あやみき書こうそうしよう
- 1 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/08(土) 21:03
 
-  ビバあやみきビバいちごまということで書きたいと思います。 
 おもしろくねーって思っても見て下さい。  
- 2 名前:あやみき 投稿日:2004/05/08(土) 21:13
 
-  見事ハートを打ち抜かれたあなたの心と笑顔が胸に焼き付いて離れない。 
 身体中にらくがきをされたような感覚はとても心地よいんだ。 
  
 気持ちを打ち明ければ空はきっと曇ってしまうから、まだ言えないよ? 
 せめてこの愛しい気持ちを止めさせないで。消えたら私も消えてしまう気がするから。 
  
 笑ってよ、私のためだけに。泣いてよ、全部受け止めてみせるからさ。  
- 3 名前:あやみき 投稿日:2004/05/08(土) 21:21
 
-  空が憎たらしい程青い今日この頃・・上を向くのもイヤなくらい外に出たくない。 
 「・・たん・・きて!!」 
 川がサラサラ流れる音が好き。何かを忘れられるから好き。 
 「みきたん起きてって言ってるでしょ!!チュ−するよ!」 
 はっと我に返った時は、寝そべっている美貴の横で御立腹の子がいた。 
 「ご・・めんなさい」 
 「にゃはは!なんで敬語なのさ?もう夕方だからさ、お家帰ろう!」 
 そっか、そうだよ。朝っぱらからコンビニに行ったら彼女に会って、川べりで 
 世間話をしていたんだった。 
 「なんかね、みきたんと会ったの今日が初めてじゃないみたい。むっかしから 
 の幼馴染みみたいでね!!すっごく楽しいの!」 
 無邪気だな、1、2コ変わらないだけなのにすごいちっちゃいこ相手にしてるみたい。 
 初対面でここまで素を見せるコは今どきいないよ。  
- 4 名前:あやみき 投稿日:2004/05/09(日) 13:08
 
-  とあるコンビニエンスストアに美貴は朝から財布片手に向かった。 
 得に理由があって行ったわけでも無い。誰かが呼んでる気がしたから。 
 見えない糸で引っ張られて、「こっちおいで」って声が聞こえた。 
 だらしない格好で行ってしまい少々恥ずかしかった。 
 「っくー・・どうしよ。10円足りないなぁ・・・」 
 コンビニのドリンクコーナーをふと見ていたら1人の少女がつったち悩んでいる模様。 
 その瞬間、体に電流が走ったみたいに目が覚めた。足のつま先までビンビン 
 伝わる熱い鼓動がその少女に聞こえる程高鳴っていた。 
 少女は可愛らしいツインテールでワンピースを着ていた。それが驚く程似合っている。 
 「あの・・どうかしました?」 
 気になってしょうがない。話し掛けたい。そんな気持ちが心の中を行きかっている。 
 「あ、いえ・・邪魔でしたか、ごめんなさい!」 
 ペコッと丁寧に頭を下げる。迷惑なんてとんでもないよと言いたかったけど声が出にくい。 
 「えっと・・10円足りないんでしたっけ?じゃ・・」 
 美貴はなんでこんな知らない子に金を貸さなきゃいけないのか自分でも分らなかった。 
 ほうっておけなかったんだろう、きっとそうだ。 
 「いいです!!そんな事してもらわなくても・・・・」 
 「いいってば。10円くらいどうだっていいよ美貴は」 
 無理矢理財布から10円を出し、彼女に渡した。ビックリした様子でおずおずと 
 手を出す様はとても美しく、美貴にとってすごく魅力的だった。  
- 5 名前:あやみき 投稿日:2004/05/09(日) 18:02
 
-  「い・・いーんですか?知らない人にお金貸して」 
 「良くないと思う・・けどいいよ」 
 なぜか肯定してしまう・・見知らぬ人に金の貸し借りなんていけないって思う。 
 自分がなぜコンビニに来たのか、訳がなんとなくだが分かった。 
 きっと、この子に会う為だ。見ただけで呆然としてしまうその容姿をまじまじと 
 見つめた。 
 「あ・・美貴もう帰るわ。バイバイ」 
 金貸してそれでララバイっていうのもおかしい話だ。これ以上の進展はないだろうと 
 感じていたから。10円を渡して後を振り向いた時、手首を掴まれた。  
- 6 名前:あやみき 投稿日:2004/05/09(日) 18:55
 
-  「名前だけ教えてくれますか!?」 
 美貴の空耳かな、名前教えてって言われたような気がするんだけど。 
 「お金返したいし、名前と詳しい事教えてくれません?」 
 同じぐらいの身長なのに、上目遣いをされると美貴が背高い感じ。 
 「ふじもと・・」「藤本さん?えっと、美貴・・ですか?」 
 バックンッ!!名前呼ばれちゃったよ。美貴って・・・呼び捨てにされること 
 あんまりないから心臓が飛び跳ねそうだった。 
 「カワイイですねぇ!あたしは、松浦です。松浦亜弥!!」 
 やっばいよコレ、この笑顔。このコきっと何人もの男の子に見せたんだろうな 
 この笑顔。 
 「亜弥・・ちゃん?ごめん、亜弥ちゃんなんて馴れ馴れしいか」 
 名前の響きがステキすぎてついついちゃん付けで呼んでしまった。 
 「構わないですよ!あたしはそれでいいです。んと・・美貴ですよね・・ 
 それじゃ、たん!みきたん!」 
 みきたんみきたんみきたんみきたんみきたんみきたん・・何回もエコーが 
 かかった。たんって何? 
 「それでいいから早くコンビニ出よう」 
 顔が赤面した。生まれて初めてこんなに恥ずかしくなった。こんな顔を見られたく 
 なくていそいそとコンビニを出た。  
- 7 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 15:30
 
-  「それじゃ・・どうしよっか、何から話せばいい?」 
 涼しい風が吹くけれど、美貴にとっては熱い風。 
 「みきたんは何処に住んでるんですか?」 
 またみきたんて呼ばれた。なのに敬語を使われる。 
 「え・・すぐそこだけど、亜弥・・ちゃんは?」 
 コンビニのちょっと先にあるマンションを指差して言った。 
 「あたしは・・まあ・・話ながらどっかふらふらしません?」 
 なんかはぐらかされてしまった。まあ、ってこの人家無いのかな? 
   
- 8 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 15:41
 
-  そのまま河原へGOという事になり、少し遠いので2人並んで歩いた。 
 「あの、敬語いいから。タメでいいよ?」 
 たじろいでいた亜弥ちゃんは「うん」と言ってくれた。 
 「みきたんはいくつ?あたしは今年で18だよー」 
 「19。いっこ下なんだね亜弥ちゃん」 
 コンビニで見た時はすごく大人っぽい子だなぁって思ったけど、年齢を 
 聞いて納得した。 
 「みきたん高校卒業したんでしょ?今何やってんの?」 
 「あー・・言えないなそれは」 
 言えない。言えるはずがない・・美貴が何の仕事してるって聞かれて答えら 
 れないに決まっている。第一印象最悪になってしまうだろうから。 
 「軽蔑するよ美貴の仕事聞いたら。だから言えない」 
 「しないよ、そんな事あたし思わないよ!!」 
 キラキラと目を輝かせてムキになる亜弥ちゃんを見たらどうも言うしかない。 
 「・・・ト」 
 「は?」 
 「ホ・・スト・・」 
 「ホストォォォォォォ!?」  
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/11(火) 16:42
 
-  面白そうなの発見! 
 
- 10 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 19:26
 
-  周りにいた5人程の通行人全員が美貴と亜弥ちゃんの方を凝視した。 
 「みきたんがぁぁ!?なんで!?」 
 ほら、だからいやだったんだよ………。軽蔑の目で見られるのはもう嫌。 
 「ね、最悪でしょ、気持ち悪っ!って思ったでしょ……」 
 「思わないよ!!カッコイイー!みきたんカワイイし男みたいだもんね」 
 男みたい……亜弥ちゃんに言われるとグサグサくる。 
 「ウッソ。この事いって納得してくれる人1人もいないし」 
 何回も、裏切られた美貴。これで嫌われた事は数知れないし、打ち明けた 
 人はみんな美貴から離れていくんだ。 
 「みきたんは、へんなんかじゃない。偉そうだけど、そんな事言う人が 
 へんなんだよ?あたしはみきたんの事そんなふうに思ったりしない」 
 さっきまでのかわいらしい顔が、キリッと引き締まった。 
 「安心して……?ホストって仕事客観的にはチャラっぽいとか思われるけど 
 あたしは違うからね?」 
 立ち止まって、手がほんの少し触れた。それに美貴はビックリして手を 
 引いてしまった。亜弥ちゃんは美貴が手を離したため、うる目になっていた。 
 「みきたん…嫌?慣れ慣れしいかな…?」 
 「ちっがうよ!!今のは…意識しちゃって引いちゃっただけで!! 
 全然嫌じゃないから!!全然!」 
 大袈裟だけど、美貴は必死で手を横にブンブン振った。 
   
- 11 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 19:31
 
-  「ホント…?」 
 「本当です」 
 思わず美貴は亜弥ちゃんの両手を握ってしまった。 
 「ほらぁ……あのっ、通行の邪魔だから行こう!!」 
 わざとらしく大きな声で言って、亜弥ちゃんの手を引きながら歩いた。 
 「すっごいアレだねみきたんは…おっかしい!」 
 にゃははとよく分らない声で笑い出した亜弥ちゃん。アレって何よ!? 
   
- 12 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 19:52
 
-  それで今は夕日に映えながら2人で河川敷にねっころがっていたという事。 
 「なんでそんなに寝起き悪いの!ホントにチュ−するよ!」 
 チュ−……そんなこと亜弥ちゃんからされたら鼻から大量出血して病院行きだ。 
 「起きます起きます起きますとも…もう暗くなるから家送るよ」 
 大体どこに住んでるのか分らないまま河原へ来てしまったし、このままバイバイ 
 するわけにはいかない。 
 送ると言った途端、ハイだった亜弥ちゃんが堕ちてきた。 
 「い、いい!帰れるよ1人でも!みきたんホストさんだからお仕事夜からでしょ? 
 悪いよ……」 
 なぜか焦って見えた。なんかあるのかな?確かに仕事に遅れたら大目玉だけどさ。 
 「そんな家出少女みたいな変にどもらなくてもいいじゃん、アハハ…は?」 
 ビクッと亜弥ちゃんが反応した。家出少女…え? 
 「まさか…ね、家出なんて…違うよね亜弥ちゃん?」 
 「ごめんみきたん。あたし…さ、家出。してきたんだ」 
 第2の衝撃。タラリーンタラリラリーラー♪家出…家から出てきちゃったの? 
 「どこから…?」 
 「兵庫」 
 「遠っ!!おかーさんとかは知らないっていうか知ってるはずない…か。 
 とっ、とりあえず家、きなよ。説明はあとあと!!」 
 ほっておくわけにはいかない。折角運命の出会いを果たしたというのに。  
- 13 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/11(火) 19:54
 
-  >9さん、読んでもらってありがたいです。面白いかどうかは 
 自分でもよく分らなかったり……  
- 14 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/11(火) 20:57
 
-  あやみき大好き〜!! 
 面白いっす!頑張ってください。  
- 15 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 21:43
 
-  「ねぇ、なんでしゃべんないの?」 
 美貴の家にとりあえず行くため、河原を後にしたものの亜弥ちゃんは 
 歩く距離を置いてうつむいている。 
 「迷惑じゃないの、みきたんは?よく知らない人、しかも家出人を 
 家に連れていくって…」 
 「知らなくないよ。亜弥ちゃんといっぱい喋って、色んな事分かったつもりだよ?」 
 美貴の後を歩く亜弥ちゃんに振り向いて言った。 
 「迷惑なんてこれっぽっちもないから、さ?」 
 亜弥ちゃんは曇った顔を晴れさせた。またにゃははと笑ってくれた。 
 家に着き、亜弥ちゃんに麦茶を差し出して本題に入った。  
- 16 名前:あやみき 投稿日:2004/05/11(火) 21:58
 
-  「あたし、もう家が嫌だった。学校はすっごく楽しかったんだ、友達 
 いっぱいいてね、一緒によく遊んだりした。 
 けどっ…家に帰ったら息が詰まるんだ。お父さんは酔ってパチンコ行ってるか 
 競馬場行ってるかでいつもいなくてさ」 
 出した麦茶の氷がカランッと乾いた音を響かせた。 
 「おかーさん……は?」 
 「あたしが産まれてすぐにね、バイクに引かれて死んじゃった」 
  
    死んじゃった 
  
 あっさりと一言、無垢に笑ってみせた亜弥ちゃんに影が見えた。 
 こんなにも笑って、こんなにも天使の様で。素敵すぎて…… 
 「ごめん美貴最低だ。全然そういうこと考えてなくて」 
 「そんなっ、あたしが言ってなかっただけじゃん!あたし顔も知らない 
 しさお母さんの。写真も見せてもらえなくて、だからー…いいの!」 
 今までの自分は裕福に育ってきたと思う。周りだって充実して、あったかい 
 家族がいるだろうと、勝手に想像していた自分が情けない。 
  神様、人は平等ではないのですか?  
- 17 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/11(火) 22:01
 
-  あー・・難しいです小説はやはし。1人でも多くの方に見てもらいたい 
 と勝手に思っているんで、目に止まったら見てやって下さい。 
 >14さん  
   あやみき見てくれて喜ばしいですっ!更新がんばりますぅ。  
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/12(水) 14:24
 
-  松浦さんが藤本さんの愛で包まれることを切に願います。 
 更新待ってます!  
- 19 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 19:55
 
-  「お願いだからぁっ、暗くなんないで?みきたんはいっこも悪い事してない」 
 優しく微笑んで亜弥ちゃんは美貴の頬を手で撫でた。 
 顔を知らないお母さんの事を亜弥ちゃんは愛しているのかどうかは 
 美貴に知る権利は無い。そのぶん、美貴は亜弥ちゃんを愛したいんだ… 
 「優しすぎるね、亜弥ちゃんって。美貴はそこまで優しく無いから」 
   
- 20 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 20:04
 
-  「やさしいよ、あたしに10円かしてくれたもん」 
 それは優しさじゃないんだ、違う意味で貸したんだけど。 
 あの時貸さなかったらこんなに笑える事はなかっただろう。 
 優しさをくれた亜弥ちゃんを、ほっておけない。こんなにも愛せた 
 人をほっておけない。 
 「亜弥ちゃんここで暮らしな。家出少女外に出しておいたらどうなるか 
 わかったもんじゃないよ。ケーサツの世話になんかなりたくないでしょ?」 
 「そこまでしてもらわなくてもいいよ!マジで迷惑かけるよ」 
 うるうるした目で美貴に断りを申し出る。 
 そんなことされたら余計おいてあげたくなっちゃうんだよ美貴は。 
 「10円返さなくてもいい。亜弥ちゃんは美貴に仮があるでしょ、その仮を 
 返して欲しい。だからここで暮らしな…?迷惑なんて思って無いって 
 さっき何回も言ったハズなんだけどな」 
 自慢のガンとばしとまではいかないけど、命令するような口調で美貴は 
 この家にいるように強要した。 
 「みきたんがいいんだったら、分かった…。なんか悪いな、お金 
 貸してもらったりで」 
 いいんだよそんなことはどうでもさ、美貴は一緒にいて欲しいだけなんだよ。 
 今まで1人暮しはイヤだし寂しすぎたのかもしれない。 
   
- 21 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 20:12
 
-  『時刻は只今6時45分です。続いては木曜コーナー……』 
 つけっぱにしておいたTVの左上はしの時刻を見て、美貴はすっとん 
 きょうな声を出した。 
 「やっばい…店長に怒られる、亜弥ちゃん美貴仕事行かなきゃ」 
 亜弥ちゃんは美貴がホストをやっていることをすっかり忘れていた 
 ようだった。 
 亜弥ちゃんを独りにしておくにはすごく抵抗があった。1人にしたら 
 哀しませる、きっと。 
 「亜弥ちゃん、仕事一緒についてきてくんないかな?」 
 「あたしがぁ!?一緒に行ってどーすんのさ!?」 
 「亜弥ちゃん、美貴1人にさしておきたくない。亜弥ちゃんを。店長キレる 
 と怖いけど優しい人だから、一緒に行って見学してりゃいいよ」 
 ホストクラブってのは外見から結構怖いイメージがある。店内にいるのも 
 亜弥ちゃんにとって不快な場所かもしれない。 
 「行く!みきたんのお仕事姿見てみたいし、カッコよさそう!」 
 なんて美貴の不安な問題はあっさり解決した。大丈夫かな?  
- 22 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 20:22
 
-  夜の歌舞伎町。未成年はあまり行っては行けない場所と記されている 
 近代的なネオン街でもある。 
 「みーきたん、まだ着替えおわんないの?」 
 別室で美貴は赤いスーツに着替えていた。歌舞伎町へ向かうには女の 
 格好は美貴にとってタブー。女ということを隠しているのだ。 
 店長と店の関係者以外は女であることを知らない。外でのキャッチで知り合った 
 子にバレたらイメージダウンだしね。 
 「ふぅー、次は髪か」 
 ネクタイを緩めにかけた後、ワックスをつけて髪をオールバックにする。 
 「つくづく男みたいだよね美貴。女捨ててるな」 
 鏡とにらめっこをして、櫛でサ−ッとなめらかに髪を整える。亜弥ちゃんに 
 この姿を見られると思うと恥ずかしい。 
 「みきたんカックイー!男の子みたいだホントに!」 
 ガチャッとノックもなしに亜弥ちゃんが入ってきた。心の準備が… 
 「そんなに見ないで…うわ、もうこんな時間だ!行こう亜弥ちゃん!」 
 ビフォーアフターが激しすぎたのだろう、亜弥ちゃんはニヤニヤしながら 
 玄関のドアを開けた。 
 歌舞伎町の夜はこれから……?  
- 23 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/12(水) 20:24
 
-  >18さん 更新は割と速めになると思います。見て下さって 
 ありがとうございます!  
- 24 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 22:56
 
-  「いらっしゃいあせー!当店では歌舞伎町1のホストが勢ぞろいして 
 おります!どんどんピンドン注文くださまっせー!!」 
 っくー…耳がキンキンするったらないよ。だから歌舞伎町の外歩くの 
 嫌いなんだよねいつまでたっても。 
 「亜弥ちゃん大丈夫だから。美貴がいりゃ声かけてくるバカいないし」 
 美貴の腕にピッタリくっついている亜弥ちゃんを落ち着かせようとする。 
 「ヘーキ…みきたんいれば安心だもん」 
 ニッコーと100点満点の笑顔で強く腕を握り返された。美貴も恥じを捨てる 
 ようになってきたな…… 
      『ハロウナイト』 
 「あ、ここここ」 
 見かけはちっさいホストクラブだけど、儲かりまくっている美貴の仕事場。 
 「怪しい感じっしょ?けどお客さん一杯くるんだー」 
 「うん、面白そう!!」 
 良かった。拒まれたらどうしようかと思ったよ。 
 「こんばんわーっ、藤本です。オーナーいらっしゃいますか?」 
 いつも通りに派手目なドアを開けると、これまた派手なバーカウンターに 
 ロングソファやテーブルがずらり。ちまちまと仲間が来ていた。 
 奥のカウンターから指事を出していた店長がすたこら歩いてきた。 
   
- 25 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 23:03
 
-  「ようふじもっち!!なんや、カワエエ子もうキャッチしてきたんか?」 
 店長が亜弥ちゃんの顔をまじまじと見つめ、とんでもない事を言った。 
 「こん…ばんわ」 
 店長がニヤケながら亜弥ちゃんを見たため、ちょっと怖がっている。 
 「キャッチ専門じゃないですよ美貴は。この子ちょっと置かせてもらっていいですか? 
 見学みたいな感じで。けど働くとかないですからね」 
 チッと軽く舌打ちをされた。金の亡者かいなこの店長は。 
 「ええよ、かまへん!見学してりゃ人生経験もつめるやろ。どやあんた、 
 こいつめっちゃ男みたいな顔やろ?一応ここのベスト3に入るやつやで」 
 「余計な説明いいですから店長。亜弥ちゃんおいで」 
 キョトンとしている亜弥ちゃんを店の休憩室に送った。売れっ子な美貴を 
 知られるのが照れくさかったし……。 
   
- 26 名前:あやみき 投稿日:2004/05/12(水) 23:17
 
-  「すごいみきたん!ベスト3に入る程モテモテなんだね〜」 
 目をキラキラ輝かせて言われると、顔が合わせられなくなる。 
 「もうそれはいいよぉ…そぉだ、先輩呼んでくるね」 
 美貴はホスト歴1年ちょっと。動機は…まあそれは後でね。 
 先輩は2人だけ。あとの人は全員辞めてしまって経営が危なくなった所に 
 美貴が入った。後輩は7人程で全員男の子。美貴より年上なのに敬語なんだよね。 
 「ミッキー♪めっちゃくちゃカワイイじゃんあの子。おれのタイプだ!!」 
 「おお、すごい美形じゃん。スミにおけねーなふじもっち!!」 
 あー腹たつな。亜弥ちゃん見てカワイイとか言わないでほしい!!! 
 「こんばんわー、今日は見学させてもらいます!!」 
 ムダにそういうカワイイ顔見せちゃだめだってのに…… 
 「市井さん吉澤さん亜弥ちゃんに触らないで下さい…」 
 亜弥ちゃんの頭をぽんぽん撫でて渡さないという意を示した。 
 「そうか、おれたちの勇姿を見にきたんだね!!」 
 吉澤さんは勘違いで俺様タイプ。美貴みたいな感じで、女なんだそれが。 
 「いいのか吉澤よぉ、石川ちゃんが見たらかなしむぞ?」 
 クール担当市井さんも女。ハロウナイトのナンバーワンホストで女関係が 
 ものっすごくハデ。先輩はみんな女なのだ。  
- 27 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/12(水) 23:18
 
-  今日の更新はこれでおしまいです! 
 
- 28 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/13(木) 02:21
 
-  藤本さんにオールバックはきついっすねw 
 
- 29 名前:あやみき 投稿日:2004/05/13(木) 16:59
 
-  「ちんたらしてないで、さっさとテーブルつく!!開店するでー」 
 「「「はいっ!!」」」 
  
 「中澤店長ミョーに気張ってないいちーちゃん?」 
 「てめー…茶化すなよ」 
 吉澤さんがいじわるく市井さんに言う。お客さんにはいちーちゃんと 
 親しまれているのだ。 
 「じゃあ亜弥ちゃん、美貴行ってくるからね。飽き時間できたらくるから」 
 「がんばってきてね♪みきたんの口説きっぷり見せてもらうよ!?」 
 口説くって…お客さんの相手するだけなんだけどな… 
 「ミッキー行くぞ!」 
   「はい!」 
   
- 30 名前:あやみき 投稿日:2004/05/13(木) 17:07
 
-  「市井さん、御指名はいりましたー!4番テーブルお願いです!」 
 ウェイターが煙草をふかしている市井さんの元へ走ってきた。 
 「あいよ…っしゃ行きますか」 
 煙草をくわえて頭をかきながら4番テーブルへ向かって行った。 
 「すごいっすね、市井さん。さっきからとびっぱなしですよ」 
 美貴は入った頃に市井さんによく世話になった。話しの段取りや 
 女の子受けのトークなどなど、ホストの心得を教えてもらっていたものだ。 
 「ミッキーもそのうちああなるよ、かっちょええからね。あ、おれも 
 石川さんの所行かなきゃ〜!!バイバイ!!」 
 あーあー、ホストは彼女つくっちゃいけないんだぞ。店長に怒られても 
 聞かないんだから吉澤さんは。 
 「藤本さんあそこのテーブルお願いします!」 
 指名されちゃった…うし、行こう。  
- 31 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/13(木) 17:08
 
-  >28さん オールバック!やってもらいたいですよね実際に。 
 
- 32 名前:あやみき 投稿日:2004/05/13(木) 22:43
 
-  「そんじゃ今月の成績発表するで…あんたもよく見とき、これから 
 人生の谷間いうもんを見せたる」 
 売り上げ上々で今日の営業は終了した。亜弥ちゃんはスヤスヤと寝息を 
 たてて起きている時よりも数倍かわいさが増していた。 
 そして今、今月の成績発表が行われようとしている。これで給料が決まる 
 ようなモノだから緊張する。中澤店長にニヤリと睨まれた亜弥ちゃんは 
 美貴の服の裾を握りしめていた。 
 「………さあいよいよトップ3発表やで。…吉澤、営業3位や。どうした 
 お前は?ずっと2位を守ってきたやのに。ま、これからやな。来月も頑張ったり」 
 吉澤さんが…2位から転落した?ずっと1位はとれなかったものの、2位から 
 落ちた事はありえなかったのに。 
 「……はい、来月から上げるように…します」 
 やっぱりショックだったのだろう、吉澤さんは気のない返事をした。 
 「次…藤本やな。2位にアップしてだいぶ扱いもうまなってきたしな。 
 お前は伸びる奴や、頼むで!」 
 「あ、はい!頑張ります!!やったぁ亜弥ちゃん!…あり?」 
 裾をつかんでいたハズの亜弥ちゃんは美貴から視線を外している。 
 なんで?  
- 33 名前:あやみき 投稿日:2004/05/14(金) 17:46
 
-  そして全員の成績発表が終り、店じまいをして帰っていった。 
 「吉澤先輩、…なんか美貴がこんなことになっちゃって…」 
 「あ?…そんなこと気にしてたのかミッキーはよ、ミッキーらしいな。 
 いいんだって。ホストなんてこんなのの繰り返しだぜ?見てろよ!! 
 ぜってぇ抜かしてやるよっ!じゃあな!」 
 良かった、最初は落ち込んでたみたいだけど元気になってくれた。 
 抜いて抜かして抜かされて。これが美貴達の生きる道らしい…… 
 両手でダブルピースをして吉澤さんと店を後にした。 
 「亜弥ちゃんさっき爆眠してたねー、おもしろかったなぁ…ってあり?」 
 行きは手を繋いでいたのに、今はうつむいてただため息をはいているだけ。 
 「ムッカーってきた」 
 「何が…?」 
 美貴は知らないうちに亜弥ちゃんに何かしたらしい。 
 「いろんな女の人にねっ、どっかいこうよとか綺麗だねとか言ってんの 
 見たら…あたしすごい悔しかった…なんでかあたしもわかんない!!」 
 確かに、今度どこどこ行こうなど色んな人に言ったような気がする。 
 けどそれ見て気持ち悪いと思った亜弥ちゃんは一体なんなんだろう?  
- 34 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/15(土) 03:05
 
-  嫉妬する亜弥ちゃんキャワです。 
 
- 35 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/15(土) 11:49
 
-  >34さん 嫉妬するのがあややらしいんでしょうね、本当はどうか 
 分りませんが(笑  
- 36 名前:あやみき 投稿日:2004/05/15(土) 12:01
 
-  「悔しかった…の?それって美貴はどういう風に受けとめればいいのかな…? 
 美貴は亜弥ちゃんの事好き…だけど亜弥ちゃんの気持ちは分らない。 
 一目惚れしたなんて言ったらどうなるんだろう。 
 「あたしはぁ……いっぱいお世話してもらってるわけよみきたんに。 
 もし10円貸してあげる相手があたしじゃなくても良かったのかなぁってぁさ」 
 「えぇ?それは…ね、そのー…美貴は亜弥ちゃんじゃなかったら貸さなかった 
 と…思うんですけど」 
 じっと美貴の目を見つめられるとどこに視点を合わせていいのか分らない。 
 てゆーか半分告白しちゃったようなモノじゃん…自暴自棄だ。 
 「あたしみきたんの事好きになっちゃったみたい…なんだよね。友達じゃないと 
 みきたんはダメって思うかもだけど、あたしの勝手な片思いでいさせて?」 
 ダメじゃないダメじゃないダメじゃないよ亜弥ちゃん。 
 「ヤだよ」 
 「ダメ…なの?」 
 刹那な瞳で美貴を見ている亜弥ちゃんを抱きしめずにはいられなかった。 
 「片思いじゃヤだよ、両思いじゃないと」 
 ぐいっと亜弥ちゃんの手を引っ張って美貴の胸の中へ。亜弥ちゃんは何が 
 なんだか分らないような顔をしている。  
- 37 名前:あやみき 投稿日:2004/05/15(土) 12:17
 
-  「好き、だったんだずっと。美貴は最初会ったときから想ってた」 
 無言のまま亜弥ちゃんは美貴の胸の中にいる。 
 「ホストさんは彼女作っちゃいけないんじゃない…の?」 
 そんなもん知ったこっちゃない。今は亜弥ちゃんの事だけしか考えられない。 
 「そーだよ。けどね、友達のままでいたくないんだ美貴は…恋人にならなくちゃ 
 気がすまないんだよ」 
 その言葉を聞いて亜弥ちゃんはようやく本当の笑顔を見せてくれた。 
 美貴だけが見られる、特別なスマイルを。 
 「これからヨロシクね♪ホストさん!!」 
 「ホストさんて呼ばないで……」 
 2人の暮らしはどうなる事やら、それは美貴にも分りません!?  
- 38 名前:あやみき 投稿日:2004/05/15(土) 14:48
 
-  桃色の片思い恋してるまじまじと見つめてるチラチラって目が合えば 
 胸がキュルルン♪ 
  
 TVのCMに耳を傾けながら休日の午後を楽しんでいた。 
 それにしても昨日の事がまだウソみたいに感じる。だって亜弥ちゃんと 
 両思いになれて、そのうえ一緒に暮らしてるんだよ?? 
 今日は中澤店長がイタリア旅行だかなんだかで店は休みだから亜弥ちゃんと 
 2人きりの休日を楽しもうと思っている。 
 「亜弥ちゃんまだ寝てるかぁ…カワイーな、見た事ないよこんなにカワイイ人」 
 昨夜美貴の家に帰ってきた途端に亜弥ちゃんは寝てしまった。お店で 
 爆眠していたのにまだ眠いのかと幼さを感じた。亜弥ちゃんに美貴のベッド 
 を貸して美貴はソファで就寝した。どうも2人で寝るには勇気がいるし 
 諦めたんだよね…… 
 ベッドの傍に寄り、亜弥ちゃんの髪を指でもてあそぶ。 
 「おとー…さん」 
 寝息をたてて寝ていた亜弥ちゃんは確かにお父さんと寝言を言った。 
 やっぱり、何してても大事なお父さんなんだなぁ亜弥ちゃんには。 
 このままずっと暮らしていられるのか分らないけど…いつか終りがくるのは 
 十分承知だ。 
   
- 39 名前:あやみき 投稿日:2004/05/15(土) 20:34
 
-  「亜弥ちゃん!もうお昼だよ、起きて…うっ!?」 
 ネガティブに考えるのはやめて亜弥ちゃんの肩を揺すって起こそうとした。 
 けど亜弥ちゃんは美貴の首に抱きついてきた。 
 「ギブギブ…亜弥ちゃんふざけないでよ〜」 
 ぐっと力強く締めるので窒息しそうだった。最初はふざけてるのかと 
 思ったけど、段々力が抜けたように首から手を外してうつ伏せになってしまった 
 亜弥ちゃん。 
 「たぁん…あたし、誰かといないとダメなの…。いつも傍にいてくれて 
 笑いあえる人がずっと…欲しかった。みきたん、あたしワガママだけど…」 
 さっきのお父さんの寝言はウソではなかった。寂しくて、寂しくてどうにかなっちゃい 
 そうなんだね亜弥ちゃん……ワガママなんかじゃないよ?美貴もそうなる 
 事たまにあるから。 
 「いるよ、いつもいる。亜弥ちゃんがいくら美貴を困らせても美貴は 
 どっかいったりしない。絶対にね?」 
 安心してよ、美貴がずっとずっと亜弥ちゃんを好きでいるんだからさ。 
 「まくらに鼻水つける気?泣かないで、起きて。ねっ!」 
 亜弥ちゃんはそーっとまくらから顔を外して美貴の胸にダイブした。 
 「いったいいたい…力強すぎるよ亜弥ちゃん!!」 
 「みきたん大好きっ!!」 
   大好きなんて初めて言われた…よね?亜弥ちゃんから。 
 藤本美貴は人生最大の喜びで満ちています…!!  
- 40 名前:あやみき 投稿日:2004/05/15(土) 20:40
 
-  「みきたん料理上手じゃん!見かけの割にマメなんだね〜」 
 昼御飯は冷蔵庫に入っていたもので適当に作ったけど、おいしいって 
 なんども言ってくれるのはとても嬉しかった。 
 「あたし自分で料理してばっかだったから人の手料理食べた事あんまり 
 ないんだよねー。お父さんはプーになるまでずっと家事やってくれたんだけ 
 どなーぁ……本当に情けないよ」 
 食器を片付けてブツブツとかたり出す亜弥ちゃんはなんとなく笑っていた。 
 「そっか…美貴は一人暮らししてから自分で作る様になったんだー。 
 ホストになったのも東京に来て初体験だったし」 
 そりゃあホストは初体験だろう誰だって。ホストになった理由というのが 
 動機が不純だらけだからあまり言いたくないけど、亜弥ちゃんが教えてと 
 言うから話してあげよう………  
- 41 名前:あやみき 投稿日:2004/05/16(日) 13:57
 
-  「きっかけはね…お金が欲しかっただけなんだ。聞いたら怒るかもしれないけど 
 水商売でも俗でもなんでも良かったの。田舎の親に仕送り頼むのも 
 悪いし……自立したかったのかな、多分!」 
 「でも、今ホストさんやってて楽しいでしょ?」 
 「うん、もっのすごく楽しい。天職ってやつ?」 
 ここまでのめりこめる事は全く無かった、正直。ただお客さんの愚痴を 
 聞いてあげて、体を売ったりする事は無いから。けど市井さんの場合は 
 例外だけど……… 
 「ふーん…今までやっててお客さんに恋愛感情持った事、ある?」 
 口を尖らせて怒った風に言われた。嫉妬してんのかな? 
 「無いね、持ったってどうせフラれるだけじゃん。相手は女なんだからさぁ……」 
 「あたしはフラないよ、女の子同士でも全然違和感ないし!!」 
 自信満々に言うなぁ……まあ美貴もそうだしね。 
   
- 42 名前:あやみき 投稿日:2004/05/16(日) 14:02
 
-  「あとは…そうだな、誰かに自分を見てもらいたかった。違う事したかった 
 んだよ、変わりたかった。ホストやるって決めた時にハロウナイトの 
 ホスト募集の紙見つけて、即申し込んでさ。トントン拍子に面接受かって 
 女でもOKやって中澤店長に言われた時これまでにないくらい嬉しかった。 
 やっと認められたって思った。だからしばらくホストは続ける気!!」 
 言葉がスラスラ出てきちゃうのはきっと今の仕事が楽しいからなんだ。 
   
- 43 名前:あやみき 投稿日:2004/05/16(日) 14:10
 
-  「亜弥ちゃん、美貴がホストやってても怒らないでいられる?」 
 亜弥ちゃんは嫉妬深い事がこれまででよく分かった。そこが一番カワイイ 
 んだけどね♪ 
 「だいじょーぶかも…わかんないけど…」 
 頭をかいてもどかしそうに考えている。亜弥ちゃんらしいなぁ…… 
 「アリガト、亜弥ちゃんしか見ないからさ美貴は」 
 安心したように優しく笑って大きく頷いてくれた。心配なさそうだな。 
 「洋服買いに行かなきゃね、渋谷でも行く?」 
 「別に買わなくてもいいって!みきたんの貸してもらうだけでいい!」 
 「美貴を誰だと思ってるのさ?No3に入るホストだよ?お金なら腐る 
 程あるんだからさ」 
 言い方が悪いけど儲かりまくっているうちのホストクラブは歌舞伎町の中でも 
 5本指に入る名店だ。 
 亜弥ちゃんは何着てもカワイイだろうし、着させないともったいないぐらいだ。 
 「そうと決まったらいこう!美貴が選んであげる!」 
 「…うん!」 
   
- 44 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/16(日) 14:12
 
-  次回からタイトルを変えようかと思います。あやみきのままだと 
 味気ないかなぁと考えまして…… 
 読んで下さっている読者の方、よろしくお願いします。  
- 45 名前: さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/16(日) 17:06
 
-  「亜弥ちゃんそーいえば携帯持ってるの?」 
 渋谷のセンター街をたくさんの女子高生が行き交うのを見て思い出した 
 ように言った。 
 「うん、持ってるよ」 
 「それじゃメアドと番号教えて!連絡とれないと困るから」 
 なんだ、持ってるじゃん。携帯番号も知らなくて付き合っちゃったんだうちら。 
 それから色んな店を回って亜弥ちゃんに似合うような服を買った。 
 「どうよみきたん!!」 
 試着室から出てきた亜弥ちゃんはワンピースを着ている時よりも数倍カワイさが 
 増していた。女の子らしいパンツに爽やかなシャツがとても似合っていて 
 声が出せなかった。 
 「どした?みきた〜ん!どこ行った〜?」 
 見愡れすぎて頭がとんでいた。 
 「すっっっっごく似合ってる…イヤ、この世の物とは思えないくらい…」 
 「なんか失礼だなぁ!」 
 4着ほど服を買って、クレープ食べて、プリクラ撮って……… 
 久しぶりに外で遊んだ気がした。同世代の人とはしばらく遊んで無かったし、 
 こうやって気が合う人もいなかった。 
  
  
   
- 46 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/16(日) 17:12
 
-  「明日から、またうちの所くる?それとも家で待ってる?」 
 明日から仕事が始まるので亜弥ちゃんをクラブに連れていくか否か 
 家に帰ってから話し合った。 
 「うーん、みきたんがついて行っていいなら行くけどぉ…邪魔じゃない?」 
 「邪魔じゃないよ、むしろ居てくれた方が美貴的にはいいんだけど。 
 そいなら、…あそこのバーテンで働かない?」 
 「は…?あたしがぁ!?ホストクラブでお仕事するの!?」 
 「イヤイヤ、ホストやるわけじゃないからね。バーテンでカクテル作ったり 
 するだけだから!男装すりゃバレないって」 
 バレるかもしれないけど…女の子の顔立ちだもんなぁ亜弥ちゃんは。 
 一緒に仕事すればお互い楽しいし何らか心配する事も少ないだろう。 
   
- 47 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/16(日) 19:57
 
-  さっそく店長に電話。イタリアにいるけど繋がるのかな……? 
 「…もしもし?なんや藤本か。どうした?休日やのに」 
 不機嫌に電話に出た店長は乱雑に言った。 
 「あの…言いにくいんですけど、こないだの子。亜弥ちゃんをバーテンダー 
 として働かせてもらえないでしょうか?」 
 店長はんー…と唸りながらしばらく迷っていたようだった。 
 「そうかー…本人、やりたい言うてんか?ほならええけど」 
 迷ったあげく、承諾をもらった。サッパリしてるな… 
 「亜弥ちゃん、やる?やらない?」 
 耳から電話を遠ざけて、困惑している亜弥ちゃんに問う。 
 「みきたんと一緒にお仕事できるなら、やる!!」 
 「エヘヘ、そっか。彼女やるそうです店長」 
   『みきたんと一緒にお仕事できるなら、やる!』だって… 
 「そうか、なら早いほうがええね。明日から連れておいで。きっちり 
 仕事教えたる!なんならホストやってもええねんで?」 
 「それは絶対ダメです」 
     ……今舌打ちしたな 
 「せやけど、これだけは守って欲しい。何回もしつこく言うけどな、女って 
 バレたら……即刻クビや。仕事に来る時は男装しとき」 
 「分かってます、バレたりしたら美貴が責任とりますから」 
 「分かってるならええ。ほな、軽い気持ちでやっとき!」 
 電話を切る直前にガヤガヤ人の声がした。もしかしてイタリアじゃないのかな…? 
   
- 48 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/16(日) 20:04
 
-  「亜弥ちゃんのスーツどうしよっかな…あ、そだ。前にもらったやつが…」 
 なぜかニコニコしている亜弥ちゃんは美貴と一緒に仕事できるのがよっぽど 
 感激らしい。 
 「嬉しいな〜、みきたんとずっといられるもん!」 
  
 「そりゃどーも…あったあった!これ着てみて亜弥ちゃん」 
  
 押し入れの奥にしまってあった初めて買ったスーツ。サラリーマン風で 
 ちょっとダサイかな? 
 「スッゴーイ…なんか着るとなるとリアルだね」 
 「そうだね、亜弥ちゃんが着るとただコスプレしてるだけみたいだね」 
 身体にあててサイズを確認してどうも緊張してしまう。 
   
- 49 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/16(日) 22:55
 
-  「くぁっあ…………」 
  
  ん?アハハ、亜弥ちゃんもう眠いんだ。まだ夜の9時だよ。 
 欠伸しちゃってさ、幼稚園児みたい。 
  
 「もう寝な亜弥ちゃん、ベッド使っていいから」 
 「みきたんが一緒じゃないとヤ。寝られないもん…」 
  
  寝られないってこれまで散々寝てたんじゃないの?調子いいな。 
  一緒に寝るのかぁ……って何妄想してんだよ!! 
 「パジャマあるからそれ着て、先ベッドはいってていーから……」 
 照れ隠し?かな。亜弥ちゃんは先にお風呂に入っていて美貴はずっとTVを 
 見ていたからまだお風呂はいっていなかった。 
 「みきたんホント照れ屋さんだなぁ、そこが好き!!」 
  
 「鼻血出そう……」 
  
 いつか美貴はこの大胆発言する子に血をかけてしまいそうです… 
   
- 50 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/16(日) 22:56
 
-  今日の更新はこれまでです。今度からいちごま入るかもしれません…? 
   
- 51 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 14:55
 
-  あたしは何を落としてきたの?みんなからの愛…?それとも自由かな? 
  
 いつだって求められたかった。褒められたくて何だって一生懸命頑張った。 
  
 けど、何もなかったんだよね。ずっと自慢できるものがなかったから、孤独。 
  
 都会は空気が濁っている……美貴にはあまり合わない場所。 
  
 だけどそこには、いろいろな発見があったんだ。愛される事、愛する事、大切だと 
 思える事。信頼できる友達もたくさん出来た。 
  
   愛せる人見つけて、楽しい毎日送れて、ずっとこれが続くのかな?  
- 52 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 17:50
 
-  それならもう何も望まないんだけどな…一生幸せ物で苦労なんて全然知らなくて。 
 そういう人生送りたいって思う。 
  
 「あの、じゃあ今日から亜弥ちゃんヨロシクお願いね」 
 昨日は美貴がお風呂から上がってすぐ、亜弥ちゃんは物も言わずに寝て 
 しまった。やっぱり緊張してたのかな?一緒に寝るって騒いでたのに… 
 なんて少し残念な気持ちが残った。 
 そして今夜からハロウナイトのバーテンで働く事になった亜弥ちゃん。 
 なんつー適当な店なんだろう…いいのかなこれで。 
 「あたし結構こういうのやってみたかったんです!お願いします!」 
 昨夜用意しておいたスーツを着てきたものの、バーテンはよく考えたら店内では 
 モロ喫茶店のおじさんが着ているような服なので、店で店内着を用意してもらう 
 事となった。 
 「よろしくね…カワイイ子じゃないですか藤本さん」 
 ニヤニヤしながら亜弥ちゃんをヘンタイの目で見つめるバーテンの男。 
 こいつ、亜弥ちゃんに何かしやがったら即刻はったおしてやる。 
 「亜弥ちゃんにとんでもない事したらどうなるか分かってるよね?」 
 美貴お得意のガンつけをお見舞いすると、バーテンは顔色が変わった。 
   ふふん、ガンつけると男も倒せるんだな。  
- 53 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 17:58
 
-  「よう来たな藤本と…松浦やったっけ?まあそれはええな。 
 働かせると言ってもまずは下働きからやね。あー…吉澤!ちょっと 
 教えたり!」 
 5人くらいの女の子集団を店に案内している吉澤さんを呼びつけた。 
 「何すか店長?」 
 吉澤さんは店長にはかしこまっている。常にホストとしての反則違法をして 
 ばかりだから、ポイント稼がないといけないとおもっているらしい…… 
 「お前は最初バーテンでやっとったな。この子に掃除のやり方から教えたって 
 くれへんかな?」 
 「お願いできますか吉澤さん?」 
 店長と2人で吉澤さんにお願いをした。髪をいじりながら迷って吉澤さんは 
 こう答えた。 
 「いいっすよ、勤務時間の合間とか教えてあげましょう!なんなら時間外で 
 ゆっくり手取り足取り教えてあげてもいいんだけどな〜?」 
 「吉澤さん…?シャレになりませんから」 
 冗談が冗談にならないのが吉澤さんの十八番だ。全く彼女さんいるくせに… 
   
- 54 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 18:04
 
-  「よろしくね亜弥ちゃん♪」 
 スッと手を亜弥ちゃんの前に差し出して握手を求める吉澤さん。 
 「はぁい♪」 
 堅く手と手を結んでバーテン台へ向かっていった2人。 
 「っの野郎……亜弥ちゃんに触らないでって言ってるのに!!」 
 いつもは慕っている吉澤さんだけどこればかりは我慢ならなかった。 
  
 「藤本ぉ?松浦に気があんのか?めずらしいなぁ他の女の子に優しくする 
 なんて」 
 後からいじわるな中澤店長の声が大きく聞こえた。 
 「今ギクッっておもたやろ?」 
 店長にはなにもかも読まれてしまうんだよいつも。エスパーじゃあるまいし…  
- 55 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 21:53
 
-  「巳貴はホンットに女の子みたいな顔してる!!超カワイー!」 
 実は『美貴』とホストネームにするにはちょっと無理があったから 
 『巴貴』とお客さんには読ませている。ミキに代わりはないんだけど… 
 「う、あ…そう?けどバリバリ本物の男だし!!ほら飲もう!!」 
 『女の子みたい』と言われた事は数知れない。危うくバレそうになった事も少なくない。 
 けどお客さんは酔いがまわっているのかそれ以上の事は聞こうとしないからセーフ!!  
- 56 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 21:58
 
-  「市井さん…?どうしたんだろ」 
 いつも他のテーブルにとんでまわっている市井さんは1人イスに座って 
 誰かを探しているようだった。あ、そうか…アハハッ、あのお客さんか。 
 「いちーちゃん!!やっと見つけた!!」 
 市井さんが探していた人、それは最近よく来店する後藤真希という女の子。 
 年齢はだいたい美貴と同じぐらいだと思うけど、はっきりとした事は市井さん 
 にしか分らない。 
 「別に見つけなくてもいいってのに。たまには違うやつ指名したらどうだ?」 
 あの人らしいな、ずっと後藤さんの事探してたクセに。いつもはクールで心を許さない 
 人にしか笑いかけない市井さんだけど、後藤さんには素を見せているような 
 気がする。 
   
- 57 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/17(月) 22:03
 
-  「指名とかそういうんじゃないって分かってるでしょ?いじわるだな 
 いちーちゃんは!そーんな事言ってごとーがココ来なくなったらいちーちゃん 
 寂しがるくせして!こないだなんか用事あって1週間来なかっただけだよ? 
 なのに電話何本もして『なんで来ないんだよ!』ってさぁ!あん時はおかしかったな〜」 
  
 「うっせーっ!寂しいなんて思っちゃいねーよ!ただ気になっただけだよ!」 
  
   市井さんのあんな必死な顔初めてみた…ムキになっちゃってる。 
  お客さんにもああいう照れた顔は絶対に見せないのに。ゾッコンなんだ、後藤さんに。  
- 58 名前:さよならと言える日まで 投稿日:2004/05/17(月) 22:10
 
-  「巴貴なんか歌って!歌チョーうまいじゃん!」 
  
 「え…歌うの?最近ちょっと喉の調子が悪くてさぁー…」 
 歌がうまいのかは自分でも不明だけど、歌えと言われて断ると営業に 
 支障がある。しょうがない…じゃあ何歌えばいいかな… 
  
 「じゃーね〜…ロマンチックなのいきましょう!じゃじゃん! 
 エターナル!!!」 
 「エターナルって…エグザイルの?あれ難しいよぉ?」 
  
 「巴貴なら歌えるって!いけいけ!」 
  
   歌うっきゃないか…亜弥ちゃんかなり見てるし。頑張ってって口パクで 
 言ってら。 
 美貴って女なのにハスキーボイスだから男が歌ってるみたいってよく言われるんだよね… 
   
- 59 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/17(月) 22:11
 
-  早いですが今日の更新終わりです!!ミキティーが男名使ってるの 
 不自然ですが。 
   
- 60 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/18(火) 17:12
 
-      会いたくなったら飛んでゆくから つまづいたら また話そう 
  
   下らない愚痴でも……たくさんの言葉 ありふれた言葉  
  
      いつもならば言えないけど 今だけは… 
  
     ありがとう 
  
   
- 61 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/18(火) 17:14
 
-     雨が降っても 風が吹いても ケンカしても一緒だった 
   
  輝いたあの頃 たくさんの言葉 大切な言葉 
  
     照れくさくて言えなかった この言葉 
   
   ありがとう  
- 62 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/18(火) 17:26
 
-  「うっまいね相変わらず!!また来る時も指名しちゃおうかな♪」 
  努力のかいあって常連さんゲットです店長… 
 それにしても、この歌詞すごく自分がおもっている事にあてはまるなぁ。 
  
  けどこれ別れた恋人が相手を忘れられなくてまたやりなおそうって 
 いう事だよね…破局してないっつの。 
 「どうだった、美貴の歌?」 
 バーカウンターへ足早に向かい、コップを拭いている亜弥ちゃんに 
 感想を聞いた。 
 「うっまいじゃん!!みきたん何でもできちゃうんだね♪」 
 うまいって…照れるなぁ。亜弥ちゃんに言われるとやる気が出てくるな。 
 「もう美貴抜けようかな、つかれちゃったし。亜弥ちゃんもそれ終ったら 
 休憩室おいで」 
  
 ズル休憩って言ったらそうなるけど、亜弥ちゃんに甘えたくなった自分がいた。 
 「だめだよ〜、あたしこれからやることいっぱいある!!吉澤さんに 
 お酒の合わせ方教えてもらうんだから!みきたんもサボらない!」 
  
  っくー…吉澤さんこっちみてウインクしやがった。吉澤さんに亜弥ちゃんの 
 教育係任せるんじゃなかったよ。 
 「あ?みきたんあたしいないとつまんないの!?じゃ、こっちきて!」 
 ぐーっと手を引っ張られてつれてこられたのは倉庫裏。何すんだろ? 
  
 「元気の印、みきたんにあげるっ!」 
 「何それ…?」 
  
  この後美貴の頭の中はほわほわして仕事どころじゃなかった。 
 もっと欲しくなったらどうしよ…?  
- 63 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/23(日) 19:37
 
-  「ちょちょ・・亜弥ちゃん!??」 
  
 まさか、キスされるなんて。しかも唇にだよ・・ファーストキスだっつの。 
  
 「ふふ〜ん♪嬉しい?みきたん!」 
 「嬉しい・・・っけど・・いやぁぁっ!!」 
 もう恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうだった。一緒に寝るのは別にいいんだよ? 
 けどキスってのはさぁ・・・・ 
  
 「何?嬉しくないんだ、あたしがしたらいやなんだ、へー」 
 美貴の顔を覗き込んで冷ややかな視線を浴びせる。 
  
 「嬉しいよ!!嬉しいんだけどー・・こういうのはホップステップを 
 積んでからするものではないでしょうか・・?」 
 「キスすんのに順番なんているんですかー!?」 
  
 こう言われたらおしまいだ。すっごく嬉しかったけど、すっごく充実感で 
 一杯なんだけど・・ 
  
 「・・・あのね、美貴キスとかされたら余計、亜弥ちゃんの事気になっちゃうんだわ」 
 夜空いっぱいの満点の星を見つめて、亜弥ちゃんの顔を見ないようにする。 
  
 「だぁからさ・・美貴がしたいって時だけでいいからさぁ・・・って美貴 
 何言ってんだーーー!!・・・恥ずかし死にしそ・・」 
  
 お酒飲んでよっぱらうより顔が赤くなって、熱は引かない。 
  
 「いーよ、気になってくれて。いっぱいみきたんはあたしの事好きになって 
 くれていいの。それにさ、みきたんがしたい時だけってのはずるいんじゃない?」 
  
 ・・・どういう意味でしょうか松浦さん。えっとえと・・みきたんが 
 したい時だけするってのはずるいんじゃない?・・だから・・亜弥ちゃんも 
 キスしたいって事・・? 
 「いっぱいみきたんの事好きになりたい。一番になりたいよあたしは!!」 
 ピースをしてはにかむ亜弥ちゃんを見ていたら、もう恥ずかしさなんて消えた 
 ように、心が軽くなった。  
- 64 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/23(日) 19:45
 
-  「っ・・ほらね、お仕事お仕事!元気印あげたんだからお仕事行く!!」 
 ぐいぐい背中を押されて、倉庫裏を後にした。今さら恥ずかしがってどうすんだろ・・ 
  
 「こらミッキー、亜弥連れてどこ行ってたんだ!!」 
 店の中へ入った途端吉澤さんに捕まえられた。いつの間にか亜弥って呼んでるし。 
 「どこでもいいでしょ!亜弥って呼ばないで下さい亜弥ちゃんの事!!」 
 慣れ慣れしいんだよ!!と言ってやりたいけどそんな事いったらどうなるやら。 
  
 「大体吉澤さんはー・・・あ、石川さんだ」 
 「え!どこどこどこどこ梨華ちゃんどこー!?」 
 全く、すぐ他の女性に目が行くんだからタラシは。 
  
 「りーかちゃん♪遊びにきたんだね!!こっち行こう!」 
 あーあ、見てると糖分の取りすぎで吐き気がする。やっぱり恋をするなら 
 スッキリしたのがいいよね、ああいうベッタベタすんの気持ち悪い。 
 その点美貴と亜弥ちゃんはどうよ?すごい自然じゃん!! 
  
 「ねえねえ、あのバーテンの子かわいくない?ずっるい!!」 
 「すっごいかわいいねー、新しく入った子かな」 
 ほらほらそう思うでしょお客さん!!亜弥ちゃんが一番可愛いんだよ!!  
- 65 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/23(日) 19:50
 
-  更新少なくてゴメンなさい・・明日明後日はいっぱい更新できると思います。 
 
- 66 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/23(日) 22:07
 
-  明日明後日に期待。がんばって 
 
- 67 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/24(月) 22:10
 
-  >66名無飼育さん 頑張ります!!難しいですが… 
 
- 68 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/25(火) 19:59
 
-  「「「「「「お疲れさまっしたーっ」」」」」」 
  
 やっと長い夜の時間が終り、いつもの藤本美貴に戻る時がやってきた。 
 女の子にチェンジという事だ。 
  
 「あー疲れた…そだ、亜弥ちゃんどこだっけな?」 
 ほっと肩を撫で下ろしたつかの間、また吉澤さんが亜弥ちゃんを口説いる 
 姿が目に飛び込んできた。今度こそ許さない…… 
  
 「よすぃざわぁさ〜っん……?何してるんですか…」 
 いつも以上にガンをきかして吉澤さんの目を思いっきり睨んだ。 
 「みきたんお仕事終ったぁ?」 
  
  ………極上のスマイルが…だめだよ亜弥ちゃん、だって吉澤さんが… 
  
 「ようミッキー、今日もお疲れ♪あれ、何、怒ってる?ダメだよ短気は!! 
 血圧あがっちゃうよ〜?」 
 「そうだよみきたん、ダメダメ♪」 
  
 ムッカツク……亜弥ちゃんはともかく吉澤さん、美貴と亜弥ちゃんの時間を裂き 
 やがって。いつか靴に画びょう仕込んでギャアギャア言わせてやる…  
- 69 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/25(火) 20:07
 
-  長年のからかわれを一気に返してやると言わんばかりに吉澤さんを壁の 
 コーナーに追い詰めた。 
 「なーにすんだよミッキー!!暴力はよくないと思う…ギャーッ!!! 
 わきっぱらをくすぐるなっ!やめれっー!!」 
 「止めません!!金輪際亜弥ちゃんに変な事しないって誓ったら考えます」 
 亜弥ちゃんはそれをみて笑ってる。笑い事じゃない!! 
  
 「わ、分かったから!できるだけしない!」 
 「できるだけ!?」 
 「しないしない!地球が100回回ってもしない!!」 
 美貴は手を離して吉澤さんを開放した。ゼエゼエと言いながらカバンを 
 持ち、したくを整えて店を出ようしている。 
 「こんにゃろ…かわいがってやってんのにわからずや!!!じゃあなっ!」 
 「何がですか…お疲れさまでしたっ!!」 
 長い戦いがようやく終止符を告げた。ヘンタイホストめ!! 
 「んにゃぁ、みきたんの背中あったかい……」 
  
 キャーッ!松浦さんやめて!!人が来たらどうするんだよ!! 
  背中にピッタリくっついて離れようとしない亜弥ちゃん。  
- 70 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/25(火) 20:13
 
-  ここはどこだと思ってるんだよ……今ウェイターは片付けでセンターフロアに 
 いないけど店長が来たらからかわれるよ…… 
  
 「亜弥ちゃん離れて……後でするからぁ〜!」 
 首を横に振って尚腰に手をぎゅっと回してくる。ひっぺがすと可哀想… 
 「い〜匂いみきたん!香水つけてる?」 
 「つけてないよ…て、そういう問題じゃぁっ!!」 
 「つけてないのに香水みたいにいい匂いすんだね、好きっ!」 
  
 香りが好きなのか美貴が好きなのかどっち!?じゃなくて、はーなれて! 
  
   
- 71 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/25(火) 20:21
 
-    「だぁ〜、今日も繁盛繁盛!お、藤本と松浦やん」 
 突然の登場、中澤店長。ハロウナイトのボスであり誰もが恐れる存在。 
  
 「今日はありがとうございました店長!」 
 「あ…れ?亜弥ちゃん…」 
  
 さっきまで美貴にくっついて離れなかった亜弥ちゃんが何かを察知したように 
 バッと美貴から離れた。瞬発力がいいというのかカンがいいというのか。 
 もしあのままくっついていたら店長にどやされてた筈。 
 「どや?今日は初体験やったからな、次回はキビキビこなすようにな!」 
 「はぁい!了解♪」 
 「ええ返事や!誰かさんと大違いやな…?なー藤本」 
 「なんで美貴見て言うんですか!」 
 「べっつに〜……ほな、もう帰り。それと、フロアでいちゃつくのはよせ!」 
  
 「みみみみみみみ見てたんですかっ!??あれをぉ!」 
 「当たり前やがな!あっちまで声聞こえてたでこっぱずかしいっちゅうねん」 
  
 あら………好きとか言われてたよね美貴。頭で卵焼きやけるね今なら。 
  
 「っさよならっ!!いくよ亜弥ちゃん!」 
 「まっ…早いよみきたん!!」 
 猛ダッシュで店のドアを開けて、数十メートルを自己最高記録更新した。 
   
- 72 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/25(火) 22:01
 
-  ダダダダーッと突っ走っていつもより何倍も早く家に着いた。 
 亜弥ちゃんと美貴の呼吸は荒く、胸に手を当てて落ち着かせようとする。 
 「ちょっとみきたんー、何で急に走るのさ!」 
 「ちょっとも何もないっ!!見られたっていうか聞かれたんだよ 
 店長に……もう…なんていうかー」 
 「照れちゃってんのみきたん。くぁわい〜!!」 
  そう言って亜弥ちゃんは美貴のほっぺを指でつっついてくる。 
 「っー!かわいくない!ほぉらもう!美貴寝る!!スーツ自分で片付け 
 なさい!」 
  
 照れ隠しのつもりでベッドの中に潜り込んだ。あのままいたらもっと真っ赤に 
 なっちゃうし。 
 「照れてる照れてる〜♪そんなにあたしの事好きなんだねたんは」 
 スーツ2着をハンガーにかけて亜弥ちゃんがぽつりと言った。 
  
 「あ……」 
 「何さみきたん」 
  
 「あーそうだよ。好きで好きで好きで好きで好きでたまんないんだよ美貴。 
 だから吉澤さんとイチャイチャしてんの見てると超イライラすんだ。仕事中でも 
 亜弥ちゃんの事ばっか考えてる。付き合ったばっかりだけど、亜弥ちゃんは美貴の 
 彼女だから」 
  
  
 言っちゃった。全部、思ってた事、言っちゃった。さっきの照れは何何だって感じだけど。 
  
 亜弥ちゃんの顔を見ないでくどくど話してたから、どんな顔して聞いてたのか分らない。 
 多分余裕の表情でさ『あたしも好き!』とか言ってくるんだよあの人は。 
   
- 73 名前:ブルドックソース 投稿日:2004/05/25(火) 22:02
 
-  今日の更新終わりです!ではまた♪ 
 
- 74 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/26(水) 22:18
 
-  そんな事予想していた美貴の背中から、薄い視線を感じた。 
 ふふふっ…後からまた抱きついてくるんだな、きっと。 
  
 「みきたん……それ、マジ?」 
  
 亜弥ちゃんの口から出た言葉は、美貴が思ってたものと真逆だった。 
 驚いた感じで、頬が熱を帯びているのが離れてても分る。 
 いつものハイテンションな亜弥ちゃんはどこへ、今までに見た事ないぐらい 
 潤んだ瞳と、キュッと唇をかみしめて何かを我慢しているよう。 
  
 「マジかどうかは、亜弥ちゃんが決めてくれなきゃ……ね?」 
  
 もう、あんなこっぱずかしい台詞言えたものじゃあない。再び布団を 
 頭から被って呼吸をひそめて亜弥ちゃんの反応を待った。 
   
- 75 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/26(水) 22:24
 
-  「ねぇっ、みきたんってば。もっかい言ってくんなきゃわかんないよっ」 
  
 「や、無理。不可能…だし!」 
  
 無理矢理布団をひっぺがされて、ニヤけながら亜弥ちゃんはねだる。 
 「みきたん、お天気家さんだよね。素直だったり意地っぱだったり」 
  
 急に布団から手を離して、ぺたんと床に座り込んだ。ほっぺを膨らまして 
 怒っているよう。 
 「ごめんなさいねー、美貴そういうタイプだから」 
 「不安にさせんな、ばかたん」 
   
- 76 名前:さよならと言えるまで 投稿日:2004/05/26(水) 22:34
 
-  バカなのはあんただろ、と言いたかったけど口を押さえる。 
 「不安だったの?」 
 「うん」 
 「美貴がああいう事普段言わないから?」 
 「うん」 
  
  言って欲しかったの…か。そりゃ、好きな人からはそういうの言われると 
 嬉しいって、いつか市井さんが泥酔してた時に言ったような気がする。 
 市井さんは酔うと、エロトーク満載になる。ちょっとやそっとじゃ酔わないけど。 
  
 「テレパシーじゃだめ?」 
 「感じないモンそんなの」 
 「う……じゃ、どうすりゃいー…?」 
 亜弥ちゃんはう〜んと唸りながら唇に手を当ててニッと笑った。 
 そして、美貴の耳元で囁いた。  
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2004/07/15(木) 02:58
 
-  お待ちしております。 
 
- 78 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2004/08/01(日) 19:28
 
-  あやみきいいですね。 
 
- 79 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 21:45
 
-  まだかなあ 
 
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