太陽が沈むとき

1 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:13

48 太陽が沈むとき
2 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:17
◇────あのときのこと、忘れないよ。


『ねえ、たん。今日の夕陽が沈みきったとき、あたし、死ぬんだって』


嘘だと思ってた。
ペダルをこぐたび、地面に滴り落ちる汗。
あたしは今、ものすごい勢いで自転車をこいでいる。
途中、きっつい上り坂があって死にそうになった。顔が真っ赤になって、喉が締め付けられるような気持ちになる。
それでも、のぼりきった。
その後、緩やかな下り坂がある。
吹き抜ける風が、あたしの真っ赤に火照った身体を、乱暴に撫でるようにして冷やしてくれた。
行き急ぐあたしの顔を、すれ違った四十台ぐらいのおじさんがじろじろ見ていて戻ってぶっとばしたい気持ちになったけど、
今はとてもそんな余裕はなく、しかたなく我慢してやった。
3 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:17
『たん、みきたん』

風をきる音と共に耳に響いて離れない、あやちゃんの声。

『今日の夕陽が沈みきったとき、あたし───』

────プップー

「うわあぁぁっ!!」

しまった!
すぐさま、そんな言葉が頭に浮かぶ。
はっと我にかえったときには、もう遅かった。
油断したあたしは、反対側からやってくる車に気づかずぶつかりそうになり、
それを避けようとして自転車ごと倒れてしまった。
世界が傾いてしまったような、そんな気がした。
まあ、実際傾いてんのはあたしだけど。

「いったあ・・・」

ひざ小僧と手のひらを擦りむいてしまった。
ちくちくと刺すような痛みを我慢して、また立ち上がろうとしたとき

「ばかやろう!!」

なんとか避けた車の運転手に罵声を浴びせられた。
言い返そうとキッと睨んで顔を上げたときには、その車はもう小さくなっていた。

バカはどっちだ、バカは!!

あたしはこんなに・・・こんな気持ちでいるのに。
あたしはこんなに、こんなに頑張ってるのに。
アンタなんかに、何が分かるの。
ばかやろう、と怒ることしかできないアンタに、何がっ・・・・。

悔しさでこぼれそうになる涙をぬぐって、あたしはまた自転車にまたがる。

うじうじしている場合じゃないや。
あたしにはやるべきことがあるんだ。
それをしなきゃ、藤本美貴は一生後悔するんだ。

あたしは力いっぱいペダルをこぐ。

足に力をこめるたび、さっき擦りむいたところや脹脛がじんじん痛んだけど、気にしてられなかった。
4 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:18
        ◇

あたしがあやちゃんと出会ったのは、公園でのことだった。
ひとりでシーソーに乗っていたあたしに、女の子が声を掛けてきた。

「いっしょに、ぎっこんばったんしようよ」

あたしは真っ赤な顔で頷いた。

        ◇ 


『あたし、死ぬんだって───』

またあやちゃんの声がする。
電話ごしで、ちっとも躊躇うことなくいつものテンションで、あやちゃんは確かにそう言った。
あたしは何がなんだか分からずに言葉を失って、ただその場に突っ立っていた。
遠くから昼食を知らせる、お母さんの声がした。
わかった、お母さんにそう返事をしようとして少し耳から受話器を遠ざけようとしたとき、電話の向こうから声がした。
少し、震えているような気がした。

『ばいばい、みきたん』

その言葉を残して、彼女は一方的に電話を切った。
嫌な予感がして、彼女の声が震えていたのは、きっと気のせいなんかじゃないのだと思った。
あたしはしばらく、呆然とその場に立ち尽くしていた。
受話器を持つ手が震えて、自分でも止められなかった。

───次は、・・・次はあやちゃんの番なんだ。

もう一度、苛立ったように自分を呼ぶお母さんの声を合図に、あたしは弾かれたように外へ飛び出した。
お母さんが後ろで何か言っていたような気がしたけど、無視した。
あやちゃんも電話越しで震えていたのかな?
そう思うと、胸が熱くなった。
あやちゃんに会ったら「勝手に電話切るな」ってぶってやる。ぶってやるんだ。
人に心配させて。
あたしはこんなに、こんなに君のことが─────。

「うっわぁ!!」

がしゃん

またこけた。

もう!なんでこんなときに限って・・・・。
焦りと自分に対する怒りで、心の中はもうめちゃくちゃだった。
なんでこうなるのかと、悔しさでまた涙が出た。
焦りが余計に涙腺を緩ませた。

はやくあやちゃんに会いにいかなきゃ。
じゃないとあやちゃんが・・・あやちゃんが────。

「あやちゃんが死んじゃうよお〜!!」

心の中で叫んだはずの言葉が、開いた口から発せられた。
思ったより大きな声が出て、自分でもびっくりした。
黒いランドセルを背負った餓鬼ども四、五人が、こっちをちらちら見て、クスクスと笑っている。

あとで、てめーら全員残らずぶっ飛ばすから、よろしく。

眼力でそう伝えてやると、餓鬼どもは小さな悲鳴を上げて走り去った。
お前らなんかに、あたしの気持ちがわかってたまるか。
あたしは────あたしは・・・。

『美貴。お姉ちゃんはね────』

・・・子供なんかに、わかるもんか!
5 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:19
あたしは気を取り直して、自転車にまたがる。
ハンドルを握ったとき、左腕の腕時計に目をやる。
お気に入りの腕時計だったけど、転んだせいで画面が少し傷ついていた。
でも、今はそんなのどうでもよかった。
デジタル式の腕時計はPM1:00を示していた。

夕陽が完全に沈むのはたぶん早ければ6時、遅ければ7時。
あやちゃんと過ごせる時間は、あと五時間くらいしかないんだ。
また泣きそうになって、あたしはぶんぶん首を横に振って、再びペダルをこぐ。
額の汗を拭わなかったせいで、汗が目に入って目が痛かった。

もう少し、あやちゃんの家までもう少し。
タクシーをつかえば、もっと早く会えるのに。
もっともっと、ずっとずっと早く会えるのに。
でも、パニックになっていたあたしは、そんなこと全く思いつかなくて。
ただ、バカみたく汗だくになって自転車をこいでいた。

『みきたん、ずっと一緒だよ?』

「ばかやろうっ」

あやちゃんに会えたら、やっぱり最初にそう言おうと思った。

もう少し、もう少し。
あの角を曲がってすぐに目に入る赤い屋根が、あやちゃんの家。
あの角を曲がれば、あたしはあやちゃんに会えるんだ。
だからさ、もう少し、もう少し。
早くペダルこがせてよ。早くペダルこいでよ。
あたしの身体。
もっとしっかりがんばりなよ。
藤本美貴。
6 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:19
角を曲がって、自転車をそのまま乗り捨てて、あたしはすぐ目に入った赤い屋根の家の前に立つ。
頭がくら〜っとして、よろめきそうになったけど、なんとか踏ん張って壁にもたれるようにして
インターホンを2、3回鳴らす。

「・・・っはぁ、はぁっ。あやちゃん!あやちゃん!!」

自分では大きな声を出したつもりだったのに、実際は小さな掠れた声しか出なかった。
首筋や背中をつーっと流れる汗。
最初こそは、しょっちゅう拭ったりしていたが、今はもう気にならなくなった。
ドアの向こうから、バタバタという慌てたような足音が聞こえる。
ガチャっと鍵が開く音がして、扉が開かれた。

「み、みきたん!!」

重い頭を持ち上げて、半分閉じかけている目を声がしたほうに向ける。
目を丸くして驚くあやちゃんの姿が見えて、身体の力が、すぅーっとぬけていくのを感じた。

「みきたん・・・大丈夫!?」

心配そうに駆け寄ってくるあやちゃんの顔を見て、あたしはやっと安心して。
口を開いて出たのは言葉ではなく、心の底から湧き上がってきた、ため息だった。
ばかやろうって、本当は言うつもりだったのに。
その後、「勝手に電話切るな」そう言って、ぶん殴ってやるつもりだったのに。
いざ目の前にすると、そんな気は全然起きなくて。
今のあたしの胸を支配するのは、焦りでも怒りでもなく、とても柔らかなあたたかい感情だった。
安心したらさっきまで、ぐっと我慢していた涙が、堰を切ったように溢れ出してきた。

────間に合った、間に合った。

繰り返すたび、小さな胸が震えた。
7 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:20
「・・・はぁっ、あやちゃ、んっ・・・よ、よかったぁ〜」

「み、みきたん?」

「うっぐ・・よかった、よかったよお〜!!」

涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、あたしはその場にしゃがみこんで立てなくなってしまった。
身体に力が入らなかった。
あやちゃんは目を大きく見開いて、戸惑いながらもあたしの目の前にしゃがみこんで、頭を撫でてくれた。

「よしよし」

「うっ・・・ぐっ」

「もう大丈夫だよ、みきたん。がんばったね、ありがとう」

柔らかな、甘く包み込むようなあやちゃんの声。
あたしはそれを聞きながら、ただ情けなく嗚咽を漏らすことしか、できなかった。
耳元で何かを呟いている彼女の声を、一言も聞き漏らさないように注意しながら耳を傾ける。
今のあたしには、彼女が大事で大事で仕方がなかった。
あやちゃんの何気ない一言も、触れた身体のぬくもりも。
あたしには大事で大事でしょうがなかった。

◇───覚えてるよ?まだ、覚えてる。鼻をくすぐる君の甘いにおいも。  
    覚えてるよ?耳に焼き付いて離れない、明るく、甘い声の裏に隠された君の、悲しい感情も。
    覚えてる、覚えている。

 
「みきたん、海行こっか」                      
                                
────全部、覚えている。
8 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:21
◇◇◇

『───生きるためには、犠牲が必要なんだよ』

『・・・ぎ・せい?』

『そうだよ。・・・美貴にも、いつかわかる日がくるよ』

『ふうん。お姉ちゃんみたいにおっきくなれば、美貴にもいつか、お姉ちゃんの言葉の意味、わかるかな?』

『・・・・・うん。きっとわかるよ』

『本当に?美貴、はやくおっきくなるね?そしたら、みんなと泣いたり、怒ったりできるんだ』

あの日、みんなが泣いていたのに、あたしはみんなと一緒に泣けなかった。
みんなが「どうしてこんな目に遭うんだ」と怒っているとき、あたしはみんなと一緒に怒れなかった。
あたしは何にも知らなかった。
あたしだけ、・・・何も知らなかった。

◇◇◇

「うわあっ〜!たん、涼しいね!!」

「まだまだあっ!!スピードあげるよ!!」

「ふぅっ!!きっもちいぃ〜!!」

乗り捨てた自転車に二人またがって、海への道のりを急ぐ。
あたしが前で自転車をこいで、あやちゃんは後ろに乗ってあたしの腰にしっかり手を回す。
なんとなく、それがくすぐったくて、少し身体が熱くなった。
自転車を夢中になってこぐあたしの後ろで、あやちゃんが「もっとはやく!!」と声を上げる。
あたしも調子に乗って、どんどんスピードをあげる。
あやちゃんは嬉しそうに歓声を上げて、あたしも叫びながら自転車をこいでいたけど、
時間が経ち、海に近づいていくたびに、だんだん口数が減っていった。
なんとなく気まずい雰囲気になって、それを誤魔化すようにして、あたしは自転車をこぐことに専念する。
そんなあたしの腰に回されたあやちゃんの手に、ぐっと力が入るのが分かった。

「あやちゃん?」

返事はなかった。
その後、背中に顔をぴったりとくっつけられて、そのぬくもりが胸を熱くさせた。
言葉は要らない。
そんな気がして、あたしは何も言えずに、ただ自転車をこぐことしかできなかった。
ただひたすら、・・・淋しかった。

◇───『淋しい』という字の中で、どうして二本の木が寄り添って泣いているのか、なんとなくわかった気がしたんだよ。
     君と出会って、そして君がいなくなって、ようやくわかったんだよ。
9 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:21
◇◇◇

大人になるということは、大人に近づくということは、素晴らしいことだと思っていた。
あの日、お姉ちゃんがいなくなった日。
普段から怒鳴ってばかりで、『フランダースの犬』の最終回を見ても全然泣かなかったお父さんが、泣いた。
お父さんが泣いたところを、あたしはあの日、はじめて見た。
お母さんも泣いていた。
お姉ちゃんとケンカばっかしてて、あたしを泣かしてばかりいたお兄ちゃんも、顔を伏せて泣いていた。
あたしにはわからなかった。
なんで泣いているのか、何が悲しいのか。
まだ幼かったあたしにはわからなかったから、悔しかった。
自分だけ、置いてけぼりにされた気分になった。
あたしはみんなと一緒に泣けなかった。
お姉ちゃんは帰ってくるって、信じてたから。

お姉ちゃんは、帰ってこなかった。
またお姉ちゃんに公園に連れてってもらおう。
一緒にぎっこんばったんしよう。ブランコ二人乗りしよう。
そう思って、自分のお気に入りだった靴を並べて玄関に腰をおろして、ずっとお姉ちゃんを待っていた。
あたしの靴の隣には、いつもお姉ちゃんが靴を置く場所だと決めていた。
それを言ったら、お姉ちゃんは笑っていた。
あたしはお姉ちゃんが大好きだった。
お兄ちゃんにいじめられているとき、助けてくれたのはいつも、お姉ちゃんだった。
我侭だったあたしを叱ってくれたのもお姉ちゃんだった。
あたしはお姉ちゃんが大好きだった。
だからずっと、お姉ちゃんの帰りを待っていた。
ご飯の時間になっても、変わらずずっと、ずっと────。
10 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:22
─────お姉ちゃんは二度と、帰ってこなかった。

玄関に並べたあたしの靴の隣りに、お姉ちゃんの靴が並ぶことは、もう二度とないんだ。
泣きながらそう言うと、お兄ちゃんは泣きそうな顔をして、あたしを抱きしめてくれた。

「ごめん、ごめんな?」

あたしをしょっちゅういじめたから謝ったのか、それとも何も教えなかったから謝ったのか、わからなかった。
でもきっと、両方な気がした。
お兄ちゃんは、その日からあたしをいじめなくなった。
お兄ちゃんはお姉ちゃんのように、あたしに優しくなった。

やがて、お姉ちゃんがいない毎日が普通になった。
あの日のお姉ちゃんの年に、あと四年ほどで近づくとき、あたしは嫌な噂話を耳にした。
おかしいと思ったんだ。
だって学校のクラスの子が、少しずつ減っていくんだもん。
おかしいと思ったんだ。何で今まで、気づかなかったんだろう。

『ねえ、知ってる?この島にはさ────』

家に帰って、息を切らしながら、お母さんに噂のことを話した。
お母さんは悲しそうに目を伏せて、あたしに真実を話した。

『この島には、犠牲が必要なのよ────』

───ねえ、知ってる?この島にはさ“生贄”が必要なんだって。
   それを無視したとき、この島は消えてなくなっちゃうらしいよ。

───その生贄って、どうやって決めるの?

───村長がね、島の声を聞くことができるんだって。
   それを聞いて次の生贄を決めるんだって。
11 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:22
昔、絶対帰ってくると信じていたお姉ちゃんも、もう帰ってこない。
やっと気づいた。ようやく理解できた。

───お姉ちゃんは、いなくなったクラスの前の席にすわっていた男の子は・・・。

   あたしの周りでいなくなった人たちはみんな、みんな────。



その夜は、小さな身体が震えて、なかなか眠りにつけなかった。
12 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:23
◇◇◇

◇───人生がすばらしいなんて、嘘だと思ってた。   
    誰かの死をもって生きるこの島やあたしは、なんて醜いのだろうって思ってた。

「一週間前、村長に言われちゃったんだ。『次は君の番だよ』って」

「・・・・・」

海の砂浜に置かれていた丸太に腰をおろして、青い海を見つめながら、あやちゃんが言う。
そのすぐ横に、あたしも腰をおろした。

「怖くて泣いちゃった。お父さんとお母さんにはなかなか言い出せなくて、宣告されて二日経ってやっと言えたんだ」

「・・・・・」

「なんですぐ言ってくれなかったって、怒られちゃった」

あやちゃんのお父さんとお母さんの気持ちが、よくわかった。
あたしなんて、当日言われたんだ。
心の準備なんて、全くできていない。
あやちゃんの顔は笑っていたけど、身体は少し小さく震えていた。
『死』というものに直面するには、その身体はあまりにも小さすぎる気がした。
何かを言うべきだったかもしれない。
何か優しい言葉をかけてやるべきだったかもしれない。
でも、気持ちばかりが焦って、あたしは何もかけてやる言葉が思いつかなかった。
こういうとき、なんて言ったらいいんだろう?
あやちゃんはこんな近くにいるのに、あたしは何もわかってやれない。
お姉ちゃんなら、わかるのかな?
ふと、お姉ちゃんのことを思い出した。
13 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:23
『お姉ちゃん・・・帰ってくるんでしょ?』

『・・・うん。いつでもそばにいるよ』

『・・・?』

『じゃあ、行って来るよ。さよなら、美貴』

『・・・バイバイ、お姉ちゃん。またね』

「またね」
その言葉を聞いたとき、お姉ちゃんはどんな気持ちになっただろう?
あの日のお姉ちゃんの年になって、あたしは後悔した。
「またね」
何も考えずに口にしたその言葉の重さが、あの日のちっぽけなあたしには、全然わかってなかったんだ。

『美貴。もしお姉ちゃんの言葉の意味がわかったとき、そのときは───』

『────強く生きなさい』

『自分に負けちゃだめだよ?』

『お父さん、お母さん、お兄ちゃんのこと───頼んだよ』

お姉ちゃん、あたしは大きくなりました。
あの日のお姉ちゃんの言葉、やっと理解できるようになりました。
お姉ちゃん。
あたし、もうお姉ちゃんの年、そろそろ越しちゃうよ?
あたしの方が、お姉さんになっちゃったりして。
ふふふ、冗談だよ。お姉ちゃんはいつも────。

『────美貴』

美貴のお姉ちゃんだからさ。
藤本美貴の、美貴だけのたった一人の『お姉ちゃん』だからさ。
だから、心配しなくていいよ。
あたしの中には、いつもお姉ちゃんがいるんだ。
覚えてるよ。お姉ちゃんのこと。
14 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:24
「よいしょ」

隣に座っていたあやちゃんが立ち上がる。
我にかえったあたしは、慌てて顔を上げた。
あやちゃんは何も言えずにいるあたしに微笑んで、ゆっくり手を差し伸べた。

「一緒に遊んでよ、みきたん」

その笑顔に少し見とれてから、あたしは慌ててその手をとった。

「───うん」

あやちゃんがあたしの手をひっぱって、立ち上がるのを手伝ってくれた。

「あそぼっか!?」

「決まり!じゃあ、海まで競争だよ!!よーい、ドンッ!!」

「ちょ、ちょっと待ってよ!勝手にスタートしないでよ!!」

濡れて壊れてしまわないように、左腕の腕時計をはずす。
そして、座っていた丸太の上に置いた。
その後、無邪気な笑顔を浮かべたまま走っていくあやちゃんを、あたしは全速力で追いかける。
あやちゃんは途中、砂に足をとられてこけそうになった。
そこをあたしがつかまえて、その細い身体をくすぐる。

「つーかまえた!!」

「あはははっ!ちょっ、タンマ!!くすぐったいよお〜!!」

「ヤだね!」

「はぁ、はぁ・・・。待って、ホントに・・・あはははっ!!くすぐったい、笑い死ぬ!!」


◇───あの日は本当に、よく笑ったよね?
    だから途中で、こんな日がずっと続いていくんだと、あやうく勘違いしそうになったことが、何度もあったんだよ?
15 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:24
◇◇◇

「みきたん、今何時?」

「今は───」

海にダイブしたりして、服はびしょびしょになり、手足が砂まみれになるくらいはしゃぎ回った後、
さっきの丸太に寄り添って腰をおろして、あやちゃんがあたしに尋ねる。
あたしはその言葉に現実を突きつけられて、憂鬱になりながらも答えようとする。

PM5:00

あたしが口にする前に、あやちゃんはあたしの腕時計を覗き込んで、淋しそうにつぶやいた。

「・・・あと、一時間くらいだね」

あたしには、この一時間が愛しくて愛しくて仕方がなかった。
時間がこのまま、止まってしまえばいいのに。
空を見上げると、少しずつ赤色に染まっている。

「妹にも言ったの?」

虚しさをごまかすように、あたしは話を切り出す。

「ううん、言ってない。・・・もう少し大きくなったらわかるよ」

「・・・そっか」

あやちゃんの妹は何も知らないんだと、そう思った。
なんとなく、昔の自分に似ていると思った。
何にも知らなかった、あのころのあたし。
どこに怒りをぶつけていいのか、生まれてくる悲しみをどこに埋めていいのか。
それさえもわからなかった、あの頃───。
16 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:25
「あやちゃんはさ、いいの?」

「何が?」

「・・・あたしなんかといても」

「・・・あたしはみきたんといたいんだもん」

あたしの質問に、あやちゃんは顔を赤くしながら、でもはっきり答えた。
お父さんとお母さんに少し申し訳ない気がした。
自分の娘と最後の日も過ごしたかったに違いない。
でも、嬉しかったのも事実だった。

「妹がさ、あたしに『どこいくの?どこいくの?』って言うから困っちゃったよ」

あやちゃんと妹の会話を、思い浮かべてみた。
あの日のお姉ちゃんと美貴の会話と重なって、すこし息苦しくなった。
あやちゃんの妹も、あやちゃんくらいの年になって、あやちゃんの残していった言葉を思い返したりするのだろうか。
───今のあたしのように。

「みきたん」

どこかすっきりしたような顔で、あやちゃんが言う。

「いっぱい、いっぱいいろんな話をしようよ。出逢ったばかりの頃のこと、一緒にお祭りにいったときのこと───」

いよいよ本格的に空が夕焼け色に染まる。
息が詰まりそうになった。

「いっぱい、いっぱい話そうよ」

一息ついて、あやちゃんがそう言った。
その笑顔があまりにも綺麗だったから、鼻の奥がつーんとして、なんだか泣きたくなった。

「うんっ」

うまく笑えていたか、心配だった。
その後、あやちゃんが少し泣きそうな顔をしたのは、あたしのせいかもしれなかった。
きっと、悲しいことや儚いものは、綺麗なことと同じことかもしれないなと、あやちゃんの横顔を見てそんなことを思った。

17 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:25
「みきたん───」

PM5:45

飽きるくらい、喉がからからになるくらい、夢中で話をした。
お姉ちゃんがいなくなって、ひとり公園で遊んでいるあたしに、あやちゃんが声をかけてきてくれたこと。
それがきっかけで仲良くなって、よく一緒に遊ぶようになったこと。
小さい頃、近所のおばちゃんにいたずらをしかけて、お互いの親に怒られたこと。
花火大会のとき、いつのまにか繋いだ手は離れて迷子になって、あたしはぎりぎりで泣かなかったけど
泣き虫なあやちゃんは泣き喚いたこと。
その話をしたとき、あやちゃんはいつも顔を赤らめて「やめてよ、もう〜!忘れかけていたのに・・・」と拗ね始める。
その姿が可愛くて、あたしは何度も同じ話を繰り返して、からかったりした。
昔の話ばかりをした。
過去ばかりをひたすら振り返っていた。
二人でもう、未来を見ることはできないんだ。
そう思うと、また泣きそうになって、あたしはぶんぶんと頭を横に振った。
そんなあたしの肩に、あやちゃんが頭を乗せてくる。
甘いシャンプーの香りがして、あたしは「やっぱり女の子なんだなあ」とぼんやりと考えた。
あたしも首を傾けて、あやちゃんの頭に自分の頭を乗せる。
あやちゃんは照れたように笑いながら、話し始めた。
18 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:25
「あたし、みきたんのこと、好きだよ」

顔が赤いのは、やっぱり夕陽のせいじゃなかった。
あたしの手に、あやちゃんの手が重なる。
必死に絡みつくような細い指に、胸が熱くなって、心が震えた。
切ないってきっと、こういうことなんだ。

「ずっと、今まで言えなかったし、この先も言うつもりはなかったけど」

「好きだよ、みきたんのこと。大事な大事なあたしの唯一無二の親友」

照れくさそうにあやちゃんが笑う。
あやちゃんはずるいと思った。
そんなこと言われたら、離れたくなくなるじゃないか。
あやちゃんがいなくなったら───あたしはどうしていいかわからない。


「あたしね、自分が・・・自分の番が来たとき、『どうしてあたしなんだろう』って思ったの」

あやちゃんは『生贄』という言葉は使わなかった。

「我侭だよね?あたしよりももっとはやく・・・死んじゃった子もいるのにね」

「でもさ、あたしも自分の番がきたとき、きっとそう思うんだと思う」

「そうかな?みきたんは意外とすんなりと受け入れてそう」

「それは、そのときは───」

───そのときはきっと、あやちゃんがいないときだよ。
そう言いかけてやめた。
これ以上、あたしは悲しみたくなかった。
そんなあたしの心を知ってか、あやちゃんは笑った。
それは悲しみを押し殺すための笑顔だと、あたしが理解するまでにそう時間はかからなかった。
あやちゃんは小さい頃から、辛いときほどよく笑う子だった。
19 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:26
「あやちゃんはさ・・・」

「ん?」

「なんのために、“生贄”があると思う?」

「・・・・・たくさんの人が幸せになるためかな」

「・・・幸せ?」

「うん、そう。幸せ」

“生贄”のどこに幸せが隠されているのだろう?
たくさんの人が悲しむだけじゃないか。
むしろそれは、不幸じゃないか。

「あたしね、幸せなんだよ。きっと今が。ううん、生まれたときから。お父さんがいて、お母さんがいて、妹がいて。そして───」

いったん言葉を切って、あやちゃんがあたしを見つめる。
握った手に力がこめられて、胃が熱くなった。

「───みきたんがいて」

「幸せだよ?あたし、嬉しかったの。みきたんがね、汗だくになってあたしのところに来てくれたとき、本当に嬉しかった」

ありがとうと、あやちゃんが耳元で囁く。
照れくさくて頭を掻くと、あやちゃんがクスっと笑った。
あたしもつられて笑う。

「みきたん、あたしわかったんだ。あたしは生きるために生きてるんじゃないんだって」

「・・・どういうこと?」

生きるために生きないのなら、人はなんのために生きるのだろう?

「あたしはさ、みんながいなきゃ、生きたくないんだよ」

「みんなを生かしたい」

「そのためには、なんだってやるよ。そのためなら、命だってかけられるんだ」

「いろんな人たちから、この島から、いっぱいいっぱい幸せをもらった。
 だからね、あたしはお返ししなきゃいけないんだ。大好きな人たちに。みんなが今日も明日も明後日もその先も、笑えるように」

「・・・もうできてんじゃん」

「えっ?」

「あたしはね、あやちゃんが隣で笑ってくれるだけでそれでいいの!そばにいてくれたら・・・それでいいのっ!
 それであやちゃんのお返しは終わりなの、わかる!?」
20 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:31
つい感情的になって、怒ったような言い方になる。
怒ったってどうしようもないことは分かっているし、あやちゃんに怒鳴り散らしたって意味がないことも知っている。
でも、このどうしようもない想いを胸にとどめておけるほど、あたしは大人じゃなかった。
言っている途中、涙が目からあふれ出るのを止められなかった。
あやちゃんはびっくりしながらも笑って、あたしを抱きしめて背中を優しく撫でてくれた。

「あたしのほうが年上なのに・・・」

あやちゃんの胸の中でそう言うと、あやちゃんは

「みきたんは甘えん坊さんだからね」

そう言って、けらけら笑った。

「あたしはね、みんなのために死ぬことができるんだ」

澄んだ芯の通った声で、あやちゃんが言う。
あたしは黙って聞いていた。

「みんなが笑って暮らせるように、この島がずっと、綺麗でいられるように。そのために死ぬことができるんだ」

あやちゃんのその言葉を聞いて、あたしは驚いた。
震えているばかりのあたしと違って、あやちゃんはずっと大人で、しっかり前を見ていた。
あやちゃんは今、どんな顔をしているんだろう。
あやちゃんの顔が急に見たくなって、あたしは顔を上げる。
あやちゃんはきらきらと輝いた瞳で、あたしを見つめかえしてくれた。
21 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:31
「死ぬときは、もう淋しくないんだよ?もう怖くないんだよ?みきたんがいっぱい、あたしに思い出をくれたから」

あやちゃんがこれまでのことを思い返すようにして、目を閉じる。
あたしの胸に、さまざまな想いが蘇ってきた。
再び、目を見開いて、あやちゃんが言う。
身体にすっと沁み込んでいく様な、優しい声だった。

「だから、もう怖くないんだよ」

「・・・うん」

時間はもう6時を過ぎていた。
もうすぐで夕陽が沈む。
焦ってとにかく今、言いたいことを口にした。

「言い忘れてたけどさあ・・・」

あやちゃんが不思議そうに首をかしげる。
脳裏に彼女と築いてきた、さまざまな思い出が蘇る。

「あたしもあやちゃんのこと───」

これまで抱いてきたさまざまな想いを、ひとつの言葉にしてあたしは彼女に伝える。
ほかの誰でもない、彼女に───。
君にだけに、伝えたい言葉がある。
22 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:31
「好きだよ」

間に合った。
ふと、そんな言葉が頭に浮かんだ。
言い終わった後、自分らしくないことを言ったと、少し恥ずかしくなった。
あやちゃんは嬉しそうに「ありがとう」と、笑ってた。
その笑顔は悲しみを押し殺すためのものじゃなかったと、そう思いたい。

「あたしにはなにができるかな?」

『あやちゃんのために、あたしは何ができる?』
そう言おうとして、少し考えて、言葉を変えた。
誰かの為というのは結局、自分の為でしかない。
あたしは自分が悲しまないように、後ろめたさを感じないように、その質問をした。
ズルイと思った。
あたしは最後まで、自分のことしか考えられない、どうしようもない奴なんだと思った。
あやちゃんはしばらく考え込んだ後、口を開いた。

「あたしのこと、生贄になった人たちのこと、時々でいいから思い出してよ」

「あたしのこと、覚えといてね?」

「この島で一番可愛い女の子がいたってね」

ウィンクして、舌をだしていたずらっこのように、あやちゃんが言う。

「わかった。この島で一番ナルシストだった我侭な女の子がいたって記憶しとく」

「むっ。なあに、それぇ〜!!」

頬をぷくりと膨らませて、あやちゃんが怒る。
でもその表情がすぐに笑顔になって、あたしはすぐにそれが冗談だとわかった。
こんなやりとりができなくなることを考えて、生きるのが怖くなった。
胃が、締め付けられるような感覚に陥った。
23 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:32
「あたしね、きっとあのてっぺんにいたの」

あやちゃんがどんどん闇に包まれていく空を指差す。

「てっぺん?」

あやちゃんの言葉に首をかしげながら、あたしはあやちゃんの指差すほうを見た。

「うん。昼間の太陽みたいに」

「ああ、一番高いときの?」

「うん、それ。それ、きっとあたしだったの」

「・・・意味わかんないよ」

「・・・もうすぐ分かるよ」

あやちゃんはそう言って、悪戯に笑った。
この笑顔がもう見れなくなると思うと、すごく淋しくなった。

「あたしはてっぺんにいたから、もう交代しなきゃいけないの」

「・・・交代」

「うん。明日には・・・あの夕陽が沈んだときは、あたしの次の人が幸せになるんだよ」

ようやく、あやちゃんの言いたいことがわかった気がした。
『生贄』は聞こえは悪いけど、あやちゃんのように『幸せをバトンタッチ』するものだと思えば、そう悪くないかもしれないと思った。
でもやっぱり、あやちゃんがいなくなるのは嫌だと思った。
しばらくして、あやちゃんがあたしを抱きしめる手を緩めて立ち上がる。
もうさよならしなきゃ。
汗ばんだ拳を握る。
あたしはやっと、覚悟を決めた。
24 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:34
「じゃあ、あたしもう、行くね?村長のところにいかなきゃ」

「うん・・・」

「ばいばい、みきたん」

「ばいばい、あやちゃん」

「またね」とは、もう言えそうになかった。
あたしはもう、幼くなかったから。
その言葉に甘えることはできなかった。
あたしはもう、子供でも大人でもなかった。
だけど本当は行かないでって、引き止めたかった。
でもきっと、それじゃあ、あやちゃんが辛くなるだろうから。
そう考えると、引き止めることはできなかった。
あたしはただ、おろおろすることしか、できなかった。
あやちゃんはやっぱり笑っていた。
あたしはうまく笑えてるかな?
ねえ、あやちゃん?
やがて、あやちゃんは覚悟を決めたようにあたしに背を向けて、走り出した。
無力な自分を、ひたすら恨んだ。
あやちゃんは泣かなかった。
一回くらい、そのうち泣くだろうと思っていたけど、あやちゃんは泣かなかった。
そのかわり、いっぱい笑っていたから、きっと胸のうちで不安なものを抱えていたんだろう。
そう思うと、なんだかやるせない気持ちになって、あやちゃんの姿が見えなくなったとき、大声で泣いてしまった。
25 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:35
「さよなら、あやちゃん」

「好きだよ」

しゃっくりをあげながら、そう言うのが精一杯だった。
人は死とむきあうことで、自然と素直になれるのかもしれない。
そんなことを、ぼんやりとした頭で考えた。
やがて、夕焼け色の空が暗くなってきた。
あたしは夕陽が完全に沈むのを見届けて、目を閉じて、静かに手を合わせた。

『みきたん』

『みきたん、ずっと一緒だよ?』

『みきたん、海行こっか』

『一緒に遊んでよ、みきたん』

『あたし、みきたんのこと、好きだよ』

『みきたんは甘えん坊さんだからね』

『死ぬときは、もう淋しくないんだよ?もう怖くないんだよ?みきたんがいっぱい、あたしに思い出をくれたから』

『だから、もう怖くないんだよ』

『ばいばい、みきたん』


あやちゃんの声、あやちゃんの笑顔。
あやちゃんの全てが、頭に焼き付いて離れなかった。


◇────この島で一番、ううん、世界で一番大好きな君のことを、ずっと覚えているよ。
     小さい頃はたくさんいたずらをしたね?大きくなっても、手を繋いで仲良く歩いたよね?
     忘れないよ、君のこと。忘れないよ。あやちゃんと過ごした大切な日々を。
     あやちゃんのおかげで今を生きていること、忘れないよ。
26 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:38
自転車に乗って、月明かりに照らされた道を走る。
もう、風をきって走る力は残されてなかった。
ただ、役目を終えた身体に、脱力感と疲労だけが残された。
心にはぽっかり穴が開いてしまったように、喪失感だけが漂っている。
でもこの穴には、この穴の奥にはたくさんの思い出が詰まっている。
家に帰ったら、家族に「ただいま」を言って、それからあやちゃんのことを話そう。
そして、お姉ちゃんがあたしにだけに言ってた言葉を、みんなに伝えよう。

そして、今日のことは絶対忘れない。

そう心に誓った。

太陽がてっぺんにあった昼とは違って、夜はひどく静かだった。
27 名前:48 太陽が沈むとき 投稿日:2004/03/21(日) 23:40
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/21(日) 23:40
29 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/21(日) 23:41
30 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
このスレッドは最大記事数を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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