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カオリンクエスト5

1 名前:電波名無しさん 投稿日:2002年02月21日(木)22時56分30秒

>ぼうけんをする

・・・

神父「よくぞ戻られた勇者殿
   どうか魔王を倒し、世界に平和をもたらして下さい
   あなたとあなたのお仲間に神のご加護があらんことを!」
2 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年02月21日(木)22時58分33秒
もと来た道を後退して行くスライム。
それを追って下階に降りていく保田達。
更にそれを追う素子と新垣。
そして待機命令を受けた石川と紺野だったが・・・

石川「これは・・」
紺野「はいぃ・・」
2人の目の前には、無数に思える目が暗闇に浮かんでいる。
それはアンクルホーンの群れ。

紺野「いっ、いっ、石川さん、召喚でバーっと倒しちゃってくださいよー」
石川「だっ、だってこんなにたくさんいるのに、召喚魔法なんて唱えてられないよ!
   それよりあさ美ちゃん、妖精さんの力でなんとかしてよ」
紺野「私、専門は補助なんです」
石川「私も本業神学生だもん。攻撃魔法なんてそんなに・・」

2人が慌てている間にも、アンクルホーンたちがすぐ間近まで迫ってきている。

シバタ「とにかく、逃げよう!!」
3 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年02月21日(木)22時59分09秒
とりあえず先ほどのトイレまで逃げ戻ってきた石川とシバタ、そして紺野。

石川「・・あれ?」
広い場所まで出て、杖を掲げて振向いた石川だったが、入口からアンクルホーンが入ってくる様子はない。

シバタ「どうやら中に入れないみたいね」
トイレの入り口で立ち往生している魔物達を見て、シバタはそう呟く。
紺野「低級モンスターは入ってこれないしかけみたいです。」
シバタ「‥‥なるほど休憩所の役割もあったのかな?」
紺野「とりあえず結界を強化しときます」

シバタ「それじゃ先にもいろいろ部屋があるみたいだから、進んでみようか」
石川「ちょっと待って、シバちゃん。
   チャーミー急に走って疲れちゃった」
紺野「しばらく‥‥休憩しましょう‥‥」
4 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年02月21日(木)23時02分42秒
ガチャ!
突然の音に、石川達は奥の扉に振向く。
現れたのは冒険者らしい3人の女性。

??「・・・」
高橋「あれ、何?トイレー?」
北上「・・って、おまえ!」
石川「あー!」
北上と石川は互いを見つめて声をあげる。
5 名前:真実を知る者【アッサヤヌ遺跡】 投稿日:2002年02月22日(金)00時55分57秒
エミリー「(飯田、ミカを連れて離れて。奴を仕留めるわ)」
アミーゴ「人間に肩入れするつもりか!?竜王族も落ちたものだな!」
エミリー「(勘違いしないで。あんたが気に入らないだけ)」
エミリーがアミーゴに接近して大きく口を開けた。
エミリー「(魔界に帰れ!メガフレア!)」
アミーゴ「ぐ、おおお!」
エミリー「(やっと人間界に来れたのに何もせず帰ってしまう気分はどう?
      800年の計略が水の泡ね)」
アミーゴ「何余裕ぶっこいてやがる!その体で勝てるつもりか!?
      死にかけじゃないか」
エミリー「(強がっちゃって。さようなら)」
アミーゴ「…貴様命を捨てるつもりか!
     (魂だけの状態で無理をすれば命が尽きてしまう。
      不本意だが態勢を立て直さねばなるまい。
      一人分の能力は奪ってあるが仕方有るまい)
      クソ、必ず人間界に戻ってやる!」
アミーゴは姿を消した。
6 名前:真実を知る者【アッサヤヌ遺跡】 投稿日:2002年02月22日(金)00時56分25秒
エミリー「(勇者飯田、ミカはねこの時代の人間じゃない。
      彼女は800年前の人間なの。ミカには特別な能力があって
      魔界と人間界に穴を開けることができる。
      だから800年前に穴が開いた時魔界に連れ去られてしまった。
      魔界の姫アミーゴは他人の能力を自分のものにしてしまう能力がある。
      でも元の能力の持ち主は生きてる状態でなければならない。
      だからミカに魔法の眠りをかけて今の時代まで歳を取らせずに
      生かしてきた。そして2年前、魔界と人間界をつなぐ穴が開いた。
      でも不完全な穴だったからアミーゴは自分の魂をミカの体に
      入れた状態で人間界にやってきた。アミーゴ本体では力が強過ぎて
      完全な穴がないと通れないからそうしたの。
      アミーゴの目的はミカと同じ能力を持つ人間を探して
      その能力を奪うこと。二人分の能力を持てば、
      魔法や呪術による補助無しで完全な穴を開くことができる。
      でも2年前にはまだ能力者は現れてなかった。
      他人の体を扱うのはかなり負担になるからアミーゴはずっと眠っていた。
      それが目を覚ましたのは多分同じ能力者の存在を感じ取ったからだわ。
      アミーゴはまだ氏んだわけじゃない。魔界に戻っただけ。)」
7 名前:真実を知る者【アッサヤヌ遺跡】 投稿日:2002年02月22日(金)00時57分02秒
エミリー「(ミカは私の命を助けてくれたの。
      800年前、当時私はまだ赤ん坊だった。魔界で私の一族と魔族が
      争っていた、そんな時期にミカは魔界にやって来た。
      私の一族は魔族に敗れ、私だけが生き残った。私は反撃の機会を
      ずっと待っていた。魔族に従った振りをしてね。
      そして2年前私とミカは一緒に人間界にやって来た。
      他にもかなり手練の魔族も来ているから気を付けなさい。
      …おしゃべりが過ぎたわ。人間にこんなこと話すなんて。
      こちらの世界の魔王を倒してもあなたの戦いは終わらないでしょう。
      その先にあるものは自分で確かめなさい。
      ああ…私はもう、限界のようね。スライムに生命を奪われすぎた。
      私の角に魔力の全てを込めておくわ。
      召喚士がいれば力を引き出せるはず。
      とにかくミカをお願い)」
飯田は笑みを浮かべて言った。
飯田「まあ、とにかくまかせてよ。これでも勇者なんだから」
8 名前:真実を知る者【アッサヤヌ遺跡】 投稿日:2002年02月22日(金)00時57分46秒
エミリーの身体は光と化して収束されていく。
あとには人間の身長ほどもある大きな竜の角が残った。
角というよりも魔法使いの持つ杖のようである。
飯田「魔界の姫(プリンセス)、か。ま、なんとかなるっしょ」
ミカの外見にある変化が起こっていた。
以前のミカには顔から指先までタトゥーと思われる模様があった。
今はそれがない。恐らくそのタトゥーはアミーゴのものだったのだろう。
飯田「自分が800年前の人間だって知ったら悲しむだろうな。
   もう家族や友達はこの世にいない。でも一人じゃないよ。
   私達がいるから」
眠ったままのミカに飯田は優しく語り掛ける。
飯田「記憶が戻るのも良いことばかりじゃないね
9 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年03月17日(日)23時04分28秒
よっすぃー「見つけた!スライムだ!」
ごま「あれ、なんかさっきと様子が違う」
保田「それよりあそこに居るのって」
「「「つじ!?」」」

スライムから次々と人が吐き出されている。
つじ「しゅーりょー!はあ、つかれました」
辻は床に寝転んだ。
保田「……」
つじ「おなかすいたのれす」
保田「つじ」
つじ「はいっ!?あっ、あ」

あばれこまいぬがあらわれた!

保田「待ちなさい!誰が…!」
10 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年03月17日(日)23時06分08秒
よっすぃー「どうやってここにきたの?」
つじ「えっとですね〜」

・・・・・・

保田「(えらい簡単に解決してくれるわね…)」
ごま「(あたしら何のためにここまできたんだろう)」

ブロロロロロ
車が近づいてきた。
矢口「あれー、みんないるんじゃん」
Д<「のの、あんたどこほっつき歩いとんねん」
ナッチー「やっとみんなに会えたべ」

飯田「あれ〜みんな来てんの?」
しばらくすると飯田がミカを背負ってやって来た。
11 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年03月17日(日)23時08分15秒
保田「とりあえずスライムに飲まれた人達は無事だったみたいね。
   それとそのスライムだけど、もう生きてはいないのかしら?」
飯田「どうだろう。スライムの核を斬ってからは、もう動いていないけど」
よっすぃー「復活しないとも限りませんから焼いてしまうのがいいでしょう」
保田「そうね。それは後でやりましょう。
   当面の問題はスライムに飲まれていた人達をどうやって地上に運ぶか、ね。
   生きてはいるけど麻酔が効いたような状態になってるから
   しばらく眠りっぱなしでしょうね。」
矢口「はいはい!」
保田「なに?」
矢口「おいらにまかせな!良い素材が手に入ったんだよ、じゃーん!」
保田「何それ、って」
飯田「ロボット?」
矢口「こいつを使ってあの車を改造すれば、
   この程度の人数を運ぶのがわけないぐらいのパワーが出るはずだよ」
ごま「よく出来てるね〜この車。ところでスライムに飲まれてた人はざっと
   150人くらいはいるはずだけど大丈夫なの」
矢口「なんとかなるんじゃない?きゃはは。
   そういう訳でみんなには材料集めて欲しいんだ」
12 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年03月17日(日)23時09分05秒
飯田「はい、材料は揃ったよ」
矢口「ごめんよー、完成するまで見ないで。どっかで暇潰してね」
つじ「ののもうつかれたのれす」
Д<「なんでウチら手伝わなあかんねん」

保田「石川達でも迎えに行きましょうか」
よっすぃー「さっきの魔王軍はどこに行ったんでしょう?
      雷刃を狙ってるはずですからまた来ないとも限りませんし」
13 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年03月17日(日)23時09分45秒
つじ「ミカしゃん、あされすよ〜」
Д<「起きて手伝っとくれー」
ミカは意識を失ったままである。
矢口「なにやってんの!今度は反対側の溶接やるよ!こっちきな!」
そこへ見上げる程大きな女性が現れた。
矢口達との身長差は頭一つどころではない。
素子「あなた達何してるのかしら?」
14 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年03月17日(日)23時11分02秒
Д<「あんたも冒険者なんか?」
素子「ええ、そんなとこね」
つじ「ミカしゃんがねむったままなのれす」
素子「どれ、見せて御覧なさい」
ミカの頭に素子が手をかざす。
素子「(やはりな。ミカ様の身体を借りていたアミーゴ姫がいなくなっている。
    先程感じた強力な力のぶつかり合いはエミリーとの交戦によるもの
    だったようだ。本体ではないアミーゴ姫ではエミリーには勝てない。
    姫は魔界にお帰りになったようだ。とするともうこの娘は
    ただの人間か。さてどうするか)」
素子が立ち上がった。
素子「安心しなさい。この娘はいずれ目を覚ます。
   眠っているのは疲労によるものだから、このままにしておきなさい。
   じゃあ私は先を急ぐことにするわ。また会うことがあったらよろしく」
そう言って素子は去って行った。
15 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年04月04日(木)23時55分16秒
??「何、知り合い?」
北上「いや、知り合いってわけでも」
石川が身構えている。
北上「…今は敵ってわけじゃない。
   特に敵対する理由が無いなら無駄な戦闘は避けたい」
石川「ええ、そ、そうですね」
北上「あいつは、飯田もここいるのか?」
そう言った北上の声は小さく、誰も聞き取れない。
石川「え?」
北上「いや何でもない」
派手な女は二人のやり取りに構わず、すたすたと先へ向かって歩いている。
紺野「あの。そこは今出ない方が…」
派手な女が扉を開けるとそこには先程石川達を追ってきた魔物が群れている。
女はゆっくりと剣を抜き、迷わず魔物の群れに飛びこんだ。
高橋「私も!」
高橋は駆け足で女を追った。それと同時に呪文のようなものを唱え、
盾のような武具を具現化させて左腕に装着した。
紺野「危ないですよ!」
紺野の制止も訊かず高橋も外に走り抜けて行った。
16 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年04月04日(木)23時55分50秒
高橋が外に出ると既に半分以上の魔物が地に伏せていた。
魔物はじわじわと女を取り囲んでいる。
??「少しは知恵があるみたいだね」
高橋「形態変化(メタモルフォーゼ)!槍よ、敵を討て!」
高橋の装着した盾は形を変え、光の槍となって魔物を串刺した。
伸びた槍が戻ってくると元の盾の姿に戻る。
数体のアンクルホーンが高橋に向き直り、その内3体が向かってきた。
高橋「銃のルーン…三連撃ち!」
光の玉はそれぞれのアンクルホーンに命中!一体がそのまま倒れた。
残るアンクルホーンは高橋を左右から挟むように接近してくる。
高橋「これじゃ銃のルーンは使えない…」
アンクルホーンは高橋の左右に間を取って構える。
そして2体が同時に動き出した。
高橋は構えてじっとしている。
さらに魔物は接近する。
高橋「今だ!槍よ、伸びろ!」
盾のルーンは槍のルーンに変化して2方向に伸び、アンクルホーンを同時に仕留めた。
17 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年04月04日(木)23時56分30秒
高橋が女の姿を探すと、既に魔物を全滅させ先へ進もうとしていた。
高橋「(すごい、あの数の魔物をこんな短時間で全滅…)」
北上も外に出てきて高橋と同じく女を追う。
石川「どうしよう、チャーミー達も行こうか」
紺野「、、そうですね」
18 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年04月14日(日)01時00分50秒
城島「はー、すっきりした」
城島が便器に腰掛けている。

何故、彼がトイレにいるのか。それは少し時を遡る。

・・・・・・

矢口「みんな勝手に居なくなっちゃって、全くもー」
いらつきながら矢口は車を走らせる。
先程から狭い通路が続く。
車の荷台に城島とあいぼんが座っている。
Д<「なあ、おっちゃん。あれ何?」
城島「あれってどれや?」
あいぼんが身を乗り出して前方を指差す。
同じく城島も身を乗り出す。
Д<(…♪)
あいぼんはそっと城島の背後へ回る。
不敵な笑みを浮かべながら。
そして、両の掌を合わせて城島の尻を突く。
Д<「クレジットカードぉ」
城島「!」
城島の顔は凍り付き、体は高く飛び上がる。
車から転落してしまうほどに。
Д<「あ」
城島はとっさに車の荷台へ戻ろうと壁に手を付く。
19 名前:アッサヤヌ遺跡[東館] 投稿日:2002年04月14日(日)01時01分36秒
カチッ

城島の手が何かボタンのようなものに接触した。
その瞬間、城島は光に包まれて消えた。
Д<「し、知〜らないっと」

・・・・・・

城島「あんな所にワープ装置があったとはな。おかげで助かったわ」
ワープ装置はトイレに通じていたのだった。
城島「なんや?このボタン」
便器に腰掛けた城島の目線の高さには用途不明のボタンが。
城島「ポチッとな」
ボタンを押すとウン○の体勢のまま、城島は光に包まれ消えた。
このボタンもワープ装置のスイッチだった。移動先は…

東館資料室

城島「ん?」
長瀬「え?」
城島「おまえら、リーダーに置いてけぼり食らわすってどういうこっちゃ?」
国分長瀬松岡山口「リ、リーダー…」
突然現れた城島に呆気に取られるメムバー。
城島はパンツ丸出しで説教していたという。
20 名前:アッサヤヌ遺跡[移動中] 投稿日:2002年04月27日(土)16時43分14秒
素子「そろそろ奴等に追いつくか……」
床に残るかすかな足跡。
それを見て、雷刃との距離が縮まっている事を感じていた。
素子「ふふふ……私から逃げれると思ってるのか?」

――――――――――――――――――――――――――

高橋「はぁはぁ……」
紺野「どうしたんですか?」
高橋の息が粗いことに気づいた紺野。
高橋「な、なんとも……ないですよ……はぁはぁ……」
北上「……魔力切れでしょ?」
石川「でも、この子、さっき呪文なんかつかってなかったじゃないですか」
紺野「……石川さん、この子は印術を使ってたんですよ」
石川「印術?」
紺野「印術とは……」
紺野が石川に説明をしてる時、女が高橋に近づいていった。
??「無理なら置いてくよ」
高橋「大丈夫……着いて行く……」
女は黙って前を向き、歩いていった。

高橋(本当は……限界きてるなんていえない……認めてもらうんだ……
   みんなに……そのためにはここで我慢しなきゃ……)
21 名前:アッサヤヌ遺跡【東館】 投稿日:2002年04月27日(土)16時54分10秒
保田「石川〜!」
飯田「石川〜!」
ごま「紺野〜!」
ナッチー「お〜い石川〜……うわぁ!」
よっすぃー「なんじゃこりゃあ!」
先を行くナッチー、吉澤が見たものは、数え切れないほどのアンクルホーン
の死骸だった。

よっすぃー「何かあったに違いありません」
保田「そうね……」
飯田「こっちの道にはいなかったから……あっちの道だよ」
一行は飯田が指差す方向を見た。
ナッチー「どうするべ?ナッチーはいったほうがいいとおもうべ」
飯田「……圭織もそう思う」
よっすぃー「私も」
保田「じゃあ、行こう」
ごま「……私も行こうかな……」

飯田「じゃあ、決まり!急ごう!石川達の身に何か起こったかもしれない」
一行はトイレ前での会話を終えると、走ってその場を去った。
22 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月02日(木)21時17分39秒
謎の女が歩くのを息を切らせながら追う高橋、アミ。一応それを追う石川達。
と、突然謎の女が小さくつぶやいた。

??「ないなぁ…」
アミ「…何が?」
疲労している高橋、距離が離れている石川と紺野には聞き取れず、反応したのはアミだけだった。
??「今日の探し物」
アミ「はぁ?」
謎の女から予想も付かない答えが返ってきて疑問の表情を浮かべるアミ。
??「この遺跡に面白い剣があるって情報を聞いてね。それを探しに来たの」
アミ「剣…。あ!」
??「なに?」
アミ「いや…なんでもない」
恐らく雷刃のことを言っているのだろう。この女はそれをどんな目的で…。息を飲んで次の言葉を待つ。
??「売ると高いんじゃないかなー、と思って」

ずっこけるアミ。

アミ「(この女…意味が分からない。けど、本当にそれだけの理由でこんなところに?)」
その時、背後から声が聞こえてきた。距離的には石川達の声ではない。

「石川〜〜〜〜、紺野〜〜〜〜〜。どこだ〜〜〜」
石川「あ…この声はお師匠様達だ」
紺野「追ってきたんですね」

すると、突然謎の女が動きを止めた。
??「二つ目の…探し物か」
23 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月02日(木)21時56分34秒
飯田を中心としたメンバーが石川達に追いつく。その少し奥の謎の女も足を止めている。

石川「みなさぁ〜ん」
飯田「石川、大丈夫だった?ところであのアンクルホーンの…」
石川「聞いてくださいよ〜。まず石川達がですねぇ」
よっすぃー「なんでお前がここに?」

突然よっすぃーが口を開き、場が固まる。少しして、謎の女もそれに応じる。
??「お久しぶりー」
よっすぃー「うん、まぁ…久しぶり」
ごま「あはは、何にも変わってないね〜」
保田「何でこんなところに居るのよ…」
ナッチー「誰だべ?」

飯田「あれ…あの人みんなの知り合いなの?」
保田「まぁ、知り合いっていうのが妥当かな」
飯田「ふうん…。あ」
飯田の視線がアミの方を向く。
アミ「…やっぱり。絶対あんたにまた会えると思ったよ」
飯田「あゆみちゃん…」
??「この娘が新しい勇者?」
飯田「うわっ!」
突然目の前で顔を向き合わせてきた謎の女に驚き、後ろに飛び退く。

??「いい目だね。前の勇者にそっくり」
24 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月02日(木)22時17分05秒
保田「そう、その娘がうちらの新しい勇者。飯田圭織って言うの」
??「強いの?」
保田「ほれ、暫定師匠」
よっすぃー「まだまだ未熟…とも言えないかな。なかなかだよ」

保田「…というのは置いといて、なんでここにあんたが?」
??「今日の探し物。売ると高そうなものとかないかなーとか思ってさ」
ごま「ふーん。あの時限定で魔王軍に付いてたってのは本当だったんだ」
??「まぁね。…ところで、勇者の娘」
突然飯田の方を向き、指をさす。
飯田「へ?」
??「あゆとサシでやろうよ」
一同「はぁ?」
自分のことをあゆ、と呼ぶ謎の女は言葉を続ける。
あゆ「1対1で勝負しよう、って意味だよ」
飯田「いや、それは分かるんだけど…」
よっすぃー「雪辱戦?」
あゆ「そんなところ、かな?面白い剣は先に取られちゃったみたいだしね」
よっすぃーの腰にある派手な剣…雷刃を見てあゆが言う。
あゆ「先代は勝ち逃げしちゃったみたいだし、今の勇者で我慢するよ」

飯田「あのー…かおりワケわかんないんだけど…」
25 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月02日(木)22時29分43秒
ごま「単純に言うと、さやか様の勝ち逃げが許せなくて苛立っているところに
    次の勇者が現れたから、その勇者を倒してリベンジ達成♪とか思ってるんだよ」
あゆ「簡単かつ一言多くしてくれたね。あんたも変わってない…」
ごま「お互い様」
飯田「で、かおりがこの人と勝負するの?」
よっすぃー「そういうことです」
あゆ「いつしか会えるとは思ってたけど、こんなところで会えるとはね。
    悪いけど1戦よろしく、お嬢ちゃん」

・・・・・・・・・・・・

さやか「勝ち逃げって…。私はここにいるのに〜」
つんく「お前の復活知ってる奴なんておらんっつーに…」
さやか「それにしても、楽しみだね。まさか聖剣の人とあの女が対決なんて」
つんく「まぁ、確かに面白そうやな。どっちが負けてもうちに損害はないし」
26 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月02日(木)22時55分50秒
突然、そのフロアに何者かの声が響く。
??「面白いことになってるな…」
ごま「あ、この声…」
よっすぃー「またあの人だよ。しっつこい」
??「コラそこうるさい!」
空間に歪みが生じ、そこから大きな女性と小さな少女が現れる。
大林「随分と面子が揃っているな…」

あゆ「誰こいつ」
大林「おお、面白い人も居たものだ。確か大戦の時…」
よっすぃー「この剣が欲しくてずっと私達のこと追ってるの」
あゆ「わがままだなぁ、宝は取られたら奪い取るのは無しだよ。トレジャーハントの鉄則じゃん」
大林「…おい」
よっすぃー「こっちのことは任せといてよ。あんたは適当に飯田さんと戦ってて」
あゆ「うーん…でも邪魔なんだよねえ、そこの」
大林「おい!」
あゆ「うっさい」
冷たい目で大林を見据えて言う。
大林「なッ…」
あゆ「吠えるな。囀るな。私が闘る。邪魔すれば殺す。以上」

保田、ごま、よっすぃーを除いた全員の背筋が凍る。
ごま「変わらないなぁ…、ワガママが通らないときのキレっぷり」
あゆ「お互い様」
大林「(なんだ、こいつは…。話には聞いていたが、これが…)」
27 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月02日(木)23時03分04秒
石川「あの〜…」
保田「なに?」
石川「ちょっと展開が急すぎて話がよくわからないですー…」
ナッチー「ナッチーも放置されっぱなしだべ」
よっすぃー「そうですねー…。じゃあ飯田さんが闘ってる間に過去の話でもしますか?」
ごま「そうだね、これじゃあ皆ワケわかんないだろうし」
アミ「私も…聞かせてもらう。いいでしょう?」
高橋「私も!」
保田「それじゃあ、あいつと何があったか適当に説明してくか…」

保田「…で、あなたが高橋愛?」
高橋「そうですー」
保田「なんか、このフロアだけで色々と話があり過ぎね…」
ごま「ま、とりあえず今は昔話ってことで」
よっすぃー「うん、一度に全部構っていくと話をまとめるのが面倒だろうし」

大林「こいつら…馬鹿にして…」
新垣「まずは緊張を解いてからにしましょう。まだ背中が固まってますよ」
28 名前:過去話 投稿日:2002年05月04日(土)23時45分15秒
よっすぃー「浜崎さんとは大戦時に闘ったんです」

・・・・・・

大戦時の魔王城

あゆ「で、どっちが先にやるの?」
よっすぃー「お願いします!私にやらせて下さい!」
さやか「わかったわかった。思う存分やってきな」

この先には魔王の間。
そこへ立ちふさがるのは、浜崎あゆみと名乗る女。
二刀流であるらしい。
浜崎は、勇者であるさやかとの決闘を申し入れた。
しかし、よっすぃーが黙ってはいなかった。

よっすぃー「バトルマスター、吉澤ひとみだ」
あゆ「へえ、バトルマスターかぁ」

ごま「がんばれ、よっすぃー」
保田「勝算があって任せたの?さやか」
さやか「いや、多分負けるね」

保田の問いかけに対して、
さやかはあっさりと本音を漏らした。

さやか「言い出したらきかないからなあ、あの娘は」
保田「あ、そういうことね」
29 名前:過去話 投稿日:2002年05月04日(土)23時46分41秒
浜崎は終始よっすぃーを圧倒している。

あゆ「もう終わりだね」

浜崎の2連撃がよっすぃーを壁に打ち付ける。
よっすぃーは気を失ったらしい。

あゆ「今度こそ相手してよ」

浜崎はさやかに切っ先を向けて言った。

ギィィィィン

突如剣と剣の交わる音が響く。

吉澤「何処見てんだよ、勝ったつもりか?」
あゆ「殺気丸出し。不意打ちなら野性の狼の方がまだ上手」

吉澤は浜崎の背後から斬りかかった。
対して、浜崎は振り向きもせず
片方の剣だけで攻撃を受け止めた。
この事実だけでも二人の力の差が歴然と表れている。
しかし、人格の替わった吉澤が
その事実を認められるはずもない。
30 名前:過去話 投稿日:2002年05月04日(土)23時48分11秒
吉澤の腹部に回し蹴りを放つ浜崎。
ぎりぎりのところで反応した吉澤は飛び退く。

吉澤「ぐっ!」

交わし切れず吉澤は蹴りを食らってしまった。
そして、吉澤の足が地に付く前に浜崎は間合いを詰める。

あゆ「今度こそ終わり。豹牙連撃」
浜崎は流れるような動作で吉澤を斬りつける。
吉澤は浜崎の攻撃を捌ききれず刀を弾かれてしまった。
あゆ「少し眠ってな」
浜崎は右の剣を振り下ろした。
が、浜崎にはあるはずの手応えが感じられない。

―「少し眠ってな」―
浜崎がそう言った瞬間さやかが動いた。
さやかは素早く吉澤の右側へ回り、
気合を込めた掌底を放った。
吉澤は意識を失い、吹き飛んだ。
そして、吉澤のもといた場所へ浜崎の剣が振り下ろされる。
31 名前:過去話 投稿日:2002年05月04日(土)23時50分26秒
さやか「選手交代だよ」

吉澤の体はごまによって受け止められた。

あゆ「(こいつ、あゆの剣より速い?)」

・・・・・・

よっすぃー「私が覚えてるのはここまでです。
      あの時は何故気絶したのか、わかりませんでした」
保田「あの時は緊急事態(吉澤が目覚めていた)だったからね。
   ああでもしなきゃ、あんたを止めらなかったわ」

時折笑みを浮かべながら話す保田とよっすぃーに対し
ナッチーや石川は顔がひきつっている。

ナッチー「よっすぃーに不意打ち食らわして気絶させるって
     一体どうやったんだべ。は、は」
石川「さ、さあ?ところで浜崎さんと先代の勇者様の
   対決はどんな感じだったんですか?」
ごま「そりゃもう決まってるじゃない。
   さやか様の圧勝だよ」
32 名前:現在 投稿日:2002年05月04日(土)23時55分04秒
飯田と剣を交えながら浜崎が言う。

あゆ「誰が誰に圧勝だって?」
保田「実際はかなりいい勝負だったわよ」

保田がフォローを入れる。

よっすぃー「まあ、その後の浜崎さんは大変でしたね」
ごま「もう、悔し泣きするわ、逆ギレするわでねえ」
あゆ「あんた達、感じ悪い」
保田「よっすぃーもごまもいい加減になさい」

よっすぃーが浜崎に言う。

よっすぃー「ところで、おしゃべりしながら勝てる程、
      ウチの勇者は甘くありませんよ」
33 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2002年05月15日(水)23時54分14秒
よっすぃーの言葉に返答するあゆ。
あゆ「いいの?おしゃべりしなくても」
保田「雪辱戦なんでしょ?それに本気でやってくれた方がためになるから」

飯田「(隙!)」
背を向けているあゆに対して飯田が斬りかかる。

キィィィン

あゆは背中を向けたまま、片方の剣だけで飯田の攻撃を受け止めた。
あゆ「それじゃあ…やるか」
そのまま素早く反転して受け止めた剣を払い、あゆは飯田に攻撃を仕掛ける。
飯田「あぶなっ!」
飯田は振り向きざまの攻撃を間髪回避する。しかしあゆは既に次の攻撃態勢に入っていた。
あゆ「いい反応。手さばきの方はどうかな?」
と言うと、距離を詰めたまま流れるような連撃を飯田に向かって仕掛けた。

ごま「圭ちゃん、大丈夫かなぁ。本気モード入っちゃったけど」
保田「そう信じるしかないでしょ」
よっすぃー「今の飯田さんにとっては高い壁だけど、いずれは越えなければならない相手ですし」
ごま「そうだね…。信じるしかないか」
34 名前:魔王城 投稿日:2002年05月16日(木)00時11分20秒
さやか「いやー、快適だね。でかい人が硬直しっぱなしだから映像が乱れない」
つんく「それはそうなんやけど…。なんか気に入らんなぁ」
さやか「ま…この闘いは残念ながら聖剣の彼女が負けちゃうね。経験値が違うよ」
つんく「そのくらいは誰でもわかるやろ、本気入ってから戦況一変やないか」
さやか「でも…この闘いで相当強くなるよ。彼女」
笑みを浮かべながらさやかは言う。
つんく「どういう理屈や?つーかお前は思わせぶりな発言が好きやなぁ」

さやか「手は届かないが目に見える、それくらいの相手と対峙した時が一番成長するんだよ、人間は。
     例えば今の場合、手を抜くほどの余裕はないけど本気モードなら押し切れてる。
     力の差はあるがお互いに気を抜けない。そして劣っている方はその強敵に対して
     一撃の威力を上げ、防御にも腰を据え、より隙を見逃さず…。そんな戦いができるわけ」
つんく「そんなもんか。随分と大変なもんや」
さやか「私もあっちの世界ではこういうことの連続だったよ。でも、それが強さへの最短距離だね」
つんく「お前の場合は生きて戻ってきたこと自体が異常なんやけどな」
さやか「ふふっ…。でも流石に聖剣の彼女にとっては高い壁…あらら?」
つんく「なんや一体…あら?」

二人は飯田VSあゆの映像に目を疑った。
35 名前:魔王城>遺跡 投稿日:2002年05月16日(木)00時29分20秒
つんく「ヒザ…ついとるなぁ…」
さやか「うん…。しかもあゆの方が…」

・・・・・・・・・・

あゆ「ごほっ…ゲホ」
腹部を押さえてあゆが肩膝をついて息を切らせている。
保田「驚いた…」
ごま「…」
よっすぃー「予想外…」
飯田は傷だらけの状況ではあるが、確かに立ったいて、あゆを見下ろしている。

あゆ「…まさか二太刀の線が重なる瞬間に流れのまま合わせて捌くとはね」
飯田「うん…。それしかないと思ったから」
飯田は立っているのもやっとのようで、声にも疲れが感じられる」
あゆ「ていうか、作ったんでしょ?あなたのも合わせて三つの太刀の線が重なる状況。
    そうでもないと成功するわけないよ、あんな捌き」
飯田「そこまで考えてないよ…。でも、後から聞いてみるとそうやったんだなぁって思える」

よっすぃー「直感だけで浜崎さんの連撃に隙を作った…」
保田「しかも当てたのは剣の柄ときたもんだ。そこまで気が回ってるとは」
紺野「凄い…。何もわからなかったです」
36 名前:遺跡>魔王城 投稿日:2002年05月16日(木)00時44分03秒
あゆ「今回はあゆの負け、認める」
飯田「うん。ありが
あゆ「でも次は負けないよ!今度闘う時は最初から本気でやるんだから、覚悟しとけっ!」
飯田「あ…はい…」

安心したのか、その場に崩れる飯田。その様子を見て仲間が飯田に駆け寄る。
石川「勇者様、大丈夫ですか!?」
飯田「あ、石川…。うん平気、ありがとね」
石川「それにしても、ホントにかっこよかったです!あんな速い攻撃の隙を見極めるなんて…」
保田「たいしたもんよ、よくやったねかおり」
飯田「へへへ…」

よっすぃー「…」
ごま「…よっすぃー?」
少し距離を置いてごま、よっすぃーの二人が話している。
よっすぃー「成長が早過ぎる」
ごま「え?」
よっすぃー「隙を見極めたどころか、自分の都合のいい位置に隙を生み出した。
       私も教えていない。これは天賦の才としか言えないよ…」
ごま「よっすぃー…」
よっすぃー「うかうかしてると私も追い抜かれる、こっちも本気にならないと」
ごま「そうだね…。負けてられないよね、キャリアあるんだし」

・・・・・・・・・・

さやか「…」
つんく「なんや、急に黙って…、うおっ」
さやかの狂気をはらんだかのような笑みを見て、つんくは後ずさりをする。
さやか「(あんたが一番闘って楽しそう…。もっと強くなりなよ)」
37 名前:そしてまた遺跡 投稿日:2002年05月16日(木)01時02分33秒
保田「…ということで、最後のお仕事をしましょうか」
石川「え、何のことです?」
保田「忘れちゃかわいそうでしょ?ほら、あそこのノッポと少女」
大林「そのナメた呼び方はやめろ!」

大林「まぁいい…。とりあえず、私の任務は雷刃の調達。任務は達成させてもらう」
保田「だってさ?どうする」
よっすぃー「闘いましょうよ〜、もう相手も逃がしてくれませんよ?」
ごま「うん、今回はよっすぃーに同意。もう逃げる理由もないと思うよ」
保田「そうねえ、スライムのことも解決したし彼等とも既に別行動だし…」
大林「何を話している?どのみち私には関係のないことだが」
よっすぃー「はい決定、私とごまと保田さんの3人で闘いまーす」

石川「チャーミー達は闘えないんですかぁ?」
高橋「私も闘いたいですー。ていうかまだ自己紹介も…」
保田「まあまあ、今回は私達に任せておいてよ」
よっすぃー「ごめんね、みんな。この3人で組んで闘ったことってなかったからやってみたくて…」
ごま「だいじょーぶ、3分以内で終わらせるから暇じゃないと思うから」
大林「私も見くびられたものだ…。その自信を打ち壊してやる」
大林は例のごとく右手に気を練る。
あゆ「私の目にビビってたくせに口だけは達者だよね、根性無しノッポ女」
大林「お前は敵か味方かハッキリせんか!」
38 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)00時53分50秒
あゆ「あっ」

あゆの緊張感のない声。
そして彼女の視線は大林の後方。
大林がその視線に気付いて振り向く。

ゴオッ、と火の玉が音を立てて
大林の頬をかすめていった。
指先から煙を立ち上らせて、ごまが挑発する。

ごま「ドコ見てんの?喧嘩売ったのはそっちだよ」
大林「…面白い。まとめて相手をしてやろう」
あゆ「あゆは見物していこうかな(疲れたし)」
39 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)00時55分48秒
最初に動いたのは大林。
練った気を球状にして、
よっすぃー達に向かって叩きつける。

大林「食らえい!」

大林は二発、三発と立て続けに気弾を打つ。

ごま「あの気弾って自動追尾なんだよ」
保田「ごっつぁん!そんなことはもっと早く言」

保田が文句を言う間もなく気弾が襲いかかってくる。

ドン  ドン ドン

着弾するごとに爆発が起こる。
爆風で埃が舞い、三人の姿は確認できない。

石川「ああ!」
ナッチー「大丈夫だべさ。三人の気を感じるべ」

石川が小さく悲鳴を上げた。
が、ナッチーの言葉の証拠に、
大林が臨戦態勢を解いていない。
40 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)00時58分34秒
埃の中から人影が飛び出す。
よっすぃーだった。
彼女は一直線に大林に向かう。

大林「そこかっ!」

大林はよっすぃーに気弾を打ち込んだ。

ボン

気弾は大林まで数歩という距離でよっすぃーに着弾した。
いや、そう見えた。

あゆ「へえ。あの刀、何でも斬れるんだ」
ナッチー「何がだべか?」

あゆの呟いた言葉を、ナッチーは理解できなかった。

よっすぃーはさらに間合いを詰める。

ガチッ

大林は剣で刀を受けた。

大林「貴様、雷刃にそんな力があることを知っていたのか?」
よっすぃー「いえ。教えてくれたのは雷刃そのものですよ。
      手にしていると感じるんですよ。
      雷刃に眠る、闘いの記憶を」
41 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時01分25秒
よっすぃーの姿を見る限り、
あれだけの猛攻を受けたとは思えないほどに無傷だ。

大林「そらっ」

大林が前蹴りを出す。
よっすぃーはガードしたものの、
五メートル以上は吹き飛ばされる。

大林「(これでどうだ!)」

大林は先ほどの気弾よりもはるかに大きな気弾を作り出す。
そして、高く飛び上がって気弾にアタックをかけた。
待ち構えるよっすぃーが手をかけているのは、
青春刀ではなく雷刃。
そしてよっすぃーが雷刃を抜く。

よっすぃー「(斬る!)」

バリ、と紙を破いたような音。

刀が斬ったとは思えぬ音とともに、気弾は切り裂かれた。
行き場を失った気弾はその場で爆発を起こす。
42 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時03分24秒
保田「喝!」

保田が気合で視界を塞いでいる埃を吹き払う。
ごまも保田もほぼ無傷だ。

ごま「今度はこっちの番だよ、メラゾーマ!」

ごまの指先から巨大な火の玉が飛んでいく。
しかし、火の玉は大林に届くことなく、
大林の目の前で何かに吸い込まれるように消えた。

新垣「ふう」

一見、闘いに参加していないように見える小柄な少女。
この少女の作り出した空間の歪みが、
ごまの魔法を遮断した。

ごま「むっ」
保田「やっぱあの娘の特殊能力が厄介なのよね」
ごま「圭ちゃん、なんか良い作戦ない?」
保田「ん、考え中」

さしもの大魔道と大神官も
新垣の能力には悩まされている様子。
43 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時12分55秒
大林「ではこれでどうだ?バトルマスターよ」

大林はそう言うと、新垣に何か合図を送り、再び気を練る。
同時に、闘いの場にいくつもの空間の歪みが発生した。

よっすぃー「(あの体の向き、私狙いですね)」
大林「チェストぉ!」

気弾にアタックをかける大林。

よっすぃー「?」

気弾はよっすぃーの遥か頭上を飛び去った。
よっすぃーが気弾を目で追う。

よっすぃー「(空間の歪みに気弾が吸い込まれた?)」

すると、あさっての方向から
気弾がよっすぃー目掛けて飛んでくる。

よっすぃー「!」

体をのけぞらせ、かろうじて
雷刃で気弾を弾き飛ばすよっすぃー。
44 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時17分38秒
よっすぃー「(芯で捉えないと気弾は斬れないか)」
保田「空間から空間へ気弾を移動させたようね」
大林「なかなかやるな。では増やすぞ」

大林は二発目の気弾を打ち出す。
一発目の気弾は大林のコントロールを保っているらしく、
空間の歪みに吸い込まれた。

よっすぃー「(気弾に空間の歪みに飛びこまれたら
       対処できなくなる。取るべき手段は!)」

よっすぃーは雷刃の柄に手をかけ、気弾の接近を待つ。

よっすぃー「(今だ!)」

雷刃を抜く。

スカッ

よっすぃー「(空振り!?いや、違う!)」

気弾は、よっすぃーが刀を振り切る直前に
その軌道を変えた。
よっすぃーをなでるように飛び去っていく。
そして一発目と同様、空間の歪みへ飛びこんだ。
45 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時23分29秒
次の瞬間、別の空間の歪みから
気弾が飛び出してきた。
しかも、同時に大林が気弾を打つ。

よっすぃー「(三発同時!)」
保田「ええいクソー!」

大林の打った気弾はよっすぃーを狙う。
よっすぃーは自ら突進し、気弾に斬りかかる。
しかし、先程と同様、気弾はそれを避けていく。

空間の歪みから飛び出した気弾は、
それぞれごまと保田を追尾する。
逃げ惑う二人。

ごま「だめ〜!」

しゃがみ込んで頭を抱えたごまが
そこまで言って、爆発音が響く。

ごま「んあ?」

ごまを追尾した気弾は軌道を変え、保田を直撃。

保田「何でよ〜」

しかしその直後、もう一つ爆発音が響いた。

ごま「ん、んあ…」

たった今、よっすぃーをかわしてきた気弾が
ごまに着弾した。
46 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時25分41秒
一方、保田を追尾した気弾は軌道を変え、
よっすぃーを狙う。
よっすぃーは空振りの直後で反応が遅れている。

よっすぃー「(後ろ!)」

それでも大林へ近づいていた分距離があったため、
反応はできた。
よっすぃーは飛び上がってこれをかわす。
気弾もそれを追う。

よっすぃーは天井に足を着き、
逆さの体勢で気弾を斬りつける。
しかし、不安定な体勢のため、
気弾を斬ることはできなかった。

よっすぃー「(失敗か)」

天井を蹴りつけて地面に向かおうとするよっすぃー。
さらに気弾が追う。
よっすぃーがなおも空中で気弾を斬りつける。
すると不完全な手応えながらも、気弾を斬り裂いた。

よっすぃー「(やった!いや、まずい!)」

気弾は空中で爆発を起こした。
よっすぃーは爆風によって激しく
地面に叩きつけられる。
47 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時28分32秒
ごま「(うう、この人強いよ。
    んん?圭ちゃんがウインクしてる。
    なるほど。その作戦で行こう)」
保田「(伝われ、私のアイコンタクト!)」
よっすぃー「(保田さんのウインク…わかりました。
       その作戦で行きましょう)」

保田のアイコンタクトにごま、よっすぃーもウインクで応える。
三人は保田のウインクを合図に一斉に立ち上がった。

保田「(いくわよ!)バギクロス!」
ごま「フィンガー、」

大林へ巨大な真空の十字が放たれた。

新垣「無駄ですよ」
ごま「フレア、」

新垣が大林の周囲の空間を歪曲させた。
バギクロスは大林に届かない。

ごま「ボムズ!」

続けざまにごまの魔法が放たれた。
48 名前:遺跡 投稿日:2002年05月27日(月)01時30分17秒
新垣「(これは危険ですね)」

新垣はさらに歪曲を強めた。
ごまの魔法もまた、大林には届いていない。

よっすぃー「(今だ!)」
新垣「え」

新垣は大林のガードに集中し、無防備。
よっすぃーが新垣の腹部を突いて失神させる。
そして、新垣を捕らえて大林と距離を取った。

大林「(不覚!)」

新垣が意識を失ったことで、空間の歪みが消える。
そうなると、大林を魔法から守るものは何もない。

大林「ぐおおおお」

新垣の能力で、ある程度は魔法をガードされたが、
それでもメラゾーマ2、3発分のダメージである。
無事では済まない。

あゆ「決まったね」

あゆが呟く。
その言葉に続いて大林の巨体が崩れ落ちた。

ごま「言ったでしょ?3分以内って」
49 名前:魔王城 投稿日:2002年05月27日(月)20時42分46秒
つんく「あたー……アレだけやられたら、復帰は無理やな」
さやか「やっぱ、あの3人は強いね」
つんく「次の作戦、どないしようかなぁ……ん!」
つんくはニヤリと笑い、さやかを見た。
その無気味な笑いに、ひきつった笑顔をみせるさやか。

つんく「お前……あの新しい勇者と戦いたくないか?」
さやか「え?」
おもいがけない誘いにあっけにとられるさやか
つんくは不気味に笑っている……
50 名前:新垣の意識下 投稿日:2002年05月27日(月)20時43分36秒
???「お〜い、新垣、聞えるか〜?」
新垣「……?だ、誰ですか?」
???「おれや、つんくや。」
新垣「……何か用ですか?」
つんく「2・3、命令があんねん。まず目が覚めても、一言も喋るな」
新垣「……はい」
つんく「それと、タイミング計って、保田、よっすぃー、後藤の3人をこっちに連れてきてくれ」
新垣「……はい」
つんく「そして、あいつらの言う事は信用するな。あいつらはわるもんや」
新垣「……わるもん……?」
つんく「悪い奴、ちゅううことや。あいつらの事信用したら、ころされんで」
新垣「……わかりました」
つんく「ほな、よろしゅう」
51 名前:魔王城 投稿日:2002年05月27日(月)20時44分22秒
さやか「アンタも悪だねぇ……」
つんく「そりゃ、俺は魔王やからな」
さやか「でも、協力に感謝するよ……」
つんく「まぁな……くくく……奴等の仲間割れが見れる……楽しみや」
さやか「じゃあ、ちょっと体動かしてくる」
そう言って、さやかは部屋の外へ走っていった。
部屋には1人、不気味に笑うつんく……
普段より、大きく見える
52 名前:遺跡 投稿日:2002年06月10日(月)23時48分22秒
がっくり倒れる大林を縄で縛り、放置する一行

ごま「あ〜ちょっと疲れたちゃった……オヤスミ……」
そういって眠ってしまったごまは、アザラシとなってしまう
それをよっすぃーが拾い上げる
保田「この子はどうしようか?」
保田が新垣を抱きかかえ、一行のところへ持っていく
飯田「どうしよう……こんなちっちゃな子だし……」
ナッチー「とりあえず、みんなの所に連れてかえるべ」
石川「そうですよ……それから考えましょう」

あゆ「じゃあ、あゆは帰ってまた修行してくる。今度は負けないから」
そういうと、あゆは一行に背中を向け、どこかへ歩いていった
高橋「わ、私も……」
そう言った瞬間、高橋は倒れてしまった。
紺野「ひどい熱……」
保田「とりあえず、この子とその子を矢口達の所まで運びましょう」
53 名前:遺跡 投稿日:2002年06月16日(日)21時41分50秒
移動中に石川が気付いた。

石川「あれ?飯田さんは?」

飯田はある人物を追いかけていた。

飯田「ちょっと、黙ってドコ行くつもり!?」

無言で立ち去る北上の腕を飯田が捕らえる。

アミ「私はもう魔王軍じゃない。
   つまり私は敵ですらないんだよ。
   黙ってドコ行ったって私の勝手じゃない」

北上は飯田と目を合わせない。

飯田「友達じゃない。勝手に行くなんて無しでしょ?」

北上が飯田に目を向ける。
54 名前:遺跡 投稿日:2002年06月16日(日)21時42分47秒
北上「(やれやれ、こういうところ変わってないなあ。)
   勝手に行かないから手、離して」
飯田「うん」

北上の腕から手を離す飯田。

北上「こっちの仲間も怪我してる。早く行ってあげたいんだ」
飯田「ごめんね。でも黙って行くことはないじゃない」
北上「それは、悪かったよ」
飯田「分かればよろしい」

二人の間に流れる束の間の静寂。

飯田「私達、友達だよね?」
北上「…うん」

小さく北上が答えた。

北上「私、もう行かなきゃ」
飯田「またね」
北上「ん、ああ、またね」

北上はその場を逃げるように走り出した。

飯田「(これでいいんだよね、これで)」
55 名前:遺跡 投稿日:2002年06月16日(日)21時44分54秒
勇者一行は矢口達と合流。

飯田「ねえ矢口」
矢口「なんだい?カオリ」
飯田「これどうやって作ったの?」
矢口「ヒ・ミ・ツ」

目の前にそびえ立つ「何か」を見上げる飯田、矢口。

矢口「ここ吹き抜けになってるじゃない?
   だから真っ直ぐ上に行けば、
   最短距離で行けるかなーって」

ずっと上を見上げると天井と思しきものはなく、
代わりにガラス張りになっている。
そこから地上の光が差し込んでいるのが見える。

飯田「だからって…
   ロケット作ることはないんじゃないの?
   それも何人乗りよ?」

飯田の目の前にそびえ立つのは、
どうやって作ったのか矢口作のロケット。
スライムに飲み込まれていた人々を乗せているのだから
それなりの大きさである。

紺野「地球の重力圏を抜けるわけではないので
   適度にマシンのスペックがあれば大丈夫だと思います」
飯田「そんな問題じゃないような気が」
矢口「まあ、気にしない気にしない。
   出発進行!」
56 名前:遺跡→地上 投稿日:2002年06月16日(日)21時45分59秒
ロケット?内部にて

つじ「いじょうなし」
Д<「機器類に問題点見当たりません」
矢口「発射5秒前、3、2、1、スペースヴィーナス号発射!」

ロケットは一瞬で天井のガラスを突き破って
地下空洞へ。そのまま地上の光が差し込んでいる部分へ向かう。

矢口「今だ、逆噴射!」

ロケットはあっという間もなく地上へ。
ロケットの勢いが止まったのは、
地上の建造物が点に見える程の高さまで来てからのことだった。

矢口「パラシュート開け!」
Д<「アイアイサー」

パラシュートが開いて、ロケットはゆっくり下降する。
ロケットは無事地上へ降り立った。

つじ「とうちゃくで」
Д<「ございまーす」

矢口「空の旅はどうだった?」
飯田「怖くて地上に着くまで、外、見れなかったよ」
よっすぃー「スリル満点でしたよ」

空の旅を楽しめたのはよっすぃーだけらしい。
石川、紺野などは初速の凄まじさに腰が抜けてしまったようだ。

保田「何はともあれ、目的は達成できたところで
   報告に行きましょう。ルーラ!」
57 名前:→検問所 投稿日:2002年06月16日(日)21時47分23秒
飯田と保田は検問所に報告に。

保田「―――以上が事件の概要です。
   被害者の治療についてはそちらにおまかせします」
「ご苦労。ところで」

そういって軍の師団長は一枚の紙を差し出してきた。

「この4人に見覚えは?」

その紙には検問破りをする矢口、辻、Д<、ミカの姿が…

「今一緒にいるようだが、君達の仲間だね?」
飯田「…はい」
保田「申し訳ありません」

飯田と保田は頭を下げた。

「君達の働きに免じて罪には問わないけれど、
 今回の仕事に関する報酬は、無しにさせてもらうよ?」
58 名前:→ミチーヨの酒場(バナナ=ソーカ) 投稿日:2002年06月16日(日)21時49分13秒
一行はルーラでミチーヨの酒場へ。

ミチーヨは外出中のようだが、
お構いなしに店の中に入る一行。
席に着いて飯田が保田に訊ねた。

飯田「ねえ圭ちゃん、あの子どうしようか」
保田「大林と一緒にいた子、多分、
   魔王軍お得意の洗脳受けてるんじゃないかな。
   あの年で魔王に忠誠誓うなんて考えられないしね。
   だからどうにかしてあげたい」

買い物袋を抱えたミチーヨが店の奥から顔を出す。

ミチーヨ「お、みんなお帰り」

そしてミチーヨの背後を見知らぬ少女が着いてくる。

「あれ、みっちゃんさん、この人達ひょっとして」
ミチーヨ「勇者様御一行や。ちゃんと挨拶せい」
小川「はじめまして!小川真琴です。
   将来の夢は一人前のシーフになることです!」

威勢良く自己紹介した小川。
59 名前:ミチーヨの酒場(バナナ=ソーカ) 投稿日:2002年06月16日(日)21時53分44秒
小川は一人一人に挨拶して回っている。
一階の賑やかさに誘われたのか、
よっすぃーとごまが二階から降りてきた。

石川「三人の様子はどうですか?」

石川が言う三人とは高橋、新垣、ミカのことである。

ごま「ん、みんな寝てるよー」

ミチーヨ「仕事の方はどうやった?高橋は見つかったんか?」
よっすぃー「高橋って子は二階で休んでますよ」
60 名前:ミチーヨの酒場前 投稿日:2002年07月02日(火)00時40分35秒
??「ああ……どうしよう……でももう頼る人いないし……
   私1人じゃボコボコにされて洗脳されるのがオチだし
   ……大丈夫。血の繋がってるお姉さんだし、困ってる時はお互い様だし
   うん、きっと助けてくれる……」

ギーッ

ミチーヨ「ん?いらっしゃい」
飯田「あ!」
保田「あ!」
小川「ん?」

後藤「あれ?ユウキは?」
61 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年07月02日(火)00時46分59秒
ソニン「お願いです!助けてください!」
保田「ん?どうしたの?」
飯田「何かあった?」
吉澤「あら、ソニンじゃん」

小川「誰?」
ミチーヨ「あの子らのしりあいやろ」

ごま「ユウキに何かあった?」
ソニン「実は……信じたくないし、信じられない事なんですが……
    ユウキが魔王軍に連れてかれました」
ごま「マジデ!!?」
飯田「ウソォ!?」
吉澤「ハァーーー!?」
保田「ウソ!いつ?」

ソニン「アレは新しい仕事を探しに酒場へ立ち寄った日の事でした……」
62 名前:回想 投稿日:2002年07月02日(火)00時51分40秒
ユウキ「あ〜……ちょっとトイレ……」
ソニン「うん、わかった」

トイレに行くユウキ
ソニンは酒場で1人、お金の計算をしていた。
ソニン(あ〜……もう一週間分しかお金が無いよ……
    新しい仕事しないと……)

1人の女性が酒場に入ってきて、カウンタ−の席に座った。
ユウキはそのとき戻ってきた。

ユウキ「お♪いい女いるじゃん!」
席に戻った瞬間立ち上がり、その女の下へ行くユウキ
ソニン(相変わらずですか……)
63 名前:回想 投稿日:2002年07月02日(火)00時58分49秒
いいムードの二人
ユウキの背中をにらみつけるソニン
ソニン(ったく……こっちの苦労も考えて欲しい……)

そのとき、急に眠気が襲ってきた。
ソニン(ん?なんか……ねむ……)
他の客も、バタバタと倒れこんで眠りはじめた
その中で、同じようにユウキも眠ってしまった。
ソニン(そうか……あの女……)
女は立ち上がり、ソニンに近づき、こう言った
??「この子は借りてくよ……じゃあ」
ソニン「ま……て……」
薄れ行く意識の中、最後に女が呟いた
??「魔王お手製の薬、なかなか効果あるねぇ……」
64 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年07月02日(火)01時01分36秒
ソニン「……ってわけなんです」
飯田「……」
保田「……で、ユウキの入る所の目星はついてるの?」
ソニン「わかりません……魔王軍からもユウキからも何の連絡もありませんし……」
ごま「……ユウキ」

小川「なんか大変そうだな」
ミチーヨ「ほんまやなぁ」
65 名前:魔王城 投稿日:2002年07月02日(火)01時07分36秒
つんく「市井、用意は出来てんのか?」
市井「う〜ん……適当な場所が見つからないんだよねぇ……」
つんく「場所は大丈夫や。他の人が見つけてくれる」
市井「何のこと?」
つんく「いや、こっちの話や……それより、あれ、使えんのか?」
市井「あれ?」
つんく「この間連れてきたガキや」
市井「大丈夫、私が完全に悪に染めたから。以前よりも強くなってるよ」
つんく「……お前、そんな事も出来んのか」
市井「だてに魔界に何年もいたわけじゃないよ」
つんく(……今は手、結んでるから安心やけど、敵にまわしたら一番厄介やな……)

市井(ごま、よっすぃー、圭ちゃん、そして勇者……
   ふふふ……楽しみだなー)
66 名前:アッサヤヌの遺跡 投稿日:2002年08月01日(木)07時08分37秒
あゆ「ともや〜、アンタどこほっつき歩いたの?」

遺跡の中、資料室でほこりをかぶっていた男たちが、いっせいに声の主を見る。
長瀬「あ、あゆっ!」
あゆ「遺跡の中で会おうだけ言って、ほんといい加減なんだから」
城島「そんなことより姉さん、スゴイもんが見つかったんやて」
あゆ「は?このハゲ何言ってるの?
   この遺跡調査だったら嬢ちゃん連中のパーティーがもう解決してたよ?」
国分「あ、そういえば・・」
長瀬「いや、そんなんじゃねえんだよ。もっとスゲーもの」
そう言って長瀬が女に見せたのは、いくつかの書籍や情報装置。
女はそのタイトルに目を通す。

『季節の果実、苗木編』
『カルガモの飼育』
『茅葺きの全て』
『肥料、その熱き魂』

あゆ「・・・・テメーラ」
山口「テキーラ?」
あゆ「テメーラ、また農作業の話くわぁぁぁ!
    アン?将来の夢は自分の畑を持つことですって!?
    んなんだから冒険者として1.5流なんだよ!!」
67 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年08月01日(木)08時06分14秒
荒井「アミ・・・」
北上「解雇通告って」
荒井「・・・だろうね」
大林「末永が瀕死だと聞いたのだが」
荒井「長官!」
大林「どれ」
素子は末永に手をかざす。
ふと荒井は北上に目をやる。
北上もこちらを見ていた。
荒井「で、件の剣ってのはどうなった?」
北上「もち・・・・ヤツラが持ってった」
荒井「そっか」

大林「もう少し止血が遅ければわからなかったな」
素子のセリフに、荒井と北上は顔を見合わせる。
北上「・・・そうですか、よかった」
北上は末永の顔を覗き込む。
68 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年08月01日(木)08時06分45秒
大林「勘違いするな、お前達の力不足なんかじゃあない」
荒井「長官?」
大林「魔王軍の方針が変わっただけだ
   勇者一行も、もう普通のコマでひっかかるような連中じゃなくなった
   おそらくは軍の全エージェントが解雇されただろう」
北上「・・・・」
荒井「長官はどうなさるんですか?」
大林「わたしはどうなるもんでもないさ
   ただ・・・」
素子は2人に顔を見せる。
大林「お前達は普通の人間として生きていける」
寂しそうな目許、北上はそう思った。

大林「おそらくは各町の占領体勢も弱体化する。
   というより手が回らなくなるだろう。
   冒険者にとっては幾分か過ごしやすくなるはずだ」
素子は懐から巻き物のようなものを取り出して、2人に投げてよこした。
見ると、それは魔王軍エージェンとが用いる強化ルーラの書だった。
大林「行け、お前達精鋭なら十分エージェントとして食っていける」
そう言って、素子は空間の外へ消えた。
69 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年08月01日(木)08時07分09秒
荒井「あの人、魔族だったのか」
北上「・・・・」
荒井「アミ、アミはこれからどうする?」
そう言われて、遺跡のどれくらいの階層なのかわからないが、天井を見上げた。
北上「はは、幼い頃から魔王軍にいたからね、どうしたらいいかわからないよ
   沙希姉は?」
荒井「言われた通り・・・産業スパイでもやるさ」
北上「それって便利屋のこと?」

立ち上がった荒井を見上げると、先ほどの強化ルーラの書を手に持っていた。
荒井「行こう、とりあえず酒場へ」
末永に触れ、三人は遺跡から脱出した。
70 名前:アッサヤヌ遺跡 投稿日:2002年08月01日(木)08時07分19秒
荒井「そういえば、参謀長以外に誰か忘れてない?」
北上「あれ?誰かいたっけ?」

@@@@@@@@@@@

藤井「な?な?何があったの?
   わけがわからんうちに出番が終わってるわ!!」
ワーダ「ネバーギブアップじゃ・・」
71 名前:魔王城 投稿日:2002年08月01日(木)09時42分34秒
魔王つんく♂「全く、三人ともよくもまあ生きて戻ってきたな」
あきれ顔の魔王。

大林参謀長「幸いこっちの世界の存在じゃないものでね」
藤井諜報局長「だってー、出番あれだけって酷すぎない?」
ワーダ博士「わしゃ不死身じゃと言っとるじゃろ」

さやか「(参謀、局長、博士、、、、)」
部屋のすみで4人を眺めるさやか。

さやか「ねえ、あんたの部下ってデルザー軍団みたいだね?」
つんく「・・じゃあお前はヘビ女か?」
さやか「大元帥にきまっとるじゃろヴォゲェ!
    つーか誰がオマエの部下じゃゴルァ!!」
72 名前:外伝・東洋紀行〜地の章〜 投稿日:2002年08月01日(木)09時43分22秒
ナカザー「ルルを追って上海まで来たのはいいんだけど・・・」
またも中文言語圏で迷子になっているナカザー。
ナカザー「べつに一人旅だからって傷心旅行じゃないんだけど」
とりあえず道でも聞こうと港町の酒場に入る。

??「バカヤロー!
   ドイツもコイツもムネオムネオムネオ!!
   おりゃあなんもしてねーっつーんだよ、バカヤロー」
何やらカウンタ−席で飲んだくれ、日本語でわめいてる坊主頭の男がいる。
ナカザー「(ありゃ、酔っ払いだ
      でもどこかできいた台詞なんだけど・・・
      まあいいや、道を聞いてみよう)」

男のそばへ言ってみると、ナカザーは男のグラサンに見覚えがあることに気付く。
ナカザー「あ、あなたは!?」
松山「なんだ姉ちゃん、追徴課税ならちゃんと納めるべ」

これがナカザーと根室の雄と呼ばれた大和棍術の使い手、松山千春との出会いであった。
73 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年08月01日(木)22時15分08秒
石川「あれ?しばちゃん、機嫌よさそうだね。
   なにかあったの?」
シバタ「へへ、ちょっとね
    昇格人事って言うのかな?」
石川「???」

シバタ「あ、あさ美ちゃん」
紺野「シバタさん」
互いの姿をみつけると、微笑みあう2人。
石川「(妖精と妖精使いって以心伝心できるみたいだし、この3人ならチームワーク抜群ね)」
74 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年08月01日(木)22時15分37秒
Д<「で、そこのおかめ納豆、お前何者やねん?」
麻琴「え?今、田中麗奈似って言いました?」
Д<「・・・」
75 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年08月06日(火)00時45分23秒
麻琴「え、えと、、、詳しくはこの本をお読みくださいっ」
Д<「あん?なかよし9月号ぉ?」
麻琴「今回は小川麻琴ストーリーなんです」
Д<「ハァ?自分(二人称)の顔、表紙に載ってないで」
麻琴「何言ってるんですか。これですよ、これ」
Д<「(・・・きょ、虚偽報道や・・)」
つじ「(あいふるのし→えむのほうがひゃくばい‘りある’なのれす)」
76 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年08月06日(火)00時45分52秒
紺野「矢口さん、何やってるんですか?」
矢口「廃材使ってチャリ作ろうと思って」
紺野「あ、自転車作ってるんですか?
  ・・・私も久し振りに乗りたいな・・」
矢口「あっそう、じゃあ出来上がったらこれあげるよ」
ミチーヨ「ちょっ、矢口。それ私・・」
紺野「え〜いいんですか?」
矢口「うん、もちろん!」
ミチーヨ「(それ、私のバイク壊した代償のはずじゃ・・)」

矢口「それよりさ、紺野がチャリ乗るって意外だな
   なんか鈍臭いイメージがあるからさ」
紺野「・・んー、でも昔、通信教育でバイシクルモトクロス習ってたから・・」
矢口「バイシクル・・って、あのジャンプとかするやつ?」
紺野「はい」
矢口「(わ、笑ってるよコイツ・・)」
77 名前:魔王城 投稿日:2002年08月06日(火)00時46分25秒
つんく「そうそう、上から『デカモニに和田アキ子。(アッコにおまかせ)』ちゅう案がきてるんやけど、どないや?」
素子「・・・そ、それは・・」
78 名前:魔王城 投稿日:2002年08月29日(木)21時09分02秒
    ワダアキオ…


素子「できれば・・・女性限定で」
つんく「・・・そ、それは・・」
79 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年09月22日(日)23時12分52秒
飯田「今日はもうおやすみにしよう。みんなも疲れてるからさ」
保田「と、リーダーが言ってるんだけどごっつぁん、いいかな?」
ごま「ウチのバカ弟のことなら多少放っといてもきっと大丈夫だよ。
   あんなのでもごとーの弟だからねー」
矢口「はー、愛のムチだね」
よっすぃー「お先に失礼します。おやすみなさい」

ミチーヨ「なあ、つじが店の食料食い荒らしとるんやけど…」
д<「そんな食っとったら太るで」

と、言いつつあいぼんも食べる、食べる。

つじ「いっしょにふとるのれす」
紺野「…おもち。おいしい…」
小川「みっちゃーん、おかわりー」
ミチーヨ「お、お前ら、デザート食い尽くしたな」
ナッチー「ナッチーはダイエットするべさ。我慢するべさ」

ソニン「大丈夫かなぁ、この人達で」
80 名前:ミチーヨの酒場 投稿日:2002年09月22日(日)23時13分45秒
店の一階には小川とミチーヨだけが残った。

ミチーヨ「ふう、やっと落ち着いたわ」

小川がダーツの矢を手に取った。

小川「よっ、ほっ、それっ、っと」
ミチーヨ「ほう、えらい精度高いな」

忍者のミチーヨをも唸らせる小川の命中精度。
小川の放った矢は、きれいに十字をかたどって突き刺さっている。

小川「へっへー、飛び道具はお手のものですよ」
ミチーヨ「すごいな、ウチが見てきた中でも一番やで」
小川「…一番ですか」

二階から誰かが降りてくる。

「あの〜、おなかすいたんですけどぉ」
ミチーヨ「やっと起きたん?高橋」
小川「そのなまりはっっ!?」
81 名前:ミチーヨの酒場一階フロア 投稿日:2002年10月10日(木)23時35分31秒
小川「高橋愛!!ここで会ったが・・」
高橋「ミチーヨさん、何か食べ物ないですか?」
否定疑問の‘ない’を妙なイントネーションで強調しつつ、小川を無視して横を通り過ぎる高橋。
ミチーヨ「食い物ゆーたかてガキどもが食い散らかして、お菓子くらいしかないで」
高橋「え、お菓子って何があります?」
ミチーヨ「そーやな・・伊賀忍者せんべいとかどや?」
高橋「他にありません?」
ミチーヨ「んん・・なら第2東名陸橋型おこしとか首都機能移転まんじゅうとか…」
高橋「……」

ミチーヨを無視し、高橋は今度は小川に目を向ける。
高橋「ああ、そう言えばあなたどこかで見たことアルね」
ミチーヨ「(な、なぜルル口調!?
      もしや書いてる奴が福井訛りを字面で表現できないから!?)」
82 名前:ミチーヨの酒場一階フロア 投稿日:2002年10月10日(木)23時35分53秒
小川「会った事あるもなにも、戦ったことあるでしょ!」
高橋「そういえば・・」
小川「思い出した?あの日のことを。
   私も二度は負けない。
   今度はぶちのめすっ!!」

一瞬両者の視線が交錯して、或いは互いに武器を手に取るといった状態であったが、高橋は平静を保って目を見開き、小川の睨つけを切り返す事なく受け止める。
しかし尚も緊迫とした雰囲気が酒場のフロアを包む。

ミチーヨ「…こらまた物騒やな」
小川「リストラされたババアは黙ってな」
ミチーヨは思わず状態を起こして口を開きかけるが、少女達の紅潮した頬を見て、怒りを抑える。
ミチーヨ「冒険者気取りのリトルギャングが、酒場のルールも知らんと他人に迷惑かけるんかい」
その強い口調に、少女達は一度握りしめた拳をおろして、ミチーヨのほうを見向く。

ミチーヨ「ええわ、何があったんか話してみぃ
     そんでまだやるんやったら店の外でやるんやな」
83 名前:ミチーヨの酒場二階外階段 投稿日:2002年10月10日(木)23時38分44秒
一一同刻、酒場の外階段
闇夜に人影二つ、二階の窓から現れる。
先に外へ出てきた女に緊張の面持ちはない。

「『バカ弟なら放っといても大丈夫』、じゃなかったの?」

スクランブルが解かれて間もなく、人がまだ戻っていない町の新興繁華街。
静かな夜の中に女性の静かな声がよく響く。
それを聞いて、続いて窓から出てきた女が顔を強張らせる。
顔をあげると、三階の一番端の窓から、大神官が顔を出していた。

「別に“バカ弟”連れ戻しに行くんじゃないよ」
深紅の導衣の魔導師はやはり小さな声でそう返す。
「真の目的はさやか様の救出、わかってるでしょ」
84 名前:ミチーヨの酒場二階外階段 投稿日:2002年10月10日(木)23時39分24秒
保田がごまから視線を外すと、後ろに立つソニンもきちっとこちらを見据えている。
二人とも手の甲から肩にかけて魔導師御用達の魔力増幅アクセサリーの類いが並んでおり、最大限に解放する事はなくとも魔導師の戦闘服といいいでたちだ。
ただごまはいつもの厚手の導衣、対照的にソニンは胸元から背中までリフレクションなどの魔法装備をつけるために衣服としては限り無く半裸に近い軽装だった。

保田「じゃあ聞くけど、なんでパーティーの出発を待たずにその・・半乳を連れて行こうとするの?」
ごま「私は割と動ける魔導師だからね、本来なら少人数でも十分戦える。
   十数人の大所帯にいるより、わたしだけ単独で別行動するのがいいって思ったの」
保田「なるほど、それでそのライトソーサレスの・・はみ乳と行く、と。
   でもそれじゃ何も言わずにパーティーを離れる説明になってないわよ」
ごま「魔導師組合のA級と特S級の認定術士よ。無言で消えても身の心配はしないでしょ」
保田「私が聞いてるのはそもそもなんで行くかってこと。
   表向きの言い分なんて聞いてないわ」
ごま「・・全部言わせたい?」
85 名前:ミチーヨの酒場二階外階段 投稿日:2002年10月10日(木)23時41分20秒
ソーサレス達は大神官を見つめる。
真意は推して知るべし、彼女らはできるだけ身軽な面子で突っ込んで行って、魔王軍のエサをそこだけ軽く喰いちぎってくるつもりなのだ。
“真の目的”なんて到底簡単にたどり着けるものじゃないし、相手もそこまで噛ませたりはしない。
そのエサが自分達の身内だから余計二人の単独行動を後押しする。
可能性はあると思っていたが、まさかこんなに即断するとはさすがの大神官も思っていなかった。
確かに今の機動性のないパーティーで彼女の実力を活かしきれていないのは確かだが……

一つゆっくりと瞬きをして、保田は僧衣に入れていたほんの一掴みの金をごまに渡した。
保田「行きな、あとは私が言っておくよ」
ごま「ありがと」
保田「・・なま乳、うまく使わないとかえって厄介になるよ」
ごま「わかってる。
   それに彼女もそこまでひどくないよ」
そう言うとごまは保田を一瞥の後に外階段を降りて行く。
続くソニンの背中にむけて、その先のごまにも届くように、保田は少しだけ大きな声を出した。

「神の御加護がありますように」
86 名前:ミチーヨの酒場三階客室 投稿日:2002年10月10日(木)23時42分07秒
飯田「ねえ石川、起きてる?」
石川「あ、はい」
同室でもう片方のベッドの勇者から声をかけられ、石川は寝返りをうってそちらのほうを向く。
石川「どうしました?」
飯田「あのね、さっき思い出したんだけど、アッサヤヌの中でこれもらってね…」
そう言うと勇者は手のひらより大きいくらいの動物の角らしきものを取り出す。
飯田「召還師の人が使うと魔力を解放できる、とかいうものらしいんだ
   だからさ、石川にあげようと思って」
石川「わぁ、ありがとうございます」
勇者から渡されたエミリーの角を石川が手に取ると、その一瞬だけ僅かに明かりが放たれた。
飯田「あっ」
石川「たぶん、魔力に反応したんだと思います」
そう言って石川が角に視線を落とすと角は再び先ほどよりは少し弱い明かりを内含するように点した。

石川「・・これをくれたのって、この角の持ち主だったでしょ?」
飯田「えっ、よくわかるね」
石川「なんとなく、そう言ってる気がするんですよ」
87 名前:ミチーヨの酒場三階客室 投稿日:2002年10月10日(木)23時42分52秒
石川は受け取った角を鞄にしまうと、ベッドに腰掛けている勇者を見上げないままに言った。
石川「ミカちゃん、どうなりますって?」
飯田「もう・・・大丈夫みたい。
   さっきの角をくれたひとがそう言ってた」
石川「・・また連れていくんですか?
   ミカちゃんも・・あの女の子達も」
飯田「わからない。
   でも圭ちゃんはそういうの矢口に任せるつもりみたい」
石川「お師匠様は、多分また魔王軍との戦いのことをできるだけ考えるようにしてると思う」
飯田「うん・・・」
そう言ってみるものの、二人とも色々と考えが雲散していくようで、飯田にはとっさに立ち去る時の北上アミの表情が思い浮かんでいた。

石川「あれ?
   今、窓の外で話声がしてませんでした?」
飯田「ほんと?」
我にかえり、勇者飯田は振り返るが、カーテンの向こうからは特別何も聞こえて来ない。
飯田「気のせいじゃない?
   ・・明日もあるし、もう寝よ」
石川「・・はい、おやすみなさい・・・」
88 名前:高橋と小川の過去話 投稿日:2002年11月12日(火)01時59分14秒
高橋「この町に来る前、ニィガタシティに立ち寄りました」
ミチーヨ「うん」

・・・・・・・・・・

ニィガタシティにて

高橋「この町から南下するルートが、一番近道になるんやけどぉ…
   次の町まで遠いから、旅支度はしっかりせんとぉ。
   でも財布が寂しいなぁ。こういう時は…」

酒場へ行き賞金首モンスターリストを物色する高橋。

酒場のマスター「(あんな子供が魔物狩り?大丈夫か?)」

高橋「これがええの」
マスター「気を付けるんだよ」

手ごろな獲物に目を付けた高橋は早速現場へと向かった。

高橋「えっと。ここかな」

やって来たのは海岸線近くの沼地。
高橋は沼地にどかどか石を投げ入れる。
すると…


ヒドラが現れた!
89 名前:高橋と小川の過去話 投稿日:2002年11月12日(火)02時00分13秒
一方酒場ではマスターが顔見知りを呼び出していた。
高橋の様子を見に行ってもらうためである。

マスター「…で、訛りの強い子だったからすぐにわかるだろう。
     あんな子一人じゃ不安でしょうがないからね」
今田「わかった」
小川「私と同じぐらいの子なんですか?」
マスター「そうだよ。気を付けてね、琴美ちゃん」
小川「『麻琴』だコノヤロー!」

高橋を探しに行く二人。

小川「面倒ですねー、コージ兄さん」
今田「問題が起こった後の方が面倒やでえ」
小川「わかってますって。
   賞金首級の魔物を一人で仕留めようなんて命知らずでも
   放っておくわけにはいかない、と」
今田「うむ、そういうことや」

そこには魔物の死体と一人の少女の姿が。

小川「あれぇ、もう終わってるよ」
今田「君、高橋君かな?」
高橋「はい」
90 名前:高橋と小川の過去話 投稿日:2002年11月12日(火)02時01分29秒
今田が高橋に事情を訊ねる。
そして小川は魔物の死体を調べた。

小川「ん?動いた?」
今田「うぐぁ」

小川が振り向くと、体から切り落とされたヒドラの首が
今田の足に噛み付いていた。
小川はすぐさまヒドラの心臓に銃を打ち込んだ。
するとヒドラの首はその動きを止めた。

小川「コージ兄さん!」

3人は治療のためにすぐ町へ戻った。
治療後3人は酒場へ。

高橋「ごめんなさい。私のせいで…」
今田「気にせんでええ」
マスター「いい教訓になっただろ?」
高橋「はい。私一人だったら魔物にやられてました」
今田「賞金受け取ったらすぐ旅に出るんか?」
高橋「はい。あの、賞金の半分受け取ってもらえませんか?
   治療費ぐらいは払わせて下さい」
今田「いや賞金は君の手柄や。受け取るわけにはいかん」
高橋「そうですか…」
小川「……」
91 名前:高橋と小川の過去話 投稿日:2002年11月12日(火)02時03分19秒
賞金を受け取った高橋は町を出て街道を南へ進む。
人気のない森の中を進む。

前ぶれなく何かが高橋の目の前をかすめた。

高橋「(危ない!)」

高橋が右に目をやると樹木にナイフが刺さっている。
すぐにナイフが飛んできたと思われる方向を向く。
そこには小川の姿。

小川「コージ兄さんの怪我の落とし前、付けさせてもらうよ」

そして…

・・・・・・・・・・

ミチーヨ「…高橋が勝ったと。ところでコージ兄さんって誰?」
小川「兄弟子です」
ミチーヨ「そうか。事情はわかった。あとは好きにせい。
     ただし!外やったらな」

小川「表出ろ」

小川に続いて高橋も外へ。
92 名前:高橋と小川の過去話 投稿日:2002年11月12日(火)02時04分14秒
外から何かが倒れるような音や、
屋根の上からドタドタという物音が響く。

ミチーヨ「派手に戦っとるな。近所迷惑やで」

やがて物音が止んだ。
そして酒場のドアが開いた。

「ごるぁぁ!」

ミチーヨ「ぶっ!」

いきなりマクラを投げつけられるミチーヨ。
酒場に入ってきたのは小川でも高橋でもなく…

「あの餓鬼どもの保護者はアンタか!?」
ミチーヨ「違う。ていうかアンタ」
「人が寝てる時に外で騒いで、どういう教育してるの!?」
ミチーヨ「アヤカ?」
アヤカ「そーだよ!バッドイブニングだよ!」

アヤカは一度外に出ると
小川と高橋の首根っこ押さえつけて戻ってきた。

小川「うあーん」
高橋「(しょぼーん)」
93 名前:ほんのちょこっと 投稿日:2002年12月30日(月)00時29分52秒
応援してます
94 名前:名無し読者Z 投稿日:2003年01月03日(金)04時24分13秒
更新期待してます。
95 名前:名無しマン 投稿日:2003年01月04日(土)03時16分45秒
今までROMってましたが応援しています
96 名前:ミチーヨの酒場一階 投稿日:2003年01月21日(火)01時58分59秒
※※※
訂正>>92
高橋と小川の過去話→ミチーヨの酒場一階
※※※


石川「何の騒ぎですかー?」

トイレから出てくる石川。

ミチーヨ「大っきい方か?石川」
石川「わっ、私そんなことしません!」
ミチーヨ「(しませんって何をですか)」

心の中でツッコミを入れるミチーヨ。
アヤカが石川に気が付いた。

アヤカ「オウ!石川さーん!グッドイヴニング!」
石川「アヤカさん!?」

小川「さっきはバッドって言ったのに」
アヤカ「なんか言った?」
小川「なんでもないです」

小川のボヤキに対し睨みをきかせるアヤカ。

石川「お久しぶりです。あっ。そうだ」
アヤカ「ホワット?」
石川「アヤカさん洗脳の解き方知りませんか?」
アヤカ「魔王軍のならもちろん知ってるよ。でも何で?」
97 名前:ミチーヨの酒場二階寝室 投稿日:2003年01月21日(火)02時02分27秒
石川とアヤカは新垣の部屋へ。

石川「ここです…あれ?いない」

石川が部屋を見回すが新垣の姿はない。
アヤカがベッドに近づく。

アヤカ「さあ出てきなさい」
と言ってアヤカはベッドの下に隠れる新垣を引っ張り出した。

新垣「いやっ」
アヤカ「洗脳されたって新垣ちゃんだったの。
    ちょっとおとなしくしててね。うりゃ!」
新垣「げふっ(ガクッ)」

みぞおちに当身を受けて新垣は気を失った。
98 名前:ミチーヨの酒場一階 投稿日:2003年01月21日(火)02時06分12秒
アヤカに正座させられている小川と高橋。

小川「(足が痺れるよ…こんなことになったのもこいつのせいだ!)」

手近にあるものを高橋の足目掛けて投げつける小川。

高橋「あぅ」

見事(?)に命中。

じ〜〜ん

高橋「〜〜〜〜」

悶絶するあまり声になっていない。

高橋「このぉ」
小川「あふっ」

じ〜〜ん

高橋も反撃開始。

小川「やったなー!」
高橋「そっちこそ!」
99 名前:ミチーヨの酒場一階 投稿日:2003年01月21日(火)02時08分06秒
二人とも中腰の状態で物を投げ合う。

じ〜〜ん

小川「〜〜〜〜ぅ゛ぅ゛」
高橋「〜〜〜〜ぁ゛ぁ゛」

投げた物が当たるたびに声にならない叫びを上げる。

小川「食らえ〜」
高橋「負けませんよ〜」

そのとき不意に二人の足に衝撃が走った。

アヤカ「ローキック!ローキック!」
小川「ぃ゛ぃ゛ぃ゛」
高橋「ぁ゛ぁ゛ぁ゛」

戻ってきたアヤカが二人に容赦なくローキック。
二人は中腰の体勢で手を床につけたまま身動きが取れなくなっている。
まるでカエルのようだ。

アヤカ「立っていいと言った覚えはないよ」
小川&高橋「ご、ごめんなさい」
100 名前:ミチーヨの酒場一階→二階 投稿日:2003年01月21日(火)02時12分38秒
アヤカ「正座はもういいから二人とも付いてきなさーい」
小川「まだ動けませんよお」
アヤカ「来ないならホーストばりのローキックを…」
高橋「わかりました行きます!」

アヤカは二人を連れて新垣のいる部屋へ。
小川と高橋はひょこひょこと歩いてくる。
まだ足が痺れているようだ。

石川「あら、高橋さんとまこっちゃん歩き方が変だけど怪我でもしたの?
   診てあげようか?」
小川「いえ、大丈夫です」

アヤカが二人の太股を軽く突っつく。
まだ足が痺れている二人はよろけてしまう。

石川「大丈夫じゃないじゃない!ちょっと見せなさい!」

そう言って石川は二人の足をつかんだ。

小川「〜〜〜〜」
高橋「〜〜〜〜」
アヤカ「♪」
101 名前:ミチーヨの酒場二階寝室 投稿日:2003年01月21日(火)02時17分21秒
小川「あのぉ、この子誰ですか?」
石川「魔王軍の人と行動を共にしてたの。
   保田さんの話だと洗脳受けてるらしいって」
アヤカ「洗脳解除するから二人に手伝ってもらうよ」
高橋「何するんですか?」
アヤカ「ある言葉を繰り返しささやくだけだよ。
    何回も何回もね」

一階に一人残るミチーヨ。

ミチーヨ「あいつら何してるんやろか」

ミチーヨが石川達の様子を窺いに行くと…

小川「さいたまさいたまさいたまさいたまさいたま…」
高橋「さいたまさいたまさいたまさいたまさいたま…」

ミチーヨ「…んなアホな」

ベッドで眠る新垣にさいたまさいたまと繰り返しささやく小川と高橋。

ミチーヨ「…」

ミチーヨ「もう寝よう」
102 名前:ミチーヨの酒場二階寝室 投稿日:2003年01月21日(火)02時19分00秒
石川「これはいつまで続けるんですか?」
アヤカ「目が覚めるまで」
石川「(本当にこんなので洗脳が解けるのかなあ)」

高橋「さいたまさいたまさいたまさいたまさいたま…」
小川「さいたまさいたまさいたまさいたまさいたま…」
新垣「うーん、うーん」

夜は更けていく。
103 名前:ダーマ=サイタ 投稿日:2003年02月08日(土)23時14分57秒
石川「よっすぃー、よっすぃー
   サイの国って言うからにはここらへんには犀がいるのかなぁ」
よっすぃー「彩の国キャンペーンならダサイタマじゃなくなったのでやめましたが、何か?」
104 名前:作戦会議 投稿日:2003年02月08日(土)23時15分35秒
矢口「…ってなわけで、ゴッチン達を急いで追う班とあの娘達の問題を片付ける班にわけたいと思います」
保田「とりあえず私と矢口はこっち片してからトロいの連れて行くから、カオリ、あんたが勝手が良いのだけ連れてっていいよ」
飯田「ナッチーは機動性に劣るし、あの小さい子達もつれてくと手間かな・・」
105 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2003年02月08日(土)23時16分12秒
パーティー名はそれぞれざくろ組とおこめ組がいいかな、と思う勇者飯田
106 名前:名無しありがとう(*´ー`*) 投稿日:2003年02月08日(土)23時16分32秒
しゃくれ組とおかめ組なんてどうですか、とシーフ小川
107 名前:ミチーヨの酒場 四役会議 投稿日:2003年02月14日(金)02時50分50秒
勇者飯田「えと連れて行くのは回復役で石川、すばしっこそうな小川、あとつじもね」
小人矢口「そうだな、よっすぃーはこっちに残ってくれないと心細いし」
ナッチー「じゃあさじゃあさ、リーダー決めてグループ名つけよぉよ」
保田「それならごま増援隊はリーダーかおり。
   隊名はどこかその満たされない様から男闘呼組を連想するから、
   それにちなんで‘おとめ組’ね。
   で、居残り隊のほうはリーダーナッチーで、小さい子達は矢口が担当。
   隊名は 一見豪華そうな面子に見えて、全然お得でもなんでもない
   桜っ子クラブさくら組にちなんで‘さくら組’ってのはどうよ」
矢口「って、圭ちゃんも居残り隊でしょ」
保田「とりあえず勇者さん達送った後、ちょっとやんなきゃなんないことあってね」
108 名前:ミチーヨの酒場二階寝室 投稿日:2003年02月14日(金)02時51分27秒
飯田「おとりこみ中わるいけど、ちょっと下にきてくんない?」
小川「さいたまさいたま・・えっ」
高橋「は、はい」

保田「あら、アヤカじゃない。来てたの?」
アヤカ「ハロー圭ちゃん Good evening!」
保田「It's lucky to see you for me.」
アヤカ「You mean...グッドタイミングだったね」
109 名前:ミチーヨの酒場一階フロア 投稿日:2003年02月14日(金)02時52分28秒
飯田「みなさんよーく聞いて下さい」
保田「みんな気付いてると思うけど、昨夜のうちにソーサレスふたり、
   独走で魔王軍に斬り込んでいきました」
飯田「それで私と他少数名でごま達の応援部隊を組織したいと思います」
保田「ルーラにはとても追いつけないと思うけど、身軽な奴が急げば増援にはなるはずだから」

飯田「メンバーは私とつじ、それと石川に小川、以上4名でいきます」
矢口「居残り組の戦力が心配だからよっすぃーは残ってね」
保田「応援部隊のパーティーコードはおとめ組とします。
   4人はただちに出発する準備を始めて」

小川「じゃ、あと頼んだからな」
高橋「あ、あの新垣って子だね」
保田「あの子目が覚めたの?」
高橋「それが一旦起きたみたいなんですけど、アヤカさんがローキックで鎮めちゃって…」

飯田「それではさくら組、元気に参りましょー!」
つじ「おー!」
石川「行って参りまーす」
小川「ミチーヨさん、食料提供ありがとう!」
ミチーヨ「いえいえそれくらい
     ・・って、何勝手に店の冷蔵庫開けてんのよ、コラ!!」
110 名前:ミチーヨの酒場二階寝室 投稿日:2003年02月15日(土)21時26分08秒
保田「なるほど、それで魔王軍の洗脳解除法をためしてたのね」
アヤカ「もうそろそろだと思うよ」

高橋「さいたまさいたま・・」
Д<「さいたまさいたま・・おおっ」
新垣「う、うう・・」
高橋「目が覚めたかな」」
アヤカ「でもまだ洗脳が解けたかはわからないけど」

新垣「……ここは?」
ミチーヨ「バナナ=ソーカにある私の酒場やけど」
新垣「……しけた場所」
ミチーヨ「なんやて?」
新垣「……それにブスばっか」
Д<「テメェ、自分の顔見てモノ言っとんのか」
新垣「……しかも頭弱そう」
高橋「なぁにたわけたことぅ」

保田「これは?」
アヤカ「間違いない、洗脳は解けてるわね」
111 名前:ミチーヨの酒場一階フロア 投稿日:2003年02月15日(土)21時29分33秒
新垣「……なあに、このブスの巣窟みたいな薄汚い建物は…
   ああっ、わかった!私の美貌に嫉妬してのことね!」

矢口「なあ、どうするよコイツ」
Д<「ほんとウザイわ。魔王軍に送り返したいわ」
保田「まあまあそう言わずに」
よっすぃー「この娘が特殊な能力を持っているのは確かなんだ」
ナッチー「で、どうするべ
     まさか私達に連れてけなんて言うんじゃないっしょ」
保田「御名答。まさにその通りよ」
矢口「えー、ヤダよ。こんなヤツ連れてけないよ」
保田「でも最終的に魔王のとこに斬り込んでいく時にはこの娘が必要なの
   それまでに使えるようせいぜい仕込んどいてね。」
ウインクする大神官さま。
Д<「うぐっ、これには逆らえん」
紺野「まさか妖獣、カーバンクル!?」
保田「・・・」
112 名前:ミチーヨの酒場一階フロア 投稿日:2003年02月15日(土)21時30分23秒
保田「それじゃ、そろそろさくら組にも出発してもらおうかな」
よっすぃー「あれ、保田さんは?」
保田「私はあのミカって娘の後始末つけてからルーラで追うから」
アヤカ「そのために私を呼んだんだよね」
矢口「そうだったんだ」

ナッチー「んで、ゴッチンやカオリンはどっちへ行ったのさー」
保田「あれ?ナッチー達には言ってなかったっけ
   魔王城はナニワシティに位置してるんだけど、たぶんその途中が戦場になると思うの」
ナッチー「なして?」
保田「ユウキ君が連れ去られて数日で早足の魔術師が追っているし、
   それに魔王軍側もこっちが追ってくるのはもちろん承知のはずだしね」
アヤカ「魔王は魔界との連絡装置がある本城では戦いたくないはずだから、
    そうなると軍造の砦かどこか、道中の適当な場所で待ち伏せかな」
保田「元魔王軍ココナッツ四天王として、思い当たる場所はある?」
アヤカ「ここからナニワの間だと守るならば・・・
    Fort MATSUMOTO or Fortress NAGOYA, maybe」

よっすぃー「・・マツモト?じゃあアイツがいるかも・・」
113 名前:フォートマツモト 投稿日:2003年02月15日(土)21時31分19秒
さやか「お前が言ってた砦についたぞ」
魔王『おおそうか、あとは自由にやってくれ』
さやか「言われないでも」
魔王『それとそこらに女がいてるはずなんだが…』

??「お久し振りです、魔王様」
さやか「この女か」
魔王『その女が例の‘適当な場所’まで連れてってくれるはずや
   東方旅団師団長、あとは作戦書で伝えた通りにたのむわ』
??「ふふっ、オ・マ・カ・セ。」
114 名前:ミチーヨの酒場前 投稿日:2003年02月15日(土)21時32分33秒
矢口「じゃあとにかくこっから西に向かえばいいんだね」
保田「そゆこと」
矢口「ミカちゃんのこと、よろしくね」
アヤカ「まかせて」
ナッチー「それじゃさくら組、マターリ行くっしょ」
保田「そうそう、道中ふところが寂しいと思うからこれ持ってってよ」
矢口「お金?でもこれ全部じゃ圭ちゃん無一文になっちゃうじゃん」
ミチーヨ「それじゃここの宿代どうすんねん」
保田「大丈夫よ、ツケにしておくから」
ミチーヨ「大丈夫ちゃうわ!」
Д<「そんじゃババア、たっしゃでな」
ミチーヨ「ちょお待て!誰がババアやっちゅうねん」
115 名前:冒険のしおり 投稿日:2003年02月15日(土)21時33分07秒
 現行パーティー編成
酒場残留<保田・ミカ・アヤカ・ミチーヨ
さくら組<ナッチー・矢口・よっすぃー・Д<・高橋・紺野・新垣
おとめ組<勇者飯田・つじ・石川・シバタ・小川
斬込部隊<ごま・ソニン
魔王軍側<勇者さやか・ユウキ・??
116 名前:通りすがり 投稿日:2003年03月16日(日)23時49分58秒
必ず完結させて下さい!
応援しています!
117 名前:魔王城 投稿日:2003年04月14日(月)02時31分03秒
ごま「ねえ、ソニン」
ソニン「何?」
ごま「ずいぶん簡単に潜入できちゃったね」
ソニン「うん。レムオルで姿消しただけなのにね」

一方地下牢では

ユウキ「ああっ!何をする!いい加減俺を実験台にするのはやめろぉ!」
ワーダ「うるさい、お仕置きじゃ。自分の胸に手を当ててよく考えろ」
ユウキ「俺が何したっていうんだよー」
ワーダ「お前のせいで大損し(アルバムが出せなかっ)たんだよ!このキャバクラ通いが!」

ワーダは興奮してキャラが変わっている。

ユウキ「別にいーじゃん」
ワーダ「良かないわ!全く、大変だったんだぞ。
    マラソンしたりドミノ積んだり裸でエプ…」
ユウキ「お前はやってないだろ。いや、むしろするな」
ワーダ「ふん、お喋りはこれまでじゃ。えい!」
ユウキ「ああやめてやめて!う、」

ぎゃあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ
118 名前:魔王城 投稿日:2003年04月14日(月)02時32分34秒
ごま「!」
ソニン「!」
ごま「ユウキ!?」
ソニン「向こうだ!」

二人はユウキらしき声の聞こえた方向へ走る。

うおおおおおおぉぉぉぉ

ごま「この部屋だね。イオラ!」

ごまはイオラと共に扉を殴りつけた。
扉は勢いよく吹っ飛んでいった。

ごま「ユウキ!どこ?」
ソニン「多分…その扉の下敷きになってる人じゃない?」
ごま「ああ!こんなに血だらけになって!
   誰がこんな酷いことを!」
ソニン「九割方あんたのせいだと思う」
ごま「…ふへへぇ」
ソニン「笑って誤魔化すな」
ごま「まあいいか。ベホマラー!」

ごま達は回復した!

ユウキ「うう、姉ちゃん?ソ、ソニン(ぶー)」
ごま「ユウキどうしたの!?いきなり鼻血流して」
ソニン「お、レムオルの効力が消えてる」
ユウキ「裸にエプ、エプロン…」

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