06 Bye Bye また今度はないね

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:26

06 Bye Bye また今度はないね

2 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:27
波の音を聞くと落ち着くというけれど私の心は騒いでいる




私はビーチパラソルが置かれた休憩場に座りながら浜ではしゃぐメンバーを見つめていた。
みんな笑っているけど本当は笑っていなくて、カメラマンさんが面白おかしく煽るのが
少し不快だった。


個人の写真集ならともかくこうしてベリーズ全員で撮るというのは本当に久しぶりだった。
それだけ新生ベリーズを世間というかファンにアピールしたいんだろうか。
そんなことしても無駄だと気づかない事務所は愚かだと思うけど、あちら側も突然のことに
焦っている雰囲気は感じる。
つもりはその場凌ぎの試みというやつなのだろう。
それにしては稚拙だなと思い私は用意されたスポーツドリンクを飲みながら一人苦笑した。



3 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:28
それから名前を呼ばれて指定された場所に行くとソロで何枚か写真を撮った。



上手く笑えている自信はなかった





それからしばらく浅瀬で一人波と戯れていた。
波が引くときに私が立っている砂まで持って行くので一瞬海に引き摺られるような感覚がする。
でもこのまま引き込まれても良いかなと思っているといきなり後ろから手を掴まれた。



首だけ後ろに向けるといつになく真剣な目をした梨沙子が立っていた。
「どうかした?」
「なんか・・・・なんかキャプテンが行っちゃいそうだったから。」
「そう。」
「うん。」
会話が途切れる。
でも元々梨沙子とはそんなに会話が弾んだことがなかった。



4 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:30
「・・・・もう誰にもいなくなってほしくないから。」
「それは本人に言いなよ。」
「もう言えないじゃん。」
「別に携帯で電話なりメールなりすればいいでしょ?」
「そういうことじゃなくてさ。」
「分かってるよ!」
どうしようもない苛立ちから少し強めに言うと梨沙子は申し訳なさそうな顔をして俯いた。



「ごめん。」
「別にいいよ。」
「・・・・ごめん。」
「あー、もうっ!訳が分かんないよ。」
私はまるで癇癪を起こした子どものようにその場にしゃがみ込んでぼやいた。



少し距離があるものの周りにはメンバーやスタッフがいるので子どものように感情のまま
叫ぶようなことはしなかった。
でもただ発散しないだけで溜まっている感情を抑えることはできなかった。
目から溢れる涙を自分ではもう止められなかった、だからとりあえず見られないように
顔を海のほうに向けて誤魔化した。



けれどいきなり顔に海水をかけられて突然のことに私は驚いて顔を上げる。
「泣いたらダメだよ。キャプテンは泣いちゃダメ。」
とわざとらしいくらい明るい声でそう言った梨沙子は今にも泣きそうな顔をしていた。



口の中が少ししょっぱかったけどそれが涙の味なのか海水なのか私にはもう分からなかった。



5 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:30
それから不意に辺りを見回すと他のメンバーがこちらに来るのが見えた、それだけならともかく
厄介なことにカメラまで追いかけてくる。
私はこのまま泣いていたことを知られるのは色々とまずいと思い苦肉の策で海に飛び込んだ。




その辺の海水浴場と違い先が見渡せるほどこの海の水は透き通っていて綺麗だった。
私は水の流れに逆らわず身を任せていると少しずつ気持ちが落ち着いてきて、このままどこか
遠く誰も知らないところまで行きたいなと思った。
でもメンバーが私の名前を馬鹿みたいに呼ぶからそういうわけにはいかなかった。



水面から顔を出すと足の着くところまで軽く泳いでから陸に向かってゆっくりと歩き出す。




メンバーは大きく左右に手を振ったり手招きしたりしている、私は微笑しながら軽く手を上げてそれに応える。
でも不意に一人足りないことに気付き慌てて辺り探した、けれど少ししてから今は六人が
正しい人数だということを思い出し苦笑した。
そしてこれからも当分の間はいないあの子を探すんだろうなと思った。


6 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:31



別に誰が悪いとかそんなこと考えても答えは出ない気がする。
きっとみんなどこかしら悪かったんだろうし結論なんて堂々巡りででないと思う。
でも人は結論を求めたがる。
それが例え正当でもそうでなくても結論さえ出ればとりあえず人は納得する。
別に出た結論に大して何か言うつもりはない。
ただ二度と味わうことがないと思っていた感覚をもう一度味わされたことに関しては
みやに一言言いたかった。



7 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:31

8 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:32

9 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/09(月) 01:33
この話はフィクションであり、
実際のグループ、そしてもう少し顎が短ければ奇跡の美少女なあの子の行く末とは
一切関係ありません


Converted by dat2html.pl v0.2