取らぬ狸

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/11/11(金) 23:09

『取らぬ狸』
2 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:10
 4人の女が地下トンネルを掘っていた、
目指すは、ある地方銀行の地下の貸し金庫だった。

瞳が雅恵に聴いた、

「本当にその貸し金庫に、10億の金塊があるの?」

「間違いないよ。私はその銀行に勤めていて
偶然に聴いたのよ。
ある不動産屋が儲けた金を全部金塊に換えて
税金を逃れるためにこっそり貸し金庫にため込んでるのよ」

あゆみがスコップを放り出してペットボトルの水を飲みだす、

「いつになったら、銀行の地下金庫に届くのよ、
もう一ヶ月以上だよ〜毎日暗い中で穴掘りばっかりで
いい加減疲れたよ」

「もう少しよ、10億のためなんだから頑張ってよ」

もう一人のめぐみは黙々とツルハシをふるっている。
3 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:11
 瞳が雅恵に、

「その10億なんだけど、なんで私達3人の分け前が
1億ずつで、雅恵だけ6億なのよ〜不公平だよ」


「当たり前じゃないの!私がすべて計画を練って
あなたたちに話を持っていって、1億でいいってことで
決まったことじゃないの!
1億でなんの不満があるの、1億あれば一生遊んで
暮らせるじゃないの!」


「・・・そりゃまそうだけど、1億あれば、今の田舎のキャバクラ
なんか辞めて遊んで暮らせるというものだけど」


「そうだね、私も1億あれば夢だった銀座にブティックを持てるんだ。
でも、持ち主の不動産屋は10億の金塊が無くなってることに
気がついて、警察に届けたりしないかしら」

と、あゆみが聴くと、

「その点は大丈夫。その10億の金塊は脱税をして貯めたお金を
換えたものだから、警察に届けたりはしないから」
4 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:12
 3人は、黙々とツルハシをふるってトンネルを掘っている
めぐみを見た、

「彼女の家は、1千万円の借金があるそうよ、
それで、一家離散で親父はホームレス、母親は男と逃げて、
弟と妹は施設にあずけられてるそうよ」

瞳が言った、

「たかだか1千万円ぐらいの借金で一家離散なんて
だから、日本はダメなんだよ〜」

「へぇ〜言うわね〜そういう雅恵はなんでお金が欲しいの?」

「私はね、昔から億万長者になるのが夢だったのよ、
まあ、億万長者の男と結婚するのが手っ取り早いのだけど、
器量が悪いのはどうしようもないしね。
さあさあ、もうひとふん張りだよ」

そう言うと雅恵はめぐみの掘った土をスコップですくうと
ネコ車に載せる。
そのネコ車を瞳は運び出す。

めぐみとあゆみもツルハシとスコップをふるって精をだす。

目指す銀行の地下金庫まであとわずかのはずだった。
5 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:15
 それから一週間ほどして、ついに地下金庫の直ぐ下に
たどり着き、後一度ツルハシをふるえば穴が開く寸前だった。

最後の一撃は、計画の立案者の雅恵が行うことになり、
雅恵は大きくツルハシを振り上げた。



その時、頭上の地下金庫の中では、

銀行の支店長と、それに警官が大勢待ち受けていた・・・。

住民から、地面の下から怪しい物音がすると警察に
通報されていたのだ。




            終わり
6 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:16

 メ
7 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:17

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8 名前:取らぬ狸 投稿日:2005/11/11(金) 23:17

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