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隠れた主役

『…ぁ。』
この日何度目かの、身体の中に突き上げるような衝動を感じて、
紗耶香は思わず声をあげそうになった。

― 某歌番組の収録中。

俗に言う「座りのトーク」の最中なので、目立ちはしなかったのだが、
ここで声を上げることは、自らが所属するアイドルユニットの活動停止を意味し、
それ故に声を出すことはできなかった。

『…あつっ…』
紗耶香の中に埋め込まれたローターが淫らに動く。
殆ど音もなく振動するそのローターは、紗耶香の熱く敏感な花肉を容赦なく刺激する。

『お願い…止めてぇ…』
ローターを振動させている人間に潤んだ瞳で哀願する紗耶香であった。
が。
定位置とも言える後列最左翼に座るその娘は素知らぬ振りをして、
そして時折、冷酷な笑みを浮かべているようにも見えた。 少なくとも紗耶香には。

他の誰からも見えない角度で、ローターのスイッチのON/OFFを巧みに切り換え、
紗耶香の肉情をコントロールするその娘の名は ― 圭。

その数時間前。

控室のある階は、タレント以外は利用する人間はあまりいない。
その意外な盲点を突いて、圭は紗耶香を人気のない場所へ連れ込んだ。
一番奥の部屋に紗耶香を連れこみ、ぴったりと寄り添う。
「今日もたっぷり楽しませてあげる。その代わり…」
気の強そうに見えて、実は強引に押されると抵抗できない紗耶香の性格を見抜いていた。
「私もたっぷり楽しませてもらうから」

圭は、紗耶香のチェックのスカートの中に手を伸ばした。
「いやっ! やめて」
慌てて圭の手を押さえた紗耶香だったが、力で押し切られてしまう。
「なんだ〜。 今日は紐パンじゃないの? がっかり」
紗耶香の分厚い生地のパンティを見て苦笑した。
「でもどうせ、ぐちゃぐちゃになるんだから、こんな色気のないパンティなんか脱いじゃえ」
と、圭がパンティの縁に指をかけ、引き降ろそうとする。
「きゃあっ」
圭の暴挙に、スカートの裾を押さえ、しゃがみ込もうとする。

「いいの? そんな大声を上げても。 人が来ちゃったらどうするの?」

「…こ、これでいい…の…?」
恥ずかしさをかみ殺して、パンティとブラジャーを脱いだ紗耶香が、伏し目がちに圭を見る。

「んじゃ、これは預かっておくね」
脱いだ下着は、圭に取り上げられる。

素肌に直接触れてくる制服の生地が、心細さと心地悪さを伝えてくる。

「じゃあ、まず、スカートをめくって」
圭は、紗耶香の前にしゃがみ込んで、見上げるようにする。
ノーパンのスカートの中を覗かれる不安に紗耶香は、とっさに両手でスカートの裾を押さえる。
「い、いやっ…。」
いつ、誰がやってくるかも分からないような所である。
そんな命令を聞けるはずが無かった。

「ふ〜ん」
圭の手には、さきほど奪われた紗耶香のパンティがあった。
圭の手で広げられたパンティの中心部分は、紗耶香の体液によるわずかな染みを作っており、
そこから微かに紗耶香の体臭を発していた。
「んじゃ、このいやらしいパンティを外にいる皆さんに見てもらおうかな〜」
圭は、紗耶香のパンティを広げたまま外へ行く振りをした。

「あ、ちょっ、だ、だめっ!」
紗耶香は、思わず叫んだ。

「なーにー?」
圭の顔が自信ありげににやりと笑う。
「やめて…」
「えー? 聞こえなーい」
「…やめて…下さい…」

「じゃあ、めくって」
圭の執拗な脅しにとうとう紗耶香は諦め、スカートの裾を握り締めた。
「わ、わかりました…」
自分に言い聞かせるように言葉を吐き出し、スカートの裾を持ち上げていく紗耶香であった。

とはいえ、己の恥ずかしい場所を見られる羞恥に全身が火のように熱くなる。

「何してんの? ちゃんと持ってなさいよ!」
スカートを下ろそうとすると、すぐに声が飛んでくる。

「ふーん… 思ったより、下の毛は薄いんだねー。 ふーん…」
ノーパンの下半身を自らの手で男にさらすという屈辱的なポーズ。
紗耶香はすでに半分泣いている。

「うーん…、でもこれじゃ、中まで見えないなぁ。 もっと足を開いてみて。」
「やだよっ。 そんな、やだっ…」
「言うとおりにしなさいよ!」
そう言うが早いか、紗耶香の左足をガッと持ち上げた。
「きゃっ」
紗耶香は、バランスを崩して倒れそうになる。

「あはー、きれいな色してるじゃない。 若いっていいわねぇー」
動転する紗耶香をよそに、圭は明らかに嘲りを含んだ声で言ったのだった。

圭はポケットから、何やらクリームの瓶のようなものを取り出して、ふたを開けた。
「な、何…?」
「心配しなくても、体に害があるものじゃないよ。 但し…」
「た、但し…?」
「♪ほんのちょこっとなんだけど、アソコが敏感になるー」
そんな安いギャグに答える余裕など紗耶香には無かった。

「いやっ、そんな変なもの、塗らないで!」
いやいやするように顔を振った紗耶香であったが、
圭はかまわず瓶の中の白いクリームを指にたっぷりとすくいとり、
目の前でぱっくりと開いた紗耶香の秘裂の中に塗り込んでいく。

「ぁ…やん…」
クリームの冷たい感触に紗耶香の唇から息が洩れる。
圭は左手の指で紗香の肉襞を押し広げながら、右手の指先でクリームを丹念に塗りこんでいく。
「くぅっ…」
冷たいクリームが塗りこまれるうちに紗耶香の体温でゆっくりと溶け出し、紗香の粘膜からしっとりと吸収されていった。
クリームを塗られた場所が熱くなっていくような気がする。

「次はこ・れ!」
クリームがすっかり紗耶香の肉になじんだのを確認すると、
今度は別のポケットから楕円形の小さな卵のようなものを取り出した。

「じゃ、行こっか!」
圭のなすがままにその怪しげなクリームを塗られ、
ピンク色の小さな卵のようなものを身体の中に埋め込まれた紗耶香は、
腕をひかれるようにして、スタジオへと入っていった。
圭は紗耶香の秘裂の中、奥深くに埋め込んだ卵型のローターが、歩いても落ちないことを確認し、
ノーパン・ノーブラのまま、紗耶香をその中へ連れ込んだのだった。

『あぁ…』
歩くたびに敏感な柔肉を刺激するローターが気持ち悪く、
紗耶香は半ば引きずられるような格好で歩いていったのであった―。

― 再び某歌番組の収録中。

本番も数十分を過ぎる頃には、紗耶香は身体に力も入らず、ほどんど横に座る圭の体にもたれかかるような状態にあった。
クリームをすり込まれた粘膜は、熱く過敏に濡れそぼり、
肉層の中で密やかに隆起した肉芽がローターに触れるたびに、脳天まで突き抜けるような疼きがこみ上げてくる。
『く、苦しぃ…』
紗耶香は自分自身でも、花肉の中が熱く火照り、とろけそうになっていることを感じていた。
乳首は痛いほどしこり、つんと突き上がっているのがはっきりとわかるほどであった。
『もうっ、我慢で、き、な、いよぅ…っ』
紗耶香は、火がつきそうなほどほど熱い息を苦しげに吐いていた。
じんじんとこみ上げてくる振動に、つい内腿をすり合わせて、ローターを食いしめるように挟み込んでしまう。

そして。

「あ…っ。」
紗耶香は思わず軽く声を出してしまった。
周りの視線を感じ、あわてて顔を伏せた。
『やばっ、バレる…』

司会者が紗耶香に向かって。
「何やねん、急に。」
「何やおまえは。 そんなに目立ちたいんか? そんなに必死か?」
ハハハと客が笑う。

「え? あ、あはは…」
苦笑する紗耶香。
『よかった、ギャグだと思われたんだ…。』

圭が言う。 あの低い声で。
「紗耶香ったら。 そんなに *必死* になっちゃって。」

その真意を汲み取った紗耶香には笑えなかった。

「そんなに *必死* になると…」
『え?』
「もっと大変な時には困る事になるんじゃない?」

紗耶香は突き落とされた気分になった。
『そ、そんな… まだやる気なの?』

それ以降、紗耶香の緊張は常に最高潮にあった。
どんな事があろうとも息一つ漏らすまい、と。

ところがその決心に反し、圭からのアプローチはぷっつりと途絶えた。
『来るなら来てみなさいよ… 私にだって意地があるんだから!』

「…そうですよねぇ。 ね? 市井さんもそう思うでしょ?」
「えっ?」
「なんや。 お前、人の話聞いてんのかいな!」
笑い。
「ダメだよー、ちゃんと人の話聞かないと。 カオリンはね…」

話が進む。

『助かった…』
生まれた油断。

圭はその一瞬を逃さなかった。
そして、今までの中で最も大きな波で紗耶香に襲いかかった。

既に数十分に渡って受けていた刺激の蓄積は、紗耶香の想像をはるかに超えているものだった。
というよりも、そんな刺激に感覚が麻痺していた、とでも言うべきか。

兎に角、その *最も大きな波* は確実に紗耶香を飲み込んだ。
しかも最悪の形で。

「いゃああんっ!」
紗耶香はあまりの刺激に悲鳴を上げた。
トークの間もあったもんじゃない、聞いた人全員が何が起こったのか一瞬戸惑うほどの。
いや、それは自分でも驚くほどの。

当然の如く、皆の視線が鋭く紗耶香に注がれる。
それは紗耶香を酷く混乱させた。

「…だ、だめぇ… わ、わた、し、もぅ…」
頭の中が真っ白になり、下半身が生温くなるのを遠くに感じながら、そのまま紗耶香は気を失ってしまった―。

結局、オン・エアーでは、その部分は使われなかった。
当たり前だ。 未成年のアイドルが失禁したシーンなど使えるわけも無かろう。
当然の如く緘口令がひかれ、そのため殆どの人間はそんな事があったことすら知らない。

仲間たちも彼女を気遣って、何も聞こうとはしなかった。
いくらライバルとはいえ、それが優しさというものだろう。

本当の事を知っているのは紗耶香本人と、そしてもう1人 ― そう、TVでは殆ど喋らないが…。