06 桃子とデート

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:43
『桃子とデート』
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:44
桜の散り始めた日曜日の午後、僕は桃子とデートをした。
公園を手をつないで歩く。
桃子は僕の手をギュッと力強く握ってくれる。
緊張で手に汗が浮かんでくる。
桃子は手を離さない。

桃子より10も年上なのに、車を持っていない甲斐性のなさを恥じると、
「そんなの気にしなくていいですヨ。桃が買ってあげますから」
桃子はちょっぴり誇らしげな笑みを浮かべ、首から提げたガマ口のサイフを開いた。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:46
タ〜ララ〜ン タララ〜 タ〜ラタララ〜ン♪

デパートの屋上。
プラスチック製のちゃちでちっちゃなパトカーの、
ペンキの剥げた猫の額のような座席に身を寄せ合い、僕らは座っている。
パトカーは陽気な音楽を奏で、緩やかな回転と昇降を繰り返す。
ときどき電子音が音を外すのはご愛嬌。
石川さんみたいだねって言ったら、桃子は微妙な笑顔で笑った。

振動の度に触れる二の腕と二の腕。
隣の桃子から甘いイイ匂いがする。
意識は自然と別世界に飛んだ。

「楽しんでますかぁ?」
下から覗き込むように、上目遣いに尋ねてくる桃子。
僕は妙にドギマギしながら、大きく頷いた。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:47
ギ、ギギギッ

不意に不快な金属の軋み音がした。
成人男性と女子高生が一緒に乗るのはさすがに無理があったらしく、
パトカーは中途半端な高さと角度のままで止まってしまった。
「金返せこんちくしょー!!」
100円を失った怒りと悲しみ。
我を忘れた桃子はパトカーの車体に何度も蹴りを入れた。
ひるがえったスカートの奥に白いものがチラリと見え、僕は密かに、
殉死したパトカーに敬礼した。

「なにやってるんだ!」
係員に見つかり逃げ出す僕たち。
桃子の逃げ足は異常に速かった。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:48
夕暮れの川沿いの土手。
僕らは手をつないで歩く。
これから仕事があるという桃子と、泣く泣くサヨナラをした。

「え〜と、それじゃあ、オプションで手つなぎとパンチラが加わりますので、〆て12万円になりま〜す」

鬼だと思った。
それでも僕は、そんな桃子が愛しくてたまらなかった。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:49
ももこ
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:49
ももこ
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/05/07(月) 18:49
ぼくのくらむぼん

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