冬のある晩、遠い国のお城で、雪のように肌の白いとは言いがたい女の子
が生まれました。梨華雪姫と名づけられたその子は、やがて心の優しい、美
しい娘になりました。けれども、優しかったお母様は病気で亡くなり、お城に
は、2度目のお妃様が来ました。2度目のお妃様はいじわるな人でした。梨
華雪姫に粗末な服を着せて、毎日水くみや掃除をさせるのでした。
保田「石川!ちょっとカワイイからっていい気になんないでよね!ほら、早くコ
コ掃除しなよ!」
石川「そんな…保田さんに比べたら誰でもかわいく見えてしまいます。私が悪
いんじゃありません…」
保田「なんだって!?ホントに生意気な子ね!そんなんだから空回りしてる
とかキャラが薄いとか言われんのよ!!」
石川「私のキャラが薄いんじゃありません…。みんなが濃すぎるんです…」
保田「そうなのよね〜、みんなキャラが濃すぎんのよ。だからアタシも目立たな
いとか暗いとか…ってそんなのどうでもいいのよ!いいからさっさと掃除
しな!アンタを見てると昔のアタシを思い出してムカつくのよ!!」
お妃様は魔法の鏡を持っていました。そして、毎朝鏡に向かって同じ事を
尋ねているのでした。
保田「鏡よ、鏡。この国中で一番美しいのは誰?」
飯田「そんなの圭ちゃんに決まってるじゃん。カオリはウソつかないよ」
保田「ほっほっほ〜!でしょ〜?アタシもいっつもそう思ってんのよ〜。でも世
間じゃアタシの事ガメラだとか必要ないとか実はマネージャーだとか…
まったくふざけんじゃないわよ!!」
飯田「そうだよ、みんな人を見る目がないのよ!カオリは圭ちゃんが一番カワ
イイと思うよ。ホント、なんで後藤なんかがセンターなのかな?センター
には圭ちゃんが一番ふさわしいのにね」
保田「そうよね〜。さすがカオリ!やっぱりカオリがアタシの一番の理解者よ」
飯田「そ、そうだね。(はぁ〜あ、早く終わんないかな〜。給料いいからこんな
仕事してるけど、カオリもうウソつくのイヤだよ)」
梨華雪姫は、どんなに辛い仕事を言いつけられても、イヤな顔ひとつしないで素直に明るく働いていました。
お城の隅には、願い事を叶えてくれると言われる小さな井戸がありました。その井戸に向かって、毎日願い事をするのが、梨華雪姫の日課でした。
石川「センターに立ちた〜い!ソロデビューした〜い!もっといじられた〜
い!いい男欲し〜〜い!!」
吉澤「おお!なんと美しく自分に正直な人だろう!?」
石川「(あっ、誰かいたんだ。う〜ん、顔はまぁ合格ね。頭も良さそうだし、将
来は官僚ってトコかしら。この辺で手を打つのが妥当ね)」
吉澤「すいませーん!聞いてますかー?」
石川「あっ、ごめんなさい。あまりにも素敵な人なので少し見とれてしまいま
した…」
吉澤「いえ、そんな。あの、いきなりで悪いのですが、私と結婚していただけま
せんか?」
石川「えっ…。そんな、私なんかでいいのですか?喜んで!!」
吉澤「本当ですか!?ありがとうございます!では、一度城に戻り、王の許
しを得てきます。少し待っていてください」
お妃様は幸せそうな2人の様子をお城の窓から見て、もうカンカンです。何故自分にはあんな幸せが訪れないのか不思議でしょうがないのです。そこで、改めて魔法の鏡に尋ねてみました。
保田「カオリ!正直に答えて!この国中で一番美しいのは誰!!?」
飯田「圭ちゃん、ゴメンね。カオリ今までウソついてたの。一番美しいのは圭ち
ゃんじゃなくって梨華雪姫だよ。つーかさ、圭ちゃんもホントは分かって
たでしょ?だって見ればすぐ分かるじゃん」
保田「キィィィィィィィィィィ!!ふざけんじゃないわよ!カオリ!アンタなんかもう
クビよ、クビ!!さっさと北海道に帰りな!!」
飯田「イヤ!圭ちゃんガメラになってる!!カオリ恐〜い!!」
正直者の鏡に怒ったお妃様は家来を呼んで恐ろしい事を命令しました。
保田「みっちゃん!石川を殺してその心臓をアタシのとこに持ってきな!」
平家「えぇ!なんでアタシがそんなんせなアカンねん。アタシそんな恐ろしい事
ようできひんわ」
保田「そんな事ばっか言ってるからCDセールスも伸びないのよ!いいからアタ
シの言う通りにしなさい!!」
平家「CDセールスは関係ないやん!アタシには梨華雪姫を殺すなんて事
できひんっちゅーねん!!」
保田「へー、そう言う事言うと、『モーニング刑事』の恥ずかしい映像を全国に
流すわよ!」
平家「そ、それだけは勘弁してぇな!…つーかアタシより圭ちゃんや市井ちゃ
んの方がよっぽど恥ずかしかったと思うねんけどなぁ…」
保田「なんか言った!?」
平家「な、なんでもありません!ほな、アタシ行ってきます!!!」
お妃様に脅された情けない家来は、梨華雪姫を殺すため森の中へ向かいました。
平家「梨華雪姫!アタシのために死んでもらうで!!」
石川「あら、平家さん。こんなところで何をしてるんですか?また保田さんに
苛められたんですか?平家さん…可哀相」
平家「そやねん、アタシまた圭ちゃんに苛められたんや…ってちゃうわ!なんで
殺そうとしてる相手に慰められなアカンねん!ええからもう死にぃや!」
石川「平家さんひどい!保田さんの命令だったらなんでもするんですね!?
私はなんにもしてないのに!それなのに…それなのに私を殺すんです
ね!!」
平家「いや…なんちゅーか、その…。お願いやからそんな目で見んといてぇ
な。まるでアタシが悪いみたいやん…。」
石川「平家さん、なんでそんな事言うんですか!?あの夜…あの夜あんな
事までしたくせにぃ!!!」
???『なんだってぇ!?』
突然の声に驚いた情けない家来が後ろを振り向くと、そこにはなんと、7人の小人が立っていました。
中澤「おいコラみちよぉ!そらどういう事やねん!まさかウチの梨華雪姫に手
ぇ出したんやないやろなぁ!?」
後藤「ひどいよ、平家さん!好きなのはアタシだけだって言ったのにぃ〜!」
辻「てへてへ」
加護「平家はん、後藤はんと姫と二股かけてたんかぁ?情けない、情けない
思っとったけどなかなかやるやないか」
矢口「つーかさ、小人とか言ってるけどみんなデカイじゃん!本当に小人なの
は矢口と辻だけだぞー!!」
稲葉「そやねん!後藤はんなんか絶対小人ちゃうわ!特に胸が!!それが
小人の胸かっちゅーねん!!」
信田「いいじゃん、別に。ていうかひがみにしか聞こえないよ」
平家「な、なんなん。これは?」
石川「最近森で一緒に遊んでいる小人のみなさんです。とっても優しいし、
保田さんみたいに恐くもないし、平家さんみたいに情けなくもないんで
すよ」
情けない家来に対する小人達の尋問はまだ続きます。
中澤「そやから自分はウチの梨華雪姫に手ぇ出したんやな!?」
平家「アホかい!そんなんしてへんわ!ちゅーかいつのまにアンタのもんになっ
たんや!!」
石川「ひどい!平家さん、なんでそんな事言うんですか!?あの雨の夜、嫌
がる私を無理矢理…うぅ…。私、初めてだったのに…」
平家「せやからアタシそんなんしてへん言うとるやんか!!」
後藤「平家さん、ウソですよね!だってあの夜アタシを抱きながら『アタシが好
きなんはアンタだけやで』って言ったじゃん!!」
平家「なんでやねん!そんなん言うた覚えはないし、それ以前にアンタとそん
な関係になった覚えもないっちゅーねん!!」
辻「てへてへ」
加護「平家はんモテモテやなぁ。いや〜、うらやましいわ」
平家「なに気楽な事言うてんねん!そんなん言うんならいくらでも代わったる
わい!!」
矢口「つーかさ!なんで裕子は『ウチの梨華雪姫』とか言ってんだよー!裕
子は矢口一筋じゃなかったのかよー!!」
稲葉「矢口はん、ゴチャゴチャするさかいアンタは黙っときぃや…」
信田「そんな…中澤さんと矢口さんがそんな関係だったなんて…、そんな…」
森の中には、小人達と梨華雪姫と情けない家来の声が響き渡っています。森の動物達は、その声に恐れをなして、みんな逃げ出してしまいました。
中澤「ちょおはっきりさせようや!自分はウチの梨華雪姫と後藤の両方に手
ぇ出したんやろ!?これは確定でええやんなぁ?」
平家「なんでそれが確定やねん!そこから間違っとるっちゅーねん!!」
石川「ひどい、平家さん…。私の純潔を奪っておきながらなかったコトにする
つもりなんですか!?」
辻「ごうひろみれすか?てへてへ」
後藤「ひどいよ、平家さん!アタシとの関係もなかったコトにするんですか
ぁ!?アタシ本気だったのにぃ!!」
辻「やっぱりごうひろみれす。てへてへ」
平家「なんでみんなアタシを無視して話を進めんねん!アタシはなんもしてへ
んっちゅーねん!!」
辻「へいけさんこまってるれす。こまったときはてへてへれす。てへてへ」
矢口「だからさー!なんで裕子の梨華雪姫になるんだよー!!」
稲葉「矢口はんは黙っときぃ!自分絡むと話がようわからなくなんねん!」
信田「てへてへ」