インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
Nostalgia
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月03日(木)12時52分12秒
- 初投稿です たくさんの方に読んで戴けたら嬉しいっす
石後吉…他メンをぽつぽつ出す予定です
よろしくお願いします
- 2 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月03日(木)22時03分04秒
- また一枚、きらきらと光る水面を落ち葉が滑っていった。
(来てくれるかなぁ)
肌を涼しく扇ぐ風が心地好い。そんな季節の夜、私は一人、河辺で見えない月を仰いでいた。
自信は…なかった。電話越しに聞いた声は、驚きと、少しの怒りを含んでいて、なにより、とっくに約束の時間を過ぎていたから。
パシャンッッ――
足元に敷き詰められている小石を拾い、暗闇に続く波へと投げた。
この音が届きますように‥‥
- 3 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月03日(木)22時12分13秒
- 再び小石を拾い上げ、投げようと振りかぶった時、石を掻きわける影が私に近づく気配を感じた。
「ごめんね」
「…私も今来たとこだから」
おきまりな台詞で素直な喜びを伏せる。すると、微かな笑い声が漏れた。
「ならいいんだけど」
川を下流沿いに二人とも無言で歩いた。話さなくても心が通じている気がした。
「もう秋かぁ…」
色褪せた葉が私たちの横を通り過ぎる。
何から話そう。いつからきみが好きか。どれくらい好きか。…いつきみから離れなくてはいけないか。
- 4 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月03日(木)22時24分26秒
- たくさんあり過ぎて言葉にならず、熱い息だけが無意味に吐き出される。
「秋って嫌い」
私のくずくずした気持ちとは反対に、気持ち良い程に真っ直な声が私を覆った。
「…どうして?」
「何もかも枯れて消えちゃって寂しいんだもの」その瞳は、寒さで張り詰めた空気みたいに澄んでいる。
「…じゃあ、私が消えても寂しい?」
「そんなこと…言わないで」
本当に消えちゃいそうだから…、心細そうに呟く彼女。愛おしくてたまらない。
- 5 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月03日(木)22時45分14秒
- 苦しそうに瞳が濡れていた
…笑おうよ
せめて今夜だけは涙を拭いて
重ねていた身体を離した
『そんな瞳で見つめないで…』
次の言葉を呑みこんでしまうじゃない
きみを見下ろすと
唇をかみ俯いた
離れたくないよ
今度は強く抱き寄せた
このまま溶け合ってしまえればいいのに
戸惑い気味にきみの両手が背中に伝わってくる
不思議な安らぎ
きみの温もり 胸を揺らす吐息だけを私の感じるもの全てにしたい
- 6 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月03日(木)22時54分04秒
- 「私のこと……嫌いになっちゃった?それとも―――」
きみの囁きが耳に震える
『違う』
きみのせいじゃない
私のせいでも……ない
さよならを告げる幸せな日々
あの頃 時が止まってしまえばいいなんて思わず口にしてた
未練がましいと苦笑してしまいながらも指先を絡ませる
言葉では伝えられない想いをこめて
…好き
でも今は只 時と共に想いが熱を失い 風に散りゆくだけ
それを願うだけ
『離れたくない』
そう漏らしかけた唇を柔らかいものが塞ぐ
心を見透かされたみたい
見つめ合う雫に一人ぼっちの月が映っていた
- 7 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2002年01月04日(金)00時56分15秒
- なんかすごく期待できそうな小説!!楽しみだ〜
いったい誰と誰が喋ってるんだろう…
- 8 名前:ポー 投稿日:2002年01月04日(金)02時02分37秒
- 自分もきになる!誰と誰なんだ? ごっちんがでるようなので楽しみです♪
- 9 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月06日(日)02時45分11秒
- ぼんやりした意識から瞼を擦った時、窓硝子に浮かぶ、今よりもずっと優しく幼い笑顔の自分と目が合った‥気がした。
車窓から見える景色は、映写機から流れ出すみたいにパラパラと変化する。ビルのち住宅街、ところにより山。しばらくの後、トンネルを抜けた先に広がったのは、夏を待ち侘びる川が一足先に太陽の光と戯れてる姿。
その様子を 芽吹いたばかりの柔らかな葉が見下ろしていた。
‥‥ただいま
思いのほか素直に口をついた言葉が、何かくすぐったい。
- 10 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月06日(日)03時06分34秒
- 電車が止まり、夢見心地でホームに降りて立ち尽くす私を、葉桜たちが迎えてくれた。
4年ぶりに見た風景は、あの頃と何も変わっていない。青い香りに深呼吸して、前を見据える。
両親の離婚をきっかけに、生まれ育ったこの街に私は一人帰ってきた。
きみの手をとり駆けた小道。
学校帰りに留めどない話をし合った公園。
出会いも、別かれも見守ってくれた川原。
ほんと変わってない。いい意味でも、悪い意味でも。
- 11 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月06日(日)03時15分11秒
- 駅から新居への道をかなりの遠回りをして、一つ一つの場所に感慨深く足を止めた。
本来なら、駅から10分程歩いた所に私の住むマンションはある。この街に住んでいた頃何回か見たことがある建物で、綺麗に白塗りされていた外壁に、今は少しの汚れを認め、唯一、時の流れを実感させてくれた。
- 12 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月06日(日)03時30分07秒
- われながら物足りない文だわ……。なかなか進まないし。
ラヴ梨〜さん>期待に応えて…みせます!誰と誰かまだ決まってなかったりします。
ポーさん>作者も早く誰が喋っているのか
書きたいのですが…
( ´D`)/レスありがとうございます
- 13 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月07日(月)22時28分30秒
- ―――いつも、突然だよなぁ〜
半ば呆れ、半ば楽しそうに笑う声が、携帯の向う側から聞こえる。
トゥルルルル――
トゥルルルル――
トゥルルッ…『はい』3コール目で電話は繋がった。
『吉澤です』
「あっ、お久しぶりです、おばさん。後藤真希です。ひとみいますか?」
『……真希ちゃん?久しぶりねえ。ちょっと待ってね。今、ひとみと代わるから』
高1以来だから、話すのは1年ぶりだなぁ。軽く咳払いをして、声の出を整えてみた。
- 14 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月07日(月)22時44分35秒
- 引っ越してから高校に入学するまで続いていた交遊は、お互いの多忙さに加え、私の携帯紛失により ここ1年途絶えていた。
「ここ1年」を振り返る思考へBGMのように流れる保留音。
ひとみ遅いなぁ……。『もしもし?』
不意に受話器から伝わってきた声は懐かしく、顔が緩んだ。
「もしもし、ひとみ?私のこと覚えてる?」『覚えてるよ!マジひさぶりじゃん。高1以来だっけ?てか、携帯換えたなら教えてよ』「ごめん、ごめん。色々忙しくてさぁ…ひとみの家電を調べるのも大変だったんだべ〜」
- 15 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月07日(月)23時01分17秒
- しばらく、昔話や最近の出来事を交互に重ねて盛り上がった。
矢口先輩が金髪にして停学をくらった事。
飯田先輩が近頃 電波にならない事。
今年、辻を筆頭に、中学の顔見知り後輩が同じ高校に入学した事。
ひとみが懐かしい人々の名前を、弾んだ口調でとても楽しそうに話すから、私は胸が一杯になり目頭が熱くなってた。
私らしくなくて、ちょっと…いや、そぉと〜恥ずかしい。
- 16 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月07日(月)23時20分24秒
- 「しっかし、ひとみも大変だよねぇ。辻とかに捺かれちゃってさ」目尻を拭う。熱いモノは いつの間にか愉快な涙に変わっていて、すごく気持ちがいい。『まぁね。あいつ肥えたからなぁ。松浦は何か普通と違うし』
―「そういえばさぁ…」きみの名前を言うだけで、きみに想いを伝えるようなドキドキが全身を火照らせる。
でも、気になるから…
- 17 名前:Nostalgia 投稿日:2002年01月07日(月)23時36分50秒
- 簡単なことなのに上手に言葉に出来ず、舌に絡まった きみ。
『ん?どした?』
ひとみの何の邪推もない声のトーンが更に鼓動を激しくさせる。意味もなく動揺。
「えっと……石川先輩は…どうしてる?」
次の瞬間、幽かな沈黙が漂った。どうしてだろう…ひとみも私と同様な思いで、息を吐いたように感じるのは。
- 18 名前:名無しさん 投稿日:2002年01月07日(月)23時50分32秒
- 16が予定と違うくなり(鬱
役ふりも あの人と この人を逆にすれば良かった…とか後悔したりして
(;´D`)/やはり小説は…難しいのれす
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月12日(土)17時10分24秒
- とても綺麗な文章ですね。
いしごま‥?それなら相当嬉しいです。
しかし、一筋縄ではいきそうにないですねぇ。
この先がとても楽しみです。頑張って下さい。
- 20 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月14日(月)17時26分58秒
- ガンバッて下さい!続き待ってます。
- 21 名前:名無し読者 投稿日:2002年01月19日(土)07時17分42秒
- ん〜なんだか面白そうなお話です。
これから誰がどうからんでいくのか楽しみです。
Converted by dat2html.pl 1.0