24 河童の恋

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:47
河童の恋
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:55



なっきーの挑戦
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:55

えりかちゃんが言い訳でしかない熱弁を奮っている。
「大体さー、なんで愛理はあんな嫌がるんだろうね。あたしはねー、ただコミュニケーション取ろうとしてね、ああ、最近あんま愛理と話してないなー、とか、あれ、愛理最近ちょっと元気ないんじゃないかなー、とかね。そういうとき、どうする? ……………………なっきー」
なんの反応なかったから、わたしに振ってきた。
素直に「一緒にお風呂」と言えばいいのか、なんかボケたほうがいいのかビミョーな笑顔。

よし、ここはボケよう。
ノリノリになるんだ。
大丈夫、きっとできる。
ライブだとテンション高くなるんだから、きっとできる。
ほら、今だって心の中では、愛理とお風呂でフォウッ!

いつでもできるから、やってなかっただけ。
やろうと思えば、いつだってできるんだから。
なかさきなんかじゃない!
簡単に変われちゃいましたフォーッ!!
梨華ちゃんさんのように。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:55
「だからお風呂ってことにはなんないじゃんねぇ」
千聖がもごもごした。
先を越された!
「わかってない!」
えりかちゃんが、信じられないって演技がかった表情で頭を抱えた。
そしてもう一度、わかってない。
「だってね、最近みんな愛理を誘わなくなったじゃん。ちょっとさみしかったと思うの。気ィ抜けてたと思うのね。……逆にチャンスだったの」
「で、愛理が拗ねて出てこなくなったんじゃん」
千聖がまたもごもごした。
ちょっと笑ってる。愉快そうだ。

「毛ぇ生えてないんじゃないの?」
舞美ちゃんが部屋の中央を横切って窓際に立った。
窓におでこをくっつけて外を見ている栞菜に覆いかぶさるようにして、同じように外を見た。

栞菜の鼻の穴がふくらんだ。匂ってる。
千秋楽の前祝にススキノに行きたいとずっと言ってた。
ホテルに入ってからは諦めたみたいだけど。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:56
「北海道の台風ってどんななのかな」
舞美ちゃんはずっとウキウキしている。
雨の日はテンション低いけど、台風は自分のせいじゃないからテンション高くなるらしい。

「あれ、まいは?」
思い出したように千聖がキョロキョロした。
「いったん部屋に戻るって」舞美ちゃんはまだ外を見ている。
その下で、栞菜が思いつめたような顔をしている。
夏の初めあたりから、時々おかしい。

「やっぱススキノ行こうよ!」
栞菜がぴょんって立ち上がった。
舞美ちゃんが顎をおさえて蹲った。
涙目の舞美ちゃんが、申し訳なさそうに顎を撫でる栞菜に大丈夫と言ってる。
「栞菜、すすきのにこだわるねえ。なんで?」えりかちゃんが聞いた。
「少しは気分も晴れると思って」
今は晴れてないのかな。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:56
そういえば、わたしまだ一言も発してない。
「ちんちん生えてんじゃないの!?」
叫んだ。
なんの話? ってみんなに言われた。
愛理の話かー! って舞美ちゃんに変に納得されたのが落ち込んだ。

「そうだよ、愛理を慰めないと」
えりかちゃんが、ね、とわたしに笑顔を向けた。
「それよりえりかちゃんが謝ればいいんじゃない? 無理に誘って逃げられたわけなんだし」
千聖が笑ってる。
それはできないとえりかちゃんは真顔で言う。

今がチャンス。
なっきーフッウォ!
「わたし行くよ」
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:56
「ねえ、愛理?」
愛理の部屋の前、とりあえずノックした。
「入らないからね!」とげのある声が聞こえた。
「いや、そういうことじゃなくてね、謝りにきたの」
「なんでナッキーが?」
「うん、慰めにきたの」
「なにしに?」
拗ねた声が聞こえる。
出てきた。
慰めてもらいたかったのかな。

「うう……、わかってくれるのはナッキーだけだよ」
なんも言ってないのに抱きついてきた。
おっきい愛理のちっちゃい頭が、ちょこんとわたしの肩にのる。
わたしはその愛らしさを全身で受け止めた。
「ね、愛理。話、ゆっくり聞くよ。一緒にお風呂入りながら」
えりかちゃんみたいに確信的じゃないけど、言っちゃうんだ。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:56



舞美の余裕
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:56
ナッキーまでも追い出され、みんな、あれでもないこれでもないと。
ああ、なんかみんなべつのところで議論してらー。
愛理なんて一発だからね。
外を見るのも飽きたし、ここでいっちょ、リーダーの貫禄と余裕を見せてやるかー!

「じゃあ、ちょっと行ってくる!」
白熱する話し合いの脇をするりと抜けて部屋を出た。
うふふ、みんな一時停止。話し合いが止んだ。
わたしを見送る視線が心地いい。
ついて来い、follow me.
みんな再び話し出す。
わたしは一人で廊下。
あれ?
舞美がんばれぇぇぇぇ!!!!
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:57
ここはひとつ、愛理をさらっと呼び戻して、みんなの尊敬を集めなきゃ!
もう二度と、舞美ちゃんだから……、なんて言わせない。
愛理の部屋の前に立つ。
ノックは二回、一拍置いて、もう三回。
「ねぇねぇ愛理ー、出ておいでよー」
出てこない。
声すら聞こえない。
「愛理ー、あいりー、あいりー、あ・い・り、あ・い・り! あーいりヒョー! あ〜いり、ひょー!」
「愛理じゃないし」
出てきたのは、まい。

わたしがビックリしていると、まいが大きなおめめで二度パチリ。
そして、妖しく微笑んだ。
「ねえねえ、今日のまい、ちょっとセクシーじゃない?」
「おお、そういえば!」
「まつげをねぇ、グリンってしたの」
わたしの中で、舞美が弾けた。
これから先のことは、よく覚えていないだろう。
無垢のカンバスに夢を描くよ!
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:57



えりかの一言
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:57
実はさっき千聖に言われた一言が効いている。
そういえば愛理しかお風呂に誘わない。
絶対に断ってくるからだ。
断ってこないにしても、一緒にお風呂に入りたいのは愛理だけかもしれない。
「だーから、えりかちゃんは恥ずかしがり屋なんだよぉ」

そうか、すべて照れ隠しだったのかと納得してしまった。
愛理への思いは忘れて。
「もう! いいから愛理を炙り出すのよ!」
「それより出てったっきり、舞美ちゃんが帰ってこない」
疲れたのか、なっきーが放心したように脱力している。
「まあ、舞美だしねぇ……」
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:57



愛理の言い分
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:57
「愛理が閉じこもったまま出てこないんですぅ〜」
えりかちゃんの哀れっぽくかわいい声が聞こえてから急に慌しくなった。
一緒にお風呂に入ろうって言われたのを断っただけなのに。
しつこく言われたから鍵をかけただけなのに。

一緒にお風呂は勘弁! と宣言してからも、一番しつこいのは、えりかちゃんだった。
舞美ちゃんや栞菜は、こっそり私のお風呂を覗こうとするようになった。
あとはカメラがあって逃げられないところで密着してきたり。

恥ずかしいけど、恥ずかしいわけじゃないの。
最初に見せる人は誰か、もう決まってるの。
うへー。

今から寝てたフリをしよう。
でも、どうすれば?
興奮してしまって、たぶんだけど目が充血してる。
本当は、裸見せたってなんともないよ! って顔してればいいんだけど、
そうしようと思えば思うほど、想像しちゃって恥ずかしくなってできない!
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:57
あいりー、あいりー、まいちゃんの声が聞こえる。
それにかぶって、千聖の笑い声混じりの声が聞こえる。
愛理! 切迫しているのは栞菜の声だ。
みせろー、みせろー、抑揚ない低い声は舞美ちゃんだ。

怖い。
寝ぼけたフリでこのドアを開けた瞬間、わたしは剥かれてしまうんじゃないか。
みんな笑って、そういうことをする。

「開けるよー!」
マネージャーさんの声がした。
「愛理ー?」
心配そうな栞菜の声。
ちょっとだけ心が揺れた。
16 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:58
まっさきに飛び込んできたのは舞美ちゃんだった。
本当は栞菜だったんだけど、舞美ちゃんに引き倒されていた。
「よかった!」
舞美ちゃんは心の底から安心したような顔で、抱きしめてくれた。
「あいりぃ、ほんとにほんとに心配したんだからね!」
その声があまりにも優しくて、わたしはうっかり涙をこぼしそうになったんだ。
「ごめんね、わたし達とお風呂はいるのが嫌だったら、本当に無理しなくていいんだよ?」
「いやだけど、いやじゃないの」
汗以外の淫靡な匂いもしたけれど、まいちゃんの髪が乱れているのも見えたんだけど、
「どういうことさ?」
「一緒にお風呂に入るのはロビン様だけと決めているの」
わたしは遠巻きに見守ってくれている仲間が、本当にうれしかったんだ。
あれ?

やばいと感じたときには遅かった。
「愛理ねー、ロビン様のこと好きなんだってー!」
みんな、えぇ〜? ってなったけど、半分くらいはすぐに首を傾げた。
舞美ちゃんも気の毒になるくらい難しそうな顔で、ん? マスクか? とか言ってる。

「なんだー、言ってくれればいいじゃーん」
栞菜が大股でやってきて、わたしの肩を抱いて部屋の奥に誘導する。
そして、ぼそっと小さな声で言った。栞菜ひとりじゃなくてよかった。
一緒にしないで。
「栞菜、ロビンの連絡知ってるからさ、あとで交換ね」
「だれと」
「梨沙子ちゃん」
「え?」
「え、じゃないよー」
知らなかったの? とでも言いたげだった。
「あの夏の台場が忘れられないのよ」
ガッタス?
あのとき、なんかあったっけ。
でも、うっとりと遠くに目をやる栞菜が他人ではないように思えた。

うん、他人じゃない。
「栞菜聞いて!」
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:58
ツアーとかイベントが重なり疲れきっていた、五月のおわりのほう……。
みんなで行ったハロプロエッグの新人公演でもらったDVDが始まりだった。

なぜか一緒にもらったTheポッシボーのシングルVクリップス。
初恋ナゾナゾのメイキングで、ロビン様が「きゅうりが食べたい」って言ってたの!
あの瞬間、戦慄が走った。
カッパとしてのシンパシー。
ちょっと唇を尖らせて「きゅうりが食べたい」というロビン様は紛れもなくカッパだった。
それも気品高い王族カッパ。

それから、いっぱい勉強した。
ブログ、DVD、こくっちゃん、ありとあらゆるロビン様を探した。
関係ないけど、つんくさんの会社では誕生日のケーキはコージーコーナー。
しかも何種類かのケーキを合わせてホールにするのだ。
今度からは℃-uteもホールまるごとではなく、そうしてもらおう。
みんな好きなケーキを食べられる。

そして確信したあの日。
ロビン様がマジック用のきゅうりを食べていたのを発見。
汚いからって内側の白い部分だけ、歯を立てて。
それを知ったのは夏の終わりで、夏のHelloには間に合わなかった。
冬のHelloの頃にはきっと、ロビン様はもういない。
大切なことに気付かされるときは、もうすでに遅いってことなんだね……

「いいから梨沙子ちゃんのアドレス教えてよ」
栞菜に遮られた。
自分で聞けばいいのに。
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:58



栞菜の恋模様
19 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:58
秋葉原。
梨沙子ちゃんの話では、愛理が来てしまっているそう。
そんなの関係ないから池袋に行くよ、オフだし、と連絡した。
舞台で行けないから代わりに見ておいて、と返ってきた。
ちょっと楽しそうだった。
だから栞菜も使われて楽しい。
でも一人じゃ心細いからえりかちゃんと舞美ちゃんを呼んだ。

どこいるの? って電話が来て、改札から出てきたのはえりかちゃんだけだった。
「舞美ちゃんは?
あー、なんかねー、お腹ぐるぐるしてるから来れないって」
よくわかんないって顔をしてると、えりかちゃんは続けていった。具合悪いんじゃない?
お腹減っただけじゃないのかな。
「まあ、行こうよ。場所知ってる?」
「あっきゃんに聞いた。でも裏口ないみたいだから、始まってから来たほうがいい、って」
「何時?」
「七時くらい」
「待てない、さっと通ればわかんないよ」
それにしてもすごいねー、とえりかちゃんは秋葉原の街を見まわしている。
たしかに、どこがって言えばキリがないほど違うところがある。
「栞菜たち耐性ついてんだね。この街に違和感おぼえない」
また難しい言葉を使っちゃったみたいだ。
えりかちゃんが止まった。
石丸電気に向かった。
11月6日発売、Theポッシボーの「HAPPY15(フィフティーン)」の発売イベントに、愛理はいる。
20 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:58
話が通っていたみたいで、入り口で列を整理しているおじさんが裏まで案内してくれた。
愛理はまだ来ていないらしい。
危ないことはないだろうけど、いつ来るかわからないと、と困っていた。
聞くところによると、イベント自体は無料だから、誰でも入れるらしい。
で、握手会に参加する人は、イベント会場でCDを買う。
「愛理、絶対買うよね」
確信めいた口調でえりかちゃんが呟いた。
栞菜もそう思う。

石丸電気7Fの会場を抜け、ステージを通って楽屋に入った。
久々だね、とか、所属が変わる、とか、しばし雑談。
お客さんが入り始めているというのに、みんな準備する気配がない。
髪はできているけど、半分は衣装を着てない。
席を外そうかと言うと、大丈夫だいじょうぶ、と本当に何もしてないかえぴょんに止められた。
そのタイミングで、しゅんしゅん泣いている愛理がさっきのおじさんに連れ添われてやってきた。
入場があらかた終わったタイミングで愛理が入ってきて、すぐに囲まれたらしい。
21 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
「愛理ー! ほら、スマイルっ!」
えりかちゃんが、俯いて泣き顔を見せまいとしている愛理を撮ろうとしている。
愛理はしっかり「HAPPY15(フィフティーン)」を手に持って、いやいやと首をふっている。

そういえば、なにしにきたの? あっきゃんに聞かれた。
栞菜は答えられないと言った。
ポッシボーのイベントに来たのは、一年くらい前の花音ちゃん以来らしい。
花音ちゃんと同じ理由だと思うと答えると、あっきゃんは不思議そうな顔をしていた。

えりかちゃんがからかって、よりによってロビンものっかっちゃったから収拾がつかない。
愛理を二人から離して、下から覗き込んだ。
泣いてる愛理はかわいい。
おかしな色香もある。
「どうする? 愛理。このまま栞菜と一緒にいる?」
愛理はしゃくりあげながら、ぶんぶんと大きく首をふった。
「ちゃんと言える」
コクンと頷いた。
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
楽屋がシンとなった。
会場からのざわめきが鮮明に聞こえる。
愛理は肩から提げた鞄へ「HAPPY15(フィフティーン)」を大事そうにしまった。
そして、見事なきゅうりを出した。
「ロビン様、わたしと一緒にきゅうり食べてください」

は? あっきゃんが悪い目つきになった。
ごとぅーがぽかーんとしている。
えりかちゃんが笑いをこらえている。
奥のほうでお菓子を食べていたはしもんともろりんが驚いたように愛理を見ている。

目をまんまるにしていたロビンは、本気だってわかったみたいだ。
それもそうだと思った。
一緒にきゅうり食べてくださいなんてギャグにもならない。

あ、えっと……、あぁ、と一生懸命いろいろ考えたロビン、その間、約二秒。
「でも、ごとぅーもロビンのこと好きみたいだし」
「それロビンが勝手に言い出したことじゃーん」とすぐに反論がきた。
怒っているようでも、ごとぅーの口調はどこか甘ったるい。
「ロビンは愛するよりも愛されたいタイプなの! アイドルだから」
愛理を遠ざけるような発言。のように感じた。
断り口調だったからかもしれない。
23 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
「そういう言い方ないでしょー」
向こうから、はしもんがロビンを諌めた。
他にどう言えっていうのよー! ロビンがはしもんの隣にいたもろりんにつっかかった。
「なんでわたし?」
そう不思議そうにしているもろりんに、当然だよというようにかえぴょんが頷いてる。

ここまでくると、もうわかんない。
えりかちゃんが珍しく困りきった顔で、隣に立った。
「愛理さー、やっぱ味噌もつけたほうがよかったかなって聞いてきたんだけど」
きゅうりに、味噌。
「持ってきてるのかな」
「かもしれない。どうしよう」
どうしようもないよ、と言ってあげたかったけど、今のえりかちゃんには言えない。
ちょっと前に、愛理は奇人変人の部類に入ると言ってたのは栞菜の梨沙子ちゃん。
覚えたての言葉を使いたかっただけだと思ってたけど、ちがうみたいだ。
24 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
放り出されたみたいになってる愛理は、きゅうりを突き出したまま震えている。
耳が真っ赤だ。
今まで生きてきて、断られたことってそんなないんだろうなあ。
かわいそうだけど、そっとしといてあげようと思った。
このきゅうりのどこがダメなのかを聞かれても、カッパのエロチシズムを語られても困る。

「ねえ栞菜、どうしよう」
「帰る?」
「そうだね」
「メイド喫茶に寄っていこうよ」
「それはいや」

どこ行くの?
完全に他人事で、メイクを重ねてるあっきゃんが声をかけてきたけど、なにも言えなかった。

「きゅうり食べてあげればいいじゃん」
ごとぅーの声が聞こえた。
情けはいらんぜよ、という愛理の声が聞こえた気がしたけど、きっと空耳。
25 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
今のこの状況と経緯をどう梨沙子ちゃんに伝えよう。
メールじゃ足りなくなるかもしれない。
電話だと全部伝わりにくいかもしれない。
会って話して伝えたほうがいいかもしれない。
そうに決まってる。
池袋に行こう。

サンシャインの入り口のおっちゃん、栞菜のこと覚えてくれてるかな。
こそっと入って、梨沙子ちゃんを驚かそう。
ちょっと迷惑そうな、でも感激した引きつった笑顔で迎えてくれるんだ。
梨沙子ちゃんのことを考えるこういう時間が、たまらなく楽しい。


26 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
 
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
 
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/05(月) 21:59
 

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