あれからどれくらい経ったのだろう。
今となっては思い出したくも無い、あの「事件」。
―
その瞬間のことは何も覚えてないんです。
でも、後から聞かされて耳が真っ赤になるのがわかるほど恥ずかしかった。
死んじゃおうと思ったほどですよ…。(苦笑)
―
人気アイドルが本番中に「失禁」してしまったという事件は、
一時、怪情報としてインターネットを中心に出まわったのだが、結局ガセとされ、その一件は収束した。
そりゃそうだろう。 そんなもの信じる方がどうかしてる。
最も、常識が常に真実の傍にある訳では無いのだが…。
「…耶香。 紗耶香ってば!」
「…え?」
振り向けば、そこには圭織が立っている。
「さっきから呼んでるのに!」
「あ、ごめん…」
「最近元気無いね。 大丈夫?
困ったことがあったらなーんでも言いなさい。
かおり、お金の相談以外ならなんでも聞いてあげるよ」
思わずぷっと吹き出してしまった。
まったく。 その無垢な笑顔に救われる。
「ありがと。 大丈夫だよ、平気、うん」
自分に言い聞かせるように言う紗耶香の表情を見て、その悩みの元がなんであるかを見ぬく。
圭織にもそれぐらいの常識はあった。
なるべく、触れないように。 触れないように。
「そうだ。 今度ウチに泊まりにおいでよ。」
「えっ?」
突然の提案である。
「いいの?」
「うん、ごちそうしてあげる。 肉焼いてあげるよ、紗耶香の好きな」
嬉しい。 もちろん異存なんかあるわけない。
「ありがとう!」
「今日くらいいいじゃない? じゃない?」
と、ディナーセットにはワインまで添えられていた。
あの「事件」以来、明らかにみんな自分を避けていた。
わかるよ、それくらい。 子供じゃないんだよ?
あの「事件」以来、このような優しさに触れたことは無かった。
それが、こんな…。 嬉しいよ。 涙が止まらないよ。
「かんぱーい!」
夢のような時間を持てることに紗耶香は最高の至福の時間を感じ、
未成年ゆえあまり飲めないワインさえも、この上なく美味しく感じ、つい飲みすぎてしまった。
「ね、今夜は *すべて* を忘れて飲もう…」
「圭織…、ごめん、私、少し酔っちゃったみたい」
紗耶香は、酔いの為か、トロンとした虚ろな目をしている。
圭織は、アルコールに強いのか、少しも酔ったように見えず、ますますその端麗さを際立たせていた。
「そのソファーで少し横になっていいよ。 酔いをさましたら?」
飲みすぎたせいか、なんだか肌寒い。
「圭織って… 綺麗だな」
あふれる幸福感の中でそんなことをふと思った紗耶香は、
このままずっと圭織の美しい顔をずっと見ていたかった。
けれども、迫りくる睡魔には勝てず、遂にソファーに身を横たえたまま、
紗耶香はいつしか深い眠りの底に吸い込まれて行った。
それが、新たな悲劇の幕開けとも知らずに…。
―
優しくされたかったんでしょうね。
今思うと、ですけど。
―
「うん?」
紗耶香は肌寒さで目を覚ました。
数秒後、その異様な状態を、認識しようとして、混乱する。
「えっ?」
紗耶香は全裸であった。
そして、縄のようなもので両手、両足を縛られ、大きなベッドの上に大の字に縛り付けられていた。
しかし、一番驚いたのは、縛り付けられた紗耶香の両足の間に、なんと圭織がいて、
その白く長い指が紗耶香の恥ずかしい部分を愛撫していたことであった。
「ちょっと! 何してるの?」
考えてみれば、これも間抜けな質問である。
しかし、他に何と聞けばいいというんだろう?
「圭織ね、前から紗耶香のことが好きだったんだ…。」
圭織はその美しい顔に一瞬妖しい陰を映して、むき出しにされた紗耶香の秘部を弄んだ。
時には優しくまだ幼い肉襞をなぞり、また時には肉唇の中の陰穴に指を入れて擦り上げ、
また時には、密やかに息づいていた花芯を探し当て、表皮を剥き上げた。
「きゃん!」
紗耶香は静かに悲鳴をあげた。
「かわいい!」
「どうし、てこんな、こと…?」
「好きよ、紗耶香…」
「い、やっ、やゃぁ…」
「気持ちよく無いの?」
「よくないよっ!」
精一杯の抵抗をする。
こんなのは誰でも嫌だよ?
圭織は、紗耶香の愛液ですっかり濡れ光るその白い指を突きつけ言った。
「これでも? これでもイヤって言うの?」
「いやっ、恥ずかしいよ…」
圭織はやれやれという顔をして、再び紗耶香の股間に顔を埋めた。
けれども * 慣れ * とは恐ろしいものである。
いつしか、紗耶香はその異常な状況に我を失い始めていた。
「紗耶香ぁ、遠慮する事はないよ。 気持ちいいんでしょ?」
圭織は、愛液を溢れさせている花弁の上の小さな肉芽を摘み上げて、指で剥きあげて、さらに舌先ですすった。
「ひぃっ!」
責める。
紗耶香は、その縛られた身体を精一杯動かして痙攣して見せる。
「ダメ…変になっちゃ、う、よ」
「ん、いいよ。 紗耶香…」
圭織は美しさに満ちた表情で、今までの倍の速度で、そして倍の強さで、花弁を擦り上げた。
そして。
「あ、ダメ、け、圭ちゃ、いくっ…!」
紗耶香が絶頂を迎えた。
「え? 圭ちゃん…?」
「ねぇ!」
「…ん。」
朦朧とした紗耶香に、詰問する圭織である。
「紗耶香! ねぇ、『圭ちゃん』ってどういうこと!?
ねぇ! 何? 何で『圭ちゃん』なの?」
「え、な、なにが…?」
「とぼけないでよ! さっき言ったじゃない、『圭ちゃん!』って!」
紗耶香は、実はとぼけていたわけでは無かった。
ただ、*いつもされてた* のが圭ちゃんだったから…。
習慣とは恐ろしいものである。
はっきりとした答えを出さない紗耶香を見て、圭織は断定をした。
「そう。 紗耶香と圭ちゃんって *そういう仲* なんだ。 ふーん…。」
「えっ、違う、なに? そんな、何が? ねぇ」
混乱してる。 何でだろ。
何も悪いことしてるわけじゃないのにね。
「ちょっ、その、違うのよ、圭織。 圭ちゃんはね…」
紗耶香を無視して、圭織はある宣伝をした。
「圭織、決めたよ。 紗耶香を私の奴隷にする。」
「はぁ?」
「決めた。 紗耶香みたいな可愛い子、他の娘に取られたくないもん。」
「え、いや、あの、そうじゃなくて…」
「決ーめーたーのー!」
「ひっ!」
その大声に驚いている紗耶香をよそに、圭織は、着ているものをすべて脱ぎ、
その美しいプロポーションをさらけ出した。
「ね。今から圭織が女王様だから。」
そう言うと、圭織はベッドの上に上がり、その長い脚を広げ、紗耶香の顔を跨ぎ、両膝をついた。
紗耶香の目の前に、圭織の濃厚な繊毛が惜しげもなく晒されている。
「さあ、舌でゆっくり嘗めて。さっきいっぱいしてあげたでしょう?」
…。
紗耶香は、ためらっていた。
が、当然ながら彼女に選択権は無い。
やるしかないじゃん。 他にどうするって言うの?
ひとつ首を振ると、目を瞑って舌と唇で圭織の花弁を愛撫した。
「んっ…!」
「そうよ。そこっ、あん、紗耶香、上手ぅ…」
圭織は、自分の左手で、豊かな繊毛の中の割れ目を広げ、紗耶香の舌をより奥深く進入するよう促す。
一方右手の方は、己の乳房を揉みしだくのに忙しい。
その下方では、紗耶香の舌が圭織の淫液と唾液でびちゃびちゃと淫らな音をたてていた。
「んっ、んっ…」
圭織に圧迫される形になっているので呼吸するのも大変だ。
鼻息は自然と荒くなり、それが圭織の繊毛をそよぐ。
「はぁ、いいよぉ、紗耶香ぁ…」
ひとしきり紗耶香の愛撫を楽しんだ圭織は、突然立ち上がると、奥の部屋に行ってしまった。
何よ…(ハァ…)もぅ…(ハァ…)終わりぃ…?(ハァ…)
そんなわけ…(ハァ…)無いよね…(ハァ…)
あ…(ハァ…)何か持ってる…(ハァ…)
「紗耶香偉いから、ご褒美をあげるね」
何かを確認しようと動く範囲で首を動かすと、革のベルトのようであるのだが、何かが違う。
圭織は、腰にベルトをまき、*余った* 部分を股間に通して腰に固定した。
「そ、それって…」
圭織の股間には男性器状の突起物が隆々とそびえ立っていた。
「欲しいでしょ? 今あげるからね…」
圭織は、紗耶香の両足のロープを解くと、うつ伏せにし、腰を高く持ち上げ、そして後ろから紗耶香を貫いた。
「いやーっ!」
「痛、い、ぃ、ぃいやあぁっ!」
紗耶香は激痛に泣き叫んだ。
もうすっかり濡れているとはいえ、紗耶香にとってそれはあまりにも太過ぎた。
「最初は誰でも痛いものよ。 でもそのうちに気持ちよくなるから」
圭織は、ゆっくりと紗耶香に入っていった。
「あぁぁぁぁぁっっっっっ」
紗耶香の指が圭織の白い肌に食い込む。
そこだけが、赤い。
ハァ… ハァ… ハァ… ハァ…
息遣いだけが行き交う部屋の中で、紗耶香の意識は消えかけていた。
「ま、だ、ま、だ…」
圭織は、紗耶香の体を後ろに引き起こし、そのモノを抜かないままに、
身体を入れ換え、腰を下ろし、仰向けに寝ころんた。
後向きの女性上位の格好である。
圭織が、腰を突き上げながら、紗耶香の肉裂を押し広げながら。
くちゅっ、ぐちゅっ、と厭らしい音を立てながら、男性器をすっかり飲み込んでいる紗耶香であった。
「ハッ…」
なんでだろ?
もうわかんないよ。
私、どこにいるのか。 何してるのか。
なんでもいい。 早く終わって欲しいよ…。
紗耶香の瞳から涙が零れた時、圭織が絶頂を迎えた。
そして。
「いい? 紗耶香は奴隷なんだから、これから圭織のいうことは何でも聞くんだよ…」