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恋をしちゃいました3

1 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月06日(土)00時17分19秒
赤で1と2,そして2の続きから、この空で書いてます
「恋をしちゃいました」の続編です。

多分、今回のキーパーソンは、やぐっつぁんだと思います。

2が終わってから、まだ間もないのですが、始めたいと思います。
2 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-0- 投稿日:2001年10月06日(土)00時18分05秒

―プロローグ―

「あの時、ついでにアレもお願いすれば良かったんだよな〜」
ひとみは、頬杖をつきながら、ボートで仲直りした時の事を思い出していた。

「あれって何よ?」
「うぇっ……」
まさか、真希がいたとは気づかずに、ひとみは思わず身を引いてしまった。
「うぇって失礼な奴だね、君は!!」

「いるとは思わなかったからさ〜」
「あれって???」
「なんでもないっ…」
ひとみは席を立つと、廊下に出た。
3 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-0- 投稿日:2001年10月06日(土)00時19分14秒
("梨華"って呼んでもいいかな?…なんてね。言えるか!)
以前、『梨華』って前触れもなく呼んだら気持ち悪がられたのを思い出して
ひとみは凹んだ。あの時は、二人の関係も、ちょっとギクシャクした時期では
あったのだが・・・。

「何、照れた顔してんの?」
「げっ……」
真希が怪しげな顔をしてひとみを覗き込んでいた。
「さっきから、失礼な奴だね〜君は!」
「ごっちんが、まとわりつくからじゃん」
ひとみは、また教室へと戻る。

仲直りしてから、既に2ヶ月経ってるのに、ひとみは、いまだに悔やんでいた。
もうすぐ夏休み。そして知り合ってから1年が経つ・・・。

(この夏こそは!梨華ちゃんと、ムフフになりたい、ひとみの夏!!
 梨華ちゃんと知り合って1周年記念!)
ひとみの心は、期待に胸を膨らませるのだった。
4 名前:R 投稿日:2001年10月06日(土)00時35分25秒
祝・3rd Stage!!
出だしからイイですねぇ〜〜〜
5 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月06日(土)00時52分11秒
\(^▽^)/わーいわーい3ed stage♪
これからも頑張って下さい!
6 名前:1J 投稿日:2001年10月06日(土)01時09分00秒
新スレ、おめでとうございます。
よっすぃーの心と同様、わくわくです♪ 頑張って下さい。
7 名前:名無し男 投稿日:2001年10月06日(土)02時26分24秒
ヤター!!
おめでd
8 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月06日(土)22時43分24秒
よしこファンとしては、写真集発売記念で、頑張って
更新中(w。でも力つきてます(苦笑)。

>4-7san
ありがとうございます。
始まったのに、全然梨華ちゃんが出て来ないなぁ(苦笑)。
9 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-1- 投稿日:2001年10月06日(土)22時44分10秒
−1−

今日は終業式。明日から待ちに待った夏休みなのであるが・・・
浮かない顔をしているのが、ここに一人。

「あ〜ぁ、最悪だよ〜」
真希は通信簿を眺めては溜息をついた。
先ほど、中澤に呼ばれて補習を受けるよう言われたばかりだった。
「ごっちん、矢口先輩に、うつつ抜かしてるからだよ〜」
「うつつ加減だったら、よっすぃーの方が上でしょ?」
(よっすぃーだって、石川先輩とイチャイチャしてるくせにな〜)
しかし、ひとみは成績も優秀なので、真希は大きい事は言えない。

「どうせヒマなんだから、いいじゃん。せいぜい頑張ってよ」
「こんな事なら、よっすぃーに勉強教われば良かったな」
毎晩のように、矢口の家に遊びに行っていたのが、たたったのか?
さすがにテスト1週間前には、遊びには行かなかったが。

「矢口先輩んちで、違うコト教わってたんじゃないの?」
ひとみが含みのある言い方をしたので、真希は真っ赤になってしまった。
「ヘンな言い方しないでよね〜!そんな事してませんって!バカ!」
「そんな事って、どんな事だろお〜?」
ひとみは、ひひひと笑うと、笑って教室から出ていってしまった。
10 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-1- 投稿日:2001年10月06日(土)22時45分07秒
「でも、この夏は、何かあってもいいよね〜。ねぇ、やぐっつぁん?」
矢口が目の前にいる訳でもないのに、真希は思わず口に出して呟いた。

「呼んだか?」
「うわっ!」
(まさか、今の聞かれた?)
びっくりして真希は振り返った。
「なに、びっくりしてんの?呼んだから分かってるかと思ったのによ」
(良かった。聞かれてなかったみたい・・・)
「なんでもない」
「ふぅん。ところでさ吉澤は?」
「あ〜、多分、石川先輩のとこじゃない?」
「そっか・・・」
「よっすぃーに用だったの?」
「部活の事でな。いないなら、いいや」
出て行こうとする矢口に真希は呼び止める。
「今日は一緒に帰れる?」
「ごめん。ちょっと打ち合わせあって・・・」
そう言って、矢口は出ていってしまった。
「ちぇー。折角、明日から休みなのになぁ。まぁいっかー。長いもんね休みは」

呑気に構えていた真希だったが、矢口にとっては高校生活最後の休み。
そして、真希とも過ごす最初で最後の夏休みだった…。
11 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月07日(日)12時00分02秒
なんかいやな予感が…。キーパーソンが矢口って一体。
12 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-2- 投稿日:2001年10月07日(日)15時30分46秒
−2−

「なんでミュージカル仕立てなんですか?」
ひとみは、中澤から話を聞いて、聞き返した。
矢口とひとみは、中澤に呼び出されて、学園祭について
打ち合わせをしていたのだが。

「もう決まった事や。いちいち文句言うな!」
「だってダンス部なら、ダンスを見せるべきじゃないんですか?
 ミュージカルだったら、演劇部に任せればいいじゃないですか」
「演劇部は、去年潰れたやろ」
「そうですけど・・・」
ひとみは納得いかなかった。それは配役についてだった。

「吉澤が男役で、小川が女役で決まりや」
「人の意見も聞かないで勝手に・・・」
ひとみは文句を言う。
「女役は、紺野の方が良かったか?紺野だとシャレにならんしなぁ」
中澤は、面白そうに言う。
(全く、他人事だと思って・・・)
「紺野は、まだダンスも不十分だしな。小川だったら安心出来るよ」
「矢口先輩まで、なに言うんですか!」
小川が矢口ファンだと言う事を知っているので、矢口は安心しているのだろう。

「まだ先の話や。取りあえず、そういう方向で進めて行くから
 宜しく頼むわ、ほんまに」
中澤は、二人の肩を叩くと、ニヤっと笑った。
13 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-2- 投稿日:2001年10月07日(日)15時31分42秒
「矢口先輩知ってたんですか?」
廊下を歩きながら、ひとみは尋ねた。
「ある程度は、中澤から聞いてた・・・」
「矢口先輩、引退なんですから、先輩が主役でいいのに」
まだ納得出来ないひとみは、ぶつぶつ言っていた。
「吉澤の方が、客寄せにはいいからな」
「人をパンダみたいに・・・。それでなくても体育祭で、応援団長
 やらされるハメになってんのに」
何故か、こちらも勝手に応援団長にされていたのだった。

「それはいいじゃんか。石川も、チアガールになってくれるんだろ?」
「そ、そうですけど」
「石川も結構張り切ってた風だったけどな」
「そうじゃなくて、あんまり私に男役やらせないで欲しいんですよね」
「女装するより、いいだろ」
「女装ってなんですか!!」

教室に戻ると、既に真希は帰っていて、梨華も帰ってしまったらしい。
自然と矢口と一緒に帰る事になった。

元から今日は打ち合わせがあったので、梨華には先に帰っていいとは言ったのだが
すぐに終わるんだったら、待ってもらえば良かったと後悔した。
14 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-2- 投稿日:2001年10月07日(日)15時33分35秒
「たまにはメシでも一緒に食おうか?」
珍しく矢口が誘ってくる。
「先輩のおごりですか???」
ひとみは目を輝かせる。
「まぁ、いいか。そのかわり、ランチのみな。ドリンクは自分持ちでな」
「けち!」
「だったら撤回するぞ!」
「すんません」

「ところで・・・」
ひとみは前から聞きたかった事があった。
いつも真希と一緒なので、なかなか聞けなかったのだが、矢口の進路についてだった。
「なに?」
「矢口先輩、卒業したら、どうすんですか?進路なんですけど」
「あぁ・・・」
矢口は口ごもった。
聞いてはいけない事を聞いてしまったのか?一瞬ひとみは焦った。

「言いたくなかったらいいですよ。ごっちんも何も言ってないし、どうしたのかな?
 って気になったものですから・・・」

「まださぁ、後藤には言っていないんだけど・・・」
「はい・・」
「おいら、卒業したら名古屋に行くんだ」
「へ?」
― 予想していなかった言葉。
矢口がどういう道に進むのか気にしていなかったが、当然?東京にいるものと思っていた。
ひとみは、じっと矢口を見つめていた。
15 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月07日(日)15時41分12秒
>11san
今回ので少しは分かりましたか?
なんだか、矢口主役みたい(w。

全然梨華ちゃんが出て来る気配がない(苦笑)。一応主役なのに。
16 名前:名無し読者 投稿日:2001年10月08日(月)11時38分52秒
名古屋ー!矢口は何考えてんだ?ごっちんが知ったら…。
17 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-3- 投稿日:2001年10月08日(月)15時56分08秒
−3−

「マジっすか?」
「冗談で言えるかよ」
「どうして・・・そんな大事な事…」
ひとみは真希の事を考えたら、少々落ち込んでしまった。
「なんとなく言いづらくてさ」
矢口は水を一口飲んだ。
「それに、アイツ全然そういうの聞いて来ないし。
 多分、そのまま東京の短大か大学か行くかと思ってんだろうけど」
「名古屋って言うのは?」
「親戚が名古屋で、大工やってんだよ。そこで世話になって専門学校行こうと思ってる」

ひとみは話が見えなかった。
大工とどう関係が?
不思議な顔をしているひとみを見て、矢口はフォローした。
「ゴメン。言葉が足りなかったな。おいら、大工になろうと思って」
「へ???」
「ゆくゆくは『矢口工務店』を開けたらいいなぁ〜なんて思ってさ。
 目指せ!女棟梁!って感じだよ」
ひとみは、固まっているようだった。
「吉澤?聞いてる??」
「先輩、そういうの興味あったんですか?…全然知らなかった」
「おかしいかな・・・」
「そうじゃなくて。ちゃんと考えてるんだなって思って」
矢口は笑うと
「それじゃ、普段は何も考えてないみたいじゃん。
 これでも休みの日とか、結構日曜大工じゃないけど、家にある
 不要品でいろいろ作ったりしてんだぜ」
矢口は男っぽいし、そういう姿はサマになるかも知れないけど・・・。
18 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-3- 投稿日:2001年10月08日(月)17時24分19秒
「もぅ、行く事決まってんですか?」
「あぁ。卒業したらすぐ荷物まとめて行く事になってる」
卒業式は来年の3月3日。
「あと8ヶ月もないじゃないですかぁ!」
ひとみは指折り数えて言う。
「そうだけど?」
「何呑気な事言ってんですか!早く言わないと・・・」
「だから、この夏は後藤と最初で最後の夏休みなんだよな。
 その時に言おうと思ってるけど、なかなかなぁ…」

真希が、この事実を知ったら相当ショックに違いないが、ひとみも
かなりショックを受けていた。
中1の時から、矢口を見ているひとみにとって、例え卒業して学園で
会えなくなったとしても、近所で会う事は出きると思っていた。
それが、名古屋に行くなんて・・・。

「圭織とかにも相談したけどな。好きな事をやるのが良いって言ってくれたよ」
ダンス部の前部長飯田圭織。
彼女は今は美大に通っている。
たまに顔を出す程度だが、大学生活は楽しんでいるようだった。
「そう言えば、飯田先輩、今度来るみたいですね」
「え?そうなの?」
矢口は知らなかったらしく、聞き返した。
「なんか、辻が言ってたのをチラっと聞いたんですけど。違うのかな?」
あんまり大して気にも止めていなかったのでハッキリとは言えないが。
「ふぅん・・・。吉澤もさ、石川の進路とか聞いておいた方がいいんじゃないか?」
「梨華ちゃんの進路・・・」
「石川も高2だろ。そろそろ考えてもいい頃だと思うし。
 石川はしっかりしてるから、結構もう将来の事考えてるかも知れないな」
19 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-3- 投稿日:2001年10月08日(月)17時24分58秒
丁度その頃、ランチが運ばれて来て、会話は中断された。

梨華の将来・・・。
考えてもみなかった。まだ先の事だと思っていたけれど、梨華だって来年の4月で
3年生になる。ちゃんと考えているのだろうか?
ひとみは、毎日を楽しく暮らしているが、いつまでも遊んでばかりいられないの
かと思うと寂しくなった。

「全然食ってないじゃん・・・」
矢口に言われて、ハッと気づいた。
急に将来の事を振られて、ひとみは梨華との事を考えていた。
(梨華ちゃんも、矢口先輩みたく遠距離恋愛になっちゃったら・・・)
「そんな暗い顔しないでくれよ。まだ先の話じゃん」
「そうですけど・・・。矢口先輩、ごっちんとどうすんですか?
 名古屋だって遠距離に入りますよ?」
「別に帰って来れない距離じゃないだろ。とにかく食えよ!
 おいらが食っちゃうぞ!」
(吉澤が、そんなんだったら、ますます後藤に言えないじゃんか)
矢口は妙に明るく言うのだが、その明るさが却ってひとみをツラくさせた。

「だから言いたくなかったんだよな。もう少し先にさ・・・。
 この話は、おいらから言うから、それまでは絶対後藤には言うなよ」
そう言いながら、矢口は食後に運ばれて来たアイスコーヒーを飲んだ。
20 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月08日(月)17時27分47秒
700文字までアップ出来るので1つのスレが長くなってます。
読みにくいかも知れませんが宜しくお願いします。

>16san
別に大阪でも良かったんですけど、なんとなく。
21 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月09日(火)00時07分45秒
名古屋・・・地元だ(w
いいですね〜新曲ネタやモーたいネタ。
でも名古屋行っちゃったら2人はどうなるんだろう・・・
22 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月10日(水)19時52分10秒
あっ、3が始まってる!めっちゃうれしいです〜!ホント!
さりげにいろんなネタ使ってるとこがいいですね!
23 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-4- 投稿日:2001年10月12日(金)20時16分14秒
−4−

ひとみは矢口と別れると、そのまま梨華の家へと向かった。

「梨華ちゃぁん」
梨華がドアを開けると、ひとみが泣きそうな顔をして入って来た。
「どうしたの?成績悪かったの?」
「成績はバッチシだったけど、気持ちが・・・」

梨華に矢口の話をすると、梨華も表情が曇った。
「そうなんだ。矢口先輩・・・」
「ねぇ、梨華ちゃんも、もう将来の事考えてるの?」
「ある程度はね…」
さっき矢口に言われた言葉を思い出して、またひとみは落ち込んだ。
なんだか、自分だけ取り残されてるような気分。
「やだっ。そんな哀しそうな顔しないでよ。私は、ひとみちゃんの前から
 消えたりしないから」
「本当に?」
「うん。当たり前じゃない。それに最初に、大事な事はひとみちゃんに言うよ」
「嬉しい」
ひとみは、そう言って梨華を抱きしめた。
24 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-4- 投稿日:2001年10月12日(金)20時16分52秒
「それにしても、一体いつ矢口先輩、ごっちんに言うんだろう」
ひとみは梨華とアイスを食べながら呟いた。
「ひとみちゃんさぁ、バレないようにね。すぐ顔に出るんだから」
「そ、そう?・・・」
「うん」
「まだ先の話なんだし、今からひとみちゃんが落ち込んでてもしょうがないでしょ?
 夏休み楽しもうよ。ね?」
そう言って、梨華は、ひとみに顔をそっと近づけるとキスをした。
ひとみは、ぽっと頬を赤らめた。
何度もキスしてるのに、梨華からされるキスには、相変わらずドキドキしてしまう。
「梨華ちゃんと毎日・・・」
「毎日なに?」
「キス出来たら嬉しいなぁ〜…」
と言って、ひとみは俯いた。
(ほんとはキス以上のコトも・・・)

「出来るかもよ?」
梨華は微笑む。
「ホントに?」
ひとみは顔を上げると梨華を見つめた。
「ひとみちゃん、泊まりにくればいいし…」
今度は梨華が俯いた。
「それって・・・」
思わずひとみは、色々な期待に胸を膨らませてしまう。
(き、期待しちゃっていいのかな?)
「なに?」
「なにって、意地悪だなぁ、梨華ちゃんは。分かってるクセに」
「分かってるって?」
わざととぼける梨華に、ひとみは更に照れてしまう。更に梨華は続けて
「でも、前はひとみちゃん、私に恥かかせたから、どうかなぁ〜?」
悪戯っぽく言う梨華に、ひとみはハっとしてしまう。
「梨華ちゃん、あの時のコト、やっぱ根に持ってるの?」
「別にぃ〜」
25 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-4- 投稿日:2001年10月12日(金)20時17分33秒
あの時は確かに、ひとみの勇気がないばっかりに(単に鈍感?)
決心をした梨華を放置してしまい、なんとも気まずくなってしまった。
おまけに風邪までひいてしまうオマケ付きだった。

「ゴメンね。でも、梨華ちゃんの身体キレイだったよ…」
思わず、あの日の事を思い出して、ひとみは自然と笑みを浮かべた。
「ヤダっ。忘れてよっ。恥ずかしいなぁ…。人に見せるような身体じゃないし」
「そんなことないよ。梨華ちゃんの身体・・・」
と言いかけて、ひとみは何だか発言がいやらしく思えて止めたのだった。
「・・・」
梨華が急に黙り込んだので、ひとみは、怒らせてしまったのかと不安になった。
「ご、ごめんねっ」
「でも・・・ひとみちゃんだけは許すよ」
ぼそっと言う梨華に、ひとみは梨華を可愛いと思ってしまう。
「梨華ちゃん!しゅきっはあとはあと
ひとみは、思いっきり梨華を抱きしめたのだった。
26 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月12日(金)20時18分21秒
ちょっと最近行き詰まり気味なので、更新遅いです。すみません。

>21 真里っぺ♪san
名古屋は好きな土地なので、なんとなく(w。
矢口が名古屋行くのは、まだまだ先の話しですので。

>22 吉胡麻系san
使えるネタは使わないとね(w。
27 名前:名無しの匿名希望 投稿日:2001年10月12日(金)22時05分49秒
どうも、第一部(?)から影でこっそりと読ませて頂いてました
こんな面白い作品は久々です。
どうぞ頑張ってください!!
28 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月13日(土)00時01分25秒
よっすぃ〜たちが結ばれそうだぁ(w
このまま結ばれるのかなぁ〜

29 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-5- 投稿日:2001年10月13日(土)13時51分20秒

−5−

矢口は、そのまま真希の家に行った。
ひとみの反応を見て、ますます言いづらくなってしまう。
でも、言わないとな・・・。

「よぉ〜」
そのまま部屋に通されると、真希はベッドに寝そべって雑誌を見ていた。
「んぁ〜?やぐっつぁ〜ん・・・」
「寝ぼけてんのかよ?」
矢口はカバンを置くと、ベッドに腰掛けた。

「ごっつぁんはさ〜、夏休みの予定って、どうなってんの?」
「予定ぃ〜?」
真希は雑誌を置くと、矢口を見る。
「ごっつぁんと毎日デイト♪」
「はぁ〜……」
気のない矢口の返事に、真希はいささか拍子抜けした。
「毎日はイヤ?」
「そうじゃなくて・・・。一応、おいらも受験生なんだけど…」
「そうだったよね。でも息抜きも必要じゃん」
まるで真希は気にしていない様子。
(『将来どうするの?』とか聞かないのかよ・・・)
「やぐっつぁんにとっては、高校最後の夏休みかぁ。私とは初めての夏休みだねっ。
 楽しみだなぁ・・・」
既に休みの事しか頭にないようだった。
(まだ、言わない方がいいかな・・・)
30 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-5- 投稿日:2001年10月13日(土)13時52分40秒

「あのさ〜・・・」
「なに?」
真希も身体を起こして、矢口の隣りに寄って来て、腕を絡めた。
「休みの間に、どこか泊まりに行かないか?……」
「………」
真希は黙り込んだ。

「あ、あの、別にイヤならいいんだ。ホントは4人で考えてたんだけど…」
なんだか、いやらしい意味に取られたような気がして、矢口は慌てて付け加えた。
「4人って・・・よっすぃーと石川先輩?」
「うん。GWの後にさ、考えてたんだよな。吉澤達が仲直りしなかった時のために。
 でも運良く仲直りしてくれたから、話は流れたけど」

「どうせだったら、2人きりがいいなぁ〜」
更に真希は身体を密着させて来た。
「あ〜、うん・・・」
その時に言おうと矢口は思っているのだが・・・
「夏だから、やっぱり海とか?」
「それはダメ!絶対ダメ!!」
矢口はすぐに否定した。
「どうしてよ?」
真希は不思議そうに矢口を見つめた。
「後藤は可愛いから、そのナンパされる心配があるし……」
矢口は俯きながら言った。

真希は、あはっと笑うと、矢口を抱きしめた。
(いきなりっ!)
「そんな心配しなくても平気だよぉ〜。やぐっつぁん、後藤の水着見たくないの?」
真希が、もうくちびるが触れ合う位に近い距離で見つめる。
「ぃや、おいら、そういう趣味ないし・・・。どうせだったら温泉とかでまったりと。
 ……ダメ・・・かな・・・」
最近は、すっかり真希に押され気味の矢口は、身体を退き気味にして答えた。
緩くエアコンが、かかっているとは言え、密着していれば汗ばんでくる。
31 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-5- 投稿日:2001年10月13日(土)13時53分51秒

「やぐっつぁんと一緒だったら、どこでも嬉しいよぉ〜」
「おいらも、そうだけどね・・・」
早くこの態勢から抜け出したいのだが、真希はなかなか身体を離してくれない。
「取りあえず、一旦帰るよ……」
矢口が言うと、真希は目を閉じた。
(こ、コレって・・・)
矢口は軽く真希に口づけると、離れようとした。
真希は目を開けると
「それだけなのぉ〜?」
(それだけって、どういう意味だ???)
矢口は一瞬の内に、頭を回転させた。その間に、真希は自分からくちびるを寄せると
あっと言う間に、矢口の口の中に舌を絡ませて来た。
(ぅわっ……)
矢口は驚いて慌てて舌を引っ込めるが、真希の舌が追いかけて来て絡みついてくる。
矢口はすっかり汗をかいていた。
「あふっ・・・」
真希は口を離すと、笑っていた。
「やぐっつぁん、かっわいい〜!」
「なっ、お前、いきなり何すんだよっ!ビックリするじゃんか!」
矢口は思わず立ち上がると、真っ赤になった。
「全く、汗かいちゃったよ。暑いな〜…」
矢口は慌ててタオルを出すと、額を拭いた。

いつから、真希はこんなに大胆になったのだろう?
……前は、人前でもいちゃつかなかったのに。
あれはGWあたりからだっただろうか。
特に2人っきりで居る時は、特に。
嬉しい半面、来年の春以降の事を考えると矢口は心が痛んだ。
寂しがりやには、させたくない。でも・・・

「これからも、毎日出来るねっ♪」
矢口の胸の内を知らない、真希は無邪気に言う。
せめて、自分が真希の側にいる内は、真希の好きにさせようと思っている矢口だった。

32 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月13日(土)13時59分50秒
最近ストックがないので、書いたらアップと言う感じです。
脳天気なごっちんと、言い出せずに悩むやぐっつぁんが…どうなるんだ?(w

>27 名無しの匿名希望san
こっそりと言わずに、堂々と読んで下さいね(^^;
面白いと言っていただけて光栄です♪ありがとうございます!
やっぱり頑張らないとですね。

>28 真里っぺ♪san
大丈夫です。まだ結ばせません(外道な作者(w。
やぐっつぁん達を置いて先には行かせませんよ(苦笑)。
3部始まったばっかりで、そんな事させませんよ!(爆)
33 名前:JAM 投稿日:2001年10月14日(日)00時52分45秒
>>29
「ごっつぁんと毎日デイト♪」とありますが
「やぐっつぁんと毎日デイト♪」じゃないですか?多分ですが・・・
間違ってたらゴメンナサイ・・・。
34 名前:ラブッスィー。 投稿日:2001年10月14日(日)11時38分51秒
もう始まってましたか!さすが早いですねぇ!
この先楽しみです、デートの行方は・・・
頑張ってください!
35 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-6- 投稿日:2001年10月14日(日)14時02分07秒

−6−

「んっ…」
梨華の口から甘い息が吐かれると、ひとみはくちびるを離した。
「梨華ちゃん・・・」
「ひとみちゃん‥‥」
このまま、一緒に・・・そう思うひとみだが、ひとみの気持ちの中で
『まだ早いよ』と言うもう一人の自分が囁いて、なかなか踏み出せずにいた。
(それに、まだ昼間だしなぁ…。暑いよな〜・・・)

梨華の家に来て、キッチンで話し込んでいたので、あんまりエアコンが
効いていないし、じっとりと汗ばんでいた。

「な、なんか暑いねっ」
慌ててひとみは梨華から離れると、ハンカチを取り出し汗を拭いた。
「う、うん」
梨華も、ぎこちなく答えると、冷蔵庫の方に行く。
「なんか飲むよね。烏龍茶でいいかな?」
「そうだね‥」

ひとみは椅子に腰掛けると、ぼんやりと梨華の後ろ姿を見つめながら
自分の意気地の無さに少し呆れかえっていた。
(あ〜、なんか勇気出ないなぁ‥)

(ビックリした。このまま・・・そうなっちゃうかと思った。まさかね‥)
梨華も同じ事を考えていた。
36 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-6- 投稿日:2001年10月14日(日)14時03分16秒
ひとみは、この微妙な空気がイヤで話題を変えた。

「ねぇ、私も夏休みの間、梨華ちゃんと同じとこでバイトしたいんだけどな」
「バイト?ひとみちゃんが??」
冷えた烏龍茶を、ひとみに差し出しながら、梨華は聞いた。
「おかしい???」
「おかしくないけど、なんで?」
梨華はひとみと向かい合わせに座った。
「そりゃ、梨華ちゃんと一緒に、少しでもいたいし…」
「ダメだよ、ダメ!!」
「え?」
まさか反対されると思わなかったひとみは、思わず聞き返した。
「決めるのは、保田さんだけど…」

ただでさえ、ひとみはモテるのに、バイトなんかしたものなら、ますます
言い寄って来る女も男も多いに違いない。そんな心配事を増やすのはイヤだった。
でも、それはひとみには言えなかった。嫉妬してると思われるのが嫌だから…。

「残念だなぁ・・・」
敢えて理由を聞かないひとみに感謝をする。しかしひとみは諦めた訳ではないようだ。
「じゃぁ別のファーストフードにでも働くかな…」
「え〜〜?接客業は、ダメだよ、ひとみちゃんは!」
「どうして???」
「どうしても!私だけ見てくれればいいの!」
「ん?」
「あ、いや、その…。ひとみちゃん目当ての子が増えると嫌だしね」
(結局、言っちゃった。イヤだな、なんか)
37 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-6- 投稿日:2001年10月14日(日)14時03分48秒

「そんなの心配してるの?バカな梨華ちゃん♪」
(私は真剣に言ってるのに…。真剣な方がおかしいかな…)
「お金貯めないと、梨華ちゃんと一緒に旅行にも行けないしさ〜…」
「旅行・・・」
「今まで、どこにも連れて行ってあげてないし。思い出作りもしたいし」
「そんな事気にしなくていいのに」
「うぅん。梨華ちゃんと一緒なら、どこだっていいんだけどさ。
 でも、やっぱり、たまにはちゃんとね。決める時は決めたいんだ」
「ありがとう。気持ちだけでも嬉しいよ、ひとみちゃん…」
「だからさ、お願いっ!」
両手を合わせるひとみに、梨華は頷いてしまった。
「そこまで言うなら、いいけど。でも時間あるの?部活もあるんでしょ?」
「平気平気!!へっちゃらだよ!愛があれば!梨華ちゃんがいれば!
 乗り越えられるんだ!」
自分でも何を言ってるんだと思った、ひとみだったが、ウソじゃなかった。
「あんまり無理しないでね、ひとみちゃん」
苦笑混じりに、梨華は言った。
38 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月14日(日)14時05分55秒
自分の出る市民祭りから帰って来ました(w。

>33 JAMsan
>>29
>「ごっつぁんと毎日デイト♪」とありますが
>「やぐっつぁんと毎日デイト♪」じゃないですか?
あ゛〜〜〜〜、すみませんっ。完全なミスです。ごめんなさい。
また間違い等指摘ありましたらお願いします。
基本的に自分の小説は読み返さないので。アップする前には確認するのですが。

>34 ラブッスィー。san
デートの行方は、まだ先でしょう。
夏休みって長いから、結構書くのがダラダラしそうです。
とっとと2学期にしちゃおうかな。
39 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月14日(日)22時25分19秒
やぐごまめっちゃあまあま♪う〜んうれしい!
これからも頑張って下さいね〜♪
40 名前:いしよし応援団 投稿日:2001年10月15日(月)01時02分51秒
やっぱり甘いいしよしは癒されますね(風の方を読んだあとはとくに)
ところで市民祭が今日とは…ウチの市も今日だし…
もしかして同じ?ちなみに群馬なんですけどね
ちがってたらスミマセン
41 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-7- 投稿日:2001年10月15日(月)22時45分42秒

−7−

「補習なんて、かったりぃ〜な〜」
翌日から1週間、真希は補習で学校に、いつも通り行っていた。
1週間学校に行くぐらい大した事はないのだが家に居てもつまらないし、
矢口達も、部活をやっているのだから、丁度良いのだが。

部活が終わって、真希と合流し、3人は食後のデザートを食べていた。
真希は矢口に、アイスをスプーンですくって食べさせてあげていた。
当然、矢口は真っ赤になっていたのだが・・・。
すっかり見せつけられて羨ましそうに、眺めるひとみだった。
(ちっ。梨華ちゃん連れて来れば良かったな〜・・・)

「私さぁ〜、バイトしようと思ってんだけど!!」
二人の仲を裂くように、ひとみは、真希からスプーンを取り上げると
自分で、そのアイスを食べた。
(あ〜んじゃないよ、あ〜んじゃ!!!(怒))

「バイトぉ?・・・」
矢口は、その甘い空気から逃れるように聞き返した。
「あぁぁぁぁ……」
真希は悔しそうに、1人でアイスを食べ始めた。
「やっぱり、梨華ちゃんと旅行行きたいし〜、その資金集めにね」

「よっすぃーんとこも、2人っきりで旅行考えてんの?」
「もって、ごっちんのところも???」
チラッと矢口を見る。
「ここで、言わなくたって、いいだろうに……」
矢口はすっかり氷の溶けてしまったアイスコーヒーに口を付けた。

「でもさぁ〜どこでバイトすんの?大体する時間あるっけ?」
「それが問題なんだけどね。これから、保田さんとこ行ってみようと思って」
「石川と一緒にバイトとか思ってんだろ!」
「夏休み限定でね・・・」
「勝手な事言ってんな〜」
矢口は苦笑い。
42 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-7- 投稿日:2001年10月15日(月)22時46分21秒
「4人で旅行もいいけどな〜」
矢口はそう言ったが、隣りにいた真希に、つねられてしまう。
「いてっ…」
「やっぱり、2人の方がいいよねぇ?よっすぃー…」
「あ、う、うん・・・」
でも考えたら、もう矢口と一緒にいる時間は限られているのだ。
出来れば、4人の方がいいかな…と考えるひとみだったが
まだ、矢口が名古屋へ行く事は、真希は知らないらしい。
なんとも言えないひとみだった。
ひとみの反応を見て、真希は不思議そうな顔をした。

「よっすぃーも4人の方がいいの?」
「って言うか、人数多い方が楽しいじゃん。それに‥」
「それに???」
「4人揃って行く事って、この先無いかも知れないし…」

ひとみは、それとなく話を矢口の方に持って行こうとしたのだが・・・

「まぁ4人のスケジュール合わせんのも大変だもんな。
 やっぱり、おいらはごっつぁんと一緒に行くよ。それより
 吉澤のバイトが決まった訳じゃないんだから、その方が先だろ?」
「そうだよね。よっすぃー先に話進めすぎだよ」
真希も同意した。

(な、なんでそうなるのかなー・・・。折角話すチャンス与えたのに)

諦めてひとみもデザートに手を付け始めた。
43 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月15日(月)22時49分24秒
どうも、甘いシーンばかり書いてしまいます。反動か?(w

>39 真里っぺ♪san
今回も、ちょこっと甘めに。 照れる矢口さん(w。
>40 いしよし応援団san
私は埼玉です。所属してるのは東京の市なんですけどね。
天気が良くて良かった〜。って全然関係ないレスでスマソ。
44 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月16日(火)17時53分35秒
悔しそうな後藤最高(w
やぐっつぁんはいつになったら話せるのか
よっすぃ〜のバイト先など
これからも楽しみです♪
これからもあまあまシーンよろしくお願いします(w
45 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月18日(木)19時13分23秒
旅行、2人でも4人でも大期待です!
ってか、やぐっちゃんはごっちんに話せるのかな〜。
46 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-8- 投稿日:2001年10月18日(木)23時43分32秒

−8−

「今、間に合ってるんだけどさ〜。それに夏休みだけなんてムシ良すぎるよ」
保田の返答は予想通りだった。
「やっぱり・・・」
ひとみは肩を落とした。隣りにいる梨華も同じ気持ちだった。
(まぁ〜そりゃそうだよね・・・)

早速、ひとみは梨華のバイト先のコンビニの店長の保田に打診したのだが・・・。

「でも、特別に雇ってあげてもいいよ」
途端にひとみの目が輝く。
「マジっすか?」
「ただし‥…」
「はい」
「時給が安くてもいいなら・・・だけど」
「そんなの平気です!梨華ちゃんと一緒ならも〜〜!オッケ!オッケ!!」
ひとみは拳を握って力強く言った。
「じゃぁ明日から宜しく頼むよ、吉澤」
保田はひとみの肩を叩いた。

梨華も安心していた。ここでバイトを断られて別のバイト先に行けば
梨華の目の届かないところで、また事件が起こったりしても困るし
自分と同じところだったら、しかも一緒だったらひとみの事を見ていられるし安心だった。

しかし、しかし!うまくいかないもので、後日断られてしまう事を、この時の
ひとみは知らないのであった。
47 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-8- 投稿日:2001年10月18日(木)23時44分03秒

「良かったね、ひとみちゃん」
「うん。これで、また梨華ちゃんと一緒の時間が増えたよ♪」
「でも遊びに行く訳じゃないからね、ひとみちゃん?」
「分かってるって。バイトは初めてなんだ。梨華ちゃんに色々教わらないとね。
 梨華先輩!」
「先輩とか言わないでよっ。全然偉くないんだから〜」
「梨華せんぱ〜い♪」


「誰が先輩やて???」
「あ゛・・・中澤せん・・せい・・・」

丁度店を出たところで、中澤に出くわした。

「相変わらず、夏だと言うのに、更に熱いんやなぁ〜〜〜〜!」
(うわっ今日は機嫌悪そう・・・)

慌てて、ひとみは梨華から絡んでいる腕を離した。

しかし、ひとみも中澤に抗議した話があったのを思い出した。
今度の学園祭の事だ。

「中澤先生!今度の学祭のコトなんですけど〜〜〜!!!!!」
「なんや?」
中澤はハンカチで汗を拭きながら、不機嫌そうに訊く。
「いや、また今度にします・・・」
今日は止めた方がよさそうだと判断し、逃げるようにその場を後にした。

48 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月18日(木)23時48分56秒
多分、新キャラが登場します。と言う事は???(w
また読まない人が出て来るのか(苦笑)。

>44 真里っぺ♪san
ほんとは、そのまま梨華ちゃんと同じバイト先にしようと
思ったんですけど、やめました。また少し波乱を起こそうかな(w。
>これからもあまあまシーンよろしくお願いします(w
ホイ!あまあまシーン書いてないと、やってらんないっす(苦笑)。
>45 吉胡麻系san
早いとこ言って欲しいんですが、なかなかねぇ・・・。
旅行もどうしましょう?

49 名前:名無し男 投稿日:2001年10月19日(金)01時13分54秒
『じゃらん』とか『るるぶ』買ってきて格安旅行計画立てるのもあり(w
50 名前:名無し 投稿日:2001年10月19日(金)03時07分11秒
新メン&波乱大歓迎!
やぐごまが読める数少ない優良スレ、永く続きますように。
51 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月19日(金)19時32分33秒
新メンですか!?楽しみですね〜!
なんでよっすぃ〜が断られるのか気になる。
52 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-9- 投稿日:2001年10月19日(金)20時11分43秒

−9−

中澤の姿が見えなくなると、速めていた足を緩めて、そのまま近くの公園に入っていった。

「ごめんね…」
「いいけど、かなり不機嫌そうだったね・・・」
「いっつもタイミング悪く会うんだよね。ホントに…」
梨華はひとみの額から流れる汗をタオルで拭いてあげた。
「ねぇ、学祭って?もう何か決まったの?」
「あ゛…」
梨華には、まだ話していなかった。
「今度はね、ミュージカル風になるんだって」
仕方ないので殆ど決まっていないが、話をしておく。
「そうなんだ。それが?」
「男役が私になるみたい……。まだ、それくらいしか決まってないんだけどね。
 梨華ちゃんは心配しないでね。私は別に相手役の子のコト何とも思ってないしね」
「…まだ、何も言ってないのに」
梨華はクスっと笑った。

「あぁ・・・でもその前に、体育祭もあるね。面倒くさー」
「ひとみちゃんの応援団長って、カッコいいだろうなぁ。
 でも私もね、中学の時、応援団やってたんだよ」
「梨華ちゃんが?見たかったなぁ。チアガールの方が似合いそうな気がするけど」
梨華はひとみの前に行くと、慌ててひとみの目の前で手を左右に振った。
「ん?何??」
「今、想像してたでしょ?」
「してないってば…。そう言うコト言うと逆に想像しちゃうじゃん」
ひとみは、そう言って笑う。
53 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-9- 投稿日:2001年10月19日(金)20時13分03秒

「ダメ!」
「ヘンな梨華ちゃん。別に減るもんじゃなし…」
でも、想像しなくても、実際見られるではないか!今度の体育祭で。
それを思い出して、ひとみは、にやけた。
「今度の体育祭でさ〜、梨華ちゃんチアガールやるんだよね?」
「そうだけど?」

「私にだけ、先に見せてくれない?」
「っとにもう!ひとみちゃんはぁ〜!(怒)」
梨華は拳を作ると、ひとみに叩く素振りを見せた。
「そんなに怒んないでよ〜。半分マジだけどさぁー」
「マジって・・・」
「梨華ちゃんは、心の応援団だよっ。私だけのね」
ひとみは梨華の手を掴むと抱き寄せて見つめた。
「そっそんなので騙されないんだからねっ!」
「梨華ちゃぁ〜ん!機嫌直してってば〜!」
「あれ?」
「どうしたの?」
梨華の視線の方向に辿っていくと・・・
54 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月19日(金)20時20分26秒
週末になると小説を書き溜め…な日々が続いてる。

>49san
確かに「じゃらん」「るるぶ」は格安ですな(w。
まとめて4人で逝ってヨシ!
>50san
そうです、あのコですね。
優良スレだなんて嬉しいです。いしよし以外にも波乱がありそうかも。
心配はいりませんが(w。2学期以降にもちょこっとね(謎)。
>51吉胡麻系san
よっすぃ〜が断られるのは別に深い意味はなく(爆)単に新メンと
絡ませたかったからでして・・・(苦笑)。

55 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月19日(金)22時57分20秒
梨華ちゃんの視線の先には誰がいるんだ〜!
新メン出てきてもちゃんと読みますよ♪
今度の学祭はミュージカル・・・またも後藤を巻き込んで欲しい(w
これからも頑張って下さいね〜♪
56 名前:いしよし応援団 投稿日:2001年10月20日(土)01時45分51秒
自分にとってはCharmy Blueさんの小説が心の応援団ですね
切なさや甘々具合がたまらないんですよね〜
さぁてはりきって応援します!
57 名前:ななしさん 投稿日:2001年10月20日(土)02時31分56秒
いっつも更新たのしみにしてます。がんばってください。
いしよしマンセー!!
( ^▽^)<こんなわたしをまるごと愛してはあとはあと
58 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-10- 投稿日:2001年10月20日(土)11時28分57秒

−10−

少し遠くのベンチに座っている2人の姿が見えた。

「あれって柴ちゃんと亜弥ちゃん?」
「そうみたいだね」
「なんで一緒なんだろう」

不思議そうに見ている梨華に、ひとみは
「梨華ちゃん知らないの?あの二人付き合ってるって言うか結構仲良いみたいだよ?」
梨華が突然振り返る。その様子だと知らなかったようだ。

「ひとみちゃん知ってたの???」
「うん。ずっと言い忘れてたけど・・・。GWの映画館で見かけたんだよ」

・・・そう言えば、ひとみが「あの2人は付き合ってるのかどうか」
訊いて来た事を思い出した。

「そうなんだ・・・」
「梨華ちゃん、あゆみちゃんとも仲良いし、松浦さんともアレだから
 知ってるかと思ってたよ」
「全然そういう話してなかったなぁ・・・」

梨華が黙っているので、ひとみは冗談で訊いてみる。
「あゆみちゃんに松浦さん盗られちゃって寂しい?」
「…何言ってんの?ひとみちゃん!また怒らす気?」
梨華がキッと、ひとみを睨んだので、ひとみは慌てて付け加えた。
「・・・あ〜、ごめんなさい」
ひとみは両手を拝むようにして梨華に謝った。
59 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-10- 投稿日:2001年10月20日(土)11時29分50秒

あゆみと松浦はこちらには気づいていない様子で、楽しそうに話をしている。
「あの2人もさ〜、爽やかだよね。そっかそっか、あゆみちゃんもねぇ…」
ひとみは頷いている。
「ねぇ、声かけてみよっか」
「やめなよ〜」
ひとみが行こうとするので、梨華はひとみの腕を掴んで止めさせた。
「なんで?」
「邪魔したら悪いんじゃない?ひとみちゃんだって邪魔入ったら怒るでしょ?」
「私はそんな心の狭い人間じゃないよ」
「一番怒るくせに〜!」
「そうだっけ?」
ひとみは、とぼけてみせるが梨華の腕を絡めたまま離さない。
「私たちに気づかないかな・・・」
「お喋りに夢中になってるみたいだよ。もう暑いから帰ろうよ」
梨華はひとみから腕をとこうとするが
「もう少しこうしていたいな。梨華ちゃん」
そう言って、甘えてくる。
「んもぅ…。ちょっとだけだよ」
いつもと立場が逆転している。たまに甘えてくるひとみに梨華も満更ではなかった。
(カワイイんだから、ひとみちゃん…)

60 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月20日(土)11時31分39秒
一気に書き上げれば、明日以降も更新アリです。なかったらすみません。

>55真里っぺ♪san
出番のない2人を出してみました。って目撃されただけですね(w。
>今度の学祭はミュージカル・・・またも後藤を巻き込んで欲しい(w
新曲聞きましたけど、恥ずかしぃぃぃ(爆)。ヨシコぉぉ(w。
後藤も男役ですね(苦笑)。学祭まで話繋がるのか不安・・・。先は長い。
>56いしよし応援団san
心の応援団とは嬉しいお言葉です。頑張って書かないといけませんね。
>57ななしさんsan
>( ^▽^)<こんなわたしをまるごと愛してはあとはあと
どっかで言わせたいセリフですね〜。って言わせてみましたよ?(謎)
61 名前:名無し男 投稿日:2001年10月20日(土)14時47分32秒
( ^▽^)<こんなわたしをまるごと愛してはあとはあと
↑これ見て急にまるごとバナナ食いたくなってきた(w
今買いに逝ってきます
62 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月20日(土)15時11分21秒
新キャラ、次辺りからですか?楽しみですね〜!
よしこにどんな影響を及ぼすのか気になる。
ってか、よしこの行方気になってばっかり自分。(w
63 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-11- 投稿日:2001年10月20日(土)22時07分17秒

−11−

「えぇぇ〜?どうしてですかぁ?」
明らかに落胆顔のひとみの顔を目の前にして保田は困った顔をしていた。
急に保田の親戚が、こちらに上京してきて、バイトとして雇う事になったので
ひとみの採用を取り消したところだった。

「吉澤には悪いと思ってるよ。だからね・・・」
「だからなんですかぁ?」
「ちゃんと次のバイト先を確保してやったよ」
「マジっすか?」
途端にひとみの顔が明るくなるが、隣りで一緒に聞いていた梨華は不満そうな顔であった。
(あ〜あ、これでまた不安の種が増えそうな感じだなぁ…)

向かいにあるコンビニ『カントリーマート』の店長 戸田鈴音は保田の友達だと言う。
「りんねを訪ねていって。保田の紹介って言えば分かるからさ」
そう言われて、ひとみは、これからバイトの梨華を残して早速一人で足を運んだ。

同じコンビニなのに、競争にならないのか他人事ながら心配するひとみだったが
こちらは自然食を扱った商品を主に取り入れているらしく、普通のコンビニとは
少し違っているようだった。
店長の、りんねは北海道で牧場もやっていたらしいので、それを考えるとひとみは納得した。
64 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-11- 投稿日:2001年10月20日(土)22時08分31秒

自動ドアを開けると早速店長らしき人に声をかけようとするが見あたらない。
「あの〜、すみません・・・」
レジに立っていた女の子が、ひとみの顔を見るなり、ぎょっとした顔をして見つめたが、
それは一瞬の事で、すぐに笑顔で答えた。
「は、はい、なんでしょう?」
「店長は、いらっしゃいますか?」
「ちょっとお待ち下さい」
その女の子がレジの奥に引っ込むと、りんねはすぐに出て来た。

「あ〜圭ちゃんから聞いてるよ。吉澤さんだったよね。
 今日からお願い出来るかな」
「今日からですか?」
何も聞いていなかったひとみは、思わず聞き返してしまった。
「明日からでもいいけど・・・。取りあえず聞きたい事は、この高橋さんに
 聞いてもらってね。もうベテランだからね、あとは、あさみでもいいや。
 今日は入ってないけど」

(高橋さんって言うのか。結構カワイイな。目も大きいし…。
はっ!こんなの梨華ちゃんに聞かれたら。気をつけなきゃ)

ひとみは、高橋を見ると
「吉澤ひとみです。宜しくお願いします」
と言って頭を下げた。

「高橋愛です。こ、こちらこそ・・・」
高橋はそう言うのが精一杯だった。
65 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-11- 投稿日:2001年10月20日(土)22時09分35秒

とにかく高橋は今、非常に驚いていて、それどころではなかった。
更に追い打ちをかけるように、りんねが言う。

「あ、高橋さんと吉澤さんって同じ高校みたいだね。同じ高1だし。
 実は知ってたりして?」
「吉澤先パ、いや、吉澤さんは有名人ですもん。知ってるも何も…」
(やばっ。思わず先輩って言いそうになっちゃった)
「そうかな〜。同じ学年って言っても全員知り合いな訳じゃないからね。
 高橋さん、宜しく〜」
そう言って、高橋に手を差し出す。
「はいぃ…」
高橋はすっかり恐縮してしまって、ぎこちなく手を握り返した。

実は高橋は、中3である。中学生だと雇ってもらえないので、高1だと誤魔化して
ここで働かせてもらってるのだが、まさか、ひとみが雇われるとはさすがに計算には
入っていなかった。

(参ったな・・・。どうしよう・・・)

それに心配なのは、梨華の存在だった。
高橋はハッキリ言うと、ひとみの事は嫌いではないが特に好きと言う訳でもないので
またヘンな誤解でも生まれたら困るなと、今から心配していたのだった。
中2の紺野との保健室騒動も記憶に新しい。

(だって、私が好きなのは・・・)

66 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-11- 投稿日:2001年10月20日(土)22時12分36秒

バレるのは時間の問題だと思った高橋は、なんとかひとみと2人きりで話す機会を
作ろうと思うのだが、いきなり誘うのも、また勘違いされそうで困ってしまった。
しかし、そんな心配をよそに、ひとみから声をかけてきた。

「高橋さん、この後時間空いてる?少し付き合って欲しいんだけど...」

単にひとみは、梨華のバイトが終わる時間までヒマなので、色々聞きたい事もあるので
ほんの軽い気持ちで誘っただけだった。

「い、いいんですか!・・・あ…」
そう言ってから、高橋は声を落とした。
なんだか、これじゃぁ誘われて凄く喜んでるみたいだ。
(私も吉澤先輩のファンだと思われたら・・・)
ひとみのファンから見たら夢のような誘いである事は間違いない。

「どうかした?」
「あの…石川先輩に・・・いいんですか?」
ヘンに気を回してしまう高橋に、ひとみは笑った。
「そんなの気にしてるの?大丈夫だって。ヘンな事しないからさ…」
「そういう問題では…」
高橋が困ってるのを見て、ひとみは付け加えた。
「バイトの事とか色々聞きたかったから。迷惑なら日を改めるけど?」
「全然そんな事ないです!もう少しで終わるので、待っててくれますか?」
「おっけ〜!」
ひとみは大きくリアクションを取ると外に出て行った。

67 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月20日(土)22時14分13秒
いい具合に進んだので、夜も更新しました。

>61san
( ^▽^)<こんなわたしをまるごと食べてはあとはあと
でも、いいかな。だとやらしいかな。でも同じかな(w。
まるごとバナナ1本食べられないんですよねー私。

>62 吉胡麻系san
はい、出しました。結構書きやすいですね。
よしこに影響は、あんまり及ばないと思いますよ。
68 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月21日(日)11時47分51秒
や〜、高橋ちゃんかわえ〜な〜!
よしこに対して、すごく慎重ですね。それだけあの人のことを・・・。(w
69 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-12- 投稿日:2001年10月23日(火)22時00分16秒

−12−

「ごめんね、こんなところで」
駅前のコーヒースタンドに入って、ひとみが言う。
「全然です」
会った時から、ずっと高橋がかしこまっているので、見かねてひとみが言った。

「なんかずっと敬語なんだけど、もっとラフに喋ろうよ。同い年でしょ?」
「あ・・・。それなんですけど…」
いきなり本題に入るが、このまま話を続けた方がいいだろうと判断した
高橋は、経緯を話した。

「じゃぁ1つ後輩になるんだ。そっか…。なんかおかしいと思ったんだよね」
「す、すみません」
別に気にするでもなく、ひとみは笑った。
高橋は、じっとひとみを見つめていたが、やっぱり学園ナンバーワンだけあって
カッコいい人だと納得してしまう。いつも遠くから見てるだけだったから尚更だ。
と言っても、高橋が見ているのは、ひとみは自然と視野に入ってくる程度で
ひとみを見ている訳ではないのだが。

「じゃぁ、呼び方も先輩じゃおかしいもんね。吉澤でいいよ。それかよっすぃ〜でもいいし」
「そんな事言えませんよぉ」
高橋は泣きそうになる。
70 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-12- 投稿日:2001年10月23日(火)22時01分58秒

「よっすぃ〜!」
後ろで声がして、高橋は心臓が飛び出そうになる位に驚いた。
この声の主は、振り向かなくても分かる。ただ、こんな至近距離で聞いたのは初めてなのだが。

「ごっちん。それに矢口先輩も・・・。どうしたの?」
二人の隣の席に、真希と矢口は腰をかけた。

「どうしたもこうしたもないよ〜。石川先輩のコンビニに行こうとしたら
 よっすぃ〜の姿が見えてさ。そしたら、また知らない子連れてるじゃない。
 だから、慌てて入って来ちゃったよ」
「あー・・・」
ガラス張りになっているので、外から丸見えなのだ。
「お前、石川のバイト先の目と鼻の先なのに、いいのか??」
矢口も茶化すように言う。勿論二人とも冗談で言っているのだが、当の高橋に取っては
非常に心臓に悪かった。口を挟む訳にもいかず黙って聞いていた。

「って言うより、よっすぃ〜石川先輩のとこでバイトじゃないの?」
「クビになって向かいのコンビニで働く事になったんだ。で、そのバイト仲間の
 高橋さんなの。話色々聞こうと思って誘ったわけ」

「た、高橋愛です」
高橋は、真希と矢口に挨拶をした。真希とはまともに視線を合わせられない。
(まさか、こんなところで会うとは・・・)
高橋の心臓は爆発寸前。そして、とどめの一言が、真希から発せられる。

「愛ちゃんって言うんだ。可愛い名前だね〜」
真希は高橋を見て微笑む。
71 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-12- 投稿日:2001年10月23日(火)22時02分37秒

(や、やばいっ)
勿論、それが特別な意味を持っていない事は、高橋にも重々承知なのだが、
それでも高橋の心は、どこか飛んでいきそうなくらい舞い上がってしまった。
(可愛いだって。カワイイ!!後藤先輩からカワイイって〜〜〜!!!!)

「あれ?俯いちゃって」
真希が更に高橋を覗き込もうとする。
「な、なんでもないですぅ〜」
高橋の顔は、真っ赤だった。

「ごっつぁん、あんまりからかっちゃダメだろ〜」
「からかってないよ〜。名前だけじゃなくて、顔も可愛いけどさ」
(そ、そんな事言われたら、モ〜〜〜〜たいへんです!)

「さっきから表情がコロコロ良く変わるね〜。あ、高橋さん、同じ学校なんだよ」
「あ、そうなんだ」
「中等部の3年なんです…」
「3年って言ったら・・・松浦がいるんじゃ・・・」
矢口が思いだしたように言う。
「最近松浦、どうなの?」
真希も続けて言う。
(松浦って、なんで呼び捨てなんだろう?)

「松浦さんとは同じクラスですよ」
「そうなの???」
ひとみが大きく反応したので、3人は驚いてひとみを見た。

「あ゛。いや、別に何でもないけど・・・」
「なんでもなくないでしょ!よっすぃ〜答えろ〜〜〜!」
ひとみの首に腕を巻き付けてプロレスの技みたいにかける真希を見て
高橋は、嬉しそうに眺めていた。

(後藤先輩・・・やっぱり可愛い・・・)

勿論、高橋の片想いなのであるが、矢口がいるので、最初から、この恋は
諦めている。ただ、こうして眺めているだけで幸せの高橋なのだ。

(だから、この気持ちは気づかれちゃいけない)
72 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-12- 投稿日:2001年10月23日(火)22時03分18秒

「高橋さん?」
「?」
さっきから呼ばれているらしいのに、気づかなかった高橋は慌てた。
「はい」
「松浦さんとさ〜話とかする?」
「あんまり・・・」
「そっかー。って終わっちゃったよ」

「吉澤、松浦のコト、まだ気になってんの?」
「そんなんじゃないっすよ。でも・・・ちょっとこの話は・・・また今度にする」
「なんだよ〜ケチだなぁ〜!」

結局、真希と矢口が乱入?して来たおかげで、全然高橋と話しが出来なかったひとみだった。
73 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月23日(火)22時06分13秒
すみません。更新次回は未定です。風も未定。青はこれから更新します。
って打ち込んでからですけど。
>68 吉胡麻系san
当たってました?あんまり、ごっちんと絡まないと思いますけど
でも、少し絡むかも?
74 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月23日(火)22時32分54秒
高橋はごっちんかぁ〜
真里っぺ取られるなよ(w
75 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月24日(水)09時16分00秒
はっ!予想外れた・・・。てっきりあの人かと・・・。
ってか、愛ちゃんかわええ〜♪(w
76 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-13- 投稿日:2001年10月27日(土)11時05分32秒
−13−

矢口と真希を先に帰らせると、ひとみは高橋に謝罪した。

「ごめんね。なんか全然話せなかったね」
「全然!すっごく楽しかったです!」
高橋は少し大げさ気味に手を振った。
「それなら・・いいけど。いつも、あんな調子なんで」
「楽しそうでいいですよね。後藤先輩も矢口先輩も...。羨ましいです」
「今度また付き合ってよ」
「はい!」
「高橋さんのコト、愛ちゃんって呼んでもいいかな?」
「え・・」
高橋の反応を見て、ひとみは
「馴れ馴れしいかな。これから殆ど毎日一緒なんだし仲良くしたいから」
「い、いえ。全然です」
(吉澤先輩から、名前で呼ばれるなんて・・・。いいのかな・・・)
「だから私のコトも、よっすぃーって呼んでよ」
「えぇ?それは・・・」
「命令だからね!愛ちゃん!!じゃ、明日から宜しく!」
そう言って、ひとみは向かいのコンビニに走っていった。

「よっすぃーなんて呼べる訳ないじゃん…」
それにしても、真希は可愛かった。などと高橋は思いながら、もしかしたら
夏休みも会うチャンスは結構あるのではないか?と密かに期待した。
素直に嬉しいと思う半面、ひとみファンの友人には、なんと言ったら良いか
考えていた。こんな事を話したら絶対羨ましがられるに違いない。
―でも、私が好きなのは、後藤先輩なんだ・・・

77 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-13- 投稿日:2001年10月27日(土)11時06分17秒

「あの高橋さんって子、可愛いね〜。目がクリクリしてて。
 それに、なんつーか初々しいねー」
真希は高橋に興味があるのか、さっきから高橋の話ばかりしていた。
勿論、高橋が、真希の事を好きな事は当然知らないのだが。
「アイツ、松浦と同じクラスなんだろ。タイプがまた違うよな」
ひとみと別れてから、矢口と真希は、早めに夕飯を矢口の家で食べていた。
夏休みは、お互いの家を交互に行き来していて、夕飯も一緒に取る事が多かった。

「よっすぃー、松浦の事気にしてたけど、なんかあんのかな・・・」
「あとで、よっすぃーんち行って吐かせてみようか?」
真希は楽しそうに言う。
「ごっつぁん、食事中なんだからよー、吐くとか言うなよなー」
「意味が違うじゃん。やぐっつぁんも、一緒に行かない?」
「そうだな」
矢口はご飯をかきこんだ。
しかし、名古屋行きの話をいつしようかと矢口は悩んでいた。
夏休み中に、一度名古屋に行かなければならない。それまでには
真希にも話さないといけないのだが、ズルズルと言い出せないまま日数だけ過ぎてしまう。
(今日、吉澤んちに行った時に話そうかな・・・)

78 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-13- 投稿日:2001年10月27日(土)11時07分41秒
梨華のバイトが終わって、2人で梨華の家に帰る途中、先ほどの出来事を
嬉しそうに話すひとみに、梨華はちょっぴり複雑気分だった。

「愛ちゃんって、結構可愛いんだよー。色々教えてもらわないとね。
 りんねさんも良い人っぽいし安心しちゃった」
「・・・・」
「あれ?梨華ちゃん???」
「なんか楽しそうだね、ひとみちゃん」
「そんなコトないよ〜。どうして?」
「別に・・・」
「そうそう、愛ちゃんって松浦さんと同じクラスなんだって。
 ちょっと、あゆみちゃんのコト聞きたかったんだけど、ごっちんたちが
 いたから聞けなかったんだよね〜」
相変わらず気にせずに、話すひとみに、梨華はつい可愛くない事を言ってしまう。
「バイト私と一緒じゃなくて良かったね」
「何言ってんの?梨華ちゃん。梨華ちゃんと一緒がいいに決まってるじゃん。
 でも、もう決まっちゃったんだから、楽しくやらないとね!」
79 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-13- 投稿日:2001年10月27日(土)11時08分21秒
そう言って、ひとみは梨華の手を握った。しかし、まだ梨華は不満気な顔をしている。
ひとみは、人影のない場所へ梨華の手を引っ張って行く。
そして、もう一度辺りを見渡すと、梨華にキスをして抱きしめた。
「梨華ちゃんを哀しませるようなコトは、もうしないよ〜」
「分かってるけどさ〜・・・」
口を少し尖らせて拗ねる梨華が、なんだかとっても可愛くて、ひとみはもう一度キスを
しようとしたが、梨華の人差し指でひとみのくちびるは塞がれてしまう。
「だぁめ!誰かに見られちゃう」
「ちぇっ。ケチだな、梨華ちゃん。見られたって構わないよ?」
「その割に、さっき周りを確認してたじゃない」
「ま、まぁそうだけど・・・」
梨華に突っ込まれて、ひとみは口ごもった。そのスキに梨華はひとみに素早くキスをする。
「はい、これでおあいこね?」
梨華は再び歩き出す。
「あ、ズルイよ!梨華ちゃん!!」
ひとみは慌てて梨華を追いかけた。
80 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月27日(土)11時09分40秒
マターリ更新。

>74真里っぺ♪san
結構、ゴマは高橋に興味がある様子(w。
>75吉胡麻系san
予想は梨華ちゃんでした?
吉胡麻系さんも小説頑張って下さいね。
81 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年10月27日(土)23時20分38秒
やぐよし、あまあま(w
一度名古屋に来るって事は2人で旅行の時か?
マターリ待ってます(w
82 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-14- 投稿日:2001年10月28日(日)14時29分58秒
−14−

矢口と真希は、ひとみの部屋に来ていた。
ひとみは、まだ帰って来ていない。いつも勝手に上がり込んでいるので
今日も、2人は部屋でエアコンを利かせながらひとみを待っていた。
2人は自分の部屋のように、くつろぎながら待っていたが・・・。

「んにしても、おせ〜なぁ〜」
ベッドで寝そべりながら、矢口は言う。
「どうせ梨華ちゃんちで、汗かいてたりしてね〜。あはっ」
「なんだよ、ソレ?」
「つまり〜・・・」
真希は矢口ににじり寄る。
「二人は、愛の語らいを・・・」
矢口は真っ赤になる。
「バ、バカか?ヘンな想像してないで、そろそろ召還してみるか」
矢口は真希の言葉を無視して、部屋にある受話器に手を延ばした。
「待ってよ、やぐっつぁん」
「え?」
「私たちもさ〜・・・」
「な、なに?」
(なんか、イヤな予感。まさか、吉澤の部屋で・・・?)
「ちょこっと愛の語らいなんぞ・・・」
「人んちで、やる程趣味悪くないぞ!おいらは!!」
「照れるやぐっつぁんって大好き!」
そのまま、真希は矢口めがけてダイブする。
そして、矢口が諦めたところで、ドアが開いた。
83 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-14- 投稿日:2001年10月28日(日)14時39分34秒
「ちょっとぉ〜〜〜!人の部屋で、ラブラブモードに入らないでくれる?
 いつ入って行こうかと考えちゃったよ」
そう言いながら、ひとみは入ると、重なっている二人めがけて更に上に乗っかって来た。
「う"・・・苦しいよ・・・。つぶれる・・・」
一番下の矢口は、本当に押しつぶされそうな声を出した。

「お前も趣味悪いよな。とっとと入って来いよ。自分の部屋なんだからよ〜」
矢口はぶつぶつ言いながら、内心ガッカリ、内心ホッとしていた。
「大体、なんすか?いきなり〜〜〜。まだ用あるんすか?二人でイチャつきたいなら
 自分たちの家でやればいいじゃないっすか〜!」
「よっすぃーそんなに怒らないでよ〜。いいじゃん。減るもんじゃなし」
「そういう問題じゃないっつの!ごっちん」
「悪かったよ。そう怒るなって」
「ねぇ、よっすぃー。さっき高橋さんと話してた事だけどさ〜」
「ぅん・・・」
「松浦の話って、なに?かなり気になるんだけど」
「アレは別になんでもないよ」
「なんか高橋さんいると話しにくそうだったじゃん」
「違うって。仲良いか訊いてみただけだよ」
「ホントに、それだけ?」
「・・・まだ、真相分かんないから、言えない」
「教えてよ〜〜!そう言われると気になるじゃん。ねぇ?やぐっつぁん」
「あ、あぁ…」
別に矢口は松浦の話など、全然興味はないのだが、適当に相づちを打っておいた。
(それより、こんな状況で名古屋行き話せるんかな・・・)
矢口は、そっちの方に気を取られていた。
84 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-14- 投稿日:2001年10月28日(日)14時51分19秒
ひとみが諦めて、あゆみと松浦の話をすると、真希も矢口もビックリした顔をした。
「「マジ??」」
「だからぁ、まだ分かんないんだって。確かめてないし」
「知らなかったなぁ。あゆみちゃんと松浦がねぇ。でも、まぁあの2人ならいいかもね」
真希は想像しながら納得している。
「お前も目撃してんなら、声かけてみて反応見ればいいじゃん」
「だぁって・・・。映画館の時は、梨華ちゃんのコトでそれどころじゃなかったっすよ。
 この前見たのだって、別に決定的瞬間を見た訳じゃないし・・・」
「決定的って?」
「・・・だから、その・・・キスしてたりとか〜、そういうコト!」
「今さら、顔赤くするコトもないだろ。散々してるクセによ〜!」
矢口が茶化す。
「そんなコト、人んちで何かいかがわしいコトしようとしてた矢口先輩に
 言われたくないですよ!」
「なんだよ、いかがわしいってよ〜〜!おいらが誘った訳じゃねぇぞ!」
「なにそれ〜!」
真希が反論する。こうなると収集つかなくなる。
「もう分かったから、この話はお終い!二人とも言わないでよ?」
「なぁんだ。つまんないなー。他に何か面白い話ないの?」
「面白い話ねぇ・・・」

矢口は唾を飲み込む。
「あ、あのさ〜・・・」
「なに?やぐっつぁん・・・」
(・・・やっぱ言いにくい・・・)
雰囲気を察したのか、ひとみは矢口を見つめた。

「ごっつぁんには、話してなかったけど、おいら名古屋行くコトにしたんだ」
85 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月28日(日)14時56分34秒
相変わらず話がなかなか進まないのぅ。

>81真里っぺ♪san
>やぐよし、あまあま(w
やぐよしが甘いと問題がありそうなんですが(爆)。
矢口が名古屋に行くのは遊びじゃないので、どうなりますか。
ついて行く!って言いそうですけどね。ごっちんは。
86 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年10月28日(日)18時52分55秒
とうとう言ってしまった!
ごっちんはどんな反応をするのか!?
87 名前:名無しの匿名希望 投稿日:2001年10月28日(日)21時02分12秒
ぬぅ…ついに言ったか……
続きが楽しみです!!(^^)
88 名前:はじめてレスします・・・ 投稿日:2001年10月29日(月)00時43分18秒
第一部から読ませてもらいました♪
いいです!ものスゴクいいっす!!!!!!!
続きがちょーーーー楽しみっス♪
89 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-15- 投稿日:2001年10月30日(火)20時58分03秒
−15−

「名古屋?」
真希がきょとんとして聞き返した。
(ついに、言ったね!矢口先輩!!!!!!)
しかし・・・
「いつ行くの?私も連れてってくれる?」
嬉しそうに、矢口の側に擦り寄る真希。

どうやら、遊びで行くものと思っているらしい。
普通は急に言われたら、そう思うだろう。

「あ、あのさ。遊びで行くんじゃないんだ」
矢口は既にしどろもどろになっている。

(もー、先輩ファイトだよ!ファイト!!)

「どういうコト?」

「私、なんか飲物持って来るね」
こういう場面が苦手なひとみは席を外そうとしたが…
「吉澤も聞いてほしいんだ」
矢口に止められて、ひとみは、また椅子に座り直した。

「ヤダ。なに深刻った顔してんの?やぐっつぁん??」
「ごっつぁん。落ち着いて聞いて欲しい…」

(落ち着いてないのは先輩の方じゃん…。ハンカチ握りしめちゃって)
90 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-15- 投稿日:2001年10月30日(火)20時58分46秒
「来年卒業したら・・・名古屋に行く事になってるんだ」

一瞬間が空く・・・。

「・・・なに?もう一度言って?」
確認するように、真希は聞き返した。
(なに、言ってるの、やぐっつぁん???)

「だから名古屋に・・・」
「ウソ!!ウソでしょ?」
「冗談で、そんなコト言えるかよ」
「なんでよ〜!なんでそんな大事なコト今まで黙ってたのよぉ!」
真希は矢口の胸ぐらを掴んで揺さぶった。
「なかなか言えなくて・・・」
「酷いよ、そんなの・・・」
その後・・・真希は大泣きをしたのだった。
91 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-15- 投稿日:2001年10月30日(火)20時59分30秒
「ついに言ったんだ。矢口先輩・・・」
夜遅く、再びひとみは梨華の家にお邪魔していた。
「大変だったよ、ホントに。何も私の部屋で言うコトないのにさー。
 で、私が先に知ってるコトもバレちゃってモー。たいへんでした」
「どうしたの?ごっちんは・・・」
「納得してないみたいだったけど。でもしょうがないよね」
ひとみも元気がない。
矢口と一緒にいる時間は確実に減って来ているのだから。

「2人の問題だもんね。ほんとに」
「折角の夏休みなんだから楽しみたいけど、ごっちんはどうなのかな」
「うん・・・」
「私たちも、2人の時間大切にしたいね」
そう言ってひとみは梨華の側に寄ると梨華の肩に手を回した。
梨華もひとみに寄り添う。
そして、どちらからともなく、くちびるを寄せ合い1つに重なった。

「ひとみちゃん、今夜泊まっていけば?もぅ遅いし…」
「え?・・・」
「ぁの…やらしぃ意味に取らないでね。そういうんじゃなくて…」
梨華は顔を赤らめている。
92 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-15- 投稿日:2001年10月30日(火)21時00分18秒
「分かってるよ、梨華ちゃん。私だって、いつも萌えさかってる
 わけじゃないもん。安心して。一緒に寝れるだけでも幸せだよ。
 でも・・・」
「でも?」
「梨華ちゃん、布団挟むクセあるから、その…」
「ご、ごめん…」

梨華は布団を股に挟んで寝るクセがあるので、その影響もあって
ひとみの風邪が悪化してしまった話は記憶に新しい。

「場所変えれば平気だよ、きっと…。私の右側に来なければ大丈夫」
(もぅ恥ずかしいナ)
この寝相があるから、いざひとみとコトに及ぶ時があって、そのまま
眠ってしまった場合を考えると梨華は今から憂鬱になるのだった。
「そんな気にするコトないよ。梨華ちゃん!」
(気にするよぉ・・・)
「私、梨華ちゃんに挟まれて嬉しいカモしんないし」
「ひとみちゃん・・・」
「ポジティブに考えようよ!」
(そういう問題でもないような気がするけど・・・)
「うん」
梨華は曖昧に笑った。
93 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年10月30日(火)21時01分25秒
あんまり書きたくないシーンってなかなか
進まないものですね(w。なんかあっさりしてしまったし。

>86吉胡麻系san>87san
言いました。後藤の反応に戸惑ってしまいました。
あぁあああ。
>88はじめてレスします・・・san
ありがとうございます。長々とお疲れさまです。
新規の読み手さんは嬉しいけど、最初の方の書き方が
書き直したい位下手くそなのが恥ずかしい。(今もそうだけど)
94 名前:理科。 投稿日:2001年10月31日(水)05時18分25秒

う〜ん…チャ―ミーさんの書くいしよしって
いいですねぇ…。期待してますよ〜!
頑張ってくださいね♪
95 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月01日(木)22時30分24秒
カムバーック!!
ってたった2日更新がないだけで寂しくなるくらい大好きっす!!
96 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月04日(日)14時16分14秒
つづきがすっごく気になります。待ってます!!
97 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-16− 投稿日:2001年11月04日(日)14時40分10秒
−16−

ところ変わって矢口の家。真希が泣きやんだのは、少し前の事。
何とか納得してもらい、真希をなだめているところだった。

「ごめんな。もっと早く言えば良かったんだけど」
「…いいよ、もう・・・。決まっちゃったんでしょ...」
「…うん」
「でも何の役にも立たないけど一言相談して欲しかったな」
「ゴメン」

真希の目には涙が光っていた。矢口は指で涙を拭いてやる。

「さっきから謝ってばっかりじゃん」
「そうだな…」
真希は矢口の肩にもたせかけた。矢口は真希の肩に手を回す。
「残りの時間は、なるべく一緒に居ような」
「ねぇ・・今度名古屋行く時、私もついていっていい?」
「遊びで行くんじゃないんだぜ」
「1日多く帰るの遅らせて。そのくらいいいでしょ?邪魔しないから」
「...分かったよ。ごっつぁんのコトだからダメって言っても来んだろ?」
「さすが、やぐっつぁん良く分かってんじゃん」
真希は笑った、もう泣いていない。
矢口は真希の髪をクシャクシャっと撫でた。
98 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-16− 投稿日:2001年11月04日(日)14時55分07秒
「そんなに、私って魅力ないかなぁ?ひとみちゃん…」
梨華は独り言を言うと、ひとみのくちびるに、そっと自分の指を当ててみる。
ひとみは、ムニャムニャとくちびるを動かしたが、動じる様子はない。

前に、ひとみが「私って地震が来ても絶対起きないんだよねー。さすがにベッドから
落ちた時は目が覚めたけどさ」こんな話を思い出した。

(じゃぁ、何をしても起きないってコトかな?…もぅ、いたずらしちゃえ!
ひとみちゃんが悪いんだからね)
目がさえて眠れない事もあって梨華は一人で納得すると、ひとみにちょっかいを
出そうと、ひとみの顔に手を伸ばした。

(ホントに綺麗な顔してるよなぁ、ひとみちゃん。見惚れちゃうくらい…)
梨華は頬に手を添えると、ひとみの額に、チュッはあとはあと まゆげにチュッ
瞼に、鼻に・・・順々にキスをしていく。

もし、そういう時が来ても別にひとみにリードしてもらう事もない。
自分がリードしたっていいんだ。その予行練習だ。
梨華は言い訳めいた事を思いながら、ひとみの顔にキスの雨を降らせて行く。

しかし、何の反応もないひとみに、梨華は段々と情けなくなってしまい
動きを止めてしまった。
(もぅ、私ったら、何やってんだろ・・・。ひとみちゃんも無反応だし!)
寝てるひとみに怒っても仕方ないのは、分かってはいるが梨華は不服そうに呟いた。
99 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-16− 投稿日:2001年11月04日(日)14時56分46秒
>98の前に挿入してください。入れ忘れましたm(_ _)m

隣りで、スヤスヤ眠るひとみに、梨華は少し不満気な顔で見つめていた。
(もぅ、いくらやらしい意味に取らないでって言っても少しは、取ってよ…)
ひとみは先にお風呂を借りて、梨華が戻って来てみれば、ひとみは既に寝息を
立てて眠っていたのだ。
100 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-16− 投稿日:2001年11月04日(日)15時08分19秒
これじゃぁ、前、ひとみが雷雨の夜に来た時と、あまり変わらないではないか。
―― あの時も、自分だけ空回りしてたよね・・・。

梨華はひとみの胸に耳を押しつけてみる。
ゆっくりと鼓動を打つ音に、自分だけドキドキしていて馬鹿みたいだと梨華は思った。

(今年の夏は、ひとみちゃんと少しでも進展するのかなぁ…)
別に急ぎたい訳ではないけれど、今の関係に不満がある訳でもないけれど、
もう少しひとみと先に進みたい梨華だった。
(こんなコト、私から言うのもヘンだしね・・・)

梨華は、そのままひとみの胸に顔を載せて目を閉じた。
101 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月04日(日)15時12分42秒
火曜以来だったんですね、放置してしまい申し訳ございません。
まだ身体の調子良くないので、今日はここまで。挿入し忘れて部分も
あるし。ごめんなさい。矢口と後藤のシーンも少なくてすみません。

>94 理科。san
理科。さんの書くいしよしも好きですよ〜。結ばれて良かったです!
>95.96san
ありがとうございます。レスが付かなくなったんで読んでる人
減ったのかと思ってちょっと甘く見てました。すみません。
102 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-17- 投稿日:2001年11月04日(日)21時04分02秒
−17−

翌朝、ひとみは胸のあたりが重くて目を覚ました。
「梨華ちゃん…」
そっと腕を抜いて、梨華の肩に手を置く。

昨夜の事は当然知らないひとみは、梨華の寝顔を見て「可愛い」と呟いた。
胸の位置をずらすと、梨華が起きないように、そっとベッドを抜け出した。
軽く伸びをして、顔を洗いに行き戻ってくるとひとみは苦笑いした。
梨華が布団を挟んで寝ていたからだ。
「私が寝てる時に、私を挟んで欲しいよ」
ひとみはベッドの横に座ると、梨華の鼻を軽くつついた。
そして、ひとみは屈んで顔を近づけると梨華にキスをした。

「ぅん?」
眠りが浅かったのか、梨華はひとみのキスで目を覚ました。
「ひとみちゃん!!」
梨華は、目の前にいるひとみにビックリして慌ててタオルケットを引っ張る。
「おはよう、梨華ちゃん。どうしたの?」
「べっべつに・・」
昨夜の事を思い出したら、梨華は急に恥ずかしくなった。
「ヘンな梨華ちゃん」
寝てる間にされた事など知る由もないひとみは不思議な顔をしている。
「今日からバイト午前なんでしょ?私もそうだから一緒に行こ♪」
「うん…」
梨華はタオルから半分顔を出すと頷いた。
103 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-17- 投稿日:2001年11月04日(日)21時04分36秒
矢口と真希も、そのまま抱き合ったまま眠っていた。
妙に蒸し暑くて矢口が先に目を覚ました。
(あ゛〜〜〜〜タイマー切れてやんの。道理で暑いハズだよ…)
ピタッとくっついている真希から離れると、矢口はエアコンのスイッチを入れた。
「今日も暑くなりそうだな…」
独り言を呟くと、まだ寝ている真希を残して矢口はシャワーを浴びに行った。
シャワーから出て来て戻ると、真希も起きていた。まだ目が腫れぼったい。
「ごっつぁんも、シャワー浴びて来たら?」
「ぅん。そうする...」
朝の真希は、寝ぼけているようでボーッとしながら下りていった。

矢口と真希が、そのまま、ひとみの働く「カントリーマート」に話のついでに
朝食を買いがてら出かける事にした。

「やぐっつぁんさー」
「なに?」
「これからも今までと変わらないで接して欲しいんだ。だからヘンに優しくしたり
 とかしないでね」
「分かってるよ!特別扱いは、しねーからな」
「少しはしてよね」
「意味が違うだろっ」
「うん」
真希は嬉しそうに答えた。
104 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月05日(月)17時45分38秒
微妙にすれ違ってますね。>いしよし(w
タオルから半分顔出す梨華ちゃん萌え。(w
105 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月05日(月)20時40分47秒
矢口と後藤の仲が離れるという想いから急接近を希望!
106 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-18- 投稿日:2001年11月07日(水)21時37分39秒
−18−

「じゃぁ梨華ちゃん後でね〜」
ひとみは梨華と別れると、向かいのコンビニに入っていった。

「おはようございまーーーーーーーーす!」
店内に響き渡るくらい、ひときわ明るい声でひとみが挨拶した。
先に来ていた高橋を見つけると声をかける。
「愛ちゃん、おはよ!」
「おはようございます。吉澤せん…さん...」
(吉澤先輩って明るいな〜)
高橋はひとみを見て思う。昨日はいつもつるんでいるひとみファンの友人に
話をしたら、案の定羨ましがられたのだった。
(羨ましいったって、私は後藤先輩だもん)

「愛ちゃんって笑顔可愛いよね。梨華ちゃんいなかったら惚れちゃいそうだよ」
「ヤダ、そんな事、石川先輩が聞いたら怒りますよ!」
高橋は笑いながら返した。ひとみも笑っている。
すぐにうち解けている自分に気づいて高橋は苦笑いした。
107 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-18- 投稿日:2001年11月07日(水)21時38分16秒
そこへ聞き慣れた声が入って来る。途端に高橋はドキンとした。

「吉澤おは〜」
「よっすぃーちゃんと働いてるじゃん!」
「当たり前でしょ!失礼なっ!!」
ひとみは言い返しながらも、真希が思ったより落ち込んでなかったので安心した。
真希はひとみの隣りで動かない高橋に気づいて声をかけた。
「おはよっ。高橋さん」
肩に置かれた手にも更にビックリして、高橋の声は裏返った。
「ハイィ。おはようございます。ごっ後藤先輩」
「あはっ。相変わらず面白いね、高橋さんて」
「そっそんなこと・・・」
「後藤先輩ってガラじゃないから、ごっちんでいいよ〜」
「ダッダメですっ!滅相もない」
手を大げさに振って真っ赤になる高橋を見て矢口も大笑いした。

「滅相もないって何だよ。後藤だぜ。吉澤ならともかく」
「後藤だぜって、何?その言い方」
真希がムッとして聞き返す。
「後藤先輩だって人気ありますよ!」
思わず高橋は大声で言ってしまった。しかし高橋の変化に気づかない矢口は
「吉澤のマブダチだから有名なだけなんじゃねーの」
呑気に言う。勿論"人気"と言うのは高橋の中での話であるが。
108 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-18- 投稿日:2001年11月07日(水)21時39分04秒
「矢口先輩、あんまり愛ちゃん困らせちゃダメですよ」
「困らせてねーじゃん別に」
「よっすぃーは、愛ちゃんって呼んでるんだ。じゃ私もそう呼ぶからさー
 ごっちんって呼んでくれる?」

思わぬ交換条件に、高橋は目を白黒させた。
よっぽど"後藤先輩"と呼ばれるのがイヤなのか"ごっちん"と呼ばせないのか…。
いずれにしろ高橋にとってはラッキーな話である。

「じゃ、じゃぁー"ごっちん先輩"って呼ばせてもらいます…」
消え入りそうな声で高橋は俯きながら答えた。

3人のやり取りを見ていたひとみは
「もー2人共何しに来たんですかぁ?邪魔しに来たんなら帰ってくださいよ」
珍しくマトモな事を言うひとみに、やっと2人は思い出して
「朝食買いに来たんだよっ!」
「わざわざ1駅向こうのここまで?」
「ありがたいと思えよー」
話のネタと言う事もあるのだが。
109 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-18- 投稿日:2001年11月07日(水)21時39分52秒
矢口は適当にパンを選ぶとカゴの中に入れた。
「当店お勧めの牛乳も買っていってくださいよ」
そう言ってひとみは一緒に買わせようとするが
「おいら牛乳飲めないの知ってるだろっ!イヤミなヤツだな」
「もぅ、だから身長が・・・」
言われたくない事を言われて矢口は傷ついた。
「今からでも遅くないですよ」
「いいヨ。別に」
「私が飲むからいいよ。入れて。胸も大きくなるかしら」
真希が冗談で言うと矢口は赤くなった。
「何、朝から言ってんだよ、も〜〜〜〜ぉ」
「ノロけなくていいから、とっとと帰ってくださいよ。営業の邪魔!」
「客なんだから、邪険に扱うんじゃねーぞ、吉澤。じゃ〜な!」

2人が出て行くと途端に静かになった。

「ごっちん先輩も矢口先輩も賑やかで楽しいですね」
「いつも、あんな調子なんだから参っちゃうよね」
ひとみは少し大げさに溜息をついて見せる。
「仲良いんですね。羨ましい」
ポツリと言った一言がヤケに実感こもっていて、ひとみは気になった。
(愛ちゃん、もしかして…。まさかね。いやいやでも……)

ひとみは自分の事には鈍感なクセに他人の色恋沙汰になると鋭いところがある。
今回も例外ではなかった。
110 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月07日(水)21時44分20秒
更新です。ゆっくりぼちぼち書かせていただきます。

>104 吉胡麻系 san
ホントは、もう少しさせたかったんですが(w。

>105san
名古屋の夜は、進展するカモ???
111 名前:名無し男 投稿日:2001年11月08日(木)01時51分13秒
俺も自分の事は鈍感だがや
112 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-19- 投稿日:2001年11月09日(金)06時16分51秒

−19−

そして夏休みも半分が終わり、ひとみもすっかり仕事にも慣れて
平和に過ぎていき、今日は矢口の名古屋行きの見送りに東京駅に真希
は来ていた。更に、ひとみが梨華に一目惚れをした日でもあった。

「別に見送りに来なくていいのに」
矢口は、こういうのが嫌いだった。家の前で「行ってくる」と言って
見送られる方が、マシだった。言っても聞かないので、一緒に東京駅
まで来てしまったのだった。

「だって2日間も会えないじゃん」
「2日間なんて、あっと言う間だよ…。電話するからさ」
「寂しくないの?やぐっつぁんは」
確かに今までは、毎日会っていたので多少は寂しいが耐えられない事でもない。
「ちょっとはね…」

発車のベルが鳴り、閉まる間際に真希は屈んで矢口にキスをした。
「気をつけてね!」
「…うん」
矢口は頷く。不意打ちのキスに矢口は動揺しながらも手を振り続けた。

「あ〜ぁ、行っちゃった…」
ホームに残された真希は、矢口の乗った新幹線が見えなくなるまで見つめていた。
113 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-19- 投稿日:2001年11月09日(金)06時17分50秒
「梨華ちゃん、今日何の日か知ってる?」
バイトが終わって、梨華と夜道を歩きながらひとみは訪ねる。
「なんかあったっけ???」
「私が梨華ちゃんと初めて会った日なんだ」

梨華も思いだしたように
「もう1年経つんだ。早いね」
あの頃は、まだ仕事にも慣れなくて緊張した毎日を送っていた。
さらに、ひとみのストーカー騒動で保田もキリキリしていて
本当にやりにくかったのを覚えている。

「梨華ちゃんを見た時にね、こぅ、なんて言うか身体中に電気が
 走ったみたいに、ビリビリ来たよ」
「ひとみちゃん、それはオーバーだよぉ」
「そんなコトないよ。あの日を境に、私の人生はバラ色になったんだから」
凄く臭いセリフだなと、ひとみは思ったが本心だった。
「オーバーなんだから、ほんとに」
梨華は照れくさそうに言った。
「本当だよ」
ひとみは立ち止まると梨華を抱き締めた。
「今、こうして梨華ちゃんは私の隣りにいる。凄く嬉しいよ」
「私もひとみちゃんとつき合えて嬉しい…」
梨華もひとみを抱き締め返した。
114 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月09日(金)06時21分22秒
名古屋の夜は、マターリなんだろうか(w。

>111san
自分も良く分かってなかったりします。
でもヨシコは、更に分かってなかったり。
115 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月09日(金)19時12分09秒
もぅ1年も経つんですか・・・。
もっかい読み直してみよ。(w
116 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年11月09日(金)23時33分29秒
う〜ん久々に来たらやぐっちゃん名古屋に行ってるし
相変わらずいしよしはあまあまだし(w
これからも頑張って下さいね!
117 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-20- 投稿日:2001年11月10日(土)22時30分49秒
−20−

矢口が名古屋に行った翌日―。
真希はぼんやり天井を見つめながら矢口の事を考えていた。
電話しようと思ったが、頻繁にかけると矢口に怒られそうな気がして
かけられなかった。もともと矢口は電話が嫌いなのだ。
用件を言ったらすぐ切るタイプ。
真希は、その逆だった。

昨日だって「無事ついた。おやすみ」これだけ。
「もぅメールじゃないんだから、もっと話してくれたって…。つまんないの」

真希は、やっと起きあがり軽く伸びをすると、特にする事もないし
退屈なので、ひとみの働くコンビニまで行った。
118 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-20- 投稿日:2001年11月10日(土)22時32分09秒
真希が店に入ってくると、それに気づいたひとみは声をかけた。
「ごっちん元気?」
「んぁ〜ぼちぼち・・」
「そうは見えないけど」
商品陳列をしていた、高橋も、真希に気づくと
「ごっちん先輩、こんにちは!」
元気に挨拶をした。
「おはよ〜、愛ちゃん」
「今日は、矢口先輩一緒じゃないんですか?」
「ぅん。昨日から名古屋行っててね。明日私も行くんだけどさ」
「そうなんですか。じゃぁ寂しいですよね」
高橋も哀しそうな顔をする。
「明日から、また一緒だから平気。別に愛ちゃんが哀しむコトないよ」
「はぃ…」
119 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-20- 投稿日:2001年11月10日(土)22時33分53秒
「今日さ〜花火大会あるじゃん。みんなで行かない?」
真希が言う。
「去年は昨日だったよね。その帰りにさ〜、梨華ちゃんと運命の出逢いを
 したんだよ、私」
ひとみは、また去年の事を思い出してニヤけた。
「もう1年経つんだね。早いんだか遅いんだか」
真希も思い出しているようだった。

「愛ちゃんも行くの?」

急に真希から話を振られて高橋は声が裏返った。
「ひゃい?」
その声に、真希はプッと吹き出す。

「何驚いてんの?…。それとも、約束があるのかな?彼と・・・」
真希は冗談のつもりで言ったのだが
「そんな人いません!!」
即行で否定されて、真希は少々面食らった。
「あぁ、ごめんね。そんなに強く言わなくても。愛ちゃん可愛いから
 てっきりいるんだと思ったよ」
「…好きな人はいますけど…」
ぼそっと言うと高橋は俯いた。
「そっか。片想いなの?」
「はぃ」
まさか、それが自分とは気づかずに、真希は色々と訊いてくる。
(あ〜、なんかツラいな。目の前にいるごっちん先輩が好きなのに。複雑(涙))
120 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-20- 投稿日:2001年11月10日(土)22時34分48秒
見かねてひとみは
「もうそのくらいにしてあげなよ。愛ちゃん困ってるじゃん」
「今日、一緒に行かない?どうせ、よっすぃーと梨華ちゃん見せつけられる
 んだったら、つまらないもん」
「なんだよ、ソレ・・・。いいじゃん明日の夜は、矢口先輩と一緒でしょ?」
「そうだけどさ♪」

矢口の名前が出ただけで途端に明るく嬉しそうになる真希の表情に
高橋は複雑な心境だった。
最初は遠くから見てるだけで良かったのに、人間欲が出て来ると、
それ以上のモノを求めてしまう。こんなに近くに、いると逆に
ツラくて息苦しくなる。
(私、いつの間に、こんなにごっちん先輩のコト好きになってたんだろう?)
こうやって、ひとみがバイト先に現れなければ、会う事もなかったハズ。
そう考えるとひとみに感謝しなければならない。でも・・・。

「私は友達と約束があるからいいです…。ごめんなさい」
本当に友達と行くつもりだった。いつもつるむ、ひとみファンの友人と。
だから、一緒に行ってしまえば良いことなのだが、図々しいかもと思い、
やはり断る事にしたのだった。

「そっか。じゃぁ仕方ないね」

あっさり引き下がる真希に、高橋は、少しは引き留めて欲しかったと
勝手な事を思うのだった。
121 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月10日(土)22時41分57秒
ちょいと最近ここがなかなか進まないっす。m(_ _)m。
そろそろsage専門で行こうかな。

>115 吉胡麻系san
読み返したら、残り少ない夏休みだった(w。まぁ許してちょ。
>もっかい読み直してみよ。(w
う。私は、どういう設定で書いたっけ?と疑問に思う時だけしか
読み直さないですねー。ってか、こんな長文自分じゃ読みたくない(w。

>116 真里っぺ♪san
ごっちんは、明日名古屋に旅立ちます。
名古屋の夜は・・・・・・・・・・・?
122 名前:1J 投稿日:2001年11月11日(日)00時32分34秒
色々じれったいまま1年ですね。新メンの愛ちゃん、むちゃ可愛いです。
もちろん挟む梨華ちゃん…く〜。おいらも挟まれてー!って方点呼したら相当いそう(w。
ハロモニで矢口を挟み、よっすぃーが梨華ちゃ゛ーん(怒)。を思い出したり…。
名古屋シーン、楽しみです。愛ちゃんの登場で微妙に△になりますか?
123 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年11月11日(日)01時14分53秒
ごっちん名古屋でなんかたくらんでないかな〜?(w
愛ちゃん2人の中に割って入ってくるのかな〜
いろいろ期待しつつ待ってます♪
124 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月11日(日)10時00分32秒
愛ちゃんの動きが結構重要っぽい感じがしますね〜。
さて、強引に入ってくるのかな?
125 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-21- 投稿日:2001年11月11日(日)15時58分23秒
−21−

「やっぱり、あゆみちゃんでも誘えば良かったかなぁ…」

目の前でいちゃつく、ひとみと梨華を横目で見ながら真希が呟いた。

「あゆみちゃんは、松浦さんと多分来てると思うから無理っしょ」
ひとみは、得意そうな顔で言った。

「あゆみちゃんって松浦と付き合ってんの?いつの間に?」
知らなかった真希は大きな声で聞き返した。

縁日は、かなりの人が来ていて、少し大声で話さないと聞こえない程だった。

「でも、それは確定じゃないでしょ?」
梨華はフォローする。

「付き合ってるようなもんだよ…」
ひとみは自信たっぷりに言う。

「ちぇーっいいなぁ」
真希が不満そうに言う。

「いいじゃん。明日の夜は、ムフフなんでしょ?」
「想像されそうだから、しないよ!」
(多分・・・きっと・・・ごっつぁんの方からは誘って来ないだろうから
 私からいかないとかな・・・)
真希はある程度、期待をしていた。あまりにそれだとお約束すぎるのだけれど。
126 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-21- 投稿日:2001年11月11日(日)16時00分10秒
「ほらほら、噂をすれば・・・」
ひとみの指差す方向を見ると、そこには、あゆみと松浦の姿があった。

「ね・・・」
「ひとみちゃんは他人のコトだと、鋭いんだから…」
梨華は、苦笑混じりに言う。
「そんなコトないよ〜」

更に視線を辿っていくと、高橋の姿が見えた。何故か1人だった。
それに気づいた真希は、近づくと高橋の肩を叩いた。

「1人なの?」
「ごっちん先輩!」
「友達とはぐれちゃって・・・」
「人多いもんね。一緒に探そうか?」
真希の優しい一言に、高橋の胸は高鳴る。

「い、いいです。それにごっちん先輩、よっすぃー先輩と一緒ですよね?」
「いいよ。どうせ私一人あぶれてるからさー。それともみんなと行動しながら
 探そうか?」
「いいんですか?」
「あったりまえじゃん」
「・・・!!」
「愛ちゃんも迷子になったら困るもんね」
そう言うなり、真希はさりげなく高橋の手を握った。
127 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-21- 投稿日:2001年11月11日(日)16時02分19秒
高橋は、それだけで心臓がバクバクしてしまう。
(ごっちん先輩の手がぁぁぁぁああああああああああ!!!!!)
顔を真っ赤にさせながら俯いている高橋に、真希は不思議そうな顔をする。

「どうしたの?気分悪い?こんだけ人多いと気持ち悪くなるのも分かるけど。
 どっかで休もうか」
「だ、大丈夫です!!」

友達とはぐれた話はウソだった。最初から1人で来ていたのだ。
友達は急用でドタキャンされ、これだったら最初から真希の誘いに
乗れば良かったと思うのだが、後の祭りだった。
しかし、結果的には大成功。と言うか手を繋げられるなんて…。

「あれ?よっすぃー達、見失っちゃったよ」
真希はキョロキョロと周りを見渡すが、ひとみ達の姿は見えなくなっていた。

「ごめんなさい。私のせいですよね」
高橋はシュンとした。

「そんなコトないって。まぁいいか。どうせあっちも2人だもんね。
 結構、私がいなくなってホッとしてたりして…」
冗談で真希は言うのに、高橋は真面目にうけて
「そんなコトありません!!」
と強く否定した。

「あはは。まぁいいじゃん。私たちも楽しもうよ」
「はぃ」
思いがけず、高橋は真希と2人きりになれて至極幸せだった。
128 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月11日(日)16時10分10秒
微妙に「ごまたか」になってしまった。
主役の「いしよし」は脇役に(w。

>122 1J san
△には、ならないです〜多分。だって、ゴマは矢口一筋ですから(w。
でも高橋の事も嫌いじゃないみたいですけど。

>123 真里っぺ♪san
既にゴマは名古屋の夜に期待しまくってる模様(w。

>124 吉胡麻系san
高橋はあくまでも控えめに・・・。のつもり・・・。
129 名前:JAM 投稿日:2001年11月11日(日)21時32分50秒
>>125
(多分・・・きっと・・・ごっつぁんの方からは誘って来ないだろうから
 私からいかないとかな・・・)

これってごっつぁんじゃなくてやぐっつぁんだと思うんですが・・・
わたしの方が間違ってたらスミマセン・・・
130 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月12日(月)01時09分17秒
>>129
自分もそう思うんですけど・・・。
131 名前:にゃん 投稿日:2001年11月12日(月)22時14分27秒
もう、最高ですー!あまあま最高!早く先が見たいですー。私も恋したいなー。
132 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-22- 投稿日:2001年11月13日(火)20時13分11秒
−22−

「いいの?そのままにして」
梨華が心配そうに聞いてきた。

さっき真希とはぐれたのは、偶然ではなく、わざとであった。

「ちょっと愛ちゃんの反応が知りたくてね」
ひとみは楽しそうに言った。

「どういう意味?」
「これは私の予想なんだけどさー、愛ちゃん、ごっちんのコト好きみたいだから」
「そうなの?」
「そうみたいよ」
ひとみはニヤリと笑った。

「でも一緒にいて楽しいかも知れないけど、なんか可哀相…」
「片想いだから?」
「ひとみちゃんも知ってて、そういうコトするなんて」
「だって梨華ちゃんと二人きりになりたかったんだもん」
ひとみは梨華の手を引くと、そのまま境内の裏に連れて行く。
133 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-22- 投稿日:2001年11月13日(火)20時13分53秒
先ほどの人混みが嘘のように、ひっそりとしていた。
「ここだったら大丈夫・・・」
ひとみは梨華の手をほどいた。

「なにが?」
「誰もいないから」

そう言って、ひとみは梨華を抱きしめ、くちびるを重ねる。

「もぅ、そんなの家に帰ってからでも出来るじゃない…」
「だって、今したかったから。。。梨華と……」
(うっ。梨華って言っちゃったヨ!)
梨華の反応は?と言うと、黙って俯いている。

「・・・・」
(がが。怒っちゃったかな?・・・)
ひとみは不安になった。

「呼び捨ては嫌い?ダメ??」
不安そうに聞き返すひとみに、梨華はわざと意地悪に言ってしまう。

「ダメ!」
「…ダメかぁ・・・」
落ち込むひとみに、梨華は自分からキスをすると
「嘘に決まってるでしょ。いいよ、ひとみちゃんなら許す!」
へへっと笑って梨華はひとみを見つめた。
「うれすぃ〜!!!」
ひとみは思わず梨華をぎゅ〜〜〜〜っと力強く抱きしめた。
134 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-22- 投稿日:2001年11月13日(火)20時14分45秒
一方、真希と高橋も、それなりに楽しんでいた。
「去年はさ、よっすぃーと2人で来てたんだよね」
「矢口先輩じゃなかったんですね」
「あ〜、やぐっつぁんと正式に付き合いだしたのって学祭のちょい前くらいだもん」
「学祭、私も見てましたよ」
その前から噂はあったものの、公共の場で、キスされたのは、やはり
高橋もショックであった。

「見てたんだぁ。恥ずかしいなぁ・・・」
真希は照れくさそうに言う。
高橋は真希の横顔を見ながら
「可愛い・・・」
思わず言ってしまう。幸い真希には聞かれていないようだった。

「でも、やぐっつぁんと一緒に居られるのは、もうあとちょっとなんだよなぁ」
寂しそうに言う真希に、高橋は聞き返した。

「どういう意味ですか?」
「やぐっつぁん、卒業したら名古屋に行っちゃうから…」
「えぇぇぇぇええええええ???????」
高橋は、普段から驚いた顔をしているが、更に輪をかけて驚いていた。
135 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-22- 投稿日:2001年11月13日(火)20時15分33秒
「別に愛ちゃんが驚くコトないじゃん。関係ないんだし」
「・・・」
(関係あります!大いにありますよ!!言えないけど・・・)
「今、名古屋行ってるのは、その関係でなんだ」
「そんな大切なコト、私に話しちゃっていいんですか?」
「うん。だって、隠すコトでもないしさ〜」
そう言って、真希は笑う。

この時、高橋は不謹慎にも「私にもチャンスはあるのかも」と
脳裏をかすめ慌ててうち消した。
(私って最低だ。ごっちん先輩は哀しんでるのに、この状況に喜んでる私がいる)

「矢口先輩が卒業したら、どうするんですか?」
「う〜ん、まだ分かんないけど。遠恋になるかなぁ」
「遠恋ですか・・・」
(私が側にいちゃダメですか?・・・。なんてね・・・)
「でも2日会えないくらいで、かなりめげてる自分見てると、果たして
 大丈夫なのかどうか心配になってきちゃうね」
「そんなに矢口先輩のこと好きなんですか?」
「うん。大好きだよ」
至極当然と言った口調でキッパリと言う。
「だったら・・・遠恋も大丈夫じゃないですか。頑張って下さいね」
心とは裏腹な事を言う自分に、高橋は苦笑いした。

「ありがと!愛ちゃん優しいね!!」
「・・・」
(全然優しくなんかないですよ・・・)
高橋は曖昧に微笑むのだった。
136 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月13日(火)20時18分12秒
今日は調子良く書けましたので暫く週末まで毎日更新出来そうっす。
週末は、ついに!!?(謎)ぁぅぁぅ。ハァハァ(爆)。
自分の中で感慨深いものを感じました(苦笑)。
矢口&後藤の名古屋シーンは週末あたりになりそうです(w。

番外編も、ちょこっと更新しましたので見て下さい。

あと言い忘れてましたが、小説投票で、「恋しちゃ」が
7位にランクされました。どうもありがとうございます。
「2」で力を出し尽くした感がありますが、また再び再燃して
おりますので、今後とも宜しくお願い致しますm(__)m。

>129 JAMsan 130san
ご指摘ありがとうございます。
この前も同じミスしましたね。どうもすみません。

>131にゃんsan
これからも、甘甘で行きます!!
137 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月13日(火)22時27分55秒
やぐごまのハァハァ!?(w

高橋さむがどのように動くか楽しみです。
頑張ってくださいねん♪
138 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-23- 投稿日:2001年11月15日(木)00時01分43秒
−23−

「あ〜、吉澤先輩...」
紺野が境内から出てくるひとみと梨華を見つけて呟いた。

「どこどこ?」
紺野の声に一緒に来ていた小川は周囲を見渡した。
いつもボーッとしている紺野だが、ひとみを見つける早さは
小川よりも優れていた。

「矢口部長もいた?」
「えーと、吉澤先輩と石川先輩だけだったよ」
「そっか…。あっ」
丁度、ひとみと梨華が真希と高橋と合流する所を見た小川は小さく声をあげた。

「まこっちゃん、どうしたの?」
「何で矢口部長一緒じゃないんだろ。それに後藤先輩の隣りの子誰?」

紺野も4人を見つけると
「あー、高橋先輩だ。何で後藤先輩と?」
「紺ちゃん知ってるの?」

「知ってるっつーか、よく吉澤先輩ファンの子たちと混じってるから。
 あいさつする程度だけど」
「そうなんだ」
「中等部3年の高橋愛先輩。今は吉澤先輩と同じコンビニで働いてるみたい」
「詳しいね」
こと、ひとみに関する事はさすがに詳しいので小川は感心する。

「そういうネットワークあるからさ〜」
紺野は、ふへっと笑う。
139 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-23- 投稿日:2001年11月15日(木)00時02分32秒
しかしなんで真希と一緒なのか不思議に思う小川だった。
そして何故矢口はいないのか?疑問に思った小川は、紺野の手を引くと
ひとみ達のいる方へと歩いて行く。もうすぐ花火があがる時間なので
行く方向は見当がついていた。

「まこっちゃん、どこ行くの?」
「吉澤先輩のとこ・・」
「やめよ〜よ」
紺野は泣きそうになっている。保健室騒動以来、かなり気を遣っているのだ。

「いつまでも気にしてたって仕方ないでしょ?もぅ吉澤先輩だって
 気にしてないよ。折角のチャンスだもん、行こうよ」
「でも石川先輩もいるしぃ〜…」
まだ渋っている紺野に小川は無理矢理引っ張った。
散歩に連れて出た犬が、イヤイヤそこに立ち止まっているかのように
紺野は頑なに拒んでいた。

「じゃぁ私1人で行く。紺ちゃん、じゃぁね!」
小川は紺野の手を離すと、さっさと1人で行ってしまった。

「待って!まこっちゃん!」
紺野も仕方なしに小川の後を追った。
140 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-23- 投稿日:2001年11月15日(木)00時03分06秒
「吉澤先パ〜〜〜イ♪」
人一倍でかい声で小川がひとみを呼ぶ。
(まこっちゃん声、大っきぃ…)
いつもボソボソ喋る紺野は、ハキハキ元気に喋る小川がいつも羨ましかった。

「あーーー、小川ちゃんに、紺野さん」
ひとみは小川に気付くと、嬉しそうに2人を見た。

「「こんばんは」」
「今日は矢口部長は、いらっしゃらないんですか?」
小川は単刀直入に訊く。真希がいる前で、良く堂々と聞けるものだと紺野は
感心してしまう。
(私には出来ないよ・・・)

「出かけてるから、いないんだけど、何か用?」
真希は、そう答えると、小川を冷めた目で見つめていた。
(あーーー、後藤先輩、こわい・・・)

高橋は紺野に気付くと、少しバツの悪い顔をした。
そして、周りに気付かれないように紺野に小さく耳打ちした。
「今日のコト、あのコに言わないでくれる?」
"あのコ"とは高橋がいつも一緒にいる友人の事だ。
「ハイ」
141 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-23- 投稿日:2001年11月15日(木)00時04分01秒
「なんか、いつの間にか人数増えてるねー」
ひとみは人数を数えながら言った。
ひとみに梨華、真希に高橋、小川に紺野…6人だ。

「ラブラブなのは、よっすぃー達だけじゃん」
(あーぁ、やぐっつぁんいればな〜・・・)
「あゆみちゃんと松浦さんも探してこようか?
 辻と加護も探せばどっかにいそうな気がするけど…」
「そんなコト言ってると、ホントに出て来そうな気が…」
真希が冗談で言うと、それは冗談ではなく・・・

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃじゃ〜ん!」
辻が焼きそばを頬張りながら出て来た。
142 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月15日(木)00時06分12秒
いしよしが主役なのに・・・(w。

>137 名無し梨華san
>やぐごまのハァハァ!?(w
ですな(w。とうとう・・・
高橋は長い目で見てやって下さい。
143 名前:名無し 投稿日:2001年11月15日(木)03時00分27秒
梅にうぐいす、月に雁、
辻に焼きそば・・・。

紺ちゃんの奮闘に期待。
144 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-24- 投稿日:2001年11月15日(木)19時21分19秒
−24−

しかし隣りにいるのは、加護ではなく、飯田だった。

「い、飯田さん!!」
ひとみは思わず声をあげた。飯田に会うのは、卒業式以来ではないだろうか?
美大に進んでから、元気だと言う話は聞いていたが、その後詳しい話は聞いて
いなかった。

「吉澤ぁ、相変わらず女の子はべらしてるのね〜」
在学中から、飯田の吉澤に対する態度は、結構冷たいものだったが、それは
卒業しても変わらなかった。ただ悪意を感じた事はなかったが。
「はべらすだなんて、人聞き悪いですよ!!」
「まぁでも、吉澤の健闘ぶりは、矢口から聞いてるからね。ダンス部よろしく頼むわよ」
「はい」
「矢口はいないの?」
「例の件で、名古屋に・・・」
「あぁそうか。じゃぁ後藤にも言ったんだね」
飯田は後藤をチラッと見た。
「かなり矢口も悩んでたからさー、まぁ自分の好きな道に進むのはいいことだって
 カオリも言ったんだけどさ」

ひとみと飯田の会話を聞いていて、小川は訳が分からなかった。
(例の件で名古屋って?好きな道??)
145 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-24- 投稿日:2001年11月15日(木)19時21分57秒
「今日は、辻と??」
「うん。たまに会ってるんだよ」
初耳だった。
「会ってるって言うか、たまに来るとおごらされてるけど」
飯田は苦笑混じりに答える。
「いいらさ〜ん!もう行きましょうよ!」
辻が、焼きそばを食べ終わると、次は綿アメ!と催促する。
「はぃはぃ。また今度顔出すからさ。吉澤も元気でな。矢口にも宜しく!」
そう言うと、飯田は辻の手を引いて、人混みに紛れていった。

「あの2人って、接点あったっけ?」
真希も不思議そうに見ていた。
「加護がいないのも、おかしいね」

小川は一度疑問に思った事は聞かないと気が済まないので、頃合いを見て
矢口の事を聞き出そうとひとみとのチャンスをうかがった。

「まこっちゃん大丈夫?」
紺野が黙り混んでいる小川に声をかけた。
花火が何発もあがる中、小川はじっと考え込んでいる。
「う、うん」
146 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-24- 投稿日:2001年11月15日(木)19時22分36秒
「気になる?」
いつの間にか、真希が小川の横に来ていた。
「後藤先輩・・・」
「小川さんだっけ。やぐっつぁんのファンの子の」
「はい」
「どうせバレちゃうから言うけど、やぐっつぁん卒業したら名古屋行くの」
「えぇぇ???そ、そうなんですか???」
小川も思わず大声をあげてしまった。
矢口の事は憧れの存在だった。勿論卒業したら会えなくなるのは分かっていたけど
遠くへ行ってしまうなんて・・・。ショックだ・・・。
落胆した様子の小川を見て、真希は苦笑いする。

「そんなに落ち込まないでよ。私だって同じだけどさっ」
「後藤先輩、平気なんですか?」
「まだ実感沸かなくてね〜。話聞いたのが、ちょっと前だったしさ」
「はい・・・」
「小川さんも、残り少ないやぐっつぁんとの日々を大事にね」
真希は小川の肩を叩くと、ひとみ達の方へ行ってしまった。
そんな様子を見ていた紺野は
「後藤先輩、結構優しいね…」
「うん…」
147 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-24- 投稿日:2001年11月15日(木)19時23分09秒
「高橋さん!」
急に声をかけられて、高橋は後ろを振り返った。
「松浦さん・・」
同じクラスだが、挨拶程度の仲である。今日はホントに色々な人に会うものだと
高橋は思った。隣りにいるひとは???

「あゆみちゃ〜ん!久しぶりじゃん!」
真希が声をかける。
「ごっちんもいたんだ・・・。あ、よっすぃーも梨華ちゃんも」
「全然最近会ってなかったじゃん」
「そうだね。忙しくてねー」
真希はあゆみの腕を掴むと、みんなの輪から外れた。

「ねぇ、あゆみちゃんって、松浦と付き合ってんの?」
いきなりストレートに訊いてくる真希に、あゆみは顔が赤くなった。
「や、やだ。何急に言うの〜?ごっちん…」
「いやね。よっすぃーがさ、良く二人でいるのを見かけるって言うから」
「ま、まぁ、付き合ってる訳じゃないけど・・・一緒に居る事は多いよ」
あゆみは、もごもごと言った。

松浦も久しぶりに梨華と話しているので、ひとみは、こそこそ話している
真希とあゆみの間に割って入っていった。
148 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-24- 投稿日:2001年11月15日(木)19時23分47秒
「なに、こそこそ話してるのぉ〜???」
「「よっすぃー」」
「あゆみちゃぁん、やっぱり、そうなの?」
「そうって???」
「松浦さんと!」
「そんなんじゃないってば!」
あゆみは照れている。ただ強く否定もしていないのだが。


「梨華先輩、吉澤さんと仲良くやってますか?」
梨華とは久しぶりに話す松浦だった。
「うん。亜弥ちゃんは?柴ちゃんと仲良くやってる?」
「え?・・・。何言ってるんですかぁ!」
ちょっと顔を赤らめて松浦は言う。
「違ってたらゴメンね。ひとみちゃんが言うからさー」
「あゆ先輩とは、仲良くやってますよ!今、一番大切な人です」
「…そうなんだ。良かった、亜弥ちゃん元気そうで」
「ハイ!でも、まだ告白してないんですけどね」
「そっか・・・」
そう言えば去年は、ひとみと正式に付き合うまで、数ヶ月かかった事を
思いだし、懐かしく思う梨華だった。
「ガンバッテね。亜弥ちゃん!」
「ハイ!…」


「よっすぃー、私そろそろ帰るね。明日の準備もしなきゃいけないし」

花火も打ち上がるのが終わる頃、真希が言った。
そう言えば、話に盛り上がって肝心の花火は、殆ど見てなかった気がする。

「私たちも帰ろうか?り、梨華…ちゃん」
人前だと恥ずかしくて、ひとみは梨華をちゃん付けしてしまう。
「うん」
(まだまだだなぁ・・・)

そしてお開きになり、おのおの帰路についた。
149 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月15日(木)19時25分22秒
更新しました。

>143san
あんまり紺野の出番ないんですけどねぇ。
最近新メンばっかり出してる気がする・・・
150 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-25- 投稿日:2001年11月16日(金)21時15分51秒
−25−

そして翌日。
真希が矢口のいる名古屋へ行く日になった。

行きの新幹線の中で、真希は早くもドキドキしていた。
(あ〜、やぐっつぁん、早く逢いたいよ!)
しかし、ドキドキもすぐに睡魔とともに爆睡に変わるのだった…。

爆睡したおかげで、すぐに名古屋に着いた。
駅のフォームで矢口が待っていてくれるハズなのだが???

「やぐっつぁ〜ん!・・・」
きょろきょろしている真希に後ろから矢口は肩を叩いた。
「よ!ごっつぁん!」
「やぐっつぁ〜ん!!!!!!!」
真希は振り返ると、人目もはばからずに、矢口に抱きついた。
(ぅ、前が見えない………)
押しつぶされる形で、抱き締められた矢口は窒息寸前だった。
151 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-25- 投稿日:2001年11月16日(金)21時16分48秒
「ごっつぁん、オーバーすぎるぞ!」
やっと息が出来るくらいの隙間が出来ると、矢口が言った。

「会いたかったんだもん」
「お、おいらもな…」
ぼそっと言う矢口に、真希は再び抱き締め返す。
「と、取りあえず外 出ようぜ…」
真希の荷物を持ってやると、矢口は歩き出した。

「私さ〜、名古屋初めてなんだよねー」
「おいらも、そんなに詳しくないよ…」
「もう用事は済んだの?」
「あぁ。大体な。今日は、ごっつぁんと1日デート出来るよ」
「嬉しい♪」
真希が矢口の腕に、思い切り抱きついた。
(あぁ。。。胸が肩に・・・)
「取りあえず荷物置いてからに、しようか」
一旦ホテルに行き、チェックインした。そして
そのまま、今日泊まるホテルの部屋に入った。
152 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-25- 投稿日:2001年11月16日(金)21時17分39秒
「あ〜、ダブルベッドじゃないんだ」
真希は、そのままベッドにダイブすると呟いた。
シングル2つじゃ、アレだし、だからと言ってダブルなのも
いかにもだし、やはり、ここはツインベッドにしたのだ。

「おいら寝相悪いしさ…」
曖昧に矢口は答える。
「でも、結局1つしかベッド使わないじゃん・・・」
真希は意味深に言う。

(やっぱり、そうなのか・・・今夜は・・・・・)
矢口とて、期待してない訳ではないが、なんかソレだとあまりに
お約束過ぎるような気がして、気が進まないのも事実だった。
泊まりに行ったからって・・・。考えすぎだろうか?
153 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-25- 投稿日:2001年11月16日(金)21時18分22秒
そのままベッドの近くに突っ立っている矢口の手を引いて、ベッドに
座らせると、真希は上半身を起こし、矢口を抱き締める。
「このまま、寝ちゃおうか?…」
耳元で囁く真希に、矢口は首を竦めた。
「まだ昼間だぜ…」
「もぅえっちなんだから…。お昼寝の意味だよ♪」
「・・・ずるいよな、ごっつぁんは…」
矢口は真っ赤になりながら、そのまま2人で横になった。

そして、真希は矢口に寄り添ってくる。
「淋しかったよ…」
矢口の肩に顔を埋める。
「ごめんな…」
矢口は真希の髪を優しく撫でながら言った。
154 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-25- 投稿日:2001年11月16日(金)21時19分11秒
「もう、ごっちん先輩、名古屋に着いたんでしょうか?」
そわそわしながら高橋が言うので、ひとみは
「もう着いたんじゃないかなぁ。…愛ちゃん気になるんだ?」
「あ、別にそういう訳じゃないですけど・・・」

何かと最近は、無意識に真希の話をひとみとしている自分に気付く。
…もしかしたら、ひとみには気付かれてるのかも知れない…と思いながらも
聞かずにはいられない、高橋なのだ。

「愛ちゃんの好きな人ってさぁ…」
「はい?」
「ごっちん???」
「へ!?」
(やっぱりバレてた・・・。よりによって、吉澤先輩に。
 この気持ち知られたくなかったのに!)
と言っても最近の高橋の態度を見ていれば一目瞭然なのだが。
硬直している高橋に、ひとみは肩に手を置くと
「別にいいじゃん。ごっちんも、モテるんだなって…」
「あの、このコトは、黙ってて下さい。知られたくないんです…。
 お願いします!」
高橋は頭を下げる。
「それはいいけど・・・」

なんとなく真希に気付かれるのも時間の問題のような気がしなくもない。
ただ、真希も自分の事に関しては鈍いところがあるし、矢口の事で頭が
いっぱいなので、高橋の気持ちまで気付かないかも知れない。
こればっかりは、ひとみも高橋の応援は出来ないので何も言えないのだった。
155 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-26- 投稿日:2001年11月16日(金)21時20分55秒
−26−

「あ・・・」
矢口が目を覚ますと、辺りはもう暗くなっていて・・・
慌てて飛び起きた。ほんとに眠ってしまったらしい。
隣を見ると、真希も気持ちよさそうに眠っている。
これじゃぁ、なんのために名古屋に来たのか分かったもんじゃない。

「ごっつぁん、起きろよ!」
真希の肩を揺さぶる。ほどなくして、真希が眠そうに目をこすりながら起きた。

「やぐっつぁん、おはよぅ・・・」
「おはようじゃねぇよ!もう夜だぜ!!」
「えぇ???」
「取りあえず飯喰いに出かけようか」
まだボーッとしている真希と繁華街へ出かけた。
156 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-26- 投稿日:2001年11月16日(金)21時21分52秒
「味噌煮込みうどん2つ!」
矢口が注文を済ますと、真希は水を一気に飲んだ。
「はぁ〜、もう、やぐっつぁんも寝ちゃうんだもん」
「ごっつぁんが寝ようって言ったんじゃん」
「だからってさー、寝過ぎだよ」
真希は口を尖らす。
「あんまり寝てなかったのかよ?」
「新幹線の中でも寝たんだけどねぇ…。でもさ…」
「なに?」
「これで夜は眠らなくても平気だね♪」
「なっ・・・」
矢口は真希の言った意味が分かると、顔を真っ赤にさせた。
「おいらは、寝足りないから、すぐにでも眠れるけどな」
照れ隠し故、矢口は付け加える。
「私が寝かせないもんね!」
「・・・そう言って、案外ごっつぁんの方が先に寝たりすんだよな」
「そんなことないもんね〜!」
「あるよ」
「ないよ」
157 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-26- 投稿日:2001年11月16日(金)21時22分48秒
そんな事を言っているうちに、熱々の味噌煮込みうどんが運ばれてくる。
しばし中断。食べる方に集中した。
「熱いから気をつけなよ…」
「…うん。おいしいね〜!」
「ほんとはさー、昼に味噌煮込みうどんで、夜は味噌カツか、手羽先でも
 喰いに行こうと思ってたんだけど・・・。明日にすっか…。
 全然どこにも行けなかったしな。悪かったな」
「全然だよ。どうせ、また名古屋には行く事になるんだろうし…。
 それに、やぐっつぁんと一緒なら、どこでもいいよ」
「うん・・・」
(嬉しい事言ってくれるよな、ごっつぁん・・・)

思わず矢口は目頭が熱くなった。最近、ちょっとした事でも泣くようになった。
自分は淋しい態度を取らないようにしているのだけど、やはり卒業後を考えると
真希の事も気になるのは事実だった。
158 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-26- 投稿日:2001年11月16日(金)21時23分25秒
再びホテルに戻ると、真希は昨日の話をした。
「じゃぁ、カオリにも会ったんだ…。小川にも?ふぅん。全員集合みたいだな」
「でも、やぐっつぁんいなくて寂しかったよ」
「ごめんな。花火大会かぁ。またそのうち、どっかでやるだろ。そうしたら
 2人で見に行こう」
「うん」
真希は嬉しそうに矢口に寄り添った。

急に沈黙になると、矢口は焦りだした。
(やべぇなぁ。こういう雰囲気・・・)

あまりにも条件が整いすぎているので、このままGo!が出れば、
そのまま事に持ち込める雰囲気だった。
でも、矢口は迷っている・・・。
こんなんで真希の事を抱いてしまっても、いいのかどうか・・・。
意気地なしと言えば、それまでだが矢口は最後の最後まで迷う性格だった。
名古屋行きだって、真希の事を考えると、どうしても
YESとすぐには返事出来なかったのだ。
最終的には、自分のやりたい道を取った訳だが・・・。

「やぐっつぁん、今何考えてる?」
「え?・・・」
「多分、私と同じコトかな・・・」
そう言うと、黙って真希は矢口に顔を寄せてくちびるを重ねた。
159 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-26- 投稿日:2001年11月16日(金)21時24分14秒
「ねぇ、ごっちんと矢口先輩、今頃どうしてるかなぁ?」
梨華の部屋でマッタリと過ごしているひとみは気が気でない様子だった。
「もぅひとみちゃんが、そわそわするコトないでしょ?」
梨華は少し呆れ顔で言う。
「ちょっと電話してみようか?」
携帯を取り出すひとみに、梨華はそれを取り上げた。
「お取り込み中だったら、どうするの!そっとしておいてあげなよ」
"お取り込み中"と言うあたりが、梨華も気にしている証拠だ。

「なんか、羨ましいなぁ・・・」

ひとみと梨華の場合、いつでも出来ると言う環境が、却って二人の進展を
妨げてるような気もする。それなりに何度かチャンスもあったのに
踏み切れないでいる、ひとみに、梨華も諦めている節があった。

「ひとみちゃんたら、やらしいんだから」
「そんなコトないってば!梨華だって・・・」
「なに?」
「…なんでもないよ」
「言ってよ!」
「梨華も、やらしいってコト!」
そう言って、ひとみは梨華に抱きつく。
「そんなコトないですぅ〜!」
口を尖らせながら、梨華も抗議する。

じゃれあってるウチは、まだまだこの2人には、進展はなさそうだった。
160 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時42分35秒
−27−

ゆっくりとくちびるを離すと、真希は言った。
「シャワー浴びてくるね…」
「あぁ・・・」

真希がシャワー室へ行ってしまうと、今頃になって矢口の心臓は
バクバクしだした。
(ひぃーーー、ごっつぁん、そのつもりじゃんか・・・)
矢口は落ち着かない。
(どうすんべかー!ホントに、そうなのか?どうなるですかー??)
矢口は訳もなく興奮した。
そして、ベッドの周りを行ったり来たり行ったり来たりしてそわそわしている。
(落ち着け矢口!!!)
自分に渇を入れると、矢口は深呼吸した。
そして、そのままベッドに落ちていく。
(あ〜、意気地なしだなぁ。おいらって・・・)
ベッドにうつぶせになりながら、矢口は目を閉じた。
161 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時43分33秒
真希は真希で、これまたドキドキしていた。
(さすがに、やぐっつぁんだって分かってるよね?ね??)
これで矢口が何もしてこなかったら、真希の方から仕掛けていくつもりだった。
別に、どっちがリードしなきゃいけないと言う決まりはないのだから。
(でも、これじゃぁ私の方が、やる気あるみたい…)
真希はクスッと笑った。

真希がバスタオル1枚であがってくると・・・
「やっぱり・・・」
矢口は眠っている。
「散々寝たクセに!!」
いつもなら、そのまま寝かせておく真希だが、今日は違う。
そこで寝られては困るのだ。

「やぐっつぁん!」
真希は矢口の耳元で、囁くと、ふっと熱い息を吹きかけた。
162 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時44分11秒
ビクッとして、矢口は起き上がる。
「ん?あぁ・・・ごっつぁん。もうあがったの???」
矢口は目を見開くと、真希を改めて見つめた。
バスタオルからでもクッキリと分かるバストのラインに、矢口は
慌てて目を反らした。しかし真希は矢口に身体をくっつけてくる。
「やぐっつぁん。今夜は寝かさないよ?」
嬉しそうに言って、胸を押し付ける真希に、しっかりと胸の感触を
感じながら、矢口は更に顔を紅潮させた。

「お、おいらも風呂に入ってくら〜」
急いで言うと、慌てて矢口はシャワー室に入っていった。

いつになく積極的な真希に、矢口は早くも圧倒されていた。
(あーーー、どうなっちゃうんだろ・・・)
矢口は髪の毛を洗いながら、この後の長い夜の事を考えていたのだった。
163 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時44分50秒
「でもなぁ・・・」
真希はベッドの上に座りながら、まだ考えていた。
ひとみと、その手の話はするものの、具体的に、どうこうと言う話までは
した事がなかった。お互い初めてと言うのも、こういう時には困るものだ。
(なるようになるのかな・・・)
ぼんやり考えていたら、矢口もあがってきた。

「あ、あのさぁ〜…」
矢口は俯きながら言う。
「うん?」
「こういうのって、どうしたらいいか、おいらも分かんないんだよね。
 恥ずかしい話だけど・・」
「別にいいんじゃない?気持ちが大事だよ、やぐっつぁん!」
真希はバスタオルをはがすと、矢口に抱きついた。
「ぅ・・・」
「私たちは、私たちのやり方でさ、愛し合おうよ…」
真希は矢口の上に乗ると、矢口にキスをした。
164 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時45分21秒
真希の胸を見て、矢口は、思わず「大きぃ…」と呟いてしまう。
「もぅ、何言ってんの!やぐっつぁんたら!」
真希も言われて恥ずかしいのか、胸を隠してしまう。
おそるおそる、矢口は真希の方に手を延ばすと、真希の胸に触ろうとした。
ぎこちない動きで、真希の胸に到達すると、優しくなで回すように動かした。
「ぁ……」
真希の声に、慌てて矢口は手を引っ込める。
「ご、ごめん。痛かった?」
「違うよぉ・・・」
触れるだけで感じてしまう…なんて言えない真希は、なかなか進まない行為に
じれったさを隠せなかった。
(なんで、私たちって、こう雰囲気がないんだろう???)
真希は矢口のバスタオルをはぎ取ると、矢口の胸に顔を埋めた。
「ぅわぁ…!」
矢口は驚いて後ずさりをする。
「やぐっつぁん!!」
「は、はい!」
真希は、何故だか分からないけれど笑ってしまった。
「ヘンに構えなくていいじゃん。自然にさぁ、しようよ」
「そ、そうだな…。なんかてんぱっちゃってよ・・」
矢口も照れくさそうに言う。
165 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時46分01秒
再び自然に、くちびるを寄せ合うと、二人はジャレ合うかのように
お互いの胸や身体を触り合った。

「くすぐったいよぉ…」
「ごっつぁんの胸、柔らかいなぁ…」
矢口はポツリと言うと、口を寄せて、真希の胸の先端を、そっと噛んだ。

「ぃゃぁ……」
真希は、ビクッとなると、急に身体を固くさせた。
「可愛いよ、後藤・・・」
うっとりと矢口は言う。
「そんなコト・・・」
真希も矢口の胸に顔を近づけると、舌先で先端を舐め回す。
「ぃっ…」
お互い、愛し愛され二人の夜は長い。

だいぶ慣れたものの、まだ下の方に手を延ばす勇気はないらしい。
多分、お互い、もう濡れているのは分かるのだが・・・。
真希は思い切って言う。
「やぐっつぁんさぁ。69しようか…」
「・・・」
思いがけない言葉に、矢口は言葉に詰まる。
(そんな言葉良く知ってるよな・・・)
身長の差で行くと、真希の方が大変そうなのだが。
「おいらが先に・・・」
先にと言う言い方もヘンだが、矢口は真希の下へと顔を移動させると
うっすらとした茂みに顔を埋めた。
166 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時46分47秒
「あんまり見ないで!」
「み、見てねぇよ!」
どうしたもんかと、矢口は思うが、取りあえず舌で舐めてみる事にした。
舌が触れた瞬間、真希が
「あぁあああああああああああっ!」
と声を出したので、矢口は慌てて舌を引っ込めてしまった。
「な、なんだよ?」
「・・・気持ち良かったから…」
「そ、そうか・・・」
「もぅ、いちいち聞かないでよ!盛り上がる雰囲気ぶち壊しじゃん」
「ご、ごめん」

どうして、こう甘い雰囲気にならないのか、矢口も少し哀しくなってしまう。
(お互い、男っぽいからかな・・・)
再び気を取り直して、矢口は真希のソコを指で触ってみた。
予想以上に、ぬるぬるしていて、矢口は何故か感動してしまうのだった。
「嬉しいよ、ごっつぁん……」
矢口はくちびるをつけると、真希のぬるぬるを舐め始めた。
「ひゃぁっ。んんっ……やぐっつぁん・・・」
矢口は懸命だった。チュパチュパと出てくる泉の蜜を吸い上げる。
「はぁあああっ。ダメっ、やぐっつぁん・・・やぐっ・・・」
「ごっつぁん・・・」
矢口は口の周りをべと付かせながらも、一生懸命に真希の泉からわき出てくる
愛の液を舐め続けた。
しかし、慣れない事をしているせいか、矢口の顎は疲れて来る。
唇を離すと、矢口は再び、真希の胸に舌を転がし始める・・・。
矢口は真希を愛撫しながら、えっちとは、大変なものだと実感しているのだった。
そして、舌で真希の胸を舐めながら、指で真希の下を刺激する。
167 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-27- 投稿日:2001年11月17日(土)14時47分29秒
「んっ。やぐっつぁん、も、もぅダメぇぇぇ〜!!」
真希は急に矢口にしがみつくと、腰を動かしながら喘ぎ始めた。
矢口は、指の動きを早くする。
「あぁああああああぁああっ、やぐっつぁーん!イッちゃうぅぅぅぅううう」
「ごっつぁん・・・」
「あっああっあぁぁ〜〜〜!!!」
真希は背中を反らすと、急にガクンと身体が落ちた。
矢口は真希をしっかりと抱き留める。

(イッのかな???)
矢口も初めてなので、良く分からないが、真希の身体がビクビクなるのを
感じていた。
二人とも汗だくだった。

「後藤・・・可愛かったよ…」
「・・・バカ・・・」
真希は恥ずかしそうに言うと、矢口から目を反らした。
「ちょっと、声でかかったけどな…」
「う、うるさいよ!」
真希は枕を矢口に投げつける。それが命中すると矢口も
「いってぇな!そりゃ!」
矢口も負けじと、真希に投げ返すのだった。
そして、真希を抱き締めると
「ごっつぁん、大好きだぜ!!」
そう言って、キスをした。
168 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月17日(土)17時08分27秒
ぐっはぁっ!もうヤラレまくりっすは・・・。(吐血)
もぅ〜・・・、あぁ!(結局何も言えない)
169 名前:R.S. 投稿日:2001年11月17日(土)17時14分34秒
今日、初めてこの小説読みました。
感想は、とてもおもしろいです(^^)V
で、まだ1だけしか読んでないんですが、2がどこにあるかわかりません(^^;)
教えてくださいm(__)m
170 名前:R.S. 投稿日:2001年11月17日(土)17時16分19秒
あ、すいません、今、見つかりました(^^;)>2
ちょっと、ボケてたみたいです(^^;)
これからも、連載頑張ってください(^^)V
171 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年11月18日(日)01時20分27秒
やぐごま最高!!!!!!!
もう文句ないっすね♪(w
次はいしよしか(w
172 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-28- 投稿日:2001年11月18日(日)11時57分15秒
−28−

「んーっ!」
矢口は朝、寒くて目が覚めた。横にいる真希をチラッと見る。
真希も大の字になって寝ていた。
「色気のねぇ寝方…」
矢口は苦笑いする。
真希に布団をかぶせてやると、矢口はシャワーを浴びに行った。

冷えた身体に染み込むように、熱いお湯が矢口の身体を包み込んだ。
(ついに、後藤と・・・)
感無量と言えば大げさだが、案外済んでしまえば、あんなもんなんだと
矢口は昨夜の事を思い出して、思わず顔がにやけてしまう。
(ごっつぁん、かわいかったな〜・・・)
真希に対する気持ちが募るというか、なんとも言えない気持ちになった。
「愛してる・・・」
矢口は口に出してみて、一人で照れていた。
173 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-28- 投稿日:2001年11月18日(日)11時58分18秒
「んぁー!」
真希も目を覚ました。
「あれ?やぐっつぁん???」
キョロキョロと真希は辺りを見渡す。シャワーを浴びる音を聞いて
真希はニンマリした。そっとベッドから降りると、シャワー室を
勢い良く開けた。

「ぎゃー!」
いきなり開けられたので、矢口は思わず悲鳴をあげた。
それを見て、真希は大笑いをする。
「あはははっ。そんなに驚くコトないじゃーん」
「び、びっくりするだろ!!」
慌てて前を隠す矢口に、真希は身体ごと矢口にくっついた。
真希の冷えた身体が矢口にくっつくと、また悲鳴をあげる。
「ぅわっ。つめてぇ!」
「温めてよ〜。やぐっつぁん!」
真希ははしゃぎながら、矢口に抱きつき、キスをした。
174 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-28- 投稿日:2001年11月18日(日)11時59分34秒
「二人でお風呂に入ろっ♪」
(って、もう入ってるじゃねーかよ!)
狭いバスタブの中に二人で入ると、既に窮屈である。
なんだか顔を見合わせるのが照れくさくて、矢口はそっぽを
向いてしまう。
「おいら、先にあがるからさー。ごっつぁんはゆっくりしてけよ」
立ち上がろうとする矢口を真希は引き留めた。
「だ〜め!やぐっつぁんとこれから・・・」

真希は矢口を後ろから抱きかかえる格好で、矢口を引き寄せた。
「・・・」
(あー、またドキドキしてきちゃったよ…)
「やぐっつぁん、カワイイ!!大好き!」
真希は矢口のうなじに、顔を埋める。
「今度は私が、やぐっつぁんのコト、愛してあげるね!」
「い、いいよ…」
「やぐっつぁんの耳カワイイ!」
そう言って真希は、矢口の耳をそっと噛む。
「ぅわっ」
思わず矢口は首を竦める。
175 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-28- 投稿日:2001年11月18日(日)12時00分47秒
「やぐっつぁん、どこ感じる?…」
真希は矢口の身体中を舐め回しながら聞いてくる。
「く、くすぐったいってば!」
矢口も次第に、もんもんとしてくるのだった。
急に真希の両手が延びて、矢口の胸を包み込んだ。
「ぁっ……。っつ・・・」
矢口が敏感に反応すると、真希は嬉しそうに
「あっ。やぐっつぁん感じてるの?」
「・・・いちいち聞くなよ!恥ずかしいなぁ…」
矢口は俯きながら答える。

「だぁって、カワイイんだもん。やっぱりやぐっつぁんも
 女の子なんだねっ。嬉しいよ!」
真希は手を下に下げていく。それを矢口は制した。
「い、いいよ、そっちは・・・」
「どうして?」
「どうしても!」
「昨日はやぐっつぁんがガンバッテくれたから、後藤も
 嬉しかったよ!だから今日は後藤が・・・」
スルスルと真希の手が下りてきて、矢口の茂みに入って行く。
「…んっ…」
矢口は一瞬身体を硬直させた。
176 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-28- 投稿日:2001年11月18日(日)12時02分21秒
「もぅ、力抜いてよ…。痛くしないから…」
真希の指が矢口の中に、そっと入ると、真希は優しく動かした。
「あっ・・・。ごっつぁん、たんま!」
「だめぇ!許さないよ!!」
真希は指の動きをやめなかった。ぬるっとした感触を受けると
真希は更に早くする。
「ぅっっつ・・・。ハァ……んんっ…」
懸命に耐えている矢口が何故か可愛くて、真希は愛おしく思う。
そして片方の手で矢口の胸を摘んだ。
「だっだめぇぇぇ!!!」
「やぐっつぁん声出していいんだよっ!」
「ごっつぁん・・・あぁあああっ」
真希は矢口を振り向かせると、唇を重ねて舌を忍ばせる。
激しく舌を絡ませる真希に、矢口の頭は既に真っ白になりかけていた。
「ぅぅううっ。ハァハァ…」
キスをしながら手の動きもやめない真希に、矢口はそろそろ限界に来ていた。
「ごっつぁん、もぅ・・・イキそ・・・ぅ」
「やぐっつぁん・・・いぃよ、イッて……」
「・・・あ"っ、あぁぁぁああああ〜!!」
矢口は、その後、すぐにイッてしまった。真希は矢口を抱き締める。
177 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-28- 投稿日:2001年11月18日(日)12時03分45秒
「やぐっつぁん・・・可愛かったよ…」
「・・・」
矢口は恥ずかしさと気持ちよさと交互に入り混じって何も言えないでいた。
「やぐっつぁん?」
真希が矢口の顔を見ようとするので、矢口は俯いてしまう。
「見るなよ!」
「恥ずかしがるコトないじゃぁん!」
そう言って、真希は矢口の背中をバシッと叩く。
「いってぇ〜!」
「ふふっ。大好きっ!」
真希は、ぎゅーっと矢口を抱き締めた。

矢口と真希の甘い?初体験は、無事幕を閉じたのだった。
178 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月18日(日)12時11分09秒
あぁ、すみません。暫くエッチシーンはないです。
と言うか、この小説には、あんまり必要なさそうな感じだし。

>168 吉胡麻系san
ごめんなさい。いしよし以外で、長場でエッチシーンは初めてでした。
ただ、この2人にもかなり我慢(爆)させたので(w。
この位は・・・。ただ、この小説では、あんまりエロ色強くしたく
ないので、もうないと思われ・・・。分からないですけど。

>169-170 R.S.san
今日初めてですか。まさか最初から全部1000近いスレを読んだんでしょうか?
ご、ご苦労様です。今後共、宜しくお願いします。

>171 真里っぺ♪san
なるべくsageで…(ぼそ。sageにチェック入れていただければ。
ここの、いしよしは・・・あんまりさせたくないんで〜…(もごもご)
他の小説でやりすぎてるから(爆)。エッチシーン書くのもそろそろやめたい
とか思ってたりもするし。
179 名前:1J 投稿日:2001年11月18日(日)20時27分52秒
♪ポキポキポッキー涙出る程ぼ(略。 ……(/。\)イヤン
コ、コメントにならない。あ、出血… この場はとりあえず失礼!(w。
180 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月19日(月)00時21分27秒
うう、甘いはエロいはで・・・。
鼻血がとまらん。
うぅ、意識が・・・、うすれて・・・・。
181 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-29- 投稿日:2001年11月19日(月)23時30分17秒
−29−

「あぁ・・羨ましいなぁ・・・」
バイトが終わって、梨華は、ひとみの部屋にいた。
「何が?」
「ごっちん達・・・」

今日の夜に帰って来る予定の2人だが、お迎えはしないで良いと言う事で
それなら帰って来た時を狙って真希の家に行こうとひとみは考えていた。

「もぅ、ひとみちゃん今日そればっかり言ってるじゃない」
「だぁってさー・・・」
「それより、ひとみちゃん宿題の方は大丈夫なの?」
「なんとかなるっしょ」
相変わらず呑気にひとみは答える。
182 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-29- 投稿日:2001年11月19日(月)23時31分27秒
「そろそろさぁ、私たちの旅行のプランも考えないとね♪」
「ひとみちゃん遊ぶ事ばっかり・・・」
梨華は溜息をつく。
「やっぱり11月にしようか。学祭終わった振り替え休日。
 丁度1年になるしね。記念日だよっ」
「じゃぁ、まだ先じゃない」
「体育祭とか学園祭とか色々行事あるしね。テストもあるしさ」
「結局2人で行くの?」
「それでいいんじゃないの?」
「2人っきりかぁ・・・」
梨華は声に出してみて黙った。
(それって、やっぱり・・・)
1年近く経ってもキスから先に進まない関係を、ひとみはどう思っているんだろう
と、梨華は時々思う。自分ばかり焦ってバカみたいだとも思う。

「梨華がイヤなら、私は梨華には何もしないよ…」
「なっ。そんなコト何も言ってないじゃない!」
梨華は顔を赤くする。
「そうかな?顔に書いてあるよ?」
梨華の腰に手を回すと、梨華の額に軽くキスをする。
「ひとみちゃん…」
「私、キスするだけで幸せなんだよなぁ。おかしいのかなぁ…」
「私だって、幸せだよっ」
梨華もひとみを見つめ返す。
(これじゃぁ私はキスだけじゃ不満みたいじゃない…)
183 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-29- 投稿日:2001年11月19日(月)23時32分15秒
「私、そろそろ帰るね。あんまり遅くなると悪いし」
梨華は急に立ち上がった。
「え?もう?」
ひとみは酷く残念そうな顔をする。
「泊まっていけばいいのに…」
「また、ひとみちゃんがウチに泊まりにくればいいよ」
「うーん・・。じゃぁ家まで送るよ。カワイイ梨華を一人で
 帰す訳にはいかないからね」
そう言って、梨華の肩を抱く。
「平気だよっ」
「ダメ!ウチに来る人はみんな、そうやって帰して来たんだから、
 別に梨華だけ特別扱いしてる訳じゃないよ。ねっ!」
ひとみは、そう言うと梨華の肩を押した。

ひとみの自転車の後ろに梨華を乗せると、ひとみは、ゆっくりと自転車を走らせた。
こうしてる間に、真希達に会わないかと、密かに期待する、ひとみだった。
184 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-29- 投稿日:2001年11月19日(月)23時32分52秒
「あ!!」
前から、仲睦まじそうに歩いて来る人影を発見して、ひとみはラッキー!
と思ってしまう。

「ごっちーん!!!矢口先パァ〜イ!!」
いきなり、ひとみはペダルを勢い良くこぎ出す。
梨華は、慌ててひとみにギュッと抱きついた。

「よっすぃー・・・」
ひとみは急ブレーキで、2人の前に停まった。
「吉澤、危ねぇじゃんか。ゆっくり走ろうな」
「おかえりなさい〜!」
「ただいまっ」

心なしか、2人の顔には笑みが浮かんでいて、ひとみは「ははーん」と
顔がニヤけてしまう。
185 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-29- 投稿日:2001年11月19日(月)23時33分49秒
「吉澤、お前ヘンな想像してんだろっ!」
「私、何も言ってませんよ!」
「取りあえずノーコメントだからな、おいらは…」
「ごっちんはぁ?」
「へへへっ。内緒!」
至極満面の笑みで答える真希に、ひとみは、なんだか聞くのも恥ずかしくて
言葉を失った。
「なぁんか、その顔見てるだけで、お腹いっぱいになりそうだよ…」
「幸せなんだねー。ごっちんも矢口先輩も!」
梨華も、うんうんと頷きながら言う。
「石川も吉澤と、幸せだろー。何言ってんだよ!」
「矢口先輩たちほどじゃぁないですよ」
「何だそりゃ…」

暫く立ち話をして、矢口と真希と別れた。

「なんか見せつけられたって感じだねっ」
やはり、ちょっと羨ましいひとみだった。
「ごっちんも幸せそうだったね。あんなにニコニコしてるごっちんって
 初めてかも」
「うん。ウチらは、焦らずに、ゆっくり進もうね、梨華」
「そうだねっ。ひとみちゃん!」
「じゃぁ、おやすみ!」
そう言ってひとみは、梨華に軽くキスをした。
「おやすみ!」
186 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月19日(月)23時36分03秒
これからは、通常モードです。
一応、予定では金曜まで毎日更新。土日は不在なので休みます。

>179 1J san
涙出る程ですか・・・。すみません。もう出る事も暫くは…。
>180 san
甘くてエロいのが私は好きですが、どうだったでしょう?
187 名前:1J 投稿日:2001年11月20日(火)00時40分36秒
リアルタイムで読めました。ラッキー。
とても幸せそうですね。>まきまり。先を案じてしまうのは、あまのじゃくでしょうか?。
いしよしは、精神的補完でお腹いっぱいの様で、とても「らしい」ですね。
でもまた、挟んでね。>梨華ちゃん。(やっぱ可愛いのです)
P.S. とてもお疲れの様ですね。大事にされて下さい。(おやすみなさい)
188 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年11月20日(火)22時41分19秒
なんだかんだでよっすぃ〜はやぐごまが気になるようですな。
通常モードも大好きッスからこれからも楽しみッス♪
189 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-30- 投稿日:2001年11月20日(火)23時52分08秒
−30−

夏休みも今日で最後になった。
そして、ひとみのバイトも今日が最後。

「短い間だったけど、ご苦労さん!」
そう言って、店長のりんねは、ひとみに給料を渡した。
「ありがとうございます!」
生まれて初めての給料に、ひとみも感動していた。
「また、手伝ってくれていいからさ。いつでも言ってね」
「はい!」
ひとみはペコッとお辞儀をした。
「愛ちゃんは、今後もお願いね」
「はいぃ…」
高橋は浮かない顔で返事をした。
190 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-30- 投稿日:2001年11月20日(火)23時53分15秒
今日でひとみともお別れだ。別にそれは構わないのだが、時々遊びに来る
真希と会えなくなるのが、高橋にとっては辛かった。
(あーあ、これでごっちん先輩とは、また遠くから見つめるだけになるのかぁ…)
そんな事を考えていた高橋に、噂をすれば…真希がタイミング良く入ってくる。

「よっすぃー、お疲れ〜!」
「あぁ、ごっちん…」
「愛ちゃんも、お疲れ〜!!」
「お疲れさまです!」
(ごっちん先輩、相変わらずカワイイなぁ)
高橋は、真希を見ながら、最近綺麗になったとも思う。恋をしているから?
(私も少しは先輩の瞳に映っているのかな?)なんて期待してしまう。

「給料もらったんでしょ!何かおごれ!」
真希はひとみに、ふざけて抱きついた。
「それ目当てかぁ…」
ひとみは苦笑いする。
191 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-30- 投稿日:2001年11月20日(火)23時53分59秒
「私がおごりましょうか!?」
咄嗟に高橋は言ってしまって、後悔した。
(何を言ってるんだ私は・・・)

一瞬真希は「?」顔をしたが、すぐに笑顔になった。
「あははっ。愛ちゃんがおごって、どうすんの〜?」
「そ、そうですよね。あははっ」
高橋もつられて笑った。
「じゃぁ3人で食べに行こうか?愛ちゃんには何かと世話になったしさぁ」
ひとみが提案する。
「で、でも・・」
ひとみは高橋の真希への気持ちを知っているので、気を使ってるのだと
気付き躊躇った。
「まぁ、ごっちんが何でいるのか分からないけどさー、たまにはいいじゃん」
片想いの高橋に、最後に少しでもいい思いをさせてやろうと言うひとみの
配慮だった。
(私が邪魔かぁ・・・(苦笑))
192 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-30- 投稿日:2001年11月20日(火)23時54分54秒
「石川先輩も呼べば?よっすぃー、初給料なんだし、おごってあげなよ!」
「う、うん」

なんで真希にそんな事を言われなきゃいけないのか疑問に思ったが、
梨華と一緒なら嬉しいひとみは即OKした。

しかし、すぐにひとみは高橋を誘った事を後悔をする。
とにかく、真希は矢口の話ばっかりするのだ。それはそれでいいのだけれど。

「もぅ、ごっちんノロけてばっかじゃん!愛ちゃん困ってるでしょ!」
少しは気付いてやれ!と思うひとみだったが、それは無理と言うモノか。
高橋も、曖昧に笑っている。
見かねたひとみは、高橋がトイレに立った隙に、自分も高橋の後を追った。

「ご、ごめんね。何か却ってツラくさせちゃったかな…」
ひとみは申し訳ないと言った感じで謝った。
「い、いいんです。あんな幸せそうなごっちん先輩見てると、私も
 なんか嬉しいです。ちょっと複雑ですけど・・・」
「ホントにごめんね」
「謝らないで下さい。よっすぃー先輩の気持ちも嬉しいですよ。
 だって、もう明日から、こんなに近くで先輩の事見てられないし…」
「そんなコトないって。いつでも遊びに来てよ」
「はい」
そうは言っても、気軽に顔を出せない事くらい、ひとみが一番良く知っていた。
相変わらずひとみを取り巻く連中は、多いのだから。

「何、2人でコソコソしてんの?怪しいなぁ…」
まるで自分とは関係ないと言った当人の真希が割り込んで来た。
「怪しくないってば…。じゃぁお先にね!」
ひとみは高橋の肩を叩くと先に出て行った。
193 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-30- 投稿日:2001年11月20日(火)23時56分32秒
「ひとみちゃん何話してたの?」
戻って来たひとみに、梨華は聞いた。
「いろいろと・・・。何か余計なコトしちゃったかなぁ。愛ちゃんに」
「ひとみちゃんが考えたって仕方ないよ」
「そうだけどさー」


「吉澤先輩だぁ・・・」
トイレから戻って来るひとみを目ざとく見つけた紺野は呟いた。
小川も紺野が見ている方向に視線を向けた。
「あ、ほんとだ」
丁度、ひとみが梨華と向かい合わせで座るところだった。
「はぁぁぁ、相変わらず吉澤先輩はカッコいいなぁ…」
溜息をつく紺野に小川は苦笑した。
「紺ちゃん、挨拶してくればいいじゃん」
「石川先輩いるもん…。あぁああ…」

紺野が間抜けな声を出したので、小川もまた視線をひとみのいる方に戻した。
真希と高橋が戻ってくるところだった。

「また、あの2人一緒じゃん。なんなの?」
小川は疑問に思う。またしても矢口がいない時に・・・。
「高橋先輩って、後藤先輩なのかなぁ…」
「吉澤先輩じゃないの?」
取り巻き連中にいると紺野から聞いていたので、てっきり小川は高橋の
目当ては、ひとみだと思っていた。

「吉澤先輩目当てなのは、高橋先輩の友達の方だよ」
「じゃぁ、なんで高橋先輩は、一緒にいるの?」
「……それが、分かんないんだよねぇ…」
相変わらずボーッとしながら紺野は答えた。
本当に分かってないのか? と、小川は紺野を見ながら思った。
194 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月21日(水)00時03分00秒
何か新メンばっかり出て来ちゃいますね。すみません。
別に好きでも嫌いでもないんですけどね。
なんか、いしよしシーンが殆どなくなっている…。
ちょっと入れなきゃ来週は(苦笑)。

>187 1J san
今が、幸せの絶頂だとは、思いたくないですね。>まきまり
いしよしは、どうでしょう?この先。よっすぃーより梨華ちゃんの方が(w。
おお、挟みますとも!梨華ちゃんは(爆)。
昨日は、松たか子さんのライブだったので(激萌え〜)帰りが遅かった
んです。素晴らしかった!!

>188 真里っぺ♪san
よっすぃーは、他人の心配より自分の心配をしろって感じですが。
195 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-31- 投稿日:2001年11月21日(水)19時17分38秒
−31−

始業式―――

「あ〜ぁ、また始まっちゃったねぇ…」
ひとみは、のんびりと真希に言った。
「ねぇ、それより宿題写させてね。今日、よっすぃーんち行くから!」
「もぅ、たまにはちゃんとやれよ〜!自分の為にならないじゃん」
珍しく、ひとみがまともな事を言う。

「だってさぁ…。私は残り少ないやぐっつぁんとの生活の方が大事なんだもん」
「はいはい・・・」

それにしても2学期は行事が多い。ただでさえ忙しいのに、ひとみは体育祭では
応援団長をやらされ、学園祭では、ミュージカル風のダンスの主役らしい。
全部勝手に決められた事だった。
そして・・・

「吉澤、悪いんやけど、図書委員やってもらえへんか?」
「はぁ〜?」
中澤に呼ばれたひとみは、思わず聞き返した。
「なんで私が???」
「図書委員やってたコが1学期で転校してしもうてな、1人足りんのや。
 吉澤がやってくれると助かるんやけどなぁ」
「だから、なんで私なんですか?」
「今、本離れも進んどるやろ。だから、ここは吉澤がやれば少しは
 本借りる生徒も増えるやろうと思うてな…。まぁ宜しく頼むや!」
中澤は、ひとみの肩を叩くと、職員室に戻ってしまった。
196 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-31- 投稿日:2001年11月21日(水)19時18分32秒
「けっ!なんでもかんでも私に押し付けやがって!!」

と言ったものの律儀なひとみは、取りあえず言われた通り、図書室に出向いた。
そう言えば、図書室なんて殆どひとみは利用した事がない。
そっとひとみは扉を開けた。

シーンと静まり返った図書室に、何故かひとみは緊張を覚えた。
(ま、こういうの嫌いじゃないけどね…)
ひとみの歩く音だけがキュッキュッと響く。そして受付に目をやる。

「あ・・・」
小さく声をあげたひとみに、高橋も顔を上げた。
「よっすぃー先輩……」
「愛ちゃん、図書委員だったんだ?」
「はぃ」

ひとみは少し安心した。全く知らない相手よりも気が楽だ。
それより、図書委員を真希に押し付けるのも手だと、ひとみはふと思いついた。

「中澤先生に言われたんですか?」
「うん、勝手にさぁ。押し付けられちゃって…。でも良いこと思いついたから
 愛ちゃんはラッキーかもよ?」
そう言って、ひとみはウインクをした。
197 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-31- 投稿日:2001年11月21日(水)19時19分20秒
「えー???なんで私がぁ?」
ひとみに図書委員の話を振られて、真希は怪訝そうな顔をした。
「だって、よっすぃーに話振られたんでしょ?」
「たまたまあの場所にいたからだよ。中澤に言ったら、ごっちんでもいいって
 言われたからさー」
「私だって、忙しいんだよっ!」
「私よりは、全然ヒマでしょ!部活にも入ってないし、体育祭だって何もやらない
 じゃん」
「昼休み潰れるのが痛いなぁ・・・」
「じゃぁ、宿題見せてやんない!」
そう言って、ひとみはノートを真希から取り上げようとした。
「あ!だめ!だめ!!」
「じゃぁ引き受けてくれる?」
「…分かったよ・・・。まぁ相手が愛ちゃんなら、いっか…」
渋々真希はOKした。
198 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-31- 投稿日:2001年11月21日(水)19時20分33秒
「ごっつぁんが図書委員?」
矢口はそれを聞いて笑い転げた。
「全然似合わねぇなぁ。きゃははっ」
「しっつれいだなぁ…。私だって本読むコトあるよ!」
真希はムッとして言い返す。

「どうせ、マンガだろ?」
「…まぁね」
「たまには、おいらも顔出すからさぁ。気を落とすなよ」
矢口はまだ、笑っていた。
「落としてなんか・・・」
「それより、早く写しちゃえよ!」
ひとみから夏休みの宿題を借りて、矢口の家で写しているのだが
一向に進まなかった。

「ねぇ、その前にさぁ・・・」
真希は急に甘えた声を出すと矢口に擦り寄って来た。
「な、なに?」
矢口はドキンとする。
「ふふっ。カワイイ。今、一瞬期待したでしょ?」
真希はいたずらっぽく言うと、ニーッと笑った。
「バ、バカ!別に期待なんか、してねぇよ!」
真希を軽く押しやると、矢口は、ベーッと舌を出した。

「そっか。じゃぁいいや」
真希は、何事もなかったかのようにノートをまた写し始めた。
199 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-31- 投稿日:2001年11月21日(水)19時21分24秒
(ちっ。そう言われると気になるじゃんかよ!)
矢口は、真希を後ろから羽交い締めにすると、そのまま押し倒した。

「お、お姉ちゃん何してんの?」
丁度、おやつを持って来た妹に、その姿を見られて、矢口は

「プ、プロレスの技かけてた・・・」
苦しい言い訳をした。
「それより、ノックぐらいしろよな!!」
妹は疑わしい目で矢口を見ながら
「したけどさぁ・・・何も返事なかったもん。…真希ちゃん気をつけてね。
 お姉ちゃん、時々ヘンだから・・・」
「余計なお世話だよ!用済んだらとっとと出てけ!」
「はいはい」と言いながら、妹は出ていった。

「やぐっつぁん、昼間っからいやらしいんだから!」
真希は、おかしそうに、あははっと笑う。
「後藤から、仕掛けて来たんだろっ!」
矢口は悔しいやら恥ずかしいやらで顔を真っ赤にさせた。
「昼間っから、お家でってのは、さすがにヤバイよ、やぐっつぁん」
真希は矢口の耳元で囁くと、耳を噛んだ。
「ぁひっ…」
「また2人で、旅行に行こうね!」
そう言って、真希は矢口にキスをした。
200 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月21日(水)21時48分11秒
たくさん更新されていて嬉しいっす!
ごっちんが図書委員・・・。(w
愛ちゃんは似合ってる感じがしますね。
201 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-32- 投稿日:2001年11月22日(木)23時52分08秒
−32−

昼休み・・・。
真希は、かったるそうに図書室の扉を開けた。
(ぅわー静かすぎて私には合わないや・・・)
静寂の中、真希は早くも図書委員を引き受けた事を後悔していた。
大体、図書室がどこにあるのかも、分からなかったし、当然初めて
足を踏み入れたのだった。

(受付って?・・・)
酷く自分が場違いな所に居る気がして、真希は一瞬足を止めた。

「・・・??」
いち早く真希に気付いた高橋は、何故真希が居るのか疑問に思った。
真希も高橋に気付くと、ホッとしたように高橋に近づいていった。
202 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-32- 投稿日:2001年11月22日(木)23時52分52秒
「良かった。愛ちゃんが居て・・・」
「先輩・・・」
高橋の隣りに腰掛けると、真希は、小さな声で言った。
「よっすぃーに言われてさぁ、私が図書委員にされちゃったんだよ」
「そうなんですか?」
高橋は目を見開いた。
(め、めっちゃ嬉しいんですけど!!)
ひとみの言った『良いコト』とは、この事だったんだと高橋は気付き
ひとみに感謝したのだった。

「愛ちゃん退屈じゃないのぉ?」
既にだれ始めている真希は、高橋に話しかけて来た。
「全然です!」
元々図書委員なんて殆ど座ってるだけのようなもので、退屈極まりないのだが
隣りに憧れの真希が座っているとあっては、高橋は退屈どころか至極幸せなのだった。
くじ引きで負けて図書委員にされた時は恨んだ高橋だったが、今は逆に感謝していた。

「眠くなっちゃうよねぇ・・・」
「私はドキドキしてます…」
「ん?」
「あ、いえ、なんでもないです」
「愛ちゃんってさ・・・」
真希は俯せになりながら、高橋を見つめる。
「はぃ?」
「良く見ると、カワイイね・・・」
真希に言われて、高橋は自分でも分かる位、頬が赤くなるのが分かった。
「そんなコトないですよ!」
高橋は慌てて真希から視線を外した。
「そうかなぁ。もっと自信持っていいんじゃない?
 愛ちゃんの好きな人って、誰か知らないけど…。可愛いよ」
「・・・」
203 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-32- 投稿日:2001年11月22日(木)23時54分01秒
何て罪作りな人なんだろうと、高橋は思う。
そんな事を言われて高橋の胸は切なくなるのだ。
黙り込んでいる高橋に気付き、真希は付け足した。

「ゴメンね。勝手なコト言って。でも、そう思ったからさ」
「…片想いなんです。その人には付き合ってる人がいるんで…」
高橋は、たまりかねて、つい言ってしまった。

「そ、そうか。ゴメンね。また余計なコト言っちゃったかな。
 片想いかぁ・・・」
まさか、その相手が自分だとは知る由もない真希は素直に謝る。
自分の気持ちに気付かれちゃいけないと高橋は思う。
この話は、もう終わりにしなくては・・・。
「ごっちん先輩が気にするコトじゃないですよっ。もうこの話はやめましょう」
204 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-32- 投稿日:2001年11月22日(木)23時54分37秒
その時、図書室の扉が勢い良く開いて、矢口が顔を出した。
俯せていた真希は、パッと起き上がると満面の笑みを浮かべる。
「やぐっつぁん!!」
「おぅ〜!」
片手を上げて、矢口が近づいてくる。

「後藤がちゃんと仕事してるか見に来てやったんだけどな」
「ちゃんとやってるよっ。ね?愛ちゃん??」
「え?は、はい・・・」
急に話を振られて、高橋は頷いた。
「ホントかよ。高橋、後藤をビシビシしごいてやっていいからなっ」
「余計なコト言わないで!」

矢口が来て急に図書室が騒がしくなった。
「しーっ!!!」
周りの生徒から睨まれて、矢口達は黙り込んだ。
「まぁいいや。じゃぁ、あとでな!」
そう言って、矢口は出て行った。

高橋は矢口を見て、羨ましいと思う。それは妬みとかではなく本当に。
2人の仲を割ってまで自分が入り込む余地はないと、いつも2人を見ていて
実感するのだが、それでも、やはり真希の事が好きだった。
(切ないなぁ・・・・) 

「愛ちゃん元気ないねぇ?大丈夫??」
「はい。大丈夫ですよ」
高橋は曖昧に微笑むのだった。
205 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月22日(木)23時57分43秒
更新です。

>200 吉胡麻系san
いつもレスありがとうれす。
高橋も、頑張らないと小川に・・・???
206 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-33- 投稿日:2001年11月23日(金)14時40分35秒
−33−

それから、さらに1ヶ月が経ち、体育祭も間近になってきた。
ひとみは、応援団の練習やらで忙しい毎日が続いている。
おまけに、学園祭の方もあってひとみはキリキリしていた。

ひとみの詰め襟姿を見て、ひとみを取り巻く連中は黄色い声をあげているのだが
紺野も、こっそりと見つめていた。そこには、何故か真希の姿もあった。
付き合わされている小川も、最近では真希にも興味がある様子だった。

「後藤先輩も、似合うねぇ…」
うっとりと言う小川に、紺野は
「まこっちゃん、最近、後藤先輩の名前ばっかりだね。矢口部長は、いいの?」
珍しく紺野に突っ込まれる小川は
「矢口部長も好きだけど、後藤先輩も、またカッコいいんだなぁ…」
「気が多いんだから・・・」
紺野はボソッと呟く。
「だって、紺ちゃんは、吉澤先輩と良い思いしてんじゃん。
 私なんか、後藤先輩には睨まれるし矢口部長だって、気遣ってるみたいだから
 あんまり話してくれないし、つまんないよ」
睨まれてる割には、小川は気にしていない様子だ。それは羨ましいと紺野は思う。
それが自分だったら、かなり落ち込む事だろう。
207 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-33- 投稿日:2001年11月23日(金)14時41分49秒
「チアガールとは、まだ一緒にやらないんですか?」
ひとみは、それ目当てだったのに、ずっと個別に指導されて、ガッカリしていた。
チアガールには、梨華が入るので、ひとみは応援団を引き受けたようなものだ。
「それよりさー、なんで私もやらされる訳ぇ?」
真希も、ヒマだからと言う理由で、いつの間にかメンバーに入っていた。
「やー、ごっちんも、かなり似合ってるよ!」
「そんなんでほめられてもね・・・。よっすぃーのファンばっかりじゃん」
真希は退屈そうに、ひとみに集中している生徒に目を移した。

「ほら、紺野さんとか、いるよー。あぁ・・・小川さんもいる・・」
そして、更に高橋も。何気なく目が合うと、真希は手を振った。
高橋もぎこちなく手を振りかえしている。
(愛ちゃんも、よっすぃー目当て?好きな人って・・・よっすぃー?)
真希は急に閃いた。そう言えば、高橋の好きな人には既に付き合ってる人が
いるって言っていた。
(そうか、そうなんだ。よっすぃーじゃねぇ・・・)
真希は勝手に納得すると、急に高橋が健気に思えて来るのだった。

まさか真希が勝手に、そんな想像をしているとは知らずに高橋は
(ごっちん先輩、カッコいい!)
一人ワクワクしているのだった。
208 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-33- 投稿日:2001年11月23日(金)14時42分28秒
「あー、後藤先輩、高橋先輩だけに手振ったぁ…」
明らかに不服気味に小川は言う。
「だぁって、まこっちゃんは矢口部長でしょぉ?
 今更、後藤先輩だって思われるハズないじゃん」
「やっぱり、高橋先輩は、後藤先輩目当てなんだね、きっと」
「どうして?」
「目見れば分かるじゃん。後藤先輩しか見てないもん」
さすがに小川は良く見ている。
「そうかなぁ・・・。でも後藤先輩だったらライバル少ないもんね」
紺野は、ひとみじゃなければ、どうでもいいらしく適当に答えた。
209 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-33- 投稿日:2001年11月23日(金)14時43分10秒
やっと練習が終わって帰る頃には、すっかり暗くなっていた。

「ごっちん、どうする?何か食べて帰ろうか?」
「んー、そうだねぇ…」

今日は矢口は用事があるし、梨華はバイトなので2人はすぐに同意した。

「私たちも一緒して、いいれすか?」
げ!その声は・・・
ひとみは振り返ると・・・中学生軍団が、わらわらと・・・。
ひとみはめまいを起こしそうになった。
辻に加護に、紺野に小川に、高橋まで・・・
「なんで、そんなにいっぱいいるの!!」
ひとみはひきつりながら言った。
210 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-33- 投稿日:2001年11月23日(金)14時44分12秒
「いっつも、石川先輩とかおってなぁ、あんまりよっすぃー先輩達と
 お話出来んからぁ・・・たまには、えぇんやないかと…」
「全然良くないって・・・」
助けを求めるように、ひとみは真希を見るが、真希は知らん顔。
「私、家に帰ろうかなぁ…」
「「えー??」」
小川と高橋が同時に声をあげた。
小川は高橋を瞬時に見る。
(やっぱり!!!)
しかし、当の真希は、気付かずに
「どうせ、よっすぃー目当てばっかりじゃん。子どもの相手は疲れるしさぁ」
その一言で、真希目当ての小川と高橋はショックを受ける。
辻や加護と一緒にされるのは、かなりイヤらしい。

小川は、真希の腕を取ると
「私は、後藤先輩贔屓なんですよ!」
「え???」
意外と言った感じで、真希は小川を見た。
突然のライバル?出現に、高橋は目を見張った。
「小川さんは、やぐっつぁんファンでしょ?」
「最近は、後藤先輩も憧れてるんです!」
調子の良い返事に、真希も苦笑いする。

積極的な小川に、高橋は唇を噛んだ。

辻と加護は、ちゃっかりひとみの両腕に自分の腕を絡めている。
一足遅れた紺野は、ボーッとして見ていた。

諦めた様子のひとみは、既にファミレスに行きかけていたが・・。
「ごっちん、なんだったら、小川ちゃんと愛ちゃんは、任せるよ」
「えー?一緒に行くってば!」
真希も仕方なしに答えるのだった。
211 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-34- 投稿日:2001年11月23日(金)14時46分49秒
−34−

7人も集まると、姦しいどころではなく、ただの騒音のように
にぎやかだった。尤も、一番うるさいのは、辻と加護…。

「そう言えば、よっすぃー先輩、学園祭の話聞きましたよぉ!」
もうそろそろ練習に入るのだから、知ってて当然である。
「私も、先輩の相手役になりたかったれす…」
辻が食後のアイスクリームを食べながら答えた。

「相手役は、小川ちゃんだもんねぇ…」
「あぁ・・・はい!」
早くも抜擢されて、紺野は羨ましく思う。
「紺野ちゃんも残念やったなぁ…」
加護は他人事のように言う。
「やっぱ、あの噂が尾を引いてるの?」
「えぇ?あれは別に関係ないじゃん。もう気にしてないけど。
 紺野さんだって、気にしてないでしょ?」
ひとみに振られて、紺野は慌てて返事をした。
「は、はいぃ。気にしてないです。全然!」
212 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-34- 投稿日:2001年11月23日(金)14時48分39秒
「学園祭の前に、体育祭があるでしょ!」
「んなの、かったるいなぁ。早く終わればいいのに…」
真希は元来面倒臭がり屋なので、今回のように応援団員にされた事だって
かなり不愉快なのだった。

「そんなコトないですよ!後藤先輩の詰め襟姿、めっちゃカッコいいです!」
小川がすかさずフォローする。
その度に、高橋は気が気でなかった。
(私だって、言いたいのに・・・)
「そんな奇特なコト言ってくれるのはねぇ、小川さんぐらいだって」
真希は、笑って答えた。
「矢口部長だって、言ってくれますよ!」
「やぐっつぁんは、あんまり、そういうコト言わないからね」

ひとみは、気にして高橋の様子を見ているが、まさか小川も真希狙いだったとは
知らなかったので、ひとみも、意外な展開だと思っていた。
さすがのひとみも、いっぺんに5人も後輩を引き連れた事は過去になかったので
全員に目を配る事が難しかった。
それでも、おのおの勝手に喋ってくれているので、ひとみは辻を掴まえた。
213 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-34- 投稿日:2001年11月23日(金)14時49分30秒
「辻はさぁ・・・」
「なんれすか?」
まだ、食べたりないのか、メニューを見ている辻は顔を上げた。
「飯田さんと付き合ってるの?」
「えぇ?何言ってるんれすかぁ。そんなんじゃないれすよ」
なんだ、違うのか。自分の恋愛を棚に上げて最近、他人の恋愛に首を
突っ込みたがるひとみは、気になっていたので聞いてみたのだが
勘が外れたようでガッカリした。
「たまに、相談に乗ってもらったりしてるんれす」
「辻でも、悩みあるんだ…」
「そりゃぁ、ありますよぉ!どうやったら、お腹のお肉がつかなくなるとか…」
ひとみは苦笑する。
「でも、いいらさんも忙しいから、あんまり会えないんれすけどね」
確かに辻と飯田では、姉妹のようにしか見えないけれど・・・
「ののは、いいらさんのコト・・・凄く好きれすけどね」
ぽそっと辻は言うと、またメニューに目を移した。

ひとみが辻に、また言いかけたところで、真希に話を振られてしまう。
「よっすぃー、なに、辻ちゃんとヒソヒソ話ししてんの?」
「え?いや、なんでもないよ…。あの、愛ちゃんは、ちゃんと話してる?」
高橋のコトも気になるひとみは、高橋に話を振ったのだが・・・

「喋ってますよ」
高橋は控えめにいう。

(私にも話しかけて欲しいのに・・・)
紺野は、何か言いたげな顔で、ひとみを見つめていた。
214 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-35- 投稿日:2001年11月23日(金)15時06分29秒
−35−

ひとみがトイレに立ったと同時に紺野の隣りに居た小川が紺野の足を蹴る。
「痛っ……」
紺野は顔をしかめると小川を見る。
小川が「行け!」と言う顔をする。紺野は渋々ひとみの後を追った。

(私に出来るかなぁ・・・)
小川の作戦?通り、ひとみとどうにか2人っきりになった時に演技しろと
言われ、ひとみの様子を窺っていたのだが。

不安そうにトイレに入った紺野だったが、どうしようかと思い
逆に、また心臓がドキドキしてきた。
(はぁ〜・・・ホント、まこっちゃんの考えるコトは・・・)
そんな事を考えていると、ひとみが出て来る。

「どうしたの?・・・」
ひとみは手を洗いながら、紺野に優しく訊ねた。
「あ、あのちょっと気分が・・・」
小川に言われた通り、紺野は気分の悪そうな声を出し、わざとふらついて見せた。
と言うより、ひとみと2人きりになって、既に紺野の心拍数は上がっていたのだが…。

「大丈夫?」
顔を赤らめている紺野に、ひとみはすぐさま紺野の額に手を当てる。
それだけで、紺野は・・・
「こ、紺野さん???」
215 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-35- 投稿日:2001年11月23日(金)15時29分50秒
ひとみが紺野を抱きかかえる格好でトイレから出てくると
「私、紺野さん家まで送って行くから、あと、ごっちん任せるね。
 時間も、もう10時回ってるしさぁ」
「ちょ、ちょっと、よっすぃー!!」
「早っ」
ひとみの行動の早さに小川は感心する。と同時に紺野の演技が、そのまま
演技ではなく本当に気を失ってしまうところは、さすがの小川にも出来ない。
(紺ちゃん、相変わらずオイシイね)

「最後の最後で、よっすぃー先輩独り占めやん」
加護が半ば感心したように紺野を見ている。
「体育館の裏の時も、あんな感じだったんれすかね〜」
辻も呑気に言っている。

会計を済ませたひとみは、一足先に紺野をおぶって帰ってしまった。

残された真希は・・・
(かぁーーー4人も、どうすんのよ…)
「辻ちゃんと加護ちゃんは勝手に帰ってね」
「ぅわっ。矢口先輩と同じく冷たいれすねー」
「方向違うでしょー!!」
「自分のファンだけ囲っちゃって、ごっちん先輩もヤラしいねんなぁ」
「ヘンな言い方しないでよ!」

「そっそうですよ!私、別にファンなんかじゃ…」
高橋もつられて反対の事を言ってしまう。
「私は、後藤先輩のファンです!」
小川は素直に反応する。
「…あ、ありがと・・・」
ガラにもなく照れる真希に加護が茶化した。

「矢口先輩にチクらんと、あかんねんなぁ〜」
「もぉー!お前らうるさいよっ!!」
真希は、握り拳を作って2人に殴る真似をする。
こんな2人の相手をしている矢口はホントにご苦労様だと言いたい真希だった。
216 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-36- 投稿日:2001年11月23日(金)16時07分33秒
−36−

「あ゛、私 紺野さんの家知らないじゃん…」
肝心な事を思い出して、ひとみは近くの公園のベンチに紺野を
座らせると紺野を起こそうとしたが…

「起こすの可哀相か・・・」
(住所の分かるもの…。生徒手帳!)
ひとみは紺野の生徒手帳を探し出すと住所を見た。
(あ゛、この写真・・・)
中から、ひとみの写真が出て来て、ひとみは思わず声をあげた。
(あんまり写り良くないんだよなぁコレって…って、そんなコトはどうでもい〜じゃん!)
住所を見たものの、ひとみは良く分からなかった。
梨華の家より1つ先の駅だったのは覚えているけれど。
結局、起こした方が早いので、ひとみは紺野を揺り起こした。

「紺野さん、起きてぇ〜!」
しかし、紺野は目を閉じたままだ。
単に寝てるだけにも見えるが・・・。

(ふぅ〜ん…。結構寝顔カワイイ…)
ひとみの中にちょっと悪戯心が生まれた。
ひとみは紺野を抱き寄せると耳元で囁いた。
「あさ美ちゃーん!朝だよぉぉ〜〜!!起きろぉ〜〜!!」
"朝"と言う言葉に紺野は反応したのか、すぐに目を開けた。
そして、ひとみと目が合う。
「吉澤先…輩……」
紺野は夢を見ているのかと錯覚する。
実際、紺野は何度となく、ひとみの夢を見ているのだから。
217 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-36- 投稿日:2001年11月23日(金)16時09分17秒
「良かった。起きた♪」
ニッコリ微笑むひとみに、コレは夢ではないと分かると、紺野は弾かれたように
ひとみから、離れようとした。
「わっわたし・・・」
(なっなんで吉澤先輩の腕の中に???)
紺野は、まだ状況が良く飲み込めていなかった。

「もートイレでいきなり倒れるんだもん。ビックリしたよー」

(思い出した…。まこっちゃんに言われるまま具合悪そうにしたら
 ホントに倒れちゃったんだ!)
「すっ、すみませんでした」
紺野は申し訳なさそうにシャツの袖を掴みながら謝った。

「それはいいんだけどさ〜、紺野さんちって、どこ?」
ひとみが、自分の生徒手帳を持っているのを見て、紺野は慌ててそれを奪い取った。

「あっ、ごめん。勝手に見て…。住所知りたくて」
(ガァ〜〜〜ン。中も当然見られちゃった!?(泣))
「いえ…。あの…中も見ました?」
恥ずかしそうに言う紺野に、ひとみは頷いた。
「うん…」
(ハァ〜〜〜〜・・・(泣))
酷く紺野が落ち込むのを見て、ひとみは申し訳ない事をしたと実感した。
勝手に見たひとみが悪いのだから、責められても文句は言えない。
「ゴメンね。じゃぁお詫びに…」

ひとみは、何を思い立ったのか、立ち上がると紺野を連れて駅前のゲーセンに
立ち寄り、プリクラに入る。
驚く紺野に、ひとみは「いいから」と促し紺野と顔を寄せるとピースなどを
しながらボタンを押した。
「んー、まぁコレでいいか」
出て来たプリクラを取り出すと
「お詫びにも、ならないけど…」
と言って、紺野に渡した。
あっと言う間の出来事で紺野は呆然としていた。
218 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-36- 投稿日:2001年11月23日(金)16時10分05秒
「具合悪いの治った?」
「…ハ、ハイ」
そんな事、すっかり忘れていた・・・。

「ごめんなさい、先輩・・・」
「なにが?」
「写真…勝手に・・・」
紺野が持っていた写真は去年の体育祭の時の全校生徒が買えるヤツである。
ひとみのファンの子が持っていても別に不思議ではなかった。

「あ、別にいいんだけど、あれ写り悪いからさ〜」
ひとみは照れくさそうに頭をかいた。
「そんなコトないです。吉澤先輩、いつもカッコいいです」
「ありがと」
「体育祭も学園祭も頑張って下さい!応援してます!」
「うん。でも、紺野さんも出るじゃん」
「はい。吉澤先輩の足を引っ張らないように…」
ひとみは苦笑いすると時計に目をやった。

「すっかり遅くなっちゃったね。家の人平気?」
心配そうに訊ねる。
「大丈夫です。もう1人で帰れますから」
しかし、ひとみは
「家まで送るよ」
そして、紺野の荷物を持とうとする。
「いっいいです!先輩に、もう迷惑かけられません」
「ここまできたら、大して変わんないって。それに紺野さん家も知っておかないと
 また倒れた時運べないから…」
と言って笑った。

また倒れた時には、ひとみのお世話になるのかと思うと、不謹慎ながら紺野は
嬉しくなる。

「先輩・・・」
紺野は胸が熱くなる。元はと言えば、ひとみを騙したようなものなのに、ここまで
優しくされると、紺野のひとみへの想いはより一層深くなってしまう。
(――ツライです。吉澤先輩・・・)
219 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-36- 投稿日:2001年11月23日(金)16時11分01秒
「へぇー、ここなんだ」
紺野の家は、閑静な住宅街の中にあった。
「挨拶しなくても平気かな?」
「だっ大丈夫です」

本当は門限の10時はとっくに過ぎていて、紺野は母に怒られるのを覚悟だったのだが
ひとみに、そこまでさせるのは、さすがに気が引けた。
しかし、家の前の気配で気づいたのか、紺野の母が出て来た。

「あさ美!何時だと思ってるの!!連絡くらい入れなさい!」
それを聞いて、ひとみがすかさず入って来る。
「あさ美さんのお母様でいらっしゃいますか?夜分遅く申し訳ありません。
 高等部1年の吉澤と申します。あさ美さんとは部活で一緒なんですが…」
ひとみがペラペラと母と話してるのを横で紺野は聞いていた。

「…私の責任ですので、あまり叱らないであげていただけますか?」
紺野の母は、ひとみが名乗った時点で、すでに怒っていなかった。

「吉澤さんの事は、あさ美から良く存じ上げておりますのよ。 
 実物も、ホント、素敵なお嬢様ですわね」
紺野の母は別の意味で感激しているようだった。
紺野は恥ずかしくなり、これなら怒られた方がマシだったと後悔した。

「今夜はなにぶん遅いですので、失礼致します」
何とか、ひとみは家にあがっていけと言う紺野の母の誘いを断ると、
やっと解放された。
帰り際、紺野が「ごめんなさい。おやすみなさい」と言っているのが見えた。

「はぁー疲れた。長い1日だった…」
ひとみは呟くと、梨華に電話をした。
「ゴメン。遅くなっちゃった。これから行くよ」
そう言って電話を切った。
220 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月23日(金)16時13分52秒
>206-219
第33話〜36話まで一気に更新しました。いしよし度0…。
次は、ひさぶりに少しは甘めに書いてみようかな。
次の更新は、いつになるか分かりませんけど。
221 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-37- 投稿日:2001年11月23日(金)18時16分07秒
−37−

週末。ひとみが梨華の家に泊まる事は、もう恒例化していた。
純粋に泊まるだけ・・・。
体育祭や学園祭の練習で、殆どひとみと会う時間は限られている。
朝の登校と昼休みだけ。
なので、週末のお泊まりは、貴重なのに、それもひとみは疲れた
からと言って、すぐに寝てしまう。
(一体、私は・・・。今日もひとみちゃんが、そうだったら寂しいな)

インターホンが鳴ると、ひとみが入って来た。
「ひとみちゃん・・・」
「梨華ぁ。会いたかったぁ!」
梨華をギュッと抱きしめながらひとみが言った。

「随分遅かったね?」
「…うん。紺野さんが倒れちゃってさぁ、家まで送って来たんだよ」
「紺野さんって、部活の後輩の・・・」
例の保健室事件の彼女だ。
(ひとみちゃんが誰にでも優しいのは知っているけれど。家まで送ったんだ。)

「気になる?」
「別に・・・」
梨華は、気にならない風に装った。
いちいち、こんな事ぐらいで気になっていたら、ひとみの彼女は務まらないのは
さすがの梨華も分かっていた。
222 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-37- 投稿日:2001年11月23日(金)18時17分04秒
「なぁんだ。少しは妬くかと思ったのになぁ…。
 ねぇ、もう梨華はお風呂入ったの?」
「うん」
「じゃぁ、私も入ろっかな…。もう後輩5人も引き連れて相手すると疲れるよ」
ひとみはそう言うと制服のネクタイを緩めた。
ひとみがお風呂に入ったら、きっと、そのまま寝てしまう。
だって、もう時間は11時近い・・・。

「あ、あのさ、ひとみちゃん!何か飲み物飲まない?」
少しでも、ひとみと話をしたくて、梨華は引き留めた。
「うん。いいけど?」
しかし、ひとみの目は既に眠そうだった。
梨華はお茶をいれながら、ひとみに言う。

「旅行の話・・・進んでる?」
「…あぁ。そろそろ決めないとだね。梨華は行きたいとこある?」
「私は、ひとみちゃんとだったら、どこでもいいけど…」
「私も梨華とだったら、どこでもいいよ!」
「それじゃぁ話が進まないじゃないよぉ」
いつも、ここから先の話に進まなくて終わってしまうのだ。
「"じゃらん"かなんか買って見てみようか…。でもさぁ
 行事が一通り終わらないと、やる気出ないねぇ…」
ひとみは伸びをすると、眠そうに目をこすった。
223 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-37- 投稿日:2001年11月23日(金)18時17分53秒
今日は後輩相手に、さすがのひとみも、そぅとぅ疲れている様子だ。
この分だと、今夜も何もなく終わりそうな気配・・・。
って、私って、何を期待してるんだろう?
これだけ何もなく過ごすと期待するだけバカみたいと言うか、
ひとみには、自分に対して欲望と言うモノがないのだろうか?と思えてくる。
または、自分だけ期待しているのがバカらしくなると言うか・・・。
今日も、そんな事を考えながら、鈍感なひとみにも分かるように
「その気にならない彼氏をその気にさせる方法」とか言う雑誌の見出し
タイトルが見えるように、何気なく置いておいたりする。
気づくか、どうかは別にして・・・。

「梨華、どうかした?」
無意識に深く考えていたらしく、難しい顔をしていたらしい梨華に
ひとみは心配そうに顔を覗き込んでいた。

「ぅうん…」
「ゴメンね。遅くなったから、梨華も疲れちゃったね。先に寝ていいよ」
ひとみは気を利かせて言ったようだが、梨華は早くも落胆してしまう。
(ひ、ひとみちゃん、それじゃぁ・・・(涙))
「どうした?」
ひとみは慌てて立ち上がると梨華の側に寄っていった。
「ひとみちゃん、全然分かってない!」
梨華はひとみに当たると、ベッドの方に行ってしまう。
224 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-37- 投稿日:2001年11月23日(金)18時18分38秒
「梨華???」
ひとみは梨華を追うと、後ろから抱きしめた。
「梨華のコト…まだまだ分かってないかなぁ。ゴメンね」
そんなに素直に謝られると梨華としても返答に困ってしまう。
これは、自分の我が儘も入っているのだから・・・。
ふと、ひとみが視線を落として、さっき見えるように置いた雑誌が目に入る。

(・・・ん?これは???彼氏をその気って・・・?それって私のコト?)

さすがに鈍感のひとみにも理解出来て・・・。

(もしかして、梨華・・・???)

ひとみは、急に梨華を意識してしまうと、心臓の鼓動が早くなるのが
梨華に気づかれやしないかと心配してしまう。
沈黙があったりするとヤバイのだ。

「り、梨華?」
声が裏返ってしまって、これではバレバレである。
「お風呂入ってくるね…」
ひとみは梨華から離れると、いそいそと浴室へと行ってしまった。

(ひとみちゃん、雑誌に気づいたのかな?)

急に態度が変わったので、多分、気づいたハズ・・・。
ひとみが、どう行動に出るか、梨華は想像してみた。

(でも、そんなんで行動に移してくれる、ひとみちゃんじゃないしな…。
 バカな梨華・・・。もぅ、これじゃぁ却って逆効果かも知れないじゃない。
 したいみたいに思われちゃったら逆にぎこちなくなっちゃうかな…)

梨華はアレコレ考えながら、ベッドに入った。
225 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月23日(金)18時44分17秒
いつの間にかスレも半分まで行ってしまいましたね。
の割に、全然話が・・・・・。うぅスマソ。
この後、どうなるのか?ヨシコ????
226 名前:名無し梨華 投稿日:2001年11月23日(金)19時45分59秒
あうぅ、ついにれすか・・・・(ドキドキ

ふぁいと!よすぃこ!(w
227 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月23日(金)19時53分29秒
何ィ!おがーさんは何かするんですか!?
う〜、気になるっす〜。頑張って下さい!
228 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年11月23日(金)20時07分37秒
227のレスは204までの感想っす。

あら〜、おがーさんごっちんに浮気ですか。(w
愛ちゃんは自分をアピールできなくて・・・。
こんちゃんはこんちゃんらしい。(w
新メンたくさん出てきて楽しいです。
いしよしの方は・・・。何ィ!つ、ついに・・・!?
き、気になって仕方ない〜!
229 名前:1J 投稿日:2001年11月23日(金)23時03分31秒
どうなる?、どうなるの?。
阻害する人がいるとしたら、それは作者さんですか?(w。
とりあえず挟め!、挟むんだあぁぁぁ〜!
230 名前:理科。 投稿日:2001年11月25日(日)06時40分03秒

私、Charmy Blueさんの書くいしよし大好きです。
お互い頑張りましょう♪梨華ちゃん焦りすぎ?なトコ
可愛いです♪
231 名前:名無し男 投稿日:2001年11月25日(日)13時43分41秒
知らんうちに大量更新されとるーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
ワショーイ

さあどうなる?
232 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年11月28日(水)14時49分27秒
こちらへはお初です♪
作者さんの別のいしよし小説を読んで、他にも書かれている小説が
あるとのことで捜してここまでやってきました。
こちらではすでに新メンバーが動き出してますね。
何気に特長捕らえてて、面白く読ませていただいてます。
ここも順番が違ってしまいましたが、「1」「2」も見つけて
読ませていただきます。

同じいしよしで様々なパターンが書ける作者さん、素晴らしいです。
これからも頑張って下さい。
233 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-38- 投稿日:2001年11月28日(水)17時49分32秒
−38−

「また紺野、吉澤の前で倒れたのかよ」

真希も辻と加護を先に帰らせ、小川と高橋と途中まで一緒に帰り
着替えてから、矢口の家に来ていた。
真希も週末は矢口の家に泊まる事が多かった。
そして、矢口に今日の話をしていたのだが……

「だから、そのまま、よっすぃーが紺野さん連れて帰ってったよ。
 それにしても疲れたぁー」
「ご苦労だったな。辻と加護、うるさかっただろ」
矢口が苦笑いする。
「まっ、すぐに帰したからさっ。それより小川さん!
 やぐっつぁんのファンやめて私のファンになったんだって!」
「えぇ?そうなの?」
嬉しそうに言う真希に、矢口は思わず聞き返した。

「やっぱり私の応援団姿もサマになってるっちゅーコトかな?」
矢口ファンと聞いた時は、凄い剣幕で怒鳴り込んだクセにほんとに
ゲンキンだと矢口は思う。
(でも、まぁいいか。ヘンな誤解受けなくて済むしな)
234 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-38- 投稿日:2001年11月28日(水)17時50分34秒
「あとね〜♪」
「あぁ?」
「愛ちゃん!私の勘だと……。よっすぃーに気があると思うんだ」
自信タップリに言う真希に、矢口も思わず信じてしまいそうになる。

「吉澤に???今さら?」
「好きに今更もある?紺野さんだって、よっすぃーファンじゃん」
「高橋って、そういう風には見えないけどな。何となくだけど」
「だってね、好きな人には、もう付き合ってる人がいるから
 片想いなんだって言ってた・・・」
「吉澤も該当するけど、石川だって、ごっつぁんだって、おいらだって
 当てはまるじゃん。それ以外かも知れないし…」
「まっさかぁ〜」
まるで自分とは関係ないと言わんばかりに真希は他人事のように言う。

「それよりさぁ〜♪」
真希は既に、今の話はどうでもいいらしく矢口に擦り寄ってきた。
「なに?」
「久しぶりに……したくなっちゃったはあとはあと
「えぇ?」
矢口は思わず大きい声を出し、真希は慌てて矢口の口を押さえた。
235 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-38- 投稿日:2001年11月28日(水)17時51分36秒
「そんなにデカい声出さなくても…」
「隣りに妹いるんだぜ。声聞かれたらどーすんだよっ!!」

お互い実家なので、名古屋以来2人は、またキス止まりの関係に戻っている。
矢口は小声で言うと小さく溜息をついた。

「声出さないからさぁ〜」
「だめ!!後藤、声デカいもん…。ムリだろっ…」
「じゃぁー途中まで…」
真希は矢口に抱きつくと、くちびるを重ねた。

「途中で…終わるわけ…ないだろ……?」
しかし、矢口も真希の腰に腕を回している。
「…だってぇ〜…キスだけなんて…耐えられないよ〜」
真希は自分が下になるカタチで矢口を抱き寄せた。

「……(矢口だって、してぇよ!!)」
真希の上に乗って、矢口は、真希を見つめる。
「やぐっつぁんはあとはあと しようよはあとはあと ねっ?」
おねだりするような瞳で見つめられては、矢口も拒む訳にはいかなかった。
矢口も頷くと、引き寄せられるように、真希のくちびるにキスを落とした。
236 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月28日(水)18時01分59秒
別に、やぐごまヲタではないのですが、テレビジョンの2人の
キスシーンに激萌えしてしまいました。これ書いた直後だったんで尚更(w。
これが、いしよしだったらと妄想すると・・・(苦笑)。

>226 名無し梨華san
まだ悩んでるので、先に進めないのです…。

>227.228 吉胡麻系san
おがーさん、保田に抱き付いてましたね(テレビジョン)。
保田は、色んなメンバーと絡んで羨ましい(爆)。

FUNで、小川が矢口→後藤に乗り換えた発言を思い出したので(w。
ここの小川は自分的には好きじゃないけどTVの小川は好き(苦笑)。

紺ちゃんは、何気にオイシイとこ持っていくキャラですね。

>229 1J san
そう、阻害するのは私。なので、全然先に進まないのです(苦笑)。
ほんとはね、まださせたくない!!でも、ここの梨華ちゃんが(w。

>230 理科。san
更新早いですよねぇ。読むのが追いつかないです(苦笑)。
理科。さんの書く保田さん大好きっす(w。勿論いしよしも♪

>231 名無し男san
今度から、常に書いた分だけ上げようかなと思ってます。
調子良ければ、かなり書けるんですけどね。

>232 M.ANZAIsan
たくさんのレスありがとうございます。全部読むと時間かかりそうですが。
頑張って下さい(恥ずかしいけど)。
いしよししか書けないので他にも書きたいんですけどねぇ。
237 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年11月28日(水)19時59分16秒
『赤板倉庫』へ行ってきました。
物語としては一年以上の月日が流れているんですね。
まずは公開告白を2カップルで行なったところまでいきました。
今夜、続きを読ませていただきます。

すっかり慣れきった感じの吉澤&石川カップルと
アツアツな後藤&矢口カップルの今後と、
そこに絡んでくる新メンバー達の活躍!?が楽しみです。
238 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年11月28日(水)23時32分00秒
久々に来たらめちゃめちゃ更新されてるし(w
やっぱりおもしろいっす!
これから4人ともあまあまだし♪
これからも頑張って下さいね!
PS.テレビジョンっていつのやつですか?

239 名前:名無し読者 投稿日:2001年11月29日(木)00時06分51秒
真里っぺ♪さん
今週の分かと思われます。
保田さんと矢口さんの撮影の回で、
けっこうオタ喜びそうなネタが多いです。
240 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年11月29日(木)02時18分36秒
テレビジョン、立読みして来ようと思って、結局、買っちゃいました。
石川さんの「ハイカラさん…」のショット(P11)も良かったもので・・・
241 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-39- 投稿日:2001年11月29日(木)18時18分00秒
−39−

矢口と真希が甘い時間を過ごしている中、ひとみと梨華は・・・

ひとみはシャワーを浴びながら考える。
(アレってやっぱり・・・梨華・・・ちゃん)

ひとみとて、梨華を抱きたくない訳ではない。
でも・・・。いきなり今夜と言われても。心構えが。
「今夜」って言われてないけど・・・。
ん…待てよ。いきなり?あの雑誌をわざと見える場所に置いておいたと
言うコトは・・・。今までも梨華はそれとなく期待をしていたと言うコトか?
自分が手を出さないから、気付かないから梨華は業を煮やして…。

「ハァー…」
ひとみは溜息をついた。疲れも眠気も一気に飛んでしまう。
242 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-39- 投稿日:2001年11月29日(木)18時19分25秒
一方、梨華はベッドに入って考える。
(私って、焦りすぎてるかな?)

矢口と真希が名古屋で結ばれたらしい事は、ひとみも、すぐ分かったハズなのに
それに感化される事もなく、ひとみはマイペースである。
一向に進展がないどころか、キスすらも最近は………

「やっぱり私に魅力ない?」
しかし直接そんな事を訊いてしまっては却って逆効果であるし、何より
以前の雨の日の夜 梨華が誘ってダメだった苦い経験もあり、梨華から露骨に
誘えないのも事実であったが・・・。

あの雑誌を目につく所に置く事自体が、既に露骨なのだが・・・
243 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-39- 投稿日:2001年11月29日(木)18時20分39秒
ひとみが出てくると、梨華は慌てて目を閉じた。
まだ電気は点いている。取りあえず梨華は様子を見る事にした。
(私って、性格ヤラしいかな・・・)
ひとみは豆電球だけにして電気を消すと、梨華の隣りに来て梨華をじっと見つめる。
梨華は目を閉じているが、ひとみの視線を強く感じていた。

(梨華・・・絶対起きてるよね…。もう意地悪なんだから。
 それとも…試してる???)

(ひとみちゃん…どうする?どうするの??)

(いつもはTシャツなのに今日に限ってパジャマなのも、そういう事なの?)

(あー・・・じれったい。私から仕掛けちゃうよ?…でもなぁ……)

お互い心の中の呟きは、永遠に続くように感じられ・・・部屋の中の静寂は
一層静けさを増すようだった。
それを打ち破ったのは、梨華の方からだった。

(コレは…予行練習だと思えばいいんだ!って何の?分からないけど……
 ヨシコいけ!行くんだ!!)
ひとみは梨華の額に、そっとくちびるを落とそうとしたが、それより先に
梨華が、ひとみの身体を引き寄せると自分からキスを仕掛けてきた。

(…ひゃっ!!り、梨華…ちゃん!?)
ひとみは思わず目を開けた。
「…ひとみちゃん…。イヤ?…」
梨華は目を潤ませてひとみを見つめる。
(イ、イヤな訳ないじゃないかぁ〜〜〜!梨華、それは反則だよ…)
今度は、ひとみからくちびるを重ねる。
(梨華のくちびる・・・やわらかい・・・)
当たり前の事に感動し、ひとみは、そっと梨華の腰の手を回した。
244 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月29日(木)18時26分58秒
少しですけど更新です。この先が煮詰まってるものでして(w。

>>237 M.ANZAIさん
最初から読んでいただきましてありがとうございます。
新メンバーどうしましょう。高橋にも少しは良い思いさせてやりたいです
けど、後藤が鈍感でして(w。

>>238 真里っぺ♪さん
はい頑張ります。テレビジョンは今売りのですよ。
海の男・矢口!!に、ここの矢口と重ねてみたり(笑)。

>>239 さん
それにしても保田はオイシイなぁ(w。いしやすは定番ですね。

>>240 M.ANZAIさん
毎週買ってる私は…。買わなくても画像アップされてますけどね。
245 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年11月30日(金)00時59分48秒
いい焦らし加減ですねぇ、いしよし。
もぅ、じれったくってじれったくってたまりませんね。

>高橋にも少しは良い思いさせてやりたいですけど
思いっきり勘違いのお節介を焼く後藤に
その勘違いのままでもいいから一緒に居られて喜ぶ高橋、
でも結局思いはすれ違ったまま・・・
あっ、でも石川の誤った嫉妬を呼んでしまいそう・・・

小川と紺野のコンビが好対照で微笑ましいですね。
楽しく読ませてもらってますで、続きもよろしく〜♪です。
246 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-40- 投稿日:2001年11月30日(金)18時04分15秒
−40−

しかし、ひとみの悲劇再び…そして、矢口と真希にも・・・。

矢口のベッドの中で、いちゃいちゃしていた2人だったが…。
真希の声が漏れないように、矢口はくちづけをしながら、真希の胸を愛撫していた。

「あ゛っっ...」

矢口は、急にくちびるを離すと顔をしかめた。

うっとりと目を閉じていた真希だったが、矢口の声に目を開ける。

「どうしたの?」
「あっ足が・・・つった・・・」

余程痛いのか、矢口は顔を歪めている。

「もぉ〜!こんな時につらなくても!!」

丁度、気持ち良いところで、阻害されたのが悔しいらしく、
真希は、わざと、つった足を思い切り引っ張ってしまう。

「いってぇぇぇ〜〜〜!!!!!!」

矢口が部屋中、響き渡るような声をあげると、涙目になって足を押さえた。
247 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-40- 投稿日:2001年11月30日(金)18時10分59秒
「ひでぇよ…ごっつぁ〜ん・・・」

足をさすりながら、矢口が呟いていると、姉の声にびっくりした妹が慌てて入って来た。

「お姉ちゃん、どうしたの!???」
「なっ、なんでもねぇーよっ!」
「だって、今すっごいでっかい声したから…」
「足、つっただけみたい…」

真希もフォローするが、矢口の妹は、真希の姿を見て、一瞬目が止まる。

「ま、真希ちゃん…(照)」
妹は真っ赤になりながら、下を向いた。

「え???」
矢口もハッとして真希を見る。

真希のTシャツは上にたくし上げられていて、胸が露わになっていた。

「いやぁ〜ん!」
真希は慌ててTシャツを直すと、顔を真っ赤にさせながら言い訳をした。

「やぐっつぁん、やらし〜!!!人が寝てる間に」
「なっ何言うんだよ!!後藤の寝相が悪いんだろっ」

そして、また妹の不審そうな眼差し・・・。
矢口は妹の背中を押して、自分の部屋に戻らせようとした。

戻る間際の妹の一言・・・

「お姉ちゃんも、真希ちゃんも〜、もうちょっとマシな嘘つきなよね」

((ガァ〜〜〜〜〜ンッ!!!!))
248 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-40- 投稿日:2001年11月30日(金)18時19分58秒
妹が自分の部屋に戻り、矢口も再びベッドに入ると、小声で囁いた。

「全部バレてたのかな…」
いつの間にか、矢口のつった足も治っていた。

「じゃぁ〜別にいいじゃんっ。もう…」
真希は再び甘えた声を出すと、矢口の抱き付いた。

「よかないだろっ。よか……」
(これから顔合わせにくいな〜・・・)
「いいじゃん。ウチはさぁ〜、弟だから、聞き耳立ててそうだよ」
真希には、1つ下の弟ユウキがいる。

「ごっつぁんちじゃ、出来ねぇな・・・」
と言って、矢口は慌てて言い直す。
「っつーか、家じゃ出来ないだろ、ふつー。だから今日だって…」

やっぱりしなければ良かったと矢口は後悔する。

「あれは、やぐっつぁんが足つらなければ良かったの!!
 つってなければ、今頃は・・・」
「……んなこたぁない・・・」

「やっぱりさぁ〜」
また真希が甘ったるい声を出す。

「なに?」
「今度また2人っきりで…。例えば・・・ラブホテルとか…」
「えぇーーー!!?」
再び矢口がデカい声を出す。
矢口のくちびるを、真希が塞ぐ。

「やぐっつぁん、シーーーーーッ!!!」
「そんな、ラブホなんて、いかにもじゃん。それに金かかるし…」
「だって、もうやぐっつぁんといる時間、半年ぐらいしかないんだよ?
 それまでに、もっともっと、やぐっつぁんのコト・・・」

いつの間にか、真希は目に涙を浮かべていた。

「泣くなよっ。おいらだって同じだよ。もっと後藤のコト、覚えておきたい」

真希の涙を指で拭ってやると、矢口は真希を抱き寄せた。
249 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-40- 投稿日:2001年11月30日(金)18時29分05秒
「…だから、私もバイトするコトにしたの!!」
「は?」

矢口は、身体を真希から離すと、再び真希を見た。

「ホテル代を稼ぐため!なんて言ったら、何かイヤらしいから
 名古屋に行く資金を貯めるため!これで、どうよ?」
「どうよ?ってよぉ〜、簡単に言うけど行くアテあんのかよ?」
「石川先輩んとことか、愛ちゃんのいるとことか〜、どっちか。 
 よっすぃー、りんねさんに、また来いって言われてたから………。
 よっすぃーの代わりに私が・・・」
「おいおい、勝手に言ってるけどさ〜…」

矢口が止めるのも聞かずに、真希は喋り続ける。

「多分、平気!まぁ〜愛ちゃんが、よっすぃーじゃなくて私で、またガックリ
 来るだろうけどさぁ〜。"図書委員の次はバイトもかよ!"みたいなさぁ〜?
 アハハッ」

その逆である事に全く気づいていない真希は、鈍感である。

「まぁ、ごっつぁんも無理すんなよ」
矢口は諦めて、そう言うと布団をかぶった。

「もう、寝ちゃうの?」
真希が寂しそうに言うと、矢口の目を覗き込む。

「おい、続きするつもり???」
「もちろん!」
そう言うと、真希は矢口に抱き付いたのだった。
250 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年11月30日(金)18時35分05秒
ヨシコの悲劇は、覚えてる人いるかなぁ〜?なんて思いながら
取りあえず、矢口と後藤のシーンを書いて時間稼ぎ(w。

>>245 M.ANZAIさん
焦らしまくって・・・でも・。

高橋と後藤は、これからも一緒の時間が多くなりそうです。
石川は、一応、高橋は後藤が好きだと言う事知ってるんですが。
その辺は、どうなるか・・・。

小川と紺野は、このままですかね。
251 名前:1J 投稿日:2001年11月30日(金)18時54分26秒
リアルタイムでした〜。時間が飛ぶなぁと思ったら打ち込みながらだったんですね。
矢口の妹、いい味出してます。しかし、いい所で切りますね。
いしよしがとても気になりますが、おあずけですね。また明日〜。
252 名前:理科。 投稿日:2001年11月30日(金)19時18分01秒

あはは!矢口っつあん最高ですね!よっすぃ〜の悲劇
覚えてますよ♪これからも頑張りましょうね〜!!
Charmyさんの作品大好きでっす♪
253 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年11月30日(金)20時34分18秒
そう言えばあの時のキーワードが揃ったんですね。
これで“蟹ばさみ”が出てくれば・・・

ごっつぁんのバイトで愛ちゃん窮地に立たなければいいですけど。
りんね店長にアレがばれちゃいそうで・・・。
254 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-41- 投稿日:2001年12月01日(土)08時39分19秒
−41−

しかし、ひとみに、また悲劇が襲って来た。

(さっきから・・・汗が・・・・・・・・)
心臓もドキドキしている。

ひとみは、あの悪夢を思い出していた。
(あの時と、同じ予感が・・・・・・)

覚えている人はいるだろうか?
ひとみが、初めて梨華をファミレスに誘った時の事を・・・。
(雷の夜も、ひとみの悲劇の1つではあるが)

ひとみが、じっとしているので、梨華は目を開けた。

「…どうしたの?ひとみちゃん??」
「え?・・・うぅん、なんでもないよ…」

暗闇で目が慣れて、ひとみの顔もぼんやりと梨華には見えたが・・・。

「ひとみちゃん、凄い汗・・・。どうしたの?」
「あ?あぁあああぁ。いやぁ〜別に…」
ひとみは慌てて額の汗を拭った。Tシャツもビッショリだ。

(やば〜。どうして、こう、ここ一発の時に、私と言う人間は!!)

ファミレスの時だって、そうだ。初食事と言うのに、自分は気分が悪くなり
梨華に家まで運ばれてしまったのだ。
255 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-41- 投稿日:2001年12月01日(土)08時40分35秒
「ご、ごめん。ちょっとタンマ!」
ひとみは起きあがると、頭を振り、胸に手を当ててみる。
(こんな時に、動悸かよ!最悪!!(涙))

ひとみが、おかしい事に気づき、梨華も起きあがった。
「大丈夫?ひとみ・・・ちゃん?」
「あは〜、だ、大丈夫だよ?」
声が思わず裏返って、ひとみは曖昧な笑みを浮かべた。

「全然大丈夫じゃないじゃないっ。それに汗すごいし」
と言って、ひとみのTシャツを触る。
「あ〜、汗ねぇ。んなので、ベッド入るなよっ!って感じだよね。
 もう1回、シャワー浴びてくるわ〜」
ひとみは、努めて明るく言うと、片手をあげて、バスルームへ行こうとした。

が――― 足がふらついて、ひとみは倒れそうになった。
慌てて梨華がひとみを支えようとしたが、そのままベッドに2人して倒れ込む。

(こんな状況まで、あの時と一緒とは!!!!!ヨシコ泣けてくるよ…)

梨華は起きあがると、ひとみのTシャツを脱がせにかかった。

「ちょ、ちょっと!梨華!!」
慌てふためく、ひとみをよそに、梨華は

「そんなの着てたら、また風邪ひいちゃう!そんなのイヤだもん。だから脱いで!」
「なっ・・・」
(脱いだら・・・私・・・裸になっちゃうんですけど・・・・)

必死な梨華に、そんな事も言えず、ひとみは大人しく脱いだのだった。
256 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-41- 投稿日:2001年12月01日(土)08時41分55秒
「具合悪いんでしょ?だったら、私がひとみちゃんの身体拭いてあげる」
「や、いいってば。んー・・・恥ずかしいし・・・」
ひとみは段々と声が小さくなる。

この上半身裸のジャニーズ状態でも(関東裸会でも可)、そぅとぅ恥ずかしいのに
更に拭いてもらうなんてとても、とても・・・。

「私、シャワー浴びてくるからさ!」
「ダメ!ひとみちゃん、今倒れそうになったじゃない!じゃない!!」

なんで「じゃない」を2回連呼させるのだろう?とひとみは疑問に思いながら
梨華の顔を見つめた。
梨華は、真剣そのもので、本当に心配してくれてるようだ。
それには、感謝するけれど、やっぱり、ひとみは恥ずかしさで一杯だった。

「ほら、ひとみちゃん、汗いっぱいだし!!」
そう言って、梨華はひとみの肌に触れる。

(そ、そこは・・・胸だよぅ・・・梨華ちゃん・・・)
ひとみは弱気になると「ちゃん付け」に戻る。
しかし言えないひとみは、俯く。

(ヤダ。私ったら、思わずひとみちゃんの胸に触っちゃった♪)
梨華は、おずおずと手を引っ込めたが、ひとみの胸を見つめてしまう。
決して大きくはないが、白くて形の良い胸に、梨華の胸も何故かドキドキしてしまう。
(ひとみちゃんの・・・ピンクで可愛い♪ちょっと立ってるしはあとはあと

(ぐはっ。梨華ってば私の・・・見てるし…。て言うか、なんか寒くなってきたんですけど。
 一体、私はどうしたらいいんですか?・・・)
257 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-41- 投稿日:2001年12月01日(土)08時43分19秒
「梨華・・・ちゃん?」
「・・・え?」
名前を呼ばれて、梨華は我に返った。
「寒いんだけど・・・」
「ゴメンね!」
慌てて、梨華はキッチンに行ってしまった。

(もぅ私は、また見られ損ですか?梨華の胸だって、まだちゃんと見てないのに!)
また論点がズレて、ひとみは悔しがっていた。

さすがに、ここで雷が鳴って・・・なんて事はないだろうけど、ホントにどうして
ひとみと梨華には、チャンスが訪れないのだろう?
(それは・・・作者のせい?(w)

「ひとみちゃぁん!」
梨華がすぐに濡れタオルを持って戻ってくると、ひとみの身体を拭こうとしたが

「いい!自分でやるからっ!」
と言って、梨華からタオルを奪おうとする。

「ダメ!それくらい、させてよ!!」
「いいってぇ!」
「させてよ!ひとみちゃん!」
頑なに自分でやると言う梨華に、ひとみは・・・

「だぁって、恥ずかしいもん!(私、裸なんだよ?もぅ・・・)」
「私にさせてってば!」

(もー、梨華ってば、さっきから、させてさせてって、なんかイヤらしいなぁ…。
 って考えすぎ?)

梨華は乱暴に言うと、自分でも何を興奮しているんだろう?と思いながら
ひとみの背中をタオルで拭き始めた。
258 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月01日(土)08時51分21秒
出かけるから早めに更新。朝から(w。なのでsageで。
こういうシーンが苦手。これが終われば、かなりペース
上げて書けそうなんだけどなぁ(苦笑)。

>>251 1J さん
いしよしシーン・・・こんなんなっちゃいました(w。
矢口は、妹に頭上がらなかったりして(笑)。

>>252 理科。さん
FUNが流れて、かな〜りショックっす。
理科。さんの作品も大好きっす。やっす〜マンセー!(w

>>253 M.ANZAIさん
蟹ばさみ いれられるかな。

りんね店長は、実は黙認してるかも知れませんしね?(謎)
259 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月01日(土)11時49分17秒
その気の無い吉澤、どんどん1人で盛り上がる石川・・・
いいですねぇ〜、楽しんじゃ2人に悪いんですけど、面白いです。
この先いったいどこへ(どこまで)行ってしまうのか、行ってしまわないのか、
作者さんの筆さばきに期待してます♪
260 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月01日(土)14時55分21秒
うわぉ!たくさん更新されてる!やりぃ!
梨華ちゃん、かなり暴走してますね。(w
261 名前:名無し男 投稿日:2001年12月02日(日)16時12分22秒
ヽ(゜σ。)ノ レウpベオbモオチンb!!!!!
262 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-42- 投稿日:2001年12月02日(日)16時47分31秒
−42−

(ひとみちゃんの背中って、おっきぃ…)
梨華は、ひとみの背中を拭きながら思う。

(あ〜・・・梨華・・・何考えてんだか……)

ひとみは俯きながら、まだ恥ずかしい気持ちが抜けていなかった。

「ひとみちゃん、前行くよっ♪」
「ぅっ…」

ひとみは、ビクッとすると梨華のタオルをひったくった。

「前はいぃよ。自分でやるから…」
「ダメ!!!!」
「も〜、梨華おかしいよ?さっきからぁ〜〜〜!!!!!」
「おかしいって???」

梨華の声が一瞬変わる。
ひとみは、振り返ると慌てて否定した。

「い、いや、おかしいって言うか、梨華…ちゃん ちょっとやらしい…」
「やらしいって酷いよ!ひとみちゃん!!」
(…やっぱり、やらしかったかしら・・・)

「ゴメン・・・」
「ひとみちゃんが汗かいてるから、拭いてあげてるだけなのに」
「ゴメンね。梨華・・・。そうだったよね」
(私ったら、勘違いしてたのかな。ゴメンね、梨華)
263 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-42- 投稿日:2001年12月02日(日)16時49分21秒
「ひとみちゃんが、そう言うなら、いいよ」
梨華は背中を向けてしまう。

(うわ〜、梨華 怒っちゃった???)

ひとみは、途端にオロオロしだした。
梨華の肩に触ろうとするが、躊躇ってしまう。

(ひとみちゃんの、バカぁ……)

しかし、ひとみは考え直してみる。
なんで、こうなったんだろうかと。
元はと言えば…

えっちの手前だったんだ…それが、どうしてこんな…

今の自分には、全くその気がない。これじゃぁ、風邪ひいた夜と同じ。
あの時も、梨華なんだか怒ってたっけ…

(今さら・・・出来ないよなぁ)

でも、そうしたら梨華は……梨華に2回も恥をかかす事になる。
それも自分のせいで・・・

いつまでも、ひとみが何も言わないので、梨華は振り返った。

「ひとみちゃん?」
「・・・あ。梨華ごめんね」

また、あの時みたいな雰囲気にはなりたくなかった、ひとみは
明るく言った。自分が恥ずかしいなどと言っていられない。

「や、やっぱり梨華ちゃんに拭いてもらおうかな?あははっ」

わざとらしく笑うと、ひとみはタオルを再び梨華に渡す。
しかし、ひとみは梨華を見ようとはしなかった。
264 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-42- 投稿日:2001年12月02日(日)16時56分45秒
「ひとみちゃん??」

さすがの梨華も、ひとみをからかい過ぎたかと少し反省した。

―――でも、待って?どうして、こうなったの?
私は、ひとみちゃんと……したくて、わざわざ雑誌置いたりして頑張ったのに…。
「その気にさせる」どころか「その気がすっかり失せてる」じゃない!(もう連続で言わない!!)

ひとみが怒るのも無理はない…かも知れない。

(そっか・・・じゃ、私も…そうしたら……)

梨華もパジャマのボタンを外し始めた。

「梨華・・・ちゃん?」

梨華が脱ぎ始めたので、ひとみは驚いて梨華を見つめた。

「これならいいでしょ?ひとみちゃんと一緒」

ひとみは梨華の手を掴んだ。

「いっいいよ!梨華!!やめなって!」

さっきまで、梨華のも見たい!なんて言ってたくせに、ひとみは自分の事の
ように、顔を赤くさせながら、梨華がパジャマを脱ごうとするのをやめさせた。

「どうして?」
「どうしてって…。どうしても!!梨華が脱ぐ必要ないし…。それに…」
「それに?」
「梨華に風邪ひかせたくない」

そう言って、ひとみは梨華を抱きしめる。
265 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-42- 投稿日:2001年12月02日(日)17時12分16秒
「このくらいじゃ風邪ひかないよ?」
「風邪を甘く見ちゃダメだよ…」
(ってか、私が、また風邪ひきそうだけど。そうしたら、また梨華に看病してもらえるか♪)

「風邪ひいたら、ひとみちゃんに看病してもらえるね」

(梨華も同じコト考えてる♪・・・カワイイなぁ)

ひとみは、抱く力を緩めると、梨華を見つめた。

「…キスして……いい?」
「うん…」

ひとみは、顔を近づけると、梨華のその可愛いくちびるに、そっと重ねた。

「…どうして、わざわざ訊くの?」
「梨華…怒ってるのかと思って…」
「そんなコト…。ムキになってごめんね。ひとみちゃんの気持ち考えてなかった」
「うぅん。私の方こそ、梨華の気持ちに気づかなくてゴメン」
「謝らないで」

今度は梨華から、ひとみにキスをした。
266 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月02日(日)17時17分07秒
今回も、また何だかなぁ…な展開に。
結局、最後はお砂糖タップリになるわけで。

>>259 M.ANZAIさん
そろそろ、この2人にも…って思ってる人達には歯がゆいんでしょうね。
しない2人の方が私は萌えたりしますが(w。

>>260 吉胡麻系さん
暴走してるのは、チャーミー石川も(w。今日の石川さん良かったっす。
突き指大丈夫っすか?

>>261 さん
言葉にならないのですね(w。
267 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月02日(日)22時33分53秒
だんだんこのままで良いような気がしてきました。
というか、作者さんの思う2人でいてもらいたいです。

「ハロモニ」の石川さん、良いですねぇ。
でもあの番組、どうしても“石川&後藤”な印象になってしまう・・・
268 名前:読書の秋 投稿日:2001年12月03日(月)03時19分20秒
昨日の「ハロモニ」で吉澤が石川の肩に自然に手を回した瞬間発見!
でも石川&後藤も悪くないですよね。
Charmy Blueさんの作品いいですね。今日読んで感動しました。(全5時間!)
もう甘くて胸焼けしてます。いっそ私を胸焼けで逝かせてください。
この作品の1.2.3以外も今度読ませていただきます。
269 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-43- 投稿日:2001年12月03日(月)19時14分03秒
−43−

「ついでだから、梨華に面倒見てもらお♪」
「へ?」
「へ?って拭いてくれるんでしょ?」
「・・・う、うん」

さっきとは打って変わって梨華は歯切れが悪くなる。
逆に梨華の方が意識してしまっていた。

「どうしたの?」

ひとみは上半身裸なのも、慣れたのか、さっきより普通に梨華に接している。

(なんか、私の方が緊張してきちゃった……)

心なしかタオルを持つ手も震えていて・・・
躊躇いがちに、梨華は、そ〜っと手を伸ばした。

「じれったいなぁ…」

ひとみは、梨華の手首を掴むと、肩から胸へとタオルを移動させる。
拭き終わった頃には、梨華の方が汗をかいていた。
新しいTシャツを着ると、ひとみは梨華を抱き締めて・・・

「お疲れさま!…なんだか良く分からなかったけど…でも楽しかったよ」
「ひとみちゃん……」
「すっかり遅くなっちゃったから、もう寝よう?」
「…うん」

ひとみは、梨華の肩に顔を埋めると、安心したように眠りに落ちていった。
梨華もすぐに、眠りに落ちたのだが・・・・・

翌朝・・・
梨華に蟹ばさみをされて、ひとみは一足先に目が覚める。

「・・・やっぱり、コレでこそ梨華って感じだね」
ひとみは苦笑すると、自分も梨華に蟹ばさみをお見舞いした。
270 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-43- 投稿日:2001年12月03日(月)19時16分48秒
矢口と真希が揃って矢口家で朝食を取っていると、妹も下りて来た。

「おはよ〜。真希ちゃんに、お姉ちゃん」

心なしか、妹の顔がニヤついてるように見えて、矢口は
「おはよう」と小さく答えた。しかし、真希は

「おはよ〜!!気持ちの良い朝だねぇ〜」
なんて、やけに嬉しそうに言うので、矢口は内心慌ててしまう。

「寝不足なんじゃないの?」なんて妹に突っ込まれないかと内心ヒヤヒヤ
しながら、矢口は妹の様子をうかがっていた。

「お姉ちゃん、真希ちゃんにくっつきすぎだよ〜!」
「・・・」

正しくは、真希が矢口にくっついているのに、さも逆のような言い方をされて
矢口は、ムッとしながらも、真希から離れようとしたが

「いいじゃん。もうバレちゃったらさぁ…隠しておくコトないし♪」

「隠すって何?真希ちゃん」

矢口の母もすかさず突っ込みが入る。

「なんでもないよっ!」

矢口は、真希の足を思い切り蹴飛ばした。

「痛っ……」
「もう、出かけようぜ!」

まだ食べている真希を急かして、矢口は立ち上がった。

「まだ食べてるのにぃ〜!」

「そうよ。朝は、しっかり食べないと。真里もちゃんと食べなさい!」

母に言われて、矢口も渋々また席についた。

「ちぇっ」

矢口は妹を睨んだ。妹は舌を出している。
(っとに生意気なんだから…)
あの場面を見られなかったら・・・と思うと、矢口は悔しくてたまらない。

何とか食べ終わると、矢口は、早々に席を立ち、着替えをすませると
真希と一緒に出かけていった。
271 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月03日(月)19時23分56秒
少しですけど更新。
今は、矢口と後藤を書いてるのが楽しい♪

>>267 M.ANZAIさん
思うまま書かせていただきました。
「ハロモニ」はコント見てると、いしごまですけどね。
でも、結構ハロモニは重要だったりします。

>>268 読書の秋さん
さりげないとこが(・∀・)イイ ね、いしよし<ハロモニ
5時間も貴重な時間を…ありがとうございます。
甘いのばっか書いてるので最近は、ちょっと…。
これからも宜しくお願いします。
272 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月03日(月)21時32分31秒
うわっ、皆さん「ハロモニ」のそんなとこまで見てるんですか、頑張らないと・・・
(ナニヲダ・・・)

バイト希望の後藤、たしか保田店長のところは親戚の子が入ってるから駄目っぽいから
やはり『カントリーマート』の方でしょうね、高橋の居る。
273 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月05日(水)12時43分51秒
私的に矢口ファミリーがかなりツボなんですけど!
家族公認の仲になれるんですかねぇ。
それにしてもいしよし、よく我慢できるなあ。
やっちゃえ、まずやっちゃえ!byつんく(w
274 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月05日(水)12時44分28秒
ごめんなさい!ageちゃいました。
ホントに申し訳ないです!
275 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月05日(水)17時50分25秒
いいですね〜、まきまり!
やぐっちゃんの妹がいい味出してますねぇ。(w
276 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-44- 投稿日:2001年12月05日(水)19時27分12秒
−44−

「これから、りんねさんとこ行こうよ♪」
「もう?・・・」

思い立ったら即行動に移したいらしい真希は、声を弾ませて言う。

「やっぱり1日でも早く働いた方がいいじゃん?」
「まだ働けると決まった訳じゃないだろ。それに…体育祭が終わって
 からでも、いいんじゃないの?」
「だからよ!ダメだったら、保田さんに何とか頼まないといけないしさぁ」
「アテにしてんのか・・・」
「だってさぁ〜・・・」

そんな事を話していたら、カントリーマートに着いた。

「おっはようございまぁ〜す♪」

真希が一際明るい声で、挨拶して店内に入って行く。
真希の声に、高橋は顔を上げた。

「愛ちゃん、昨日はお疲れさま〜♪」
「おはようございます・・・。お疲れさまでした」

なんで、真希が来たのか分からない高橋は不思議そうな顔をして
真希を見つめていた。

「りんねさん、いる?」
「ごっつぁん!」

矢口は思い出したように言うと、真希の腕を取った。

「なに?」
「履歴書書いたのかよ?」
「えー?そんなの書いてる訳ないじゃん。昨日は、やぐっつぁんちだったんだし
 思いついたのだって、昨日の夜じゃん」
「威張って言えるコトじゃないだろっ」

2人の会話が丸聞こえで、高橋は赤くなる。
(履歴書とか、なんだろう?ごっちん先輩もバイトするのかな…)

「あら〜、後藤さんに矢口さん」
「おはようございます!ちょっと、りんねさんにお願いがあるんですけど…」

真希は人一倍明るく笑顔で言った。
277 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月05日(水)19時34分30秒
少しですけど更新。

>>272 M.ANZAIさん
桃板に、画像貼られてたような…。
はい、高橋の気持ちに、そろそろ別の誰かも気づきそうですよ?

>>273-274 闇の住人さん
妹に頭の上がらない矢口さんです。矢口妹、実物も面白そうですね。
娘。コンサート、メロンが一番良かったって、あーた・・・(w。
ageても平気っすよ。気にしないで下さいね。

>>275 吉胡麻系さん
いしよしヲタなのに、まきまりヲタになりそう(w。
278 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月05日(水)22時40分39秒
スミマセン、『桃板』という場所を知らないもので・・・。

高橋の気持ちに気づきそうな人・・・誰だろ?
意外と身近な人物?

「アイさが!」で市井さんのリハーサル風景と平家さんのミニイベントを見て、
みんな頑張ってるんだなぁ、って感心してしまいました。
279 名前:読書の秋 投稿日:2001年12月06日(木)04時31分06秒
桃板
ttp://green.jbbs.net/music/866/soundchaser.html
まきまりヲタになりそう2
でも後藤と新メンと絡むのもちょっと楽しみな今日この頃。
280 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月06日(木)09時27分33秒
 ↑ ありがとうございます。
ちょっと、どこに書き込んでいいか分かりませんでしたが(笑)

まきまり・・・イイですねぇ。
281 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-45- 投稿日:2001年12月06日(木)19時52分51秒
−45−

ひとみは、隣りで寝ている梨華の横で、旅行雑誌をめくっていたが……。
丁度良さげな見出しを見つけて、ひとみは思わず叫んだ。

「こ、これだぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

―――――『貸切露天風呂の宿』―――――

丁度、しし座流星群が見られる日の夜に、泊まれば、梨華と2人っきりで
お風呂の中で、たくさんの流星が見られて、そして・・・ずっと一緒にいられる。

ひとみは、想像しただけで鼻血が出そうになった。
(り、梨華ちゃんと、一緒にお風呂!!!!!!たまんねぇっす!)

ひとみが、大きな声を出しても、ピクリともしないで、スヤスヤ眠っている
梨華を、ひとみは、揺り起こした。

「梨華!!起きて!!!!!」
「・・・・・・・・ん?…なぁに?ひとみ…ちゃん」

寝ぼけてるのか、眩しいとでも言いたげに、梨華は目を開けると、ひとみを見た。

ひとみは、梨華の上に馬乗りになると、旅行雑誌を見せながら

「これ、どうよ?これ、絶対いいと思うんだけど〜。梨華はどう思う?」
「え?……」
282 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-45- 投稿日:2001年12月06日(木)19時54分55秒
急に起こされて、どう思うと問われても、半分寝ている梨華には、まだ言っている
意味が理解出来ていないようで、首を傾げていた。

「いいって、なにが???」

梨華には、何故ひとみが自分の上に乗っかっているのか、そっちの方に気を取られていて
朝から、ひとみったら・・・などと、昨夜の事を思い出していた。
(結構、えっちぃよ〜?ひとみ・・ちゃん??)

しかし、ひとみには、そんな状況など知る由もなく、露天風呂で流れ星の方に
頭がいっていた。

「これは、もう予約するっきゃないよね!梨華!!」

一人、ひとみは浮かれて、梨華にチュッはあとはあとと軽くキスをした。

「やんっっ………」

思わず首を竦める梨華に、ひとみの心は、ここにあらずだった。

「ひとみちゃん……」

目を閉じる梨華に、ひとみは梨華から、離れると、携帯を取り出した。

「・・・・・・もしもし?予約したいんですけど・・・」

ひとみの声に、ハッとした梨華は目を開けた。

・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

(ひとみちゃん、全然聞いてない・・・・・)
283 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-45- 投稿日:2001年12月06日(木)19時56分54秒
電話を切った後、梨華は、怒ったようにひとみを呼んだ。

「ひとみちゃん!!!!!」
「・・・・・ん?梨華!予約取れたよ!!!!!♪」

まるで梨華の話を聞いていない、ひとみは一人はしゃいでいた。

「も〜!!」

梨華は、プゥ〜っと膨れると、ひとみからそっぽを向いた。

「あれ?どうしたの?梨華。喜んでよ?」

ひとみは、梨華を後ろから抱きしめると膨れたほっぺたを指でつついた。

「・・・・・(もぅ!!)」
「膨れてる梨華も、カワイイよはあとはあと
「私の話、聞いてる?」
「ん?梨華だって、私の話聞いてる?」
「え?」
「聞いてないじゃん。旅行の話してたのに」
「そうなの?」

確かに、自分も全然聞いてなかったと梨華は反省するが、ひとみだって……

「今、宿取れたよ♪梨華と二人で、しし座流星群見るんだ。楽しみだなぁ」

瞳を輝かせて言うひとみに、梨華は怒るのを諦めて、ひとみを見つめていた。

「ひとみちゃん、子どもみたい」

クスッと笑って言う梨華に、ひとみは

「私、流れ星見るの、初めてなんだよ?」
「私だって、そうだよ〜」
「初めてで、それも梨華と見れるなんて、嬉しいなぁ。晴れるといいね」
「うん、そうだね」

ひとみと梨華は顔を見合わせると笑った。
284 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月06日(木)20時06分29秒
更新です。
自分もしし座流星群ネタ使うとは(w。実際は沖縄で見てたんだよね。
なんか、体育祭よりも学園祭よりも先に、この話を書きたい気分(w。
っていうか、書きたい話が多すぎる感じがする(苦笑)。

>>278 M.ANZAIさん
いしよしヲタで桃板を知らないとは!!ベーグルの駄小説も読んでね(謎)。

>>279 読書の秋さん
桃板紹介どうもです。って自分のスレで2回目じゃないか(w。
後藤だけ高橋の気持ちに気づかずに愛の種を蒔いてしまう人(w。罪人。

>>280 M.ANZAIさん
どこでも、どんどん書き込みましょう。今日はヤスレボリューション21祭りですが。
あ、私もコテハン2つで、良く書いてますが、なにか?
285 名前:夜叉 投稿日:2001年12月06日(木)22時59分18秒
こちらでは初めまして。
ぢつは長いとこROMってたりしてました。

吉の気持ち、分かりますねぇ。
よくあるんですよ、遊びに行く日とかって早く目が覚めたり(w。
それって、梨華ちゃんの言うとおり、子供ってこと?(爆

>っていうか、書きたい話が多すぎる感じがする(苦笑)。
もう、どんどん書いてください。どこまでもついていきます〜♪。
286 名前:読書の秋 投稿日:2001年12月06日(木)23時21分03秒
でしゃばり失礼しました。
ここの石川も獣化の予感。えろいしもたしかに好きだけど・・・
流星群は石川が4個(5個?)、吉澤が20個見たとか言ってましてね。
いっしょじゃなかったのか・・・(萎
287 名前:理科。 投稿日:2001年12月06日(木)23時26分37秒

#´▽`)〜`O)〜♪
ドキドキドキ…。どーなるんでしょう…?
やっぱり(勝手に)師匠の『いしよし』は最高ですなぁ…。
288 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月07日(金)00時51分11秒
>いしよしヲタで桃板を知らないとは!!
スミマセン・・・小説をROMするほうから入った者で・・・

もう、作者さんの書きたい方向でどしどし書いちゃってください。
どこまでもお供いたします。
(って、きび団子に釣られる犬かっ!)
289 名前:名無し男 投稿日:2001年12月07日(金)14時51分44秒
石川さん、常に想像してますな(w
290 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月07日(金)17時02分47秒
うーん、甘い・・・。
貸切露天風呂の宿での夜が楽しみっす!
流星群を持ってくるとは・・・、参りました!m(__)m
291 名前: 恋をしちゃいました-3rd Stage-46- 投稿日:2001年12月07日(金)19時40分25秒
−46−

「じゃぁ、明日からお願いしようかな」

りんねが真希に言うと、真希は満面の笑みを浮かべた。

「ありがとうございますっ!!」

真希は矢口を見ると抱き付いた。
そして、すぐに離れると、今度は高橋に抱き付いた。

「!???」
「愛ちゃん、こっちでもヨロシクね!」

まさか真希が自分にも抱き付いて来るとは思わなかった高橋は
顔がみるみる真っ赤になって行く。

「・・・・・」

すっかり硬直している高橋は直立不動だった。
すぐに、真希は高橋から離れると

「愛ちゃんの方が先輩だもんね♪一緒だから初バイトも心強いよ」

と言って、今度は両手を握りしめた。

「……ハ、ハイ」

高橋の気持ちに全く気づいていない真希は、どんどん愛の種を撒き散らして行く。

そんな光景を横で見ていた矢口は・・・・・

――― 後藤、お前自分のコトには鈍感だよな。
高橋の好きなヤツって、どう見ても、ごっつぁんお前だろ???
292 名前: 恋をしちゃいました-3rd Stage-46- 投稿日:2001年12月07日(金)19時42分07秒
「こんなに簡単に決まるとは、思わなかったなぁ〜」

店を出てからも、真希は上機嫌だった。

「体育祭終わってからでも、良かったのに」
「でも、りんねさん私が名古屋の話をしたら、えらく感動しちゃって。
 ちょっと心が痛かったよ」
「おいらも隣りで聞いてて、心苦しかったよ」
「なんでよぉ〜」
「本当の理由知ったらな…」
「別にウソは言ってないじゃん。やぐっつぁんと一緒にいる時間を作る為に
 私は働くだけだよ」
「サンキュ」

矢口は真希の手を取ると、素直に礼を言った。

「後藤…。高橋と居る時間増えるから…その...あんまり…高橋を刺激するような
 行動とか言葉は、慎めよな」

遠回しに言う矢口に、全く真希は理解せずに

「あはっ。やぐっつぁん何言ってんの?もしかして嫉妬してる?
 愛ちゃんに?そんなわけないじゃん」

笑いながら答える真希に矢口は高橋が少し不憫に思えた。
――― ここまで鈍いとな、おめでたいよ。でも、高橋と後藤…結構合うかもな。
おいらが、居なくなったら・・・・・・・・

矢口は卒業した後の事を考えていた。真希の事は好きだが遠距離となると
本当に続くのだろうか?とか不安はたくさんある。
生半可な気持ちで名古屋に行くのではないし、やるからにはちゃんとしたかった。

(ごっつぁん・・・矢口が居なくなっても、平気か?ホントに)

「やぐっつぁん。なに、急に神妙になってんの?…私が働くのがイヤ?」
「そんなんじゃねぇよ。…どっか、中入ろうか?」
「うん♪」

真希は矢口の腕を取ると、嬉しそうに言った。
293 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-47- 投稿日:2001年12月07日(金)19時51分01秒
−47−

「ひとみちゃん、11月18日って日曜じゃない」

梨華はカレンダーを見て言う。

「そうだよ。なに?」
「しし座流星群ってさ、日曜の深夜、つまり月曜の2時とか3時でしょ?」
「そうだよ」
「…泊まるのって日曜日?」
「そうだよ」

さっきから"そうだよ"しか言わないひとみに、梨華は当たり前の事を聞く。

「月曜日、学校休むの?」
「そうだよ」

当然と言わんばかりにひとみは言うが、

「そんな…二人揃って休んだら、先生に何言われるか………」
「いいじゃん別に。またとないチャンスなんだから」
「そうだけど・・・」
「そりゃ中澤にあるコトないコト言われたり聞かれたりすんのはムカつくけど、
 それより梨華と一緒にいる方が大事だよ」

ひとみの言いたい事は分かる。でも・・・

「平家先生、結構私たちのコト見てるから何か気になっちゃって」

気になる事はもう1つある。この前、お尻を見てたし・・・。
これは梨華の思い過ごしかも知れないので言わないでおいた。
違ってたら、大変な事になる。

「梨華、そんなの、へっちゃら平家 よろしくよっすぃ〜だよ♪」
「???(ひとみちゃん、何ソレ?)」
「とにかくさ、楽しみじゃん?もう予約取っちゃったんだし」
「ごっちん達には、言わなくていいの?」

当初4人で行くとか言う話も出ていたが・・・

「取りあえず、今報告しとこうか」

ひとみは携帯に手を伸ばした。
294 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-47- 投稿日:2001年12月07日(金)19時56分26秒
「なにぃ〜!!マジっすか??人に相談もなしに!!」

真希は携帯に出ると店内の聞こえるほど大きな声を出した。

(ごっつぁん、声でけーーんだよっっ(汗))

真希はハッとして口元に手を持って行くと声のトーンを落とした。

「すぐ行く!って言いたいとこだけど、今喫茶店に入ったばっかなんだー。
 だから…30分したら、そっち行くね。じゃ」
「ごっつぁん興奮しすぎ。店の中なんだから静かにしろよなー」

矢口は運ばれて来たコーヒーに口を付けると、溜息混じりに言った。

「だって、よっすぃーたち勝手に旅行決めちゃうし」
「別にい〜じゃんか。それで?」
「これから、石川先輩のとこに行くんだけどね」

真希は、ニーッと笑った。
295 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-48- 投稿日:2001年12月07日(金)20時07分01秒
−48−

ゆっくり飲んでる矢口を急かして喫茶店を後にした。

「もっと、ゆっくりだっていいだろーに…」

文句を言う矢口に真希は

「よっすぃーも、あと5分早く電話くれれば良かったのに」

なんて、ひとみに対して文句を言っている。

梨華の家につくと、すぐにひとみが出て来た。

「おはようございます、矢口先輩に、ごっちん」
「悪いな。邪魔しちゃって・・・」

矢口は遠慮がちに言うが、真希は

「んもー、そんな素敵なプラン早く教えてよっ!よっすぃー」

ひとみの首根っこを掴むと真希は勝手に上がり込む。

「石川先輩、おはよーございまーす♪」

ひとみが真希の腕に首を挟まれているのを見て、ギョッとした梨華だったが

「おはよう・・・ごっちん」

矢口と目が合うと、矢口が『ゴメン』と言っているのが分かった。
296 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-48- 投稿日:2001年12月07日(金)20時07分49秒
テーブルに開かれている雑誌を見て真希も、

「よし!やぐっつぁん。ウチらもコレにしよう!決まり!!」
「は?おいら、なんも知らんよ?」
「もしかして、ごっちん達も来るの?」

真希はひとみを見ると、至極当然と言った風に

「当たり前でしょ。こんなプラン独占しようなんてズルイ」
「ズルイって・・・」

矢口は雑誌を覗き込むと

「でもコレよぉ〜泊まるの日曜じゃん。学校休むってコト?」

矢口も同じ事を聞いて来た。

「1日くらい平気だよ」
「っつーか、4人揃って休んだらマズくないか?」
「やぐっつぁん、中澤が恐いの?」
「別に、そーいうんじゃないけどさぁー」
「やぐっつぁんの卒業旅行だって言えば、中澤だってきっと許してくれるよ」
「卒業って、早くねぇか?」

矢口はコソッと言う。
しかし、そのスキに真希は、もう電話をいれていた。

「早っ…」

電話を切ると、真希はピ〜スサインをする。

「お前、行動に移すの早ぇーなぁ。バイトの件といい、旅行の件といい」

矢口は半ば呆れたように言った。
297 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-48- 投稿日:2001年12月07日(金)20時17分17秒
「バイトって何スか?ごっちんバイトすんの??」

初耳なひとみは聞き返した。

「うん。りんねさんとこで働くの。明日から。愛ちゃんと一緒だし楽しみだよ♪」

ひとみは梨華と顔を見合わせた。

(吉澤も高橋のコト・・・知ってんのかな・・・)

その後は4人でワイワイ(殆ど真希が)喋っていて・・・

「貸切ってコトはさぁ〜、当然2人っきりなんだよねぇ」
「当たり前だろっ。他人が入ってきたら貸切言わないっちゅーの!」
「…声は聞こえちゃうのかなぁ〜?」

真希が矢口にピタッとくっついて聞くので、梨華は思わず想像してしまった。
(ごっちんったら……なんてコトを・・・)

しかし、ひとみは、

「露天風呂なんだから防音じゃないから、声は聞こえるんじゃないの?」

梨華はひとみのシャツの袖を引っ張った。

「え?その声じゃなくて?・・・どの声?? あの声って???」

梨華は、コッソリ言ったのに、ひとみに聞き返されて梨華は真っ赤になる。
(もぅー。ひとみちゃんの鈍感!!!!!)
ひとみも、やっと理解したのか赤くなった。
298 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-48- 投稿日:2001年12月07日(金)20時22分37秒
「後藤も、何言い出すんだよっ。っとによ〜」

矢口は照れながら、誤魔化したが、真希が追い打ちをかける。

「でも、よっすぃーだって、そうでしょ?流れ星は二の次で、
 お風呂で、やっちゃえるって思ったんでしょ?」

「「「・・・・・・・」」」
(ごと〜〜〜!!!!!!)
((ごっちん???))

真希が恥ずかしげもなく言うので、3人は絶句した。
このままだと危険だと感じた矢口は、スッと真希の腕を取って立ち上がる。

「あ〜、お邪魔したな。んじゃ、ごっつぁん連れて帰るわ。吉澤、石川またな!」
「えぇー?今、来たばっかじゃん」

文句を言う真希の有無を言わさず、矢口は真希を引きずるようにして梨華の家から出ていった。
299 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-48- 投稿日:2001年12月07日(金)20時25分42秒
残されたひとみと梨華は、少々気まずくなり・・・

「梨華。私は別に、ごっちんが言った風に思ったわけじゃないヨ」
(半分は当たってるけど・・・)

「うぅん。でも、ごっちんの言ってるコト分かるよ」
「え?」
「やっぱり・・・こうでもしないと、ひとみちゃんも、その気になってくれないし…」
「・・・・・・・」
(やっぱり、昨日のコト・・・気にしてるんだ、梨華・・・)

「でも、焦らないコトにしたから。ごめんね。イヤな女だなんて思わないでね?」

心なしか、梨華の瞳は潤んでいて・・・
ひとみは切なくなり、おもむろに梨華を抱きしめた。

「…梨華が謝るコトないじゃん。鈍感な私がいけないんだよ。きっと。ゴメン」

ひとみは梨華を見つめると、そっとキスをした。
300 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-49- 投稿日:2001年12月07日(金)20時32分05秒
−49−

「まだ、話の途中だったのにさっっ」

真希はむくれながら、再び矢口の部屋に戻っていた。

「ごっつぁん、やっちゃうとか、そういう言葉は使っちゃダメだっつーの」
「どうしてぇ?」
「あの2人・・・まだ、なんだろ?」
「そうだっけ?」
「あの様子だと、そうだと思うけどな」
「早くやっちゃえばいいのにね。案外よっすぃー奥手なんだ。
 石川先輩の方が過敏に反応してたよね」

なんだかんだでよく見ている真希に

「確信犯か?お前はぁ〜!!」

矢口は真希を小突いた。

「案外、先に進んじゃえば、あとはラクなのにね」

真希は急に真顔になると、矢口を見つめた。
(最近、こういう展開が多くないか?・・・まだ昼だぞ?)
301 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-49- 投稿日:2001年12月07日(金)20時38分19秒
「…でも、人の肌の温もりが恋しくなるね。今は幸せだけど、春から
 やぐっつぁんが居なくなると思うと、ゴトー耐えられないよ…」
「…ごっつぁん・・・」

真希は涙をこらえると

「ゴメンねっ。やぐっつぁんが決めたコト、今さら言ったって仕方ないのに。
 でも、寂しさに耐えられるか不安で…」

そんな事言われたら・・・。矢口は真希の震える肩を黙って見つめていた。

「ゴメンな。寂しい思いさせて」

それだけ言うのが精一杯だった。

「私、やぐっつぁん困らせるようなコトばっかしてるね。さっきだって…」
「なに言ってんだよ。全然困ってねぇーよ。後藤だから許せるよ。
 ・・・矢口にとって。お前は最高の女だから…」
「やぐっつぁん・・・」
302 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-49- 投稿日:2001年12月07日(金)20時44分07秒
隣りの部屋で矢口の妹は、壁に耳をぴったりつけて盗み聞きをしていた。
思わず、涙ぐんでいた妹だったが、姉の告白に

(ぶっ・・・。お姉ちゃんったら、すっごいキザ!!)

それでも真希の事を真剣に想って付き合っている事が分かり、感動する妹だった。

「もう泣かせるコトしたくないけど…待てろって言わないけど、
 おいらは名古屋行っても後藤のコト、想ってるから」

(お姉ちゃん、ソレ言うの、早すぎだよっ!)

「私も待ってる。やぐっつぁんのコト!!ずっと想ってるヨ」

(あ〜。真希ちゃんもカワイイ事言って。お姉ちゃんのツボ押さえてるよ!!)

「ごっつぁん…カワイイ奴だな…」

(ホラホラ、お姉ちゃんのハート鷲掴み!!)

「やぐっつぁん…大好きだヨはあとはあとずっとずっと」

(真希ちゃん、更に追い打ちだぁ〜〜!!!!)

「矢口も後藤のコト・・・ぁっあっ愛してる…」

(お姉ちゃん、どもっちゃって・・・)

完全に入っている2人よりも、興奮していた矢口の妹だった。
303 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月07日(金)20時54分20秒
>>291-302  46話−49話更新しました。
ちと大量に書いてみましたが。そろそろ早く話を進めないとだ。

>>285 夜叉さん
初めまして。桃でお世話様です(w。
ヨシコは、子どもですので。梨華が少しませてるのかエロなのか(w。
とても終わりそうにないっす。話が・・・進みませんね。

>>286 読書の秋 さん
いえいえ。桃板(じゃない氏)にはお世話になってますんでどんどん宣伝してください。
エロ石は、もうやめますので〜(w。
石川が5個ですね。吉が20個。一緒に見れば萌えるのに(苦笑)。

>>287 理科。さん
師匠なんて、とんでもないです(恐れ多いっす)
>#´▽`)〜`O)〜♪
このAA(・∀・)イイ よねぇ〜(笑)。

>>288 M.ANZAIさん
私も桃板、人に教えてもらったんで偉そうな事言えません。スマソ。

>>289 名無し男さん
もう、石川さんいじり、やめます(w。

>>290 闇の住人さん
露天風呂の話までに行くには、幾つステージがあるんだか(w。
多分、新スレ以降かも?(って、そんなに続くのかよっ!はぁ〜溜息)
304 名前:夜叉 投稿日:2001年12月07日(金)21時47分01秒
梨華ちゃんったら〜、おませさん(w。
ごっつぁんの暴走は誰にも(略。w
露天風呂まで幾つかのステージがあるですと?ボスキャラは出てくるのかしら(爆)。
305 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月07日(金)22時57分48秒
矢口の妹エエ感じっすねー。
それにしても、高橋が幸せになれる日は来るんですかねえ。せつねー!
いしよしはエロがなくてもアツアツですなぁー。旅行ではどうなるのやら・・・。
板変わっても追いかけますよ!だから、終わらないで・・・。(w
306 名前:読書の秋 投稿日:2001年12月08日(土)00時03分44秒
実はキーパーソンは矢口妹か・・・
最高の女の前でどもる矢口に萌えぇぇ
後藤がついに獣化した・・・
石川はしないのか・・・  いやよいやよも好きのうち・・・(藁
307 名前:じゃない 投稿日:2001年12月08日(土)00時18分57秒
桃板はただの変態馴れ合い板ですが、なにか?( ̄ー ̄)ニヤリッ

露天風呂で流れ*LDVJNぽしdghbヴぁういdgvさ
308 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月08日(土)00時36分38秒
やぐっつぁんちっちぇーのにカッケー!
309 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月08日(土)01時13分04秒
ごっちんの前向きな姿勢が良いですねぇ。
どんな困難でも軽く超えられるパワーを感じます。
でも、障害はつきもの・・・・
310 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年12月08日(土)01時29分26秒
やぐごまいいね〜!
ごっつぁん最高!!面白すぎ!!!
やっぱ妹も気になってるんですね〜♪
311 名前:理科。 投稿日:2001年12月08日(土)04時37分07秒

#´▽`)〜`O)〜♪ ←(最高です♪)
矢口っつぁんの妹に爆笑です!!
更新、お疲れサマでございました。
312 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-50- 投稿日:2001年12月08日(土)15時53分59秒
−50−

翌日の月曜日。
もうそろそろ体育祭も間近。
ひとみは、学園祭の練習も兼ねていて、大忙しだった。

真希も、その1人なのだが、至ってのんびりしている。
昼休みの図書委員も、慣れてしまえば、ただ座ってればいいし
退屈でも、高橋が話し相手になってくれるし、ラクなものだった。

「愛ちゃん、今日からバイトよろしくね〜♪」

真希が笑顔で言うので、高橋もつられて笑顔になる。

「はぃ。なんか、き、緊張しますね…」
「あはっ。愛ちゃんが緊張するなんて、おかしい」
「そ、そうですかぁ?」
「私なんか、あんまり緊張しない方だしさぁ」

高橋は、真希と、こんな風に雑談出来るだけでも幸せだった。
多くは求めたくない・・・。でも、昨日みたいに抱きしめられたりすると
真希は何とも思ってなくても、高橋は、ちょっと切なくなる。
313 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-50- 投稿日:2001年12月08日(土)15時55分06秒
「吉澤、ちょっといい?」

矢口が珍しく、屋上に来ると、ひとみを呼び出した。

「はい」
「あ、別に石川も居ても構わないんだけど」

と言って、ひとみの隣りに座り込む。

「なんすか?」
「お前さぁ〜、高橋の好きな人って、誰か知ってる?」
「・・・」

高橋から口止めされてるひとみは、黙っていたが。

「後藤はさぁ、吉澤だと思いこんでるんだけど…どう見ても
 後藤が好きだと思わないか?おいらの勘違いかな…」

ひとみは梨華と顔を見合わせる。
言っていいのか、どうか・・・

「わ、私ですか?そ、それはないと思いますけど?
 だって、全然私のコトなんか、眼中にないですよ。愛ちゃん」

これでは後藤です。と言っているようなものだ。

「やっぱり、吉澤も、後藤だと思うよな?な?」

念を押されるように言われて、ひとみは、どうしようかと迷った。

「気、遣ってるんだったら、別にいいんだぜ。おいら、高橋に嫉妬するとか
 そんなコト思ってないし」
「そうですか・・・。あ、いえ・・・」
「ひとみちゃん、言っちゃいなよ」

梨華に言われて、ひとみは口を開いた。

「・・・やっぱり、そうか。なんか、そんな感じしたんだよな」
「でも、急にどうしたんですか?」
「後藤と高橋って、お似合いだと思うか?」

冗談で言ってるのかと思いきや、矢口は真剣だった・・・。
314 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月08日(土)15時57分01秒
ネットで調べたら、矢口妹の名前が出て来たので、その名前を
次回から使わせてもらいます。本当はどうか知らんけど。

矢口は、高橋とくっつけたいのか?微妙…微妙なとこね。

>>304 夜叉さん
ボスキャラは、姐さん?そろそろまた出てくるでしょう。

>>305 闇の住人さん
高橋にも、少しは幸せ分けないと可哀相かな。でも、まだ先でしょうね。
なかなか終わりませんね。こんなに長くなるって自分でも思わなかったです。

>>306 読書の秋さん
石川は、しないよ!(w

>>307 じゃないさん
>桃板はただの変態馴れ合い板ですが、なにか?( ̄ー ̄)ニヤリッ
おらも、変態だったのね(苦笑)。まぁそうだけども。
露天風呂の話は、年明けないと辿り着けそうにない。まだ道のりは長い。

>>308 尾依羅さん
(〜^◇^〜)<ちっちぇーは、余計だよっ!

>>309 M.ANZAIさん
障害かぁ。矢口が卒業する迄は、ラブラブでムフフでいてもらいましょう。

>>310 真里っぺ♪さん
にわかに自分も、矢口後藤にハマってたり。全てはTVジョンがいけないのよぉ。

>>311 理科。さん
>#´▽`)〜`O)〜♪ ←(最高です♪)
最高でーす!(お前は法○か?(w
やぐ妹は、なんか好評?だったから取り入れてみました。
315 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月08日(土)16時38分58秒
ラブラブでムフフ・・・
あぁ〜、ごっちんにあてられ続けるいしよしなのかぁ。
梨華ちゃん、どんどん焦れていきそう・・・
316 名前:読書の秋 投稿日:2001年12月08日(土)23時29分22秒
まさか自分が身を引く気では・・・
矢口!それでいいのか!!!

追伸  するよ(w
317 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月09日(日)14時02分36秒
まきまりにハードルっすか!?
さて、どうなってしまうのか〜!(ガチンコ(?)風)
318 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-51- 投稿日:2001年12月10日(月)19時20分24秒
−51−

「お似合い?何言ってるんスか?先輩!!」

ひとみは、矢口が身を引くものと勘違いし、声を荒げて言った。

「あ、あのモノの例えだってば!」

矢口も焦って付け加えたが・・・

「昨日、あんなに見せつけたクセに、愛ちゃんがごっちんに気があるからって
 なんなんすか!それは!!そんなんで身ぃ引くんですか!!」
「だから、落ち着けって吉澤!それに誰が身を引くなんて言ったよ?」
「あんなにごっちんとラブラブなのに、羨ましいですよ!」
「ひとみちゃん、話の方向がズレてる・・・」

「だからよ〜、ただ、どうかなって聞いただけだろっ!」

しまいには、矢口もキレて怒っていた。
(吉澤に言うのは失敗だったな。やっぱり)

「ひとみちゃん落ち着いて。矢口先輩だって、考えて言ってるんだし
 最後までちゃんと話聞こうよ、ね?」

梨華になだめられて、ひとみはようやく頷いた。

「さすが石川だよ。大人だな」
「ふん。どうせ子どもですよ!」
「ひとみちゃん!」
「・・・」
319 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-51- 投稿日:2001年12月10日(月)19時21分50秒
しかし、運の悪い事に?真希がやって来る。

「やぐっつぁ〜ん!」
「ありゃ・・・」
「会いたかったぁ〜♪」

走りながら矢口に抱きつくので、矢口はバランスを崩して倒れそうになる。

「さっき会ったじゃんか…」

ひとみと梨華がいる手前、矢口は適当に流していた。

「ホントはさ、図書委員の仕事もう少しあったんだけど愛ちゃんが
 気をきかせて帰らせてくれたの♪優しいよねっ」
「そっか。良かったな」
「なんか素っ気ないな〜。やぐっつぁん、寂しかったの?」
「バカな・・・」

「なんか、すっかり私たちの存在忘れてるみたいなんですけど?ごっちん??」

ひとみは、申し訳なさそうに口を挟んだ。

「あぁ、よっすぃーもいたんだ」
「最初からいたよ!私たちも場所変えよう?梨華。じゃぁお先にね」

ひとみは一方的に言うと、屋上を後にした。
と言っても、昼休みも、残り5分を切っている。
320 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-51- 投稿日:2001年12月10日(月)19時23分17秒
「ごっちんの方がラブラブって感じだねぇ。幸せそう」
「なのに、矢口先輩、自ら水さすような発言しちゃってさ。何考えてんだか」
「多分、矢口先輩も色々考えて言ったんだと思うよ?」
「なんか悔しい」

ひとみは何に対して苛立ってるのか、良く分からないが、きっと、それは
嫉妬なんだと思う。前に進めない焦れったさ。でも、それは自分のせい・・・。
焦れったいのは、きっと梨華の方。
さっきの矢口の件だって、梨華は落ち着いてた。やっぱり梨華は大人だと思う。
焦ってる自分。自分も大人になりたい・・・。梨華に相応しい人間になれるような。

「どうしたの?ひとみちゃん」
「ぅうん。なんでもない。梨華は……今の私との関係に満足してる?」
「急にどうしたの?おかしなひとみちゃん」

(やっぱりおかしいのかな。私が考えすぎなのかな)

階段の踊り場で、急に立ち止まりひとみは黙り込んだ。

「ひとみちゃん?何かあるなら言ってよ?」
「なんでもない」

子ども扱いされるのがオチだ。まだ言わなくても平気。きっと。

梨華はひとみを壁に押し付けると、ひとみの肩に手を添えてキスをする。

「梨華………」
「少しは落ち着いた?ひとみちゃんがカリカリしたって仕方ないでしょ?
 あと、さっきの質問だけど、私は満足してるよ?
 昨日も言ったじゃない。私が焦ってたんだって。だから
 ひとみちゃんは心配しないで?ね??気にしないで?」

そう言われると、ひとみは何も言えない。

「う、うん・・・。じゃぁ・・・もう一回・・・」
「なに?」
「キスを…ください」
321 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-51- 投稿日:2001年12月10日(月)19時24分43秒
しかし、梨華はそれには応えなかった。と言うか応えられなかった。
何故なら・・・。上からの視線に気付いたから・・・

目を閉じて、待っているひとみに、真希と矢口は音を立てずに近づいて行く。
しーっと人差し指を立てながら、真希と矢口はひとみのキスを待つ顔を眺めていた。

いつまで経っても梨華のくちびるが触れて来ないので、ひとみは目を開けると・・
そこには、ニヤけた顔が2つばかり並んでいた・・・。

「なっなにやってんすか!!!」

驚いたひとみは、顔を真っ赤にさせながらあたふたと慌てた。

「くっ。吉澤のキス顔って、初めて見たよ。案外可愛いのな」
「よっすぃー。睫毛長いねぇー。そういう顔で石川先輩とキスしてんのね。
 あはっ」

「り、梨華も酷いよ!黙って見てるなんて!」

ひとみは、更に顔を紅潮させて梨華に抗議する。

「だ、だって・・・」

梨華も俯きながら言う。その前のキスも実は見られてたのかも知れないと
思ったら、急に恥ずかしくなったのだ。

「お前らなぁ、そんな踊り場でキスするからいけないんだぞっ。
 それに、もう昼終わるんだから、ギリギリまで、チュッチュしてんじゃねぇよ!」

さっきの仕返しと言わんばかりに、矢口に言われて、ひとみは唇を噛んだ。

「チュッチュなんて、してませんよ!!」
(1回軽くしただけじゃん!)
322 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-51- 投稿日:2001年12月10日(月)19時26分10秒
しかし、そんな痴話喧嘩も、中澤の一言で静まってしまう。

「ゴルァ!もう昼休み終わってんねん!いつまで無駄話してんのや?
 それに・・・なんや?チュッチュって???えぇ?
 チュッの話を裕ちゃんの前でするなんて10年早いわ!ボケ!
 大体、階段の途中で、デカい声でキスの話するなっちゅーねん!
 丸聞こえやっちゅーねん!」

「別に、中澤先生に、キスの話した訳じゃないですよ?」

ひとみは勢い余って中澤に言ってしまう。

(よっすぃーチャレンジャーだなぁ・・・後は知らないよ?)

「吉澤ぁ?誰に向かって口聞いとんねん!部活始まる前に、ちょっと
 職員室へ来い!ホラ、さっさと教室戻らんかい!」
 「「「「はーい」」」」

慌てて4人は階段を駆け下りて行った。

ひとみは駆け下りながら思った。

(なんで私だけ言われるんだよ!!!くやし〜!!!!
 それにキスも邪魔されたし・・・。明らかに不公平だよね…)

ひとみは呟くと梨華と矢口と別れて、真希と教室へと戻って行った。
323 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-52- 投稿日:2001年12月10日(月)19時28分56秒
−52−

「はい。だからぁベルが鳴ったのに気付かなかったコトはぁ、謝りますよ」
「いちいち語尾伸ばすな。気色悪いっちゅーねん」

放課後、ひとみは着替えて職員室へ来ていた。
まだ、11月に休む事は言っていない。あんまり中澤を刺激するような事は
慎まなければいけないとひとみは思っているのだが。

「すみません。今後は気をつけます」

確かに5限目が始まってるのに戻らなかったのは悪いと思っているけれど
後は悪いとは思っていない。からかった矢口と真希が悪いとひとみは今でも
思っていた。くそー。

「ホンマに、そう思っとるか?」
「ハイ・・・」
「ん。今日は許しといたろ。裕ちゃんも、ちょっとカリカリしとったからな」

ひとみがホッとしたのも束の間、平家が口を挟んで来る。

「吉澤さん、いい太股してんねんなぁ…」
「なっ・・・」
「みっちゃん、ヤラしい言い方すんなや」
「石川さんのお尻も、なかなかえぇんやけど、こっちも捨てがたいなぁ」
「お尻って、なんすか?」

ひとみは、平家をギロッと睨んだ。
324 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-52- 投稿日:2001年12月10日(月)19時29分41秒
「吉澤さんは知り尽くしてんねんだろうけど、石川さんの尻、そそるねぇ。
 触りたいくらいやわぁ」
「何言ってんですか!それに、ヘンな言い方しないで下さい!」

中澤だけでなく、ここにもセクハラ教師がいたのかと思うと、しかも梨華の
担任だと思うと、ひとみは泣けてくる。

「結構、みっちゃん狙って触ろうとしてるんやないか?」

この手の話だとすぐ乗ってくる中澤に、ムカつきながらも、ひとみは

「梨華に手を出したら、例え、平家先生でも許しませんからね!!」
「吉澤、本気やねん。みっちゃんも気ぃつけた方がえぇで。
 まだ、吉澤達、してへんのやしな。その感じだと・・・」

中澤が、いやらしい口調で言うから、ひとみは黙ってしまう。

「もう関係ないじゃないですか!!失礼します!!」

ひとみはプンプンしながら、職員室を後にした。

「ったくも〜・・・なんなんだか!平家も要注意だよっ。っとに」
325 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-52- 投稿日:2001年12月10日(月)19時30分42秒
ひとみは余程怒っていたのであろう、紺野は土曜のお礼を言いに、ひとみを
見つけて声をかけようとしたが、あまりにひとみが恐い顔をしているので
怖じ気づいて、声をかけそびれてしまう。

「・・・なんか、吉澤先輩、殺気立ってる・・・(涙)」
「ダメだなぁ。紺ちゃん。じゃぁ私が変わりに呼んで来てあげるよ」

まだ練習までには時間があるので、小川は立ち上がると、ひとみを呼ぼうとしたが
紺野の手が伸びて、小川のシャツを掴み、それを阻止する。

「まこっちゃん、いいよぅ・・・」
「良くないでしょ?後悔するくせに」

小川は紺野の手をどかすと、ひとみの方に駆け寄って行った。
小川がひとみと話していると、ひとみの視線が紺野に注がれた。
そして、ひとみが駆け寄ってくる。

「あ・・・」

思わず紺野も立ち上がる。

「土曜日はありがとうございました。お礼が遅くなってすみません!」

紺野は頭を下げる。

「うぅん。お礼なんて。あれからお母さんに怒られなかった?」
「はい。お母さん、先輩のコト・・・気に入っちゃって……」
「そっか。良かった。ならいいんだ。遅くまでゴメンね。
 でもまた、一緒に遊べたらいいね」

ひとみは笑って答える。

(吉澤先輩・・・素敵すぎです。紺野・・・また倒れそうです…よ?)

しかし、倒れる前に矢口の声で、我に返る。

「始まるね。じゃぁ、今日も頑張ろう!」
「はぃ」

「よ〜っし!学園祭まで、あと少し!!がんばっていきまっしょい!」
326 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-53- 投稿日:2001年12月10日(月)19時32分52秒
−53−

その頃、真希は初バイトで、高橋と「カントリーマート」にいた。

「分からないコトは、ベテランの愛ちゃんに訊いてね。
 あとはちゃんとやってくれればOKだから…」
「はい」
「じゃぁ、愛ちゃん頼むね」
「はい!」

りんねが行ってしまうと、真希は早速高橋に話しかけた。

「すっかり任せられてるんだ。さっすがだね」
「そんなコトないですよ。ごっちん先輩だって、すぐに慣れちゃいますから」

真希の制服姿を見て、高橋は見惚れてしまう。
バイトの時は、髪をお下げにしているのが、また可愛いのだ。
(何を着ても、可愛いんだけど・・・ごっちん先輩は)

「愛ちゃんさぁ・・・」
「はい!」

真希の事を考えていて、その本人に声をかけられて高橋は声が裏返ってしまった。

「そんなに驚かなくてもいいのに…」
「すみません」
「今はりんねさんいないけど、ごっちん先輩はマズいんじゃない?」
「え?」
「一応、同い年ってコトになってるんだし」
「そうですね」

自分で言ったのにすっかり忘れていた。
327 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-53- 投稿日:2001年12月10日(月)19時33分50秒
「だからぁ、ごっちんでいいよ」
「そ、そんなコト言えませんよ・・・」
「私の命令でも?」
「もぅ、苛めないで下さいよ・・・」

高橋は泣きそうになる。でも、真希は

「あはっ。愛ちゃんって、ホント可愛いね」
「ごっちん先っ・・・!???」

先輩と言おうとして、それは真希の人差し指で遮られてしまった。

「命令って言ってるでしょ?」
「・・・・」

それより、自分のくちびるに、真希の指が触れていて、そっちの方に
高橋は神経が持っていかれていた。
視線も定まらない高橋に、真希は指を離すと、

「愛ちゃん大丈夫?顔赤い・・・よ?」
「大丈夫…じゃないです・・・」
「奥で休む?って言っても私、まだやり方分かんないしなぁ…」

困ったと言う顔の真希に、高橋は

「平気ですから…(ごっちん先輩が何もしなければ)」
「それならいいけどさぁ。でも具合悪ければ言ってね?取りあえず椅子にでも
 座ってなよ」

奥にある丸椅子を持って来ると、高橋を座らせた。

「優しいですねぇ。矢口先輩も惚れる訳ですね…」
「え?やぐっつぁん?やぐっつぁんには、そんなコトしないよ」
「そうなんですか」

矢口の名前を出すと、真希は明らかに表情が変わる。
ホントに好きなんだと実感する瞬間だ。
(私も、ごっちん先輩の事・・・好きです)

「やぐっつぁんは、どうでもいいんだけど」

(どうでも良くはないと思うんですが・・・)
328 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-53- 投稿日:2001年12月10日(月)19時34分50秒
「愛ちゃんの好きな人ってさ・・・」

――― ドキッ!!心臓が一瞬止まるかと思った。急に来ますか。

「私が思うに・・・」

――― 気付かれた?それとも・・・

「言っちゃっていいのかなぁ…。ズバリ・・・」

真希は後ろに手を組んで、なんだか嬉しそうな顔をしている。

――― 誰だと思ってるんですか?

「・・・よっすぃーでしょ?」
「・・・・・・」

高橋は言葉にならなかった。
真希自身に気持ちが気付かれてなくて安心と言うよりも、自分の好きな相手が
全く違う人・それもひとみの名前を挙げられた事が、高橋にはショックだった。
これだったら、いっそ、自分の気持ちがバレてしまった方が良かったように思えた。

高橋が黙っているので、真希は

「あれ?違った??結構自信あったんだけどなぁ」

なんて、真希は言っている。

「ち、違いますよ。私の好きな人は……先輩の知らない人・・・ですよ」

それだけ言うのが、やっとだった。
ここで「先輩が好きです」と言うのは簡単だけれど、それは絶対に言えなかった。
こんな鈍感な真希が、それでも高橋は好きだった。

「え?そうなんだ。てっきり、よっすぃーだと思ったのに。ゴメンね」

真希はいつもの明るい調子で謝る。
329 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-53- 投稿日:2001年12月10日(月)19時36分03秒
「だって、吉澤先輩には、石川先輩がいるじゃないですか」
「でもさ、好きな人には付き合ってる人がいるって言ってたから」
「そ、そうですけど。吉澤先輩は高嶺の花ですよ」
「よっすぃーがねぇ・・・」

この後は、何を話したのか、よく覚えていない。

高橋は咄嗟についたウソとは言え、架空の人物を好きと言ってしまった
自分に後悔していた。
こうなったら、隠し通すしかない・・・。
ツラいけれど、自分がしてしまった事だから・・・。

「ズルイよ先輩…。こんなに人の事好きにさせといて……。責任取って下さい」

こんな事を真希の前で言ったら、どうなるのだろう?
絶対言えないのに、高橋は想像しては、涙が溢れて来る。

「片想いよりも・・・ツライかも知れない……」

高橋は、夜ベッドの中で声を押し殺して泣いた・・・。
330 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月10日(月)19時41分46秒
>>318-329 51話〜53話まで更新しました。

こんな調子で書いてたら、永久に話が終わらない(泣)。
そろそろメイン行事をさらっと書いて話を進めないと自分(w。

>>315 M.ANZAIさん
梨華よりヨシコの方が何故か苛立ってましたね。

>>316 読書の秋さん
(〜^◇^〜)<引かないよっ

>>317 吉胡麻系さん
まきまりよりも、ごまたかですかね。
高橋には泣いてもらいました。
331 名前:名無し梨華 投稿日:2001年12月10日(月)20時41分47秒
高橋イタイなぁ・・・・
矢口はどうするつもりなんだろう・・・?

どんどんみんなが絡んでいくので予測不能かもしれません(w

作者さん頑張ってくださいねん♪
332 名前:名無し男 投稿日:2001年12月10日(月)20時56分51秒
(TσT)<その気持ち、わかる。

レイラァァァァーーーーーーーー!!!!!!
333 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月10日(月)22時13分00秒
吉澤、荒れてますねぇ、荒れまくりですねぇ。
何気にセクハラな平家先生も気を付けておかないといけませんね。

高橋・・・辛いなぁ・・・誰でもいいから慰めてやって欲しいなぁ。

こんな調子で書かれてしまうと、否が応でも学園祭に期待してしまいます。
いったいどんな事件が、ドラマが、サスペンスが(あっそれは無いか)・・・
作者さん、楽しみに待ってます♪
334 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月11日(火)17時44分26秒
愛ちゃん・・・。(激泣)
かなり、悲しいっす・・・。泣けてくる・・・。
335 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-54- 投稿日:2001年12月11日(火)18時45分36秒
−54−

翌日の昼休み。
久しぶりに矢口と真希と4人で昼食を取っていた時の事だ。

「ご、ごっちん、愛ちゃんに言っちゃったの?」

思わず、ひとみは箸を落としそうになった。
(私が動揺して、どうすんだか・・・)

「うん。やっぱ気になったからさぁ」

悪びれた様子もなく真希はあっけらかんと言う。

訊くのも躊躇われたが、訊かないのも不自然なので、ひとみは
「それで?」と一応言った。

「私はね、絶対、よっすぃーだと思ったのよ。でも・・・違ってたんだよなぁ。
 そぅとぅ自信あったんだけどね」

(そぅとぅ鈍感だよ!お前は!!)
矢口は心の中で突っ込んだ。

しかし、真希はそれには気付かずに

「よっすぃーに言わなくて良かったと思ったよ。こん時ばかりは」
「「「・・・」」」
「でね、好きな人って・・・私の知らない人だってさ」
「・・・」

この様子じゃ、と言うか聞く前から分かっていた事だけど、
高橋は言えなかったんだろう。その時の高橋の心中を思うと、ひとみも矢口も
複雑だった。
336 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-54- 投稿日:2001年12月11日(火)18時46分49秒
「あれ?なんでみんな黙ってるの?」

一人状況の分からない真希は首を傾げている。

「っとに、後藤はダメだよな、そういうトコがよっ」
「え?何言ってんの?やぐっつぁん??」
「もうさ、ごっちんも、高橋さんにその話には触れない方がいいんじゃ…」

梨華もやんわりと言ったが

「なんで?そういう話って興味あんじゃん。私だって力になりたいしさ。
 なれないかもしれないけど」
「んなの、お前に言える訳ないだろっ!」
「どうして?さっきから、やぐっつぁんおかしいよぉ?」

「愛ちゃんだって、聞かれたくない話とかって、あるじゃん?」

詮索される前に、ひとみも言う。

「よっすぃーまで…。なんか知ってんの?」
「いや、そうじゃないけどさ。本人が話したければ、いつか
 きっと話してくるよ。だから、ごっちんが首突っ込むのは、どうかと思ったわけ」
「その意見に、おいらも賛成だな。大体、人の恋愛に首突っ込むなっつーの」
「別に突っ込んでないじゃない!なに、みんなしてムキになってんの?」
「別に。まぁいいや。その話はもうよそうぜ」

矢口は、話題を変えた。

その頃 高橋は・・・

泣きはらした目で学校に行くのは嫌で休みたかったが、休むと真希に怪しまれる
かも知れないと思い、何とか登校した。
今日の図書当番が、真希と一緒でない事に安心してしまう。
これから、どう接していけばいいのか・・・。
今日のバイトの事を考えると、高橋は頭が痛かった。
337 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-54- 投稿日:2001年12月11日(火)18時48分15秒
放課後、真希は帰ろうとした所を中澤に捕まる。

「今日は応援団の練習やろ。帰ろうなんて、あかんで後藤」
「そうでしたっけ?」

真希はすっかり忘れていたので、内心舌打ちをした。
(バイト休むって言ってないよ。愛ちゃんまだ居たっけ・・・)
「とぼけるんやない!すぐに着替えて来いや」
「はーい」

返事と共に真希は高橋のクラスへ走っていた。
(愛ちゃんまだ居るかなー。携帯教えてもらった方が良かったな)
丁度、着いた時に、松浦に出くわした。

「あー、松浦ひさぶりじゃん!」
「後藤さん!珍しいですねー」
「あゆみちゃんと、どうよ?」
「えー?どうって・・・」

松浦は顔が赤くなっている。

「あ・・・」
真希は、矢口に他人の恋愛に首を突っ込むなと言われたばかりなのを
思い出して、すぐに
「今の気にしないで。それよりさ、愛ちゃ…高橋さん知らない?」

真希はそう言いながら、教室をキョロキョロと見渡す。

「高橋さんですか?さっきまでいましたけど。何か用ですか?」
「帰ったんなら、いいんだ。んじゃね!あゆみちゃんにヨロシク!」
「は、はい」

真希は慌ただしく廊下を駆けて行こうとしたが、振り返って

「松浦!」
「はい?」
「その髪型、なかなか似合ってるよ!ショートの方が良いんじゃない?」
「はぁ…」
松浦は何だか分からず真希を不思議そうに見送っていた。
338 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-54- 投稿日:2001年12月11日(火)18時50分26秒
カントリーマートに電話を入れれば済む事なのだが、真希は直接高橋に会って
昨日の事も謝りたかったのだった。
まだ、走れば間に合うかも知れない そう思った真希は全力で校庭を走り抜けて行く。
その姿を、中澤は見ていた。

「後藤のヤツ、返事だけ良くて、結局さぼって帰っとるやないか!
 ったく自覚の足らんやっちゃ(怒)お仕置きやな」


高橋は、とぼとぼと俯きながら駅まで歩いていた。
「憂鬱だなぁ・・・。気が重いや・・・」

「・・・・いちゃぁーん! 」
「???」
(その声は・・・)

高橋は後ろを振り返った。
「ご、ごっちん先輩・・・」

まさか、こんなところで会うとは思っていなかった高橋は、動揺した。

「良かっ…たよ・・・。はぁ…はぁ…愛ちゃん…捕まって」

高橋の肩に掴まると、真希は息を切らしながら言った。

「どうしたんですか?・・・先輩」
「今日、応援だーんの練習・・・入ってたの…忘れててっ
 バイト休むって…連絡してなかったから……」
「・・・そんなの電話で済むコトじゃないですか」
「…そうなんだけど、愛ちゃんに謝りたくて・・・」
「謝る?」
「昨日の件・・・」

高橋は胸がズキンと痛んだ。
ようやく真希も呼吸が落ち着いて来たのか大きく深呼吸をすると

「勝手に色々言っちゃってゴメンね。愛ちゃんが話してくれるまで、
 その話は、もうしないから。だから許して」

真希は両手を合わせてゴメンナサイをした。
339 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-54- 投稿日:2001年12月11日(火)18時52分26秒
「や、やめて下さい。別に気にしてませんから!」

高橋は真希の手を降ろさせようとする。

「ホントに?」
「はい」

(例え気にしてても・・・ごっちん先輩だから…謝って欲しくないです)

「良かった。…じゃぁ、今度埋め合わせに食事でもご馳走するよ。
 初給料が出たらだけど」
「え?」

(そんな事されたら・・・ツライですよ)

「食事だけじゃ不満?・・・じゃぁデザートも特別に付けちゃう」
「そ、そうじゃなくて、そんなコトされる筋合いないです!」

高橋は頑なに拒否した。諦められなくなるのがツライのだ。

「ゴメン・・・」
「はい?」
「迷惑なんだね」

急に真希が哀しそうな顔をするので、高橋も焦ってしまう。
340 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-54- 投稿日:2001年12月11日(火)18時53分30秒
「ち、違いますよ。私なんかに、そんなコトしても……」
「なんでそんなコト言うの?私は愛ちゃんのコト好きなのに」
(私だって、先輩の事、ものすごく好きですよ。言えないけど)
「わ、私だって、先輩のコト・・・凄く大切な…先輩ですよ」
「だったら言うコト聞いてよ。ね?お願いだからさ♪」
「・・・・はぃ」

――― その瞳で、お願いとか言われたら、頷くしかないじゃないですか。
反則ですよ、ごっちん先輩・・・どうして優しくするのですか?

「じゃ、楽しみにしてるから!今日はゴメンねっ」
「はい。練習ガンバッテ下さいね」
「サンキュ!!」

真希は颯爽とまた走って行った。
その姿を見送る高橋。・・・だが、すぐに真希はきびすを返すと高橋の元に帰って来た。

「どうしたんですか?」
「肝心なコト忘れてた。携帯の番号教えて?あとメールも」

真希は携帯を取り出しながら言う。

「い、いいんですか?」

高橋が驚いた風に言うので真希は笑ってしまう。

「なに驚いてんの?やっぱ知ってた方が今日みたいに急に休む時とか
 連絡しやすいし」
「はい。ありがとうございます!」

2人は番号の交換をした。

「よしと!じゃぁヒマな時にでもメールちょうだい♪じゃぁね!」

真希の姿が見えなくなっても、高橋は携帯をいつまでも握りしめていた。
341 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-55- 投稿日:2001年12月11日(火)19時00分40秒
−55−

既に応援団の練習は始まっていた・・・。

「ごっちん何やってんだろ?」

ひとみは口では気にしてるものの、チアガールの梨華に釘付けだった。
(はぁ・・・梨華が一番カワイイよ。でも平家に要注意だよな。
 まさか来てないだろうな?)
ひとみは周囲を見渡すが、平家の姿は見えずホッとしていた。

「後藤は来ぃへんで。颯爽と帰って行ったからな」

中澤は、皮肉たっぷりに言う。

「帰ったんすか?」
(まさかバイト優先して行ったんじゃ・・・)

「もう体育祭まで日にちあらへんのに、返事だけ元気よかったわ。ホンマ腹立つねん」

「遅くなりましたぁーーーー!!!!!!!」

真希が走って来る。

「なんや、お前帰ったんちゃうんか?」
「帰るわけないじゃないですか!」
「帰る姿が見えたんやけどな。まぁえぇわ。特別許したるわ。とっとと位置につけ」
「はーい」

こうして、応援団の練習は始まった。
342 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-55- 投稿日:2001年12月11日(火)19時02分22秒
「私の詰め襟姿って、結構サマになってると思わない?
 なんて言うか、あの"綾小路文麿"だっけ?」
「なにそれ?」
「僕にはわかる〜。"ハロモニ。"とか言うのでやってんじゃん」
「私、あんまりTV見ないから分かんないよ」
ひとみは適当に流す。

「知ってるよ。あのキザな感じのヤツでしょ?」
梨華はTVを見ているのか、嬉しそうに答えた。

「良かった。話が通じる人がいて」
「でも、あの役って、ひとみちゃんの方が似合ってると思うなぁ」
「・・・そっか。石川先輩には、そうだろうねっ。ご馳走サマンサ」

休憩時間に、真希とひとみと梨華で雑談をしていたのだが
そんな、なんとかこうじより、真希がどこへ行っていたのかが気になった。

「ごっちん、どこ行ってたの?」
「どこって?ここ来る前?・・・愛ちゃん探してた」
「「・・・」」

「謝っておきたかったからさぁ。追い掛けていったら捕まったから」
「そっか。で、愛ちゃんはなんて?」
「なんて?って??気にしないで下さいって。そんだけだけど?」
「あぁそう・・・」
「ねぇ、なんで、そんなに愛ちゃんに絡むのさ?何かあんの?」

真希はひとみの腕を引っ張りながら聞いてくる。

「何もないってば」
(これは、一度愛ちゃんと面談しないとだな・・・)

「携帯の交換したら、えらく喜んでたっつーか、驚いてたなぁ。
 あとお詫びに食事誘ったら恐縮してたけど」
「なっ・・・」
「なに?」

(ごっちん・・・君はホントに罪作りだね)
(ごっちんも、綾小路文麿みたいだわ)

「愛の種をまき散らしすぎだよ、君は・・・」

ひとみは溜息をついた。
343 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-55- 投稿日:2001年12月11日(火)19時04分20秒
「何言ってんの?よっすぃーの方がそうじゃん。
 紺野さんにさぁ、プリクラ撮ってあげたそうじゃん」
「なんで、ごっちんが知ってんのさ?」

いきなり話が自分の事になり、ひとみは動揺した。

「その話聞いてないよ?ひとみちゃん??」

梨華が泣きそうな顔で聞いてくるから、ひとみは慌てた。

「いや、それは・・・勝手に生徒手帳見ちゃったからさぁ・・・
 お詫びに一緒に撮っただけだよ」
「そんな見たぐらいで、そこまでやる?よっすぃーの方がまき散らしてる
 じゃん。大体、紺野さんが、よっすぃーファンって知ってるクセにさ」
「だ、だだだからさぁ!」
「ひとみちゃん、知らない!」
梨華はスクッと立ち上がると、体育館から出て行った。

「ちょっちょっと、待ってよ!梨華・・・ちゃん!」

慌てて梨華を追い掛けるひとみに、真希はフフンと笑った。
(大体、私を責めるからいけないんだよ!ベーだ)

(もー、ごっちんも、なんでそんな事言うんだよ!っとにもー)

「梨華・・・ちゃん?」
「・・・」

梨華は、むくれている。
でも、そんな姿も可愛くて、チアガール姿の梨華に怒られているのも忘れて見とれてしまう。
太ももが眩しい・・・。平家が目がくらむのも分かる気がする・・・。
って、平家は梨華のお尻狙いだったっけ・・・。っていけない!梨華が怒ってる。
344 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-55- 投稿日:2001年12月11日(火)19時05分09秒
「最近大人しいと思ってたら、陰でそんなコトしてたの?」

梨華は両手を後ろに組んで、壁に凭れながら責めるように言った。

「陰でって…。紺野さんを送った話はしたじゃん」
「プリクラの話は聞いてないよ?」
「そ、それは悪かったと思ってるよ。でも私にとっては大したコトじゃないから」
「ひとみちゃんはねぇ、やるコトがキザなんだよ。ひとみちゃんにとって
 大したコトじゃなくても、そんなコトされたら、紺野さんますます
 ひとみちゃんのコト好きになっちゃうじゃない」
「それ言ったら、ごっちんだって」
「ごっちんは、高橋さんの気持ち知らないから・・・。
 ひとみちゃんは紺野さんの気持ち知ってるんだよ?」
「は・・・い」

ひとみはシュンとしている。
梨華も悪いと感じたのか、ふぅーっと溜息をつくと

「もういいや。それが、ひとみちゃんだって諦めてるから。
 いちいち怒るのやめようって思ってるんだけど…私もダメだね」

梨華は力なく笑い、ひとみを見つめる。

「梨華。ゴメンね」

ひとみは梨華に近づくと、そっと抱き締めた。

「諦めないで、これからも怒ってよ。妬いてる梨華もカワイイ」

その言葉を聞いて梨華はひとみから離れた。

「それって、人バカにしてる?」
「・・・してないって!」
「ひとみちゃんのバカ!」

梨華は、また怒りながら戻って行く。

「梨華ちゃぁぁ〜〜〜ん!!!」

ひとみは情けない声を出しながら、また梨華の後を追い掛けた。
345 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月11日(火)19時13分04秒
>>335-344 54−55話更新です。
なんか、話が脱線しまくり‥。申し訳ないっす。

>>331 名無し梨華さん
ちょっと高橋可哀相すぎますかね。と言うか、後藤が鈍感すぎ?
綾小路文麿とか、言ってる場合じゃないよ(w。

>>332 名無し男さん
気持ちわかりますか。痛いっすよね。
(TσT)<その気持ち、わかる。

>>333 M.ANZAIさん
ぞろ目ですね(w。
誰でもいいからですか・・・慰め・・・う〜ん、意外とあの人が…。
学園祭、今回は特にあんまり考えてないんですけどねぇ・・・。
今ちょっと思いつきましたけど(w。

>>334 吉胡麻系さん
高橋にも告白する勇気を・・・いつか、きっと・・・・。

明日から、ちょっと更新出来るか微妙です。なるべくするようにしますが。
346 名前:理科。 投稿日:2001年12月11日(火)19時45分34秒

ども♪…ごっちん!気付けよぉ〜!と絶叫♪
愛ちゃん…可愛いですね。最近、ハマっている自分がいます。
…うぅ!私壊れてる。カブってしまってスマソです…。
逝ってきます…。
347 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月11日(火)20時32分22秒
「応援だーん」。。。最近ネタ入り
348 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年12月11日(火)22時23分24秒
最近のネタがおもしろい(w
愛ちゃん大変だよね〜・・・辛いね〜
よっすぃ〜はよっすぃ〜だし(w
これからも頑張って下さいね

349 名前:むぁまぁ 投稿日:2001年12月11日(火)22時47分01秒
いつも拝見させて頂いております。
梨華ちゃんの王子様?はやはりへなちょこりんだったのですね(w
350 名前:夜叉 投稿日:2001年12月12日(水)02時09分36秒
>「・・・そっか。石川先輩には、そうだろうねっ。ご馳走サマンサ」
もしや、の○P語?そしたらマンモス(略。w

よっす、まだまだ甘いのう。
石が大人になりすぎて、自分の気持ちに嘘をつき始めるとやっかいなことになりそうで。
よっすには、更正の道を(w。

ぢゃ、ゆっくり見守るです。
351 名前:読書の秋 投稿日:2001年12月12日(水)02時10分41秒
今日はいしよし祭です(w
ネタになるのでしょうか。ちょっと生々しいですかね。
オソロさいこー
高橋にも幸せを・・・
352 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月12日(水)04時48分14秒
うわぁ〜い、ゾロ目だったんだぁ〜♪

高橋、健気だぁ〜、なんだかやるせない・・・
よっすぃーは相変わらずだし・・・

ては、ゆっくり見守るのてす
353 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月12日(水)18時16分37秒
なんか、よっすぃ〜ヘッポコみたいでカワイイです。(w
梨華ちゃんはお姉さんになりましたね〜。
相変わらずごっちんは鈍感だし。(w
あ、でも少し気付いてるかな?
354 名前:名無し男 投稿日:2001年12月12日(水)21時52分18秒
「部長、石川さん怒っちゃたんすけど?」
355 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-56- 投稿日:2001年12月13日(木)18時36分46秒
−56−

応援団の練習が終わると、真希と梨華は着替えて帰り支度をしていた。
ひとみは、この後も部活の練習が残っている。

「じゃぁーお先にねっ。よっすぃー」
「うん…」

ひとみは浮かない顔。

「ごっちん一緒に帰ろっ。今日のバイトずらしてるから、まだ時間あるんだ。
 どっか寄って行こうか?」

なんて梨華は、ひとみに当てつけるように言う。

「石川先輩と2人なんて、超ひさぶりじゃない?私もヒマだからオッケー!」

真希も快くOKするが、ひとみは内心穏やかでない。

「オッケーすんなよ!!」

「ひとみちゃんには関係ないでしょ。行こっ。ごっちん」

梨華は真希の腕を自分の腕にわざと絡めると、さっさと行ってしまった。
真希は真希で、片手をヒラヒラさせて・・・。
後ろ姿で顔は当然見えないが、ニヤニヤしているに違いない。

「ムカつくぅ〜〜〜〜!!」

――― 梨華も、そこまでしなくたっていいのに!!
ごっちんにチクッた奴は誰だ?紺野さんの友達の小川ちゃんしかいないよな。絶対。
おぉ〜〜〜〜がぁ〜〜〜〜わぁ〜〜〜〜っ。覚えておけよ!!

ひとみは拳を握りしめると、矢口達のいる部活へと向かった。
356 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-56- 投稿日:2001年12月13日(木)18時47分53秒
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「よっすぃーの悔しそうな顔。おっかしかったぁ〜」

真希と梨華は喫茶店に入ると、さっきのひとみを思い出して笑った。

「ホントに、ひとみちゃん懲りないんだから。人が黙ってれば!」

まだ梨華はプンプンしている。

「あの話さぁ、ダンス部の小川ちゃんが教えてくれたんだよ」
「小川さんって矢口先輩のファンだった?」
「今は私のファンなんだってー。あはっ、笑っちゃうよね〜。
 だから紺野さんの、そのプリクラの話持ち出して来てさ、『私と一緒に撮って下さい』
 なんて、瞳キラキラさせて言うんだもん」

真希も満更でもなさそうだ。
梨華は小川の事は直接知らないが、高橋と違って積極的に真希に接しているようだ。

「小川さんて…今度の学祭で、ひとみちゃんの相手役のコだよね」
「小川ちゃんは・・・よっすぃーのコト何とも思ってないから平気だよ。
 良かったね。まぁー紺野さんも、要注意でもないと思うよ」

紺野の事は、この際、どうでもいい。(よくないけど)

「ごっちん・・・小川さんにファンとか言われて嬉しいもの?」

梨華は真希にさりげなく聞く。

「そりゃぁー好意持たれてるんだもん。嬉しいよ。だって石川先輩も、そうでしょ?
 松浦ん時だって」
「ま、まぁそうだよね」
357 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-56- 投稿日:2001年12月13日(木)18時51分35秒
「あっ。松浦も今日、ひさぶりに会ったけど、元気そうだったよ。
 あゆみちゃんと、うまくいってるんだろーね」
「なんで亜弥ちゃんに?」
「愛ちゃんまだいるかと思って教室行ったから。同じクラスだって言ってたし」
「教室まで行ったの???」

梨華が大げさに反応したので、真希は怪訝そうな顔をする。

「そうだけど、おかしい?」
「うぅん・・・」

特別意識する事ないのに、何故か真希の行動はますます、高橋を好きにさせるような
事ばかりしているような気がして、梨華は黙ってしまった。

「今度さ、柴ちゃんとか亜弥ちゃんとも一緒に遊びたいよね」

梨華は話を変えようとした。
"高橋"に過剰反応していては、怪しまれてしまう。しかし・・・

「私、気になったんだけどさー」

ポツリと言う真希に、梨華は顔を上げた。

「今日の愛ちゃん、いつもと様子が変だったんだよね。ちょっと避けられてるようにも
 取れたし・・・。気のせいかな・・・」

真希は遠くを見るような目で呟く。

「ごっちん考えすぎだよ」

梨華は即座に答える。
358 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-56- 投稿日:2001年12月13日(木)18時58分43秒
「私、昨日ヘンなコト言っちゃったからさ。気にしてたらと思うと…」
「ごっちんが気にしてたって仕方ないよ。高橋さんの問題だし」
(ホントは、そうじゃないけど・・・)

「あとで様子見に、"カントリーマート"に行こうかと思って」
「え〜〜〜?行かない方がいいって!」

梨華は思わず少し声を上げて言ってしまう。

「どうして?」

不思議そうに聞き返す真希に

「あっ・・・。もしかしたら、その片想いの人と何かあったのかも知れないし、
 そっとしておいた方がいい時もあるんじゃないかな?」

わざわざ片想いの人を引き合いに出すのは、どうかと思ったが梨華はあくまでも
さりげなく言った。
真希も「そっか」と納得したように言い

「私、気にしすぎんのかなー。何か愛ちゃん見てると放っておけなくてさ。
 妹みたいっていうか。カワイイよね。…なぁんてゴトーが言うなよって感じですか?アハッ」

照れてるのか、真希は頭を掻きながら笑った。

高橋が真希を好きな理由って…何となく分かった気がした。

――― ごっちんもカワイイのに。ひとみちゃんだけモテるのっておかしい・・・

真希が梨華がじっと自分を見つめているのに気付き「顔に何か付いてる?」
と聞き返して来た。

「うぅん。ごっちんは今まで通り高橋さんと接していけばいいんじゃない?」

梨華としては、そうとしか言えなかった。
359 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-56- 投稿日:2001年12月13日(木)19時05分06秒
「石川先輩も、よっすぃーと仲直りして下さいよっ。かなりめげるタイプだから」
「たまには、お灸すえないとね」
「石川先輩、こわぁ〜ぃ」

真希は首を竦める。

「じゃぁ、そろそろバイトの時間だから」

そう言って立ち上がろうとする。

「今日なんか、休んじゃえばいいのに。真面目っすね」
「けっこう保田さんには、甘えさせてもらってるから。じゃぁ、これ払っとくね」

伝票を掴む梨華に、真希はその手を掴んだ。

「いいですヨ。色々話聞いてもらったし…」
「でも・・・」
「じゃぁ今度奢って下さいよ。あと・・・これは、よっすぃーには内緒ね」

そう言って真希は人差し指を口に持って行ってウィンクした。
360 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月13日(木)19時19分17秒
クリスマスにホテルを予約する男は非ですか。<モー。たい
吉澤くん・・・(w。<板違い・・・。
よしごまやぐ・・・。タキシード姿が素敵☆ハァハァ 高橋も小川もいた!
なんか、ここの小説メンバーが(w。

>>346 理科。さん
カブっても平気ですよ〜。こちらこそすみません。
お互いバカップルですしね(爆)。ちょっと梨華ちゃん大人ですが(w。

毎日の更新楽しみにしてます!!

>>347 尾依羅
桃板ヲタだから、これからもネタ入れるっすよ?

>>348 真里っぺ♪さん
ネタに走ってばっかり・・・。話が全然進まないっすね。イツモダナー

>>349 むぁまぁさん
初めまして?吉澤王子は、へなちょこりんはお約束ですね〜
ヘンなところで、闘志燃やしてるし(w

>>350 夜叉さん
>もしや、の○P語?そしたらマンモス(略。w
ちょっと古すぎましたね(爆)。でも知ってる夜叉さんも(略。
よっすは、まだまだ子どもですね〜。そこがカワイイんだけど。

>>351 読書の秋さん
オソロ良かったですね〜。頼りになるよっすぃーはあとはあと
是非、夫のコメントも聞きたいところ(w。

>>352 M.ANZAIさん
後藤の気持ちは妹的存在のようで。高橋。
小川のようなキャラだとツラくならないんでしょうけどね。

>>353 吉胡麻系さん
吉澤は、ヘッポコですから(苦笑)。梨華たむは大人になりました。

>>354 名無し男さん
たまには、怒らせて波風立たせないと(w
361 名前:名無し男 投稿日:2001年12月13日(木)21時13分07秒
なんとな〜く嫌な羊羹が・・・
362 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月13日(木)21時47分30秒
そっかぁ、小川の積極姿勢がよっすぃーの落とし穴だったとは・・・
またどこかでやらかしちゃいそうだなぁ、例の調子で。
それにしても、梨華ちゃんがごっちんと一緒でもよっすぃーったら
むかつく程度でちっとも疑ったり嫉妬したりしない、
なんてノーテンキ、もとい、なんてイイ奴なんだろう。

高橋、妹みたいな存在でもいいからごっちんの側にいられて良かった。
でもよっすぃーが面談するって言ってたし、ややこしい話にならなきゃいいけど・・・
(なってもらうと楽しいかも<悪魔のささやき)
363 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月13日(木)22時37分05秒
お〜が〜わ〜・・・。吉澤がんがれ!!!
って梨華ちゃんもよっすぃーのタラシ的な行動にはもう慣れたのかなぁ。(w
私はたかはっちゃんが気になって仕方がない。どーなるですかぁー!!!
364 名前:むぁまぁ 投稿日:2001年12月13日(木)22時59分34秒
楽しみだす〜
365 名前:杉沢村 投稿日:2001年12月14日(金)02時31分48秒
チアガール梨華ちゃん…見たい…
しかしプリクラでも怒るもんなのね
ところでこの前のオソロでいしよしファンにとってはたまらない内容があったらしいんですが、(ウチが超山奥なんで聞けない)誰か簡潔に教えてくださりませんでしょうか?
お願いm(_ _)m
366 名前:さるさる。 投稿日:2001年12月14日(金)04時56分27秒
初めて読みました。とにかく切ないの一言。
愛ごまヲタの私としてはかなりのクリーンヒット作。
しかし矢口もまたいい奴、好きだからこそ後藤の
幸せを考えてるのですね、あぁどっちがいいのだぁ笑
今日のモーたいタキシードにやられましたねほんと。
後藤が高橋を気にしているように見えるのはやられすぎですか。
367 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-57- 投稿日:2001年12月14日(金)18時33分36秒
−57−

「OH!心が痛むというのかい?」
(心が痛いのは、私の方だよ…)
「う〜ん、BABY それは恋...恋煩いさ」
(そんな事、あるわけない・・・)

「ストーーーーップ!!!」

中澤の声で練習は中断する。

「吉澤!!全っ然 感情こもってへんやないか〜!
 2人は恋人同志の設定なんやから、もっとこぅー甘い雰囲気漂わせてや〜」
「そんなのムリですっ!!」

いつにも増して、ひとみはハッキリと言う。
矢口が慌てて間に入った。

「ちょっと吉澤!!」

ひとみの腕を取ると、中澤から少し離れて声を潜めて矢口は話した。

「お前なぁ、プライベートを部活まで持ち込むなよな」

矢口に言われて、ひとみは思わず矢口を見る。

「今、あまり問題起こさない方が良いコトは、お前も良く分かってるだろ。
 旅行が終わるまでは、大人しくしてろ。いいな?」
「ハ、ハイ...」

そうだった。あまり中澤を怒らす行動は慎まなければいけない。
この後、ひとみたちは『大人って汚ない』と思うような出来事が待っているのだが
この時は、まだ知る由もなかった。
368 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-57- 投稿日:2001年12月14日(金)18時34分37秒
「あと小川と紺野を責めたりすんなよ。大人げないぞ、吉澤」

ひとみはハッとして、矢口を見つめる。

「・・・なんで・・・」
「お前の考えてるコトは大体分かる。コレでも、昔は吉澤のコト好きだったからな。
 まっ、あとでゆっくり話そうぜ!」

矢口はひとみの肩を叩くと、又、元の位置に戻る。

――― 矢口先輩…先輩もいつの間にか大人になっちゃって・・・。
言う事が、かっけ〜〜〜!!!!!!

ひとみは、今までの苛立ちが嘘のように、消えていった。

――― うし!気持ち切り替えてガンバロー!!!

その後、ひとみが頑張ったおかげで、練習はスムーズに進んだ。

「吉澤、やればちゃんと出来るやないか。最初と顔つきも違うし。楽しみにしとるで」

中澤の機嫌も何とか持ち直した。

「体育祭も楽しみやねん。吉澤には、ガンバッテたくさん、カッコいい姿見せて
 もらわんとな」

中澤はニヤッと不敵に微笑んだ。
ひとみは、この時気付いていなかったが、この言葉の裏には、とある意味が含まれていた…。
369 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-57- 投稿日:2001年12月14日(金)18時43分14秒
部活が終わり、ひとみが矢口を待つため、先に昇降口で待っていたら、
紺野と小川が、声をかけてくる。

「「吉澤先輩、お疲れサマでしたぁ〜〜〜」」

その声に、ひとみは振り向く。

「あ〜〜〜、さっきは悪かったね」

ひとみは小川に素直に詫びた。
本当は部活が終わったら、小川を問いつめようかと思っていたのだが・・・。

「セリフのところですか?全然気にしてませんよ。
 それに…怒った感じの吉澤先輩も素敵ですはあとはあと

"素敵"の言葉に、隣りにいた紺野がすぐに反応する。

「まこっちゃんっっ...」

紺野は、抗議のつもりなのか、小川の制服の袖を引っ張るが、小川は更に続ける。

「吉澤先輩に間近で見て、人気あるの分かる気がします。
 小川も思わず、先輩の瞳に吸い込まれてしまいそうですもん」
「・・・・・」

ひとみは目が点になっている。

「あ゛。すいません。じゃぁお先に失礼しますっ。行こっ、紺ちゃん」

ペコッとお辞儀をすると、ボーッとしている紺野の手を引いて小川は帰って行った。
紺野は「まこっちゃんズルイ」なんてボヤいているのが聞こえた。
370 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-57- 投稿日:2001年12月14日(金)18時50分26秒
2人が帰ると、立ち聞きしていたのか、矢口がタイミング良く現れる。

「小川のヤツ、そぅとぅ頭良いヤツだよな」
「矢口先輩...」

ひとみは矢口の声に振り返った。

「小川ぐらいハッキリしてる奴は、逆に気持ち良いよな。お前も許してやれよ?」
「へ?あっ。ハイ...。あ゛・・・」

と言って、ひとみは梨華が怒っていた事を思い出した。

「どうした?」
「…‥梨華に謝らなきゃ・・・」

ひとみは、また途端に落ち込む。

「そんなんで落ち込むなよ〜。仲直りのキスとか言って、抱きしめちまえば平気だろっ」
「ま、まぁ〜・・・そうですけど・・・」
「じゃぁ、まだ時間あるだろ?」
「ハイ」

と言って、ひとみは時計を見る。
梨華のバイトがあがるまで、あと1時間くらいあった。

「今日は後藤もいないし、これから高橋に会いに行こうぜ。
 アイツも、まだバイトしてんだろ?」

矢口は、ひとみの腕を取ると、カントリーマートへ向かった。
371 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-58- 投稿日:2001年12月14日(金)19時14分56秒
−58−

その頃、梨華は仕事上でミスを犯してしまい、ひどく落ち込んでいた。

商品発注をパソコンで管理しているのだが、梨華はその打ち込みで
「10」のところを「100」と入力してしまったらしく返品も出来ず
店長の保田は、今日かなりキリキリしていたらしい。

他のバイト仲間から聞いた話では・・・

「保田店長、血相変えて凄かったよ。本部に電話してさ
 『保田です!削除です!』なんてさ。自分の名前言っちゃって、かなり
 パニクってたぜ。当然削除なんか出来ないんだけどさ」

それを聞いた梨華は、ひたすら保田に謝っていた。
ひとみを怒った事など、梨華の記憶からは、すでに無くなっていた。

保田は
「私もちゃんと確認しなかったからさ。石川が気にするコトじゃないよ。
 間違いは誰にでもあるんだし。まっ、おにぎりだったから良かったわ。
 これからは気をつけなね」

と優しく言うが、

「ハイ…。申し訳ありません」

梨華は涙目になりながら、深々と頭を下げた。

「この話はお終いっ。今日は、もうあがっていいヨ。吉澤にでも慰めてもらいなっ。
 で、明日から又、気持ちも新たに宜しくなっ、石川」
「店長ぉぉぉ〜〜〜!」

梨華は涙を浮かべながら、ミスで大量発注した、おにぎりを10個受け取って帰って行った。
372 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-58- 投稿日:2001年12月14日(金)19時23分28秒
梨華と行き違うようにカントリーマートについた、矢口とひとみは・・・
やはり、気になるので、先に梨華のいるコンビニに行こうと言う事になり
ひとみだけ顔を出した。

店内を見ると、手作りで書いたと思われる模造紙に
『おにぎり祭り ワショーイ!!おかか"だけ"本日半額!!』
と書かれているモノが目に飛びこんでくる。

ワショーイってなんだろう?なんて、ひとみは思いながら、カウンターに目を移した。
が、梨華の姿が見あたらない・・・。

「保田さん?梨華は??」

しかし、保田は、それには答えず

「吉澤、丁度良いトコに来たわね。おにぎり10個買ってくんない?」
「え?・・・なんでですか?」

何も食べていないから、別に買ってもいいのだが、10個はちょっとな…なんて
ひとみは思っていると、勝手に袋に保田はおにぎりを、どかどかと入れている。
それも、同じ具の「おかか」だけを・・・。

「あの、出来たら別の具も入れてほしいんすけど?」

ひとみは、至極当然の事を言うが、保田は耳を貸さずに

「今日は祭りなのよっ!おかか"だけ"食べなさい。特別1000円にしといてあげる」

なんて、全然いつもと変わらない額を請求してくる。
373 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-58- 投稿日:2001年12月14日(金)19時26分51秒
「1000円って・・・全然半額じゃないですか!」
「消費税はサービスしてるでしょ!」
「それ、サギっすよ!」
「じゃぁ、お茶も付けるからさ〜」
「そういう問題では・・・」
「石川の為を思ったら、吉澤は50個買ってもいいのよ?」
「え?どういう意味ですか?」

梨華の名前が出ると、ひとみは身を乗り出すようにして訊いてくる。

(まったく、石川の名前出すと、ほんと吉澤って面白いくらい反応するわね…)

この後、保田は少しオーバー目に、梨華のミスを話し、結局ひとみに30個
おにぎりを買わせたのだった。

ひとみが帰った後、他のバイトの男が、ひとみを見送りながら
「店長知ってていじわるっすね〜」なんて苦笑いしながら言っていた。

「いいのよ、石川のミスは、吉澤の責任でもあるんだから」

なんて都合の良い事を保田は言っていた。
374 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-58- 投稿日:2001年12月14日(金)19時34分25秒
ひとみは、大きいコンビニの袋を抱えながら、外で待っている矢口の元に戻って来た。

「なんだよ、お前、そんなに買い込んでよ〜」
「ちょっと理由(わけ)あって・・・。梨華、今さっき帰ったみたいなんで
 すみませんけど、このまま梨華んち、行っていいっすか?」
「あぁ、いいヨ。石川にヨロシクな」

矢口は快く承知したが、ひとみは、袋から、おにぎりを何個か取り出すと矢口に持たせた。

「おいおい、こんなにいらないって。それも、同じヤツばっかじゃん」

矢口は怪訝そうな顔をしている。

「まあ、色々あって・・・。矢口先輩も強力して下さいよ」
「いいけどよ・・・」
「あ゛・・・」
「なんだよ」
「先輩1人で、大丈夫っすか?」

ひとみは少し不安そうに訊く。

「なにが?」
「愛ちゃんと2人って初めてじゃ・・・」
「まぁ、おいらも話したいコトあるしな。おいらの心配しないで、吉澤は自分の心配しろ」
「ハッハイ。じゃ、また明日。お疲れサマでした!!」

ひとみは礼をすると、走って行った。
375 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月14日(金)19時54分23秒
>>367-374 57.58話更新しました。
すんません!某所の予告通り、ネタに走りました(w。
因みに、打ち間違いミスネタは、某昼にやってたドラマから拝借したり(w。

>>369
×「吉澤先輩に間近で見て、
○「吉澤先輩を間近で見て、

>>361 名無し男さん
嫌な羊羹は、当たりましたか?

>>362 M.ANZAIさん
やらかしそうだったので、矢口に止めてもらいましたよ(w。
後藤の事は吉は信頼してますから、ムカついてても。

吉も一緒に行く予定だったんすけどねぇ。ここは矢口とサシで話して
もらいましょう!な次回だったり・・・。いしよしが先の方がいいかな・・・。

>>363 闇の住人さん
梨華ちゃんは、今はそれどころじゃなく、落ち込んでるみたいです。
作者のせいで、ポカミス犯しました(w。
高橋はぁ・・・見守ってて下さい。

>>364 むぁまぁさん
ありがとうございます。そう言っていただけると励みになります!
376 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月14日(金)19時57分41秒
>>365 杉沢村さん
初めましてかな?どうもです。
12/11のオソロですか、えーとですね。
>>279をクリックすると、桃板のURLが載ってるんで、そこの
●(#´▽`)´〜`0 )Love〜いしよし PART9● の
>634あたりを読むと、ハァハァ出来るかと。ついでに音もダウソ出来る場所も
こそっと載ってるような・・・(もごもご
って、おらは、桃板ヲタかよ!って、そうだよ!<また宣伝しちゃったじゃない!

>>366 さるさる。さん
初めましてPart2.
愛ごまヲタですか。結構、よしたかって声が多いから、ちと安心(w。
矢口は、高橋になんて言うんでしょうね。私にもまだ分かりません。
モー。たい、激良かったっす。でも、高橋って吉じゃないのかな?
なんか、小川→後藤 高橋→吉澤って思うのはFUNの見過ぎでしょうか?(笑)

更新が、遅くてすみません。リアルで見てる人いたらスマソ。
あと125スレで3が終わるのかしら。不安、とっても不安だ。
377 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月14日(金)20時06分44秒
>>374
×「まあ、色々あって・・・。矢口先輩も強力して下さいよ」
○「まあ、色々あって・・・。矢口先輩も協力して下さいよ」

訂正ばっかり。あとスレ123しか、ないや。

で、ザ☆ピ〜ス!始まってしまいました。<有線
378 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月14日(金)21時20分38秒
う〜ん、中澤先生に翻弄されてしまうバカップル2組かぁ〜。
どんな波乱が・・・(激しく期待)

ここの“保田店長”はバイト思いのしっかりした人みたいで一安心。

てなことで、残り12スレ!?

あははは〜 すっかり忘れてた > 有線
379 名前:理科。 投稿日:2001年12月15日(土)04時39分54秒

<保田です!削除です!
<『おにぎり祭り ワショーイ!!おかか"だけ"本日半額!!』(ワラ!
プライベートを持ちこむよっすぃ〜!
頼りになる矢口っつぁん!さすがですなぁ…師匠は。
380 名前:名無し男 投稿日:2001年12月15日(土)11時15分06秒
残り物の処理なら俺に任せろ(w
381 名前:じゃない 投稿日:2001年12月15日(土)13時19分17秒
|.∀´) チラッ

100個買えよ、吉澤。
382 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-59- 投稿日:2001年12月15日(土)16時58分49秒
−59−

ひとみの姿が見えなくなると、矢口は、ひとみから貰ったおにぎりを
無造作にカバンに押し込むと、カントリーマートに入った。

「いらっしゃいませ〜・・・」

高橋は客が来たと思い、顔をあげ挨拶をしたが、矢口だと気付くと
何故か声のトーンを落とした。

「矢口先輩・・・」

来ない方が良かったのかな…なんて、矢口は思いながら高橋のいるレジに近づく。

「あのさ、バイト終わったら、ちょっと時間くれない?
 話したいコトがあるんだ。あんまり時間取らせないからさ」
「私にですか?」

ここには自分しか居ないのに、高橋は思わず聞き返してしまう。

「うん・・・。後藤のコトで・・・」
「・・・!?」

矢口から真希の名前が出て、高橋の心臓は高鳴った。
途端に俯く高橋に、矢口は焦りながら

「取りあえず外で待ってるから・・・。じゃ!」

矢口はそれだけ言うと出て行こうとした。

「待ってください!!外は寒いですから、中で・・」
「・・・うん。じゃぁちょっと・・・。悪いな」

矢口は行きかけたが引き返した。

(なんか、最初から雰囲気が重いなぁ。大丈夫かよっ。はぁ・・・)

珍しく矢口は弱気だった。

(矢口先輩、ごっちん先輩のコトで話って・・・やっぱり・・・
 よっすぃー先輩、話しちゃったのかなぁ・・・)

その後、高橋は仕事に身が入らなかった。
383 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-59- 投稿日:2001年12月15日(土)17時00分50秒
ひとみは矢口と別れると、全力で走っていった。
袋に入っている大量の、おにぎりが、わさわさと揺れる。

――― 梨華・・・落ち込んでなければいいけど・・・。

保田の話では、かなり落ち込んでいたらしいので、ひとみは心配だった。
一旦ネガティブになると、なかなか梨華は、そこから抜け出せない。
落ち込んでいる梨華は見たくないから、ひとみは梨華を励まそうと
一秒でも早く、梨華に会いたかった・・・。

その頃梨華は、トボトボと歩いていた。
今日は晴れていて、しかも満月で、月がとっても綺麗に輝いている。

「月がとっても蒼いから〜・・・♪遠回りして帰えろ」
梨華は、どこでそんな古い歌を覚えたのか、口ずさむと、その歌詞通り
いつもとは遠回りして帰ろうと、違う道に逸れて行った。
どうせ誰もいない部屋に戻るのは、こんな時は寂しくて、ひとみが
追いかけてる事など、知らない梨華は、自販機でお茶を買うと、公園へと向かう。

ひとみは梨華の家に着くと、息を切らしながらインターホンを押す。

「・・・・・・」

ひとみは苛立ちながら、何度も押すが、まだ帰っていない気配に気付くと、
チッと舌打ちをした。

(まだ・・・帰ってない???・・・何してんだよ!梨華のヤツ!!)
384 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-59- 投稿日:2001年12月15日(土)17時02分02秒
ひとみは携帯を出すと、梨華に電話をかけた。

「もしもし、梨華?」
『あ〜、ひとみちゃん?』

心配している、ひとみをよそに梨華はのんびりした口調で出た。

「あ〜じゃないよ!どこにいるの???」
『どこって・・・外だよ、まだ。月が蒼いからね、遠回りしたの。
 ひとみちゃんも見てみてよ。お月様が綺麗だよ』

こんな時に何言ってんだと、ひとみは思いながら、外へ出て空を見上げる。
確かに、雲一つない空に月だけがこうこうと輝いていた。

「うん。綺麗だね・・・」
『ひとみちゃんも今、同じ月見てるんだね。私、一人じゃないんだよね』

梨華の声がまた急に沈む。

「梨華、今どこなの???」
『家の近くの公園・・・。今日ね、仕事でミスしちゃって・・・』
「梨華、待ってて!すぐ行くから!!」

梨華が話すのを遮るように、ひとみは叫ぶように言うと、駆けだして行った。
385 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月15日(土)17時08分08秒
とりあえず、ここまで。

>>378 M.ANZAIさん
翻弄でもないんですけど、中澤・・・。保田を巻き込んでちょっとね。
別に大した事ではありませんので、あまり期待しないように(w。

ここの“保田店長”って・・・ワラタ。

>>379 理科。さん
最近、矢口を格好良く書きすぎてるかなぁ。なんて。
ちょっと吉澤にも、ガンバッテもらわないと〜。

>>380 名無し男さん
残飯処理係っすか?(w

>>381 じゃないさん
いつもお世話になってます。これからもネタ遊びしちゃうカモ?
386 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月15日(土)18時36分50秒
>『ひとみちゃんも今、同じ月見てるんだね。私、一人じゃないんだよね』
泣けちゃいますね、こんな台詞言われた日にゃ…
イイですよ、イイ場面ですよ、こんな2人のちょっと切ないエピソード…

“保田店長”を巻き込む“中澤先生”・・・(笑)
スミマセン、いろいろ想像してたら笑っちゃいました。
387 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年12月16日(日)01時07分30秒
最後の梨華ちゃんの台詞がやっぱりハロモニのコントに・・・(w
さてやぐっつぁんは愛ちゃんに何を言うのですかね〜(期待
388 名前:夜叉 投稿日:2001年12月16日(日)01時16分17秒
♪急いで急いで 頭で考えるより〜
急げ、吉。石を救えるのはちみしかいない(?)。

某所にて、ageてしまってすいません。
何回やってんだか…(鬱)。
389 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-60- 投稿日:2001年12月16日(日)15時08分16秒
−60−

矢口は時間潰しに雑誌を立ち読みしていた。

「矢口先輩、お待たせしました」

高橋の声に顔をあげる。まだ、時間は、それほど経っていない。

「あれ?時間、まだじゃ・・・」
「りんね店長に言って、早めに終わらせてもらいました。
 と言っても30分くらいですけど」
「却って悪かったな」

矢口は雑誌を元に戻すと、カントリーマートを出て駅に向かった。

「どっか茶店にでも入る?誘っておいて、外じゃなんだから」
「気遣わないで下さい。平気ですから」
「おいらが誘ったんだし、気にしないでくれよ」

躊躇する高橋の手を引きながら半ば強引に連れて行く。
駅まではわずかだが、沈黙が続いた。

(なんか、悪い事してるみたいで気が重いなぁ・・・)

喫茶店に入り、適当に頼むと、矢口は水を飲んだ。

(こういう重い雰囲気がダメなんだよな。カラッとさせなきゃ、カラッと!)

「あ、あのさ〜」
「ハ、ハイッ!」

高橋の肩がビクンとなり、かしこまったように答えるので、矢口は苦笑いしてしまう。

「もっとリラックスしてくれよ。別に怒りに来た訳じゃないんだし。
 どっちかって言うと・・・高橋に悪い話じゃないと思うんだけどな」
「え?」

高橋は顔をあげた。
390 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-60- 投稿日:2001年12月16日(日)15時09分24秒
ひとみが息を切らしながら、公園に辿り着くと、梨華はベンチに1人座っていた。

「梨華!!」

その声に、梨華は振り向く。

「ひとみちゃん…‥」
「心配したんだから」

ひとみは梨華の側に行くと、梨華の隣りに腰掛けた。
本当は、梨華を叱りたかったが、梨華の目には涙が光っていたから
ひとみは、優しく言った。

「あのね・・・」
「言わなくても分かってるよ。保田さんから聞いたから・・・」

そう言って、ひとみは梨華を抱き寄せた。

「ちょっとミスしたくらいで、落ち込むなよ〜」
「だってぇ・・・」

梨華は、そのままひとみの肩に身を預けてくる。

「誰にだって間違いはあるよ。これからは失敗しないように
 気をつければいいじゃん。保田さんだって、そんなに怒ってなかったんでしょ?」

そう言いながら、梨華が持っている袋に目を落とす。
(保田さん、梨華にまで、そのおにぎり渡すか!!梨華がトラウマになったら、どうすんだよ!)

「ひとみちゃん、それ・・・」

梨華も気付いたのか、ひとみの持っているおにぎりの袋に目をやる。

「あぁ、保田さんがさぁ"買ってけ!"なんて言うから、買っちゃったよ。
 お腹すいてたから、いいんだけどね!」

正しくは、買わされたと言う方が正しいのだが、それは言わないでおいた。

「でも、そんなにたくさん・・・」
「梨華が気にするコトじゃないよ。もぅ笑ってよ、梨華」
「・・・・・」
「笑ってる梨華が一番好きだよ」

涙で光って濡れている梨華の頬を拭ってやると、ひとみは梨華にそっとキスをした。
391 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月16日(日)15時17分13秒
一旦切ります。
更新出来たら、またしますけど、好調じゃないと今日はこれでお終い。

>>386 M.ANZAIさん
あんまり切ないシーンでもなかったですね(w。
おにぎりが二人の邪魔をするし・・・。
もうちょっとしたら、中澤の企みが分かると思います。その答えは体育祭に。

>>387 真里っぺ♪さん
今回は特にハロモニのコントを意識してなかったんですけど、そうなってました?
それにしても、今日の綾小路は・・・(w。

>>388 夜叉さん
今までへなちょこだったんで、今回はちょっとカッコよくしてみました吉。
age sageは気にしないで下さい。ビクーリしたのは確かですけど(w。
392 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-61- 投稿日:2001年12月16日(日)16時15分40秒
−61−

「どういう意味ですか?」

注文したミルクティが運ばれて来ても、目もくれずに高橋は聞き返した。

「その前に、先に謝っておかないとな。後藤が失礼なコト言ったみたいで。
 おいらから謝っておくよ。ゴメン」
「・・・」

「アイツさ、自分のコトには鈍感だから。それで高橋には、かなり傷つけるような
 コトしてるんだと思う。後藤以外はさ、高橋が後藤のコト好きなの知ってるから」
「・・・!!」

高橋は、みるみる顔が真っ赤になる。
バレてた!!それも皮肉な事に、本人以外にだ。

「言っておくけど、吉澤から聞く前に、おいらも気付いてたよ」
「ごめんなさいっ!!」

高橋は咄嗟に謝った。

「なんで謝んだよ」
「だって…矢口先輩と付き合ってるの知ってるのに・・・私、諦められなくて…。
 それどころか、逆にどんどん好きになっちゃって・・・」

高橋は、また俯く。
393 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-61- 投稿日:2001年12月16日(日)16時17分00秒
「おいらは怒ってないよ。普通はさ、そういうので嫉妬したりすんのかも知れないけど。
 逆に矢口は嬉しいよ。後藤が好きってコトは、それだけアイツに魅力があるってコトだろ。
 誇りに思えるね。・・・なんて、ちょっと恥ずかしい台詞言ってんな」

矢口は照れくさそうに言うと、黙ってコーヒーに口を付けた。

「矢口先輩・・・」

「でも後藤、そぉとぉ鈍感だから、普通気付くよな。ったく・・・」
「でも・・・そんなごっちん先輩が好きなんです...」

真希の恋人に対して、自分は何を言っているんだろう…なんて高橋は思いながら
矢口が恋人だから、こんな風にも言えるのだろうと思う。
これが、梨華に対してだったら、口が裂けても言えないだろう。

「ありがとう」

矢口が真面目に言うから、高橋は戸惑ってしまう。

「今は、何とも言えないし力にもなれないけど、これからも後藤のコト好きでいて欲しいんだ」
「いいんですか!?」
「勿論だよ。って言い方もヘンかな。でな、これは後藤の気持ち分からないから
 何とも言えないけど、おいらが居なくなったら、高橋に後藤のコト任せたいんだ」
394 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-61- 投稿日:2001年12月16日(日)16時18分39秒
「へ???」

一瞬高橋は、矢口が何を言ったのか、良く理解出来なかった。

「何言ってるんですか???」

「だから、お前に後藤を・・・」
「だ、だだめです!!!」

高橋は大げさに手を振りながら言う。

「そんな大事なコト、1人で決めちゃダメですよ!!」
「でも後藤に相談出来ないだろ、こんなコト」
「だって、私が良くても、ごっちん先輩が私のコト何とも思ってなかったら・・・」
「少なくとも嫌いじゃないと思う。アイツ、結構嬉しそうに高橋の話するから」
「え???」

高橋の動きが止まる。
(嬉しそうって・・・そうなんだ(嬉))
高橋は真希が自分の事をどう思ってるかなんて、今まで考えた事もなかったから
純粋に嬉しかった。

「まぁ高橋の言う通り、こればっかりはなぁ後藤が、どう思うかだよな」

矢口は再びコーヒーに口を付ける。

「あの・・・勝手にそんな話進めて・・・あとでごっちん先輩にバレたら…」
「それもあるけど、やっぱり、高橋!お前、後藤に告ったら、どうだ?」
「えぇぇぇぇぇ〜〜???????な、何言ってるんですか!」
「別に、そんなに驚くコトじゃないだろ」
「でも・・・」

「今度の学園祭で、告白タイムまた、やるだろうから、それに立候補してみれば?」
「もう、矢口先輩、勘弁してくださいよ(涙)」

高橋は涙目になっている。
395 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-61- 投稿日:2001年12月16日(日)16時21分05秒
「付き合ってるおいらが勧めてんのに、何躊躇ってんだよ。おかしなヤツ」
「おかしいのは、矢口先輩ですよぉ・・・」
「おいらがおかしいのかよっ!」
「す、すみません・・・」

「でもよ、真面目な話。春から居なくなるから、きっと寂しくなると思うんだ。
 だから任せるって言ったら重荷になるかも知れないけど、後藤とは仲良くして欲しい」
「でも、なんで私なんか・・・」
「高橋だからだよ。もっと自信持って、後藤と接しろ」
「矢口先輩は、どうするんですか・・・」
「おいらは、名古屋行っても後藤一筋だぜ!ただ一人待たせるのは悪いからな。
 そこで、万一、後藤と高橋が・・・。どうにかなっちゃっても、それはそれで仕方ないと
 思ってるよ」

「どうにかって・・・」

高橋は顔が赤くなる。
すかさず矢口は高橋の頭をはたいた。

「何、想像してんだよっ!例えばの話だよ!!その後のコトはお前ら次第だからな。
 おいらが口出す権利はない」
「・・・どうして・・・矢口先輩はそんなに割り切って考えられるんですか?」
396 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-61- 投稿日:2001年12月16日(日)16時22分01秒
「後藤のコト・・・大切に想ってるから・・・なんてカッコつけすぎか!
 まぁ、アイツの幸せが一番だからなっ。寂しい思いさせたくないだけだよっ」

矢口は照れながら言うと、伝票を持って席を立った。

「ごめんな。急に来て付き合わせちゃって。後藤が、また失礼なコト言ったり
 ヘンな行動したら、迷わずおいらに言っていいからな。じゃぁな!おやすみ!」

そう言って、矢口は一人で先に帰ってしまった。

「矢口先輩・・・」

高橋は一人残され「お礼言うの忘れた・・・」とポツリと呟いた。

なんか・・・矢口先輩カッコ良すぎです。
本当にごっちん先輩の事、想ってるんですね。
ごっちん先輩も、勿論好きだけど、矢口先輩の事も・・・私。好きになりそうです…‥…。
397 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月16日(日)17時52分00秒
いいなぁ、矢口。愛してんだなぁ、後藤の事を…。
惚れちゃうな。高橋、矢口にも惚れちゃうな。
そして憧れの人と惚れちゃった人の笑顔が消えないように
ここから高橋の活躍が始まっちゃうんだな。
それが自分自身にどんなことをもたらすのか思いもせずに・・・
398 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月17日(月)00時11分43秒
矢口先輩かっけー!!!
こんな先輩欲しいっす。
たかはっちゃん、コクるんですかねぇ?
後藤がどう言うか楽しみだぁー!
そしていしよしも楽しみ。よっすぃーかっけー!!!
399 名前:夜叉 投稿日:2001年12月17日(月)03時31分52秒
知、本日から「兄貴」と呼ばせていただきます(w。
「告白タイム」、再び。高橋はがっつし、もっていくことができるのか…。
うぅ、吉、かっけぇ過ぎ。お母さん、涙でちゃう。

作者様、お心遣い、ありがとうございます(合掌)。
400 名前:パスカル 投稿日:2001年12月17日(月)04時21分36秒
ずーっとROMってました。
矢口かっけ−… でもほんとに一人で決めちゃってよかったのか?
矢口がいる間はごとーは他の人の告白にOKなんてしないだろ…
「ここの」ごとーは…
嗚呼…、切ない…
401 名前:理科。 投稿日:2001年12月17日(月)04時31分48秒

矢口!ホント、カッケ〜ですなぁ!!
よっすぃ〜もカッケ〜!みんなイイ!!
さすが…嗚呼!!
402 名前:名無し梨華 投稿日:2001年12月17日(月)16時41分42秒
矢口、かっけーよ。
でもさ、ごまの気持ちも考えてあげてよー。
高橋、どうすんだろ?
ごまは、どうすんだろ?

いろんな思いをのせて、時は、進む――――――

かっこつけてみたけども(w
作者さんがかっけー!
403 名前:むぁまぁ 投稿日:2001年12月17日(月)23時11分53秒
カッコイイやぐもいいですなぁ
これからどうなるんでしょ
楽しみです
404 名前:さるさる。 投稿日:2001年12月18日(火)00時38分17秒
いつぞやの雑誌に娘達が恋愛感を語っていて
みんな恋は素敵だなんだと言ってる中、
高橋だけが恋はせつない、求めすぎてしまうから
みたいな事を言っていたのをふと思い出した。
だってこの小説のキャラにぴったし笑
今週のハロモニもごまたかファンには最高でした。
どうなっちゃうのかなぁ、高橋。なんとなく不安。
私はここの高橋にめちゃくちゃ感情移入してしまふ・・・。
405 名前:理科。 投稿日:2001年12月18日(火)05時39分18秒

あいぃ〜…(?)。師匠!人生とはなんぞや?
って、なぜか聞きたくなりました。矢口が私の中で
段々、浮(略
406 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-62- 投稿日:2001年12月18日(火)18時36分42秒
−62−

”まだ帰りたくない”と言う梨華を促して、ひとみは梨華を家まで送って行った。
こういう日は、梨華を一人にさせたくないけれど『今日、泊まって行こうか?』
なんて言うのも、あからさまで、ひとみは取りあえず梨華の家にお邪魔すると
言う感じでで梨華に聞いた。

「私、まだ何も食べてないからさ〜、ちょっと梨華んち寄ってってもいいかな?」

梨華は嬉しそうに頷くと、ドアの鍵を開けた。
ホットで買ったお茶は、とっくに冷めていたから梨華はやかんに水をいれながら言う。

「今からお湯沸かすね。ひとみちゃん座って待ってて」
「うん」

お腹は空いているけれど目の前にあるのは、同じ具のおにぎりが35個……。
矢口に5個あげたものの、梨華が10個持っていたから実質的には増えてしまった。
思わず溜息が出る。
――― 明日の夕方までの期限だから、学校持ってって配ればいいや。
407 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-62- 投稿日:2001年12月18日(火)18時38分11秒
梨華に目をやると、その後ろ姿は、まだどこか淋しそうで、ひとみはそっと
立ち上がると、後ろから抱き締めた。

「・・・ひとみちゃん!!」
「梨華が元気ないとさぁ〜。私も元気なくなっちゃうなぁ〜・・・。
 梨華がいるから私、張り切っちゃうし、頑張れちゃうんだヨ。
 …梨華は、私の心の応援団だから・・・」

我ながら少しこじつけてるかなと、ひとみは思うけれど、梨華を励ますには
結構Goodじゃないか?なんて自画自賛する。

「ひとみちゃんソレって…」

梨華が、くるりと、ひとみの方に向きを変える。

「分かった?」
「分かるヨ。応援団の時に使う曲でしょ。『恋人は心の応援団』」
「そうそう。歌詞がちょっと、こっぱずかしいけど」

ひとみから見れば、恥ずかしすぎて歌えない歌詞だ。

「私は好きだヨ。あの歌」

確かに女の子女の子している梨華には似合っている。

「だって梨華は、その曲でチアガールのカッコして踊るんだもんね」

ひとみは梨華のチアガール姿を想像してカオがニヤけてしまう。
そのニヤついたカオに梨華はすかさず両手で挟み込むと少しムッとした顔で言う。

「まぁた想像してるんでしょ!えっちなんだから!!」
「いいじゃん。別に。梨華しか見てないんだしさぁ〜」
「ひとみちゃん、ちょっと信用出来ないから、お仕置き!!」

梨華はひとみの頬を軽くつねった。

「いってぇぇてててて・・・・(涙)」
408 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-62- 投稿日:2001年12月18日(火)18時40分30秒
梨華はつねりながら、紺野と一緒にプリクラを撮った事で怒ってた事を思い出した。
――― まぁーいいか・・・。今日のひとみちゃん優しいから。

梨華は手を離すと

「許してあげるっ。ホントは怒ってないけどねっ」

なんて言って舌を出す。

「なぁーんだ。梨華のいぢわるっ」

バカップルな会話はやめろ!と言わんばかりに、ヤカンがピーピー鳴り出し
梨華は慌ててひとみから離れた。

――― あと、もうちょいでキス出来たのにな…。惜しい!

ひとみは内心悔しがるが、落ち込んでいた梨華に笑顔が戻った事の方に
むしろ喜んでいた。

――― 良かった。梨華。もう平気だよね?

それから、2人でおにぎりをせっせと食べ・・・と言っても限界があり
結局7個くらいしか消費出来なかった。
「あとはさ、私が何とかするから。明日学校行けばなんとかなるっしょ!」
409 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-62- 投稿日:2001年12月18日(火)18時41分23秒
そう言って、ひとみは残ったおにぎりを再び袋に入れると梨華の目につかないように、
カバンの中にしまいこんだ。
「さぁてと・・そろそろ・・・」

ひとみは言いかけて口を噤んだ。梨華が一瞬哀しそうな目をしたからだ。

「なぁんか、疲れちゃったなぁ。ウチに帰るの面倒になっちゃった・・・カモ」

ちょっと強引だったかも知れないけれど、ひとみは伸びをしながら、言う。
本当はとっとと家に帰って眠りたかったのだが、やはり梨華を思うと、このまま
帰れなかった。梨華が必要としてる時には、出来るだけ側に居てやりたい。

「梨華が、イヤじゃなければ・・・今日泊まってってもいい?」

梨華の顔が曇りから晴れになる。

「当たり前じゃない。嬉しいヨ!ひとみちゃん!!」

梨華はひとみに抱きついた。

「オーバーなんだからなぁ、梨華は…」

ひとみも嬉しそうに梨華を抱き締め返す。

「今日は、ずっと梨華の側にいるよ。だから安心して」
「ありがとぅ。ひとみちゃん…」
「当然だよ。梨華の彼氏なんだからさ」

至極当たり前のように言って、ひとみは梨華の髪の毛を撫でた。
410 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-63- 投稿日:2001年12月18日(火)18時43分34秒
−63−

体育祭が目前に迫った数日前―――

保田のコンビニに現れた中澤は、奥にいる保田を見つけると声をかけた。

「圭坊。ちょいと頼みがあるんやけどな…」

保田は顔を上げながら、ちょっと不安そうに中澤を見た。
大体、今までの中澤の頼みと言うのもロクなモノがなかった。
今回もきっとそうに違いない。頼まれる前から、保田は早くも嫌な予感がしていた。

コンビニの外で缶コーヒーを飲みながら、保田は声をあげた。

「いくら裕ちゃんの頼みでも、私イヤだよ・・・」
「そこを何とか頼みたいんやー。こんなん頼めるの圭坊しかおらへんしな〜」
「全く、調子の良いコト言って・・・。私、カメラ小僧じゃないんだからねー」
「別に盗撮しろ言うてないやん。パンチラ写真撮れ言うてないやん。
 まぁ撮ってくれてもいいねんけど。石川のやったら吉澤買い占めるやろし…」

中澤は勝手な事を言っている。

「そういう問題じゃなくてね。私は趣味で写真は撮るけど、そういう売る目的で
 撮るのはイヤなんだよ」
「じゃぁコレを機会に、売る目的で撮ればえぇねん」
「もーーーー!!!裕ちゃんも真面目に聞いてよ!」
「やかましいねんなぁ。そんな大きい声出さんと、よぅ聞こえるわ!
 まだ耳遠くなってないねんからぁ〜!!」

中澤は大げさに耳を塞ぐと、保田を見る。
411 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-63- 投稿日:2001年12月18日(火)18時45分02秒
「そりゃね、部の経費が削減されて財政が苦しいのは分かるけどさ、それを
 体育祭で吉澤や石川の写真撮って、その売ったお金で部の経費に回すって
 考えは、どうかと思うよ」

「仕方ないねん!金が足らんのやから、しょーがないやろ!」
「私に怒ったって、しょうがないじゃん・・・」

保田も困り顔だ。一度言ったら引っ込まない中澤の性格を知っているので
結局、承諾する羽目になるのだが、やはり一応は抵抗してみせる。

「大体裕ちゃんさぁ、お金ないのに、そんなお金かけるようなミュージカル風だっ
 け?なんかやるからだよ・・」
「圭坊、アンタいつから裕ちゃんに説教たれるようになったんか?
 私の恩を忘れたんか?えぇ?」

「分かったよ。分かったからさー・・・。撮ればいいんでしょ、撮れば」

保田もこれ以上言っても無駄だと諦めて、半ば投げやりに言った。

「最初から、そう言えばいいんや。圭坊好きやで」

中澤はそう言って、保田の頬にキスをした。

――― ゲゲー!!キスすんなよぉぉーーー!!!(涙)

中澤が上機嫌で帰って行くと、保田は溜息をついた。

――― こんな仕事引き受けたなんてバレたら(バレるんだけど)
石川も吉澤も何て言うか………。

「私は知らないからね!裕ちゃん!!」

保田は、らしくないが、憂鬱になるのだった。
412 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月18日(火)19時00分34秒
すみません。次からやっと体育祭です。(←おせぇよ!)
横道逸れまくりの為、もしかしたら、残りのスレで「3」が終わらないかも
知れません(w。なるべくキリが良く終わらせるようにしたいのですが。
あんまり出てないキャラも出す予定なので、まぁ体育祭のシーンも
なかなか終わらないかも。終わらせる方向ですけど・・・。

なんか保田店長が活躍するような兆しが(w。

>>397 M.ANZAIさん
ちょーっと、これから矢口と高橋が接近しちゃうかも??

>>398 闇の住人さん
主役はいしよしなのに、どうも最近矢口を書くのが楽しいらしい(苦笑)。

>>399 夜叉さん
学園祭の話まで・・・一体いつまでかかるやら。
高橋の気持ちにも微妙に変化が???(謎)

>>400 パスカルさん
400ゲットおめれとうなのれす。
「ここの」ごとーは…他人には鋭いので、誤解を招かなければいいのですが?

>>401 理科。さん
あ〜、そろそろ理科。さんとこのヤッスーっぽい
うちの保田が出て来そうです。またネタに走るかも?その時はすみません!

>>402 名無し梨華さん
お〜!みんなカッケー!(爆)
後藤は矢口一筋ですからね〜。さて、どうする???

>>403 むぁまぁさん
ありがとうございます!どう動かそうかと考え中っす。

>>404 さるさる。さん
高橋の恋愛感がピッタシですか(w。そこまで知りませんでした。
実は、ここまで高橋メインにするつもりなかったんで
自分がビクーリしてます(w。

>>405 理科。さん
浮気???2回もレスありがとうございます!
理科。さんも更新あと2,3回?T_Tがんがって下さい!
413 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-64- 投稿日:2001年12月18日(火)20時29分58秒
−64−

そして体育祭当日―――

ワーワーキャーキャー歓声があがる中、保田はコッソリと望遠カメラを持って
ひとみ達の学園に潜入していた。

それにしても、凄い声援ね。吉澤、あんた凄いわよ。石川がヤキモキするのも
ムリはないわね。・・・去年の学園祭の時よりも黄色い声援が多くない?
まぁいいわ。引き受けた以上、ちゃんと仕事はやらなきゃね。裕ちゃん見てなよ!

保田はカメラを構えると、吉澤に焦点を合わせシャッターを押した。


「なんか凄いねー。こういう行事の度に、よっすぃーの人気の凄さを
 改めて思い知らされるよ」

参加する種目を終えて戻って来たひとみに、真希は自分の事じゃないから呑気に言う。

「そんなコトないって。ごっちんだって、密かに想ってるファンが何人かいるカモよ?」
「まっさかー。私には大勢のファンよりも、やぐっつぁん1人の声援だけで 
 もう満足なんですぅー」

両手を重ね合わせて、真希は目をキラキラさせながら言う。
414 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-64- 投稿日:2001年12月18日(火)20時31分53秒
「私だって、梨華1人の声援だけで、大満足だよっ」

しかし、そう言ってる側から、ひとみファンの子達に声をかけられる。

「一緒に写真撮ってもらえませんか?」
「うん。いいよ♪」

決まって真希がカメラマン。気取らないひとみには、いつも取り巻きが絶えない。
普段は大人しい、ひとみのファンも、ここぞとばかりに近づいてくる。

「はいはい。あんまりよっすぃーに近づかないでね。石川先輩に怒られちゃうから」

――― こんな事してる事自体が、既に怒られる対象になってたりして・・・?
私はよっすぃーに頼まれてしてるだけだもん。後は知らないっと♪

真希は言われるままに、シャッターを押した。
415 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-64- 投稿日:2001年12月18日(火)20時33分28秒
「相変わらずよっすぃー凄くない?…梨華ちゃん行かなくていいの?」
梨華の隣りにいるあゆみが、のんびりと答える。
1年のエリアの一部だけに、妙に人が集まっていて、それは一見して
ひとみを取り巻いているのが分かった。

「あぁ・・・もう諦めてるから」

梨華は苦笑混じりに言う。ひとみの性格上、断れないのは分かっている。
年に一度の行事だし、寛大な心で見逃してあげるのも・・・いいか。

「梨華ちゃん余裕だねぇ・・・」
「そうかな・・・」
「前はさ、かなりヤキモキしてたじゃない」
「それやってたら、疲れちゃってさー」

「あゆ先輩!梨華先輩!!」
「「亜弥ちゃん」」

振り返ると、松浦が立っていた。
そう言えば2人揃って会うのは久しぶりだと梨華は思った。

「梨華先輩、いいんですか?吉澤さん・・・」
「今更、会いに行くのもなんだかね。来るなら、ひとみちゃんから来いっての」

タイミングを外して行きにくいのか、梨華はぐずっている。

「ここ来る前に吉澤さんの前通って来たんですけど、撮影会になってましたよ」
「・・・」
416 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-64- 投稿日:2001年12月18日(火)20時34分33秒
「会いに行った方がいいですよ。梨華先輩!」

松浦は何がなんでも梨華にひとみの方へ行って欲しいらしかった。

「もう分かったわよ。亜弥ちゃん。私が邪魔だって言いたいんでしょ?」

梨華は苦笑いしながら、松浦の頭をコツンとやると、ひとみのいる1年のエリアに走って行った。
そして、梨華の居なくなったスペースに松浦はちゃっかり座る。

「亜弥ちゃん・・・」

あゆみはクスッと笑う。

「だって、あゆ先輩と2人っきりになりたかったから…」

大きい瞳を更に見開いて、松浦は言う。

「前は、梨華先輩梨華先輩って、追い掛けてたのにねぇー」

からかうように、あゆみは言うと

「それは言わないで下さいよー。今でも梨華先輩は好きですよ。
 (あゆ先輩の次に・・・)」

どうしても、この一言が言えない。
梨華の時は、ハッキリと言えたのに…あゆみの時はどうしても言い出せないのだ。

「そりゃ、嫌いにはならないよねー」

あゆみは気にしないで話しを続けた。
417 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-64- 投稿日:2001年12月18日(火)20時36分53秒
その頃矢口は・・・
真希の方へ行こうとするのを、辻と加護に捕まって、開放されたと思いきや
今度は高橋に捕まった。
あの一件以来、すっかり高橋は矢口と打ち解けていた。
事あるごとに矢口。高橋が真希と、また以前のように接する事が出来るように
なったのも、矢口のおかげなのを、真希はまだ知らない。

「矢口先輩!!」

嬉しそうに自分の出る種目を終えて息を弾ませ駆け寄って来る高橋を見て、
矢口は一瞬自分に好意があるんじゃないか?なんて思ってしまう。まさかね・・・。

「今、高橋走ってたろ。2位だっけか?惜しかったな」
「見ててくれたんですかぁ?嬉しい!!」

たまたま見たら、高橋が走ってただけなのだが、そう言うと身も蓋もないので
矢口も調子良く言ってしまう。

「当たり前だろっ。自分の知り合いが出てるヤツはちゃんと見てるよ」
(勿論ウソ。いちいちチェックして見てられるかっての)

しかし、純な高橋は真に受けて感激しているようだ。
418 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-64- 投稿日:2001年12月18日(火)20時38分29秒
「さすが、矢口先輩!私なんか、ごっちん先輩と矢口先輩が出る種目しか見てませんよ」
「後藤のはともかく、おいらのも見てるのかよっ!」
「勿論です!」

嬉しそうに言う高橋に、矢口は照れながら「じゃぁな!」と言って別れた。

――― 高橋なぁ・・・おいらと居る時と同じようにごっつぁんとも接して
くれればなぁ・・・。ってそれが出来れば悩んでないのか・・・。

矢口は思いながら、1年のエリアへと移動した。

しかし・・・
「矢口先パァイ!」

すぐに高橋が追って来る。振り返って立ち止まる矢口に

「私も一緒に行っていいですか?」

なんて、また笑顔で側に寄って来る。

「あぁ・・・。いいけど?」

断る理由もないし、真希に会いたいのだろうと思った矢口は頷いた。
419 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-65- 投稿日:2001年12月18日(火)20時42分08秒
−65−

丁度その頃、保田は黙々とシャッターを押し続けていた。

――― 吉澤だけでフィルム2本も使っちゃったわ。なんだかカメ小の気持ちが
分かる気がするわね。なんだか楽しい!

保田はファインダーを覗きながら、何か面白いモノはないかと物色中。
そして、保田の目が止まる。

「あら?あれは確か、矢口・・・」

隣りには保田の知らない女の子がいて、楽しそうに話している。

――― アレ?どっかで・・・。りんねのとこのバイトの子か。取りあえず・・・

――――――― カシャッ!! ―――――

「後藤に見せたら、どんな反応見せるかしら?」

――― 証拠写真と言う事でFRIDAYね!あ゛っもうそんな言い方古いわね。
廃刊になっちゃったし。

保田は自然と独り言を言いながらシャッターを押している。
端から見たら、相当怪しげに映っているに違いなかった。
420 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-65- 投稿日:2001年12月18日(火)20時43分44秒
「圭ちゃん、こんなとこで何しとんねん」
「・・・!!!うわっ!!」

突然声をかけられて、保田は思わずカメラを落としそうになった。
実際は三脚で固定してるから、落とす事はないのだが。
振り返れば平家が物珍しげにカメラを見ていた。

「なにって、写真・・」

保田はカメラを持ち直した。

「しっかし、でっかいタマやなぁ〜。圭ちゃん写真趣味なん?」
「裕ちゃんに頼まれちゃってね・・・」

保田はオーバー気味に溜息をつくと、自分も一息つこうと平家の方を向く。
ずっと、ファイダーばっかり覗いていて、目も疲れていた。

「それ、望遠やろ?例えば、お尻だけのズームとか出来るん?」

ヘンな事聞くなぁと思いつつも、保田は

「そりゃ出来るけど。そんなの撮らないわヨ」
「1枚でえぇねんけど、石川の尻撮ってくれへん?」
「・・・はぁ???もう何言ってんですか!投稿写真じゃあるまいし!
 それに、なんで石川???」

平家はニヤッとすると、保田に詰め寄る。
421 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-65- 投稿日:2001年12月18日(火)20時45分12秒
「石川のケツ、えぇと思わん?」

「ケ、ケツって平家さん!一体何考えてんですか!!あなたは石川の担任でしょう!!」
「そやけど圭ちゃん。なかなかえぇケツしとるんやで。今度バイトの時でも見てみぃよ。
 あ゛っ、この後の応援団のチアガールで拝めるかもしれんなぁ〜〜〜」
「さっきから、ケツケツって!(怒)もっと教師として自覚持ってください!」

まさに、これから梨華のパンチラを撮ろうとしていた保田は、ちょっと自責の念に
駆られながらも抗議する。
平家が中澤とつるんでいる事から既に諦めている保田であった。

「圭ちゃんもウチのコト、みっちゃん呼んでくれてえぇよ」
「結構です!平家さんも早く元に戻ってください!」

これでは目立ってしようがない。

――― あ゛っ。これを逆手に取ってカメラ目線を貰うってのもアリ???
なんだかカメラ小僧の気持ちが分かるような・・・。って何言ってるの私は!!
どっかの花屋の店長とキャラが似てきたわ。気をつけないと(謎)。
422 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-65- 投稿日:2001年12月18日(火)20時46分14秒
矢口は高橋と居るところを保田に激写されたコトも知らずに、
今度は、小川と紺野にも目撃されていた。

「最近怪しいんだよ。高橋先輩」
「何がぁー?」

紺野は興味なさそうに聞く。

「後藤先輩から矢口先輩に乗り換えたかなぁ?」

さすが高橋をライバル視してるだけあって良く見ている。

「じゃぁーまこっちゃんと一緒だね」
「何がよ?」
「だぁって、順番逆なだけで、高橋先輩と好み一緒じゃん」

ふふふと、のんびりと笑う。しかし、小川はムッとして

「紺ちゃん!バカも休み休み言ってよね!」
「・・・バ・・・カ・・・・」

紺野は真面目なんだか冗談なんだか、休みながら言う。

「・・・紺ちゃん怒るよっ!も〜〜!!!」

小川は一人で、どこかへ行ってしまった。
423 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-65- 投稿日:2001年12月18日(火)20時47分11秒
平家がいなくなってホッとしたのも束の間、

「保田さん、いらしてたんですかぁ?」

軽やかに嬉しそうにアニメ声が響く。
(振り向かなくても、その声は石川ね・・・(汗))

「いっ石川。奇遇ね」

全然奇遇でもないのに、保田は言いながら、ヘンな汗が出て来る。

「すっごく大きいレンズですねぇ〜」

梨華も同じように保田のレンズカメラを見て、しきりに感動している。

――― それにしても、石川の体操着姿もいいわねっ。
って、これじゃぁ平家(呼び捨て)と変わらないわ。

保田は気を取り直して

「石川は何してるの?」
「亜弥ちゃんに追い出されちゃってぇ〜」

梨華は苦笑いする。

「え?ソレ、どういうコト?」

保田の目が光る。

「ほら、柴ちゃんと仲良いから・・・」

梨華が言うと同時に保田はファインダーを覗いて、あゆみと松浦にピントを合わせていた。

「保田さん・・・」
424 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-65- 投稿日:2001年12月18日(火)21時01分55秒
保田はハッとして、写真を撮るのをやめると、梨華の方に恐る恐る視線を移した。
梨華は、なんだか疑い深そうな目で見ている。

「一体、何撮ってるんですか?」

――― なんだか石川の視線が痛いわ。ちょっと調子に乗りすぎたかしらね。反省。

「石川!応援団頑張ってね。ここで構えてるから、視線ちょうだいね!
 ちょっと、休憩するわ。石川、カメラ見てて」

そう言うと、保田は、すぐにその場から去ってしまった。

「ちょっと、保田さん!!・・・もぅ・・・困るよ私・・・」

梨華がちょっと途方に暮れていると、矢口と高橋が丁度やって来た。

「石川、何やってんの?そのカメラは???」
「保田さんがね、ここで撮ってたの・・・」
「ふぅん・・・」
「石川先輩!こんにちは!!」

高橋は明るく挨拶をする。

矢口は梨華を見つけた事で、少しホッとしていた。
高橋と2人で行ったら、真希に何を言われるか・・・。
これでも一応気にしているのだ。人一倍嫉妬深い真希だから、誤解するのではないかと。

「でも、こんなとこで何撮ってんだか?もっと堂々と撮ればいいのにな。
 これじゃぁ盗撮だよ」

矢口は冗談のつもりで言ったのに、梨華が黙るので、矢口は引っかかった。

「石川どうかした?」
「それが、ちょっと保田さん様子おかしいんですよねぇ・・・」

梨華は、不審な顔をして言った。
425 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月18日(火)21時06分46秒
調子こいて、書いてる分全部載せてしまいました。
いしよし度0の体育祭・・・。あぁ・・・
今日は、これにて終了です。暫く休むかも?
426 名前:夜叉 投稿日:2001年12月18日(火)21時28分03秒
大漁交信、お疲れさまです。
すごい量でしたよね。でも、ちらほら、いしよしが…。
>暫く休むかも?
「書いた」っていう充実感がわき出てますよ。(もしかして疲労感?
あせらなくてもいいと思います、作者様のペースで。

作者様の指摘通り、やっすがどこかの某花屋の店長に(略。
こっちでも、いしよし写真集が(自主規制。w

高橋の気持ちって、知に(スクランブル放送←謎。w
427 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月18日(火)22時03分21秒
>どっかの花屋の店長…

むっちゃうけました!
フラ○ーズ・タン○ポの店長ですね!
あそこの店長は最強だからな〜。

梨華ちゃんも少しは大人になったのですね〜。
続きが楽しみです。
428 名前:名無し梨華 投稿日:2001年12月18日(火)22時08分47秒
カメラ小僧(?)圭ちゃんいいですな(w
ばっちりあってる気がするのは、僕だけかな?(w

梨華たんのパンティラハアハア(w
429 名前:理科。 投稿日:2001年12月19日(水)02時19分02秒

浮上です、はい。ネタに走ってください♪
一緒にヤッス〜小説を(略
温かいお言葉ありがとでごじゃいます。
430 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月19日(水)04時44分50秒
いよいよ体育祭に突入ですね。
それにしてもキーワード揃いすぎっ!!
“保田店長”“いしよし写真集”“望遠カメラ”・・・

それにしても保田店長がファインダー越しにいろんなモノを見せてくれそうで楽しみです。

>いしよし度0の体育祭・・・。あぁ・・・
 むしろ盛り沢山で腹一杯になりそうですよ。

>暫く休むかも?
 作者さんの納得いくものが書けるのを期待してお待ち申し上げております。
431 名前:むぁまぁ 投稿日:2001年12月19日(水)12時39分36秒
今回も楽しく拝見しました。
作者さんのペースで行かれるのが一番宜しいかと思います。
休養明けの続編を楽しみにしております。
432 名前:むぁまぁ 投稿日:2001年12月19日(水)12時40分31秒
またsageるの忘れてしまった。
失礼。
433 名前:名無し男 投稿日:2001年12月19日(水)14時54分34秒
ありゃ〜
(`.∀´)大ピンチ
434 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月19日(水)17時05分56秒
とうとう体育祭ですか!
いや〜、これからの展開楽しみです!
でも、Charmyさんのペースでいいですよ。
いつまでも待ってますので!
435 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-66- 投稿日:2001年12月19日(水)18時40分38秒
−66−

ひとみと真希は、やっと撮影会から開放されて一息ついていた。

「そろそろ昼休みだから、会いに行かない?」
「そうだねー。その後、応援団だもんね」

真希の誘いにひとみも同意する。
2人が立ち上がった時に、真希はめざとく矢口を見つけて大声で叫んだ。

「やぐっつぁーーーーーーーーーんっ!!」

真希の声に気付いたのか、矢口も遠くから手を振る。

「ごっちん、矢口先輩見つけるの早いねー・・・」

ひとみは感心したように言う。

「石川先輩もいるのに、よっすぃーは・・・」

それを聞いて、ひとみも間髪入れずに叫ぶ。

「梨華ぁぁあぁーーー!!!」

負けじと、ひとみも大声で叫び手を振る。
梨華は恥ずかしそうに手を振り返していた。
436 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-66- 投稿日:2001年12月19日(水)18時41分59秒
ひとみと真希が矢口達のいる方に行くと、当然カメラに気付くわけで・・・

「これ、どうしたの?」
「保田さんがね。写真を撮りましょう♪カシャカシャカシャ♪って感じで撮ってたの」
「梨華・・・なんの歌?」

ひとみは不思議そうに聞くが、真希から突っ込みが入る。

「よっすぃー知らないの?遅れてるなぁ・・・」
「だから私は、君らと違ってTV見ないんだってば!」
「ハロモニ今度見てよ。私そっくりの綾小路文麿が出てるからさ」

そう言いながら真希は梨華の肩に手をかけると

「僕には分かるー」

(また後藤のヤツ、一人の世界に入ってるよ・・・)

「分かったから、早く話し進めてくれよ。それでなくても全然話が進んでないのによー」

矢口から突っ込みが入り、無駄話が強制終了された。(ドキッ!)

(私は、思いっきり放置なんですけど・・・By高橋(涙色))

「保田さんが盗撮っぽいコトしてたから、なんか気になって」

梨華が不安そうに言う。
437 名前:恋をしちゃいました-3rd 投稿日:2001年12月19日(水)18時43分19秒
「で、保田さんは?」
「急にどっか行っちゃったんだよね。怪しいと思わない?」
「そんな、我らのヤッスーが、盗撮なんかする訳ないじゃん。
 いくらなんでも、梨華、それは失礼だよ!」

珍しくひとみが保田の肩を持つ。
梨華は『ヤッスーって?』と疑問に思ったがそれには触れずに

「私だって信じたいけど・・・」

梨華は言葉を濁す。

「保田さんも、そろそろ戻ってくるだろ?だったら本人から直接
 訊けばいいじゃん。無駄に憶測してたって仕方ねぇよ」

矢口は時間の無駄だと言いたげに言った。

「そうですよね!矢口先輩!私もそう思います」

放置されていた高橋も激しく同意する。

「確かにそうですよね」

梨華も悪いと思ったのか口を噤んだ。
438 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-66- 投稿日:2001年12月19日(水)18時54分12秒
「なんか妙に人が集まってるわ!!吉澤に後藤!矢口に、あの子まで!マズイわ」

保田が手早くコンビニから昼食とフィルムを調達して、急いで戻ろうとしたところ、
いつの間にか人数が増えていて、さすがの保田も慌てた。

――― あんまり、おどおどしたら却って怪しまれるから、堂々としてなきゃね。ヨシ!!

保田は、普通に中に入って行く。

「待たせちゃって悪かったわね。あら、吉澤に後藤も矢口も来てたの?全員集合って感じね」

ここは盗撮疑惑を晴らすため、紛らわすため、集合写真も一発撮っておくか・・・
なんて思いながら、保田は笑みを浮かべた。

「矢口の隣りの子は???んーと、確か、りんねのトコで働いてたわよね?」

保田は慣れた手つきで、ズームレンズを外すと50mmの標準レンズに付け替えながら
さりげなく聞き出す。

「ハイ!りんね店長のカントリーマートでお世話になってます、中等部3年の高橋愛です!」

ペコッと頭を下げる。

(なかなか礼儀正しい子じゃないの。りんね、イイ娘拾ったわね…。石川には負けるけど)

保田の頭に素早く高橋の名前がインプットされた。

「続いて!同じくりんね店長のところでお世話になってます、高等部1年の後藤真希です!」

真希も真似て言う。

「後藤は言わなくても分かってるわよ。うざいわよ!・・・
 じゃぁ、みんなで集合写真撮るわよ。集まって〜!」

保田の声に、当然、ひとみと梨華は腕を絡めて、真希と矢口も腕を絡めてカメラの前に立つ。
一人あぶれた高橋は・・・
439 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-66- 投稿日:2001年12月19日(水)19時09分22秒
――― ふふ。高橋はどうするかしら?って私って意地悪かしら???

困っている高橋は「私はいいですぅ〜」とファインダー越しから消えてしまった。

しかし、矢口がさりげなく、真希の隣りに高橋を立たせた。
「え?」と言う顔をしている高橋に、矢口は「腕絡めちゃえよ」と囁いた。
戸惑っている高橋に、矢口は「ホラホラ」と言って真希の腕に高橋の腕を絡める。

「あはっ!両手に華だね!!」

真希も満更でもなさそうだった。

高橋は真っ赤になりながら俯いた。
(嬉しいけど・・・矢口先輩とでも良かった・・・なんて・・・
 あれ?何言ってるんだろう?私・・・(ポ))

――― 矢口うまいわね、アンタ!って高橋の目当ては、どっちなのよ!
まぁいいわ。取りあえず・・・

「行くわよ〜!ホイッ!チーズ!!」

――― カシャッ! ―――

「ホイッ!って、なんですかぁ保田さん♪」

梨華が楽しそうに笑っている。

――― 良い笑顔ね、石川。ナイスよ!その太もも眩しいわ!

この時、保田は標準レンズに替えた事を悔やんだのだった。
440 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月19日(水)19時23分07秒
体育祭の話が終わる頃に一旦「3」は終わりにさせていただきます。
本当は、露天風呂まで話続けたかったんですけど、その話に行く前に
500行きそうなので。しかし、一体いつまで続くんだ?この小説は・・・(w。

>>426 夜叉さん
ちょこっと時間が空いたので今日も書いてみました。

>こっちでも、いしよし写真集が(自主規制。w
なんだか、ヤッスー暴走しそうです(w。いぃんでしょうか?(爆)

>>427 名無し読者さん
>フラ○ーズ・タン○ポの店長ですね!
あそこの店長に勝てる人はまずいません!<だよね?理科。さん(w

>>428 名無し梨華さん
梨華たむの太ももにもハァハァしてる保田さん・・・。

>>429 理科。さん
矢口に浮気しそうなオラ(w。今回もカッコつけちゃった(苦笑)。
おそらく、今が大活躍だと思いますウチの保田店長(爆)。

>>430 M.ANZAIさん
>“保田店長”“いしよし写真集”“望遠カメラ”・・・
望遠カメラって表現がおかしいですね。望遠レンズですね。
さすがに、サンニッパ持ってたら、あやしすぎなのでズームレンズにしました(w。

>>431-432 むぁまぁさん
休養明けもなにも、すぐ交信してる私って・・・。
age sage気にせずに。過激シーンが出なければ此処はageても構いません(苦笑)。

>>433 名無し男さん
大ピンチもさりげなく切り抜けてしまうヤッスーです。

>>434 吉胡麻系さん
ありがとうございます!しかし、なぁ〜んも考えてなかったりするんで
残りスレで体育祭が終わればいいなっと・・・。
最近ネタに走りすぎですね。スマソ
441 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月19日(水)21時17分33秒
望遠カメラ・・・申し訳ありません、オカシイですね、この言い方。
保田店長の活躍!?をさらに見たい気もしますが、早く先に進めないと
グズグズしているうちに体育祭が終わってしまいますよね。
ということで、次の更新ひたすら待ちます。
442 名前:夜叉 投稿日:2001年12月20日(木)01時11分46秒
をうっ!更新されててうれしいです。

>その話に行く前に500行きそうなので。
超えるでしょうね、きっと(w。
ぢつは終わらせて欲しくねぇっす。
っていっても、作者様にゆだねるです。
まったり更新、おまちしております。
443 名前:理科。 投稿日:2001年12月20日(木)04時44分48秒

<良い笑顔ね、石川。ナイスよ!その太もも眩しいわ!
 この時、保田は標準レンズに替えた事を悔やんだのだった。
 師匠!!腹が…!腹がよじれすぎであります!
 …最高っす!ヤッス〜…。
444 名前:名無し男 投稿日:2001年12月21日(金)14時20分05秒
焼き増しプリーズ!!
445 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-67- 投稿日:2001年12月23日(日)18時35分00秒
−67−

ひとみと梨華は早々に2人で手を繋いで仲良く消えて行った。
おそらく、いつもの通り屋上で梨華の作った愛妻弁当でも食べているのだろう。
このところ、梨華がひとみの為にせっせとお弁当を作っているらしかった。

矢口と真希も2人で消えていった。
さすがに高橋は悪いと思ったのか自分のクラスに戻って行った。

残された保田は、コンビニの弁当を食べながら「これからが本番ね」と意気込んでいた。

「おぉ〜、圭坊、ここにおったんか〜。探したんやで〜」

今日の写真撮影を頼んだ張本人中澤も保田自慢のカメラを見て、一際目を大きく見開いた。

「ぅわっ。でっかいタマやな〜」

さっきの平家と同じ反応で保田は内心笑ってしまう。

「裕ちゃん。なっかなか楽しいわ。コレ・・・」

保田は口を動かしながら言う。

「なんや、最初イヤがってたクセに・・・。でも、そやろ?出来上がり期待してるで?」

中澤は忙しいのか、それだけ言うと、また歩いて行ってしまった。
446 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-67- 投稿日:2001年12月23日(日)18時52分44秒
「お姉ちゃん見つけた!!」

(げげ!その声は・・・)

矢口は慌てて真希の腕を離すと振り返った。

「ミキ!お前、なんでココにいるんだよ!」

振り返ると矢口の妹のミキが立っていた。

「なんでって、お姉ちゃん感謝して欲しいなぁ?コレ忘れたでしょ?
 わざわざ届けに来てあげたのに・・・」

と言って紙袋を矢口の前にぶら下げて見せる。
矢口は無言で受け取ると、中にはお弁当が・・・・。
隣りで真希が覗き込むと、真希は笑い出した。

「やぐっつぁん。弁当忘れるなんて、ダメじゃん!」
「うっせぇなぁ・・・」

再び構わずに真希は矢口の腕に絡ませるとミキにお礼を言う。

「私が代わりにお礼言うね。ありがとう!ミキちゃん♪」
「真希ちゃんは素直ぉ〜♪大好っき〜真希ちゃん!」

そう言って、ミキは真希にわざと頬にキスをした。
447 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-67- 投稿日:2001年12月23日(日)18時53分49秒
「ぅっ!!こら!!調子に乗るなよ!!」

矢口はムッとするとマジな顔になって怒鳴りつけた。

「じゃぁ、私はお邪魔ムシみたいだから退散するね〜。ごゆっくりぃ〜真希ちゃん♪」

笑顔で去って行くミキを見送りながら、矢口は蹴る真似をした。

「っとに、ムカつくよな。中一のクセに生意気なんだよ。それに馴れ馴れしいんだよ
 真希ちゃんだなんてよ!おいらだって、名前で呼んでないってのによ!!」

いつの間にか怒る対象が変わって来ている矢口に、真希がすかさず突っ込む。

「名前で呼びたいの?・・・いつでもオッケーだよ〜〜〜!」

真希は嬉しそうに絡めている腕を更にキツくした。

「・・・んなの呼べるかよっ!!!」

矢口は真っ赤になりながら言うと真希は矢口をからかうように

「真里ちゃぁ〜〜〜んっ♪」
「キショッ!名前で呼ぶのはやめてくれ〜〜〜!恥ずかしいから!!」

照れるように言うと、矢口は真希の腕をほどいて逃げるように走って行った。
448 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-67- 投稿日:2001年12月23日(日)19時02分54秒
レンズの向こうで保田はニヤリと笑っていた。

ナイスショット!多分、あれは矢口の妹ね。いい仕事してくれたわ♪
もしかして私って、名カメラマンかも?自分で言うなって??
コンビニの店長やってる時よりも張り切ってる自分がいるみたい。
やっぱりたまには違う仕事するのも大切かも知れないわね♪

そんな事より、矢口の妹が後藤にキスしたところも、しっかり納めさせてもらったわ。
石川と吉澤は私の目の届かない所に行きやがったみたいね。ちっ。残念。
ま、午後の応援団で、しこたま撮らせてもらうわね♪
449 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-67- 投稿日:2001年12月23日(日)20時46分13秒
その頃、ひとみと梨華は、甘いあま〜いひとときを過ごしていた。

「ひとみちゃん、あ〜んっはあとはあと
「梨華も、あ〜んっ」
「♪」
「おいちいよ、梨華♪」

ひとみは頬を緩ませながら口をもぐもぐさせる。

「ひとみちゃん、ご飯つぶ付いてるよ」

梨華は口の横についてるご飯つぶを指で取ると、そのまま口に入れた。

「あんまりゆっくりしてられないね。着替えなきゃいけないし」

まだまだ甘い時間を過ごしたかったが、休憩が終わったらすぐに始まるから
着替えもあるので、あまり休む時間がなかった。

急いで残りのご飯を詰め込むと、ひとみは立ち上がった。

「あっ。ひとみちゃん待ってよ」

梨華は慌てて片づけを始める。

ちょっと急かせすぎたかな?なんて、ひとみは思うと、弁当箱を片づけている
梨華の手を止める。

「??」

ひとみを見上げた梨華に、ひとみはかがみ込むと軽くキスをした。

この場面もナイスショットなのに、保田はさすがにいなかった。

「美味しかったよ。梨華のお弁当と・・・くちびる!」
「・・・やだぁ、もう!」
「ご馳走様!」

ひとみは、ヘヘッと笑うと手を差し出して片づけ終わった梨華の手を取った。

「おっしゃぁ〜!がんばるぞぉぉ〜〜!」
「押忍!」

梨華もつられて気合いを入れる。

「気合い入んね〜〜〜!」

ひとみは嬉しそうに言うと梨華と着替えをしに屋上から降りて行った。
450 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月23日(日)20時54分07秒
やっと終わりが見えて来ました。(なのか?

>>441 M.ANZAIさん
>望遠カメラ・・・申し訳ありません、オカシイですね、この言い方。
いえ、これは私が書いたので、後で読み返しておかしいなと。すみません。

ヤッスーカメラマンこの後も活躍しそう・・・かな。

>>442 夜叉さん
あと残り50になりました。残りもヨロシクお願いします。

>>443 理科。さん
ここのヤッスーも暴走気味です。
こちらの平家は、まだ石川さんのお尻は・・・(略。でも狙ってます(爆)。

>>444 名無し男さん
私も焼き増し欲しいです。引き延ばしてくれると尚可!(w
451 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月23日(日)22時25分55秒
矢口妹登場〜♪ って中一ってことは、ここの中等部?

ここのいしよしは平和でいいですねぇ。
さて体育祭も後半戦、いよいよメインエベントの登場ですね!?
保田カメラマンの腕の見せ所です。楽しみにしてます。
(って、スレッドがもう・・・!?)
452 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月24日(月)12時41分15秒
いしよし甘っ!
そんな弁当の食べ方してるところを矢口の妹に見られたらどうなるか・・・。(w
結ばれるのか・・・?うぅー、気になる。
ミキたんマンセー!
頑張れヤッスー!
続きがんがって下さい!
453 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月24日(月)14時29分01秒
「気合入んね〜」って、MUSIX!ネタ?(w
よっすぃ〜の学ラン姿、見てみたいっす!

そういや自分も応援団になって、学ラン着たっけ・・・。
同級生と後輩に「かっこいい!」って言われたっけ・・・。(w
454 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-68- 投稿日:2001年12月24日(月)15時08分11秒
−68−

昼休みも終わりに近い頃、保田は先ほどの位置よりベストポジションを陣取り
スタンバっていた。ひとみ達にも予めカメラ目線をくれるようにお願いしておいた。

また何か面白いネタはないかと保田はファインダーを覗き込んでいる。
そして、また獲物がかかったように保田のレンズが止まった。
が―――対象の女の子に合わせると隣りにいる人物が入らない。

――― 近づきすぎなのよね。で、相手は誰?

保田は引き気味にして、相手を見つめた。

――― あのコ、たまにウチのコンビニで駄菓子だけ買ってるコだ。

でも、隣りに居るのは、同じ背丈ぐらいの妙にこまっしゃくれた関西弁で話す
生意気なコではなかった。

――― なんだっけ?名前・・・。以前、矢口が連れて来て紹介してくれたんだけど。
辻だったかなぁ・・・。


保田の頭には、辻の事は「駄菓子のコ」加護は「生意気な関西弁」としてインプット
されている。(因みにひとみは最初「アイスの女」真希は「立ち読みの女」だった)
455 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-68- 投稿日:2001年12月24日(月)15時09分45秒
隣りにいる女性はスラッと背が高く辻と並ぶと凹凸もいいとこだった。
矢口と真希以上に身長差があるように見える。辻は嬉しそうに、その女性と手を繋いでいる。
一見引率の先生にも見える、その女性は何故かキョロキョロしていた。

――― 思い出したわ。去年までダンス部の部長やってた飯田圭織ね。
私も裕ちゃんに頼まれてダンス部に出たのを、今思い出したわ。

保田は飯田にピントを合わせた。

――― 相変わらず美人顔ね。目の下のクマが気になるけど。アップは避けた方がいいみたい。

そう保田が思っていた矢先、突然、飯田が笑った。それもカメラ目線でしっかりと。

「ぅわっっ!!・・・」

保田はシャッターを押すのも忘れて、そのまま尻もちをついた。

「あれ〜?」

辻の手を引いていた飯田が不満そうに呟いた。

「いいらさん、どうしたのれすか?」
「うん。今ね、視線を感じたから交信してたんだけど…。
 "ねぇ笑って"って声がしたから笑ったのに。…辻には見える?」

辻と同じ視線まで飯田は腰を少し屈めると、保田のカメラを指差した。
しかし、辻には分からないようだ。

「んー。ののには見えないのれす」
「そっかー。ちょっと行ってみようか」

飯田は再び辻の手を引くと保田の方に歩いて行った。

――― なんなのよ、あの女はー。さすがの私もビックリよ。
って、こっちに近づいてくるじゃない。どうしようー。オロオロ。
456 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-68- 投稿日:2001年12月24日(月)15時11分24秒
保田は狼狽えていたが、それより先に背後から声がした。

「オバちゃんやないかぁ〜・・・」

(オバちゃん???(怒))
ムッとして保田が振り返ると加護が立っていた。

「アヤしいカメラ持って、何しとんねん」

どうしてこう、このコは言い方が生意気なんだろうと内心ムカつきながらも
店長と言う自分の立場も忘れていなく何とか冷静を保った。

「裕ちゃ…いや中澤先生に頼まれたから撮ってるだけ!」

素っ気なく言う。

「ふぅん。そうなんや」

加護が不審そうな視線を送っていたがそれ以上は何も言わなかった。
そこへ、辻と飯田がやって来る。

「あいぼんも来てたのれすか」
「のの、オバちゃんには気ぃつけや」
「何のコトれすか?」
「ののと飯田さんのコト、カメラで追っとったでぇ。ほな先に行っとるで」

怪しげな視線を送ると加護は先に行ってしまった。

――― アイボンってコンタクトの洗浄液みたいね。最初から見てたのね。侮れないヤツ。
457 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-68- 投稿日:2001年12月24日(月)15時12分54秒
保田が話す前に、飯田の方から話しかけて来た。

「お久しぶりです。去年、学園祭でお世話になりました。
 確か駅前のコンビニ『ハローマート』の保田店長さんですよね?」
「覚えててくれたんだ。そんなあなたはダンス部の部長だった飯田さんね?」
「はい。さっき交信してくれましたよね?」
「・・・」
「声が聞こえたから笑ったのに、ちゃんと撮ってくれました?」

――― 交信って何よ?なんなのよ?もしかして電波系なの??

去年の学祭でも「宇宙からの交信」とか言うダンスをひとみとやってたのを保田は思い出した。

「保田さん、私美大行ってるんですけど、今度自費出版で画集出すんですよ。
 保田さんとこのコンビニでも置いてくれませんか?」
「飯田さんも絵を描くのね。実は私も一部で”保田画伯”って異名を取る程描いてるんだけど」
「ホントですか?」

飯田は大きな瞳を更に大きくして聞き返して来る。

――― 瞳孔開くわよ!ちょっと恐いわよ、飯田さん。

「置くぐらいお安い御用よ。出たら教えてね。目立つ所に置いておくから!」
「今度、保田さんの作品も見せてくださいね」

そう言って、飯田と辻は帰って行った。

――― いけない!肝心の辻との関係を聞くの忘れてたわ!宣伝しに来たようなもんだわね。

そうこうしているうちに、午後の始業ベルが鳴った。
458 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-69- 投稿日:2001年12月24日(月)15時14分48秒
−69−

「ひとみちゃん、カッコいい」
「梨華も・・・可愛いよ。その姿、誰にも見せたくないなぁ…」

(さっきから、イチャイチャしやがって!!)
暫く出番のない矢口はヒマなので、真希の傍に居るのだが、隣りにいる
バカップルひとみ&梨華は終始、砂糖を吐くような台詞を繰り返していた。

「やぐっつぁん、どうだい?僕の姿は・・・」

真希は郷ひろみが取るようなキザなポーズを取りながら、いつの間にか
薔薇の花を片手に気取った仕草をしている。

矢口は顔をしかめた。
(また、ナルシスト綾小路文麿やってるよ。余程気に入ってんのか?)

「真里。僕には分かる」

なんて言いながら矢口の肩に手をかけてきて・・・

「後藤、お前ネタしつこいよ!それに、名前で呼ぶのやめれ!!」
「いいじゃ〜ん!よっすぃー達に負けたくなぁ〜い!」

抱き付いてくる真希に、矢口はよけようとしながら

「勝ち負けじゃないだろー!!」
「勝負!勝負!!勝負!!!勝負!!!!パーティパーティ!!いえ〜!!!」
「三人祭かよっ!」
459 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-69- 投稿日:2001年12月24日(月)15時16分12秒
端から見たら、充分甘すぎる矢口と真希に声をかけにくいと思いながらも高橋は声をかけた。

「先輩!!」

――― 今日のごっちん先輩はやたらとハイテンション。
迷惑そうな矢口先輩もホントは嫌がっていない。
やっぱり、この2人は最高のカップルかも♪

「あ゛。高橋・・・」「愛ちゃん」

2人は一斉に顔を高橋に向けた。
真希はすかさず高橋の傍に行くと、また同じように高橋の肩に手をかける。

「愛。僕の為に来てくれてありがとう♪」

『お前の為じゃないだろ!』と突っ込もうとして矢口は止めた。
(ある意味お前の為か・・・。しかし後藤、バカの一つ覚えみたいに…(略))

高橋は恥ずかしそうに俯いている。
調子に乗ってる真希は更に続ける。

「僕の声援頼むね。吉澤くんに負けないくらいにさ」
「はい!ごっちん先輩!!」

高橋も瞳をキラキラさせて頷いている。

「ごっちん、HO ほら行こうぜ!!」

ひとみが真希に声をかける。

「お呼びのようだね。じゃぁ行ってくるよ(投げキッス!)」

(アホだよ、後藤。まぁ、いいか。体育祭だって祭りだもんな。最後だし…)

矢口は諦めたように真希の後ろ姿を見送っていた。
460 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-70- 投稿日:2001年12月24日(月)15時20分25秒
−70−

『恋人は心の応援団』のBGMに乗って、殆どパフォーマンスで
梨華を筆頭に踊りまくるチアガール達に、歓声があがる。

――― 野郎のダミ声が聞こえないから、なんか気持ち良くシャッターが押せるわね。

ここの学園は男性立ち入り禁止なので、男性教師以外は男はどこにもいない。
怪しいカメラのお兄さん達もいないと言う訳だ。怪しい店長は紛れ込んでいるけれど。

保田は夢中でシャッターを押していた。連写なんかもかましたりして。

――― 平家の為に、石川のお尻のアップも1枚撮っておこうかしらね。ってアップじゃ
石川の尻の判別なんて出来ないじゃないの!って尻フェチの平家には分かるのかしら(疑問)

肝心の平家はどこで見ているのだろう?

――― あ゛居たわ。まったく男みたいに鼻の下伸ばして!!その顔もいただきね♪

― カシャッ! ―

――― それにしても石川、営業スマイルが決まってるわね。さすがコンビニで1年
働いているだけのコトはあるわ。芸能界でもやってけるわよ!保田印をあげるわ!!(ペタッ)
461 名前:名無し男 投稿日:2001年12月24日(月)15時20分56秒
マターリと蛇行運転が続いてますな(w

矢口妹乱入!この後dでもない事に?
462 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-70- 投稿日:2001年12月24日(月)15時22分02秒
「よっすぃー!!!」「吉澤先輩ぃぃ〜〜!」「吉澤さ〜〜〜ん!!」
「よっすぃー先輩ぃぃ〜〜〜!」「かっけ〜〜〜!」の黄色い声に紛れて・・・

「ごっちん先パ〜イ!」「文麿〜〜〜!」の声もチラホラ。

――― 文麿って何なのよ?新しいキャラクター???柿本人麻呂とは違うみたい。
なんだか分からないけど、一応後藤も撮っておくわね♪矢口に売りつけるわ。

「梨華先パ〜イ!!」
一人で松浦が声を張り上げている。

――― 松浦一人で頑張ってるわね。メガホンまで持って今時珍しいわ。久しぶりに見たわね。
"100回のKiss"を私からあげるわ!チュッはあとはあと いらなくてもア・ゲ・ル♪

「オエーーーーッ!!!」
矢口の隣りにいた高橋は、矢口が突然叫んだので振り返った。

「どうしたんですか?矢口先輩!」
「いや、なんか今さ、悪寒が走ったんだよ。気のせいかな…」

保田のキスは、松浦ではなく、矢口の方に飛んでいったらしい。

ひとみは余裕で、ピースを送ったりしていたが、いきなり何を思ったのか梨華を抱っこした。
勿論、そんなパフォーマンスはない。

会場は大歓声やら悲鳴やらで、一段とうるさくなった。

――― 吉澤!ナイスよ!!ナイス!!!

そして、ひとみは保田のレンズに向かってカメラ目線で微笑んだ・・・。

「おおおお〜〜〜!」

中澤は予定にない事をすると激怒するのだが、この時は拍手を送っていた。

「やるやないかぁぁぁ。よしざ〜〜〜!!さすがウチの生徒やな!」
「石川のお尻・・・(・∀・)イイ !!」

平家は梨華のお尻に釘付けだった。(教師失格)
463 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月24日(月)15時31分48秒
取りあえず書いた分だけ更新しました。一旦切ります。
また更新するかも?年内にこのスレ終わらせる方向なので。ムリかな。

>>451 M.ANZAIさん
ここの中等部の方がいいですかね?前のラジオで中一って判明したので。
保田カメラマンの写真の出来が楽しみです。殆ど盗撮…。

>>452 闇の住人さん
只今更新中ですねぇ(w。読みながら私も書いてる所でした。加護(・∀・)イイ (w
ヤッスーも拍車がかかってますな。保田画伯・・・
やぐ妹って、いしよしと絡んだ事まだなかったっけ???

>>453 吉胡麻系さん
はい。MUSIX!ネタです(w。吉胡麻系さんも、かっけーんですね?

>>461 名無し男さん
やぐ妹も出した方がいいかな。考えておきます。
464 名前:名無し男 投稿日:2001年12月24日(月)15時53分50秒
ぉょょょょ
さっきはスマソ

リアルタイムで読ませてもらいました&更新ボタム押さずにレスって島田(w
いいらさんコワヒ・・・
脱線暴走04大歓迎!!
ハイスピードマンセー!!
リミッターddi!!(今夜も暴走中)
465 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月24日(月)17時00分04秒
バカだろこのスレ
466 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月24日(月)17時40分52秒
「宇宙からの交信」・・・(w
思い出しましたよっ!
去年の学園祭ではこれの前に演劇部の安倍と辻で『紙"顔"芝居』、
続いてダンス部の矢口・辻・加護で『ミニモニ。』、
そして“デカモニ。”で飯田の創作ダンス『宇宙からの交信』の次に
吉澤が『ザ★プチモビクス』を会場からの飛び入り(後藤、保田)を交えて踊って、
その後が例の告白タイムだったんですよね。
(何をいまさらあらすじなど述べてるんだか・・・)

矢口妹・・・ここの中等部は相当個性的な生徒が多いから・・・面白いかも♪
467 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-71- 投稿日:2001年12月24日(月)19時37分09秒
−71−

ひとみに抱きかかえられながら梨華は小声で囁いた。

「ひとみちゃん…。恥ずかしいよぅ。降ろして?」

しかし大歓声で、梨華の声はかき消されてしまう。

「なに?梨華。聞こえないんだけど?」

ひとみは今でも梨華と接近してるのに更に接近してきた。
そう言いながら、どさくさに紛れてひとみは梨華のくちびるに大接近。

「・・・っ!!」

そして、ひとみと梨華のくちびるは当然ぶつかった・・・。

「キャァー!!」「ワァー!!」「私にもしてぇ〜〜〜!!!!!」
「ひゅぅ〜〜〜!!!!!」

黄色い声(100ホーン位)が渦巻く中、すっかりひとみは自分の世界へ。
恥ずかしそうだった梨華もひとみのくちびるで塞がれて何も言えないどころか
ひとみの学ランの袖を摘んで、しっかり応えている。

「っとに、去年の学祭より、盛り上がっとるやんか〜!やりすぎやねん!」

さすがの中澤もキスまでされて面白くないらしく悪態を付き始めた。
468 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-71- 投稿日:2001年12月24日(月)19時38分29秒
隣りで見ていた真希も半ば呆れながら、矢口が駈けて来ないかと期待していた。
(・・・でも、ムリだよね。やぐっつぁん、そういうのダメだから・・・)

「はぁ〜〜〜、吉澤も大胆になって来たなぁ・・・」

矢口は腕を組みながら、半ば感心していた。
(その勇気とバカっぷりに拍手だよ)

「お姉ちゃんは、しないの?」

急に背後からミキの声がして、慌てて振り返る。

「何言ってんだよ。する訳ないだろっ」
「でもさぁ〜、結構ひとみちゃん達見て羨ましいとか思ってない?」
「思ってねぇよ!」
「でも見てよ。真希ちゃんを…」
「え?」

ミキに言われるまま、矢口は真希を見る。

「あの目は、『来て!やぐっつぁん!!』って顔だよ?」

ミキは姉をからかうように、真希の物まねで手を広げて言ってのける。

「バ、バカか?お前は!!いい加減にしろよな???怒るぞ?」

矢口は本気で殴ってやろうと思えた瞬間だった。
469 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-71- 投稿日:2001年12月24日(月)19時39分44秒
――― ちょっと吉澤美味しすぎるわよ!!でも初めて生キスを見たわ(ドキドキ)。

このショットは売れ行きNo.1だと睨んだ保田は連写をぶちかましていた。

「よっすぃー先輩、大胆なのれす」
「去年の学祭思い出すけど、くちびるまでしなかったよねぇ」

辻の隣りで見ていた飯田も、ちょっと呆れた顔で見つめていた。

「はぁぁぁぁ〜〜、吉澤さん達って、あそこまで進んでたべさ?」

久しぶりに安倍も来ていて、飯田の隣りに来る。

「あぁ、なっち。久しぶり!元気だった?」
「元気だよ。この通り。なっちはいつも元気っしょ!」
「珍しいね。なっちも来るなんて・・・」
「中澤先生が、面白いのあるから見に来いって誘われて・・。これのコトだった?」
「・・・カモね」
「吉澤さん効果で、この学園も盛り上がるねぇ・・・」
「良いのか悪いのか・・・」

飯田も苦笑混じりに呟いた。
470 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-72- 投稿日:2001年12月24日(月)19時41分01秒
−72−

大いに盛り上がりすぎた応援団コーナーが終わると、
当然、ひとみは中澤に呼び出された。

「やりすぎやっちゅーねん!盛り上げるのはえぇけどな。
 度が過ぎるんじゃ、ゴルァ!!」
「でも、いいショット撮れたんじゃないすかね?保田さんもご満悦な顔してましたよ?」

ひとみも満更ではない顔をしている。
梨華もひとみにすがるように、まだ腕を絡めていた。

「石川も、とっとと腕を離さんかい!」

梨華は中澤に注意されて慌てて腕を離した。

(まぁ、確かにえぇショットやとは思うけどな。なんか腹立つわ。)

「うらやますぃーなぁ。僕も真里には来て欲しかったよ」

真希は、かなり残念そうに言うと、矢口を見る。

「おいおい、行く訳ないだろっ。吉澤も、この恥知らずが!」

「いいじゃないですかぁ。祭りなんだから盛り上がらないと損ですよ?」

ひとみは大成功!と言った感じで矢口に言う。
471 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-72- 投稿日:2001年12月24日(月)19時41分44秒
「ひとみちゃん、かっけーかったよぅ!それに比べてお姉ちゃんは…」

いつの間にか、矢口の妹ミキも来ていて、姉を煽るように言った。

「やっぱり?ミキちゃんは分かってるねぇ」
「けっ。何言ってんだかな・・・。ミキもいい加減にしないとなー
 ただじゃおかないからな!!覚えておけよ!!」

強気に出た矢口だったが真希は、

「ちょっとゴトーも期待しちゃったりなんかしたんだけどなぁ〜。
 まぁ、まだ学園祭あるからさ、やぐっつぁんには、その時に汚名返上してもらいますか!」
「汚名返上って、なんだよっ!大体よ〜、吉澤が勝手なコトするからだろ〜!
 おいらが何したってんだよ!!」

とんだとばっちりを受けて、矢口もしまいには切れかかっていた。

メインイベントが終わって保田も満足気に機材を片づけ始めた。

「私の出番も終わったわね」

予想以上にフィルムを使ってしまったので保田はもう退散する準備をしていた。
現像も出さないといけないし、いつまでも店を任せておく訳にはいかなかった。

そして、体育祭は無事に終わりを告げた・・・。
472 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-73- 投稿日:2001年12月24日(月)19時43分22秒
−73−

――― 数日後。

保田は写真を持って職員室へ来ていた。
あまり時間が取れないので、渡したらすぐ帰ろうとしていたのだが。

「えぇ?こんだけ??かなり撮ってたような気がすんねんけどなぁ」

勿論、これだけと言われても数量にしたら、かなりある。

本当はこれの倍以上あったのだが、殆ど使えないようなモノばかりで
個別に売るか渡すか、他人様に見せるようなショットが殆どなかった。
これは、さすがに中澤には言えなかった。

矢口と高橋の密会写真。あゆみと松浦の2ショット写真。
辻と飯田の凹凸写真。矢口の妹が真希にキスした写真。等々・・・
梨華の盗撮写真・・・。

この分は持ち出しで、思わぬ出費で保田にとっては誤算だった。

「裕ちゃん、これで勘弁して。私、仕事戻らないといけないから」
473 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-73- 投稿日:2001年12月24日(月)19時44分17秒
多くは語りたくない保田はすぐに退散しようとしたが・・・。
帰ろうとする保田を平家が呼び止めた。

「圭ちゃん。例の写真は撮ったの?」
「え?何ソレ?そんなの知らないよ?」

保田は、やはり梨華の事を思うと、そんな写真は渡す事は出来ずに
ネガごと燃やしてしまったのだった。

(私も、あの時はどうかしてた。冷静に考えたら、そんな変態写真撮るんじゃなかったわ)

「平家・・・さん。もっと教師として自覚持った発言をお願いしますよ!」

保田はビシッと言うと、職員室を後にした。

「圭ちゃん、何言ってるんやろ?ヘンなの・・・」

中澤は写真を1枚1枚チェックしながら

「圭坊、グッジョブって感じやな。さて、1枚幾らぐらいで売るのが相場なんやろ?」
「50円くらいで、えぇんちゃう?」
「やっすー。そんなん安すぎるわ」

あくまでも中澤は営利目的で売るつもりらしい。

「せめて100円やろ。まとめて買ったら1枚オマケとかやな」

既に中澤は取らぬ狸の皮算用よろしく電卓を弾いていた。
474 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-73- 投稿日:2001年12月24日(月)19時45分09秒
その日の夜、バイトが終わった梨華を保田が呼び止めた。

「石川、これ」

保田は梨華に茶封筒を2つ渡した。

「なんですか?」
「この前の体育祭の時の写真。もう1つは後藤に渡してね」
「いいんですか?」

嬉しそうに言う梨華に保田の心は少し痛んだ。

「でね、言いにくいんだけど・・・」

保田はバレてしまう前に梨華には経緯等を説明した。

説明を聞き終わると梨華は困った顔をした。
以前、仕事でミスをした手前、あまり保田の事をアレコレ言いたくは
なかったのだが、やはり梨華は、その中澤の考えには腑に落ちないモノを感じた。

「保田さんは、使われてるだけだと思いますけど、なんか・・・」
「ゴメン。石川。私も断りたかったんだけど・・・」
「でも、保田さん、その割に結構楽しんで撮ってたような気がしますよ」
「・・・」

梨華にそんな事を言われてはさすがの保田も言い返す言葉がない。事実なのだから。

「使えない写真とかは、そこに全部入ってるからさ、あとは石川の好きにしていいよ。
 勿論、売り出す予定の写真も全部焼き増しして入ってるから。
 じゃ、話はそんだけ!お疲れさん!」

梨華は保田に背中を押されると、そのまま店から出て行った。
475 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-73- 投稿日:2001年12月24日(月)19時46分07秒
「はぁぁぁ・・・」

梨華は溜息をつきながら少し歩いて、そのまま真希のいるカントリーマートへと向かった。

まさか、あの写真が売り出されるとは考えていなかった梨華は、今さらながらに
ひとみとのキスの写真も出回るのかと考えたら恥ずかしくなってしまった。

梨華が店に着くと、丁度真希と高橋も出て来るところだった。

「あれ〜?石川先輩も、今終わったの?お疲れ〜!」
「お疲れさまです!」

高橋もペコリと挨拶する。

「ごっちぃ〜〜ん・・・」

梨華は泣きそうになりながら、真希に抱き付いた。

「ど、ど、どうしたの?石川先輩・・・」

高橋も思わぬ展開に目を丸くしている。
真希も動揺している。

高橋は自分は居なくなった方がいいと思い、その場で
「お疲れさまでした!」と言うと、足早に帰って行った。
476 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-73- 投稿日:2001年12月24日(月)19時46分59秒
近くの公園のベンチに腰をおろし、梨華から話を聞いた真希も溜息をついた。

「そっかー。なるほどね。そういう裏があったんだ。でもさ、仕方ないじゃん?」
「え?」

梨華は真希の方に顔をあげた。

「確かに中澤のやるコトはムカつくけど・・・。部費が足りないのは、
 やぐっつぁんも良く言ってるし。割り切るしか、ないんじゃない?」

(ごっちん、あの写真見たら、そんな事言えないと思うんだけどな。
 まぁ、この写真は売りには出さないけど・・・)

チラッとしか確認していないが、写真をざっと見た時に、矢口と高橋の写真もあった。

「この写真、ごっちんにあげるよ」

そして1枚の写真を差し出す。

「あ〜。これミキちゃんが私にキスした時の?よっく撮れてるねぇ」

感心したように真希は写真を見入っている。

「これだったら、私もやぐっつぁんと2ショットの撮ってもらいたかったなぁ。
 5人で撮ったヤツしかなかったよね。確か・・」

真希は別にやましい写真などないので、至って呑気なものだった。
むしろ、保田から貰った写真に感激さえしているようだった。

「まぁさ、よっすぃーに相談してみれば?よっすぃーは、どうするかなぁ?」

何だか楽しそうに真希が言うので、梨華は途端に憂鬱になった。

「そうするー。ゴメンね、夜遅くに呼び止めて・・・」
「うぅん。石川先輩も、おつかれー!おやすみなさい!」

そう言って、真希は軽やかに去って行った。
477 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-74- 投稿日:2001年12月24日(月)19時48分07秒
−74−

翌日の昼休み。

既に廊下には体育祭の時の写真が張り出されていた。
事前に梨華から話を聞いていたひとみは、梨華の前では何も言わなかったが、
取りあえず中澤には抗議をしに行った。

矢口から部費の事は聞いているが、まさかこんな形で・・・。
ここまでして増やすのなら、いっそ学園祭は出るのをやめようとまで考えていた。

「やめるって、今さら何言うてんねん!」
「私はそこまでして、そんなお金で出たくありませんよ」
「ウチのやり方に楯突く気か?吉澤・・・」
「とにかく納得は出来ません。汚いですよ」

そこへ矢口が入って来る。

「吉澤、落ち着けって!」
「落ち着いてますよ!」

「だったら、出なければえぇわ。勝手にせぇ!」

中澤はバンッと机を思い切り叩くと立ち上がり職員室から出ていった。

「中澤先生!!」

矢口が呼ぶ声も虚しく中澤は振り向きもしないで大きな音で扉を閉めていった。
478 名前:恋をしちゃいました-3rd Stage-74- 投稿日:2001年12月24日(月)19時48分46秒
「あぁ・・・・」

矢口はひとみを連れて職員室を出ると、場所を屋上に変えて、着くなり
ひとみを怒鳴り散らした。

「吉澤、お前旅行のコトすっかり忘れてるだろ!」
「あ゛・・・」

矢口に言われて、ひとみは思い出した。

「あれほど、中澤を刺激しないようにって言ってたのによ〜。知らねぇぞ?」
「でも・・・でもですね。ちょっとアレは酷いと思いませんか?」
「・・・まぁ分からないコトはないけどな。今なら謝れば何とかなるかも知れない」
「それはイヤです。でも・・・」

自分達だけならまだしも、矢口と真希も同じ旅行に行く手前、自分勝手な行動をしたと
ひとみも反省する。もう遅いのだけれど。

「もうやってしまったんだからよ、これから、どうするかだな。
 部長の立場として言うなら、ここは穏便に済ませて欲しいけど・・・。
 個人的だったら・・・吉澤の気持ちも分かるよ」
「矢口先輩・・・」
「ま。部のコトは心配しないでくれ。お前の気持ちを大事にしたい」
「先輩。申し訳ないっす・・・」
「とりあえず、良く考えるコトだな。今日はもう帰れ」
「すみません」
「謝るなら、中澤になっ!」

ひとみを先に帰すと、矢口は深く溜息をついた。

最悪、ひとみが抜けるとなれば代役を立てなければならない。
ひとみの代わりになるような人物が果たしているのかどうか・・・。

「吉澤、頼むぜ・・・」

矢口はうなだれると、気を取り直して部活へと向かった。

――― 第3部終了 第4部へと続く ―――
479 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月24日(月)19時51分16秒
中途半端ですが、このまま問題を抱えたままこのスレは終了させて
いただきます。駄文にお付き合い頂きましてありがとうございました。
特に体育祭では、なんだかスレ汚したようで(w。

>>464 名無し男さん
いえいえ。私ものんびり更新していたもので。

>>465
すみません。やりすぎました。反省しております。
これからは通常に戻ります。って、もう見てなさそうだけど。
不愉快なら読まなくて結構ですので。

>>466 M.ANZAIさん
詳しくご説明どうもです。今さら言われると恥ずかしいですけど(w。
やぐ妹も生意気な性格で・・・このまま「4」でも同じキャラで
走って行って欲しいですね。


取りあえず、来年になったら「4」として新スレ立てる予定です。
どこに立てるか分かりません。空も賑わってるようだし。

それでは、ありがとうございました。
480 名前:名無し梨華 投稿日:2001年12月24日(月)23時58分22秒
お疲れ様でした〜

カナ−リにやけてました(w
次も楽しみにしてます♪
481 名前:真里っぺ♪ 投稿日:2001年12月25日(火)00時01分15秒
第3部が終わりましたんね〜とりあえずお疲れさまでした!
あと第4部も頑張って下さい!
やぐ妹めちゃイイキャラしてますね〜!
第4部を期待しながら年を越しますね〜(w
482 名前:M.ANZAI 投稿日:2001年12月25日(火)00時02分17秒
体育祭終わったらひと波乱ですね、しかもそのままこの章が終わりだし。

>Charmy Blueさん
 とりあえず年内はこれが最後ですね。楽しく読ませていただき、ありがとうございました。
 次の「4」も心待ちにしております。
それでは、善い御年を〜♪
483 名前:闇の住人 投稿日:2001年12月25日(火)00時53分09秒
お疲れ様でした!
体育祭終わりましたねぇー!
ヤッスー辛いなぁ。吉澤の言う事ももっともだけど、キスまでしちゃぁー。(w
矢口、後藤、高橋はどうなるんだろう?
ミキちゃんマンセー!
第4部も期待してます!
484 名前:夜叉 投稿日:2001年12月25日(火)14時47分27秒
風邪ひいてる間に第3部終わっちゃってるし(鬱)。

作者様、お疲れさまでした。
あと、残るイベントは学祭と旅行ですね(予定は。w
想いは第4部に託して。期待して待ってます。
485 名前:名無し男 投稿日:2001年12月25日(火)15時53分19秒
保田にもヤパーリ後悔の念があったか(w
486 名前:吉胡麻系 投稿日:2001年12月25日(火)17時27分41秒
第3部、お疲れ様でした!
よく人前でキス・・・。すげぇ。(w
ニヤけました。(w
第4部、頑張って下さい!
487 名前:尾依羅 投稿日:2001年12月25日(火)18時31分39秒
オイラも二人のキスしーんが見てえ!!!!
488 名前:名無し読者 投稿日:2001年12月25日(火)18時36分23秒
私も第4部楽しみにしてます!
これからも頑張って下さいね!
489 名前:アーカス 投稿日:2001年12月25日(火)20時01分01秒
はじめまして。初感想を書きます。
冬休みに入ったので最初から読ませていただきました。
いしよしが大好きな私ですが、やぐまきの今後もかなり楽しみです。
2組ともまだまだ波瀾が続きそうな気がします。
第4部、楽しみに待ってます。
490 名前:JAM 投稿日:2001年12月26日(水)00時05分54秒
気づけばもう4部になるんですね。
4部ではいよいよ旅行なのでしょうか?
とにかく楽しみです!期待してまってます。
491 名前:むぁまぁ 投稿日:2001年12月26日(水)07時54分39秒
執筆お疲れ様でした
4部を楽しみにしてますね
492 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月31日(月)19時07分01秒
今年のレスは今年のうちに。

>>480 名無し梨華さん
ありがとうございます。ニカけていただけましたか。嬉しいっす。

>>481 真里っぺ♪さん
おかげさまで3部も無事終了しました。
4部でそろそろ完結したいんですけどね(w。
やぐ妹は私もいつの間にか愛着が沸いてきました。
4部でも活躍してくれそうな気配?

>>482 M.ANZAIさん
脱線しすぎましたね。2部もマターリしすぎたんですが。
いつもレスありがとうございます。

>>483 闇の住人さん
4部も主役は、やぐごまたかになるのかな(w。
いしよしは、果たして……?

>>484 夜叉さん
イベントをこなして行くと4部も終了します。500スレに収まればですけど(爆)。

>>485 名無し男さん
保田店長も出番は、もうあまりありませんからね(爆)。
493 名前:Charmy Blue 投稿日:2001年12月31日(月)19時08分29秒
>>486 吉胡麻系さん
受験頑張って下さいね。やぐごま小説良かったです。ニヤけました。

>>487 尾依羅さん
私もキスシーン見たい!!(爆)

>>488 名無し読者さん
ありがとうございます。頑張ります!

>>489 アーカスさん
初めまして。アーカスさんの描く吉は影があってかっけ〜ですね。
ここの吉は、まだ子どもっぽいかも。
やぐごまの方が波乱がありそうかな?分からないですけど。

>>490 JAMさん
旅行まで話は行くと思いますので(爆)いよいよですかね。
ただ、どうなるかは分かりませんけど?

>>491 むぁまぁさん
はい。なるべく早く4部を立ち上げたいと思ってます。

たくさんの温かいレスありがとうございました。
同じ空に立てたいと思いますのでまた宜しくなのです。
494 名前:Charmy Blue 投稿日:2002年01月02日(水)21時05分10秒
昨日の正月特番は、この小説絡みで見ると自分的にかなり萌えました。
やぐごま いしよし ごまたか やぐたか ののかおetc..
夕方からのは思い切り忘れてましたけど(鬱)。

取りあえず今年も宜しくお願いします。

新年早々やらかしてるしなぁ(謎)。はぁ…。

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