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6.秘密戦隊ジュウゴレンジャー。
- 1 名前:6.秘密戦隊ジュウゴレンジャー。 投稿日:2003年06月23日(月)09時56分01秒
- 6.秘密戦隊ジュウゴレンジャー。
- 2 名前:6.秘密戦隊ジュウゴレンジャー 投稿日:2003年06月23日(月)09時57分05秒
「有った有った、…ココね。」
クシャクシャになった地図をしまい、目の前の大きな建物を見上げ軽く深呼吸。
幼い頃からの夢だったこの仕事。
それが今日、やっと現実に成る。
コンコン。
私は抑えきれない期待を胸に、静かに入り口のドアを開けた。
「失礼しまーす。今度新しく秘密戦隊ゴレンジャーに入る事になりました亀井絵里です。
よろしくお願いしまーすっ。」
新人の基本は元気な挨拶から。
マニュアル通りの完璧な自己紹介に、深々と頭を下げたまま小さくガッツポーズ。
シーン……。
が、そんな自画自賛の挨拶も虚しく、中からは何の返事も無い。
……アレ?。…おかしいなあ。確かに人の気配はしてるのに…。
もしかして……着任早々イジメ?。…それとも放置プレイ?。
迫り来る不安に襲われながらも、ゆっくりと顔を上げていく。
と、部屋の中には小柄な女性とロングヘヤーの優しそうな女性が向き合うように座って視線を落としている。
何かのゲームでもやっているようだ。
- 3 名前:6.秘密戦隊ジュウゴレンジャー。 投稿日:2003年06月23日(月)09時58分13秒
よかった。ゲームに夢中で気付いてくれなかっただけなんだ。
ホッと胸を撫で下ろし、さっきより大きめの声で2度目の挨拶。
「(コホン)失礼しま…」
「うっせーぞ新入りっ。ちょっと待ってろっ!!。」
「ハ、ハイッ!!。」
いかにも気の強そうな小柄な女性に怒鳴られ、一気に緊張モードで直立不動。
多分、三日は寿命が縮まった。
「やりぃ、猪鹿蝶ゲッツ。また勝っちゃった。」
「チッ。あーもう止め止め。ほらよっ!!。」
さっき私に怒鳴った小さい人は、ゲームに負けたのか床にバラ撒くようにお札を投げ捨てると
不機嫌そうな鋭い視線をコッチに向けた。
「あっ、…あの、…今度こちらに新しく…」
「………ソレさっき聞いたっつーの。」
「…すみませんでしたッ!!。」
これで寿命が1週間縮まった。
いや、マジで。
どうしよう。
あの人、凄い機嫌悪そうだ。
っていうか、聞こえてたんなら何か言ってよ。
心の中で、大きな動揺と小さな文句。
- 4 名前:6.秘密戦隊ジュウゴレンジャー 投稿日:2003年06月23日(月)10時01分07秒
「ヨイショっと。」
小柄な女性は面倒臭そうに歩き出すと、私の目の前に腰掛けた。
「オッス、おいら黄レンジャーの矢口。新人の教育係り任されてっから、解んない事が有ったら何でも聞け。
1回1000円で教えてやる。沢山カネ用意しとけよっ。
……で、アッチが赤レンジャーの飯田カオリ。一応あれでもリーダーだから。」
「飯田でーす。よろしくねー。」
飯田さんと名乗る女性は、私には見向きもくれず床に散らばった札束を必死に拾い集め
1枚1枚電球に透かしてニセ札のチェック中。
…こんな人達がゴレンジャー?。
自分の未来が少しだけ不安になる。
「それと最初に言っとくけど、おいら嘘ついたり人を騙したりする奴は大っ嫌いなんだ。
よく覚えとけよコラッ!!。」
「ハイッ!!。」(シャキッ)
頭のテッペンからかかとまでキッチリ一直線の180度。
これ以上無いくらい究極の『きおつけ』。
多分、一ヶ月の寿命と引き換えに身長が3mm伸びた。
「あーーーーっ!!。」
突然、部屋の隅から飯田さんの絶叫。
「………クソッ、バレたか。」
渋々、財布の中から新たなお金を差し出す矢口さん。
未来不安度、さらに倍。
- 5 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時01分40秒
「さてと、じゃあ決めるぞ。」
矢口さんは机の引き出しからパンフレットを取り出すと、目の前に大きく広げ出した。
そこには格好良い色取り取りの戦闘服が並んでいる。
「取りあえず希望を言え。…何色だ?。」
そうか!!。
これから私の代名詞となる、何レンジャーかを決めるんだ。
さっきまでの不安も忘れ、一変に希望が膨らむ。
小さなころにテレビで見た正義のヒーロー。
悪い奴らをバッタバッタとなぎ倒す姿に心を躍らせたあの頃。
友達や先生に『将来の夢は?』と聞かれる度に、『ゴレンジャー』と答え失笑された日々。
色んな思いが脳裏をかすめ、思わず目頭が熱くなる。
「あのう、希望っていうか、…強いて言うなら桃レンジャーなんか可愛いいなって…」
「フザけんなコラッ!!。」
矢口さんの呆れたような怒号が辺りを包んだ。
「お前ピンクなんて1番競争率高いんだぞ?。空いてる訳無えだろバカ。」
しまった。
又、怒られた。
っていうか、希望を聞かれたから素直に答えただけなのに……。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時05分28秒
- 「じゃあ、残ってる色で結構です。」
理不尽な説教に耐えながらも、笑顔で答える私。
新人は辛い。
でも、あとゴレンジャーで空いてる色は、青と緑。
青い空と緑の大地。
こんなスケールの大きい色が残ってるなんて、考えようによってはラッキーだ。
「うーん。そうは言ってもなあ。…15人も居ると、もう普通の色は…。」
「えっ、15人っ?!!。」
驚いた私は、目を丸くして聞き返す。
「あれ?。知らなかった?。ウチらメンバー増減するんだよ。
今は過去最大の15人編成。人呼んで『秘密戦隊ジュウゴレンジャー』。
多いだろ?。ここだけの話、2,3人名前思い出せねー奴居るし。
…って、オっ。コレいいじゃん。この色空いてるぞ。」
矢口さんは、パンフレットの1番最後におまけのように載せられた戦闘服を指差し、ニッコリと微笑んだ。
視線の先には、茶色だか黒だか何とも言えない汚く不気味なユニホームが紹介されている。
「えっと何々、…『ダークネスこげ茶色』ね。…はい決定っ!!。
お前、今日から『ダークネスこげ茶レンジャー』な。
『暗くコゲた挑戦者』。…意味解んねーけど取りあえずお前にはピッタリだ。
文句有っか?。」
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時08分17秒
…有り有りなんですけど。
意味もどこがピッタリなのかも解かんないし…。
そもそも、和訳する意図も不明だし…。
おまけに『茶』と『レンジャー』が合体してるし。
と、その時。
『キンコンカンコーン』
頭の中の?を打ち消すように、館内放送のチャイムが鳴り響いた。
『チャオーッ。みゃ、…毎朝10時キッカリにお届けする臨時ニュースでーす。
都内××マンションにて立て篭もり事件が発生。
ジョ、…ジュウゴレンジャーのチビッコの諸君、解決してみる?。グッチャーっ。』
「おーし、早速事件だ。気合入れて行くぞッ!!。」
…いや、事件より…今のアナウンス、何?。
どうして決まった時間に臨時ニュース?。
チビッコって誰?。何で疑問系?。
しかも噛み噛み…。
ただでさえ頭の中が?だらけなのに、それを増加させるように飯田さんが謎の行動に出る。
「ジュウゴレンジャー、出撃ぃーーッ!!。」(ピョンッ、ストンッ、タッタッ…)。
リーダーは、入り口とは逆に位置する裏の狭い小窓から庭へ飛び出すと、そのまま外から表の入り口へと周り
下駄箱で靴を履き替えた後、キョロキョロしながら街の雑踏の中へ消えて行った。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時15分18秒
「矢口先輩。今の飯田さんの行動、何か意味が有るんですか?。
普通に出たほうが、よっぽど早いと思うんですけど…。」
「…まあな。確かに半分以上に無駄な動き入ってるけど、カオリが決めたんだから従わないと。
ウチはリーダーの命令には絶対服従って決まってんだ。
見てろ。みんな同じように出てくから。」
矢口さんがアゴを向けた奥の部屋から、3,4人の女性達がゾロゾロと現れた。
「行くぞー(ピョン)。続けー(ピョン)…。」
本当だ。
統制がとれているのか、あるいはみんなバカなのか。
何の疑いも無しに真顔で飯田さんの行動をマネている。
ストンッ、タッタッタ…。
ストンッ、タッタッタ…。
ドシーン、ドスンッドスンッ…。
ストンッ、タッタッ(バコンッ)タ…。
「よし、残りはオイラ達だけだ。戸締りしてから出動するぞ。」
「あの、どうでもいいんですけど、隊員の中に一人だけ妙に体の重そうな人が…。
しかも、後ろの人に思いっきり蹴り倒された気が…。」
「吉澤だ。ソッとしとけ。…それより早くしろっ!!。」
思い描いていた夢とは余りにも違い過ぎる現実に戸惑いながらも
記念すべき初事件の現場へと向うのだった。
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時15分51秒
「来んなーっ。それ以上近づくと、コイツの命は無いでぇっ!!。」
現場では、犯人が人質を取ってマンションの一室に立て篭もっていた。
「で、犯人の要求は?。」
「『日付を戻せ。若さを返せ』と騒いでます。
30回目の誕生日を迎えた事がよっぽどショックだったんでしょうね。
全く、人騒がせな三十路女ですよ。」
矢口さんに尋ねられた若い隊員が緊張気味に答える。
「ふーん、そうか。……あーっと、えーっと、…ちょっと待って。」
矢口さんは手持ちの大きなカバンの中へ手と顔を突っ込み、何やらゴソゴソと模索し始めた。
数十秒後、汗ビッショリの矢口さんが顔を出す。
「…ヨシ。ご苦労だったな『メタリック紫レンジャー』の小川。お前はここで監視を続けてくれ。
オイラは隣の部屋からベランダ越しに犯人を説得してみっから。」
…この人、小川さんの名前忘れてた。
今、絶対カバンの中で名簿を確認した。
「着いて来い、おこげっ!!。」
多分、私の名前が亀井だって事も忘れているだろう。
っていうか、まず最初から覚えてもらってない気がするのは気のせいだろうか。
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時17分10秒
- 犯人の居る部屋は10階。
上りのエレベーターに揺られ、静かに決戦の時を待つ。
「ところで矢口先輩。1番最初に出て行った筈の飯田さんが何処にも居なかったんですけど…。」
「ああ、相変わらず道に迷ってんだろ。今頃、埼玉辺りを駆け回ってんじゃねーかな。
こないだも隣町行くのに船で北朝鮮まで行っちゃったし…。」
馴れというモノは恐ろしい。
もう、何を聞いても驚かなくなった自分が怖い。
「それと、…今ので3回目の質問だから。……きっちり4500円振り込んどけよッ!!。」
…この人、本当にお金取る気だ。……しかも、いきなり値上がりしてる。
この分だと、1人前になるまでに、いくら払わされるのか見当も付かない。
(ラララ無人クン、ラララ♪……。)
頭の中で、イヤーなCMソングがチラつき始めた。
「さあ、着いた。こっからが本番だから気ぃ引き締めろよ。場合によっては強行突入も有るから、そのつもりでな。」
何とか隣の部屋へ潜入した私達は、ベランダを前にして最後の打ち合わせ。
この向こうに凶悪犯人が…。
何とも言えない緊張の瞬間。
(…行くぞ。)
私達は勇気を持ってベランダに足を踏み出した。
- 11 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時17分47秒
「ん?!!。な、何やお前等?。殺すぞゴルアァアアーッ!!。」
突然隣に現れた私達二人を見て、犯人の興奮も最高潮。
「ま、まあ落ち着いてオイラの話を聞いてよ。」
「うっさいボケーッ!!。お前等みたいなピチピチギャルにウチの気持ちなんか解かってたまる…」
その時だった。
ヒューーッ。
犯人の言葉を遮るように、屋上から得体の知れない物体が落ちてきた。
「赤レンジャー、ただいま参上っ!!。…って言うか、…誰か助けてぇーーッ!!。」(ガシッ)。
「うわっ。何すんねん、離せアホォーーッ!!。」
ヒューーーーーーーーッ。………パタパタパタッ(グィンッ)…………ドサッ!!。
何処をどう迷って屋上に辿り着いたのかは不明だが、手すりからウッカリ足を踏み外し
地面へ急降下していった物体はリーダーの飯田さん。
しかも、狙ったのか偶然なのか、途中で犯人の身柄を確保しながら落下する暴れっぷり。
「…カオリの奴。…お手柄だけど、大丈夫なのか?。」
「…それより今、手足バタバタさせて一瞬だけ根性で浮上しましたよ。………凄い執念ですね。」
こうして、飯田さんの活躍により事件は一件落着した。
- 12 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時18分49秒
かに見えたが
『トゥルルル、トゥルルル……。』
風雲急を告げる矢口さんの携帯電話が鳴る。
「もしもし、あ、カオリ?。無事だったんだ。………エーーッ!!。……何だってぇっ!!。」
電話を切った矢口さんは、真っ青な顔で私を見つめた。
「ヤバイぞ。犯人の自供によると、……あの女、時限爆弾でマンションごと爆破して自殺するつもりだったらしい。
予定では、あと3分後にドカンだって……。」
「じ、時限爆弾?!!。」
「ああ。屋上の動力電源室にセットしてあるみたい。
と、とにかく時間が無いッ!!。ほらっ、サッサと逃げるぞッ!!。」
矢口さんは階段へ向かって一直線に走り出した。
- 13 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時19分35秒
「ち、ちょっと待って下さい。……逃げるって。……このまま爆弾を放っておくんですかっ!!。
せめて住人の避難誘導でも…。」
「死にてーのかテメーはっ?!!。もう手遅れなんだよっ!!。
それにリーダー命令だ。従わねーとクビだぞッ!!。」
「…で、でも…」
戸惑う私を置き去りにして、矢口さんの小さな背中が消えていく。
このまま、逃げ出していいんだろうか?。
正義のヒーローとして、そんな選択が正しいんだろうか?。
呆然と立ち尽くす私は、頭の中で自問自答を繰り返した。
…おかしい。
やっぱ、おかしいよ。
飯田さんも、矢口さんも、他の隊員達もみんな間違ってる。
こんな時にこそ体を張って頑張らなきゃイケないのに。
目の前の危険から逃げ出して何がヒーローだよ。
もう……いいや。
みんな見損なったよ。
私の中で、何かが音を立てて崩れていく。
サヨウナラ、私の夢。
サヨウナラ、私の憧れ。
覚悟を決めた私は大声で叫んだ。
「………辞めてやるよバカヤロウーーーッ!!。」
- 14 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時20分06秒
ドンドンドン。
「みなさーん。このマンションは危険です。すぐに避難して下さーいっ!!。みなさーんっ!!……。」
ダメだ。
もう多分、残り時間は1分も無い。
こんな短期間で住人全員を避難させるなんて不可能だ。
こうなったら、……自力で爆弾を解除する以外方法は無い…。
当然、過去にやった事なんか無いし、爆弾の仕組みもまるで解らない。
でも、ヤルしかない。
いや、ヤラなきゃいけない!!。
残り時間、30秒。
私は、屋上へと駆け上った。
肩書きの無くなった、小さな正義感を胸に。
「(ハア、ハア)、……ココだ。」
固い扉に閉ざされた小さな一室。
この中に悪魔の爆弾が眠っている。
残された時間は、あと10秒。
戸惑っているヒマは無い。
ガツーン、ガツーン、ガシャーン。
置いてあった鉄ハンマーで鍵穴を壊すと、無我夢中で部屋の中へ飛び込んだ。
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時20分41秒
ドカーン、ドカーン。
「せーのっ、『合格、オメデトウッ!!』。」
汗に涙に鼻水に…。
必死の形相で突入した私を待っていたのは、祝砲の打ち上げ花火と14人の優しい笑顔。
「フッ、騙して悪かったな。ちょっとした新人歓迎会……という名の適性検査だ。
お前が本当に正義のヒーローにふさわしいかどうか、テストさせてもらったよ。
最初っから最後まで全部嘘のドッキリ企画。……どうだ、楽しかっただろ?。」
「……ド、ドッキリ?。…全部…嘘?。……ヒドイ。」
一気に力が抜けた私は、ヘナヘナとその場に座り込んだ。
胸の鼓動は花火に負けないくらいの力強さで鳴り響いている。
多分、一年の寿命と引き換えにバストが3センチUPした。
「っつーかさぁ、お前本当に信じてたのか?。大体、真っ昼間からギャンブルしてたり
リーダーがボケてたり、先輩が金の亡者だったり……、そんなヒーローが何処に居んだよバーカ。
あっ、そうそう。あの犯人役のオバサンは作戦本部の裕ちゃん。
着地した瞬間ギックリ腰になって病院へ運ばれたけど、三十路ってのは本当だから。」
放心状態の私をよそに、室内がドッと笑いに包まれる。
- 16 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時21分15秒
でも、…良かった。
正直、ホッとした。
憧れのヒーローが、本当はマトモな人達だった。
当たり前の事だけど、何だかとても嬉しかった。
「亀井絵里さんっ!!。」
しっかりした本物の飯田さんが改めて私の名を呼ぶ。
「あなたの正義感、シッカリ見せてもらいました。…ジュウゴレンジャーには、あなたのような人間が必要です。
これから一緒に頑張りましょう。ヨロシクね。」
「………………ふ、…ふぁい。」(ウワーン)。
恥ずかしさと安心感と嬉しさと悔しさと……。
色々な感情が入り混じり自然と涙が溢れ出る。
多分、これから先、この仕事には様々な困難が待ち受けているだろう。
でも、きっと頑張れる。
どんな事にも立ち向かっていける。
そう確信出来た、強烈な活動初日だった。
外に出ると、いつの間にか辺りは夕暮れ。
空は、私の心の中のように綺麗に澄み渡っている。
「また、勝っちゃったみたいね。」
「チッ。絶対逃げ出すと思ったんだけどな。……ほらよっ!!。」
二人の妖しげな会話は、未だに続く花火の打ち上げ音に掻き消されていた。
- 17 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時21分55秒
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- 18 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時22分28秒
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- 19 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月23日(月)10時23分03秒
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