64 ティッシュペーパー
- 1 名前:64 ティッシュペーパー 投稿日:2004/12/27(月) 15:12
- 64 ティッシュペーパー
- 2 名前:64 ティッシュペーパー 投稿日:2004/12/27(月) 15:12
- ずずっ、ずずっ。
藤本が鼻をすすっていると、道重がとことことやってきて、「藤本さんって、いっつも鼻炎気味ですよね」と言った。
「そんなこといいからさ、ティッシュ持ってない? ティッシュ」
「え、持ってないですよ」
「はぁ? なんで持ってないの? 乙女の嗜みでしょ? ハンカチとティッシュは常識じゃん!」
藤本は思わず声を荒げる。ずるずるっ。
「ハンカチはともかく、わたしにはティッシュ必要ないんですもん。それにそんなこと言うぐらいだったら、
何で藤本さんは持ってないんですか」
「美貴? 美貴は持ってるけど、ティッシュないと取り出せないんだもん」
「……へ?」
意味が分からず、道重が頭の上にクエスチョンマークを何個も浮べていると、石川がやって来た。
「いつも言ってるけどさ、少しぐらい残しといたらどうなの?」
「それだと最後の一かみだけ物足りなくなっちゃうじゃんか。それより、早くティッシュちょうだいよティッシュ」ずるずる。
はいはいと石川はポケットからティッシュを取り出した。
「さっすが梨華ちゃん。どうもありがと」
「どういたしまして」
ちーんとかむ。すると藤本の鼻からポケットティッシュが出てきた。もぞもぞ。もぞもぞ。
藤本は鼻から出てきたポケットティッシュをぷちぷちと開け、ティッシュペーパーを数枚取り出すと、
それで鼻をちーんとかんだ。もう一回ちーん。もう一回ちーん。
あまりのことに唖然とする道重。びっくりしたでしょと石川が話し掛ける。
「美貴ちゃんね、鼻詰まりのまだ軽いほうの穴にポケットティッシュ入れてるんだよ。おかしいでしょ?」
ゲラゲラと笑う石川。阿呆みたいに笑う石川。
「あ、なくなった」ずるずる。
「だから、ちゃんと考えて使おうよ。はい」
「ありがと」
ちーん。
もぞもぞ。
ちーん。ちーん。ちーん。
「梨華ちゃん」ずるずる。
「はいはい」
ちーん。
もぞもぞ。
ちーん。ちーん。ちーん。
もういいや、どっちも変な人。道重は手鼻をちーんとかむと、亀井の元へ走っていった。
- 3 名前:64 ティッシュペーパー 投稿日:2004/12/27(月) 15:12
- ちーん
- 4 名前:64 ティッシュペーパー 投稿日:2004/12/27(月) 15:13
- ちーん
- 5 名前:64 ティッシュペーパー 投稿日:2004/12/27(月) 15:13
- ちーん
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