小春の呟き

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:48
小春の呟き
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:48
小春は不思議な力を持っていた。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:48
そのことに気付いたのは5歳の誕生日。
お隣の光男君のママが誕生日プレゼントにくれたお花。
その色は燃えるような赤、情熱的な赤。

かわいいピンク色が好きな小春は一人きりのお部屋の中で思わず呟いた。

「小春、ピンクがいいなあ」

その途端、あら不思議。
お花の色は小春の大好きなピンク色へ大変身。

小春はおおはしゃぎでそのことをママとパパ、そしてお姉ちゃんに報告。
だけど、みんな大笑いするだけで誰も信じてもらえなかった。

「ホントだもん、見ててよ。赤になーれ!」

小春は渾身の力を込めて叫んだ。
だけど、ピンクのお花はピンクのまま。
何度やっても色は変わることなく、結局「夢だった」という言葉で片付けられてしまった。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:49
しかし、夢ではなかった。
その日以来、小春の周りでは不思議な現象が大発生。

流行のお菓子についてたオマケのおもちゃは、車からお人形に。
レストランのお子様ランチについてるデザートのアイスは、バニラからストロベリーに。
大好きなモーニング娘。のトレーディングカードは、すべて憧れの藤本さんに。

ただし、小春が「〜になーれ」と望んでも変化はない。
どうやら無意識の願望を思わず口にしたときだけ、その願いは叶えられるようだ。
しかも、その効果は物限定。
便利なような大して役にもたたないような、そんなよくわからない不思議な力。
賢い小春はその秘密を誰にも言わずに大きくなった。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:49
しかし、その力はモーニング娘。加入後、突如としてパワーアップした。
なんと人に対しても効くようになってしまったのだ。
しかも願望だけではなく、ただ思ったことを口にしただけで変化してしまうのだから、さあ大変。

「吉澤さんてすっごく輝いている気がします」
「あれー、なんかよしざーさん、キラキラキラキラ光ってるんやけど…」

「藤本さんはとってもクールでカッコいい!」
「ちょ、もっさんが氷のように冷たい、コラー!しっかりしろー!」

「亀井さんはショートヘアです」
「え、絵里の髪が、絵里の髪がなくなっちゃったの…」

「小川さんはチョコのイメージがあります」
「まこっちゃああああああん、どこにおるとー!!!」

小春の呟きでモーニング娘。は大パニックに。
ただし、その効果が持続するのはわずか数時間。
おかげでメンバー内ではちょっとメルヘンな出来事として片付けられた。
また、小春自身、なるべく不用意な発言をしないように心がけた。
賢い小春にとってはそんなことは朝飯前だった。

そのうちメルヘンな出来事はほとんど起こらなくなり、平和な日常が戻ってきた。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:50
そんなある日のこと。
小春はれいな先輩と番組の一コーナーを任されることになった。
初めての大役に胸はドキドキワクワク。

だから、小春は油断していた。
だから、小春は忘れていた。
だから、小春は無意識だった。
だから、小春は思いきり叫んだ。
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:50
「れいな先輩、トゲトゲしい♪」
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:50
その瞬間、隣にいたはずのれいな先輩は跡形もなく姿を消した。
猫のコスチュームだけを残して。

「…!………!!」

床から音がする。
だけど、それは小春には届かない。

騒然とするスタジオ。
慌てふためくスタッフ。
何が起きたのかわからない小春の足元では、一本のトゲがピョンピョン飛び跳ねていた。
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:50
「…ぉ〜ぃ!ぉぃぉ〜ぃ!」

―――九時間後。
れいな先輩が誰もいない真っ暗なスタジオで目を覚ましたとき、小春はすっかり夢の中でしたとさ。
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:51
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11 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:51
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12 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/11/08(水) 19:51
´ ぉーぃ!

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