19 おお味噌か
- 1 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/01(火) 11:41
- 19 おお味噌か
- 2 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/03(木) 01:14
- 昔々あるところに、舞美と舞という二人の姉妹がいました。
- 3 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/03(木) 01:17
- 大晦日の日、二人の母はお使いを頼みました。
「山を越えたとなり町にお味噌を買ってきてちょうだい」
あまり裕福とは言えない二人の家にとって、味噌は大変な貴重品でした。
というわけで、仲の良い二人は野を越え山を越え味噌を買いに行くことになりました。
- 4 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/03(木) 01:21
- 時は既に夕暮れ、何もない田舎道ですから辺りはひっそり静まりかえっています。
「お姉ちゃん、こわいよう」
「大丈夫よ舞、しっかりあたしの後ろについてくるのよ」
頼もしいお姉さんぶりをみせる舞美に、小さな舞は少しだけ元気を出すことができました。
しかし夕陽の橙色が消えて二人をすっぽりと闇が覆うと、舞はやっぱり心細くなってしまいました。
「お姉ちゃん、やっぱり怖いよう」
- 5 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/03(木) 01:24
- 「舞、暗くなってきたからお姉ちゃんから絶対に離れないでね…あれ?」
舞美が舞だと思って話しかけていたのは、ただのお地蔵さんでした。
ちょうど背格好が似ていたので、舞美には区別がつかなかったのです。
「舞、ちょっと舞どこにいったのー」
そのころ舞は舞美が側にいないことに気づき、必死の形相で暗闇を駆けていました。
「うわああん、おねえちゃんどこー!!」
- 6 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 22:44
- 探せど探せど、姉の姿は見えず。
舞は舞美が好きでした。たまに近所の幼馴染の千聖と一緒に舞美をからかう
ことはありましたが、それでも姉として慕っていたのです。
「おねーちゃあああああん」
舞の声が、空しく山に響きます。
- 7 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 22:49
- その頃舞美は、そ知らぬ顔で用を足していました。
うんこ溜めては戦は出来ない、そう思ったからです。
早飯早糞早小便がモットーの舞美ですから、うんこの射出速度も
尋常ではありません。
あまりの勢いに、地面が大きく抉れてしまいました。
ズドドドドド……
これは地震ではありません。増してや茉麻の寝返りでもありません。
舞美の生が成す交響曲です。
血のなせる業か、舞がその音をいち早く聞き取りました。
「あっ、お姉ちゃんの音だ!!」
- 8 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 22:51
- 舞は音のするほうへ走り出します。
野を越え、小川を飛び越え、小川麻琴を張り倒し走る舞。
姉の姿をひと目見たくて。
その純粋な思いが、二人の姉妹を引き合わせました。
「お姉ちゃん!!」
「舞!どこに行ってたの!!」
二人の目にはうっすらと涙が。
- 9 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 22:54
- 尻を出したまま、舞美も舞のもとへと駆け出します。
そしてようやく感動の再会、と言ったところで舞の姿が消えてしまいました。
「舞!!」
何と、舞は舞美のロケット砲のような排便がもたらしたクレーターに落ちて
しまったのです。舞美が恐る恐る穴の中を覗いてみると、そこには茶色い液
体まみれの妹の姿が。決してスカ○ロビデオではありません。
- 10 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 22:56
- 「おねえちゃーん…」
「何、何、どうしたの舞」
息も絶え絶えの舞に、舞美が問いかけます。
舞美には舞の命は糞まみれの蝋燭、いや風前の灯に思えたのです。
しかし返ってきた反応は予想外のものでした。
「何かこの水、おいしい」
- 11 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 23:12
- 恐ろしいことに、舞はそっちのほうに目覚めてしまったのでしょうか。
いやいや違います。証拠に、舞の表情は朝のすがすがしさを帯びています。
妹の言うことを信じてみよう。
そう思った舞美は、思い切ってその茶色い水を口にします。
「ミソスープ…作る手は、やさしさ…溢れてる!!」
そうです。テゴマスです。
何と舞美のそれは、味噌汁そっくりの味がしたのです。
いや、そっくりなんてもんじゃありません。味噌汁そのものだったんです。
- 12 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 23:15
- 「そうだお姉ちゃん。味噌を買いに行く手間が省けたじゃん」
「?」
まさか。
舞は舞美のうん…いやお味噌そっくりさんを箱に詰めて持って帰る
つもりだったのです。
いくらなんでも自分の母にそんなものを食べさせるわけにはいかな
い、そう言うつもりだった舞美も、半歩歩くとまあいっかと舞に賛
同してしまいました。
- 13 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 23:18
- 「あら二人とも随分早かったじゃない」
驚く母を前に、気まずそうな二人の顔。
味噌を買いに行かずに自前の味噌を箱に詰めたとは言えず、ただもじもじ
しています。そして偶然にも今日の晩御飯はお味噌汁。
「あんたこれ味噌ちゃうやん!ミソもクソも一緒か、メリークソスマス!!」
偽味噌を食わされ激怒する母の顔が思い浮かびました。
しかし。
- 14 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 23:21
- 「うっ、うまい!!」
例の味噌で作った味噌汁を口にした途端、母は悦楽の表情を浮かべたまま
卒倒してしまいました。
これなら海原雄山をも倒せるかもしれない。
舞はやって来るかもしれないビッグビジネスの波に身を震わせます。
その日を境に舞美の尻は金のなる木になりました。
- 15 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 23:21
-
●
- 16 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/06(日) 23:24
- 数年後。
二人はマイマイミーカンパニーという会社を設立、「舞美印の味噌」と称して
例のあの味噌を市場ベースに乗せてしまいます。
最初は限定地域のみでのヒットだったのが、アンアンで紹介されてからはスイ
ーツな行き遅れ女子に大人気、あっという間に年商数億の大企業に成長したの
でした。
- 17 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/07(月) 00:03
- 社長室にて。
バカでかいサングラスをかけて葉巻を吸う舞。
そこへ、産みたての味噌を箱に詰めた舞美が入ってきます。
「舞ー。今日も新鮮なお味噌ができたよー」
「お姉ちゃん、味噌の製造方法はトップシークレットなんだから!」
「ごめんごめん」
「でも貧乏生活から抜け出せてよかったね。こんな会社まで作っちゃって」
「これがほんとの糞食決済、とか言ってw」
- 18 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/07(月) 00:04
- 大
- 19 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/07(月) 00:05
- 晦
- 20 名前:19 おお味噌か 投稿日:2008/01/07(月) 00:05
- 日
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