15 のんちゃんには良い薬だよ
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:26 ID:h0P.h8PE
 
-  15 のんちゃんには良い薬だよ 
 
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:27 ID:h0P.h8PE
 
-  「ほらちょっとお腹が出てきたんだけど見て」 
 そう言ってのんちゃんは私にお腹を見せてくる。 
 2年前くらいもそんなお腹だったよ。もしかして二人目? 
 なんて冗談を言ったらこんこん酷いよ。と言って大笑い。 
 久しぶりに会ったのんちゃんはとても元気そう。 
  
 今ののんちゃんは「たーくん」に夢中みたい。 
 さっきからずっとたーくんの話ばっかりしてる。 
 もうすぐ結婚するのにまるで恋をし始めた頃みたい。 
 私にもいつかそんな人が現れるのかな? 
 1年後、もしかしたら明日だったりして。  
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:28 ID:h0P.h8PE
 
-  のんちゃんと時を忘れて話していたら電話が鳴った。 
 私のじゃない。のんちゃんの電話だ。 
 のんちゃんはまるで早押しクイズみたいに素早く 
 携帯を掴んで話し始めた。もの凄く嬉しそうな顔。 
 焼きソバを目の前にしてもここまで嬉しそうな顔じゃなかった。 
 でもその笑顔は真夏のカキ氷のようにあっと言う間に消えた。 
 のんちゃんは真顔になって口が「なーんだかおりん何?」と動いた。 
  
 のんちゃんがあまり動きたくないと言うので 
 仕方なく私が玄関まで飯田さんを出迎えに行った。 
 正直飯田さんは苦手だ。娘に加入した時からずっと。 
 もう何年前になるだろう。飯田さんが娘を卒業してからは 
 飯田さんが仕事をセーブしている事もあって 
 なかなか一緒に仕事する機会に恵まれなかった。 
 でもまあハロコンであっても挨拶くらいで滅多に話さないけれど。  
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:29 ID:h0P.h8PE
 
-  玄関の鍵を開ける。飯田さんと目が合う。 
 飯田さんの顔から表情が消える。 
 なんで紺野がここに居るのよ。と言いたげな顔だ。 
 私はこんにちはお久しぶりです。と言ったが 
 飯田さんは黙って私の横を抜けて中に入って行った。 
  
 飯田さんとのんちゃんが話をしている。 
 私はもう帰りたくて仕方なかったし飯田さんも 
 帰って欲しそうな顔をしていたけど帰れない。 
 のんちゃんに服の裾を掴まれているからだ。 
 きっと悪い予感がするのだろう。私も十二分に嫌な予感がしていた。 
 目の前の飯田さんは平静を装っているけど妙に挙動不審だ。 
 30分くらい世間話をした頃にのんちゃんが 
 「かおりん、何か用があるんじゃないの?」 
 と言うと「ああ、そう。んとえーと」と話が進まない。 
 ふたりで無言のまま飯田さんを見ていたら観念したのか 
 急に顔を寄せて「悪いけどあれ貸して欲しいんだけど」と小声で呟いた。  
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:29 ID:h0P.h8PE
 
-  のんちゃんと私は顔を見合わせた。 
 あれと言われても何の事だかさっぱりわからない。 
 推測するに最も可能性が高いのはお金だろう。 
 さほど仕事をしていなくて暇な飯田さんの事だ。 
 ホスト遊びにでもハマッて借金でも作ったに違いない。 
 のんちゃんは売れっ子だし気風もいい。 
 100万程度のお金なら無担保で貸してくれるだろう。 
 連帯保証人にくらいなってくれるかも知れない。 
  
 「お願い。のんちゃんなら持ってるだろうと思って」 
 飯田さんがのんちゃんに手を合わせて拝んでいる。 
 のんちゃんはまだ飯田さんが何を求めているか 
 わからないみたいだ。私はこれじゃないの?と言って 
 右手の親指と人差し指で丸を作った。 
 「こんこんわかんないって。もっとヒント」 
 クイズじゃないんだけどな。と思いつつ飯田さんに 
 はっきりと「お金を貸して欲しい」と言わせるのは 
 どうかなと思ったので「ほら財布に入ってる」と言った。 
 のんちゃんはあーあれかと手を叩いた。 
 「ごめんかおりん。のんもたーくんもゴムなんて使わないから」  
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:30 ID:h0P.h8PE
 
-  ちょwww 
 財布にコンドームってのんちゃんwww 
 アイドルとしてさすがにどうかなと思ったので 
 のんちゃんに教育的指導をしようとしたら先に飯田さんが 
 「のんちゃん惜しい」と言った。惜しいのか。 
  
 飯田さんは妊娠検査薬が残ってるなら貸して。と言った。 
 私はまたかと思った。 
 さすがにのんちゃんの時ほどショックはなかったけど 
 飯田さんほど責任感のある人が珍しく仕事がある時期に 
 妊娠したかも知れない状態になっているのには驚いた。 
 「あれ?どこやったっけ?こんこん知ってる?」 
 「確かトイレに置きっぱなしになってたよ」 
 「そうだっけ。ごめん。ちょっと取ってきて」 
 「あ、じゃあおしっこのついでに取ってくるね」  
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:30 ID:h0P.h8PE
 
-  おしっこをしてトイレから戻ってくると 
 飯田さんが神妙な面持ちで椅子に座っていた。 
 私は机に検査薬を置いた。コトンと小さな音が鳴った。 
 私は飯田さんの横に座っておしっこに反応するとか 
 色が赤くなったら陽性だから妊娠してますよ。と説明した。 
 飯田さんに何であんたが知ってんの?と半ギレで言われたけど 
 私にも色々な事情があるんです。と素っ気無く言った。 
 のんちゃんの時に恥ずかしい思いまでしてわざわざこれを買ってきて 
 説明までしてあげたんだから知っていても仕方ない。 
  
 一通り説明すると飯田さんは検査薬を手に立ち上がった。 
 まるで戦地に赴く兵隊さんのような顔だった。 
 のんちゃんはどんな顔をしていたんだっけ? 
 私のほうが緊張していて覚えていない。 
 「あの・・・飯田さん」 
 私が声をかけると飯田さんはギラリとした目でこっちを見た。 
 怖い。怖いけど話始めたからには言うしかない。 
 「あの、もし検査の結果赤だったらどうするんですか?」 
 「もし赤だったら・・・・あかーん」 
 私の顔は青ざめた。  
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:31 ID:h0P.h8PE
 
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- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:31 ID:h0P.h8PE
 
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- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/07/06(金) 21:31 ID:h0P.h8PE
 
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