73 トらマてィっク・すトらテじー
- 1 名前:73 トらマてィっク・すトらテじー 投稿日:2004/12/28(火) 02:27
- 73 トらマてィっク・すトらテじー
- 2 名前:73 トらマてィっク・すトらテじー 投稿日:2004/12/28(火) 03:13
- 痛いことを消すってどういうことなの。
おかしい。
やっぱり痛い。いくらやっても痛い。
こんなにやってるのに何で痛いの?
痛いのが消えるって言ってたんじゃないの?
嘘だったの。騙されたの。
また痛いの。それはやっぱり痛いの。
でもやめないでほしいの。
ずっとずーっと長くやってたらその痛みはいつか消えるから。
消えるというか気持ちよくなるの。
それは痛いことをなくすっていうこととは違うの。
でもやっぱり気持ちいいの。
だからなっちはこうやるの。
- 3 名前:73 トらマてィっク・すトらテじー 投稿日:2004/12/28(火) 03:14
- 「完成しました。」
紺野が持ってきたそれはどす黒い血みたいな色だった。
「じゃぁそれ、なっちの中にいれて。」
「はい。」
言うとおりに動く紺野。
形のいいどす黒いものが安倍に押し付けられる。
痛い。凄く痛い。
やっぱりまだ痛い。いつまでも消えない。
やがて、紺野の手首まですっぽり入ってしまった。
安倍は身体を仰け反らせている。
そして今にも千切れるというほど大きく口を開けた後、気絶したように震えが止まった。
目がうつろに天井を仰ぐ。
快感の域に入ったようだ。
紺野が手を抜いた。
安倍の胸元には穴が開いていた。
そこに先ほどのどす黒いものが錘のように置かれている。
裂かれた肉体の端々からは緑色の生命体が活動していた。
うようよとその数を増していく。
紺野はその塊をとって口に放り込み、噛み砕いた。
肉がはじける音がする。
その音を聞いて、安倍が目を覚ました。
緑色の生命体はどす黒いものに集まり、一気にそれを食い尽くした。
安倍はその様子を凝視しながら息を荒げた。
紺野はそんな安倍の身体に馬乗りになった。
そして、胸に抱きついた。
- 4 名前:73 トらマてィっク・すトらテじー 投稿日:2004/12/28(火) 03:14
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「ねぇ紺野。やっぱりなっち、まだ痛いんだけど。」
白衣姿の紺野に近寄り、上目遣いになる。
「分かってますよ。でも痛みを消すことなんて容易い事じゃないんですから。」
「でもなっち、毎日痛いのちょっと嫌だな。」
「最後は気持ちいいんでしょ。ならいいじゃないですか。」
「でもなっち、それまでが痛くていつかなっちの体おかしくなっちゃうんじゃないかって思うの。それくらい痛くて、痛いの。」
「分かってますから。今私が努力してその痛みを消そうと頑張ってるんですよ。邪魔しないで下さいよ。」
「でも紺野。なっちわかんない。なっち一体なんで痛いの?」
どでかい黒い石の写真を眺めていた紺野が、振り返った。
「傷です。今までに蓄積されてきた傷が手遅れってところまでにきてるんです。
でも、その手遅れを手遅れじゃないようにさせるのが私の仕事ですよ。知ってますよね。
安倍さんは今までどれだけひどい環境にいたか分かりますか?分かるはずないですよね。
その傷をまともに見れたら、痛いなんて感じないんですから。
今更こんな事あなたに話しても時間の無駄ですよ。
さぁ、痛いのを消したいなら私の邪魔をしないで下さい。」
紺野は安倍を部屋から追い出し、安倍の部屋へ連れ戻した。鍵のかかる音がする。
安倍は不思議そうにこちらを見てから、いつものように甲高い声で叫んだ。
- 5 名前:73 トらマてィっク・すトらテじー 投稿日:2004/12/28(火) 03:15
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その日、紺野は高橋と密会した。
安倍の現段階での痛み状況などを報告。やはり完全復帰には程遠いことを伝えた。
高橋は仲間の中でも特に安倍にひどい傷を負わせていた。
知らないうちに安倍の傷は消せないものになっていた。
意外にも、それにいち早く気づいたのは高橋だった。高橋は反省した。
そして紺野と共に安倍の回復を試みた。
仲間には紺野は活動を暫く休止すると伝えておいた。
だがおかしな事に、その時から他のメンバーも次々と休止宣言をしていっては姿を消していった。
だけどまだ何人かは残っているし、高橋はその事をそこまで気に留めていなかった。
「痛いの。なっち痛いの。まだ痛いの。ずっと痛いの。」
「はいはい。分かってますよ。今私が治してあげますよ。」
紺野はそういって今度は小さな穴がたくさんあいた石を持ってきて、安倍の中にいれた。
安倍はまた激しく仰け反りかえる。
同時にその穴から沢山のヒルのようなミミズのようなものが出てきて、あっという間に安倍の体を覆いつくした。
「い…た、ま、だ、ま…だ、い…た…」
「まだ痛いの?でもそれはいつか快感に変わるんでしょう?だからそれまで我慢してないとだめですよ。」
そしてまた、安倍の顔がうつろに天井を見上げるのを待ち、紺野はその上に馬乗りになり、抱きついた。
一通り満足した後、紺野は安倍の部屋を出た。安倍の部屋の周りにはいくつものドアがあった。
それぞれ名札のようなものがついてある。紺野は安倍の部屋の鍵を閉めてから、歯を見せて微笑み、目を見開いた。
- 6 名前:73 トらマてィっク・すトらテじー 投稿日:2004/12/28(火) 03:16
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痛いの…まだ消えないの…痛いの…イタイの…イ、タ、イの…。
次の日もそして次の日も安倍の訴えだけが空しく宙に舞った。
「どうやったら痛みが消えるの?なっちの痛みは消えないの?ずっと消えないの?」
安倍の回復を試みてから、大分月日が経っていた。
だが、室内ではまた同じ会話が繰り返されていた。
そしていつものように仰け反る安倍。やがてそれは快感の表情に変わった。
そしてまたいつもと同じように、紺野がその上に乗ろうと、席を立ち上がる。
バンっ。
その時、ドアが開いた。そこには高橋が立っていた。
紺野が振り返ると、こちらを驚いたように見つめていた。
「え…、あさ美…ちゃん…?」
高橋は呆然とこちらを見つめてからすぐに目をそらし、口元を押さえた。
「この…臭い…。あ、あさ美ちゃん、それ…。」
高橋が顔を上げた時には、紺野は目の前に来ていた。そして尖った物を振りかざしていた。
高橋が最後に見たものは、ぐちゃぐちゃに潰されほとんど原型を留めていない、安倍のミイラだった。
その後、メンバーの姿を見たものは誰もいない。
- 7 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
- このスレッドは最大記事数を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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