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24 ブレーメンの投槍隊

1 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時56分18秒
24 ブレーメンの投槍隊
2 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時57分00秒

(0^〜^)<ハルマゲど〜ん!
 
3 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時57分25秒
【 第 一 話 】

昔々あるところに、吉澤ひとみというおじいさん役と、その内縁の妻役である石川梨華がいました。
そんなある日、吉澤は山崎(邦正)をしばきに、石川は川へ洗濯に行きました。石川だけに。

さて、過酷なサバイバルの末に川にたどりついた石川さん。
「さあ、今日こそはお洗濯を大成功させなくっちゃ(はあと)」
じゃぶじゃぶ。じゃぶじゃぶ。しゃぶしゃぶ。おにくすきすき。
石川が川で洗濯をしていると、川上(哲治)から大きな桃が、どんぶらこどんぶらこぼんぼんぶらんこと流れてきました。石川は無視しました。というか、すっごい冷めた目で見下しました。
さようなら、桃。さようなら、桃板。……すいません。あ、いや、すいますいません。
4 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時57分41秒
「さあ、気を取り直して、お洗濯お洗濯♪」
じゃぶじゃぶ。じゃぶじゃぶ。がたんごとん。がたんごとん。がたんおとん。おとんおかん。
そうして石川が気を取り直して洗濯を続けていると、川上(小学校)から、鈴木大地に似た般若のお面が背泳ぎでぷかぷかぶぶかぶぶかと流れてきました。ちなみに、萩原流行にも似ています。つーか、あいつ般若だったし。

「あら、まあ、あれは何かしら?」
石川さん、食いつきました。しゃくれ同士の共感でしょうか。でも、ぼくは石川さんはしゃくれてないと思います。ただの尖り顎ですよね? まあ、どうでもいいんですけどね。
顎に特徴をもつ美白の般若面と、顎に特徴をもつ地黒の石川、劇的な出会い。ひとたび出会っただけで共鳴し合い、一瞬にしてお互いを理解し合い――きっと、ララァならわかってくれると思うんだ。


一方、山崎(まさよし)に曲作りを依頼しに行った吉澤は、
「ここ、どこだよ?」
迷っていた。
5 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時58分02秒
【 第 二 話 】

吉澤さんチの隣の家では、
「ほら、何をモタモタしているんだい! この役立たずの灰かぶり!」
鬼義母と鬼義姉にいびられまくっている小川麻琴がいました。

小川「あはぁ〜、ごめんなさ〜い」

でも、なんだかあまりつらそうには見えません。「そこが麻琴のいいところだよね」って言う人もいると思います。電影少女の天野あいだったら「麻琴のいいところ、ひとつみっけ」とか言うと思います。

さて、そんな小川麻琴の鬼義母と鬼義姉はお城の舞踏会へ行って、麻琴はひとりぼっちの夜。とくにやることもないのでボーッと腕をポリポリ掻いていると、鬼義母の部屋から「うぎゃー」みたいな感じの声と他の何かの音が聞こえてきました。

「あれ? なんだろー?」
麻琴がさっそく出向いてみると、そこには、
「痛ぅーっ……。このクソ箪笥。長嶋以上にプリティーなウチの足の小指に何してくれんねん」
うずくまってもだえている金髪の女の人(中澤裕子)がいました。

「あのー、だいじょうぶですか?」
「!?」
麻琴に声をかけられ、中澤は物凄い形相と物凄い勢いで振り返りました。
「な、なんで、あんた、ここにおるん?」
「いやー、なんでといわれとも、一応ここ、あたしんチですし」
6 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時58分22秒
「そんなんちゃうくて。今日は、ほら、なあ、お城で舞踏会やん? それなりの家からはめっきり人がいなくなる日やん? ウチはちゃうけど、ほら、なんや、泥棒さんとかが結構活躍できる日やん?」
「あー。でも、それなりの家にはメイドさんとかもいるし、誰もいないってことはないと思いますよ。だから、そんなに活躍できないと思いますよ。ちなみに、あー、やっぱいいです。それはそうと、お……、えーと……、お……」
「何を言いよどんでるのかは訊かん」
「はあ。あの、お……ねえさんは、どこのどなたですか?」
「うん。いい質問や」
中澤は偉そうに頷きます。
「とりあえず、さっきもそんなこと言ったけど、ウチは空き巣ちゃうで」
「はい。わかってます」
「え? わかってんの?」
「はい。いっつも、言われたことは一回で覚えろって言われてるんで」
「あー、そうかぁ……。いや、その、なんや……。自分、賢いな」
「いやー、そんなー。あんまり誉められたことないから照れますー。恐縮です」
(省略)
中澤「実はな、ウチ、魔法使いのお姉さんやねん。ちなみに年は25ですー」
とりあえずパッと見、魔法使いにも25歳にも見えませんが、そういうことらしいです。

(中略)

小川「あれ? この靴、入りませんよ?」
7 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時58分47秒
【 第 三 話 】

「やーい、やーい、変なやつー」
細かいことは問わずに偶然通りかかった砂浜で、飯田圭織(オブ・ジョイトイ)は子どもたちにたぶんいじめられているのだろう不可思議な物体を目にした。
その物体というのは、こたつ。漢字で書くと、炬燵。近藤勇の愛刀は虎鉄(偽)。
砂浜(厳冬の日本海沿い)にこたつ。味わい深いシュールな光景だ。
そして、こたつの中から頭だけを出して、
「もー、やめてよー、あっち行ってよー」
と抗議の声をあげている黒髪の女の子。
どことなく髪を伸ばした鈴木あみっぽい印象がないでもないが、こっちの子は(たぶん)形を整えていないので、使用後の鈴木あみよりは目が細い。まあ、そんなふうに、あんまりはっきりしたことは言えませんよ。言えませんけどね。

「おーい、そこのお子たち、何やってんだー。いじめはカッコ悪いぞぉ」
そういう光景(アバウト)を見て見ぬフリのできない飯田圭織(オブ・ジョイトイ)は、こたつを囲む子どもたちに100円ずつ握らせて追っ払いました。いまどき100円で納得して散っていく子どもというのも、なかなか趣があっていいものだと思います。
8 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時59分08秒
「だいじょうぶ? ヘンナヤツ」
飯田カオインリン(オブ・ジョイトイ)は「おまえも言うか」というセリフを吐いて、こたつを見下ろしました。こたつの天板にはお茶とみかんが乗っていました。茶柱が立っていたので、飯田カオリン(オブ・ジョイトイ)はちょっとしあわせな気持ちになりました。でも、そのお茶は自分のお茶じゃないことに気づいて、すぐにがっかりしました。

「はい、だいじょうぶです。助けてくれてありがとうございました」
こたつから頭だけを出している女の子――えり(仮名)は、慇懃(オブ・ジョイトイ)な礼をしてから、
「でも、助けてもらってこんなこと言うのも何なんですけど、ヘンナヤツって言わないでください」
あひるのくちばしのように唇を尖らせて抗議しました。

「え? なんで? あんたの名前じゃないの?」
「そんなわけないじゃないですか。私には、絵里っていう、ちゃんとした名前があります」
「あ、そうなんだ。ごめんごめん。お姉さん、勘違いしちゃったよ」
「以後、気をつけてくださいね」
「はい。わかりました」

そして、飯田圭織(トイザラス)と絵里(本名)は、二人仲良く、砂浜でこたつに入ってなごみました。
9 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時59分23秒
【 小 休 止 】


    ∬
    旦 (;゚;);)
 
10 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時59分42秒
【 第 四 話 】

「れいな、おまえは福岡ダイエーホークスの星になるんだ!」 
田中れいなは父親にそう言われ続けて育てられた。

「父ちゃん、あたし、やるよ!」
と、父とともに涙を流しながら夜空の星に誓いを立てた田中れいなも、思春期に入り――

田中「もう親父にはついていけない! あたしはモーニング娘。に入る!」
田中「何? モーニングムスメ? 聞いたことがないな。それはどこの球団だ? ん? もしかして、そのモーなんとかいうのは、メジャーリーグか?」
田中「ちょっと前まではバリバリのメジャーだったけど、今は微妙に3Aな感じになってる」
11 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)02時59分57秒
田中「うむ。そうか。3Aとはいえ、本場の野球に臨もうというその心意気やよし。しかし、物事には順序というものがある。いいか、れいな。たとえおまえが将来メジャーを目指そうとも、日本男児ならまずは」
田中「女児だ!」
田中「甲子園を目指すものだ。そして、かの高校球児たちの聖地において存分におまえの活躍を見せつけたのち、12球団の激しい争奪戦が繰り広げられ、我らが福岡ダイエーホークスにドラフト一位指名され、幸運にも王監督がおまえの獲得権を引き当て、過去最高額の初年度年俸にて契約を交わして我らが福岡ダイエーホークスに入団し、日本球界史に残るような華々しい活躍をしたのち、FA制度を」
田中「長い!」
田中「そうだ、れいな。おまえの前途に延びる道は、長く険しい。しかし、安心しろ。おまえには、この父がついている。かつて、青春時代、とっておきの秘密兵器としてベンチの片隅から野球のすべてを」
田中「あー、もう、いいかげんにしてよ! そんなんだからお母さんにも逃げられるんだよ!」
田中「ううっ……。れいなさん、それは言わない約束じゃないですか……」

それはそうと、親子で名前かぶせるネタとか他にもなんかいろいろかぶりまくりの予感。
12 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時01分10秒
【 第 五 話 】

道重「鏡よ、鏡よ、鏡さん。世界で一番カワイイのはだ〜れ?」
鏡 「はぁ。私の趣味で言わせて頂ければ、矢口真里とかいいんじゃねーかなぁ、とか思いますね。はい」
道重「(ピキッ)」


矢口「あー、おいらが白雪姫役かー。ぜんぜんイメージじゃないよねー。なんか、余ったからあてがわれましたって感じで、あんまり心よくないよねー。どっちかっていうと小人役のほうだろ、おいらがやるなら――って、自分で言うか! 卑下してる。おいら、今、自分のこと卑下してる。うーわー、なんかすっごいヤダ。今、なんか、すっごい急激にイヤになった。あー、もー、へこむ。マジへこむ。凹凸の凹。男か女かで言ったら女のほう。うわっ、下品。思ってても口に出すな、ってやつだろ、今のは。
13 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時01分31秒
あー、もー、さっきから、おいら何言ってんだろ。独り言じゃん。おもいっきり独り言じゃん。おいら、ぶつぶつ独り言いうやつとか好きじゃないんだよねー。でも、なんか最近やたらと独り言いうの増えちゃってるんだよなー。すっごいイヤなのになー。ストレスたまってるからかなー。ほら、言ってるそばから独り言だし。続いてるし。もう無限ループだよ。ループっていったら、ほら、あの虫眼鏡みたいな――って、誰が虫だよ! ふざけんな、なっち! 安倍! あー、そういえば、なっちも卒業しちゃったんだよなー。なんかさー、こうやって、増えては減って、増えては減って――あー、ダメだ、ダメだ。なんか、もう、そういうこと考えるのやめにしようって思ってたじゃん。自分自身に誓ったじゃん。あー、もー、ダメだ。なんかぜんぜんダメだ。はぁ……。まあ、いいや。はいはい。元気出して――はぁ……。あー、いかんいかん。いけませんなー。よし。はい。気を取り直して、それじゃ、次のハガキ」
14 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時01分46秒
【 第 六 話 】

「邪魔するぜ」
と借金取りが建てつけの悪い引き戸をガタガタいわせながら開いてみると、

吉澤「ああん?」
石川「ああん(はあと)」

屋内では、吉澤と石川が破廉恥かつエキサイティングな肉弾戦の真っ最中。
そう、すっかり××した吉澤の×××が石川の×××に××されて、あたかもそれは××な×××を×××したような×××に、××っている×××の××が××××しているときに、××と××た具合に、ちょうど××が××にぴったりと××x×するような×××を……

「なんだ、おまえ?」
「なによ、あんた!」
二人に同時にすごまれて、「いや、あの……」と口ごもる借金取りの姿は、まるで×××――

「きーっ! なによ、なんなのよ! もう少しでピリオドの向こう側へ行けるところだったのに!」
石川は起き上がるなり戸口へと向かっていき、土間の脇にある道具箱っぽい物の中から何やら取り出しました。それは、ぎらりと鈍く光った――
「あんたが斬られたいのは、金の鉈で? それとも、銀の鉈で?」
右手に金の鉈。左手に銀の鉈。いつも心に花束を。
15 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時02分04秒
「うひー! どうか、ご勘弁!」
借金取りは逃げ出しました。
「待ちなさい! そして答えなさい!」
石川は追いかけました。
そのときの石川がどんな格好をしていたのかは、各自の想像にお任せします。
というか、想像するな。考えるな。感じろ。

石川「おのれ、こらぁ! 血ぃ見せろぉ!」

ちなみに、吉澤&石川さんチの住所は『安達ケ原地獄一丁目』であるとかないとか。
まあ、最初のほうで「あるところに」と書いた以上、断言はできないのだが。
16 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時02分18秒
【 第 七 話 】
「マッチ買ってください」
しんしんと牡丹雪が降り積もる夜の街の片隅で、まるで見せつけるかのようにいかにも貧しそうな格好をした少女が、マッチ箱の詰まったカゴを手にして、せつない感じでちょっとした商売をしていました。

「マッチ買ってください」
少女の名前は新垣里沙といいます。
マッチ売り業界の中でも、あまり人気がないことで有名で、そのため苦労が絶えません。

「マッチ買ってください」
里沙がその言葉を発すること、今宵何度目でしょう?
かじかむ両手に「はーっ」と息を吐きかける里沙の前に、はたと足を止める人がありました。

「やあ、お嬢さん。マッチをひとつくれないかな」
「あ、はい! ありがとうございます!」
声をかけられ、喜びに顔を上げた里沙の目に映ったその人は、なんと、田○俊彦でした。
17 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時02分39秒
『えっ!? なんで?』
里沙は驚き、とまどいました。
『なんでトシちゃん? ここで、マッチがマッチを買っていきました、くだらねー。とかいう話を一捻りして、トリオの中からあえてマッチをはずして選ぶとしたら、まず、九割以上の確率でヨッちゃんだと思うんだけど。それなのに、なんでトシちゃん? 今となってはヨッちゃんよりもはるかに仕事がないから? たぶんだけど。ほら、ヨッちゃんはギター一本で地味に裏方のけっこうな高みに行っちゃったみたいだし』
さて、里沙の年齢はおいくつなのでしょう?

「どうしたの? マッチ売ってくれるんじゃないの?」
「あ、はい、すみません。ちょっとボーッとしちゃって」
「で、いくら?」
田○俊彦はコートの内ポケットから財布を取り出し、表面的には爽やかな笑みを浮かべます。
「はい。あの……5万円です」
「え? 5万? おいおい、ちょっとちょっと待ってよ。冗談キツイなー」
そう言われて、里沙は一瞬間、逡巡しました。
「あの……えーと……それじゃあ……3万円で……」
「こらこらこら、おとなをからかうんじゃないよ。マッチひとつで3万円って」
『テレビで見る限り、あんた、あんまりおとなじゃねーじゃん』などとは、口が裂けても言えない里沙でした。
18 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時02分53秒
【 第 八 話 】

築ウン十年の二階建て木造ボロアパート。
その二階、二〇三号室。家賃、四万五千円。
八畳一間は、煙っていた。

色あせた畳が敷き詰められている狭い室内の中央に、でんと構えたこたつ。
玄関側に背を向けてこたつに入っている部屋主、藤本美貴。
畳同様すっかり色あせた赤いどてらを身にまとい、額には白い鉢巻。殺気みなぎる血走った目。
こたつの天板上には、すっかり冷たくなったコーヒーが入ったマグカップと数十本のタバコの吸い殻であふれそうになっている大きなアルミの灰皿。そして――漫画の原稿。
藤本の周囲に散乱する、紙、紙、ゴミ、紙。
少女漫画家を目指す藤本は、くわえたタバコをD51のごとくふかしながら、ヤンキーな男の子にあこがれる少女の恋のお話を、親の仇をとる勢いで、ただひたすらに描いて描いて描きまくっていた。
そして、一心不乱に公募用の原稿を描き続ける藤本の対面に、親友の松浦亜弥。

「ねえねえ、ミッキー」
「誰がミッキーだよ。あたしゃ猫パンチか」
藤本は松浦のほうをちらりとも見ようとはせずに答える。つっこむ。
19 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時03分07秒
「おなかすいた」
「冷蔵庫開けてみ。キムコあるから」
「みきたんはどうか知んないけど、あたしはたべられません」
「だったら我慢。もしくは、あんたもちで買い出し。つーか、ここ来る前になんか買ってきなよ。わかってんでしょーよ、ウチには何もないって」
「だーかーらー、みきたん最近部屋にひきこもりっぱなしでしょ。たまには外、出ないと」
「だーかーらー、時間がないの、あたしには。そんなに腹へってるんだったら、ほら、タバコ吸え」
「やだよ。ばか。みきたん、そんなにばかばかばかばかタバコ吸ってたら病気になるよ」
「タバコ吸ってりゃ腹減らないの。脳みそが腹減ってるの忘れるの。気がまぎれるの。それは戦場で証明済みです。公認はされてないけど」
「なんかぁ、タバコとコーヒーまみれになって漫画描いたりしてるのって、サイアクぅ〜」
「うっさいなー。あたしにとってのサイアクは、しめきりに間に合わないことだっちゅーの」
「あっ。胸ないのに、パイレーツ?」
「うっさい! 余計なお世話だ! 姫路帰れ!」
「あー、ひっどーい」
20 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時03分28秒
と、そこへ――
「すみません。遅くなりました!」
インターフォンのない部屋のドアをノックすることもなく開けて勢いよく入りこんできたのは、とあるところで藤本と出会い、仲良くなり、なし崩し的に藤本の漫画のアシスタント的存在になった、紺野あさ美嬢。

「遅い!」
「さっき遅くなったって言いましたよ」
「知ってる」
「じゃあ、そんなわかりきっていること言わないでください」
「うん。ごめん」
「それはそうと、松浦さんも来てたんですね。こんにちわぁ」
「紺ちゃんこんちわー、とか言ってみたりしてー」
「って、おい! なんであたしが謝んなきゃなんないんだよ!」
「あのー、いきなりで申し訳ないんですけど、松浦さん、その席、空けてもらえませんか?」
「無視かよ!」
「んー、いくら紺ちゃんのお願いでも、今日のところはそれはできないなー」
「なんでですかぁ。いじわるですか?」
「完全に無視されてるあたしも、けっこういじわるされてると思うんだけど」
「そうでなくてー、今日はね、ど〜しても、みきたんをお外に連れ出さなきゃならないから、みきたんがおでかけしない限り、松浦さんはここを動かないと決めたのです。ぺこり」
「じゃあ、亜弥ちゃんは当分そこから動けないわけだ」
21 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時03分42秒
「そうなんですか。じゃあ、いじわるされてるのは松浦さんの方だったんですね」
「なんでそうなるんだよ!」
「そーなのよー。もー、みきたんがいじわるでいじわるで。たぶん、みきたんの前世は青島幸男だって思うくらい、いじわるなの」
「こらっ、青島幸男はまだ生きて……るよね?」
「まあ、藤本さんは目つきからしてちょっとアレですからね。描いてる漫画もアレですし」
「ねえ、誰か同意して。すっごい気になるんだけど。青島幸男の現在」
「じゃあ、今日のところはお手伝いもできないようなので、私は帰りますね」
「ごめんねー、紺ちゃん。みきたんがおでかけしてくれないせいで」
「あのさ、あたしがでかけてったらさ、結局手伝いとかできないと思うんだけど」
「それじゃあ、松浦さん、また今度一緒に遊びましょうね」
「はーい。じゃーねー」
「すげー。すげーよ。ほぼ完全に無視されたよ」
「さあ、みきたん。おでかけいたしましょう」
「ずぅえ〜っっったい、行・か・な・い!」
22 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時03分56秒
【 第 九 話 】

安倍なつみは空を見上げていた。
そこはかとなく宇宙を感じる、地球の丸さを感じる、青い空。
すべての人を、生命を包み込み、見守る、やさしい空。
無限のような宇宙と、曖昧な境界を隔てて繋がっている、果てしない空。

この空は、きっと、あの人のところへとも繋がっている。

暦の上ではまもなく春を迎える、日曜日の河畔公園。
朽ちかけた茶色いベンチにちょこんと座って、安倍なつみは空を見上げていた。
23 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時04分11秒
青いサウナスーツに身を包んだ、そう若くもなさそうな男が、フードを目深にかぶり、一定のリズムで呼吸をしながら、一定のペースで、空を見上げるなつみの前を走りすぎていく。
彼はなつみのことを知らない。なつみも彼のことを知らない。おそらく、これからも、ふたりは互いを知ることはないだろう。それでも、この日、このとき、確かに、二人はここにいた。明日に残るものは何もなかったけれども。確かに。

老夫婦がゆっくりとゆっくりと足並みを揃え、ふたり並んで歩いている。
そのふたりを、小さな子どもたちがじゃれ合いながら、追い越していく。
カラフルなレーサーウェアと黄色いヘルメット姿の青年が、ロードレーサーを駆り、老夫婦と子どもたちを脇に見ながら颯爽と走り抜けていく。
24 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時04分28秒
「わたしは空になりたいのです」
なつみはつぶやいて、目を細め、微笑む。
先週の夜は、星になりたかった。
これからも、きっと、いろいろなものになりたがる。

子どもの頃は、何になりたかったっけ?

そよぐ風が、冷たい。
冬の風が冷たいのは、あたりまえで。
今のなつみには、この冷たい風を遮ってくれる背中はない。
冷えた手を包みこみ、暖めてくれる、彼女以外の両手もない。

さすがに、いつまでもここに座って、高い高い空を、ただただ眺めているわけにはいかない。

なつみは立ち上がり、スカートの尻を払った。
歩き出す。

もうすぐ桜が咲く。
きっと、きれいだ。
25 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時04分43秒
【 ブレーメンの保全隊 】

その保全、いいねと君が言ったから
保全記念日か。なつかしいな
秋保全は嫁に食わすな
保全から始まる愛もある
君の保全に恋してる
保ざる、全ざる、猿
保全まだー?
保全待ち
おまえら、保全言いたいだけちゃうんかと
やりたい保全もできないこんな世の中じゃ
ホライズン
シチズン
ずんのやす!
( `.∀´)y-~~<で、あたしの出番はいつよ?
ホゼンという字を一文字かえて、ヤ・ス・ダ
一文字も合っていないわけだが
そんなのいいから保全しろよ、保全
あの……小説の続き書いてもいいでしょうか?
そんなことよりちゃんと保全しろよ
わかりました。保全
26 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時05分39秒
  鶏
27 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時05分52秒
  猫
28 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時06分02秒
  犬
29 名前:24 ブレーメンの投槍隊 投稿日:2004年02月06日(金)03時06分12秒
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