小説、マイスタイル
- 1 名前:ソラ 投稿日:2008/06/07(土) 23:16
-
登場人物
鬼導レン
主人公。声と怒を武器にする。
宮崎アスカ
脇役。魔法を使う。
クッキー
脇役。猫だが剣を振り回す草野マキ
脇役。二兆拳銃を使う。
女だが僕と言う。
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/07(土) 23:20
- 「…なんね、これ」
私はジュンジュンが差し出した一枚のコピーを見たそのままの感想を言ってみた。
「私が書いた小説デース」
「小説って。しかも一枚だけやし」
呆れながら紙切れをジュンジュンに返す。
「田中、私と一緒にこの小説で天下目指しまショウ」
「ジュンジュン、れいな今hi-kingとかで今めっちゃ忙しいけん」
しかしジュンジュンの表情は真剣そのものだった。私は彼女の話を聞くことにした。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/07(土) 23:26
- 「そもそも、何で小説なんか」
その一言で、ジュンジュンは下を向いてうつむいてしまう。
それから徐に、懐からバナナを取り出してもりもり食べ始めた。
「バナナなんか食べてる場合やないっちゃろ」
「モグ…私は…この小説で…クチャ…チベットを…モグ…救いたいデス…ゴックン」
バナナ臭い息とともに、そんなことを言うジュンジュン。
今、不思議な言葉が聞こえてきた。
チベット?
チベットって、どこだっけ。
考えてもわからなかったので、直接聞くことにした。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/07(土) 23:34
- 「チベットは、中国デス。でも、ほんとは中国じゃないんデス。そのせいで、チベット
の人たちが傷つき苦しんでマス。私は、この小説を売ったお金で、チベットの人たちを
助けタイ」
驚いた。ジュンジュンがそんなことを考えてたなんて。
「でもうちらでどうこうできる問題じゃないし。お金のことなら、つんくさんにでも」
「つんく今お金ない。子供も出来たし、曲も売れナイ」
ということでこの小説、か。
ジュンジュンが大事そうに抱えている紙切れを見る。
よく見ると、あちこちに消しゴムで消された跡があった。
もし自分がどこかの異国に飛ばされたとして、その国で小説を書こうだなんて思えるだ
ろうか。きっと「れいなには無理やけん」と投げ出すだろう。
そういう、大それたことを彼女はやろうとしている。
私の心に、火がついた。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/07(土) 23:42
-
次の日から、私の戦いははじまった。
ジュンジュンの考えてくれた原案を、どうやって形にしてゆくか。
もともと雑誌で連載を持ってた私は、意外とすんなり小説というものを書くことが
できた。人間何事もやってみるものだ。
そのうち、私はストーリーを作り出すという行為に没頭していった。
hi-kingの振り付けを覚えては文章を書き、矢島ちゃんと佐紀ちゃんの汗を浴びては
小説を書き、憂佳ちゃんの胸を見て優越感に浸っては小説を書いた。
そしてようやく一冊の本ができあがる。
タイトルには私自身の生き様を表現した、そんな意味を込めて「小説、マイスタイル」
という名前をつけた。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/07(土) 23:51
- 早速いくつかの出版社に作品を持ち込んだ。
しかし結果は散々だった。
編集者と少し有名な作家が「小説、マイスタイル」をぼろくそに貶していった。
「つまんないよこれ」
「ボクっ子とかもう時代じゃないんだよね」
「ところでおたくの事務所、創作活動はご法度じゃ」
話にならなかった。
私はシンデレラコンプレックスのCDを置いて出版社を去った。
忘れ物をしたので戻って来てみると、握手券だけ抜かれて他が捨てられていた。
私はその夜、一人で泣いた。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/08(日) 00:00
-
そんな私に思いがけない出来事が起きる。
パンツの前と後ろを逆にして履いてしまったので、トイレで直そうと思って
個室に駆け込むと、隣の誰かから声をかけられた。
「田中さん、お困りのようですね」
「その声は、桃子ちゃん?」
気持ち悪いくらいに甲高かったので、すぐにわかった。
「売れない小説をあちこちに持ち込んでるとか」
「よ、余計なお世話っちゃ!」
思わず大声を上げてしまうが、図星だった。
「桃が、いい方法教えてあげます」
「べっべつに桃子ちゃんに助けてもらわなくても。あっ、だからと言って
あぁ!を横取りされたのを恨みに思ってるとか、そういうんじゃないけん」
そう、断じて違う。世が世なら私があのかわいい制服チックな衣装を、と
か絶対に思ってない。
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/08(日) 00:06
- 「そんなぁ、水くさいじゃないですかー。確かに桃が田中さんの代わりに入って
売り上げが三倍になりましたけど、桃はいつもあぁ!の田中さんを目指して頑張
ってるんですよぉ?」
ところどころ気になるフレーズはあったものの、私は素直に桃子ちゃんの言葉に
感動した。そして彼女に素直に教えを乞おうと思った。
「わかった。桃子ちゃん、そのいい方法ってやつを教えて?」
「いいですよ、その前に」
個室を隔てる壁の下の隙間から、差し出される手。小指が、立っている。
虎の子の諭吉さんが一人、攫われた。
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/08(日) 00:12
- 桃子ちゃんの言ういい方法とは、簡単に言えばこうだった。
今のご時勢、出版社に持ち込むなんてアナログなやり方じゃ売れるものも売れない。
ケータイ小説を代表するように、今はネットで人の目に触れさせる方法が一番効果
的なのだという。
幸い桃子ちゃんは下手糞な話でもとりあえずは読んでくれる質のいい読者さんのい
るサイトを知っていた。私は桃子ちゃんにそのサイトのURLを教えてもらい、さ
っそくアクセスする。
…何だかたくさん掲示板があるみたいで、どこに書き込めばいいのか皆目検討がつ
かない。とりあえずは一番前にある掲示板なら、たくさんの人が見てくれるに違い
ない。とりあえず、ジュンジュンが考えてくれた説明と、私の書いた文章の頭の部
分を投稿し、様子を見てみた。
板違い、の意味がわからない。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/08(日) 00:13
- 水
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/08(日) 00:13
- の
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/06/08(日) 00:13
- 泡
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