「・・はんんんっんっんんっ・・・んっ・・あ・・もっと、強く突いて・・」
薄闇の中で動く汗ばんだ二つの肉体からは、熱い息遣いが響いてくる。
若い男に背後から激しく突かれ、女はよりそれを深く味わおうと、自らも動きに合わせて腰を
艶めかしくくねらせていた。
「うっ・・、裕子さん・・・俺、もう・・・」
「あかんて・・。まだ・・」
しかし、熟達した女の腰使いに少年は堪らず自我を放出し、その華奢な身体を女の上に重ねた。
「・・ぁはあ、はあ、はあ・・・ごめん・・・俺・・・」
自分の体の上で肩で息する少年を、女は母親のように優しく撫で、カラーコンタクトの中の
美しい瞳を向けていた。
(やっぱり見掛け倒しやったなあ。体格の割りにおっきいからチョットは期待したんやけど、
所詮、ジャニーズのガキなんて、こんなもんか・・・。圭坊もあんまりええセックスしとら
へんみたいやな・・・)
保田が「嵐」の相葉を始め、ジャニーズの連中とかなり乱れた交際を続けているのは、メンバー
内では周知の事実である。最近、保田が綺麗になってきたのは、そうしたことと無関係では
ないだろう。
好奇心で相葉を誘惑し、ツマミ食いしてはみたものの、中澤は予想以上の期待外れに、心底
ガッカリしていた。
(こんな幼稚なテクの男と付き合ってるゆうことは、意外に圭坊って、イカセてもろたこと、
ないんとちゃうやろか?てっきり、女としての歓びに目覚めてると思ったんやけどなあ)
中澤の関心は、既に体を重ねている年下の男とは別のところに向けられていた。
ラーメンに乗せる叉焼を切っている保田の後ろから、スリムな長髪の少年が近づく。
「もう、座っててよ。指切っちゃうよ」
保田の言葉には耳を傾けず、少年は優しく肩を抱くと、うなじにキスをした。
「ぁ・・ちょっと・・。後でね」
(ほんと、すぐしたがるんだから)
保田はぼやくのも無理はない。十代の少年の頭の中なんて、そのことしかないのだから。
事実、この日も食事を終えるや否や、早速行為に及んでいた。
「あん・・・。片付けがまだ済んでないよ」
「いいって、そんなの後で」
「もう・・・雅紀ってスキなんだから・・・」
年上の保田がリードする形はとるものの、二人の営みは、見るものにとっては酷く拙いもの
に映る。相葉が部屋に仕掛けたカメラから送り出される映像を見つめる二つの影。
「圭坊もまだまだやな。もっと強弱つけて吸わんと」
「くくく・・・。まるでママゴトだな」
市井は中澤の耳たぶに愛撫を繰り返しながら、若い二人の覚めた目で観察していた。
「あっあっあっ・・」
正味20分ほどで全てが終了すると、少年アイドルは、ぐったりと保田に被さって行った。
「どう?圭。良かったかい?」
「うん」
空々しい会話を嘲笑うように、市井は中澤の勃起した乳首を弄び、その動きに合わせるように
中澤の息もまた荒くなって行った。
若いカップルにありがちな、まったりとした時間を暫く過ごすと、相葉は女の部屋を後にした。
女のほうに変化が現れたのは、そのすぐ後だった。ベッドの脇に固定されたカメラからは
判り辛いが、なにやら手に持っているらしい。そして、おもむろに服を脱ぎ出すと、カメラを
背にベッドにもたれて座った。
ヴィイイイイン・・・・。
機械音と共に、さっきの相葉とのセックスでは聞かれなかった、雌の鳴き声が響き始めた。
「圭坊・・・、自分で・・・」
「やはり、満足できていなかったようだな」
やがて興奮した保田の動きが激しくなり、その行為はカメラにはっきりと映し出された。
快楽に溺れる女の顔は美しい。ただ、どんなに美人でもが、その時の顔が醜く崩れてしまう女
がいるが、保田の場合は全く逆だった。中澤も市井も、これほど妖しく美しい表情の保田を
見るのは、初めてのことであった。
(ああ・・。圭坊。あんなに乱れて・・・。あれ、マッサージ用のバイブやな。通販で買う
たんやろか?・・・あんなに激しく・・ああ・・)
中澤の指がレースの下着の中に滑り込んで行く。熱く潤ったそこに刺激が与えられ、その唇
から吐息が漏れる。
モニターの中の保田は、やがてつま先を伸ばすと、背筋を反らせて上り詰めて行った。
(ああ・・・。可哀相な圭坊・・・。ウチが本当の悦びを教えてあげる)
ホクロのついた口許を上気させる保田を見ながら、中澤もまた市井と自分自身の指に、快楽を
重ねて行った。
中澤の計画が実行に移されたのはツアー中のことだった。部屋に招き入れるチャンス
を作りやすいからだ。また、ツアー中はジャニーズのSFとも会えず、少なからず
欲求が募ることも計算のうちだった。
そして、念には念を入れ、保田の鞄から例のマッサージ器を抜き取って置くことも
怠らなかった。
(これで、圭坊の感度も普段より増すはず。後は相部屋になる明日の夜を待つだけ)
今夜、中澤と同室は市井である。明日に楽しみを控え、「前夜祭」が盛り上ったのは
言うまでもない。そのための「器具」まで目の前にあるのだ。
「・・・ぁあっ、あっ、んんんっ・・はああ・・・これっ、凄い!」
初めての道具を使っての自慰行為。例によって、市井の冷たい眼差しを前身に受け、
スリムな肢体を震わせる中澤。
「あははははは!いつ見てもあんたのオナニーは笑えるよ。それも年下のあたしに
見られなきゃ感じないなんて、本当に淫乱っすね?!」
「あぁ・・・紗耶香・・・もっとウチをなじって・・」
大量の愛液を滴らせ、快楽にのた打ち回る姿は、まさに雌そのものだ。
「これがあんたの正体なんだよね?えっちな中澤さん。ぎゃはははは!!」
「んんはあああああっあっつあっ・・・。そうですうう。これがあぁ・・・えっちな
ウチを・・・んっ・・もっと見てええ・・・んんんああ」
淫らな宴は深夜に及び、翌日を迎えようとしていた。
そして・・・・。コンコン。
「裕ちゃん、開けて」
夕食がてら外出していた保田が、ホテルの部屋に帰って来た。
さあ、ゲームが始まる。
「あははは。もう、やめてよお。裕ちゃん。くすぐったいよお」
つい5分ほど前までそう言っていた保田の唇からは、既に熱っぽい吐息と喘ぎ声しか漏れなくなっていた。
まるでそこが弱点であることを最初から知っていたかのように、中澤の指は正確に探り当てて来る。
「ああ・・」
右手は右の胸、左手は腰、その舌は左の首筋を、それぞれが別の生き物のように、同時に這いまわる。
中澤は、感覚が慣れてしまわない絶妙のタイミングで、次々と責める場所を変えてくる。
保田はシャツがはだけ、スカートも半分捲くれあがっている姿になっていたが、中澤は直にそれらの
場所には、なかなか触れてこない。じれったさに保田の体が艶めかしく揺れる。
「うふふふ。圭坊、すごいエッチな顔してるで。可愛いなあ・・・・」
「あっ・・・あっ!」
服の上からの愛撫は、微妙な感触を生む。乳首がブラとシャツに挟まれ、擦られて勃起する。
中澤の指がその乳首を軽く摘み、舌が耳の中に差し入れられた時、それが合図であるかのように
保田は最初の小さな頂上を迎えた。
「ん。はあああっ・・・」
彼女はお尻にきゅうっと力を入れ、背中を仰け反らせた。
「まだまだ、これからやで。もっと、良くしてあげる」
中澤は妖しく笑うと、保田のブラウスのボタンを外しながら、自らも上着を脱ぎ、本格的な行為
に移る準備をし始めた。
モーニング娘。全国ツアー三日目のホテルの一室の出来事であった。
保田の中心部からは、既に熱く滑ったものが溢れていたが、やはり中澤はなかなか触れて来ない。
全身が火照り、快楽の追求のみに忠実に動く。保田の中の淫靡な獣が目を覚まし始め、自ら中澤の
唇を貪り尽くそうと、拙い動きで舌を操る。
「・・・ん・・。厭らしいよ。圭坊」
汗の光る中澤の表情からも切なさが出始める。
中澤の技巧はよく熟練していた。絶えず場所を変える指の繊細な動き。触れるか触れないかの微妙な
唇での愛撫。切なそうな顔でのたうつ保田の姿を楽しむように、意地悪く、波状的に繰り返す。
「ねえ。ねえ。・・・・ああ、裕ちゃん・・・」
早くあそこを弄って欲しい。もう、我慢できないよ。
保田の心を見透かすように、中澤は内腿に舌を滑らして行く。
「ちゃんと、言葉に出さな、してあげへんよ」
ピンク色にひくひくと痙攣する場所に近づいた唇の動きが、またそこから遠ざかる。
「・・・あああ。意地悪う・・。」
しかし、もはや保田の快楽を欲する本能は、理性を駆逐するに充分な刺激を与えられていた。
「どこを愛して欲しいん?ここやろ?厭らしく涎を垂らしてるところやろ?」
保田の中の何かが弾けた。
「お○○こ!!あたしのお○○こにいい!してええっ!」
叫ぶのと同時に、中澤の唇がその場所に当てられ、小さな突起を強く吸い上げた。
「あっ、あっ、ああああああああっ・・・んんっ」
それが自分の発した声だということが信じられないまま、大きなうねりが保田を包み込んだ。
コンコン。事を終えた二人の空間にノックの音が響く。けだるく立ちあがった中澤が、ドアを少し
開くと、安倍が顔を真赤にして立っている。
「・・・聞こえてたよ、裕ちゃん。私にしてくれないと思ったら、あれ、圭ちゃんの声だったんだね。
ずるいよ・・・。なっち、もう我慢できないよ」
しゃあないなあ・・・。2回戦突入かい。なんでやねん!
安倍を部屋に招き入れながら、中澤は小さな、しかし嬉しそうな溜息をついた。
白く柔らかい肌の上を動く繊細な指の動きに、悦楽の虜になった3人の女が雌の声を
上げ続ける。同性同士、メンバー同士、上下関係。それらの言葉は、今や理性を完全に
失った彼女達にとっては、全く無意味な物だった。
舌の動きに仰け反る安倍を潤んだ瞳で見つめる中澤。
「あぁ・・なっち、いい・・のん?・・・あっ・・ああ・・」
その中澤の後ろから、彼女の敏感な部分を責める保田。
「裕ちゃんも溢れてるよ・・」
もう一方の指先は、自分の割れ目を弄っている。
「ああ・・・。裕ちゃん・・もう・・なっち、変になっちゃうよお・・あひっ・・」
情欲の炎に身を焦がす3人の女達。決してファンが知ることのないアイドルの真の姿。
快楽の海を漂いながら、中澤は自分の潜在意識が具現化しつつあることを理解しつつ
あった。
(メンバーみんなと、こんなことしてみたい・・・)
「っあっあああっ・・いぐっうっ・・・んん・・はあああ!!」
全身を襲う雷のような絶頂感を味わいながら、リーダーは禁を犯すことを確信していた。
あとは湧きあがってくる欲望を忠実に実行に移すだけ。
(あの長い髪・・・・。もう一度あのキスを・・・)
次のターゲットは決まった。
―――おわり―――