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08 炎色の花

1 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時48分38秒
08 炎色の花
2 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時49分33秒
今日で、私たち『モーニング娘。』はこの世から姿を消す。

―――カオリは皆の中で一番高く。やっぱり背ぇ高いね、カオリは。

理由。それはあたしらが売れたから。

―――なっちは雪のようにふんわりと。さすが道産子。

いっぱいいっぱい売れたから。だから失くなる。

―――梨華ちゃんは派手な色だったけど、相変わらず黒かった。

つんくさんは、あたしらがいっぱい売れて喜んでた。
3 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時50分54秒
―――よっすぃ〜は一番明るかったな。すごくキレイだった。

でも、あたしらの数が少なくなっていくのを見るとすごく悲しそうな顔をしてた。

―――加護はやっぱり辻と一緒だった。危ないんだよなぁ、アイツら。

それでも、つんくさんはあたしらを作り続けた。

―――圭ちゃんは大きな音をたてて、力強く。
    やっぱ、最後は圭ちゃんで締めくくった方がよかったんじゃないのかなぁ。

それがつんくさんから私たちへのお礼みたいなものだから。
4 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時51分41秒
「あっという間やなぁ…でも綺麗やで、みんな」

―――もうそろそろ、おいらの出番かな?

「最後は矢口か…『ミニモニ。』に『タンポポ』も掛け持ちしとったよなぁ。ご苦労さん」

つんくさんは、ゆっくりとあたしを打ち上げ筒に入れた。

「かんにんなぁ、みんな…もう疲れたんや…許してな」

―――つんくさんは知らない。あたしたちがあたしたち自身でこの花火に『仕掛け』をしたことを。
5 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時52分21秒
あたしはものすごい速さで、お星様が散りばめられている空に向かって昇って行く。
小さいサイズの花火で有名なあたしだけど、今日は小さいだけじゃない。

―――みんな、あたし頑張るからね!一花咲かせるから!

何十にも貼られた紙から、あたしは解放された。
そして、色とりどりの花を咲かせる。色とりどりの花を。

ドォォォンッッ――パラパラパラ…

「ん?なんや?」

つんくさんは今頃、手を空にかざしているだろう。
真紅の炎に包まれている花を手に取るために。

「これは…花びら?」

ありがとう、という気持ちがこもった花火を。


 ―― Fin ――
6 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時52分58秒

7 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時53分35秒

8 名前:08 炎色の花 投稿日:2003年06月23日(月)12時54分10秒


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