02　こいのいろ、あいいろ

1 名前：02　こいのいろ、あいいろ 投稿日：2007/06/30(土) 13:20 ID:xgisWCss

02　こいのいろ、あいいろ

2 名前：02　こいのいろ、あいいろ 投稿日：2007/06/30(土) 13:20 ID:xgisWCss

さゆみはね、ピンクが大好きなの。
さゆみはね、ずっと待ってたの。
王子様を、待っていたの。
　
　
２年くらい前に後藤さんから声を掛けられた。
いきなりでびっくりしたけど「ご飯行こう」って言われた。
それから何度か遊びに行って、告白されたの。
　
　
「ごとー、みっちーが好きみたい」
「･･･えっ！？」
「付き合ってよ、ごとーと」
　
　
どこからみても格好良くて、後藤さんは。
ふにゃっと笑った顔が眩しすぎて。
頭の中が白く染まる寸前、さゆみの待ち続けた王子様は･･･。
　
　
「さゆみでよければ･･･」
　
　
後藤さんだと、思ったの。
　
　
　

3 名前：02　こいのいろ、あいいろ 投稿日：2007/06/30(土) 13:21 ID:xgisWCss

後藤さんとお付き合いしてから、さゆみは何か変わった気がした。
後藤さんも最初は優しかった。いつでも会いにきてくれた。
でも３ヶ月過ぎた頃から、後藤さんは王子様じゃなくなったの。
いつだって自由を求めてるみたいで。
そんな後藤さんの瞳に、さゆみが写るわけもなくて。
そんなさゆみが、可愛いわけもなくて。
　
　
「ごめん。ごとー別れたい」
　
　
恋すれば世界はピンクに染まると思ってた。
いつだって幸せ感じて、隣には王子様がいて。
そしてさゆみはどんどん可愛くなるって思ってたの。
みんなに羨ましがられる２人になれる。そう思ってたのに。
　
　
世界は一向にもピンクに染まらないし。
王子様だと思ってた後藤さんは離れていく。
　
　
自由を求める後藤さんに、もう一度、振り向いて欲しくて。
「可愛いね」って言われたくて。
けれど、どんなに頑張っても結局、離れていった後藤さん。
　
　

4 名前：02　こいのいろ、あいいろ 投稿日：2007/06/30(土) 13:21 ID:xgisWCss

　
　
愛が何かも知らずに、知った気でいたの。
　
　

5 名前：02　こいのいろ、あいいろ 投稿日：2007/06/30(土) 13:21 ID:xgisWCss

さゆみはね、ピンクが大好きなの。
さゆみはね、ずっと待ってたの。
だから今日も、待ってるの。
さゆみの本当の王子様を、ずっと待ってるの。
　

6 名前：02 こいのいろ、あいいろ 投稿日：2007/07/01(日) 01:20 ID:erAOtQWo

end