28 リゾナットブルー

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/01(木) 18:22
騒音の中、後藤はその場に立ち尽くしていた。
何人もの人が、通り過ぎていく。
後藤が立っているところだけが、まるで時間の止まったようだった。
楽屋に居た時、見ていたシルバーのリングを取りだし、
自分の指にはめ、その月にかざした。


「きれい・・・。ねぇ・・・いちーちゃん。」

月の光反射したように、そのリングが光り輝いた。

「会いたい・・・よ?」
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/01(木) 18:23
石川は、声を押さえるため、口に手を当てる。
ギュッと瞑られた目蓋の下から、涙が流れ落ちる。
「・・・梨華ちゃん・・・。声、我慢しないで・・・。」
最初はゆっくり、だんだんと指の動きを早くしていく。

『いちーちゃん・・・。』

・・・また聞こえる。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/01(木) 18:23
いつか見た光景がありました。

人懐こくて、ほんとに好きな人には、意地悪な人。
はたから見ている私には、よく分かりました。
彼女が、愛されていると・・・。
それと同時に、彼女はあの人を愛していると・・・。
だから、あの人が脱退すると聞いて、
私は、ほんとうに信じられませんでした
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/01(木) 18:23
『いちーちゃん。』

たとえ彼女の瞳に私が、映っていなくても。

『ひとみちゃん。』

たとえあの子を傷付けるとしても。

今だけでいいから・・・。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/01(木) 18:24
娘小説の歴史を変える最高傑作



見逃すな





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