01 押した背中を眺めながら
- 1 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:39
- 01 押した背中を眺めながら
- 2 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:40
- かわいくってきれいな指がピンク色の丸いボタンを押した。
ピコピコと電子的な音を立てながらクレーンが横滑りを開始する。
この光景を見るのは今日で何度目だろう。
狙いの近くまで行って、ボタンから指を離す。
隣のボタンに指が移って今度は奥行きへ移動。
こういう小さなところにも
妥協せず夢中になっている姿に
この人の魅力はあるんだなぁと、改めて感じた。
「よし!」
ボタンから手が離れると
BGMが切り替わってクレーンは降下を始めた。
ウィーンと音がしそうな不恰好な動作でアームを広げる。
好き。……もうじき、手が届きそうな気がする。
降下を終えるとアームが閉じる。力強く、頼もしい動き。
やった!後藤さん取った!
本当に好き。大好きな……
私のお餅。
- 3 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:40
-
「バス代節約して歩こう。ほらっ、ちょっと使いすぎちゃったし」
石川さんのその提案に私の心臓は跳びあがった。
ドキッとするのは本日何度目だろう。
遊技場からすぐのバス停は夕暮れが妙に心地よいけど
私の心は極度の緊張状態で安らいだり感傷に浸ったりという余裕はない。
「どうせ20分くらいでしょ。ねぇこんこん?」
「……」
突然こっちに振られて
私の顔が真っ赤になってしまう。
「は…はい。いいです。歩きましょう」
「夕日もきれいだしさ、いいじゃんどうせ急いでないでしょう」
石川さんは懇願の上目遣いをする。
こういうときの石川さんは頑固だ。
それを知っているのだろう。見つめられた後藤さんは
「ん……どっちでもいいよ」
- 4 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:41
- こうして4人歩くことになった。
土手沿いをとことこ。
石川さんの言った夕日は方向的に見えない。
遊びすぎた疲れで会話は少なかったけど
たっぷり遊んだ充実感があって
沈黙が気まずくなかった。心地よかった。
大きな川の流れはゆっくりに感じられて
なんとなく疲れた私たちにふさわしい気がした。
「けっこー遊んだねー」
後藤さんが前を見たまま私に話しかけてきた。
「はい」
ちらっと私の抱えているぬいぐるみを見た。
その横顔に、またドキっとしてしまって
私は深呼吸をした。顔が熱い。
「久々に頑張っちゃった」
後藤さんは頑張っていた。
私がかわいいといったぬいぐるみを取るために
2度も両替をしてむきになっていた。
「ああいうの止まらなくなっちゃうんだよね」
- 5 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:41
- 私はこみ上げてきた言葉を一瞬飲み込んだ。
私へのプレゼント。お餅のぬいぐるみ。
「そういうキショい人形って面白いよね」
私が抱えている
お餅に目鼻がついたぬいぐるみを指差して後藤さんは笑う。
「キ……キショくなんかないです!おいしそうじゃないですか!」
私は顔の温度が上がるのも構わず反論した。
だって
これも嬉しいけど
これに必死になっていた後藤さんが……
「……嬉しかった」
私はそういってちらっと後藤さんの顔を見た。
「……」
「……」
でも続きの言葉は出なかった。
だって目が合った。
慌てて目をそらして下を向く。
- 6 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:41
- 下を向いてみると、足元に影が見えた。
後ろを歩いている2人の影が長く伸びて私のところまで届いている。
石川さんの影を踏んでいる。
私は俯き加減に後藤さんを盗み見る。
しばらく見て、目が合う直前にパッとそらした。
……どうしよう。
気持ちを打ち明けてしまえばいい。そう思うのに
言葉に出してしまったら、後藤さんを想う気持ちが壊れてしまいそうで
……言えないよ
どうしても決めていたことが言えない。
言っちゃえばいい。言ってしまえばいい。
そう思えば思うほど、身体が硬くなって心がきつくなって
声が出てくれないんだ。
心臓の音が早くなりすぎて歩いている感覚がなくなってきた。
実際、私の歩みはどんどん遅くなって
ほとんど止まっていたみたいだったけど
弱った私の心ではもう歩くことなんてできそうになかった。
どうにもならなかった。
- 7 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:41
- 後藤さんは気づかずに(やっぱマイペース)先に行ってしまう。
私はとうとう止まってしまった。呆然と。
どん、と背中に手がかけられるのを感じた。
石川さんだ。
「何してんのよ!」
「い……しかわさん」
石川さんは私の背中に気持ち寄りかかって
耳元で囁く。
「せっかくダブルデートセッティングしてやったんだから」
「で……でも」
「ふられるの怖がってたってしょうがないでしょう!」
そう言われてもプレッシャーになっちゃうよ。
私は泣きたくなった。
暖かい風がそよそよと弱虫な私を笑うみたいに漂ってくる。
石川さんはくすっと笑う。
「こんこんがごっちん告白したいって言ってきたとき
正直びっくりしたよ。好きなんだろうなーとは思ってたけど
こんこん、そういう決心したんだな、って思うとさ……」
- 8 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:41
- 後藤さんの背中が小さく見えた。遠く見えた。
やだ……行かないで!
「……なんか嬉しかった。勇気あるなって思った。
こんこんの恋、きっと上手くいくよ」
「……」
「ほらっ、頑張ってこい!」
どん、と背中に力がかかって私は前につんのめりそうになった。
石川さん、思いっきり押したな!
…………ありがとう
やってみよう。
後ろから応援してくれている。
やれるだけやってみよう!
私は小走りに後藤さんのところに戻っていく。
夕焼けを背中に受けながら
自分の影を追いかけながら
後藤さんの背中を目指して
- 9 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:42
- 追いかけている。
ずっとこうだった。
後藤さんの背中をずっと追いかけてきてた。
こんな人になれたらいい。ずっとそう思っていた。
私の
私だけの
大切な
大好きな
「後藤さん!」
「ん?」
後藤さんが私を見た。
私は思わず目を閉じて深呼吸する。
「何?どうしたの?」
後藤さんはくすくす笑っていたけど
私は笑えなかった。
苦笑いみたいな変な顔をしていたと思う。
私は言った。
「あの……話、聞いてくれますか?」
- 10 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:42
- 「何?」
「私……入ったときからずっと、後藤さんが憧れでした。目標でした」
つかえが取れた感じに言葉が出てくる。もう止められない。
「こんな人になれたらいい。ずっとそう思ってました。
でも……違ったんです」
「え?」
「後藤さんになりたいっていう気持ちは今でもあります。
でも、それだけじゃなくって……なんだろう、変な言い方だけど
後藤さんを自分のものにしたい、そう思えて……」
言葉もわけわかんないし、
声もどんどん小さくなっていった。
何て格好悪い告白だろうと思った。
後藤さんの顔も見ることができずにごにょごにょと口ごもってしまう。
はずかしい。格好悪い。
石川さん
ごめん
- 11 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:42
- 「……つまり、紺野は私が先輩じゃ不満?」
「え?」
え?なにそれ?私そういう言い方した?
ふと、おかしくなった。
……不器用な人。
後藤さんてほんっと
……私と一緒。
告白してどうなるとか
これからの関係どうなるとか、そういうのがどうでもよくなった。
私は息を大きく吸い込む。
後藤さんは足を一瞬とめて
私をまっすぐに見た。
「私……後藤さんが好き!」
声が
出た。
大きく。
- 12 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:42
- 後藤さんはふっと笑顔になる。
そして
じっくり
私の言葉をかみ締めるように息を吸い込んで
「……そう」
ぽそっと言った。
「んー」
後藤さんは次の言葉を思案しているようだった。
照れていたのかも知れない。
私の心は告白をしてしまったことで緊張の糸が一気に切れていた。
なんか
すっごくすっきりした気分。
言えた。
そのことがすごく、貴重な大切なものに思えたのだった。
◇
- 13 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:43
-
バスの時間を素早くチェックするとあと3分で来る。
ごっちんが時刻表に目をやる前に決めなきゃ。
「ねぇ……バス、しばらく来ないよ!」
自分の声がうわずって、ただでさえ高い声がさらに高かった。
「バス代節約して歩こう。ほらっ、ちょっと使いすぎちゃったし」
私は、こんこんを見る。今日、何度か告白のチャンスを逃していた。
「どうせ20分くらいでしょ。ねぇこんこん?」
「……」
私の意図を察したようにびくっとなった。ちょっと面白い。
「は…はい。いいです。歩きましょう」
「夕焼けもきれいだしさ、いいじゃんどうせ急いでないでしょう」
あとはごっちんさえ説得すれば……と思っていたら
「ん……どっちでもいいよ」
ごっちんも案外すんなりと、私の提案を受け入れてくれた。
- 14 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:43
- 私はわざとゆっくり歩いて、前の2人との距離を取った。
これが最後のチャンスだから……。
暖かい風がなびいてきて
隣からいい匂いがした。
声をかける。
「桃ちゃん、疲れた?」
「いえ、まだ大丈夫ですよ」
「やっぱ若いよなぁ」
「石川さんも若いですよー」
夕焼けに頬を染めた桃ちゃんは
かわいい声でくすくすと笑う。
「まさか誘ってくれると思わなかったんで
テンション上がっちゃいました」
桃ちゃんの憧れは私。
最初に会ったときから私のこと大好きと言ってくれて
この子の声はすっごくくすぐったかった。
まるで脳をくすぐられるみたいな声だった。
「だってあの2人に私だけじゃ気まずいから」
「え?」
桃ちゃんはきょとんと前の2人を見た。
- 15 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:43
- 「なんでですか?後藤さんたち、どうかしたんですか?」
「……桃ちゃん?気づいてない?」
中学生だからもうそういうのもわかる年頃だろう。
「あっ、やっぱりそうなんだ」
桃ちゃんはちょっと低い声でそういう。
「うん、それでセッティングしたのよ」
「そっか、それだと4人必要ですもんね」
「違う!」
私は急に叫んでしまった。
「え?」
桃ちゃんがびっくりしていた。
「い……いや、だからせっかくこんこんに付き合うんだから
私たちもエンジョイしたいじゃない。だからさ、ほら……」
何言ってんだ私?テンパった私は話をどうにか収めようと必死だった。
- 16 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:44
- そのとき
「あれ?」
こんこんの背中がぐんぐん近づいてきて追いついてしまった。
どん、と背中に手をかけてみる。
「何してんのよ!」
「い……いしかわさん」
こんこんはすっごい追い詰められた顔。
どうした?勇気……なくなっちゃった?
「せっかくダブルデートセッティングしてやったんだから」
「で……でも」
「ふられるの怖がってたってしょうがないでしょう!」
こんこんが泣きそうな顔でこっちを見てくる。
「こんこんがごっちん告白したいって言ってきたとき
正直びっくりしたよ。好きなんだろうなーとは思ってたけど
こんこん、そういう決心したんだな、って思うとさ……」
憧れの先輩、それだけで満足しないこんこんをちょっと見直したんだよ。
だって……
- 17 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:44
- 「……なんか嬉しかった。勇気あるなって思った。
こんこんの恋、きっと上手くいくよ」
先輩後輩の壁を越える勇気。私にも欲しいんだから。
「……」
「ほらっ、頑張ってこい!」
どん、と背中を思いっきり押してやった。
こんこんはごっちんまで小走りになる。
「ふうっ……」
「紺野さん、告白するんですか?」
「だってそのためのデートだもん」
「そっか」
本当は、それだけじゃないけどね。
「ごっちんも悪く思ってないはずだけどな」
桃ちゃんがこっちを見た。
「じゃあ、両思い?」
その表情はちょっと興奮気味で、それもかわいかった。
- 18 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:44
- 「いや、わかんないけどね。
でも……」
すっと、桃ちゃんを真っ直ぐ見た。
向こうも真っ直ぐ見返してきて
私の胸が急にすっぱくなった。
「気になるもんだよ。
自分のこと見ていてくれる後輩の存在って」
「ふーん」
桃ちゃんはそう言ったきりだった。
「……」
ちょっと間が悪くなって前を見る私。
こんこんはごっちんに追いついたみたい。
憧れの気持ちをもっと強く、もっと深く。
こんこんはごっちんに話しはじめていた。
……桃ちゃん。
君には先輩がどう映っているの?
君にとって先輩は
どこまでいっても憧れなのかな?
- 19 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:44
- 前の2人は遠かった。
私の歩みが知らず、遅れていたのだろうか。
桃ちゃんとの距離は一向縮まらない。
なかなか縮まってくれない。
それが悔しくってもどかしくってじれったくて、
踏み込む勇気のない自分が嫌でしょうがなかった。
ま、いいや。
今日は楽しかったし。
これからもこのくらいの距離で満足したほうがいいのかも……
私の心が見苦しい開き直りをはじめたそのとき、
「私……後藤さんが好き!」
こっちまではっきりと聞こえてきた。
私たちは立ち止まる。
「言った……」
桃ちゃんの顔がぽおと赤くなった。
すごい!言った。
- 20 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:44
- 2人は交差点を曲がって橋を渡ろうとする。
駅はもうすぐそこだ。
私はもう一度窺うように話しかけてみる。
「ねぇ……桃ちゃん」
「はい?」
「また、遊ぼうよ」
「はい!誘ってください!」
やってみよう。
こんこんが勇気をくれた。
やれるだけやってみよう。
「今度はさ……2人で遊び行かない?」
「……え?」
私たちも橋に差し掛かった。
夕日を川がきらきらと反射してまぶしかった。
「ねぇ……きれいだよ」
私は桃ちゃんの肩を取って手すりのとこまで連れて行く。
ちょっと強引に。私……ここへきて強気になってる。
でも
最後のチャンスだ。
- 21 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:44
- 「い……いしかわさん」
桃ちゃんは、金縛りみたく身体をかたくして
川を見下ろしている。
私はそんな桃ちゃんを見ることができずに
自分も川を見ながら言葉を紡いでいく。
「あのね……聞いてくれる?」
「…はい」
「桃ちゃんいつも、私のこと見ててさ……
そういうのってすっごく照れくさかった」
自分の心臓の音がうるさいくらいに鳴っている。
一度大きく息を吸って続けた。
「気がついたら、桃ちゃんとお仕事で会うようなとき
いつもより気合入れてる自分がいた……。
こんなのっておかしい?」
桃ちゃんはふるふると首を振る。
「会わないときでもずっと気になった。
桃ちゃんならどう見るだろう。
桃ちゃんなら私をどう評価するだろう。
ずっと気になって、もう忘れられなかった」
桃ちゃんがくいっとこちらを見た。
私は桃ちゃんの耳元で話していたもんだから
すぐ近くで目が合った。
- 22 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:45
- 桃ちゃんの目は
それって告白ですか?
そう聞いていた。
ちらっと横目にみるとごっちんたちは橋を渡り終えるところだった。
そうだな……。私がはっきりしなくちゃ
桃ちゃん何も言えないもんな。
勇気を持って……
私は息を吸い込んで目を一旦閉じる。
「私と……付き合ってください」
ずっと伝えたかったセリフ。
恥ずかしくて死んでしまいそうなセリフ。
君の声みたく、くすぐったいセリフ。
桃ちゃんの表情が一瞬
笑ったみたいに見えたと思ったら
今度は顔が歪んだ。
「あーーーーーっ!」
突然桃ちゃんがしゃがみこんだ。
- 23 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:45
- 「びっくりしたー。
そんなこと言われるなんて思ってなかったー!
あーーーー、どうしようどうしよう!」
桃ちゃんテンパった。
「だ……大丈夫?」
桃ちゃんは今にも泣きそう。
「ちょっと、立てる?ほらっ」
私は思わずいつもの調子で手を差し出した。
桃ちゃんの手を掴んで引っ張って立たせる。
「びっくりさせてごめん、ごめんね」
「いえ、あの……ごめんなさい。急にだったから……」
「と……とりあえず行こう。もう駅だから」
「……はい」
- 24 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:45
- 「石川さん……前」
桃ちゃんがそういうので見てみると
ごっちんたちは手をつないでいた。
指先と指先だけで遠慮がちに手をつないでいるのが
あの2人らしくっておかしかった。
「……おめでとう、こんこん」
ずっと後ろから見る2人の空気は
それでも見ていて暖かくなれる感じがした。
「石川さん……」
「ん?」
桃ちゃんが自分の手に目をやる。
あ……
そういえば私たちも手をつないでる……。
- 25 名前:01 押した背中を眺めながら 投稿日:2005/06/11(土) 00:45
- 「次は、あの2人の邪魔をしちゃいけませんよね」
桃ちゃんの返事だった。
気持ち、桃ちゃんがこっちに詰めてきた。
桃ちゃんの肩がぶつかるくらいの距離。
「……そうだね」
私は踊り出したくなるような気持ちを抑えて言った。
歩いている感覚がないくらい、幸せだった。
「ごっちん……どう言ってOKしたのかな?」
照れ隠しに話題をそらした。
「わかりません……」
「今度、問いつめてやろうっと。
覚えてないとか言ったら叩いてやる」
「私……」
桃ちゃんは私の手を強く握り締めて言った。
「今日の石川さんの言葉……絶対忘れませんから!」
「桃ちゃん……ありがと」
駅の方を見ると、2人の背中はもう見えないくらい小さくなっていた。
―終わり―
- 26 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
- このスレッドは最大記事数を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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