89 やっさもっさ
- 1 名前:やっさもっさ 投稿日:2004/12/28(火) 21:38
- 89 やっさもっさ
- 2 名前:やっさもっさ 投稿日:2004/12/28(火) 21:39
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保田圭の目は希望に輝いていた。
彼女はあるとき悟ったのだ。もうつんくは曲を作ってくれない。
だから、自分で作ればいい。
自給自足に目覚めた保田は、必死にマイパソを弄った。
うたばんでの自らの扱いくらいに弄った。弄って弄って弄りまくり、
「やった・・・」
遂に完成したのだ、完璧な旋律が。感動のメロディーラインが。
100万人を震撼させ、感動の渦を沸き起こす確信と自信が、保田にはあった。
あとはアレンジだけ。
流石にそこまでは出来ない保田は、つんくさんに持ち込むことにした。
そして今、保田はつんくさんのスタジオの目の前にいる。
「行くわよ・・・」
ノックする手が震えている。
こんこん、静かに2回ドアを叩く。
そして手をかけようとしたそのとき、強く鋭い風が保田の顔面を襲った。
「グアァァ!!!」
ホラー映画の化け物さえも尻尾を巻いて逃げ出しそうな悲鳴を上げた保田は、
開くドアの直撃を食らった鼻を抑えて蹲った。
「話にならねぇ!!ユニットもダメかよ!!」
ドアを開けた犯人は、不機嫌そうに図がずがと早足で去っていく。
保田はティッシュを鼻の穴に突っ込むと、部屋の中に入った。
- 3 名前:やっさもっさ 投稿日:2004/12/28(火) 21:40
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半年後、もうすっかり見る側に回ってしまったポップジャム。
ワインを楽しみながら眺めていると、そこに松浦亜弥が新曲を披露すべく登場した。
どんな曲なんだろう。
保田は欠伸をしながら画面に目をやる。しかし松浦が歌いだした瞬間、
保田は自分の耳を疑った。
まさか。
保田は思わずマイパソを起動させ、自分の作った曲と聴き比べた。
答えはすぐに出た。
「あの野郎・・・。」
しかし、保田の精神を更に逆撫でするように、腐れプロデューサーが曲の解説を始めた。
まるで自分の曲のように語る腐れプロデューサー。
「ホンマいい曲なんで、是非たくさんの人達に聞いてもらいたい。」
そう言い切る姿を確認すると、保田は思わずボトルをテレビ画面へと投げつけた。
- 4 名前:やっさもっさ 投稿日:2004/12/28(火) 21:41
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保田が作った腐れプロデューサー名義の曲は、大ヒットを記録した。
衰退を続けていたハロプロに明るい話題を与え、ハロプロ全体の勢いをも取り戻させた。
世間の目が再び向き始めた。
この状況に、保田が我慢できるはずがなかった。
保田は電車で最寄り駅まで向かうと、ダッシュで徒歩20分の道を行った。
砕けたワインボトルを手に、スタジオへと突っ込む。
「何パクってんのよ!!!!」
腐れはなんでもない顔で笑った。
「すてきだな、と思って。」
「そんなこと言って通用すると思ってんの!!」
「なっち通用してへんもんなぁ。」
「感心するな!!!」
興奮しきった保田に、腐れはまあ座れや、と椅子にかけさせると、
真顔ではっきりと言った。
「お前の曲は俺が作ったるって。」
「・・・つんくさん・・・。」
つんくさんは優しい笑顔をみせた。
- 5 名前:やっさもっさ 投稿日:2004/12/28(火) 21:41
- 半年後。
- 6 名前:やっさもっさ 投稿日:2004/12/28(火) 21:42
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プルプルと体を震わせながら、必死にアイドルスマイルを浮かべる一人の女。
「(野郎殺す・・・。)」
そしてその横にはすごく嬉しそうな顔をする女が立っていた。
「それでは保田圭さん藤本美貴さんによる新ユニット
『やっさもっさ』によるデビュー曲、『老婆と娘のデュエットソング』です。どうぞ。」
大きな拍手に包まれながら、藤本美貴は静かに舌打ちした。
- 7 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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