カオリンクエスト2
- 1 名前:堀井雄二 投稿日:2000年08月09日(水)00時04分05秒
- 王様「前回の「冒険の書」が消えてしまったようじゃ。まだまだ魔王は生きておる!
そなたの力で魔王を倒し、世界に平和を取り戻すのじゃ!」
- 2 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月09日(水)02時51分33秒
- とりあえず冒険を再開することにした勇者飯田。
仲間たちもどこかへ吹き飛んでしまったようだ。
- 3 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月09日(水)21時33分14秒
- 吹き飛んだ仲間を探しにミチーヨの酒場に足を運ぶ勇者飯田。
勇者飯田「ねえ、カオリ今仲間探してるんだけど。」
ミチーヨ「あいにく誰も登録されてへんよ。どないしまひょか?」
勇者飯田「えー!?いないのー?うーん・・・」
とりあえず考え込む勇者飯田。
そして夜が明けた・・・
- 4 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月09日(水)22時33分24秒
- 勇者飯田「とりあえず、なんとかしないとね。
そもそも、なんでこんな事になったんだっけ?
確か、魔王の部下と戦ってて、ドラゴンが出てきて、それでそのドラゴンが
凄い力で町を吹き飛ばして、その衝撃でみんなバラバラに・・・。
う〜ん・・・。とりあえず、町があった場所に戻ってみようかな。」
と、町があった場所が何処かも解らないまま歩き始める勇者飯田。
- 5 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月10日(木)02時06分35秒
- 勇者飯田「いつまで歩いても、町がみつからな〜い〜!もう嫌〜!」
勇者飯田は叫んだ!
「ディアーーーーーー!」
- 6 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月10日(木)07時17分27秒
- 「てへてへ。」
辻が現れた!
どうやら前回の冒険のことは覚えていないようだ。
- 7 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月10日(木)22時55分39秒
- 辻が仲間になりたそうにこっちを見ている。
辻「ゆうしゃさま、いっしょにつれてってくらさいっ!」
勇者飯田「しょうがないわねー、カオリについてこれる?」
辻「へいっ!」
遊び人辻が仲間になった!!!
- 8 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月10日(木)23時28分03秒
- 遊び人辻を仲間にした勇者飯田。
まず装備を整えるために街をめざす・・・
はぐれあいぼんがあらわれた!
はぐれあいぼんのこうげき!
Д<なんでやねん!なんでやねん!
勇者飯田は2のダメージ!
遊び人辻は3のダメージ!
- 9 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月10日(木)23時33分17秒
- 勇者飯田「うぐっ!辻、大丈夫?」
辻「いたい、いたいれす。」
勇者飯田のこうげき!
勇者飯田「加護!いいかげんにしないとカオリ怒るよ!」
Д<かんにんしてや〜!
はぐれあいぼんに14のダメージ!
はぐれあいぼんをやっつけた!
- 10 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月10日(木)23時39分37秒
- はぐれあいぼんは宝箱を持っていた。
パカッ、「かごのしる」を見つけた!
辻「なんれすか?これは」
勇者飯田「まだ分からないね。街に行って鑑定してもらおう」
ということで、とりあえず街をめざす勇者飯田と遊び人辻。
- 11 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月11日(金)07時31分10秒
- 戦いながら(辻は戦ってるふりをして遊びながら)町を目指す一行。
しばらく戦ううちに勇者飯田はレベル4に、遊び人辻はレベル2に上がった!
辻「れべるがあがったのれす。もっといっぱいあそぶれす」
勇者飯田「こら!遊んでばっかりいないで、カオリを手伝いなさい!反省10回!」
辻「ひ?ん、ごめんらさい、ごめんらさい、ごめんらさい、ごめんらさい、・・・」
- 12 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月11日(金)17時11分00秒
- そうこうしてるうちに街についた2人。
とりあえず武器、防具を買おうと道具屋を探す。
ふと気がつくと、何やら人だかりが出来ている場所がある。
辻「なんれしょう?おもしろそうれすねえ・・・」
勇者飯田「ちょっとカオリも見たいよ、辻、行ってみよう!」
人だかりの中をかき分けていくと、大道芸人がアザラシを使って芸をしていた。
大道芸人りんね「ホラッ!ゴマ!さっさとそのビーチボールを投げなさいっ!!」
パシ!!鞭でぶたれるアザラシ「きゅ〜ん・・・」
- 13 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月12日(土)01時50分43秒
- 辻「あざらしがいじめられてるれす。ゆうしゃさま。」
勇者飯田「助けるよ!辻っ!」
辻「へいっ!」
助けに向かおうとする勇者飯田。
そこで一人の老人に話し掛けられた。
老人「勇者殿。その小脇にぶら下げているのは幻のかごのしる!それを使ってみるのがよいじゃろう。」
勇者飯田「ありがとう!おじいさん!・・・コラー!そこの芸人!ちょっと待てえ!」
- 14 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月12日(土)01時57分35秒
- 我慢できずに飛び出してしまった勇者飯田。
りんね「なにぃー、私の芸にケチつけるって言うの?」
ゴマ「きゅ〜ん・・・きゅい!きゅい!」
勇者飯田「ほらね!この子だって嫌がってるのよ!カオリ許さないからねー!」
辻「そうれす。ののもゆるさないれすよ!」
りんね「なにをー!やっちゃうよ!あさみ、カマーン!」
- 15 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月12日(土)02時04分24秒
- 大道芸人りんねがあらわれた!
道産娘あさみがあらわれた!
りんねとあさみのこうげき!
りんねとあさみはなにやら合体してきた!
りんね&あさみ「蝦夷をなめんな!あなたも蝦夷娘よ!牛の世話しな!」
勇者飯田「うぐっ!それは、できないっ・・・」
勇者飯田は12のダメージ!
辻「ののはとうきょうれすよ!てへ。」
辻のカウンター!
りんね&あさみは10のダメージ!
- 16 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月12日(土)02時11分23秒
- 勇者飯田「辻っ!ありがとう。もう少しね。こうなったら・・・」
老人に言われたとおり勇者飯田は「かごのしる」を天にかざした!
はぐれあいぼんが助けにあらわれた!
はぐれあいぼんのこうげき!
Д<りんねのめがねはブッサイクやな〜!あさみって誰や?しらんわそんな珍獣。
会心のいちげき!
りんね&あさみに127のダメージ!
りんね&あさみをたおした!
- 17 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月12日(土)02時21分27秒
- 勇者飯田「これに懲りたら、いじめちゃだめだよ!わかった?」
りんね「うぐぐ・・・わかったわ・・・」
ゴマがなにやらお礼を言いたそうだ。
ゴマ「きゅ〜ん♪きゅ〜ん♪」
辻「かわいいれす〜。つれていってもいいれすか?ゆうしゃさま〜。」
勇者飯田「しょうがないね。ちゃんと世話できるの?」
辻「へいっ!」
アザラシのゴマが仲間になった!!!
ゴマはごまのペンダントを持っていた!
勇者飯田「なんだろう?かわいい女の子の写真が入ってる・・・でも、まっいいか。」
とりあえず、町の武器屋に向かう勇者飯田と遊び人辻とゴマ。
- 18 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月13日(日)09時36分48秒
- 武器屋に入る二人+一匹
店員「いらっしゃいませ、何をお探しですか?」
勇者飯田「カオリに似合いそうなやつ頂戴。なんかこう、勇者っぽいの」
辻「おかしがいいれす〜。」
ゴマ「きゅ〜ん(お菓子が食べた〜い)」
店員「そうですか、これなんかいかがでしょう、、、鋼の剣
少々値が張りますがいい品ですよ。」
勇者飯田「ダメ。カオリはそんな普通に売ってるのじゃなくて
いかにも、勇者、そしてカオリって感じなのがいいの!」
店員「・・・・・」
辻「それよりおかしがたべたいれす〜」
その時、突然後ろから声が・・・
謎の声「勇者の剣を探してんの?じゃあ、おいらと一緒に来てよ!!!」
しかし、姿が見えない。
勇者飯田「あれぇ、空耳かなあ?今、カオリ確かに声が聞こえたのに・・・?」
辻「わたしもきこえたれす〜。こえはすれでもすがたはみえずれす〜。てへてへ。」
ゴマ「きゅ〜・・・・きゅ!!!きゅ〜ん!!!」
ゴメの目線でだけ気がついたようだ。
そこには、ちっこい女の子が・・・
- 19 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月14日(月)10時38分09秒
- 辻「どうしたのれすかぁ〜?ごまぁ〜?なにもいませんよ〜」
ゴマ「きゅ〜ん!!」
勇者飯田「何を見つけたの?日本語で言ってもらわないとカオリわかんないよ」
ゴマ「きゅ・・・!?きゅ〜んきゅ〜ん!!」
謎の声「おーい!!いいかげんに気付けよ!!!おいらここだよここ!!!」
辻「わあ、ちいさいおんなのひとがいるれす〜!」
謎の声「もっと早く気付けって(怒)」
辻「へい」
勇者飯田「本当だ。カオリの視界には入らなかったよ。で、カオリの剣の話だけど」
小さい女の子「カオリの剣じゃないっつーの!勇者の剣。まったくもう。
まあいいや。おいらは、矢口。ま、ここじゃなんだからそこらでお茶でもしながら話そう」
勇者飯田「だって、勇者の剣なら、カオリの剣ってことでしょ?」
辻「おちゃしたいれす〜。おかしたべたいれす〜。てへてへ」
ゴマ「きゅ〜ん!!(お茶賛成!!)」
小人矢口「・・・・・」
- 20 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月14日(月)16時22分45秒
- 茶店
辻「わ〜い!おかしおいしいのれす♪てへてへてへ」
ゴマ「きゅ〜ん♪きゅ〜ん♪きゅ〜ん♪」
勇者飯田「んで、カオリの剣はどこにあるの?」
小人矢口「そんなにあせるなよ。オイラ、この前食べ物を探しに
森の中をうろついてたんだ。そしたら、大きい洞窟を見つけてさ。
面白そうだったから入ってみたんだよ。結構深い洞窟で。」
勇者飯田「それとカオリの剣と何の関係があるの?カオリ疲れちゃったよ」
小人矢口「まあまあ。洞窟の奥のほうに、祭壇らしいものを見つけて、
オイラの欲しかった『金の厚底』が飾られていたんだ」
勇者飯田「やっぱり関係無いんじゃん!!」
- 21 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月14日(月)16時30分29秒
- 小人矢口「話はこれからだってば。祭壇には他にもいろいろ祭られててさ。
『青のたてごと』だろ、『赤い呪文帳』だろ・・・。
その中に『勇者の剣』らしいものもあったんだよ」
勇者飯田「じゃ、持って帰ってくれば良かったじゃん」
小人矢口「そんな祭壇に誰も居ないと思うかよ。
おっかない魔王の手下が3人、しっかり守ってて持ってこれなかったんだ。
だから、一緒にお宝をかっさらいに行かないか?」
- 22 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月15日(火)09時05分23秒
- 辻「あおのたてごと?それはののもそうびできるれす。」
勇者飯田「カオリの剣・・・手にいれなきゃ・・・行こう!!!」
ゴマ「きゅ〜ん!!!」
小人矢口「オイラも、金の厚底で超可愛くなれるよ!!!」
ということで、洞くつに向かうことにした一行。
どうなることやら。
- 23 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月16日(水)01時03分45秒
- 続編希望
- 24 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月20日(日)00時17分25秒
- さて、洞くつへの道のり。
勇者飯田「これで、3人+一匹のパーティになったね。何か本格的って感じ。
カオリも勇者らしくなったって感じ」
小人矢口「いや、別に人が増えるのとアンタが立派になるのはちがうでしょ。キャハ!」
辻「にぎやかでたのしいれすー」
ゴマ「きゅ〜ん!」
その時!!!
森の中から、絹を切り裂くような、異常に高い悲鳴が!!!
「キャ〜!!!悪者におそわれちゃう〜!!!お嫁にいけなくされちゃう〜!!!
ああ、あたしって不幸な女の子・・・」
緊急事態のようだが、なにやら寒い雰囲気のこの女の子の正体は!?
- 25 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月21日(月)06時24分09秒
- 見ると、女の子が妙な男に襲われている!!
妙な男「でへへ〜、野菜スティック入れさせろ〜!」
女の子「嫌〜!あたしは神に仕える身よ〜!そんなことしないで〜!」
辻「たすけるれす!」
勇者飯田「うん、いくよ!」
変態名倉があらわれた!
変態名倉「なんだ〜?お前達は〜?お前達も野菜スティック入れられたいのか?」
勇者飯田「野菜スティックは食べるものだよ!そんなことに使うなんてカオリ許さない!」
小人矢口の攻撃!「アチョ〜!」
とび蹴りがヒット!変態名倉に23のダメージ!
女の子「ああ、あたしの為に戦ってくれるなんて、石川、感動
」
- 26 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月22日(火)01時01分32秒
- 変態名倉「くそ〜、お楽しみを邪魔しやがって!いくで!」
変態名倉の攻撃!「野菜スティック乱れ撃ち!」
大量の野菜スティックが降り注ぐ!
勇者飯田に10のダメージ!辻に15のダメージ!小人矢口には当たらなかった!
辻「ひ〜ん、いたいれすぅ」
勇者飯田「痛い!バカ!バカ!」
小人矢口「小さいといいこともあるんだな。当たらなかったぜ」
- 27 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月22日(火)01時09分37秒
- 変態名倉「よっしゃ、どんどんいくで・・・ありゃ?野菜スティック袋がないぞ?」
ゴマは変態名倉から野菜スティック袋を盗んで食べている!
ゴマ「きゅ〜ん(セロリもニンジンもおいしい♪)」
変態名倉「ちくしょう、全部食われてもうた・・・はっ!」
勇者飯田「・・・覚悟しろ〜!」
勇者飯田の攻撃!「カオリパーーーンチ!!」
会心の一撃!変態名倉に150のダメージ!変態名倉をやっつけた!
- 28 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月23日(水)12時49分33秒
- 勇者飯田「大丈夫だった?」
石川「あ、ありがとうございますぅ♪」
勇者飯田「森は危ないから、気をつけなきゃだめだよ!って・・・・」
石川「はい、すいません・・・」
勇者飯田「(いやだ、どうしよう!この子可愛い!いやーー!!)」
石川「?」
小人矢口「あれ?辻、どうしたんだ?」
辻「やさいがあたっていたいのれす・・・ひーん・・・」
石川「あ、私治せますよ!私、こう見えても修行時代には回復魔法部の
部長やってたんです!!それで、夏はずっとホイミホイミー!って・・・」
小人矢口「・・・わかったから早く治してやれよ」
- 29 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月23日(水)12時51分24秒
- 石川「(・・・なにがいけなかったのかな)じゃいきますよ。ホイミ!」
辻の体力が回復した!
辻「わーい、もういたくないのれす!てへてへてへ」
勇者飯田「そういえば、回復魔法を使える人がいなかったわね。」
石川「私でよければ、途中までならご一緒しますよ。」
僧侶の石川が仲間に加わった!
- 30 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月25日(金)06時55分15秒
- 続き、プリーズ
- 31 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月31日(木)18時37分39秒
- そうこうしてるうちに洞窟の入り口へ
小人矢口「あれだ!あれがオイラの入った洞窟だよ!中は危ないから、慎重に・・・」
勇者飯田「カオリの剣を見つけるぞ!行くぞ〜!」
辻「わ〜い、どうくつどうくつれす!てへてへてへ」
ゴマ「きゅ〜ん!」
まったく話を聞かず走って洞窟入りする2人+1匹
小人矢口「・・・ほんとにこいつらと一緒でよかったのかなあ・・・」
僧侶石川「助けてもらってなんですけど、私もそう思います!(ニコニコ)」
- 32 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年08月31日(木)22時27分46秒
- 小人矢口「そういえば、梨華っちも洞窟のアイテムが目的なんだろ?」
石川「あ、はい、私のお師匠様に、あるアイテムを取ってくるようにって言われて、
それで、この洞窟を目指してたんですよ」
小人矢口「で、そのアイテムっていうのは何?」
石川「それが、『プッチペンダント』っていうアイテムらしくって」
小人矢口「ふ〜ん、聴いた事のないアイテムだな」
勇者飯田「何してんの、二人とも〜。置いてくよ〜!」
小人矢口「お〜い、待てよ〜!置いてくなよ〜!」
石川「それにしても、あのアザラシ、どっかで見た事あるような気がするんだけど・・・。
う〜ん、気のせいかな。あっ、待って下さ〜い!」
- 33 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月01日(金)08時53分33秒
- そのころ、洞窟内では・・・
「きおったきおった。雑魚がまた、うじゃうじゃと」
「魔王の言った通りだな、しかし何でまたわざわざ俺達が」
「仕方ないだろ、お前プロヂュースの魔女はこの前のさわぎで
ただの酒場のねーちゃんになっちまったらしいしな」
どうやら、この3人は魔王軍の中でも相当高い地位らしい。
「しかし、勇者って聞いた時は正直びびったぜ。2年前のあの大戦の勇者じゃ俺達でも歯が立たねえ」
「勇者さやかとその一行か。嫌なことを思い出させるな。」
「まあ、あいつらは俺達を封印した時に自分達の力も失ったからな」
そしてその頃勇者飯田達は・・・
辻「ゆうしゃさま〜、ゆうしゃの剣ってもともとはだれのだったんれすか〜?」
勇者飯田「誰の物ってこともないでしょ。勇者の剣はカオリの剣。」
石川「私知ってますよ!2年前の大戦で、圧倒的な強さで魔王を封印した
勇者さやかが使っていた剣だそうです。
その時のパーティは何故か姿を消してしまったらしいですけど。」
矢口「ふーん。凄い人達がいたのねぇ。その人達が、また戦ってくれればいいのにね」
勇者飯田「なによ!カオリじゃ役不足ってわけ!?カオリも勇者だもん」
ゴマ「・・・・・・・・・・きゅ〜・・ん・・・(さやか様)・・・」
- 34 名前:33 投稿日:2000年09月01日(金)08時56分08秒
- やべ、久し振りに書いたら辻に漢字使っちまった。許せ。
- 35 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月08日(金)09時58分41秒
- 勇者飯田「結構長い洞くつね・・・ねえ、あとどれくらい?
早くカオリの剣を手に入れたいよ」
辻「もうつかれたれすー。あしがいたいれすー。」
矢口「あ、もうちょいだよ。次の分かれ道を右に行って・・・
でも宝物を守ってる奴等、一筋縄ではいかないと思うよ」
勇者飯田「まあ、大丈夫でしょ。カオリ頑張るから、ね、辻!」
辻「へい」
石川「(どうして私には話をふってくれないんだろ・・・しゃべりたいな・・・)」
- 36 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月18日(月)01時08分08秒
- 祭壇の前に到着
小人矢口「よし、慎重に宝を奪おう。・・・っておい、」
なんと、勇者飯田と辻、石川は魔王の部下の前で仁王立ちしている!
- 37 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月18日(月)09時56分52秒
- 小人矢口「お前等バカかー!!??!!??」
勇者飯田「魔王の手下!カオリがやっつけちゃうから!!!」
辻「わるものはゆるさないれす」
石川「この世に悪の栄えたためしはありません。覚悟してください!」
魔王軍幹部はたけ「ん?お前等元気がいいな。」
魔王軍幹部まこと「でも元気だけじゃ生きてはいけないぞ」
魔王軍幹部たいせー「ま、こいつらならこんなもんか・・・」
たいせーは軽く剣を一振りした。
物凄い衝撃波が一行を襲う!!!
勇者飯田は169のダメージ!
勇者飯田は力つきて倒れた・・・
「・・・嘘・・・カオリ死んじゃうのかな・・・」
辻は231のダメージ!
辻は力つきて倒れた・・・
「いたいれす・・・しにたくないれす・・・」
石川は205のダメージ!
石川は力つきて倒れた・・・
「ああ、花の命は短くて・・・」
矢口に188のダメージ!
「もう、ダメだ」
魔王軍幹部はたけ「何だ情けない。
こんな奴等わざわざ俺達が相手する必要もなかったな。」
魔王軍幹部まこと「まあ念には念を入れて止めを指しとくか・・・」
絶体絶命のピンチ!!!
しかしその時、ゴマに異変が!?
- 38 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月21日(木)01時23分07秒
- 続きキボーン
- 39 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月23日(土)01時04分28秒
- たいせー「あれ?このアザラシ、俺様の剣を避けやがったか。
生意気な・・・」
ゴマ「きゅーん・・・
(今日は満月、一月に一度呪いの解ける日・・・)」
- 40 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月23日(土)01時31分17秒
- 突然、どこからとも無く月光が差し込み、ゴマの体を包んだ。
すると、みるみるうちにアザラシの体は女魔導士の姿へと変わった!
魔導士ゴマ「・・・一月ぶりに人間に戻れた・・・。
よくよく見たら、あたしがさやか様にお供してたときに封印した、部下の3人組じゃないの。
まだ悪いことしてたのね。」
はたけ「・・・そpercent
- 41 名前:40 投稿日:2000年09月23日(土)01時35分16秒
- エラーか・・・
すいません。後で書き直します。
- 42 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月24日(日)01時00分06秒
- age
- 43 名前:40(やり直し) 投稿日:2000年09月27日(水)13時28分39秒
- 突然、ゴマのペンダントが強烈な光を発し、ゴマの体を包んだ!
アザラシの身体はごまのペンダントの中に入っていき、ペンダントから美しい少女が現れた!
ごまのペンダントには、アザラシの写真が入っている。
魔導士ゴマ「・・・一月ぶりに人間に戻れた・・・。
よくよく見たら、あたしがさやか様にお供してたときに封印した、部下の3人組じゃないの。
まだ悪いことしてたのね。」
驚愕を隠せない幹部三人組
はたけ「・・・そんなバカな、あいつらは全員力を失ってどこかへ消えたと・・・。」
まこと「あの魔導士、恐ろしい呪文を使いこなす・・・。」
たいせー「魔王様が封印される寸前、呪いをかけておいたのに・・・。」
魔導士ゴマ「呪いが解けている時間は限られてるのよね。いっちゃうぞー!」
ゴマはドラゴラムを唱えた!ゴマは巨大な竜に姿を変えた!
- 44 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月27日(水)13時32分41秒
- ゴマは激しい炎を吐いた!
はたけに180のダメージ!まことに169のダメージ!たいせーに216のダメージ!
たいせー「く、くそーー!!」
たいせーは激しく斬りつけた!ゴマに35のダメージ!
ゴマ「・・・痛いわね。バカッ!!!」
ゴマはたいせーを踏み潰した!
『ぷちっ』
たいせーをやっつけた!
- 45 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月27日(水)13時38分01秒
- まこと「・・・たいせー、やられちまった・・・」
はたけ「まだ手はある!!ドラゴンから元に戻すぞ!」
はたけはギターの剣を振りかざした!凍てつく波動がゴマを包む!
ゴマにかかっていた呪文の効果が無くなり、ゴマは元に戻った!
まこと「でかした!これで何とか・・・」
ゴマ「・・・やっつけられるのがちょっと伸びるだけだと思うけど?」
ゴマはメラゾーマを唱えた!巨大な火の玉がまことを包む!
まことに259のダメージ!まことをやっつけた!
まこと「・・・俺、仕事してないやん・・・」
- 46 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月27日(水)13時44分14秒
- ゴマ「さ、あとひとりね。」
はたけ「・・・マ、マ、マホトーン!!!」
ゴマは呪文を封じ込められた!
はたけ「ぎゃははは!魔導士が呪文を封じ込められたら何も出来ねえじゃねえか!
勝負あったな!散々馬鹿にしてくれやがって!!始末して・・・」
ゴマの張り手!はたけに137のダメージ!
はたけ「・・・って、すっげえ馬鹿力」
ゴマ「あたし、戦士のよっすぃーよりも怪力だったんだから。」
はたけ「わ、わかった、武器は全部渡すから、助けて・・・」
ゴマのラリアット!はたけに239のダメージ!!
はたけをやっつけた!
ゴマ「ごめんねー、手加減忘れちゃった♪」
- 47 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月27日(水)13時51分17秒
- ゴマにかかっていたマホトーンが効力を失った。
ゴマ「・・・あと10秒くらいね・・・この人たちを回復させて、と・・・」
ゴマはベホマラーを唱えた!
勇者飯田の体力が回復した!辻の体力が回復した!
小人矢口の体力が回復した!僧侶石川の体力が回復した!
ゴマ「・・・また、一ヶ月後に逢いましょう・・・」
ごまのペンダントが強烈な光を放ち、ゴマはアザラシに戻った!
勇者飯田「・・・・う〜ん・・・・あれ?幹部たちは・・・
倒れてる?一人はペチャンコ、一人は黒こげ、もう一人はボコボコ・・・
誰が助けてくれたんだろう・・・」
ゴマ「きゅ〜ん・・・」
勇者飯田「・・・まさか、ゴマ、じゃないよね・・・」
- 48 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月29日(金)13時35分34秒
- 勇者飯田「まあ、いいわ。カオリわかんなくても。
それより、カオリの剣はっと・・・あれかしら?」
祭壇に目をやると、剣が置いてある。
見た目にもただならぬオーラを発しているこの剣に飯田は手を伸ばした。
そして剣に手を触れた瞬間、飯田の脳裏に誰かが語りかけてきた・・・
謎の声「この剣を持つに相応しいかどうか、試させてもらう・・・」
突然飯田の身体を衝撃が突き抜けた!!!
辻「う〜ん、、、ここはてんごくれすか?
あれ、ゆうしゃさま!?」
矢口「うう、体中が痛いや、でも何とか生きてるみたい・・・って
飯田?なんだありゃ?炎に包まれてるぞ!?」
石川「あれは、試しの炎です。大丈夫。勇者様の精神力を試しているだけですから。
聖なる炎なんですよ。」
ゴマ「きゅーん(ま、あの子なら選ばれるでしょ。さやか様の後継者として・・・)
- 49 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月30日(土)03時14分58秒
- 矢口「・・・おいおい、やばくないか?一時間も炎に包まれたままだぞ?」
つじ「ひ〜、あつそうなのれす・・・」
石川「多分大丈夫ですよ!聖なる炎の儀式はすごく長い時間がかかるって、昔お師匠様が言ってたような気がしますよ!
それよりも、今のうちに私たちも自分の武器やアイテムを・・・」
矢口「そうだ!!すっかり忘れてた、金の厚底!!」
矢口は『金の厚底』を履いた!!矢口の背が18CM伸びた!!
矢口の攻撃力があがった!!
石川「背、あんまり変わらないですよ?」
矢口「(梨華ちゃん、ほんと一言多いよなぁ)」
- 50 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月30日(土)03時22分45秒
- 辻は『青のたてごと』を装備した!!
辻「むーー!!きあいがはいってきたのれす!!」
辻は遊び人から『ロッケンローラー』になった!!
矢口「なんか、すげえ・・・」
ゴマは『赤い呪文帳』を装備した!!
ゴマ「きゅ〜ん!!きゅ〜ん!!
(赤い呪文帳があれば、アザラシでも呪文が唱えられるのよ!)」
石川「お師匠様にいわれたペンダントは、と・・・あ、これね。」
石川は『プッチペンダント』を道具袋に入れた。
石川「さて、これで・・・あら、この杖いいわね。なんか手に吸いつく感じ・・・。
ずぅっと、あたしのことを待っててくれたみたい
」
石川は吹雪の杖を装備した!!
辻「ひっくしょん!!なんかさむけがしたのれす・・・」
矢口「へっくしょん!!オイラもだ・・・。」
- 51 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月30日(土)14時27分15秒
- そのとき、勇者飯田は突然目を見開き叫んだ!「ディアー!!!!」
すると突然、一行の前に巨大な狛犬があらわれた!!!
辻「ひー!!もんすたーれす!!」
ごま「!?!?!?!?!?!?きゅ〜ン!!!!」
石川「あら、お師匠様。違いますよ、辻さん。私のお師匠様です。
見た目は怖いけど、大神官なんですよ」
狛犬「石川、あんた一言多いわね。で、例の物は手にはいったの?」
石川「あ、はい。これです。」
石川はプッチペンダントを狛犬に渡した。
すると狛犬はペンダントの中に吸い込まれ、代わりに女性が出てきた。
謎の女性「ふう、やっと元の姿に戻れたわ。私は大神官だけに神の御加護で
ペンダントだけで元に戻れるのよねえ・・・」
辻「あまりかわってないれす・・・」
大神官「何ですって!!!」
辻「ひっ!ごめんらさい!ごめんらさい!」
大神官「さて、それじゃ石川、そんで他の娘タチもよく聞きなさい
石川にも話してなかったけどね、アタシは2年前の大戦で勇者さやかと戦った
メンバーの1人、保田圭よ。」
矢口「大魔導師として?」
大神官保田「大神官よ!いちいちうるさいわね!
それで今回、また魔王のやつが復活して、どうにかしなければならないわけよ。
当時のパーティのあたしと、大魔導師ごま、あとバトルマスターよっしぃーは
『プッチペンダント』というアイテムがあれば程度の差こそあれ当時の力をだせるわ。
問題は、勇者さやかが・・・・・・って、アンタもしかしてごまじゃないの!?」
ごま「きゅーん!!(圭ちゃん!!)」
・・・勇者飯田はまだ炎に包まれたままだ・・・
- 52 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年09月30日(土)14時59分15秒
- ゴマ「きゅーん、きゅーん、きゅーん!!きゅ〜〜ん・・・。
(かくかくしかじか、それで、一月経たないと元に戻れないの・・・」
保田「きゅーん・・・きゅーん、きゅーん?
(相変わらずあんたおっちょこちょいね・・・。呪いを解く方法はわかるの?)」
ゴマ「きゅーーーん・・・。きゅーーーん・・・。
(わからない・・・。さやか様がいれば何とかなったかもしれないけど・・・。)」
辻「・・・・あざらしのことばれす・・・」
石川「お師匠様は動物語も堪能なんですよ。」
- 53 名前:別の人@初カキコ 投稿日:2000年09月30日(土)17時00分32秒
- 以下アザラシ語、
保田『呪文はそのアイテムでなんとかなるからともかく、
移動が不便だし、あんたの馬鹿力も使えないのは痛いわ。
早く何とかしないとね。
ゴマ『でもあたし、この姿そぅとぅ気に入ってるからね〜。
保田『な、、なんで??
ゴマ『だって寝てても文句いわれないし、抱えてはこんでくれるし。
みんなやさしいし、美味しいものもくれるし、、。
保田『あ、、あんたって娘は、、、
ゴマ『あはっ!!
以下人間語
辻「だいしんかんがこまったかおをしているのれす。」
石川「いったいアザラシのゴマにはどんな謎が隠されているのでしょうね?」
- 54 名前:別の人@53 投稿日:2000年09月30日(土)17時02分49秒
- 52まで面白かったんで書かせていただきました。
作者さん頑張ってください。
更新するたび見にきます。
- 55 名前:作者のうちの1人 投稿日:2000年10月01日(日)02時57分18秒
- >53=54
っていうか、これ数人でリレーっぽく書いてるからあなたも是非書いてよ。
- 56 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月01日(日)03時13分29秒
- その時勇者飯田の身体を包む炎が一層激しさを増した。
保田「あら、あの子頑張るわねえ。腕の方はどうかしらないけどいい根性してるわ」
勇者飯田の頭に、また謎の声が語りかけてきた。
「うん、よく頑張ったわね。いいわ、認めてあげる。この剣を持って旅を続けなさい。
まずはバトルマスターよっすぃーを探すのよ。そうすればおのずと道は開けるわ。
私の方も・・・そろそろ時間ね・・・」
勇者飯田を包んでいた炎が消えた。
勇者飯田「あなたは誰なんですか?」
謎の声「わたしは・・・勇者さやか・・・時が来たら・・・逢えるわ・・・」
数時間後
辻「ゆうしゃさま!ゆうしゃさま!あ、めをあけました!!!」
矢口「やっと気がついたか!」
石川「もうこのまま気がつかないんじゃないかと・・・心配しました」
ゴマ「きゅ〜ん!(よかった!)」
- 57 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月02日(月)00時48分28秒
- カオリの剣を捧げ持ち、ブツブツ独りごとをいう勇者飯田
勇者飯田「・・・力が・・・力があふれてくるみたい・・・」
辻「ゆうしゃさま・・・めがやばいのれす・・・」
矢口「あいつ、変な奴だと思ったけど・・・まさかここまでとは・・・」
保田「さすがね。結構な強さになったみたいじゃない。でも・・・」
石川「・・・でも?でも、なんですか?お師匠様」
保田「まだ力を上手く使えないわね。見てて御覧なさい」
勇者飯田はおもむろに剣を振り回した!!
「ディアーーーー!!!」
突然巨大な地鳴りがして、洞窟が崩れ始めた!!!
保田「ほら、いわんこっちゃない」
矢口「は、は、早く言えよ〜〜〜!!!逃げるぞ!!!」
辻「へ、へいっ!!ごま、にげるれすよ〜〜〜!!」
ゴマ「きゅーん!!」
- 58 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月02日(月)01時01分23秒
- 命からがら洞窟を逃げ出した一行
矢口、辻はへとへと。石川はなぜかゴマを抱えている。
矢口「はぁ、はぁ・・・氏ぬかと思った・・・せっかく助かったのに・・・」
辻「ごまぁ、たすかってよかったれすねぇ・・・」
ゴマ「きゅ〜ん・・・(やれやれ、ね・・・)」
石川「・・・(ゴマを抱えて運んできたのはあたしなのに・・・)」
勇者飯田「カオリ、強くなった!!これなら、魔王もやっつけられるわ!!
さっそくやっつけに行きましょ!!」
保田「馬鹿。まだまだ勝てないわよ。力を上手く使いこなせてないんだから。
いっぱい戦って、レベルを上げること。それから、よっすぃ〜をさっさと探してきなさい。
戦闘のプロだからね。石川!!心配だから、ついていってあげて。」
石川「は、はい、でも、お師匠様は?」
保田「元の姿に戻ったばかりだし、ちょっとレベルを上げてから行くわ。
よっすぃ〜が見つかったら、呼びに来て頂戴。」
保田はルーラを唱えて、去っていった。
辻「・・・はー・・・、こわかったのれす・・・」
- 59 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月03日(火)06時06分21秒
- 同じ頃、魔王の城
魔王「そうか、はたけ達がやられたか・・・」
部下「はっ。あの大魔導士や大神官の復活は少々面倒かと・・・」
魔王「肝心の勇者が居なければ問題ないわ。まだボンバー四天王が残っておるし・・・
しかし、ゴミどもに邪魔をされるのは鬱陶しい・・・」
部下「魔王様、あの新入りを使ってみてはいかがでしょう?」
魔王「ふむ、ドラゴンに吹き飛ばされてきた、あのババァか」
部下「洗脳効果で、なかなかの使い手になっておるようでございます。」
魔王の新たな刺客が勇者飯田の一行を襲う!!
- 60 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月05日(木)09時51分58秒
- そのころ、飯田が試しの炎の試練を受けていた時の事
そしてこれからのことを石川が飯田に説明していた。
石川「・・・というわけなんです。私達はバトルマスターよっすぃーを
探しに行かなくてはなりません。皆で力を合わせてファイトファイト〜♪ですよ!」
勇者飯田「うん。カオリもバッチリ理解したよ(石川ちゃん可愛いなあ)」
矢口「何でこれくらいの事説明するのに3時間もかかるかなあ・・・」
辻「いしかわさんはおはなしのようてんをまとめられていないのれす」
勇者飯田「よし!それじゃそのバトルマスターを探しに行くよ!」
矢口「探すっつっても何処にいるかわかんないじゃん。キャハ!」
石川「うーん・・・これは問題ですね・・・この森を抜けたところに
『テンノウスの街』があります。とりあえずそこに行って情報を集めましょう」
- 61 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)01時40分00秒
- 『テンノウスの街』は、海沿いにある風光明媚な街だ。
大きな港があり、市場もなかなか賑わっている。
勇者飯田「ふぅ、なかなか見つからないね〜、バトルマスター」
矢口「闇雲に歩き回って、見つかるわけねーだろ!!キャハハハ!!」
辻「ゆうしゃさまー、つかれたのれすー。おなかもすいたのれすー。」
勇者飯田「しょうがないね。ちょっと休もうか。」
一行は酒場に入って一休みすることにした。
酒場の名前は「ミチーヨの酒場・テンノウス支店」・・・。
- 62 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)01時45分43秒
- たまたまミチーヨも開店祝いにやってきていた。
勇者飯田「あれ?みっちゃんじゃん。どうしたの?」
ミチーヨ「勇者さんやないか。ぎょうさん仲間連れて。
うちもな、ようやく支店が出せるようになったんよ・・・。苦労したわ・・・。
まさか、あんたらにここで会うとは思わへんかった。今日は奢りや、飲んでいき。」
辻「わ〜い、じゅーすほしいのれす!!てへてへてへ」
ゴマ「きゅ〜ん!!(お腹すいた!!)」
- 63 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)02時07分51秒
- マターリしている店内に突然ミチーヨの悲鳴が上がった。
全員驚いてその声のする方に顔を向けると、
荒くれ者達がミチーヨにナイフを突きつけているではないか!
ミチーヨ「ちょっとやめてぇな。あんたらに飲ます酒なんかあれへんわ!」
荒くれ1「おぅおぅ!可愛い姉ちゃんの顔に傷が付いてもいいのかい?おう?」
荒くれ2「俺たちはただ若くて可愛い娘。と酒が飲めりゃぁ文句はねぇんだよ!」
客その1「あの人達ってウタバン隊の人達じゃないかしら?」
客その2「そうだよ。だって何か上半身裸のデブまでいるじゃないか。あれはどう見てもウタバン隊だよ」
荒くれ1「おっ!よーくみりゃ何だか可愛い娘。達がいるじゃねぇか!」
勇者飯田「えっ!?それってカオリンのこと?」
荒くれ2「ちげぇーよ!おめぇーじゃねぇーよ。おめぇーはどっか行ってろよ。」
荒くれ1「さぁさぁ、おぢさんとじゅーす飲もうねぇ。」
辻「いいらさん!いいらさん!こわいれす!こわいれす!」
石川「あっ!辻ちゃんが連れ去られてくわ!どうしようかしら・・・お師匠様・・・」
勇者飯田「うーん、ここに来て辻が連れ去られるなんて・・・早く助けに行かなきゃ!」
ゴマ「きゅーん!!(早く行かなきゃ!)」
辻が連れ去られてしまったぞ!どうする勇者飯田一行!
- 64 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)14時09分02秒
- 「ちょおまちいや」
突然荒くれもの達に誰かが声をかけた。
荒くれ1「なんだよおめぇーは!」
荒くれ2「ばばあには用はねーんだよ!!」
声の主「ばばあって・・・まだあたしは若いちゅうーねん!!」
荒くれ1「どっからどーみてもババアじゃねぇーかよ!」
荒くれ2「俺達は若い女にしか興味はねえの。引っ込んでろ!」
声の主「アンタら、命が惜しくないようやね。
アタシを中澤ゆうこ様だと知って言ってのかい!?」
荒くれ1「げ!!!こいつは魔王軍の!!」
荒くれ2「とりあえず退散だ!後で覚えてやがれ!!」
魔王軍ゆうこ「ったく。くだらない奴等だ。お嬢ちゃん、もう大丈夫よ」
辻「ありがとうございます!なかざわさん!とってもいいおねえさんれすね!」
魔王軍ゆうこ「ありがと。でもアンタ、ちっちゃい子がこんな酒場来たらあかんで。
保護者は何処や。アタシが説教したる。」
辻「ゆうしゃさまれすか?あそこにいます。ゆうしゃさまー!!!このひとがたすけてくれたれす!!」
魔王軍ゆうこ「勇者って、まさか・・・」
激突必至!!?どうなる!?
- 65 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)15時49分37秒
- 魔王軍ゆうこ「・・・さっそく見つかったみたいやね。」
勇者飯田「辻、助かったみたい・・・誰?そのおばさん」
魔王軍ゆうこ「おばさんちゃうっちゅうねん!!!勇者のくせにお子様を二人もつれて、
酒場に来るとはどういうこっちゃ!!」
勇者飯田「・・・ごめんなさい」
小人矢口「おい!!オイラはお子様じゃねえぞ!!」
ミチーヨ「あ、あれは・・・裕ちゃん!!裕ちゃんやないか!!」
魔王軍ゆうこ「誰や、あんたは・・・」
ミチーヨ「ほら、アイサガ村の隣に住んでた、みっちゃんや!!」
魔王軍ゆうこ「さあ、もう忘れたなあ・・・。」
- 66 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)15時55分51秒
- 魔王軍ゆうこ「さ、おしゃべりはここまでや。魔王様の命令や、
勇者をやっつけさしてもらうで。」
勇者飯田「魔王の部下?その割には老けてるような・・・」
魔王軍ゆうこ「うっさいわ!さっさとかかってんこんかい!!」
勇者飯田「よーし!カオリがやっつけちゃうんだから!!」
勇者飯田は、『カオリの剣』をふりまわした!!
轟音とともに店が崩れ始めた!!
小人矢口「またかい!!馬鹿!!馬鹿!!」
石川「はぁ・・・とりあえず逃げましょう・・・」
ゴマ「きゅーーーん・・・・」
- 67 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)16時53分17秒
- ミチーヨ「せ、せっかく二店目出せたのに・・・(泣)」
- 68 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月06日(金)17時48分55秒
- 矢口「いくぜ!!オイラ、矢口が相手だ!!」
小人矢口の攻撃!!「アチョ〜!!」
ゆうこは厚底を受け止めた!!
魔王軍ゆうこ「お?ちっちゃくて可愛いやないけ。お持ち帰りやな。」
ゆうこは一升瓶をとりだした!!
ゆうこ「おい!!矢口!!」
矢口「なんだよ〜ゆうこ!!・・・???あれ〜・・・・」
矢口は一升瓶に吸い込まれた!!
- 69 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月07日(土)07時27分35秒
- 勇者飯田「矢口、吸い込まれちゃった・・・」
辻「なからわさん、さっきはやさしかったろに、きゅうにこわくなったのれす・・・」
ゴマ「・・・きゅーーーん・・・」
石川「矢口さんを返してください!!」
石川は吹雪の杖を天にかざした!!石川の言葉が氷の刃となって襲い掛かる!!
石川「ファイトファイト〜〜〜〜!!」
魔王軍ゆうこ「なんじゃそら。ずいぶんサムい台詞を言わされとるやないけ。
我慢しなくてもいいねんで・・・」
ゆうこは氷の刃を全てはじき飛ばした!!
石川「そ、そんな・・・」
魔王軍ゆうこ「おい!石川!!」石川「は、はい?・・・しまった!!」
石川も一升瓶に吸い込まれてしまった!!
- 70 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月07日(土)20時18分25秒
- 2人も瓶に吸い込まれ、絶体絶命となった勇者飯田。
飯田は突然宇宙と交信しはじめた・・・。
しばらくすると空の一部が裂け、一匹の巨大な狛犬が降臨した。
保田「ちょっと!狛犬ってなによ!失礼しちゃうわ!」
勇者飯田「あ、圭ちゃん。助けに来てくれたんだー。カオリ感激ー♪」
保田「まあいいわ。あれ?石川はどこ行ったのかしら?」
勇者飯田「石川は一升瓶の中に吸い込まれたの。カオリ寂しい。」
保田「なるほどね。で、<ゆうこ>が持っている瓶の中って訳なのね。」
魔王軍ゆうこ「おいっ!圭坊!」
保田「は〜い。何?どうしたの?・・・キャー!!」
保田も一升瓶に吸い込まれ・・・・しかし、保田のエラが瓶の口に引っ掛かり、
吸い込まれなかった!
保田「失礼しちゃうわね!」
- 71 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)02時07分15秒
- 魔王軍ゆうこ「・・・まぁ、ウチにも選ぶ権利はある、っちゅうことやな」
保田「失礼しちゃうわね!!」
- 72 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)06時08分25秒
- 保田「なんにしてもアンタは何者かに操られているようね。
今すぐ私が目を覚まさせてあげるわ。」
保田は祈りはじめた・・・
魔王軍ゆうこ「アイタタタ・・・頭がわれるう!!!
あかん・・・・」
その時突然邪悪な気があたりに満ちた・・・
「ここで邪魔されるわけにはいかんなあ・・・狛犬の姉ちゃん」
保田「この声は・・・魔王!!!」
一升瓶の吸い込む力が突然強力になった!!!
大神官保田は一升瓶に吸い込まれた!
〜一升瓶の中〜
石川「あら御師匠様、いらしてたんですか?」
保田「アンタなんでこの非常事態にもそんななのよ」
矢口「なんだよ〜役立たず〜」
保田「いちいちうるさいわね。さてどうしたものか」
- 73 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)06時24分03秒
- 魔王軍ゆうこ「さて、残りは2人と一匹か」
辻「なんれこんなひどいことするのれすか!!!」
魔王軍ゆうこ「心配いらんわ。別に殺したわけやあらへん。
あたしが用があんのはそこの勇者さんだけや。」
勇者飯田「カオリはおばさんには用はないもん。」
魔王軍ゆうこ「やかましわ!!!さて、辻ちゃんは危ないから・・・
下がってような、な?『辻ちゃん』」
辻「へい。あ・・・」
辻は一升瓶の中に吸い込まれた。
勇者飯田「許さない!!いくわよ!!」
勇者飯田の攻撃!!
しかし魔王軍ゆうこは流れるような剣さばきで攻撃を全て受け流した。
魔王軍ゆうこ「けったいな剣持ってても使い手がこれじゃああかんなあ」
ゴマ「きゅ〜ん!!!(あの人、半端じゃない強さだわ)
キーン!!!
勇者飯田は剣を弾き飛ばされた。
魔王軍ゆうこ「万事休すやなあ。
この最強の剣客中澤ゆうこを相手にしたのが運の尽きやな」
勇者飯田「ダメだ、この人強い・・・」
ゴマ「きゅ!!!(やばい!!)」
その時ゆうこの眉間を鋭く手裏剣が!!!
魔王軍ゆうこ「危なっ!!!誰や!!!」
ミチーヨ「ゆうちゃん、それくらいにしとき。
さっきまでは店のイメージ悪うなるから猫かぶっとったけど
もうこの際や。記憶がないようやから自己紹介しとくわ。
平家流免許皆伝、忍者ミチーヨが相手になるで!!!」
怒濤の展開!!ついにミチーヨも話に絡んできたぞ!!!
- 74 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)06時28分45秒
- 勇者飯田「圭ちゃんまで吸い込まれちゃった・・・カオリ、寂しい・・・。」
ゴマ「きゅーーん・・・(元の姿に戻れれば倒せるけど、まだ戻れないし・・・)」
辻「こまったのれす・・・」
魔王軍ゆうこ「魔王様、ありがとうございます。急に頭が痛くなって・・・」
「気にするな。さっさと勇者を倒してしまえ。」
辻「だれとはなしてるれすか?」
魔王軍ゆうこ「うっさいわ!ガキは黙っとけ!!!」
辻「おこられたれす・・・。ののももうおこったれす!!!」
ロッケンローラー辻は青のたてごとをかき鳴らした!!!
- 75 名前:74 投稿日:2000年10月08日(日)06時29分40秒
- うわ・・・かぶった、こんな時間に・・・(わら
74は廃棄の方向で。
- 76 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)06時37分10秒
- さて、どっちで続けたものか?(笑)
- 77 名前:76 投稿日:2000年10月08日(日)06時38分06秒
- >75=74
了解
- 78 名前:73から続けますわ 投稿日:2000年10月08日(日)06時46分19秒
- 魔王軍ゆうこ「ふ〜ん。結構やるやないけ。なっ、ミチーヨ(ニヤリ)」
ミチーヨ「あかんなあ、ぜんぜんウチのことを覚えておらん。
正気のゆうちゃんならウチのことを『みっちゃん』ゆうはずやからな。」
魔王軍ゆうこ「・・・よっぽど痛い目にあいたいみたいやな。」
ミチーヨ「それはこっちのセリフやで。目ぇ覚まさしたるわ」
ミチーヨは忍者刀「村正」を抜いて斬りかかる!
ゆうこはそれを間一発で受け止めた!!
魔王軍ゆうこ「なかなかやるやないけ」
ミチーヨ「そっちこそ、前のほうが強かったんちゃうか?」
ミチーヨとゆうこは激しく斬り合いを続ける・・・。
- 79 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)07時00分43秒
- ミチーヨ「ほな、いくで」
魔王軍ゆうこ「おもろいやないけ。アンタは骨がありそうや。かかってきいや」
勇者飯田の目前で繰り広げられる激しい戦い。
力は全くの互角、いや、ミチーヨのほうがわずかに優勢のようだ。
ミチーヨ「アンタは随分昔にもウチに負けとるんよ」
魔王軍ゆうこ「ハァハァ・・・知らんわ、そんな事」
「苦戦しとるなあ、ホレ、手助けしたるわ」
また先ほどの声が・・・
赤い閃光があたりを包むとと魔王軍ゆうこの様子が変わった!!
魔王軍ゆうこ「殺したる!!皆殺しや!!」
ミチーヨ「ゆうちゃん!?あかん、完全に何かに心を奪われとるわ」
勇者飯田「・・・・・かなわないよ。この剣を手にしても・・・」
勇者飯田は落ち込んでいる!!!
〜〜〜一升瓶の中〜〜〜
石川「ああ!ミチーヨさんが押されてきました!!」
保田「どうやら魔王の力みたいね。
あの魔王の力を断ち切れれば何とかなるんだけど」
矢口「肝心の勇者は自信喪失してるよ。こりゃダメかな。キャハ!」
保田「笑い事じゃないわよ!あの魔王軍の女、さっきまであった理性を失ってるわ。
あたし達も殺されるわよ」
辻「あんなのゆうしゃさまらしくないれす!!!きあいがたりないれす!!!」
辻は突然持っていたギターをかき鳴らして歌いはじめた!!!
辻「あまったれんじゃなーいわよーじーぶんれしーなべいべー♪」
- 80 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)07時12分53秒
- またかぶったか・・・
でも今回は無理やり繋がった、と見れないことも無い(わら
- 81 名前:79 投稿日:2000年10月08日(日)07時20分18秒
- ありっしょ>80
- 82 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月08日(日)07時29分50秒
- 辻のギターに反応するかのように、勇者の剣がぼんやりとした光を帯びた。
剣が、勇者飯田に語りかけてくる・・・。
謎の声「カオリ、力みすぎなんだよ」
勇者飯田「だって、全部攻撃をかわされちゃうし、
振り回しても当たらないし・・・超センチメンタルな感じだよ」
謎の声「だから、あたしを信じてよ。今まで、剣を使おうとしてたでしょ?
そうじゃなくて、あたし達は一体なんだから。あたしはカオリの剣なんだよ?」
勇者飯田「・・・カオリの剣・・・」
勇者飯田は立ち上がった!
勇者飯田「そこまでよ!カオリたちがやっつけてあげる!!」
- 83 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月09日(月)03時50分34秒
- 辻のギターはますますドライブする!!!
辻「きあいいれてー あすにむーかってーー(へいへいへい!)」
魔王「くっ、我が魔力がかき消されてゆく・・・おのれ・・・」
魔王軍ゆうこ「何や、このギターの音は・・・頭がガンガンするわ・・・」
ミチーヨ「ゆうちゃん、動きが鈍なってきたで・・・。
カオリ!!今がチャンスや!!いったれ!!」
勇者飯田は『カオリの剣』を一振りした!!
ものすごい衝撃波が魔王軍ゆうこを襲う!!
魔王軍ゆうこ「ぐはっ!!!」
ゆうこは吹き飛ばされて意識を失った。
ちなみに、ミチーヨも一緒に吹き飛ばされた。
ミチーヨ「あたたた・・・なんでウチまで・・・(泣)」
- 84 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月09日(月)03時57分00秒
- 衝撃で一升瓶が割れ、中の保田・矢口・辻・石川は元に戻った。
石川「何とかやっつけたみたいですね。」
矢口「カオリよ〜、じらすんじゃねーよ!!キャハ!」
辻「これでこそゆうしゃさまなのれす!!」
謎の声「そう。それでいいのよ。力が必要なとき、私を呼び出すだけでいいの」
勇者飯田「・・・わかりました」
保田「さてと、この幹部、めちゃめちゃ手ごわかったわね。今のうちに・・・」
ミチーヨ「待って!!ゆうちゃんはな、操られてるだけやねん!助けたって!!」
保田「分かってるわよ。魔王の呪いを解かなきゃ・・・」
- 85 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月09日(月)05時28分44秒
- 保田「はい!石川、教えたわね。呪いはどうやって解くんだっけ?」
石川「はい。お師匠様、こんな時は魔王宅にピザを20個注文しておくんですよね。」
保田「・・・・・」
石川「冗談です。シャナクですよね。」
¥¥¥¥¥¥
別の人です。
レスをもらったのになんか忙しくて出てこれませんでした。
連作であることは知っていましたが、
あの当時はもの凄く一貫性があって、
一人で書いてるものと思い込んでました。m(_ _)m
では、ハンドルを捨てて、たまーに
流れを崩さない程度に参加させていただきます。
- 86 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月09日(月)09時44分00秒
- 中澤「うーん・・・あいたたた・・・体中が筋肉痛や。
やっぱ年かな・・・」
辻「なからわさんきがついたれす!!」
石川「ちゃんと効いたでしょうか?私のシャナク」
中澤「あ、みっちゃん、ひさしぶりやなあ。こんなとこで何してんねん」
ミチーヨ「自分のしとったこと覚えてへんのかいな・・・かくかくしかじか・・・」
中澤「アタシ、、、魔王に操られとったんかいな・・・情けないわ・・・
ゴメンな、勇者はん。罪滅ぼしと言っちゃなんやけど、お手伝いさせてもらうわ」
勇者飯田「カオリ全然気にしてないよ。おかげでカオリ一段と強くなったし」
保田「・・・バトルマスターよっすぃーについて、何か知ってる?」
中澤「あの伝説の戦士かいな。う〜ん・・・詳しくは分からんけど
ここテンノウスの港からずうっと北に行くと『ムロランシティ』
いうとこがあってな・・・そこに何やごっつい娘がおるって話は聞いた事あるな」
矢口「きっとそれがよっすぃー何じゃない?案外すぐに見つかったね!キャハ!!」
保田「・・・でも、魔王の呪いがかかってるんなら人の姿ではない気がするんだけど」
中澤「自分も魔王の呪いがかかってるんかいな・・・気の毒やなそんな姿にされて」
保田「失礼しちゃうわね!!これは人間の体よ!!!]
- 87 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月10日(火)08時53分29秒
- 中澤「そうやね、船に乗っていけばムロランシティには2日くらいで
着くんちゃうかなあ。ウチも行ったことはないねんけど」
勇者飯田「じゃあ、船に乗ってムロランに行ってみよう!」
辻「おふねにのるのはじめてなのれす・・・どきどき・・・」
勇者飯田「みっちゃんはどうするの?一緒に行く?」
ミチーヨ「いや、ウチは店を再建せんとあかんしな・・・今回は遠慮しとくわ。
ウチの店で呼び出してもらえれば、いつでも仲間に加わるで。
あと、ゆうちゃんをよろしくな。トシがトシやさかい」
中澤「みっちゃんに言われんでもウチは大丈夫や!トシたってあんたも顔はそう変わらんやないか!」
ミチーヨ「よういうわ!・・・気いつけや」
中澤「・・・みっちゃんもな」
堅く抱き合うミチーヨと中澤・・・。
辻「おんなのゆうじょうなのれす・・・。」
勇者飯田「さあ!行こう!!」
一同「おぉ!!」
一行はムロランシティに向けて船出をした。
しかし、この船旅があとで恐ろしい事態を招こうとは知る由もなかった・・・。
- 88 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月12日(木)10時41分33秒
- 船の上。
辻「わ〜い!おふねたのしいのれす!!わ〜い!」
ゴマ「きゅ〜ん!(楽しい!)」
矢口「・・・っぷ・・・・」
石川「二日酔いですか?」
中澤「あほか、船酔いやっちゅうねん」
矢口「うえ〜〜〜〜〜」
中澤「あ〜あ。石川、始末しといてや。」
石川「(なんで私が・・・)」
保田「どうしたの?浮かない表情ね。あんたも船酔い?」
勇者飯田「そうじゃないけど・・・なんかどきどきするの」
保田「(やれやれ、また宇宙と交信してる)」
- 89 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月12日(木)10時51分25秒
- 突然、勇者飯田が目を見開き、海を指差した!!
勇者飯田「・・・あれ、何?」
保田「島・・・?だけど、こっちに近づいてるみたい・・・」
中澤「なんか、やばいんちゃうか?」
島はどんどん近づいてくる!
なんと、その島は超巨大なモンスターだった!!
突然激突された船はあっという間に真っ二つになった!!
保田「ルーラで逃げるから、つかまって!!」
しかし、全員はつかまりきれない・・・。
- 90 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月12日(木)10時59分57秒
- 保田たちはどこかの森に落ちてしまった。
保田「痛った〜・・・。ここはどこかしら・・・。」
矢口「・・・オイラたち、どこに飛んできたんだろう・・・」
辻「ゆうしゃさま、いないれす・・・。」
中澤「・・・はぐれてもうたみたいやな・・・。無事やとええけど・・・。」
一方、どこかの浜・・・
ゴマ「きゅーん・・・(何とか泳いでここまできたけど・・・)」
勇者飯田「う〜ん・・・あれ?みんなは・・・」
ゴマ「きゅーん!!きゅーん!!(気がついた!!よかった!!)」
となりでは石川がまだ気を失っている。
勇者飯田「梨華ちゃんと、ゴマだけなの?嘘〜、カオリ寂しい・・・」
分断されてしまったパーティーは元に戻れるのか?
そしてバトルマスターよっすぃーは?ごつい娘は?
- 91 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月12日(木)22時26分24秒
- 保田達のパーティ(森の中)
辻「あ、りすさんがいるれす」
矢口「ほんとだ。可愛いな、頬袋にあんなに食べ物詰め込んで」
中澤「食い意地張ってるな」
リスは保田をじっと見つめると、何かを思い出すかのように木をおりて
森の奥へと駆け込んでいった。
中澤「自分の顔がおっかなくて逃げ出したんちゃうか?」
保田「失礼しちゃうわね!!!でも・・・まさか、ね。」
勇者飯田達のパーティ(浜辺)
石川「あれ、あそこに高い塔が立っていますよ」
勇者飯田「本当だ。よし、いってみよう」
塔の下まで行ってみると「ジャスコの塔」と書いてある。
石川「ジャスコの塔ですって。ここの屋上から周りを見渡せば
御師匠様達も見つかるかも知れませんね」
勇者飯田「それいいね。そうしよう!」
ゴマ「きゅ〜ん(大丈夫かな)」
- 92 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月14日(土)00時21分09秒
- どうでもいいが加護の出番が最初のなんでやねん!だけだとしたら悲しいな。
- 93 名前:保田パーティー(森) 投稿日:2000年10月14日(土)05時34分23秒
- 辻「・・・いつまであるけばでられるれすか?もうへとへとれす・・・」
矢口「オイラもだ・・・厚底だから歩きにくくて・・・」
中澤「酒・・・生ビール・・・」
突然、先ほどのリスが森の奥から再び現れた。
何やら、紙のようなものを引き摺って来ている。
保田「これは・・・このあたりの地図ね」
辻「でられるれすか!!?」
矢口「やったーーー!!」
保田「まだ早いわよ。ムロランシティがすぐ近くにあること、
ジャスコの塔という塔がそのそばにあることは分かったけど、
森の抜け出し方までは・・・」
中澤「そんな・・・後生やわ・・・」
すると、リスは保田の足元をつついてから、駆け出した。
ついてこい、といっているかのようだ。
保田「まさか・・・本当に?」
- 94 名前:飯田パーティー(塔) 投稿日:2000年10月14日(土)05時37分48秒
- 勇者飯田「ふう、ふう・・・。結構高さあるわね。」
石川「勇者様・・・」
勇者飯田「何?」
石川「ゴマ、重いんですけど・・・」
勇者飯田「登ろうって言ったの梨華ちゃんなんだからね。
ゴマは自分で登れないんだから、梨華ちゃんが連れてこないとカオリおかしいと思う。」
石川「・・・」
- 95 名前:飯田パーティー(塔) 投稿日:2000年10月14日(土)05時50分37秒
- 勇者飯田とゴマを抱えた石川はようやく頂上に到達した。
そこでは、ちょっと太目の女の子が食べ物をむしゃむしゃと食べていた。
???「むしゃむしゃ・・・トド肉はやっぱりうまいべ・・・
ムロラン名物といったらトドだべさ・・・」
勇者飯田「あのー・・・」
???「なんだべ?トドはナッチーのだべ。やらないべ。」
勇者飯田「そうじゃなくて、私達・・・。」
勇者飯田と石川は事のあらましを話した。
女はナッチー、このあたりで漁をしながら暮らしているらしい。
ナッチー「そったらこといわれても、食べ物をくれないと教えてやれないべ。」
勇者飯田「そんなー、私達食べ物なんかもってないし・・・」
石川「どうしましょう・・・」
ゴマ「きゅーん・・・」
ナッチー「ん?そこにいるのはトドだべか?」
石川「違います!この子はアザラシのゴマです!」
ナッチー「う、うまそうだべ・・・それを食わせてくれたら教えてやってもいいべ」
石川「駄目です!この子は私達の仲間なんです!」
ナッチー「堅いこといわずに、食わせるべ!」
勇者飯田「駄目!私達の仲間を食べるなんて、カオリ許さない!!」
ナッチー「何だべ?ナッチーとやるってか?面白いべ!」
- 96 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月14日(土)08時31分08秒
- 〜飯田パーティ(塔)〜
漁師ナッチーがあらわれた!!
ナッチーが両手を天にかざすと、晴天だった空に暗雲が立ちこめた。
ナッチー「大自然の中で身につけたナッチーの力、思いしるがいいべさ!」
石川の攻撃!!「私、新500円玉集めてるんです」
石川の言葉は吹雪に変わった!!
ナッチー「こんなんナッチーには通じないべさ!!吹け!荒らし!!」
石川の吹雪はナッチーの呼んだ『荒らし』にかき消された!
勇者飯田「凄い。天気を自在に操ってる」
ゴマ「きゅ〜ん(この子、天性の「天地雷鳴師」の素質を持ってるわね)」
- 97 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月14日(土)08時31分56秒
- 〜保田パ−ティ(森)〜
リスに導かれて小一時間ほど歩くと、突然目の前が開けた。
保田「人の住んでる気配がするわね」
中澤「酒や、酒が飲める・・・」
辻「どうぶつさんがいっぱいいるれす」
謎の声1「あんた達何者?」
謎の声2「ここが魔王軍ヨシターケの牧・・・居城だと知って入ってきたのか?」
中澤「誰や!!」
見ると、物語冒頭で勇者飯田と辻にやられた
獣使いりんねとあさみが馬に乗っていた。
辻「あのときのおねえさんれす」
りんね「あ、あんたアザラシの時の・・・」
あさみ「ちょうどいいわ。リターンマッチよ!!
レベルアップしたあたし達の力見せてやる!!」
獣使いりんねとあさみがあらわれた!!
- 98 名前:保田パーティー(森) 投稿日:2000年10月15日(日)01時39分53秒
- りんね「いくわよ!」あさみ「オーケー!!」
りんねとあさみは名にやらふにゃふにゃ踊りだした!!
中澤「・・・何がしたいねん」
保田「うーん、返し技狙いっぽいわね。うかつに飛び込むと・・・あ」
矢口はすでに飛び蹴りの体勢に入っていた!!
矢口「アチョ〜!!・・・え!?早く言えよ!!」
りんね「来たわね!!」あさみ「あやつってやる!!」
突然、矢口の身体の自由が利かなくなった!
矢口「あれ・・・オイラなんか気持ちよくなってきた・・・カラダが勝手に・・・」
りんね「やれ!!」
矢口の飛び蹴りは保田の顔面にヒット!!保田に30のダメージ!!
矢口「ひえ〜、圭ちゃんゴメン〜」
保田「失礼しちゃうわね!!レディーの顔に・・・」
辻「あんまりかわってないのれす・・・」
- 99 名前:飯田パーティー(塔) 投稿日:2000年10月15日(日)01時50分16秒
- ナッチー「今度はこっちからいくべ!!轟け、カミナリ!!」
ナッチーはカミナリを呼んだ!!
ゴマは赤い呪文帳を取り出した!!
ゴマ「きゅーん!(フバーハ!)」ゴマを光の衣が包んだ!!
ゴマはカミナリを防いだ!!
石川「えっと・・・こんなときは・・・お寿司10人前出前!!」
石川はカミナリ攻撃をくらった!!石川はしびれて動けなくなった。
石川「・・・やっぱり、間違えたかしら・・・」
勇者飯田は防ぐ構えを見せない!
ゴマ「きゅ〜ん?(また宇宙と交信してる?)」
勇者飯田はカミナリ攻撃を食らった!!しかし、平気だった!!
ゴマ「きゅーん・・・(電波系にカミナリ攻撃は無駄、ってことかしら・・・)」
- 100 名前:飯田パーティー(塔) 投稿日:2000年10月15日(日)02時04分10秒
- ナッチー「お、おかしいべ・・・カミナリが効かないべ・・・」
勇者飯田「そろそろわかった?」
ナッチー「うるさいべ!!アザラシ食わせろだべ!!」
勇者飯田「仕方ないわね・・・」
勇者飯田の攻撃!「ヒッパレ!!」剣から衝撃波がほとばしる!
ナッチーに200のダメージ!!
ナッチーをやっつけた!!
ナッチー「はらほろひれはれ・・・」
勇者飯田「わかった?アザラシを食べたら駄目だよ」
ナッチー「わかったべ・・・トドだけにしとくべ」
そのとき、ナッチーの懐からペンダントが転がった!
石川「これは・・・プッチペンダントですよ?」
ナッチー「それは、浜で拾ったんだべ。キレイだけど食べれないべ?
だからあとで食べ物と交換しようと思ったんだべ・・・」
ゴマ「きゅーん・・・(よっすぃ〜、この近くにいるのかも・・・)」
勇者飯田は塔から下を見下ろした。
下には巨大な森、そして牧場と城が見える。
石川「あそこにいるの、お師匠様たちじゃありませんか?」
勇者飯田「ほんとだ!!こんなところにいたんだ!!行こう!!」
ナッチー「あの・・・ナッチーもついていっていいべか?お腹がすいちゃったべ」
- 101 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月15日(日)04時56分41秒
- ナッチー「ついたらジンギスカンにするべさ。みんなで食べるとおいしいっしょや。」
石川「まだいいと言っていないのに、すっかり一緒に行く気ですね。」
ナッチー「このペンダントとバクれば、きっとお腹いっぱいになれるべ。」
石川「バクれば?」
勇者飯田「だめだめ!それをあげちゃだめ、
しょうがないなー、かおりの物とバクリっこしよう。
お弁当の残りのザンギをあげる。」
石川「ザンギ??」
ナッチー「う、ザンギ、、、、
しょうがないべ、したっけそれだけじゃつりあわないっしょ。
のども乾いたし、その腰につけてる水筒みたいのも欲しいべさ。」
勇者飯田「これって、なんだっけ?かごのしる?まあいいや、あげちゃえ。」
ナッチー「商談成立。ざんぎ美味いべさ。」
石川「もう食べてる、、、。ところで勇者様、
この国の言葉わかるんですね。」
勇者飯田「うん。なんでだかわからないけど、何かが囁いてる。。
かおりはもしかしたら、昔この辺にいたんじゃ、、、。」
石川(また電波かしら?そうじゃなければ、勇者様のルーツはここに??)
ゴマ「きゅ〜、、、。(眠くなってきた)」
¥¥¥¥¥¥¥¥
ザンギ=からあげ@北海道
- 102 名前:保田パーティー(森) 投稿日:2000年10月15日(日)05時32分30秒
- 保田「矢口に攻撃するわけにもいかないし、、、」
辻「はわわわ。。。」
防戦を強いられる一行。矢口大暴れ。
保田「あー、もう、矢口、おとなしくしなさい!!」
中澤「混乱には眠りやないんか?」
保田「あたしはラリホー使えないわよ。」
辻「つじもれす」
中澤「うちも。」
保田「そうだ!あの一升瓶は?、、、割れたんだったわね。
ちょっと辻、あんた前にあの娘達と戦ったんでしょ?
どうやって勝ったのよ??」
辻「あ、あのときは、、、たしか、
かごのしるをつかってはぐれあいぼんをよんだのれす!」
保田「で、そのかごのしるってのは??」
辻「ゆうしゃさまがもっているのれす。」
保田「ダメじゃん。。」
りんね「ふふふふ、、あれは今ないのね。勝てるわ!!」
あさみ「私達も攻撃に加わって、とどめをさしましょう。」
- 103 名前:飯田パーティー 投稿日:2000年10月15日(日)05時43分35秒
- 勇者飯田「!!」
石川「??あら、また受信ですか?今日は多いですね。」
勇者飯田「なんか嫌な予感がする。走っていく。」
ナッチー「ザンギも食べ終わったし、ナッチーも走るべ。
これは着いてから飲むべ。」
石川「ちょっとー、ごまが重いんですけど、、、。」
ごま「zzz・・・」
- 104 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月15日(日)06時08分40秒
- 勇者飯田たちは塔を駆け下りて、牧場に向かった!
りんね「パワーアップした牛アタックよ!」
あさみ「馬もたくさんいるわよ!覚悟しな!」
保田「やばいわね。」
辻「どうするれすか〜?にげるれすか?」
中澤「矢口を見捨てるわけにはいかんやろ。」
そのとき、ドスドスと鈍い音を立てながら走ってくる人影!
ナッチー「誰かいるべ」
勇者飯田「あれは、ゴマをいじめてたやつら!こら〜!」
辻「ゆうしゃさまれす!!」
中澤「よかった・・・生きてたんやね」
保田「さっさと来なさいよ!」
りんね「やばい、勇者よ!」
あさみ「先にあいつらを攻撃よ!」
りんね&あさみ「動物アターック!!」
たくさんの牛や馬が勇者飯田たちに襲い掛かる!!
- 105 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月15日(日)06時26分22秒
- ナッチー「牛・・・うまそうだべ」
ナッチーは牛や馬を根こそぎ捕まえてしまった!!
りんね「嘘!!」あさみ「みんなつかまえるなんて・・・すごい食い意地・・・」
辻「ゆうしゃさま〜、かごのしるれす!!」
勇者飯田「そうだ!ナッチー、ちょっと貸して!!」
勇者飯田はナッチーからかごのしるを受け取ると、天にかかげた!!
はぐれあいぼんが助けに現れた!
はぐれあいぼんの攻撃!
Д<なんや、まだおったんかい。とっくに引退したと思てたわ。
全国デビューなんて無理無理、せいぜいどさんこワイドどまりやな。
会心の一撃!
りんね&あさみに300のダメージ!
りんね&あさみをやっつけた!
- 106 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月15日(日)08時14分22秒
- 辻「ゆうしゃさま・・・いきててよかったれす・・・くすん・・・」
中澤「これで一安心やな。・・・その娘は?」
勇者飯田「ナッチーよ。」
中澤「見て分かったわ。例の、ごつ・・・いや、何でもないわ」
ナッチー「はあ、運動したらのどが乾いたべ。さっきのしるを飲むべ。」
ナッチーが「かごのしる」を飲もうとすると、はぐれあいぼんがじーっと見ている。
ナッチー「どしたべ?これが飲みたいんだべか?」
Д<ちゃうわ!・・・寂しいことなんてあるか!
保田「ずいぶん態度悪いわね」
辻「はぐれあいぼん、にかいもたすけてくれたれす。いっしょにいきたいれす」
勇者飯田「あいぼん、仲間になる?」
Д<・・・そないなこといって、あとで辞めさすにきまっとるわ!
矢口「そんなことないよ、キャハ!」
辻「いっしょにあそぶれす。」
Д<・・・もう、はぐれなくてもええねんな・・・。
はぐれあいぼんが仲間に加わった!
石川「ふう・・・ふう・・・お師匠様、着きましたよ・・・」
保田「あんた、ずいぶん遅いじゃない。役に立たないわね」
石川(ゴマを運んできたのに・・・)
ゴマ「zzz.....」
- 107 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月17日(火)01時58分15秒
- 勇者飯田「圭ちゃん、ナッチーがこれ持ってたんだけど」
勇者飯田はプッチペンダントを差し出した!
保田「やっぱり、よっすぃ〜のペンダントね。」
保田「・・・そういえば、リスはどこにいったのかしら・・・」
辻「いなくなったのれす。」
矢口「森に帰ったのか?もうあそこに入りたくねえぞ。」
ナッチー「くんくん・・・リスっぽいにおいがするべ。あっちだべ。」
ナッチーは城の方角を指差した。リスは城に迷い込んでいるらしい。
- 108 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月21日(土)02時40分53秒
- 〜城の中〜
*「あーいつらなーにやってんだ!(訛)
こうなったらオレが直接引導を渡してやるべ」
〜城の外〜
辻「おしろがあるれす。
でも、ひりょうのにおいがしてあまりかっこよくないのれす」
矢口「何でもいいからさ、さっさとさっきのリスを探そうよ。
あいつがよっすぃーかもしれないんでしょ?」
中澤「酒・・・酒飲みたい・・・ビール・・・」
ナッチー「ハラ減ったべ。城の中になら何か食べ物あるっしょ!さあ、行くべ!!」
勇者飯田「もう、みんな勝手に決めて!!リーダーはカオリだよ!!」
Д<「あんまり怒ってると皺が増えて誰かさんみたいになるで」
中澤「まさか・・・ウチのことゆっとんのか?自分」
Д<「アンタ以外に誰がおんねん。」
中澤「殺す!」
保田「まあまあ、喧嘩してないでさっさと行くわよ」
石川「あれ?わあ
妖精さんだわ
」
謎の妖精「あなたたち、その城に入るのはやめたほうが良いわよ。
私はシバタ。メロンの妖精なの。そこは恐ろしい悪魔ヨシターケが・・・
って、ちゃんと聞いてる?」
石川「なんだろう、、、この妖精さんとは友達になれそうな気がするわ
」
- 109 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)04時58分20秒
- いっきに更新します。先考えてた人ごめんなさい〜。
- 110 名前:飯田パーティー 投稿日:2000年10月22日(日)04時58分46秒
- 石川「うふふふ、かわい〜
」
石川は妖精を両手で握り締めた。
シバタ「痛いいたい〜#ちょっとはなしてよ〜。」
石川「私とお友達になりましょ。うふふ、、ともだち」
シバタ「わかったから、友達になるからはなして!」
石川は手を離した。
シバタ「ふ〜〜」
保田「!!? 何やってんの石川??」
保田が声をかけると、全員が石川と妖精に注目した。
辻「あ!ようせいれす、はじめてみたのれす!」
ナッチー「ちいさくてなんだか美味しそうだべ。」
中澤「食うなって。で、妖精さん、うちらになんかようか?」
シバタ「メロンの精、シバタです、みなさん話を聞いてください!
あそこのお城の王様のヨシターケは悪魔です!行ってはいけません!!」
勇者飯田「なんだか大変そう〜。何かあったの?」
シバタ「私、ムロランシティからここの牧場のミルクを貰いに来たんです。」
保田「うーん、これだけ牛がいればさぞミルクも沢山とれるでしょうね〜」
シバタ「そ、、、そしたら、、」
- 111 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時00分14秒
- 全員「ゴクッ、、、そしたら??」
シバタ「ただであげるわけにはいかねえんだって、
散々こき使われて働かされました。」(涙
保田「なんだ、それはご苦労だったわね。
でも、だからって悪魔なんて言い過ぎじゃない?
だってむこうも商売道具なんだから、ただであげられないし。」
シバタ「そう言われてみれば、、。」
ナッチー「で、ミルクはちゃんともらえたのかい?」
シバタ「あ、はい。貰えました。ほらここに」
ナッチー「美味いべさ!!産地直送だべ!」
シバタ「あ!!とられた!
と思ったらもう飲んでる!!あげてないのに」
ナッチー「みんなも飲んでみるといいべさ」
勇者飯田「たしかに美味しい。」
中澤「美味しいわぁ。でもうちはやっぱり酒の方がいいなあ、、。ほれ、ちびっこたち」
矢口「うえ〜。」
辻「おえ〜」
Д<「飲めたもんじゃあれへん!!」
- 112 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時01分41秒
- 中澤「なんやあんたら嫌いなんかいな。
しょーがないなー、だから小人なんやで!!」
シバタ「私のミルク、返してください!!」
中澤「お、、、もうないで!!妖精サイズなんか?
ちょっとしかなかったんやもん。」
シバタ「そんな〜。まだ飲んでないのに〜。。」(泣
矢口「おいらはジャガバター食べたい!!!」
辻「辻もれす。」
ナッチー「ナッチーも食べたいべさ。」
中澤「チーズもええなあ?酒のつまみにはやっぱりチーズやし!」
矢口「ってわけで、おいシバタ!ジャガイモとバターとチーズ貰ってきて!」
シバタ「ひ、、、ひどい、この人達も悪魔だ〜。」
妖精シバタは泣きながら飛び去った。
石川「あ、待って〜。。妖精さーん。。。待って〜、、。あぁ、、」
ゴマ「zzz...(よっすぃ〜が近くにいる)」
- 113 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時03分52秒
- 勇者飯田「・・・・」
勇者飯田は飛び去る妖精をみてボーっとしている。
保田「あ!!さっきまでそこにのびてた二人組みがいない!!
シバタに気を取られてるうちにお城の中に逃げ帰ったのね!」
石川「でもどうします?妖精さんの言うとおり、このお城の中には悪魔が??」
勇者飯田「ボーーー、、、はっ、、
先に進むことにしようと思うの。よっすぃーがいるから。」
保田「そうね。まあ、行かないわけにはいかないわね。」
ナッチー「くさいにおいに混じって、
美味しそうなにおいもするべさ。まだまだ食べるっしょ。
行くしかないっしょ。」
勇者飯田「この扉を開けて、、、」
ぎぃいいい、ばったん。
一行は扉を開けた。
- 114 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時05分00秒
- *「ようこそ、花畑牧城へ(訛)」
入ってすぐの大広間の玉座から声がかかった。
勇者飯田「??」
辻「あ、あなたはだれれすか?」
*「この城の王、ヨシターケだ。(訛)
いつもりんねとあさみがお世話になってます〜」
中澤「えらい、腰低いな〜。さっきの話とはえらい違いや。
それに、世話してへんで。追い払っただけで。」
ヨシターケ「ああ、このたびはうちの二人がご迷惑おかけしました〜。(訛)」
玉座の後ろには少しむくれたあさみとりんねが頭を下げている。
- 115 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時06分33秒
- 〜勇者一行が城に入る5分前〜
ぼろぼろになってりんねとあさみが城に入ってきた
ヨシターケ「##」
りんね「ヨシターケ様〜!!領地に勇者一行が侵入してきたんで追い払おうと
思ったんですが、」
あさみ「逆にやっつけられてしまいました〜。。。
ヨシターケ様〜、あいつら懲らしめてやってください!!」
ヨシターケ「なーにをいっとるんだおめーら〜?!!」
りんね&あさみ「??」
ヨシターケ「客人を追い返すとは何事だ〜?うちは牧城だぞ〜?
商売なりたたねえべや!!」
ゴッチン!!ゴッチン!!ヨシターケのゲンコツが二人の頭にヒットした。
- 116 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時07分58秒
- りんね「いったーい?何するんですか〜。悪いことしてませんよ〜。
敵を追い払おうとしただけじゃないですか〜」
ヨシターケ「なーにが敵なんだ、ほれ、言ってみろ!!」
あさみ「勇者は魔王軍の敵じゃないですか!?」
ヨシターケ「あ?おれあ魔王軍になっだつもりはねーぞ。
おめーらを確かに魔王の元に修行に出しはしだが。」
りんね「え??そうだったんですか??」
ヨシターケ「うちはあくまで牧城だ。お客様は神様だ。魔王は魔王だ。
わかったら客人に謝って来い!!
おめーらがいつもしっかりしねえがら、
いつまでたっても客がつかないし、
新しい従業員もはいってくれねえんだ。
そんなことじゃ、いつまでたっても独立できねーぞ。」
あさみ&りんね「そ、、そんな〜。。」
- 117 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時09分29秒
- 矢口「おうおう、おいらはだまされねーぞ!下手に出て不意をつこうったって」
ヨシターケ「まあまあ、落ち着いて。違うんだべ。」
・・・・・・・・・・・
ヨシターケ「ってわけでー(訛)、こいつらの勘違いだったべさー。
許して欲しいべ、ゆっぐりしていってな〜。」
あさみ&りんね「ごめんなさーい。」
勇者飯田「あら〜、そういうことだったの。いいわ、かおり許してあげる。」
保田「切り替え早いわね。まあ、勇者さんもこう言ってるし。」
なっちー「じゃあ、飯を食わして欲しいべさ。お腹減ったべ〜。」
ヨシターケ「おい。」
- 118 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時12分30秒
- あさみ「は〜い。これがメニューでーす。ジャガバターもありますし、
アイスやジンギスカンもありますよ〜。」
中澤「酒々〜♪」
石川「美味しそうなものがいっぱい。
あら〜?でも、お金が全然足りませんよ〜。」
ヨシターケ「それじゃあしょうがないべ。食べてっでほしかっだな。残念だべ〜。」
Д<「そんなん迷惑代としてまけてーな。」
ヨシターケ「それとこれとは別問題だべ。」
辻「え〜、もう、ここでなにかたべないとうごけないのれす。
石川「でもお金はないですよ〜」
ヨシターケ「それじゃあこうしましょう、
ここで何日か働いて行きなさい。ちょうど人手不足で困っていたところだし。」
一行「えぇ〜〜!!!」
保田(こうしてさっきの妖精は。なるほど。。。)
ヨシターケ「そのかわり、三食を食べ放題、寝る場所もただ!!」
ナッチー「食べ放題かい??やるさ。やるべさ。決まりだべ〜。。。」
矢口「おいらもうつかれたよう〜。」
さっきの暴走ですっかり疲れていた小人矢口はへたりこんだ。
辻「つじもれす〜」
- 119 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月22日(日)05時15分10秒
- 保田「ところでちっちゃいリスを見ませんでした?」
りんね「リス?さっき裏口から犬小屋の方へ出て行きましたよ。」
ゴマ「zzz...(久しぶりに会える)」
>108直接引導を渡す
りんねとあさみに。ちょっと強引です。m(_ _)m
- 120 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)04時22分59秒
- シバタ「ふう、酷い目にあったわ。まあ、いいわ、おやつにしようっと」
シバタはベーグルサンド@ゆで卵を取り出した!
シバタ「いただきまーす!」
その瞬間、小さな影がシバタの目の前を横切った!!
シバタの手からベーグルサンドはなくなっていた!!
シバタ「え〜ん!一体誰よ?何であたしばっかりこんな目に遭うの〜(泣)」
近くの木の上では、件のリスが頬袋を膨らませ、ベーグルサンドを食べていた。
ナッチー「ん?食べ物の匂いがするべ!!ベーグルサンド!!」
保田「そーいえば、よっすぃーはベーグルが大好物だったっけ・・・まさか!
ナッチー、その匂いどこから・・・あ・・・」
ナッチーは保田が言い終わるより早く、「匂い」目指して走っていった。
辻「おっかけるのれす!!」
勇者飯田「カオリが主役なのに・・・」
- 121 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)19時34分19秒
- 4人が駆けつけると、そこには妖精シバタの姿があった。なにやら木の上に向かって叫んでいる。
シバタ「返してよー!私のべーグルサンド〜!」
辻「あ、さっきの妖精さんれす」
ナッチー「ところで、べーグルサンドはどこだべ?」
シバタ「あの木の上にいるリスが盗ったんです〜(泣)」
シバタの指した指の先にはべーグルサンドを頬張っているリスの姿があった。
保田「あのリス、やっぱり…」
- 122 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)19時49分29秒
- 保田は懐からプッチペンダントを取り出すと、リスに向かって投げつけた。
保田「よっすぃー、これを首にかけて!」
リスは見事にそれをキャッチし、首にかけた。
辻「リスのこうどうじゃないれす…」
保田「あれで元に戻るといいんだけどね」
しかし、リスに変化はなかった…。
保田「やっぱりペンダントだけじゃ戻らないのかしら…」
だが次の瞬間、5人の視界からリスの姿が消えた!
勇者飯田「よっすぃー消えちゃったよ!」
ナッチー「でもべーグルサンドの匂いは消えてないべ」
シバタ「あ、皆さん後ろを見てください!」
一同が後ろを振り返ると、いつのまにかそこにリスが立っていた。
リス「久しぶりですね、保田さん」
- 123 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)20時12分46秒
- 保田「よっすぃー、喋れたの?」
よっすぃー「いえ、ペンダントの力のお陰で喋れてるんですよ」
保田「そうなの、今まで喋れなくて大変だったのね…」
よっすぃー「保田さんもまだ呪いが解けてないんですね。大丈夫ですか?」
保田「呪いは解けてるっつーの!なんで皆飽きもせずに言ってくるのよ!」
よっすぃー「ははは、冗談ですよ〜」
保田との積もる話(?)を終えると、よっすぃーは飯田に目を向けた。
よっすぃー「あなたが…勇者さん?」
勇者飯田「そうだよ、カオリは勇者。前の勇者さんがよっすぃーに会えって言ったから会いに来たの」
よっすぃーは一瞬考えるような表情をすると、飯田に言った。
よっすぃー「わかりました。つまりさやかさんはあなたを鍛えろっていうメッセージを残したわけですね」
勇者飯田「うん、そうだと思う。カオリまだ上手に剣使えないもん」
- 124 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)20時39分58秒
- 保田「でもよっすぃー、リスのままじゃ剣持てないでしょ?」
よっすぃー「一応リス化の呪いを解く薬の作り方はわかりますよ。ただ喋れなかったし
リスだったので材料が集らなくて困ってたんです…」
保田「薬の材料わかるの?だったら元に戻るのも難しくないわね」
よっすぃー「材料は確か…」
よっすぃーは一同に薬の材料を伝えた。
辻「ええと、じゃがいもにぎゅうにゅうに・・・」
ナッチー「ジンギスカンに…って、牧場にあるものばっかりだべ!」
勇者飯田「これって、薬なの…?」
保田「…とりあえず一度牧場に戻りましょうか。他の皆はおいてきちゃったし…」
4人と一匹はひとまず牧場へ戻ることにした。
シバタ「わたしのべーグルサンド…。皆忘れてる…」
- 125 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)21時22分11秒
- 一方、牧場。仕事を終えた矢口達がぐったりしていた。
矢口「だーっ疲れた!もう動けないよ〜!」
中澤「この歳にこの仕事は辛いわ…」
Д<ホンマむちゃくちゃにこき使いよるな。お客さんが神様やとか言ってへんかったか?
石川「でも食事がただならいいんじゃないですか〜?」
ごま「zzz…(疲労により睡眠中)」
全員で話していると、ヨシターケがやってきた。
ヨシターケ「お疲れさん、とりあえず食事だ。たっぷり食え」
案の定全員が飛び起きた。
矢口「よっしゃ〜!」
中澤「やっとビールが飲めるで…」
わいわいと騒いで食事を始める4人。しかし、ごまだけは食事を摂っていなかった。
石川「あれ?ごま食べないの?」
Д<なんや、食わんのならもらうで。
ごま(この気配は…ご飯。それと、この懐かしい感じは…)
その時、牧場を抜けていた他のメンバーが戻ってきた。
勇者飯田「ただいま〜!」
矢口「ただいまじゃねぇ〜よ!すごく疲れたんだぞ!」
石川「一体今までどこに…って、そのリスは?」
中澤「森で迷ってたうちらを助けてくれたリスやんか」
- 126 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)21時47分22秒
- 保田「あ、皆に紹介しておくわね。私の肩に乗ってるこのリスがバトルマスターよっすぃー」
よっすぃー「どうも、初めまして皆さん」
中澤「やっぱりこのリスがそうだったんか…。気配が普通の動物と違ってたで」
そう中澤が話した瞬間、いきなりよっすぃーに向かってごまが飛び込んできた!
ごま「きゅ〜ん!きゅ〜ん!(よっすぃー!よっすぃー!)」
しかし、ごまのタックルを喰らったのはよっすぃーではなく保田だった。
保田「何するのよ!」
ごま「きゅ〜ん…?きゅっきゅきゅ〜…(あれ…?さっきまでいたのに…」
勇者飯田「あれ、よっすぃーいつの間に?」
よっすぃーは瞬時に勇者飯田の肩の上に避難していた。
よっすぃー「あ、今のタックル…もしかしてごま!?」
ごま「きゅきゅん、きゅっきゅ〜。(そうだよ、よっすい〜)」
よっすぃー「見るからに重度の呪い…。苦労してるんだね」
ごま「きゅ〜んきゅきゅ(よっすぃーもね)」
石川「人の言葉を喋るリスとただのアザラシが会話してる…」
保田「よっすぃーは野生で身に付けたのかしら、アザラシの言葉」
中澤「森にアザラシはまずおらへんて」
- 127 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)22時07分58秒
- 勇者飯田「そうだ!皆が今食べてるものを少しずつわけてほしいの」
Д<仕事しとらんのに何言ってんねん。
辻「よっすぃーをにんげんにもどすのにひつようなのれす」
保田「そういうことなの、お願いできる?」
矢口「おう、わかったよ。そういうことなら…。ほら、じゃがバター」
中澤「うちはチーズと酒やな」
石川「わたしはバターコーンを…」
Д<しかたあらへんなぁ・・・。ほれ、ジンギスカンや。
勇者飯田「よっすぃー、どう?こんなもんでいいのかな」
よっすぃー「そぅとぅOKですよ。ありがとうございます」
保田「じゃあ調合に入りましょうか。でも調合法がわからないわね…」
よっすぃー「それもちゃんとわかってますよ」
ごま「きゅきゅ〜ん、きゅ〜ん(私も知ってるよ〜)」
中澤「それってリス化解除の薬なんか?だったらうちにもわかるで」
保田「あら、実は博識なのね」
中澤「伊達に長いこと生きとらんわ」
勇者飯田「じゃあ薬の調合は3人に任せるとして、カオリ達はどうしよう」
よっすぃー「休んでてくれて結構ですよ。それほど難しい作業ではないですから」
矢口「じゃあとりあえずおいら達は飯を食おうか」
ナッチー「じゃがバターなかなかいけるべさ」
矢口「あ、こらナッチー!おいらのじゃがバターだぞ!」
石川「まあまあ矢口さん、私達は仲間じゃないですか〜」
勇者飯田(……。嫌な予感がする…)
- 128 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月24日(火)22時31分45秒
- 場所は変わって、牧場の近くの巨木のてっぺん。
???「あそこの牧場ね…。ユキ、準備はできてる?」
??「ええ、できてますよ。でも千夏さん、動物で奇襲をかけるなんてちょっと…」
千夏「ん?卑怯だって言うの?」
ユキ「いえ、ただ動物で人を襲わせるっていうことに抵抗があって…」
千夏「一応私達は魔王の手下なんだから我慢しなさい。ほら、『鳴きウサのユキ』の力を見せてちょうだい。
ユキ「わかりました…。我が声を聞きし動物達よ、我と共に鳴け!ラビットナンバーワン!」
- 129 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月26日(木)00時57分50秒
- ふと、よっすぃーがプッチペンダントを落とした。
石川「あら、よっすぃーさん、プッチペンダント落としましたよ・・・」
プッチペンダントを拾った石川。中の写真を見る。
石川「(・・・・・可愛い
)」
- 130 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月26日(木)23時33分32秒
- 保田「石川、早くよっすぃーにペンダントかけてあげなさい。喋れないままよ」
石川「え、そうだったんですか?最初に言って下さいよ〜」
保田「何のためにリス状態でペンダントかけてると思ってたのよ…」
石川はよっすぃーの首にプッチペンダントをかけた。
よっすぃー「ふう、ちょっと焦りました。あ、拾ってくれてありがとう」
石川「そ、そんなこと…
」
Д<何を赤くなっとるんや…。
中澤「なあよっすぃー、ここの調合はどんな風にしたらええの?」
よっすぃー「えっと、そこはですね…」
- 131 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月26日(木)23時50分42秒
- その時、急にりんねとあさみが部屋に飛び込んできた!
りんね「た、大変です!」
辻「どうしたんれすか?」
あさみ「牧場の動物達が急に暴れだしたんです!」
りんね「普段はおとなしい子達なのに…」
保田「突然ね…。じゃあそうなった原因とかはわかる?」
りんね「全くわかりません…。今はヨシターケ様が食い止めてくれているみたいです」
矢口「一人であんなに多くの動物の暴動を食い止めるなんて無茶な…」
勇者飯田「ここにいても意味がないから、みんなで動物を止めに行こう!」
保田「それなら薬の調合役の3人はここに残っていたほうがいいわね」
ごま「きゅ〜ん?(なんで〜?)」
保田「全ての動物の原因不明の暴動でしょ?動物達を食い止める時に下手をしたら
薬の材料がなくなるわよ。ここにある材料だって最低限の量なんだから…」
中澤「そうやな、それならウチらはここに残ってるわ」
勇者飯田「それじゃあ行こう!りんね、あさみ、案内して!」
- 132 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)00時09分54秒
- よっすぃー、ごま、中澤を残して、一行は動物の暴動が起こっているという場所へ向かった。
りんね「ここを出てすぐのところです、急いでください!」
りんねは外へ出る扉を開けた!
あさみ「ここでヨシターケ様が…あっ!」
次の瞬間、一行の前には倒れたヨシターケと多くの動物、そして2人の女性の姿があった。
千夏「意外と早く出てきたわね、勇者さん」
保田「あなた達は…魔王の手先ね?」
ユキ「そうです。荒っぽいことは嫌いなんですけど、命令だから仕方ないんです」
矢口「じゃあ動物達を操ったのも…」
千夏「そういうこと、でも動物の操作はこの子が全てやってるんだけどね」
勇者飯田「今すぐ止めさせてやる!行くぞー!」
勇者飯田は剣を手に取った!
千夏「そっちこそ止めた方がいいわよ。ここには罪のない動物達だっているんだから」
勇者飯田「あ、そうか…」
勇者飯田は剣を収めた。
ユキ「まずは私からお相手します。鳴きウサのユキの力、とくとご覧あれ!」
Д<ババくっさいセリフやなー。さすが演歌歌手や。
いきなりユキに50のダメージ!
ユキ「ほ・・・ほっといて下さい!では行きますよ!」
- 133 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)00時23分35秒
- ユキ「我が声を聞きし動物達よ、我と共に鳴け!」
その声と同時に馬が飛び掛ってきた!
矢口「させるかっ、アチャー!」
矢口は飛び蹴りを放った!馬に35のダメージ!
しかしなお馬はつっこんできて体当たりをかました!矢口に25のダメージ!
矢口「いってぇ〜…。普通の馬ならこの飛び蹴りで決まるのに…」
ユキ「操作されている動物は簡単にはやられませんからね、気を付けて下さい」
保田「喰らえ、衝撃波!」
保田はユキに向かって衝撃波を放った!
ユキ「え…?」
衝撃波はユキに直撃した!ユキに120のダメージ!
保田「やったかしら…?」
しかしユキは衝撃波が直撃したにもかかわらず、すぐに立ち上がった!
ユキ「私の忍耐力をなめちゃいけませんよ!」
保田「さすが演歌歌手…。忍耐力だけは並じゃないわね」
- 134 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)00時35分02秒
- ユキ「我が声を聞きし動物達よ!我と共に鳴け!」
しかし、何も起こらなかった…。
辻「これはしっぱいれすか?」
Д<なんや、もう魔力切れなんか?
ユキ「……来た」
ユキがそう言ったとき、一同の背後に大きな熊が立っていた!
保田「ちょっと…熊なんてあり?」
勇者飯田「ううん、これは野生の熊かー。剣で攻撃していいのかな、それとも…」
考えている勇者飯田の前で熊は手を振りおろした!
辻「あぶないのれす!」
勇者飯田「あ…」
しかし、勇者飯田にダメージはなかった。
勇者飯田「……あれ?熊の攻撃が当たってない…」
勇者飯田が前を見ると、そこにはベアクローを受け止めたナッチーが立っていた!
ナッチー「熊…。食ったことないけどうまそうだべ。絶対に食ってやるべ!」
ナッチーは熊と1対1の格闘を始めた!
ユキ「そんな…。こんな人がいたなんて聞いてない…」
- 135 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)04時59分55秒
- 熊相手に互角以上の戦いを繰り広げるナッチー。
辻「きんたろうさんれす・・・」
Д<「伝説の再来やな・・・」
ナッチー「おとなしくナッチーの胃に入るべ!!うりゃ!!」
ナッチーは熊に強烈なボディブローをお見舞いした!
思わず前屈みになる熊。
そこですかさず懐に入り熊の腕を掴むと、
やおら熊を一本背負い投げでぶん投げた!!
泡を吹いて気絶する巨熊。
ナッチー「ふう・・・良い運動になったべ。」
石川「凄い!ナッチーさんは格闘センスも抜群なんですね!!
まるでお相撲・・・フガフガ」
全てを言い終わる前に口を塞がれる石川。
保田「余計な事言うんじゃないわよ!!」
Д<「自分、何気にウチよりも毒舌やな・・・」
ユキ「な・・・なんてこと!?まさか熊が負けるなんて・・・」
- 136 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)05時29分24秒
- 保田「(そうだ・・・石川の天然毒舌、使えるかも・・・)
石川、あんた、吹雪が使えるんだったわよね。」
石川「はい、この吹雪の杖を使えば・・・」
保田「ちょっと、はぐれあいぼんとトークして。」
石川「トークですか?おしゃべりしていいんですか?やった!」
Д<「・・・ウチに変な役やらせんといてや・・・」
石川「ミニポポトーク!!」
Д<「・・・かったるいわ〜」
石川「そんなこといわないでよ〜。キティちゃ〜ん!」
周辺の気温が3度下がった!
保田「・・・この調子ね。あとはちょっと私の魔力を足してあげれば・・・」
辺りの温度がみるみる下がっていく!
石川「ねえ、ちょっと寒くなってきてない?」
Д<「・・・ガチガチ・・・やりすぎやわ・・・」
あたりは一面の銀世界に変わり、動物達はすべて凍えて動けない!
保田「ここまで強力な寒さ・・・何気に最強かも・・・ガチガチ」
- 137 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)05時52分59秒
- 千夏「何だ、こんなことができるやつがいるなんて、聞いてないぞ!」
ユキ「動物達、寒さで弱ってる・・・」
千夏「ええい、根性のない奴らめ!」
千夏は動けない馬に蹴りを入れた!
ユキ「やめてください!動物達に罪はありません!!」
千夏「うるさい!勝てなければ、我々はリストラされるんだぞ!」
ユキ「でも・・・」
保田「そこのあんた、さっきから口ばっかりで何にもしてないわね。」
辻「そういえばそうれす。あのおねいさん、なんにもしてないれす!」
ナッチー「働かざるもの食うべからずだべ。」
千夏「ぐっ・・・私だって、戦闘くらいできるわよっ!!」
千夏の攻撃!保田はすばやくかわした!
辻「へろへろれす・・・」
保田「仕方ないわね。衝撃波!!」
保田の衝撃波!!千夏に150のダメージ!!
千夏をやっつけた!!
千夏「・・・リ、リストラされる・・・」
- 138 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)06時07分50秒
- 保田「そこのあんたは?かかってくる?」
ユキ「・・・私達の負けです・・・好きにしてください」
保田「あら、往生際がいいのね。みんな、どうする?」
矢口「別に〜。うらみがあるわけでもないし」
りんね「動物達さえ元に戻してくれれば・・・」
あさみ「あとヨシターケ様も・・・」
石川「ヨシターケさんのケガは治せますよ!」
石川はベホイミをとなえた。ヨシターケのキズが回復した!
ヨシターケ「あたたた・・・氏ーぬかと思ったべや。」
ユキ「すいませんでした、命令とはいえとんでもないこと・・・」
ヨシターケ「まあ、しょうがないべ。許してやるべ。」
辻「おおらかなのれす・・・」
ナッチー「北国の人間はおおらかだべ。大食いだべ。」
Д<「大食いはナッチーだけやと思うけどな・・・」
- 139 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月27日(金)06時13分11秒
- ナッチー「とりあえず、晴れろだべ!!」
ナッチーは雲を吹き飛ばした。太陽の光であたりの雪は融けだした!!
ユキ「これで、動物達も元通りです・・・」
勇者飯田「ねえ、これからどうするの?」
ユキ「負けてしまった私達はリストラです・・・行くところがありません・・・」
勇者飯田「そっか・・・」
ヨシターケ「なあ、俺の知ーり合いのところさ行がねえか?
俺の知り合いのイツーキってやつが歌手ば探してんだげど、
おめえさならピッタリだべ。」
ユキ「・・・本当にいいんですか?」
ヨシターケ「イツーキには俺が話ばつけとっからさ。」
ユキ「・・・ありがとうございます・・・」
千夏「・・・リストラは私だけ・・・そんな・・・」
- 140 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)00時04分04秒
- 千夏「そんなこと…させるもんですか!」
千夏は近くにいた辻を捕らえてナイフをつきつけた!
辻「ひ〜、たすけて〜なのれす」
保田「全く往生際の悪い奴ね…」
矢口「でも、これってやばい状況だよな」
千夏「もう後がない…もう後がない…」
Д<逝っとるわ、やばいで。
保田「下手に刺激したら辻が危ないわ。かといってこのままじゃ逃げられる…」
勇者飯田「ほら、落ち着いてよ〜。ねえ笑って?」
千夏「うるさい!私にはもう後がない、こうするしか…」
矢口「説得は無理か、これは本当にやばいぞ」
石川「こんなときに正義のヒーローなんかが来てくれたら…」
その時、勇者飯田達の後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた!
???「千夏さんでしたっけ?もう止めたほうがいいですよ」
- 141 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)00時23分04秒
- 勇者飯田「この声はよっす…あれ?あなた誰?」
保田「よっすぃーの本当の姿よ、どうやら薬作りは成功したみたいね」
よっすぃー「ええ、見ての通り人間に戻りましたよ」
石川「ペンダントの中の顔と同じ…。可愛い
」
勇者飯田「そうだ、裕ちゃんとごまは?」
よっすぃー「二人とも疲れて休んでます。私は人間に戻ったことで疲れが消えちゃいました」
Д<それはそうと、今はやばい状況やで。
千夏は辻の首にナイフをつきつけたままぶつぶつとつぶやいている。
千夏「後がない…後が…」
よっすぃー「だから来たんですよ。とりあえずここは私に任せてください」
よっすぃーは千夏にゆっくりと歩み寄った。千夏ははっとして叫んだ!
千夏「それ以上近づくな!近づいたらこいつを…」
よっすぃー「ええ、この距離で十分です」
そう言ってよっすぃーは腰に提げてある刀に手を近づけた。
次の瞬間、金属音と共に千夏の持っていたナイフは空高く舞い上がった!
それと同時によっすぃーの脇には辻が抱えられていた。
よっすぃー「飯田さん、今です!」
勇者飯田「え?あ、わかった!」
勇者飯田は剣を振りかざした、衝撃がほとばしる!
千夏に200のダメージ!千夏は意識をなくした!
- 142 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)00時44分09秒
- 矢口「やっと終った…」
ナッチー「よくわからなかったけど、長かったべ」
保田「さすがね、よっすぃー。『青春刀』の切れ味が落ちてないみたいで安心したわ」
よっすぃー「ええ、久しぶりに刀を持ったから自身なかったんですけどね…」
勇者飯田「そうだよっすぃー、さっき何をしたの?ナイフを飛ばしてたけど」
よっすぃー「居合い抜きですよ、見えなかったんですか?」
勇者飯田「そうだったの?全然見えなかったよー」
辻「つじにもさっぱりだったのれす。いきなりかかえられてたのれす」
保田「まあこのメンバーであれが見えるのは恐らく私とごまと裕ちゃんだけね…」
よっすぃー「それはともかく、これで一件落着ですね」
石川「そうですね。これからどうしますか?」
勇者飯田「カオリは、もう少し牧場に残ってから出発したほうがいいと思う」
保田「私もそれに賛成ね。理由はどうあれ牧場をボロボロにしちゃったし…」
矢口「それじゃヨシターケさん、もうちょっとの間よろしくな!」
ヨシターケ「すまんなぁ、感謝の言葉もねぇよー…」
よっすぃー「じゃあ飯田さん、明日から私たちは剣術の修行をしますよ」
勇者飯田「あ、忘れてた。そういえばそれが目的だったね」
よっすぃー「ということで、今日はもう休みましょう」
中澤「はあ、寝てて出番逃すなんて思ってへんかったわ…」
ごま「きゅ〜ん(私みたいだね)」
- 143 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)09時36分22秒
- 一夜明けて・・・
一行は牧場に留まり、再建の手伝いをしていた。
そんな中、勇者飯田とよっすぃーは・・・
よっすぃー「ほら!振りが大きすぎますよ!」バチン!
勇者飯田「痛った〜・・・よっすぃー、手加減してよ〜」
よっすぃー「ダメです!そんなことでは魔王は倒せませんよ!」
竹刀を使って剣術の稽古をしていた。
保田「ようやくメンバーはそろったけど・・・これからどうすれば・・・」
ごま「きゅきゅ〜ん?(ねえ、あたしも元に戻らなきゃダメ?)」
保田「当たり前じゃない!!でも・・・呪いの解除法が分からないわね・・・」
ごま「きゅーん・・・(よっすぃーも知らないって言ってたし・・・)」
- 144 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)09時40分58秒
- 休憩中・・・ベーグルを頬張りながら
よっすぃー「その剣は、勇者の剣ですか?」
勇者飯田「そうだよ。カオリの剣。」
よっすぃー「おかしいですねえ・・・さやか様の持っていた剣とは、
微妙に形が違うんですよ・・・ちょっと見せてもらっていいですか?」
よっすぃーは勇者の剣を調べた!
よっすぃー「・・・間違いなく勇者の剣です。でも、こんなところに宝石はついてなかった・・・」
よく見ると、剣の柄の部分に巨大な青い宝石がくっついている。
勇者飯田「そうなんだ。カオリぜんぜん気がつかなかった」
よっすぃー「すごくキレイな宝石ですね・・・嘘・・・」
なんと、宝石には二人の少女の姿が映し出されている!
よっすぃー「これは・・・ごま・・・それにさやか様!!!」
- 145 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)09時49分23秒
- 勇者飯田「???ごまって、あのアザラシの?」
よっすぃー「知らなかったんですか?ごまは私達の仲間の大魔導士ですよ。
一ヶ月に一回だけ呪いが解けるんです。」
勇者飯田「嘘・・・」
しばらくして・・・
保田「へえ、灯台元暗しってやつね」
ごま「・・・きゅーん(・・・さやか様)」
勇者飯田「でもー、どうやって呪いを解くの?」
よっすぃー「わかりません・・・」
ヨシターケ「うお〜い、ご飯にするべ〜・・・ん?なした?深刻な顔しで」
一行は事情を説明した・・・
ヨシターケ「よぐわがんねえけど大変だな・・・そだ、銀杏の仙人のとこさ行ってみれ。
こっから東に行ったところに、でっけえ銀杏の木があっでよ。そこにいる仙人さんは
何でも教えてくれるって評判だべ。」
- 146 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)16時56分23秒
- ヨシターケ「それと、昨日オレの怪我治してくれたねえちゃん」
石川「はい?私ですか?」
ヨシターケ「あの戦いをオレもぼんやりとだが見てた。
おめえはもっと強くなる素質がある。
銀杏の仙人の木の近くに『彩』というねえちゃんが住んでる。
ついでに行ってみるどいい。」
石川「『彩さん』ですか・・・?わかりました。有り難うございます」
勇者飯田「彩・・・なんかカオリ、その人知ってる気がする・・・」
中澤「なんにしても、銀杏仙人とやらのとこには行かなければならへんし
ついでにそこも寄ってみよか。」
矢口「この調子で行けば、魔王なんて楽勝かもね!キャハ!」
吉澤「はい。正直言って、現在のパーティでも、魔王と十分戦えると思います。
でも・・・」
- 147 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)17時11分41秒
- Д<「でも?なんやねん。ハッキリ言ってーな」
吉澤「呪いをかけられていただけに感じるんです。
もしかして、魔王よりも・・・」
保田「やっぱりアンタもそう思ってたんだ。魔王の復活自体解せない部分が多いしね。」
ごま「きゅきゅ、きゅ〜ん。(じゃあ、まさか・・・)」
つじ「なんなのれすか?つじにはまったくりかいれきません」
保田「そうね。そろそろ、私達がどうして呪いをかけられていたのか、
そして勇者さやかが消えたのかを話さないといけないわね。」
吉澤「私達4人が、3年前倒した魔王『つんく』こいつは邪神の復活を目論んでいました。
魔王は魔界とこの世界とを繋ぐ『穴』をつくりだそうとしていました。」
つじ「もし、そうなってたらどうなるんれすか?」
保田「この世の終わりよ。魔界には魔王なんて比べ物にならないやつらがうじゃうじゃしてるわ。
そんなのが一気に攻め込んでくるわ。」
中澤「でも、そうなる前にアンタらが魔王を倒したんやろ?一件落着やんか」
吉澤「いえ。私達にかなわないと悟った魔王は、
まだ不完全ではありましたが『穴』を開いたのです」
保田「その穴からは、次々に強力な魔物が出てきた。私達は必死に戦ったわ。
でも、いくら倒しても倒してもきりがなかった。」
ゴマ「・・・・・」
吉澤「そこで、私達は自分の力とひきかえにその穴を閉じようとしたのです。」
- 148 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)17時24分36秒
- 〜〜〜3年前〜〜〜
ゴマ「もう!いくら倒しても・・・」
保田「弱音はいてる暇はないわよ!」
よっすぃー「不完全な穴だから何とか私達でも倒せる奴等なのが不幸中の幸いですね」
ゴマ「でもこれじゃきりがないわ。なんとかしなくちゃ」
勇者さやか「・・・ねえ、みんな・・・お願いがあるの・・・」
保田「・・・分かってるわよ。水臭いわね。」
よっすぃー「もう、覚悟は出来てます。」
ゴマ「さやか様となら、私、なんでもできる!」
4人は全ての力を『穴』に向かって放出した!!
少しづつ閉じていく『穴』・・・
保田「・・・なんとかなりそうね・・・」
よっすぃー「私達だって死にたくはありませんもの!」
ゴマ「でも・・・ちょっと・・・キツイかな・・・」
その時、生き絶えたかと思っていた魔王が・・・
魔王つんく「ヒヒヒ・・・そうはさせるか・・・」
『穴』を閉じるのに全神経を集中させている4人は、魔王の攻撃を避けられない!
保田「畜生!あと少しなのに!!」
よっすぃー「ち・・・力が・・・」
- 149 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)17時41分34秒
- 薄れていく意識の中、3人が見たものは口元に笑みを浮かべながら息絶えた魔王。
そして、勇者さやかの姿だった・・・
勇者さやか「えへへ、最後にドジっちゃったね。
まあ、ここはリーダーであるこの私、市井さやかがなんとかしますんで・・・」
保田「・・・馬鹿言ってんじゃないわよ・・・私達は・・・」
よっすぃー「・・・1人だけカッコつけるなん・・て・・ずるい・・・です・・・」
ゴマ「嫌・・・さやか様・・・やだよう・・・」
勇者さやか「じゃあね。皆と一緒で、楽しかったよ!」
〜現在〜
保田「こうして私達の意識が戻った時には、
3人は世界のどっかに吹っ飛ばされて・・・」
吉澤「しかも、魔王の攻撃で姿を変えられていたってわけです」
ゴマ「・・・・・」
勇者飯田「・・・凄い人だったんだ、前の勇者さんは」
つじ「かんどうしてしまったのれす」
中澤「実力も、精神も、ホンモノの勇者やったんなあ・・・
でも、カオリの剣の時に、その勇者さやかの声が聞こえたっちゅうことは」
矢口「世界のどっかに、勇者さやかはまだ生きてるってことじゃん!キャハ!!」
石川「でも、話を最初に戻すと、魔王が復活したって事は・・・」
保田「また、『穴』が開いて、何らかの存在が魔王を復活させたとしか考えられないわ」
ナッチー「でも、ここでそんなこと気にしててもしょうがないべ!
まずは腹ごしらえして、先に進むべ!!」
Д<「自分今ええこと言った!!」
ゴマ「きゅーん・・・(そうよね、今はさやか様が選んだ、この『勇者カオリ』を信じよう)」
- 150 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)22時21分38秒
- (保田はごまの正体知ってたんじゃなかったっけ?)
- 151 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)23時00分47秒
- >150
飯田が知らなかったことをさしたセリフでは?
¥¥¥¥¥¥¥¥
さあ、今夜は熊鍋だべ!byナッチー
昨日もじゃん!by矢口
ナッチーが倒したでっけえ熊が残ってるがらなあ。byヨシターケ
- 152 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月28日(土)23時04分58秒
- 元の姿に戻すべくゴマをつれて保田、彩に出会うべく石川が牧場をたち、3日が過ぎた。
よっすぃーと勇者飯田は修行に明け暮れ、残る5人は仕事に明け暮れていた。
Д<「あーもーだるいわ〜。牛の世話、馬の世話、犬の世話、
復興しても全然仕事減らんねん。」
矢口「ゆ〜こも働けよう!!」
中澤「うちはもうダメや〜。としには勝てんわ」
中澤ダウン。
ナッチー「晩飯が楽しみだべさ」
Д<「1時間前に昼飯食ったばっかやで」
りんね「矢口さん、今日のお客さんが来たんでちょっと手伝ってもらえます?」
矢口「あさみちゃんは?、、、銀杏仙人とこに案内してるんだったっけ。
牧場大変だなー。」
Д<「そういえば一人、姿が見えへんな〜」
ナッチー「辻なら最近、羊の放牧の方にばっかり行ってるべ。
羊は牧羊犬に任せて、辻もこっちに来た方がいいっしょ。
あいぼんにつれてきてほしいべさ。」
Д<「んじゃ、ちょいと行ってくるわ〜」
- 153 名前:脱線話 投稿日:2000年10月28日(土)23時06分26秒
- Д<「つじ〜!つじ〜!!」
つじ「んめぇ〜めぇ〜〜!!」
羊1「めぇぇぇめぇ〜」
羊2「めぇえ」
羊の群れをかき分けて進むと、埋もれて辻がいた。
Д<「あ、おったおった。この羊の海、見つからんと思ったで。辻〜?」
つじ「あ、はぐれあいぼん。」
Д<「もうはぐれやない。」
つじ「どうしたんれすか?こんなところへ」
Д<「どうもこうもない、仕事さぼってる辻をつれに来たんや!」
つじ「さぼってないれすよみんなとしゃべっていたのれす。
みんないいこたちなんれすよ」
Д<「それをサボりっちゅうんや!もう帰るで!」
つじ<「それをさぼりっちゅうんや!もーかえるで」
Д<「真似せんでええねん。ん??ちょっとまちいや??
あんた、羊と喋れるんかい??」
つじ「そうれすよ。なんとなくやってみたらしゃべれたのれす。」
Д<「・・・・(絶句)」
つじ「みんなとってもやさしいんれすよ。
あいぼんもいっしょにしゃべるのれす。しょうかいするれす」
- 154 名前:脱線話 投稿日:2000年10月28日(土)23時14分06秒
- Д<「い、、いやあ、うちはええわ。喋れんし。」
つじ「そうれすか。まあ、そんなわけれ、
つじはこっちにいるのれす。まいにちみんなのせわをするのれす」
Д<「あ、、、あんなあ、辻、そんなに入れこんで、
ジンギスカンって何の肉か知ってるんか?」
あいぼんがそう言ったとたん、3秒ほど時がとまった。
つじ「・・・・うっ、、」
突然言葉を詰まらせ、涙ぐむ辻。その場にしゃがみこんだ。
追って、あいぼんもしゃがみこんだ。
Д<「あ、、あかんこと言ってしまってん。ご、、ごめんな辻。」
つじ「こ、、このこたちのおにくなのれす。つじはもうたべたくないのれす!」
Д<「あ、、、でもなあ辻、そんなこと言い出したら何も食べられへんで??
そもそも生き物の世界ってのはそうやってやな、、、」
つじ「わかってるのれす!!」
Д<「・・・、、、つじ?」
つじ「わかっているのれす。れすけど、、、、けど、、、」
Д<「そうやね。頭ではわかっていても割り切れんことってあんねん。」
- 155 名前:脱線話 投稿日:2000年10月28日(土)23時15分58秒
- つじ「うっ、、」
辻の目から涙があふれた。
つじ「このこたちはしらないのれすよ。」
Д<「??」
つじ「にんげんにみるくをあげること、けがわをあげること、
そのかわりえさをもらって、ぼくじょうであそべること
それはしっているのれす。」
Д<「みんなから聞いたんやな?」
つじ「れも、れも、、、たまに、なんびきかつれていかれるなかまたちが
どこへいったのかしらないのれす。
にんげんがたべていることはしらないのれす。」
Д<「・・・。そう言われてみれると、確かにわからんわな〜」
つじ「にげることもたたかうこともれきないのれす。
みをまもることはれきないのれす。」
Д<「・・・・」
つじ「それって、いいんれすか?
そんなりふじんな、、、そんなの、にんげんらけじゃないんれすか??」
- 156 名前:脱線話 投稿日:2000年10月28日(土)23時19分58秒
- Д<「む、、、難しいこといいよるな〜。
食べるために育てるなんて確かに人間ぐらいかもしれんなあ。」
つじ「うっ、、うっ、、、、かわいそうなのれす。」
そのとき、1匹の羊が辻の頬をなめた。
羊3「めぇええ」
つじ「ぐすっ、、、めぇえぇえ」
Д<「なんやって?」
つじ「ろうしたの?れすって。みんならいすきれすっていいました。」
言いながら辻はその羊の首に抱きついた。羊の耳元でつぶやく。
つじ「ごめんね。」
あいぼんは立ち上がり大声でさけんだ。
Д<「頑張れっ!辻!!」
ナッチー「まったくもう、あいぼん遅いべさ!!ナッチー一人で大変だべさ。」
Д<「それにしても、陸地がまったく見えへん。羊の海で遭難したかもしれんわ。」
その夜、今までどおり、
辻はジンギスカンを食べるのであった。少し複雑な表情で。
- 157 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月29日(日)05時02分38秒
- >>150、151
>保田「へえ、灯台元暗しってやつね」
呪いの原因と思われる宝石がカオリの剣に込められていたことじゃないの?
- 158 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月29日(日)05時12分34秒
- 脱線話、いいッス。
- 159 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月30日(月)22時02分04秒
- 勇者飯田の剣の修行、ある日のこと。
よっすぃー「いいですね、なかなか上手になってきましたよ」
勇者飯田「うん、ありがとう。カオリも自分でそう感じる」
よっすぃー「それじゃあ次の課題は…」
勇者飯田「そうだ!カオリ、よっすぃーと剣術で戦ってみたい!」
よっすぃー「ええっ!?あの、それはちょっと…」
勇者飯田「何で?よっすぃーも言ったじゃん、カオリは上達したって」
よっすぃー「それはそうですけど、まだ剣術のみに関しては…。
そうだ!飯田さんが勇者の剣で戦うのならいいですよ」
勇者飯田「カオリは勇者の剣で?それって平等じゃないよ。カオリおかしいと思うな」
よっすぃー「私も自分の刀を使うから大丈夫ですよ。それに剣術だけの勝負だったら
正直まだ飯田さんの技術には不足しているところがあるから勝負がすぐにつくと思います」
勇者飯田「厳しいなー、よっすぃーは。それじゃあお言葉に甘えてカオリの剣でいくよ?」
よっすぃー「ええ、どうぞ。遠慮なく剣を振ってくださいね」
勇者飯田「わかってる、カオリ全力でやるからよっすぃーも手加減しちゃダメだよ!」
よっすぃー「はい、それでは始めましょうか」
- 160 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年10月30日(月)22時28分52秒
- 勇者飯田「いくぞ、ひっぱれー!」
勇者飯田は剣を振りかざした!衝撃がよっすぃーを襲う!
よっすぃー「うん、振り方が以前より良くなってますね」
そう言いながらよっすぃーは刀に手を近づけ、刀を抜くと共に衝撃を切り裂いた!
勇者飯田「剣の衝撃が斬られちゃった…」
勇者飯田があっけにとられている瞬間によっすぃーは姿を消していた!
勇者飯田「あれ?よっすぃーが…」
よっすぃー「抜刀が見えるようになったんですか、本当に上達が早いですね…」
勇者飯田の背後からよっすぃーの声が聞こえてきた!振り向きざまに剣を振る勇者飯田!
しかし、そこによっすぃーの姿はなかった!
勇者飯田「嘘、またいない…」
次の瞬間、勇者飯田の首にはよっすぃーの刀が軽く据えられていた。
よっすぃー「私の勝ちですね」
勇者飯田「うん、カオリの負け…。でもよっすぃー、本当に速いね」
よっすぃー「長いこと修行してきましたからね」
勇者飯田「そっかー・・・。やっぱり強くなるには修行が一番なんだね。
よっすぃー、明日もよろしく!」
よっすぃー「ええ、わかりました。それじゃあまた同時刻にここで修行を」
勇者飯田がいなくなると、よっすぃーは一人で考えていた。
よっすぃー(本気で抜刀したのに判断されてた…。それだけあの人の上達が早いの?
高速移動を判断される日も遠くないのかも…。
ひょっとしたらあの人、さやか様以上の…。って、考えすぎかな)
「私もご飯食べに行こうっと!」
- 161 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月01日(水)11時14分06秒
- その頃石川は。
「ああ、よっすぃーさんと一緒にきたかったなあ・・・
そうすれば今頃二人っきりで・・・ポッ
」
延々と独り言。この年は動物達が異常に早く冬眠に入ったとか。
- 162 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月04日(土)19時45分20秒
- 一方、銀杏の木に向かう保田とごま。
保田「銀杏の仙人…。噂には聞いたことがあるけど実在したなんてね」
ごま「きゅきゅっきゅーん(あたしも本当にいるなんて思ってなかったよ)」
保田「問題は本当にあんたの呪いを解く方法を知ってるかどうか…」
ごま「きゅきゅ〜…。きゅ、きゅきゅーんきゅっきゅー
(そうなんだよね〜…。ところで圭ちゃん、魔力であたしを浮かせて運ぶのやめてよー)」
保田「いちいち持ってられないわよ、重いんだから」
ごま「きゅ〜…。きゅ、きゅきゅーっきゅ?(も〜…。あ、あれが銀杏の木じゃない?)」
保田「そうみたいね…。近寄ってみましょう」
- 163 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月04日(土)20時12分53秒
- 保田とごまは銀杏の木に近づいた。
保田「何もないけど…」
ごま「きゅー、きゅっきゅ?(うーん、何かあるんじゃないの?)」
すると突然銀杏の木が2人を吸い込み始めた!
保田「ちょっと、これ一体何なのよ!」
ごま「きゅきゅーん!(すごい吸引力だよー!)」
たちまち2人は銀杏の木に吸い込まれてしまった。
保田「う〜ん…ここは?」
???「ここは銀杏の庵、あなた達は私に聞きたいことがあって来たのでしょう?」
ごま「きゅきゅーん?きゅ、きゅー…(どうしてわかったの?あ、もしかして…)」
銀杏仙人「その通り、私が銀杏の仙人です」
保田「あんがい楽に会えるものなのね…。で、聞きたいことなんだけど…」
銀杏仙人「どうやらそこのアザラシの方の呪いを解く方法が知りたいようですね」
保田「! 何でわかったの…?」
銀杏仙人「普通の雰囲気ではないですからね。魔力が肌に伝わってきます」
保田「さすがは噂の仙人…」
ごま「きゅきゅーきゅっきゅ〜ん(難しいことはいいから早く呪い解いてよ〜)」
- 164 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月05日(日)07時52分42秒
- >158
遅ればせながらどうもありがとう。
後日談
つじ「にわとりさんともはなせるようになったのれす!」
Д<「またなんとなくやったら話せたんか?」
つじ「そうなのれす。そんなわけれ、つじはにわとりさんもたべるのをやめるのれす。」
Д<「・・・。もう勝手にしいや!」
つじ「はぐれあいぼんがおこったのれす!じょうだんなのれす。」
Д<「はぐれやないーー!!」
- 165 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月06日(月)06時28分07秒
- 石川「ふう、いつになったら『彩さん』のところにたどり着けるのかしら」
その時!石川は何かにつまずいてすっ転んだ!
石川「いったぁーい・・・もう!あら、宝箱だわ
」
石川は『でんでん太鼓』を手に入れた!
石川「あら、可愛い。でんででん・・・でんでん・・・」
- 166 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月06日(月)06時35分31秒
- その頃、石川のいるところから少し離れた所に、祠があった。
男「おい、彩、そろそろ休んだらどうだ?
もうお前1人の身体じゃ・・・」
彩「わかってるわ、真矢さん。でももうすぐ来るのよ。私には分かるわ。
私の作った、この『チャーミースーツ』を着るに値する娘が来る。
今の私には、これくらいしか力を貸せる事はないから・・・」
真矢「そうか。お前がそう言うのなら止めないよ。」
彩「ありがとう。愛してるわ、ダーリン」
・・・『チャーミースーツ』とは?
- 167 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月06日(月)23時15分30秒
- 場所は変わって、魔王の間。
魔王「うまい具合に勇者の一行が4分割されたな…」
部下「はい、仰せの通り四天王を差し向けました」
魔王「ふふふ…、戦力が分散した状態であのボンバー四天王を倒せるかな?」
部下「え、ボンバー?ココナッツ四天王じゃないんですか?」
魔王「へ?ちょっと待て、私はボンバー四天王を差し向けろと言ったはずだが」
部下「…間違えちゃいましたね」
魔王「まあいい、今からでも遅くないだろう。ボンバー四天王を呼んでこい」
部下「それがOFFだと勘違いして、どこかに行っちゃったみたいです」
魔王「・・・」
部下「・・・」
魔王「お前一人差し向けてやろうか?」
部下「だ、大丈夫ですよ!ココナッツ四天王はボンバーには及ばないにしても実力は確かですから!」
魔王「まったく…。ボンバーは帰ってきたら説教だな」
- 168 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月06日(月)23時41分56秒
- 銀杏の庵にて。
銀杏仙人「その重度の呪いを解く方法はただ一つ『儀式』ですね」
ごま「きゅきゅきゅ…(儀式…)」
保田「それも考えたんだけど、方法が明確じゃないし失敗したらごまも危険なのよね…」
銀杏仙人「大丈夫、私は方法を知っていますから。それほどの魔力があれば儀式にも耐えられますよ」
ごま「きゅきゅ〜…きゅ〜ん?(耐えられるって…、痛いの?)」
銀杏仙人「重い呪いですからね、少々我慢してもらいますよ」
保田「…ところで仙人さん、ごまの言葉がわかるの?」
銀杏仙人「はい、大抵の動物語は習得しています」
保田「本当にいろいろと頼りになる人ね…」
銀杏仙人「じゃあ儀式に移りましょう。ごまさんでしたっけ?そこの魔方陣の中心に行ってください」
ごま「きゅ〜ん…(はぁ〜い…)」
ごまは魔方陣の中心に立った。
銀杏仙人「それでは始めます。儀式は3日くらい続くので我慢しててくださいね」
ごま「きゅきゅ〜ん!?きゅ、きゅきゅ…!(3日間!?ちょ、ちょっと…!)」
魔方陣は青白い光の膜に包まれた!
銀杏仙人「これで常に魔力を集中し続けていれば、最後には強力に凝縮された魔力によって呪いを追い出せます」
保田「そんな辛い儀式をいきなりスタートで3日間…。ごまが耐えられるのかしら」
銀杏仙人「心配しなくてもいいと思いますよ。彼女の力はあなたもよくわかっているはずです」
保田「そうね。ごまを信じて待つのが一番ってことか…」
ごま「きゅ〜…きゅきゅ〜ん…(眠い…お腹空いた…)」
- 169 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)13時26分47秒
- ごま「きゅーん(眠いよ−、お腹減ったよ−)」
保田「我慢なさい」
銀杏仙人「さて、どうやらお客様がいらしたようですね」
保田「そうみたいね。良い度胸してるわね」
?「ハーイ、ソノギシキ、セイコウサセルワケニハイキマセーン!」
- 170 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)18時34分31秒
- 銀杏仙人「木の中に作った異空間に入り込むとは、なかなかのお手前で…」
?「マイネームイズ、ミカ!ココナッツシテンノーの一人デース!」
保田「ココナッツ四天王…。ああ、魔王の部下で『出来の悪い方の四天王』だったかしら?」
ミカ「ボンバーさんとクラベナイでクダサーイ!」
銀杏仙人「何にしても、儀式を止めるわけにはいきません。お引取り願います」
ミカ「ソレハデキマセンヨ!ユウシャイッコウをタオスニハセンリョクがブンサンされたイマがイチバンデース!」
保田「魔王の考えそうなことね…。いいわ、私一人で相手してあげる。外に出なさい」
ミカ「オモシロイデス!ダイシンカンヤスダ、ココデシンデモライマース!」
ミカは部屋から姿を消した!
銀杏仙人「いいんですか?あなたの魔力は攻撃系には向いてないタイプだと思いますけど…」
保田「そこまでわかったの…、流石ね。確かにそうだけど、あんな奴には負けないわよ」
銀杏仙人「しかし相手にも結構な魔力があるようでしたよ。本当に一人で…」
保田「あいつの言ったことから考えると、他の皆のところにも四天王が向かってるはず。
私の弟子の石川なんて一人別の場所にいるから1対1で戦うことになるわ、まだ未熟なのに…。
それで私が弟子より楽するなんて考えられない。だからお願い、一人で戦わせてくれない?」
銀杏仙人「・・・わかりました。もう止めません。ごまさんのことは私にまかせて下さい」
保田「ありがとう。ごまのことよろしくね」
銀杏仙人「それにしても、本当にお弟子さんのことを心配していらっしゃるんですね…」
保田「そ、そんなんじゃないわよ!ただあいつは未熟だから…!って、もう行くわよ!」
そう言って保田も部屋から姿を消した。
銀杏仙人「あんなに照れちゃって…。そのお弟子さんのためにも負けちゃいけませんよ」
- 171 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)19時23分45秒
- 一方、彩の元へ向かう石川。とあるほこらの前についていた。
石川「あ、多分ここね。すいませ〜ん。誰かいますか〜?」
奥に進みながら人を探していると、暗闇の中から声をかけられた。
?「やっと来たのね…。名前は知らないけどあなたのことを待ってたよ」
石川「え? 待っていたって…。あなたが彩さんですか?」
- 172 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)19時40分51秒
- その時、部屋に明かりがついた。石川の前には男性と女性が立っていた。
彩「初めまして、私が彩。で、こっちは夫の真也さん」
真也「初めまして」
石川「初めまして…。あの、急で申し訳ないんですけど…」
彩「わかってる。強くなるために来たんでしょう?」
石川「そうなんです。…あれ、なんでわかったんですか?」
彩「その顔を見れば何か決意があることはわかるよ。それにあなたが来ることはわかっていたしね…」
石川「私が来るのがわかっていた…?もうわけがわかりませんよ〜!」
真也「君を待っていた人間は俺と彩だけじゃないってことだよ」
石川「え…?」
彩「気配でわかるんだから、早く出てきなさい。あんたもこの子を待っていたんでしょう?」
?「流石は防具職人、神経が冴えてますね…」
- 173 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)19時54分34秒
- その声が聞こえた方を見ると、一人の少女がいた。
?「ココナッツ四天王の一人、アヤカと言います。僧侶石川さん、あなたを待っていましたよ」
石川「この感じ…。魔王の手先ですねっ!」
アヤカ「ええ。それにしても何で私があなたと戦わなければならないんでしょう…。
勇者一行にしてもたった一人、しかも戦闘系ではない。損な役ですよ…」
石川「この世に悪が栄えたためしはありません!あなたを倒します!」
その時、彩が石川に向かって何やらおかしな服を投げ渡した!
彩「あなた、これを着なさい!」
石川「え、この服を…?可愛い
。わかりました、着まーす!」
石川は『チャーミースーツ』を身にまとった!
石川「(この服…。なんだかすごく体にしっくり来る!)いきますよ、魔王の手先さん!」
アヤカ「何をしても僧侶は僧侶、私には勝てませんよ!」
真矢「なあ彩、俺達は加勢しなくていいのか…?」
彩「これであの子の力を見るわ。ここで負けるようだったら、いずれやられてしまうしね」
- 174 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)20時29分00秒
- ほぼ同時刻、よっすぃーと勇者飯田はいつものように修行をしていた。
よっすぃー「飯田さん、上達が早すぎますね…。もうよそ見して戦えませんよ」
勇者飯田「えー、それでもよっすぃー余裕じゃん?まだまだカオリは及ばないなー」
勇者飯田がそう言ったのと同時に、よっすぃーの表情が曇った。
よっすぃー「…飯田さん、今日の修行はここまでにしましょう」
勇者飯田「えっ、何で?まだ2時間しか経ってないよ?」
よっすぃー「いいじゃないですか、たまには休息を多めに取るべきですしね」
勇者飯田「…うん、わかった。それじゃ先に戻ってるよ?」
よっすぃー「はい、私もすぐに戻ります」
勇者飯田は牧場に戻った。
- 175 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)20時30分10秒
- よっすぃー「…もう気配を消す必要はないですよ」
よっすぃーがそう言うと、物陰から誰かが出てきた。
?「オミゴトデスネー、ばとるますたーサン」
よっすぃー「空気の流れで人がいるかいないかくらい判断できますから」
?「ジコショーカイオクレマシタ、レフア・サンボデース!ここなっつシテンノーヤッテマース!」
よっすぃー「ココナッツ四天王…。でも一人じゃないですか」
レフア「ブンサンサレタセンリョクをオトシテイクトイウサクセンデスカラ、ホカノサンニンハ
ソレゾレユウシャイッコウノトコロニイッテマース!」
よっすぃー「なるほど、魔王らしい考え…。じゃあ早速ここでその計画の4分の1を潰してあげますよ」
レフア「ソウダ、ナンデユウシャサンをボクジョーにイカセタデスカ?タスケタツモリデスカ?」
よっすぃー「いえ、そんなんじゃないですよ。久々に1対1を楽しみたいなぁ、と思っただけです」
レフア「…アナタ、オモシロイコトイウケドスキジャナイデス。コウカイシテクダサイ!」
レフアは腰から剣を抜いた!
よっすぃー「後悔するのはどっちでしょうね…」
よっすぃーは手を刀のさやに近づけた。
- 176 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)20時59分54秒
- そして牧場、多くのメンバーが仕事後の休憩をしていた。
辻「はぁー、きょうもしっかりはたらいたのれす」
Д<何言うとるんや、また羊とお喋りばっかりだったやないか。
矢口「まあまああいぼん、辻の能力結構役にたってるよ?」
ナッチー「たくさん仕事したらたくさん食うべ」
中澤「いつもたくさん食ってるやん…」
一同が話していると、突然地震が起きた!
矢口「うわっ!なんだこの揺れ!」
辻「すごいじしんなのれす!」
中澤(地震にしては揺れが変やな…)
中澤は剣を持ち、窓から外に飛び出した!
中澤「やっぱり外は揺れてない…。あ!」
中澤の目線の先には、厩舎を揺らす大柄な少女の姿があった!
?「ハァーイ!アロハ〜!」
中澤「アロハやない!あんた一体…」
?「マイネームイズ、ダニエォ!ここなっつシテンノーズメンバー!」
中澤「ココナッツ四天王て…魔王の部下やな!うろ覚えやけど確かにおった!」
中澤がダニエォと話していると、他のメンバーが外に出てきた。
矢口「おーい、裕子〜…。ん、そいつは?」
中澤「こいつが厩舎を揺らしてたんや。魔王の部下やで」
Д<なんちゅうバカぢからやねん…。
ナッチー「悪い奴は倒すしかないべ」
辻「かくごするのれす!」
ダニエォ「OKOK、ノープロブレム!カモン!」
- 177 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)21時09分21秒
- 172は真也→真矢です。長々と書いてる間にボケてました…。
- 178 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)21時34分41秒
- 〜保田vsミカ〜
ミカ「ウフフフ・・・ダイシンカンヤスダ。
コウゲキガニガテナアナタデハワタシニカテマセーン!」
保田「それはどうかしら?やってみなければ分からないわよ」
ミカ「マア、イイワ、ミーノチカラ、オモイシリナサーイ!」
ミカはオーラを手に纏った!
保田「格闘を得意とするタイプか・・・
私が一番やりづらい相手だわ。魔王も考えたわね・・・」
ミカの攻撃!
オーラを青く光らせてのパンチ攻撃!
保田は上手くかわした!
ミカ「ヨクカワシマシタネ!マダマダイキマース!」
保田「(速いし、威力もあるんだろうけど攻撃が直線的ね。何とかなるかも)」
ミカの連続攻撃!しかし保田は全てを見切っている!
保田「残念ね。この程度なら私の方がまだまだ上よ。」
ミカ「・・・・・」
ミカの連続攻撃の最後の一撃を見切った保田。
その隙に溜めていた魔法力を爆発させる!
保田「バギクロ・・・え!?」
しかし、その瞬間、ミカが手に纏っていた筈のオーラが遅れて保田にヒットした!
吹っ飛ぶ保田。なんとか咄嗟にガードできたようだ。
ミカ「ウフフ・・・ミーノ『氣』ハリンキオウヘンデース!」
保田「くっ・・・こりゃ一筋縄では行かなそうね・・・」
- 179 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)21時46分02秒
- 〜石川vsアヤカ〜
石川「行きますよ!えい!」
石川の攻撃!しかしアヤカは軽くいなすと鋭い蹴りを放った!
石川に24のダメージ!
アヤカ「どうしてあなたのような半人前の為に
ココナッツのリーダーである私がいちいちこの手を煩わせなければならないのかしら」
石川「まだまだ!私には魔法もあります!ファイトファイト〜!」
石川の言葉が吹雪の杖に反応してつららになりアヤカを襲う!
しかしアヤカは火炎でつららを溶かし、さらに石川を攻撃!
石川に30のダメージ!
アヤカ「・・・・・私はココナッツ最強のバイリン・・・
もとい魔法戦士ですよ。
あなたでは私に傷一つ負わせる事は出来ません。
可哀想ですけれど諦めてください。私は手加減はしませんよ」
石川「・・・・まだまだっ!!」
真矢「うん。あの娘、根性はあるな。しかし実力が雲泥の差だ・・・このままでは・・・」
彩「そうね、根性だけは合格点ね。あとは戦いの中で本当の力に目覚められるかどうか・・・」
- 180 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)21時56分43秒
- 〜よっすぃーvsレフア〜
レフア「アナタノハナシはキイテイマした!
イツカおテアワセシタイトオモッテマシタ!
アナタヲタオセバ、ミーガサイキョウノ『バトルマスター』デース!」
よっすぃー「あら、私って有名なんですね。
でもまだあなたにバトルマスターの称号を譲る気はありませんよ」
レフア「モンドウムヨウデース!」
レフアの攻撃!剣を振ると真空刃が生まれた!
よっすぃーは居合いで真空刃をなぎ払う!
そしてそのまま高速移動でレフアの後ろをとる。
カキーン!!金属音が響く。
よっすぃー「私の高速移動に反応するとは・・・結構やりますね」
レフア「ガッカリデース。アナタノジツリョクハコンナモノデスカ?」
よっすぃー「言ってくれるじゃないですか。その言葉の代償は高くつきますよ」
構えをとったまま全く動かない2人。
- 181 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月07日(火)22時12分32秒
- 〜おこちゃま&剣客中澤&矢口&ナッチーvsダニエォ〜
中澤「しかし自分阿呆やな。いくらなんでも多勢に無勢やで」
ダニエォ「オー、ノープロブレム!エブリバディカマ〜ン!」
Д<「なんやねん、この自信は。」
辻「なんていってるかわからないのれす。ひつじさんのことばはわかっても
えいごはからっきしなのれす」
ナッチー「気に食わないべ!ナッチーが片付けてやるっしょ!」
ダニエォ「ハリアップ!」
矢口「ここはオイラ1人にやらせてよ。オイラだって修行してたんだ。負けないよ」
ナッチー「何を言ってるべ!アンタじゃ無理っしょ!」
Д<「そうや!自分武闘家なのにてんで弱いやんか!」
矢口「うるさーい!今まで出番なかったんだ!ここで一発決めてやるー!」
ダニエォ「ハリアップ!ハリアップ!!」
そう言うと矢口はダニエォの前に飛び出していった!
ダニエォ「ホワット!?ベリースモールガール!
ドゥユーウォントトゥファイト?オー!イッツアバットジョーク!」
矢口「ジョークじゃないやい!」
辻「いったいいちのけっとうをいどむなんて、やぐちさんはほんもののぶしれす」
Д<「ただ無鉄砲なだけや」
中澤「まあ、アイツにもプライドってもんがあるやろうしな。」
ナッチー「危なくなったらナッチーが加勢してやるっしょ。
したっけ、矢口の分の晩飯は助け賃としてナッチーが貰うべさ」
矢口「あいつら好き勝手いいやがって・・・いくぞ、アチョー!!」
- 182 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月08日(水)02時31分34秒
- 石川vsアヤカ
アヤカ「情熱の炎をくらいなさい。」
石川「キャーーー!!」
石川は炎にまかれ、50のダメージ
石川「あっつーーい。も、、、もうだめ。」
その時1匹の妖精が!!
シバタ「りーかーちゃーーん!助けに来たよ〜」
石川「シバちゃーん!!来てくれるなんて、チャーミー嬉しい。」
シバタ「何いってんのよ〜友達じゃない。」
石川「そうやっていつも窮地に陥ったチャーミーを助けてくれるのね。。。」(涙
シバタ(あれ、今回が初めてだけど。しかも実は通りかかっただけ。。)
1匹の妖精にはたして何ができるのか?
そして、1人称がチャーミーになった石川。
しかし、このスーツの能力はもちろんこれだけではない?
- 183 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)05時12分58秒
- よっすぃ〜vsレフア
ガインガインガイン!
最初は互角に見えた二人も、時間がたつにつれてよっすぃ〜がおし始める。
よっすぃ〜は自ら間合いを詰め、つばぜり合いに持ちこんだ。
ギリギリギリ、、、
よっすぃ〜「もうお終いですか?」
レフア「ツヨイデスネー。ヤハリマトモニヤッテハカテマセーン。」
よっすぃ〜「あら、ギブアップ?
もう私達に手を出さないなら許しあげてもいいですよ。」
レフア「HAHAHA!ソンナワケナイデース。
ワタシマダ、キャラガタッテイマセーン!!」
よっすぃ〜「だから、、、何?」
ガイーン!!レフアは剣を捨てながら後退した。
レフア「ナンデモアリッテコトデース!オクノテツカイマース!!」
よっすぃ〜「何かあるっていうの?」
レフア「ワタシノクニデ、モットモポピュラーナブキデース。」
レフアは懐から何かをすばやく取りだし、よっすぃ〜に向けた。
パアン!!!
パアーンパアーンパアーン!破裂音があたりにこだました。
レフア「ピストルイイマース。」
よっすぃ〜「しまった、、拳じゅ、、、ウッ、、、」
レフア「ジュウハケンヨリツヨシデース。ワタシノカチデスネー!!」
「この音!!何?」
帰途についていた勇者飯田は立ち止まった。
勇者飯田「あ、また嫌な予感が。。よっすぃ〜!?」
勇者飯田は今来た道を引き返した。
- 184 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)17時10分10秒
- 保田VSミカ
ミカ「ハハハ、サスガにココマデデスカ!?」
ミカの『氣』は少しずつだが確実に保田の体力を奪っていった。
保田「くっ、それなら…」
保田は自分に回復魔法をかけようとした。
ミカ「ソウハサセマセン!」
ミカは素早く間合いをつめ、保田に一撃をいれた!
保田「ぐうっ!」
ミカの攻撃が直撃した保田は吹っ飛び、地面に叩き付けられた!
ミカ「モウソロソロオワリデスネー」
保田(流石によっすぃーほど早くないし、力もそれほどではない。でもこのままじゃあ
確実にやられる。せめて回復魔法ができれば…)
その時、保田はあることを考えた。
保田(回復魔法…?そうか、まだ攻撃方法はあったわね)
そうすると保田は、回復魔法を繰り出す準備にかかった。
ミカ「カイフクはサセマセンヨ!」
ミカは保田に突っ込んでいった。
しかし同時に保田もミカに向かって突っ込んだ!
そして保田はミカの攻撃を回避して掌底を一撃入れる!
ミカ「…ナニをシテルンデスカ?アナタにダゲキはムイテマセン。ソレニナゼ、カイフクマホウをコメタ
ショウテイヲ…。チマヨッタデスカ!?」
ミカは保田に再度攻撃しようとするが、保田は回避しながら回復魔法の力が込められた掌底を入れ続ける。
ミカ「アナタ、モウイミがワカリマセン。ワタシはカイフクシテルデスヨ?」
保田「・・・」
それでも保田は回復掌底を決めつづける…。
- 185 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)17時30分33秒
- 矢口達VSダニエォ
矢口「喰らえっ、厚底カカト!」
矢口はダニエォに踵落しを放った!
ダニエォ「ヴェリースロウリー…」
そうするとダニエォは矢口の足をつかみ、おもいきり投げ飛ばした!
Д<「こっちにとんでくるで!」
あいぼんがそう言ったときには、すでに矢口が一同に直撃していた。
しかし中澤だけはそれを避けて、ダニエォの頭上にいた!
中澤「2番手、中澤姐さんや!いくで!」
中澤がダニエォに斬りかかる!しかしダニエォは右手の手甲で剣を止める!
中澤「なるほど、刃物対策かい…」
ダニエォ「ユードントハブ…パワー」
ダニエォは中澤の剣を払い、張り手を決めるダニエォ!
中澤「ごわっ!」
中澤の体が宙に舞った!
その直後、雷がダニエォに襲いかかった!しかし横に避ける!
ナッチー「もう見てられないべ、3番手はナッチーっしょ!」
ナッチーはダニエォと掴み合った!
Д<「(今のうちや…)横幅のおばはん、あんた本当に16なんか?
その若さでその貫禄と横幅ならわんぱく大相撲もビックリやで」
ダニエォ「アイドントノウジャパニーズ」
そう言うと共に、ダニエォはナッチーを持ち上げ、厩舎の壁に叩きつける!
ナッチー「こんなに力のある奴はなかなかいないべ…」
Д<「アホな…。うちの言葉が通じへん」
辻「あわわ…、つよいのれす…」
ダニエォ「ヘイエブリバディ、カモンカモーン!」
- 186 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)17時52分44秒
- よっすぃーVSレフア
レフア「サア、トドメにシマショウカ!」
レフアは銃に弾を込め直そうとした。
すると、よっすぃーを取り巻く周りの空気が一変した!
レフア「ナ…ナンデスカ、コノケハイハ?サムイ…ノー、クールナ…」
よっすぃー「…ムカつく……」
よっすぃーは小さくつぶやくと、ゆっくりと立ち上がった。
レフア「ソンナ…。ミギカタ、ヒダリノワキバラにタマガアタッテルノニ…」
よっすぃー「随分と腹の立つことしてくれたな、ハワイアン女。覚悟しなよ」
レフア「バトルマスター、ヨッスィー…。ソウイエバ、ユウシャサヤカのナカマにナルマエは
レイセイ、レイコクなケンシダッタトキイタコトガ…」
よっすぃー「いちいちうるさい。それと今の私は『吉澤』だ。そのふざけた名前で呼ぶな」
レフア「ソウイウコトデスカ、シラナカッタデスヨ…。シカシワタシはピストルモッテマス。
ジュウハケンヨリツヨシ、ハジョウシキデス」
吉澤「あんたより私が強い。これでその常識は通じないな。」
レフア「コッチノバトルマスターサンハオモシロクナイシ、キライデス…。
ラクニシテアゲマス!」
吉澤「じゃあこっちも殺すつもりでいくか。気を抜くなよ、ハワイアン女」
- 187 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)19時12分04秒
- 〜石川&シバタvsアヤカ〜
戦闘が始まって30分以上が過ぎた。
一方的なアヤカの攻撃になすすべもない石川とシバタ
(シバタは逃げ回りながら騒いでいるだけだが)
アヤカ「ハァハァ・・・しぶといですね。私も手を抜いてはいないのに・・・
その細い身体の何処にこんな根性があるんでしょう?敵ながらあっぱれです」
石川「まだまだっ!!」
シバタ「梨華ちゃん!がんばれ!!」
アヤカ「・・・あなたを甘く見ていたようです。最終奥義で決着をつけてあげます。
苦しまないように一撃で殺してあげますよ。食らえ!ハレーションサマー!!」
信じられないほどの炎の波が石川を襲う!!
シバタ「やばいよ!梨華ちゃん!これをくらっちゃひとたまりもないよ!」
石川「チャーミーもなんとかしたいんですけど・・・身体が言う事を聞かないんです・・・」
炎に包まれる石川。
アヤカ「これで終りね、石川さん。あなたの事は忘れません。素晴らしいファイトでした。」
アヤカはその場を立ち去ろうとした。
しかし、その時!何処からかでんでん太鼓の音が・・・
でんででん、でんでん!!!
*「挑戦・・・それははかなく美しい・・・」
アヤカ「何なの?ハレーションサマーは全てを焼き尽くしたはずなのに!?」
*「チャオー!!チャ−ミ−石川でーす
」
石川大復活!!
彩「どうやらあの娘、チャーミースーツの力を100%引き出せたようね」
シバタ「アタシはすこし火傷したよ・・・うぅぅ」
- 188 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)23時01分20秒
- 吉澤(よっすぃー)VSレフア
レフアは銃を構え、吉澤は刀に手を近づけていた。
レフア(スゴイプレッシャー…。ピストルをカマエテルノニアンシンデキナイ)
吉澤「安心できてないみたいだな。まあ、引き金を引くと同時に死ぬも同然だからしょうがないか」
レフア「クッ…!シャラップ!」
レフアは引き金を引いた!破裂音が響く!
そして次の瞬間、レフアの右肩と左わき腹から血が吹き出た!
吉澤は弾丸を避けながら前進し、レフアを斬っていたのだ。
レフア「グ、ウッ…。ソンナ…」
吉澤「とりあえずお返しだけしておいた。傷は深くないけどね」
レフア「ヨユウをミセテマスネ…。ホントウニオソロシクツヨイデス」
吉澤「『あっちの私』は斬ることに少々ためらいがあるからな。
それと喋る暇があったらほら、これを持って構えろ」
吉澤はレフアに剣を投げつけた。
レフア「ワタシのケン…。ナゼコンナコトヲ?コロサナインデスカ?」
吉澤「真の実力の違いを見せてあげるよ、素人。もっとも、知ったときには死んでるかのな」
レフア「…マッタクタイシタヒトデス。デモ、マケルワケニハイキマセン」
2人は構えをとり、見合った。
- 189 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)23時05分09秒
- >>188
最後から3行目、『死んでるかもな』でした。すいません…。
- 190 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月09日(木)23時30分33秒
- 保田VSミカ
ミカ「モウソノオカシナワザモアキテキマシタ。オワリニシテアゲマショウ!」
ミカは大量の氣を右手に集中させた!
ミカ「ダイシンカンヤスダ、コレデオワリデス!」
しかしそのとき突然ミカは地に倒れ伏した!
保田「効いてきたみたいね…」
ミカ「ドウイウコトデスカ?アレハカイフクマホウダッタハズナノニ、カラダジュウがイタイ…」
保田「そう、回復魔法だったわ。でも使い方がちょっと特殊だったけど」
ミカ「トクシュナ…ツカイカタ?」
保田「風邪薬は風邪の時に飲むでしょう?それと同じで怪我を治すために回復魔法があるのよ
つまり健康体に無理やり回復魔法をかけつづけたらどうなるかってこと。
健康体で風邪薬を飲むのが体に悪いのと同様に、回復魔法をかけるのも体に悪いの」
ミカ「ソコマデケイサンシテタンデスカ。ヨソウガイデシタ…」
保田「それじゃあ、とどめいくわよ」
保田は倒れたミカの背中に手を当て、回復魔法をかけた!
ミカ「ガハッ…。ミゴトデス、ダイシンカンヤスダ。ワタシノ…マケ…デ・・」
そうしてミカは気を失った。
保田「あんたも強かったわ。久しぶりのいい戦いをありがとうね」
ふと保田はごまのことを思い出した。
保田「そうだ、ごま寝てないかしら…。心配だから見にいかないと」
保田は銀杏の木の前に向かって歩いていった。そしてもう一人の仲間のことも思い出していた。
保田「石川…、私は勝ったから、あんたも負けるんじゃないわよ」
そして保田は銀杏の庵に戻った。
- 191 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月10日(金)14時24分08秒
- 〜矢口達vsダニエォ〜
矢口は気絶している。
ダニエォは中澤とナッチーの怒濤の攻撃を受けているが傷一つ負っていない。
辻「すごくつよいのれす。あのふたりでもはがたたないのれす。」
Д<「ウチらが口を挟めるような雰囲気じゃないな。」
ダニエォ「オー!ベリーエキサイティング!!」
中澤「なんやねんこいつは!」
ナッチー「バテるってことがないんだべか?」
ダニエォ「ハハハ!!ダニエォタックル!レディ・ゴー!」
中澤&ナッチー「うわっ」
2人をダニエォの巨体をいかしたタックルが襲う!
吹っ飛ぶ中澤&ナッチー。あまりの衝撃に受け身も取れない!
中澤「あかん、足をくじいてもうた・・・」
ナッチー「ナッチーも腕をやられたべさ・・・’
ダニエォ「ハハハ!!フィニッシュ!!」
止めをさそうとタックルで突っ込んでくるダニエォ。
中澤「・・・・やばいな・・・」
ナッチー「くやしいべさ。もっとうまいもんくってから死にたかったべ」
ダニエオのタックルが2人を襲うその瞬間、小さい影が2人の前に現れた。
矢口だった。
矢口は一瞬身体を沈ませると、渾身のアッパーをダニエォのアゴにぶち当てた!
矢口「超龍拳!!」
ダニエォの巨体が宙を舞う。
ダニエォ「ホワァァッッッッット!?」
矢口「フッ、武闘家はねえ、体力が赤くなってからが本番なんだい!」
中澤「あいつやりおるわ、見直したで!」
ナッチー「でも体力が赤くなるってなんだべか?」
- 192 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月10日(金)18時12分20秒
- 〜矢口達vsダニエォ〜
矢口「ふっふっふー。矢口がこの時のためにこっそり修行した、
その成果を見せる時が来たようだね!」
つじ「あーあれれすか?って、こっそり?」
Д<「毎日夜11時過ぎるとかならず裏庭から「アチョーッ!」
とか聞こえてきてたあれやな。」
つじ「やぐちさん、うるさいからやめてくらさいとなんどいっても、
おいらしらないよ。のいってんばりだったのれす」
矢口「乱舞奥義!その名も」
つじ「ごく、、。らんぶおうぎ、なにやらすごそうれす。」
Д<「その名も??」
矢口「センチメンタル地獄行き!!」
ババーーーーン!!(効果音)
あたりは静まり返った。
が、それは一瞬のことだった。
Д<「だ、、、、、
だっさー、、、っていうか意味わからんで!」
つじ「ごろだけはいいようなきがするのれすが、、、。
そんななまえ、きいたこっちがせんちめんたるれす。!!」
中澤「リーチメンタンで地獄待ち?
やぐちー、うちはそんなわけのわからん麻雀教えた覚えはないで〜。(涙」
Д<「全然違うわ!しかも高校生に麻雀教えたんかい??」
なっちー「ランチにタンメン、ギョーザ付き?よだれ出てきたべ。」
つじ「ごういんなのれす。たべもののことからはなれてほしいのれす。」
ダニエォ「ジャパニーズ、アンビリーバボー。」
徹夜で考えた名前を好き放題けなされ、突っ込まれ、ボケられる矢口。
- 193 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月10日(金)18時14分09秒
- 〜矢口達vsダニエォ〜
矢口「う、、、うるさーーいい!!
とにかく食らえ!センチメンタル地獄行き!」
ピカーーン!と矢口の体が光ったと思うと、
ダニエォ「ホワット?」
ボカボカドカドカバキバキゲシゲシバンバン
高速でダニエォの間合いに入り、10発を叩きこんだ。更に、
矢口「アチョー!」
バキィ!!超龍拳でダニエォを吹き飛ばした。
ダニエォ「ノーーーー!!」
中澤「おお!」
Д<「名前はともかく凄い!!」
矢口「5つの急所を2度ずつ突いた!立ち上がれるかな?」
ナッチー「カッコよくきめたべさ!!」
つじ「でも、にあわないのれす。」
矢口「ちびっこども、後で覚えてなさいよー!!」
つじ&Д<「自分(じぶん)のほうがちびっこなくせに!(なのれす)」
矢口「うるさーい!矢口は大人だー!」
決着はついた。のか?
- 194 名前:よっすぃーvsレフア 投稿日:2000年11月10日(金)23時55分51秒
- 吉澤「ふふ、、どうした、、、」
ガインガイン、ガッ、、、ギイィン!
レフア「ク、、、ヤハリツヨイデース!」
吉澤の波状攻撃に、レフアは必死で応戦した。
吉澤「フフフフ、、どうした、もっと頑張らないと死ぬよ!
あんた、死ぬよ。」
レフア「ハァハァ。コレデドウダッ?」
ガキッ!!レフアはつかで吉澤の剣を受け流しながら剣を振った。
ブン!!しかしそこにはもう吉澤はいなかった。
吉澤「アハ、アハハハハ、、楽しい。そぉぅとぉぅ楽しい。アハハハ
もっと、もっと楽しませて!!」
吉澤は再び切りかかった。
レフア「ウゥ、、モウ、、、」
レフアの表情に絶望の色が見え始めた。
吉澤「さあ、次は?ほら、死ぬよ!終り?終り??」
レフア「、、、、(ゾク)、、コ、、コワイ」
レフアはもはや受けるだけで精一杯だ。しかし、それも時間の問題である。
突然、吉澤が切りかかる手を止めた。
レフア「?」
吉澤「終りか。なーんだ。つまんないの。」
さっきまで余裕の表情であった吉澤の表情が不自然に曇った。
レフア「ヒッ!!」
吉澤「じゃ、お終いか。」
吉澤は、今度は先ほどより更に笑顔になった。レフアは直感した。
レフア「コロサレル。」
- 195 名前:勇者飯田道中 投稿日:2000年11月10日(金)23時57分29秒
- 勇者飯田は走っていた。何か、嫌な予感を抱えて。
?「ちょっと待って!!」
勇者飯田「待てない!よっすぃーが、、。」
?「待ちなさい!!」
勇者飯田「だから待てない!いそがないと!!!・・・え?」
勇者飯田は驚いて剣を取りだし、見た。
?「やっと気づいた?」
勇者飯田「かおりの剣!久しぶり〜。」
かおりの剣「そういえば、こうして話すのは、ほんと久しぶり〜。
ってマッタリしてる場合じゃあないわね。」
勇者飯田「そうだよ〜。どうしたの?よっすぃーがピンチかもしれないんだけど。」
かおりの剣「ピンチなんかじゃない。いや、ある意味ピンチかな?大変なこと。」
かおりの剣は言葉を曇らせた。
勇者飯田「なんなの〜?」
かおりの剣「よっすぃ〜が、むかしのよっすぃに戻ってる。
これからかおりが何を見ても、よっすぃーを信じてあげて。
そして支えてあげて。」
勇者飯田「何のことだか良くわかんないけど、よっすぃーはかおりの仲間だよ。」
かおりの剣「そう、、。なんだか言うまでもなかったかな。
じゃ、かおり、よっすぃーをまかせるわ。お願いね。」
勇者飯田「うん。じゃ、行くよ。」
飯田は剣を鞘に収め、走った。
勇者飯田「もうすぐつく。何が起きてるんだろう??」
- 196 名前:よっすぃーと勇者飯田 投稿日:2000年11月11日(土)00時00分05秒
- 勇者飯田は修行していた場所に到着した。
勇者飯田「あ、、、、。うっ、、、、、、、。」
勇者飯田が見たものは、
倒れる少女に襲いかかり、にやつきながら剣できりつけるよっすぃーの姿だった。
勇者飯田「や、、やめて!よっすぃー!!」
勇者飯田は叫んだが吉澤に通じた様子は無い。
勇者飯田は更にかけよりつつ叫んび続けた。
勇者飯田「何やってるの?やめて!よっすぃー!!よっすぃー。」
しかしまだ吉澤には通じなかった。
勇者飯田「よっすぃーの目が、、全然違う。怖い。」
ドン!勇者飯田はレフアに馬乗りになっている吉澤を突き押した。
屈み込んでレフアに話しかけた。
勇者飯田「大丈夫?ねえ?」
レフア「・・・・・・・ァ・・・・」
勇者飯田「生きてる。よかった。」
吉澤は起きあがり叫んだ。
吉澤「じゃまをするな飯田!こいつは私の敵だ!殺すんだ!」
勇者飯田「な、、、何いってんのよっすぃー??もう勝負はついてるよ?」
吉澤「どけ!」
どかっ!レフアをかばう飯田を蹴り倒した。
勇者飯田「いたっ」
再びレフアに切りかかる。
勇者飯田「やめて!やめてってばよっすぃー!よっすぃーはそんな人じゃないでしょ!」
勇者飯田は吉澤にしがみついた。吉澤はそれを振り払う。
吉澤「うるさい!お前に何がわかる!これ以上邪魔するとお前も」
勇者飯田「よっすぃー!!!」
パン!!飯田は大声で叫び吉澤の頬を叩いた。飯田のその目には涙が溢れていた。
吉澤「あう、、、ああ、、、、なみだ。」
吉澤はひるんだまま、飯田を見つめ、やっとその動きを止めた。
- 197 名前:よっすぃーと勇者飯田 投稿日:2000年11月11日(土)00時01分27秒
- 「あ、、、はぁ」
勇者飯田「よっすぃ?だ、、大丈夫??あ、、目が。」
吉澤の目つきが変わった。
よっすぃー「あ、、、。飯田さん?あ、私は、、、、その人は、、、。」
勇者飯田「良かった。正気に戻った?この娘には薬草をあげる。
あんまり役に立たないかも知れないけど。」
勇者飯田はレフアに薬草を与えた。レフアに少しの体力が戻り、傷も少し直った。
レフア「ウ、、、、ウウン?」
勇者飯田「気がついた?もう私達に手を出しちゃ、あ、まだ動いちゃ、」
レフア「ヒ、、ヒイィ??」
レフアは目の前のよっすぃーに気づくなり、叫び声をあげてその場から逃げ出した。
よっすぃー「あ、、、あたしは、、、。はっ!」
よっすぃーは返り血に汚れた自分の手に気づいた。
よっすぃー「やっぱり!また、、、。」
よっすぃーは森の方へ走り出した。
勇者飯田「あ、待ってよっすぃー!?」
・・・・・・・・・
- 198 名前:よっすぃーと勇者飯田 投稿日:2000年11月11日(土)00時03分07秒
- 勇者飯田「よっすぃ、どこいっちゃったんだろう?」
かれこれ20分以上、飯田はよっすぃーを探しつづけていた。
かおりの剣「かおり、あれ!!」
勇者飯田「あっ!」
1本の大きな木の下に、よっすぃーはうずくまっていた。
勇者飯田「よっすぃー?」
飯田は小声で語りかけた。
ほんの少し顔を上げたよっすぃー、その顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
目も腫れていた。飯田は、よっすぃーの横に腰をおろした。
よっすぃー「ごめんなさい。ごめんなさい。」
そういって、よっすぃーはまた涙を流した。
勇者飯田「よっすぃー、いったいどうしたの?何があったの?」
そう言われると、よっすぃーは再び顔をうなだれた。
よっすぃー「・・・・・」
勇者飯田「いいよ。落ち着くまではいくらでも待ってあげる。」
よっすぃー「・・・・」
勇者飯田「・・・・」
・・・・・・・・・・
どれくらいかの時が流れ、ゆっくりとよっすぃーが顔を上げた。
よっすぃー「ごめんなさい。何もありませんでした。全て私がやったことです。」
よっすぃーは赤い自分の手を見た。
よっすぃー「この血に汚れた手では、、、涙をふくこともできない。。」
勇者飯田「よっすぃー、、、。」
よっすぃー「・・・大丈夫です。」
勇者飯田「全部、話してくれるよね。」
よっすぃー「はい。」
- 199 名前:よっすぃーと勇者飯田 投稿日:2000年11月11日(土)00時07分47秒
- よっすぃー「敵が来たので、飯田さんを先に返したのです。
それは飯田さんを心配したからだけでは無く、
久しぶりに自分を実戦に置くためでした。」
勇者飯田「あの娘がやっぱり敵だったのね。」
よっすぃー「そうです。
それから、だんだん、だんだんと感が戻ってきて、
久しぶりの実戦が楽しくなってきました。」
勇者飯田「そういえば、りすから戻って初の実戦だったね。」
よっすぃー「でも、その後油断して、2発の銃弾を貰いました。」
勇者飯田「よっすぃーが貰うなんて」
よっすぃー「言ったとおり、それは完全に油断でした。
わかっていれば、軌道を読んで避けられます。
でもその時、自分の血を見てから、何故だかほんとに楽しくて楽しくて、、、」
勇者飯田「・・・・・」
よっすぃー「それからだんだんと記憶が。たぶんむかしの私が、そして彼女を、、。」
勇者飯田「そうだったんだ。」
飯田はしばし、言葉を失った。
よっすぃー「ふふ、怖いですよね。こんなの。危険人物ですよね。
もう、私はみんなについて行かない方が良いんですよ。ふふふ。」
勇者飯田「そ、、、そんなことないよ。」
よっすぃーは立ちあがり、飯田に向き直った。
よっすぃー「なくないですよ。たぶんもう一人の私は、あなたにも剣を向けた。
これからもいつ、私が誰か味方に剣を向けるかわかんない。」
勇者飯田「よっすぃー、、、。」
よっすぃー「私、、、私は怖いんです。嫌です。もう一人の私が。
生命を平気で壊せる自分が。壊すことが大好きな自分が。
仲間をも壊すかもしれない自分が。
でもけっして他人じゃなんかじゃない。自分の心の半分が。
だから、私なんて仲間にするんじゃ、、、」
勇者飯田「よっすぃ!」
飯田はちょっとはりのある声を出してよっすぃーの言葉を止めた。
- 200 名前:よっすぃーと勇者飯田 投稿日:2000年11月11日(土)00時10分20秒
- よっすぃー「な、、、なんですか?」
勇者飯田「私は、大好きだよ。」
よっすぃー「??」
勇者飯田「よっすぃーが。」
よっすぃー「飯田さん。」
飯田はゆっくりと続けた。
勇者飯田「クールなよっすぃー、強いよっすぃー、かっこいいよっすぃー、
ほんとはひょうきんなとこもあるよっすぃー。笑うとかわいいよっすぃー。
こんなふうに泣いてるよっすぃー」
よっすぃー「飯田さん!」
勇者飯田「全部好きだよ。よっすぃーが。ちょっとぐらい2面性があったって好きだよ。
いいところの方が全然多いよ。だから大好き。
いつまでも、よっすぃーはかおりの大切な仲間だよ。
だからそんなこと言わないで。」
よっすぃー「ああっ!飯田さん、飯田さん!」
よっすぃーは飯田が話し終わるかその前に、
飯田の胸にうずくまってまた泣いた。今度は声をあげて。
よっすぃー「うっ、ああぁ、ほんとは仲間でいたいよ。別れたくなんかないよ。でも、でも、、。」
飯田はその上からやさしく続けた。
勇者飯田「大丈夫だよ。かおり達はよっすぃーの影になんか負けないよ。絶対。
さっきもかおり、勝ったよ。いつものよっすぃーを取り戻したよ。
だからよっすぃーもそんなのに負けるな!」
よっすぃー「うぅ。負けたくない、強い心が欲しい。欲しいよ。」
勇者飯田「うん。頑張れ。でも自分を拒絶しちゃだめだよ。
受け入れて、飲みこんで更に大きくなれ!」
よっすぃー「うん。うん。頑張るよ」
勇者飯田「頑張れ!かおり達が、仲間がついてるんだから!頑張れ。頑張れ!」
- 201 名前:よっすぃーの秘密 投稿日:2000年11月11日(土)00時13分12秒
- またしばらくの時間がたった。
よっすぃーが泣きやんで、自分の過去の話をし始めた。
よっすぃーは格闘家の家に生まれ、生まれたときから剣を振り、修行をして育ったのであった。
それは彼女にとって、修行というよりも習慣だった。
剣を振ればその才能を母は誉め、父は次の技を教えた。
練習の成果が出ると、よっすぃーはゆでたまごとべーぐるを貰った。よっすぃーは幸せだった。
あるとき、国のバトルマスターを決める大会が開かれた。
父は既に引退しており、この家からはよっすぃーが出ることになった。当時まだ10歳であった。
よっすぃーは両親の期待どおり初戦から勝つことができた。
初の試合に最初は戸惑っていたよっすぃーであったが、
試合に勝つたび、両親は以前よりずっと誉めてくれた。
それだけではない、脅威の新人の登場に、国民中が沸き返った。
王までが彼女の試合を見、誉め称えた。
2回戦、3回戦、4回戦、次々と勝ちあがった。
よっすぃーはどんどん楽しくなった。今まで当たり前と思って得た技術の全てが、
このときよっすぃーを助けた。
また、人の攻撃をかわし、こちらの攻撃を撃ちこむこと、
そしてその感触までがよっすぃーにとって新しく、楽しくてしょうがなかった。
準々決勝、準決勝、よっすぃーはまだ勝ち上がった。
このとき既に国民や王はあることを考えていた。そう、強すぎるのである。
国の列強がこんな小さな少女一人にかなわない。
しかし、親の目にはそんなものは映らず、彼女を誉め続けた。
次勝てば優勝、次勝てば、、と期待をしていた。
決勝、よっすぃーはまた勝ちたかった。そして、良い勝ちかたをしたかった。
もっと誉められたかった。
が、本当はそれ以上に、最後まで攻撃する感触を味わいたくなっていた。
- 202 名前:よっすぃーの秘密 投稿日:2000年11月11日(土)00時17分30秒
- よっすぃーは勝った。優勝した。
相手は半殺しに近い状態だった。
両親とよっすぃーのみがその勝利を喜んでいた。
王は怖れていた。誰がこの少女に勝てるのか?と。
観客の多くも怖れるにいたっていた。この少女の未来を。
ところで、この大会は、バトルマスターを決めるという目的の他に、
最近この国に海を挟んで向こうの島から魔物が多く攻めて来るようになっており、
その討伐隊を組むことも目的の一つであった。
本来なら、優勝者は討伐隊の隊長としてそれに参加するはずであるが、
勝ったのは10歳の少女だったのだ。
一方、大会後の町では少女はすごしづらく感じるに至っていた。
どこへ行っても尊敬の念で見られるが、その表情には確実に畏怖の念があった。
国の出した結論はこうだった。なんと、
「一人で魔物討伐に向かう」
だったのである。両親はこの結論に愕然とし、抗議した。
国の言い分はこうだ。そのぐらいの実力はあるし、
かえって隊を組んでは足を引っ張る可能性がある。
送り迎えはする。いつでもこの笛を吹けば迎えの船をやる。
それでも危険過ぎると両親は言った。国は決定であると伝えるだけだった。
しかし、よっすぃーがそれを聞くと、迷うことなく頷いたのである。
よっすぃーには既に退屈な日常であった。
ここから逃げ出し、もっと、自分の力を試したくなっていた。
そして、何かを切りたかった。
一人で行くという事実が知れ渡ると、今度はよっすぃーは英雄扱いされた。
ここにきて、バトルマスター吉澤という称号を王から授かった。
- 203 名前:よっすぃーの秘密 投稿日:2000年11月11日(土)00時22分22秒
- わずか2日後、吉澤!吉澤!という声援を受け、よっすぃーは国の船で魔物の島にたった。
船はよっすぃーを島に下ろすと、いったん引き返すと言って去った。
よっすぃーは島をなんとなく歩いた。
そして夜、数々の殺気を感じた。魔物の群れが襲い掛かった。
よっすぃーは久しぶりのスリルを本当に楽しく感じた。
次々と襲い来る魔物を切り倒した。
人間の一対一とは比べられない強さを持ったもの、それも一対多なことがほとんど、
空中から襲い来るもの。いつしかよっすぃーは、笑いながらそれらを切っていた。
切れば切るほど自分も強くなっているのを実感した。
数日がたって、よっすぃーは肩を刺された。
この島において、よっすぃーはけっして無敵ではなかった。
死ぬかもしれない。とよっすぃーは考えた。恐怖も覚えた。
殺らなければ殺られる、身をもって実感した。
それから更に、よっすぃーは戦いつづけていた。
怪我によるハンデ、一度覚えた恐怖が余計によっすぃーを戦いのとりこにしていった。
ふと気づくと、もう島には魔物はいなくなっていた。狩り尽くしていたのだ。
さすがのよっすぃーもここでやっと達成感を感じた。
やったーーー!と島でただ一人、よっすぃーは叫んだ。
が、次に虚しさを感じた。目的と手段が逆転していたのを気づいていなかった。
それから数時間、自分が何をすれば良いのか思い出せなかった。
そうだ、笛を吹けば、、。と帰ることをやっと思い出し、その笛を吹いた。
やはり船は来なかった。何度吹いても、いつまで待っても。
帰れない。父と母に会えない。その事実を考え、
受け入れるのにどのくらいの時間を費やしたろう。
そして受け入れてから、その孤独のために、どのくらいの時間を泣いて過ごしただろう。
そして、よっすぃーはもはや自分は人間ではないと思い始めた。
自分も魔物だったんだと。むかしの自分自信を否定し始めた。
私は最強のバトルマスター吉澤。戦いが好きだ。何かを切るのが好き。それだけ。
寂しいという感情を、早く早く忘れてしまいたかった。
家族と過ごした記憶も。ゆでたまごとベーぐるの味も。
- 204 名前:よっすぃーの秘密 投稿日:2000年11月11日(土)00時25分05秒
- 数ヶ月、よっすぃーは吉澤としてその島で生きつづけた。
と言っても時間の感覚などまったく無かった。
自分がむかし何だったかなど覚えてはいなかった。まさに1匹のケモノであった。
魔物以外で生息する動物を切り、食料にした。
そんなある日、、、島で寝ていると、人間の声がしたのである。
木の陰から近づいてみると、3人の人間であった。
それが国の人間だろうが本当は魔物であろうが関係なかった。
切る。それしか頭に浮かばなかった。
一行の正面に出、いきなり真中にいる人間に切りかかった。
死ね!と大声で叫んだ。
剣を振りつづけた。が、何故かあたらなかった。
嬉しくなって余計に振りつづけた。何か横で他の二人が話しをしている。
そんな音が少し耳に入った。何を言っているかはわからなかった。
すると相手が剣を抜き一振りした。ガチッとなって、よっすぃーの剣は真下に落とされた。
すぐさま相手は間合いを詰め、剣を振りかざした。よっすぃーは驚いてしりもちをつき、
目の前の人間を見つめた。そして、死を覚悟した。ケモノとしての死。
死が怖いとかではなく、やっと死ぬのかな?という感覚だった。
その剣が降りれば。。。。
しかし、予想に反して、その剣は鞘におさまった。
チャンスをとっさに判断し、前の人間に素手で殴りかかろうとした。
- 205 名前:よっすぃーの秘密 投稿日:2000年11月11日(土)00時29分47秒
- ?「こ、、こら、暴れるなって!」
よっすぃーは同じく素手で制された。
?「ちょっとごま、このこおさえてて。」
よっすぃー「ああ、、」
ごま「えー?あたし?怖いー。」
?「いいから。怪力なんだから平気だよ。」
ごま「はーい。よいしょっと。」
ごまはしぶしぶよっすぃーの両手を後ろからつかんだ。
よっすぃー「は、、はなせ〜!殺してやる!」
よっすぃーがいくら暴れても、その腕はとかれなかった。
ごま「さやか様、ど、、、どうするの?」
勇者さやか「やっぱり、このこ人間だよ。」
?「剣も持ってるし、喋るしねえ。でもなんでこんなところにいるんだろう?
剣の腕も相当たつみたいだし。」
勇者さやか「なんでだろ?よしよし。」
勇者さやかはよっすぃーの頭をなでた。
よっすぃー「ああ、、あ?」
手があったかかった。
勇者さやか「あら?ちょっとおとなしくなった。ごま、もう離しても大丈夫だよ。」
ごま「だ、大丈夫かな」
よっすぃーは逃げなかった。逃げる気が起こらなかった。
勇者さやか「圭ちゃん、どうしようか?」
保田「うーん、このまま置いていくのもねえ。」
勇者さやか「やっぱり?なあ、あんた、一緒に来る?」
ごま「え〜〜〜。」
よっすぃー「??」
勇者さやか「言葉わかんないのかなー?ごまは文句言わない。」
ごま「ぶ〜。」
保田「名前はなんて言うの?」
よっすぃー「あ、う、バトルマスター吉澤、、。」
勇者さやか「なんだやっぱりちゃんと喋れるじゃん。」
保田「バトルマスター?なんだっけ、隣の国の大会の優勝者じゃないの?」
勇者さやか「よしざわか、じゃあよっすぃーだ」
よっすぃー「え?」
勇者さやか「よっすぃー!一緒に来い!すんごーい冒険が待ってるぞー!」
勇者さやかはよっすぃーの手を引いた。
よっすぃー、、、よっすぃー、その声が何度もよっすぃーの頭の中をめぐった。
自然と涙がこぼれた。後から後から流れた。
ああ、私の名前ってやっぱりよっすぃーだったんだ。そう思った。
勇者さやか「ありゃりゃりゃ、泣いちゃったよ。どうしたの。」
ごしごし。勇者さやかはまた、よっすぃーの頭をなでた。よっすぃーの涙は止まらなかった。
保田(バトルマスター、ちょっと気まぐれに立ち寄った島で、これは思わぬ拾い物かも知れないわね。)
- 206 名前:よっすぃーの秘密 投稿日:2000年11月11日(土)00時32分27秒
- よっすぃーはだんだんと思い出した。楽しかった記憶、ゆでたまごとベーぐる。
人間だったんだ。そう思い出した。
勇者の船に乗り、よっすぃーは体を拭かれ、新しい服を着せられた。
勇者さやか「ジャーーン!!」
保田「あら、なかなか美形じゃない?」
勇者さやか「でしょでしょー?しかも女の子よ??」
ごま「か、かっこいー。」
よっすぃー「そ、、そうですか??」
ごま「ちょっと笑った笑った。かわいー。」
そして、よっすぃーは失っていた感情も表情も思い出していった。
勇者さやかのやさしさとかっこよさ、ごまの笑顔のかわいらしさ、
大神官保田の厳しさ。いつしか全部を好きになった。
そして、3人はよっすぃーを信頼していた。頼ることもあった。
よっすぃーはそれに応えずにいられなかった。
応えるうち、それが相互のものであり、幸せであるとわかった。
もう、人間として生きる事に疑いは無かった。仲間がいるから。
それから、ケモノの自分を封印した。
よっすぃーは仲間のために、自分のために生きる事にした。
その後、某所での情報で、両親には国からよっすぃーは死んだと伝えられたと聞いた。
すぐにでも会いに行きたかったが、既に後戻りはできなかった。
よっすぃーが勇者のパーティーに加わる。2年前の大戦の、更に一年前のことであった。
- 207 名前:よっすぃーと勇者飯田(完結) 投稿日:2000年11月11日(土)00時37分52秒
- よっすぃー「今までもピンチに陥ると、何度か昔の私が出てきました。
その度、あの島から出た日のこと、人間として生きるという誓いを思い出します。」
勇者飯田「ふーん。そんなことがあったんだねー。人に歴史ありだね。
みんなが大好きなら、自分も大好きでありたいよね。
でも、全部が全部、自分のことを好きな人ってそうはいないと思う。
誰でも、何かの悪いところに気づきながらそれを抱えて生きてるから。」
よっすぃー「そうですね。私は、最強のバトルマスターよっすぃーです。
もう誰にも負けません。自分にも。
私が正しいと思うように生きられるようになります。
それが私の誇りでありたいです。」
勇者飯田「そっか。頑張って!よっすぃー。」
よっすぃー「はい。ありがとう。飯田さん。」
よっすぃーは胸を張って答えた。
勇者飯田「ん。」
飯田も笑顔で応えた。
よっすぃー「そうだ、私のことを聞いてもらった後で、一つ質問です。
飯田さんは何故、勇者になったんですか?」
勇者飯田「ん、それはねえ。。。。あれ???・・・なんでだっけか?」
よっすぃー「あ、ずっるーい。」
勇者飯田「あは、あははは。」
かおりの剣(ふうう。一件落着。やれやれだー)
勇者飯田(ほんとに覚えてないや。なんでだっけ?)
・・・・・・
長くなりました。m(_ _)m
話は大げさだし、笑って読んでられないノリになっちゃってごめんなさいね。
- 208 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)09時03分18秒
- よっすぃー「そうだ、早く牧場に向かいましょう!牧場にも敵がいます!」
勇者飯田「え、そうなの?それじゃあ急がないと!」
よっすぃーと勇者飯田は立ち上がった。
しかし、よっすぃーは突然うずくまってしまった!
よっすぃー「うっ…」
勇者飯田「よっすぃー、どうしたの!?」
よっすぃー「やっぱり…銃で撃たれると痛いですね…」
よっすぃーは左のわき腹を手で押さえていた。
勇者飯田「ちょっとよっすぃー、大丈夫?」
よっすぃー「さっき痛みに気付いたくらいですから、大丈夫ですよ。
それより、飯田さんは早く牧場に向かってください」
勇者飯田「そんな…。よっすぃーをおいて行けないよ」
よっすぃー「牧場にいる敵もさっきの彼女と同じくらいの力量があると思われます。
失礼なことを言うようですが、牧場に残っている人達では戦力的に危険です。
だから…早く行ってください。みんなのことが心配なら」
勇者飯田「うん、わかった…。よっすぃー、気をつけてね」
勇者飯田は牧場に向かい走り始めた。
よっすぃー「それは本来私が言う言葉なのに…。でも、そういうところがさやか様に似てるのかな」
よっすぃーは自分の怪我の応急処置を始めた。
>>207
「吉澤」の存在の展開、ありがとうございます。いいですね、こういうタイプの話も。
- 209 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)09時38分50秒
- 石川&シバタVSアヤカ
アヤカは右手に炎、左手に冷気をまとわせた!
アヤカ「喰らえっ、氷炎双波!」
石川「なんのっ、フェード・アウト!」
石川は姿を消した!
アヤカ「なっ…。一体どこへ?」
石川「郷で〜す!」
石川はアヤカの背後から大きな氷塊を何個もぶつけた!
アヤカに60のダメージ!
アヤカ「…魔力・起爆!」
その時、石川の足元が爆発を起こした!
石川に35のダメージ!
アヤカ「魔力でも勝負でも…あなたなんかに負けない!」
石川「私も負けるわけにはいかないんです!」
石川がでんでん太鼓を鳴らすと、吹雪の杖が共鳴し、魔力が増した!
石川「でんでで〜ん、でんでん…」
吹雪の杖から無数のつららが生まれ、アヤカに襲いかかる!
アヤカ「それは効かない!炎よっ!」
アヤカは最初と同じように氷を溶かした!
しかし、その後アヤカの前に石川の姿はなかった。
アヤカ「しまった…!」
石川「チャオ〜
」
石川は空中から冷気をまとって突っ込んできた!
アヤカ「それなら!雷・鳴・弾!」
アヤカは石川に向かって雷のかたまりを放った!
互いの衝撃がぶつかり、2人はふっとんだ!
2人それぞれ65のダメージ!
シバタ「すごいすごい!もう互角じゃない!」
アヤカ「くそっ…僧侶なんかに…」
彩「でも…最初の方の戦いの分があるからあの子が多少不利かな」
真矢「次の一撃で決めないと、恐らく…」
- 210 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)10時03分03秒
- 矢口達VSダニエォ
矢口「やったか…?」
しかし、ダニエォは立ち上がった!
ダニエォ「バッドジョオ〜ク!アイドントヴィリ〜ブ!」
ダニエォはものすごい剣幕で矢口に向かって突進してきた!
しかし矢口は乱舞を出した反動によってその場から動けない!
矢口「やばっ…」
その時、ナッチーが矢口の前に立ちはだかってダニエォの突進を止めた!
ナッチー「片腕が使えなくても…怪我人に力負けするつもりはないべ!」
そう言ってナッチーは全ての力を振り絞って上空にダニエォを放り投げた!
そして上空には中澤がいた!
中澤「矢口があれだけやったんや!足の痛みなんか構ってられるかい!」
ダニエォは中澤の攻撃を受け止める!しかしそれと同時にダニエォの手甲が砕けた!
中澤「かわすってことを知らんかったのがアダになったなぁ…」
中澤はダニエォを3度斬りつけた!
中澤「矢口、後はあんたに任せるわ…」
ダニエォと中澤はそのまま落ちてきた!
矢口「くそっ、おいらが動ければ…」
辻「やぐちさん、これをきくのれす!あまったれんじゃーなーいわーよー…」
Д<「頑張りや矢口さん!このうちが人を応援してるんやで!頑張りや!」
矢口「2人とも…」
徐々に矢口の体に力が戻ってきた!
矢口「今なら…あと一発撃てる!」
そして矢口は落ちてくるダニエォに照準を合わせた。
矢口「これで終わりだ!超龍拳!」
ダニエォに矢口の超龍拳がクリーンヒットした!
ダニエォ「ノォォ〜〜〜〜!!!」
ダニエォはさらに空中にふっとび、地面に落ちた!
矢口「はぁ、はぁ…。今度こそ…」
中澤「これでも立ち上がってきたら、負けやな…」
- 211 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)10時19分21秒
- それでもダニエォは立ち上がった!
矢口「うそだろ〜?」
中澤「全滅…か?」
しかし、ダニエォはその場から動かなかった。そして一言、矢口達に向かって言った。
ダニエォ「ナイスファイト…。YOU WIN」
そう言って、ダニエォはその場に倒れた。
中澤「これは…」
ナッチー「勝ったんだべか?」
Д「そうみたいやな…」
辻「れすね…」
一同「……やった〜〜〜!!」
矢口「ほら、やっぱあれだろ?おいらの乱舞のお陰で…」
ナッチー「何言ってるべ!ナッチーがいなかったら矢口は吹っ飛んでたべ!ナッチーのお陰っしょ?」
中澤「アホやなぁ、空中でうちが斬らなかったら受身とられてたんやで?」
矢口「でもその後の超龍拳で倒したじゃないか〜!」
辻「つじたちがおうえんしなかったらうごけなかったのになにをいってるれすか」
矢口「うっ…」
中澤「要するに、『みんなの力』やな」
Д<「そうやなぁ。一人でも欠けてたら負けとった」
辻「みんなのちから…。いいひびきれす」
ナッチー「納得だべ。それにしても矢口も弱くはないんだべな。少しは見直したべ」
矢口「弱くはないってなんだよ〜!今ならナッチーよりも強いっていう自信あるぞ!」
ナッチー「面白いべ、今度勝負だべ!体力が赤くなる前に仕留めてやるっしょ!」
矢口「体力が赤くなる前に倒してやるっ!」
辻「まあまあふたりとも、おちつくのれす」
中澤「とりあえず、これにて一件落着!やな」
ナッチー&矢口「勝手に話を終らせるな〜!」
- 212 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)10時35分45秒
- 石川&シバタVSアヤカ
アヤカ「これで決着をつけましょうか…」
アヤカは体に炎をまとわせた!
石川「あれは…ハレーションサマー!」
アヤカ「今度は逃がしませんよ、本気でぶつけます。フェードアウトという技も無意味です」
石川「逃げるつもりは…ありません!」
石川は冷気を集中させた!
アヤカ「終らせてみせる!全てを焼き尽くせ、ハレーションサマー!」
アヤカは巨大な炎の波を石川に向けて放った!
石川「負けない!チャオ〜
チャーミー石川で〜す
」
石川は巨大な冷気の波動を放った!
強力な冷気と炎がぶつかり合う!
シールドを張った彩と真矢。
彩「これで決まるわね…」
真矢「どっちが勝つか、わかるか?」
彩「ええ、もうわかった。2人の魔力の質には決定的な違いがあるからね」
アヤカ「私はエリートと言われてきた…。だから四天王のリーダーも任された…。
魔王軍最強と言われているボンバー四天王を越えるのを目標に努力してきた…。
あなたに負けるわけにはいかない!勝たないと今までやってきたことの意味が…!」
次の瞬間アヤカの炎は弾かれ、石川の放った巨大な冷気がアヤカに直撃した!
- 213 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)11時00分00秒
- アヤカ「何故…。何故私が負けるの…?」
彩「わからないの?魔王軍のエリートだったら魔力の質くらいわかると思ったのに…」
アヤカ「魔力の質…?」
彩「あんたの魔法は確かに強力。魔法戦士のそれとは思えないくらいにね。
恐らくあんたの魔力は覚醒したあの子よりも上よ。それでも負けたのはなんでだと思う?」
アヤカ「・・・」
彩「あの子の魔力には『暖かみ』があるの。冷気を放つ時も魔力に暖かみがある。
あの冷たさの奥深くに眠る暖かさがあなたの炎の熱を越えていた、それだけのことよ」
アヤカ「暖かみ…。考えたこともなかったですね。なんとなくわかりました」
アヤカはゆっくり立ち上がった。
アヤカ「私の負けです。殺しますか?」
彩「その決定権はあの子にあるけど、起きててもそんなことは言わないでしょうね」
彩は限界を超える魔力の使用をして気絶した石川に目をやりながら言った。
アヤカ「そうですか…」
アヤカはその場を立ち去ろうとした。
その時、彩が声をかけた。
彩「あんた、行くところあるの?魔王軍は任務に失敗したらリストラって聞いたけど…」
アヤカ「ええ、行く場所なんてありません。でもあなたには関係ないでしょう?」
彩「ここに…しばらく泊まっていかない?」
アヤカ「え…?」
彩「この子の特訓につきあってほしいっていうのが本音なんだけどね。どう?
それにあんたは根っからの悪人じゃないみたいだし」
アヤカは石川の方を少し見て、彩に言った。
アヤカ「面白いかもしれませんね…。この人がどこまで強くなるのか楽しみです。
わかりました。ここに住まわせてもらいます」
彩「よし、食べさせてあげる分しっかり特訓に付き合ってね」
石川「う〜ん、よっすぃーさん…
」
シバタ「りかちゃん、あのリスの夢なんか見て…。早く起きてよー!」
- 214 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)12時50分51秒
- 矢口達VSダニエォ、その後
?「みんな〜〜!」
矢口「ん、何か声が聞こえたぞ」
中澤「また敵かぁ?今度こそやられるで」
ナッチー「腕が上がらないべ…」
辻「みんなつかれすぎれす。あれはゆうしゃさんのこえれすよ」
勇者飯田は5人のもとへ近づいた。
勇者飯田「カオリが来たからもう大丈夫だよ。どんな敵がいても……あれ、敵は?」
ナッチー「もう倒したべ」
中澤「5人がかりやけどな」
勇者飯田「そうなの?よかった〜。正直敵と戦うの恐かったんだ」
Д<「本当にそれで勇者なんかい…」
勇者飯田「それじゃよっすぃーのお迎えしてこようかな。怪我してるし」
中澤「バトルマスターが怪我したんか?」
勇者飯田「うん、実はよっすぃーもみんなと同じように敵と戦ったの。
それで「牧場にも敵がいるから助けに行ってくれ」って言われたってわけ」
中澤「うちらが5人で倒した奴と同じようなのを一人で…。あの子ホンマに強いなぁ」
勇者飯田「とにかく今はよっすぃーを一人にさせたくないんだ。行ってくるね!」
そう言って勇者飯田はもと来た道を引き返した。
矢口「今は一人にさせたくないって…何かあったのかな」
ナッチー「とにかく勝負に勝ったんだから、今日はパーティーだべ」
Д<「また一人で8割食うんやろ?」
ヨシターケ「なんか騒がしいなー。目ぇ覚めちまったよ」
りんね「今日は何料理にしようかなー?それにしても皆遅いなぁ…」
あさみ「トイレじゃないですか?」
- 215 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月11日(土)13時04分11秒
- 保田VSミカ、その後
保田「ただいまー、ごまの調子はどう?」
銀杏仙人「おかえりなさい。勝ったみたいですね、よかったです」
保田「そこそこ辛かったけどね…。で、ごまは?」
銀杏仙人「もう完全集中に入りました。あとは60時間弱待つだけですね」
保田「この子もやるときはやるのよね…。さて、私はちょっと休むわよ」
銀杏仙人「治癒殺しなんて禁術をやったからですよ。私だったら恐くてできません」
保田「やっぱりわかるのね、仙人。でもあれをやらなかったら負けてたからしょうがないわ」
銀杏仙人「治癒殺しで背負う疲労は普通ではないですからね。まる1日は眠っちゃうんじゃないですか?」
保田「そんなにヤワじゃないわよ、私は。それじゃあおやすみなさい」
保田はその場で横になり、眠ってしまった。
銀杏仙人「やっぱり強がり…、床で寝るなんて」
銀杏仙人は保田に毛布をかけた。
銀杏仙人「ごまさん、頑張ってください。自分の仲間のために」
ごま、完全集中体制。
- 216 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月12日(日)23時48分57秒
- こちらこそどうも〜。フォローありがとう(内容においても)。
吉澤ファンから帰れコールが出たらどうしようかと思った。(笑
ところで、感想はここで良いんでしょうか?
スレが汚れると良い顔しない人もいると思うのですが、
貰えると嬉しいし、できれば書きたいので。
・・・・・・・
矢口「乱舞奥義ももう一歩だったなあ。これを煮詰めつつ、次の技を考えないと。」
Д<「もうこっそりやるんはやめてやー。うるさくて寝れんねん。」
つじ「となりのもりにはいってやるといいれす。」
矢口「そんなの怖くて出来ないよっ!」
Д<「モシャスッ!」
ドロロンッ!矢口に化けるあいぼん。
Д<「矢口は大人だー!」
つじ「あはは、あいちゃんそっくりれす。たしかにさっき、そうきいたのれす!」
矢口「うぅっ、、」
中澤「やめえや!大人だろうが夜中に森に入ったら遭難するで!」
Д<「う、、、そ、、そりゃそうやな。」
矢口「ゆうこっ!!」
ガシッ!中澤にしがみつく矢口。
中澤「おー、よしよし。」
喜ぶ中澤。
- 217 名前:216 投稿日:2000年11月17日(金)01時29分38秒
- ぎゃ、ほーち。責任とって切り出すか。(T_T)
では以後、感想等はここにもどこにもいっさい書かない方針で。
・・・・・・・・・
牧場
ココナッツ四天王を退けた勇者一行は、
石川と保田とごまの帰還を待ち、今だに牧場にいた。
お昼
矢口「は〜、いつになったらここから出られるんだろ?ねえ、かおり?」
勇者飯田「・・・・・・・・・」
矢口「かおり〜、あれ?、、かおり〜??」
勇者飯田「・・・・・ハッ、、、ごめん、何?」
矢口「またボーーーーっとして。最近特に多いんじゃない?」
よっすぃー「そうなんですよ。なんだか修行にも身が入らないみたいで。モグモグ」
相変わらずべーぐるとゆで卵ばかり食べているよっすぃー。
勇者飯田「・・・・・・・」
矢口「あ、まただ。。もー、いいかげんにしてよー。」
つじ「いいらさん、うつくしいれす。」
憧れの目で飯田を見る辻。
Д<「モシャスッ!」
勇者飯田に変身するあいぼん。
焦点のあわない見開いた目で瞬きしながらボーっとしている。
つじ「あはははぁ。そっくりれす〜。」パチパチパチ(拍手)
矢口「きゃはははは。あーっはははは。そっくり〜。あー、おかし〜。」
勇者飯田「何よ〜、かおりそんな顔してないよ〜。矢口笑い過ぎ〜。」
突然喋り出す勇者飯田。
- 218 名前:銀杏の庵 投稿日:2000年11月17日(金)01時33分23秒
- 保田「はっ!!」
ブン、ブン!
保田は外で刀を振っていた。接近戦を少しでも克服するためである。
保田(う〜ん、やっぱ一朝一夕には無理かなあ。。型は覚えたけど。
あ、そろそろごまが人間に戻る時間だ。60時間、、長かった。
あの子ちゃんと起きてるかしら?)
60時間前と同じ心配をし、庵に向かう保田。
ちょうどそのとき銀杏の庵の中から声がした。
銀杏仙人「保田さん来てください!儀式が終わりました!」
保田は中に入った。
保田「やー、長かったねえ。」
銀杏仙人「そ、、、、そうですねえ。」
庵の中で正座しながら苦笑いする仙人
保田「?、どうかしたの?」
銀杏仙人「あ、その、、儀式なんですが、、、。」
保田「終わったんでしょ?ごまは?」
銀杏仙人「そこです。で、儀式なんですが、」
仙人は布団の中を指差した。
保田「やっぱり疲れて寝ちゃったのね。
ま、時間もくっちゃったし、連れて帰ってから寝かせるわ。
この子のルーラで牧場までひとっ飛び。
こら、ごま、起きなさい!帰るわよ!」
保田は布団をめくった。ガバッ!
保田「!!」
銀杏仙人「失敗しました。ごめんなさい!」
そこには前と変わらぬあざらしが、、、。
- 219 名前:15分前 投稿日:2000年11月17日(金)01時36分10秒
- 15分前
魔方陣の中に、既に人間の姿に戻ったごまがいた。
ごまはしゃがんでいる。しかしほとんど目が開いていない。
銀杏仙人「もう少し、もう少しです。」
ごま「ねむいー、限界。ねむいー。お腹減った。ねむいー。」
銀杏仙人「まだ目を開けておいてくださいよ。ほんとにもう少しの辛抱ですから。」
ごま「こんなことしてまで人間に戻るの〜?」
銀杏仙人「今更何言ってるんですか?保田さんがあなたを信じて待ってますよ。」
ごま「圭ちゃーん。ねむい〜。」
銀杏仙人(限界ですねえ。もう意識がハッキリしてないです。励まし続けるしか無いですね。)
ごま「圭ちゃんどこいったのー?」
銀杏仙人「外で修行してますよ。あなたも頑張ってください。」
ごま「うーん、そっかー。、でも、もう頑張れない〜。眠い〜。」
銀杏仙人「あ、あと2分です。終わったら好きなだけ寝てください。」
ごま「あはっ!あと2分。あと1分50秒、あと1分40秒」
銀杏仙人「そんなに10秒は早く無いです。」
ごま「む〜、、。でももうすぐ、もう少ししたら、もう少ししたら、あはっ」
銀杏仙人(意識はあるね。)
銀杏仙人「10秒、9、8、」
ごま「6、5、4、あはっ、終わるよ〜。嬉しいよ〜。」
銀杏仙人「2、1、0!!」
ごま「ぐ〜」
銀杏仙人「終わった〜。。。え?」
1秒差でごまは眠りに着いていた。そして、姿はあざらしに、、、。
ごま「zzz、、、(やったー!さやか様!よっすぃー!圭ちゃん!!人間に戻ったよ〜!!)」
- 220 名前:銀杏の庵 投稿日:2000年11月17日(金)01時42分27秒
- 話を聞いた保田は、ワナワナと掛け布団を持つ手を震わせて叫んだ。
保田「馬鹿かあんたはーーーー!!」
ごま「!!??、あ、なんだ??
圭ちゃんか。ちょっとー、圭ちゃん大声出さないでよ〜」
保田「あ、起きた。って、、ええ??」
そこには人間の姿のごまが目をこすっていた。
ごま「今寝たとこだったのに、、ゆっくりさせてよ〜。」
と言うと、またあざらしの姿に戻った。
銀杏仙人「そのー、呪いが不完全に解けて、普段は人間なんです。でも、
極度に眠くなるとあざらしの姿に戻るようになっちゃったみたいなんです。」
保田は再び叫んだ。
保田「大馬鹿ーーーー!!」
呪いと呪い解きの儀式が混ざり合ってしまった。
どうやら、完全に元に戻れる日は遠いようだ。
- 221 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月18日(土)02時13分09秒
- アヤカ「どうしたんですか?こんなことじゃ今日の修行は終われませんよ!」
シバタ「梨華ちゃんがんばれー!」
石川「チャ−ミ−ス−ツ着ないで修行は無理ですよう、死んじゃいます・・・」
彩「仕方ないでしょ、チャーミースーツ以前にあなた自信を鍛えなきゃいけないんだから」
石川「ひ〜、よっすぃーさん助けに来てえ・・・」
チャーミースーツを着ないとやっぱりへたれな石川。
- 222 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月19日(日)04時50分47秒
- 魔王の城
魔王「一体どうなっておるのだ!ココナッツまで恥を晒しおって!!」
側近「申し訳ありません・・・」
魔王「こうなったらボンバーを・・・」
側近「しかし、今は手駒が足りません・・・万一やられでもすればこの城は裸同然・・・」
魔王「ならば、どうするのだ!!」
???「まあまあ、魔王様・・・落ち着いて、ひゃっひゃっひゃっひゃ」
魔王「ワーダ博士か・・・何の用だ?」
ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃっひゃ・・・手駒が足りないのではありませんか?」
魔王「貴様の洗脳術がすぐ解けるからだ!!」
ワーダ博士「おっと、これは失礼・・・しかし、今度の男は自らの意志で魔王軍に心を売り渡した・・・
しかも勇者パーティーの肉親・・・勝利は当然ですな。ひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・」
魔王「なるほど、悪魔に魂を売った人間の戦士か・・・それは面白そうだな。」
ワーダ博士「強力な魔法使いもセットで!ひゃっひゃっひゃっひゃ・・・」
- 223 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月19日(日)04時57分03秒
- 銀杏の庵をあとにする保田とごま
保田「本当にお世話になりました」
ごま「ありがとうございました」
銀杏仙人「すいません、失敗してしまって・・・」
ごま「まあ、ふだん人間なら大丈夫ですよ。」
銀杏仙人「それが、気をつけて欲しいことがあって・・・眠りに極度に弱くなってるんです。
もしラリホーを唱えられたら、ちょっとやそっとのことでは目が醒めません・・・」
ごま「・・・」
保田「分かりました・・・ありがとうございました・・・」
- 224 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月19日(日)23時31分18秒
- 変わって、よっすぃーと勇者飯田の修行場。
勇者飯田「それっ、とりゃっ!」
よっすぃー「そう、そこで左を狙う!下段が空かないように!」
いつものように修行を続けていた。
勇者飯田「よっすぃー次は何するの?…って、よっすぃー?」
よっすぃー「…あ!すいません!次はですね…」
勇者飯田「……(よっすぃー、やっぱりまだ少し気にしてるなぁ…)。」
よっすぃー「次は…。あ、何か来ましたね」
勇者飯田「え、何かって?また敵が来たの?」
よっすぃー「いえ、この気配は…」
と、よっすぃーが言うのとほぼ同時に、何か巨大なものが空から降ってきた!
勇者飯田「なにこれ!隕石!?」
よっすぃー「やっと戻ってきたんですね…」
?「圭ちゃん、もう少し加減してルーラやってよ〜」
?「私のルーラはスピード重視なんだから、我慢しなさい」
- 225 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月20日(月)00時04分51秒
- 勇者飯田「圭ちゃん!それと、そっちは…」
保田「こっちはごまの人間バージョンよ」
よっすぃー「戻ったんですね。よかった…」
ごま「う〜ん、それがね〜…」
保田「完全に戻ったワケじゃないの。ちょっと失敗しちゃってね…」
勇者飯田「可愛いね〜。それに筋肉も目立ってないし…。いいなぁ〜」
ごま「うれし〜。ありがと〜
」
保田「……。とにかく、それで一応メンバーは揃ったってことか…」
よっすぃー「そうですね。しかもここにいるのって対戦時のメンバーとほとんど同じじゃないですか?」
ごま「そういえばそうだね。懐かしいな〜…」
保田「つまりその気になれば魔王を倒せるメンバーってことね」
よっすぃー「確かに、魔王なら倒せますね。多分…」
ごま「昔話はおいといてさ、牧場に行こうよー。みんないるんでしょ?」
保田「そうね、牧場に行きましょうか」
ごま「よーし、牧場行ったらいっぱい食べるぞ〜!」
よっすぃー「そればっかりなんだから…。変わってないね、安心したよ」
ごまとよっすぃーは一足先に牧場に向かった。
勇者飯田「あ、圭ちゃん。ちょっと話が…」
保田「ん、何?簡単なことに限り聞いてあげるわよ」
勇者飯田「その、『吉澤』が…」
保田「!! まさか、覚醒したの?」
- 226 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月20日(月)00時35分44秒
- 保田「よく殺されなかったわね」
勇者飯田「うん、説得したら何とか収まってくれた。でもあの時の目、本当に恐かったよ…」
保田「で、その覚醒したときってココナッツ四天王が来たとき?」
勇者飯田「う〜ん、よくわからないけど…。敵は異国の人だったかな」
保田「やっぱり…。それで相手は殺された?」
勇者飯田「ううん。吉澤がとどめをさす直前に私が止めたから…」
保田「そう…。だからよっすぃーの気配が暗めだったわけね」
勇者飯田「うん、まだ気にしてるみたい…。どうすればいいのかな」
保田「私も困ってたわ、昔は。覚醒しちゃった後はよっすぃーホントに暗くなっちゃうもの。
しかも呪いが解けてからの初戦で…。どうしよう」
勇者飯田「………」
保田「まあ、ここは私に任せて。あんたまで暗くなったら困るじゃない」
勇者飯田「本当?よっすぃー、またあんな笑顔見せてくれるかな?」
保田「そうなることを私も祈ってるわ。じゃあ私達も牧場に行きましょうか」
そして勇者飯田と保田も牧場に向かった。
- 227 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月20日(月)01時06分10秒
- そして場所は牧場。
矢口「へ〜、確かに可愛いなぁ」
中澤「それに筋肉もあるなぁ。魔力も肌からにじんでくるのがわかるわ…」
ごま「みんな、そんなに誉めないでよ〜」
ナッチー「でもアザラシの方がよかったべ。人は食えないべさ」
Д<「シャレになっとらんで」
パーティーが話していると、勇者飯田と保田が牧場に戻ってきた。
勇者飯田「ただいま〜!」
矢口「おう、おかえりー」
ごま「もう、何やってたの〜?」
保田「……ねぇ、よっすぃー。ちょっと私に付き合ってくれない?」
よっすぃー「え?どういうことですか?」
保田「ちょっと近くの街まで…。にぎわってていい街だと思うわよ」
よっすぃー「いいですけど…。何で私だけなんですか?」
保田「いや、ただ久々にゆっくりよっすぃーと1対1で話したいなー、と思っただけよ」
よっすぃー「わかりました。それじゃあ行きますか?」
保田「うん、行こう」
中澤「なんや、二人だけで街に行くんかい。うらやましいわー…」
Д<「大戦時の勇者一行はサボり癖があるんやなぁ」
勇者飯田「いいじゃない!二人で話したいって言ってるんだしさ」
ナッチー「まあ飯を食われるわけじゃないから構わないべさ」
中澤「ま、そこまで言うんならよほどの理由があるんやろうな。二人でゆっくりしてきいや」
保田「うん、ありがと。それじゃよっすぃー、行きましょう」
勇者飯田「……(圭ちゃん、よろしくね)」
保田「……(任せておきなさい)」
保田とよっすぃーは、牧場近くの街へ向かった。
辻「これでごまさんもきりきりはたらけるれすね」
Д<「そーやな。強大な魔力を仕事に利用すれば効率アップするで〜」
ごま「私の魔法をそんなのに使うの〜?」
勇者飯田「……(圭ちゃん、頼んだよ…)」
- 228 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月23日(木)18時44分27秒
- 保田とよっすぃーが街へ向かってすぐ、牧場を臨む丘の上
???「あれが勇者一行か、たいしたことなさそうだな」
???「肝心の勇者がまだ剣の修行中だもんね」
???「そんなことに興味はない。俺の関心は最強の剣、ただそれだけだ」
???「行きましょう、ユウキ」
ユウキ「行くか、ソニン」
ソニン「(あの大魔導士ごまの弟が、まさか魔王軍とは思うまい・・・)」
- 229 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月23日(木)19時04分11秒
- ソニン「どうする?奇襲をかける?」
ユウキ「奇襲は勝ち目のない相手がするものだ。俺たちに負ける要素があるか?」
ソニン「それもそうね。」
ユウキは牧場の門を一刀両断!
門は大きな音を立てて崩れ落ちた。
矢口「な、な、なんだ〜?」
辻「てきれすか?」
慌てて外へ飛び出す一行
ユウキ「あんたが勇者か。あんたを頃して、その世界最強の剣、いただくぞ!」
ソニン「まあ邪魔はしないと思うけど、念のため他の皆さんには手出しできないようにさせてもらうわ」
ソニン「アストロン!!!!」
辻は鉄の塊になった!あいぼんは鉄の塊になった!矢口は鉄の塊になった!
ナッチーは鉄の塊になった!中澤は鉄の塊になった!
ナッチー「おかしいべ・・・体が動かねえべ・・・」
中澤「くっそー、身動き取れへんやん」
ソニン「安心して。動けない代わりに一切の攻撃も魔法も効かないから。
・・・あらあら、さすが大魔導士ね。上手くかわすなんて」
ごま「私にはそんな魔法、効かないわよ!それにそっちは二人がかりでしょ!」
ソニン「それもそうね。まあ、鉄の塊になってたほうが幸せだったかもね・・・」
ユウキ「ソニン、ごちゃごちゃうるさいぜ。もう頃していいのか?」
勇者飯田「カオリ、氏なないもん!」
- 230 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月24日(金)04時18分23秒
- 石川&シバタ&アヤカ「ただいま〜。」
彩「お帰り。」
この日の修行を終り、家に戻った石川達。
彩「どう、今日は成果上がった?」
シバタ「はぁ、今日もダメダメ〜。」
石川「ダメです〜、まだ全然勝てませんー。もう泣きそうですぅ。」
アヤカ「でも、毎日着実に進歩してますよ。成長早いと思いますよ。」
彩「そっか。まあ成果は焦らず、ゆっくり出していきなさい。
はい、夕食の準備できてるよ。どうぞ。」
石川「気持ち悪くて食べられないです〜。」
彩(ムカッ#)
シバタ「あ、彩さん、激しく修行した後ですから。
彩さんの料理は美味しくて私は大好きですよ。(ナイスフォロー)」
彩「あ、うん、いいよ。後ででも。・・・・・・・・・」
しばらく妖精のシバタを見つめる彩。
アヤカ「私は頂きます〜。」
シバタ「私も冷める前に食べちゃいます。頂きます〜」
彩「どうぞ。めしあがれ〜。」
石川「う〜ん、、」
疲労でうなる石川。
- 231 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月24日(金)04時21分12秒
- 彩「ところでさー」
アヤカとシバタは振り向いた。石川はグロッキー。
彩「前から気になってたんだけど、あなたは何者なの?」
シバタ「あ、あたしですか?」
アヤカ「私も聞きたいです。聞いていた勇者パーティーに、あなたはいなかったですから。」
シバタ「そういえば自己紹介してなかったですね。ごめんなさい。
私は、ムロランシティのそばのメロン谷の妖精、シバタです。」
彩「あぁ、あそこの。」
石川「妖精のシバちゃんです〜。石川のお友達です〜。とっても仲がいいんですよ〜。」
食卓に突っ伏しながら石川が続けた。
彩「あんたは休んでなって。しゃべんなくていいから。」
彩は苦笑いをした。
この時、会話は終わってしまったが、彩は気になっていた。
彩(あの戦いの時、いきなり途中で現れて、、、、なんにもしてなかった。
でも、この子(<石川)は勝った。チャーミースーツのおかげが大きいんだけど、
なんだか、シバタには何か、、、)
シバタ「ごちそうさま〜」
アヤカ「あたしも、ごちそうさま〜。」
彩「あ、お粗末さま。」
二人のお皿を片付ける彩。そして考えつづけた。
彩(何かある気がする。全身に少しだけまとう冷気?のような独特のオーラ。
普通の妖精には無かったと思う。
私は、ゆっくり成果を出せなんて言ってるけど、
実は石川の成長は驚くほど早い、ううん、早すぎると思ってる。
今日こっそり見たら、もうスーツ無しでもアヤカと互角に近かった。
アヤカだってまだ成長期、本人の気づかぬうちにかなり成長しているはずなのに。
あの妖精の存在が、もしかして石川の成長を早めている原因なのかしら?
修行中も応援してるだけなのに。
妖精のシバタ、、、、シバちゃん。名前なんかどうでもいいか?
いや、それも気になる。そう、どこかで聞いたような、、、。)
- 232 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月24日(金)04時24分30秒
- 次の日、彩は二人と一匹を修行に送り出すと、
彩「さ。頑張って探すぞ!」
彩は家に残る古い文献を探り始めた。
しかし、午前いっぱい、何も出てこなかった。
彩「あー、じれったい。でも気になるのよねえ。
妖精であたれるとこは大体あたったつもりなんだけどーーー、いらつく!むかつく!」
あとは、その他の文献をしらみつぶしにあたって行くだけの状況。
さすがに、彩はあきらめようと思った。
いよいよ昼食の準備をしようと思ったその時、
彩「あれ?この本なんだっけ?『伝説』?
あんまり妖精と関係ない?でもま、最後だし見るか。あら?!」
目次には、伝説の精霊、聖霊の項目があった。
彩(ま、まさか、、ねえ、、そんなえらそうなのに、、、)
彩は半分期待してそのページを開いた。
彩「やっぱ無いよね。」
最後の方にすすむ。伝説の聖霊の中でも最高峰のもの。。。無いに決まっている。
彩「ふーむ、あ、、、ああぁ!!えぇっ?」
あった。彩は思わず目を疑った。
・・・・・・・・・・
昼食の準備をすませ、3人を呼び、いつもどおり食べさせる。
また修行に戻ろうとする3人のうち、彩はシバタのみを呼びとめた。
シバタ「なんですか?あ、二人は先行ってて〜。」
彩「ちょっとそこに座って。」
シバタ「もう座ってます。」
彩「昨日、あんたに重要なこと聞き忘れてたわ。」
シバタ「な、、、なんです?」
緊張するシバタ。
- 233 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月24日(金)04時28分16秒
- 彩「なんで、あんたはあの戦いの場に突然現れたの?
最初、あの子、、石川が来た時、あんたはいなかったね。
その後、戦いが始まって、石川がおされてたとき突然現れた。」
シバタ「あ、実は私も不思議なんですよ。
会ったのはもっと前なんですけど、その時はほとんど何も無くて別れたんです。
で、今回は偶然この辺を通りかかったんですけど、
何故か、「助けて」っていう梨華ちゃんの声が聞こえた気がしたんです。
最初は別に恩も無いし、声は聞こえたけどどこにいるのかわかんなかったしで、
別にいいかって思ったんですけど、、、」
彩「うん。」
シバタ「そういえば、最初に会ったとき、梨華ちゃんに友達になろうって言われて、
なるって答えたなあ。って思い出して、しょうがないからちょっと見に行くかって。
でも、適当に飛んだってどうせ見つかるわけ無いと思ったのに、
なんか引き寄せられるようにすぐ見つかりました。
で、助けにきたよーって出たんだけど、何にもできそうにないんで応援してました。」
ちょっと笑うシバタ。
彩「んー、それで?」
シバタ「それだけですよー。あ、でも今ではその偶然にもすこし感謝してます。
だって、梨華ちゃんといると楽しいし、落ち着くし、とにかく居心地いいんです。
すっかりほんとに友達になっちゃいました。」
照れくさそうに言う。
彩「だから、今でもこうやって修行にくっついてるのね。」
シバタ「そうです。梨華ちゃんも喜んでくれてるし。」
彩「なんだか納得。じゃ、話はこれだけ。修行の応援に行っていいよ。」
シバタ「はい。行きますね。」
彩「あ、もう一言いい?」
シバタ「はい?」
彩「あの子のことお願いね。これからもついててやって。」
シバタ「ん?なんだかよくわかんないけどわかりました。
なんて、嫌がられなければそのつもりだったりします。じゃ、行ってきまーす。」
彩「行ってらっしゃい。」
シバタは外に飛び立った。
- 234 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月24日(金)04時31分26秒
- 彩(ほんとに納得できちゃった。
でも、偶然、、、か。わかってないんじゃない?
私には神のつくった運命って気さえするなあ。
それこそ偶然どころか自然に、あの子達は引かれあったんだから。
最初は感だったけど、今は確信だ。
詳細ったってこの絵、古いしボロボロだしよくわかんないけど、
どことなくあの子に似てる。名前もね。ここまで偶然が重なればね。)
彩が手元に開いた、伝説という名の本にはこう記されていた。
シヴァ
世界最強の聖霊の一人、氷の聖霊、もしくは冷気をつかさどる神。女性。
その力は世界に広がる七つの海を瞬く間に氷に変えると言われる。
伝説のみの存在と言われるが、近日、その姿を詳細に書き記した古代の絵が発見された。
彩(たぶん、あの子はシヴァの血を引いてる。石川の持つ、同じ冷気に引かれたんだ。)
彩は本を閉じた。
彩(そして、その力を呼び覚まして、召還してやれるのは、きっと、
すばらしい信頼関係を築いた、つまり契約した、石川の魔力だけなんだ。
でも、本人達はまーーったく自覚ないけど。)
彩は一人でにやついた。
彩(ま、自分たちで覚醒できるまで、わかってないままほっといてあげよ。
どうせ、シヴァの力を借りるには石川の魔力はまだまだ足りないし、
今はその力にあまえる気が起こってはだめだし。
シバタの存在が石川の成長を早めてる、まだそれで十分。)
彩は早くも夕食の準備に取りかかった。とっておきのご馳走にするつもりだった。
彩(それにしても、お互いに影響しあえる良いパートナーを見つけたなあ。羨ましいぐらい。
私にとってはダンナが一番だけどねえ。なんちゃって。)
- 235 名前:彩の祠 投稿日:2000年11月24日(金)04時37分09秒
- ちなみに真矢氏は防具を売りに出張中。
・・・・・・・・・
ちょっとシバタに存在意義を持たせようと思ったらこのありさま。
これではやっぱり長すぎて素浪人には書けないなあ。(笑
と書かないと言いつつ書いてしまう持続力1週間の俺。すんまそん。
もう一つ報告を。今更なんですが、
33あたりを読んで、吉澤の話に出てくる大戦を2年前としてしまいました。
しかし、147あたりでは3年前となっています。
俺の書いたものの方は特に問題なく修正可能なので、他の方の判断におまかせします。
では、俺はここでネタ切れなんで
よっすぃー×保田と牧場での戦い、頑張ってください。期待しています〜。
(っていうかすでに面白い。)終わる頃にはまた何か考えます。
- 236 名前:牧場 投稿日:2000年11月24日(金)06時47分48秒
- ソニン「じゃあ、さっさと終わらせましょうか、メラゾーマ!!」
勇者飯田「カオリにそんなの効かないモン、えい!!」
勇者飯田はよっすぃー直伝の居合いで火球を切り裂いた!!
その火球の後ろからユウキが!!!
ユウキ「あっけねえ、これで終わりだ」
しかし余裕の勇者飯田。難無くユウキを一撃をさばく。
そして間合いをとったところにゴマの強烈な魔法!
ごま「イオナズーン!!あはっ!!」
ソニンに96のダメージ!ユウキに93のダメージ!
ソニン「キャア!!」
ユウキ「ウワッ・・・こいつら強いじゃねえか」
勇者飯田「ナイスフォローだよ、ごまちゃん」
ごま「えへへ・・・」
- 237 名前:牧場 投稿日:2000年11月24日(金)07時00分41秒
- 戦いが始まって約3分。
ユウキ&ソニンも善戦はしているものの
レベルアップした勇者飯田&ごまが圧倒的な戦力で戦闘を進めていた。
ユウキ「ハァハァ・・・畜生!!!」
勇者飯田「カオリ思うんだけどさあ、諦めて降参した方がいいんじゃない?」
ユウキ「ふざけるな!!」
ごま「うーん、じゃあ仕方ないなあ。
しばらくおとなしくしててもらいましょう!!
マヒャ・・・」
ソニン「ひいっ・・・!!」
ユウキ「・・・・・やるつもりかよ・・・・『姉ちゃん』・・・」
ごま「・・・・・!?」
ユウキ「ソニン、今だ!!!」
ごま「姉ちゃんって、あんた、まさか・・・」
ソニン「ラリホーマ!!!」
ごま「・・・・え?・・・・まさか・・・生き別れた・・・ユウ・・・キ・・・すーすー・・・」
ごまは眠ってしまった!!ごまはアザラシのゴマになってしまった!!!
勇者飯田「え〜!?ラリホー効いちゃうのぉ!?それに『姉ちゃん』って何〜?
カオリごまちゃんの弟さんには手が出せないよ・・・」
ユウキ「それはそれは気ィ使ってもらってすいませんねえ・・・勇者さん!」
ユウキの不意打ち!!勇者飯田に58のダメージ!!
ソニン「大魔導士さえいなければ思う存分魔法が使えるわ・・・ベギラマっ!!」
勇者飯田に61のダメージ!!
勇者飯田絶体絶命のピンチ!!
- 238 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月26日(日)05時47分34秒
- 丘の上で戦況を見守るワーダ博士
ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・・
どうやら勝負あったようだな。これで俺様は社長・・・じゃなかった、
将軍の地位を手に入れてやるぞ!!ひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・」
・・・・・・・
サンドバッグ状態の勇者飯田・・・立っていられるのが不思議な状態
ユウキ「ちくしょう、どんなに斬りつけても倒れねえ!」
ソニン「炎も冷気も爆発もまともにくらっているのに・・・」
勇者飯田「ハア・・・ハア・・・ごまが起きるまでカオリが倒れちゃダメなんだから・・・」
ユウキ「こうなったら、一気に片をつけるぞ、ソニン!」
ソニン「アレ、ね。わかったわ!」
- 239 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月26日(日)05時54分32秒
- ユウキは剣を鞘に収め、構えを取った。
ソニンも手を合わせ、魔力を集中し始めている。
勇者飯田「・・・すごい魔力・・・あれに打撃が加わったら、倒れちゃうかも・・・」
???「カオ!!!カオ!!!」
勇者飯田「・・・空耳かなあ、みんな鉄になってるし、ごまは寝てるし、
圭ちゃんとよっすぃーは街に出てるし、梨華ちゃんはまだ帰ってきてないし・・・」
???「あたし!カオリの剣だよ!」
勇者飯田「カオリの剣・・・。でも、今のカオリじゃあの攻撃を防げないよ・・・」
カオリの剣「あの攻撃は強力な分、隙が大きいの!だから、攻撃が来る直前に
カウンターを仕掛ければ、何とかなるよ!!」
勇者飯田「・・・・・・やってみる」
- 240 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月26日(日)06時15分37秒
- ユウキが抜刀した剣めがけてソニンが魔法を放ち、
魔法の力を借りて相手を斬るユウキ&ソニンの必殺技!
ユウキ&ソニン「イーイージャンプストラッシュ!!」
カオリの剣「今よ!あの子が剣を抜くその瞬間に隙ができるの!」
勇者飯田「オッケー!」
勇者飯田のカウンター攻撃!
「アイーーーーーーン!!!」
ユウキに150のダメージ!ソニンに187のダメージ!
ソニンをやっつけた!
ユウキ「うぐっ、攻撃はやめるもんか!」
ユウキの攻撃!勇者飯田に56のダメージ!
ユウキと勇者飯田はともに力尽きてしまった!
勇者飯田「ひ、引き分けなの・・・?」
ユウキ「ち、ちくしょう・・・」
- 241 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月29日(水)14時21分10秒
- ソニンが意識を失った事で、アストロンをかけられていたメンバーが元に戻った。
ナッチー「ふう、一時はどうなる事かと思ったっしょ。」
辻「ききいっぱつだったのれす」
矢口「でも、こいつ、ごまちゃんの弟なんでしょ?何で魔王側についてんの?」
その時、やっとゴマが目を覚まし、ごまの姿に戻った。
ごま「う〜ん、まだねむい・・・」
Д<「お、気がついたみたいやな」
中澤「向こうさんも気がついたみたいやで」
ユウキ「・・・・・・」
辻「てきのおんなのひとはまだしろめをむいているのれす」
勇者飯田もまだ意識を取り戻していない。
- 242 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年11月29日(水)14時35分40秒
- Д<「で、自分は何で魔王の手下になってんねん?」
ユウキ「・・・・・」
ごま「黙ってちゃわかんないよ。3年前にいきなり姿を消して以来音信不通だったじゃん」
ユウキ「ごめんよ、姉ちゃん、俺・・・」
その時、丘の上。
ワーダ博士「うぬぬぬぬ・・・しくじりおって。
どうやら洗脳も解けてしまったらしい。このまま勇者側につかれては面倒な事になる。
仕方ない、まだ開発途中じゃがあれを使うか・・・」
ワ−ダ博士は銃のようなものを取り出し、照準をユウキに向けた。
ワ−ダ博士「わしの切り札じゃ!ひゃひゃひゃ!」
ダーン!!!
銃声。
銃弾はまだ横たわっていたユウキの腹部に命中した!!
ごま「ユウキ!!!」
中澤「ちっ!丘の上か!油断してたわ!!」
一斉に丘の上を見るパーティ。そこにはワーダ博士が立っていた。
ワ−ダ博士「ひゃひゃひゃ、そんな怖い顔で睨まんでくれよ。
ワシは魔王軍参謀のワ−ダ博士じゃ。せっかく姉弟の感動の対面をプレゼントしてやったんじゃ。
もっと喜んだらどうじゃ?それに・・・オマケ付きじゃ
」
Д<「何言ってんねん!!今けちょんけちょんにしてやるわ!!」
ワ−ダ博士「おお怖い怖い。じゃが、わしより先に、そっちを気にしたほうが良いンじゃないかい?」
その時ユウキの身体に異変が!!!
- 243 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)21時04分50秒
- ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・いでよ、破壊の化身!」
博士の声に反応するように、ユウキはすっくと立ち上がった。
ごま「ユウキ・・・?」
しかしユウキは応えない。
ワーダ博士「そりゃっ!!」
ユウキ「ウ・・・ウガーッッッ!!!」
ユウキは突然モンスターに姿を変えた!
ごま「う・・・嘘・・・・」
中澤「やばいっ、こいつはマジでやばいで!!!」
ワーダ博士「ほうほう・・・実験は大成功だわい。ひゃっひゃっひゃっひゃっ!!
人間から強大な力を持つ魔物を作り出す、このわしの研究の集大成じゃ!!」
ごま「ユウキ!!!あたし、あたしよ!!!お姉ちゃんよ!!!」
中澤「だめや!あれはもうあんたの弟やない!!」
Д<「このままやとみんなやられてまうで!!」
- 244 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)21時20分34秒
- ユウキの強大な攻撃の前に、パーティーは防戦一方。
中澤とナッチーが攻撃を試みるものの、ほとんどダメージを与えることが出来ない。
中澤「こんなん・・・聞いてないで」
ナッチー「・・・くじけてしまいそうだべ・・・」
辻「つじのうたもきかないのれす・・・」
Д<「ウチの言霊攻撃もあかん・・・なんせ聞く耳持ってないからな・・・」
矢口「相手がでかすぎて、オイラの攻撃もダメだ・・・」
ごまはというと・・・ショックで我を忘れている様子・・・
辻「ごましゃんがたたかってくれればいいのれすけど・・・」
Д<「さすがに・・・なあ・・・」
- 245 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)21時37分48秒
- ごまの心の中
ごま『嘘・・・嘘・・・せっかく生き別れの弟に会えたと思ったのに・・・どうして?』
そのとき、ごまの心に直接ささやきかける声が聞こえた。
???「ごま・・・あの子を元にもどしてやれるのはあんただけなんだから。」
ごま『だ、誰?あたしの中に直接話し掛けられるのは・・・まさか・・・』
???「相当暴走しているみたいだね。急がないとあの子の生命を全部燃やし尽くしちゃうよ!」
ごま『・・・』
ごまは、すっくと立ち上がりユウキ(怪物)に向き直った。
中澤「あんた、何する気や!?」
ごま「大丈夫、みんな元に戻るから・・・」
ごまはユウキに向かって魔法力の全てを放出した!!
辺り一面は強烈な光に包まれる!!!
- 246 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)21時48分12秒
- 数分後・・・
Д<「・・・・・・・げふぉっ!!げふぉっ!!一体、何がどうなっとんねん・・・」
辻「み、みんなぶじれすか?」
ナッチー「矢口の姿が見えねえべ・・・」
中澤「ここやここや」
矢口「おいっ!!ゆうこっ!!どさくさにまぎれて『たかいたかい』してんじゃねえ!!!」
辻「ゆうしゃさまも、ここにいるのれす・・・」
Д<「・・・・あれ!あれ見てみい!!!」
あいぼんが指した先には人間の姿に戻ったユウキが倒れていた。
ソニン「うん・・・あれ?・・・ユウキ?」
ソニンはホイミを唱えた。ユウキの体力が回復した。
ユウキ「・・・いててて・・・俺、どうしてたんだろう・・・」
Д<「あんた、変な化け物に姿を変えられてたんや。」
ユウキ「化け物だと?そういえば、博士に撃たれてからなんかおかしくなって・・・」
Д<「それはそうと・・・」
ユウキ「何だ?何かおかしいのか?」
Д<「あの・・・丸見えやで。」
ユウキが怪物化したとき、よろいや服はすべて砕け散っていたのだ(北斗の拳状態)。
ユウキ「やべっ!!!」
辻「はずかしいのれす・・・」
中澤「若いカラダというのもなかなかええモノやなあ・・・」
矢口「おいゆうこっ!!ジロジロ見るなっ!!真っ赤になってるぞっ!!」
- 247 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)22時17分15秒
- ユウキ「それはそうと・・・姉ちゃんは・・・」
中澤「そういえば、ごまが見当たらんな・・・」
Д<「あれだけ強烈なエネルギーや、どこかに吹っ飛ばされてもうて・・・」
ユウキ「・・・」
???「ひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・それまでだ!!」
中澤「あいつや!!」
ソニン「博士・・・」
ワーダ博士「どういうわけか小僧を元に戻したようだな。
しかーし!!相当体力を消耗しているはず!!勇者も大魔導士もおらん!!」
辻「つかれてても、おじいさんにはまけないのれす!!」
矢口「オイラたちはあんまり疲れてないぞ!!キャハッ!!」
ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃっひゃっ、おめでたい奴らめ。
ユウキに使った変身銃は完全ではない。より完成度を高めるために実験台が必要だったのじゃ。」
ユウキ「くっ・・・」
ワーダ博士「さらにじゃ!!完成したこいつを、機械で強化して永久に体力の尽きないわしが使ったら、
永久に破壊しつづける最強の戦士が生まれるのじゃ!!いくぞ!!」
ワーダ博士は自分に変身銃を撃ちこんだ!!
- 248 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)22時23分09秒
- ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・これが最強の戦士・・・
あれ?ありゃりゃりゃ?体が動かないぞ!?」
中澤「あんた、知っとるか?」
Д<「機械ゆうのは、水に弱いよなあ。」
辻「きづかなかったみたいれすね。」
ナッチーは大きな雨雲をワーダ博士のうえに呼び寄せていた!!
どしゃ降りによって、ワーダ博士の体はところどころ錆び、ショートしている!!
ワーダ博士「あが、あががががが、まさか、そんな・・・・
そんなことがあるわけがないぞ、わしは、魔王軍最高の頭脳・・・」
中澤「さーて」
Д<「このじいさん」
矢口「いっちょ」
ナッチー「やっちまうべか?」
辻「へいっ!!」
一同「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!!!」
ワーダ博士「ひでぶっ!!!!!」
・・・ワーダ博士=再起不能
- 249 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月02日(土)22時35分57秒
- ソニン「あたしたち・・・ただの実験台だったの?ひどすぎる・・・」
ユウキ「ちくしょう・・・いつもこうだ!!!俺を利用するだけ利用しやがって・・・」
中澤「そういえば、さっきの話、途中やったな。」
Д<「なんで魔王の手下になっとったんや?」
ユウキ「俺は・・・強くなりたかっただけさ」
- 250 名前:その頃、ムロランシティでは 投稿日:2000年12月03日(日)15時45分47秒
- よっすぃー「・・・それで、話って何ですか?」
保田「あんた・・・吉澤に戻ったんだって?」
よっすぃー「・・・・・・・・・はい・・・・・」
黙り込む二人。その時。
*「きゅ〜ん!!!!」
よっすぃー&保田「!?」
空から何かが降ってきた!!!
どしーん!!!
その何かは保田を直撃した!!
保田「むぎゅ・・・」
よっすぃー「保田さん、大丈夫ですか!?って・・・ごまじゃない!?」
ごま「むぎゅ・・・」
保田「いいから・・・早くこいつをどけて・・・氏ぬ・・・」
- 251 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)21時37分35秒
- ごま、いきさつの説明中…。
ごま「……ということがあったの」
保田「またあの牧場、襲われたのね…。呪われてるのかしら」
よっすぃー「魔王軍も躍起になってきたってことですね」
ごま「えーと、二人がいるっていうことはここが街なの?」
保田「そう、ムロランシティよ。まだ着いたばっかりだけどね」
ごま「じゃあ食べ物もあるんだね!よぉし、行ってきまーす!」
ごまは人ごみの中へ消えていった。
保田「全くあいつは…。吹っ飛ばされてきたのにねぇ」
よっすぃー「いいんじゃないですか?弟さんの心配もなくなったみたいで…」
- 252 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)21時58分47秒
- 街を歩きながら話している二人…。
保田「で、話を続けるけどさ…。とりあえず『吉澤』にはどういう感情を抱いているの?」
よっすぃー「恐いです…。ためらいもなく人を斬るなんて考えられないですよ…」
保田「確か『人を斬る感覚』を薄めるために父親から教わった技を捨てて居合いを始めたのよね」
よっすぃー「でもあっちの私にとっては『的確に殺す戦法』になっていて…」
保田「…うーん、でもそれは戦いに私的感情を持ち出してるあんたにも原因があるわね」
よっすぃー「わかってます、甘い考えだっていうことは。でも…」
二人はとある鍛冶屋の前を通った。
保田「あんた、久々に刀研いでもらったら?大戦前でしょ?最後に研いだの」
よっすぃー「そういえば…。痛んでるかもしれないですね」
保田「じゃあ、ちょっと磨きやってもらいなよ。私はそこの酒場にいるから」
よっすぃー「わかりました…」
その時保田が背を向けながら、よっすぃーに言った。
保田「あんたは恐いかもしれないけど、そんなあんたを信頼してる人間だって沢山いるのよ。
そのことは忘れないで」
そして保田は酒場へ入っていった。
よっすぃー「保田さん…」
- 253 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)22時12分47秒
- 保田が酒場に入ったと同時に、大きな声が聞こえてきた。
男1「なめてんのかてめえ!俺達を誰だと思ってやがるんだ!」
保田「荒くれ関係かつ酒場でいざこざ…。前にもあったわね」
男2「俺達は噂の『BSデジタラー』だぞ!ただですむとは思うなよ!」
保田「(そんな噂は聞いたことが…)」
???「そっちからつっかかってきて、何言ってるの?」
???2「あんた達こそ、ただで済むとは思えないんやけど…」
男1「こ・・・この野郎!」
男は女に向かって殴りかかった!
保田「やばっ、助けないと。でもこの距離じゃ届かない…」
保田がそう思った瞬間、男が勢いよく空中へ吹っ飛んだ!
保田「へ…?」
???「そっちが悪いんですよ?」
男2「やりやがったな!」
そしてその言葉と同時にまた一人、男が宙に舞った。
???「未熟!」
そして酒場に、どっと歓声がまきおこった。
客1「いいぞねぇちゃーん!」
客2「強いじゃねぇか、あんた!」
保田「へぇ、強い…。それにしても、あれが武器なのかしら」
- 254 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)22時27分39秒
- 男1「動くな!動いたらこの女を殺すぞ!」
保田「(意識があったのね、この男。…あれ?私が人質になってる)」
???2「おかしな真似を…」
男1「うるせぇ!とにかく今から仲間を呼んでやる!これでお前等も…」
保田「うるさいのはあんただってば」
男1「何だと!?てめ…」
言葉の途中で男は倒れ伏した。
保田「おとなしく寝とけばよかったのに…」
そこでまた、歓声がどっとまきおこった。
客1「あんたも強いなぁ、姉ちゃん!」
客2「今日は面白いねぇ、こんなたくましい姉ちゃんが見れるなんて珍しいぜ!」
歓声が収まった時、保田と2人の女性はすっかり打ち解けていた。
保田「あなたのその武器って、扇子?中途半端にでかいけど…」
???「ええ、扇子よ。戦闘用に改良したんだけどね」
???2「この子もともと東洋マニアやから、舞踊を戦闘に持ってきてんのよ」
保田「へぇ…。あ、申し遅れたわね、私は圭。下の名前だけど、よろしく」
???「よろしく。私は美和っていうの」
???2「貴子(あつこ)や。よろしく」
- 255 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)22時57分54秒
- そして少し時間が経ち、よっすぃーが酒場に入ってきた
よっすぃー「終わりましたよ〜。何だかさっき騒がしかったですね」
保田「あ、おかえりなさい」
美和「こっちの人は?」
保田「えっと、こっちは…。ひとみっていうのよ」
よっすぃー「(小声で)保田さん、何で知られてない方の名前を使うんですか?」
保田「(小声で)勇者一行だなんて知れたら大変でしょ?これはお忍びの基本よ」
美和「あ、それって東洋の『刀』でしょ?ちょっと見せてくれない?」
よっすぃー「え?はい、いいですけど…」
美和はよっすぃーの刀を受け取った。
美和「…すごい!この刃…深みがあるし弾力も十分!これってもしかして『青春刀』かしら?」
よっすぃー「わかるんですか!?聞いた話では刀工前嶋の作品だって…」
美和「そう!初期は『青春刀・光』だったっけ?悲しみを背負った刀というエピソードが…」
よっすぃー「この青春刀は明るさいっぱいの刀だって聞いたことがありますね」
貴子「また東洋マニアぶりが出てきたわ…」
保田「あの子も刀マニアだから…。あの二人、気が合うかもね」
貴子「わざわざOFFでこんなところに来てよかったわ。まったりできとるで」
保田「私もこんなに落ち着いたのは久しぶりね…」
貴子「これも何かの縁や!二人で飲むでぇ!」
保田「賛成!」
- 256 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)23時16分33秒
- 4人は酒場で酔っ払いながらも話し続けていた。
美和「傷つけるのが恐いぃ?相手だって殺す気できてるんらから、手を抜くのは失礼れしょう!」
よっすぃー「そぉ〜うれすよねぇ〜。あっちも全力なんれすよねぇ〜」
貴子「なんかひとみひゃん、話し方おかひぃでぇ〜」
保田「おまえもにゃ〜!」
2時間後…。
美和「そろそろお別れね…」
よっすぃー「ホントに時間が過ぎるのは早いですね」
貴子「もう会えんかもしれんなぁ。うちらは忙しいしあんたらは旅の途中やろ?」
保田「どこかで会えるわよ。なんだかそんな気がするから…」
美和「うん、私もそう思う。本当にまた会えるかもね」
貴子「それじゃあ再会を願って、さよならやな」
よっすぃー「ええ、さようなら」
保田「じゃあね」
美和と貴子は街を出て行った。
保田「面白い人達だったわね」
よっすぃー「ええ、美和さんにあのこと相談したらいろいろアドバイスくれたし…」
保田「戦闘の玄人的発言が多かったわ。あの二人、ひょっとしたら私達より強いかもね」
よっすぃー「そうですよね…。でも、これで胸のつっかえが取れました」
保田「それじゃあ、私達も牧場に戻ろうか?」
よっすぃー「でも、ごまが…」
保田「あ、忘れてた。全く本当に困った奴…」
- 257 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)23時31分35秒
- そして街を出た美和と貴子。
美和「彼女たち、明らかに気配が違ったわね。常に隙を見せなかったわ」
貴子「あの若さであの威圧感やからなぁ。かなり強いで、あの子ら」
美和「実際、もう会いたくないわね。一応は人間の敵という肩書きがあるし…」
貴子「まあ『魔王軍最強』のラベル貼られてるしなぁ、うちら4人は」
美和「そういえば、ここ最近ココナッツ四天王が勇者一行にやられたらしいわよ。メールに入ってた」
貴子「当然やろ。ココナッツで倒せたらうちらは一人で十分になるで」
美和「そうだなぁ、やっぱりあの子と東洋対決してみたいわ。この二丁の扇子であれとぶつかり合えると思うと…」
貴子「小湊ぉ、東洋の神秘っぽいな妄想はやめてや。もう聞き飽きたわ」
美和「ごめんごめん、とりあえず城に戻りましょう。魔王さんもそろそろキレるだろうし…」
- 258 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月03日(日)23時35分17秒
- 変なところで失礼します。読んでてわかりにくいと思いますが、
「美和と貴子はよっすぃー&保田が勇者一行であるとはわかっていない」です。
- 259 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)02時42分17秒
- 保田「そういえばあの子、眠くなると、、、」
よっすぃー「今ごろ、どっかのお店で動けなくなってるでしょうね。」
ゴマ「zzz、、、きゅ〜ん
(ユウキ、あんた生意気だったけど、お姉ちゃんに手を上げるとは何事なのよ?)」
店員「ちょ、、、ちょっと、店長〜!!お客さんがアザラシになって!」
店長「なに言ってんだ?誰かが忘れいったペットだろ。
困ったお客もいるもんだ。」
店員「い、、いや、さっきまでそこでパクパク食べてたお客さんなんですってば!」
その時、店の扉が開いた。ウィーン
保田「やーっと見つけたわ。思ったとおりね。まったくっ!#」
よっすぃー「すいませ〜ん。うちのゴマが。」
ゴマを抱えるよっすぃー。
店長「あ、お姉ちゃん達のだったのね、忘れ物は困りますよ〜。」
店員「ところでこれ、お勘定なんですけど。。」
保田「げ!これ、あたし達の飲み代より高いじゃないの!」
ユウキが魔王軍に加担した理由を聞きそびれていたごまはやけ食いしていた。
- 260 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)03時02分39秒
- ユウキ「俺は・・・姉ちゃんより強くなりたかった。ただ、それだけだ。」
中澤「それだけやと、何も魔王軍に入る必要ないやんけ・・・」
ユウキ「俺は何も世界を滅ぼそうとか・・・思ってたわけじゃないぜ」
・・・・・
3年前の勇者さやかと魔王の戦いのときには、すでにごまは大魔導士として
その名を轟かせていた。しかし、剣士の修行をしていた弟が居たことはあまり知られていない。
ごま「あま〜い!!」
ユウキ「んぐっ!!・・・はぁ、はぁ、姉ちゃん強すぎるよ」
ごま「当然よ、あたしは勇者様の片腕よ。強くなくちゃあダメダメ」
ユウキ「そんなこと言って、魔王が怖くねえのかよ?」
ごま「・・・怖いよ。でも、みんなと一緒だから大丈夫・・・」
ユウキ「(俺は・・・我慢できねえ・・・)」
- 261 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)03時19分23秒
- その日から、ユウキの剣の修行はより激しいものとなった。
ごまが家に帰ってくるのは多くても月に一回。
勇者一行の旅は辛く激しいものであった。
ごまが久しぶりに家に帰ってきた日・・・。
ユウキ「姉ちゃん!!勝負だ!!!」
ごま「何よ、イキナリ!?でも、あんたそぅとぅ腕を上げたわね。」
ユウキ「姉ちゃん、もし・・・もし、俺が勝ったら」
ごま「・・・」
ユウキ「もう勇者のパーティーには行かないでくれ」
ごま「ダメよ、あたしは世界のために・・・」
ユウキ「いやだ!!世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ!!!
姉ちゃんが危ない目にあうのは、もう嫌なんだ!!!」
ごま「・・・わかったわ」
ユウキ「いくぞ!!」
ユウキは剣を逆手に構えると、凄まじいスピードで剣を繰り出した!!
ごま(速い・・・でもこの技には・・・)
ごま「スキあり!!!」ごまのエルボーがみぞおちを直撃!!!
ユウキ「ぐおっ!!!」
ごま「ユウキ・・・強くなったわね。でも、剣を逆手に構えると攻撃力が増す分、
カラダの半分の防御がお留守になるの。」
ユウキ「ちくしょう・・・ちくしょう・・・どうしても、行くっていうのかよ」
ごま「ごめんなさい・・・。あたしは・・・行かなきゃいけないの」
去っていくごま。
ユウキ「くそーーーー!!!くそーーーーー!!!!!」
- 262 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)03時23分06秒
- しばらくして、ごまが久しぶりに家に帰ると、そこには誰も居なかった。
ごま「あれ?ユウキ・・・」
家にはメモがあった。
『俺はもっと強くなるために旅に出る。
いつか、姉ちゃんより強くなって見せる』
ごま「ユウキ・・・」
-------
よっすぃー「・・・ごま、寝ながら何か呟いてますけど・・・っていうか、重い」
保田「なんか切ない夢でも観てるのかしらね・・・。」
- 263 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)03時31分31秒
- ユウキ「それからの俺は、激しい修行に明け暮れた。
最強の剣と、それを使いこなす力を求めて旅を続けた。
そんな時、風の噂に魔王が倒されたことを聞いたのさ」
----
街の人「しかし、この勇者一行ってのは偉いよなあ・・・
自分を犠牲にして俺たちを助けてくれたらしいじゃないか」
ユウキ「何だと!!!?」
街の人「あんた、知らないのかい?勇者一行が魔王の城に乗り込んでから、
魔物がピタリといなくなったんだ。でも、肝心の勇者一行がいつまで待っても帰ってこない。」
ユウキ「・・・」
街の人「まあ、魔王も強かったんだろう、相打ちに・・・」
ユウキ「もういい!!!」
駆け出すユウキ・・・。
ユウキ(正義にとらわれて、自分で命を捨てやがって・・・姉ちゃん・・・
そうなるくらいなら・・・俺は・・・俺は・・・)
- 264 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)03時52分25秒
- ユウキ「俺はそのあとぐれて、賞金稼ぎや裏の仕事など何でもやった。」
ソニン「そんなとき、あたしとワーダ博士に出会った・・・」
----
ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃっ・・・お前、どこに行く?」
ユウキ「俺は修羅、戦いつづけて逝くだけだ」
ワーダ博士「ならば、ひと働きしてみんか?
お前なら魔界最強の戦士になれるぞい、ひゃっひゃっひゃっひゃっ・・・」
ソニン「大魔導士とのコンビってのはどう?」
ユウキ「甘いな。大魔導士なんてえのは一人しか知らねえよ。
まあいい、どうせ地獄へ逝くんだ、修羅の道を極めてみるか。」
----
ユウキ「ワーダが魔王軍の参謀だってのはあとから知った。
でも、どうでもよかったんだよ。戦うことさえ出来ればな。」
中澤「ごまが生きてることはしっとったんか?」
ユウキ「勇者を討伐に行くとき、博士から聞いた。」
ソニン「あたしは止めたんだけど・・・」
ユウキ「逆に、姉ちゃんを楽にさせてあげたかった。もう戦わなくてもいいように・・・。
結局、負けた上に命まで助けてもらったけどな。」
ユウキとソニンはそこまで言うと立ち上がり、ルーラで去ろうとしていた。
ユウキ「俺はもう魔王軍には戻らねえ。だけど、勇者と姉ちゃんには
いつか勝って見せる。それが俺の執念だ。今度は小ざかしい技を使わずに、
正々堂々と勝負してやる。」
ソニン「それまで、あなた達は負けないでね。一つだけ、魔王軍には
最強の四天王がまだ残っているわ。ココナッツなんかとは比べ物にならない・・・」
ユウキ「だけど、負けんじゃねえぞ。お前らを倒すのは、この俺だ・・・」
ソニン「じゃあ、ね。ルーラ!!!」
Д<「いってもうたな、フリチンのまま・・・」
辻「はずかしくて、はなしがみみにはいらなかったのれす・・・」
中澤「それはともかくやな・・・四天王が動くとなると厄介やで。」
矢口「ココナッツだってやっつけたじゃん。」
中澤「あほ、ボンバーは・・・もっとやばいのや。」
- 265 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)04時04分01秒
- 保田とよっすぃー(とごま)が牧場に戻ってきたのはその夜とっぷりとふけた頃だった。
勇者飯田がまだ目を覚まさないこともあって、重苦しい雰囲気である。
よっすぃー「ごま、拾ってきましたよ」
保田「話はごまから大体聞いたけど・・・強敵だったみたいね?」
矢口「カオがよお、まだ目を覚まさなくて・・・」
保田「ちょっと待ってて・・・ベホマ!!!」
勇者飯田の体力は回復した。しかし勇者飯田は目を覚まさない・・・。
保田「疲れてるみたいね・・・ちょっと眠らせておきましょう。」
- 266 名前:翌日 投稿日:2000年12月06日(水)16時02分05秒
- よっすぃー「起きませんねえ、飯田さん。」
保田「そーねー。まあみんな昨日の疲れで起きて来ないけど。」
よっすぃー「飯田さんはずっとですからね。大丈夫でしょうか?」
保田「よっぽど疲れてたんじゃない?さすがに今日は私らが働くしかなさそうね。
あ〜あ。私も二日酔い気味なのにな〜。」
よっすぃー「飯田さん、こないだから何か変だったから。」
保田「え?そうなの?ボーっとしてるだけじゃなくて?」
よっすぃー「ボーっとしながらですけど、
何か考えこんでるみたいだったんです。心配です。」
保田「あー、そりゃあんたの事でしょ。
あんたが悩んでるからって、私に頼んだの。」
よっすぃー「そうだったんですか!」
保田「いい人って感じなのよね。お人良しって言うか。」
よっすぃー「そうですよね。私は吉澤になってしまったとき、助けられましたから。」
保田「あんたもね。優しすぎるのよ。
結局お互い心配しあって沈んでただけなんじゃないの?
私の出るまくなんて、無かったのかもしれないね。」
よっすぃー「うーん、でも、、、違うと思うんです。。。。。」
保田「ん、何が?そんな奴だと思わない?
それより変わり者っていう方が目立ってて気づきにくいんだけどさ。
ほんと、なんで勇者なんかやってるんだろ?」
よっすぃー「あ、そうですよ。それなんです。。不思議に思うでしょ。
私、聞いてみたんです。でも、、、覚えてないんですよ。
こないだからそれを悩んでると思うんです。
何故勇者になったのか。それどころか、自分の過去をぜんぜん。。」
保田「え、、、それっていったい?、、ハードディスクの初期化でもしたのかしら?」
よっすぃー「・・・・(む〜。)」
保田「冗談よ。ごめんねっ。」
よっすぃー「面白くないです。」
保田「わかってるわよっ!」
- 267 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月06日(水)23時59分39秒
- 場所は彩の祠。石川も修行が終わり、牧場へ帰る準備をしていた。
石川「本当に今までありがとうございます」
彩「いいのよ、これが私達のすべきことだったんだし」
石川「あの…。また魔王を倒したら遊びに来てもいいですか?」
彩「もちろん大歓迎よ。…そういえばあなた、勇者一行の一人なのよね」
石川「はい…」
彩「昔、年下で幼馴染の子が勇者になりたいって言ってたのを思い出すわ。
優しい子で、全然戦いには向いてなかったんだけど…。
確か私が遠くに引越しするときに言ってくれたのよ。『私も夢を叶えるから彩っぺも夢を叶えてね』って…。
あれから会ってないな…。ひょっとして、本当に勇者になってたりしてね」
石川「いいお友達だったんですね…一応勇者さんは女性ですよ」
彩「まぁ、いいわ。昔の話をしたって何の意味もないし…。そろそろ出発の時間じゃない?」
石川「そうですね。…それじゃあ彩さん、ありがとうございました」
彩「あ、ちょっと待って!」
彩は目を閉じると、そのままゆっくりと歌いだした。
「どこにだってある花だけど 風が吹いても負けないのよ
どこにだって咲く花みたく 強い雨が降っても大丈夫
ちょっぴり『弱気』だって あるかもしれないけど
たんぽぽのように光れ」
- 268 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月07日(木)00時11分25秒
- 彩「この歌はね、私が引越しするときにあの子が歌ってくれた歌なんだ…。
思えば、いつもこの歌に励まされてたな…」
石川「いい歌ですね…」
石川がそういうのと同時に、彩は石川を抱きしめていた。
彩「苦しくなったらいつでもおいで。待ってるわよ」
石川「わかりました…。それじゃ今度こそさようならー!」
石川は彩の祠を去っていった。
彩「勇者、か…。今あんたはどうしてるの?圭織…」
石川が祠を発って少しすると、アヤカが祠から出てきた。
アヤカ「もう行ったんですね…」
彩「ええ…。今のあの子なら魔王との戦いでも十分に通じると思うわ」
アヤカ「そうだ、そろそろ薪を拾ってくる時間ですね」
彩「そうね、もうこんな時間か…」
アヤカ「じゃあ薪拾い行ってきますね」
彩「いってらっしゃい、ご飯の準備して待ってるわ」
アヤカは森の奥へ進んでいった。
彩「さて、野菜切らなきゃ…」
彩は祠の中へ戻った。
真矢、防具叩き売りに疲れ睡眠中。
- 269 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月07日(木)00時37分19秒
- 薪拾いに森の奥まで来たアヤカ。
アヤカ「(石川さん、本当に強くなって…。あれならひょっとして魔王も…)」
石川のことを考えながら薪拾いをしていると、瞬間、周りの空気が変わった!
アヤカ「(…何?この強烈な威圧感は…。まさか裏切りが魔王に知られた?)」
しかし、アヤカの目にはそれ以上に恐ろしいものが映っていた。
???「あれ?OFFで栗拾いに来てたら…」
???2「アヤカがこんなところで何してるアルか?」
アヤカ「し…信田さん…。それに、ルルさん…」
信田「なんだか、魔力が暖かくなってるわね。印象も変わって…」
ルル「そういえばアヤカって、裏切り者として手配されてたんじゃなかったアルか?」
信田「ああ、そうね…。だからこんなに魔力に暖かみが感じられるわけだ」
アヤカ「それで…私を殺しに来たんですか?」
信田「さっき言ったじゃない。OFFだから大自然の中の栗拾いに来ただけだって…」
ルル「でもアヤカは悪いことしてるアルよ。お仕置きが必要アルね」
信田「まあ魔王の肩持つわけじゃないけど…。ここで会ったのもひとつの縁ってやつね。始末しよっか」
アヤカ「私は…まだ死ぬわけにはいかない!彼女と再戦を誓ったんだから…!」
信田「そう…。それじゃ始めましょうか。ルル、私一人でやるから下がってて」
アヤカと信田はお互いに目を合わせて構えた。
- 270 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月07日(木)01時12分36秒
- 3分後…。信田の前でアヤカが倒れていた。
信田「わかった?これが純粋な力の差って言うの」
アヤカ「くっ…(強すぎる…)」
ルル「で、どうするアルか?頃すか生かしておくか決めるアル」
信田「決まってるじゃない…。生かしておくわよ」
アヤカ「…なぜ、殺さないんですか…」
信田「OFFだってのに好き好んで人殺しするわけないでしょ。それに…あんた弱すぎるし」
ルル「うちの四天王はみんな頃しなんて嫌いアル。強い奴と戦えればそれで幸せな軍団アルよ」
アヤカ「さすがは…最強の四天王ですね…。私達とは器からして違う…」
信田「器ねぇ…。あ、そろそろ城からお呼びがかかるわ。ルル、帰りましょう」
ルル「そうアルね、戻るアル」
信田「はぁ…。勇者一行の一人はあんたごときに苦戦したの?笑い話ね…」
ルル「ワタシは大戦時の勇者一行のうちの誰かと戦いたいアルね、強そうアル」
そのまま信田とルルはその場を立ち去った。
そして暫くの間、アヤカの頭の中には信田の一言が強烈に頭に残っていた。
『あんた弱すぎるし』
アヤカ「やっぱり私では勝てないのか…。石川さん、あなたは絶対に負けないで…」
そう言ってアヤカは意識を失った。その後アヤカが彩に見つけられたのは1時間後のことだった。
・・・・・・なんだか四天王とのつなぎが不自然になっちゃいましたね。
ご迷惑おかけしてます。
- 271 名前:235 投稿日:2000年12月07日(木)01時54分40秒
- おお!ここに来て更新はやい!作者の方々お疲れさまです。
ついに四天王編突入ですねー。
予告通りネタ考えましたが出しそびれました。でももったいないんでいきます。
時間は前後しますが、ストーリーにあんまり影響無いんで勘弁してください。m(_ _)m
・・・・・・・
誰か、笑ってる声がする。。。。だれ?
誰か、呼んでる。かおりを呼んでる。。。。だれ?
みんな?かおりの剣?
違う。。。誰だろ?でも、、、懐かしい。
丸一日寝て、飯田は目を覚ました。
つじ「ゆうしゃさまがおきたのれす〜!!」
勇者飯田「あ、おはよ。」
飯田は目をこすった。
保田(作業中)「あ、起きたみたいね。」
よっすぃー(作業中)「私ちょっと声かけてきます。」
保田「あ、ちょっと仕事はどうすんのよ!」
- 272 名前:その夜 投稿日:2000年12月07日(木)01時56分07秒
- ジリリリリン、ジリリリリン、ジリリリリン
静かな牧場の夜に音が響き渡る。
ナッチー「電話だべ!!」
勇者飯田「ど、、、どうしよう?」
ナッチー「したっけ出ないわけにいかないべさ。」
勇者飯田「人の家なのにいいのかなあ?」
保田「まあ、牧場娘の二人は夕食の後片付け中だし、
ヨシターケさんは寝てるのか今いないし、いいんじゃない?」
中澤「ちゃんとした対応ができればええんちゃう?」
ナッチー「決まりだべさ、ナッチーが出るべ。」
勇者飯田「え?ナッチーが出るの?」
保田「そそう無いようにね!」
中澤「商売相手には腰低くするんやで!
、、なんやそれにしてもずいぶん嬉しそうやな、、。」
ごま、よっすぃー早めの就寝。
- 273 名前:vsナッチー 投稿日:2000年12月07日(木)01時58分55秒
- ジリリリリ、、、ガチャッ電話を取るナッチー。
つじ(ドキドキ。。。)
ナッチー「ハッロー、モシコーン!」
いきなりハイテンションで切り出すナッチー、ずっこける一同。
?「も、、、、もすもす〜?」
ナッチー「あーーー!梨華ちゃん!なんだべー、みんな心配してたんだんだべ!
ココナッツにやらちまったんだべさーっていって。アハハッ」
つじ「ずいぶんたのしそうれす。にこにこしてるれす。」
Д<「ちっとも心配してるようには見えへんな。」
保田(石川?大丈夫だったのかしら?)
石川@電話「あ、、、あの〜、ナッチー?」
ナッチー「こっちも大変だったんだべ〜。ココナッツに襲われて。
ナッチーが大活躍で撃退したんだべ。
したっけ、今度は新手の二人組みがやってきたっしょ!」
つじ「やっぱりたいへんだったようにきこえないれす。」
Д<「ニコニコニコニコ、、何があんなに楽しいんやろな?」
ナッチー「その片割れがなんとごまの、、」
中澤「やめえや!」
パシッ!ナッチーをはたいて電話をうばう中澤。
ナッチー「いったー、何するべさー!!」
中澤「その出かたやめえや!ったく。
それにまず相手の用件を聞かなきゃあかんやろ!
もしもし〜。石川?」
ナッチー「ひどいべさ〜。」
保田(ほ。やっと会話が先に進むわね。)
- 274 名前:vs中澤 投稿日:2000年12月07日(木)02時00分39秒
- 石川「あ、中澤さんですか〜。こんばんわ〜。チャーミー石川です〜。」
石川、最後の点検のため、チャーミースーツ着用中
中澤「(ちゃーみー??)で、どないしたんや?みんな心配しとったんやで!」
石川「チャーミーも大変でした〜。彩さんのところについたら敵がきたんです〜。
だから、チャーミーは、、、、」
中澤「(積もる話もあるやろなぁ)」
5分経過
中澤「・・・・・」
石川「そこでチャーミーは、、」
中澤「(ムカムカ#)」
更に10分経過、、。
石川「そんなわけでやっとチャーミーは、、、」
中澤「(やっと終わるんやな。)ほー。そんで?(冷静に冷静に。)」
石川「そこで、やったー勝った!、、、、って思ったんですけど今度はチャーミーが、、」
中澤「(ブチッ!←擬態語)チャーミー、チャーミーって自分なんやねん!!!
だいたい自分な!いったいいつから、、、」
つじ「ひ〜。なかざわさんがついにきれたのれす!」
保田「まったく、見てらんないわね。ちょっと貸しなさいよ。」
パシッ!中澤から電話を奪う保田。
中澤「ちょ、かしや!言いたりんわ!」
矢口「ゆうこはだまってなよ〜!」
中澤「はなさんかーい、、、モガモガ」
中澤の口をおさえ引っ張る矢口。
- 275 名前:vs保田 投稿日:2000年12月07日(木)02時02分29秒
- 保田「わたしよ。」
石川「あ、師匠!お久しぶりです〜。」
保田「で、あんたココナッツに襲われたらしいけど、大丈夫なのね?」
石川「チャーミーは大丈夫です。みんなも大変だったんじゃないですか〜?」
保田「(ちゃーみー?そんなふうに教えた覚えは無いわね。)
ああ、こっちは大丈夫よ。心配は要らないわ。
で、何やってるの?いつ頃帰ってくるの?」
石川「チャーミーは、彩さんのところでずーっと修行してました。
それがですねえ、アヤカさんとシバちゃんと、、」
保田「その話は後で聞くわ。で、修行は終わったの?」
石川「あ、はい。今日で終りました〜。聞いてくださいよ〜、最後はですねえ、、」
保田「それも後で聞く。じゃ、戻ってくるのね?」
石川「はーい。明日、歩いて戻ります。待っててくださいね。」
保田「あ、明日ね。じゃ、みんな待ってるから、なるべくはやくね。」
石川「待っててくださいよ〜、先に行っちゃわないでくださいね〜。」
保田「はいはい。待ってるわよ。じゃ、切るわよ。じゃあね。」
石川「あ、、そうですね〜。」
残念そうに話す石川。
保田「石川」
石川「はい?」
保田「一人で大変だったでしょ。ご苦労様。」
石川「は、、はい〜。」
ガチャ。電話は切られた。思わず涙ぐむ石川。
Д<「お〜。終わったで。扱いなれてるわ。」
つじ「さすがやすださんれす。」
飯田(いいお師匠様だね〜。)
ジーっと保田を見つめる飯田。
保田「な、、、なによ〜。かおり。」
照れ笑いをし、椅子に座る保田。
保田(ほんと、長い間頑張ってたわね。今度、修行の成果でも見せてもらおうかしら。)
- 276 名前:魔王の城 投稿日:2000年12月07日(木)14時19分18秒
- 魔王つんく「・・・というわけや、自分等、頼むで」
信田「・・・・・御自分で逝ってらしたらどうです?魔王様(冷笑)」
魔王つんく「な、何やと!?誰に向かって・・・」
稲葉「はぁ・・・・別にウチらあんたに忠誠を誓ったわけでもなんでもないで」
ルル「魔王サンの下にいれば、強い奴と戦えるから味方してるだけアルね」
魔王つんく「・・・(怒)・・・お前等クビや!!!どこにでも逝ってしまえ!!」
小湊「あら?いいのかしらそんなこと言って。勇者討伐も失敗続き・・・
大魔王様になんて言われるかしら・・・」
魔王つんく「ぐ・・・それは・・・」
信田「まあ、いいわ、クビでもなんでも。どうせ勇者一行とは一戦交えるつもりだし」
ルル「よかったアルね、魔王さん。首は繋がったアルね」
稲葉「ほな、逝こか。魔王さん、今まで世話んなったわ。おおきに」
小湊「せいぜい御身体には気をつけて(冷笑)」
魔王城から出ていく4人。
- 277 名前:牧場 投稿日:2000年12月07日(木)14時33分41秒
- 石川が帰ってきた。
石川「ただいま戻りましたぁ!!」
辻「おかえりなさい・・・な・・・なんれすかそのかっこうは!?」
中澤「自分、その格好・・・」
石川「チャーミー石川でーす
」
勇者飯田「梨華ちゃん・・・(可愛い
)」
石川「このチャーミースーツは、防具職人の彩さんがチャーミーの為に作ってくれたんです!」
矢口「ふ・・・ふーん、よ、良く似合ってるね・・・」
よっすぃー「な、何かアニメのキャラクターみたいだね・・・」
石川「(よっすぃーさん
)ありがとうございます!!!」
Д<「それ、褒め言葉ちゃうで・・・」
ナッチー「(ボソッ)・・・センス悪いべ・・・」
Д<「・・・・・(オマエモナー)」
保田「で、修行の成果はどうなの?」
石川「はい。それはもう・・・チャーミーはココナッツのアヤカさんとのそれはもう激しい特訓を・・・」
保田「ああ、いいわ、実戦で見せてもらうわ」
辻「さすがやすらさん、はなしがながそうなのでうまくおわらせたのれす」
石川「・・・・・(お話したいのに・・・)」
- 278 名前:牧場 投稿日:2000年12月07日(木)14時58分57秒
- 次の日。
朝早くから、矢口は特訓をしていた。
矢口「アチョー!!」
石川「あ、矢口さん、お早うございます。熱心ですね。石川も見習わなくちゃ」
矢口「あ、梨華ちゃん、お早う。・・・今日は『チャーミー』って言わないんだね」
石川「あ・・・あれは、なんだかチャ−ミ−ス−ツを着るとああなっちゃうんです」
矢口「へえ、そうなんだ。オイラも厚底履くとやる気が出るからそれと同じようなモンかな。キャハ!」
練習を続ける矢口。それを見ている石川は、彩の歌った歌をふと口ずさんだ。
石川「どこにだってある花だけど 風が吹いても負けないのよ♪」
矢口「!」
矢口の動きが止まった。
石川「どうしたんですか、矢口さん?」
矢口「梨華ちゃん・・・その歌・・・」
石川「あ、、、これは彩さんに教えてもらった歌なんですけど、矢口さん知ってるんですか?
もしかして・・・矢口さんが彩さんの言ってた幼馴染みの人!?」
矢口「・・・・・違うよ。おいらは彩っぺの幼馴染みじゃないよ。」
石川「そうですか・・・。・・・・!?どうして『彩っぺ』って呼び方を知ってるんですか?」
矢口「!!・・・・・そ、それは・・・・」
石川「そういえば、矢口さんは、どうして飯田さんと一緒に旅をしようと思ったんですか?」
矢口「お・・・黄金の厚底が欲しかったからだい!!」
石川「でも、それはもう手に入ったじゃないですか。それなのに何故・・・」
矢口「つ・・・強い奴と戦う為だい!!」
石川「何か理由があるんですね?」
矢口「それは・・・今は言えないよ。とにかく、オイラはカオリを助けて頑張っていく。それだけだい!!」
石川「わかりました。もうこれ以上は何も聞きません。一緒に頑張りましょう!」
矢口「梨華ちゃん・・・。・・・さっきの歌は「タンポポ」っていうんだよ。」
石川「可愛い歌ですよね。気に入っちゃいました。」
矢口「そっか。一緒に歌おうか」
石川&矢口「どこにだってある花だけど 風が吹いても負けないのよ♪」
Д<「自分等、朝っぱらから何歌ってんねん・・・でも・・・いい歌やな・・・」
石川「おはよう、あいぼん。あいぼんもこの歌気に入った?」
Д<「うん。何かやる気が出る歌やな・・・何でやろ・・・」
そのころ、まだ勇者飯田は爆睡中。
- 279 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月07日(木)15時02分40秒
- と、伏線張って終了。このペースで頑張りましょ>他の作者さん
- 280 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月07日(木)15時04分32秒
- シバタ「・・・あたしも帰ってきたのに・・・放置なんてひどいよう(泣)」
- 281 名前:名無し娘。 投稿日:2000年12月07日(木)23時52分59秒
- コンバンハ。いつも楽しく拝見しているものです。
新生タンポポ結成の気配ですね。
是非とも、保田に負けたミカも加えてミニモニ。の結成にも密かに期待。
最後に作者のみなさん、頑張って下さい。
- 282 名前:牧城 投稿日:2000年12月08日(金)00時30分27秒
- ヤスターケ牧城では、勇者飯田一行が出発を明日に控え今後についての会議を開いていた。
保田「で、実際よっすぃーもこうやって仲間になったわけだし、次はどうしようか?」
Д<「どうするもなにも、もう魔王なんか楽勝なんちゃう?」
吉澤「・・・・・魔王なら、ですけどね・・・・」
ナッチー「やっぱり、今回は魔王以上の存在の匂いがするべ」
矢口「それ以前にボンバーなんたらってのもいるんでしょ?一緒に蹴散らしちゃおうよ!キャハ!」
辻「そうなのれす!いまのわたしたちにはてきはいないのれす!」
中澤「自分等、アホなこといってるんやないで。ボンバーは魔王よりよっぽど厄介な相手や。」
ごま「中澤さん、ボンバ−知ってるの?」
中澤「知らいでか。あいつらは超有名やで。元々戦闘のプロ中のプロが4人集まってんのや。洒落にならん強さや。」
保田「だいたい魔王の城が何処にあるかも分からないじゃない」
石川「で、これからどうしましょうか?このままここにずっといてはヨシターケさんの迷惑になるし
あさみさんやりんねさんとお別れするのも辛いけどやっぱり前に進まなきゃって思うんですけど
やっぱり石川はすぐネガティブになっちゃって・・・」
一同「・・・はじまった」
保田「そうね、とにかく目的地を決めましょう。カオリはさっきから黙ってるけど、何か案はある?」
勇者飯田「う〜ん、さっきからカオリとんちを巡らせてるんだけど良い案はなかなか出ないよ」
辻「いっきゅうさんれすね!!!いいらさん、がんばるのれす!!!」
勇者飯田「・・・・・!!!電波が・・・・・」
Д<「な、なんか受信してるで・・・」
勇者飯田「オ・・・・オキ・・・ナ・・・ワ・・ア・・イラ・・・ンド・・・」
中澤「オキナワアイランド!?北の果てから南の果てまで逝くんかいな?」
ナッチー「ナッチーは暑いところは苦手ッしょ。北国生まれだから・・・」
Д<「・・・・・(太ってるからや)」
石川「とにかくじっとしててもしょうがないじゃないですか!北から南まで逝けば
途中で何かが見つかるかも知れないですし、ポジティブにいきましょう!!
まずはそこから道は開ける、石川はそんな気がするんです・・・だって」
保田「(石川の会話を遮って)そうね。とにかく前に進みましょう!」
一同「賛成!!」
- 283 名前:できればもう少しここにいて!(爆 投稿日:2000年12月08日(金)01時00分35秒
- 言った側から大雪にみまわれ、身動きできなくなる一行。
- 284 名前:(藁 投稿日:2000年12月08日(金)01時57分36秒
- 辻「すごいゆきなのれす。
きっとむろらんしてぃからでると、おはなしのつづきをかけなくなるひとがいるのれす!」
Д<「そういうことは分かってても言ってはアカン。梨華ちゃんのせいにしとき!」
辻「へい」
- 285 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月09日(土)02時47分02秒
- 早速よっすぃーと勇者飯田の修行が再開された。
よっすぃー「本来こんな雪の中で修行するのはよろしくないんですが…。
時間がないのでそんなことも言ってられなくなりましたね」
勇者飯田「時間ないよね〜、雪が止んだら出発だから…」
よっすぃー「ということで、そろそろ本気で修行に入ってもいい時期だと思います」
勇者飯田「え…?今までの修行は本気じゃなかったの?」
よっすぃー「これまでの修行は飯田さんに合わせて行なっていました。でも、もう時間がない。
本来の私のペースでやっていくつもりです」
勇者飯田「そうだったんだ…。でもカオリは大丈夫。本気の修行にも耐えてみせるよ!」
よっすぃー「そう言ってもらえると嬉しいです。じゃあ、始めましょう…。剣を構えて下さい」
勇者飯田「うん」
勇者飯田は剣を抜き、構えをとってよっすぃーと見合った。よっすぃーも構えをとった。
そして次の瞬間、勇者飯田は凍りついた。
勇者飯田「(何…?この物凄い威圧感…。動けない…)」
勇者飯田はよっすぃーの放つ異様な殺気と威圧に押されていた。
よっすぃー「まずは…この一撃を受けてみてください」
よっすぃーは瞬時に距離を詰めると、一気に抜刀した!
それに反応して勇者飯田も剣でガードする!
勇者飯田「…くうっ!」
勇者飯田はガードには成功したが、勢いよく数メートルほど吹っ飛んだ!
受身を取れずにそのまま倒れる勇者飯田。
そして勇者飯田が目を開けたとき、よっすぃーは倒れている勇者飯田に構えをとっていた。
- 286 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月09日(土)03時18分05秒
- よっすぃー「本来なら…今ので死んでいますよ?」
勇者飯田「…」
よっすぃー「まずはガードに腰が入っていません。あれでは攻撃を受けても意味がないです。
そして最初の反応。あの反応速度が限界だったら次は死にます。
あと吹っ飛ばされたら片手の受身をしっかりとって下さい。あと…」
勇者飯田「…(さっきの一瞬のことからこんなに欠点を見出せるんだ。すごい…)」
勇者飯田に指摘を入れていると、ふいによっすぃーの表情が変わった。
よっすぃー「…あ…ごめんなさい!いきなりこんな厳しいこと言っちゃって…。
それに前触れもなく吹っ飛ばしたりして…!本当にごめんなさい!」
勇者飯田はよっすぃーの豹変ぶりに多少驚いたが、今度は勇者飯田が話し始めた。
勇者飯田「よっすぃー…」
よっすぃー「…はい…」
勇者飯田「カオリは大丈夫だよ。いきなり厳しくなって驚いちゃったけど…。
よっすぃーが厳しいのはカオリを心配してくれてるからでしょ?
よっすぃーのペースについていくのは大変だと思うけど頑張るから…。
よっすぃーだって時間がないって言ってたじゃん。だからどんどん厳しく修行しよ!」
よっすぃー「飯田さん…」
勇者飯田「ほら、続けようよ!カオリ耐えて見せるから!これで皆を守れるような力がつくなら
何があっても弱音を吐いたりしないよ!」
よっすぃー「…はい!それじゃあ続けますよ、覚悟してください!」
勇者飯田「どんとこい!」
よっすぃーと勇者飯田の厳しい修行は再開された。
よっすぃー「(教える立場の私が励まされるなんて…。前もこんなことがあったな。
保田さんに言われたように心理面をもっと鍛えるべきかも…)」
- 287 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月10日(日)15時26分44秒
- 中澤「ふう、しかし凄い雪やな。」
ナッチ−「北国ではこれくらいあたりまえっしょ。裕ちゃんは寒がりだべ」
中澤「年をとると寒さに弱く・・・って何言わせんねん!」
バシッ!!
突っ込みを入れる中澤。
ナッチー「痛ったー、裕ちゃん、そんなに怒んなくても・・・」
その時、ナッチーの懐からポロっと何かが落ちた。
中澤「ん?何やねん、これ」
ナッチー「あああ!!!返すっしょ!!それは・・・」
中澤が拾い上げてみると、一枚の写真だった。
純朴で、やせ気味だが可愛らしい少女が写っていた。
中澤「誰やねん、これ。めっちゃ可愛いやんか。こりゃ即お持ち帰り級やで」
ナッチー「・・・・・それ、ナッチーだべ・・・」
中澤「そうかそうか・・・・って、ほんまかいな!?」
- 288 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月10日(日)15時44分52秒
- ナッチー「・・・・・昔の事だべ」
中澤「なんや色々ありそうやな。いっちょウチに話してみい」
ナッチーは語り出した。
それはまだ魔王軍の恐怖が世界を支配しようとしていた頃。
ムロランシティには1人の戦士がいた。
不良上がりで女癖は悪いが、実力は折り紙付きの戦士「オシオ」だ。
ナッチーはこの戦士オシオに憧れる1人の少女だった。
中澤「なるほど。恋する乙女は綺麗というしな・・・」
そしてオシオが魔王征伐の旅に出る前日、ナッチーはオシオの家に呼ばれた。
中澤「おお!?いきなりそんな・・・若さって怖いわぁ!」
ナッチー「呼ばれて一緒にプレステしただけっしょ!!」
中澤「ほんまいかいな(疑)」
そして、一晩明けて、オシオは旅立った。
ナッチーは祈った。オシオが無事に帰ってきてくれる事を。
しかし、ムロランシティにオシオが帰ってくる事はなかった。
ナッチー「それ以来、ナッチーは食べる事だけが幸せになったんだべ。
愛する人がいなくなった悲しみは、食べる事でしか癒されないべ。」
中澤「ま・・・まあ気持ちは良く分かるわ。(でもここまで変わらんでも・・)」
ナッチー「ナッチーはナッチーからオシオさんを奪った魔王を許さないべ!!」
中澤「そうや!その意気や!」
ナッチー「じゃ、その写真返して欲しいべ。ナッチーの大切な思い出だべさ」
中澤「ああ、しかし可愛いなあ・・・って・・・この後ろにちっちゃく写ってるこの娘は・・・」
ナッチー「・・・?ナッチー自分の事しか見てなかったからわからないべ。
何か写ってるんだべか?」
中澤「ほら、これ・・・」
写真には、美しい黒髪で、大きく目を見開いた少女が写っていた。
ナッチー「これ、カオリだべ!!なんで?」
中澤「こっちが聞きたいわ。」
ナッチー「そういえば、カオリと初めて会った時も、ナッチーとホッカイドー弁で話してたべ」
深まる勇者飯田の謎。
- 289 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)21時05分44秒
- よっすぃーと勇者飯田が修行に出かけている時、牧場に人がやってきた。
???「毎度〜、お酒届けに来ましたよ〜」
りんね「あ、マスターさん。いつもどうも〜」
ナッチー「ん、お客さんだべか?」
中澤「ここにお客さんやなんて、珍しいなー。…って、みっちゃんやないの!」
ミチーヨ「ん…?あれ、裕ちゃん!?なんでここにおるの?」
中澤「みっちゃんこそ、こんなところまで酒届けに来たんか?」
ミチーヨ「店も再建したし、ここらで出張酒場でもやろうと思ってたんよ」
ごま「あ、あの時の剣士かつマスターさん!久しぶり〜」
ミチーヨ「へ?あんた誰や?」
中澤「ああ、その子はあの時のアザラシや」
ミチーヨ「相変わらず冗談きついなぁ、裕ちゃん。もっと笑える冗談言いや」
中澤「いやあ、話すと長くなるなぁ…」
ミチーヨ「ところで勇者さんがおらへんけど、どうしたん?」
中澤「一度にそんな沢山聞かれてもわからんて…。まずはごまの説明からやな」
りんね「あの〜、お酒を…」
- 290 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)21時24分29秒
- ミチーヨ「大変だったんやなぁ、そんなに魔王軍に狙われてるんか…」
中澤「ホンマ、四天王相手にした時は氏ぬかと思ったわ」
ナッチー「そうだべ」
保田「ま、私は余裕だったけど」
石川「私は四天王の人とお友達になりました!」
矢口「(それは何度聞かされたことか…)」
ミチーヨ「ココナッツ四天王はうちも知ってるけど、あれに勝つなんてたいしたもんや」
ごま「ところでミチーヨさん、四天王つながりでボンバー四天王って知ってますか?」
ごまのその言葉を聞いたとき、ミチーヨの顔つきが変わった。
ミチーヨ「知ってるけど…何や?」
中澤「次はその連中と戦うと思うんやけど、みっちゃん何か情報ない?」
ミチーヨ「…そうやな、魔王軍と敵対してる限りあの連中とも戦うんやな」
矢口「あのさぁ、やっぱり強いの?そのボンバー四天王って」
ミチーヨ「かなり強いなー。元は別々の場所から集められたエリート集団やし」
中澤「それは初耳やな…」
ミチーヨ「役に立つかどうか知らんけど、ボンバーの情報なら多少教えられるで?」
保田「興味あるわ、聞かせて。私も名前しか聞いたことなくて…」
ミチーヨ「じゃあ言ってくわ。あくまでうちも聞いた話やけど…」
- 291 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)21時53分48秒
- ミチーヨ「まずは異種族の戦士、ルル。チャイナ大陸出身の実力派や」
中澤「チャイナ大陸はうちも知ってるわ。シャンハイ言う街があるんやろ?」
ミチーヨ「その通りや。で、強い相手を求めて自分の故郷を去ったらしいで。
あらゆる武器を瞬時に使いこなせる、と聞いたなぁ」
ごま「チャイナ大陸と言ったら武器で有名だもんねー。ヌンチャクとかもあそこが作ったんっだけ?」
矢口「そこの武器使いの中で敵がいなくなったから大陸を出たんだろうな」
保田「一大陸で最強、か…。よっすぃーと同じようなもんね」
Д<「説明だけで強さがよくわかるなぁ」
ミチーヨ「それで魔王軍のことを知り、入ったんやろうな。かといって魔王に取り入ってるわけでもない。
それはボンバー四天王全員に言えることやけどね」
ナッチー「で、なんで異種族なんだべ?チャイナ大陸と言っても種族まで違うとは思えないべ」
ミチーヨ「チャイナ人と言っても、純血チャイナ人は少ないらしいで。で、ルルは純血らしいわ。
それが珍しいから『異種族』と呼ばれてるみたいや。」
- 292 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)22時24分28秒
- ミチーヨ「次に魔法拳士信田美帆。この名前聞いたことあるの、いるんちゃうか?」
保田「あ、それって確か昔の世界女子格闘選手権の…」
ミチーヨ「そう、天才格闘少女や。その後は『ファイヤーガール』と呼ばれる集団に入った。
その優れた身のこなしには誰もが圧倒されるらしいで」
中澤「あー、あれはうちも憧れてたわ…。あの人が四天王やなんて信じられへんなー」
ミチーヨ「そしてその体さばきを買われて魔王にスカウトされたらしいわ。
今は昔以上の体さばきを持ってるらしいからなぁ…。年齢の垣根なんてないんやろうな」
中澤「それはうちも羨ましいわ。歳食うと動きが鈍なってなぁ…」
Д<「うちらの気にする話やないな」
辻「そうれすね」
中澤「おのれら、それはどういう意味や!」
辻「ひ〜、しわが増えるのれす」
中澤「なんやと!こういう時までふざけよってからに…!」
Д<「それ、逃げるで〜」
部屋を出て行く中澤とお子様二人。
ミチーヨ「…まぁ、続きいこか」
保田「…どうぞ」
- 293 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)22時53分22秒
- ミチーヨ「残り二人やな。次は召還士稲葉貴子。こいつは…って、圭ちゃんどうしたん?」
保田「いや、知人と名前が同じだなぁって…。まあいいわ、続けて」
ミチーヨ「わかった…。で、稲葉はさっき言った通り稲葉は召還士や。それも一度に何体も召還可能らしいわ」
ごま「でも召還ってさ、生身の人間が行なうには負担が大きすぎるよ。私でも恐くてできないもん」
保田「もちろん私もやらないわよ。あれは命削るし負担でかいからね」
ミチーヨ「ま、それができるから四天王なんやろ。とりあえず昔はOPDていうチームに所属してたらしいで」
その中でも特に天才肌で、何でもそつなくこなすと聞いたなー」
保田「天性の召還士、か…。なるべく相手にしたくないわね」
石川「あのー…石川の氷とかとは違うんですか?その召還って」
保田「全く違うわよ。物質じゃなくて意志のあるものを呼んでるんだから」
ごま「それだけに負担が大きいから、よほどのことがない限り使わないよ。
召還で戦うなんて考えるだけで恐いしね…」
矢口「よくわからないけど、凄いんだな…」
- 294 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)23時17分34秒
- ミチーヨ「で、最後に小湊美和やな。戦闘スタイルがまた…」
保田「…あの、みっちゃん…。それって名前間違ってないよね?」
ミチーヨ「名前は確かやで。何でそんなこと気にするんや?」
保田「いや、なんでもない…。ごめん、続けて」
ミチーヨ「変やなぁ、圭ちゃん…。ま、ええわ。とりあえず続けるで。
戦闘スタイルは東洋の踊りらしくて、武器は二丁の扇子…やったかな?」
ごま「ふ〜ん、変わってるね」
保田「…」
ミチーヨ「あと詳しいことは知らへん。戦う姿が舞うように見えるとは聞いたなぁ…」
石川「ロマンチックですね〜」
ナッチー「感心するところじゃないと思うべ…」
矢口「ま、これで4人全員のことがわかったね。余計恐くなったけどさ…」
ミチーヨ「うちも役に立てて嬉しいわ。…お、そろそろうちも帰る時間や」
ごま「うん、ありがとー。また酒場行くよ」
ミチーヨ「おおきに。じゃあ裕ちゃんによろしく言っといてや」
ミチーヨは牧場から去っていった。
ごま「いい情報聞けたなぁ…、で、圭ちゃんさあ、何で黙ってるの?」
保田「…へ?い、いや、なんでもないわよ。ちょっと眠いだけ」
ごま「ふ〜ん」
保田「(驚いたな…、あの二人って四天王だったんだ。やけに威圧感があると思ってたけど…)」
- 295 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月14日(木)23時36分11秒
- 保田「そういえばみっちゃんってさ、お酒届けに来たんじゃなかったっけ?」
りんね「そうですよ!皆さんが話し出したからお酒の銘柄聞く暇なかったじゃないですか〜」
ごま「あはは、ごめ〜ん。ちょっと懐かしくてさー」
矢口「とりあえず今ので敵を身近に感じたよ。これからの修行に身が入るね!キャハ!」
ナッチー「そういえば矢口、まだナッチーと勝負してないべ?今から勝負するべ!」
矢口「よーし、対四天王の修行も兼ねて勝負だ!表に出ろっ!」
矢口とナッチーは外へ出て行った。
保田「ねぇ石川、まだあんたの力をよく見てないんだけど…。今から見せてくれない?」
石川「…ということはお師匠さんと勝負ですか!?そんな急に…」
保田「いいじゃない。ていうか1対1で私に勝てないようじゃこの先やっていけないわよ」
石川「う〜ん…」
保田「とにかく私達も修行よ、表に出なさい。四天王に勝ちたいでしょ?」
石川「はい、わかりました…。手加減してくださいよ?」
保田「するわけないでしょ。じゃあ行くわよ」
石川「そんな〜!あ、ちょっと待ってくださいよ〜!」
石川と保田も外へ出て行った。
ごま「それじゃ〜私は…、寝よう」
- 296 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)05時35分33秒
- ちょうどそのとき、中澤が戻ってきた。
中澤「は〜、子供はええなあ。うちもう疲れたわ。ほんまに」
りんね「はっ、しまった。」
中澤「?、何をこそこそやってるんや?」
りんね「い、いいえー。」
中澤「そうや、酒!!!酒やな!しかもさっき銘柄わからんゆうてたな!」
りんね「(地獄耳?)あ、いいんですよ。(これはやばい。)」
中澤「ちょっと、貸しいや!スーパーソムリエールのうちがばっちりあてちゃる!」
りんね「(そりゃワインだって)あ!」
中澤「ごっごっごっ」
りんね「利き酒ってそんなにいっき飲みするもんじゃ、、、しかもラッパで」
中澤「ぷはーー。なんや、ごっつ美味いなー。水みたいに飲めるで。」
りんね「ちょっと、わかったんですか?っていうかもう返してください。」
中澤「いやや、飲むんや!飲まなきゃやってられんわ!
あんな子供達にまで馬鹿にされて、、、うちもうたえられんわ。。。」
りんね「・・・・・・・(やっちゃった、、、。もうしっかりつかんで離さない。
早くも目つきがおかしい、、。)」
- 297 名前:10分後 投稿日:2000年12月15日(金)05時57分05秒
- 10分後
中澤「矢口!!矢口はおらんのかい!?」
りんね「矢口さんなら外ですよ。(お酒また頼もう)」
中澤「なんや、つれないなー。そや、圭坊はどこや?一緒に飲むで!
ヨシターケさんも飲むで!」
りんね「保田さんも修行です。ヨシターケ様は雪かきしてます。
昼間っから飲んだくれてるのは中澤さんだけですよ。」
中澤「なんや。置いてけぼりかい。。。年寄はいっつもこうなんや。」
りんね「そんなこと言って、泣いてないでくださいよー。(こっちが困るじゃん)」
中澤「ぐすっ、泣いてなんかあらへん!うちも行く!うちも行くで!!」
ガタッ、立ちあがる中澤
りんね「はいはい。じゃ、お酒はもう終りにしましょうね。ってちょっと!」
中澤は酒を抱えたまま雪の中、外に出て行った。千鳥足で。。
りんね「(あのお酒、、もう戻って来ないね。。。)」
- 298 名前:矢口とナッチー 投稿日:2000年12月15日(金)06時06分15秒
- ボカスカボカスカ。決着つかず。
矢口「やるな!ナッチー!」
ナッチー「そっちも中々っしょ。でもナッチーの方が上だべ。まだ雷を使ってないべさ。」
矢口「そんならこっちだってまだ体力が赤くなってないもんね!」
?「やぐちーーーー!やーーぐちーーーーーーー!!!!」
ナッチー「なんか声がするべさ」
矢口「(ゾクゾク)、、、こ、、、この声は!!ゆ、、、ゆーこが来る!!
あのお酒、飲んだな!!は、早く隠れないと、、!?」
ナッチー「なんだべ!?そんなこと言って勝負から逃げ出そうったってそうはいかないべ!!」
矢口「違うよっ!生命の危機なんだよ!ナッチーも危ないよ。早くしないとゆーこが来るよ!」
ナッチー「あ、ゆうちゃん!どうしたんだべ?」
矢口「キャー!!呼ぶなよぉナッチー」
- 299 名前:矢口と中澤 投稿日:2000年12月15日(金)06時07分57秒
- 中澤「お!おったおった。やぐち〜。ナッチーも。」
ざっざっざっ、、、雪の中迫り来る中澤。
矢口「に、、に、に、、逃げるよナッチー」
走りだす矢口。しかし、
ナッチー「は、、速いべさ!!」
中澤は千鳥足のまま凄いスピードで矢口へと間を詰めた。
ナッチー「矢口より速いなんてびっくりだべ!」
ガシィ!中澤は矢口をとらえた。
矢口「いゃーーーーー!!」
中澤「なんや、露骨に嫌がらんでもええやないか!!」
矢口「な、、なんだよゆーこ、何しに来たんだよーー??」
中澤「???、、そーや、うちは何しにきたん?」
矢口「おいらに聞くなよー。」
中澤「ま、、、ええわ。」
矢口「その目つき!、、まさか、、、、いゃーー!」
中澤「大丈夫大丈夫。なんにも怖いことあらへん。」
矢口「わ、酒くさ、、、あ、キャーーーー!ング、、、」
ナッチー「(ガーーーーン!!)」
ナッチーはしばし立ちつくした。
- 300 名前:ナッチーと中澤 投稿日:2000年12月15日(金)06時11分15秒
- 矢口はぐったりとした。
中澤「あら?なんやーーー、もう終りなんかい。」
どさ。中澤は矢口をはなした。
ナッチー「(ブルブル、、、)」
中澤「ふっ、まだまだやな。矢口。んー、しかし、おさまりつかんなー。」
くるっと振りかえる中澤。にっこり微笑む。
中澤「ナッチー?こっちおいで!」
ナッチー「はっ、、、、い、嫌だべさ。に、、、逃げるべさ。」
ナッチーは逃げ出した。しかし回りこまれた。
ナッチー「しまったべさ!」
中澤「怖がらなくてもええよー。すぐ終わるからね〜。」
ナッチー「こうなったら立ち技最強格闘技「スモウ」のハリテを食らうべさ!」
スカッ、ふらふら、スカッ、ふらふら。
ナッチー「全然あたらないべさー。」
泣き入るナッチー。
中澤「うー、、、まわるまわる〜。うぷ。。。。うぇ〜。」
ナッチー「き、、、汚いべさ!」
中澤「うぅー、リバーシブル、リバーシブル。。。
なんの。ローマ人は飲むために吐き、吐くために飲む!!」
中澤は抱えた酒を天に掲げた。そしてそれを逆さにした。
中澤「ごっごっごっ」
ナッチー「ひ〜。」
ガシッ!中澤はナッチーをとらえた。
ナッチー「う、、、動けない。。。。いゃーーー!!」
中澤「大丈夫。すぐ済むすぐ済む。」
中澤はうっとりとした目つきでナッチーをみつめた。
- 301 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)10時58分51秒
- 部屋の中でマターリしている辻とあいぼん・・・すると
『キャーーーーーーーーーーーー』
『いゃーーーーーーーーーーーー』
辻「なんか・・・ひめいがきこえたのれす!!」
Д<「まさか・・・敵かいな!行くで!!」
辻とあいぼんは外へ飛び出した。
二人が見たものは・・・
- 302 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)11時03分07秒
- ぐったり倒れている矢口とナッチー。
辻「やぐちさん、どうしたのれすか?」
Д<「うぅ、酒くさいで」
矢口「ゆ・・・ゆ・・・危ない・・・逃げろ・・・ガクッ」
矢口は再び気を失った。
Д<「なんか・・・嫌な予感がするけど・・・」
すると再び、『キャーーーーーーーーーーーー
』
と、雪崩が起きそうな強烈な悲鳴が聞こえた。
辻「・・・」
Д<「・・・」
辻「りかちゃんれす!!」
- 303 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)11時25分52秒
- 辻とあいぼんが悲鳴のするほうへ駆けつけると・・・。
石川「キャーー
キャーー
キャーー
」
中澤「自分何やねん、そのピンクのスーツは!!可愛すぎるねん!!」
石川「キャーー
キャーー
キャーー
」
中澤「その声もたまらんわ!!」
辻「・・・」
Д<「・・・」
保田「ったく、せっかく修行の成果を見ようと思ったのに!」
この追いかけっこはしばらく続いたが・・・
正気に戻った中澤はまったく覚えていなかったという。
- 304 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)11時29分33秒
- 保田「・・・つまり、裕ちゃんが酔っ払うと、全ての能力があがるってわけね」
石川「・・・でも、敵味方の見境無く・・・」
保田「・・・やられちゃうわね」
石川「そういえば、お師匠様はやられてませんね(ぼそっ)」
保田「失礼しちゃうわね!!」
- 305 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)23時01分16秒
- それから数時間後
中澤「・・・・・頭いたぁ・・・・」
保田「あ、正気に戻ったわね。大丈夫?」
中澤「んん・・・・ちょっとつらいけど、大丈夫や・・・って、圭坊、今何時?」
保田「え?夜の8時だけど?どうかしたの?」
中澤「あかん!!急がな!!」
中澤は部屋を飛び出していった。
保田「え?待ち合わせでもあるの?・・・って、行っちゃった・・・」
牧場近くの森の中
平家「う〜さぶ。裕ちゃんいつまで待たせんねん。約束は6時やったのに・・・ぶつぶつ」
中澤「ああ〜みっちゃん、堪忍や!!」
平家「ふう、やっと来おった・・・遅いわ!!何してたん!?」
中澤「えっと・・・まあ、いろいろあって・・・」
- 306 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)23時16分15秒
- 平家「全く酷い話やで。あんたに言われてボンバーの秘密を探らされて・・・そのうえこんな・・・」
中澤「ああ、みっちゃん、ほんま堪忍や。ウチはあんたの忍者としての技量を見込んで・・・」
平家「まあ、ええわ。裕ちゃん等を助ける事は、世界を助ける事やさかいに。」
中澤「・・・・・それで・・・・例の物は・・・・」
平家「・・・・・持ってきたで。これをまた使うちゅうことは・・・」
中澤「もう、本気でやらなあかんちゅうことや。
今使ってるなまくら刀じゃ、ウチのメンバーでは足手まといになってしまう。
なんせ、伝説のバトルマスターよっすぃーまでいるからな。」
平家「そやな。で、これや。」
そういうと平家は、近くの木の上に飛び上がり、一本の太刀を中澤に手渡した。
刃渡りは2メートル近くあり、日本刀というには大きく、長すぎる豪刀である。
中澤「・・・・・こいつを持つのも、久し振りやな」
平家「一文字流免許皆伝、中澤裕子復活やな・・・」
中澤「・・・・・あとは、酒さえあれば、敵はおらんで!」
平家「ちょお!お酒はやめえや!あんた酔っぱらっとる時は強いけど・・・
とにかく、お酒だけはやめてえな。逆に迷惑になるで、ほんまに。」
中澤「そうかなあ、酒飲むと、ウチごっつ強くなるんやけど」
平家「強くなるにしても問題外や・・・さて、ウチはもう行くわ」
中澤「みっちゃん・・・おおきに。」
平家「・・・・・また何かわかったら報告するわ・・・へっくしょん!」
そういうと平家は森の中に消えていった。
- 307 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月15日(金)23時31分41秒
- 牧場で。
保田「あ、裕ちゃん帰ってきた。どこに行ってたの?」
中澤「ああ、ちょっと。」
ナッチ−「!?なんだべ!?その刀?なまらでっかいべ!!」
石川「力持ちのナッチーさん用の刀ですか?」
中澤「いや、ウチのや。」
よっすぃー「・・・・!!それは・・・備前国友安造合戦用斬馬刀!!
中澤さん・・・あなた・・・」
中澤「お、流石よっすぃー。刀には詳しいな。でもウチも貰い物だからわからんのよ」
よっすぃー「そ、そうですか・・・まさか中澤さんは・・・」
中澤「あ(焦)、ああ、そうや、矢口おるか?矢口!」
よっすぃー「(・・・中澤さんって・・・)」
矢口「げ!ゆーこ!!」
中澤「ん?どうしたんそんな顔して・・・」
矢口は中澤の顔を見ると涙ぐんで部屋から出ていってしまった。
中澤「なんやねん!ウチなんか悪い事したんか?」
辻「・・・・・れいぷみたいなものれすからね」
Д<「矢口はん、案外打たれ弱いんやな。意外や」
中澤「(・・・やばいやばい。よっすぃーはウチの正体に気付いてる。)」
- 308 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月18日(月)21時21分20秒
- 中澤「そういえばよっすぃー、いつ戻ってきたんや?」
保田「そうね。いつもならもっと遅くまで修行してるのに」
よっすぃー「ちょっと前ですよ。飯田さんがノビちゃったんで戻ってきました」
保田「ふ〜ん、それで圭織はもう厩舎で休んでるってわけね」
よっすぃー「そういうことです。…あ、それじゃあ私も失礼します」
よっすぃーはその場を去った。
ナッチー「圭織がノビるほどの修行をしたんだべか」
辻「たいへんなしゅぎょうだったんれすね」
保田「…ねぇ裕ちゃん、あっちって厩舎のある方向じゃないよね?」
保田はよっすぃーの歩いていった方向を指差して言った。
中澤「そらそうや。あっちにある建物言うたら牧草小屋だけやで?」
保田「そうよね、ありがと…」
そう言って保田はよっすぃーの歩いていった方向に向かった。
Д<「なんや、あの人。よくわからんなぁ」
ナッチー「圭ちゃんのことはいいから、早く飯にするべ。で、裕ちゃんはどうするべ?」
中澤「ああ、うちは軽く運動してから戻るわ。さき行っててや」
ナッチー「わかったべ」
ナッチー達は厩舎に向かっていった。
中澤「さあて…。久々やけどよろしく頼むで、相棒」
中澤は刀を持って、一人で修行を始めた。
- 309 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月18日(月)21時47分16秒
- よっすぃーは牧草小屋に一人で居た。いや、正しくは二人だろう。
よっすぃーは自分の中のもうひとつの人格『吉澤』と会話をしていた。
よっすぃー「だから…私達は共闘できないの?」
吉澤「(しつこい…。私はお前の戦い方に共感できない。だから共闘なんて不可能)」
よっすぃー「戦うこと自体は楽しいんでしょ?だったら、お互いに戦いを…」
吉澤「(戦うことは殺すことへの布石。違うと言うのか?)」
よっすぃー「違う!あんたは戦うことだけを純粋に楽しめないの!?」
吉澤「(奇麗事を並べても同じだ、お前も刀を持っている限りは命を懸けあいをしているんだ)」
よっすぃー「だからと言って殺すことだけを目的にするなんて…!」
吉澤「(殺さなければ殺される、それは常識だ。現にあのハワイ女との戦い…)」
よっすぃー「…どうしたの?急に黙って」
吉澤「(…前を見てみろ)」
よっすぃー「前を……! や、保田さん!」
保田「へぇ、それがあんたなりの答えってやつね。いいじゃない」
よっすぃー「…はい…。でも思ったようにはいかないです」
保田「そりゃそうね、強情な子だから…。で、悪いけど吉澤に代わってくれない?」
よっすぃー「えっ!?」
保田「あの子とはゆっくり話したことがないからさ…。お願いできる?」
よっすぃー「いいですけど…。気をつけて下さいね?」
保田「わかってるわよ」
よっすぃー「(…出て来て)」
よっすぃーがうつむくと、その瞬間周りの空気が一変した!
保田「ご登場ね…」
吉澤はゆっくりと顔を上げた。
吉澤「お久しぶり、保田さん」
- 310 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月18日(月)22時14分45秒
- 保田「久しぶりね、何年ぶりなのかしら」
吉澤「…で、なんでわざわざ私を起こしたの?」
保田「あのさぁ、あんた…。まだ恐がってるの?」
それを聞いて吉澤は表情を曇らせた。
吉澤「恐がってる…?」
保田「あんたは殺すのが楽しいんじゃなくて殺されるのが恐い。だから相手を殺す。
戦うことが殺すことの布石なんじゃなくて、恐怖を消すために殺す。違う?」
吉澤「…あんた、死にたいの?」
保田「図星でしょ?恐怖から逃げる方法が見つからないからあんたは人を…」
保田が言葉を続けようとした時、吉澤は保田に向かって刀を抜いていた!
しかし保田は同時に飛び退き吉澤の居合いを回避していた。
吉澤「続けるな、殺すぞ…!」
保田「やっぱり…。抜刀にキレがなかったわよ。恐怖心がないとまともに刀は振れない?」
吉澤「黙れ!」
保田「あんたは自分のことを『無人島に居たときの吉澤の意志』と思ってるみたいだけど、違うわ。
もしそうだとしたら、あんたはよっすぃーから体を奪った途端に見境なく人を殺すはず。
よっすぃー自身は気付いていないけど、あんたはよっすぃーの持つ恐怖心の塊。
それは命を失う恐怖。それを逆に殺すことで解消する。余計に本体のよっすぃーはあんたを恐れる。
そのサイクルが続いているから、あんたは半永久的に恐怖心と戦わなければいけない。
…こんなところでしょ、吉澤さん?」
吉澤「…」
保田「あんたとよっすぃーの両方が納得できる道、それは共闘しかないんじゃないかな。
でないと例のサイクルが続いて、本当に殺人狂になるわよ、あんた」
吉澤「…うるさい!私は私の思ったようにやる!誰にも口出しはされない!」
吉澤はそう言って深くうつむいた。同時に、また周りの空気が一変した。
- 311 名前:名無ディアー! 投稿日:2000年12月18日(月)22時22分04秒
- よっすぃー「…あ、保田さん…。どうでしたか?彼女と話してみて」
保田「ああ…、あんたはあっちの話を何故か聞けないのよね。まぁ結局ダメだったわ。
あそこまで強情だと私もまいっちゃうわよ」
よっすぃー「そうですか…。でも、ありがとうございます。また話し合ってみます」
保田「そう…。頑張ってね」
よっすぃー「はい。…それじゃあ今日はもう寝ることにします。明日も早いので」
保田「思えば圭織の修行してるのよね。それじゃ早めに寝た方がいいわよ」
よっすぃー「わかりました、じゃあおやすみなさい…」
保田「うん、おやすみ」
よっすぃーは厩舎に戻っていった。
保田「(よっすぃー、これはあんたの問題。正面から自分自身にぶつかって、本当の答えを出して。
そして『もう一人の自分』を助けてあげて…)」
保田も厩舎にゆっくりと向かっていった。
- 312 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)02時13分41秒
- 飯田「この前から、待ってって、まだ行くなって、かおりを引き止めるのはだれ?」
白い空が黒く変わりつつあった。夕食後、突然雪は雨に変わった。
ゴゴゴゴゴゴ、、、ゴロゴロ。
ピッシャーーーーーン!!ババババリバリバリ!!!
矢口「キヤーーーーーーー!!」
耳を塞いで叫ぶ矢口。
ザァァァァァァァアァアア
ナッチー「雨だべさ。ここではこの季節には珍しいべ。異常気象だべ。」
飯田「・・・・・・・」
ボーっと空を眺める飯田。
ごま「空が暗いと、なんか眠くなるね。。。。フワ、、、おやすみ〜、、、。」
"パッ"、言うが早いか、アザラシゴマに変わってしまった。
よっすぃー「あたしもお先に失礼します〜。」
ゴマを抱えてよっすぃーは寝室へとたった。
石川「まってくださーい。よっすぃーさーん」
よっすぃー「よっすぃーでいいよ。」
石川「そんな、よっすぃーさん
」
石川もよっすぃーに続いた。
保田「あんた達はまだ寝ないの?」
つじ「かみなりこわいれす。ねむれないれす。」
Д<「雷鳴るとわくわくするねん。寝てられんわ。」
ピカッ!ガラガシャーーーーン!!
- 313 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)02時18分02秒
- つじ「ひっ」
矢口「キャーーー!!!イヤーーーー!!」
中澤「矢口はほんーまに怖がりやな〜。」
Д<「ってゆか、はっきりいってうるさいわ。」
矢口「なんだよー、、」
ピカピカピカ
矢口「イヤーー!ウァーーー!!こーわーーーいぃ!!」
つじ「やぐちさん、まだなってないのれす。ほんとにこわがりれす。」
ゴゴゴゴゴーーーーン
矢口「ヒャーーーーー」
テーブルの下に隠れる矢口。
つじ「う、ひーーーん」
ナッチー「辻も人のこといえないべ。みんな臆病だべ。」
Д<「そういうナッチーは平気なんか?」
ナッチー「忘れてもらっちゃ困るっしょ。この作品の設定上、ナッチーは雷使いだべ。」
ゴロゴロゴロ
矢口「こーーわーいー!くぉーわぁあいーー!こぉわぁいぃいいぃ!!」
中澤「矢口、ちょっといいかげんにしいや!ほんまうるさいで!」
矢口「ちょっとナッチー、雷雲追い払ってよ〜!!」
ナッチー「いくらなんでもこの量は無理だべ。ナッチーも大自然にはかなわないべさ。」
Д<「役に立たない雷使いやな〜。」
ナッチー「あいぼんに言われたくないべ!さっきから震えてるくせに!」
Д<「怖くて振るえてんのとちゃうで!
うちは雷がなるとドキドキするねん。なんでやろ?血が騒ぐねん。」
保田「ガキねぇ。それは、どっかに落ちないか期待してるだけでしょ。
でも、本当に落ちると大変だけどね。」
中澤「そういえば、避雷針になりそうな人がここに一人いると思わん?」
全員が空を眺めつづける飯田を見た。
矢口「プッ、キャハハッ、、やめてよ〜ゆうこ〜。」
保田「避雷針って、、、ここに落ちたらなんの意味もないって。」
- 314 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)02時23分05秒
- ヨシターケ「よおうし、そんじゃぁ、
ヨシターケおじさんが、こんな夜にはぴったりの怪談話をしでやるべ。」
矢口「え?いやーだぁー!」
勇者飯田「はっ。。。。聞く!」
矢口「えーーーー!!なんだよかおりー!今まで話聞いてなかったくせに〜。」
勇者飯田「聞いてたよー。」
矢口「やめようよーやめようよー!」
中澤「面白そうやな。うちは聞いてもいいで!矢口は怖いんなら先に寝ていいで!」
矢口「やだよー。先ったって今は雷で眠れないし。ねぇ辻!?」
つじ「つじはききたいのれす。こわいはなしらいすきれす。
ねむれないからひまれすし。」
矢口「裏切りものー!余計眠れなくなるぞー!!」
Д<「うちも怪談、めっちゃ好きやねん!」
ナッチー「ナッチーもそういう話大好きだべさ。聞くべさ。」
矢口「怖いの嫌だよー。いやだよー、いやだよー、いやだよー」
中澤「うるさいっちゅうねん!」
結局、残っていたメンバーは全員話を聞くことになった。
ヨシターケ「そんじゃ始めるべ。」
一同「ごくっ」
- 315 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)02時33分53秒
- これは本当にあっだ話だ。それもこのすぐ近ぐの話なんだべ。
こっがら東側、ムロランシティどは逆の方向に11、2キロぐらい行ぐんだ。
まっすぐだべ。すっど、突然道が山道になんだ。
山深く深くにすすんでいぐ。だんだん道が細くなっで、
そしてついに、、、道がなぐなんだ。ぷっつりとだ。
何のためにのびた道だ?だれが通る理由があるんだべか?
いいや、ほんどはあっだんだ。うん年前から誰もとおらなぐなっちまった。
その先には、ある村があっだんだ。一夜にしてなぐなっだ村がな。
魔物に襲われ焼げちまっだんだそうだ。
矢口「はっ、、え、、、、」
中澤「なんやねん矢口、もう怖がってるんか?まだ始まったばっかりやん。」
矢口「ち、、、違うよっ。」
勇者飯田「・・・・・・・・・」
ジーっとヨシターケを見つめる飯田。
なぐなった村には、誰も行がなぐなっちまっだ。そして何ヶ月も時が流れだ。
ある時から、その村に真っ赤な炎に包まれた幽霊が出るっつう噂がたっだんだ。
だが、本当に自分が見に行っだと言うもんはいながった。
正体は魔物か?ども思われだ。それを恐れで、調べに行こうってもんはいながった。
しがし、ムロランシティには勇敢な若者達がいでな。
- 316 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)02時42分22秒
- 勇者飯田「うんうん、、、、。」
Д<「わかったで!そいつら全員見に行ったきり帰ってけえへんかったんや!」
つじ「わ!あいぼんすごいれすね。」
ナッチー「なーんだ、そんならナッチーの知ってる話の方が断然怖いべさ。」
Д<「そんで、そこに行った奴は誰も帰って来れないんや!」
中澤「落ち先にいうなやー!!で、ほんとにそうなん?」
ヨシターケ「ちっとちがうな。」
Д<「なんやー、違うんかい」
つじ「はずれてしまったのれす。」
勇者飯田「先!、、、先聞かせて!お願い。」
保田「?」
つじ「ゆうしゃさま?」
矢口「・・・・・・・」
ヨシターケ「お、、、おう、じゃ続きいぐべ。」
飯田の真剣な目におされ、またヨシターケは話し出した。
ついに、好奇心旺盛な二人の若者が行っだんだ。
ムロランシティがら歩いで、そんで山道に入っで。いづしか、その山道も終わっで、
もう、けもの道みたいになっぢまっだ道を二人で歩いだ。進んで進んで、
二人は村があるなんてこど自体、嘘だっだんじゃないがっで思っだ。
その時、視界が開けだ。村はあっだ。そごには、、、、
つじ「そ、そこには?」
焼けて崩れ落ちた家が何軒もあっだ。そんで、そこには幽霊はいながっだ。
魔物の気配はながっだ。誰の気配もながっだ。そこはたんなる廃墟だっだ。
全で焼け崩れた後の様に見えだ。大火事でもあっだんだ。そうその若者達は思っだ。
寂しぐ、寒けを感じだ。
- 317 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)02時50分02秒
- Д<「なんやー。まさかお終いやないやろな?!
怖いとこどころかお約束も無いんかい!」
ヨシターケ「まあまで」
その時、矢口はそわそわしていた。
中澤「なんや、部屋に戻るんかい?そうはいかんでー。」
中澤は矢口を引き寄せた。
中澤「ここまできたら最後までききいや!」
矢口は嫌そうな顔を見せた。それはほんの一瞬で、中澤以外は気づかなかった。
中澤「?(冗談やのに)」
ようこそ!
突然、そう聞こえた気がしだ。はっとしで、二人はあだりを見まわしだ。
そごには、今まで廃墟しかながった村はなぐ、
家は綺麗に立ち並び、人は行き交う普通の村があった。
二人はわけがわがらなくなっだ。お互いにさっきまで廃墟だっだよな、
間違い無いよな、と話あっだ。
二人は村を歩ぎまわっだ。村っちゅうにはずいぶん広い、活気ある村だった。
しがし、当然信じられながっだ。二人は、とりあえず村人に話を聞いてみることにしだ。
通りすぎる女性に声をかけるど、、、
若者1「すいませーん、ここっていったい??魔物に襲われたって、」
女性「あら、よその方ですね。この村にようこそ。良い村でしょう。」
若者2「あ、はいそうですね。えっと、、、」
その女性の笑顔におされ、なんだか若者達は聞きづらくなっだ。
しがし、
女性「でも、今日はとっても暑いですね。」
若者「え?」
冬だっていうのに?
そう言おうとしだ瞬間、視界の色が変わっだ。
あたり一面、真っ赤な火に包まれていだ。
- 318 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)03時00分05秒
- Д<「今度こそそいつら帰って来なかったんや!」
中澤「ええかげんにせーーー!」
ぐにー!あいぼんのほっぺたをつねって引っ張る中澤
Д<「ひででで、、、いたいガナ、いたいガナ、、、」
気がつくと目の前にはその女性はいなかっだ。
そして、燃えているのは最初に見た廃墟だっだ。
もうこれ以上、燃える物なんて無さそうなのに、高い火で覆われている。
二人は逃げ出しだ。不可解な出来事と、火そのものがら。
二人は息を切らして盲目的に走っだ。
が、一人は突然、隣の相方がいないことに気づいた。
しまっだと思っで後ろを振り向ぐど、相方なんとすぐ1歩後ろで火にまかれていだ。
「ぎゃああああ!助けてくれええ!!」
叫び声をあげ、火にまがれたまま手を差し出してきだ。
しかし差し出された方は、「ひいいい、ち、、近づくな!」
ととっさに言っだんだそうだ。そしで、男は焼かれたそいつを見捨てて逃げようとしだ。
「た、助けてくれよー、置いて行かないでくれよー。」
と叫びながら追い掛けて来る、火達磨の男から必死で逃げだ。
耳を塞ぎながら逃げだ。山道を逃げだ。どう逃げたかもわがんねえ。
が、公道に出だ。男は一人だけ助かっだ。焼かれだ男をその後見た者はいねえ。
助かっだ男は、町の人々にその恐怖を語っだ。
そしで誰も、その村には近づかなぐなっだっでわけだ。
- 319 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)03時03分48秒
- Д<「なんやあ、やっぱりありきたりな話やな。」
中澤「落ちとフリを逆にするとええんちゃうかな?
とりあえず噂の場所に行ってみたらこんなことがあった。
んで、後で調べてみたら、そこは昔、魔物に襲われた村だった。とかさ。」
保田「って、いかにしたら怖いかっていう演出を話してるわけじゃないでしょ。」
ナッチー「ナッチーの話しはもっともーっと怖いべ。次はナッチーがやるべさ。」
ヨシターケ「まだ落ちは続いてるべ。
その生き残った男、それから毎晩、燃えた相方が自分を迎えに来るんだと
周りに言い出したんだ。
そんなわけねえだろ馬鹿めと言われで相手にゃされなかったんだが、
だんだんと、そいづはげっそりやせ細り、いづしか、そいづは狂って死んじまった。」
つじ「そ、、、それはちょっとこわいれす」
保田「なるほど。きっと、見捨てて逃げた罪悪感が心に残り、
夢にでも見たのね。そういう教訓まがいの含まれた話しだったわけね。」
中澤「そういうこと言われちゃうと冷めるなー。ほんま」
ヨシターケ「まったぐ。最近の娘っ子達は素直じゃないべな。」
保田「それは悪かったわね。でも、いつもならまっ先にこういうこと言いそうな、
自称大人さんが黙ったままだけど?」
- 320 名前:耳元でささやく声@ 投稿日:2000年12月20日(水)03時07分46秒
- 中澤「そういえばそうやな。」
矢口「・・・・・・・」
勇者飯田「・・・・・・」
矢口は目の焦点の定まらない飯田を見ていた。
中澤「わっ!!」
大声を出して矢口をゆする中澤。
矢口「はっ!!あ、、びっくりした!!」
中澤「何してんねん自分?かおりみたいにボーっとして、、。
(なんや、リアクション薄いな)」
矢口「ああ、、、ああいやぁ、、、怖くってさ。あ、、ははっ。」
中澤「・・・・(こりゃ怪しいな、、、。)」
Д<「んじゃそろそろ、今日はこれでお開きやな。」
ナッチー「待つべさ!ナッチーが話すっしょ。」
Д<「うちもう、今の話し聞いてたら眠くなったわ。おりるで。」
保田「そろそろ私も寝るわ。」
ナッチー「それは残念だベー。」
中澤「まああんたの話しは今度ゆっくり聞くわ。」
ヨシターケ「そうするべそうするべ。」
ナッチー「んー、しょうがないべさ。今度絶対聞くっしょ?」
それぞれ、各々の寝室へと別れた。
- 321 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時06分32秒
- 飯田は自分の部屋に戻った。
勇者飯田「無くなった村、魔物、火事、目の前で燃える仲間、すぐ近く、、、
(なんでこんなに気になるんだろ?ドキドキするんだろ?
ヨシターケさんの話がほんとのこととは限らないし、
それに、かおりがそこに住んでいたとは限らないんだ。
きっと気のせいだ。)」
窓から外を見つめる。
勇者飯田(雨やんだぁ。静かだな〜。こんなときは無音でマッタリ、、、。)
ベッドに倒れこみ、、しばしボーっとしたかのように見える飯田。
勇者飯田「できない。マッタリしてられない。。。やっぱり気になる。
誰かが、ヨシターケさんの話を聞けって言ったんだ。
そして今度は、そこに行けって、行かなきゃだめだって言ってる。」
飯田は立ち上がった。
勇者飯田「行こう。行けばわかるじゃん。かおりの過去があるのかどうか。
迷って何もせずに、すっきりしないで後悔するより、
行って何もなかったらなかったで、すっきりしてから後悔した方がいいよね!!」
飯田は、部屋に置いておいた剣を手にとった。
- 322 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時11分14秒
- 辻とあいぼんは部屋に戻った。辻はあいぼんにしがみついている。
つじ「いっしょにねるのれす。あいぼん」
Д<「ええよー。実はうちもけっこー怖かってん。」
つじ「こわかったれすねー。あいぼん。こわくてねむれないれす。」
Д<「そやなー、なんつーか、ヨシターケはんの顔が一番怖いんや!」
つじ「そうれす。あのかおとことばでああいうはなしされると、、。」
Д<「そ、、、、そや、、なー、、、。」
つじ「ん、あいぼん?」
Д<「・・・・・・・」
つじ「あいぼーん!?」
Д<「くかーーー・・・・・」
つじ「あ、あいぼん、もうねてるのれす!!
Д<「・・・・・」
つじ「はやすぎるれす。ひどいれす〜。」
辻は怖くなり、ベッドに潜り込んでもじもじ動いた。
本当はいくらも時間がたっていないのだが、眠れない辻には長く感じる。
つじ「うぅ。やっぱりー、こわいのれす。
そうれす!ゆうしゃさまのところにいくれす。いっしょにねるのれす。」
そう思いたった辻は勢いよくベッドから飛び出し、自分達の部屋を出て飯田の部屋に向かった。
- 323 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時21分15秒
- 廊下を歩き、次の角を曲がれば飯田の部屋。
角を曲がる前、辻は思わず小走りになった。
バタッ!飯田の部屋のドアが開く音がした。
ビクッ。辻がびっくりすると、飯田が部屋を飛び出してきた。
つじ「あ、、、ゆ、ゆうしゃさま?」
ちょうどよく出てきて、なんだかちょっと嬉しい辻。
が、飯田は辻には気づかず、裏口の方に走り出した。
つじ「ゆうしゃさま〜〜!!」
辻は思わず追いかけた。
つじ「ゆうしゃさま〜、どこにいくのれすか〜?」
飯田は辻には気づかない。さっと靴を履くと、扉を開け、かけ出した。
バシャバシャバシャバシャ、雨はやんでいたが、水溜りやぬかるんだ土を蹴る音がなる。
辻も急いで靴を履き、飯田の後を追いかけた。
つじ「ゆうしゃさま〜!!(ど、どこいくんれしょう?)」
パシャパシャ、、、。
あんまり深く考えず追いかける辻。
- 324 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時35分54秒
- ?「かお、ちょっと待って」
勇者飯田「ん、なーに?かおりの剣」
かおりの剣「ヨシターケさんからどんな話を聞いたのか知らないけど、
これから、過去を探しに行くんでしょ?」
勇者飯田「そうだよ。」
かおりの剣「ねえ、いいの?本当にこのまま進んで?」
勇者飯田「どうしてそんなこときくの?かおりは、かおりの過去が知りたい」
かおりの剣「うん。確かにこのまま進めば思い出すかもしれない。
でも、忘れた過去を思い出すってことは、いいことばかりじゃないよ。
辛いことかもしれないんだよ。」
勇者飯田「うん。実は、そんな予感はしてる。」
かおりの剣「じゃあ、、なんで、、、」
勇者飯田「でも、目をそらしてばっかじゃいけないと思うから。
なんとなく、よっすぃーの話を聞いたとき、
本当になんとなくだけど、、かおりに似てる気がした。
よっすぃーは過去を受け止めて生きてるよ。今度はかおりの番だとおもう。」
- 325 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時39分48秒
- かおりの剣「辛い、辛い、とっても辛い、忘れてしまいたかったことでも?」
少しだけ顔を曇らせながる飯田。
勇者飯田「うん。正直いって、怖いよ。何があったのか知ることは。
でも、大丈夫だよ。今はかおりは一人じゃない。支えてくれるみんながいる。
よっすぃーにも言ったように、みんなを信じてる。
そしてみんながいるかおりを、自分自身を信じなきゃいけないと思う。
それに、かおりが勇者である理由。
それを知らずにこれから先進むのは間違ってると思う。
勇者なんだから、勇気をもって見なきゃいけない。」
かおりの剣「そっか。決意は固いんだね。じゃ、行こう。あたしもついてるからね。」
勇者飯田「うん。」
飯田は、笑顔で返事を返した。
かおりの剣「(あれ?誰かついて来てる?気のせいかな?)」
勇者飯田「(それにしても、、考えたら、近いって言ってたけど10キロ以上あるんだ。
十分遠いなあ、、。しかも足を取られるぬかるんだ道、、大丈夫かな?)」
- 326 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時44分30秒
- つじ「はぁはぁ、、、。」
だんだんと前に行く飯田とは差がつき始めた。
つじ「はぁはぁはぁ、、(ゆうしゃさま、あしはやいれす〜。)」
思わず立ち止まる辻、
つじ「あ、、、、おいつけないれす。それにこっちのほうこうってもしかして、、、」
辻はふとさっきの話しのことを思い出した。確かに、裏口から東に来ているはずだった。
つじ「こ、、、こわいれす。もどったほうがいいれしょうか?」
あたりを見まわしてみる。
つじ「・・・・・・・」
そのときになって初めて、
周りが深い暗闇におおわれてることがわかる。
つじ「ひっ」
ザワザワザワザワ、、、。草木の音が聞こえる。
ひゅうぅぅううううう、、、。風の音が聞こえる。
辻の後ろには長く暗い道が続いている。
つじ「ひーーーん。」
パシャパシャパシャ、、、
結局、いまだ少しだけ見える飯田の姿を追いかけることにしてしまった。
- 327 名前:耳元でささやく声A 投稿日:2000年12月22日(金)00時47分43秒
- 矢口「かおり、、、。行っちゃった。」
窓から、矢口は走っていく飯田を見ていた。
中澤「やーぐーちっ!」
中澤は矢口を見張っていた。
矢口「あ、ゆうちゃん。なあに?」
中澤「なあに?やないで!かおり見とったやろ?
なんやおかしいと思ってたんや。そうしたら見てみい、走って行っちゃったやん。
さ、説明してもらうで。ええな!」
矢口「あちゃー、ばれたか、、、。」
二人はもう誰もいない食卓の方へ戻った。
二人は辻には気付かなかった。
- 328 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)01時56分53秒
- 長い長い道のりだった。しかし、あっという間に来ている気もした。
山道も途切れ、言われたとおり、けもの道のような道が続いた。
勇者飯田(んー、、、このまんまじゃほんとに遭難しちゃうよ、、、。)
草をかき分けて進む。ガサガサガサ、、、
突然、ぱっと視界が開けた。
勇者飯田「!!!
ここ??、、、ほんとにあった。嘘じゃなかった。これが滅びた村??」
そこには廃墟があった。
勇者飯田「ここにかおりの過去がある?この村に住んでた?ほんとに?」
かおりの剣「?、思い出さないの?」
勇者飯田「・・・・うん。まだなんにも。。。気のせいだったのかな?」
正面の通りの両側に崩れた家が何軒も広がっている。
崩れ書けた看板がみえた。「手稲村」
勇者飯田「あ、看板がある。壊れかけてよく見えない。シュ、、イナ?」
?「テイネ村。だよ。」
勇者飯田「そうだ。そうそう、テイネ村だった。思い出した。
やっぱり知ってるんだかおりは。この村を。
にしてもかおりの剣、よく知ってるねー。」
かおりの剣「??、あたし何も言ってないよ。」
勇者飯田「あれ?じゃあ誰が?まあいいか。いつものことだし。」
かおりの剣「(ぉぃぉぃ)」
- 329 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)02時00分46秒
- 飯田は正面の道をまっすぐに歩いた。
勇者飯田「不思議な気分。なんだか、お帰りって言われてる気がする。
暗くて、建物は壊れてて、誰もいないはずなのに、誰かの気配を感じる。」
かおりの剣「・・・・・(怖いこと言うなー)」
勇者飯田「村なんていうけど、ずいぶん広いんだね。あ、公園もある。」
かおりの剣「ほんとだ。(あれ?なんだか見覚えがあるような、、、)」
その時、三つ先の角に何か動く物が見えた。
勇者飯田「??、なんだろ?行ってみよう。」
かおりの剣「う、うん。。。
(なんか、ずっと前にも来たような、、私の方に記憶が蘇ってくるみたい、、)」
飯田はすぐに追いかけた。
勇者飯田「ここは?」
角を曲がると、そこには1本の川が流れていた。
勇者飯田「川、、、、はっ。。。覚えてる。思い出す。」
飯田は川を覗きこんだ。月の光で自分の顔が映し出された。
勇者飯田「遊んだんだ。昔、ここで。一人で?誰かと??」
勇者飯田は考えこんだ。かおりの剣も考えこんでいた。しばらくして、
ガササッ。再び後ろで音がした。
勇者飯田「誰?やっぱり誰かいる?」
振り向く飯田。
勇者飯田「女の子?」
その「誰か」はすぐに別の角を曲がって行ってしまった。
飯田はまた追いかけ、続いて曲がる。
- 330 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)02時05分13秒
- 少々まっすぐ走り、突き当たった場所で立ち止まった。もういなかった。
勇者飯田「はぁ、はぁ、、、もう、、なんなんだろ?あれ?」
見失った少女を探そうと、その場所を見渡した。
勇者飯田「あ、、あれ?」
頭によぎった。
勇者飯田「ここは、、、、ここ、、、、家だ!!かおりの家だ!」
腐れかけた瓦礫の山だった。しかし、飯田は手当たり次第にあたりを探し始めた。
かおりの剣「ほ、、、ほんと!?」
勇者飯田「ほんとだよ。間違いないよ。記憶が戻りそうなの。探さないと!」
ぱっぱっぱっ!適当にその辺の土を払う。
勇者飯田「何かない?何か、何か、何か、、」
ガサガサガサ、バキバキ、梁のようなものをどける。
勇者飯田「うーーーん。よいしょっ。」
ドカッ!!しかしほとんどの物は灰と化し、金属すら溶け、わからない。
勇者飯田「何もない。わかんないのかな?何も。。でも、、、みつけないと!」
あきらめきれない飯田は、探しつづけた。
かおりの剣「かおり、、。」
そしてとうとう、焼け残った物を見つけた。
- 331 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)02時08分13秒
- 勇者飯田「ああっ!!」
それは2つのコップだった。
勇者飯田「おんなじだ!おんなじコップだ!
かおり、誰かと住んでたんだ。家族がいたんだ。」
勇者飯田「家族、、、誰か、、、、二人で、、、、、はっ!!」
突然、息が詰まりそうになった。
目の前にある大きくて黒くて重い壁が、パッと無くなる様な気分だった。
突然、多くの映像が頭によぎった。
勇者飯田「思い出した!この家で!!!」
それは、幼き日の妹と過した幸せな日々。。。
二人で遊んだ記憶。二人で一緒に寝た記憶。
ちょっといたずら好きな妹をしかった記憶。
でも甘えん坊で、許してあげると大喜びしてた妹の記憶。
妹「とも」の記憶、、。
- 332 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)02時12分49秒
- その時、家のむこう側にまたさっきの少女が見えた。
勇者飯田「あなたは、、、」
三度追いかける飯田。
勇者飯田「待って!待って!!」
5分も追いかけるうち、その少女は姿を消した。
勇者飯田(はぁはぁ、、また、、、見失っちゃった。。。ここは???)
最初に見かけた公園だった。
勇者飯田「今まで、川と家に導いてくれた。
じゃあ今度は、、、ここに連れてきたかったのかな?」
なんとなく、飯田は錆びたブランコに腰かけた。
勇者飯田「ここに座って、あの子と二人乗りした。ふふふっ」
懐かしい思い出がまたよみがえる。
勇者飯田「すっかり壊れちゃって、もうゆれないね。」
ぎぃいいいい!音を立ててブランコがきしむ。
勇者飯田「楽しかったんだなあ。でもなんで、忘れちゃったんだろう?
まだ、一番大事なことを思い出してないみたい。
あんなに大切な、ともちゃんはどこいっちゃったんだろ?」
飯田はしばし考えこんだ。突然また音がした。
飯田ははっとして顔を上げた。
今度はなんと正面に、こちらを見て、その少女が立っていた。
飯田はその顔を見た。同時に驚いた。そして立ちあがり叫んだ。
勇者飯田「ともちゃん!ともちゃんだったんだね!!!」
少女は微笑んだ。
とも「おかえり。おねえちゃん。」
- 333 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)02時18分12秒
- 勇者飯田「・・・・・・」
いくつもの考えが頭をよぎった。
ずっとここにいたの?どうしてかおりは忘れてたの?ごめんね。何があったの?
どれも、声にはならなかった。
ただ、抱きしめたかった。だから走った。
どっ、ずしゃっ!
飯田はブランコのさくにつまずいて転んだ。気にならない。
起きあがって近づき、目を閉じ、抱きしめる。
勇者飯田「ともちゃんっ!!」
しかし、飯田の腕は空を切り、何も感触が残らなかった。そこには誰もいなかった。
勇者飯田「ともちゃん?、、ともちゃん?、、、どうして、、?」
飯田は自分の腕を見た。そしてあたりも見まわした。いなかった。
また、滅びた村が目に入るだけだった。
勇者飯田「もしかしてもう??」
もういない妹、滅びた村、、。
勇者飯田「!!!」
飯田は氷ついた。鍵がはずれたように、、、
全てが流れ込んできた。そしてあふれ出てきた。
あの日の記憶。
勇者飯田「ぁぁぁ、、、」
飯田は頭を抱えた。
- 334 名前:耳元でささやく声B 投稿日:2000年12月23日(土)02時21分11秒
- 一方、この直前、かおりの剣も考えていた。
かおりの剣(この公園、、、思い出した!
ここって、あの時の。じゃあ、かおりは、、、もしかしてあの、、)
- 335 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)05時37分53秒
- 両親はいない。その日も、かおりは二人分の朝食をつくっていた。
ジュ〜。フライパンから音が上がる。
とも「お姉ちゃん。おはよ。」
かおり「うんっ。おはよー。ともちゃん。ちょっと待ってね。先、学校行く準備してて。」
とも「テレビ見てる。」
かおり「いいけど、遅れないように準備しなきゃダメだよ。」
とも「はーい。」
チーン、、トースターが終了の音をたてる。
テレビ「・・・・・・」
けっして広い家ではないが、テレビの音はキッチンまではほとんど届かない。
ピーー、ポットからも音がする。
かおり「できたっ。」
二人分のハムエッグ、ホットミルク、トーストを食卓に運ぶ。
かおり「はいっ。めしあがれ。いただきまーす。」
とも「いただきまーす。」
- 336 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)05時40分09秒
- かおり「あれ?テレビ止めちゃったの?」
とも「だって暗いニュースばっかでつまんないっしょや。」
かおり「なんか言ってた?」
とも「国境の町、また魔王軍と戦ってるらしいよ。」
かおり「やだねー。戦争なんて意味ないっしょ。どうしてそんなことしてるのかな?
平和が一番。ラブアンドピースなんだよ。」
とも「それができたら苦労しないさ。」
かおり「できないことないんじゃん?戦うのやめるくらい。」
とも「何言ってんの?魔王があの町に攻めこんできてるんだよ。
追い払わないと占領されちゃうんだよ。
戦わないともっと人が殺されるかもしれないんだよ。
だから戦争してるんじゃん。」
かおり「うーん。話し合いで解決できないのかなあ?
お互いの言い分を出しあってさ。
ほら、魔王軍だってさ、きっといーっぱいしぬんだよ。戦争で。
それなのに攻めこんでくる理由があるわけじゃん。」
とも「あのね。世の中おねえちゃんみたいに優しい人ばっかりじゃないんだよ。
魔王は悪い奴なの。話し合いになんかならないよー。」
- 337 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)05時43分47秒
- かおり「あ、降参しちゃえばいいんじゃない?そんなに酷いことしないでしょ。」
とも「だから悪い奴なんだってば!降参なんかしたらどうなっちゃうか。
攻めて来る理由だって、たぶん世界征服が目的なんだよ。
そんな悪い奴は戦ってでもこらしめないといけないんだよ。」
かおり「あははっ。ともは厳しいねー。」
とも「これが普通だよっ。それに、あの町、占領されちゃったら、
もしかしたらこの村にも魔王軍来るかもしれないよ。だから、、、」
かおり「それは嫌だねー。かおりも怖いなー。」
とも「だから、抵抗するしかないんだよ。
そして、魔王をやっつけるしかないんだよ。
あたし、勇者になろーと思ってるんだ!魔王をやっつけるっしょ。」
かおり「え、、え〜?勇者?初めて聞いたよぉ!!
なんでー。剣なんか振りまわして危ないしょや。
かおりは、ともちゃんにそんな野蛮な人になってほしくないよ。」
とも「あまーーーい!やっぱり甘すぎるぅ。
今の時代、剣がなかったら生きていけないよー。」
かおり「そう?でも、誰かを傷つけたりしたら、おねえちゃんともを許さないからねー。」
かおりは片手でホットミルクを飲みながら、もう一方の手でともを指差し、
ちょっと目を細めてその指をくるくると回した。
とも「んもー。なんだか話通じないなあ。
おねえちゃんに言っても無駄だったよっ。
あたしが自分で修行して。そんでおねえちゃんを、、、」
かおり「ん?かおりを?」
とも「んうーーー。なんでもないっ。行ってきます。」
ともは席をたった。
かおり「あ、こらっ。ごちそうさまは?」
とも「ごちそうさまーーー。」
ともは走って行ってしまった。
- 338 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)05時50分24秒
- かおり「ったくもう。、、さてと、かおりもそろそろ行かないと。」
かちゃかちゃ。かおりは後片付けをした。
かおり(あら?もーーー、忘れ物するなって言ってんのに。)
作文用紙が一枚、テーブルのしたに落ちていた。
かおり(?、私の夢?もしかして、勇者になりたいっていってたあれ?
いいや、読んじゃえ。どれどれ、、、)
作文「私の夢
わたしは、ゆうかんにたたかう勇者になろうと思います。
お姉ちゃんをまもるためです。
お姉ちゃんわわたしをずっと守ってくれました。
お母さんとお父さんがしんじゃってから、
ずっとせわしてくれたやさしいお姉ちゃんです。
やさしいお姉ちゃんはせんそうがきらいです。人をきずつけるのがきらいです。
でも、今はまおうぐんとたたかわなければいけません。
だから、わたしがたたかいます。
おねえちゃんのかわりにおねえちゃんの分までたたかいます。
いつもやさしいお姉ちゃんが大好きです。」
かおり「あらら、これだけー?短いね。
それに口は達者なくせに文章まだまだだし。「わ」は間違えてるし。
まだ下書きなのかな?
でも、、、ふふっ。かわいいこと書くじゃん。かおりのためだったんだ!
まだまだ、かおりがいないと何にもできないくせにねー。」
かおりは作文をともの机の上においた。
かおり「見なかったことにしといてあげるよ。。あっ、しまった。はやくしなきゃ。」
かおりも家を出た。
かおり(やさしいって言うけど、そんなにやさしいお姉ちゃんかな?
んー、厳しくもしてるはずなのになー。
ともちゃんにはもっともっと優しい人になって欲しいんだけどなー。
でも、夢はかなえさせてあげたいな。ともちゃんならね、きっとなれるよ。勇者。)
- 339 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)05時52分49秒
- その日、夕方近くになって、学校に「国境の町が陥落した」というニュースが舞い込んだ。
この村は最前線からはそれなりに離れている。が、念の為この村にも軍が来ることとなった。
学校では一度全員解散し、この村に国の防衛軍が来て、安全が確認されるまで、
生徒は自宅で待機することになった。
- 340 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時28分29秒
- かおり達も家に戻った。
かおり「お帰り〜。」
とも「あ、先に着いてたんだ。ただいま〜。
??
どしたの?非常事態かもしれないってのに、ニヤニヤして。」
かおり「なんもだ。」
ニコニコしながらともを見るかおり。
二人は特に危機感もなく、少し早い夕方をマッタリと過した。
- 341 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時31分44秒
- 夜、状況は一変した。
突然サイレンが鳴ってかおりとともは起きた。二人は外に出た。
ごぉぉおおおおぉおおおお、、、サイレンよりもうるさい音がなっている。
とも「え?」
かおり「これって、、」
あたり一面が火に包まれていた。バチバチと音を立てている。
高い火が、視界を真っ赤に染めている。
二人は最初、呆然として動けなかった。
とも「なに、、、何これ??」
かおり「火事、、、、魔王軍が来たっていういの?それで、、村が燃やされた??」
とも「何なの??、、ど、、、どうしよう?、、、どうしよう?」
ともは震えていた。かおりも膝が震えていたが、手で必死におさえつけた。
かおり「に、、、逃げよう!逃げないと!」
かおりはともの手を引っ張って火の来ていない方へ2、3歩かけだした。
とも「で、、、でもどこに?逃げ場なんて、、、」
かおりは立ち止まった。
かおり「そうだ、、どこに、、、」
振り向くと、火は自分達の家の2軒先から続いて、見える限りの場所までをつつんでいる。
そして、着実にこっちへと迫ってきている。
二人はその炎をじっと見つめた。
- 342 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時34分00秒
- このとき、二人は知らなかったのだが、
魔王はドラゴン等を使い、空からこの村を急襲した。
魔王は国境に拠点をしいた後、
空中からいつでも、どこへでも攻めることができることを見せ、この国を脅したのだ。
その矛先が、たまたま、この村だった。
奇襲を受けた村は、一夜にして壊滅。多くの氏者が出ることとなった。
- 343 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時37分09秒
- かおりはともを見た。ともは瞬きもせず、炎を見つめている。
かおり(かおりが、冷静じゃないといけない。しっかりしろかおり!
どうする?どうする?落ち着いて!
火事の時、非難するのは学校なんだ。
でも、、火はそっちの方から来てる。。。。)
火が、自分の家にさしかかっていた。
かおり「そうだ!公園に行こう!あそこなら燃えるものないから平気だよ!」
とも「あ、うちが、、、うちが燃えちゃう。」
かおり「あ、、、かおり達の、うちが、、、」
とも「あ、、、あ、、、あっ、、、うちが、、うちが、、、、」
ブンブン、かおりは言い聞かせるように頭を振った。
かおり「何やってるの?、見てる場合じゃない。行くよ。公園に。」
とも「う、、、うん。」
ともは家から目を離さない。かおりは強くともの手を引っ張った。
その時、炎の音に混ざって、どこからか悲鳴が聞こえた。
うわぁあああ、ぎゃぁああああ!!
かおりは思わず耳を塞いだ。
かおり「誰かが、、、、私達は、逃げないと!」
とも「こ、、、怖い、、怖い、、、みんななくなっちゃうよ。みんな氏んじゃうよ、、、」
かおり「こらっ!しっかりしなさい。勇者になるんでしょっ」
とも「う、、、うん。。。でも、、足が動かないよ。あ、、、あっ、、、、」
ともは恐怖で腰が抜けていた。かおりは見かねてともをおぶった。
かおり「とも、しっかりしててよ。行くよっ。」
火はもうそこまで来ている。
- 344 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時40分49秒
- 公園までは全力で走っても何分かある。火に追いつかれないだろうか?
公園では本当に火はとどいてないんだろうか?
考えたが、迷っている暇は無い。かおりは走った。走りつづけた。
重い。ひと一人の体重は想像以上に重い。でも全力で走った。公園は目の前だ。
かおり「はあっはあっはあっ」
ともは声も無く泣き出した。
とも「・・・・・・(お姉ちゃん、背中、、、あったかい、、。)」
背中のともはぎゅーっとかおりを抱きしめた。その時、
かおり「えほっ、、」
かおりは、微量だが煙も吸い込んでいるにもかかわらず、
全力疾走したせいもあってむせてしまった。
そして、苦しくなってちょっと後ろにのけぞった。
とも「ひっ。ごめんなさいっ!」
慌ててともは手を離した。
のけぞっていたかおりが、前に体重をかけなおそうといした瞬間、
ともの体重は後ろ側にかかった。
かおり「あっ!だめっ!!」
とも「あっ、、」
かおりは前傾姿勢に倒れた。ともは後ろに転がった。
かおりは起きあがり、かけよろうとした、しかし、
かおり「いたっ。。。足が。痛い。」
転んだ衝撃ですねをうちつけてしまっていた。
- 345 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時44分47秒
- かおり「とも!!立てる?立てたら走りなさい。公園、すぐそこだから!!」
かおりは叫んだ。その時、とものすぐ後ろまで火は迫っていた。
バチバチバチバチ、、、火の音が聞こえる。
とも「ひ、、、」
ともはその音に、恐る恐る、ゆっくりと振り向こうとした。
かおり「振りかえっちゃだめ!立って走りなさい。」
遅かった。ともは振りかえっていた。また、、、恐怖にみいられていた。
とも「いや、、いやーーー」
ともは震えている。
かおり「あっ」
かおりは足を引きずって立ちあがり、痛みをこらえてともに近づいた。
がつっ、ばんっ
しかし、またすぐにつまづき、倒れてしまった。
かおり「ともちゃん、とも!待ってて。すぐ行くから。」
かおりは動く足と両手を使ってともの方向へ進んだ。
とも「あたし、、、氏ぬ。今度こそ氏ぬ。。。」
ともは火から目を閉じてそらした。そうして、次に目を開いたとき見たのは、
動かない足を引きずり、必死にこっちへ来ようとする姉の姿だった。
とも「あ、、、お姉ちゃん、、どうして、、そっか。そうだ。
こ、、、、こないでーーーー!」
ともは力いっぱい叫んだ。
- 346 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時48分23秒
- かおり「?」
とも「あたしは氏ぬけど。来たらおねえちゃんも氏んじゃう。
来ちゃだめ。こないでーー!」
かおり「何言ってんの?話すことができるんだったら、
はやくそこから逃げなさい。はやくっ」
かおりはとものほうへ進みながら言った。
とも「もう無理だよ。ともは動けないよ。おねえちゃんだけ助かってよ。
ともの分まで生きてよ。」
かおり「とも、、、・・・ふざけるんじゃないわよ。助かるに決まってるでしょ。
とも、勇者になってかおりを助けてくれるんでしょ。」
とも「あ、、、ごめんね。おねえちゃん。もうだめそう。ほら、火がすぐそこまで。」
かおり「はあ、はあ、はあ。
あやまんないでよ。助かって二人で生きないと、
何のためにここまで生きてきたのよ。二人でどんな時も切り抜けてきたじゃない。
それに、、ともが死んだらお姉ちゃん一人だよ。
寂しいんだよ。お姉ちゃんをそんな目にあわせていいの?」
とも「・・・・・・・」
- 347 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時50分18秒
- かおり「軽々しく氏ぬなんて言わないで!氏ぬ覚悟があったらまずはたすかろうとしなさい!」
かおりはともの3歩手前まで来ていた。
かおり「はあ、はあ、はあ、、ともちゃん、生きよう。ほら。手を伸ばして。」
とも「・・・・うん。ぐすっ、、ぐすっ、、、うん。生きよう。おねえちゃん。」
ともは手を伸ばした。
もう2歩で届く、足は、、痛い。動かない。手で動く。
かおり「はあ、はあ、はあ、」
かおりは手を伸ばした。
かおり「ともっ!」
とも「おねえちゃん!」
もう1歩で届く。足はやはり動かない。手はまだ、、、動く。
かおり「(もう少し、もう少し)とも!!あ、、、、火が!!」
火は目の前だった。
その火を見て、かおりは一瞬たじろいで、止まってしまった。手はまだ届いていないのに。
ともは一生懸命手をのばしていた。
かおり「ともっ!!」
届かなかった。わずかに。
火はともを飲みこんだ。
かおり「・・・・・・っ!!」
とも「あっ。」
ごぉおおぉおおおおお、、、
- 348 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)13時57分10秒
- 今まで耳にはいらなかった火の音が、うるさくかおりの頭の中に木霊した。
かおり「・・・・っ!!・・・・っ!!!」
かおりは、声にならない叫び声をあげた。
とも「熱い、、熱い、、、氏にたくない!!氏にたくない!!、、、いや!」
かおりは届かない手をつきだした。ともは熱い熱いと繰り返した。
かおり「ともちゃん!とも!ともちゃん!」
ともは、熱いというのをやめた。少しして、
とも「おねえちゃん。ごめんね。ありがとう。」
火に包まれながら、落ち着いた声でともは応えた。
かおり「とも!!とも!!とも!!!」
とも「・・・・・・
あのね、ともはおねえちゃんが大好きだよ。
怒ったって、ほんとは最初っから全部許してくれてるんだよね。
いつも、やさしいお姉ちゃん。大好きだよ。」
かおり「ああぁっ!!とも!!とも!!かおりも大好きだよ。ともちゃん!!」
かおりの目の前でともは燃えた。
とも「熱い、、熱いよー。怖いよ。お姉ちゃん。」
かおり「あっ、、、ごめんね。ごめんねともちゃん!」
かおりの頬に涙が流れた。
とも「う、、、ううん、やっぱり怖くない。
ともは大丈夫だよ。お姉ちゃんはあやまらないで。
お姉ちゃんは悪くないよ。悪いのは魔王だよ。
それととも。先に氏んじゃってごめんね。
お姉ちゃんと、、今まで幸せだった。ほんとにありが、、、」
かおり「ともちゃ、、、ん、、、、」
- 349 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)14時03分04秒
- ともの声は途切れた。かおりは力が抜け、その場に倒れこんだ。
かおりももう逃げられる状況にはなかった。
かおり「ごめんねともちゃん。。おねえちゃん、ともちゃんを助けられなかったよ。
どうして、、こんなことになっちゃったんだろうね。
でも、かおりももうだめみたい。もうすぐ、、、、そっちに行くから。。。。」
かおりは覚悟をして目を閉じた。
かおり「ともちゃん、熱かったのに、、苦しいのに
最後の最後で強がっちゃって。ありがとうなんて。
やさしくて。おねえちゃん思いの良い子だね。
こっちのセリフだよ。ありがとうね。
ほんと、いい子だったね。
もっとずっと一緒にいて、もっと何かしてあげたかった。
かおりは、いいお姉ちゃんだったかな?ともちゃんにとって。」
- 350 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)14時12分04秒
- しかし、いくらもたたずに、かおりは再び目を開いた。
かおり「悔しい。涙がとまんない。悔しいよともちゃん。
どうして止まっちゃったんだろ?あの時。
かおりのせいだよ。かおりが、、、
あと、、、あと、もう少し、、、、、
もう少し手を伸ばせれば、、、、
もう一歩踏み出せれば、、、、、
もうほんの一握りの力があれば、、、
踏み出す勇気があれば、、、、
ともちゃんの手を、、つかむことができたのに。
ごめんね。ほんとにごめん。。。
かおりに、やさしいって言ってくれたよね。嬉しいよ。ありがとう。
でも、、やさしいだけじゃ、ともちゃんを助けられなかったよ。
かおりは、ともちゃんを助けられなかったんだよ。
いつもしかったりしてたのに、なんて弱いんだろうね。
ともちゃんはゆるしてくれないかな?やっぱりお姉ちゃん失格かな?
ああ、あともう一歩、進める勇気があったらよかったのに。。。。
もう一歩、進める強さがあったらよかったのに。。。。。
そして、、、、手を差し伸べられたらよかったのに。。。。。」
意識が薄れてきた。同じことを
かおり「手を、、、、、そう、、、、あんなふうに、、、。」
かおりは、薄れ行く意識の中でうっすらと、差し伸べられる手を見ていた。誰かの手を。
- 351 名前:耳元でささやく声C 投稿日:2000年12月24日(日)14時13分42秒
- ?「やっぱり声が聞こえたと思ったんだ。まだ生きてる。」
??「そうみたい。はやく公園へ運びましょう。」
- 352 名前:耳元でささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時21分26秒
- 耳もとでささやく声6
かおりの剣に「どうしたの?いったいここで、何があったの?」とたずねられ、
飯田はともを目の前で失ったことの成り行きをあふれるがままに喋った。
飯田は公園の真中でしゃがみこんで泣いていた。
勇者飯田「うっ、、、、うっ、、、、」
かおりの剣「かお、、、、。」
まるで今起こっていることの様に、目の前にともが焼かれる姿が映し出される。
勇者飯田「うっ、、、、こんなに、、、、こんなに辛いなんて、、、、思わなかったよ。。」
かおりの剣「・・・・・・・(なんてこと、、あの時のあの子が、、)」
勇者飯田「うっ、、、ひっく、、、、ごめんね。ともちゃん。ごめんね。。。」
かおりの剣「(なんて声をかけたら、、?わかんないよ。。)」
勇者飯田「かおりがあの時止まらなければ、助かったかもしれないのに。。」
かおりの剣「・・・・・・」
勇者飯田「きっと、怒ってる。ともちゃんは怒ってると思う。かおりをゆるさないよ。」
かおりの剣「かお、、、そんなこと、、、、」
勇者飯田「勇気の無いかおりを許さないよ。。。ごめんね。。」
かおりの剣「そんなことないよ。十分頑張ったじゃない!」
勇者飯田「ううん。あの時の事だけじゃないの、、、
もっとひどいことをしたってことに、たった今気づいたんだ。」
かおりの剣「??」
- 353 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時27分26秒
- 事件の後、かおりは他に助かった人達のところへ運ばれた。
そして更に数日後、とある孤児院に預けられることとなった。
といってもその孤児院にはかおりの他に二人しかいなかった。
そこで、矢口と彩と出会った。
矢口と彩は、その院でそれぞれ格闘家、戦士になるために修行をしていた。
かおりは数日間、そこで黙ったまま、
ほとんど食べる事もできず、寝ることもできず、何もできなかった。
涙ももう出てこなかった。生きようとすら思ってはいなかった。
毎日を死ぬまでの時間と考え、椅子に座ってぼーっとして過した。
年上の彩がいう。
彩「あんた、いつまでそうしてるつもりなの?
せっかく生き延びたんでしょ。妹の分までやらなきゃいけないことがあるんじゃないの?」
年下の矢口がいう。
矢口「そうだよ。妹さんがかわいそうだよ。
それに自分だけが不幸だと思ったら大間違いだよ!」
かおり「・・・・・・」
彩「返事もしないでぼーっとして。」
矢口「もう、、、いいよ彩っぺ、ほっとこう」
彩「そうだね。意気地なしはぼーっとしてな。聞こえてんのか知らないけど。」
本当はかおりには全て見えていたし聞こえていた。
矢口と彩の言葉は、心に痛く突き刺さった。
ただ、応えることができなかった。応える勇気がなかった。
誰かと一緒にすごして、大切な物ができて、また失って、その時きっと辛くて、悲しくて。
- 354 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時30分28秒
- 矢口「あ、そろそろだよ彩っぺ、テレビつけよう。」
テレビの音がする。
最近現れ、次々と町を救ったという勇者一行がインタビューを受けている。
彩「あ、始まってるじゃん。」
矢口「こないだは手稲村に行ってたんだよ。
空中から襲いかかるドラゴンを追い払ったんだって。
すごいねー。はやく私達もこうなりたいねー。」
かおり「!?」
矢口「あーーっ、やっぱだめだ。聞いてらんない。行く。修行する。」
彩「そうだねっ。時間がもったいない。」
そういうと二人は外へ行ってしまった。テレビをつけっぱなしで。
- 355 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時34分28秒
- 勇者「私は、今、勇気を持って、一人でも多くの人を助けられたらと思ってます。
全ての人を救うなんてできないことはわかっているけど、
それでも目の前の誰かくらいは助けられたらと思います。」
かおりはテレビを見た。
かおり(この人、、あの時の手の人??)
勇者「この前の手稲村でも、私の力不足もあって、何人もの人が亡くなりました。
こんなことをする魔王を、私は許せないです。
私は、魔王を倒します!」
わぁあああ、、おおおお!観客の声援が聞こえる。
かおりには、その勇者が、火事の時、意識を失う直前、見た人の面影とだぶって見えた。
かおり(この人が、ともちゃんがなりたかった勇者なんだ。かっこいい、、、)
勇者の話は続いている。
勇者「これを見ている人が一人でも勇気を持ってくれたらなと、、、」
かおりは妹のことを考えた。勇者になろうと言っていた。
かおり(かおりが、勇者だったら、あの時、ともちゃんも助かったのかな?
ううん、やめよう。この人は選ばれた人だ。かおりには無理だ。
でも、この人、いったいいくつなんだろう?
かおりと同じ?ううん、それどころか年下に見える。
それなのに、どれだけ頑張って、そこまでたどりついたんだろう?
どれほどの物を抱えてるんだろう?もしかしたら、かおりなんかよりずっと、、、)
その日一日、かおりはずっと、うつむいて同じことを考えていた。
- 356 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時36分51秒
- 次にかおりが顔を上げた時、時計は夜の8時半をさしていた。
かおり(二人とも、熱心だな。。。かおりは、、、、わたしは、、)
かおりは立ち上がり外へ出た。そして二人を探した。
何日も使っていなかった足は、思うようには動いてくれなかった。
でも必死で探した。そして二人をみつけた。
かおり「はあはあはあはあ。」
彩「!!」
矢口「・・・・あ、あなた!」
- 357 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時39分40秒
- かおり「はあ、、はあ、、、はあ、、、」
彩「あんた動けたの?大丈夫??」
彩はかおりの元にかけよった。彩はささえようとしたが、かおりはその手をゆっくり払った。
かおり「はあ、、、はあ、、、、ありがとう。大丈夫。」
矢口「!!、、喋れたんだ。いったいどうしたの?」
かおり「今まで、、今までごめんなさい。かおりも、修行にまざっていい?」
矢口と彩は顔を見合わせた。
かおり「かおりも、、、勇者になれないかな?」
矢口「ゆ、、勇者??」
かおり「かおりは、、勇者になりたい。」
彩「あ、、、あんた本気で言ってるの??」
かおり「あの子は、ともちゃんは勇者になりたいって言ってたの。
人を傷つけるなんてよくないって、かおりはあの子に言ったの。
今もかおりは、誰かを傷つけたいなんて思わない。
でもあの子は、かおりを守ろうとして勇者になりたかったの。
もしそれができるなら、かおりも、誰かを助けられる力が欲しい。
戦争を、終わらせられる力が欲しい。
いつだって、もう一歩前に進める勇気が欲しい。」
彩「かおり、、、。」
かおり「だから、修行にまぜて!お願い。」
矢口と彩は再び顔を見合わせた。そして笑顔でかおりに振りかえる。
矢口「うん!一緒に頑張ろ!!」
彩「私達の修行は辛いよ。厳しいよ。それでも平気?」
かおりは笑顔で応えた。
かおり「うん!」
かおりは勇者になるための修行を始めた。
- 358 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時50分31秒
- 数日たって、彩はかおりにたずねた。
彩「かおり、私ね、一つ気になることがあるの。聞いていい?」
かおり「どうしたの?彩っぺ」
彩「なんでかおりは魔王のことをあんまり言わないんだろうって思ってさ。」
かおり「??」
彩「だってそうじゃん?かおりはさ、妹さんを失ったこと、自分のせいみたいに言ってるけど、
魔王軍のせいなんじゃないの?だから、魔王を許せないんじゃない?
でもかおりは、仇を討つ、魔王を倒すために勇者になりたいとは言わないよね。」
かおり「ん?確かにかおりは魔王が許せないよ。
実はね、許せないこともあるってかおり初めて知った。」
笑いながらかおりは言った。
彩「じゃ、なんで?」
- 359 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)06時57分16秒
- かおり「あのね、かおりは、世の中にあることには、全てに理由があるんだと思う。
それをよく知れば、もしかしたら許せないことなんかないかもしれない。
だから、魔王の戦う理由、それを聞いたら、
かおりは魔王を許しちゃうかもしれないって思ってた。。。
でも、かおりが一番大切なものを奪った、ともちゃんを魔王は奪った。
許せない。許しちゃいけないんだ。絶対。
たとえ、どんな理由があったって、
戦いとか、侵略とかそういうことをしちゃダメなんだ。殺しあっちゃだめだ。
戦う誰かにだって、大切な誰かが待ってるはずだもん。
かおりが言いに行こう。魔王に戦いをやめさせようって、そう思ってる。」
彩「うん。(魔王そのものを許せないようにはとても見えない。けど、、、
憎んでるのは、、罪?)」
かおり「でもね、それよりね、誰もかおり達と同じ目にあわせたくないんだ。
ともちゃんみたいに生きられないのも、かおりみたいに大切な人を失うのも嫌。
かおりの大切な人や世界中の誰かを守れるなら、勇者になろうと思うの。
今のかおりにとっては、それが一番重要なことなの。
ほんとは大切なもの、失う前に気付けばよかったのにって思う。
失ってからやっと気付いて、、かおりはほんと、馬鹿だなあ。」
彩「そっか、、、(ほんとに、、、やさしい子、、それから、自分に厳しいんだ。
でも、、人にはやさしすぎて、自分には厳しすぎるよ。。なんて子なんだろう。。)」
彩は言葉がつまった。
かおり「彩っぺ?」
彩「あ、うん!なんとなくわかった。んじゃ、今日も頑張ろっか!」
彩はかおりが好きになった。
- 360 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)07時05分15秒
- ところで、格闘家や魔法使いは、事実上、自分がそうであると言えばなれる。
(そういう意味で、もう矢口は格闘家であり彩は戦士である)
ただ、その中の一握りは、国から援助を受け本格的な修行することができる。
これには、王に実力を認められなければならない。
具体的には毎月1回、実戦を含めたテストがあるのだが、
通るのは1年に一人いるかどうかである。孤児院にくらす矢口、彩はこれを目指していた。
一方、勇者になるためにはその実力と「精神」を王に認められなければならない。
(つまり、自分がそうであると言うだけではだめ。)
数ヶ月がたち、、かおりは修行を続け、戦うための実力は徐々につき始めた。
しかし、、、、
ある日、修行場にかおりが目にくまを作って出てくる。
彩「遅い!」
矢口「遅いー。」
かおり「ごめん。。また、夢を見たの。」
矢口「それっていつもの、妹が目の前で燃えちゃう夢?」
彩「また?しょーがないわねー。もう。」
かおり「うん。たぶんかおり、怖くてしょうがないんだ。
また、あんなことが起こるんじゃないかって。」
矢口「ほんと、しょうがないとは思うけど、、、
このままじゃいつまでたっても勇者にはなれないよ、、。」
彩「精神を鍛えないと。。。いっそ忘れちゃえば?って、そんな簡単にはいかないよね。」
かおり「ほんとに、こんなに辛いこと、、忘れちゃいたい。
かおりも勇者になりたいんだもん。」
- 361 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)07時12分31秒
- 問題はあったが、、、かおりはここで幸せだった。
矢口と彩との修行の日々。励ましあい、お互いの成果を誉めあった。
かおりは二人が大好きだった。
しかし、この生活にも終りが来る。
彩が、新しい旅立ちを迎えたのである。防具屋の主、真矢との結婚である。
孤児院から姿を消す事となった。かおりと矢口は歌を歌い、激励した。
かおり「彩っぺ、頑張ってね。」
彩「うん。」
矢口「戻ってくんなよー。」
彩「何言ってんのよ!あ、こら、かおり泣くな!」
かおり「あ、、、ごめ、、」
彩「もー、永遠に会えないってわけじゃないんだから。」
かおりは友の幸せは何より嬉しかった。が、寂しく無いわけはなかった。
そして、二人だけになった。
矢口「二人だけでもがんばろ!!」
かおり「、、、うん。」
- 362 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)07時17分56秒
- 元気が無くなったかおりが、矢口は心配だった。
できれば、時がその寂しさを和らぐのを一緒に待ってやりたかった。
わずかに2週間後、試験の結果が出た。矢口はついに格闘家として認められた。
飯田はまた、勇者としては認められなかった。
矢口「行ってくるね。」
かおり「うん。行ってらっしゃい。頑張れ!矢口!」
修行場からは、いつ帰ってこれるか決まってはいない。
矢口「大丈夫?」
かおり「何が?」
矢口「ひとりで、、、。」
かおり「何言ってんの!矢口は、夢をかなえておいで!かおりのことは心配しないで。
かおりは勇者のたまごだよ。そんなに弱くないよ。」
矢口「うん、、。」
かおり「かおりもすぐ勇者になって行くから!その時は一緒に旅しよう!
そんな顔してると、すぐ追い越して、追いてっちゃうぞ!
もしねをあげて帰ってきたって、もうここには入れてあげないからね!」
矢口「そう、、そうだね。じゃ、行ってきます!」
かおり「行ってらっしゃい!」
矢口も、自分の夢のため、行かないわけにはいかなかった。
- 363 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)07時23分05秒
- かおりは、、見えなくなるまで矢口を見送ると、誰もいない家に入った。
かおり「強くなったよね。かおりは。一人になったって、涙なんか、、もう流さな、、」
ドアを閉めると、、すぐにガクガクと足が震え、ドアによりかかりながらしゃがみこんだ。
かおり「あーーーー!!」
かおりは、震える足をおさえ、頭を振った。
もう、涙を我慢することはできなかった。
ひとしきり泣いた後、考えた。
かおり(また、全部無くなっちゃった。かおり一人が残っちゃった。
嫌だよ。寂しいよ。我慢できない。やっぱり、一人は嫌なんだ。
全然、強くなってなんかいない。ともちゃんを失ったあの時とおんなじじゃん。
また、勇気が無くって、置いていかれちゃった。
また、一人ぼっちになっちゃった。)
かおりは乾いた笑みを浮かべた。
かおり(それから、、、きっとかおりはまた立ち直んないんだ。いつまでたっても、、、。
このままじゃ、勇者になんかなれないよ。。。)
- 364 名前:耳もとでささやく声D 投稿日:2000年12月25日(月)07時27分16秒
- そしてかおりは一つの決意をした。そして外に出た。
泣き疲れたまぶたにまぶしい、真っ青な晴天だった。
かおり(忘れちゃおう。こんな記憶全部、忘れちゃおう。
勇者になるために。勇者になりたいっていう、思いだけを残して。
生まれ変わろう。。。あの、雲一つない空に、太陽だけを残して。)
その日、あるお金の全てを持ち、そのスジでは有名な祈祷師をたずねた。
祈祷師の「もう2度と記憶は戻らないかもしれませんよ?」の問いに、
かおりは縦に振った。
呪いに限りなく近い魔法で、記憶は封印された。
一月半後、かおりは実力、メンタルともに試験をパスした。
そして、孤児院を後にした。
- 365 名前:於ヨシターケ牧城 投稿日:2000年12月27日(水)22時27分31秒
- 矢口「・・・ということがあったんだよ・・・」
中澤「・・・そうか・・・言葉にならんな・・・」
話す矢口も、聞く中澤も流れる涙を隠そうとはしなかった。
矢口「一度、孤児院に戻ったときにさ、カオリが記憶を消して
勇者として旅だったって聞いたんだよ。それからはおいらはカオリ追いかけて旅に
出たんだよ。」
中澤「それで、見つけてずっと一緒に旅しとってんな」
矢口「すっかり昔のことは忘れてるみたいだったよ。何度、ホントのことを言おうかと思
ったけど言えなかったよ。でも、さっき走り出したカオリを止めることはできなか
った・・・ホントにこれでよかったのかな・・・」
矢口はそれだけ言うと、手を握りしめてうつむいてしまった。
中澤「・・・ウチにもわからんわ。でもな、何があってもカオリを守ったったらええねん
。そやろ、な?そのために追いかけてたんちゃうん?矢口?」
中澤は、うつむいたままでいつもよりさらに小さく見える矢口の肩に両手をおいて語りかけた。
矢口「そだね。今までもそうやってきたんだし、これからもなんとかなるよね。キャハハ。」
顔を上げた矢口の目は未だ潤んでいたが、その表情はいつもの矢口だった。
- 366 名前:於手稲村に至る道 投稿日:2000年12月27日(水)22時28分56秒
- つじ「・・・ゆうしゃさま?いいらさん?・・・」
そのころ辻は完全に飯田を見失っていた。
つじ「・・・かえりたいのれす。
いいらさん!かえりたいのれすーー!ひーーん!」
辻は遂には混乱して泣き始めてしまった。
するとその時、辻の正面から生気のない人影が近づいてきた。
つじ「ひっ!!」
辻はその影に背を向け走り出そうとするが、いきなりつまずいてずっこけてしまった。
つじ「いたいれすー、こわいれすー!!」
恐怖に苛まれた辻は倒れたままただ泣き叫ぶだけであった。
???「この子は・・・」
つじ「ひっ??だれれすか?だれれすか?」
聞こえた声に反応した辻が顔を上げると、そこにいたのは・・・・・飯田だった。
- 367 名前:於手稲村に至る道 投稿日:2000年12月27日(水)22時29分58秒
- つじ「・・あ、あいたかったのれす〜」
飯田の顔を確認した辻はその刹那に立ち上がってその胸に飛び込んでいった。
つじ「あいたかったのれす、あいたかったのれ・・?」
飯田は辻の存在に全く反応せず、いぶかしがった辻が見上げた飯田の目は
全く焦点が合っていなかった。
つじ「どうしたのれすか、なにがあったのれすか?」
???「うーん、困ったなぁ」
つじ「ひっ?ほかにだれかいるのれすか?」
???「ん、あんたには私の声が聞こえるの?」
つじ「・・・・きこえるれす。いいらさんのこえじゃないのれす・・・」
辻はその声に不安は感じても恐怖を感じることはなかった。
???「私はかおりの剣。この腰に刺さっている剣だよ。」
つじ「どうして、けんがしゃべれるのれすか?」
かおりの剣「まあ、それを話すと長いから・・・とりあえず、牧城に帰ろう。」
かおりの剣はそれだけ言うと辻を施した。
- 368 名前:ヨシターケ牧城へ 投稿日:2000年12月28日(木)22時54分37秒
- つじ「いいらさん・・・いきますよ。」
辻は立ち尽くしたままの飯田の手を取り、歩みを進めようとした。
飯田は辻の導きに従って足を出したが、それはまるで人形の動きだった。
つじ「・・・」
かおりの剣「カオリはね、今ね、心を閉ざしちゃってるんだよ。」
昔の辛い辛いことを思い出して、何もかも忘れたくなっちゃったんだよ。」
つじ「つらいつらいことっていったいどんなことらのれすか?」
かおりの剣「・・・(カオリを救えるのは、この子たち、今の仲間たちしかいないだろうな。)」
かおりの剣は辻に始終を語った。
つじ「ひっ、ひくっ、ひくっ・・ぐすっ」
かおりの剣の言葉に、辻はただ嗚咽を漏らすだけであった。
かおりの剣「カオリ・・・カオリは決して一人じゃないんだよ。守るべき仲間、守ってくれる仲間が大勢いるんだよ。」
しかし、飯田はかおりの剣の言葉に反応しようとしなかった。
つじ「・・つじが、つじがきょうからともちゃんになるから、いいらさん、げんきだしてくらさい。ともちゃんとよんでくらさい。ぐしゅん。」
顔中をくしゃくしゃにしながら辻が話しかけた。
かおりの剣「(・・・何を言い出すんだ、この子は?)」
勇者飯田「・・・ともちゃん??」
虚空を見つめたまま、飯田は今は亡き妹の名を口にした。
- 369 名前:ヨシターケ牧城へ 投稿日:2000年12月28日(木)22時56分50秒
つじ「そうれす。ともちゃんなのれす。
ともちゃんといっしょにまおうをたおしにいくのれす。」
勇者飯田「・・・許せない。絶対に魔王は許せない・・・」
飯田はかおりの剣を引き抜いて何もない空中を目茶苦茶に切りつけた。
勇者飯田「許せない。許せない。」
かおりの剣「カオリ・・・あんた・・・・・・
・・・・辻、聞こえるかい?」
辻はコクリとうなずいた。
かおりの剣「・・・・辻はともちゃんになったんだよね?」
つじ「へいっ。」
かおりの剣「・・・なら、どんなことがあってもカオリを守れるね?」
つじ「もちろんれす。」
赤い目をしながらも辻は胸を張って答えた。
かおりの剣「・・・・辻、頑張れ。カオリを助けてあげてね。」
つじ「へいっ。」
辻が答えるや否や、かおりの剣はなにやら呪文を唱えた。
かおりの剣「・・・ライデイン!!」
- 370 名前:ヨシターケ牧城へ 投稿日:2000年12月28日(木)22時57分44秒
- かおりの剣は眩いばかりに光ると、近くにあった大木に激しい雷が落ちた。
見る見る木は炎上し、崩れ落ちた小枝や葉が踊るように落ちてくる。
そして、2メートルはあろうかという大きな枝が、飯田たちのいる場所に落ちてきた。
つじ「あぶないのれす!」
辻がそれに気がついて飯田を突き飛ばした。しかし次の瞬間にその枝は辻の左足に覆いかぶさっていた。
つじ「ぎゃーーーー」
常にない辻の絶叫が赤々と照らされた闇夜に響いた。
さらに容赦なく赤い雨のように燃えた木の葉は降り注ぐ。
つじ「あつい、あつい、あついのれ・・」
勇者飯田「ともちゃん?、ともちゃんなの?」
その時、尻もちをついていた飯田が初めて事態に気がついたのか、
一目散に辻目がけて駆け寄った。
勇者飯田「ディヤーーーーーーー」
一擲、その大きな枝を払いのけてしまった。
勇者飯田「ともちゃん、今度こそちゃんと逃げるよ。早くおぶさって!!」
意識を失いかけていた辻を担ぐように背負った飯田は、
禍々しく燃え続ける火柱を背に走り始めていた。
- 371 名前:ヨシターケ牧城へ 投稿日:2000年12月28日(木)22時58分43秒
- 危険が去り、辻を背負ったままの飯田は歩き続けていた。
つじ「・・いいらさん・・・どうしていいらさんにおぶってもらってるのれすか?」
飯田の背で意識を取り戻した辻は、どう助けられたかを覚えてないで飯田に問いかけた。
勇者飯田「・・・辻・・・ありがとう。」
辻には背中しか見えなかったが、飯田の目の輝きは今までのものに戻っていた。
勇者飯田「辻はカオリの妹だよ。ずっと、ずっとね。そうだよね?」
つじ「へいっ!!」
痛みを忘れて辻は勢いよく返事をした。
つじ「もうへいきなのれす。じぶんであるくのれす。」
勇者飯田「無理言うんじゃないよ。」
つじ「こどもじゃないのれす。ひとりであるけるのれす!」
勇者飯田「しょうがないなあ〜。」
飯田は強情を張る辻に折れて辻を下ろした。
自分の足で立ったはずの辻は、もう次の瞬間には地面に崩れ落ちていた。
勇者飯田「だから言ったじゃないの、早くおぶさりなさい。」
つじ「てへ。」
照れながらも辻はさっきまでと同じように飯田の背におぶさった。
つじ「いいらさんのせなか、おおきくてあったかいのれす。」
勇者飯田「ん、何か言った?」
つじ「なんでもないのれす。てへ。」
かおりの剣「(辻、ごめんね。でもよく頑張ったよ。
もうあの子たちは絶対気持ちでは負けないよ。きっとね。)」
二人の一つになった影はは朝日を浴びて、ヨシターケ牧城に伸びていった。
- 372 名前:閑話休題 投稿日:2001年01月09日(火)00時08分46秒
- 翌朝早く。
中澤「あ〜あ、あんまり眠れへんかったわ。矢口、どないしてるやろ・・・。」
矢口の部屋へ様子を見に行く中澤。
- 373 名前:名無ディアー! 投稿日:2001年01月10日(水)15時05分54秒
- 中澤「おーい矢口ー!起きとるかー?」
いきなり矢口の部屋のドアを開けた中澤。
中澤「・・・っ!?お前誰やねん!?」
一体矢口の身に何が!?
- 374 名前:名無ディアー! 投稿日:2001年01月11日(木)04時00分49秒
- そこにはぐーすか眠る、真っ青な大女の姿が・・・。
中澤「矢口!!矢口はどないしたんや!!!」
???「。。むにゃむにゃ。。まだ眠いよ〜。。。」
中澤「何をゆうてんねん!!矢口はどこや!!」
???「ゆうこ〜、うるさいよ。。。」
中澤「・・・まさか・・・矢口か?」
矢口が巨大化???
- 375 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月16日(火)01時30分23秒
- 矢口「うぎゃああああああ!!!」
矢口の悲鳴は牧場中に響き渡った。
その悲鳴を聞きつけ、寝ていた一同は矢口の部屋に続々と集まってきた。
りんね「こんなの・・・」
ナッチー「見たことないべ・・・」
よっすぃー「っていうか私より大きくなりましたね・・・」
Д<「驚きやな・・・」
涙ぐみ、矢口(巨)にしがみつく中澤。
中澤「ああ〜・・・ウチの可愛い矢口を返してえな・・・(涙」
ヨシターケ「・・・これは・・・試練だべ。」
一同「試練!!??」
- 376 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月16日(火)01時43分51秒
- ヨシターケ「この地方に伝わる古くからの言い伝えでな・・・」
いたづら好きの雪の妖精が毎年一番小さな子供を選び、子供の心を奪って食べてしまう。
心を食べられた子供は二度と子供に戻ることが出来ない。
子供に戻るには、雪の妖精のところに行き、2日以内に心を取り戻さなくてはならない。
ヨシターケ「というわけなんだけども・・・ ホントにとられたのは初めてだべな。」
よっすぃー「でも・・・矢口さんは小さいだけで一応心は大人だったよね・・・」
ナッチー「ってことはどうなるんだべか・・・」
矢口「・・・」
応えない矢口(巨)。やがて矢口(巨)は白目をむいて倒れてしまった。
ヨシターケ「まずいべ!!2日以内に大人の心を取り戻さないと、氏んでしまう・・・」
Д<「雪の妖精いうのはどこにおるのや!?」
ヨシターケ「この島の一番北・・・。ワッカーナイに居るといわれてるけども・・・」
中澤「決まった!!急いでワッカーナイに行くで!!」
- 377 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月16日(火)01時51分39秒
- 中澤にたたき起こされ、しぶしぶ旅装を整えるごま。
ごま「。。。眠い。。。」
保田「それどころじゃないわよ。さっさと行きましょう」
Д<「あれ?勇者はんとつじがおらへんな・・・。」
りんね「なんか足跡がありますよ・・・どこへ行ったのかな・・・」
中澤「しゃあない、カオリ抜きでなんとかやってみよ。」
よっすぃー「(・・・飯田さん・・・)」
石川「あれー、みなさんどこへ行くんですか〜?チャーミーも行きまーす
」
一同「・・・・」
石川「(キャッ、怖い・・・何で?)」
焦りからギスギスする一同と、相変わらず空気が読めない石川。
果たして、矢口を救うことが出来るのか?
- 378 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月21日(日)12時59分46秒
- Д<「ワッカーナイ?わっかんなーい!ポッポー!!!」
ごま「あはははは、あいぼん、馬鹿じゃないの?あはっ」
保田「ったく、石川といいこいつらといい、何でこんなに緊迫感がないのか・・・」
- 379 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月21日(日)22時37分05秒
- その後一日かけて、一同はワッカーナイへたどり着いた。
保田「ワッカか…。この辺に来るのは久しぶりね」
石川「お師匠様はここへ来たことが?」
保田「うん…。以前の旅でこのあたりに来たことがあるのよ」
後藤「ここらがモンスターから集中攻撃を浴びてたんだよね〜。全部倒したけど」
よっすぃー「それは…まだ私がパーティーにいないころのことですね」
保田「モンスターを倒したまではよかったけど、この近辺は犠牲者も多かったのよ」
後藤「特に、手稲…だったかな。あの地方は一番犠牲者が多かったね…」
4人が話していると、ふいに中澤が声をかけてきた。
中澤「おーい圭坊、この辺のこと知ってるんやったら妖精のいる場所とかわからへんのー?」
保田「流石にそこまではわからないわよ。…あ、そういえば…」
中澤「心当たりがあるんか?」
保田「確かここの近くに神殿があったはずよ。そこに行けば…」
後藤「ああ、手がかりがあるかもね。行ってみよっか」
一同は保田と後藤に言われた神殿に向かった。
- 380 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月21日(日)22時54分18秒
- 一同は何故か雪山を歩いていた。
Д<「いやホンマに…何故雪山を歩いてるんや?」
石川「疲れましたよ〜…」
保田「仕方ないでしょ。直線距離で考えれば近いのよ」
後藤「こういう地形だから私達も神殿には行かなかったんだよねー」
中澤「ほら、急いで登るで!矢口の命はあと一日しか持たへんのやから…」
矢口「はぁーあ…。あと一日か…」
Д<「呪いを再認識して更に落ち込んでるで」
ナッチー「余計なお世話ってやつだべ」
中澤「う、うっさいわ!とにかく登るで!」
一同はひたすら山の上の神殿に向かっていった。
そのとき、獣の鳴き声のようなおかしな音が山に響いた。
石川「…何か聞こえませんでした?」
ナッチー「動物の鳴き声みたいだったべ…」
保田「…この鳴き声って…」
よっすぃー「もしかして…『あれ』ですかね…」
後藤「…だね…」
???「ゴゥオッホァァァァ!!」
突然、何者かが飛び掛ってきた!
矢口の呪いのタイムリミット、残り20時間。
- 381 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月21日(日)23時12分30秒
- よっすぃー「そこかっ!」
よっすぃーは飛び掛ってきた相手に向かって刀を振った!
しかし、間一髪で攻撃を避けられる!
ナッチー「こ…こいつはなんだべ!?」
保田「魔獣『ゴリヤナギ』よ。厄介な奴に目をつけられたわ…」
石川「話に聞いたことがあります。確か魔界の魔物の血を引いてるとか…」
後藤「そう、魔界の魔物ゴリヤナギがこっちの世界で繁殖したってところかな」
保田「見る限り第一形態ね。よかったわ、まだ進化してなくて…」
よっすぃー「第二形態で断崖絶壁を登れるようになり、第三形態は空を飛べるんですよね」
中澤「とにかく、片付けるで!こっちは人数で勝ってるんや!」
中澤は自慢の大刀でゴリヤナギに斬りかかった!
しかしゴリヤナギはそれを回避し、まっすぐにあいぼん目掛けて突っ込んできた!
Д<「なんでウチなんや〜!」
ゴリヤナギの体当たり!あいぼんはギリギリでかわした!
しかし、そこに足場はなかった。
Д<「うな〜〜!!」
あいぼんは山の下のほうへ急降下していった!
保田「よっすぃー、あんたなら追いつける!助けに行って!」
よっすぃー「わかってます!」
よっすぃーは目にも止まらぬスピードであいぼんの落ちていった方へ向かった。
ナッチー「今のタックル、前の四天王以上のパワーとスピードだったべ…」
後藤「当たらずに下に落ちて正解だったね」
中澤「早く片付けるで。時間があらへんわ…」
矢口の呪いのタイムリミット、残り19時間50分。
- 382 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)13時53分54秒
- 保田「じゃあ、一気に片付けるよ!裕ちゃん!バイキルトッ!!」
中澤の攻撃力が2倍になった!!
石川「ピオリムッ!」
ナッチーの素早さが2倍になった!!
ごま「メ・ラ・ゾ・ー・マ!フィンガーフレアボムズ!!」
ごまの右手の指一本一本にメラゾーマの炎が宿り、さらにそれを一気に放出する!
そしてその火球と同時に中澤が飛び出す!!
中澤「一文字流、斬岩剣!!」
中澤の太刀がごまのメラゾーマと一体になる!!
ゴリヤナギ「ウホッ!?」
ゴリヤナギは攻撃をかわそうとするが、そこにはすでにナッチーが回り込んでいた!
ナッチー「どっせーい!!」
強烈な張り手!!
ゴリヤナギに421のダメージ!!
そして怯んだゴリヤナギは次の攻撃をかわせない。
中澤「うりゃあ!!」
中澤のメラゾーマを纏った強烈な斬撃がヒット!
ゴリヤナギに2568のダメージ!!
ゴリヤナギ「ゴホー!!」
ゴリヤナギは倒れた!
保田「よっしゃ!!」
ごま「うん!超超超いい感じ!!」
矢口「す、すげえ!」
ナッチー「まあこんなもんだべ!」
石川「皆さん、さすが!(私のアシストも誰か誉めてくれないかしら・・・)」
そしてよっすぃーも無事加護をつれて戻ってきた。
よっすぃー「・・・。どうやら一瞬でカタがついたみたいですね・・・
(しかしこの斬撃の太刀筋は、やはり中澤さんって・・・)」
中澤「ぐずぐずしてる暇はないで、ウチの矢口を・・・元通りにするために!」
Д<「も、燃えとるな・・・」
矢口の呪いのタイムリミット、残り19時間40分。
- 383 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)21時45分20秒
- そして一同は神殿に着いた。
保田「…というのは良しとして…」
よっすぃー「…何の気配もありませんね」
ナッチー「ということはここに妖精はいない…」
石川「つまりゴリヤナギを倒したのは…」
中澤「無意味やった、と…」
一同「……やられた!」
Д<「誰や!神殿に行けば妖精が居る言うたのは!」
保田「手がかりがあるかもって言っただけよ!」
ナッチー「あんな山登ったのにこんなオチなんて納得いかないべ!」
石川「皆さん落ち着いてください〜」
中澤「ここで言い争ってる暇はあらへんで!もう時間が…」
矢口「ふぅ…(ぱたり)」
Д<「ショックのあまりにまた気絶したみたいやな…」
中澤「おい矢口!しっかりするんや!」
保田「さて、どうするか…」
よっすぃー「とりあえず神殿の中をまわって見ましょう。このあたりでそれらしい建物は
この神殿しかないわけですから、何か手がかりがあるはずです」
ごま「そうだね。とりあえず動くのが一番だよ」
- 384 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)21時58分15秒
- ということで、神殿探索が始まった。
ごま「やっぱり退屈だなー。人気がないし敵もいないしつまんなーい」
保田「ほら、ボサっとしないの。矢口の命が懸かってるんだから」
ごま「あ、そういえばよっすぃーは?さっきまで3人だったのに…」
保田「上の階を探ってみるとか言って登っていったわよ。あんた聞いてなかったの?」
ごま「よっすぃー上に行ったんだ。じゃあ私も行こっと!」
ごまは二階へ上がっていった。
保田「全くあいつは…。よっすぃーとベタベタしてばっかりなんだから」
保田は回りの探索を再開した。
- 385 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)22時12分05秒
- 場所は二階、ずっと奥のフロア。
石川「う〜ん、何もないなぁ…」
その時、石川の横にいたシバタがつぶやいた。
シバタ「…なんだか懐かしい気配がする…」
石川「懐かしい気配って?」
シバタ「多分…私と同じ種族の生き残りだと思う」
石川「そっか、シバちゃんと同じ種族の…。って、まさか妖精!?」
シバタ「うん。多分近くにいるよ」
石川「ここには妖精がいるんだ…。シバちゃん、そこに案内して!」
シバタ「わかった、こっちだよ!」
思わぬ手がかりを発見した石川。
- 386 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)22時36分30秒
- しばらく走っていると、ふいにシバタの動きが止まった。
石川「…ここなの?」
シバタ「多分そうだと思う…」
そのとき、シバタは突然大声で叫んだ!
シバタ「マサエちゃ〜〜〜ん!!」
石川「…返事ないね〜…」
シバタ「おかしいなー…。ここらへんに気配を感じたんだけど」
二人がその場をさろうとした瞬間、聞きなれない声が聞こえてきた!
???「はーーい!!」
- 387 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)22時43分05秒
- シバタ「マサエちゃん、久しぶり!」
マサエ「こちらこそ、久しぶり!なんでこの大陸にいるの?」
シバタ「それなんだけど、かくかくしかじか…」
マサエ「ふーん…。で、何で私を探してたの?」
石川「そのことなんですけど、かくかくしかじか…」
マサエ「…ごめん、よくわからなかった。もう一回…」
石川「だから、かくかくしかじか…」
マサエ「…ホントにごめん、よくわからない…」
石川「だから…」
その後、マサエに話を理解させるまでに1時間ほど費やした石川だった。
- 388 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年01月26日(金)23時01分04秒
- マサエ「つまり話をまとめると…呪いを解きたいんだね?」
石川「そういうことです!」
シバタ「(なんで一時間もかけて伝えたんだろう…)」
マサエ「うん、解けると思う。古い呪いだけど、それは何度か解いたことがあるから」
石川「本当!?それじゃあ今すぐ矢口さんのところへ…」
マサエ「ところで…残りのタイムリミットはどのくらいなの?」
石川「あれから結構経ってるから…、多分あと半日くらいかな」
マサエ「半日…?随分長いことほっといたんだね」
石川「え?かなり急いできたんだけど…。2日しかもたないし…」
マサエ「2日?確かその呪いは一週間の猶予があったはず…」
シバタ「ちょっと呪いのタイプが違うのかもね」
マサエ「半日をあれば普通は治せるけど、ちょっと気にかかるな…。
石川さん、すぐにその人のいる場所に案内して!」
石川「うん!」
石川とシバタはマサエを連れてもと来た道を引き返した。
- 389 名前:1階 投稿日:2001年01月30日(火)05時25分37秒
- 保田(ったくほんとに何にも無いわねっ。
それに他の連中はいったい何やってるのかしら?)
その時、通路の奥に光るものを見つけた。
保田(あっ宝箱ね。やったわ。でも、、これ、、、)
ギチギチ、、、
保田(やっぱり。古いから錆びついてるのか、
鍵でもかかってんのか、よくわかんないけど開かない。
あたしアバカム使えないんだよー。こんな時にごまはいないし。)
保田「インパス!」
宝箱は青く輝いた。
保田(やっぱアイテムじゃん。っかー、、ついてるんだかついてないんだか。
しょうがない。持ち歩くにはちょっと重いし、場所だけ覚えておくか。)
保田は宝箱をあとにした。
- 390 名前:4階 投稿日:2001年01月30日(火)05時36分24秒
- ごま「よっすぃー、もう4階だよお。」
よっすぃー「そうだねごっちん。なんか、見た目より全然広いねえ。」
ごま「その割になんにも無いしねえ。。
しかもあたし、だんだん道がわかんなくなってきちゃったよ。」
よっすぃー「実はあたしもー。迷子になったらどうしよっか?」
ごま「大丈夫だよ。上に来たんだから下に降りれば。」
よっすぃー「そっかー。」
ごま「なんか、、こうなんにも無いと、、、」
よっすぃー「眠くなっちゃうんだよねーごっちんは。」
ごま「、、そう、、、」
よっすぃー「あ、今は寝ちゃダメ寝ちゃダメ。出番出番。」
ごま「んあ?」
よっすぃー「ほら、なんか扉で道がふさがってる。
鍵がかかってるみたい。よろしくねごっちん。」
ごま「おっけー。いくよ。アバカム!!、、、ふーーんっ!」
ギリギリギリギリ、、、、バキッ!!
ごま「開いたよー。よっすぃー。」
よっすぃー「サンキュー。さすがごっちん。
(ってこれ、いつ見ても腕力でこじ開けたようにしか見えないんだよね)
さ、先へ進もう。」
- 391 名前:3階 投稿日:2001年01月31日(水)10時37分05秒
- ナッチー「腹へったべさー。腹がへってはなんとやらだべさー。辛いっしょ。。」
Д<「今朝からなんも食ってへんしなー。随分歩きまわったし。。」
ナッチー「ナッチーは満腹度がゼロになると、
極端に衰弱し始めて氏んでしまうべさ。もう10%切ってるっしょ。ヤバイべさ。」
Д<「!!、自分、、そんなゲージあったんか?」
ナッチー「あ!パンが落ちてるっしょ!!」
いそいでパンにかけつけるナッチー。
ナッチー「やったべさ!大きいパンだべ!!早速食べるべ。モグモグ。」
Д<「・・・・・・」
ナッチー「ふううまかったべ。これでしばらくもつべさ。」
Д<「はやっ、、、ってナッチー、そんなん拾い食いして、、平気なんか?」
ナッチー「なーにいってるべさー?ダンジョン探険の基本っしょ。
これがないと探険たちゆかねえべ。それに、腐ってないから平気っしょ。」
Д<「そ、、、そーなん?」
- 392 名前:3階 投稿日:2001年01月31日(水)10時47分35秒
- ナッチー「あ、むこうにも落ちてるべさ、、たぶんパンだべ。」
また急いでナッチーはパンにかけつけた。
ナッチー「残念。腐ったぱんだべ。。。」
Д<「(ほ。)そ、、それはさすがに食えへんなあ。。
ってなんで自分、しっかり持ち物袋に詰め込んでるんや??」
ナッチー「腐っててもいざとなったら食うべさ。
したっけ、持ち物に余裕がある時は持ってくっしょ。
これも基本だべ。」
Д<「ってやっぱり食うんかい!!氏ぬで!!」
ナッチー「大丈夫さ、氏にゃしないべ。毒におかされるだけだべ。」
Д<「だけって、、、」
ナッチー「場合によっては毒より空腹の方が深刻なこともあるべさ。
毒だら他の魔法やらアイテムやらでなんとかなるっしょ。
でも腹は減ったら食うしかないべさ。」
Д<「・・・・・・」
ナッチー「あ、、あいぼん何にも食べてないべさ。食うかい?」
Д<「い、、いやあ、うちはええわ。腐ったパンは。。」
ナッチー「そうかい?じゃあナッチーが持ってくべ。」
Д<「・・・・・な、、、なんやたくましいな。。。
したっけうちには99階は無理だって事がわかったべさ。
ってうつってしもた。しかも何言ってんねんうちは、、」
- 393 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月01日(木)23時29分30秒
- 1階に戻ってきた石川・シバタとマサエ。
石川「妖精さんいましたよ〜」
中澤「あん?自分か、矢口呪いかけたんは!!さっさと解かんかい!!!」
マサエ「こ、怖〜い・・・帰る・・・」
石川・シバタ「違いますって!!!」
必死でなだめる石川とシバタ。
中澤「・・・そういうことかいな。すまんかったな、よろしく頼むで」
マサエ「では、ちょっと見せてください。」
マサエは気絶している矢口に近づいた。
- 394 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月03日(土)04時37分16秒
- その頃、神殿はある集団に取り囲まれていた。
- 395 名前:4階 投稿日:2001年02月03日(土)04時38分35秒
- ごまとよっすぃーが扉を開けると目の前は階段だった。
よっすぃー「あ、また階段か。」
ごま「階段だけみたいだよ。」
よっすぃー「まだ上があるんだね。ほんと広い。」
ごま「もー疲れたよー。ほんと。。でもさっきまでの階段と違わない?」
よっすぃー「なんかそうかも。。
階段のためだけに鍵つきの扉がついてるのもちょっと不自然だし。」
ごま「ってことは何かありそうな予感?」
よっすぃー「そうかも!!早く行こう!!」
ごま「やった!何があるんだろ??」
2人はわくわくしながら階段をかけ上がった。
するとまたドアがあった。
よっすぃー「今度はかぎかかってないみたい。」
ごま「はやくあけよーー!!」
よっすぃー「うん。」
ぎぃい、
ごま「まぶしっ!!光だ!」
よっすぃー「なんだろ?」
- 396 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)04時39分45秒
- ナッチーとあいぼんは3階を歩きつづけていた。
Д<「なんか突き当たりに扉があるで。
たぶん中は部屋で、そこでこの道は終わりそうな気配やな。」
ナッチー「そんじゃ中でも覗いて引きかえすっしょ。」
ぎぃいいいい。バッタン。
びゅぉおおおぉおお!!
開けるとすぐ風が2人に吹きつけた。
Д<「さむ!!」
ナッチー「この部屋、、窓ガラスが無いべさ。。」
Д<「広い部屋やけど、、、何も無さそうやで。
うち寒いの苦手やねん。早よもどろ。。」
ナッチー「軟弱ものだべ。ここは眺めがいいべさ。」
ナッチーはドアから離れ、窓の方へよろうとした。
その時、
ナッチー「なんだべさ?」
ナッチーは窓から飛びのいた。
ナッチー「手?」
- 397 名前:屋上 投稿日:2001年02月03日(土)04時41分13秒
- 扉を開いた直後、2人は外に立っていた。
ごま「なーんだ。。。たんなる屋上じゃーん」
よっすぃー「ほーんと。がっかり。そりゃ鍵もついてるよね。」
ごま「なんか余計疲れたよー。ねえよっすぃ、ちょっと休もー。」
よっすぃー「うん。ほんとは急がなきゃいけないんだけどね。ちょっとくらい。」
2人はしゃがみこんだ。
ごま「日が出ててまぶしいねえ。」
よっすぃー「ほんと。」
よっすぃーは太陽の光を手でさえぎりながら空を見上げた。
よっすぃー「!!」
自分の指の隙間からこぼれていた太陽の光がふっと消えた。
よっすぃー「!!」
ごま「!?」
よっすぃーは突然ごまを押し倒した。(ごま視点)
ごま「な、、何?(ドキドキ)」
- 398 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)04時42分33秒
- 保田「あ?あれ裏口?ってことはこれで1階はお終いか。
だいぶ時間かかったけど。」
保田は振り返り、今来た道を戻った。
保田「もうたぶん、そんなに時間がない。みんなは何やってんのかしら?」
ドン!!ドン!!ガン!!
保田「一度、裕ちゃん達の所まで戻るか。」
ガン!ガンガン!!バン!!
後ろの方から音がする。
保田「何よ?うるさいわね。」
保田は裏口の扉を見た。
バガッ!!何かが扉をやぶり入って来た。
保田「!!」
- 399 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月03日(土)04時46分06秒
- 中澤「なあ、、、なあ、どうなん?大丈夫なん?」
マサエ「・・・・・・」
石川「どうですかぁ?」
マサエ「・・・・ちょっと静かにしててもらえます?」
中澤「・・・・・」
石川「・・・・・・」
静かにしているとどこからともなく地鳴りのような音が聞こえる。
中澤「!?」
石川「なんの音?」
中澤「なんや??なんか来るで!!」
ドドドドドド、、、、
中澤「ゴ、、、、ゴリヤナギ!!こ、、、こんな時に」
ゴリヤナギの集団は中澤と石川達を取り囲み、様子を見ている。
石川「しかも、、、1、2、3、4、、あれ?
1、2、3、4、5、、、」
中澤「数えるの遅いで。9匹や!」
石川「なんでこんなに??」
中澤「たぶん、仲間がやられて怒ってるんや!」
石川「群れ全員で復讐に??」
中澤「にしてもこんなに繁殖しよって、、、、大ピンチやで。」
ゴリヤナギA、B、C、D、E、F、G、H、Iが現れた。
ゴリヤナギA「うほっ!」
それを合図に4匹が同時に襲いかかった。
- 400 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)04時47分09秒
- 保田「ゴリヤナギ!?」
ゴリヤナギは扉を壊すと、ぞろぞろと中へ入ってきた。
保田「なんでこんな所に?しかも何匹いるのよ?7匹?」
ゴリヤナギJ、K、L、M、N、O、Pが現れた。
ゴリヤナギJ「うほ?」
保田「しまった。気づかれた。」
ゴリヤナギJ「ううほっ!!」
ゴリヤナギK「うっほほ!!」
保田「バギクロス!」
シャ!
十字架の風がゴリヤナギを襲う。
保田「を連射!!」
シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!!
保田「1本道だからよけられないわよ!!切り刻まれなさい!!」
ズババババ!!
- 401 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)04時48分14秒
- Д<「て??ってなんやねん?」
その手の主はすぐに姿をあらわした。
???「うほほっ!!」
Д<「き、、、昨日のゴリヤナギやん!!なんでこんな所におんねん?」
ナッチー「たぶん別だべ。今3階までよじ登ってきたって事っしょ。
つまり、、第二形態たべ。。」
Д<「第二形態??どどど、、、どないすんねん?」
ナッチー「大丈夫、ナッチーにまかせておくべさ!!」
ナッチーはゴリヤナギ2を指差し叫んだ。
ナッチー「稲妻よ!敵を撃つべさ!」
Д<「おぉ!ええでええで〜」
シーーン、、
ゴリヤナギ2「・・・・・・」
ナッチー「・・・・・」
Д<「・・・・・・って何も起こらんで??」
ナッチー「しまった。ここは屋内だったべさ。」
Д<「あほーーーー!!どないすんねや??」
- 402 名前:屋上 投稿日:2001年02月03日(土)04時49分26秒
- よっすぃー「・・・・・・」
ごま「よっすぃ?」
ドゴーーン!!自分たちが今いた所に何かが突っ込んだ。
よっすぃー「危なかった。」
ごま「え?」
よっすぃーは立ちあがった。
よっすぃー「ゴリヤナギだよ。」
突っ込んだゴリヤナギは何事も無かったかの様に空へと飛び上がった。
よっすぃー「しかも、、、第三形態!!」
ごま「ゴリヤナギ!?ほんとだ!!」
まぶしくって目をそらした空にはよく見ると、、
ごま「5匹もいるじゃん!!」
ゴリヤナギ3A、3B、3C、3D、3Eが現れた。様子を見ている。
- 403 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)04時51分30秒
- 保田「どう?私の魔法は?」
ゴリヤナギJ「ごほう!!」
保田「?」
ゴリヤナギK「うっほう!」
ゴリヤナギJは保田に突進した。
保田「しまっ!!」
どかっ!保田は10メートルほど突き飛ばされた。
保田「かはっ!!バギクロスが全然効いてない。なんで?」
ゴリヤナギKは保田に突進した。
ずどっ!!保田はまた5メートルほど飛ばされた。
保田「うっ、、、やばい。」
ゴリヤナギ達はまた突進しようとしている。
保田「押し返してやる!バギクロス!!」
シャッ!シャッ!!シャッ!!シャッ!シャッ!!
ズババッ!!
ゴリヤナギK「うほほっ」
保田「気にしてない。肌が、、、高質化しすぎてて鎌鼬が通らないんだ!
これは強い衝撃か他の魔法じゃないと、、、」
- 404 名前:屋上 投稿日:2001年02月03日(土)04時52分59秒
- ギチギチ。。よっすぃーはドアノブをいじっている。
よっすぃー「さっきの突進で扉が壊れて開かなくなっちゃった!」
ごま「戦うしか無いってことね。」
よっすぃー「うん。私達なら4匹ぐらいなんとかなるよね。
すぐに片付けて1階に降りよう。」
ごま「うん。。。あ、、あれ?」
よっすぃー「どうしたの?」
ごま「あ、、、足、、痛めちゃった。ちょっと立てないかも。。」
よっすぃー「えええ??」
ごま「いやん、、もう、よっすぃーが強引にするから。」
よっすぃー「それ、そんなこと言ってる場合じゃないって!!
よけい逃げらんないよ。」
その時、
ずがっしゃーーーん!!ゴリヤナギ3Eに雷が直撃した。
よっすぃー「あれ?ごっちんは雷系は使えたっけ?」
ごま「ううん。全然。なんでいきなり雷が落ちんの?」
ゴリヤナギ3Eは倒れた。
よっすぃー「なんだかわかんないけどラッキー!」
ごま「ラッキー!」
- 405 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)04時54分06秒
- Д<「に、、逃げた方がええんやないか?」
ナッチー「心配には及ばないっしょ。ナッチーにはまだスモウがあるっしょ。」
ゴリヤナギ2「ウホッ!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!!
ゴリヤナギ2は両手で自らの胸を叩いた。
Д<「く、、、来るで!」
あいぼんはササッと扉の影に隠れた。
ナッチー「ナッチーは逃げも隠れもしないっしょ。
どんな突進も正面から受け止めてみせるべさ。これがスモウの誇りだべ。
さあ、かかってくるべさ!!」
Д<「応援するで!頑張れ〜!!」
ゴリヤナギ2「うほほっ!!」
ドドドド!!
ゴリヤナギ2はナッチーに向かって突進した。
- 406 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月03日(土)04時54分52秒
- 中澤「斬岩剣!」
バンッ!ドカッ!!
中澤はゴリヤナギB、Cの足に切りつけた。
石川「ヒャダルコッ!!」
ピキピキピキ、、
ゴリヤナギD、Eの足を凍りつかせた。
中澤「全然浅い。この人数相手に2人はヤバイで!
シバタ!みんなを呼び戻しにいってくれんか?」
- 407 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)04時55分53秒
- ゴリヤナギ2はあっという間にナッチーとの間合いを詰めた。ナッチーは動かない。
Д<「ちょ、、速いで!!ほんまに大丈夫なんか??」
ナッチー「まだまだ!!もっと来るべさ!」
Д<「ぶつかるっ!!」
ナッチー「ここだべさ!」
ぴょん!!
ゴリヤナギ2「うほっ??」
Д<「ええ??」
ナッチー「ハッソートビ!!」
ナッチーは斜め前に飛んでゴリヤナギ2の突進をかわした!!
どごーーーーん!!
ゴリヤナギ2は勢いあまって壁に激突し、めり込んだ。
パラパラパラ、、、
ゴリヤナギ2の突進で崩れた壁の一部が地面にふった。
ドガッ!
ナッチーはゴリヤナギ2の後ろからハリテを一撃!
- 408 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)04時57分00秒
- 保田「どうする?どうする?」
ゴリヤナギJとKは同時に突進してきた。
保田「くっ」
ドゴッ!!
Jの攻撃を避けるが、Kの攻撃を食らい、三度飛ばされる。
保田「げほっげほっ、、、ベホマ!!相性悪過ぎ!」
保田の体力が回復した。保田は立ちあがった。
保田「(相手にダメージ与えられないんじゃバギクロスは無駄。
ラリホーやマヌーサはこの人数では全員にきくとは思えないし、
たとえ全員の動きを封じても、こっちはダメージを与えられないかもしれない。
それに、いつかは私のマジックポイントも尽きるし、、、)
こんな時は、、、、逃げる!!」
保田はゴリヤナギに背を向けて逃げ出した。
ゴリヤナギL「うほほっ!!」
ゴリヤナギ達は保田を追いかけた。
- 409 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)04時57分58秒
- あいぼんは柱の影で囁いた。
Д<「よけよった!、、って、言ってることとやってることが違うやん!」
ナッチー「へっへっへー。相撲はここだべさ!」
ナッチーは得意げに自分の頭を指差した。
ナッチー「突進だけじゃ勝てないっしょ。バーカバーカッ!!」
Д<「おおー。やるやん!ナッチー!!かっこええで!」
ナッチー「いやあてれるべさ。でも当然っしょ。」
ナッチーはニコニコしながらこたえた。
Д<「!!」
ナッチー「ん?どうしたべさ??」
Д<「うしろ!!!、、、新手や!!」
ナッチー「!!、まった登って来たべか?」
ナッチーはふりかえった。
ゴリヤナギ2B、ゴリヤナギ2Cが現れた。
メキメキ、、、ゴリヤナギ2Aはめり込んでいた壁から出てきた。
Д<「まだ動けるんか?!!
こ、、、これは、いくらナッチーでもヤバイで。。」
- 410 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月03日(土)04時58分54秒
- シバタ「あ、あたし?、みんなを呼んでこればいいのね。じゃ、」
マサエ「ダメ!!この人の容態が深刻みたい。
私一人の力では手遅れになるかもしれない。
もう一人妖精の協力が必要です!!」
石川「ええっ!?」
中澤「ほんまかいなっ!!、、、それじゃあしゃあない。石川!呼んで来て!」
石川「え?でも、、チャーミーがここを離れちゃ、中澤さん一人じゃないですか!?」
中澤「うちは平気や。矢口にも指1本触れさせん!」
石川「でも、、」
- 411 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)04時59分47秒
- ゴリヤナギ2A、2B、2Cは様子を見ている。
ゴリヤナギ2B「うほ!」
Д<「??」
ゴリヤナギ2C「うほほほっ!!」
Д<「な、、なんや??こっち見てへんか?」
ゴリヤナギ2A「うっほ」
ゴリヤナギ2Aはあいぼんの方へ振り返った。
Д<「やっぱりうちかい!!」
ゴリヤナギ2A「うほほーっ!」
ゴリヤナギ2Aはあいぼんめがけて走り始めた。
Д<「うなーーー!!」
あいぼんは隠れていた通路を走って逃げ出した。
ナッチー「あいぼん!!、、しまったべさ!」
ゴリヤナギ2Cはナッチーの後ろに回りこんだ。
ナッチー「はさまれた!こっちも心配してる場合じゃないっしょ!!」
- 412 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時00分25秒
- 保田は走りつづけていた。
保田「はあ、、はあ、、、しつこいわねえ。」
ゴリヤナギP「うほっ」
ゴリヤナギM「うほほっ!!」
保田「野生の体力にはかなわないわ。」
ゴリヤナギL「うっほうっほ!!」
保田「それにしても、、、出口はこっちであってんのかしら?
だんだんわからなくなって来たわ。
あれ?この道、、さっき歩いたような、、」
- 413 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月03日(土)05時01分12秒
- 石川はためらっていた。
中澤「ガタガタ迷ってる暇なんて無いんや!
うざったいからはよ行けっちゅうねん!」
石川「は、、、はい。それじゃ行きます。
でも一つだけ魔法を。ピオリム!」
中澤の速さが2倍になった。石川の速さが2倍になった。
ゴリヤナギA「うほっ!」
中澤「さあ、うちが引きつけてる間に行け!」
ゴリヤナギF、G、H、Iが一度に襲いかかった。
石川「はい。必ずすぐ戻りますから、頑張ってください!」
中澤「はっ!!」
バキ!ドカ!バン!!
石川はゴリヤナギの隙をぬって神殿の奥へと進んだ。
- 414 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)05時02分11秒
- ダダダダダダ、、、
あいぼんは逃げつづけた。
Д<「はあ、、、はあ、、、」
どどどどどど、、、
ゴリヤナギ2Aは追いかけつづけた。
ゴリヤナギ2A「うっほ、、うっほ、」
Д<「元気やなあ、、、こっちはヤバイで、、
!!、
わき道や!ラッキー!!やるしかない!!」
ささっ、あいぼんはわき道に逃げこんだ。
ゴリヤナギ2A「うぉほ?」
ゴリヤナギ2Aは勢いあまって通りすぎた。
Д<「今や。モシャスッ!」
どろろん。
ゴリヤナギ2Aはわき道まで戻った。
Д<「うほ」
ゴリヤナギ2A「うほ!?」
Д<(どうや?そっくりやろ??)
- 415 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月03日(土)05時03分05秒
- 中澤「しまった!」
中澤はゴリヤナギ3匹を後退させたが、1匹が矢口の中澤の横に倒れている矢口に襲いかかった。
ズガン!!
中澤は矢口をかばってダメージを受けた。
最初に切りつけたゴリヤナギB、Cは立ちあがった。
バリバリバリ、、ゴリヤナギD、Eは足元の氷を破った。
中澤「ちょ、、、キツイわ。。石川〜、、頼むでほんま、、」
- 416 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時04分19秒
- 保田「これってもしかして!」
そこは行き止まりだった。さっき見かけた宝箱が落ちている。
ゴリヤナギが迫ってくる。
保田「逃げ場、、、無い。。。
こんなところでやられたら、回復する暇も無い。。。」
ゴリヤナギKは胸を叩いた。
ドンドンドン!!
保田「いよいよ殺ろうってのね。でもこっちもまだ氏ぬわけにはいかないわ。
MPが切れるまで撃ちまくって、、誰かが来るまで時間を稼いでやる。
バギクロス!!」
シャシャシャッ!!
ゴリヤナギKは突進した。
保田「だ、、ダメだ。。止まらない、、、」
ゴリヤナギKは突進しながら腕を振り上げた。
保田はぺたんとしりもちをついた。
ゴリヤナギKは腕を振り下ろした。
保田「ひっ!!」
保田はとっさに何かで自分をかばった。
- 417 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)05時05分04秒
- ゴリヤナギ2A「うぉほ」
Д<「・・・・・・」
ゴリヤナギ2A「うほ?うほほほっ??」
Д<「ん?」
ゴリヤナギ2A「うほほうほっーー??」
Д<「しもたーーー!!言葉がわからん!!」
- 418 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時06分23秒
- どかぁ!!
保田「??」
保田が身を守った何かはくだけちった。
保田「これ!さっきの宝箱!!
しかも、、、開いた!!!何か、、、いいもの無い?」
砕けた破片の中に、きらきらと輝く物がある。保田は手にとった。
ゴリヤナギKは2撃目の体勢にうつった。
保田「これ!!銃??リボルバーってやつね。
使ってみるしかない!!
ええと、撃鉄を起こして、、、引き金を引く!!」
パアン!!
保田の目の前で手を振り上げたままのゴリヤナギKは、、、
ドサ、、、倒れた。
保田「やった!よくわかんないけどすんごい威力!!
っていうかこれ、弾は入ってるし、壊れてなくて普通に撃てるし、運がいい!
神様のおかげね。これも普段の信仰のあかし。神官やっててよかった!!」
保田はちょっと笑って立ちあがった。
保田「さあきなさい!ゴリヤナギども!!」
- 419 名前:3 投稿日:2001年02月03日(土)05時06分53秒
- Д<「ヤバイヤバイ、ゴリラ語なんてわからん、、、、は、、そうだ!
のの曰く、『なんとなくやってみたらしゃべれたのれす』やった。
ここはもう、うちもやるしかない!」
ゴリヤナギ2A「ごうっほ!?」
Д<「うほ!うぅほ!(あのガキならうちが片付けた。もう1匹のデブをやりに行くで。)」
ゴリヤナギ2A「うほ?」
Д<「うほほっうぉほ!(ガキの氏体なら引きちぎって捨てたで。)」
ゴリヤナギ2A「うほ。」
ゴリヤナギ2Aはくるっと向きを変えた。
Д<「(おおよっしゃ!通じたで!人間なせばなるもんや!ののー!うちにもできたでえ!!)」
あいぼんはそこら辺に落ちてる大理石の壁のかけらで一番大きいものを拾った。
Д<「黒人だの白人だの言うてもしょせんはゴリラ。
現役女子高生とか言ってデビューしても誰からも信じてもらえん。
何故ならあんたはゴリラ。
逝ってよし!!」
ゴガッ!!
- 420 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時08分42秒
- 保田は銃を構えた。
ゴリヤナギL「うほ??うほほっ!!」
ゴリヤナギLとPは突進した。
保田「食らえ!」
撃鉄を起こし、引き金を引く。撃鉄を起こし、引き金を引く。
パアンパアン!!
ゴリヤナギLとPは倒れた。
ゴリヤナギJ、M「うほっ!!」
保田「相当頭にきてるみたいね。どんどん来なさい。
こっちもキリキリ返すわよ!!」
ゴリヤナギJとMとNは突進した。
パアンパアンパアン!!
保田「この早撃ち。私ってすごい!!」
- 421 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)05時09分23秒
- ゴリヤナギ2Aの後頭部に改心の一撃!!
ゴリヤナギ2A「ごほおおおおうう!!」
ゴリヤナギ2Aは倒れた。
Д<「おお!!!やったった!!うちがやったで!!
さっきのナッチーからのダメージもあるやろうけど。」
あいぼんはしばし感動を味わった。
Д<「ナッチー!待っててや!今助けに行くで!」
あいぼんは逃げてきた道を引きかえした。
- 422 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時10分11秒
- ゴリヤナギO「うほーー!!」
保田「あと1匹!あんたも逝っちゃいなさい!」
保田は引き金を引いた。
ガキッ!
保田「??」
ガキッ!
保田「あれ?」
ガキッ!
保田「弾切れーーー??確かにリボルバーと言えば6発、、あと1匹なのに。。」
ゴリヤナギO「うほーー。。うほーーー。。」
ゴリヤナギOと目があった。
保田「あは、、、あはは、、気合入ってるねあんた。」
保田は引きつった。
- 423 名前:屋上 投稿日:2001年02月03日(土)05時11分01秒
- よっすぃー「はあはあ、、思ったよりだめだめだ。。
飛びまわられるとこっちの攻撃全然あたんないよ。
あたったとしても、、、浮いてるから空中にダメージが逃げちゃって致命打にならない。
怪我してるごっちんばっかり狙われるから深追いできない。」
ごま「魔法もまとが絞れなさすぎてあたんない!!どうしよー?」
よっすぃー「こうなったら、、、待つ。徹底的に。
どうせ大げさには動き回れないんだし。
ちょっと危険だけど、突進して来た所にぴったりカウンターをあわせてみる。
そんで1撃でしとめる。先読みとタイミングだ。」
- 424 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時12分16秒
- 保田はゴリヤナギOと目をあわせたまま、冷や汗をかいた。
ゴリヤナギO「うほっ!」
保田「来る!!」
その時、
?「おーーい!!よっすぃー様ーー!!ししょー!!
どこにいるんですかーーー?大変なんですよーー!!」
保田「あ、、、あの声!!まだまだついてる。。。マヌーサ!!」
ゴリヤナギO「うほ?」
ゴリヤナギOは幻に包まれた。
保田「かかった。」
ブンブンブン!
ゴリヤナギOは暴れた。が、空を切った。それをかわし、保田は回りこんで叫んだ!!
保田「石川!!」
- 425 名前:屋上 投稿日:2001年02月03日(土)05時13分01秒
- ごま「!!」
よっすぃー「来た!」
ゴリヤナギ3Bはよっすぃーに突っ込んだ!
ごま「あたっ、、」
よっすぃー「ここだ!」
ズバァ!!
ごま「った、、、って、、」
ゴリヤナギ3Bはよっすぃーのわずか50センチ手前でぴったりと止まった。
キン、よっすぃーは刀を鞘に収めた。
ズシャ!ゴリヤナギ3Bは倒れた。
ごま「キャーーー!さすがよっすぃー!!かっこいーー!!」
- 426 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月03日(土)05時13分48秒
- 中澤「はあ、、はあ、、、」
ゴリヤナギB、E、F、Hは既に倒れていた。
中澤「あと半分やで。。
やねんけど、もう、、あかんかもしれん。。体力は限界。ピオリムもとっくに切れた。
矢口、、、」
矢口「・・・・・・」
中澤「いったい石川は何やってんねん?」
ゴリヤナギA「うほっ!」
中澤「にしても最初っからずーっと攻めて来ないやつがいるやな。
あいつが、、この群れのボスや。
っちゅうても、、うちにはあいつを倒す力は、、、」
- 427 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時14分34秒
- 石川「保田さん!!」
石川は保田の元にかけつけた。
石川「保田さん、大変なんですよ。」
保田「うん。それよりもね、(この子の大変を聞いてる場合じゃないわね。)」
石川「あ?ゴリヤナギ!!」
保田「そうなのよ。」
石川「これ全部、保田さんが倒したんですか??凄いです!さすが師匠!!」
保田「ま、、まあね。」
石川「あと1匹ですね。とっととやっつけて話聞いてくださいよ。大変なんですよ。」
保田「そ、、そうね。でも、これはあんたに倒してもらうわ。」
石川「??」
保田「ほ、、ほら、こないだ修行の成果を見せてもらおうとしたら、
邪魔が入ってできなかったでしょ。」
石川「そういえば確かそうでしたね。中澤さんが酔っぱらって。」
保田「そう。そこで、あんたのために1匹残しておいたのよ!!
さあ私が見てるわよ!!やっちゃいなさい!!」
- 428 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)05時15分23秒
- ナッチーをはさんだゴリヤナギ2B、2Cはじりじりと間合いを調整した。
ナッチーは動かない。
ゴリヤナギ2B「うほっ!」
ゴリヤナギ2C「うほっ!」
ゴリヤナギ2Bと2Cは突進した。
ナッチー「こっちの方っしょ!」
ナッチーはゴリヤナギ2Cを受け止め組み合った。
ナッチー「ウワテナゲ!」
ぶんっ!ドカッ!!
ゴリヤナギ2Cをゴリヤナギ2Bに投げつけた。
ナッチー「どうだべ?」
ゴリヤナギ2B、2Cは立ちあがった。
ナッチー「まったくしぶといべ。。。
!!、しかもまた現れたっしょ!」
ゴリヤナギ2Dが現れた。
ナッチー「こうなったら全部まとめて窓から1階に叩き落してやるっしょ!!」
- 429 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時16分44秒
- 石川「うっ、、、保田さん!!」
保田「な、、なに涙ぐんでんのよ。。」
石川「チャーミー、今、期待されてるんですね。師匠が、チャーミーに。」
保田「そ、、そうよこれ以上無いってくらい。ほら、マヌーサが解けてきたわよ!
なんとかしなさい!」
ゴリヤナギO「うほーーー!」
ゴリヤナギOは突進してきた。
石川「今まで、、、ポジティブに頑張ってきて良かった!!
あんな時も、こんな時も、くじけずに一生懸命。。。うっうっ、、」
保田「あんた、、、大丈夫?」
石川の回りに急に冷気が集まりだした。
ゴリヤナギO「うほ?」
石川「マヒャド!!」
ゴリヤナギO「ごほっ、、う、、、ほ、、」
ゴリヤナギOは氷ついた。
保田「すごいじゃない!!、、とどめ!バギクロス!!」
凍ってしまったゴリヤナギOは木っ端微塵にくだけちった。
- 430 名前:3階 投稿日:2001年02月03日(土)05時17分26秒
- ナッチー「!!」
ゴリヤナギ2B、2C、2Dは突進した。
ナッチー「ハッソートビ!」
ナッチーは2Bの突進をかわした。そこに2Cが突っ込んだ。
ナッチー「ふん!」
ガシ!2Cの突進を受け止めた。
ドン!!しかし2Dの突進を後ろからうけた。
ナッチー「ぶひっ!!」
ガン!ナッチーが倒れた所に体勢を立て直した2Bが追撃
- 431 名前:屋上 投稿日:2001年02月03日(土)05時18分13秒
- ごま「やったね。」
よっすぃー「あと3匹!!さあこーい!」
ごま「あれ?、、なんか、、ゴリヤナギ達がいなくなったよ。」
よっすぃー「??」
ゴリヤナギ3A、3C、3Dは姿を消した。
よっすぃー「怖れをなして逃げたのかな?」
ごま「と思ったら戻ってきた。」
ゴリヤナギ3A、3C、3Dは姿をあらわした。
よっすぃー「ありゃ?」
ごま「なんかすっごいおっきいもの持ってる!!」
よっすぃー「岩だ!あれ、投げつける気かな?」
ごま「接近戦がダメなら遠距離戦やろうっていうこと?ゴリラって頭良いね。」
よっすぃー「こっからはごっちんの出番だね。」
ごま「うん。投げる瞬間に動きが止まる。そこを狙ってみるよ。」
- 432 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)05時19分27秒
- 保田「ふ、、、、ふー。(やれやれだわ。。)」
保田は手に持ちっぱなしだった銃を、腰に刺した。
石川「やりましたよ!保田さん!!見てくれました!!マヒャドができましたよ!」
保田「そうね。。よくやったわ。強くなったじゃない。
おかげでたす、、おっと、ごほごほ。」
石川「なんですか?」
保田「なんでも無いわよっ。強くなったっていったのよ。」
石川「ありがとうございますー。うれしいですー。」
保田「とりあえずここは(あんたのせいで)寒いから移動しましょう。
そうだ、みんなは?」
石川「あ!そうだ!!大変なんですよ!」
保田「そういえばさっきもそんなこと言ってたわね。どうしたの?」
石川「実は中澤さんが、」
保田「とにかく裕ちゃんの所へ戻れば良いのね。」
石川「そうです。(あれ?まだ何も説明して無いのに)」
- 433 名前:1階奥 投稿日:2001年02月03日(土)12時19分47秒
- 中澤「・・・しゃあないわ、あれを使うか・・・」
中澤は斬岩剣を構えた。
中澤「まあ、他のメンバーも何とかするやろ・・・」
ゴリヤナギAは様子を伺っている!
中澤「うりゃ!どりゃ!っせいっ!!」
中澤は斬岩剣を3回振り回した。
ゴリヤナギAは様子を見ている。
シバタ「何をしたんですか?」
マサエ「ぜ、全然当たってないですよー!!」
中澤「ええねん。さて・・・」
中澤は矢口を引きずって少し移動した。
ゴリヤナギ「ゴホッ?」
その瞬間!
神殿全体が一瞬揺れた!
と思うと、先ほど中澤が立っていたところから大きな亀裂が生じた!
ゴリヤナギA「ゴホッ!?」
次の瞬間、神殿は崩れだし、ゴリヤナギAは落ちてきた天井に押しつぶされた!
他メンバー「何じゃあこりゃあ!!」
- 434 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月04日(日)14時12分59秒
- 崩れ出す神殿。
よっすぃー「・・・どうやらここはあまり長く持たないようですね。
おそらく誰かが建物の「点」を破壊したのでしょう。
そんなことができそうなのは・・・中澤さんか・・・」
ごま「ちょっと!冷静に判断してる場合じゃないでしょ!
さ、早くこいつら片付けて圭ちゃん達と合流しよう!」
- 435 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月09日(金)13時02分52秒
- 群れのボスが倒されたことで、残りのゴリヤナギたちは退散していく。
〜3階〜
ナッチー「???逃げてくべ・・・。
・・・ハッ!こうしてはいられねえべ、逃げねえば!」
そんなナッチーにゴリヤナギが一匹近寄ってくる!
ナッチー「まだ残ってたべか!」
ナッチーはゴリヤナギに殴りかかった!
??「う、うな〜!!」
ドロン!ゴリヤナギはあいぼんに戻った。
Д<「イタイガナー」
ナッチー「す、すまねえべ。さ、逃げるっしょ!」
- 436 名前:1階 投稿日:2001年02月09日(金)16時17分43秒
- 石川「崩れだしてますよ!」
保田「喋らなくていいから走るわよ!」
ふたりは中澤のいる神殿入り口付近まで走った。
保田「裕ちゃん!!大丈夫!?」
中澤「ああ・・・ウチはとりあえず問題ない・・・」
石川「あ、ひどい怪我・・・」
中澤「ウチのことより、矢口を心配したってえな・・・」
保田「とりあえず治療しとかないと・・・石川!」
石川「は、はい!ベホマ!」
中澤のキズが回復した。
保田(私のMPあと少ししかないのよね・・・節約しないと)
- 437 名前:屋上 投稿日:2001年02月09日(金)16時33分29秒
- 崩れだしたせいで、屋上は揺れがひどく、安定しない。
よっすぃー「これなら、狙えるかも・・・」
ごま「?」
よっすぃー「一番手前のゴリヤナギに向かって、メラを撃って」
ごま「メラ?メラゾーマじゃなくて?」
よっすぃー「メラでいいよ、気づかれないように、そっとね」
ごまは言われたとおりそっとメラを撃った。
ごま「・・・メラ!」
小さい火の玉が手前のゴリヤナギ3Aに向かって飛んでいく。
神殿が崩れるものすごい音に気をとられ、ゴリヤナギたちはメラに気がつかない。
そのうち、火の玉はゴリヤナギ3Aの胸毛に燃え移った。
ゴリヤナギ3A「ウホッ!?」
慌てたゴリヤナギ3Aは手を滑らせ、持っていた巨大な塊を自分の頭の上に落とした。
さらに、昏倒しながら3C・3Dに倒れこみ、その2匹もろとも屋上から地面へ転落していった。
よっすぃー「ほらね」
ごま「スゴイ・・・やるねえ・・・安心すると眠くなってきたよ・・・」
ごまはアザラシになってしまった。
よっすぃー「待て!あたしが結局運ぶの?」
- 438 名前:屋上 投稿日:2001年02月13日(火)02時29分45秒
- よっすぃー「おきてー!おーきーてーよー!!」
ごま「いいけど。」
よっすぃー「え?、、、あら?なんかあっさり起きてくれたね。」
ごま「うん。」
よっすぃー「よかった。とにかく逃げよう。」
ごま「でも扉は開かないんだよね。」
よっすぃー「あ、、そうだった!」
ごま「じゃ、飛び降りるしかないじゃん。
ここ4階だよ。よっすぃーはいいけど私は無理だよ。」
よっすぃー「そっか。んじゃはこぶしかないかー。
あー、しまった。それならアザラシの姿の方が良かったかも。」
ごま「でしょ。」
よっすぃー「またなってよ。」
ごま「またって、、そんな簡単に言ったって、もう目がさめちゃってるから無理だよー。」
よっすぃー「、、、やっぱりそっか。しまったなぁ。。。
ま、こうなった以上はしょーがいないね。ほら、おぶさって。」
背を向けて屈むよっすぃー。
- 439 名前:屋上 投稿日:2001年02月13日(火)02時32分06秒
- ごま「・・・・・」
よっすぃー「どしたの?ごっちん」
ごま「お姫様だっこじゃなきゃいや。」
よっすぃー「えー?なに言ってんのこんな時に!」
ごま「いーじゃんいーじゃん!」
よっすぃー「ってそれ弟の持ちネタ。」
ごま「私はあの方が楽だろうなと思ってたのに、
起したのはよっすぃーでしょー。」
よっすぃー「う、、、そうかも。じゃ、そうしてあげますか。。なんか騙されてるような?」
ごま「やった!!騙してないって。それじゃ行こっか?」
ごまはよっすぃーの首に両手をかけた。
よっすぃー「ん、、、おっけー。」
よっすぃーはごまの肩と膝の裏に手をまわし、抱き上げた。
ごまはにこにこしている。
よっすぃーはすたすたと屋上の端まで歩いた。
よっすぃー「飛ぶよ」
ごま「レッツゴー!」
ダン!
柵をのり超え、一気に下へと。
- 440 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月13日(火)02時34分19秒
- ドシャッズシャッグシャッ!
建物から逃げ出す中澤たちの目の前に何かが降ってきた。
中澤「うわ!あぶないわ!!」
石川「ゴリヤナギじゃないですか!でも、、なんか焼け焦げてますよ。3匹も」
中澤「焼かれるってことは、、、」
保田「あ!なんか上からまた落ちてきた。」
ビューーーー
風を切る音がする。
ごま「わぉ〜」
すたっ。
中澤達の15メートルほど前によっすぃーは着地した。
中澤「なんや?」
保田「あ!よっすぃーとごまじゃない!」
中澤「ってことはやっぱりあの2人がやったんやな。このゴリヤナギは」
よっすぃー「はい到着。」
ごまを降ろすよっすぃー。
ごま「あー、楽しかった。」
- 441 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月13日(火)02時35分01秒
- 保田「あんたたち!」
保田は2人にかけよった。
石川「ああん、あれ、、、羨ましいなぁ。」
中澤と石川もそれに続いた。2人にかけよった。
ごま「あ、圭ちゃん。みんなも!
大丈夫〜?ゴリヤナギ達に襲われなかった?」
よっすぃー「たぶん、それで神殿を崩したと思うんですけど。。」
石川「そーなんですよ。大変なんですよ。ゴリヤナギが9匹も突然、、、」
中澤「ちょっとあんたは黙っててや!」
中澤と保田は今までの経緯を(手短に)説明した。
- 442 名前:1階門付近 投稿日:2001年02月13日(火)03時04分18秒
- よっすぃー「なるほど。それで神殿を崩したんですね。」
中澤「すまんなー。いきなり崩して。ほんまにピンチやってん。
上は揺れで大変やったやろ。」
よっすぃー「ええ。でもそのおかげでゴリヤナギ達を一掃できましたから。」
保田「たぶん、あの中の何匹かはまだ生きてる。もうすぐ追って来るわよ。」
ごま「ところで、あいぼんとナッチーは?」
保田「わからない。たぶん上の方へ行ったんだけど、大丈夫かしらね?」
よっすぃー「矢口さんはどうなんですか?」
中澤「今、妖精が二人掛かりで呪いを解いてる最中や。」
よっすぃーはしゃがんで、巨大化したまま気を失っている矢口の顔に、そっと顔を近づけた。
よっすぃー「矢口さん、頑張ってください。」
中澤「あー!何やってんねん自分!今、うちの矢口にキ、、」
よっすぃー「やだ、、何もやってませんよー。ちょっと話しかけただけなのに。
なんで文句言うんですか?しかも「うちの」ってなんですか?」
中澤「うちの物はうちの物や!」
よっすぃー「矢口さんは物じゃないです。」
中澤「なんやと!やるっちゅうんかい!?」
保田「あー、もう、ギャーギャー言ってないでよ!
追っ手も来るし、味方もまだ行方不明で大変なのに!ねえごま!」
ゴマ「zzz」
石川(チャーミーにもあれやってって頼もうかなあ。。)
- 443 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月16日(金)02時48分57秒
- 保田「来たわよ。」
3階から逃げ出してきた3匹のゴリヤナギが、怒りの形相でこちらを睨んでいる。
中澤「3匹か・・・ちょっときついなあ」
よっすぃー「私達も、ずいぶん体力を消費しているし・・・」
ごま「Zzz...」
石川「チャ、チャーミーは・・・」
そのとき!
保田「ちょっといい?石川は回復に専念しなさい。帰ることも考えないと。
裕ちゃんもよっすぃーも休んでていいわよ。試してみたい技があるのよ」
中澤「・・・ほんまに大丈夫なんか?」
よっすぃー「保田さんはハッタリかますようなタイプじゃないですけど・・・」
- 444 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月16日(金)02時54分00秒
- 保田「(とはいってみたものの・・・イチかバチかね、これは・・・
MPがギリギリの状態じゃないと出せない技だけど・・・)」
中澤「やばいな・・・一応構えだけはとっとくか?」
よっすぃー「そうですね・・・」
神殿から飛び掛るゴリヤナギ達!
保田は両手を十字型に構える。
保田「グランドクロス!!!!!」
強烈な閃光とともに、ゴリヤナギ達は消滅した。
神殿には巨大な十字型の亀裂が入っている。
- 445 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月16日(金)03時00分33秒
- 「ふぅ、」
一息つくと・・・。パタッ。
保田は膝から崩れ落ちた。
石川「保田さん!!」
中澤「圭坊!!」
よっすぃー「グランドクロスなんて・・・大戦のとき以来じゃないですか!」
保田「はぁ、この技やっぱり心身使い果たすって感じよね・・・」
石川「すごいです!!チャーミー感動しました!!!」
よっすぃー「何で、今この技を?」
保田「まだ使えるかどうか試しただけよ。大成功・・・」
中澤「!?圭坊?」
保田「ふぁぁぁ・・・ちょっと寝るわよ・・・石川」
石川「はいっ?」
保田「寝てる間よろしく頼むわよ・・・Zzz...」
石川「師匠・・・(感動)」
- 446 名前:3階→2階(保田のグランドクロス発動前) 投稿日:2001年02月16日(金)03時14分01秒
- 一方その頃、脱出中のナッチーとあいぼん・・・
ナッチー「ハァハァ・・・」
Д<「ナッチー!急がんと潰されてしまうで!」
ナッチー「腹・・・減ったべ・・・」
Д<「こんなときに・・・」
ナッチー「食うべ・・・」
ナッチーは腐ったパンを取り出した。
Д<「!アカン!!腐ってるで!!」
ナッチーのおなかはいっぱいになったが毒に侵された。
ナッチー「く、苦しいべ・・・」
Д<「ウチはキアリー使えへんし・・・保田はんか梨華ちゃんに頼まんと」
ナッチー「お腹がすいてるよりは我慢できるべ・・・」
Д<「・・・」
- 447 名前:3階→2階(保田のグランドクロス発動) 投稿日:2001年02月16日(金)03時18分53秒
- しかし、ナッチーは急にしゃがみこんだ。
Д<「や、やばいで・・・だから言ったんや!!」
ナッチー「ちがうべ、あいぼんも伏せれ!!」
ナッチーはあいぼんを無理やり地面に押さえつけた。
Д<「イ、イタイガナイタイガナ!!何すんねん!!!」
ナッチー「前のほうで巨大な気を感じるべ・・・」
Д<「?」
巨大な閃光!!!
ふたりが伏せていた場所のすぐそばを、保田のグランドクロスが掠めていった。
Д<「・・・」
ナッチー「危なかったべ・・・」
- 448 名前:3階→1階 投稿日:2001年02月16日(金)03時22分22秒
- ナッチー「うまい具合に、外への道が出来たみたいだべ」
Д<「しかし、ウチはルーラもリレミトも使えへんよ・・・」
ナッチー「なあに、簡単だべ」
そういうと、ナッチーはあいぼんを持ち上げ、振り回しだした!!
Д<「や、やめ!!目ぇ廻るぅぅ〜」
ナッチー「そらーーーーっっ!!!」
あいぼんは外に向かって投げ飛ばされた!!
Д<「ポッポー!!!」
- 449 名前:1階入り口付近 投稿日:2001年02月16日(金)03時27分15秒
- 『うーーーーーーなーーーーーーーーーーーー』
中澤・よっすぃー・石川「!!」
神殿の方向から、あいぼんがものすごいスピードで飛ばされてくる!!
よっすぃー「ハッ!!」
よっすぃーは空中であいぼんをダイビングキャッチした。
Д<「・・・氏ぬかと思ったわ・・・」
続いて轟音と共に何か飛んでくる!!
しかし誰もキャッチできず、地面に衝突した。
ナッチー「はらほろひれはれ・・・誰か受け止めてほしかったべ・・・」
中澤「そら、無理や。」
石川「チャーミーまだ氏にたくありませーん
」
- 450 名前:1階入り口付近 投稿日:2001年02月18日(日)03時57分57秒
- よっすぃーに降ろされ、建物に入った亀裂を見たあいぼん。
Д<「まー、派手にやったなあ。」
石川「そうなのよー。あいぼん。師匠がこう腕を十字に構えて、
そしたら閃光が、、」
Д<「なるほど。スペシウム光線やな。」
石川「ちがいます〜。」
中澤「これで、1階に生き残ってるかもしれへんかった
ゴリヤナギ達もさすがに全滅か。あとは、、」
- 451 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)04時48分45秒
- どうして、私は小さいの?
私は小さい私。
私は大きくなれない私。
私は大きくなりたい私。
私は小さい私が好きな私。
どうして、私は小さいの?
- 452 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)04時50分47秒
- マサエは矢口の呪い解きをしていたがやめ、仲間を呼びに行けと言われるシバタを引きとめた。
シバタ「私の力が必要ってどういうこと?」
マサエ「シバちゃん、テレパシー、ちゃんとできる?」
シバタ「テレパシー?うーん、、、あんまり得意じゃないんだけど。。」
マサエ「もー、妖精の伝統ある特技の一つなんだから頑張ってよ。」
シバタは頷いた。
シバタ「う、、うん。やってみる。でも、どうして呪いを解くのにテレパシーなんか使うの?」
マサエ「それは潜りながら説明するね。時間がないし。
それと、シバちゃんを引きとめたわけもね。さ、行くよ。」
シバタ「わかった。行こう。」
二人は矢口の頭に手を置き、目を閉じて、矢口の心へと自分を送る。
シバタ「あー、、なんかこう、、、
人の頭の中に入るのってすっごく疲れるんだよね。
精神に着くまでは記憶されてることがずらーっと倉庫の中にある物みたいに並んでて、
あまりの物の多さに見てるだけで気がめいるっていうか、
その物の中身を見たい誘惑にもかられるけど、
勝手に見たらダメっていう罪悪感がっていうか、とにかく疲れる。」
シバタは苦笑いした。
いくつもの記憶が置かれている中を二人は下へと進んで行く。
整然としているところもあれば、雑然としているところもある。
- 453 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)04時52分27秒
- マサエ「そんなこと言ってる場合じゃないよっ。
いい?呪いっていうのはすっごいいろんな種類があって、
散々バラバラに見えるけど、実は違うの。
魔法と同じように呪いにも系統ってものがある。
大雑把に分けると三通りに分類できるの。知ってた?」
シバタ「へー、ぜんっぜん。そうだったんだー。マサエちゃん、なんでそんなこと詳しいの?」
マサエ「シバちゃんが知らな過ぎるんじゃない?
っと、そんなことはいいから、、、三通りのうち、
まずは固有の魔法、儀式を使ってかけるもの。
これを解くには同じ魔法をかけなおす。
もしくは固有の解除用の儀式を使うのが一般的ね。」
シバタ「ああ、ごまさんがそれかも。アザラシに変えられてたんだって。
今でも眠くなるとなるらしいんだけど。。詳しくは知らないけどね。
でも、、矢口さんは魔法とかをかけられたって事じゃないよねぇ。」
- 454 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)04時53分48秒
- マサエ「次は、個人の思念が乗り移るもの。
例えばアイテムを持った瞬間に過去の持ち主の思念が乗り移ったり、
人が人を思念で操ったり。
これを解くには思念の元を完全に遮断することね。シャナクの魔法を使うのが一般的。」
シバタ「ふーん。シャナクはできるって梨華ちゃんが言ってたような。
でもこれでもないんだよね。矢口さんの呪いは。
シャナクで解けるならここまで来ないし。」
マサエ「うん。それで三番目、多くの思念からできた渦が心に深く入り込むもの。
呪いなんて言うけどね、実際は、
「ウイルス性で具現化する心の病気」っていった方がまだ近いかもしれない。
この人の呪いはこれなのよ。」
シバタ「??
ちょっと、、なんか意味わかんないんだけど?」
- 455 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)04時57分20秒
- マサエ「もう少し聞いて。
世の中には、人間なんかの持つ、正の思念や負の思念、
簡単には二極化できないいろんな思念も、
そういうものが形を持たずにふわふわ浮いているの。普段はばらばらにね。
でも、同じような思念がだんだん寄り集まって、一つの形を作ることがある。
正の思念の場合、それは奇跡とよばれる何かを引き起こす場合もある。
けど集まった、怨念とでも言うべき負の思念は、
時として、最もその感情を強くもった人の精神に、どっと、、
まるでブラックホールに吸いこまれるように押し寄せてしまうことがあるの。
そしてその人を通して、この巨大化の様に形をもって現れるの。」
シバタ「ひえー。。。磁石に引きつけられる砂鉄みたいなもんかな?」
マサエ「そうとも言えるね。
この手の呪いを解けるのは、、、妖精だけかもしれない。
私達のテレパシーを使って精神に入り、
その形を持つまでに至った思念の渦を取り払うの。」
- 456 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時00分50秒
- シバタ「なるほど。なんかちょっと混乱したけど。
ようは矢口さんの精神に入って、怨念とやらを追い払うんだね。」
マサエ「そうそう。緊急なのはその症状が末期だってこと。
渦を一刻も早く取り除かなきゃいけない。それには私一人じゃダメだと思ったの。」
シバタ「そこで私の出番ね。OK!頑張ろ。
でも、、矢口さんと同調するって、いったいどんな怨念が?」
マサエ「ちょい待ち。もう一つ、、回復するのに必要不可欠なことがあるの。
私達二人いても、それだけの力では、思念の渦を全て取り払うなんてことはできない。
その人の精神そのものにも頑張ってもらわなきゃいけない。
だから、その人が呪いに打ち勝てる力を手にできるように励ましてあげる。
つまり、負の思念と対極にあるような精神を育てて、戦ってもらうの。
今回はこれが、、、、大問題だったのよ。」
シバタ「?」
記憶という名の物がふと無くなった。
ここからは精神の部屋がいくつも並んでいる。
部屋の一つ一つの中には矢口の考えている事が存在する作業場だ。
どれにも入ることはなく、更に奥へとマサエは進んで行く。
シバタはそれを追いかける。
- 457 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時02分22秒
- マサエ「どんな怨念?っていう質問の答。
この呪いはね、『一番小さな子供を選び、子供の心を奪って食べてしまう。
心を食べられた子供は二度と子供に戻ることが出来ない。』伝説ではこう。
そう、この負の思念の元は、小さな子供の持つ「コンプレックス」なのよ。
例えば子供の友達の仲で一番小さい事は、背が高い人に比べて足が遅い事、
力比べで負ける事、いつまでも幼児体系である事、
それはつまり、馬鹿にされる事、されないとしてもそう思われてると感じてしまうこと。
辛いコンプレックスなの。
辛くて辛くて、、、時として人は、自らを壊してしまうほど。
この地域には風水学的にその思念が集まりやすい道ができてしまってるのね。
そしてここを通りかかる同じ感情を持つ人に同調して形を持つ。」
シバタ「確かに、、矢口さん小さいから、、、」
マサエ「だから普通だったら、私達はテレパシーで、さっきも言ったように励ましてあげるの。
そんなの大丈夫だよ。気にしないでって教えてあげるの。
まだまだ貴方は焦らなくても育つから。
小さくても一生懸命生きてる人は貴方の他にもいっぱいいるんだよ。
小さい事は悪い事ばかりじゃないよ。って。」
- 458 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時05分30秒
- シバタ「??、ちょっとまってよ、、、あれ?、矢口さんは言ってたよ。
私のチャームポイントは小さい事だよって。
小さいとね、どんな人と付き合っても自分より背が高いんだよ。なんて、
ちゃんと開き直って、受け入れて生きてるんだよ?ほんと、大人だと思うなあ。
大きくなりたい感情なんて、、、
コンプレックスなんてとっくに克服しちゃったんじゃ?
なんでそんな呪いにかかったんだろう?
たぶん、今マサエちゃんが言ってたようなことだって、、
全部わかってると思うんだけど、、。」
マサエ「そうなの。全部わかってたんだ。。だから、、困ってるの。。
あ、ついたみたい。」
マサエは扉の一つを開けた。
二人は中へ足を踏み入れた。
シバタ「随分深かったね。
それだけ、、矢口さんの心を作る部分の根幹にあるってことか。
って、、うわっ!!」
そのスペースは一面、真っ黒なガスかススのようなものに満たされていた。
シバタ「これが、、、、」
マサエ「呪いよ。来て」
真っ黒なガスの中を、二人は突き進んだ。
シバタ(随分広い。。)
- 459 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時06分57秒
- マサエ「ついた。これ。わかる?今にも消えちゃいそうな、小さい一部分。」
そこには、妖精の体と調度同じぐらいの小さな白い球体が浮いている。
マサエはそれを指差した。
シバタ「何?これ、、、震えてる?」
マサエ「そう。」
それにマサエがそっとさわると、中から声がした。
「いや!いや!こないで!なんで大きくならなきゃいけないの!?」
シバタ「これ、、矢口さん?こ、、、こんなに小さいの?
この大きい、、黒い怨念の中で、、、」
マサエ「うん。この子が矢口さんの存在を肯定する思念。
どんどん小さくなって、、もう負けかかっている。
この子が完全にいなくなったら、この怨念は他の部屋をも侵食する。
怨念は矢口さんの精神を食い尽くす。そしていずれは体も崩壊し、、、氏んでしまう。」
シバタ「・・・・・・そんな、、、」
- 460 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時09分40秒
- マサエ「私もね、最初、なんで呪いにかかったんだかわかんなかった。
でもね、実際はそんな、、さっきの言葉でなんとかなるような、
簡単に克服されるものじゃなかった。
コンプレックス、、、、複雑な感情。この人は、背は小さいまま大人になってしまった。
確かに、背は自分のチャームポイントだって思いは本心なんだと思う。
もし今更、大きくなりたいか?って聞かれたら、きっと迷わずNOと応えるでしょうね。
それは彼女のアイデンティティ。
だけどね、この年になってしまったら、、もう、小さいって事は一生変わらないんだよ。
一生、、、
今、背が高かったら便利なのに!手がもう少し長かったら届くのに!
そう思う時が必ず来る事を知ってるんだよ。
小さいだけで目立たないかもしれない。淘汰されてしまうかもしれない。
でもどうしようもない。どうにもならない。
もし背が人並みに高ければ、こんな思いをせずにすんだと思う。背が高ければ、、、
逆に言えば、、だから、大きくなろうと必死なんだよ。
大人になろうと必死なんだよ。自分はちっちゃくない。子供じゃないって思うために、
思ってもらうために必死なんだよ。
その二つの感情が、普段はバランスを保って生きてる。
それはとってもとっても大変なことだった。」
- 461 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時11分26秒
- シバタ「そっか。。
小さいのが私と思う心と、大きくなれたらっていう心。それがコンプレックスなんだね。
そこに、大きくなりたいって思う人達の思念が流れこんで、、
そして心のバランスが崩れた。
矢口さん自身の大きくなりたいと言う心も強かったから、、、
普通なら1週間のところを、たった2日で瀕死の状況まで来てしまった。」
マサエ「うん。さっきね、この子に怨念と戦ってくれるように説得してたら、、
そういう複雑な思いが痛いほど伝わってきたの。
そして、、2つの心のバランスが崩れた今、
大きくなりたいっていう感情がいかに強いかを彼女は知っている。
だから、怖がって、逃げて、出てきてくれないの。
そんな人に対して、、、
私がさっき言ったような言葉をかけることはなんの価値も説得力も無かったんだ。
そう感じた。そしたら何も言えなくなっちゃった。
回復するには、内側からも出てきてもらう事が必要不可欠なのに、、、、
だから、、どうしよう、どうしたらいいと思う?シバちゃん?」
- 462 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時12分56秒
- シバタ「・・・・・
矢口さんはきっと、私が言えることだって、、、全部わかってると思う。
それに、たとえどんな相応しい言葉をかけても、、、
しょせんは当事者じゃない輩の言うことなんて、って思うんじゃないかって気もする。
そう思ったら、、、、何も言えないよ。私にも、、」
シバタは首を振った。
マサエ「やっぱり、、、でもこのままにしておくわけには、、」
不安な顔を見せるマサエ。
しかしシバタは、意思に満ちた目でマサエを見つめ、続けた。
シバタ「でもね、ちょっとの間だけどこの人達と一緒にいた私だからわかることがあるよ。」
マサエ「!!?、それは、、、何?」
シバタ「今こそ、今まで信頼しあってきた仲間の出番なんだよ。みんなの声が必要なんだよ!」
- 463 名前:矢口の話(前編) 投稿日:2001年02月20日(火)05時15分26秒
- その時、矢口を肯定する思念がビクッと動いた。
回りを取り囲む怨念が、少し振り払われた。
精神の中にかすかな音が紛れこんでくる。
「矢口さん、頑張ってください」
シバタ「ほら!聞いた?!今の」
マサエ「ほんとだ!効いたみたい。仲間の、、声?」
シバタ「矢口さんもきっと、みんなの声なら大丈夫だよ。
みんな、背は小さくて心は大人な矢口さんが大好きなんだよ。
馬鹿にする気なんてこれっぽっちもないしね。
ほんとは、もうこれだけ一緒に旅して、矢口さんもわかってるはずなんだ。
だから今は、みんなの声が一番効くはず!
氏にかけの患者を救うには、身内の呼びかけが一番よく効くって言うでしょ。」
マサエ「そっか、、そうかもね。それじゃみんなに頼もう。」
シバタ「耳からじゃなく、直接精神に声を送れるように私がサポートするよ。
苦手だとか言ってらんない。やるしかない。」
マサエ「うん。私はなるべく渦を取り払ってるよ。もうほんとに時間がない。急ごう!」
- 464 名前:矢口の話(中編) 投稿日:2001年02月21日(水)04時42分02秒
- 中澤「あとは、、、矢口だけやな。」
石川「心配ですね。」
Д<「そやそや。大丈夫なん?」
よっすぃー「りかちゃんが妖精を見つけてきてくれたんですよ。
今は妖精二人係で治療中だそうです。」
石川「マサエちゃん。見つけたのはシバちゃんなんだけどね。」
Д<「そやったんか。あ、矢口さんの頭の上にとまってる妖精2匹やな。」
シバタ「みんな!聞いて!」
突然、シバタが羽を開いて注目を集めた。
Д<「うわ!、、、びっくりした!!」
シバタ「あ、ごめん。」
Д<「いきなり動かんでや。心臓止まるかと思ったわ。」
シバタ「それはごめん。でも話を聞いて欲しいの。」
中澤「なんや?いうてみい。矢口は大丈夫なんか?」
シバタ「はっきりいうと、、、とってもまずい状況なの。このままだと、氏ぬ。」
中澤「ええ?、、矢口!矢口!!」
ブンブン!
中澤は矢口の肩を掴むと揺さぶった。
よっすぃー(矢口さん、、、)
Д<「あんた、ほんまにしっかり手をつくしたんやろな!」
シバタ「やってるって。」
中澤「矢口ーーー!!なんとか、、、なんとかならんのか??」
石川「やーー、矢口さん氏んじゃったのぉ?」
全員が不安な表情を浮かべている。
- 465 名前:矢 投稿日:2001年02月21日(水)04時42分42秒
- シバタ「まだ氏んだわけじゃないってば。手はあります。」
石川「シバちゃん、、それは?」
中澤「なんや?、どうすりゃええんや?はよ教えてや!」
シバタ「落ちついて。みんなの力が必要なの。」
よっすぃー「?」
中澤「なんでもやるで!うちは!
人殺しやろうが環境破壊やろうがバスジャックやろうがニアミス事故やろうが、、」
石川「やめてくださいよ中澤さん。
ほんとに被害者からのクレームレスがついたらどうするんですか!」
シバタ「落ちついてってば。みんなの声を聞かせてあげてほしいの。
矢口さんは今、精神が呪いに負けそうになってる。
だからみんなで、頑張れって、矢口さん頑張れ、負けるなって言ってあげて。
その言葉を私が、精神に直接送ります。」
中澤「そんなことでええんか?お安い御用やで。なんぼでも言ったる。」
中澤は矢口を抱き起して叫んだ。
中澤「矢口!しっかりせえや!呪いになんか負けたらあかん!頑張れ!」
よっすぃー「矢口さん!頑張って!矢口さん!!氏んじゃダメです!!」
シバタ「きっといける。私も頑張らないと。」
シバタは再び両手を矢口の頭に置いた。
中澤「ほら、ボーっとしてないであんたらもなんか言ったりいや!」
あっけに取られているあいぼんと石川に中澤が檄を飛ばした。
石川「あ、、はい。矢口さーん頑張ってくださーい!!」
Д<「矢口はん!はよ生きかえってや!!頑張るんや!!」
中澤「まだ氏んで無いがな!」
Д<「言葉のあややがな!」
- 466 名前:矢口の話(中編) 投稿日:2001年02月21日(水)04時44分40秒
- 中澤「頑張りや!」
よっすぃー「頑張って!」
石川「頑張ってくださーい!」
Д<「頑張れ!!」
頑張れ、頑張れ、がんばれ、がんばれ、がんばれ、、、、
・・・・・・・・・・・・・
マサエ「効いてる!大きくなってる!これなら呪いに勝てるかも!
みんなが応援してますよ!頑張ってください!!」
- 467 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)04時47分08秒
- 「あ、、、」
突然、足が見えた。自分のものだと認識する前に声がかかった。
中澤「矢口っ!?」
よっすぃー「矢口さん?」
石川「突然起きあがって。目が覚めたんですね。」
中澤「大丈夫なんか?」
矢口「あ、、、え、、裕ちゃん。」
がばっ
中澤は矢口に抱きついた。
中澤「やぁぐぅちぃ〜〜、、」
よっすぃー「良かった。」
おいおいと泣きすがる中澤の肩越しに、微笑むよっすぃーがうっすらと見えた。
矢口「元に、、、戻れ、、、た?」
マサエ「はい。もう大丈夫ですよ。お疲れさま。」
シバタ「みんなもね。でも、私らの苦労なんて吹き飛んじゃうね。」
Д<「よかったなー。ほんまに。やっとやで。
来たかいがあったってもんやなー。」
よっすぃー「元に戻れたんですよ。矢口さん。」
中澤「うちの矢口が戻ってきたーー。お〜いおいおい。」
矢口「あ、、、や、、、やった、、」
矢口はまだ目の焦点が定まっていない。
- 468 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)04時49分38秒
- 矢口「元に、、、。。」
中澤「よかったなあ矢口。よかったなあ。」
Д<「ったく、、あんたのために、みんな大変やったんやで。」
石川「そうですよー。まずはここまで来る途中、、ゴリヤナギに襲われて、、」
よっすぃー「あいぼん、りかちゃん、今はそういうこと言いっこなしよ。」
矢口は周りを見渡し、自分を見た。
矢口「、、やった、、、やった、、、やったーーー!」
よっすぃー「やっと実感が沸いてきたみたいですね。おめでとうございます。」
矢口「みんな、、みんな、、おっきいなあ。キャハハ。」
矢口の目にも涙が浮かんだ。
Д<「自分がちっさいだけやで〜。」
石川「そうですよ〜。」
矢口「みんな、、、ありがとう。ほんとに、、」
その時、神殿から何かが崩れる音がした。
がたがたがたっ!ドガッ!!
- 469 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)04時51分07秒
- よっすぃー「?」
Д<「なんやねん?いいとこやってのに」
一行は驚いて振り返った。
ゴカッ、、、バリバリバリバリ!!
何かがまた音をたてた。
中澤「あ、、、あいつは、、」
ゴリヤナギが1匹、廃墟と化した神殿の瓦礫を破って現れた。
「う゛ぉ、おおぉぉお!!」
ゴリヤナギは胸をのけぞらせ、天を仰ぎ、雄叫びをあげた。
中澤「あ、、、あいつ、間違いない、1階のゴリヤナギどもを仕切ってた奴や!!
崩れた床に足を取られて潰れたはずじゃ、、、
まだ生きとったんかいな??」
よっすぃー「この群れにはボスがいたんですか。」
石川「ゴリヤナギのボス。さしずめボスヤナギってところですかね?」
Д<「、、、、寒いで。」
ボスヤナギは前傾姿勢を取り、こちらを見た。
ボスヤナギ「フー、フー、おぉ前達、、よくも我が仲間を、、、フー、フー、、」
- 470 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時00分15秒
- 中澤「!?」
石川「あ、」
Д<「しゃ、、、、喋った!喋ったで!!」
中澤「耐久力にしろ、、まさかこいつ、、、第3形態をも超えた、、第4形態やとでもいうんか?」
ボスヤナギ「フー、フー、許さん。皆殺しにしてくれる。」
よっすぃー「さすがは進化する戦闘生命、、ゴリヤナギ、、、、そしてその群れのボス。
きっと、今までのどのゴリヤナギより、単体での力は上ですよ。」
Д<「あんなあ、随分鼻息荒いみたいやけど、そっちから襲いかかってきたんやで!
それでやられて怒るっちゅうのは逆恨み言うんやで!」
ボスヤナギはあいぼんを睨んだ。
ボスヤナギ「だまれ小童!!貴様らこそ勝手に我らの庭を荒らしよって!
我らが怒る道理がないと言うのか!!馬鹿ものども!!!フー、フー、」
Д<「ひー。」
あいぼんは中澤の影に隠れた。
よっすぃー「縄張り、、」
中澤「そ、、それは、確かに十分な理由かもしれんな。
動物にとっては、、いや、人間にとってもか。
でもな、喋れるようやから言うけど、うちらには最初から争う気は最初からなかってん。
無益な争いは終わりにしようや。なあ。勝手に入ったことは、すまんかったな。
せやけどこっちも十分あんたらにやられた。ちったあ気がすんだやろ?
もう帰るわ。2度と来ないって約束するで。
そっちかて、今やめておけば助かる仲間がようさんおるやろ。。やめようや。」
ボスヤナギ「フーフー、、うるさい醜女!」
ボスヤナギは大声を出した。
ビクッ、、あいぼんは中澤の影で身を小さくした。
- 471 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時04分49秒
- 中澤「し、、しこめとはなんや、、、
そりゃ確かにこいつらより年取っちゃいるが、、」
ボスヤナギ「ここまで来て引き下がれると思うのか!
人間ごときが!!思い知らせてやる!
一族の、、、誇りに賭けてだ!!あ゛ぁあぁああ!
う゛を゛をおおをぉおお!!」
Д<「頼むからほえないでや。心臓に悪いで。」
中澤「ま、こっちは全員、しっかり生きてる。対してあっちはほとんど氏んどる。
やっぱりそんな状態で詭弁を並べても通用せえへんか。しゃあない。
最後の一戦、相手したる。石川、よっすぃー、行くで。」
矢口「・・・・・・・」
よっすぃー「さすがにちょっとキツイけど、、やりましょう。」
石川「私もう、、魔力が尽きそうなんですけど、、、最後ですからね。」
矢口「待って!」
中澤「なんや?具合悪いんか?」
矢口「違うよ。みんなに、、随分迷惑かけちゃったね。
だからここは、、、、おいらにやらせて欲しいんだ。」
中澤「はぁ?何言ってんねん?」
よっすぃー「ダメです。」
Д<「自分、、今、意識が戻ったばっかりやん。
はっきり言って、魔力の無い梨華ちゃんより頼りないで。」
石川「、、あいぼんに言われたくない。。でもその通りですよ。今は休んでてください。
あ、、ベホマはもう無理だけど、、ベホイ」
矢口「待って!!かけないで!
今、体力は残り1ドット、、そんでもって気合ゲージはマックスなんだ!
やりたいんだ!やらせてよ!」
よっすぃー「矢口さん、、」
- 472 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時06分25秒
- ボスヤナギ「フー、フー、、、誰が来ようとかまわん!
我が突進にかなうものはおらぬ。全員、、弾き飛ばしてくれる!
さあ、、こないならこっちから行くぞ!!、、フー、フー、」
中澤「あんた、、その目、本気やな。引き下がる気は無さそうやな。
なら、、やりや!」
石川「え、、ええ?いいんですか?今動いたら、、そしてやられちゃったら、、
氏んでしまうかもしれないんですよ!!」
中澤「ええんや、、いや、大丈夫や。そやな。矢口。」
矢口「キャハッ!ありがと裕ちゃん!愛してるよっ!」
中澤「なんや、、調子のいい。。ただし、、負けるんやないで!!絶対や。」
矢口「わかってる。」
よっすぃー「・・・では矢口さん、ここはまかせます。気をつけてくださいね。」
矢口「うん。行くぞ!、、はぁっ!!」
気合を入れると、矢口の片足がオーラに包まれた。
ボスヤナギ「うおぉおぉお!!ごほおぉおぅおおぅぅう!」」
ドンドンドンドン!!
ボスヤナギは胸を叩きながら奇声を上げた。
ボスヤナギ「ウホ!!」
矢口「アチョーー!!」
- 473 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時08分07秒
- 次の瞬間から、まるでコマ送りの様に見えた。
ボスヤナギは足場を一蹴りし、突っ込む。
オーラをまとう片足を前に付きだし、矢口が飛ぶ。
直後、、
カッ!!
ちょうどお互いが最初にいたところから、真中の位置で二人は激突しあった。
火花がちった様にも見えた。
そして、矢口は交錯したその場にたたずみ、
ボスヤナギは突っ込む前と同じ位置に、、瓦礫の下に沈んで仰向けに寝そべっていた。
ドドゴン!!、、バラバラバラバラ、、
ボスヤナギが神殿に激突した音が遅れて聞こえてくるようだった。
崩れた神殿の粉がボスヤナギに降り注いだ。
- 474 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時10分16秒
- 中澤「一瞬、、、み、、見えへんかった。」
よっすぃー「凄い、、今のトップスピードは、、私より速いかも、、、」
Д<「!!、瞬きする間に終わってしもた。」
矢口「ふんっ!どうだっ!」
矢口は鼻の頭を親指でこすった。
矢口「これこそセンチメンタル地獄逝きと対を成す、
一撃の破壊力のみに全てを集約した2つ目の超必殺技!
その名も、、」
Д<「やっぱ名前があるんか!」
矢口「マリンスパーク!」
Д<「ありゃ?、、なんか普通の響きやな、、、前とちごて、、」
石川「矢口さん、かっこいい!」
よっすぃー「マリンスパーク、凄い技。。
あの突進と正面からやりあって、一方的に勝つなんて。」
Д<「?、、でも、、なんでにマリンなんや?よう考えたら意味わからんで??」
石川「海が好きなんじゃないですか?」
よっすぃー「もしくは海の荒波に向かって蹴りつづけたとか。」
Д<「わかったで。自分の名前にかけたんや!」
勝手に謎解きされる矢口。
- 475 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時12分02秒
- 矢口「へへっ!おいらのおかげで勝て、、」
フラッ、、がし
一早く、矢口のもとにかけつけた中澤が、矢口をささえた。
中澤「ほら、無理するからや、、。」
3人「矢口さん!!」
よっすぃーと石川とあいぼんもその場にかけつけた。
矢口「みんな、、」
石川「矢口さん、凄いです。石川、感動しました!」
Д<「うちもやで!」
よっすぃー「かっこいいです。矢口さん!」
矢口「アハハッ、、ハァ、、ハァ、、、、みんなの、、声がさ、、」
苦しそうに、そして嬉しそうに矢口は喋った。
中澤「無理して喋らんでええっちゅうに、、」
矢口「ハァ、ハァ、、、、声が、、、聞こえてたよ。、、、頑張れ、、頑張れって、、、」
中澤「な、、、なんや、、、そんなんええんやで、、」
矢口「いっちばん、、、苦しかった時にさ、、、ハァ、、ハァ、、」
中澤「ええって。。グス。」
また涙ぐむ中澤。
Д<「矢口はん。グスッ」
もらい泣きするあいぼん。
- 476 名前:矢口の話(後編) 投稿日:2001年02月22日(木)05時14分55秒
- 矢口「頑張れ、頑張れって、、、、馬鹿みたいにさ、必死になって、、同じことばっか、、
他に、、言うこと、、、無いのかよって、、ハァ、、ハァ、、耳たこになったよ。。
ほんと、馬鹿みたいだったよ。。。ハァ、、」
矢口は苦しそうな息使いをしながらも、口元に笑みを浮かべて言った。
中澤は少し苦笑いした。
中澤「、、馬鹿、、あんたもやで、、そんな馬鹿みたいな声につられて、
しっかり戻ってきたやないか。」
矢口は目を閉じた。
矢口「・・・・・・・うん。。。ハァ、、ハァ、、うん。。ありがと。戻って来れたよ。
みんなのおかげで。。。一人だったら今ごろたぶん、、、
だからさ、、最後ぐらいさ、、、ハァ、、ハァ、、」
中澤「もう、、、もうええわ。わかってるから。みんなわかってるから。
良く頑張ったな。喋らんでええ。
ゆっくり休んでええんやで。」
矢口「うん。。キャハッ、、、」
少し笑って、矢口は中澤に体重を預け、気を失った。
中澤はまた、矢口を強く抱きしめた。
中澤「ほんまに、、強くて、、、大人で、、、かわいいやっちゃ。」
- 477 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月22日(木)11時53分22秒
- つじ「いいらさん。。」
勇者飯田「なあに?のの」
つじ「いつまでほうちされてるれすか。。」
勇者飯田「・・・マターリしようよ」
誰もいない牧場でマターリする勇者飯田と辻。
- 478 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時13分28秒
- その頃、毒にやられたまま落下ダメージを受けていたナッチーは、、、、気絶していた。
ナッチー「zzz、、、もう食わないから許して欲しいべさ。。うーん。。」
- 479 名前:牧城 投稿日:2001年02月27日(火)05時15分44秒
- 前日、、
辻を背負った飯田はヨシターケの牧城へと到着した。
つじ「すーーーー、すーーーー、すーーーー」
勇者飯田「ただいまーーー。」
りんね「あ!!かおり!!やっと帰ってきたね。お帰り!
みんな心配してたんだよー。辻ちゃんも。」
勇者飯田「うん。ごめんね。」
りんね「あ、そうそう、今はみんなはね、、、」
飯田はりんねから、みんなが出はらっている理由を聞いた。
勇者飯田「そっか、矢口がねえ。。。ただいまって言いたかったな。」
りんね「明日、みんな帰って来るから言えばいいじゃん。」
勇者飯田「うん。。はーーーー、でもさすがに疲れたよ。
いろんなことあったし。長いこと走ったり、辻を背負って歩いたり。
でも、、やるべきことはすませたし。寝るね。」
りんね「そうだね。今はゆっくり休みなよ。」
勇者飯田「あ、疲れて眠いけど、、、お腹も減ったなあ。
冬と言えば鍋だよね。起きたらみんなで闇鍋でもやる?」
りんね「なんでそんなこと思いつくかな。いいよ。私が食べなくてもいいならね。」
- 480 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時17分05秒
- Д<「!!」
石川「どうしたの?あいぼん?」
Д<「今、うち、重要なことに気づいたで!」
中澤「なんやいな?」
Д<「雪つもってるやろ?体力消耗してるやろ?寝てるやろ?」
石川「それでなぁに?」
Д<「このままやと、、、、うちら全員、、、、氏ぬで!」
石川「!!」
よっすぃー「!!」
中澤「!!、そりゃその通りや。ええところに気づいたな。火が必要やな。
まあ、こいつらが2〜3時間も寝て、
ある程度回復したらルーラで帰ったらええねんけどな。」
妖精たちも疲れて寝てしまっている。
- 481 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時19分35秒
- 動ける面々は『てわけして』木片を集めてまわった。
よっすぃーと石川は北へ向かい、よっすぃーが木を切り、石川が運んだ。
中澤とあいぼんは南へ向かった。(と石川は思っている)
10分後
石川「はあ、、はあ、、、集まりましたあ。重いぃ。」
どさどさ。
両手にあふれるほど木を持って、走ってきた石川。これで3往復目。
Д<「ごくろーさん」
ぽいっ。カシャ!
あいぼんは石川が持ってきた木の中に枝を一本投げ入れた。
石川「え、あいぼんのは?もしかしてこれだけ?」
よっすぃーも戻ってきた。手ぶらで。
よっすぃー「もう木が無かったよ。」
石川「・・・・・・」
あいぼん「細かいことは気にしたらあかん。にしてもよく集まったなあ。
あ、梨華ちゃん氷魔法って空気中の水分集めるやろ。
この湿った木の水分を全部吸い出して集めてや。できる?」
中澤「そりゃナイスアイディアや。よろしく頼むわ石川。このままじゃ火いつかんねん。」
石川「・・・・・・(むー、、MPも少ないし、
そんなことやったことないし、だいたい、この二人サボって、、)」
よっすぃー「そうだねー。お願い。りかちゃん。でも、そんなことできるの?」
石川「・・・・・、まかせてくださいよー。やってみます。」
- 482 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時21分20秒
- 数分後
石川「ぜぇ、、、ぜぇ、、、できました。」
木から吸い出した水でできた美しい氷の結晶が並んでいる。
Д<「サンキューな!ほんま凄いで自分。
っと、こんなとこに氷があったらまた木が吸うで。」
ガシャッガシャッガシャッ!!
あいぼんは無造作に氷を蹴り、どけた。氷の結晶はくだけちった。
石川「・・・・・・・、、、ぜぇ、、、ぜぇ、、、ハァ、、、」
Д<「と、こっからが大問題やな。火種は、、」
中澤「ごま!こら!起きんかい!!」
Д<「やっぱりそっから取るしかないねんな。」
中澤はゴマを振りまわした。ブンブンブン
ゴマ「zzz・・・・」
中澤「起きてうちらのために火いつけてや!」
よっすぃー「ごっちん起きてー。」
ゴマ「!?」
必死に記憶を手繰り寄せるゴマ。
確か、、ゴリヤナギに襲われてー、神殿が崩れてー、
ゴリヤナギをやっつけてー、よっすぃーと飛び降りてー、
追っ手が来るとか来ないとか、、、
- 483 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時22分42秒
- ごま「んあ??」
中澤「お!人間に戻ったで!ごま、これに火いつけてや!!」
ごま「・・・・・・メラゾーマ」
中澤「!!」
ゴォーーー!
中澤の顔の真横を凄い勢いで巨大な火の玉が飛んで行った!
中澤「ちょ、、、な、、、、、何すんねん自分!!!
うちの美しい顔に火がついたら、、」
しかし、ごまは『にまー』っと満足げな表情を浮かべた。
中澤「・・・・・・あ、、、ありがとな。」
ごま「あはっ」
ごまはゴマに変わった。
ゴマ「zzz、、、」
以下ゴマの夢
中澤「ありがとな!あんたのおかげでゴリヤナギをやっつけられたで!」
よっすぃー「ごっちんさすがだよ。今度、一緒に買い物行こうね。」
ごま「ふふーん。まかせてよ。あはっ」
- 484 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時25分40秒
- 種火を薪にくべ、中澤がどこから取り出したのか、
筒で息を吹き込むと火は次第に大きくなった。
中澤「フー、フー、フー、、、老体には辛いわ。石川、変わってや。」
10秒でねをあげる中澤。筒を石川にさしだした。
石川「あ、あたしですかあ?やっと呼吸が整ってきたのに、、
あいぼんがやればいいじゃないですか?」
Д<「ごめんな。だまっとったけど、実はうち、、喘息持ちやねん。ゲホゲホ。」
石川「・・・・・・#、あやしいよ!」
いいかげん、不快感をあらわにした顔をあいぼんに向ける石川。
Д<「うーん、、ゲホゲホ。」
石川「もー、、、」
寂しげな顔でチラッとよっすぃーを見る石川。
よっすぃー「あ、、私手伝うよ。(汗」
石川「よっすぃーーーさーーーん。」
よっすぃー「よっすぃーでいいって言ってんのに。」
よっすぃーが微笑むと、口元からタラーっと血が流れた。
石川「!!」
よっすぃー「!?、あれ、、、いつのまに口の中切ったんだろ??さっきの戦いでかな?」
Д<「口切ってるんじゃ、よっすぃーには無理やな。ってわけで梨華ちゃん頑張ってや。」
よっすぃー「ごめんね梨華ちゃん。」
手を会わせてぺこっと頭を下げるよっすぃー。
石川「い、、、いいんですよ。休んでてください。ここは私がやりますから。」
- 485 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時28分36秒
- 石川「フー、フー、フー、、、ゼェゼェゼェ、、フー、フー、フー。。」
ゴオオオオオ、、パチパチ、、
巨大な炎が高く上がり、音をたてている。
4人はしばし、その炎に見入った。
石川「ゼェゼェゼェ、、、そろそろ大丈夫かなぁ?」
中澤「おお〜。まぶしいで。」
Д<「きれいやなー。」
よっすぃー「そうですね。それに、あったかいです。」
石川「・・・・雄々しく気高く真っ赤に燃える炎、、、
まるで、、、私達の美しい友情のようですね。」
うっとりとした表情で石川は言った。
風が吹いた。
ビュオーーーーー、、、フッ、、、プスプスプス、、、
沈黙が流れた。
Д<「き、、消えた、、、」
中澤「消えた、、、」
石川「友情の炎が、、、」
中澤「いー、しー、かー、わー!!」
石川「残念でしたね。どうしましょう?」
中澤「どうしましょうやない!!あんたのせいやで!!」
石川「え?なんでですか?」
Д<「誰がどう見ても梨華ちゃんのせいや!!!」
石川「ど、、どうして?(よっすぃーさん!)」
救いを求める目をよっすぃーに向ける石川。
よっすぃー「・・・・・・」
残念そうな目でうつむきながら首をふるよっすぃー。
石川「!!・・・・・・・なんで、、」
中澤「あんた、今すぐごまを起こして火をつけてもらってや!
さっきうちは氏にそうになったんやで!!」
- 486 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時30分56秒
- ゴマの元に歩みよる石川。
石川「グスッ、、なんでチャーミーばっかり。。。」
ゴマ「zzzz」
石川「ごまさーん。。起きてくださいよーう!!起きてー!!」
ゴマ「zzz・・・・」
石川「ごまさーん!!お願いです、起きてー!」
石川はゴマを持ち上げ、ブンブンと振った。
ゴマ「!?」
石川「起きました?」
人間に戻り半分目を開けたごま。。
ごま「んあ?、、ダーレー、、?」
石川「チャーミーです。チャーミー石川です。ごまさん、火をつけてくださーい、、、」
ごま「んあ、、、ああ、、チャーシュー。えへへへ。。美味しそう。」
石川「チャ、、、、」
サーっと血の気がひく石川。
ごま「んあ?美白??」
ボテッ
石川はごまを地面に落とした。落ちながらごまはゴマに変わった。
ゴマはラーメン屋で美白の店主にチャーシューをおまけしてもらう夢を見た。
店主「お嬢ちゃん、かわいいからおまけしちゃう!」
ごま「えへへっ。ありがとー。」
- 487 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時34分06秒
- 石川はとぼとぼと歩き、空を見ながら胸の前で両手をあわせて指を組んだ。
石川「ああ、、、遠い祖国のお父さん、、お母さん、、、」
ビューーー、石川に風が吹きつけた。
石川「これまで、、、一生懸命ポジティブに頑張ってきたけれど、、、、、
もうダメかもしれません。。。」
ビュォオオーーーーーー!!!いっそう強く吹きつけた。
石川「ああ、おうちに帰りたい。お母さん、あなたの温かいスープが飲みたい。。。」
中澤「フー、フー、、お!持ちなおしたで!!」
Д<「まだ下の方に火が残ってたんやな。」
よっすぃー「おーい!梨華ちゃーん!火が戻ったよぉ!!って聞いてないみたい。」
Д<「なんや、思い悩んでるな。。ホームシックやろか?」
中澤「あっちはオホーツク海やで!家なんか無いで。違うやろ。」
よっすぃー「なんか世界に入ってるみたいだし、
悩んでるときは口出し無用ですね。ほっといてあげましょう。」
石川「グスッグスッ、、、」
その後、よっすぃーの隣で火を眺めるも、石川は数分で寝てしまう。
寝てる間、ずっとよっすぃーの膝枕だったことは知らないままである。
ついでに、あいぼんに木炭で顔に猫のヒゲを書かれたことも、知らないままである。
- 488 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時38分54秒
- 数時間後
保田「ほら!そろそろ帰るわよ!!」
ぺちぺちとゴマの頬を叩く。
ごま「ふわーーああ。」
ごまが起きてのびをする。みんな起きている。
ナッチー「おかしいべさ。寝たのに調子悪いっしょ。腹が減ってるんだべか?」
矢口「ナッチー顔色悪いよ?なんか変なものでも食べたんじゃないの?」
マサエ「毒にでもおかされたんじゃないですか?」
ナッチー「!!、そうだったべさ!いやあ、我ながらはんかくさいっしょ。
梨華ちゃん、直して欲しいべさ。」
照れ笑いするナッチー。
石川「いいですよ。キアリー!!」
矢口「ほんとに変なもの食べたのか。っていうか、はんかくさいって何語?」
苦笑いする矢口。
マサエ「馬鹿みたいっていうような意味ですよ。」
矢口「なるほど、確かに。。!?、、ところであのさあ、、あんた誰?」
マサエ「あらぁ。」
ずっこけるマサエ。
中澤「あんたのために頑張ってくれたんやで。ここに住んでる妖精さんや。」
中澤は矢口を小突いた。
矢口「お、、おう。あんがとよっ!」
マサエ「いいえ。どういたしまして。」
シバタ「でも、、、ここ崩れちゃったけど、、?」
マサエ「あ、どうしよ?」
中澤「す、、すまんな。家壊してしもて。ま、とりあえず一緒に牧城行こう。な。」
マサエ「じゃ、とりあえずお言葉に甘えます。あとは、、久しぶりにメロン谷に顔出すかな?」
- 489 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年02月27日(火)05時40分03秒
- 帰る準備をすませる一行。
矢口「みんなーー!帰る前に聞いて欲しいことがあるんだ!!
みんな、矢口のために、いろいろ、、、」
中澤「おう!もういいってことよ!」
よっすぃー「いいんですよ。矢口さん。」
Д<「ええねんええねん。」
ナッチー「気にしないべさ。」
石川「困った時はお互い様ですよ。」
保田「そうそう。」
ごま「うーん、、、まだ眠い〜。そんなことより早く帰って寝ようよー。」
矢口「・・・・お、、おう!、、、んじゃ、帰ろっか。」
保田「じゃ、ごまとあたしで4人と1匹ずつね。」
ごま「はーい。」
保田「ルーラッ!!」
ごま「ル〜ラ!!」
- 490 名前:牧城 投稿日:2001年02月27日(火)05時41分39秒
- 勇者飯田「おはよーー。。はー、よく寝た。2ヶ月ぶりの放置から開放された気分だよ。」
りんね「?」
勇者飯田「じゃ、闇鍋やろうか。
ひよこちゃんとつじが大きくなれるようにいっぱい作ろう!」
りんね「材料はそろえたよ。いろいろとね(ニヤリ」
- 491 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月03日(土)23時38分56秒
- ??「すいませ〜〜ん」
その時突然、牧場に来客が訪れた。
りんね「珍しいなぁ。マスターさん以外に人が来るなんて…」
りんねは玄関に向かった。
勇者飯田「よーし、それじゃあ今のうちに鍋の準備を…」
勇者飯田が台所から鍋を持ってこようとすると、眠そうに辻が入ってきた。
辻「おはようごらいまーす…」
勇者飯田「ああ、辻おはよ。聞いてよ、今から闇鍋を…」
りんね「はいはい、4名様ごあんな〜〜い!!」
りんねは玄関の方から4人の来客を連れてきた。
勇者飯田「ねぇ、その人たちは?」
りんね「うん。なんでも旅行中らしくて今日の宿を探してたらしいよ」
4人「おはようございまーす」
勇者飯田「おはようございます、私がカオリで、こっちが辻。そちらは?」
??「えっと…私は美和」
??2「うちは貴子や」
??3「私は美帆。よろしくね」
??4「ワタシは本多言うアルよ」
- 492 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)00時02分31秒
- ドカーーーン!!
りんね「…今の音は?」
辻「またてきれすか?」
勇者飯田「違う、今のは…」
勇者飯田は窓から外へ飛び出した。同時に辻も出て行く。
外には煙が立ち込めていた。
??「へっへ〜、今回のルーラ対決はあたしの勝ち〜」
??2「ナッチーが居たから初速で負けたのよ!」
ナッチー「無礼な!これでも花も恥らう乙女だべ!」
そして少しすると、煙が晴れてきた。
矢口「ただいま帰りましたっ!キャハ!」
勇者飯田「みんな、おかえり〜!」
辻「おかえりなのれす、みなさん」
保田「で、私達が出てる間に敵は来た?」
勇者飯田「ううん、敵は来てない。でもお客さんが来てるよ」
ごま「ふーん、ここにもお客さんなんて来るんだ」
勇者飯田「そうだ、まだ闇鍋の準備が…。みんな、早く入ってきて!」
勇者飯田は窓を飛び越して牧城の中に戻った。
よっすぃー「…闇鍋?」
中澤「またおかしなマイブームを見つけたんやろ…」
- 493 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)00時19分25秒
- 呪いを時に行っていたメンバーも牧城へ入った。
勇者飯田「あっ、来た来た。こっちだよ〜!」
勇者飯田は4人の来客と会話をしていた。
中澤「ん、あれが来客か?結構歳いっとるなぁ…」
Д<「あんたが言えることやないて」
保田「どれどれ…」
保田は来客の顔を遠くから眺めた。
瞬間、保田の表情が凍りついた。
保田「(…なんで…あの人たちが…)」
よっすぃー「あっ、美和さぁ〜ん!!」
美和「あれ?ひょっとしてひとみちゃん!?」
美帆「…知り合い?」
美和「うん。あっちゃんと二人でムロランシティに行ったときに一緒にお酒を、ね」
貴子「おっ、圭ちゃんもおるやんか!」
保田はギクッとした。しかし必死に動揺を隠して会話を続ける。
保田「あ、貴子さんお久しぶり。また会えるなんて思ってなかったわ」
その時、矢口は小声で独り言を言っていた。
矢口「…美和…。貴子…。なんか聞き覚えあるなぁ…」
- 494 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)00時34分08秒
- 勇者飯田「はいそれでは、来客の皆さんも一緒に闇鍋パーティ〜〜〜!」
一同「うおぉぉぉぉぉ!!」
勇者飯田「ルールは至って簡単。掴んだ具は絶対に食べること、一度につきひとつしか掴まない。
あとは魔法や武器を使わない!さぁ、電気消すよ〜!」
勇者飯田は電気を消した。
矢口「うわ、何だコレ!ねばっこいぞ!」
石川「鍋物なのに、今冷たかったですよ〜!」
中澤「おいコラ!これ絶対食い物ちゃうで!」
勇者飯田「はいはーい、掴んだものは口にしてね〜!」
保田「ふう…。あんな緊張感久しぶりだわ」
保田は電気が消えた直後に部屋を出ていた。
保田「(美和さん、貴子さん以外の二人も含めて、あれは四天王。
なんでこんなところに…?
魔王の刺客として来ているとしても、行動が不自然すぎる…)」
保田は四天王が尋ねてきたことについて試行錯誤していた。
??「考えすぎは体に毒やで」
ふいに保田に誰かが声をかけた。
保田「…貴子さん…」
- 495 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)00時48分36秒
- 保田「大丈夫よ、もともと一人でいろいろと考えるの好きだから」
貴子「でも、うちらの心理を探るのはちょっと無理があるんやないの?」
保田「!!」
保田は驚いて声が出せなかった。
貴子「なんとなくそう思ってたんやけど、うちらを見た途端に圭ちゃんの顔つきが変わったからなぁ。
それで悟ったわけや。『圭ちゃんはうちらが四天王だと感づいている』ってな」
保田「…お見通しってわけね」
貴子「まぁ、圭ちゃんは特別や。うちらがここまで来た理由を言うのも悪くない」
保田「そう…。それじゃあ、その理由を聞かせてくれる?」
貴子「わかった。…そうやな、まずはあそこから話そか…。
うちらが何でここまで乗り込んできたのか…ということは魔王軍の意志とは全く関係ない。
完全な個人行動でここまでやってきたんや」
保田「…なぜ魔王軍の意志に背いてまで行動するの?」
貴子「そりゃあ強い奴と戦いたいからや。4人とももともとそういう決まりごとをつけて
魔王軍に入ったわけやし。地味に支配を好む魔王はあんまり好きじゃなかったしなぁ」
保田「もともと貴方たち四天王は、魔王と関係が薄かったわけね…」
- 496 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)01時11分46秒
- 貴子「ここいらに勇者一行が居るという情報は聞いていた。あと、パーティーの詳細もな。
だからこっちから行ってやろうと思って、ここまで来たわけやね。
そしたらそこには勇者と思われる人物に、共に酒を交わした知人がおった。
これはもう神様のお恵みとしか言われへんな」
保田「私達も同じようなものね。こっちから出向く前に来てくれたんだから…」
貴子「魔王軍辞めてここまで出向いたんや。今回の戦いはちょっと気を引き締めていくで」
保田「それはお互い様。貴方たちを倒せば魔王軍を倒したも同然なんだしね」
貴子「…ふふっ、明日が楽しみやな。今までにない最高の戦いを期待してるで」
貴子は席を立った。
貴子「あぁ、そういえば明日のことについてやけど…。この紙を読んどいてや」
保田は貴子から一枚の紙を受け取った。
保田「…これは?」
貴子「明日のバトルのルールの紙。そんな感じでええんちゃう?」
保田「へぇ…、面白いこと考えるわね。これなら平等に戦えるわ」
保田はその紙をポケットの中にしまいこんだ。
貴子「あと、そっちの他の子のことやけど…。うちらのこと何も聞いとらんの?
うちらの名前聞いても誰も反応しなかったで」
保田「ああ、それは一度情報を聞いたんだけどね…。
その後が結構騒々しかったから、皆忘れちゃったんでしょ」
貴子「そっか…。なんかあんたら面白いなぁ」
保田「どういたしまして。それじゃ、私達も闇鍋に参加しよっか」
貴子「賛成!」
二人は闇鍋パーティーに戻った。
壮絶な戦いの幕開けは、すでにこの時に行なわれていた…。
- 497 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)01時20分41秒
- そして、次の日…。
保田「ホラ、皆起きて!すぐに戦闘準備よ!」
ごま「う〜ん…もう少し寝かせてよ〜…」
よっすぃー「敵ですか?」
保田「ええ、敵よ…。しかも今度はすごい大物が相手なんだからね」
中澤「すごい大物って…一体誰や?」
保田「…ボンバー四天王よ」
そう言ったと同時に、まだ眠っていた者も含めて全員が飛びあがった!
矢口「ボ…ボンバー四天王!?」
よっすぃー「ついに、来ましたか…」
ごま「それにしては圭ちゃん、随分落ち着いてるね」
保田「ええ、この戦いには魔王軍は関係ないから。私達とあの人達の戦いよ」
石川「何言ってるんですか?わけわかんないですー…」
保田「とりあえず…今から私の指示通りに動いてくれる?」
保田はポケットの中から稲葉貴子にもらった紙を取り出した。
- 498 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)01時33分26秒
- 保田「よっすぃー、あなたはいつも修行してる広場まで行って」
よっすぃー「…そこに居るんですか?四天王が…」
保田「まだ終わらないわよ。次はごま、あんたはここをずっと東に行った高原に」
ごま「なんかよくわからないけど、行けばいいんだね?りょうか〜い」
保田「次は…石川」
石川「ええっ!私ですかぁ〜!?」
保田「つべこべ言わずに聞く!あんたは前行った祠への道を進んでいって。
その途中で絶対何かに気付くはずだから」
石川「お師匠さまぁ〜、何かって言うのは…」
保田「(無視して)最後に裕ちゃん!祐ちゃんは街への道を進んでくれればいいよ」
中澤「わかった…。ところで、その紙は何や?」
保田「…今は何も言わないで、その場所へ向かって。そうすればわかるから…」
よっすぃー「わかりました。向かいましょう、それぞれの場所へ」
ごま「はぁーい。それじゃ行ってきまーす」
石川「なんでまた私が…、うぅっ…」
中澤「ついに、四天王か…」
4人はそれぞれ言われた場所へ向かった。
ナッチー「ナッチー達は何をすればいいんだべ?」
矢口「そうだよ。四天王と戦うんだろ?足手まといだとか言うなよ〜」
保田「…それじゃあ残った人達は、今から言うことをよく聞いて」
- 499 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)02時00分47秒
- 保田「今のは四天王の4人がリクエストした対戦相手なの。だから向かわせたわけ」
Д<「何でそんなことするんや?」
保田「…実を言うとね、昨日の来客4人…。あれが四天王なのよ」
一同「ええええっ!!」
保田「そのことはまた戦いの後で話すわ。で、次の条件だけど…」
勇者飯田「うん、何?もうどんなこと言っても驚かないから」
保田「残ったメンバーは、バトルのある4箇所に自由に加勢に行っていい」
矢口「そうこなくっちゃ!!」
辻「それなら、りょうほうともまんぞくれすね」
保田「敵ながら天晴れね、たいしたルールよ」
矢口「やっと思い出したよ…。小湊、稲葉、信田、ルルだ。下の名前だけだと思い出せなかったなー」
保田「ちなみによっすぃーが小湊、ごまが稲葉、石川が信田、裕ちゃんがルルと戦うことになってるわ」
矢口「で、誰が誰の加勢に行く?」
Д<「まぁ、うちは梨華ちゃんやな。いろんな意味で心配や」
矢口「じゃあオイラはゆうこの加勢に行くよ。よっすぃーよりも心配だから」
保田「そうそう、よっすぃーには私一人で加勢に行くから。他のメンバーをそっちで決めて」
勇者飯田「え〜っ、何で?カオリ行きたかったんだけどなぁ〜…」
保田「ごめん、カオリ。だけどよっすぃーのためにはそれが一番だと思うんだ。だから…」
勇者飯田「…うん、わかった。それじゃあよっすぃーのことよろしくね?」
保田「任せておいて」
矢口「それじゃあ皆、それぞれの場所に散れ〜っ!」
保田を除いた5人も、牧城を出た。
保田「(今回の戦いで、よっすぃーは本来の自分を取り戻さないといけない。
あのままでは魔王と戦う前に精神の制御が効かなくなる可能性が出てくる…。
美和さんとの戦いで、本当の自分を見つけられるか…。それを見せてもらうよ、よっすぃー)」
保田も牧城をあとにした。
- 500 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月04日(日)02時34分08秒
- 誰もいなくなったはずの牧城から怒声が・・・。
ヨシターケ「ウチは道楽でやってんじゃねえべや!!
4人もお客さんが来たのに、一銭もお金もらってないって、どうゆうことだ!?」
りんね「す、すいませ〜ん。設定すっかり忘れてました〜」
ヨシターケ「お前らの給料から天引きしとくからな。」
りんね&あさみ「そんな〜」
結構呑気なカントリー軍団。
- 501 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月06日(火)00時30分54秒
- しばらくして、よっすぃーがいつもの修行場に到着した。
しかし、そこには誰もいなかった。
よっすぃー「…本当にここに四天王が…?」
そのとき突然、よっすぃーは背後から声をかけられた。
??「おはよう、ひとみちゃん。よく眠れた?」
よっすぃー「! 美和さん…?」
よっすぃーは驚いていた。ふいに声をかけられたことではなく、背後をとられていたことに。
美和「嬉しいなぁ…。ひとみちゃんの刀と私の扇子がぶつかり合う時が本当に来るなんて…」
よっすぃー「何を…言ってるんですか?」
美和「あれ、結局聞いてなかったの?ボンバー四天王って私達のことだよ」
よっすぃー「!!」
よっすぃーは声を失った。と、同時に、何故か美和の顔から笑顔がこぼれた。
美和「ふっ…あはははっ!ひとみちゃん、さっきから驚いてばっかりだよ!」
しかし、よっすぃーはそれに反応を示すことができない。
目の前に居る相手は『敵』であり、それは強大な力を持つ敵だと認識したからだ。
よっすぃー「…それじゃあ、始めます?」
美和「おっ、やる気だね。嬉しいよ…。それでは小湊流三代目家元小湊美和、参ります!」
よっすぃー「バトルマスターよっすぃー、いざ!」
二人は構えを取り、見合った。
- 502 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月07日(水)03時57分03秒
- ナッチー「ナッチーはごまの所に行くべさ。
前からキャラが被ってるとか言われてたっしょ。
ナッチーの方が上だってことを見せつけにいってくるべ。」
そう言い残すとナッチーは走って行ってしまった。
勇者飯田「行ってらっしゃーい。。
と。なんか、お互い対抗意識を持つのは良いと思うんだけど、、、
あれじゃあ、ナッチーはごまと戦いに行くみたいだね。」
つじ「そーれすねえ。」
勇者飯田「うーん、みんな強力な助っ人がついちゃったし、かおりはどうしよう。」
つじ「ろーしましょう?」
勇者飯田「ん?辻はどうするの?」
つじ「つじはれすね。。。」
勇者飯田「うん。」
つじ「いいらさんといっしょにいくのれす。」
勇者飯田「??、どーして?」
つじ「つじは、ゆうしゃになろうかとおもっているのれす。」
勇者飯田「えええ!なんでえ?どうしてえ?」
辻をじーっと見つめる飯田
つじ「それは、、」
飯田を照れながら見返す辻。
- 503 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月07日(水)03時58分35秒
- つじ「いいらさんが、、」
その時、
??「ひゃーっひゃっひゃ!!まてーい!!」
茂みの中から声がした。姿は見えない。
つじ「!?」
勇者飯田「誰?」
??「ひゃひゃひゃっ!!」
つじ「そのこえは!わかったのれすよ。れも、、しんらはずじゃ、、」
??「そのとおおり!ワシじゃ。世界最高の頭脳にして魔王軍参謀、ワーダ博士!!」
勇者飯田「誰それ?」
ワーダ博士「そういえばあの時は倒れとったな。でも、話に聞いたりしておらんのか!!」
勇者飯田「うん。」
ワーダ博士「うぬぅ。#」
つじ「あのとき、なっちーのあめでうごけなくなって、みんなにぼっこぼこにされたのれす。
さいごにちゃんと、りたいやとれていたんれすが、、」
ワーダ博士「ひゃーーーっひゃっひゃ!!生命の研究を幾年も続けてきたワシが、
そう簡単に氏ぬわけなかろう。そもそもワシみたいな人気キャラは、
氏にたくても氏ねない運命なのじゃ。ひゃーっひゃっひゃ。」
勇者飯田「あちゃー、、なんかさー、もの凄くしぶとい奴って必ずいるんだよねえ。
で、なんの用なの?こっちは急いでるんだけど!!」
- 504 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月07日(水)04時00分12秒
- ワーダ博士「用なんぞわかっておろう。まったくボンバー四天王どもめ!
勝手なことをしよって!」
つじ「かわいそうに、みすてられたんれすよね。」
ワーダ博士「そうなんじゃよ。貴重な戦力が。。。って違うわ!
結局はワシらの思いどおりにお前等と戦っておるのよ。」
勇者飯田「で、四天王から見えない所で戦力を分散させて、有利に立とうと。
相変わらずせっこいねー。
喧嘩売りにきたんなら、早く出てきたら?」
ワーダ博士「うーん、なかなか感がさえとるようじゃな。さすがは勇者よの。」
勇者飯田「だって、前と同じじゃん。」
ワーダ博士「うぅ。。。おっほんおっほん。しかし、ワシが戦うとは一言も言っておらん。
頭脳はコマを使う側にまわれば良いのじゃからな。もう前回のような失敗はせん。
お前らと戦うのは更にバージョンアップした合成魔獣よ。ゆけえい!」
ズキューーン!!
つじ「はわわ、、このおとは、、」
茂みの中で、何かがむくむくと大きくなっていく、、、
- 505 名前:石川組 投稿日:2001年03月08日(木)01時53分08秒
ナッチー「まったく一人でさっさと行くなんて、ごまはなってないべ」
石川「はあ」
同じ方向に行くごまがルーラでさっさと銀杏の木まで飛んでいってしまったので、石川・シバタ・アイボン・ナッチーという奇妙なパーティで東に向かって歩いていた。
石川もルーラは使えるのだが、祠に行く途中で“何か”あるそうなので使わないでいる。
ナッチー「まったく、一緒に連れていってくれてもいいんでねえのかい。」
Д<「アンタ一人増えるだけで定員オーバーなんとちゃうか?」
ナッチー「定員オーバー?
こないだは4人一緒に運んでたべ。」
Д<「せやから人数やなくて....リカちゃん、説明したってや。」
石川「ですからあ、ナッチーさんの体重があまりにも重すぎるから・・・」
ナッチー「・・・今、なんて言ったかい?(怒)」
石川「・・・・(汗)」
ナッチーにつめよられて石川がアイボンのほうを向くと、アイボンは嘲笑的な笑みを浮かべていた。
石川「アイボ〜ン(泣)」
- 506 名前:石川組 投稿日:2001年03月08日(木)01時54分30秒
シバタ「あっ、あれは....」
急にシバタが声を発したので前方を見ると、石にトロールが腰掛けていた。
ゴブリンを太らせたとでも言うのだろうか、三角帽子に耳長の典型的なトロールだった。
シバタ「サイトーさん、久しぶり〜」
サイトー「おー、シバちゃんじゃない。久し振りだね。」
シバタ「メロン谷のみんな、元気にしてますか?」
サイトー「うん。みんな元気だよ。
こないだ、久し振りにマサエも戻ってきてたし。」
石川「えっ!この子もシバちゃんの仲間なの?」
シバタ「そう。紹介するね。メロン谷で食堂をやってるサイトーさん。」
石川「..でも、この子は羽がはえてないよ。」
サイトー「羽がはえたフェアリーだけが妖精だと思われちゃ困るなあ。」
Д<「違うんか?」
シバタ「魔力の高い耳長のトロールは、メロン谷の精霊の中でも高位種族なんですよ。」
ナッチー「それより、その籠の中身はなんだべ?」
そう言ってナッチーはサイトーの持っていた竹籠に鼻を近付ける。
サイトー「食材探しに山に向かったつもりなんだけど、なぜだか今日はこっちの道に来ちゃってね。」
ナッチー「なんだ、食い物でねえのか。
したらばナッチーはごまに追いつくんで先行ってるべ。」
Д<「早く行かんとごまが全部倒しちゃうで〜」
- 507 名前:石川組 投稿日:2001年03月09日(金)18時47分46秒
- サイトー「それでさ、シバちゃんはこの娘とタッグを組んでるんでしょ?」
シバタ「うーん...別にそういうわけでは...」
一般的に妖精と人間がともに戦う場合、人間の側は騎士や魔導師であることが多い。
治癒などの補助をする妖精と相性がいいからだ。
実際、単独でパーティーの1席をうめる程の実力を持つ妖精はそういない。
多くの場合、仲の良いタッグはパーティーの中でも2人で1人あつかいをされる。
しかし石川とシバタは戦闘面で協力しあっているわけではないので、
いわゆるタッグとはまた別の存在だった。
シバタ「梨華ちゃんは騎士様でも魔導師でもないから...」
サイトー「えっ!じゃあ何やってる人なの?
見たところ怪しげな服来た魔導師にしか見えないんだけど。」
Д<「さりげに毒舌やな。」
石川「チャーミーは勇者市井のパーティーにいた大神官様の弟子なんです」
シバタ「このスーツはこの先で防具屋さんをやっている、
彩さんという方に作ってもらったんです。」
サイトー「神官?それにしては浄気よりも霊気のほうが強い気がするけど…
あまり神官向きという感じでは。」
石川「...そうなんです。
修行時代からお師匠さまに“アンタは神官向きじゃない”って」
シバタ「梨華ちゃん、ネガティブはダメよ。ポジティブにっ!」
サイトー「そうよ、前向きなのが神官のいいところなんだから。」
Д<「(この姉ちゃん毒舌やなくて無頓着なだけやな。)」
- 508 名前:石川組 投稿日:2001年03月09日(金)18時48分23秒
- サイトー「そ、それよりさ、シバちゃん達はなんでこっちにきたの?」
石川「お師匠様にこっちにいけばなにかに出会うって言われて。」
Д<「考えてみたらえらくいい加減やな。」
サイトー「出会うって、、人?」
石川「わかんない。人、かもしれない。」
サイトー「..ねえ、その人って、もしかしてあの人じゃない?」
サイトーは100メートル程先の木の上にいる人を指差した。
木の上、とはまさに木のてっぺんに立っているのである。
あからさまに目立っているので、忍者ではないのであろう。
しかしそのバランス感覚は常人のものではなかった。
その人はこちらの視線に気がついたのか、すぐに近づいてきた。
Д<「なんて言うか、一見地味なのにえらく目をひくブサイクやなあ。」
???「ファンキーって言ってちょうだい。」
つい50メートル程先にいると思ってアイボンが発した言葉を、
彼女は10メートル程の位置で聞いていた。
忍者などでは無い。異様なまでのスピードだ。
美帆「ボンバー四天王の一角、魔法拳士・信田美帆、いざ参らん。」
- 509 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月10日(土)00時23分23秒
- 一方、高原に向かうごま。
『ドカーーーン!!』
ごま「ふう…別に急ぐほどでもなかったかな」
ごまは全開のルーラで東の高原までやって来た。
しかし、そこには誰一人としていなかった。
ごま「…で、ここで何するんだろ?」
その時、背後から突然何かがごまに襲いかかった!
ごま「そこかっ、メラゾーマ!」
ごまの放った巨大な火球が相手を包み込む!
ごま「ふぃー、危なかった。…あれ?ていうか、これ…」
???「気付いたか?」
ごまは声のした方に顔を向ける。
ごま「…貴子さんでしたっけ?なんでここに…。しかもこれ…」
燃え尽きた『何か』を指差し、ごまは貴子に問い掛けた。
貴子「『それ』は見ての通り召還獣。ここにいる理由は…もうわかるやろ?」
ごまはうつむきながら、答えた。貴子には、かすかに含み笑いをしているようにも見えた。
ごま「…あはっ。あたし馬鹿だけど、わかりましたぁ。貴子さんが四天王で…
よりによって召還士稲葉貴子なんですよね?」
貴子「ご名答。わかってくれて嬉しいわ、大魔導師さん。あんたになら本気出せそうや」
ごま「あたしも本気出しますよ〜、覚悟してくださいね!」
その言葉と同時に、お互いに魔法と召還の詠唱に入った。
- 510 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月10日(土)00時46分57秒
- 保田に言われた通り、街への道を進む中澤と矢口。
中澤「なんや矢口、お前別に来んくてもよかったのに…」
矢口「ゆうこの刀はでっかいだろ?オイラの近距離攻撃ならサポートは完璧!」
中澤「ふぅ…考えてるんだか考えてないんだか…」
矢口「な、何だよ〜!」
中澤「ははは…、と、おふざけはここまでやな」
矢口「…そうみたいだね」
中澤と矢口は歩みを止めた。
中澤「そこに居るんやろ?早く出てこんかい!」
茂みに向かって、中澤は思い切り怒鳴り声を上げた!
矢口「(ひぇ〜、おっかな…)」
??「なかなか良い勘を持ってるアルね」
二人はその声の聞こえた方に向けて構えを取る。
すると、その茂みの中からいきなり何かが飛び出してきた!
中澤「おおっ!?」
間一髪のところで中澤はそれを振り払う!
矢口「大丈夫!?」
中澤「ああ…それにしても、えげつないもん飛ばしてきよったなぁ」
中澤に向けて飛ばされたのは、小刀だった。
??「それは『クナイ』というものアル」
矢口「…本多さん…」
中澤「…やっぱりあんたらが四天王やったんか。なんか引っかかってたんやけどな…」
ルル「大戦時の勇者一行と戦いたかったけど、コミと貴子に取られちゃったアル。
だからその次に強そうなあなたを選んだアル」
中澤「うちは余りもんかい…。まぁええわ、満足させたるで」
矢口「オイラを忘れるなよっ!」
二人はルルを挟むようにして構えをとった。
ルル「ま、せめて30分は持って欲しいアルね」
- 511 名前:石川とあいぼん 投稿日:2001年03月10日(土)04時44分15秒
- ドカ!!どたたっ。
石川「!!」
石川は腹を蹴られ、飛ばされてあいぼんに激突。そのまま倒れた。
石川「うぅ、、、いたーーいい。」
Д<「おぉ、、、おもーーいい。」
石川「あ、ごめんねあいぼん。大丈夫〜?、いきなり酷いじゃないですか!」
石川は慌てて立ちあがった。
美帆「石川ね。さ、やろうか。」
石川「えええ!美帆さんじゃないですかぁ。チャーミーですよ。昨日の夜、闇鍋で、、」
痛みに耐えながら半笑いで答える石川。
美帆「わかってるってば。だから、私が四天王なの。不意打ちしたのは悪いけど、
これで本気だってわかるでしょ?だからそっちも本気できなさい!」
石川「そんなー、戦うなんてできませんよ〜。一緒にチョコわさび鍋食べたじゃないですか!」
美帆「あれは、もんの凄くまずかったわね。思い出させんじゃないわよ。うぇ」
石川「ね。やめましょやめましょ。あー良かった。」
美帆「はあ?、、、ったくしょうがないなあ。。。」
石川はほっとして笑顔に戻った。信田は首を左右にひねりコキコキとならした。
美帆「あ〜あ。私も貧乏くじよねえ。こんな子ぐらいしか残ってないなんて。
でもあんたさ、ココナッツのアヤカよりは強いんでしょ。
あの子が3分だったから、あんたは5分かな?もう少し粘ってくれると嬉しいけどね。」
石川「??、アヤカさんに何かしたんですか?」
美帆「したわよ。ちょっとお仕置き。
あんた達、敵同士なのに仲良くしてるみたいだったからさ。
世間の厳しさってやつを教えてあげたのよ。
でもまさか3分とはねえ。カップラーメンじゃないんだから。クククッ」
信田は馬鹿にした笑みを浮かべた。
石川「アヤカさんはチャーミーの大切なお友達です!!」
美帆「あ、そう。それじゃ、お葬式でも出してあげれば?」
石川「!!!」
- 512 名前:ごま 投稿日:2001年03月10日(土)04時47分53秒
- 貴子「・・・・・・・、・・・・・・、・・・・」
稲葉は詠唱を続けながら、懐をまさぐり、何かを取り出した。
ごま「(??)、・・・・・・、・・・、・・・・・」
稲葉はそれを放り投げた。ヒラヒラヒラヒラ、、、
ごま「(紙?、、、3枚??)・・・、・・・」
稲葉はニヤリと微笑んだ。
ボン!ボン!ボン!
3枚の紙全てから、半透明のライオンのようなケモノが飛び出した。
「ガァァ!」
ごま「!!」
3匹は同時にごまに襲いかかる。
ごま「(やば!まだフルパワーじゃないけど、)フィンガーフレアボムズ!!」
ごまの指先から火球が3つ飛び出した。
ブシュ!ボシュ!バシュ!
ごま「やった!」
3匹のケモノはそれぞれ火球を浴び、消し飛んだ。
貴子「・・・・・・、・・・・、我が名に置いて命ずる。いでよ!イフリート!!」
ごま「え??」
- 513 名前:石川とあいぼん 投稿日:2001年03月10日(土)04時49分45秒
- 石川「・・・・・・・」
石川は目を見開き、息を吸い込んだまま止まった。
美帆「あ、そーか。あんたのために氏んじゃったんだ。あの子。かわいそーに。
それで葬式は出すってのも何か間違ってるよね。」
その調子の良い声を聞きながら、、石川はゆっくりとうつむいた。
Д<「!!」
石川の顔を見て、あいぼんは後ずさりした。
Д<「あんな、、、りかちゃんの表情、、初めてやで!」
石川「許さない。(ボソッ)」
キィイイイイィイイィン
Д<「うわ!うるさ!!な、、、、なんや?いったい。耳が、、、痛、、いたたっ」
あいぼんは耳を塞いだ。
シバタ「りかちゃんの周りに凄い勢いで冷気が集まってるから、、、
気圧が変化してるのかも、、イタタタッ」
シバタも耳を塞いだ。
Д<「寒いし痛いし。」
石川「許さない。」
美帆「はははっ!のってきたのってきた。いいよぉ。」
ぼわっ!
信田は左手に炎を出した。
あいぼんは岩陰に隠れた。
Д<「まきぞいはいややねん。」
- 514 名前:ごま 投稿日:2001年03月10日(土)04時52分23秒
- ゴォーーーーー!!!
稲葉の頭上に、巨大な炎が浮かび上がる。
その中にオレンジ色の鬼のような上半身だけの体が現れる。
ごま「これが、、、召還!?」
ごまは目の前に起こっている光景に一瞬だけ目を奪われた。
貴子「命ずる。目の前にいる、敵を討て。」
ごま「あ、、、あ、しまっ、、、フバーハ!!」
イフリートのまとった炎が全て、ごまを襲う。
ぶぉおぉおおおおおぉおお!!
ごま「きゃぁああぁあ」
ごまのは炎と煙に包まれた。
貴子「別に呪文を触媒にせんでも召還はできるからね。護符はその一つ。」
稲葉からは、煙でごまの姿は見えない。
ごま「・・・・・・・」
貴子「ってあんた、いきなりおわりやないやろな!。」
ごま「ゴホッ、、、ゲホッ、、、、」
貴子「生きてるようやな。そりゃ何より。まだまだ小手調べやで。
詠唱による隙はうちには無い。あんたは隙だらけ。どうする?」
ごま「うーん、どーしよー。(フバーハで防ぎきれなかった。服、ちょっと焼けちゃった。)」
- 515 名前:飯田と辻 投稿日:2001年03月10日(土)04時54分50秒
- 勇者飯田「ななな、、何?あれは??」
巨大な青い体、一つ目、角、避けた口、
つじ「あれ?なんか、しってるきはするんれすけろ、、」
??「ぐお!」
それは腕を振り下ろした。
勇者飯田「危ない!」
ぐいっ、飯田は辻を引っぱって間合いを取った。
ドオン!!
腕は地面を叩いた。衝撃であたり一帯がぐらぐらと縦に揺れる。
勇者飯田「ひえー。」
つじ「ちょっとまってくらさい。えーっと、、めもは、めもは、、」
ミシミシミシ、、、地面に亀裂が入る。
ワーダ博士「ひゃーーっひゃっひゃ!どーじゃ!見たかあ!」
勇者飯田「すっごーい力!」
つじ「あ!あったのれす。」
ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃ!こいつはな、サイ」
つじ「さいくろぷすれす!きょじんぞく、きょーぼー。」
ワーダ博士「そ、、その通りじゃ。」
勇者飯田「へー。よく知ってたね。辻!!」
つじ「えへへ。まかせてくらさい。ちゃんとめもしておいたのれす。」
勇者飯田「えらいえらい。(こんなのどこでメモしたのかは知らないけど。)」
ゴシゴシ、辻の頭を笑顔で撫でる飯田。
つじ「えへへ」
ワーダ「ぬぬぬ!しかあーし!只のサイクロプスじゃ無いんじゃぞ!合成魔獣じゃからな!」
サイクロプス「ぐおっ!」
サイクロプスは両腕に青いオーラをまとった。
- 516 名前:飯田と辻 投稿日:2001年03月10日(土)04時56分04秒
- 勇者飯田「これって、氣?」
つじ「めもにはそんなことかいてないのれす。きっともとのにんげんののうりょくれす。」
勇者飯田「そっか、元は人間なんだよね。元に戻してあげないと。」
シャキ
飯田は剣を抜いた。
勇者飯田「辻、勇者になりたいんでしょ?」
つじ「へい!」
勇者飯田「んじゃ、かおりの戦いをよーっく見ておくんだよ!」
つじ「へ、、へい!!」
勇者飯田「とおっ!!」
- 517 名前:一休み 投稿日:2001年03月10日(土)05時11分02秒
- 闇鍋会にて
ナッチー「こんな風に食うなんて、
食べ物になってくれた生き物をぼーとくしてるべさ。
尊い命が報われねえべ。ロシ○ンテに謝るっしょ!
生で食った方がはるかに美味いべさ。」
バリバリバリ、、、
勇者飯田「あ、ナッチー、それはぶたのし、、、」
ナッチー「ん?なんだべ?かおり」
ムシャムシャ
勇者飯田「ううん。なんでもない。(ニッコリ)」
- 518 名前:石川 VS 美帆 投稿日:2001年03月10日(土)20時49分31秒
信田の戦闘前口上が終わり、石川の連続詠唱。
石川『マヒャド』
石川『ヒャダルコ』
サイトー「でも、あのままじゃ、神官のお嬢ちゃんが不利よ。」
シバタ「そんな〜、なんとかならないんですか?」
サイトーの言う通り、石川の魔法はなかなかあたらない。
出の早い直線魔法も信田のひとなみはずれた瞬発力を相手にしてはかすりさえしない。
かといって広範囲魔法は大した効果を与えられずに、こちらにスキだけを作ってしまう。
決定的なヒットこそないが、信田の炎が何度も石川をかすめる。
石川「アヤカさんを、、アヤカさんを、、」
美帆「弔いがしたいなら1発でもまともにあててみなさい。」
その時、サイトーは石川の周りの異様なまでの冷気の集中に気がついた。
冷気系の魔法を詠唱しているわけではない。
魔力というより霊力が渦巻いている感触。
サイトー「あっあれはもしかして。」
シバタ「えっ、、、なんです、か?」
能力者を渦巻くような力。それはまさに理想的な召還術の詠唱環境だった。
サイトー「シバちゃん、あの娘、召還術の心得は?」
シバタ「ない、と、思います、けど。」
サイトー「まいったな、こんな状況で覚醒前だなんて。」
何の力を借りるにしろ、召還術には媒体が必要だ。
契約の上での呪文、護符、儀式、道具。
そのどれも今からすぐに用意することはできない。
サイトー「せっかく覚醒の兆しがみえてるのに、、」
Д<「なんとかならへんのか?」
サイトー「シバちゃん、近くにメロン谷の仲間が・・・・
!!どうしたの!?」
シバタ「カ、、カラダが、、つ、め、た、、い。」
シバタの体の変化を見て、サイトーはあることを思い出した。
本来召還術とは猛獣などでは無く、精霊獣の類いを呼び出す行為だった。
そして、その場合媒体となるのは高位精霊の化身。
つまり我々妖精達だということを。
シバタ「あっ、ああっ!からだの、、おくから、、はぁはぁ、、、」
Д<「大丈夫なんか?ここは危険やから回避してたほうが...」
サイトー「待って!」
- 519 名前:石川 VS 美帆 投稿日:2001年03月10日(土)21時13分10秒
- 石川「ハアッ!」
美帆「甘い甘い」
チャーミーは体の奥底からなにか沸き上がるような力を感じていた。
しかしそれを自分のものにすることができない。
美帆「残念、5分もちそうにないわね。
この分だとそこの3匹合わせても私が一番早く片付けられそうね。」
Д<「ヒ〜」
石川「!」
今この場には勇者も大魔導師もバトルマスターも、そして大神官もいない。
もし自分が敗れれば、仲間を守ることができなければ、、、、、
これ以上、大切な仲間を失うことはできない。
石川の周りの冷気がさらに強力に渦巻き出した。
サイトー「シ・バ・タ。しっかりして。」
シバタ「はい、、なんですか、」
Д<「梨華ちゃんがブサイクにやられそうなんやっ!」
サイトー「あなた、彼女を助けたいでしょ。」
シバタ「うんっ!」
サイトー「じゃあ彼女に気持ちを集中させて」
シバタ「、、、梨華、、ちゃん、、、、梨華ちゃんっ!」
美帆「わたしは痛ぶったりするの、あまり好きじゃないのよね。
まっ、せめてお仲間と一緒に楽にしてあげようかな。」
石川「、、、、せない」
美帆「あら、まだ立つ気力が残ってたの?」
石川「みんなには指1本触れさせない。私が守る!」
その時だった。
石川の周囲に円陣があらわれ、シバタが光につつまれたのは。
石川とシバタの感情が完全にシンクロする。
石川の発するすさまじい霊力に思わず信田も驚きをあらわにする。
閃光がはしり、石川の響き易い声が周囲にこだました。
『・・・・・・、・・・・、我が友の真の力をここに。いでよ!シヴァ!!」
- 520 名前:冒険のしおり 投稿日:2001年03月11日(日)04時02分58秒
- ボンバー四天王について
>>250-257 ムロランシティにて
>>269-270 アヤカvs信田
>>276 魔王
>>289-295 みっちゃん情報
>>491-497 前夜際
- 521 名前:冒険のしおり 投稿日:2001年03月11日(日)04時03分45秒
- 吉澤について
よっすぃーvsレフア→覚醒→過去編
>>180 >>183 >>186 >>188-189 >>194-208
ムロランシティへ
>>250-252 >>256
よっすぃーと吉澤→保田と吉澤
>>307-311
その他
>>224-226 >>266 >>285-286 >>499
- 522 名前:ごまVSあっちゃん 投稿日:2001年03月11日(日)09時29分53秒
- ごま「・・スカラ」
強力な魔法は詠唱時間が長い分スキができ易い。
今のごまには簡易魔法をうつだけで精いっぱいだった。
召還獣と稲葉の双方から攻撃をうけ、1対1の戦いなのにこれでは多勢に無勢状態だ。
貴子「赤い魔法書を持つ大魔導師ごまはメラミほどしかうてないの?」
ごま「くっ」
稲葉はまたも胸元から護符をとりだし、なにやらモンスターがあらわれる。
あらわれたキメラにごまがメラミをうちつけている間に、稲葉は詠唱に入る。
またくるっ、とごまが身構えて稲葉を見ると、一瞬彼女の顔つきが驚きにかわる。
貴子「!!」
ごま「!?」
何がおこったのかと思い、彼女を見据えるが、再び彼女は詠唱をはじめた。
慌ててごまも詠唱に入る。
貴子「我がもとにその姿をあらわせ。いでよ、アーケロン」
ごま「先手必勝っ、メラミ!」
ごまが円陣の出現した方向に向かってメラミを放つ。
しかしそこにあらわれた巨大な亀は甲羅に守られてまるで効果がないようだ。
そうこうしている間に稲葉は左肩の防具についている宝
ごま「待ちなさい!逃げるつもり?」
貴子「別に、逃げるんじゃないわよ。
すぐに戻ってくるからしばらくソイツと遊んでなさい。」
そう言い残すと、グリフォンは飛び立ってしまった。石に手をあてる。
すると稲葉のもとに一匹のグリフォンがあらわれた。
(これじゃ3対1になっちゃう)
ごまがそう思った瞬間、稲葉はグリフォンに飛び乗った。
- 523 名前:よっすぃーvs小湊 投稿日:2001年03月16日(金)03時41分17秒
- 小湊が間合いに飛び込むと同時に、よっすぃーは剣を抜く!
ギンッ!
よっすぃーは小湊の左手の扇子を払う。
小湊は右手の扇子を振り下ろす。
ブン
よっすぃーは剣に体重をかけながらそれを右によけ、剣を戻し、縦に振る。
ブン
小湊は後ろに飛び、間合いを取る。
よっすぃーはすぐにそれを追う。
小湊「!」
ガツ!
よっすぃーの一撃を、小湊は両手の扇子を十字に構えて受け止めた。
超至近距離で剣と扇子で押し合いながら、二人は見合った。
美和「思ったとおり。やるね。」
よっすぃー「そっちこそ。」
ギチ、、ギチチチッ、、
美和「こないだは、もう一人の自分がどうとか言ってたけど、その後の調子はどうだい?」
よっすぃー「おかげさまで、、、と言いたいところですけど。」
美和「そうかい?んじゃ、私が一役かってあげるよ。
あんたの事、殺す気で行く。。や、殺すから。」
よっすぃー「それはどうも。ですが、、、こっちもやすやすとやられはしません。」
カッ!!
二人は同時に離れた。
よっすぃーは剣を鞘におさめた。
- 524 名前:よっすぃーvs小湊 投稿日:2001年03月16日(金)03時47分08秒
- 小湊「(抜刀術か、、、先に抜かせる。)」
よっすぃー「!?」
ひゅん!
小湊は左手の扇子を閉じ、よっすぃーに向かって投げた。
スッ
よっすぃーは体ごとよけた。
そこには小湊が突進して来ていた。
よっすぃー「!!、くっ!」
シュパッ!!
抜刀し、小湊を止めようと剣を抜きつつ横に振る。
しかしそれは残像を切った。小湊は間合いのギリギリ外にいる。
よっすぃー「(フェイント?)」
よっすぃーがまだ勢いあまって振りきっている間に、小湊は1歩前にでる。
小湊「隙あり!」
ズバッ!!
よっすぃー「あっ!!」
小湊の扇子がよっすぃーの胸を下から上に切りつけた。
たたたっ、、
よろめきながらよっすぃーは後ろにさがった。
よっすぃー「くっ、、私と同等のスピードで2重のフェイント。」
小湊「まあね。言っちゃうけど、私にもあんたの抜刀を見てから反応はできそうもないからね。
そっちも最後、よく反応したよ。浅かった。致命傷じゃないね。」
よっすぃーが胸元に手をやると、硬い材質で出来ているはずの服
(動きやすさのために鎧ではない)が荒く破けている。
よっすぃー「・・・・・(あ、、血。でも、、、まだ出てこないでね。。。)」
小湊「あんたのスピードじゃ、今までは無敵だったでしょ。
だから、同じスピードには慣れて無いから、単純な動きしか追えない。
今日は勝負の巧さってものを教えてあげるよ。さあ続きだ。」
小湊は投げた扇子の代りにもう一つ扇子を取り出した。
- 525 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月16日(金)15時21分50秒
- 勇者飯田「サイクロプスって、こんなにすばしっこかったっけ?」
辻「む〜、めもにはかいてないのれす!」
意外にすばやいサイクロプスの攻撃をかわしつづける勇者飯田。
ワーダ博士「ひゃひゃひゃ、いかに勇者の動きが速くとも、スタミナはいつか切れる。
そのとき、サイクロプスの圧倒的パワーに押しつぶされるのじゃ、、、ひゃっひゃっひゃ。」
しばらく攻撃をかわしつづけている勇者飯田だったが、、、
勇者飯田「あ”ーーーーー!!!鬱陶しい!!!!」
剣をすばやく振ると、無数の光球がサイクロプスめがけて襲い掛かる!!
サイクロプス「グォ!?」
光球は一気に収束し、小範囲にエネルギーが集中してはじける!
辻「やったのれす!!」
勇者飯田「・・・?」
- 526 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月16日(金)15時25分34秒
- モクモクと立ち上った煙が晴れると、、、
なんと、サイクロプスは両腕からバリアをはり、爆発を防いでいた。
辻「す、すごいのれす、、、」
サイクロプス「グォーーーー!!!」
サイクロプスは両腕のオーラを前方に向けて放出した!
勇者飯田「はっ!!!」
間一発で上空に逃げた勇者飯田だったが、、、。
勇者飯田「あっ、辻!!!早く逃げなさい!!!!」
辻「えっ、もうまにあわないのれす、、」
ゴォ!!!
オーラの嵐が辻を包んだ・・・。
- 527 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月16日(金)15時34分04秒
- 勇者飯田「辻ーーーーーーーー!!!!!」
ワーダ博士「ひゃっひゃっひゃ、小童だが、ようやく一人片付けたわ、、、」
勇者飯田「・・・誰?」
ワーダ博士「へ?」
辻の周りで収束したオーラがいったん停止し、サイクロプスに向けて逆流していく!!
サイクロプス「グォーーーーーー!!!」
カウンター気味に自分のオーラを食らったサイクロプスが倒れる。
辻「あれ?へんれすねえ、、、つじはなにもしてないのれす」
???「勇者さん、詰めが甘いのは相変わらずね。危なかったわよ、そのお嬢ちゃん」
???2「あんたらしくねえな。ま、腕はひどく上がったみてえだが」
- 528 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年03月16日(金)16時33分21秒
- 辻にはマホカンタがかけられていた。
???「そのオーラは魔法力の塊。だから、はね返せるわけね。」
???2「パワー型のモンスターと魔法力の高い人間の合成か、、
ちょっとは頭を使ってきてるようだが、、、」
勇者飯田「あんたたち・・・ごまの弟と、、」
ユウキ「久しぶりだな。」
ソニン「リターンマッチを挑みに来てみたら、たまたま博士もいたんでね・・・」
ワーダ博士「う、裏切り者め、今更ノコノコと邪魔をしに来おって、、、」
- 529 名前:中澤と矢口vsルル 投稿日:2001年03月16日(金)17時34分06秒
- 中澤と矢口はルルに突っ込んだ。
ルル「こっちが先ネ。」
矢口「うおおおりゃあーー!!」
矢口の飛び蹴り。
ドッカーーン!!
矢口「あれ?何これ?」
矢口が蹴り飛ばしたのは巨大な招き猫だった。
ルルは中澤側に踏みこんだ。
中澤「っしゃあ!!」
ブオン
中澤の一撃を難なくしゃがんでかわすルル。
ルル「大振りアルネ。食らうヨロシ!」
ルルは立ちあがりながら蹴りを出した。
ルル「ハイ!!」
シャ!!
中澤「くっ」
かろうじて避ける中澤。
シャキ
中澤「!!」
ルルの足から刃が飛び出した。
シュパッ!!
中澤の頬をかすめる。
ルル「ハイ!ハイ!ハイーー!!」
シュパパパ!!
ルルは続けて両足で計3発の回し蹴りを出す。
中澤は避けきれず、刃物の部分を全てもらう。
- 530 名前:中澤と矢口vsルル 投稿日:2001年03月16日(金)17時36分04秒
- 矢口「させるか!!」
体勢を立て直した矢口。
ルル「!(来るアルネ)」
矢口「あちょーー!」
中澤「いまだ!おらあ!」
矢口の攻撃にあわせて中澤も剣を振る。
ごぁあああぁああぁあん
中澤「!?」
矢口「!!」
矢口の攻撃はすかり、中澤はもの凄く硬い何かを叩いた。
中澤「(ジィイイィイインン)、、何や?、、、中華鍋??」
ルル「あははっ!こっちアルよ」
矢口「上か?超龍、、」
ヒューン、、
矢口「?!」
矢口の方に巨大な招き猫が降ってきた。
矢口「またこれ?」
ボムッ
矢口「うわ!」
矢口が招き猫を叩くと、今度は爆発した。煙にまかれて前が見えない。
- 531 名前:中澤と矢口vsルル 投稿日:2001年03月16日(金)17時38分08秒
- すたっ
中澤のしびれている剣の上にルルは着地した。
タタタ
長剣の上を走るルル。
中澤「げっ!!」
ブン
中澤は剣を振り上げ、ルルを落そうとする。
ルル「遅いアルよ。」
ドン!、、、ズザザッ
中澤は3メートルほど蹴り飛ばされた。
矢口「ゲーーーホゲホ。裕ちゃん??だいじょぶ??」
ルル「ヤア!!」
矢口「!?」
ドガッ
矢口も逆方向に蹴り飛ばされた。
再び二人の真中に立つルル。
ルル「やっぱり、二人がかりなのに大したことないネ。」
矢口「くっそー。まだまだ!」
立ちあがる矢口と中澤。
中澤「ちっ、、こんな騙し騙しな戦法、いつまでも通用すると思うんやないで!!」
ルル「騙し騙し?、そう思うか?それじゃ一生勝てないアルよ。」
- 532 名前:ユウキVSワーダ博士 投稿日:2001年03月16日(金)21時23分50秒
- 怒り狂うワーダ。
ワーダ博士「おのれええ!!!サイクロプス!!!裏切り者もまとめてやってしまえ!!!」
ユウキ「やれやれ、、、。こっちを使い捨てたのはどこのどいつだよ。」
ソニン「勇者さん、博士の始末は私達がつける。文句ある?」
勇者飯田「え・・・?」
ユウキ「ま、見てろ。3分で終わらせてやるよ」
ワーダ博士「ひゃっはっはっはっ!!!3分で終わるのはどっちかなぁあ??
ゆけ、サイクロプスよ!!!」
サイクロプス「グォーーーー!!!!」
ユウキ「待ってな。すぐあの世に送ってやるよ。ソニン!!!」
ソニン「オッケー!!!」
ソニンは魔力を集中し始めた。
ソニン「・・・メラミ」
辻「あれ?あのおねいさんはもっとつよいまほうをつかうはずなのれすが、、、」
勇者飯田「!!」
ソニン「・・・ヒャダルコ」
ソニン「・・・ライデイン」
ソニン「・・・バギマ」
ソニンは上空に向かって次々と中威力の魔法を放っていく・・・。
- 533 名前:ユウキVSワーダ博士 投稿日:2001年03月16日(金)22時06分41秒
- ワーダ博士「ひゃっはっはっ。どこに向かって魔法を撃っておる!
ま、まともに撃ったとしてもサイクロプスのバリアに弾かれるがな、、、」
ソニンは両手を高々と掲げている。
ソニン「さーて、、、いくわよっ、ユウキッ!!」
ユウキ「おうっ!!!」
ソニンの掛け声と共に、ユウキは剣の束に手をかけ、サイクロプスに向けて走り出した。
ワーダ博士「抜刀術か、、しかし、サイクロプスの体は切り裂けまい!」
ソニン「そりゃーーっ!!」
ソニンが高々と掲げていた両手を前に突き下ろすと、上空に停滞していた
中級魔法が集中し、ボールくらいの大きさになって猛スピードでサイクロプスに向かっていく。
サイクロプスがバリアを張って防ごうとすると、勢いよく抜刀したユウキが
ソニンの集中魔法を剣でキャッチして、そのまま突進していった。
ユウキ「ウッシャーーーーッ!!!」
次の瞬間、サイクロプスの両腕は無残にももぎ取られ、
腹には巨大な風穴が開いていた。
- 534 名前:ユウキVSワーダ博士 投稿日:2001年03月16日(金)22時14分31秒
- ユウキ「全属性の魔法が集中してるから、属性バリアも効かない。」
ソニン「ユウキのスピードを併せれば容易に突き破れる、その程度のバリアならね。」
ワーダ博士「ま、ま、ままままままさか、そんな、、、、」
ユウキ「実験台になった奴には可哀想なことしたかな、、、。ま、
無残に生きるより氏んだほうが幸せだろ。」
ソニン「博士、覚悟を決めた?」
ワーダ「た、たたた、たす、たふけた、、、」
ユウキ「無様、だな」
ユウキが振り上げた剣を下ろした、その時!
勇者飯田「無闇に頃すなんて、許さない!!たとえ悪い人でも!」
辻「さいくろぷすさんだってにんげんにもどれたかもしれないのに、、、ぐすっ、、」
ユウキ「あいかわらず甘い奴らだ・・・。むかつくんだよ」
ワーダ博士は恐怖とショックで気絶していた。
ワーダ「たたたた、、、たあすけったたったた、、、」
- 535 名前:これらの呪文は天性のものですか? 投稿日:2001年03月18日(日)15時41分36秒
- バギクロス・グランドクロス(共にパラディンで拾得。)
ヒャダルコ(魔法使い)マヒャド(賢者)
- 536 名前:ナッチー(高原に移動中) 投稿日:2001年03月19日(月)01時07分51秒
- ナッチー「..はぁ..はぁ..ふうっ...」
ナッチーが息を切らせて牧城東部の高原をかけていく。
彼女が地に足をつけるたびに地鳴りがおこり、木々が振動する。
照りつけるような日ざしの下で彼女の体力も徐々に削られていく。
ナッチー「あああ〜〜〜、もうっ!
いっそ雲でも呼び寄せてみるべかな」
そう言って彼女が天を仰いだ瞬間、彼女の現在位置の上空を通り過ぎたものがあった。
鳥、にしては異様な大きさの飛行物体。
ナッチーの周囲が影に包まれる程の大きさだ。
しかしそれはまぎれもなく鳥の翼を持ち合わせていた。
その巨大な鳥は高原を滑降するように降りていく。
ごま「あっ、ナッチー」
ナッチー「ごま。今こそ決着をつける時さ。
ナッチーと正々堂々勝..」
ごま「今のグリフォン、どっちいった?」
ナッチー「グリフォンってのは、、あの大きな鳥のことかい?」
ごま「そうそう」
ナッチー「そいつなら裾野の大きな木のほうに向かって飛んでったんよ」
ごま「銀杏の木のほうね。わかった。
ありがとう、ナッチー」
ナッチー「どうもどうも、、、
って何を話しはぐらかしてる。
ナッチーと勝負するべ。」
とかなんとかナッチーが言っている間にごまは詠唱を終えていた。
ごま「それじゃナッチー、そこの亀さんをおねがいね。
『ルーラ』」
そう言い残すとごまは銀杏の木のほうへ飛んでいってしまった。
ナッチー「えっ、ちょっと待てって、、、、
いっちまっただ。
大体、亀なんてどこに、、」
そうひとりごちてナッチーが振り向くとそこには苔におおわれた大岩。
もとい、、、稲葉貴子による巨大な召還獣・碧のアーケロン。
思わずナッチーの顔がひきつる。
ナッチー「、、、さすがに、スッポン鍋やるには大きすぎるんでねえのかい?」
- 537 名前:石川 VS 信田 投稿日:2001年03月19日(月)01時09分02秒
- 石川 VS 信田
シバタの本来の姿、高位精霊シヴァによって冷気の固まりが信田にぶちあたる。
フシュウウウウウウゥゥゥ・・・・・
渦巻く冷気のなかから信田がようやく姿をみせる。
流石の魔法拳士・信田美帆も高位精霊の召還魔法をもろにくらったようだ。
彼女の髪や服はところどころ凍り付き、足は完全に地面に凍結している。
Д<「やったで、梨華ちゃんっ!
今のうちに一気に攻撃したれや」
サイトー「今なら確実に魔法があたる」
美帆「・・・・・・
悪いけど、そこまで私も簡単に自由を奪われたりはしないのよね。」
そう言うと信田は不敵な笑みとともに闘気を集中させる。
途端に彼女の足下に青白い炎がともり、凍り付いていた足が自由になる。
美帆「私は魔法拳士。体のどこにでも集中すればこれくらいのことはできるのよ。」
石川「クッ」
Д<「大丈夫や、梨華ちゃんっ。
今の梨華ちゃんならこんなブサイクオバサン簡単にやっつけられるで。」
サイトー「そうよ。気持ちを集中してっ。
シバタとのシンクロを途切れさせてはダメよ。」
石川「分かってます。」
そう言うと石川のチャーミースーツが輝きだし、シバタの表情も鋭くなっていく。
シバタは再び本来の姿となり、彼女達の周囲に円陣がしかれる。
石川『氷の女王・シヴァの名のもとに命ずる。いでよ、イエティ!』
- 538 名前:石川(彩の祠への道) 投稿日:2001年03月19日(月)02時18分23秒
- 石川の声とともに赤いイエティがあらわれた。
信田も身構え、手に光を帯びさせる。
その時だった。
『我がもとにその姿をあらわせ。いでよ、リザードマン・レインボー』
信田とイエティのちょうどど真ん中に煙りがわきたち、黄緑色のトカゲ男が姿をあらわす。
イエティとトカゲ男は対峙し、他は皆声のほうへ振り向く。
美帆「あっちゃん!」
貴子「はあい」
美帆「大魔導師はどうしたの?」
貴子「今頃うちの老いぼれアーケロンと戦っているわよ。
それよりさ、突然で悪いけどこの勝負私に預けてくれない?」
美帆「・・・・・そういうことか・・
いいわ。私もどうせなら勇者サヤカのパーティーメンバーと手合わせしたかったしね。」
貴子「交渉成立ね。
それじゃしばらくそこで待ってて。
分かってると思うけど、手出しは無用よ。」
稲葉は杖をかかげて、対峙する2体の獣ごしに石川を見据える。
美帆「・・・・・私のほうもそんなに待たないみたいだけど。」
そう言うと信田は手の光をおさめて、更に東、銀杏の木のほうへ走り出した。
- 539 名前:石川覚醒30秒前 投稿日:2001年03月19日(月)05時38分12秒
- 信田「あんたっ!!それ、召還だろ??
そんなの使えたの??ははっ、、予想より全然凄いじゃない!!
まったく、、、、嬉しいよ!!」
石川「これは、、、、」
石川は光の円陣の中で、驚いていた。
??「勝ちたいか?」
石川「!?、、、何??、、誰??」
??「石川梨華よ、勝ちたいか???」
石川「勝ちたいよ、勝ちたい。許せないもの!!」
??「ならば我が名を呼ぶがよい。」
石川「誰?だれなの??」
??「我はお前の目の前にいる。運命を共にするもの。」
その時、真っ白な世界に一つの姿が映った。
石川「あ!!シバちゃん??シバちゃんなの??」
??「妖精シバタはシヴァの血族、私はその血に眠るシヴァ。お前はシバタの主。」
石川「シバちゃんはお友達です!」
シヴァ「そうであったな。今から言う通りに呼ぶがよい!
お前のあふれる魔力と引き換えに、勝てる力を授けよう!!」
石川「勝てるのね!勝てるなら、、なんでもするわよ!!
早く、早く教えて!どう言えばいいの?」
- 540 名前:石川覚醒15秒前 投稿日:2001年03月19日(月)05時41分08秒
- シバタ「梨華ちゃんっ!?」
??「助けたいか?」
シバタ「??」
??「石川梨華を助けたいか?」
シバタ「??、誰?、、、この声は、母さん?、、違う、、」
??「我はシヴァ、お前の血に眠る者、、今、石川梨華はお前の力を欲している。
助けたいか??」
シバタ「ってことは、、私??、私に何か力があるっていうの?
そんなものが少しでもあるなら、助けたいよ!!梨華ちゃんを助けたいよ!!」
シヴァ「では主に、、いや友に、シヴァの力をくれてやれ!!」
シバタ「!!!、、体の、中に、、、冷たくて、、あったかい??、、何かが、、
これ、梨華ちゃんの、、、魔力??」
石川「我が友の真の力をここに。いでよ!シヴァ!!」
石川の詠唱にあわせて、シバタの羽は白銀に光り、巨大で蝶の羽の様な形に変った。
羽からこぼれ落ちるのは、花粉ではなく水の結晶、つまり雪。
シバタの体は羽にあわせて巨大化し、白く透明に透き通っているが、太陽光に反射し、
キラキラと光り輝いている。
Д<「き、、、綺麗や。」
サイトー「これがシヴァ。。」
やがて人間なみの大きさとなったシバタは、石川の前に浮遊した。
シヴァ「梨華ちゃん、一緒に戦いましょう。」
少し大人びた顔立ちで目つきも鋭くなっている。
石川「は、、、はい。お願い、、、します。」
石川の魔力が霊力に変化し、周りの空気を更に冷たくする。
- 541 名前:よっすぃーvs小湊 投稿日:2001年03月19日(月)05時44分28秒
- 保田はよっすぃーと小湊が戦っているのを、
森の中に隠れて見ていた。
保田「(今は、戦いの邪魔をすべき時では無い。。)」
ギインギンギン!!
互いの武器がはじきあう音があたりにこだましている。
よっすぃー「くっ!!」
美和「や!!」
ズバッ!!
保田「(美和さんの攻撃がよっすぃーを捉えることが多くなった。
よっすぃーは、まだ一太刀も、、、か。
見てる限り、スピード、パワーは拮抗してるのに。。)」
その時、
ザクッ!!
よっすぃーの肩を扇子の刃が削る。
ドガッ!
続けて、よっすぃーは腹を蹴られ、倒れた。
よっすぃー「はあ、、はあ、、、(やっぱり、私だけじゃ無理なのかな。。)」
よっすぃーは肩をおさえた。血が流れている。
保田「ふぅ。(無理、、、か。)」
保田はため息をつき、木の陰から出る決意をした。
よっすぃー「(一人でどうにかなっちゃえば、と、、、、思ったんだけど、、)」
よっすぃーは肩を押さえた手を見た。べっとりと血がついている。
よっすぃー「はぁ、、はぁ、、、(そろそろ、、、来る。来ちゃう。)」
よっすぃーはふらふらと立ちあがろうとした。しかし、
ドサッ!!
倒れてしまった。
美和「!!」
美和はかけよろうとした。
- 542 名前:石川、現在 投稿日:2001年03月19日(月)05時46分28秒
- 信田に向かって叫ぶ石川。
石川「待ちなさい!!あなたは私が倒します!!私は!!、、あなたが許せないんだから!!」
美帆「ごめんなー。あんたはあっちゃんに譲るわ。」
貴子「石川ちゃん、こっちで私とやろうよ。同じ召還士同士さ。」
石川「うるさい!!邪魔しないで!!許せないの!!
待ちなさい!!逃げるなんて許さない!!」
貴子「#、、、、そんなこと言わないでさ。」
石川「許さない!許さない!許さない!」
稲葉の声に石川は耳をかさない。信田を追おうとしている。
貴子「ねえ、ちょっと、、
(この娘がこんなになってるなんて、美帆はいったいこの娘に何したんやろ?)
ったく、、、イフリート!!」
ゴオ!!
稲葉は石川へ炎を飛ばした。
その炎は、石川に届く直前で冷気により消失した。
石川「!!?」
貴子「どや?」
石川は稲葉に向き直った。
石川「・・・・・邪魔をするなら、貴方も、許さない!!」
石川は稲葉を睨んだ。
貴子「おお?やっと気づいたか。やるでー!!」
石川「許さない!シヴァよ!!」
- 543 名前:よっすぃー 投稿日:2001年03月19日(月)05時49分18秒
- 保田「待って!!」
美和「!?、圭ちゃん。」
保田「この子が倒れている間は、手を出させない。私が相手をするわ。」
保田は構えをとった。
美和「あ、そのために隠れてたんだ。」
保田「!?、気づいていたの?」
美和「まあね。ま、無理しなくていいよ。」
そう言うと、小湊は扇子を閉じ、近くの岩の上に腰をかけた。
保田「??」
美和「わかってるよ。こないだ聞いたからね。
この子がもう一人の自分と葛藤してるんだろ?」
保田「・・・・・・」
美和「手を出したりしないよ。私らは、強い奴と戦うのが目的だからね。
あんたが相手ってのも悪く無いけど、一対一で神官とやってもしょうがないからね。
それよりあんたは、この子の回復でもしてやりな。それから、側についててやんな。」
保田「あ、、、ありがとう。」
美和「言ったろ、一肌脱ぐって。でも別にこの子のためじゃない。
私が、本来の力のこの子と戦ってみたいだけさ。」
保田「でも、、ほんとに、、、ありがとう。なんて言ったらいいか、、敵なのに、、」
美和「よしてよ。私も休んで次に備えるから。」
保田は小湊に頭を下げ、よっすぃーの元にかけよった。
- 544 名前:石川 投稿日:2001年03月19日(月)05時52分29秒
- シヴァの羽の周りに、次々と氷が生成される。
何十、何百本、何千本もの氷の刃が稲葉めがけて飛んでいく。
Д<「おお!これ、いけるんと違うか??凄いで!!これは避けられんやろ!!」
貴子「イフリート!炎の盾で我を守れ!!」
稲葉の前に大きな炎が現れ、氷を消していく。
石川「そんなものっ!!」
石川は更に氷の刃の生成量を増やした。次々と氷は炎に吸いこまれていく。
それにつれて炎の盾も小さくなる。
石川「勝ちたい!勝ちたい!勝ちたい!!!」
貴子「やるやん。でも、まだまだや!、はぁっ!!」
稲葉が気合を入れると、炎の盾は更に大きくなった。
Д<「??、、なんか、、、」
サイトー「??どうしたの?」
Д<「なんか、違わんか?」
石川「許さない!許さない!」
サイトー「どうして?今はおしてるよ??」
Д<「・・・でもな、この戦いな、いつもの梨華ちゃんと、、、違う気がすんねん。これって、、」
サイトー「??」
石川「まだだ。もっと!もっと!もっと!!」
貴子「この程度なわけがないやろ??もっとこいや!!もっともっと!!!」
サイトー「たしかに、、、押してるように見えて、、なんだか、、」
- 545 名前:よっすぃー 投稿日:2001年03月19日(月)05時53分39秒
- 保田は座りながら、倒れているよっすぃーの上半身を抱えた。
保田「よっすぃー、大丈夫?、、ベホマ!!」
保田はいくつかある傷口に、次々と手をあてていった。傷はふさがっていく。
よっすぃー「う、、、、うん、、、、」
よっすぃーはびくっと体を震わせた。
保田「!?」
保田は、よっすぃーの目の焦点があっていないことに気づいた。
保田「やっぱり、、これから、意識の中での葛藤が始まる。頑張れ!!よっすぃー!!」
よっすぃー「来る、、、来た。」
その声は、うわごとのようによっすぃーの口からもれた。
そしてよっすぃーは保田の手の中で動かなくなった。
- 546 名前:石川 投稿日:2001年03月19日(月)05時55分42秒
- 石川「私は勝つの!!勝たなきゃいけないの!!」
その時、
ズドドドドドドドドドドドド!!!!
シヴァから今までの何倍もの氷の矢が撃たれた。何万本もの矢が。
もうもうと氷が蒸発し、一時、稲葉とイフリートの姿が見えなくなる。
シュウシュウシュウシュウ、、、
石川「はあ、はあ、、はあ、、、」
Д<「おお!すごいで!!これで押し勝てるんと違うか?」
石川「もっと!!」
ドドドドドドドドドド!!!
- 547 名前:石川 投稿日:2001年03月19日(月)05時56分57秒
- 石川「はあ、はあ、はあ、、、どう?」
連打が一段落し、水蒸気がはけると、
貴子「・・・・・・・」
先ほどの嬉しそうな表情とはうって変り、冷めた表情の稲葉が立っていた。
石川「!?」
貴子「イフリート。(ボソ)」
ゴオオオオ、、
また音をたててイフリートが現れた。
Д<「って、き、、、きいてへんのか?」
石川「なんで、、、、くっ!!」
石川は下唇を噛みながら、稲葉を睨んだ。
石川「負けない!!シヴァ!!」
シヴァの周りに再び氷の刃が生成され始めた。
サイトー「ハッ!!わかったよ。これ、負ける。」
サイトーはトーンを落としながら言った。
- 548 名前:飯田 投稿日:2001年03月19日(月)06時00分53秒
- ソニン「博士にとどめを。」
ユウキ「ああ。」
勇者飯田「・・・・・・・」
ユウキ「?、ってかあいつはどこだ??声ばっかりで姿が見えねえぞ!!」
つじ「さいしょっからみえませんれしたよ。
ぜんかいのしっぱいをくりかえさないためらそうれす。」
ユウキ「何い??ふざけんな!!」
バサッ!バサッ!!バサッ!!
ユウキは力任せに剣でその辺の茂みに切りつけた。
ユウキ「おい!何やってんだ?
あんたも手伝ってくれよ!あいつをやっつけてえのは同じだろ!」
ユウキは飯田に声をかけた。
飯田は、サイクロプスのもがれた手を集めていた。
ユウキ「ああ?そんなことしてて何になるんだ?それより、
あいつを今やらねえと、また同じ犠牲者が増えるだけだろうが??手伝えよ!!」
勇者飯田「よいしょっ!」
飯田は腹に穴のあいたままのサイクロプスを背中に抱えた。
ソニンとユウキの方を「きっ」と睨むと、
勇者飯田「どいて!!」
ドン!!
ユウキにぶつかりながら、飯田は走りだした。
つじ「ま、、まってくらさい!いいらさん!!」
つじは急いで追いかけた。
- 549 名前:石川 投稿日:2001年03月19日(月)06時04分11秒
- Д<「はー、やっぱりやん。
、、って納得したらあかんな。いったい、、なんでやねん?」
サイトー「いつもと違うって、きっとそのとおりなんだよ。
友を頃された怒りは、彼女を覚醒に導いた。
けど、、、今は、心に燃える怒りと憎しみの炎が、、、氷の聖霊の力を弱くしている。。」
Д<「!!!、なんや!!そりゃ、、、なんちゅうこっちゃ!!」
サイトー「せめて、その炎が消えないと、、、相手にもならない。。」
Д<「ヤヤヤ、、、ヤバイんと違うか?」
ドドドドド!!
また、音をたててシヴァの氷の刃が稲葉とイフリートを襲う。
イフリートはもう、盾を作ることもなくなっていた。
全弾命中するも、全くダメージを受けている様子は無い。
貴子「・・・・・・」
石川「なんで?なんで?なんで??なんで効かないの?なんで勝てないの?
許せないのに、守りたいのに、、」
サイトー「いけない!!これじゃ、子供が怒って廻りにある物を
手当たり次第に投げてるのと同じだよ。
それじゃ、いつか物が無くなって、、、MPだけが先に尽きちゃうよ。」
石川「こんなに、、こんなに勝ちたいと思ったことって、、、初めてなのに。。」
- 550 名前:飯田 投稿日:2001年03月19日(月)06時07分21秒
- 勇者飯田「生命力が人間より強い魔獣のままなら、まだ生きてるかもしれない。
圭ちゃんなら、、、圭ちゃんならなんとかしてくれるかもしれない。。
圭ちゃんは、よっすぃーといつもの修行場にいるんだよね。」
つじ「そーれす。」
勇者飯田「急がないと、、」
飯田は足を速めた。つじも追いかけるのに必死になった。
勇者飯田「いい?つじ、勇者っていうのはね、助けなきゃだめなんだよ。
勇者はね、決して、敵を頃すためなんかじゃない。
みんなを助けるために、、、勇者はいるんだよ。」
つじ「へ、、へい!!れも、、、あのひとたちがいっていたことも、、、」
勇者飯田「一理あるよね。うん。だから、、、あの戦いの決着は、あの人達にまかせるよ。
博士がいくら隠れてても、いずれ見つかるでしょう。
今、かおりは、、、この子を。」
つじ「へい!!」
勇者飯田「でも、、ごめんね。辻。」
つじ「??」
勇者飯田「(彼らは、頃してしまうかもしれない。博士を。
それを、、今のかおりは止められない。頃しなんかしたくないけど。。
博士は、前回にも十分過ぎるほど彼は罰を受けた。でも、こうして復讐に現れた。
ここで頃さなかったら、また、、博士は同じ事を繰り返すというの??
だからって命を、、、どうすればいいの?いったいどうすれば、、、
かおりにも、、わかんないよ。だから辻にも、説明してあげられないよ。)」
ブンブン!!
飯田は一度目を閉じ、それを振り払うかのように頭を振った。
勇者飯田「ううん、今は、、急ごう」
つじ「へい!!」
- 551 名前:石川 投稿日:2001年03月19日(月)06時09分41秒
- 石川「なんで?なんで?なんで?、、ひっく、、ひっく、、、」
石川は、攻撃をさせ続けながら、、、目をつぶって両手で顔を覆い、座り込んでしまった。
シヴァ「梨華ちゃん!!どうしたの!!?、シンクロできてないよ??あっ、、」
シバタは徐々に小さくなっていく。
互角に見えたイエティとトカゲ男も、トカゲ男が押し始めた。
サイトー「やばい!!」
Д<「・・・・・・」
サイトー「梨華ちゃん!!しっかりして!!」
石川「ひっく、、ひっく、、、」
石川が聞いているかどうか、わからない。
Д<「よっしゃ!!うちにまかせや!!」
サイトー「?、なんか良いアイディアが?」
Д<「ちゃうで、うちがやる。うちが梨華ちゃんを助ける。」
サイトー「ええ?あなた、この状況を打開できるの??今まで隠れてたし。」
Д<「あのな、、うちはな、なんの考えもなく、観戦に来たんと違うんやで!
頼りない梨華ちゃんがな、窮地に陥ったときに大活躍するために来たんや。
ってわけでうちの出番なんや!!」
サイトー「??、でも、、どうやって?」
Д<「ふっふっふー。りかちゃんにはこれが一番きくんと違うか?」
あいぼんは石川の元に走りながら叫んだ。
Д<「モシャスッ!!」
- 552 名前:ナッチー 投稿日:2001年03月19日(月)06時11分48秒
- ナッチー「ははーん。わかったべ。ごまのやつ、こいつに負けて逃げだしたんだべ。
ざまーないっしょ。
したっけ、こいつをやっつければ、ナッチーの勝ちってことかい?」
アーケロンがナッチーに気づき、ギロっと睨みつけた。と同時に、
ドオオン!!
アーケロンの足がナッチーを狙った。
ナッチーはそれをよけた。
ナッチー「ふう、、あぶねえあぶねえ。でもナッチーにかかれば、
3秒でおしまいさ。。海生類が雷に弱いのは常識だべ。」
ナッチーは空に向かい、両手を上げた。
ナッチー「雲よ!!!」
・・・・・シーン・・・・・・・
ナッチー「あれれ?、雲よ!!」
・・・・・・シーン・・・・・・カァ、カァ、カァ(どっかでカラスが鳴く声)
ナッチー「・・・・・・!?」
あたりの水蒸気は、、、石川に全部取られていた。
ギロリ、またアーケロンがナッチーに狙いを定める。
ナッチーは上げた両手をゆっくり下ろし、、
ナッチー「なんだべーー?!!」
走って逃げ出した。
- 553 名前:石川 投稿日:2001年03月19日(月)06時13分37秒
- 石川「ひっく、、ひっく、、、ひっく、、、ひっ、、」
保田(Д)「ちょっとあんた、落ち着きなさいよ!!」
石川「ひっく、、!!!、、、、し、師匠?」
貴子「!?、ほんまに、、、これだけか??
ちっ、、、がっかりしたで。
わざわざ召還の気配がするから来てみれば。まださっきの娘のほうがましやっちゅうねん。
とどめ、さしちゃおか。グリフ、、」
??「ちょっとまってよっ!!」
その時、ゴオ!!
貴子「!?」
貴子のすぐ横をメラゾーマが通りすぎた!
ごま「あんたの相手はこの私でしょ!!」
ごまはルーラで飛んだまま信田を無視し、通りすぎて来ていた。
- 554 名前:よっすぃー 投稿日:2001年03月30日(金)22時02分12秒
- 保田は気を失っているよっすぃーに回復呪文をかけ続けていた。
美和はその様子をずっと見ている。
その時、突然よっすぃーの目が大きく見開いた!
保田「!」
保田が気付いたときには、よっすぃーは空高くに飛翔していた。その目は美和を捕らえている。
吉澤「殺すっ!」
美和「ふーん…」
美和はよっすぃーの空からの攻撃を受け流すと、その勢いを利用して投げ飛ばした!
吉澤「くっ!」
吉澤は素早く受身を取り、着地して構え直した。
保田「まずいな…。よっすぃーの意識が負けた」
保田のその言葉に対し吉澤が答える。
吉澤「あいつじゃあ勝てる戦いも勝てない、だから私が出てきた」
美和は吉澤のその言葉を聞くと、ひとつ大きくため息をついてから言い放った。
美和「…悲しい刀の振り方をするね、あんたは」
吉澤「何…?」
美和「見てて可哀相だよ、そんな風にしか刀を振れないなんて」
吉澤「だ…黙れ!殺してやるっ!」
吉澤は再び美和に向かっていった。
- 555 名前:よっすぃー 投稿日:2001年03月30日(金)22時20分49秒
- 吉澤の怒涛の連続攻撃が美和を襲うが、美和は全てを受け流す。
吉澤「くそっ、何で…。何で当たらない…」
美和「笑止!」
美和はそう言うと吉澤の右足を扇子で裂き、もう片方の扇子で吉澤を弾き飛ばす。
吉澤「ううっ…。何で…」
美和「理由は簡単。あんたの太刀筋には殺意や怨念以上に、悲しい。相手と向き合っていない。
今まではそれで何とかなってきたみたいだけど、それが失敗だったね。
かたや剣士としてのけじめの無い甘ちゃん。かたや恐怖で相手と向き合えない悲しい娘。
あんたの存在にはどんな理由があるのかは知らないけど、それじゃあ絶対に勝てない」
美和のその言葉を聞き、保田は唖然としていた。
保田「(凄い、この人…。太刀筋だけで吉澤の恐怖や悲しみを悟ってる。
やっぱりよっすぃーを救えるのはこの人しかいない)」
保田が一人で考えていると、吉澤が勢いよく吹っ飛んできた!
保田「うわっ」
吉澤を真正面から受け止める形になり、体勢を崩す保田。
美和「はい、これで二人目も意識消失」
保田「…流石ね、美和さん。今まで吉澤を相手に無傷で済んだ人なんて見たことないわ」
美和「ははっ、ありがと。ところで、今から始まるんじゃないの?」
保田「うん、多分…。今からよっすぃーと吉澤の精神がぶつかり合うはず」
- 556 名前:よっすぃーの精神 投稿日:2001年03月30日(金)22時36分29秒
- よっすぃーの意識の中では、思いのほかゆったりとした空気が流れていた。
よっすぃー「あんたも負けたんだね…」
吉澤「ああ…。強いよ、あいつは」
よっすぃーは吉澤の様子をうかがいながら、聞いた。
よっすぃー「…共闘、できないかな?」
吉澤「…あんたさ…」
よっすぃー「何?」
吉澤「なんで仲間と一緒にいるの?」
よっすぃー「…え?」
吉澤「なんで…他人を簡単に信頼してしまうの?恐くないの?」
よっすぃー「…」
吉澤「それに…失ってしまうかもしれないんだよ?」
よっすぃー「…私は…」
吉澤「まだ、わからない…。何で戦うのか…何で殺しあわなきゃいけないのか…」
よっすぃー「…あんたからそんな言葉が聞けるなんて…」
吉澤「意外だ、と思ってるでしょ?そうだよね、今まで私だけで背負い込んでいたことだから…」
よっすぃー「あんただけ…」
よっすぃーはそれを聞くと、何か胸を締め付けられる感覚を覚えた。
吉澤「失ってしまうかもしれないものをなんで簡単に受け入れるのか…。
失ってしまう悲しさの方が大きいことになんで気付かないのか…。
殺すか殺されるか、という場所になんで自分から赴くのか…。
私はずっと悩んでた。知りたかった。でも、あんたもそれを知らないで続けている。
だから余計に…わからなくなった」
- 557 名前:よっすぃーの精神→現実世界 投稿日:2001年03月30日(金)23時03分39秒
- 吉澤「共闘ができない本当の理由…それは、そういうこと。
私は一人で戦う。あんたもそう思ったでしょ?それで私は皆から殺人鬼扱いされて、煙たがられればいい…」
よっすぃー「違うよ!」
よっすぃーは吉澤の言葉をさえぎって、続けた。
よっすぃー「違う…。今の話を聞いて、痛いほどわかったよ。
あんたは何も悪くない…。悪いのは、何も考えないで突っ走っていた私だよ」
吉澤「…そうだとしても、私んも考えは変わらない…。私の存在を認めてくれるのはあんただけ。
あんたの仲間も、あんたの敵も、私のことを必要としていない。そういうことに…もう疲れたよ」
よっすぃー「そんな…!」
吉澤「私が消え去ることが、一番の望みでしょ?共闘なんかより、ずっと望んでる…。
あんたは自分にすら正直じゃないからね」
よっすぃー「違うっ!私は…!私は!」
同時刻、保田はよっすぃーの精神の中を読み取りつつ、その内容を美和に伝えていた。
保田「ふぅ、二人が気絶してる今でなきゃできない技ね…」
美和「…で、二人の話はおしまい?」
保田「…どうやら終わりみたい。今のままだと吉澤の方が消えて終了、ね」
美和「ねぇ圭ちゃん、その意識の中の二人に話し掛けることはできる?」
保田「あー、なにしろこの状況は始めてだから…。でも可能なはずだよ」
美和「…そう。じゃあ、その二人に人生の先輩からメッセージでも…」
そう言うと美和は大きく息を吸い込んだ。
- 558 名前:美和 投稿日:2001年03月30日(金)23時29分13秒
- 美和「バトルマスター吉澤ぁっ!」
美和は大声で倒れているよっすぃー(吉澤)に怒鳴った!
美和「あんたが恐がってるのは他の何者でもない、自分だ!それを他人のせいにして落ち込んでるだけだろ!
疲れただって!?当たり前だ、戦う人間が疲れなくてどうする!自分の責任すらもなすりつける気か!
自分で落ちた穴から這い上がるのは当たり前だ!他人に頼っても這い上がる奴は正しいよ!
でもあんたは這い上がろうとしない!しかもそれすら他人になすりつけるのか!?
自分の言ってることが正論だと本気で思ってるのなら、それは間違いだ!」
保田「…」
美和「あんたを煙たがってる奴ばかりだと言ったよね…。それも間違いだよ。私はあんたを受け入れる。
あんたは応えないの?今、自分を遥かに超えた相手が自分のことを待ってるんだよ?」
よっすぃー(吉澤)の体が、わずかながら動く。
美和「一度でも本能から戦いたいと思ったことはないの?自分を束縛する必要はないよ」
保田「…よっすぃー…」
保田はよっすぃー(吉澤)の顔を見る。
美和「互いに一人の戦士として…本能だけで戦おうよ」
美和がそれを言い終わったと同時に、よっすぃーが目覚めた!
よっすぃーはうつむいたままゆっくり立ち上がる。そして次の瞬間…
よっすぃー「うおおおぉぉぉああぁぁぁぁっ!!!」
よっすぃーは大粒の涙をこぼしながら、空に向かって大きく叫んだ!
- 559 名前:よっすぃー復活 投稿日:2001年03月30日(金)23時44分44秒
- 保田「泣いてる…。よっすぃー、いや、吉澤が…」
美和「歓喜の涙、ってところじゃない?」
保田「そうか…。吉澤は今まで迫害されているも同然だった。どこに行っても一人だった。
だからずっと悲しかった。それに人を殺すことだって恐かった。でも誰一人認めてくれなかった。
そして今、自分のことを一人の戦士として認めてくれる人と始めて出会った。
始めて自分の存在を許容してくれる人と会えた…。それが吉澤を動かしたんだ」
美和「さっすが圭ちゃん、仲間のことはすぐにわかるんだね」
保田「ありがと。でも美和さん、今からのよっすぃーは多分さっきまでとはレベルが違うよ?」
美和「多分ね。でもそれはお互いに望んでたことでしょ?」
保田「まあ、ね…」
そして同時刻、よっすぃーの精神の中。
吉澤「ああ…うっ、うう…」
よっすぃー「…行ける?」
吉澤「…こんな私でも、受け入れてくれる人がいた…。退くわけにはいかない」
よっすぃー「そうだよね…」
吉澤「…あ、あのさ…」
よっすぃー「ん?」
吉澤「一緒に、行かない?」
よっすぃー「えっ!?」
吉澤「だから…共闘。お互いの精神をひとつにしてさ」
よっすぃー「…本当に、いいの?」
吉澤「そうしなきゃ太刀打ちできない相手だってわかってるでしょ?」
よっすぃー「…うん!それじゃあ…行こう!」
吉澤「よしっ!」
- 560 名前:真よっすぃーVS美和 投稿日:2001年03月31日(土)00時04分46秒
- 泣き止んでうつむいていたよっすぃーが、しばらくして顔を上げる。
よっすぃー「…ただいま、戻りました」
保田「…おかえり、『二人とも』」
美和「…おかえりなさい。随分いい目になったね。迷いが少しも見られない」
よっすぃー「私がやったことじゃないですよ。保田さんに美和さん、それにあいつ…」
美和「うん、よかった。これで本当の戦いができるね」
よっすぃー「ええ…。それじゃあ、始めましょうか?」
美和「あー、ちょっと待って。この状況じゃあまだ戦えない」
よっすぃー「え…?まだ足りませんか?」
美和「いや、そうじゃなくて…」
保田「はーい、私は遠くで見物してますよ」
美和「うん、理解が早くてよろしい!」
よっすぃー「…保田さんを遠ざける、ですか…。確かに近くに居られると危ないですね」
美和「そ。今の私達がぶつかったら周囲がどんなことになるかわからないしね」
よっすぃー「それじゃあ、遠慮なく」
美和「始めようか」
保田「(始まる…。地上最強の肉弾戦が…)」
保田はこれから始まる戦いのことを考え、身を震わせた。
- 561 名前:ごま乱入後 投稿日:2001年04月03日(火)00時59分32秒
- ごま「さあ、いっくよー!」
ごまは詠唱を始めた。
貴子「ま、ええか。石川ちゃんはもう駄目みたいやし」
貴子をごまの方を向き、召還を始めようとした。
と、その時、貴子は急に召還を止めた。
ごま「?」
貴子「あんた…ホントに注意力が散漫しとるなぁ」
ごま「へっ?」
ガシッ
ごまは背後から首根っこを強く掴まれた!
美帆「無視するなんて酷いんじゃないの、大魔導師のお嬢ちゃん?」
ごま「グ…がっ…」
ごまは首を掴まれたまま持ち上げられている。
美帆「じゃあ、連れてくから。そっちよろしくね」
貴子「任しとき」
美帆はそのままごまと共に森の奥へ消えていった。
貴子「…駄目やと思ってたけど、まだまだ行けるみたいやん」
貴子は石川に向かって言う。
石川「…もう二度と、過ちは犯しません。全力であなたを倒します!」
石川の周りに今までと違った冷気が流れた。
貴子「ふぅん…さっきよりいい感じやんか。これならもう少し楽しめそうやな」
Д<「ほーら、効いたで。やっぱり梨華ちゃんにはあれが一番やな」
サイトー「へぇ、たった一言で…。でもこれで勝てると決まったわけじゃないよ」
Д<「きびしぃなぁ…」
- 562 名前:よっすぃーVS美和 投稿日:2001年04月03日(火)01時39分35秒
- 二人は互いに構えたまま動かない。
保田「……」
よっすぃー「…行きますよ」
美和「どうぞ」
美和が言い終わらないうちに、よっすぃーはその場から姿を消した!
保田「(めちゃくちゃ速いっ!)」
美和「…後ろぉっ!」
美和は背後に向かって扇子で斬りかかる!
しかし、美和の攻撃は空を斬った。
よっすぃー「そう何度も後ろばかり取りませんよ」
美和「!」
よっすぃーは美和の動きの裏をかき、高速移動で正面へ現れていた!
つまり事実上、美和の背後を取る形となった。
よっすぃー「覚悟っ!」
美和「ちぃっ!」
美和は素早く振り向き、二人は向かい合う。そして連打の打ち合いになった!
よっすぃー「それそれそれそれそれそれっ!!」
美和「ほらほらほらほらほらほらっ!!」
ガガッガッガガガガガガガガッ!!
保田「(うっわ〜…刀も扇子も見えないよ)」
しばらくすると打ち合いは終わり、つばぜり合いとなった。
競り合いながらも、二人は会話を楽しんでいる」
よっすぃー「ははっ…何で当たっても少しも怯まないんですか?」
美和「それはこっちの台詞だよ、一本の刀で二つの扇子のラッシュと互角に渡り合ってるんだから…」
会話を終えると、二人はバックステップで距離を取った。
二人とも体の各所から出血している。
保田「(いい勝負になってるじゃん。ひょっとしたら、互角…?)」
美和「さ、続けようか」
よっすぃー「そう…ですね」
二人はまた構えを取ったまま向かい合い、動きを止めた。
その頃、勇者飯田チーム。
つじ「さっき、ものすごいおとがしてたのれす」
勇者飯田「多分よっすぃーが戦ってるんだと思う。後少しだ、急ごう!」
- 563 名前:ナッチー 投稿日:2001年04月03日(火)03時39分01秒
- ドオオン!!
ナッチー「ひえええぇえっ」
アーケロンの足を避けながらごまの逃げた方向へ自分も逃げるナッチー。
アーケロンはナッチーを追いながら、足を踏み降ろし、攻撃を仕掛ける。
ナッチー「ハッソートビ!」
ピョンッ
ドシーーーン!!!
ナッチー「あたらないっしょ。おーにさーんこーちら♪」
ズシーーーン!!
アーケロンの動きでは、ナッチーを捉える事はできない?
その時、
ピシピシピシ、、
ナッチー「!?」
ピシピシピシ、、、ピシピシ、、、、、
ナッチー「なんだべ?この音??」
ガツッ!ドテ。
ナッチーはつまずいて転んだ。
ナッチー「あたたたた、、、痛いべさ。」
その拍子に膝を擦り剥いてしまった。膝を抱えて座りこむ。
ナッチー「ふー、ふー、」
涙目になって、膝に息を吹きかける。
アーケロン「・・・・・・」
ナッチー「!、あわわ、、、」
- 564 名前:ナッチー 投稿日:2001年04月03日(火)03時41分55秒
- ズドオオン!!
ナッチー「間一髪だべ。」
這いながら避けたナッチー。
ビシビシビシビシ、、、
さっきより大きい音がする。
ナッチー「!?」
ナッチーの足元に亀裂が入っていく、、
ナッチー「地割れってことかい?」
良く見ると、あたり一面にひびが入っている。
ナッチー「危ないべさ。ナッチーみたいなか弱い乙女が躓いたらどうすんだべ?
一生もんの傷がついたら責任とれねえっしょ。。。!?、」
何か思いつきそうだ。地面を見ながらしばし考える。
ナッチー「!!、思いついたべさ。ナッチーとっても頭がいいべ。」
ドオオォン!!ビシビシ、、、
次の一撃を避けると、ナッチーはアーケロンの方に向き直った。
ナッチー「覚悟するっしょ。」
- 565 名前:ナッチー 投稿日:2001年04月03日(火)03時48分07秒
- 股を開き、手でおさえながら膝を90度に曲げる。
ナッチー「本物の四股の踏み方ば教えちゃるべさ!!」
左足に体重をかけ、左足を伸ばしながら右足を天高く上げ、
ナッチー「ハッ!!」
勢い良くおろす。
ドゴオオオォオオォオォンン!!!!
その一撃で、
ビシビシ、、ビキビキビキ、、、バキバキバキ、、、バリバリ、、バリーーーーン!!
大きな音を立てて地盤が崩れる。
ナッチーはニコッと笑う。
ズドドドドドド、、、
アーケロン「!!、ギアアアァア!!!」
動きが遅く、体の重いアーケロンは崩れた地面の割れ目にはまっていく。
断末魔の叫びをあげながら。
ナッチー「うーん。決まったべさ。」
ナッチーは満足げに、右手を横に広げ、左手は左のわき腹より少し上に当ててせり上げる。
ナッチー「って、ウンリュー型やってる場合じゃないべ。逃げねば。」
身動き取れないアーケロンを見て
ナッチー「バーカバーカ!!
体が重すぎるからそういうことになるんだべ。ダイエットした方がいいっしょ。」
というとナッチーは、
タッ、タッ、タッ、
ガタガタな地面を注意深く渡りながら、ごまの進んだ方向へ走った。
貴子「(アーケロンが限界?もう一人くらいこっちに来るんかいな??
せやけどまあこれで、あれの分の霊力をこっちの戦いに使えるで。)」
- 566 名前:ユウキとソニン 投稿日:2001年04月09日(月)02時02分27秒
- ユウキ「ちっ、勇者めっ」
ソニン「それにしても本当に博士見つからないよ。どーなってんの?」
ユウキ「声も聞こえなくなっちまったし、音もしやがらねえ。逃げられたか?
くっそう。だからあの勇者にも言ってやったってのによ。」
ソニン「あーあ、せっかく追い詰めたのに、、」
博士は草による保護色を利用し、バブルスライムの姿をしていた。
音が出ないのは、単に博士が気絶しているからである。
ユウキ「ちきしょー。ぜってー息の音を止めてやる。あいつだけはっ。」
ソニン「うん絶対に。ま、でも今回はしょーがないね。
とりあえずリターンマッチをするためにも、勇者達を追い掛ける?」
ユウキ「うわ!切りかわりはや!」
ソニン「まあね。作者がうちら二人でだらだら書く気が無いらしいから。で、どうする?」
ユウキ「いや、さすがにそんなテンションじゃない。ちっとは消耗しちまったし、
あいつらも忙しそうだし、、、、っていうかたぶん、ボンバー四天王が来てるんだろ。
万全な状況で戦いたい。」
ソニン「え、そうなの?、、それじゃあいつら、負けちゃうかもよ?」
ユウキ「それは無いね。」
ソニン「おぉー。言い切るね。」
ユウキ「まあな。姉貴が負ける所を想像できないのさ。残念ながら。
俺達は先に進んで、修行でもしながら待っていよう。」
ソニン「?、先で待つって、確実にあいつらが来るような場所でも知ってるの?」
ユウキ「あ、ああ、まあな。これからあいつらは南へ向かう。その途中、絶対に立ち寄るね。」
ソニン「どこよそれは?」
ユウキ「チラッと聞いたんだが、海を渡った先に、あの店の支店がまたできんだよ。」
ソニン「んー、なるほど。納得。あそこは強い奴も集まりやすいし、
先行って、かたっぱしから喧嘩売ろうか?」
ユウキ「そーいうこと。」
ワーダ博士「・・・・・・」(気絶中)
- 567 名前:ユウキとソニン 投稿日:2001年04月09日(月)02時04分13秒
- 歩きだすユウキとソニン
グチャッ
ユウキ「うわ?なんか踏んづけた!」
ソニン「何その緑の?きったない。」
ユウキ「ちっきしょーーー!なんて今日はついてねーーんだ!?ゲロか?」
ゲシッゲシッ!
そこいらに残っている雪に蹴りつけ、汚れを落そうとするユウキ。
ユウキ「全部あのばか勇者のせーだ!」
ソニン「あははっ、、それはさすがに逆恨みでしょー。」
ソニンとユウキは南へ。
・・・ワーダ博士=再再起不能
- 568 名前:石川対あっちゃん 投稿日:2001年04月09日(月)02時27分05秒
- 貴子「アーケロンもやられてまったし、そろそろ本気でいこか?」
そう言うと貴子は魔法を詠唱しはじめる。
手に気をためているように見えることから、おそらく普通の攻撃魔法であると思われる。
石川も対抗魔法を詠唱しはじめる。
貴子がどのような攻撃魔法を使うかはとんと予想がつかない。
召還魔法が使えるのなら、通常の中位魔法位いとも簡単に唱えられるはずだが。
冷気だろうか、炎だろうか。どれがくる可能性も考えられる。
何がこようと今の石川は本気でいくだけだ。
詠唱時間がよめないのですぐにはシヴァの力を使えないが、必ずやこの戦いに勝利する。
そんな決意を胸に石川は貴子を真にみつめ、出方をうかがう。
しかし、それからの貴子の行動は石川の予想には全くないものだった。
貴子は詠唱を続けながら両手を構える。
Д<「んなっ、何をっっ!」
思わずアイボンが声をあげる。
一瞬メラゾーマかと思った。
行く筋の気の固まりが光ながら放たれる。
しかしそんな単純なものではなかった。
貴子はそれを自ら召還したリザードマンに向かって放ったのだ。
- 569 名前:石川対あっちゃん 投稿日:2001年04月09日(月)02時54分00秒
- 数筋の光線は貴子の掌から放たれ、緑色のリザードマンにぶちあたる。
刹那、音も無くリザードマンが光りに包まれる。
Д<「なななな、なんや。いったいなんなんや」
サイトー「召還術とは本来精霊獣の類いを呼び出す行為。
簡易化されて召還された猛獣でも更に力を与えることにより、
高位精霊に少しは近付けるととができる。」
貴子「そういうこと」
あの大魔導師ごまと対等に戦ったモンスター達の一匹が更に強化されてあらわれる。
その恐怖におののきつつも石川はリザードマン向かって呪文をうちつける。
石川「ヒャダルコッ」
石川の放った冷気が光りの中に突き刺さる。
光が通り過ぎた後、そこには進化し、なおかつ無傷のリザードマンが立ちはだかっていた。
リザードマンは進化前に比べ肉体が肥大化し、歯は攻撃のためか長大となっている。
獣を感じさせた前傾姿勢ではなく、見事なまでの直立二足歩行である。
魔力の増大の象徴なのだろうか、腹部の虹色の模様は明度の高い色が彩色豊かに光り輝く。
その様相はまさに・・・・・・
Д<「ガ、ガ、ガ、、、ガチャピン!!!」
- 570 名前:石川対あっちゃん 投稿日:2001年04月09日(月)03時24分04秒
- クリクリっとした目。
他のアウトパーツはドラゴンに近いにも関わらず、そうとは思えないほど短い足。
そしてアイボンが叫んだ名から、サイトーは進化させられたリザードマンの正体を思い出す。
サイトー「あれは、マスター・オブ・アウトドアとして名高い中級精霊獣、
虹色の龍・ガチャピン!」
Д<「なんや、ガキの使いやあらへんのか?」
サイトー「ガチャピンをなめたらいけないわ。
ヤツはロッククライミング、スキューバダイビング、スカイダイビング、と
アウトドアスポーツは陸・海・空、全て制覇したつわものよ。」
Д<「で、でも、あっちは中級で、梨華ちゃんのほうはもっとエライんやろ。」
サイトー「たしかにシヴァのほうが高位ではあるけど、彼女はイフリートだけでも対等に戦えるかどうか…」
Д<「そうやってん!」
ガチャピンが石川にせまってくる。
石川は冷気の刃を打ちつける。
十分な間合いをとれずに放たれたただ一筋の氷の刃は、あの巨体で耐久オートレースを走破した程のガチャピンの神業的バランス感覚に、いとも容易くかわされてしまう。
貴子「イフリート」
ガチャピンに気をとられていた石川は魔法壁をはるスキさえ与えられずに炎の渦にのみこまれる。
Д<「梨華ちゃんっ!」
- 571 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年04月09日(月)03時45分13秒
- Д<「・・・はさておき、カオリンクエスト2、どん!どん!、盛り上がってますねぇ〜。」
- 572 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年04月10日(火)03時56分24秒
- 周囲の木々と同じ高さまでのびた炎の中心から石川がでてくる。
すると炎は一時的なものであったらしく、すぐに弱まる。
石川「ケホッ・・ケホッ・・」
Д<「梨華ちゃん」
石川「ん・・・大丈夫」
物凄い冷気が石川を取り囲んでおり、一見炎の被害はないようだが、よく見るとチャーミースーツの所々がすすけている。
貴子「しぶといのね。
直接攻撃でさっとかたをつけよっかな。」
そう言うと貴子は護符を懐からとりだす。
その間にガチャピンが再度石川に突っ込んでくる。
石川「イエティ!」
主の声とともに石川が先程召還したイエティがガチャピンの進路を阻む。
しかし、あっさりとガチャピンにかわされてしまう。
Д<「なんやアイツ、全然役にたたへんやん。」
サイトー「マズイ、接近戦に持ち込まれたらこっちが圧倒的に不利だわ。」
- 573 名前:中澤矢口VSルル 投稿日:2001年04月10日(火)03時57分06秒
- 備前国友安造合戦用斬馬刀
一文字流免許皆伝
中澤「矢口、落ち着きぃ
相手さんは瞬発力と回避能力にたよるだけで、攻撃は小手先だけの暗器程度やで。」
矢口「でも格闘術も油断ならないよ。」
中澤「冷静に間合いをとれば大丈夫や。」
そう言うと中澤は一歩前にでる。
ルル「そんなこと言ってるようじゃまだまだチャイナ人の暗器術は理解できてないアルよ。」
中澤「どうかな、私も手の内は全然見せてへんで。」
二人はジリジリと間合いを詰めはじめる。
先に動いたのは中澤だったのだろうか。
即座にルルの袖の内からボール程の大きさの物が幾つか飛んでくる。
中澤は直線に飛んでくるそれらを弧を描くような動きでかわすと、そのままの体勢で低く構えていた斬馬刀に力をこめる。
ルルの振り上げた右手に中華鍋が握られていることが、静観していた矢口にはかろうじて見えた。
まだ間合いが詰めきられていないのに、中澤が低い体勢から斬馬刀に弧を描かせる。
いくら斬馬刀が長いリーチを誇ると言えども、これではすぐにかわされてカウンターをくらってしまう。
矢口の思いに反するように中澤は愛刀を棍棒のように振り回し、直線的に降りおろうようなモーションをとる。
中澤「一文字流 潜牙撃」
ルルは今まで何人もの棍棒使いと戦ってきた。
棍はチャイナ大陸ではメジャーな武器の一つだった。
中澤のフォームはよくある棍術の上段、又は突きのスタイルに酷似している。
経験からとっさに防御のための中華鍋を構え、左手に暗器を用意する。
しかし、中澤の攻撃は今までルルが受けたことのない未知なる技だった。
振り回していた斬馬刀の柄のほうを中華鍋にあて、反転させるようにして低い体勢から下段攻撃に持ち込む。
足下がすくわれ、とっさに攻撃をさけようとしたが、足に多少ダメージをうけてしまった。
ダウンを奪われながらも反転し、なんとか追撃をかわす。
ルル「なかなかやるアル。」
中澤「まだまだや。そちらさんもそろそろチャイナ人の技量を見せてもらおうか。」
互いのカードを隠しながらのテクニカルな一戦に、矢口はもはや手をだすことができなくなっていた。
- 574 名前:ごま対信田 投稿日:2001年04月11日(水)06時02分29秒
- 森の奥
ごま「んー、んー、んー!」
ごまは、ごまを掴む信田の腕を思いっきり掴んだ。
美帆「魔道士ごときの、、、!っ」
ぱっと信田は手を離した。
ごま「う゛ぇーーーーっほうぇっほ。。あ゛〜、、」
美帆「いたた、、、あんたなんでそんなに力あるの?」
ごま「う゛〜、、そっちこそ何すんのよー?あ、美帆さん?」
美帆「やっと気づいたの?」
ごま「??」
ごまは首をかしげた。
美帆「あのねー、あっちゃんはあの子とやりたいんだって。
だから、あんたは私が相手するってこと。別にいいでしょ?」
ごま「んあ?、ああ、いいけど・・・・・・うーん、うーん、いいのかなぁ?」
ごまはなんだか腑に落ちない、、ような気がしないでも無い。
美帆「いいのいいの。(この子はさっきの子より、もっと単純そう。)」
- 575 名前:ごま対信田 投稿日:2001年04月11日(水)06時05分01秒
- ごま「なんだかなぁ、、、。じゃあいきますよ。イオラ!」
美帆「!?」
半径20センチくらいの光球が信田めがけて飛ぶ。
ドカーン!
驚きはしたが信田があっさりかわすと、地面に着弾し、破裂する。
ごま「イオラ、イオラ、イオラ、イオラ、、、、」
ドカーンドカーンドカーンドカーン!!
美帆「そう簡単にはあたらないよ。」
ごまを中心に回転するように信田は避ける。
しかし、ごまはイオラを撃ち続ける。
美帆「(??、、、魔力の無駄。)」
爆発により、もうもうと煙が上がりはじめる。気づいた瞬間、
美帆「!っ、視界が、、これが狙いか。私としたことが。。。どこだ?」
信田ははごまを見失った。少し焦る。
美帆(いや、落ちつけ。
むこうもこっちにギリギリ近づくまでは場所がわからないはず。
ならば、動くのは得策じゃない。先に姿を見つけてやる。)
美帆(気配を感じるんだ。私にはそれができるはずだ。)
・・・・・・・・・・、、、カタッ、、、
美帆「そこか?」
- 576 名前:ごま対信田 投稿日:2001年04月11日(水)06時07分51秒
- コンマ何秒で数メートルの間合いを詰める。
ボグッ
思ったほど、柔らかくない感触。
美帆「え?木?」
1本の大木が、魔法拳で文字どおり木っ端微塵に吹き飛ぶ。
美帆「くっ、、、どこだ?」
あわててあたりを見まわし、後ろを振り向く。
ごま「メラゾーマッ!」
ごっ、、、
ドン!、ゴオオオォ!!
信田の背中に炎の塊が直撃。燃え広がる。
美帆「あ!、、がぁあ!、、、くっ、、いったいどこから??」
信田は背中を隣の木に押し付け。消火をはかった。
- 577 名前:ごま対信田 投稿日:2001年04月11日(水)06時10分10秒
- ごま「あはっ、あたったあたった!」
木のあった位置からごまが顔を出す。信田はそれに気づいた。
美帆「え?何故?、、どうしてそこに??」
ごま「あ、気づかれた。レムオル切れちゃった。」
美帆「!!、2重の迷彩だったのか、、、」
悔しそうにというよりは、驚いて言う信田。
ごま「そう。へっへっへー。ひっかかったでしょ?作戦どおおおおり。」
得意げに言うごま。
美帆「くぅ、まずめくらまし、気配を読んで切りかかられることを読んで、
透明になり、木に隠れる。私がそれに殴りつけたら、
混乱して後ろを向くまでじっと待って攻撃。
人間の心理を逆手にとって、、実に巧妙な作戦じゃない。
さすがね。あんまり頭使って無さそうなのに、さすがは歴戦の勇者パーティーの一員」
ごま「でしょ?やる時はやるのよ。(やったねっ。さやか様
)」
スピーディーな格闘家タイプと一対一でやりあうのは魔法使いには分が悪い。
そんなときのために、勇者さやかが考え、ごまに提案した奇策の一つだった。
- 578 名前:ごま対信田 投稿日:2001年04月11日(水)06時14分11秒
- 美帆「まあ、良く考えたら、あんたに気配無しでの移動なんて出来るわけ無いから、
最初に気配を感じた場所にいるに決まってるんだけどね。
レムオルとは上手いね。騙された。」
ごま「勝ちぃ!」
美帆「まだまだぁ、、、もういっちょ。。」
嬉しそうにニヤッとわらう信田。
美帆「これでこそ面白い。あっちゃんが交代してくれてラッキーだよ。
今度はこっちの番だな。」
しかしそれを見て、対象的にまゆをしかめるごま。
ごま「え、もうやだー。あっち行きたい。」
今さっき連れてこられた道を指差した。
美帆「?、そんなこと言わずにもっとやらない?。。蹴りがついたら、行くがいいさ。」
ごま「えー!今の私の勝ちでしょーー??
べつに、さっきひるんだ所にあとメラゾーマ30発重ねてもよかったんだよぉ。
だから私、あっち行くから。」
美帆「ぐっ、、、それじゃあ私の気が、、」
信田は言葉を飲みこんだ。
確かに勝負には負けたと認めるしかない。自分達も、殺しあいたいというわけでは無い。
あの決定的な状況では、自分もそうしているであろう。
ごま「!!、
そっか!さっきからもやもやしてた気持ち。
私がなんて言いたかったのかわかった。
そーだよ。私も同じだよぉ。気がすまないんだよ。
だってつまり、私じゃ役不足だから梨華ちゃんとやってるわけでしょ?
納得いかなーい。貴子さんにも一泡吹かせてやるんだから。」
胸のつかえが取れたように、晴れ晴れと語るごま。
その時、
??「ああ!!いたぁーーー!」
- 579 名前:ごま対信田 投稿日:2001年04月11日(水)06時16分24秒
- ごま「あ!ナッチーだ!」
凄い勢いでナッチーがこちらに走ってくる。
ごま「おーーーい!!こっちこっち〜!!」
大声をだし、ぶんぶんと手を振るごま。
ナッチー「はぁはぁ、、、ごまのバカーー!!大変だったべさ。」
ごま「いいとこに来た!ナッチー、たっち!」
ナッチー「??」
ごま「この人もよろしく〜。」
ナッチー「ほぇええ?なんのことだべ?」
ごま「とりあえず、ナッチーに勝ったらまた相手するよ。またね。美帆さん。ルーーーラッ!」
ナッチー「あぁっ!!バカーバカー!!待つべさー!!」
美帆「あ〜あっ。同じことやられちゃったよ。」
- 580 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時19分14秒
- ルル「遠慮無くこっちから行くアルよ。」
中澤の間合いより2メートルほど離れた位置から、ルルは手から上空に何かを放り投げた。
ちょうど、中澤の真上付近で
ブワッ!!
大きく広がる。
矢口「網?」
中澤「漁師や無いんやから。」
ズパッ!!
中澤は自分の上に広がる網を切る。矢口は大きく動いて、なんとかかわす。
網が中澤の体をすりぬけようとすると、
カチッ!
中澤「?」
ルルが何かのスイッチを押す。
パン、、パン、、スパパパパパパン!!
中澤「うわっ」
網の表面が爆発する。正確には、網がに着いた火薬が次々と破裂していく。
- 581 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時21分38秒
- 中澤「あたたた、、」
矢口「裕ちゃん!」
矢口は手を伸ばし、中澤に駆け寄ろうとする。
中澤「あ!馬鹿!」
シュパッ!クルルッ
矢口「!!」
その手に、ルルから投げられた鎖が巻き付いた。
ルルは左手でぐいと引っ張りながら、
右手に出したヌンチャクをサイドから振り、
ドス!!
矢口の腹を攻撃。
矢口「んぐっ、、」
中澤「矢口っ!」
中澤は火薬の破裂による皮膚の痛みを無視し、二人に走り寄る。
ドカ!
ルルは矢口を蹴り飛ばす。
中澤「(受け止めたいところやけど、)ごめんな」
中澤は矢口を避けた。矢口はその場に転がる。
中澤「(この間合いじゃ使いにくい武器で、両手がふさがっているはず。)」
中澤は近付きすぎず、刀を上げる。
中澤「隙ありや!」
真上から切りかかる。
- 582 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時24分21秒
- ガイーーーン!
中澤「!」
既にルルの手にはヌンチャク、チェーンはなく、
中澤の攻撃は、両手で持たれたやや長めの棍棒の中心に受け止められた。
中澤「くっ、でもそんな棒きれで、この斬馬刀が受けきれると思うか?」
力をこめる。
ルルの右手の近くで棒が折れる。
中澤「へっ、どんなもん、、」
ガッ!
ルルは折れた棒をその方向に回転させるように振り、中澤の横っ面に一撃。
ガッ!!
ついで、棒の左手側にも亀裂が入り、同様に一撃。
中澤「!?」
中澤は頭が左右に振られ体勢を崩す。
ルルは受け止めていた刀の力が緩まると、小さく動いて刀をすかしながら前進。
中澤「(やられる!)」
とっさに刀から右手を離し、脇をしめるように体を守ろうとする。
バン!!
中澤「ぐあっ、、」
腕に予想通りの激痛が走る。
ズザザッ、
中澤は数メートル飛ばされた。
- 583 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時27分56秒
- 倒れた中澤に矢口が駆け寄るのを確認し、ルルは追うのを止める。
ルル「最後、身を守れたのは誉めるアル。普通ならここで肋骨が折れて終了アル。」
矢口「だ、、、大丈夫?裕ちゃん??」
中澤「うっ、、、いたたた、、、三節根か。そんなものまで、、」
ルル「・・・・・、わかったアルか?」
中澤「そやな。騙し騙しなんかやない。あんたは強い。」
2桁はある武器数。それによる戦法の組み合わせは、、、、
ルル「無限アル。」
次の動きは読めない。かつ、ルル本人の身体能力も非常に高い。
中澤「矢口、うちならまだまだ平気や。」
矢口にだけ聞こえるように話す。
中澤「攻めさせるのは得策やないな。こっちが攻め続けるんや。
コンビネーションや。最初に言ってた方針どおりにやるで。
それなら隙はないはずなんや。」
矢口「う、、、うん。」
中澤「自信無いんか?矢口が提案したやつやで。
ええな?こっちは相手の動きがよめへん。相手に攻めさせたらあかん。
押し続けるんや。」
矢口「・・・わかった。」
二人は立ちあがった。
- 584 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時30分04秒
- 矢口はスピーディーに間合いを詰め、至近距離に潜りこみ、
バシバシバシ、
新しい暗器を出させないよう、手数で押す。
中澤は矢口のやや斜め後ろに立ち、矢口の息継ぎの際にフォローを入れる。
ルルはちょっとずつ後退する。
中澤「(ええで。押されて大きく体勢を崩した所に、長距離砲で狙い討ちや。)」
矢口「はぁ、はぁ、」
しばしその状況が続く。
ルル「!」
ルルが下がり際に石に足を取られ、少しリズムを崩す。
中澤「(ここや!)」
矢口「超龍拳!!」
中澤「!」
ルルがちょっと大きめに後退する。
矢口「やった!」
中澤「ドッカーーン!!」
ブオン!
空振り。
中澤「ちっ。(1発目ははずれか。)、、、矢口!!」
ルルは両手に2本ずつ剣を出しながら、矢口に近寄る。
中澤「!?、、危ない!」
ブンブン
矢口の動きが止まってる?中澤はあわてて長剣を振り回す。あたると思ってはいない。
トンットンッ
軽くステップして間合いを離すルル。
しかし膝を着いている矢口の肩に、新しい赤い線が現れた。
- 585 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時33分35秒
- 中澤「矢口っ、大丈夫か?」
矢口「へ、、平気だよ。深くないから」
確かに、皮膚が切れただけのようだ。
中澤「ほ。、、、にしても自分、動きおかしいで!どーしたんやいったい?」
矢口「はぁ、、はぁ、、、」
中澤「攻撃休めたやろ?それじゃ作戦どおりにいかんで。
そもそも、、、あそこで焦って超龍拳やってどないすんねん?」
矢口「ごめ、、、ん、、裕ちゃん。足、、引っ張っちゃって、、」
矢口の顔色が悪い。
中澤「!、、辛いんやな。」
矢口「はぁ、、、はぁ、、、平気。」
中澤「あんた、昨日の今日で病みあがりなんやから、ちょっと休んでたらどや?
なんなら、城に戻っててええで。」
矢口「!!、やだよ!ピンチな時こそ活躍、、、」
矢口は中澤の言葉に驚き、むきになって言った。しかし息が乱れ、最後まで続かない。
ちょっと考えこんでから中澤が続けた。
中澤「・・・・・、いいや、今回は許さんで。
そうやっていつまでも病が尾を引いたり、怪我は癖になったりするんや。
1回きっちりなおしや!」
矢口「やだってば!一人で戦わせるわけにはいかないよっ!」
立ちあがる矢口、、、、すぐに中澤が支えに入る。
中澤「ほらっ!ろくに立ってられへんやないか。
今も随分無理してたんやな?もう超必殺技使うくらいしか動けへんのやろ?
それも避けられたらお終い。力尽きたらばったり倒れるだけやん。
ええな。うちが一人でやる。」
中澤は矢口をその場に座らせた。
- 586 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時36分42秒
- 矢口「二人がかりでも通用し、、、ないんだよ?、、、一人で、、どうするんだよ?」
中澤「平気や。なんとかする。、、一人の方が、戦いやすいってときもあるんや。」
中澤は矢口に後ろを向けながら言った。
矢口「!!、裕ちゃん、、、それって、、、、(矢口が、、、)」
中澤は長剣を持ち、ルルの方へ向かう。
中澤「ええか?落ちついたら城に戻るんやで。」
矢口「(私が、、、いらないってこと??)」
矢口は中澤から目をそらしていた。
中澤は自分自身に言い聞かせるように、また、ルルにも聞こえる様に叫ぶ。
中澤「1本の武器だって、、、煮詰めれば煮詰めるほど強くなる。可能性は無限なんや!」
ルル「・・・・自分自身は、どうアルか?」
ルルは一秒くらい間をあけて、突然目を細めてつぶやいた。
中澤「?、・・・・・。」
中澤には、今一その発言の意味が飲みこめなかった。
矢口「(最初っから手出ししなければ良かったってこと??)」
- 587 名前:中澤矢口vsルル 投稿日:2001年04月11日(水)06時39分22秒
- ルルが間合いを詰めてくる。
中澤「(大切なのは、間合いの維持や。うちの武器が強い位置で戦う。
そして今度はこっちが騙し騙しや。
策は向こうに比べたら多く無い。一つでも引っかかってくれると、、、ええな。
まずは、先手を取ることやな。)」
- 588 名前:中澤と斬馬刀(1) 投稿日:2001年04月12日(木)04時23分40秒
- 斬馬刀は数々の武器類のなかでもリーチの長い部類に入る武器である。
中距離から直接ヒットが狙える程の長さを誇る。
棒状突き型の武器類の中では最長の刃を持つことも特徴の一つだろう。
棍棒に長い刃をつけたとも言えるし、薙刀の軽量化を意識し刃を長くしたとも言える。
そのため突き型の武器であるにも関わらず、武器名の通り斬撃が有効にはたらく。
戦闘スタイルもその両者の中間と呼べる形状である。
遠心力に重きをおく棍術と間合いに特に気をつける薙刀の両方の特性を持っているのである。
そのため斬馬刀は握り方で戦闘スタイルを変化させることができる。
間合いを維持したり様子を見る時は両手持ち。基本動作は突きとなる。
渾身の一撃を加える時は片手端持ち。基本動作は馬首をも落とす斬りである。
間合いをつめに行く時は片手中央持ち。基本動作は蹴りや牽制からの連係を狙う。
以上が外的要因の小さい時の斬馬刀戦闘セオリーとなる。
先手をとるために、中澤はルルの移動に合わせて中長距離から間合いを変動させない。
ルルの視線が自分と後ろで足を抱えている矢口の両方にいっていることを視認し、中澤は斬馬刀の持ち位置を中心よりやや端よりにずらす。
長いものを振り回していた右腕筋肉が少し痛んできた。
斬馬刀は薙刀よりは軽くとも棍棒よりは思いため、女性の体には負担が思いのである。
- 589 名前:中澤と斬馬刀(2) 投稿日:2001年04月12日(木)04時24分18秒
- 二つの武器の特性を活かした斬馬刀だが、意外に応用力は低い。
刃がついているために、バランスを最大限に引き出さねば近距離戦では遠心力がアダになってしまう。
その大きさから攻撃の出が遅いため、多くの武器の得意である中近距離戦では先手をとられてしまう。
間合いをつめきる事が出来ないため、大鎌・大金槌や銃器をはじめ飛び道具を相手に遠距離戦を戦える程得意ではなく必然的に間合いを詰める他ない。
近〜中長距離向きとされる棍棒と中〜長距離向きとされる薙刀の重なった限られた間合いのみが斬馬刀の得意とする間合いなのだ。
限られた間合い故、戦闘も単調になりがちだ。
中長距離で様子を見、徐々に間合いを詰めていく。
中距離まで来たら相手の様子を見て一気に近距離戦に持ち込む。
そのまま連撃へとつなげて致命傷を与える。
もし与えられなければ近距離戦を守りきることは大変難しくなってしまう。
中澤は“罠”をはりめぐらそうとあらゆる状況や戦術を仮想する。
この距離から普通に間合いを詰めても、相手の防御等に阻まれて詰めきれない。
そうなったが最後、近距離戦で相手の攻撃のエジキになってしまう
遠距離に一度回避してはどうだろうか。
いやいやルルは先程チェーン状の暗記を出してきた。
鞭類は攻撃性能は低いが応用力は非常に高い。
下手をすれば矢口まで巻き込んでしまうことになる。
それではやはりこのリーチで一撃後、スキを作らせ蹴り技で近距離戦だろうか。
しかし自分の格闘センスは格闘家である矢口やルルに比べ数段低い。
間合いは・・・結局のところ保つことしかできない。
- 590 名前:中澤と斬馬刀(3) 投稿日:2001年04月12日(木)04時24分52秒
- 斬馬刀が棍や薙刀に劣る理由のもう一つは、修練環境にある。
棍は急所を狙わなければ致命傷になることはないことから、僧に多く用いられる。
それ故棍棒使いには人体医学に精通しているものが多く、精神鍛練も行われている。
薙刀は筋力があまりなくとも高い防御性能の誇ることから、女性が用いることが多い。
護身術的な価値が確立しているため、古武術として大変儀礼を重んじる。
共に精神鍛練を積んだものが、防戦を主目的として用いる武器なのだ。
ところが、斬馬刀は荒くれ者たちにその長さだけで気に入られ、力任せに振り回されてばかりいるのが現状である。結果、本来シビアな間合い展開を必要とする武器にも関わらず、防戦よりも攻撃を意識した技ばかりが開発されている。
これらの技はある程度以上のレベルになると、大方相手に受け止められてしまう。
相手のスキを見ての攻撃が肝要となるのだが、精神鍛練もへったくれもない荒くれ者達は勘などあてにならないため、経験や戦闘センスに頼らざるをえない。
スキをつくことができなければ、守ることもできない。
防戦用の武器の掛合わせにも関わらず、斬馬刀の実質的な防御性能はとても低いのだ。
自分のスタイルの特徴と言えばやはり酔拳なのだろうか。
酔いに任せて天性であるらしいバランス感覚のみに頼れることで、この武器が気に入った。
その後経験を積み、素面でも十分扱える程の技功派にはなったものの、この武器の応用能力には限界も感じていた。しかし、この戦いで考え方がかわった。
精神面で自分が相手に劣るのは致し方ない。
それならば酔拳で培ったフェイントテクニックで相手の裏をかこう。
外的要因を省いた状況下でこの武器の真価が発揮されないことも身にしみた。
それならば自らこちらにプラスになるコンディションに持ち込めばいい。
荒くれ者であることは変えようのない事実だ。
自分は限られた星の下に生まれた勇者でも、天才の魔導師でも、しかるべき環境に育った大神官でもない。
それならばせめてこの戦いに勝利しようではないか。
「うちは‥‥‥世界一の斬馬刀使いやで」
- 591 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年04月22日(日)06時42分59秒
- 牧城。
りんね「さて、乳搾りでもしよっか。」
あさみ「うん。」
牛舎へ。
りんね「はーい、お乳搾るからおとなしくしてね〜・・・ん?」
あさみ「りんねちゃん、どうしたの?」
りんね「この牛、ブルブル震えてる、、、」
あさみ「・・・おびえてるの?」
りんね「体もすごい乾いてるし」
あさみ「そういえば、時々遠くから変な音が、、、」
りんね「何かあるのかな・・・」
ふたりは牛をなだめたあと、こっそり牧城を抜け出した。
-------
ヨシターケ「あのバカたち!仕事もすねえでなーにやってんだべ!!」
一人で乳搾り・農作業に追われるヨシターケ。
- 592 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年04月22日(日)06時55分24秒
- ルーラで飛ぶごま、走る勇者飯田&つじを発見。
ごま「おーい、かおりー」
勇者飯田「ごま!」
つじ「たすけてほしいのれす・・・」
勇者飯田とつじは事情を話した
ごま「ユウキのやつ、また来たの!?信じらんなーい!」
勇者飯田「とりあえず、この子を助けたいんだけど」
ごま「でも、あたしは簡単な回復呪文ならできるけど、呪いは圭ちゃんじゃないと」
勇者飯田「じゃ、圭ちゃんのところに行く!」
ごま「オッケー。」
すっかり戦いを忘れてしまったごま&勇者飯田、ルーラで保田のところへ。
- 593 名前:よっすぃーVS美和 投稿日:2001年04月22日(日)11時03分41秒
- よっすぃー「もらったっ!」
美和「まだまだぁ!」
二人は少しも休むことなく攻撃を続け合う。
そしてその衝撃で周囲の木々は折れ、地面には無数の斬撃の跡がつけられている。
保田「(戦争レベルの荒れっぷりね…。一対一なのに)」
保田は二人を必死に目で追っている。その時…
ドカーーーン!!
3人「!!!」
突然の爆音に、二人も戦いを止めて音のした方向を見る。
その音のした方向には…。
保田「やっぱり…ごま!なんでここに来てんの!?」
ごま「あ、圭ちゃん。なんだか久しぶりな感じがするね〜」
勇者飯田「けけ、圭ちゃん!この子が!この子が!」
保田「ああもう、順を追って説明してよ!」
よっすぃーVS小湊美和、一時休戦
- 594 名前:よっすぃーVS美和 投稿日:2001年04月22日(日)11時23分38秒
- 勇者飯田とごま、説明中…
保田「なるほど…。そういう理由ね」
美和「へぇ〜、美帆が負けちゃったんだ。こりゃあ気合入れないと」
勇者飯田「だから圭ちゃん、早く!」
つじ「このこをたすけたいのれす!」
保田「…わかった。じゃあとりあえずここを離れよう」
ごま「なんで離れるの?急いでるならこの辺でやってもいいのに」
保田「…あんただって戦場で怪我人を見つけたら先に安全なところに運ぶでしょ?そういうこと」
ごま「???」
保田「ほら、ボーっとしてないであんたもついて来る!」
ごま「はぁーい…。それじゃよっすぃー頑張ってね〜!」
勇者飯田たちはルーラで姿を消した。
美和「…なんかしらけちゃったね…」
よっすぃー「はい…」
美和はよっすぃーと距離を取りながら言葉を続ける。
美和「次の一撃で…決めちゃおっか?」
よっすぃー「そうですね。このまま持久戦を続けてもいつ終わるかわからないし…」
美和は微笑んで、改めて構えをとる。
美和「じゃあ決定。次の一撃にお互いの全ての力を賭けて、決着をつけよう」
よっすぃー「…そのつもりです」
ついさっきまでとは全く違う、静かな空気が二人の間を流れた。
- 595 名前:飯田つじ後藤保田 投稿日:2001年04月25日(水)23時50分59秒
- 保田「とりあえず生体反応はあったわ。
ただ神獣でなければ野獣でもないから、どうなるかはなんとも・・・」
飯田「そう、、、
ありがと、圭ちゃん。」
サイクロプスは横にされていて、一見するとただ寝ているようにも見える。
もちろん寝息などたてていない。
彼の生命がそんな状態にあるのかは全くもってわからない。
神官と言っても肉体までも司るわけではないからだ。
保田「神官技能でもこれが精一杯よ。
医療技術や魔術の応用も効かないみたいだし。
とりあえず今後は経過次第だから、ちゃんと見張っててよ。」
そう言うと保田は神官のローブに肩当てを身につけ、ルーラで飛んでいってしまった。
飯田「圭ちゃんは何処いったの?」
つじ「ひとみさんのところじゃないれすか?」
後藤「圭ちゃんなら梨華ちゃんのとこの様子見に行くって」
飯田「ふーん」
飯田がふとつじのほうを見向くと、つじはニコっと微笑みかえした。
- 596 名前:石川組 投稿日:2001年04月25日(水)23時51分43秒
- サイトー「どうにかして攻撃の一翼を封じ込めなくちゃ。」
Д<「こっちも雪男を強くすることはできへんのか?」
サイトー「召還獣の強化は術師の必勝パターン。
そう簡単に方法は見つからないのよ。」
そう言っている間にも貴子の攻撃は緩むことなく続いている。
近距離と遠距離の両方から一斉攻撃をうけ、石川は満足に受け身もとれない。
シバタ「キャッ」
途端、シンクロが解けてシバタが嬌声とともに地面に墜落する。
フェアリーが地に落ちる。
それはつまり限界をあらわしていた。
Д<「大丈夫かっ!!」
慌ててアイボンがかけよるが、シバタは肩から鮮血を滴らせていた。
サイトー「じっとしてて」
Д<「直るん?」
サイトーが能力でシバタの傷の一部を自分の身に移す。
もはや妖精の治癒能力でなおせる範疇を超えた外傷になっていた。
サイトー「くっ」
シバタ「サイトーさん、すいません」
サイトー「いいから、早くあのこを助けてあげて。」
シバタ「でも、もうこれ以上どうしたらいいか・・・・」
Д<「なんや方策はないんか?」
サイトー「‥‥‥‥」
サイトーは目をつぶり、必死にシヴァの能力についての知識を思い出そうとする。
そうしている間にも石川はガチャピンの直接攻撃をうけている。
攻撃をうけた杖がひん曲がる。
間合いをあけて一時的に逃げきれたと思っていたら、貴子とガチャピンの双方から飛び道具がくる。
シバタの力を使うことも出来ず、完全に2対1の構図で劣勢にたたされていた。
サイトー「そう言えば..」
Д<「なんや!!」
サイトー「シヴァは本来は破壊と生殖の神。
それが精霊となったのが高位精霊シヴァ。
それならば破壊神としての力がシヴァの真価のはず。」
Д<「その真価発揮するにはどうしたらいいんか?」
サイトー「・・・・・」
アイボンの質問にSサイトーは一瞬答えるのをためらい、結局口を開く。
サイトー「ねえ、あの娘を狂わせることができる?」
- 597 名前:石川組 投稿日:2001年04月25日(水)23時52分17秒
- Д<「そんなんやったら、うちに任しときぃ」
Д<「モシャス」
保田「石川、もういいよ。
アンタには他人を守ることなんてできやしないって。
はじめからアンタには期待なんかしてないから」
保田(アイボン)の言葉に一瞬周りの空気が凍り付く。
次の瞬間、貴子が放った火炎が空中で擦り切れる。
悪寒がした、とでも言うべきなのだろうか。
石川の周りに渦巻いているのはたんなる寒気とは違う。
その時、サイトーの指示とおりにシバタが意識をシンクロさせる。
シンクロさせたからといって意識が共有されるわけではない。
シバタの思いがどこまで石川に届くか、賭けにでたのだ。
すると石川は一瞬おくれて発狂する。
そのまま涙目で恨みがましく貴子をみつめる。
そして信じられないことに、石川は自分の指の先を噛みちぎる。
貴子「クレイジーだわ」
貴子もガチャピンも動きがとまる。
石川は涙目のまま、指を噛んだまま、歩き出す。
そして、指を口からはなし、イエティーのほうに指を突き出す。
石川『破壊神・シヴァの血をもって、、、蘇れ!野生の心!!』
- 598 名前:よっすぃーVS美和 投稿日:2001年04月30日(月)11時28分34秒
- 二人の間に緊張が走る。
次の一撃で決着がつく、そう思えば当然のことだろう。
美和「…行くよ。最後の最後だし、とっておきを見せてあげる」
よっすぃー「こちらこそ、秘剣をお見せしますよ」
一瞬間を置いた後、二人は同時に正面に向かって駆け出した!
美和「陰陽扇っ!!」
よっすぃー「八刹剣奥義っ!!」
カッ!
二人の攻撃がぶつかり、その衝撃によって周りの空気が大きく振動する!!
衝撃が収まる。周りは廃墟のように荒れ果てていた。
そして、その時そこに立っていたのは美和だった。
よっすぃーは空高くへ投げ出されている。
よっすぃー「(負けた…のか…)」
よっすぃーは受身が取れず、そのまま地面に叩き付けられた。
よっすぃー「う…っ」
それでもよっすぃーはかろうじて立ち上がる。
刀を地面に突き立て、それによりかかった状態ではあるが。
よっすぃー「…もう、動けません。美和さんの…勝ちですね」
よっすぃーは美和に向けて言う。
しかしそこで、予想外の言葉がよっすぃーに返ってくる。
美和「…立っていられるんなら…ひとみちゃんの勝ちだね」
よっすぃー「えっ?」
美和はそう言うと、そのまま倒れ伏した。
- 599 名前:よっすぃーVS美和、終了 投稿日:2001年04月30日(月)11時51分31秒
- 美和は体に大きな刀傷を作っていた。ひどく出血しているようだ。
美和「見事だね…。秘剣がまさか二段技だったとは思わなかったよ」
よっすぃー「はい…。美和さんは恐らく片方の扇子で払い、もう片方で穿つという戦法を取ると思いました。
だからあの技を使ったんです、『霧撃ち』と『雲斬り』を。
そしたら案の定成功…。でも、あの破壊力は計算してませんでした」
美和「…『陰』が封じ、『陽』が払う。うまくいくと思ったのになー」
美和は左側の受けを担当した扇子を見る。その扇子は真っ二つに切り裂かれている。
美和「こいつでも…流石に名刀から繰り出される秘剣を二発は受けきれないか…」
よっすぃー「とりあえず、勝負は引き分けですかね…」
美和「立っていられるんでしょ?ひとみちゃんの勝ちだよ」
よっすぃー「試合では…そうかもしれません。でもこれは『勝負』ですから。
互いに動けないんですし、引き分けですよ」
美和はよっすぃーの言葉を聞き、笑いながら応える。
美和「……あはははっ!私としたことが、こんな若い子に勝負について諭されるなんて…。
私もまだまだ修行不足かな?」
美和は言葉を続ける。
美和「…うん、引き分けだね。なんかすっごい負けた気がするけど…」
倒れている美和に向かって、よっすぃーが一言告げる。
よっすぃー「本当に…ありがとうございます。美和さんが居なかったら…」
美和「気にしないの。私だって好きでやったんだし…。それじゃあ、おやすみ」
そう言って美和は、その場で眠りについた。
よっすぃー「…もう…立ってるのも辛いな…。私も寝よっと…」
よっすぃーもそのまま倒れ伏し、うつぶせで眠った。
- 600 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月01日(火)00時58分57秒
- それはともすれば偉くグロテスクな光景だった。
少女の指先から流れる鮮血は赤い雪男の体毛を更に赤く染めあげていく。
目は小さく丸くなる。
体毛は痺れるように逆立っている。
そして何よりの特徴は頭から生えていく黄色い物体だった。
ヘリコプター、と言ってよいのだろうか。
その様相はまるでドラ○もんのタ○コプターのようでもあった。
貴子「あっあれはっっっ!」
Д<「やっぱし」
サイトー「あれは、ピエロ・ダ・ジャイアントとして名高い中級精霊獣、
外斜視の巨漢・ムック!」
Д<「なんや、ガキの使いやあらへんのか?」
サイトー「ムックをなめたらいけないわ。
ヤツはその巨体に似合わない声と行動で子供に意図的に同等に見せ、
その実、視線からもなにを考えているのかわからないつわものよ。」
Д<「ようはテリー伊藤なみに狂っとるっちゅうことやな。」
サイトー「でも、これで2対2の戦闘が実現するわ」
石川の狂的な行動とイエティの狂った視線におののきつつも、貴子はガチャピンに指示をだす。
ガチャピンがスマートなスタイルからムックに近づくと、ムックは狂おしい目でガチャピンを見つめる。
ムックが攻勢に入ろうとしたところを貴子が火球をヒットさせる。
ガチャピンはその直後に石川が放ったマヒャドをよけるも、火球を突き破って突進してきたムックにぶち当たる。
石川はガチャピンにルカニをかけるが、貴子はすぐにスカラでカバーする。
サイトー「互いに中級召還獣1匹に賭けての戦い。
いかにして相手の術師本人に高位精霊の一撃をヒットさせるかがポイントね。」
Д<「でも梨華ちゃんのほうがダメージくらってるし圧倒的に不利やで」
サイトー「はたしてそうかしら」
Д<「そうやろ、もう立ってるのが不思議な位やない」
サイトー「さっきからあの娘の周りの空気が徐々に変化しているのに気付いた?」
Д<「空気・・・?」
サイトー「今まで彼女から発せられてたのは霊力素質からの冷気。
でも先程から彼女の発している狂気が、空間に渦巻く程にまでなっている。」
Д<「どういうことなんか?」
サイトー「おそらくこの長丁場に精神の安定が保てなくなってきたんだわ。
でもシヴァの本来の力を発揮するにはかえって都合が良かった。」
- 601 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月01日(火)01時10分26秒
- 石川「許せない、アナタが、、、
でもこんなに私が気を吐いているのに、何故私はアナタを倒せない?」
虚ろな目で石川が小さな声で、噛み締めるように呟く。
自問自答?いや、そんなもんじゃない。
貴子へではなく、自分への怒りなのだろうか。
その形相はヒステリックな昂りでもあった。
貴子「召還獣への冷静な指示がなければ、召還獣も意味がないわよ。」
貴子も冷静を装っているが、徐々に長期戦の疲れが見てとれた。
もとより召還は気力をひどく消費する魔法なのだ。
ひさしぶりの実戦、それも連戦に流石の四天王稲葉貴子もこれ以上の新たなる召還はできずにいた。
ガチャピン「オマエばっかり子供と呑気に遊んでやがって。
体はって人気を保ってるのはオレだぞ。
おまえはスタジオでガキをあやしているだけじゃないか。」
ガチャピンの鍛えられた肉体からくりだされる連続攻撃に、ムックは防戦一方となっている。
ムック「はっ、笑わせるな。
Cカード(ダイビングライセンス)持ってて、ロッククライミングの心得があるオートレーサーがどこにいるんだよ。
体はってんのは毎回別の人ってこと位わかってんだよ。
視聴者バカにすんのもいい加減にしろよ。」
一瞬の反撃だが、ムックがピンポイントに攻撃をヒットさせる。
Д<「・・・なんや1隊が二組あるだけやない。」
サイトー「そうでもないわよ」
- 602 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月01日(火)01時15分04秒
- ↑訂正
1隊 → 1対1
- 603 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時03分44秒
- 美帆「あーあっ。さっさと蹴散らして追いかけるか。」
ナッチー「あら、美帆さんでないかい?」
目をぱちくりさせるナッチー。
美帆「そうだけど?」
ナッチー「なんでまた、こんなところに?」
美帆「は?、まだわかってない人がいたの?なんか似たようなリアクション、三度目なんだけど。」
ナッチー「?」
美帆「あのね、私達がボンバー四天王なの。だから戦うの。わかった?」
ナッチー「は!、、、ほへえええええ。あれまぁ、、、」
今度は口を開けたまま、目をぱちくりさせる。
美帆「聞いた後の反応は三者三様ね。ま、戦う理由はこれだけで十分でしょ。私達は敵同士。」
ナッチー「はれ?ってことはナッチー、またごまに敵を押しつけられたんだべ?」
美帆「そういうこと。私はあんたをのさないと、あの子とまた戦えないみたいだから、
とっとと始めよう。」
ナッチー「むっ、ナッチーが簡単に負けると思ったら大間違いだべ。
ごまが勝ったんならナッチーも勝つっしょ。ごまを追いかけるのはナッチーだべさ。」
美帆「んじゃ、最初っから全力で行くよ。さっきみたいに小細工に引っかかりたくもないし。
ハッ!」
7メートル程度離れた場所から、信田が一歩を踏み出す。
- 604 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時05分00秒
- ナッチー「!、き、、消えたべさ!」
美帆「ハィ!」
どか!
ナッチー「!」
信田の蹴りがナッチーの腹に直撃。
ナッチー「イタタタ」
ナッチーはたたらを踏んだ。
美帆「悪いけどこのままかたをつけるよ。魔法拳」
信田は離れずに
バキッバキッドカ!
左手、右手、左足と連続攻撃でたたみかける。
ナッチー「は、、速いべさ。」
続けざまにダメージを受けるナッチー。
・・・・・・・・・・
- 605 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時07分28秒
- 戦いが始まって3分もたっていないが、ナッチーには随分長いことやられている様に感じられる。
ナッチーは信田の速さについていけず、
最初にあっと言う間に捉えられて以来、サンドバッグ状態である。
ナッチー「(い、いつまでもこのままじゃまずいっしょ。)ハッソート、」
美帆「甘い!」
信田はナッチーの斜め前方へのステップと同じ方向にステップして追い掛ける。逃がさない。
ドカッ
また蹴りを貰う。
ナッチー「くっ、、ハリテッ!」
美帆「遅い!」
ブンブンッ
信田は華麗にばくてんしてナッチーの攻撃をすかす。ナッチーの張り手は空を切る。
そして再度信田の連続攻撃。ガードさせる隙間なく
バンバンバン!
魔法拳で顔面に三発。ナッチーが顔を守ろうと腕を上げると
ドン!
あいた腹にミドルキックを一発、そして足払い。
ガツッ
そこでいったん信田は間合いをとった。
ナッチー「ぐっ、、、ふん!」
ぐらつくナッチー。股を開いて踏ん張る。
美帆「あれ、立ってるか。よくこらえたね。」
別段驚いたという表情でもなく信田が言う。
ナッチー「ハァハァ、、、転んじまったら力士は終わりだべさ。」
辛そうにナッチーが答える。
美帆「顔、腫れ上がってるよ。」
ナッチー「むっ、もともと丸顔なだけっしょ。ハァハァ、、」
- 606 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時10分52秒
- 美帆「まあ思ったよりは手ごたえがあって嬉しいよ。
でも、攻撃がまったくあたらなんじゃ、そっちに勝ち目はないと思うけど、、、
いや、まだ何か隠してる?」
信田は余裕で続ける。ナッチーは信田を睨みつつ、
ナッチー「ハァ、、ハァ、、、
(どうすべどうすべ?雷は使えないし、強引に流れを変えようとしても駄目。)」
しかけて来ないうちにと呼吸を整えながら、考える。
ナッチー「(しょーがない、奥の手を使うときっしょ。本来の使い方じゃない。
したっけやるしかないべさ。)」
信田はナッチーの表情の微妙な変化に気づいた。
美帆「ん、何か考えついた?その隠してる奥の手ごと、叩き潰すから。」
ナッチーは信田の声に特に反応せず、落ちつくことに専念している。
ナッチー「ハァ、、フゥ。。(あのスピードではここまで1秒、、)」
美帆「ハッ!」
信田が地面を蹴り、前進する。やはりナッチーは動きを目で追えないが、
ナッチー「来る!1、ここだっ!」
パァン!!
ナッチーは目の前で手を強く叩いて大きな音をだした。
美帆「?」
ナッチー「止まった!見えた!!」
1メートル先に信田がいる。
- 607 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時12分12秒
- ガシッ!
ナッチー「もう逃がさないっしょ!!」
ナッチーは信田の腕を掴み、会心の笑みを浮かべる。
美帆「しまった、、、猫騙し?」
ナッチー「相撲の投げ技の餌食になるべさ!」
美帆「うあ、、っ」
ナッチーは素早く信田をひっくり返すと、片足ずつを両脇に抱えた。
ブンブンブン、、
勢いよく回転する。
美帆「何ー?なんなのこれ?全然相撲技じゃないじゃん?!」
信田は頭を抱えた。
ナッチー「ジャイアントスウィーーーーングッ!!
ぐーるーぐーるーまーわーあーてーーーー!」
美帆「あぁっ、しかもその歌もあんたのじゃないって!」
ブォンブォンブォン、、
回転速度を上げて、
ポイッ
ギューーーーン!!
岩にめがけて勢いよく飛んで行く。
美帆「キャーーーーーー!」
ナッチー「やった!ざまみろだべ。」
クラクラクラ、、、
自分も目が回る。
- 608 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時14分14秒
- 美帆「なんちゃって。」
ナッチー「?、、あああっ!」
ナッチーはくらくらしたまま信田の方を見た。
岩に激突する瞬間、岩に手を着き、ひらりと、、、
美帆「受身が取れちゃったりするのよ。」
スタッ
信田は岩の頂点に降り立った。
ナッチー「・・・・・」
ぽかーんとするナッチー。
美帆「毎回奇策を食らってジエンドってわけにはいかないのよ。
こっちも、ボンバー四天王の看板背負ってるからね。」
ナッチー「・・・え、えぇえーーーー!?、そ、、、そんなぁ。嘘だベさー!?」
美帆「ははっ。ナイスリアクション。
さて、二度同じ手は食わない。もうつかまる事は無い。私の勝ちかな?」
ナッチー「はららら、、どどどど、、、どうすべ?」
美帆「降参するなら、これ以上時間裂きたくもないし、終りにしといてあげるけど?」
ナッチー「んなな、なーにいってるべさ?降参なんかしないっしょ。バーカバーカッ!」
美帆「そう?じゃ、ほんとに終わらせてあげる。とどめっ」
- 609 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時15分20秒
- ダッシュから、ロンダート、バク転、バク宙、
ダンダン!
ナッチーの脳天に綺麗に2発の蹴りが入った。
ナッチー「・・・・・・・、?」
ナッチーは何が起こったか一瞬理解出来ず、気絶しそうになる。
それでも倒れないナッチーを見ると、
バンバン、ドカッ、、バキッ
信田はラッシュをかける。逆にそれで意識が戻るも、再びサンドバッグ状態のナッチー。
かろうじて立っているまま、徐々に後退する。
美帆「よく頑張ってるけど、、、後が無いよ。」
ナッチー「?」
美帆「後ろは崖」
ナッチー「ひっ、」
ナッチーが少し後ろを振り向くと、確かに完全に追い詰められている。
崖といっても下まで4〜5メートルほど。とはいえ、この状態で落とされたら只では済まない。
ワシッ!
信田はナッチーの首を掴んだ。
美帆「落ちなさい。」
そして押す。
ナッチー「むむぐぐぐ(ひぃええええええ)」
ぐいぐい
美帆「ほらほら、、」
今にも落ちそうだ。
- 610 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時16分51秒
- ナッチー「う、、、ぐ、、ふぬぬぬ、、、(ここで耐えねば)」
美帆「ふふふ、私の勝ちだろ?諦めな。」
が、まだ落ちない。苦しさでナッチーの目に涙がにじむ。
美帆「!?、早く落ちろって!」
ぐっと力を入れる信田。落ちない。
美帆「?、(あれ?おかしいな)」
更に力を込める。
美帆「お、、、、落ちない?」
ナッチーは崖っぷちに追い詰められてから、まったく動いていない。
ナッチー「うぐうぐうぐぐ(ど、、、土俵際の、、、踏ん張りだべさ!)」
美帆「(なんで?いきなりびくともしなくなった、、、まるで巨大な岩の様、、)」
疑問を持った事により、一瞬信田の力が緩む。
ナッチー「むぐぐっ!(つかまえた!)」
ナッチーは首を押さえてる信田の腕を両手で掴み、首から離した。
- 611 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時19分09秒
- 美帆「あ!、しまっ、、、ふ、ふんっ!、投げられたって受身を」
ナッチー「ゲホッ、、いやあ、もうナッチーの勝ちさ!」
信田はナッチーの声に自信を感じる。手が無いと思われるが、、、
美帆「?、どうするつもり?例えこの崖から落されたって私は平気だ!」
ナッチー「捻り手奥義っ!」
ナッチーは胴に手を回した。
美帆「?、抱え上げて何するつもり?抱きしめてくれるのかしら?」
ナッチー「サバオリッ!!」
ギュゥウウウウゥウウ、、、
ナッチーは信田を抱きしめた。
美帆「!!、な、、何これ?あ、、」
メりメり
美帆「ぐ、、がぁああ、、やめ、、、私は、、(腰が、、)」
ナッチー「ふんふんふん!」
ミリミリミリ、
更に強く締め付ける。
美帆「があぁ!(やばい、、、くっ、負けるわけには、、)魔法拳!」
ドンドン
信田は抱えられた状態のままナッチーの背中を叩いた。
- 612 名前:ナッチーvs信田 投稿日:2001年05月05日(土)15時20分24秒
- ナッチー「ううっ、、、負けないっしょ。こ!れ!で!も!かーーー!」
メキメキ、、バキッ
美帆「ぐはっ!」
鈍い音がした。信田の腕がだらりとさがる。
信田の体から力が抜けたのがナッチーにもわかる。
ナッチー「やったっ!」
ナッチーは信田を離した。信田はフラフラと倒れかかる。
ナッチーもフラフラしている。
そこをもう一度グッと踏ん張って、
ナッチー「とどめいくっしょ!!、はぁあああっ!千連鉄砲っ!!!」
バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ!
美帆「あぁーー、、」
ナッチーの張り手全段ヒット!信田なすすべ無し。気絶でK.O.
ナッチー勝利!!
- 613 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月10日(木)01時10分16秒
- 馬で移動するりんね&あさみ
祠に向かって進んでいく。
りんね「・・・なんか、燃えてる音がする」
あさみ「うん・・・暑くて寒い・・・変な感じ」
りんね「あ、あれ!」
あさみ「梨華ちゃん!!!」
二人が目にしたのは、炎と氷に包まれる石川と稲葉、
それにガチャピンとムックの姿だった
- 614 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月10日(木)03時25分41秒
- あいぼん、りんねとあさみを発見。
Д<「おーい!」
Д<「なんや、あんたら来たんかいな?」
りんね「・・・・・・・」
あさみ「・・・・・・・(涙)」
Д<「ん?、どないしたん?」
りんね「・・・・ここまだうちの敷地。。(泣)」
あさみ「・・・・・・牧場がしっちゃかめっちゃか、、、(涙)」
Д<「そ、、そらすまんことしたな。(意外と広いんやな。)」
りんね「うっ・・・・・・・(涙)」
あさみ「ぐすっ・・・・・・」
Д<「(うっ、、、めっちゃ心苦しいで。せやけどうち、もう肉体労働は勘弁やで。
前も柵とか直すのごっつう大変やったんや。)」
あいぼんは石川を指差した。
Д<「な、、、なあ、あんたら、しっかり本人が責任取るいうてるから、許してやってや。」
あさみ「え?そうなの?もう行っちゃうんじゃなかったの?」
Д<「うちらはこの戦いの後旅立つけど、彼女はなんや、牧場がえらい気に入ったらしいし。
ここでしっかり使ってやってや。」
りんね「よかった。これであたしらだけ怒られずにすむよ。」
あさみ「良かったね。りんねちゃん。3人で頑張ろう。」
Д<「(う、ごめんな。梨華ちゃん。こうするしかなかったんや。ほんまに頑張ってな。梨華ちゃん。)」
- 615 名前:石川 投稿日:2001年05月11日(金)00時21分16秒
- あさみ「・・・にしても梨華ちゃん、ずいぶんと苦戦してません?」
りんね「ほんと、もうバテバテ」
サイトー「こうなったらワンチャンスに賭けるしかないね」
Д<「これ以上どうするん?」
りんね「梨華ちゃんてそんなに実力あるのかな」
サイトー「大丈夫、破壊神シヴァの力があれば...」
Д<「なこと言ったって攻撃するチャンスすらあらへんで」
たしかに梨華の攻撃はなかなかヒットしない。
一方の貴子もだいぶ疲れが見てとれるのだが・・・
サイトー「でもね、、、、、
だからこそのタッグ戦なのよ。」
・
Д@石川<「ムック、カットに入って」
石川(アイボン)の声に反応してムックがガチャピンを振りきり、貴子に向かっていく。
しかしふいにされたガチャピンもすぐにムックを追う。
石川もそれに気付き、アイボン太達を見向く。
するとアイボンもサイトーも黙ってうなずく。
石川の狂おしいばかりの波長が次の一撃に集中する。
貴子「チッ」
イフリートの詠唱を止められた貴子は肩当ての宝石に触れ、ガチャピンに念を送る。
ガチャピンが一瞬光に包まれ、また一段階パワーアップされる。
こうなってしまった以上、つぎで決めなければ石川の敗戦は必至だ。
両者ともそれを理解し万全の状態に備える。
ムックは貴子のカットに入ってすぐにガチャピンに捕まってしまった。
貴子は幾重にも魔法防御壁をはりめぐらせる。
石川はただひたすら神経を集中させ、周囲にはにわかに冷気がただよう。
・・・・・・・・時は来た・・・・・・・・・・
石川『破壊神シヴァよ、チャーミーに力を!氷の衝撃を!!』
- 616 名前:石川 投稿日:2001年05月11日(金)00時21分59秒
- 生物にとってこれほど死を感じさせる環境があるだろうか。
まさに悪寒という言葉にふさわしい冷気。
それが鋭利な刃物のように突き刺さる。
しかしその勢いは貴子の魔法壁の前に消えゆく。
数枚の魔法壁を破ったところで氷の刃はつきていく。
先程からの戦闘で周囲の水分はことごとく消え失せていったのだ。
氷をあたえようとも思い通りにいかない。
徐々に手が痺れてくる。
このまま勢いが尽きれば、もう太刀打ちができない。
絶体絶命だろうと石川は力の限りシヴァを力を引き出す。
しかし、もう彼女も限界を超えてきているだろう。
Д<「‥‥ダメか‥‥」
そして冷たい空気の中、耳に劈くようにその声が響いたのは、アイボンがうなだれてすぐ直後のことだった。
- 617 名前:石川 投稿日:2001年05月11日(金)00時24分11秒
- 『我らが神よ、いにしえより封じたその怪物の力を今解き放たれんことを!
リヴァイアサン!!!』
突如響いた声とともに荒くれる海の支配者である怪物が姿をあらわし、あたりに水がおしよせる。
その一瞬のチャンスによって冷気が塊となって空気をおしのけていく。
石川が手を大きく掲げ懇親の力を込める。
石川『ダイヤモンド・ダストッッッッッッッッ』
疾風のごとく駆け抜ける一撃。
準備万端とはいえ疲労困憊の貴子の魔法壁が一瞬で裂けていく。
貴子『ウワアアアアアアア』
貴子は氷の圧力におしやられ、背後の気に激突した。
声が響いてから数秒とたたぬうちに決した勝敗だった。
石川「や、、、、やった、、、」
石川の足下がぐらつき、倒れこんでいく。
そして石川は彼女の腕の中に吸い込まれていくように包まれたのだった。
石川「お師匠、様、、」
保田「よくやったね、石川。
よく頑張った。」
そして彼女は尊敬する大神官の腕のなかで瞳を閉じ、深い眠りに包まれていった。
こうして召還士チャーミー石川としての初めての戦いは幕を閉じた。
- 618 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月11日(金)19時43分14秒
- 保田「よくやった石川、偉いよ。よく頑張った…」
保田は石川を抱いたまま、同じ言葉を何度も繰り返す。
Д<「感動やなぁ…」
サイトー「うん、師弟って素晴らしいね…」
貴子「ほんまや…。涙が止まらへん」
Д<「……」
サイトー「……」
貴子「…ん?」
Д<「なんでアンタ起きてるんやっ!」
サイトー「さっき吹っ飛んだばかりでしょ!」
貴子「なんや、つれないなぁ…。うちにも感動に浸る時間くらい与えてぇや」
Д<「…で、アンタ…。まだ戦うんか?」
貴子「はは、アホな。この通り、もう魔力は一握りも残ってへん」
と言いながら、貴子は手の中に炎を作り出す。しかしその炎はすぐに消えてしまった。
貴子「それにここでまだ戦えるなんて言ったら、またあの子起き上がるやろ?」
そう言いながら、保田に抱かれた石川の方を見る。
Д<「ふーん…。まぁ、違いないわ」
貴子「(それにしても、わからんなぁ…。美帆はどうやって石川ちゃんを怒らせたんやろ…)」
- 619 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月11日(金)21時42分35秒
- 後藤「さーてそろそろ私も追いかけようかな」
つじ「どこいくのれすか?」
ごま「梨華ちゃんのとこ」
飯田「圭ちゃんがいったんなら梨華ちゃんも無事じゃないかな」
ごま「そうは言っても圭ちゃんも戦う気なさそうだし、やっぱもう一度貴子さんとやってさっきの借りを返さなきゃね」
ごまはそういうとルーラで保田と同じ方へ飛んでいった。
つじ「いいらさんいいらさん」
飯田「何?」
つじ「ごまさんはなにをかりたんですかね」
つじの無垢な質問にカオリは頭を悩ませる。
飯田「う〜〜〜〜んとね、、、、、、、、」
ごまちゃんは《命だけは助けてあげます》っていう言葉を借りたんだよ。」
つじ「ことばをかりる・・???
・・・ってなんれすか?」
飯田「えーとつまりね、、、
そう言ってもらったの」
つじ「じゃあどうやってかえすのれすか?」
飯田「今度はね言ってあげるの」
つじ「???」
飯田「だからね、《命だけは助けてあげます》って言ってあげるの。
わかった?」
つじ「へい!わかりました。
ごまさんはおしゃべりにいったのれすね。」
飯田「、、、そう、、、なのかな、、、、」
- 620 名前:VSルル 投稿日:2001年05月11日(金)22時51分28秒
- 中澤「この勝負…負けるわけにはいかんのや!」
そう叫びながら、中澤はルルに向かって大きな一撃を放つ。
ルル「そんなぶっきらぼうな攻撃は当たらないアル」
暗器を駆使しながら、ルルは中澤との距離を保つ。
しかしルルのその言葉とは裏腹に、中澤は冷静にその状況を判断していた。
中澤「(そうや、そこでバックステップするのは読めている…。その隙を突ければ…)」
と、中澤が思うや否や、ルルはバックステップで距離を取る。
中澤「そこやぁっ!!」
中澤はその瞬間を見逃すことなく、一気にルルにラッシュをかける!
ルル「…無理アル。あなたでは…勝てないアル…」
ルルは体勢の整っていない状態で中澤の怒涛の攻撃を受け続ける。
中澤「(勝機!)」
そう思い、中澤は更に激しく攻撃を続ける。
ルル「くっ…」
ルルは中澤の攻撃の一瞬の隙を突いて、素早く体勢を立て直した。
中澤「逃がすかっ!」
うまくラッシュから抜け出したルルにすぐさま向き直る中澤。
中澤「(このままいけば終わりや…。これが最後の…)」
パン
中澤「!!!」
突然の破裂音のような音に、中澤は思わず動きを止めた。
しかし、実際はルルが手を叩いて音を鳴らしただけだった。
中澤「…この期に及んで猫騙しとは…。カッコがつかんで、四天王っ!」
中澤は再び攻撃を仕掛ける!
- 621 名前:VSルル 投稿日:2001年05月11日(金)23時04分37秒
- 立場は逆転し、中澤が優勢のまま戦いが続く。
中澤「(ホンマに…ホンマにうちが四天王を押してる…)」
ルルは防戦一方で、まったく攻めることができない。
中澤「(勝てるっ!!)」
中澤は更に攻撃の手を速める!
その時ふいに、中澤の耳に矢口の声がかすかに聞こえた。
矢口「ゆうこっ…!」
中澤「(矢口…。大丈夫や、すぐ終わる。あと少しで…)」
中澤はそれ以上矢口の声を聞こうとはしなかった。
中澤「うおぉらぁっ!!」
刀を大きく振りかぶり、ルルに向かってそれを振り下ろす!
『バキィッ!』
その一撃は、ルルの防御に使用していたトンファーを粉砕した!
中澤「終わりやっ!」
これで最後と言わんばかりに、もう一度大きく振りかぶり一撃を加えようとする!
中澤「おおおおっ!」
パン
中澤「…えっ?」
次の瞬間、中澤の視界にルルの姿はなかった。
ルル「思った通りだったアル…」
中澤「なっ!?」
中澤は声のした方に向き返る。
そこに居るのは、紛れもなくさっきまで自分の目の前に居たルルだった。
- 622 名前:VSルル、決着 投稿日:2001年05月11日(金)23時38分08秒
- 中澤「さっきまで…そこに…。え?何で…トンファーも…持って…」
中澤は状況が掴めない。ただ、矢口は全てを知っているような表情をしている。
ルル「今のは…あなたの作り出した虚像アル」
中澤「虚…像?」
ルルは説明を続ける。
ルル「恐らくはワタシを圧倒し、暗器を破壊し、存分に痛めつけたんだと思うけど、
全てはあなたの作り出した虚構の映像…。真実ではないアル」
中澤「なっ…」
ルル「あなたのその勝利に飢えた精神構造は喜んでワタシの術にかかると踏んだアル。
そしたら案の定、あなたは待ちかねたかのようにワタシの簡単なトリックにかかったアル」
中澤「……」
ルル「あなたの欲求はこうあって欲しいという自分より劣ったワタシの姿を造り出し…
思うままにワタシにラッシュを叩き込んだはずアルね。
でも、気の毒なことに…現実のワタシはここに居るアル」
中澤「……」
中澤は放心状態でその説明に聞き入っていた。
ルル「術にかかっていなくてもそこのお友達の声が聞こえなかったくらいじゃあ…当然アルね」
中澤「!!」
ふと気付いて、中澤は矢口の方を見る。
矢口「バカ…。だから一人で戦うのは無理だって言ったじゃんか…」
中澤「すまんかった、矢口…。でもうちは矢口の体が…」
ルル「心配だったんなら、なんで一人にさせたアルか?」
中澤「…!」
ルル「そこの小さい娘も、あなたと同じように覚悟を持って戦場に立っていたはずアル。
でもあなたは…そこまで考えられなかったみたいアルね」
矢口「小さいっていうのは余計だぞっ!」
ルル「あ、すまないアル。ちょっとした言葉のあやアル」
中澤「さて…こりゃあうちらの負けやな。完全に手の中で踊らされとった…」
ルル「…まだ、終わらないアルよ」
2人「へっ?」
- 623 名前:ルル編、ラスト 投稿日:2001年05月11日(金)23時53分38秒
- つじ「いいらさん、なんでこっちにきたんれすか?」
勇者飯田「こっちは確か裕ちゃんと矢口が来てるはずなんだ。負けてなければいいけど…」
飯田とつじが目的の場所に着くと、何やら話し声と物音が聞こえてきた。
勇者飯田「こっちだっ!」
飯田とつじはその場所へ駆け足で向かう!そしてそこには…
ルル「そうじゃなくて、ここで刀身に手を添えてこっちの腕をこうヒネれば…」
中澤「おお、なるほど!これなら至近距離でも振れるわ」
矢口「ルルさーん、これくらいの距離だとさー…」
ルル「そこは牽制を控えるべきアルね。一気に距離を詰めるか、フェイントをかけるか…」
中澤「なあなあ、こんなんどうや?さっきのを応用して、ここを軸に変えて…」
ルル「確かにそれならガードも難しいアルね…。でも距離を取られたらまずいアルよ?」
矢口「その辺はおいらがサポートするから大丈夫!」
中澤「ははっ、ありがとうな矢口」
ルル「で、次にこの距離アルね。やっぱりここでは…」
勇者飯田「…」
つじ「…」
勇者飯田「…帰ろっか…」
つじ「へい…」
- 624 名前:ごま 投稿日:2001年05月12日(土)20時38分24秒
- ルーラでごまが彩の祠の方向に進んでいると先程石川達が戦っていた辺りの木には霜がおりていた。
アイボンをはじめ貴子やカントリーもそろっており、ごまはアイボンに話を聞いた。
ごま「え〜〜、もう勝負ついちゃってたのー」
Д<「もうすごかったでぇ
ガチャピンとかムックとかしっちゃかめっちゃか出てきて。
そんで最後は梨華ちゃんの魔法がめっちゃここら寒くしてんねんけど途中まであの姉ちゃんにはきけへんで、結局大神官さんがなんやしたかで梨華ちゃんの魔法が効いてんねん。」
ごま「なあんだ最後はやっぱ圭ちゃんがちょっとは手助けしちゃったんだ。」
貴子「ちょっとどころじゃないわよ。
リヴァイアンサンが召還されてね、シヴァとの複合技ときたもんだ」
Д<「そうそう、なんか大きな龍はでてきてん。」
ごま「うそ〜、圭ちゃん召還なんかしたの〜!!」
ごまは木陰で石川を休ませていた圭のところにいった。
石川はスヤスヤ寝息をたてている。
ごま「聞いたよー、圭ちゃん召還やったんだってね。」
保田「ん、まあね」
ごま「『召還なんてようやらん』って言ってたくせに」
保田「事情が事情だったし」
ごま「でも圭ちゃんが召還できるなんて知らなかった。」
保田「バイブルに登場するモンスター位は召還できるんだけどね、そんなのめったに使わないから。」
ごま「じゃどうして使ったの?」
保田「それは……ひとつは相手が召還士だからかな。目には目をってヤツ?
あとは、、、コイツのため。」
そう言って保田は石川の頬をプニプニとつつく。
石川は顔をしかめていやいやをする。
ごま「梨華ちゃんのためって?」
保田「この娘はイマイチ自分に自信が持てないからね。
ここでボンバー四天王を倒せたら少しは自信がつくと思って。」
ごま「それと召還とどう関係があるの?」
保田「私はあくまでこの娘を補助しただけ。
リヴァイアサンは攻撃魔法じゃないの。
私は石川自身に貴子さんを倒してほしかったんだ。」
ごま「そう・・・」
圭がやさしく髪をなでると石川は子供のような笑顔を浮かべた。
保田「楽しい夢でも見てるのかな。」
ごま「そうかもね」
- 625 名前:ナッチーその後 投稿日:2001年05月13日(日)05時37分25秒
- 美帆「う、、、つつつ」
信田は目を覚ました。
美帆「あっ、」
起き上がろうとするとビリッと腰に激痛が走る。
足を見る。手を見る。周りを見渡す。やっと頭が働きだす。
美帆「あっ、、、私、また負けちゃったのか。あーあっ、なんか負けキャラだったなあ。」
信田は空を見上げた。雲一つ無い(石川のせい)が、既に暗くなり始めている。
美帆「(ボンバー四天王は既に魔王軍を辞め、この戦いの後は一人一人が別々の道を歩く。
私には弱点がある。だから、解散にも賛成した。
いつか、、足を引っ張ることが怖かった。
やっぱり負けっちゃったか。こりゃ大人しく、引退するしか無いかな。。)」
美帆「ふう。。(あの子はごまを追い掛けたのかな?)」
腰の痛みに耐えながら、信田は立ちあがった。
美帆「(とにかく、なんとか回復してもらいに行かないと。
あっちゃんは勝てた?それともまだ戦い中?)」
信田はよろよろと歩きだした。しかし、10歩も行かないうちに、
美帆「あ!あんた!!」
信田の目の前に肉の塊、、もといナッチーがぐったりと倒れている。
信田はすぐにかけよった。
美帆「!!、白目むいてる!、おい!生きてるか?、しっかりしろ!!」
ナッチー「・・・・・・」
ペチペチ
頬を叩く。
- 626 名前:電波名無しさん 投稿日:2001年05月13日(日)05時42分57秒
- 美帆「おい!私に勝ったくせに、こんな所で死ぬなよ!!」
ナッチー「う、、うーーーん、、、、」
美帆「ほ。気づいたか。。大丈夫?」
ナッチー「・・・・は、、腹が、、、」
美帆「何?、腹?、ミドルキックが効いてた?」
ナッチー「減ったべさ。」
美帆「ええっ?、腹が減ったって?、それで倒れてるわけ??
私があれだけ打ちこんでもちっとも倒れなかったくせに??」
ナッチー「うーん、、いーなーいーなー。しどいなーこれ。裕ちゃんばっかり。
ナッチーも特上寿司食べたいべさ。」
美帆「ん?何言って?はっ、、寝てんのあんた?目あけたまま。なんだよ、慌てさせて。
・・・・寝ごとか。どんな夢を見てるんだろうねえ?ったく。
しゃーない。運んでってあげるよ。仲間のところまで。」
信田はナッチーの服の襟の後ろをつかんだ。
美帆「(って言っても腰が痛いから、引きずってだけどね。)」
ずるずるずるずる・・・・・・・
ナッチー「ナッチーはルイベが好きなんだべさ。」
美帆「お、、、重い。」
- 627 名前:ごま 投稿日:2001年05月13日(日)05時50分39秒
- ごま「でも悔しい!くーやーしーいー!!私も貴子さんと決着つけたかったよー!!
くやしいよーー!!」
ぶんぶんぶんぶん!!
ごまは隣にいたあいぼんの首を両手で掴み、振りまわした。
Д<「ぐえぇ。やめーやーー!氏ぬ氏ぬーー!!」
- 628 名前:名無し交信中... 投稿日:2001年05月14日(月)10時38分24秒
- >きろくする
・・・
おつかれさまでした。りせっとぼたんをおしたままでんげんをおきりください。
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=iida&thp=989804214
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