけどな〜」
吉澤は少しお茶を飲むと、
「そこは前に言ってた集中力ってとこじゃないの?今日もゲームの時に思ったんだけど
 ごっちんてさ、集中してる時としてない時の差がすぐわかるよね」
「そうそう美貴が見てても、今回は特にボーってしてる時が多く見えるよ」

「んあ〜なんでだろ?」後藤が2人に聞くと
「さあっ?美貴にわかるわけないじゃん」と両手を軽く上げる藤本と
「うちも知らねっ」 と首を傾ける吉澤。

567 名前:名無し読者 投稿日:2007/07/05(木) 18:51
ごっちんのテンションが上がるのをお待ちしてます!
568 名前:桜娘 投稿日:2007/07/18(水) 23:22

>567さん
まさか見ている人がいるとは?!
微妙な更新で申し訳ないです
こんな感じですがヨロシクです
569 名前:合宿 投稿日:2007/07/18(水) 23:55

翌日 9:45

「うぃ〜ッス」とダルそうにグランドに入ってきた吉澤
「あっおはよう、よっすぃ」
「おはよう、もうすぐ練習始まるんだからシャンとしなさいよ」
と答える石川と柴田

メンバーが徐々に集まっていき、10時になるとつんく・中澤・平家の
3人が合宿所から出てきた。
つんくは1歩前に出て、「みんなおはよう」
『おざ〜ッス』
「今日は午前中はフォーメーション。午後は試合や・・・以上」

・・以上って相変わらず大部分をはしょったはなしやなぁ〜・・
と加護が思っていると隣の辻が手を上げて
「監督、今日はどこと試合するですか?」
「今日の相手もヒミツや!お前らはいちいち相手を気にせんで
 その前に自分自身の事を気にしとかんと、試合に出れんかもしれんぞ」

570 名前:合宿 投稿日:2007/07/19(木) 00:17

つんくのそのひと言に全員が一気に静まる
「ほな、そういう事や。あとは中澤と平家の指示に従うように」
そういってつんくは合宿所に戻っていった。

「よし、ほんなら練習始めるぞ。まずはアップからや。
 特に吉澤!!」
「はぃ?」
「その寝ぼけた頭の中を目覚めさせてこいや!」
吉澤はバツの悪い顔をすると、「はぁ〜い」と返事をして
アップをしにいった。

全員がアップをしている中、
「姐さん、今日の相手どう思います?」
「あぁ〜・・・・・アイツらのやる気を出させるにはちょうど
 いい相手やないんか?」
「起爆剤ってとこですか?」
「まあそんなとこやな。特に3年の奴らには、またいい薬になるんやないか?」
「そうですね。やっぱりキビシー時にはアイツらに引っぱってもらわんと、
 下の子らも困りますからね」
「そうやな。やからこそここは、もう1回アイツらにはイタイ目にあってもらう
 のが1番やろ」
571 名前:合宿 投稿日:2007/07/19(木) 00:39

午前中の練習が終わって亀井と新垣が合宿所に戻っていく。
「ねぇガキさん。今日はどこと試合するのかな?」
「さあ?そんな事私がわかる訳ないでしょ」
「そっかそっか、ガキさんはな〜んも知らないのかぁ〜」
「じゃあ、カメは知ってるの?」
「さぁ?」
「さぁって・・・人の事言う前にカメだって知らないじゃん」
「それはそれでしょ」
「それはそれって・・・・もうどうでも・・・・・んっ?」
亀井に呆れた新垣が合宿所の前にいた人影に気がついた。

「ねえカメ、入り口にうろついてる人がいるよ」
「ホントだ。迷子かな?」
「あぁ〜迷子ね・・・・ってそんな訳ないでしょ。もしかして今日の
 試合相手じゃないの?」
「あっ、そうかも!!ちょっと行ってみようよガキさん」
言うと同時に走り出した亀井と
「ちょ、ちょっと待ちなさいよカメ」
と続いて走りだした新垣であった
572 名前:合宿 投稿日:2007/07/27(金) 01:01

合宿所の入り口から中を覗いている人に後ろから近づき
「あの〜、どうかしましたか?」

「ひゃっ・・・」
突然後ろから声をかけられた人は、驚いて振り向きジッと亀井を見て
「あれっ?カメキャップじゃないですかぁ」
「んっ?誰??ガキさん知ってる?」
「知ってる訳ないでしょうが!!だいたいカメキャップって言ってる時点で
 あんたの知り合いじゃないの?」
「えぇ〜やっぱ絵里の知り合いかぁ・・・で、誰でしたっけ?」
「ちょっとカメ、失礼にもほどがあるよ!」

するとその人は
「忘れちゃったんですか?須藤ですよ、す・ど・う」
「すどー・・・・・・??あの〜下の名前もいいですか?」
「もう、カメキャップらしいですね。茉麻ですよ」

すると亀井は、ポンと手を叩いて
「おぉ〜茉麻じゃん。な〜んか大きくなっちゃって・・・わかんなかったじゃん」
「カメキャップも相変わらず元気そうで」
と2人の会話を聞いていた新垣が、
573 名前:合宿 投稿日:2007/07/27(金) 01:28

「ちょっとカメ。誰なのこの人?」
「あぁガキさん紹介するね。あたしの中学の後輩の茉麻」
すると紹介された須藤は
「西日暮里南第2中学校GKの須藤茉麻です」
と深々と頭を下げてきた。

「ちょっとちょっと!そんなに頭下げなくていいから。ども、籐陽の新垣です。
 いわれてみると確かに須藤茉麻だね〜」
「あれっ?ガキさん茉麻の事知ってんの?」
「当然でしょ。全中準優勝GKぐらいチェック入れてるよ。高校は
 東帝に行くんだってね」
「ハイッ!」と返事をした須藤に

「あれっ?茉麻ウチにくんの?」
「そうですよ、知らなかったんですか?カメキャップ」
「うん。ってかなんでガキさんが知ってんの?」
「有名じゃん。それにウチの学校も狙ってたんだけど、断られちゃったしさ・・・」
「スイマセン・・・」
「いやいや、自分で選んだ進路なんだから謝る事はないよ。それにウチも何人かは入って
 来るのが決まってるからさ」
「へぇ〜」
「へぇ〜ってアンタは何も知らないの?」
「ウン。そういうのは全部辻キャップに任せてあるからさ。下級生の絵里には
 ワカリマセ〜ン♪」
574 名前:合宿 投稿日:2007/07/27(金) 01:52

「はいはい・・・ところで、今日はどうしたの?」
新垣は亀井を軽く流すと須藤に問いかけた。
「それがウチの監督から、試合があるから行ってこいと昨夜電話がありまして・・・」
「それだけだったの?」
「はい、あとはここまでの地図がFAXできました」
「あいかわらずだね、ルル監督は・・・」
「そうですね。伝えたい事を大体でしか伝えてくれないから、みんな理解できないんですよ」
「まあいいじゃん、もう引退なんだしさ」
「まぁそうですけど」

新垣は周りを見回しながら、
「あれっ?でも1人なの?」
「はぁ、どうやらウチの中学からは私だけだったみたいで・・・」
「ということは・・・どういう事?ガキさん」
「さあっ?ところでカメ。これからどうするの?」
「そっか、とりあえず中澤コーチのとこに連れていく事にしよう♪」

「ありがとうございます、カメキャップ」
「コラ茉麻!今、絵里はキャップじゃないんだからその呼び方はやめなさい」
「あっ、そうですね。では、お願いしますカメ先輩」
「おうっ♪絵里に任せとけ後輩」
575 名前:名無し読者 投稿日:2007/07/27(金) 07:19
更新待ってました!!
影ながら応援していますので、頑張って下さい。
576 名前:桜娘 投稿日:2007/08/04(土) 01:15

575>さん
誠にありがとうございます
これからも影ながらでいいので
お願いします
577 名前:合宿 投稿日:2007/08/04(土) 01:42

昼休憩終了後

グランドには全日本ユースと今日の対戦相手として集められた
11名の中学生

「ちょっと柴ちゃん、あの娘全中得点王の矢島舞美じゃない。
 それにアシスト王の菅谷梨沙子。あとはMVPの徳永千奈美
 だよ」
「ホントだね。徳永は確かウチのガッコに来るのが内定してたよね」

「そうそう。ガキさんがどう仕切っていくか楽しみだね♪あっ、そうだ!
 時々遊びに行こうよ」
「別にいいけど、梨華ちゃんがいくとジャマになるんじゃないの?」
「そんな事ないよ〜」
「そんな事あるから言ってんだけど・・・」

578 名前:合宿 投稿日:2007/08/04(土) 01:55

その時、つんくがグランドに現れて全員が整列する
「おし、今日の対戦相手やが、もうわかっとると思うが見ての通り
 中学生や。やからといって胸を貸してやろうとかアホなことは
 思うなよ。イタイ目にあう事になるで。まあ3年の奴らはちょっと
 前にイタイ目にあったばっかりやから身に染みとるとは思うけどな」
つんくは全員を見回しながら声を大にして言う

そして今度は中学生の方を向いて
「今日はわざわざこんなトコまでアリガトな。今日は胸を借りようとは
 思わず、今度から高校生になるんや。思い切ってぶつかってくれ」
『はい』と元気よく返事をする中学生

「ほな、中学生たちは先にアップを初めとってくれ」
つんくに言われて、中学生たちはグランドに散っていった

579 名前:合宿 投稿日:2007/08/04(土) 02:11

「ほな今日は、前半に3年後半に1・2年のシステムでいってもらう。
 3年は前回のような恥ずかしい試合はやらんようにな!」
『はい』つんくの言葉に3年全員の返事に力が入る

「あと1・2年も中学生どもにやられんようにな。お前らがあの娘らを
 引っぱっていかないけんのやからな。そやないと高校に入学してきても
 なめられる事になるで」
『はい』1・2年も返事にかなりの力が入る

「よし、そしたらお前らもアップしてこい。しっかり体を暖めとけよ。
 ケガでもしたら、あの娘らにポジション取られるぞ♪」
『はい』全員は返事をするとグランドに散っていった

580 名前:合宿 投稿日:2007/08/04(土) 02:35

前半

全日本ユース

GK  吉澤 ひとみ
DF  安倍 なつみ
    石川 梨華
    斉藤 美海
    木村 絢香
MF  後藤 真希
    柴田 あゆみ
    藤本 美貴
FW  三好 絵梨香


中学生チーム

GK  須藤 茉麻
DF  梅田 えりか
    夏焼 雅
    中島 早貴
MF  徳永 千奈美
    清水 佐紀
    鈴木 愛理
    菅谷 梨沙子
FW  嗣永 桃子
    熊井 友理奈
    矢島 舞美
581 名前:桜娘 投稿日:2007/08/04(土) 02:37

スイマセン
全日本ユースFWに矢口・里田を付け加えてください
582 名前:合宿 投稿日:2007/09/06(木) 14:54

両チームともグランドに広がっていく
全中チームの中盤、菅谷・鈴木・徳永・清水が
集まり打ち合わせをする。

「じゃ、そういうことでいいわね。それよりさ、アリカンはどうしたの?
 どっちかって言うと、早貴よりアリカンの方が私の方が合わせやすいんだけどな」
「もう愛理ったら、またアリカンとか言っちゃって、栞菜が聞いたら
 また怒られるよ」
「わかってるって梨沙子。いないから言ってるだけだよ。それで、栞菜は?」
「あの娘は今日補習受けてんの」とため息まじりに話す菅谷

「あれ?栞菜ってそんな頭悪かったっけ?」
「そんなことないよ愛理。栞ちゃんの成績は学年トップクラスだよ」
と徳永が答える。そんな徳永をみながら鈴木は、
「そんな笑顔で答えないでよ・・・さすがはスマイルちぃーだね。
 で、その成績優秀の栞菜はなんで補習を受けてんの?」

「栞菜ったら、英語の試験中に寝ちゃったらしいの。答案が返ってきて
 点数を見てビックリしたよ。5点だってさ」と少々情けなく話す清水。
「まったくしょうがないな〜・・・まぁ、とりあえず今日は頑張っていきますか」

『うん』
583 名前:合宿 投稿日:2007/09/06(木) 15:31

そうこうしているうちに試合が全日本ユースボールで開始する。
ボールを受け取った後藤は全中フォーメーションを見ながら、
・・んあ〜、ゴトーがゲームメイクするのか、めんどうだな〜・・・・・
  んあんあ!!そうだ、柴ちゃんに任せよう。そしたらごとーは
  自由だぁ〜〜〜・・

後藤はボールを柴田に渡して、「柴ちゃん、あとヨロシク〜♪」
と柴田の後ろにまわる。
「ちょっとごっちん!?よろしくってどういう事?」
「そのまんまの意味だよ。柴ちゃんの好きにゲームを作っていいよ」
「もう、どうなってもしらないからね」

その柴田に嗣永がチェックにきた
嗣永は柴田の真正面からスライディングで突っ込んできた。
・・この間合いからスライディング?なめられたものね・・
柴田は簡単に左に避ける。

が、その後ろからさらに鈴木がスライディングで突っ込んできた。
・・1発目のはオトリって訳ね。でもまだ若いってね♪・・
柴田はさらに左へと避けていく。
2人を軽くかわした柴田は前線に広がった仲間の様子をうかがう。

その時、さらに後ろから嗣永がスライディングで柴田に襲いかかった。
ギリギリで察知した柴田はジャンプして嗣永を避けると、そのまま
空中で逆サイドの藤本にパスを出した。
584 名前:合宿 投稿日:2007/09/06(木) 15:54

柴田からのボールの落下地点に藤本と清水が競り合う
が、藤本は清水を弾き飛ばすとそのままボールをキープしてドリブルで
サイドをエグッていく。

藤本は簡単に夏焼をも抜いてセンタリングを上げる。
ボールはタイミング良く飛び上がった里田にピタリと合った。
が、その里田に対抗すべく梅田も飛び上がって空中で競り合う。
梅田が何とか里田のヘディングを防いだが、そのこぼれ玉に矢口が
突っ込んできた。
しかし、矢口がボールに触れるより先に須藤がボールを押さえた。

今の守備を見た後藤が柴田に近より、
「見た?柴ちゃん。全中チームけっこうやるみたいだね」
「そうだね、だからごっちんがゲームメイクしてよ」
「んあ〜、だからこそ柴ちゃんがやるんだよ。今こそ柴ちゃんの
 オールラウンドプレイヤーの力の見せ所だよ」
「オールラウンドって言い方はカッコいいけど、悪く言えば全部中途半端に
 なりそうなんだけど・・・」
「んあんあ、大丈夫だよ。柴ちゃんは自分が思っているよりも完成度は高いんだから。
 ゴトーが保証するからするからマカセナサイ!!」
「・・・・・ハイハイ、どうなっても知らないからね」
585 名前:合宿 投稿日:2007/09/17(月) 01:27

須藤はボールをスローで徳永に渡す
その徳永に早速柴田がチェックに行くが、徳永は簡単に清水との1・2で
前線に抜けていく。

「あ〜いうプレイってディフェンス側から見るとやな感じれすね」
「そうですね。けして簡単じゃないのに簡単にやってみせてるってのがまたやっかいですよ」
「はぁ〜・・・あの監督もよくもまあ次から次へと難題をもってくるれすねぇ〜」
「ある意味さすがは監督ですよ」
辻と亀井が話しているうちに徳永はスルスルと前線に上がっていく

その徳永に今度は後藤がチェックに行った
徳永は後藤との距離を測り、ループでパスを出す。
ボールは緩やかに後藤の頭上を越えて菅谷に渡った。
その瞬間、熊井・矢島・嗣永の3人が一斉に動き出した。
586 名前:合宿 投稿日:2007/09/17(月) 01:49

・・きたな・・
吉澤はDF陣と熊井・矢島・嗣永の位置を確認すると両腕を大きく
広げ、ゆったりと構える。

矢島には石川、熊井に美海、嗣永には安倍がマークにつき、アヤカが菅谷にチェックに行く
体格に勝るアヤカはガンガンチャージをかける。
よろめきながら何とかキープをする菅谷はアヤカの隙をついてボールを
右に転がした。

その流れたボールに走り込んできたのは鈴木だった。
鈴木はトップスピードのままドリブルで上がっていき、ペナルティーエリア内に
切り込んできた。
石川は矢島のマークを外すと鈴木のチェックにいく。

鈴木は前からくる石川を見ながら、
・・さすがにシュートコースはないか・・・・それなら・・
鈴木は少し後ろ目に低い早めのパスを出した。
そのボールに走り込んできた菅谷がそのままダイレクトにシュート。
菅谷は熊井と矢島をブラインドにしてシュートを打ったのだが、
吉澤は簡単にそれをキャッチした。
587 名前:合宿 投稿日:2007/09/17(月) 02:12

「今度はこっちの番だな」
と吉澤は大きくボールを蹴り飛ばした。
そして、「ごっちんさっきは助かったよ」
「んあんあ、ゴトーも少しは仕事しないとね」
「そりゃそうだ!前線は柴ちゃんに任せてるんだからさ」
「んあ〜い。そんじゃ〜もっと働いてきますか」
そういって前線のフォローにいく。

その会話を聞いていた菅谷は、
・・今のはもしかして、あのコースに打たされたのか・・
菅谷はさっきのシュートを打つ時に、2つあるシュートコースの内、
迷わず左に打った。理由は1つ。右側には後藤がいたためだ。
誰もが思う。高校サッカー界最強のボランチであり、高校選手権優勝校のキャプテンでもある
後藤に向かってシュートを打つ者など、そうそういない。
だから吉澤に簡単にシュートコースを読まれ、楽にキャッチされてしまったのである。

588 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/09(金) 21:35
どうなる中学生チーム
589 名前:桜娘 投稿日:2007/11/29(木) 01:58

588さん
どうなるのかな?中学生チーム・・・
590 名前:合宿 投稿日:2007/11/29(木) 02:46

吉澤のゴールキックを中盤で清水と藤本がヘッドで競り合うが、
ここは身長差で勝る藤本が競り勝つ。
藤本はヘッドでフォローに来た美海なまわす

フリーだった美海は落ち着いてボールを押さえると、そのまま
ドリブルで上がっていく。

夏焼がチェックに行くと美海はすぐに逆サイドにボールを渡した。
そのボールに柴田と鈴木が落下地点に走り込み
そして両方とも同時に飛び上がった。
しかしボールは2人の頭上をさらに越えていく。
驚いた鈴木が柴田の顔を見ると、柴田の目線はサイドラインに
向かっているボールを見ていた。
鈴木がその目線を追うと、そこにはサイドラインギリギリに走り込んできた
黒い影、石川だった。

591 名前:合宿 投稿日:2007/11/29(木) 03:08

石川はボールをトラップすると、そのままドリブルで上がって行った
そこまでを見ながら着地した鈴木は柴田を見て、
「今のは打ち合わせ通りとかですか?」
「いいや。流れ・・・かな?」
「流れですか?」
「うん。美海のパスの強さとサイドバックが梨華ちゃんだったから
 こうなるんじゃないかなってね♪」
そこまで言うと柴田は前線に向かって行った。

鈴木は柴田の後姿を見ながら、
・・流れでそんなにうまくいくものなのかな?
  確かに柴田さんと石川さんは同じチームでプレーしていたから
  わからなくもないけど、実海さんのパスの強さまで把握できる
  ものなのかな?・・

と考えてると、前線から戻ってきている嗣永に肩をたたかれ
「愛理、何をボーっとしてるの?早く戻らないとマズイってば!!」
「えっ?・・う、うん」
我に返った鈴木は急いでディフェンスのフォローに向かった


592 名前:合宿 投稿日:2007/11/29(木) 03:25

ドリブルでサイドラインを上がってきた石川は向かってきた中島を
簡単に抜くとそのまま中に向かって切り込んできた。
危険を感じた徳永が何とかペナルティーエリア直前で
石川をファールで止めた。

徳永は「スイマセンっした」と頭を下げながら石川に手を差し伸べる。
石川は笑顔で「いいよ、今のはいい判断だったよ」と言って徳永に
引き起こされると「アリガト」と言ってボールを抱えて話している
後藤と柴田のところによって行った。

・・やっぱり今のまま行かせたら1点だったのか・・
徳永は話している後藤・柴田・石川を見ながら、わずかながらの
レベルの差を感じとっていた。そして、
「よし、ここはしっかり止めようよ!!」
ディフェンス全体に向かって大声をだしてチームを盛り上げる。

593 名前:合宿 投稿日:2007/11/29(木) 03:59

一方、後藤・柴田・石川の3人はというと、

「どうする?梨華ちゃんがもらったんだから、そのまま梨華ちゃんが蹴れば?」
「えっ?私は別にいいよ。柴ちゃんかごっちんが蹴ってよ」
「んあ〜そうだよ。今日は前線は柴ちゃんに任せてるんだからさ、柴ちゃんが
 んあ〜って決めちゃってよ」
「何よ?んあ〜って決めるって・・・まあいいわ。前線は私に任せているのなら
 ここは私の指示に従ってもらうわよ」

柴田はニヤッと笑うとボールを後藤に渡して、「ここはごっちんに決めてもらうわ。
 中学生相手にこの距離でこの角度、ごっちんだったら100%入るでしょ」
後藤は首を横に振ると「んあんあ、この距離で100%入るのは紺ちゃんだけだよ。
 ごとーは98.7584%ぐらいの確立だよ」

柴田は軽くため息を吐くと、
「えらい細かいな・・・とにかくここで1点入れときたいの。
 理由は言わなくてもごっちんなら気づいてるでしょ!!
 じゃ任せたからね。行こっ梨華ちゃん」
石川も「そういう事でごっちんヨロシクね」といってそこから離れていく

後藤はボールをセットすると、
・・んはぁ〜、流石の柴ちゃんも中学生には負けたくないみたいだね。
  まぁここはしっかりと仕事をしますか。ごとーも同感だしね・・

後藤はホイッスルが鳴ると同時に助走もつけずにシュートを放った。
ボールは飛び上がった梅田の頭上を越えたとたんに鋭く曲がり
ゴール左隅に突き刺さった。

須藤はゴール内にまだバウンドしているボールを見て、
・・あんなの絶対取れっこないよ。壁が無くても取れたかどうか・・

594 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/30(金) 22:24
壁がなかったら余計に捕りにくいんじゃないの?
595 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 05:02
壁があるからキッカーの軸足やボールの軌道が見にくい場合も
あるんですよ。壁が無ければよく見えますから。
作者さん見させてもらってます。中学生チームの反撃に期待します。
(現役ゴールキーパーより)
596 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/01(土) 19:50
すげえ
高度なテクニックなんですね
597 名前:桜娘 投稿日:2008/01/23(水) 00:45

594さん596さん
595さんの説明の感じでお願いします
598 名前:合宿 投稿日:2008/01/23(水) 01:07

センターサークルにボールをセットする矢島と熊井。

「ねぇ友理奈。どうする?あのディフェンス・・・」
「いくら急造チームって言っても・・・それは私たちもなんだけどさ、
 やっぱここは格下が格上に噛み付くにはガムシャラにいくしかナイんじゃない?」
「ふふっ、友理奈って見た目と違ってけっこうアツアツよね」
「なによアツアツって。おでんじゃないんだからさ〜」
「はいはい。それじゃあ、試合もまだまだこれからだしガムシャラに行きますか!!」

そういうと、矢島と熊井は試合を再開しボールを後ろの菅谷まで戻して、
前線に向かっていった。

ボールを受け取った菅谷は、
・・あの2人、な〜んか急にヤル気になっちゃったみたいね。
  まあけっこう似たような2人だし。
  でも・・・私もちょっとあの2人に乗ってみてもいいかな♪・・

599 名前:合宿 投稿日:2008/01/23(水) 01:27

菅谷はユースチームの布陣を確認すると、
「佐紀は中盤STAYで、愛理・もも・チィー行くよ!!」

菅谷の声に鈴木・嗣永・徳永は菅谷の周りにフォーメーションを組んで
前線に向かっていく。
里田と三好がチェックにいくと、菅谷は鈴木との1・2で簡単に抜いて
そのまま一直線に後藤に向かっていく。

・・今、流れはこっちにはない。流れを掴むには自分たちで流れを持ってくる
  しかない。だからここは勝負だ・・
菅谷は後藤に近づいていく。それに気づいた後藤も真正面から菅谷を向かい受ける。

中学生チームは菅谷が抜くのを信じて、前線で形を作って待つ。
ユースチームは後藤のカットからのカウンターを狙い準備する。

600 名前:合宿 投稿日:2008/01/23(水) 02:03

菅谷と後藤は肩と肩をぶつかり合わせる。
体格的に後藤が有利と思われたが、そこは菅谷が重心を低く保ちうまくバランスをとる。
しかしバランスに気を取られすぎた菅谷に後藤はすかさず足を伸ばす。
後藤の足に弾かれたボールが後ろに転がる。

そのボールは菅谷の後ろにいた徳永がキープして、
「りしゃどいて!!あたしがいくよ」
今度は徳永が後藤に向かっていった。

「最近の中学生はチャレンジャーれすね。のんだったらとりあえずシュートれすよ」
「それはのんちゃんしかできませんよ・・・」
と話す辻と紺野

「でも、流れを掴むにはいい方法れす。特に今のごっちんならのんでも
 抜く自信はあるれすけどね」
「そうですね。選手権の時と比べると後藤さんは調子を落としてますから・・・
 まぁそれでも超一流から一流になる程度なんですがね」
「ここは中学生のガンバリに期待してみても、面白いかもれす」
「のんちゃん、面白がってるだけじゃダメですよ。私たちも後でやるんですから」
「大丈夫れすよ紺ちゃん。のんの辞書には油断するという言葉はのってないのれす」

・・のんちゃんの辞書にはそれ以外にも載ってない言葉がたくさんあると思うのですが・・
「んっ?紺ちゃん今のんのことバカにしませんれしたか?」
「えっ?いえいえとんでもない」
・・さすがにカンが鋭いな、気をつけないと・・

こうして2人は視線を試合に戻す。

601 名前:合宿 投稿日:2008/01/23(水) 02:36

徳永は菅谷と同じように肩から当たっていく。
しかしぶつかり合った次の瞬間、徳永は反転して後藤の左側を抜けていった。

後ろから見ていた吉澤が、「動け、周りチェックしろよ!!」
後藤が簡単に抜かれた事に動きが止まっていたユースチームは、
吉澤の声に動きを取り戻した。

吉澤は中学生チームの前線を確認しながら、
・・クライフターンですか・・・・自分が言うのもアレだけど、あそこまでの完成度があれば
  今のごっちんなら簡単に抜けるなぁ〜。それに仕掛けた前フリがよかったな。
  でもまずは、ここをしっかり死守しますか・・

「そこのトップの2枚にはしっかりマークつけとけよ」
吉澤の指示に柴田とアヤカが矢島と熊井に張り付いた


602 名前:名無し読者 投稿日:2008/01/26(土) 12:27
更新お疲れ様です!!
ごっちん頑張れっ!!!
603 名前:桜娘 投稿日:2008/02/06(水) 01:36

602さん
ありがとうござっす
ごっちんガンバレ!!
自分も応援してます
604 名前:合宿 投稿日:2008/02/06(水) 02:02

後藤を抜き去った徳永はそのままペナルティーエリアに突入する。
ディフェンスは全員マークについていたので、吉澤との1対1となった。
その瞬間徳永はチラッと吉澤と目が合い、そしてニコッと笑顔になる。

・・なめやがって、チューボー風情が!!・・
急速沸騰マシーンとなった吉澤が徳永めがけてゴールから飛び出した。
徳永としては、ただただいつも通りの笑顔になっただけなのだが、
当然そんな事を吉澤は知るはずもなく・・・

もちろん外から見ていた紺野も「なんか吉澤さんの飛び出しおかしくなかった?」
「そうれすね。なんか練習中とは違った動きれす。でも・・・さすがは
 よっすぃれす。飛び出しのタイミングはバッチリれすよ」
「後は、徳永ちゃんが吉澤さんをどう崩すかですね」
「崩すってめんどくさいれす。のんだったら一気にブチかますれす」

「・・・・・さぁゲームに集中しましょう、のんちゃん」

605 名前:合宿 投稿日:2008/02/06(水) 02:27

徳永は吉澤との距離をしっかりと計りながら1歩1歩近づいていく。
そして近づいてきた吉澤が滑り込んできて両手でボールを掴もうとした瞬間

ボールは吉澤の両手どころか体をすり抜けてゴールネットにゆっくりと
転がっていった。
そして大きく笛が鳴り響きゴールインのコール。

徳永を中心に集まって大喜びする中学生チーム
そしてしてやられたとのユースチーム
それにゴール内に転がっているボールを見て信じられないという表情の吉澤

「今のシュートはどうでしたか?解説の辻選手」とマイクを持ってる風に紺野が
辻に手を向ける
「そうれすね。今の対決は徳永ちゃんの完封勝ちれすね。よっすぃは
 ボールが消えたように見えたみたいれすね」と辻が言うと、

「そうやな。特に吉澤は高校からのキーパーやから脇の下の
 死角への対応はまだまだやったちゅー事やな」と後ろからの声

辻と紺野が驚いてとっさに声のした方を見ると、つんくが腕を組んで
座っている2人を見下ろしていた。

606 名前:合宿 投稿日:2008/02/06(水) 02:48

「あっ、監督。いたのれすか?」
「おったわ!!それよりどうや辻。今のプレーオマエにはできるんか?」
「ングッ・・・のんにはあんな細かいプレーはできないれす。でも紺ちゃんになら」
とそこまで辻が言うとつんくが、

「そうやな、紺野なら楽にできるプレーの1つや。でもな辻!!」
「なんれすか?」

「オマエにそんなプレーをしろとは言わんし、それに今すぐにできる訳ない
 ってのもわかっとる。要はあ〜なる前に処理をするのがオマエの仕事や。
 後藤は処理に失敗したから結果が失点っという事になったんや」

「はぃ・・・肝をイジメとくれす」と呟く辻に
「のんちゃん、それを言うなら肝に銘じるですよ」
「ワザとれすよ紺ちゃん。余計なツッコミは無用れす」
「ごめんのんちゃん・・・・」

607 名前:合宿 投稿日:2008/02/06(水) 03:24

一方ゴールを決められたユースチームはというと、

吉澤がゴールに転がっているボールを拾うと、「クソがぁ!!」
と大きな声と共にボールをセンターサークルに蹴り飛ばした

それまでワイワイはしゃいでいた中学生チームは一瞬ビクッとして
そそくさと自陣に戻っていった。

それを見た安倍が「よっすぃ今のは大人げないべ。いくら点を取られたからって
 中学生相手にとる行動じゃないべさ」
「すっ・・・スイマセンっす。いやわかってるんっすけど、ついついイラッとしちゃって」
「それはわかるけど、点を取られるたびにこれじゃあ、体がもたないべ。だいたい、点を取られるのは
 よっすぃだけのせいじゃないんだよ。DF全員・・・いやチーム全員のせいなんだから・・・
 だから、簡単にキレたりしたらダメだよ。それが原因で退場になったなんかしたら
 みんなに迷惑がかかるんだからね。わかったかい?」
吉澤は安倍に軽く説教されて少ししゅんとなると「わかったッス。肝っときます」
と頭を下げてグローブをしっかりとはめ直した」

すると安倍は笑顔になり「よし、それじゃ頑張るべか!!よっすぃ・・・」
「はい??」
「なっちたちは一心同体なんだよ。試合に出てるみんな、それに出てないみんなも一緒に
 闘ってるんだからね。憶えておくんだよ」
「はい!!」吉澤は大きく返事をすると気持ちを切り替えて前を向いた

・・みんな一心同体か〜重い言葉ですよ安倍さん。でも頑張らせて頂きます・・・
  いや、一緒に頑張っていきましょう!!・・

608 名前:合宿 投稿日:2008/02/10(日) 01:50

「ミキティ、柴ちゃん」
試合再開のため自分のポジションに戻ろうとしていた2人を矢口が呼び止めた

3人は集まると、まず矢口が「なぁ、どうする?頼みのごっちんはあぁだしさ」
すると藤本が「そうねぇ〜・・・確かにごっちんの状態は気にかかるところだけど、
 とりあえずまずはこの現状でしょう。このままじゃガキどもにナメられるっしょ」
藤本の発言に柴田がため息をつきながら「ガキどもって・・・言葉に気をつけなさいよ美貴。
 よっすぃだけじゃなく、美貴までキレたら試合どころじゃないんだからさ。また昔のように
 試合をつぶしたりする気なの?」

「んぇ!!なっ、なんで柴ちゃんがそのこと知って・・・・」
藤本はそこまで言うと矢口の方を見て「まさか・・・・」
矢口は首をグングン横に振って「違う違う!!オイラじゃない!オイラじゃないってば!!!」
「じゃあ何で柴ちゃんが知って・・」
「ホントはね、ネットで知ったの。同世代ですごい中学生がいるもんだなぁってね。まさか数年後に一緒に
 プレーをするとは思わなかったけどね」

609 名前:合宿 投稿日:2008/02/10(日) 02:16

「まあまあその話はともかく、まずはこれからどうするかだけどさ」と矢口が言うと
「別に焦る事はないんじゃない?あの娘たちはけっこうやるけどさ、美貴から見れば
 まだまだ中学レベルって感じかな。ディフェンスも色々と穴が見えてきたよ」
「美貴の言うとおりかもね。別に油断してる訳じゃないけどさ、中学生と高校生のレベルの差ってのを
 感じるね」
「そうか・・・ミキティと柴ちゃんがそう言うなら大丈夫だな。それじゃあまだ時間も
 たっぷりある事だしさ、ガンガン点数重ねていこうぜ!」
矢口が言うと3人は軽く拳を合わせて、自分のポジションに戻っていった。

そして試合再開から3分後、中学生チームのゴールに転がるボール。
ゴールを決めたのは三好だった。その三好を称える里田達チームメイトと
その後ろでまたもや拳を合わせる矢口・藤本・柴田3人の姿があった。

その詳細はと言うと、
柴田は後藤に攻撃参加はせずにディフェンスオンリーの指示を出し、その代わりに
石川をオーバーラップさせた。
そして柴田を中心にボールを回して中学生ディフェンスのバランスを崩したところで
ペナルティーエリア外から柴田が全力でシュート。
ボールはブロックに来た夏焼に足を簡単に吹き飛ばして、勢いも衰えずにゴール右スミに
飛んできたが、何とか須藤がパンチングでクリアした。

しかしそのクリアボールを拾った藤本が得意のドリブルでサイドラインに切れ込み
低くて早いセンタリングをあげた。
藤本とのアイコンタクトであらかじめ気づいていた矢口がいち早くボールに飛び込んできた。
何とか追いついてきた梅田が後ろからマークに行くが、矢口はそれをあざ笑うかのようなバックヘッドで
ボールを上に流す。
そのボールをタイミングよく飛び上がった三好がヘディングで叩きつけてのゴール。


610 名前:合宿 投稿日:2008/02/10(日) 02:30

「どう?矢口さんこんなもんでしょ♪」と意気揚々の藤本
「バーカ、中学生相手に得意がってんじゃねぇよミキティ」と鼻で笑う矢口
「まあまあ、とりあえず合いつかれる前に追加点と行きますか」と少し自信有りげに話す柴田

話しながら戻っていく3人の会話を聞いた矢島は
・・ユースのトップレベルとココまで差があるなんて、私たちも中学の中ではトップレベルなんて
  言われてるけど・・・自惚れてたのかも知れないな・・
矢島は少し心を入れ替えて『よしっ』と気合を入れ直してセンターサークルに向かった。

しかし、ゲームの流れは完全にユースチームにいってしまい、
その後、里田・矢口と立て続けにゴールを決めて、結局1本目は4−1と大差でユースチームに
軍配が上がった。

611 名前:合宿 投稿日:2008/02/10(日) 02:57

ユースチームがベンチに座っているつんくの前に集まると、つんくはすくっと立ち上がり
「後藤、合宿所の周り20周や。その後はトレーニングルームでひたすら筋トレや。
 今日はずっとそれだけして来い」
つんくの言葉に後藤は反論しようともせずに小さく「はぃ」と返事すると
トレーニングシューズに履き替えて1人で走りにいった。

「次、オマエらも4点取ったからっていい気になるなよ。相手は中学生やで!!
 何を1点取られとんねんちゅー話やぞ。やるんやったら最初から全力で行かんかい。
 そうやろ?特に矢口・藤本・柴田!!!」
つんくに名前を呼ばれて、しまったと顔に出た3人。
そして「3人とも10周や行ってこい。後、吉澤!!オマエもや。理由は言わんでもわかっとるやろ」
つんくに言われた矢口・藤本・柴田・吉澤の4人もシューズを履き替えると2列になって走りにいった。

「ほんなら後はしっかりクールダウンしてしっかりと2本目を自分のポジションと照らし合せて見て
 勉強するように。自分やったらどうするか考える事が今後自分の役にたつんやからな!」

『はい』と残ったメンバーは返事をして、2本目の見学に向けて準備をする。
「そうや、安倍」
突然つんくに呼ばれた安倍はびっくりして「はっ、はいぃ、なんだべか?」と返事をする
「そんなビビらんでもえぇがな。ただあっちでアップをしよる1・2年を呼んで来てほしいんやけど」
「わかりました」安倍は少し安心したのかすぐに返事をすると、軽い駆け足で1・2年のとこに向かった。

612 名前:合宿 投稿日:2008/02/10(日) 03:15

一方、中学生チームは全員が息を整えていた中、
「さすがは高校生ね、プレッシャーが全然違ったよ。体力の減り方がハンパじゃないよ」
「そうだね、愛理の言うとおり中学生同士の試合の方が全然ラクのような気がするし」と菅谷
「でも、まだもう1本あるんだよ。どうしよう・・・」と心配そうな須藤に
「大丈夫だよ。2本目は1・2年が主体だって監督さんが言ってたから、きっとなんとかなるよ」と嗣永

「でも油断大敵だよ。1つ2つ上でも高校でのシーズンを過ごしているんだからさ」と熊井
「そうね。でも私たちはチャレンジャーなんだから萎縮せずにもっとガンガンいこうよ」と徳永
「よし、さっきも1点取れたんだし、次は2点目標でやってみようよ」と中島
「何言ってるのよ早貴!今度は勝ちを狙わないと」と梅田

「そうそう、そのために私たちがしっかりと守らないとね」と夏焼
「じゃあ、私たちもしっかりと点をとらないとね」と矢島
「よし、じゃあみんな2本目もガンバロー!!」

『お〜う!!!!』


613 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/11(月) 11:22
すげー
登場人物多いっすね
614 名前:桜娘 投稿日:2008/02/21(木) 01:19

620さん
あざっす
なるべくみんな出てきてほしいなって思いまして♪


615 名前:桜娘 投稿日:2008/02/21(木) 01:22

間違えました613さんでした・・・
申し訳ございません

m(__)m


616 名前:合宿 投稿日:2008/02/21(木) 01:29

後半

全日本ユース

GK 岡田 唯
DF 亀井 絵里
   高橋 愛
   田中 れいな
   小川 麻琴
MF 辻 希美
   新垣 里沙
   加護 亜依
   紺野 あさ美
   道重 さゆみ
FW 松浦 亜弥


中学生チーム

前半と同じ



617 名前:合宿 投稿日:2008/02/21(木) 01:58

亀井は試合前に話をしている辻と紺野のトコに
近づき「辻さん、紺野さん」と声をかけた

「どうしたのれすか?亀ちゃん」
「実はこの機会にちょっと試したい事がありまして・・・」
「試したい事?」不思議そうにする紺野に対して辻は
「試したい事ってもしかして、アレれすか?」
「はい、アレです。そろそろ実戦で試していきたいので」

辻は少し考えると「でも今やるのはリスクが大きいれすよ」
「そこなんですけど、絵里に考えがあるんです」
「考えですか?」いまだに何をするかわからない紺野はさらに聞き返す
「はい。そこで後半の半分は辻さんと小川さんのポジションをチェンジ
 してほしいんですけど・・・ダメですか?」

亀井が恐る恐るお願いすると辻は紺野と向き合って紺野の答えを待つ

618 名前:桜娘 投稿日:2008/02/21(木) 02:34

すると紺野は「もしかしてその試したい事ってのは来年の東帝にも関わりが
 あるのでは?」
「ングッ・・・さすがに鋭いれすね紺ちゃん。それもあるんれすがユースチームでも
 試す価値があると思うのれす」
いつもとは違う辻の雰囲気に紺野は「わかりました。もともとDFに関しては
 全てのんちゃんと亀ちゃんに任せる予定でしたので」

紺野から許可を得た2人は早速DFを集合させる。そして辻が
「とりあえず亀ちゃん、愛ちゃんとれいなに説明しとくれす。麻琴にはのんが話をするれす」

そういって辻は紺野と2人になると「いいれすか?麻琴にはボランチに入ってもらうのれすが、
 やってもらう事は1つだけれす」
「1つ?」
「そうれす。その1つとは」
「その1つとは?」

「あの菅谷をずっとマンマークしていてくらさい」
辻の指差す方向に話をしている菅谷の姿が見える
「マンマーク・・・」
「そうれす。マークを外されて点を取られた時はとんでもなく恐ろしい罰が
 麻琴に襲いかかるように紺ちゃんにお願いしとくれす」

その言葉にビビッた小川は生唾を飲み込むと「わかった、一瞬たりとも離さないようにするよ」
「その意気れす。その意気に免じて1つだけ助言しとくれす」
「なになに?」
「ボールじゃなくて菅谷だけを見ておく事れす」
「わかった。全力で頑張るよ」
「じゃあ任せたれすよ」

そう言って辻は亀井のところへ向かっていった
619 名前:合宿 投稿日:2008/02/21(木) 03:03

「亀ちゃんどうれすか?」
「はい、2人には説明しておきました。愛ちゃんは理解してくれたんですけど、
 ただれいなが不安そうにしてたのですが・・・」
「まあそこはある意味想定内れすから、そこはのんと亀ちゃんがフォローすれば
 なんとかなるれすよ。問題は今ののんたちにどこまでこのディフェンスが
 できるかれすよ」
「そうですね・・・絵里と辻さんは前から練習してたからある程度掴めているとは思うんです。
 だから、これからは実戦での経験で完成させていくのが1番の近道だと思います」

「わかったれす。早いとこ完成させて、来年も優勝は東帝がいただくれす」
「はい、頑張りましょう!!」

こうして両チームとも各ポジションに着くと、大きく笛が鳴り響き後半が開始した。

620 名前:合宿 投稿日:2008/02/24(日) 01:31

熊井と矢島がキックオフをして、ボールを後ろの嗣永にさげる
その嗣永にすぐ紺野がチェックにいく。
しかし、すぐに気がついた嗣永は左の清水にボールをまわした

清水はスピードで新垣を抜きさると、そのまま左サイドを上がっていった。
そこに前から高橋が向かってくる。
清水は新垣と同様にスピードで抜こうとするが、そこは技術的に数段上の高橋が
スピードに乗る前に清水を止める。

何とかボールをキープしながら清水は
・・さすがは高橋さんだ。そう簡単には行かせてもらえないな。
  でも他にも選択肢はあるし・・

清水は中央にいる熊井にボールを渡した。
パスを受けとった熊井はすぐに前を向くが、その目の前には亀井が
構えている。亀井と1対1を仕掛けようとした熊井だが、
・・スピードで抜くにも距離がないし、それにヘタなフェイントは通用しそうにないな
  この人ホントに1つ上なの・・
スキが見つからない熊井はフォローにきた矢島にボールを託す

621 名前:合宿 投稿日:2008/02/24(日) 01:51

しかし矢島がトラップした瞬間に辻が厳しくチェックにくる
トラップの瞬間を狙われた矢島は成すすべも無く簡単にボールを奪われて
しまった。
辻はすぐにボールを加護にまわした。
加護は得意のスピードに乗ったドリブルで鈴木、中島を簡単に抜くと、
ペナルティーエリアに突入し、須藤と1対1になった。

しかし、逆にスピードに乗りすぎてしまったため、飛び出してきた須藤に
ボールを取られてしまった。
「あかん、調子に乗りすぎてもうたわ・・」
加護は独り言のように呟くと、自陣に戻っていった。

須藤はボールを大きく蹴り出すと、フォローに戻ってきていた梅田に、
「ちょっと前半よりまずくない?今の一連のプレイだけで
 すごいレベルの差を感じたんだけど・・」
梅田もうなずくと「そうね、それに私的にはさっきのあのディフェンスの仕方が
 妙に気になるところだけど・・」
「ディフェンスが?私も見てたけど、普通のプレスに見えたけよ」
「茉麻にはわからないかもね・・・根っからのディフェンスの私には違和感がビシビシ
 感じたわ」
「ふ〜ん、そんなもんかね」
「そんなモンよ。でも、ドコで違和感が感じたのたがわかんないんだけど、
 でも何か変ななんだよ・・」
梅田の言葉に須藤は「う〜ん」と唸るしかなかった。

622 名前:合宿 投稿日:2008/02/24(日) 02:11

一方、須藤から飛ばされたボールに紺野と徳永が同時に飛び上がり空中で競り合う
ボールは弾かれて右に転がっていった。

そのボールを鈴木が抑えると、そのままドリブルで上がっていく。
鈴木はフェイントで簡単に田中を抜くとサイドラインから中をみるが、
前線の選手が全員マークにつかれていた。
ボールを渡す相手が見つからなかった鈴木はセンタリングを諦めて自分でペナルティーエリアに
切り込んでいった。

ペナルティーエリアに入り込んだ鈴木に前線から戻ってきた加護が肩からチャージをいれる
加護のチャージで吹き飛ばされた鈴木は派手に倒れてファールのジェスチャーをするが、
審判はそれを流した。その間中学生チームは審判に注目していた。

「甘いわ。笛が鳴るまでプレーを止めたらアカンねんで!!」
動きの止まっている中学生をあざ笑うかのように、加護は声に出しながらボールを紺野に渡した。
気の抜けた中学生陣内をドリブルで上がって行くと、チェックに来た梅田の前で
ボールを真横に転がした。

そのボールに走り込んできた道重がエリア外からダイレクトでシュート。
気持ちよく振りぬかれたシュートは一直線にゴールに突き刺さった。

須藤は反応もできずにゴール内にバウンドしているボールをただ見つめていたのであった

623 名前:名無し読者 投稿日:2008/03/09(日) 01:03
更新お疲れ様です!!
624 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/10(月) 18:26
随分専門的な小説ですね
625 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/03(土) 01:54
待ってますよ
626 名前:桜娘 投稿日:2008/05/26(月) 01:58

623さん
ありがとうです

624さん
ありがとうございます
専門的と言われますとかなり恥ずかしいのですが
これからもボロがでないように頑張らせて頂きます

625さん
お待たせしてスミマセンです



627 名前:合宿 投稿日:2008/05/26(月) 02:08

シュートを決めた道重に前線の選手が集まって讃えている中、辻と亀井は
「辻さん、さっきのディフェンスどうでしたか?」
「ん〜・・・やっぱりパッとしないれすね。ギリギリ愛ちゃんがついて来れた
 だけれすから、これ以上やってもボロがでるのが見えてるれす」

「やっぱそうですよね〜。それじゃ〜お試しはここまでにして後は通常のポジションに
 戻しますか?」
「そうれすね。じゃあ紺ちゃんにはのんが伝えとくから、ディフェンスは全部亀ちゃんに
 任せるれすよ」
「ラジャー!!」
亀井は笑顔で敬礼をすると高橋・小川・田中を集めて簡単な打ち合わせを始めた

628 名前:合宿 投稿日:2008/05/26(月) 02:21

辻は紺野に近づくと、
「紺ちゃん、とりあえずディフェンスは通常に戻すから、後はのんも
 自由に使ってくださいれす」

「あれっ?あのディフェンスもうやめるの?ちょっと見ただけだけどけっこう厄介な
 モノをやってくれてるね」
「ングッ・・・さすがは紺ちゃんれす。少し見ただけでアレを理解したのれすか?」
「理解まではいってないけど、ある程度の事しかわかってないよ。
 それでも、あのディフェンスが完成されていれば、点を取るのが簡単じゃない事は
 理解できたけどね」

「まぁ、のんたちも出し惜しみするわけじゃないから、このチームでも試して使えれば、
 使っていってもいいと思ってるれすよ」
「そうですね。まあその話は置いといて、試合に続きに集中しますか。
 このまま追加点を取って中学生たちにはおとなしくなってもらいましょう」

「おぉ・・・顔は笑顔なのにセリフが恐ろし過ぎれすよ。
 でも勢いを消すにはその方法が1番れすからね」

辻と紺野は笑顔で話し終えると自分のポジションに戻っていった。


629 名前:合宿 投稿日:2008/05/26(月) 02:44

中学生チームのボールで試合が再開

矢島からボールを受けとった菅谷は、
・・どうしよう、この流れをどうにかしなければ・・

あきらかに動揺している菅谷にすかさず松浦がチェックを入れる。
松浦のチェックに反応が遅れた菅谷の足元からボールが弾かれた。
そのボールをひろったのは加護だった。
加護は一気にトップスピードに乗ってペナルティーエリアに近づく。

が、その加護に真横から中島が突っ込んできて加護を跳ね飛ばした。
勢いよく転がる加護と同時に高々と笛が鳴り響く。
「あぁ〜あ、ファールか・・・」と呟いた中島にムクッと起き上がった加護が、
「ファールかやないわ!あんなもんファールになるに決まっとるやないか」
と今にも突っかかって行きそうな加護を紺野と道重が止める。

その騒ぎにすぐに徳永が賭けよって、
「スイマセン。以後気をつけますから、スイマセン」
と深々と頭をさげる。しかし中島の方はというと関係ない顔で違う方を見ている

それをみた加護が「まぁえぇ〜わ。こんなプレーしかできんようなら、今のチューボーの
 レベルもたかが知れとるわな。ほんじゃ、FKは紺ちゃんに任せるわ」
そういって、FK用のポジションに歩いていく。

630 名前:合宿 投稿日:2008/05/26(月) 03:01

なんとか引いてくれた先輩方を見送った徳永は、
「早貴・・・、さすがに今日はラフプレーは控えてよ。ケガなんかされたら
 取り返しつかないんだからさ」

そういわれた中島は「私も前半はそう思っていたよ。でもさ、ここまで好き勝手に
 点を取られてくると、やっぱ自分のプレースタイルを崩してまで先輩方のお膳立てを
 する必要はないんじゃないの?」

中島の言葉に何も言い返せない徳永に、後ろから梅田が
「それも解かるけど、ケガだけはダメだからね。それは解かるでしょ早貴」
中島は振り返ると梅田と無言で視線を合わせて、「はぁ〜わかったわよ」

そういって壁をつくるためペナルティーエリアの中に入っていった
その流れがいまいちわからなかった徳永だが、梅田が「いろいろあるのよ」
と言って、自分も壁に向かっていった。
徳永は理解不能のまま自分も壁に向かっていった。

631 名前:合宿 投稿日:2008/05/26(月) 03:13

さてFKを得たユースチームなのだが、キッカーは紺野。

紺野は助走もとらずにボールを蹴りこむと、ボールは飛び上がった梅田の
頭をふわりと越えて、そのままゴール左隅に吸い込まれた。

そのFKを見た菅谷は
・・なに??今のFK。あそこまで正確なキックができる人がいるだなんて、
  鳥肌モンだよ・・
と密かに感動をしていた。

結局、その後も辻と松浦が得点を重ねて、ユースチームの快勝で試合が終了した。


632 名前:合宿 投稿日:2008/05/26(月) 03:35

試合終了後、辻は加護に近づくと、
「あいぼん・・・」
「おっ、のんおつかれ〜。圧勝やったな」と喜んでいる加護に
「あいぼん、試合中にあっちのDFに吹っ飛ばされた事なんれすが・・・」
「あぁ〜あれか・・・しょーもない事すんなっちゅーんよな」

しかし辻は顔を横に振ると、「あいぼん、アレはあいぼんの負けれすよ」
そういうとゆっくりとベンチの方に向かっていった。

あまりの事に意味がわからなかった加護は
「ちょっ、チョット待ってや!!なんでアレがウチの負けやねん。意味がわからへんわ」
辻はピタッと止まって振り返ると「理由は少し自分で考えてみてくらさい。わからないとあいばんは
 試合に出してもらえなくなるれすよ。たぶん中澤コーチはそう思ってるハズれす」

辻はチラッと中澤の方を見て、そしてゆっくりとベンチに戻っていった。
その言葉を聞いた加護はダッシュで中澤コーチのトコに近づき
「コーチ、ウチがこのままやったら試合に出してもらえへんってのんが・・・辻が言ってたんですが
 ウソですよね?」

すると中澤は笑顔で「なんや辻に言われたんかいな。ホンマやで」
「なっ、なんでですの?」
「辻には何て言われたんや?」
「ウチの負けやって言われました・・・」

「フッ・・・」中澤は鼻で笑うと
「辻は友達思いやな・・・加護、ちょっと自分で考えてみ。今度はチームでキャプテンに
 なるんやろ?そういう事考えるのも大切なことやで」

そこまで言うと、「お〜しお前ら!今日はここまでや。ちゃんとクールダウンしとけよ。
 あと中学生も練習に参加したいなら合宿所に泊まっていってえぇぞ。
 学校の許可はとっとるから、遠慮するなよ」

その言葉に驚いた矢口が「どういう事ですか?コーチ」
「ん?ただ単に練習相手がほしかっただけやって監督が言っとったで」
「はぁ・・・???」

そうしてユースチームと中学生たちはゆっくりと合宿所に戻っていった。

633 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/27(火) 22:35
ここの辻加護は可愛いですね
634 名前:桜娘 投稿日:2008/08/02(土) 01:06

633さん
ありがとうございます
自分としては全員カワイク書いてあげたいのですが
なかなか難しいっす

これからもヨロシクお願いしますです



635 名前:合宿 投稿日:2008/08/02(土) 01:46

夕食後、食堂で数人の中学生たちが今日の反省をしていた

「ねぇ、今日どうだった?」
徳永が食堂に残った矢島・菅谷・梅田に問いかけた

「私はレベルの差を感じたなぁ〜」と菅谷
「そうね、しょせん中学生レベルってことじゃない?」と梅田
「最後の方はシュートも打たせてもらえなかったよ」と矢島
「私もそうだよ。全中MVPだったから対等に戦えるて思ってたけど、
 結果的に手も足もって感じだよね・・・」

そう言って4人は目を合わすと『ハァ〜・・・・・・』
同時にため息をついた

その時、食堂に近づいてくる足音に4人とも気づく

中学生ならばさほど問題はない。だが、高校生になると話は別だ。
何か話しかけるべきなのか、それとも挨拶だけで終わらすべきなのか・・・
どうしようと悩んでる間にも足音はどんどん近づいてくる

結局なにも決まらないまま入り口に人影が見えた

636 名前:合宿 投稿日:2008/08/02(土) 01:59

入り口から入ってきたのは辻と紺野だった
その瞬間、4人は一斉に立ち上がり

『オツカレっす』

突然の挨拶に驚いた辻と紺野だが、
「おつかれれす。こんな威勢のいい挨拶は久々れすよ」
「そんなことないでしょ?のんちゃんの学校にも後輩がいるじゃないですか?」
「でも、その筆頭が亀ちゃんれすよ」
「あぁ〜・・・そうですね」

と話している間も直立に立っている4人に気づいた紺野は
「どうぞ、座ってください。楽にしてていいですよ」
「そうれすそうれす。楽にしてくださいれす」

そういわれて4人は腰を下ろすが、なんと隣に辻と紺野が座ってきた
4人がどうしていいかあたふたしていると、

紺野が声をかけてきた
637 名前:合宿 投稿日:2008/08/02(土) 02:38

「みなさん、今日はどうでしたか?」
「全然でした、手も足も出なかったです」と矢島が答えて
「それで、今日の反省をしようかと思いまして」と徳永が言うと

「それはいい事れすよ。こういう事が明日につながっていくのれすよ」
「あらっ?珍しくのんちゃんがいい事を言ってますけど・・・明日はたぶん雨になるみたいですね」
「どういうことれすか?紺ちゃん。明日の天気予報は晴れって言ってたれすよ」

「これといった意味はないですよ。それより、さっき徳永さんの学校から電話があったみたいで、
 有原さんて娘が明日からココに来るみたいですよ」
「あっ、そういえばさっき平家コーチが言ってたれすね」

「わかりました、ありがとうございます」と徳永が頭を下げる
「でも、アリカンもよくこの事知ったよね。私たちもさっき知ったのに・・・
 ちーメールしたの?」と矢島が徳永に聞くと徳永は首を横に振った

「じゃあ、えりかとりしゃは?」と矢島は2人に聞くが2人とも横に首を振った。
「まぁ誰かがメールでもしたんじゃない?それに明日になれば答えも解かる事だしね」
徳永が言うと、紺野が話しかけてきた。

638 名前:合宿 投稿日:2008/08/03(日) 01:14

「そういえば、みんなはもう進路決まったの?」と4人を見ながら聞く
「私とえりかは東帝に内定しました」と言って2人は辻を見て
『よろしくお願いします』と頭を下げる
「フッフッフッ、のんはキビシーれすよ。頑張りたまえれす」
『はい!』

「なんかこうやって見てるとどっちが先輩なのかわからないね」
紺野の言うとおり長身の矢島と梅田に対し150弱しかない童顔の辻
次第に笑い声が増えていく

「ぬぁ〜紺ちゃん!それはあれれすよ。放送金曜ロードショーれすよ」
「のんちゃん・・・それを言うなら禁句ですよ」
「あっ、ちょっと間違えたれす」

と話している2人を中学生たちは、
・・いろんな意味でレベル高ぇ〜・・


639 名前:合宿 投稿日:2008/08/03(日) 01:40

「まあそれはさておき、あとの2人は・・・と確か菅谷さんはウチに決まったんでしたっけ?」
「そうです。尊敬する紺野さんの手助けが少しでもできればと思いまして」
「いえいえ、菅谷さんが来てくれる事で私の負担がかなり減るから大助かりですよ」
「はい。そうできるように頑張ります」

それを聞いていた辻が「なんか随分とのんの時と扱いが違う気がするれすが・・・
 まあいいれす。残るは」と言って徳永を見ると、
「私は桐陽です」

「桐陽って確か・・・」
「ガキさんのとこれすね。もったいないれすよ。今からでも遅くないれすから
 東帝にきてのんと伝説のダブルボランチ伝説をつくりませんか?」
「・・・なんか伝説が2つも入ってて凄そうですが、桐陽は昔からの憧れですので」
「そうれすか、なら容赦なくつぶすだけれす。ねっ、矢島ちゃんと梅田ちゃん」
2人は急にふられて驚きながら「はっ、はいぃ〜」と返事をする


640 名前:合宿 投稿日:2008/08/03(日) 02:07

「でもガキさんもうらやましいれすね。全中MVPを獲得するとはウハウハれすね」
「イヤ、ガキさんの事だから逆に追い込まれちゃうんじゃないのかな?」
「それもありえるれす。なんせ中学でNo,1の娘れすからね」
と話していると、

「あの〜、確かに私は運よく全中MVPに選ばれたのですが、私たちの世代での
 No,1プレイヤーは他にいるんです」
『えっ!!』

徳永の言葉に辻と紺野が同時に驚くが、中学生達は当然と言う顔をしている。
「で、誰なの?」
「誰れすか?」

「えっと新潟の久住、久住小春です」
「新潟の久住?れすか・・・紺ちゃん聞いたことあるれすか?」
「えっと確か、ミラクルガールって呼ばれてる娘だったよね」
紺野は言いながら4人に確認をとると4人とも黙ってうなづく

「新潟って事はもしかして高校はマコトのとこじゃ・・・」
辻が心配そうに紺野を見ると、紺野はそのまま中学生たちを見る。そして、

「そうなのですか?」

すると梅田が「違いますよ。確か山口の多田良に行くって聞きましたけど・・・」
「と言うと、重さんのとこれすか!これはやっかいれすね」
「そうですね、ココに来て重さんのレベルがグングン伸びてる分、今度から
 その娘が加わるとなると、かなり要注意ですね」

641 名前:合宿 投稿日:2008/08/03(日) 02:36

と話していると、入り口から亀井と須藤が入ってくる。
「なんだ〜茉麻、ウチにくんの?また一緒だね♪」
「そうですよ。これからもよろしくお願いしますよ」
「オーケーオーケー、絵里に任せなさいって、んっ?あれ?辻キャップに
 紺野さんじゃないですか、中学生捕まえて何やってるんですか?」

「亀ちゃんこそ中学生捕まえて先輩ヅラれすか?大人気ないれすよ」
「先輩ヅラって言うか中学の時の後輩なんですよ〜。ほら茉麻挨拶しなって。
 今度のウチのキャップだよ」

亀井に言われて須藤は辻の前に行くと
「須藤茉麻です。今度からご指導の方よろしくお願いします」
と大きく頭を下げる。
「まあ頭を上げるれす。んっ?という事はこの2人と一緒れすね」
と矢島と梅田の方を見る

「そっか、舞美とえりかも決めたんだね」
「うん。よろしくね茉麻」
「私と茉麻で東帝を失点を0にしようよ!」
「よろしく舞美。そうだね、頑張ろうえりか!」

「やっぱり優勝候補No,1は今度も東帝だね・・・」
紺野が呟くと、徳永と菅谷も深々とうなづいた

642 名前:合宿 投稿日:2008/08/04(月) 01:43

翌日

グランドには後藤を除いた21名の高校生と有原を加えた12名の中学生が集まる
その33名の前につんくが1歩前に出て、
「おはようさん、ほんなら今日もやってこか。とりあえず後藤は別メニューでやってく事になったんやが・・・
 まあアイツの事やからすぐに調子を取り戻すやろう」

その話を聞いた高校生たちは少し重い空気になったが、ここは後藤を信じるしかないと
全員が思った。

「ほんで今日なんやが、中高生合わせてちょうど33人もおることやし、3チームに分かれて
 リーグ戦をやってもらうことにした。チームはもう決めとるから、発表後1時間後から試合開始や」

そういってつんくは後を中澤と平家に任せてベンチに戻っていった。
中澤と平家がチームを発表し各チームごとに別れて軽いミーティングがはじまった。

643 名前:合宿 投稿日:2008/08/04(月) 02:09

Aチーム
(吉澤・木村・斉藤・小川・夏焼・加護・新垣・鈴木・清水・矢口・三好)

各ポジションごとにいろいろと話しているなか、矢口と吉澤が少し離れたところで
「やぐっさん、このチームヤバくないっすか?ゲームメイクできる奴がいないっすよ」
「そうなんだよね〜・・・まぁ最悪ガキさんにさせるしかないだろ。一応チームでも
 柴ちゃんと同じような仕事をさせてたからさ。まぁ若干実力的に問題があるけどさ、
 そこは体力でカバーしてもらうしかナイだろ・・・で、ディフェンスの方は?」

「とりあえずアヤカと美海は問題ないと思うんだけど、問題は中途半端なマコトと未知数の
 中学生ってとこかな・・・」
「う〜ん・・・どうする?最悪3バックにして中盤固めるっていう手もあるけどさ、
 よっすぃ敵にはどっちがいい?」
「そ〜〜っすねぇ〜〜〜・・・・・・んっ?!それなら3バックでもいいんですけど
 1つだけウチのお願いがあります」

「なに?お願いって?」
「このお願いはかなりオフェンス側には痛手ですよ。それでもいいですか?」
「だからなんだよ!とりあえずそのお願いってのを聞かせてよ。それから考えるからさ」
「それはですね・・・」

吉澤はあえて矢口に耳打ちで話す

「えぇ〜??それきっついなぁ〜・・・でもそんなんでなんとかなるの?」
「そっすね〜、アイツの頑張りって言うより、我慢しだいかな?」
「まあいいや。いろんなポジションやるのもいい経験になるだろし」
「じゃ、それで行きましょう♪」

644 名前:合宿 投稿日:2008/08/04(月) 02:22

Bチーム
(岡田・安倍・石川・田中・中島・藤本・柴田・紺野・菅谷・里田・熊井)

「どう?紺ちゃんこのチーム」
「あっ、藤本さん。かなりいいですね。オフェンス・ディフェンスのバランスも
 とれてますし、しっかりとしたセンターラインもできてますから、あとは
 個々の調子しだいじゃないですか?」

「でもシステムはどうするの?」と後ろから柴田がやってきた。
「あっ、柴田さん。とりあえず4−4−2か3−5−2のどちらかで
 行こうと思ってます」

「まあ、美貴は全権紺ちゃんに任せるからさ。好きにやっちゃっていいよ」
「そうそう、私も紺ちゃんの指示通りに動くからさ、よろしくね」
藤本と柴田が笑顔で紺野に告げる

紺野はうなずくと「わかりました。ここはしっかりと勝ちに行きましょう」
そう言って3人は手を合わすと

『おし!!!』

と気合を入れた

645 名前:合宿 投稿日:2008/08/04(月) 02:41

Cチーム
(須藤・高橋・亀井・梅田・有原・辻・道重・徳永・嗣永・松浦・矢島)

「亀ちゃんディフェンスはどうするれすか?」
「そうですね〜ムリにラインを引くとおかしくなるかもしれないんですよねぇ〜・・・」
「でも、愛ちゃんを上げて3バックっていう手もあるれすよ」
辻の言葉に亀井は目を細めて、小声で

「それは今後に向けてですか?キャップ」
「そうれす。キーパーを含めディフェンスまで東帝でくくれるという実力を見るには
 いいチャンスれす」
「でも、危険度大ですよ。大丈夫ですか?」

「大丈夫れすよ。ボランチにのんと愛ちゃんが入るからできるだけフォローするれすよ。
 オフェンスは全中MVPの徳ちゃんが頑張ってくれるはずれす」
「ホント大丈夫ですか?それで・・・」
「大丈夫れすって。昨日のゲームと話した感じで実力も性格も問題なしれした。
 ホントに東帝にほしいくらいだったけどね・・・」

「わかりました。キャップがそこまで言うのならディフェンスは絵里に任せてください。
 全勝で行きましょう♪」
「おっ!!いい意気込みれす。それでこそ東帝魂れす」
「うへへへへ♪」

「うぐっ・・・その笑いは東帝魂とは別物れす・・・・・・」

646 名前:合宿 投稿日:2008/10/15(水) 01:06

ジャンケンの結果

BチームーCチーム

AチームーBチーム

AチームーCチーム

の順に試合を行う事になった。




647 名前:合宿 投稿日:2008/10/15(水) 01:28

Bチーム

「さて、どうする?紺ちゃん」
紺野を中心にオフェンス陣が集まる

「そうですね〜・・・とりあえず2トップ風で行くとして、トップ下に梨沙子ちゃん
 入ってもらえるかな?」

「えっ?はっ、はい・・・トップ下ですか?」
突然話をふられた菅谷が驚きながら聞き返す
「うん、もうほとんどトップとして動いてもらっていいから」
「わかりました」

「それで、中盤は藤本さんが右で柴田さんが左でいいですか?」
「了解!」
「オッケー」

「後は、状況によりけりで♪」
と紺野が言ったと同時に打ち合わせの終わったディフェンス陣が集まってきた

「紺ちゃん終わったよ」
「はい、こっちも終わりました」
「よし、それじゃ行くべか!!」

『はい!!』


648 名前:合宿 投稿日:2008/10/15(水) 01:50

Cチーム

「愛ちゃん、のんとボランチに入るれす」
「うぉっ?!突然やな・・・ボランチ?徳永ちゃんと伝説のダブルボランチを
 やるんやなかったんか?」
「そうしたかったんれすけど、それより勝つ方が優先れす」

高橋は辻の言葉に目を大きく開いて驚くと、
「やっぱ、こう見えても常勝東帝の選手なんやな・・・わかったやざ、ボランチやな」
「まったく、愛ちゃんはのんの事をどう見てるれすか〜・・・
 とりあえずは前線のフォローを中心にやってもらう役割に任命するれす」

「あい、わかった。ところでオフェンスはど〜するん?」
「それは徳永ちゃんと桃ちゃんに好きにしてもらう事にしたれす」
「えっ?!それでえぇんか?」
「いいのれす。あややは根っからのストライカーれすし、重さんは言う事聞きそうにないれすから。
 だから、これでいいのれす」
「あぁ〜・・・言われてみれば確かにそうやな」

「さて、そろそろ始まるれすよ。今日ももちろん全勝で行くれすよ愛ちゃん」
「おっし、がんばるでー!!!」

649 名前:合宿 投稿日:2008/10/15(水) 02:40

そしてゲームが開始して5分、先にゴールネットを揺らしたのはCチームだった

菅谷が不用意に出したパスを亀井が簡単にカットして、すぐに前線にロングパス
それを受けとった道重がなんと石川をフェイントで抜き、安倍のチャージを弾き飛ばして、
岡田との1対1はしっかりと岡田の股を抜いてのシュートだった。

それを見て驚きを隠せない紺野を中心をとするBチーム
外から見ていたAチーム
それと、同じチームの辻と高橋であった

道重を中心に喜ぶオフェンス陣を見ながら、辻と高橋は
「愛ちゃん・・・今のプレー見たれすか?」
「あぁ・・・しっかりとな・・・・・・」
「大問題発生れす」
「そうやな。こりゃ〜オフェンス側は大崩壊やで、オフェンシブハーフもしくは
 トップでも問題ないレベルやざ」
「そうれす。また抜いた相手がなっちと梨華ちゃんって言うのがまた高評価になるれすね。
 それに岡田ちゃんとの1対1も落ち着いて股抜きシュート。満点のプレーれす」

「のんちゃんにそこまで言わせたら大したモンやな〜」
「心配しなくても愛ちゃんの事もいつも褒めちぎってるれすよ」
「ん〜・・・それはそれで気持ち悪いわぁ〜」
「もう!愛ちゃんの事は知らないれす」
「ごめんごめん、冗談やざ」

「とにかく、点を取られずに追加点を取りに行こうれす!」
「了解!!」

650 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/12/31(水) 03:41
つづかないの?
651 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/01/02(金) 03:15
高校サッカーの季節だよー(>_<)
652 名前:桜娘 投稿日:2009/04/06(月) 00:52

650>長々とあけてしまいまして申し訳ないです

651>高校サッカーシーズンもガッツリ過ぎてしまいまして
    謝罪しかできないっす








653 名前:合宿 投稿日:2009/04/06(月) 01:14

先制を許したBチームであったが、試合もまだ序盤だったため紺野を中心に
反撃を開始する

ドリブルで上がってくる紺野を囲むように藤本・柴田・菅谷がフォローし、
コンパクトなパスワークで道重・嗣永を簡単に抜いてくる

「愛ちゃんフォローはまかせるれす」辻は高橋に告げると紺野との間を一気につめる
そして、高橋・道重・嗣永が藤本・柴田・菅谷をしっかりマークに着くと
そこから辻VS紺野の1対1が開始した

紺野の1つ1つのフェイントに何とか対応していく辻だがあと1歩のところで
カットができない
対する紺野もあと少しのトコまでいくのだが、いまいち辻を振り切れない

ここまでくると周りの選手達もどっちが勝つのかを楽しみだしてきた

そうして2分3分と過ぎて5分は経とうかとした時に1人の選手が2人の間に飛び込んできた


654 名前:合宿 投稿日:2009/04/06(月) 01:40

その選手はスライディングで飛び込むとサクッとボールをカットして
そのままドリブルで上がって行きながら

「先輩たちだけ楽しんでズルイですよ。私もやっとゲームに参加できたんですから
 みんなで楽しみましょうよ」と大声で叫んだ

「そうだね♪私たちも楽しもうか。アリカンパスパス!」
とドリブルで上がる有原にウズウズしていた徳永がいち早く反応しパスを要求する

徳永は有原からボールを受け取ると、ドリブルで左サイドを上がっていく
その徳永に中島が正面からスライディングで突っ込んできたが、徳永は
冷静にジャンプしてかわすとそのままダイレクトでボールを中に蹴りこんだ

ボールはキレイな弧を画いてピタリと矢島の上空に届けられた
矢島はタイミングよく飛び上がるとそのままヘディングシュート
ボールはうまくコントロールされゴール右スミに飛んでいった

が、ここは岡田が全力で手を伸ばしてボールに触れるとそのまま
ボールを跳ね上げてコーナーに逃げる

655 名前:合宿 投稿日:2009/04/06(月) 01:52

今の岡田のプレーを外から見ていた吉澤が
「あれか・・・」と小さく呟いた
それを隣にいた矢口が「どうした?よっすぃ」と問う

「いや、どうってことはないっすけど、アレがコーナーに逃げる技なんだな
 って思いまして・・・ほらうちってボールを前に弾くことしか出来ないから
 外に逃がす事も憶えろってこの前監督に言われたんすよ」

「へぇ〜、あの監督も少しは監督らしい事してんだね。
 あっ!だから最近バレーボールでポンポンポンポンやってたんだ〜」

「ポンポンって・・・まぁ音的にはそう聞こえもするけどさぁ〜、
 もっとウマイ言い回しはないんすか?」
「いいじゃんいいじゃん♪とりあえずは岡田ちゃんは根っからのGKだから
 見てても収穫する事はいっぱいあるはずだよ」

「そりゃそうっすけど・・・」
「ほんじゃ、試合に集中集中!」
「はぁ〜い」

656 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/12/24(木) 01:30
今年はW杯がありますね

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