80 腕枕

1 名前:80 腕枕 投稿日:2004/12/28(火) 16:30
80 腕枕
2 名前:80 腕枕 投稿日:2004/12/28(火) 16:31

亜弥ちゃんの彼氏をめっきりTVで見なくなったなぁと思いはじめた頃、
あたしはその彼氏がなんか事故にあったってことを人伝に知った。


数日後、亜弥ちゃんの家に泊まりにいった時に
彼氏、大丈夫なの?と聞いてみると彼女は、別れたから知らない、と肩を竦めた。
別れたの?あたしは思わず聞き返していた。
亜弥ちゃんは今までとは違ってその彼には結構真剣だったように見えたから、
いや、結構じゃなくてかなり。結婚視野に入れてるくらい真剣に見えたから
そう簡単に彼と別れるなんてありえないように思えたのだ。

浮気されたから別れたの、亜弥ちゃんはもうその話はしたくないというように
ぶっきらに言ってあたしを軽く睨みつけた。
あたしはまずいことを聞いてしまったのだと気づいて
慌てて亜弥ちゃんに、ゴメンねと頭を下げた。
3 名前:80 腕枕 投稿日:2004/12/28(火) 16:31

気まずくなったのはその一瞬だけで、それからはいつものように
ご飯を食べて、お風呂に入って、TVを見て――本当にいつも通り。
夜が更けてもソファに並んでくだらない話なんかして笑いも尽きることがなかった。
あたしは、にこにこ笑う亜弥ちゃんを見ながら安心していた。
彼氏のことはもう後を引いてないんだなって、その笑顔を見ていて思えたから。

暫くして彼女が眠たげに目を擦り始めたので、そろそろ寝ようか、とあたしは言った。
亜弥ちゃんは頷いたけれど、なにかすることでもあるのか
先にベッド行ってて、とあたしに言うとキッチンに引き返した。
あたしは少し不思議に思いながらも言われたとおりに先にベッドに潜り込む。
いい加減眠かったけれど、あたしは亜弥ちゃんが来るのをベッドの中でうとうとしながら待った。
4 名前:80 腕枕 投稿日:2004/12/28(火) 16:32

亜弥ちゃんはすぐに寝室に入ってきた。
なにしてたの?、とあたしは顔を少し持ち上げながら彼女に聞いてみる。
答えよりも先に亜弥ちゃんは部屋の電気を消した。
亜弥ちゃんはなにかを手に持っていたようだったけれど、急に薄暗くなったせいでよく分からなかった。
部屋にある光源はベッドサイドの淡いスタンドライドだけであたしは段々眠くなってくる。
それでも、なにしてたの?と、あたしはもう一回聞いてみた。
けれど、亜弥ちゃんはやっぱり答えず、
なにかを隠すように手を後ろに回したままベッドに近づいてくる。
…なに隠してんの?眠気と戦いながらむにゃむにゃ聞くあたしに
亜弥ちゃんは微笑を浮かべて応えるだけで、
終いにはベッドサイドの淡いスタンドライトまで消して部屋を真っ暗にしてしまった。
5 名前:80 腕枕 投稿日:2004/12/28(火) 16:33

もぞもぞと布団が動く。隣に亜弥ちゃん。
隠し持っていた何かは見当たらない。

おやすみ、亜弥ちゃんが普通の調子で言う。
一体なんだったんだと首を捻りながらあたしは
横目で亜弥ちゃんを見ながらおやすみ、と返す。
ん?一瞬の視界にふと妙な違和感を覚えた。
なにがおかしいのかは考えてすぐに分かる。
彼女が頭の下に敷いている物。
前は無駄にもこもことしていて彼女の頭が埋もれて見えたほどだったのに。
今は、彼女の頭が埋もれることなく枕に乗っかっていた。
なんだくだらない。
違和感の正体が分かってあたしは無性に眠くなった。

亜弥ちゃん、枕変えたんだね。欠伸交じりに声をかけると
うん、腕枕、と亜弥ちゃんは笑ってその逞しい腕枕をうっとりと撫でた。
腕枕なんて変なの、あたしも笑ってそれに手を伸ばしてみる。
それは枕にしては妙に細長く、ごつごつとしているようだった。
6 名前:80 腕枕 投稿日:2004/12/28(火) 16:33

そういや、亜弥ちゃんの彼氏って事故でどうなったんだろう?
7 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
このスレッドは最大記事数を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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