むかし、貧しい後家さんと娘のののが住んでいました。二人は「ごま」という
牝牛を飼っており、ごまのミルクを市場で売って細々と暮らしていました。とこ
ろが、やがてごまの乳が出なくなり二人はごまを売るしかなくなってしまいまし
た。
中澤「のの、しゃーないから自分ごま売ってきぃや。乳が出んようになっても元
ごま乳っちゅーだけで結構な値段がつくやろ。ヤフーオークションあたり
でええから」
のの「ごま売っちゃうんれすか?ごまがかわいそうれす…」
中澤「なんやねん、ウチになんか文句でもあるんかい!?あんまブツブツ言う
とると、自分モーニング辞めさすで!?」
のの「わかったれす…」
お母さんに脅されたののは、しぶしぶごまを売りに出す事にしました。ヤフー
オークションにアクセスする為インターネットカフェへ向かう途中、ののは変なお
ばあさんに会いました。
安倍「ののちゃ〜ん、どこ行くべさ?」
のの「インターネットカフェれす。ごまをヤフーオークションに出すんれす」
ごま「きゅ…もぉ〜!(そうなんです、アタシ売られちゃうんです)」
安倍「ねぇののちゃん。ごまとこの豆を交換するべさ」
のの「ダメれす、お母さんに怒らえるれす…」
安倍「この豆はダンス☆マンも驚いたと言う不思議な豆だべ。この豆を蒔け
ば一晩で天まで届くべさ」
のの「ホントれすか!?ダンス☆マンがいうんならしんじるれす!つぎのしんき
ょくもおねがいするれす!!」
ごま「もぉ〜!?(ちょっとののちゃん!アタシこの人ヤなんだけどぉ〜!!)」
安倍「何モーモー言ってるべさ?よし、このまま後藤をどっかに捨ててくるべ。
後藤さえいなかったら娘。の顔はなっちだべ!」
家に帰ると、お母さんはごまがいくらで売れたかと尋ねました。ののがごまを
豆と交換した事を告げると、お母さんはカンカンに怒りました。
中澤「おいコラァ!自分何考えてんねん!ホンマやってられへんわぁ!!こん
なモン持ってきてどないせえっちゅーねん!こんなモンは窓の外にポイ
や、ポイ!!」
のの「あぁ!お母さんやめてくらさい!!」
中澤「あー、せいせいした。のの!今度こんなふざけた事しよったらただじゃ済
まさへんで!ええな!!」
のの「はいれす…」
次の日、ののが目を覚ますと豆の木が天まで伸びていました。あのおばあさ
んの言った通りです。ののは豆の木を登って行きました。お母さんは夕べ遅く
までお酒を飲んでいたので、まだ寝ています。
天に着きました。広い道を歩いて行くと、大きな家がありました。その家の
入り口には、とても背の高い大女が立っていました。
のの「おはようごらいます。ののはおなかがすいてるれす。あらごはんをくらさい」
飯田「朝御飯ってちょっとずうずうしい子ね。でもダメ、カオリのだんなさんは人
食い鬼なの。食べられないうちに早く逃げなさい」
のの「おねがいれす。のののお母さんはおさけばっかのんでいて、ののにごはん
をくれないんれす…。おねがいれす!めがみさまみたいにやさしそうな
お姉さん!!」
飯田「ヤァ〜ダァ〜!辻ってば正直者ぉ!!しょーがない、ちょっとだけだよ」
人食い鬼の奥さんはののを台所に連れていってハイオクをくれました。奥さ
んの親切はうれしいのですが、ののはハイオクを飲む事ができません。
その時、ものすごい足音が近づいて来て家が揺れ出しました。人食い鬼が
帰ってきたのです。奥さんはののをかまどの中に隠しました。
保田「ちょっとカオリ。なんか人間のニオイするんだけどさぁ〜」
飯田「気のせいじゃないのぉ〜?それより今日も金貨数えるんでしょ?はい
用意しといたよ」
保田「ありがと、カオリ。でもあたし金貨数えてると眠くなっちゃうんだよね。い
ちま〜い、にま〜い、す〜…」
飯田「眠ったみたいね。辻、今のうちに逃げなさい!って、あっ!辻!金貨
は持ってっちゃダメだってば!!コラ〜!辻〜!!」
のの「(ごめんらさい!やっぱりののはお母さんのこどもれす!金貨をみると、
ついぬすみたくなるんれす!)」
ののが盗んで来た金貨を見て、お母さんは大喜びです。それからしばらくの
間、のの親子は安楽に暮らしました。しかし、たくさんあった金貨もあっと言う
間にお母さんの飲み代に消えてしまいました。
中澤「のの、自分がムダ遣いばっかしよるからもう金貨がのうなってもうたわ」
のの「…(お母さんがおさけばっかのむかられす。ののはほとんどつかってないれ
す…)」
中澤「のの、ウチの言いたい事はわかるな。ほな、はよ行ってこんかい!」
のの「もうどろぼうはイヤれす…」
中澤「おい、行くのか行かんのかどっちやねん!ウチはどっちでもかまへんで?
けどなぁ、もしも行かんかったらつんくさんに頼んで自分一生コーラス
担当やで?それでもええんか?」
のの「わかりました…。いくれす…」
中澤「そうや、それでこそウチの子や!今度はもっとええもん盗ってきぃや〜!」
お母さんに脅されて、ののはまた天へと登って人食い鬼の家に行きました。
飯田「辻〜、こないだの金貨どうしたんだよぉ!あぁ?圭ちゃんマジで怒って
るよ!?」
のの「ごめんらさい…。お母さんがぜんぶのみしろにつかってしまったんれす。だ
からもうないれす…。それで、お母さんはまたなにか盗んでこいって…。
盗んでこなかったらもういえにはいれないって…グスッ…」
飯田「何ソレ、マジひどくない?辻可哀相…。そうだ、カオリいいものあげる。
ほら、コレ。黄金の卵を産むメンドリだよ。コレを持って帰んなよ」
加護「なんでやねん!なんでやねん!」
のの「へんななきかたするメンドリれすね…」
飯田「でも、ちゃんと卵は産むんだよ。辻、見てて。産め!!」
加護「あ〜、出てもうたわ!(コロン)」
のの「すごいれす!金のタマゴれす!!めがみさまみたいにやさしくてきれい
なお姉さん、ありがとうれす!」
ののが「産め!」と命令するたびに、黄金の卵を産むメンドリは卵を産みま
した。もうお母さんは浮かれまくっています。
中澤「はっは〜!こりゃええわ!産めっちゅーたびにタマゴ産みよるわ。ごまな
んかよりよっぽど金になるで。のの、ええモン盗ってきたな〜。お母さん
誉めたるわ」
のの「はいれす。ののがんばったれす!」
中澤「のの、わかっとるな。あの家にはまだこんなんがぎょうさんあるんやで?」
のの「…またいくんれすか?」
中澤『あ、もしもし。つんくさん?ののがモーニング辞めたい言うとるんやけどな
ぁ?うん、そやねん。ウチも止めたんやけど、どうも本人の意思が固くて
なぁ〜…』
のの「お母さんごめんらさい!ののはいくれす!!」
お母さんのえげつない脅迫に耐えられず、ののはまた人食い鬼の家へと向
かいました。
飯田「辻〜、またお母さんに脅されたの?」
のの「そうれす…お母さんはこわいれす。ののはさからえないんれす…グスッ…」
飯田「じゃーコレが最後だよ。圭ちゃんも最近カオリの事疑ってるみたいだから
さ〜。はい、黄金のハープ」
矢口「なんで矢口がハープなのさー♪ねぇ、なんでだよー♪」
のの「あんまりおうたがじょうずじゃないれす…」
飯田「ワガママ言わないの!でも街で歌わせたら少しはお金になるからさ〜。
ね、今回はコレでガマンして」
矢口「ガマンってなんだよー♪ガマンってさー♪」
のの「ありがとうごらいます!めがみさまみたいにやさしくてきれいでナイスバデ
ーなお姉さん!」
人食い鬼の家では、人食い鬼が奥さんに向かって怒っていました。どうやら
ののの事が原因のようです。
保田「っていうかね、あの子絶対おかしいと思うんだけどさ。カオリはそう思わ
ない?」
飯田「だってだって〜!イジワルなお母さんに苛められててすっごい可哀相な
んだよぉ!?」
保田「だからソレがおかしいのよね。時々ネットで下の情報仕入れてんだけど
さ、あのお母さん確かに酒癖は悪いけど子供を苛めるような人じゃな
いらしいのよ」
飯田「それどう言う事?」
保田「カオリ、ちょっとあの家の様子を見てみよう。ホントはこんな事しちゃいけ
ないんだけど、やっぱ気になるよ。モニター室に行けば、下の様子は全
部チェックできるからさ」
飯田「カオリはあの子の事信じたいな。だってまだすっごく小さいんだよ?あの
子がウソついてるだなんて、カオリ信じたくない」
黄金の卵を産むメンドリ、そして黄金のハープを手に入れたお母さんはもう
狂喜乱舞です。早速酒屋さんにドンペリを注文しています。
中澤「のの〜!自分ホンマえらいで!お母さんうれしくて涙出てまうわ」
のの「はいれす!ののがんばったれす!」
中澤「しっかし人食い鬼っちゅーのもアホやなぁ?こんな簡単に金目のモンが
手に入るとは思ってへんかったわ」
のの「ひとくいおになんてこわくないれす。ののがちょっと泣けばすぐいうこときい
てくれすれす」
中澤「でもののも結構やらしいなぁ。ウチがけしかけな行かへんやん。ホンマは
メッチャやる気なのに、なぁ?」
のの「ののにもりょうしんがあるんれす。じぶんから行くなんてことできないれす。
ののは、お母さんにいわれたからしょうがなく行ったんれす」
中澤「そやそや、警察に捕まったらそう言うんやで?ええな?」
のの「ぼろいしょうばいれす」
中澤「ホンマやな!はっはっは〜!!」
その頃、のの親子の様子を見ていた人食い鬼の奥さんはもうカンカンです。
ののとお母さんに騙されていた事がわかったからです。
飯田「ちょっと何アレ!マジ!?ちょ〜ムカツク!!」
保田「だから言ったんじゃん。あの手のタイプは裏で何考えてるかわかんない
よ?」
飯田「圭ちゃん、やっちゃって!カオリ久しぶりにマジで切れた!!」
保田「やっちゃってって、カオリ!メンドリとハープはどうすんのよ!?」
飯田「そんなのカオリ知らな〜い!もういいよ!圭ちゃんがやんないならカオリ
がやるから!行くよ、セクシービーム発射!!ポチッとな」
ドッカーン!ものすごい音と共に、のの親子の家は一瞬にして灰と化しまし
た。これが、人食い鬼の家に設備されている最終兵器、「セクシービーム」の
威力なのです。
かろうじて命だけは助かったののとお母さんですが、爆破のショックからメンド
リは卵を産まなくなり、ハープは声を枯らしていまいました。結局、のの親子
は今までの数々の悪事がばれて、警察に捕まってしまいました。
中澤「クッソー!ウチらをなめたらアカンで!絶対脱獄したるわい!!」
のの「あのおくさん、ゆるさないれす!ののをコケにしたつみはおもいれす!!」
加護「なんでやねん!なんでやねん!」
矢口「悪いのはお前らだろー!なんで矢口がこんな目に会うんだよー!!」
石川「もう、おとなしくしなさい!はい、早く留置所に入って!」
中澤「このままじゃ終わらんで〜!!のの、リターンマッチや!!」
のの「はいれす!ののはまけないれす〜!!!」
そう言えば、ののが豆と交換したごまはどうなったのでしょうか?
安倍「ゴメンだべさ〜!やっぱり娘。の顔は後藤だべさ〜!!」
ごま「もぉ〜!(アタシに勝とうだなんて100年早いんだよぉ!)」
安倍「後藤〜、お願いだべ!許して〜!このままじゃなっちエロ親父の妾に
なっちゃうべ!!」
稲葉「なんやねん、アンタはアタシがこの牛から買うたんやで?ホンマに往生
際の悪いやっちゃな〜」
ごま「もぉ!(じゃ後はお好きなように)」
ののに豆をあげたおばあさんは、お金持ちのお妾さんになりました。めでた
し、めでたし。
「娘。名作劇場」その1:ののと豆の木――おしまい。