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13.歌だロボット
- 1 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時06分51秒
- 13.歌だロボット
- 2 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時08分41秒
山頂の大岩は高さが四、五メートル。
登ると自分が、空に浮いた気分になる。
そんな不思議な気分に浸りながら、二人のどことなく似た顔の少女たちが大岩の上で太陽が沈むのを見送っていた。こんな山奥では特にすることもないので、太陽が白く輝き赤く燃え尽きるまでを眺めるのが彼女たちの日課になっていた。
「マコトお、レイナあ。お夕飯の時間よー!」
山中に響き渡る甲高い声。
「博士が呼んでます。行きましょう、レイナ」
一人の少女がもう一人の少女に呼びかける。二人は、仲良く手を繋いで大岩を降りた。
- 3 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時10分02秒
誰も寄りつかないような、標高の高い山奥に、「博士」と二人の少女は住んでいた。
「お帰りなさい。今日のお日様はどうだった?」
「うん、今日のお日様もかわいかった」
レイナが、目を輝かせながらそんなことを言う。
「それより博士、わたしたちを呼ぶ時に周波数の高い声を出すのは止めて戴けませんか? 今後の聴覚能力に支障をきたしてしまいますから」
それに対しマコトは少々不満顔だ。
「しょうがないじゃん。生まれつきなんだから。それよりあんたたち、早く充電器に入んなさいよ」
地黒に映える、白い研究着。博士は顔を顰めて二人を充電器へと追いやる仕草をした。
マコトとレイナは、博士の造ったロボットだった。
- 4 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時10分51秒
何故、博士はこんな山奥で人目を避けるように暮らしているのか。
そして何故、自分たちが作られたのか。
二人には何一つ、わからなかった。ただ、マコトが三年前に、レイナが一年前に生を受けた時。彼女たちが目を開けると、博士が笑顔で迎えてくれていた。二人は、博士のことがとても好きだった。充電器が少しだけトイレ臭いことを除けば、この生活に何の不満もなかった。
「ふう…ごちそうさまでした、博士!」
レイナが元気良く充電器から飛び出て来る。
「エネルギーの供給能力が12%程度低下しているようです。そろそろ充電器の修理が必要なのではないでしょうか?」
博士に注意を促すマコト。しかし、博士は上の空のようでマコトの話をまったく聞いていなかった。
「博士…博士」
「え、あっ、修理。修理よね。わかったわ、すぐ取りかかるから」
急に慌しく席を立つ博士。ジャンク置き場でごそごそと部品らしきものを漁っている彼女を尻目に、二人が視線だけで会話をする。
(最近の博士、ちょっと変だよねー)
(多分、何か悩み事でもあるのでしょう。けれど、博士の方から切り出して戴かないことには、わたしたちにはどうすることもできませんね)
そして彼女たちは、深い溜息をつく。
人間も、そしてロボットも悩み、苦しむ。
- 5 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時11分46秒
博士が机に向かったまま、頬杖をつき、溜息をつく回数は日増しに増えていった。
レイナとマコトは、山頂の大岩に座り、太陽が西の空を焦がすまで空を眺め続ける。
何枚目かの空が焼き尽されたある晩、とうとうマコトは博士に切り出した。
「博士。何をそんなに悩んでいらっしゃるんですか。悩み過ぎは人体に悪影響を及ぼします。良かったら、わたしたちに話しては戴けないでしょうか?」
「でも…」
マコトのすらりとした体の影から、レイナが小さな顔を覗かせる。その円らな瞳の前では、博士は全てを話さざるを得なかった。
「実はね…わたしにはやらなくちゃならないことがあるの」
「もしかしてそれは、麓の村の人たちが原因不明の病で倒れていることと関係があるのですか?」
思わずマコトの下膨れの顔を見る博士。マコトの目は、遥か遠く離れた麓の村の惨状を既に捉えていた。
- 6 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時12分46秒
博士は少しずつ、麓の村で起こっている出来事を語り始めた。
村の人たちが、原因不明の奇病で次々と倒れていること。
奇病を治す足った一つの方法、それは美しい歌声を聴くこと。
しかしこの奇病は空気感染するため、下手に歌を歌おうものなら、あっという間に病に冒されてしまうということ。
「病気を治す方法を知っているのに、わたしには何もすることができない。麓の空気の届かない場所で、手をこまねいて見てるだけ。村の人たちは、呪われた山だと言ってここには近づきもしない。一体どうしたら…」
項垂れて唇を噛む博士の肩に、マコトが手を添えた。
「それなら問題ないじゃないですか。博士が、あの大岩の上で歌えばいいんですよ。幸い博士の声は山々に響き渡るような…」
「しないよ」
「…何故です」
「わたしには、歌うことはできない」
首を横に振る博士。
「どうして? レイナも、博士の歌聞きたい」
「ダメよ…だってわたし…音痴だもん」
- 7 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時15分30秒
- その時だ。マコトが博士の腕を掴み、ぐるぐる回しながら床に放り棄てたのだ。床に崩れ落ちる博士。
「ああっ、何するの!?」
「音痴が何だって言うんですか! 音痴のせいで歌の間奏のキショイ台詞のパートしかないからって、それがどうしたって言うんです! 世の中にはパートすら与えられず後ろでバックダンサー状態、足をパカパカ開きながらハニーパーイって歌ってる人もいるんです。そんなことでくじけちゃ、ダメなんです!」
「そうだよ。しゃぼんだまー! とかほっ、とか飛び道具みたいな使われ方しかさせてもらえない人だっているんだよ」
後ろのレイナもいつになく真剣な表情だ。
「そう、かしら…」
「そうですよ。音程が取れるか取れないかなんて、些細な事です。歌はこころ、って亡くなられた淡谷のり子先生も仰られてるじゃないですか」
「そう、ね…そうよね」
博士の表情に、自信の炎のようなものが灯りはじめた。
「博士、歌ってよ」
レイナがしゃがみこみ、博士の顔を覗き込む。
博士は立ち上がり、埃を払いながら言った。
「わかった! 梨華、がんばる!」
- 8 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時17分01秒
朝焼けの映える空を背に、三人は大岩の上に立つ。
「準備はいいですか、博士」
「う、うん…昨日の夜はいっぱい練習したから…」
「それはわかってます。昨晩は博士の声で山小屋の構造の3%が損傷しましたから。でも心配なさらないで下さい。歌はこころです。自分を信じて下さい、完璧です!」
マコトが必死に博士を励ます。博士の心にもう、迷いはなかった。
「じゃあ、いくよ…せーの…」
調子外れの声が飛び出す。声は裏返り、音程もバラバラ。だが、一生懸命だった。自らのネガティブさを打ち負かそうとする気持ち。そして、自分の歌声によって麓の村の人たちを救おうとする気持ち。レイナが、大きな鏡に映る自分の姿から博士の後姿へと視線を移す。
「博士、わたしたちも一緒に歌っていいですか?」
「うん、レイナも歌いたい! 博士と一緒に歌いたい!」
一歩前に歩み出る、マコトとレイナ。
博士は、自らの歌に陶酔していてそのことにまったく気付かなかった。
- 9 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時17分50秒
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8
タ ダ T
- 10 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時18分24秒
- ロボ ッ
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- 11 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時19分39秒
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T ボ トッ
1
ダ タ
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- 12 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時20分26秒
-
UTA−DA−ROBOTT(歌駄ロボット) 【終】
- 13 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時27分37秒
- 駄作を決定付ける要素はきっと色々あるのでしょうが、
・わかりにくい落ち
・名作の名を汚す
とりあえずこの二点に絞って書いてみました。
「歌ロボット」「ビッグクランチ」作者さまお許し下さい。
( ^▽^ )♪どうか〜
川o・-・)♪許して〜
从*・ 。.・从♪くださいな〜
- 14 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時28分04秒
- お
- 15 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時29分04秒
- わ ん
- 16 名前:13.歌だロボット 投稿日:2004年02月03日(火)15時29分35秒
- り ち
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