むかしある所にお母さん豚と3匹の子豚がいました。お母さん豚は貧乏で、
子供達を自分で育てきなくなってしまいました。
中澤「しゃーないな、自分らもうどっか出てきぃや。ウチこれ以上自分ら育て
る事できひんねん」
後藤「なんでよぉ〜!お母さんがお酒ばっか飲んでるからお金がなくなったん
じゃん!お酒控えればいいじゃん!!」
矢口「そーだよ!なんで裕ちゃんの尻拭いを矢口達がしなきゃいけないんだ
よー!出てくんなら裕ちゃん1人が出てけばいいじゃん!」
安倍「なっちはお腹がすいたべさ」
中澤「おい、自分ら誰に向かって口きいとんねん!ウチがその気になったら自
分らなんかいつでも事務所に頼んで辞めさせる事ができんねんで?」
後藤「できるもんならやってみなよぉ!事務所は絶対裕ちゃんよりアタシ達と
るよ!!」
矢口「そーだよ!矢口と後藤は事務所にもモーニングにも必要な存在なん
だよ!!」
安倍「…なっちは?」
中澤「うっさいわー!!ええからとっとと出てかんかい!!!」
お母さんがキレてしまったので、子豚達は仕方なく家を出ることにしました。
始めに出かけた豚は、道の途中で藁束を担いだ人に会いました。
矢口「ねぇーねぇー!矢口家建てたいんだけど、そのワラ矢口にくれない?」
平家「なんでやねん。これはアタシのモンや。そんな簡単にはあげられへんで」
矢口「みっちゃん、矢口の言う事に逆らうんだ?へー、結構勇気あるね?」
平家「そ、そんな脅し恐ないで!ア、ア、アタシかていつまでも負け組ちゃうね
んからな!!」
矢口「へー、ここで矢口にワラ渡してちょっと困るのと、このまま人生終わって
一杯困るのとどっちがいい?」
平家「ぜ、是非お使いください!!!」
親切な人が快く藁をくれたので、子豚は自分で家を建てました。幸いこの
子豚は身体が小さかったので、リカちゃんハウス並のサイズで間に合いまし
た。室内は、もちろんクラブ仕様です。
ところが、子豚が15センチの厚底を着用しダンスダンスしていると、オオカミ
がやってきて戸を叩きました。
保田「矢口、矢口ー!今年最新式の20センチの厚底もって来たから入れ
てくんない?」
矢口「えーダメー!だってさすがに20センチは恐いよー!15センチならオッケ
ーかな?」
保田「へー、そう?じゃアタシの鼻息でこんな家吹き飛ばしてあげるよ!ふん
っ!!!」
矢口「いやー!!ガメラに殺されるー!!!」
保田「ガメラじゃなくってオオカミだっつーの!!ま、いいや。いっただっきまぁー
す!!…う〜ん、まぁまぁかな?68点ってトコね。アタシって結構グル
メだね〜」
次の子豚も、お母さんに蹴っ飛ばされてようやく家を出ました。フラフラと歩
いていると、道の途中で木の枝の束を担いでいる人に会いました。その人は
なんだかひどく怯えていました。何かあったのでしょうか?
後藤「すいませ〜ん!アタシ家造りたいんでその木の枝くれませんかぁ〜?」
平家「なんでやねん!そんなんイヤや!もう脅されたってアタシは渡さへん
で!脅しなんて恐ないっちゅーねん!!」
後藤「平家さぁ〜ん、なんでそんなにイヤがるんですかぁ〜。いいじゃないです
かぁ、ねぇ〜」
平家「そ、そんな甘えた声出してもムダやで!ア、ア、アタシはそんなん別に
なんとも思わんさかいな!!」
後藤「へぇ〜、じゃこう言うコトしちゃってもいいんだぁ〜?ね、へ・い・け・さぁ
〜ん」
平家「ぜ、是非お使いください!!!」
親切な人が快く木の枝をくれたので、子豚は自分で家を建てました。この
子豚は何故か不器用だった為、家は今にも壊れそうです。
そんな事はまったく気にせず、子豚が呑気に居眠りをしていると、オオカミが
やってきて戸を叩きました。
保田「後藤、後藤ー!スイカとピスタチオ持って来たから入れてくんない?」
後藤「えぇ〜、それって一緒に食べるとなんかマズそ〜。だからダメだよぉ
〜!!」
保田「へー、そう?じゃアタシの鼻息でこんな家吹き飛ばしてあげるよ!ふん
っ!!!」
後藤「いやぁ〜!!ガメラに犯されるぅ〜!!!」
保田「犯されるって…。アンタもうちょっと中学生らしいこと言いなよ。ま、いい
や。いっただっきまぁーす!!…う〜ん、結構いけるな。82点ってトコ
ね。やっぱポイントは胸ね。最近80越す子って珍しいな、ラッキー!」
3番目の子豚も、お母さんに一升瓶で殴られて仕方なく家を出ました。空
腹に耐えながら道を歩いている途中、たくさんレンガを運んでいる人に会いま
した。その人はなんだかひどく動揺していました。何かあったのでしょうか?
安倍「なっちにレンガくれだべ。なっちは家を建てたいべさ」
平家「なんでやねん!そんなんイヤや!アタシは別に色仕掛けなんて恐ない
で!?あんな子供にドキドキなんてしてへんで!!」
安倍「なんでだべさー!矢口と後藤にはいろいろあげたべ!?なんでなっち
にはくれないべさー!!」
平家「そ、そんな怒ってもムダやで!ア、ア、アタシはそんなん全然恐ないね
んからな!!」
安倍「もういいべさ!!力づくだべさ!!!」
平家「ちょ、安倍ちゃん!?イヤや!アカンて!!そんなんしたらアタシ死ん
でまうて!!イヤ…イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
子豚達に藁と木の枝とレンガを奪われてしまった人は、1人トボトボと歩い
ていました。その寂しげな後姿に何かを感じたオオカミは、その人に近づいて
いきました。
保田「みっちゃん、どうしたの?不幸そうな顔が余計不幸になってるよ?」
平家「不幸そうやのうてアタシはホンマに不幸なんや。3匹の子豚に藁と木の
枝とレンガを奪われてしもうたんや…」
矢口「それってひょっとして矢口達のコト?」
後藤「あ〜、さっきのお姉さんだぁ〜。アタシの身体が忘れらんなくって追いか
けてきたのぉ〜?」
平家「こ、こいつらや!!こいつらがアタシを脅したりいろいろして奪っていった
んや!!!」
保田「みっちゃんもこの2人に困ってるの?アタシもこの2人さっき食べたんだ
けど、胃の中でバタバタ暴れるからつい吐いちゃってさ。ホント、迷惑よ
ね〜」
オオカミと子豚達は、不幸そうな人の為にレンガを取り返す方法を相談し
ました。
平家「ちゅーかアンタらも持ってったやん?それはどうなんねん!!」
矢口「やっぱさー爆破じゃない?派手だし気持ちいいじゃん?」
後藤「あ、アタシ爆破にさんせ〜い!!だってスッキリしそうじゃん?ねぇねぇ、
コレにしようよぉ〜!!」
保田「じゃ早速火薬とか買いに行こうか?みっちゃん、お金よろしく!」
平家「アタシの話を聞かんかい!!しかもなんでアタシが金出すねん!なん
でやねん!!」
夜になりました。レンガの家の周りには4つの影がうごめいています。レンガを
奪った子豚は、そんな気配にはまったく気付かず、ビビンバ丼を食べていまし
た。
保田「全員戦闘配置につけ!」
矢口「はっ!」
後藤「おっけ〜!!」
平家「なぁ、ホンマにやるんか?アタシ別にレンガくらいもうええねんけどなぁ」
矢口「点火準備OK!カウントスタート!!」
平家「しかも安倍ちゃんアンタらの姉妹やん?こんなんしてもええんかぁ?」
後藤「カウントスタ〜トぉ〜!5〜…4〜…3〜…2〜…1〜…」
保田・矢口・後藤『ファイヤー――――――!!!!!!』
次の瞬間、子豚の作ったレンガの家は跡形もなく消えていました。オオカミ
と2匹の子豚は、満足気な顔で、レンガの家があったらしい場所を眺めてい
ます。
平家「ちょお待ってぇな!!アタシのレンガを取り戻してくれるんちゃうんか
い!?レンガないやん!?なぁ!レンガもうないやん!!?」
後藤「あはっ、そう言えばそうだね。つーか、爆破する前にこうなることに気付
かなかった平家さんが悪いよ」
矢口「いいじゃん別に。ついでに悪も葬り去れたんだからさ」
保田「みっちゃん、過去にこだわっちゃダメ。アタシ達は前へと向かって進んで
くの!」
平家「なんでやねん!アタシ損しただけやん!しかも自分の姉妹に向こうて
よく悪とか言えるなぁ!?なぁ!ちょおアタシの話聞いてるんかぁ!!
なぁ!?なぁ!!?」
オオカミと2匹の子豚と不幸そうな人は、その後暗殺集団『モーニング』を結
成し、順調に活動を続けています。不幸そうな人は、今でもレンガの事を気
にしていますが、そのたびに脅されたり、色仕掛けでおろおろしたりと、なんだ
かんだと言って楽しい日々を送っているようです。
そう言えば、3匹の子豚を追い出したお母さんはどうなったのでしょうか?
安倍「裕ちゃん!聞いてだべさ!!矢口と後藤がなっちを殺そうとしたべ
さ!!なんでだべさ!?なっちはなんにもしてないべさ!!!」
中澤「あ〜、もう自分ホンマにうっさいなぁ!?何しに来たんや!何しに!!」
安倍「なっちも復讐するべさ!あの2人に復讐するべ!!」
中澤「そんなんどうでもええっちゅーねん!!自分ホンマええ加減にせんと丸
焼きにして食うてまうで!?」
お母さんは、子豚の一匹が帰ってきて、幸せに暮らしているようです。めで
たし、めでたし。
「娘。名作劇場」その4:娘。の3匹の子豚――おしまい。