42 友達の話
- 1 名前:42 友達の話 投稿日:2004/03/21(日) 02:55
- 42 友達の話
- 2 名前:42 投稿日:2004/03/21(日) 02:55
- 夏もそろそろお終いの季節。
秋が知らん顔をして町を撫ではじめた。
嵐がひとつ過ぎたあとに
さゆみが夕暮れの海岸をぴたぴたと歩いていると
岬の上にあるお日様が真っ赤だった。
あんまり真っ赤なので
「何を我慢しているの?」
と訊いた。
お日様は、
「ほっといてくれ!」
といって、さゆみに向かってタネを投げつけた。
しかしお日様はへたっぴぃで
さゆみに当たらないまま幾つものタネが海岸の砂の上に落ちた。
お日様はさゆみをにらむと
そのまま、岬の裏に沈んでいった。
- 3 名前:42 投稿日:2004/03/21(日) 02:57
- 辺りはとっぷりと暮れて
タネは真っ暗な海岸の波に洗われていた。
風が冷たくて身体を抱きしめながら
じっと見つめていると
ぽんっといってタネが光ったと思う間に
しゅるしゅると空に上っていってお月様になった。
お月様は優しい顔でさゆみを見ていた。
さゆみもお月様を見上げた。
不意に、ぽんっと手を打って、どうしてお日様が
あんなに真っ赤だったのかわかった。
さゆみは嬉しくて、浜辺でずっとお月様を見ていた。
秋の風が優しく頬を撫でた。
おしまい
- 4 名前:42 投稿日:2004/03/21(日) 02:58
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- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/21(日) 02:58
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- 6 名前:42 投稿日:2004/03/21(日) 02:58
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