7月某日 天気:晴れ
朝、隣に寝ているごまがアタシを呼ぶ。起きてみると、宅配便が届いていた。
送り主を見ると、保田圭とある。アタシはふと、ごまがウチに来た日の事を思
い出した。
今度はどんなペットだろう?アタシはウキウキしながら箱を開けた。
「あっつ〜!やっと出れたよぉ〜!ったく圭ちゃんマジムカツクー!!」
「ホンマや!もぉやってられへんっちゅーねん!!」
箱の中から出てきたのは、ガラの悪いアザラシとイヌだった。首には『裕子』と
『真希』と書かれた首輪をつけている。
「きゅ〜?」
ごま!そいつらに近づいちゃダメ!!!
7月某日 天気:晴れ
アタシは早速、裕子と真希を再び箱に詰め始めた。
「おいコラァ!みちよ!自分何すんねん!!」
「そ〜だよぉ!折角出れたのになんでまた詰めんのぉ〜!?」
「きゅ〜!!」
同じアザラシ同士と言う事で、ごまは真希の味方らしい。
ダメだよ、ごま!この2人に騙されちゃダメ!!
7月某日 天気:晴れ
とりあえず圭ちゃんに電話してみる。
『みっちゃん、ゴメン…。あたしもう耐えられなかったの…』
圭ちゃん…アタシも耐えられないかもしれない。あの2人は、ごまとは違いす
ぎる。
「みちよ〜!電話なんてええから酒買うて来て〜!!」
「アタシもぉ〜!!」
「きゅ〜!!」
ごまはもうすっかりあの2人の味方だ。これが人間と動物の差と言うものなの
だろうか?
7月某日 天気:晴れ
今日はいい天気なので、ごまとプールで遊んであげる。
「きゅ〜ん!きゅきゅきゅ〜ん!!」
ごまは大はしゃぎだ。
「おい、みちよぉ!!なんやねん、この扱いの違いは!!」
「そぉ〜だよぉ!平家さんひどいよぉ!なんでアタシ達は台所なのぉ!?プー
ルに入れてよぉ!」
聞こえない、聞こえない。アタシには何も聞こえない。
7月某日 天気:晴れ
「きゅきゅきゅ〜ん!!」
仕事から帰ると、ごまがアタシに飛びついてきた。一体何があったのだろうか?
「おお!みっちゃんこう言うの好きなんか?ええなぁ〜」
「コレってエロビデオじゃん!へ〜、平家さんもこう言うの見るんだぁ〜」
アタシはなんのためらいもなく、2人を持っていたバッグで殴った。
7月某日 天気:雨
「きゅ〜…きゅ〜…」
ごまの顔を見たアタシは驚いた。ごまの顔には、あゆメイクがほどこされていた
のだ。
「かわいいでしょ?アタシがやったんだよぉ〜」
「しっかし、アザラシにあゆメイクっちゅーんがこんなにも似合わんとは思わんか
ったわ〜」
「きゅ〜…」
このままではごまが危険だ!アタシは素早く2人を箱に詰めると、慌ててクロ
ネコヤマトに向かった。
7月某日 天気:晴れ
わざわざ夜間配達で宅配便が届いたの。実家のママが鮭でも送ってきてくれ
たのかな?カオリは箱を開けて見た。
「みちよぉ〜!!自分何しよんねん!ウチらなめとったらアカンで〜!」
「平家さんひどいよぉ〜!アタシとごまなんてそんなに変わんないじゃん!!」
カオリこんなのいらない…。
7月某日 天気:晴れ
今日は天気がいいから、お部屋のお掃除。
あの2人はなんかそこら辺をゴソゴソあさってるけど、たぶん大丈夫だよね。
「カオリ〜、これ自分の彼氏なん?」
「えぇ〜、これがぁ!?あんまかっこよくなぁ〜い!」
…みっちゃんに捨てられて当然だと思う。
カオリは2人を持ち上げると、そのまま箱に突っ込んだ。さて、誰にあげようかな?
7月某日 天気:晴れ
飯田さんから宅配便が届きました。箱はとても大きく、中では何かが動いて
います。私は、警戒しながら箱を開けてみました。
「クッソー!カオリのヤツ!ウチにこんな事しよって!!絶対許さへんで!!」
「カッコ悪い人をカッコ悪いっつって何が悪いのよぉ〜!マジむかつくー!!!」
…飯田さん、私が嫌いなのですか?
7月某日 天気:晴れ
とりあえず、飯田さんに電話をしてみる事にしました。
『だってねぇ〜!あの2人カオリの彼氏のことかっこわるいって言ったんだよぉ
〜!?それにね…(ブツブツ)』
飯田さん、何故そんな2人を私のところに送ってきたのですか…。
7月某日 天気:晴れ
あの2人は、私が注意できないのを良い事に好き放題しています。
「ヤダ〜!ひとみちゃんこんなパンツはいてるのぉ〜!?いっが〜い!!」
「ええ年こいてキティーちゃんはないやろ!キティーちゃんは!はっはっは〜!!」
飯田さん、ごめんなさい。もう限界です。
7月某日 天気:晴れ
よっしーから宅配便が届いた。箱の外には「いらなかったらすぐ捨ててね」と書
いてある。なんだろ?
「いいじゃん別にパンツくらいさ〜!なんであんなに怒るのよぉ〜!!」
「ホンマや!だいたい15にもなってキティーちゃんのパンツなんかはいとる方が
悪いねん!!」
今日、よっしーの秘密を知ってしまった…。
7月某日 天気:晴れ
仕事から帰ったら、部屋が荒らされていた。ヤダッ!泥棒!?
「おいおい、なんやねん、コレ。『リカの日記帳』やて。あいつ日記なんか書い
てたんかい」
「『今日はうたばんの収録。仲居君に会っちゃった。キャハッ☆』だって〜!マ
ジうけるぅ〜!!」
私の手は、自然にダンボール箱へと伸びていました。
7月某日 天気:晴れ
今日、部屋の前にでっかい箱が置いてあったべ。中からドスドス蹴ってる音が
聞こえるべさ。誰かがなっちに新鮮な食材でも送ってくれたべか?なっちは早
速開けてみたべ。
「石川―!てめーふざけんじゃねぇよぉ〜!!」
「ホンマや!怒るくらいやったら書かへんかったらええやん!!クッソー!!」
少しガラが悪いけど、おいしそうだべさ。
7月某日 天気:晴れ
石川が送ってきてくれたらしい食材を、早速料理するべさ。
「ちょ!なっち待ってよぉ〜!アタシ達を食べる気なのぉ!?」
「なっち!落ち着かんかい!ウチらは食べ物ちゃうで!!」
アザラシとイヌは慌ててなっちの部屋から出ていってしまったべ。惜しい事をし
たべさ。
7月某日 天気:雨
夜中、誰かがドアをガンガン叩いている。ったく誰だよ、うるさいなー!
「矢口!ちょお聞いてぇな!ウチらなっちに食われそうになったんやで!?」
「そ〜だよぉ〜!マジひどいよ!!つーか普通食べようと思う!?思わない
よぉ〜!!」
矢口まだ夢でも見てるのかな?
7月某日 天気:晴れ
裕子と真希が玄関で何かやってる。あの2人は夕べもいろいろしてくれた。ち
ゃんと見張っておかないと!
「なんやねん、この厚底!15センチくらいあるで!?こんなんで歩いてたらメ
ッチャ恐いわ!」
「つーかやりすぎ?マジ恐いよコレ。厚すぎ〜!背ぇ高く見えるっつーか恐いっ
つーの」
矢口がこの2人を捨てても、誰も矢口を責めないと思う。
7月某日 天気:晴れ
矢口さんから宅配便が届いた。なんやねん、コレ。えらいでっかいわぁ〜。
ウチが箱を開けようとしたら、箱を蹴破って何かが出てきた。
「やぐっちゃ〜ん!冗談だったんだよぉ〜!!なんであんなに怒るのぉ!?」
「真実を言うて何が悪いっちゅーねん!!ホンマに恐いわ、あの厚底!!」
ウチ、矢口さんに嫌われてるんかな…?
7月某日 天気:曇り
ウチもうノイローゼになりそうや。あの2人はホンマ好き勝手しよる。
「加護〜!ゲイの裏ビデオ買うてきぃや〜!一緒に見ようや」
「子供にそんなの見せちゃダメだよ〜!アタシSMの方が好き〜」
「ほな、それにしよか〜?加護〜!はよ行ってこんかい!!」
もうイヤや!もうイヤや!!
7がつぼうじつ てんき:あめ
あいちゃんからプレゼントがとどいたれす。のののたんじょうびはもうすぎたのに
なんでれしょうか?
「ちっ!あのアホ!なんでいいとこでウチらを捨てんねん!」
「そ〜だよぉ〜!ビデオ見てる途中で捨てるなんて卑怯だよぉ!せめて最後
まで見せろっつーの!!」
あいちゃん、ののこわいれす…。
7がつぼうじつ てんき:はれ
ののがおふろにはいっていると、あのふたりもはいってきました。
「どれどれ、お姉さんがボディーチェックしたるわ!」
「裕ちゃ〜ん!手つきがやらし〜!」
「アホかい!ウチはリーダーとしてこの子の成長をチェックする義務があるんや!」
「なんでよぉ〜!…でも、アタシもちょっと気になるかも」
ののはけがれてしまいました…。こんなせいかつもうイヤれす…。
7月某日 天気:晴れ
結局あの2人はあたしの所に戻ってきた。
「どうせ戻ってくるなら最初から捨てないでよねぇ〜!」
「ホンマや。ウチらそこら中で恥さらしてきただけやん!?」
恥だと思うならするなよ…。
お願いです。誰かこの2人をもらってください…。
完
7月某日 天気:晴れ
元々あたしがまいた種だけど、あたしのガウンを勝手に着たり風呂の水を溢れさせたり、
乱暴狼藉ばかりする2頭にほとほと疲れた。
愛のある家庭で引き取ってもらうのが一番なので、彩っぺに任せることにした。
7月某日 天気:晴れ
保田圭ちゃんから宅急便が届いた。珍しいこともあるものだ。
妙な気配がするのでダーリンにダンボールを開けてもらうと、
「ぶはー、あの女あたしらをなんと思ってんねん<怒>!」
「あ〜お邪魔しますぅ〜、へ〜これが新婚家庭なのね〜、なんかLOEV LOEV」
・・・進歩のない子。
あたし達の愛の巣が壊れていく・・・
7月某日 天気:晴れ
とりあえずアザラシと犬を置いてあげるてるが、ずうずうしいにも程がある。
「あ〜これ結婚式のビデオだぁ!あたし達出れなかったんだよね」
「ま、とりあえず幸せな二人に乾杯や!ドンペリくらい出してや、稼ぎ屋の旦那!」
・・・お腹の子のためにも、あたし達はダンボールの箱をぐるぐる巻きにした。
7月某日 天気:晴れ
石黒家から宅急便が届いた。随分重いが、ウエィトで逞しくなったあたしなら片腕で充分。
「きゅ〜ん、やっと辿り着いたわ!市井ちゃ〜ん」
「おろ、今度はさやかん所かい、汗かいたからビールくれ!」
相変わらず騒がしい。こんな調子では他の家は酷い目に合っただろう。
けど、あたしん所じゃそうは行かないよ・・・退屈してたところにいいおもちゃだ。
あたしは関節を鳴らして2頭をにらみつけた。
「あんた達いい根性してるじゃん、いっちょ揉んでやろうか!」
7月某日 天気:晴れ
技の練習台に2頭を痛めつけてみた。サヤカ・スタナーを数発ずつ喰らわしてみた。
「なんやねん、あの軍隊みたいなところは!」
「きゅ〜、市井ちゃんのスパーリングきつ過ぎます・・・(ちゅうもしてくれないし)」
2頭は毛を逆立てて逃げていった。貴重な練習相手なのに、惜しいことをした。
あたしも手加減と言うことを覚えないと。
7月某日 深夜
うちのマンションを叩く音がしてドアを開いた。
「もう、あたしらを受け入れてくれそうなのは、明日香しかいないんよ。」
「はじめまして、真希でーしゅ。」
矢口からメールで聞いていたが、とうとううちに流れ込んできた。
とりあえず着替えを貸して上げると、涙を流して喜んでいた。
7月某日 天気:快晴
あたしは流浪のごまアザラシと犬をどうしようかと考えた。
放っておくのも迷惑だし、それぞれのためになることをして上げよう。
「はい、じゃ後藤さんあなたも受験の年なんだから、問題集を1日1冊上げること。
全部正解できるようになるまで、食事抜きよ。」
「裕ちゃんは、そうね、お嫁入りのお勉強ね。
うちとうちの店の掃除・洗濯・料理を完璧にやること。」
2頭のためになることをして、あたしの心は夏の青い空のようにすがすがしい。
7月某日 天気:晴れ
学校から帰ってくると、2頭の不平の声がする。
「きゅ〜ん、こんなに出来るわけないよ・・・あれ、裕ちゃん大人しいね。」
「あんたは明日香の恐ろしさを知らんからや。あの子のマジな目に逆らったら・・・」
立ち聞きは嫌いなので、大きな音でドアを開けると、2頭がびくっとした。
窓のサッシを指でなぞると埃がつくので、裕ちゃんにやり直しを命じた。
数学の解答を見ると、そもそも算数から進歩してないので、食事抜きで中一の教科書から教えて上げた。
あたしもお腹は減ってたけど、これも彼女のためだ。
7月某日 天気:晴れ
学校から帰ってくると、例の2頭の姿が見えなかった。
外を見ると、フラフラになったごまアザラシと犬の後姿が見えた。
あの道だと木更津に向かっているのね・・・
圭ちゃんよろしくと、メールを入れておいた。
はぐれ流浪編・完
あの2人がまた帰ってきた。
「別に・・・明日香がどうしても出てってくれ言うからしゃーない出てやったんや!」
「そぉ〜だよぉ!別に福田さんが恐いから逃げてきたワケじゃないんだからね!!」
明日香・・・、やっぱりアンタは最強だよ。
7月某日 天気:晴れ
明日香に懲りて少しはおとなしくなるかと思ったけど、やっぱりあの2人に進歩
はない。
「ちょっと何コレ?圭ちゃんバイブなんか持ってたのぉ〜?」
「はっはっは〜!圭坊もお年頃やさかいな。1人寝は寂しいんやろ?」
「ヤダ、圭ちゃんそこまで飢えてたのぉ?さっみしぃ〜!!」
…今すぐあたしの目の前から消えろ!
7月某日 天気:曇り
今日、保田から宅配便が届いた。しっかしえらいでかい箱やな?何が入っと
るんやろか。
「つんくさぁ〜ん、真希でぇ〜っす!よろしくお願いしまぁ〜すぅ!!」
「つんくさん、ウチ裕子言います。よろしゅうお願いしますぅ〜!!」
なんやかわええヤツらやん。なんで保田はこの2人を捨てたんやろ?
7月某日 天気:晴れ
裕子と真希の為に、ふぐ刺しを買うてきた。きっと喜ぶでぇ〜。
「つーかさ、何アイツ?人の身体にベタベタ触んなっつーの!キモイんだよ、マ
ジで!!」
「ホンマや。ウチらがちょ〜っと媚びてりゃあいい気になりよって!!ええ加減
にせぇっちゅーねん!!」
保田がなんでこの2人を捨てたんかわかったような気がした…。
7月某日 天気:晴れ
今日つんくさんから宅配便が届いた。箱には、「危険!開けるな!!」と書
いてある。
開けなかったら何が入ってるかわからない。私は箱を開けてみた。
「ふざけんじゃねーよ!あのセクハラ親父!いきなり捨てるなんてど〜いうつも
りだよぉ〜!!」
「ホンマや!ウチらが散々ガマンしてやったっちゅーのになんで捨てんねん!!」
…これは、つんくさんからの戦力外通知なのだろうか?
7月某日 天気:晴れ
シャワーを浴びていると、向こうから2人の声が聞こえた。
「信田さんってなんであんなにゴツイのかなぁ?女の身体じゃないよぉ〜!!」
「ホンマやな〜。いくらシャワー浴びとる言うても、あんなん覗きたないで?覗
きたないっちゅー以前に抱きたくもないわ」
つんくさんから届いたダンボール箱は、まだ取ってあったよね。
7月某日 天気:晴れ
家に帰ると玄関に大きな箱が置いてあった。中で何か聞こえる。嫌な感じだ…。
「信田のヤツー!!ゴツイ女をゴツイって言って何が悪いのよぉ〜!!むかつ
くー!!」
「ホンマや!つーか自分何アイドルなんてやってんねん!プロレス行けや!プ
ロレス!!!」
このまま捨てちゃおうかな?
7月某日 天気:晴れ
夜中に何か気配を感じた。多分裕子と真希だと思う。私は息を潜めて寝た
フリをする。
「くっくっく、人妻やで、人妻。寝てるトコ脱がせて売ったらメッチャ金になるで
〜!!」
「脱がせるだけじゃつまんないよぉ!圭ちゃんトコからいろいろ持ってきたから、
ソレ使おうよぉ〜」
イヤ!アンタ達何するつもりなの!?やめて!やめてぇぇぇぇぇ!!!!!
7月某日 天気:晴れ
家に帰ると、でかい箱がおいてあった。なんやねん、コレ邪魔やなぁ〜。
ウチはソッコー捨てようとした。
「いや!稲葉さん!お願い、捨てないでぇ〜」
「お願いや!ウチらもう稲葉はんしか頼る人がおらんねん!!」
なんやねん?コレ?
7月某日 天気:晴れ
箱の中にはアザラシとイヌが入っていた。
「ねぇ〜、コレファービーじゃん?あの人結構似合わないモノ持ってるよねぇ〜」
「なにがファービーやねん。お前はファービーってツラかい!!コレに向かうて一
人でしゃべっとるんかなぁ?きっしょいわぁ〜!!」
…アタシは、産まれて初めて殺意と言うものを抱いた。
7月某日 天気:晴れ
今日、アザラシとイヌが届いたヨ。ペットにしよか食べよか悩んでるネ。
「ちょっとぉ!食べるってどういうイミよぉ〜!マジ中国人ってさいあくー!!」
「自分ら食うことしか考えてへんのかい!ホンマやってられへんわぁ〜!!」
食材決定ネ!!
7月某日 天気:晴れ
最近、夜はいつもごまと一緒に寝る。ごまの身体を抱きしめている時が一番幸せだ。
「きゅ〜ん、きゅ〜ん!」
ごま、大好きだよ・・・。
「ちょっと平家さん!とうとうそこまで行っちゃったのぉ!?だってごまアザラシだ
よぉ!?マジで!?」
「イヤやわぁ〜。寂しい女は。動物で自分慰めようとしとるんか?ヘンタイやん」
アンタらまた来たんかい・・・。
7月某日 天気:晴れ
今日はごまの身体を洗ってあげる。
「きゅ〜、きゅきゅきゅ〜ん!!」
ごまは気持ち良さそうだ。ごまが喜んでくれるとアタシもうれしい。
「みっちゃん、えっらいテクニシャンやなぁ〜?ごまメッチャ感じてるで?」
「ごま、気持ちいい?気持ち良かったらもっと声出していいんだよぉ〜?」
何故この2人はそう言う風にしかとらえる事ができないのだろうか。
7月某日 天気:晴れ
ごまの散歩から帰ると、部屋が荒らされていた。またあの2人か・・・。
「ねぇねぇ、これ平家さんの彼氏?」
「彼氏っちゅーか元彼やな。なんでも二股かけられてて振られたらしいで。
つーかこの程度の男に二股て、みっちゃん情けないなぁ〜」
「平家さんらし〜!あの人絶対不幸が似合うよねぇ〜!」
ごま、今からアタシがすることを見ちゃダメだよ。
仕事が終わって家に帰る。玄関を開けたら・・・「アレ」がいた。
「ちょっと聞いてよぉ〜!平家さんてばマジひどいんだよ!?普通ソファーで殴るか
っつーの!!」
「後藤なんかまだええやん。ウチなんか熱湯かけられたんやで!?殺人未遂やん。石
川、自分ちょお警察に電話してぇな!!」
平家さん、なんでトドメを刺しておいてくれなかったんですか?
7月某日 天気:晴れ
今日も仕事だ。心配なので2人をガムテープでぐるぐる巻きにしてから家を出た。
「クッソー!石川のヤツちったぁ利口になったやん?帰ってきたら覚えときぃや!!」
「マジふざけんなよぉ〜!!こんなんじゃ何にもできないじゃんかぁ!!」
今夜は帰りたくない・・・。
7月某日 天気:晴れ
家に帰ると、2人は眠っていた。余程暴れたらしく、お気に入りの鏡が割られていた。
寝顔を見ていればカワイイのに・・・。この2人も、苦労してたのかな?
「石川ぁ〜、自分ホンマに許さへんでぇ〜。今すぐソープにでも売り払ったるわ・・
・むにゃむにゃ・・・」
「そぉ〜だよぉ〜!それがイヤなら東京駅で裸踊りでもしてこいっつーの・・・むに
ゃむにゃ・・・」
同情なんて必要ない。梨華!今がチャンスよ!!
7月某日 天気:晴れ
夕べ、石川が泣きながら裕子と真希を連れてきた。
まったく、お前ら一体何したんだよー?
「石川ー!!自分何しよんねん!!ウチらが一体何したっちゅーねん!!」
「そーだよ!今回はまだなんにもしてなかったのにぃ〜!!!」
・・・・・・・まだ?
7月某日 天気:快晴
今日も朝から暑いっす。例の二匹の騒ぐ声を聞いてたら、ほんとに矢口キレてきた!だから、ゆうべ石川と相談した最終手段に訴えることにするぜ。
「わーい!ピスタチオと昆布だ―。あ、スイカもある!やぐっちゃん、りかちゃんサンキュー!」
「自分らごっつ気が効くやん。ビールご馳走さん。あれ、どないしたん?どこ行くねん」
「あれ、鍵かけてるよ―」
「こら矢口、石川!自分らなにしとんねん!鍵開けなさい!開けへんなら部屋荒らしたるよ!……あれ。なんやモヤモヤして来たで。…ごっちん、カワイイな。こっち来なさい」
「きゅーん、なんかヘンな気持ちだよー。裕ちゃん、あ、そんなとこ触んないで…ううん、もっと触って。きゅーんきゅーんきゅーん」
「ええか、ええか、ええのんかー?ほらごっちん、うちのも…」
エサに石川が持ってきた媚薬を混ぜてやったら、とたんにこの通り。この恥ずかしい姿をぜんぶビデオにとってやる。うわーこいつらやっちゃいけないことやってる。まるで獣じゃん。
「いぬとアザラシだからほんとに獣ですよ」
石川いいこと言うねー。でもなんで媚薬なんて持ってんの?あ、石川顔赤い。あたしたちも使ってみる?
7月某日 天気晴れ
矢口と石川の前であんな事をしたのに、裕子と真希はなんにも気にしてないみたい。
「おいおい、これ夕べのウチらのビデオやん?」
「ヤダァ〜!アタシすごい顔してる〜!!なんでもっとうまく撮ってくんないのか
なぁ〜?」
この2人には恥ってモンはないのかな?
7月某日 天気:晴れ
矢口が仕事から帰ると、2人はなにかゴソゴソやってる。また夕べのビデオでも見て
るのかな?
「なんでキッチンに踏み台があるんや?もしかして棚に手ぇ届かへんとか?」
「マジで?やぐっちゃんマジちっちぇ〜!!笑えるぅ〜!!お前は幼稚園児かっつー
の!!」
ゴメンね、やっぱり矢口は自分が一番かわいいの・・・。
7月某日 天気:雨
今日、矢口から宅配便が届いた。箱の外に「ゴメンね、カオリ」って書いてある。
なんだろ?なんで矢口はカオリに謝ってるの?
「おいおい、ホンマええ加減にせぇっちゅーねん!!ウチら何回箱詰めされたらええ
ねん!!」
「だいたいホントの事言ってなんで怒るのかなぁ〜?マジむかつくー!しかもアタシ
殴られたしぃ〜!!!」
矢口・・・今回だけは謝っても許してあげない。
7月某日 天気:晴れ
カオリは幸せが欲しいの。だからとりあえずあの2人は押し入れに閉じ込めておいた。
押し入れにはたいしたモノは入ってないから大丈夫だと思うんだ。
「ちょお後藤!コレ見てみぃや!たれぱんだやで!たれぱんだ!!」
「マジ!?カオリこ〜いうの好きなのぉ〜?似合わなぁ〜い!!マジカンベンってカ
ンジだよぉ〜!!」
カオリはそのまま2人をベランダから投げ捨てた。・・・ちょっとひどかったかな?
7月某日 天気:晴れ
今日の夕飯はビーフシチュー。アタシは買い物に出かけた。
買い物を済ませて家に入ろうとしたら、なんと買い物袋にアレがくっついてた。
「ちょっと石黒さん、聞いてくださいよぉ〜!!カオリってばアタシ達ベランダから
突き飛ばしたんですよぉ〜!も〜、アタシ信じられません!!!」
「ホンマや!打ち所が悪かったらウチらホンマに死んどるで!?」
そのまま死んでた方が、みんな幸せになったかもね・・・。
7月某日 天気:晴れ
彼は優しいから、このままあの2人を飼ってあげようとか言ってる。
「うわぁ〜、エッチな道具がいっぱぁ〜い!結婚するとこう言うのいっぱい買うの
かなぁ?」
「ええで、ええで〜!今夜は特別撮影会や!!こりゃ儲かるでぇ〜!!」
いくら彼の頼みでもこれだけは聞けない。裕子、真希、ゴメンね。
7月某日 天気:雨
今日は最悪だった。傘を忘れていたので夕方からの雨でずぶ濡れになった。
なんとか家に帰り着くと、忌まわしいものが目に入ってしまった。
裕子と真希だ。
最悪だ・・・本当に最悪だ・・・
7月某日 天気:曇り
雲が多くて蒸し暑くて、憂鬱な天気だ。だけどあいつら二匹が私の大事な創作ノーとを勝手に盗み見していたのを見つけたときの憂鬱さに比べたら、今日の天気なんて爽やかなものだ。
「あーこれ市井ちゃんの作詞ノートだあ。シンガーソングライターになるために書き溜めてるんだよね。どれどれ「真希へ」、あ、ひょっとしてあたしの歌?「真希 君はまるで妹のよう 真希 君はかわいい 真希 君が大好きだ…」。えー市井ちゃんこんなんじゃ歌になんないよー。ダサいよー」
「こっちの歌詞はなに?「青いキックボードの男」「黄色い花畑でBang Bang Bang」「赤いスケッチ帖」…こらあかん。パクリばっかしやん」
「やっぱ市井ちゃんモーニングやめたの失敗じゃない?これじゃ才能ないって」
「こんなアホやとは思わんかった。いまから戻りたい言うてももう戻れへんな」
……竹刀じゃ物足りない。真剣が必要だ。
7月某日 天気
今日はあいつら2匹のせいで、すごく疲れた。・・・寝よう。
「あー市井ちゃん寝ちゃったよ〜。」
「真希、チャンスや。今のうちに紗耶香をものにして、てなずけるんや。」
「うん、わかった。市井ちゃーんいただきまーす。」
寝ろうとしたら裕子と真希が襲ってきた。私をてなずけるなんて100年早い。
ムカついたので反対にてなずけることにした。
「市井ちゃんやめてー。(あ、だめ、そんなことされちゃ・・・・)」
「あん、紗耶香・・・・・ってうちにはなんもせえへんのかい!!」
「きゅ〜ん。(市井ちゃん・・・もっと・・・)」
「紗耶香!なんでうちにはなんもせーへんねん。ほんまムカつくなー。
くそー。こうなったらビデオに撮って後でゆすったる。」
次の日、裕子がビデオでゆすりに来たが真希を使ってテープを壊させた。
7月某日 天気:晴れ
今日、母さんから宅配便が届いた。なんだよ、お世話になった俺へのプレゼントか?
「紗耶香〜!自分何ふざけた事しよんねん!!才能ない女に才能ないっちゅーて何
が悪いねん!!」
「そ〜だよぉ!!ふざけんなよ!!お前なんかそのまま売れずに世間から忘れ去ら
れてくだけなんだよぉ〜!!!」
ガラは悪いけど、結構俺好みだな。さすが母さん、俺の事よくわかってるじゃねぇか。
7月某日 天気:晴れ
アザラシとイヌは、俺の女房や子供にもよく懐いてる。しょうがねぇなぁ。
今日は焼肉でも食わせてやるか。
「貴さんってさぁ〜、結構情けなくない?マジで奥さんの尻に敷かれて
んじゃん。いつも何偉そうにしてんだよってカンジだよねぇ〜」
「ホンマや。ええ年こいて奥さんにヘコヘコしてんなっちゅーねん!ウチ
やったらあんな男絶対イヤやで」
母さん・・・やっぱり俺が嫌いなのか?
7月某日 天気:はれ
きょう、貴さんから宅配便がとどいた。
なんだよ貴明、やっぱ俺のこと好きなんじゃねーかよ。
「クッソー!あのヒゲ親父ふざけんなっちゅーねん!!!」
「そーだよ!!せめて焼肉食わせてから捨てろっつーの!マジむかつくー!!」
貴さん、俺なんかわるいことしたかな・・・?
7月某日 天気:あめ
イヌとアザラシ今日も俺の部屋で好きかってしてる。ふざけんなよ!俺はSMAPの
リーダーだぞ!?
「なんや、コレ?『きょうの中居くん』?日記かなんかなん?」
「『きょうの俺もマジでいけてる!みんな俺見てキャーキャーいってる。やっぱ木村
なんか目じゃねぇーぜ!!』だって〜!こいつマジ頭悪いって!!こんなの書いて
るから人気ないんだよぉ〜!!」
今日、俺のプライドはズタズタになった。
7月某日 天気:晴れ
今日、仕事から帰ったら部屋の前におおきい箱が置いてあった。ファンの子からのプ
レゼントかな?こういうの、困るんだよねぇ〜。
「おいコラ!仲居!!自分ウチらにこんなんしてええと思っとるんかい!!ウチらの
おかげでうたばんの視聴率とれてるっちゅーことを忘れんなっちゅーねん!!」
「ホントだよぉ〜!マジふざけんなっつーの・・・ってあ〜!浜崎あゆみ〜!!アタ
シすっごいファンなんですぅ〜!!!サインしてくださぁ〜い!!」
このアザラシ恐い・・・。
7月某日 天気:晴れ
今日は新曲の詩を書かなきゃ。裕子と真希は、さっきから何かのビデオを見
てる。ちょっと心配だけど、おとなしくしててくれるんならそれでいいかな?
「うわっ!なんやねん、コレ!!メッチャぶさいくやん!!?」
「何コレ?『未成年』?ああ、昔やってたドラマかぁ〜…ってうっそー!!コレ
があゆぅ!?マジショック〜!!何がカリスマだよぉ〜!!ふざけんなよ
ぉ!いっつもメイクで誤魔化してるだけじゃん!!アタシもうファンやめたぁ
〜!!!」
イヌにだって許されない過去があるのに、なんであゆだけ…。あゆは押し入れ
からダンボール箱を取り出した。
7月某日 天気:晴れ
夜中、いきなり宅配便が届いた。ふざけんなっての。寝不足はお肌の大敵な
んだから!
「あぁ〜、アタシもうやだよぉ〜!あゆまであんなんだったなんてさぁ〜!つー
か、マジアタシこれから何信じて生きてけばいいのよぉ〜!!」
「後藤、誰にも触れてほしくない過去っちゅーんがあんねん。そんなこと言うた
らアカン…」
なんか、イヌが寂しそう。イヤなこととか思い出しちゃったのかな?
7月某日 天気:曇り
朝起きると、部屋中が荒らされている。まさか裕子と真希の仕業!?
「うわぁ〜!鈴木あみってこんなブラつけてんのぉ〜!?お前はなんに使うん
だっつーの!!」
「しかもえげつない色してんなぁ〜。いくら色っぽい形してても色がこんなんや
ったら男引くで、ホンマに」
「しかもサイズちっちゃ〜い!アタシじゃはいんないよぉ〜!!」
あ、真希が裕子に殴られてる。口は災いの元ってホントだったんだ。
7月某日 天気:曇り
裕子と真希は、アタシのブラの秘密を知ってからもう好き放題してる。マジむ
かつくよ!
2人はさっきからキッチンで何かしてる。ちょっと脅かしてやろうかな?
「何コレ、まっずぅ〜!こんなんでよく料理上手とか言えるよねぇ〜」
「ホンマやな〜。こりゃなっちとええ勝負やで?あぁ〜、メッチャ気分悪いわぁ。
おい、あみ〜!コンビニ行ってなんか買うてきてぇなぁ〜!!」
今日、アタシは人生最大の屈辱を味わった…。
7月某日 天気:晴れ
ベランダでタバコを吸っていると、マンションの下に大きな箱が置いてある事に
気付いた。なんだろう?少し気になる。
「クッソー!なんでやねん!お前のメシよりコンビニのメシの方がうまいっちゅー
ねん!!」
「あみー!お前ふざけんじゃね〜よぉ!!最近人気ないからってアタシ達に
あたんないでよぉ〜!!!」
これはこれは、…苛めがいがありそうな素材ね。
7月某日 天気:雨
イヌとアザラシは、昨夜のアタシのしごきにすっかり怯えている。あの2人の怯
えた目を見るとゾクゾクする。本当にいい素材を拾ったわ。
「裕ちゃ〜ん、アタシもうここイヤだよぉ〜!!まさかあんな事されるなんて…
嫁入り前なのに…グスッ」
「アホかい!あそこまでされて黙って出ていけるかい!なんとしてもあのアホの
弱みを掴んだる!!ウチらをなめたらアカンで!!!」
イヌにはまだ調教が必要みたいね。
7月某日 天気:曇り
イヌはなかなか根性があるみたい。アタシの調教にも必死で耐えている。で
も、もうそろそろ限界かな?アザラシはもうアタシの思うがままだし、あとはイヌ
さえ手に入れれば…ふふふ。
「後藤、後藤!!コレ見てみぃや!マクドでしか買えへんキティーちゃんや
ん!しかも全種類あるで!?」
「うっそ〜!あの人こう言うの好きなのぉ〜!?マジでぇ〜!!さいあくぅ
〜!イメージ壊れたよぉ〜!!なにが新宿系だよぉ!サンリオ系じゃ
ん!!もうこれからはサンリオ系歌手に名前変えろっつーの!!」
「そやそや!ちゅーか自分タンポポ入れや、タンポポ!!サンリオみたいな衣
装着てフリフリ歌うてろっちゅーねん!!!」
アタシの秘密を知った者は…………消す!!
7月某日 天気:曇り
お仕事から帰ったら、部屋の前に大きなダンボール箱が置いてありました。箱
には何個か血の跡がついています。ヤダっ!何コレ!?誰かのイヤガラ
セ!?
「ちょっと聞いてよぉ〜!椎名林檎アタシ達のこと殺そうとしたんだよぉ〜!?
いくらなんでも包丁まで持ち出すなっつーの!!!」
「後藤なんかまだええやん!?ウチなんかガムテープでグルグルにされたうえに
花瓶で頭どつかれたんやで!?ホンマ死んでまうわ!!!」
お願い…誰か恭子を助けて…。
7月某日 天気:晴れ
恭子の毎日は、完全に裕子と真希に支配されてしまいました。注意したい
んだけど恐くてできません。
「うわぁ〜!足でか!!マジでかいってコレ!!いくら顔がかわいくても足見
たら引くっての!!」
「ちゅーかコレもうビッグフットやん!?ちょお今すぐ新聞社電話して取材して
もらおうや!!取材!!ビッグフット捕まえたら、ウチら一気に有名人や
で!?」
イヤ…こんな毎日もうイヤ…。
7月某日 天気:晴れ
最近、いつもごまと一緒にお風呂に入っている。最初はお湯をイヤがっていた
けど、今はもう平気なようだ。
「きゅ〜ん!きゅきゅきゅ〜〜ん!!」
ごま、ダメだってば。そんなトコ触っちゃ…。
「いやぁ〜!!平家さんのヘンタイ!!!動物と、動物とそんなことするなん
てぇ〜!!ヤダ!ヤダぁ!!アタシに近寄んないでぇ〜〜〜!!!」
「みっちゃん!いくらなんでもソレはアカンと思うで!?ごまにもごまの意思っち
ゅーもんがあるんや!こう言うんはやっぱり双方合意の上でせなアカンとウチ
は思うねん!!」
久しぶりに見た2人は、まったく成長と言うものを見せなかった…。
7月某日 天気:晴れ
最近、いろんな人からの苦情電話が殺到している。あの2人がお邪魔した家からだ。
何故アタシの所にかけてくるのだろう?飼い主はまだ圭ちゃんなのに。
「おいコラ!みちよぉ!!またウチらを追い出すつもりなんかぁ!?」
「そう言うコトしたら平家さんとごまの怪しい関係みんなにばらしちゃうからね!!」
これ以上、恥をさらすワケにはいかない。
・・・仕方がない。アタシが飼おう。ごま、いいよね?
「きゅ〜〜ん!」
これからもごまには苦労をかけるだろう。でも大丈夫!アタシとごまの関係はそんな
事では崩れたりしないから・・・。
「裕子と真希の放浪日記」 完