■坂の途中■
今日はさやかさんちに遊びにいくのだ!
今までタクシーだったんだけど、今日は初めて電車で行くの。
”そう西行きのバスに乗ってね
3つめのバス停で降りてね”
さやかさんの言葉通り、西行きのバスに乗って3つめで降りた。
すっごくなんだかのどかな所だな〜。
うーん。ここがさやかさんの住んでるところかぁ。
”長い長い坂道のぼって
一度だけ休んだら
もう 後ろ見ないでのぼること”
はぁっ。はぁっ。
さやかさぁん。疲れちゃったよぉ。ふぅ。
何でこんな長いんだろ、この坂道。
”かどのパン屋のラジオの声が
聞こえたら もうすぐ近くだ”
あ、あそこにパン屋発見〜!
いいニオイだなぁ。
そうだ!さやかさんにパン買っていこっと。
お土産なしで手ぶらじゃさすがにだめだよね。
”あせらないで登ること
坂の途中 もう息が切れそうな時
電話してよ”
ふぅぅ・・・・。もうすぐかな。
さやかさんは電話してよとか言ってたけどあたしそんな弱っちくないもんね!
待ってろよ、さやかさん!
ピーンポーン。
・・・・・・・・・。
あ、あれ??返答がないんだけど・・・。
そりゃないよぉぉ。
さやかさん携帯にかけたら出てくれるかなぁ。
なんて思ってたとき。
「ごっとぉぉ〜っ!!」
さやかさんの笑顔がドアからあふれた。
「しゃぁやかさぁぁんっ」なんて言って抱きついたりして。
あぁ、やっぱさやかさんあったかいなぁ。
さやかさんのぬくもり大好きだぁ。