ヴリンコウンコ
- 1 名前:ついののみ 投稿日:2003/12/18(木) 21:03
- タイトルはこんなですが、
4期を中心に書いていく予定です。
よろしくお願いします。
- 2 名前:1・らってみんなじまんすんらもん 投稿日:2003/12/18(木) 21:04
- 白い雪てのひらにぽとり。
ツジはそっと空を見上げる。
真っ白い空から落ちる真っ白な雪に向かって
小さな胸をぴんと張りあぁんと口を開けて目を閉じた。
「あんたゆきふるといっつもそれするなぁ」
そんなツジに冷たい視線を向けながらカゴがつぶやく。
ツジとは対称的にカゴはポケットの中の手を外へ出すこともない。
「おいしいんらよ」
「うそつけ」
ツジが笑う。
カゴは呆れのため息をついた。
- 3 名前:1・らってみんなじまんすんらもん 投稿日:2003/12/18(木) 21:05
- 揺れるふたつのランドセルを、ヨシザワはじっと見つめていた。
「さむいとおもったらゆきだ」
空を見上げてつぶやくイシカワと対照的に、
ヨシザワは双眼鏡から目を離すこともない。
「ねぇどっち」
「おだんごあたまのほうだってさっきいったじゃん」
早口で問う声に、のんびりとした声が答える。
「どっちもそうなんだよ」
「じゃあちっちゃいほう」
- 4 名前:1・らってみんなじまんすんらもん 投稿日:2003/12/18(木) 21:06
- 「どっちもちいさいよ」
「ありゃま」
双眼鏡を受け取ってイシカワは頼りない声を出す。
手許の写真もピンボケで、ターゲットは遥か遠く。
これではどっちが加護コーポレーション社長令嬢かわからない。
「ふたりともさらってきちゃおっか」
「そうだね」
イシカワがぽんと手を叩く。
ヨシザワは空から落ちる雪にあぁんと口を開けて目を閉じた。
「もうひとりのいえからもみのしろきんをとればいいか」
- 5 名前:1・らってみんなじまんすんらもん 投稿日:2003/12/18(木) 21:07
- ききっ。
ツジとカゴの前に一台のライトバンが止まる。
中から降りて来たのは、のっぽの女の子。
「ねーねーそこのふたりぃ」
言いながらサングラスをずらし瞳をのぞかせるヨシザワに、
ツジとカゴが見とれる。
天才的に可愛いぞ、このひと。
「おねーちゃんたちといっしょにでかけないかい」
ヨシザワがライトバンの運転席を指差すと、
優しそうな微笑みを浮かべたイシカワが手を振っていた。
- 6 名前:1・らってみんなじまんすんらもん 投稿日:2003/12/18(木) 21:08
- ツジはカゴを、カゴはツジを見つめ、そして頷いた。
これってナンパってやつだよね。
とうとううちらもナンパされてもうた。
これでクラスのみんなを見返せるよ。
自慢されっぱなしやったからな。
「すきなもんおごってあげるよ」
「いきまぁす」
かくして誘拐は簡単に成功してしまい、
同時に世界一不幸な誘拐犯も誕生したのである。
- 7 名前:ついののみ 投稿日:2003/12/18(木) 21:08
- とりあえずここまで。
感想とかもらえると嬉しいです。
- 8 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/19(金) 15:44
- この4人組好きなんで続き楽しみ☆
次の更新も楽しみにまってます♪
- 9 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003/12/21(日) 05:29
- 同じく楽しみにしてます。
4期は大好きなので
がんばってください
- 10 名前:2・おにくすきすき 投稿日:2003/12/27(土) 22:02
- 回転寿司の絵皿が止まることなく積まれていく様子にヨシザワが目を点にしていた頃、
イシカワは電話ボックスの中にいた。
硬貨を手の中で揺らしながら、電話帳をめくり、受話器を持ち上げる。
「はいもしもし」
「かごさんのおたくでしょうか」
「そうですけど」
「あのいまおたくのおじょうさんをあずかっていましてですね」
「はい」
「かえしてほしいならおかねをはらってほしいんですけれどどうでしょうか」
そこで切られた。
使用した硬貨の額と利用した時間は比例していないが当然差額は戻って来なかった。
イシカワはちょっとだけそのままで。
「えっとどうしよう」
- 11 名前:2・おにくすきすき 投稿日:2004/01/01(木) 14:13
- とりあえずかけ直すイシカワ。
リダイヤルボタンを探すも見つからず、もう一度最初から。
「もしもしさっきのものですが」
「いいかげんにしてください」
いきなりの怒鳴り声にイシカワもちょっぴり凹む。
「いえでもほんとうにこちらにいるんですよ」
「じゃあこえをきかせなさいな」
あっ、とイシカワは絶句する。
誘拐と言えばよくある展開、なのに考えもしてなかった。
公衆電話に向かってぺこりと頭を下げたと思えば。
「またあとでかけますのでちょっとおまちいただけますか」
丁寧に受話器を置いた。
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/09(金) 01:38
- おもしれぇ!
ちょっと4期さんたち最高っす!
サブタイトルもいい感じです。頑張ってください。
- 13 名前:2・おにくすきすき 投稿日:2004/01/09(金) 12:02
- くるくると回るお寿司の中からツジとカゴが牛タン炙りばかりを取り、
ヨシザワはいくらを頬張りながら訊く。
「なんでふつうのおすしたべないの?」
「おにくらいすっきてへてへ」
「じゃあさいしょからやきにくたべにいこうよ」
ふぅと息を吐くヨシザワをカゴがにやにやと見つめている。
「なにさ?」
「おねえちゃんてんさいてきにかわいいなぁ」
「ふふっありがと」
「こっちもさそわれがいがあるっちゅーもんや」
「さそわれがい?」
「えっへっへ」
- 14 名前:2・おにくすきすき 投稿日:2004/01/09(金) 12:02
- あれ?
確かこの回転寿司系列のお店の割引券持ってなかったっけか。
ふいにヨシザワは思い出し自分の財布を覗く。
「あ」
割引券はあったが肝心なものがなかった。
壱萬円札だと思っていた紙幣にはその半額の価格が記載されていた。
ヨシザワはちょっとだけ考え込む仕種をすると。
「ちょっとまってて」
立ち上がり厨房へと歩き出した。
- 15 名前:2・おにくすきすき 投稿日:2004/01/09(金) 12:02
- 絵皿のタワーが着着と建設されていくヨシザワ待ち時間の途中、
カゴの携帯電話が華麗に壮大に協奏曲を奏でた。
着信の表示された名前にちっと舌打ちしながらも。
「もしもしおかあさまどうなさいました?」
明るい声で答えた。
「えぇなんにもありませんのぞみちゃんもいっしょですし」
ナンパにほいほいついていったなんて知れたら大目玉。
カゴは携帯電話をツジに差し出し、お願いと目で合図する。
「もしもしおばさまこんにちはつじのぞみです」
伊達にお嬢様学校に通ってる訳ではない。
ツジからさっきまでの舌っ足らずはすっかり消え失せていた。
「えぇとくにおかしなことなんておきておりませんけれど」
嘘電話無事終了。
カゴとツジは互いに見詰め合うと、にやりと唇の端を上げた。
- 16 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2004/02/01(日) 15:39
- 続きありますよね?
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/06(土) 08:54
- 待ってます
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