12 addict

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:22

12 addict
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:23
パソコンのHDDの中に、そのファイルは綺麗に並んでいる。
2005年からはじまって、つい一昨日までの記録まで。
あえぐ、声、おびえたような、瞳、とろっと流れ落ちる、、、
その一瞬一瞬が瞼の裏で動き出しそうになって、私は時計を見た。

彼女がこの後、部屋に来るまでにまだ三十分ほど余裕がある。
インターネットに繋ぐと、適当に検索をかける。
彼女に出会ってからの私は、まるでエロスの化身だった。
常にそれを考え、勉強し、実行し、彼女を求めるためだけに時間を使う。
それ以前のことなど、よくは覚えていないがこんな風ではなかったはずだ。
マウスで画面をスクロールさせていると、
面白そうな心理テストがあったので、今日はそれをやってみることにする。

「マニアックH度占い」少し気になってページを覗いた程度なのに、
セリフを打ち込む欄まであったので、即実行してみることに決めた。

名前の欄に彼女から呼ばれるニックネームを入力すると、早速質問に
答えはじめる。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:24
  当てはまるものにチェックを入れてください。

レズビアンという項目があったので、迷わずそれをチェックした。

 セックスは好きな相手とするものだ。

わからない。私は彼女が好き?今なら迷わずイエスと答えられるが、
はじめて彼女と触れ合った夜にそれを感じたかどうかは定かではない。

 ズバリHが好きだ。

もちろんイエスだ。

 彼女(彼氏)もHが好きだと思う?

イエス。

 イエスと答えた方に質問。その根拠は?

私の息は一瞬高く震えた。根拠……。私の脳裏にチラつく、彼女の乱れた
姿。艶めき揺れる肌……。
しかし、選択肢にはそれはなく「態度」「言葉」「頻度」全てにチェックを入れた。

 言葉を選んだ方に質問。彼女がよく口にする言葉を書き込んでください。

プログラムの中に記録された言葉の中から該当したキーワードによる分析
がされるらしかった。
「すごい」「もう駄目」「もっと」
私は思い浮かぶ順に、カタカタと言葉を打ち込んだ。
現実にはこんなに簡潔で乾いていたりはしない。
数10倍は濡らしている感じに響く言葉達。

愛し合う私たちはどこか動物のようだと感じる。それは言葉をほとんど交わさない
ところからくるのかもしれない。
実際に、思い浮かべてみようとしても、彼女の紅い唇、紅く濡れた舌がチラリと
脳内を刺激しただけだった。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:25
 では、あなた自身がよく口にする言葉を書き込んでください。

「気持ちいい」「ここがいいんだ」「大好き」
一昨日の行為の最中の記憶だった。こうして羅列させると、なんのことはない
頬が少し染まってしまうような言葉達だった。

 ズバリ、SかMかでいうとSだ。

いぇす。

 Sと答えたアナタに質問。SMプレイを実際にしたことがある。

YES.

 それはどんなもの?

「縛る」「ろうそく」「ムチ」「精神的なもの」
ロウソクとムチは遊び半分で購入した。
私と彼女は笑いながらそれをためしてみた。しかし、それほど快感を得られる
ことはなかった。どこが滑稽にも思えて、それより何より彼女の肌に触れる
黒や赤のそれに私が嫉妬をし、焦燥をかきたてられ、満足にそれを体験することは
かなわなかった。

縛るという項目は、もっとも好きなジャンルだった。
彼女は綺麗な体のラインをしている。それをネクタイだったり、専門の店で買った
縄だったりで縛る。私はそれを眺めながら、ビールなんかを煽ったりする。
彼女が顔を真っ赤に染め、身を捩る度にある種の支配欲が満たされていくのを
アルコールが浸透するのを同じ速度で感じる。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:25
 彼女(彼氏)がHを求めています。しかもかなり積極的。
 あなたはハダカで挑発してくる相手のどこに一番最初に触れますか?

「興味がない振りをして様子を伺う」それがベストな答えだけれど、選択肢の中に
それはない。ではどこに触れるのか。目を瞑って考えてみた。指を絡めた。
彼女を焦らすように。「手」だ。

 Hの最中で一番気持ちいいと感じる瞬間は?

体の芯がゾクリと震える。彼女が溶け落ちそうな潤んだ瞳で、懇願するように
私の名を呼ぶときだ。その瞬間が何を差し置いても一番だ。
しかし、選択肢にそれはない。心理テストとはこんなものだ。
実戦には遠く及ばない。文字の羅列。それでも、私は「指を入れているとき」
にチェックを入れながら、包んだマウスでまるで、彼女の体の内部を探索しているような
悦に浸っていた。

ぬめっとした壁にざらざらとした感触、途切れそうな声を零す彼女。

手のひらに、汗が滲む。

 一週間に行うHの回数は?

「3回」指先が熱く湿っている。額には、汗まで浮き出しそうだった。脳裏で
リアルな感触が私の体を支配していた。
小さく彼女がイクときを、含めてもいいのだろうか。それなら、15回には達する。
この部屋に泊まるときなんて、体中が乾いてしまいそうなほどに彼女はぐしょぐしょに
濡れた。部屋の湿度が一気に上昇するほど……。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:27
私の手は、彼女の体を求めていた。
私の体温でぬるくなったマウスではない。
丁度よくアンケートが終わる。

何か数字が映し出されたが、それを確認する余裕はなかった。
時計を確認しようと、視線を動かした瞬間にチャイムが鳴った。

これじゃ、まるであなたの中毒者だ。
小さな声で彼女の名を呼び、微笑った。

私はパソコンの電源を落とし、玄関の鏡の前に立った。
体の芯は既に熱い。
期待感だけで。

微かな汗をぬぐい涼しげな笑顔を作る。
それを確認すると、鍵を開けドアノブに手を伸ばした。

「いらっしゃい。」

たっぷり、たっぷりと時間をかけて、行為はそれからだ。
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:28
 
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:28
 
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/02(金) 07:28
 

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