石川梨華『Let It Be』リターンズ
- 1 名前:名無し姫 投稿日:2000年09月28日(木)17時46分19秒
- 過去ログ
http://members.nbci.com/monaka01/saki/963072578.html
- 2 名前:名無し姫 投稿日:2000年10月22日(日)06時32分26秒
- 2chのビートルズスレッドが再び消滅したので、ここでやりますか。
- 3 名前:名無し姫 投稿日:2000年10月22日(日)06時34分20秒
- まずは番外編『BACK BEAT』から。
あんまり石川出てこないけど(W
- 4 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時34分43秒
- 「ねえ、市井ちゃん」
「なんだよ、後藤」
「そのお金で、ベース買おうよ」
「なんで?」
「あたしのバンドに入ってよ」
「カッコよければ、やってもいいよ」
- 5 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時35分43秒
- メンバーのうち、彩だけはどうしても他の4人と
行動をともにしなかった。演奏を終えると、
一人でふらりと出かけてしまうのである。
後に結婚することになる真矢とも、ハンブルクでの夜遊びの
最中に出会ったと伝えられている。
また、亜依はナイトクラブで働くには年齢が低すぎた。
さらに、梨華と紗耶香の間にもいさかいが絶えなかった。
- 6 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時36分12秒
- 紗耶香は真希のアートスクールでの知り合いで、
もともとは絵画を志していたため、演奏に関しては
素人同然だった。真希に誘われ、バンドに入ったものの、
ほとんどベースを弾くことは出来なかった。
梨華はそれを内心苦々しく思っていた。
「あたしと真希は、ずっと一緒に曲を作ってきたのに・・・
紗耶香と仲良くするのもいいけど、音楽を大事にしたい・・・」
ある日、演奏しているナイトクラブに似つかわしくない二人連れが訪れた。
それは、つんくと中澤裕子であった。
男前で知られる紗耶香に、裕子が惚れるのは時間の問題だった。
- 7 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時36分28秒
- 裕子と恋に落ちてから、紗耶香はバンドに対して興味を失っていった。
いや、もともと真希との友情程度にしか考えていなかったのかもしれない。
ステージを休んだり、曲を忘れてしまったりと散々なものだった。
おりしも、バンドはレコーディングのチャンスを掴もうとしているときであり、
紗耶香をどうするか、というのは自然と真希と梨華の間をギクシャクさせていった。
紗耶香は裕子からいろいろとインスピレーションを受け、
洗練されていった。リーゼントをやめて髪を前に撫で付け、
パーカーやホットパンツを穿くようになった。
いわゆる「プッチモニスタイル」である。
- 8 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時36分50秒
- 真希は、正直迷っていた。
紗耶香との友情も大事だ。
しかし、せっかくのチャンスを逃したくない。
梨華は、紗耶香をやめさせるべきだ、と言う。
しかし、真希が誘った手前、言い出しづらい。
そんな折、事件が起こった。
亜依が未成年であることがばれて、日本に強制送還となったのだ。
バンドはばらばらになり、個別に帰国する。
- 9 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時37分04秒
- 真希は、紗耶香を呼び出し、共に帰るように誘った。
答えは、ノーだった。
「私、ここに残るよ」
「市井ちゃん・・・なんで?」
「私がいるとバンドに迷惑かけちゃうから」
「そ、そんなことないよ・・・」
「嘘つかなくてもいいよ。それに・・・」
「それに?」
「裕ちゃんと・・・」
この一言で、真希には十分だった。
真希は一人で帰国し、日本でバンドを再開した。
紗耶香は、ハンブルグに残った。
- 10 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時37分21秒
- モーニングスは日本で精力的にライブをこなし、
瞬く間に人気バンドになった。
ハンブルグに残った紗耶香は、裕子と暮らしつつ、絵を描いていた。
この頃から、すでに紗耶香の頭は病に侵されていたのかもしれない。
紗耶香が倒れたのは、モーニングスがハンブルグ凱旋公演を
果たす、その前日のことだった。
紗耶香は、二度とモーニングスの演奏を聞くことは無かった。
- 11 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時37分38秒
- 真希は空港で、出迎えた裕子から紗耶香の訃報を聞いた。
信じられなかった。
しかし、不思議と涙は出なかった。
演り慣れたナイトクラブでの公演。
違うのは、人気を聞きつけた観客で全体が覆い尽くされていること。
その熱気は、一年後には世界中に広まることになる。
客の中に裕子の姿を見つけた真希は、演奏を止めた。
「今日は、あたしの亡き友だちのために歌います」
真希が、紗耶香のために歌ったのはそれが最後だった。
- 12 名前:石川梨華『LET_IT_BE』番外編『BACK_BEAT』 投稿日:2000年10月22日(日)06時40分12秒
- つんくはのちに真希の『プラスティック・ヒトミ・バンド』に参加するなど
モーニングたちとは親交を保っている。
裕子が紗耶香に与えたものは間接的にモーニングス全体にも影響を与え、
髪を撫で付けるスタイルはモーニングカットとして知られるようになる。
紗耶香を亡くしたあとの裕子はアルコールに依存するようになっていた。
モーニングスがのちに「裕子軍曹〜」というアルバムをリリースしたことは有名だ。
この二人に直接関連性があるのか、現在では知ることはできない。
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