45 シェアハウス
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:10
- 45 シェアハウス
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:11
- 「なに見てるのぉー?みや。」
まだあどけなさの残る甘い声で梨沙子は雅の首に腕を回し、雅が必死に覗き込んでいるモニターの
中を覗いた。
「げっ、女じゃんっ!まさか浮気ぃー?」
「なるほど。」
ポンッ!と手を打つ音、低いハスキーな声がして、壁にもたれて少し離れた位置で傍観していた
友理奈がしゃべりだした。
「りーちゃんがてがかかってかかってしょーがないから、浮気ってわけですか。う゛・・・。」
雅に一にらみされて、友理奈はうなる。
それから、プイッ、とそっぽを向いて、
「あー、もうみやもそういう年かぁー。寂しくなるね。」
と、みやびの背中をいとおしげな眼差しで眺めながらつぶやいた。
「ん?」
と梨沙子が友理奈を振り返る。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:11
- 「何が?」
「だから、テスト!15歳になったら地球に行って、修行するのがうちらの星の決まりでしょ!?」
「ああっ!!」
友理奈の説明に梨沙子が急に大きな声をあげて、耳元でそれをくらった雅は思わず「うっさいなぁー。」と
ボヤきながら耳をふさいだ。
「みや、ねえ、みや?」
耳栓したためあがっている腕を何度も引き寄せられるが、みやびは梨沙子を見ない。
「みやは行かなよね!?りーのためにぃー、ここに残ってくれるんだよね!?」
「りさこ、みやは皇女なんだよ?そんなんじゃ庶民に示しがつかないでしょうがぁー。」
友理奈の言葉に、みやびは「うん。」とうなずいた。
「ぶぅー。」
梨沙子が膨れる様は、妙に大人びたルックスのためか若干こっけいに移り、それがいとおしくて
友理奈はまた笑った。
「誰にするか、決めたの?」
「うん、決めた。」
「うっそ。」
友理奈の問いかけにみやびが答え、梨沙子がおどろく。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:12
- 「え、まさかこの人ぉー?」
「うん。」
確かにそこそこかわいいけどぉー、そんなでもないじゃん?
梨沙子は不思議におもう。
「別に恋人探しに行くわけじゃないんだから。」
梨沙子の心の中を見抜いたかのように、みやびがいうと梨沙子は「そっか。」とつぶやいた。
梨沙子がみやびの身体を押し付けながら、奥にあるボタンを切り替える。
モニターの中に、画面に映っている人物のありとあらゆるデータが映し出される。
「新垣里沙・・・、」
梨沙子はぶつぶつと、それを読みながら品定めをした。
胸はあたしの方が勝ってるとか、趣味も自分の方が上だとか、頭の中そんなことだらけの
梨沙子の目に飛び込んできた文字に、思わず梨沙子は声を上げた。
「レズビアン!?」
「うん。」
みやびが冷静に返事をする。
「地球でいうところの、女の子が女の子を好きってあれだよね!?」
まったくこの子は、どこでそういう知識だけはたくわえてくるのか・・・。みやびはあきれた
目で梨沙子を見た。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:13
- 「そっか。だからか。」
友理奈もいつの間にか後ろからモニターを覗き込んでいる。
「そ。お父様に報告してきまぁーす。」
みやびはたちあがると、ヒラヒラと後ろでに手を振りながら部屋を出て行った。
「みやぁー。」
「あたしがいるじゃん、りさこ。」
「うぅ・・・、くまちゃん。」
肩に手を乗せた友理奈に梨沙子はぎゅうう、っと抱きついた。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:13
-
一ヶ月後、
地球星、日本の東京のアパート・メゾンモーニングの一室に、
「そぉ、マコッちゃん留学はやまっちゃって。だから、愛ちゃん来ない?一人暮らししたいって
いってなかったっけ?」
『シェアハウスは一人暮らしって言わんやろ?』
受話器越しに友人の高橋愛としゃべっている新垣里沙がいた。
「で、どぉ?」
『んー、親がうるさいから、ちょっと相談してみるわ。』
「そっかぁー。」
しょぼんとうなだれる里沙。
「ここら辺は見晴らしかずよいでしょう?住んでる方も大学生なんだけど、かわいい女の子でね。」
「はい、知ってます。」
里沙の部屋の扉の向こうから、見知らぬ話し声が聞こえた。
いや、片方はどこかで聞いたことあるような・・・。
ピンポーン-
チャイムが鳴る。
「あ、お客さん、じゃあ愛ちゃん考えといてね。」
『ちょっ』
愛が何か言い終わる前に電話を切ってしまい、里沙は自分のあわてんぼうぶりに少しへこんで、
それからドアを開けた。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:15
- 「はぁーい。」
「あっ、新垣さん?」
「はじめましてっ!あなたの願いを三つかなえるためにベリーズ星からやってきましたっ!
夏焼雅ですっ!」
不動産屋のおばちゃんを押しのけて元気にそう言い放ったみやびに、里沙の目が点になったことは
言うまでもない。
かくして、人間と宇宙人の同居生活は幕を開けたのである。
願いのルール
・地球星での『生』や『死』といったことにかかわるお願いは却下。
・地球星で人の気持ちを動かすという願いは却下。
「あの、あたし愛ちゃんと住もうと思ってたんでかえっていただいてもいいですか?」
「無理です。」
・帰れという願いも、却下。
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:15
- ||c|; ・e・)|
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:15
- ノノl∂_∂'ル
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/04(日) 01:16
-
- 11 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
- このスレッドは最大記事数を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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