14 またのきかいに
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:25
-
14 またのきかいに
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:26
-
久住小春がモーニング娘。に加入する事になりました。
一体それによって何がどうなってしまうのでしょう?
答えは簡単。新メンバーが加入する事によって
6期メンバーは先輩と呼ばれる事になるのです。
ついに6期に後輩が出来るのです。大変めでたい事なのです。
それなのに何故だか6期メンバーは浮かぬ顔をします。
実はそれにはそれなりに深い理由があるのです。
理由はひとつ、つんくP曰く
「久住小春はミラクルエース」だからです。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:28
-
それを聞いた5期メンバーは冷静にその事実を受け入れましたが
6期メンバー3人は5期とは反対に怒りに震えたのです。
まるで自分達がミラクルでもエースでもないみたいじゃないか。と。
「さゆはミラクルなの」「じゃあ絵里はエースね」「れ、れいなは・・・・・・。」
とにかく6期は久住小春がミラクルエースだなんて認めたくないのです。
けれどそれでも地球は回るし久住小春は娘に加入します。
それはもう誰にも止められないのです。
自転車操業状態の今のモー娘。は少しでも止まれば
それで全てが終わってしまうのです。
恒例の新メンバーの教育係に選ばれたのはさゆ、道重さゆみでした。
教育係は重要な任務です。
それによってさゆは大変なプレッシャーを感じたのです。
さゆは意外と小心者なのです。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:29
-
新人は何も知りません。
それはたとえミラクルエースであっても同じです。
先ほどもこんな質問をされました。
「道重さん。つんくさんは今後、娘。をどうしたいんですか?」
さゆは答えられません。さゆが聞きたいくらいです。
その時は運良くスタッフに呼ばれたので逃げて助かりましたが
これ以上、久住小春に変な質問をされると困ります。
質問に答えられなければ無能者。役立たず。かわいいだけじゃん。
と久住小春に思われてしまう恐れがあるからです。
そこでさゆは絵里に相談しました。
久住小春の難解な質問にどう返答すれば良いかについて。
絵里は「うへへ」と笑ってすませばいいじゃん。
と言いましたがそれでは馬鹿みたいなので嫌でした。
仕方なくれいなにも相談しました。
れいなは「自分が友達に・・・・じゃなくて教育係になりたかった」
などと言って凹みました。涙ぐんでいました。
さゆはとっても優しい人なので出来れば
今や面倒なだけで露出が増えるわけでもない教育係を
れいなに任せてあげたかったのですがそれは出来ません。
さゆには絵里との密約があるからです。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:30
-
その1
「久住小春をれいなに近づけてはいけない」
絵里のれいな友達ゼロ計画は今後も続くのです。
その2
「久住小春をミラクルエースにしてはいけない」
いきなり出てきてエースだなんてムカツク。
出る杭は打つし、若い芽は摘み取るものなのです。
だからと言ってさゆは教育係です。
絵里がれいなにするように露骨に無視したり
誰とは言いませんが後輩に悪い事ばかり教えるなんて事は出来ないのです。
そこでさゆは考えました。
うさちゃんピースの新バージョンを考えるのは後回しにして考えたのです。
そして考え出したのです。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:32
-
「あの、すいません質問なんですけど・・・・」
来た。さゆはお菓子を食べる手を止めて久住小春を見ました。
見るからに初々しい汚れを知らない少女です。清らかな笑顔です。
これが悲しいかなこの世界に慣れるにしたがって
次第に誰とは言いませんが薄汚れてゆくのです矢口。
さゆは初めての後輩だし出来れば久住小春と仲良くしたい。
と常々思っていました。
久住小春がミラクルエースだろうが何だろうがどうでもいいのです。
この世にさゆが存在しているという事以上のミラクルなんてないのですから。
しかしさゆには絵里との約束があるので仕方ありません。
久住小春は音程がイマイチ取れないので教えて下さい。と言いました。
さゆは困りました。さゆは歌に関しては門外漢なのです。
今では娘に2人しかいない重度の特殊音感の持ち主であるさゆに
歌唱指導をしろなんて土台無理な話なのです。
機械で音程は調節出来るの。石川さんでもどうにかなるの。
なんて事はまだまだ教えられません。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:34
- しかしこんな時にこそ新うさちゃんピース開発を遅らせてまで考えた
あの言葉があるのです。
さゆは笑顔で返事しました。
「今忙しいの。またの機会にして欲しいの」
久住小春は「す、すいません。忙しいのにごめんなさい」
と大慌てで言いながら立ち去りました。
成功です。
多分、久住小春はさゆに聞くのを諦めて他の先輩に聞きに行くでしょう。
さゆは悪くない。忙しいのだ。お菓子を食うのに夢中なのだ。
絵里とのお喋りの真っ最中なのだ。
久住小春だって恐らく「さすが道重さん。エコモニしか
仕事が無いと思っていたけど思ったより忙しいんですね」
と思ってくれたに違いありません。
またの機会に。
なんて角の立たない良い言葉でしょう。
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:35
- 「上手くいったね」
絵里はにやにやと不気味に笑いました。
久住小春を小川マコよりも早く新潟に帰らせるのが
今年の絵里の目標なのです。
「でもいいのかなあ?」
さゆの不安気な声に絵里は大丈夫だよ。と素敵な笑顔で答えました。
それでもさゆは久住小春に対して
申し訳ないような気持ちでいっぱいでした。
しかし絵里との約束があるので仕方ありません。
約束は破るためにあると言いますがさゆには出来ません。
なぜなら絵里に弱みを握られているのです。
どうしても絵里には逆らえないのです。
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:36
-
とりあえずこの調子で機械的に「またの機会に」と返事しておけば
たとえ素質があっても久住小春は伸び悩むでしょう。
さゆは自分が妖精ではなく絵里に従順なロボットだと思う事にしたのです。
でも本当は妖精なのです。でもロボット。
「どうしたのさゆ?浮かない顔して?」
「あっなんでもない。でも心配なのはれいなが久住小春と仲良くなったら・・・・」
そうなれば一大事です。「れいな友達ゼロ計画」も
「久住小春ミラクルエースになれず計画」も頓挫するかも知れません。
「うへへへ。れいながあの子と仲良くなる?」
絵里はまたしても不気味に笑いました。
箸が転んでも可笑しくて仕方ない年頃なのです。
「さゆ心配しなくても大丈夫。もう手は打ってあるから」
「何をしたの?」
「れいなが寝ている隙にプレゼントを置いてきちゃった」
「もしかしてアレ?」
「うん。寝起きドッキリ」
さすがは絵里。
さゆは絵里の友達で本当に良かったな。と思いました。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:38
-
れいなはひとりで、いつものようにひとりでTV局内を歩いていました。
「あいするひとーはあなただけー」
鼻歌が虚しく響きました。
そしてその少し前を久住小春が元気なく歩いていました。
右足と左足を交互に前に出していました。
その寂しげな後ろ姿がなんだか他人ではないような気がして
れいなは久住小春を追いかけました。
久住小春は疲れていました。
教育係のさゆに聞いても何も教えてくれないのです。
機械的に「またの機会に」とお茶を濁して逃げるのです。
横に居る絵里はただ笑うばかりです。
悩んだあげく久住小春はさゆに聞くのを諦めました。
教育係なんて制度はもう無視して5期メンバーに質問しました。
しかし5期は久住小春の肩をぽんぽんと叩いてこう言うのです。
「悪いけど小春ちゃん。教育係の重さんとか6期の子に聞いてね」
つまり何も教えてはくれないのです。
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:40
- それには理由があります。
「6期が責任を持って小春ちゃんの面倒を見ます」
と絵里が言ったからです。
先輩のみなさんはえりりんは随分成長したね。
一皮剥けたね。と亀頭をなでなでしたのです。
絵里は先輩にバレないようににやりと笑いました。
それは絵里が巧妙に仕組んだ罠でした。
もちろんそれは久住小春は知るよしもありません。
困っていても誰も何も助けてくれない。
食欲不振、人間不信。おまけにお家は安普請。
久住小春は東京の生活の何もかもが嫌になりそうでした。
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:41
-
その久住小春を追いかけながられいなの頭には
数日前に絵里に言われた言葉がよぎっていました。
「れいな、もしも久住小春と仲良くしたら絶交だから」
れいなはこれ以上どう絶交するんだ?と思っていましたが
それでも面と向かって絶交を宣言されるのは辛いものです。
それに絵里に絶交されるとさゆと仲良くしにくくなります。
さゆは絵里をひとりには出来ないのです。
そのくらいさゆは仲間思いの優しい子なのです。
れいなも絵里がさゆが居ないとひとりぼっちになる事が
不憫なのでさゆを貸してあげているのです。
れいなも凄く優しい子なのです。
さゆとれいなの身体の半分は優しさで出来ているのです。
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:42
-
この前だってさゆは寝ている間にこっそり
れいなの部屋にプレゼントを置いていったのです。
「さゆとお揃いだよ。絵里に見つからないように付けててね」
れいなはさゆの手紙に涙をしました。
プレゼントはピンク色のかわいい小物でした。
だかられいなはこの友情の証をいつでも身に付けているのです。
このさゆとお揃いの小物を身につけていると
夜毎に感じる寂しさは昔より薄れました。
いや、もしかすると友情の証ではなく孤独なれいなへの
同情の証だったのかも知れません。
その証拠に、手紙の宛先がDearれいなではなくtoれいなになっていました。
それでもれいなには嬉しかったのです。
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:43
-
「どうした小春ちゃん?元気がないっちゃ」
れいなは勇気を出して声をかけました。
いつまで経っても久住小春は聞きに来ないので
れいなは嫌われているんじゃないかと心配になっていたのです。
久住小春は驚きました。
絵里とさゆが唯一まともに教えてくれた事が間違いだったからです。
「れいなはヤンキーだから近づくとナイフで毛を全部剃られちゃうよ」
「ここだけの話、あの目つきは非合法の薬をやっていると思うの」
「危ないから小春ちゃんはれいなに近づかないでね」
「ほら、紺野さん見た?あれはれいなに顔を殴られたから腫れてるの」
結論から言うとれいなは普通の女の子でした。
ナイフは持っていなかったし、暴力も振るわないようです。
久住小春とれいなはすぐ仲良くなりました。
年も近かったしお互い寂しかったのです。
苦節2年ついにれいなにお友達が出来たのです。
大変喜ばしい事です。
しかし楽しいときは長くは続きませんでした。
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:44
-
「こはれなはガチ」との噂が絵里の耳に入ってしまったのです。
もちろんれいなが噂を流していたのですが。
とにかく小春とれいなのCPが成立しつつあったのです。
それを聞いた絵里はさっそく動き出しました。
何も知らないれいなは楽しく久住小春と過ごして居ました。
ミラクルエースに英才教育をしていたのです。
久住小春も物怖じしないでどんどん質問しました。
れいなは「またの機会に」なんて悠長な事はいいません。
この機会を逃せば次の新メン加入まで友達は出来ないのです。
れいなは久住小春の難しい質問にでも必死で考えて
なんでも答えてあげました。
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:45
-
振り付けの復習をふたりでしました。
しばらくして疲れたので休憩をしている時でした。
久住小春はふと気になったので質問しました。
「れいなさんは家族と離れて寂しくないですか?」
昔なら友達が居るから寂しくない。と言えなかったけれど
今ならはっきり言えます。だって小春ちゃんがいるから。
「れいなはもう寂しくなか。小春ちゃんは?」
「やっぱり寂しいです。まだ東京には友達もいないですし」
「・・・・・・。」
久住小春はれいなが黙ってしまったので他の質問をしました。
質問しないとその場の空気を保てないのです。
「新曲のサビ前の動きがわからないんです。教えて下さい」
「ほーんと小春ちゃんはれいなが居ないと駄目っちゃ。よく見てて」
れいなは嬉しそうに実演しようと立ち上がりました。
その時です。れいなに異変が起こったのは。
れいなは下腹部をおさえて苦しみだしたのです。
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:47
-
「れいなさんどうしたんですか?」
「っま、またのきかいに・・・・・」
「大丈夫ですか?お腹でも痛いんですか?」
れいなが横に首を振ったので久住小春はピンときました。
「もしかして生理痛ですか?私も酷いんです」
「生理って何・・・・そうじゃなくてあふっまたのきかいに!」
またの機会に。っていつになったら教えてくれるんだ。
久住小春の脳裏にさゆの政治家のようなのらりくらりした対応が甦ります。
今までれいなだけはちゃんと質問に答えてくれたのに。
一緒に居てもあんまり楽しく無いけど良い人だと思っていただけに
反動で怒りが込み上げてきました。
「れいなさんまでそんな事言うんですか!ちゃんと教えて下さい!」
「こ、これは詳しく教えらあぅぅ。だからまたのきかいぁぁあ駄目たぁぁぁん」
れいなは自分の力で立ってられませんでした。
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:48
-
久住小春はショックでした。
信頼できる先輩にやっと出会えたというのに・・・・。
悲しみに包まれてながら練習スタジオを立ち去ろうとした時です。
誰かが入ってきました。
絵里とさゆでした。
さゆは久住小春を呼び止めました。
絵里はふたりを置いてどんどんと奥に進みました。
そして床で悶えているれいなを見てにやにやしました。
「おやおや、れいなどうしたの?」
「絵里・・・・・これって・・・やめああああ」
絵里が手に持ったリモコンのスイッチをポチっと押すとれいなは
腰をがくがくしながら絶叫しました。
「ちゃんとさゆのプレゼントを付けてるんだ偉いねれいなって」
「ま、まさかこれは絵里のっあぁぁぁっ」
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:50
-
「あの。れいなさんどうなってるんですか?」
「小春ちゃんはまだこんな事覚えちゃいかんあぁぁ」
「お願いします。早く色んな事を覚えたいんです。教えて下さい」
「だからまたのきかいにぃぃ・・・・あうっ」
れいなは悶絶した。目があらぬ方向を向いていた。
とても話の出来る状態ではありませんでした。
「さあて、かわりに絵里とさゆが教えてあげる」
「はい。小春ちゃんあげる。これをお股に入れると気持ちいいの」
さゆは小さな機械を久住小春に差し出しました。
「寂しい夜にはこれを使えばいいからね」
「さゆも絵里もれいなもみんな使ってるの」
「れいなのだけハイパワーに改造してあるんだけどね」
絵里がリモコンのスイッチをポチっと押すと
小春の手の中で小さな機械はブルブルと小刻みに揺れた。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:50
-
はっぴー
- 21 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:51
-
えんど
- 22 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/15(水) 02:51
-
なのれす
Converted by dat2html.pl v0.2