07 僕の小春日和

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:11




Indian Summer−枯れ葉が落ちはじめ、寒さが身にしみ始める晩秋に、突然よく晴れ上がった暖かな日。小春日和。


  
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:12


ーー空は高くて、手を伸ばしても届かないけど、
  それでも手を伸ばしていると、何かを掴めそうな気がした。
  それを、君に伝えよう。いつか必ず……         −−

「小春?」
「ん?」
「なんか、悲しそう」

あの子がいなくなってから、空気は呆れるほど澄んでいた。

「おなか痛い」
「え?」
「おなか、痛い」

そう言ったら、帰ってきてくれる気がした。
いつも、おなか痛いときに、手をあててくれていたのを思い出す。

3 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:12

−−涙は、雨になって、僕らに降り注ぐ。
  雲から降り注ぐ無限の雨に、
  僕ら、冷たくずぶぬれの子猫の様だ。
  いつまでも僕らは巡り会えないの?  ー−

ねぇ、いつだって、君は私のインディアンサマーだった。
寒さに身を縮こませる私を、やさしく包み込む太陽の様に。

「分かった。私、会いたいんだ」
「あの子に?」
「うん。会いに行く」
「忘れてるかもよ?」
「それでも、会いに行く」

私のインディアンサマー。可愛いあの子。
何故会えないんだろう。何故、会えないと思っていたんだろう。

4 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:13

−−願えば、きっと叶うと信じる日々。
  例え夢でも、君に会えたならと涙する。
  それも、君に伝えるから。絶対に伝えるから。−−

ちっぽけな恋だって気付いていた。たかだか、十代になったばかりの恋愛で。
それでも、あの子は私の運命だって勝手に想っていたから。
同じ後悔ならば、やって後悔した方がいい。そう思える様になったのは、君のおかげ。

「小春、絶対行くの?」
「行く」
「じゃぁ、もし、会えたら、これを渡して?」
「これ、何?」
「……私の、懺悔」

小さな手紙。あの子に渡す前に読まないでねって言われた。
もちろん、あの子に渡すまで、私は決して開かないと誓う。

「あの子に宜しくね」
「うん。必ず伝えるよ」

そうして私はバスに乗った。

5 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:13

−−涙は、雨になって、僕らに降り注ぐ。
  雲から降り注ぐ無限の雨に、
  僕ら、冷たくずぶぬれの子猫の様だ。
  いつまでも僕らは巡り会えないの?  ー−

高原の羊の群の中に、あの子を見つけた。
嬉しくて、ブンブン手を振るけど、あの子はこっちを見ないから気付かない。
名前を呼んだら、驚くかな?いつも、名字をもじって読んでいた。

「愛佳ー!!!!!!!!」

振り向く君は、笑顔でしょうか?

6 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:14

−−歩いて、涙堪えて進んで、悲しい道を超えてきた。
  たどり着いた今、僕は全てを思いのままに。     ーー

7 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:14
 
 

                   :僕の小春日和:
                      Starring
                   Koharu Kusumi
                    Aika Mitsui

                   Written by *****

  
  
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:15




















 「ダイスキって言葉は、簡単に使ったらあかんねんで?」
 「……簡単になんて、言ってないもん」
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/04/27(日) 20:16



 おしまい。

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