79 カンバス

1 名前:79 カンバス 投稿日:2004/12/28(火) 16:22
79 カンバス
2 名前:79 カンバス 投稿日:2004/12/28(火) 16:22
79 カンバス
3 名前:79 カンバス 投稿日:2004/12/28(火) 16:23


すとん。絵筆を落とす。
すとんすとんとんとんとん
少しずつ形になる絵。


三時間もカンバスに向かうと、だいぶ出来上がりに近くなった。
一度見たような、広い草原に一本の真直ぐな道があるだけの絵。


少しだけ休憩をとろうと、傍らに置いていたジュースに手を伸ばす。
そうしてぼんやりと絵を眺めると、なんかこれを壁にかけたら窓みたいだと思う。


4 名前:79 カンバス 投稿日:2004/12/28(火) 16:24



青い風の匂い。咽返る様な草の匂い。
名前も知らない花が揺れてる。
それはどこか懐かしい風景。




5 名前:79 カンバス 投稿日:2004/12/28(火) 16:24




急に私はその絵の中の一本道に強く惹かれた。
不思議なほど唐突に。
この道を歩いて見たいと思った。そしてその先に何があるのか見届けてみたい。

斜陽が窓から入り、カンバスを赤く染め上げていた。

風の合図が聞こえた。
なんのだかは分からなかったが、それは確かに合図だった。



6 名前:79 カンバス 投稿日:2004/12/28(火) 16:25



私は居た。
私がずっと描いてた、私にとってだけの現実の世界に。
草原と果てしない一本道の。



そっと、酷く曖昧で確かな一歩を踏み出す。
こわれそうな世界の綱渡り。




風が吹いた。
キャンバスには少女の後姿が付け足されていた。

Fin.
7 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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